説明

画像形成システム、サーバ装置および画像形成装置

【課題】 システム構成(不適切な認証方式)に起因してユーザ認証が失敗するであろうことを、印刷処理の実行前に画像形成装置が検出することができるようにする。
【解決手段】 複合機3は、ユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定を有し、複合機3の制御手段は、起動時に、ユーザ認証設定をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2は、所定の複数の中継処理方式からこのサーバ装置で実行する画像形成装置の中継処理を指定する中継処理設定と、ユーザ認証設定の取り得る値と中継処理設定の取り得る値との組み合わせが適合するか否かを示す適合性データとを有し、サーバ装置2の認証処理手段は、複合機3からユーザ認証設定を受信すると、適合性データに基づいて、ユーザ認証設定が中継処理設定に適合するか否かを判定し、サーバ装置2のデータ送信手段は、認証処理手段による判定結果を複合機3の制御手段に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、サーバ装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された画像形成装置には、パーソナルコンピュータからのプリントコマンドを受信すると、ネットワーク上のファイルサーバから文書ファイルを取得し、その文書ファイルをビットマップ画像に展開し、ビットマップ画像に基づいて印刷を行うものがある(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
その画像形成装置では、コピージョブの実行中の場合、コピージョブ終了後に、IDカードからユーザIDが取得され、そのユーザIDと文書ファイルのユーザ識別子とが一致するか否かが判定され、両者が一致することを確認した後に、その文書ファイルに基づく印刷が実行される。
【0004】
一方、コピージョブが実行されていない場合には、ただちに文書ファイルに基づく印刷が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−251358号公報
【特許文献2】特開2004−168065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のシステムでは、パーソナルコンピュータから画像形成装置へプリントコマンドが供給されると、コピージョブが実行中でなければ、印刷が開始される。したがって、印刷実行時には、ユーザがパーソナルコンピュータの設置場所におり、画像形成装置の設置場所にはいない。このため、ユーザが画像形成装置の設置場所まで印刷物を取りに行くまで、印刷物が放置されてしまい、機密保持の観点から好ましくない。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、機密漏洩を防止できる画像形成システム、並びに、そのシステムに使用可能なサーバ装置および画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0009】
本発明に係る画像形成システムは、ネットワークに接続された少なくとも1つの画像形成装置と、そのネットワークに接続されたサーバ装置と、そのネットワークに接続され、文書データから画像出力データを生成し前記サーバ装置へ送信するクライアント装置とを備える。そして、サーバ装置は、ネットワークに接続された第1通信装置と、第1通信装置で画像出力データを受信するデータ受信手段と、その画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、第1通信装置でネットワークを介して画像形成装置または画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データをその画像形成装置へ第1通信装置で送信するデータ送信手段とを有する。
【0010】
また、画像形成装置は、ネットワークに接続された第2通信装置と、ユーザ操作に基づいてユーザ認証情報を取得する取得手段と、第2通信装置でユーザ認証情報をサーバ装置へ送信し、第2通信装置で画像出力データをサーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段とを有する。
【0011】
さらに、画像形成装置は、ユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定を有し、画像形成装置の制御手段は、起動時に、ユーザ認証設定をサーバ装置へ送信する。サーバ装置は、所定の複数の中継処理方式からこのサーバ装置で実行する画像形成装置の中継処理を指定する中継処理設定と、ユーザ認証設定の取り得る値と中継処理設定の取り得る値との組み合わせが適合するか否かを示す適合性データとを有し、サーバ装置の認証処理手段は、画像形成装置からユーザ認証設定を受信すると、適合性データに基づいて、ユーザ認証設定が中継処理設定に適合するか否かを判定し、サーバ装置のデータ送信手段は、認証処理手段による判定結果を画像形成装置の制御手段に送信する。
【0012】
これにより、画像出力データがサーバ装置により一旦保存され、画像形成装置の設置場所からサーバ装置のユーザ認証を経ないと、画像出力データが画像形成装置へ供給されない。このため、ユーザが印刷後すぐに画像形成装置から印刷物を取ることができる。したがって、画像形成装置からの機密漏洩を防止できる。
【0013】
また、システム構成(不適切な認証方式)に起因してユーザ認証が失敗するであろうことを、印刷処理の実行前に画像形成装置が検出することができる。
【0014】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、ユーザ認証設定が中継処理設定に適合しない場合には、中継処理設定に適合する設定にユーザ認証設定を変更する。
【0015】
これにより、印刷処理の実行前に、認証方式の不適合を解消し、不適切な認証方式に起因する印刷処理の失敗を防止することができる。
【0016】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成システムは、ネットワークに接続され、登録済みのユーザ認証情報を有し、登録済みのユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証サーバ装置を備える。サーバ装置の認証処理手段は、画像形成装置または電子機器からのユーザ認証情報を第1通信装置で認証サーバ装置へ送信してユーザ認証を実行させ、第1通信装置で認証サーバ装置からユーザ認証の結果を受信し、その結果に基づいて、ユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する。
【0017】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、ユーザ認証情報のユーザの画像出力データのリストをサーバ装置から取得し、ユーザ操作に基づいてリストから画像出力データを選択し、選択した画像出力データの送信要求をサーバ装置へ送信し、その画像出力データをサーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる。そして、サーバ装置のデータ送信手段は、画像形成装置から要求された画像出力データを、ユーザ認証情報および要求を送信した画像形成装置へ送信する。
【0018】
これにより、一部の画像出力データのみについて画像形成処理を実行させることができ、サーバ装置へ画像出力データを保存させた後に、各画像出力データを画像形成装置へ供給するタイミングをユーザが決定することができる。
【0019】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、複数の画像形成処理のうちの一部についてのみユーザ認証情報をサーバ装置へ送信し、ユーザ認証情報が正当なものであると判定された後に、画像出力データをサーバ装置から受信してその画像出力データに基づきその画像形成処理を行わせ、複数の画像形成処理のうちの残りについては、ユーザ認証情報が正当なものであるか否かの判定を経ずに、その画像形成処理を行わせる。サーバ装置のデータ送信手段は、複数の画像形成処理のうちの残りの場合、認証処理手段によるユーザ認証を経ずに、画像出力データを、画像形成装置へ第1通信装置で送信する。
【0020】
これにより、例えば、印刷、ファクシミリ送信といった2つの画像形成処理のうちの1つのみ(例えば印刷)について、サーバ装置によるユーザ認証を導入し、もう1つ(ファクシミリ送信)については、クライアント装置からサーバ装置へ画像出力データを直接供給することができる。
【0021】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が保持されていない場合、ユーザ認証情報のユーザに対応する使用量制限情報の送信要求を第2通信装置でサーバ装置へ送信し、第2通信装置で使用量制限情報を受信し、受信した使用量制限情報が使用量が無制限であることを示すものである場合には、その使用量制限情報を保持する。そして、サーバ装置のデータ送信手段は、ユーザ認証情報が正当なものであると判定されている場合、使用量制限情報の送信要求が受信されると、そのユーザ認証情報のユーザに対応する使用量制限情報を画像形成装置へ送信する。
【0022】
使用量制限がない場合、使用量に応じて使用を禁止することがないため、リアルタイムで使用量を監視する必要がない。このため、使用量制限がない場合、画像形成装置では、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が受信されると、それを保持して、次回の使用量制限情報の要求を省略する。したがって、使用開始時の処理の所要時間が短くなる。
【0023】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、起動時に、第2通信装置でサーバ装置へアクセスし、サーバ装置からの応答がない場合には、エラーメッセージを所定の表示装置に表示させる。
【0024】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、サーバ装置以外の装置からの画像出力データを受信しない。
【0025】
これにより、画像形成装置からの機密漏洩を防止できる。
【0026】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、サーバ装置以外の装置から受信した画像出力データについて、画像形成装置の一部の機能の利用を禁止する。
【0027】
これにより、サーバ装置以外の装置から受信した画像出力データについては、カラー印刷、高速印刷などといった高性能機能の利用を禁止することで、ユーザがサーバ装置を利用する動機を高めることができる。
【0028】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置の制御手段は、第2通信装置で、サーバ装置以外の装置からの画像出力データを受信した場合、その画像出力データをサーバ装置へ転送する。そして、サーバ装置のデータ受信手段は、第1通信装置でその画像出力データを受信し、サーバ装置のデータ管理手段は、その画像出力データを所定の記憶装置に格納する。
【0029】
これにより、画像形成装置からの機密漏洩を防止できる。
【0030】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムに加え、次のようにしてもよい。この場合、サーバ装置のデータ管理手段は、転送されてきた画像出力データを、所定のユーザのユーザ認証情報に関連付けて所定の記憶装置に格納する。
【0031】
これにより、その所定のユーザ(例えば管理者)が、サーバ装置を経由しないで印刷しようとしたジョブの発生を監視することができる。
【0032】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記の画像形成システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、画像出力データは、ページ記述言語で記述された印刷データである。
【0033】
本発明に係るサーバ装置は、ネットワークに接続された通信装置と、通信装置で画像出力データを受信するデータ受信手段と、画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、通信装置でそのネットワークを介して画像形成装置または画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、ユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、画像形成装置からの要求に応じて、画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データを、画像形成装置へ通信装置で送信するデータ送信手段と、所定の複数の印刷処理方式からこのサーバ装置で実行する画像出力データの中継処理を指定する中継処理設定と、画像形成装置におけるユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定の取り得る値と中継処理設定の取り得る値との組み合わせが適合するか否かを示す適合性データとを備える。そして、認証処理手段は、ユーザ認証設定を画像形成装置から受信すると、適合性データに基づいて、ユーザ認証設定が中継処理設定に適合するか否かを判定し、データ送信手段は、認証処理手段による判定結果を画像形成装置の制御手段に送信する。
【0034】
本発明に係る画像形成装置は、ネットワークに接続された通信装置と、ユーザ操作に基づいてユーザ認証情報を取得する取得手段と、ネットワークに接続されているサーバ装置へ通信装置でユーザ認証情報および画像出力データの送信要求を送信し、画像出力データのうち、ユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データを、通信装置でサーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段と、画像形成装置におけるユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定とを備える。そして、制御手段は、起動時に、前記ユーザ認証設定を前記サーバ装置へ送信し、適合性の判定結果を前記サーバ装置から受信する。この適合性の判定結果は、サーバ装置が有する適合性データに基づいて、サーバ装置が有する中継処理設定に、送信したユーザ認証設定が適合するか否かの判定結果である。中継処理設定は、所定の複数の印刷処理方式から前サーバ装置で実行する画像出力データの中継処理を指定し、適合性データは、ユーザ認証設定の取り得る値と中継処理設定の取り得る値との組み合わせが適合するか否かを示す。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、画像形成システムにおける機密漏洩を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1における複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す画像形成システムにおいて、複合機でジョブを実行させる際の処理を説明する図である。
【図5】実施の形態1における、画像出力データのリストを表示する画面の一例を示す図である。
【図6】図1に示す画像形成システムにおいて、プリンタで印刷を実行させる際の処理を説明する図である。
【図7】実施の形態3における複合機の使用量管理処理について説明するフローチャートである。
【図8】実施の形態4におけるエラーメッセージの表示画面の一例を示す図である。
【図9】実施の形態5における適合性データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0038】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0039】
この画像形成システムでは、クライアント装置1、サーバ装置2、複合機3、プリンタ4およびカードリーダ5、並びに認証サーバ装置6が、ネットワーク7を介して互いに接続されている。これらの装置には、ネットワーク7において一意に特定可能な識別子(IPアドレス、マシン名など)が割り当てられている。
【0040】
クライアント装置1は、パーソナルコンピュータなどといった、ユーザにより操作される端末装置である。クライアント装置1は、プリンタドライバなどといった出力ドライバ11を有する。出力ドライバ11は、文書データから画像出力データを生成する処理部である。文書データは、アプリケーションで生成されデータファイルとして保存されているデータである。画像出力データは、例えば、ページ記述言語(Page Description Language )により記述された印刷データである。
【0041】
サーバ装置2は、ネットワーク7に接続されたコンピュータ装置であり、出力データ管理部21および出力データ記憶部22を有する。出力データ管理部21は、クライアント装置1から受信された画像出力データを、出力データ記憶部22に格納する処理部である。
【0042】
複合機3は、画像出力データに基づき画像形成処理を実行する画像形成装置である。画像形成処理には、印刷、ファクシミリ送信、コピーなどがある。この複合機3は、カードリーダ31を有する。カードリーダ31は、ログイン時にユーザのIDカード101を近づけられると、そのIDカードからそのユーザのユーザ認証情報を読み取る。IDカードは、ICカードなどである。ユーザ認証情報は、ユーザID、暗号化されたユーザIDなどである。複合機3は、ユーザのユーザ認証情報をサーバ装置2に送信し、そのユーザがクライアント装置1からサーバ装置2へ送信した画像出力データを受信し、その画像出力データに基づき画像形成処理を実行する。
【0043】
プリンタ4は、サーバ装置2からネットワーク7を介して供給された画像出力データに基づき印刷を実行する画像形成装置である。カードリーダ5は、プリンタ4と同一の場所に設置されており、プリンタ4に予め関連付けられている。カードリーダ5は、ユーザのIDカード101を近づけられると、そのIDカードからそのユーザのユーザ認証情報を読み取り、ネットワーク7を介してサーバ装置2へ送信する。
【0044】
認証サーバ装置6は、ネットワーク7に接続されたコンピュータ装置であり、ユーザ登録データ61および機器登録データ62を有する。ユーザ登録データ61は、正規ユーザのユーザ認証情報を有する。機器登録データ62は、プリンタ4とカードリーダ5との対応関係の情報を有する。認証サーバ装置6は、サーバ装置2からユーザ認証の要求があると、ユーザ登録データ61を参照してユーザ認証処理を行い、認証結果を応答としてサーバ装置2へ送信する。また、認証サーバ装置6は、カードリーダ5に対応する画像形成装置の問い合わせがあると、機器登録データ62を参照して、カードリーダ5に対応する画像形成装置(ここではプリンタ4)をサーバ装置2へ通知する。認証サーバ装置6としては、例えば、アクティブディレクトリサーバが稼働している装置が使用される。
【0045】
ネットワーク7は、例えば、有線および/または無線のLAN(Local Area Network)である。
【0046】
次に、サーバ装置2および複合機3の詳細な構成について説明する。
【0047】
図2は、図1におけるサーバ装置2の構成を示すブロック図である。
【0048】
図2において、CPU(Central Processing Unit )201は、プログラムを実行し、プログラムに記述された処理を実行する演算処理装置である。また、ROM(Read Only Memory)202は、プログラムおよびデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。また、RAM(Random Access Memory)203は、プログラムを実行する際にそのプログラムおよびデータを一時的に記憶するメモリである。
【0049】
また、HDD(Hard Disc Drive)204は、図示せぬオペレーティングシステム、サーバプログラム211などを格納する記録媒体を有する記憶装置である。この実施の形態1では、サーバプログラム211がCPU201で実行されることにより、出力データ管理部21、通信処理部221、認証処理部222、および使用量監視部223が実現される。
【0050】
通信処理部221は、ネットワークインタフェースカード205を制御し、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )といった通信プロトコルでデータを送受する処理部である。通信処理部221は、ネットワークインタフェースカード205で画像出力データを受信するとともに、画像出力データを、複合機3、プリンタ4などの画像形成装置へネットワークインタフェースカード205で送信する。
【0051】
認証処理部222は、通信処理部221を使用して、ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、ネットワークインタフェースカード205でネットワーク7を介して複合機3、またはプリンタ4に予め関連付けられているカードリーダ5から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する処理部である。
【0052】
使用量監視部223は、ユーザまたはユーザの属する部門ごとに、複合機3およびプリンタ4において実行される画像形成処理(印刷、ファクシミリ送信、コピーなど)に伴うページ数などの使用量を監視する処理部である。
【0053】
また、ネットワークインタフェースカード205は、ネットワーク7に接続された通信装置である。
【0054】
また、記憶装置206は、各種データを格納する装置である。記憶装置206としては、ハードディスクドライブ、不揮発性の半導体メモリなどが適宜使用される。記憶装置206の一部の領域が出力データ記憶部22として使用される。また、記憶装置206は、使用量データ231および設定データ232を格納する。使用量データ231は、ユーザまたはそのユーザの属する部門ごとに、複数の項目のそれぞれについての使用量の値および上限値を有する。設定データ232は、CPU201により実現される処理部の処理実行時に参照されるデータである。なお、使用量データ231および設定データ232は、記憶装置206とは別の記憶装置に格納されるようにしてもよい。また、実施の形態1では、出力データ記憶部22は、サーバ装置2内にあるが、サーバ装置2に接続される外部装置内にあってもよいし、ネットワーク7に接続されたファイルサーバやデータベースサーバ内にあってもよい。
【0055】
CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、NIC205および記憶装置206は、バス、コントローラ、インタフェースなどを介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0056】
図3は、図1における複合機3の構成を示すブロック図である。
【0057】
複合機3は、カードリーダ31、ネットワークインタフェースカード301、印刷装置302、モデム303、画像読取装置304、記憶装置305、制御装置306および操作パネル307を有する。
【0058】
ネットワークインタフェースカード301は、ネットワーク7に接続された通信装置である。
【0059】
印刷装置302は、例えばレーザ印刷機構を有し、画像出力データから印刷画像を形成し、その印刷画像に対応する制御信号を生成し、その制御信号で印刷機構を制御して、印刷用紙に画像を印刷する装置である。
【0060】
モデム303は、画像出力データからファクシミリ画像を形成し、そのファクシミリ画像に対応するファクシミリデータを生成し、そのファクシミリデータを送信する装置である。また、モデム303は、ファクシミリデータを受信すると、そのファクシミリデータに対応するファクシミリ画像のデータを生成する。
【0061】
画像読取装置304は、原稿画像を光学的に読み取り、その原稿画像の画像データを生成する装置である。
【0062】
記憶装置305は、設定データ311を格納する装置である。記憶装置305としては、ハードディスクドライブ、不揮発性の半導体メモリなどが適宜使用される。設定データ311は、制御装置306による処理実行時に参照されるデータである。
【0063】
制御装置306は、印刷装置302、モデム303および画像読取装置304を制御して画像形成処理を実行させる装置である。また、制御装置306は、カードリーダ31により取得されたユーザ認証情報をネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信し、サーバ装置2から画像出力データをネットワークインタフェースカード301で受信する処理を実行する。なお、制御装置306は、例えば制御プログラムをマイクロプロセッサで実行することにより実現される。また、印刷画像の形成およびファクシミリデータの生成は、制御装置306が実行してもよい。
【0064】
操作パネル307は、表示装置および入力装置を有し、複合機3の設置場所にいるユーザが使用可能なユーザインタフェースである。表示装置としては、例えば液晶ディスプレイが使用され、入力装置としては、例えば、タッチパネルおよび複数のキースイッチが使用される。
【0065】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0066】
まず、カードリーダを有する画像形成装置でジョブを実行させる際の処理を説明する。
【0067】
図4は、図1に示す画像形成システムにおいて、複合機3でジョブを実行させる際の処理を説明する図である。
【0068】
クライアント装置1では、ユーザが図示せぬアプリケーションを介して出力ドライバ11を起動する。出力ドライバ11は、文書データに対応する画像出力データを生成し(ステップS1)、図示せぬネットワークインタフェースカードを介してサーバ装置2へ送信する(ステップS2)。このとき、画像出力データとともに、そのユーザのユーザ認証情報が送信される。あるいは、ユーザ認証情報に関連付けられている識別情報が画像出力データとともに送信される。
【0069】
その画像出力データは、サーバ装置2により受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205を介して通信処理部221がその画像出力データを受信する。出力データ管理部21は、その出力データを、そのユーザ認証情報に関連付けて、出力データ記憶部22に格納する(ステップS3)。
【0070】
これにより、画像出力データがサーバ装置2において一旦保持される。
【0071】
その後、ユーザは複合機3の設置場所へ行き、ログイン操作を行う。この実施の形態1では、ログイン操作として、ユーザは、自己に割り当てられたIDカード101をカードリーダ31にかざす。複合機3のカードリーダ31は、近づけられたIDカード101を検出すると、そのIDカード101からユーザ認証情報を読み出す(ステップS4)。
【0072】
制御装置306は、カードリーダ31によりユーザ認証情報が読み出されると、ネットワークインタフェースカード301で、ユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報をサーバ装置2へ送信する(ステップS5)。
【0073】
そのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報はサーバ装置2に受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205を介して通信処理部221がそのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を受信する。ユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報が受信されると、認証処理部222は、ユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を、ネットワーク7を介して認証サーバ装置6へ送信する(ステップS6)。
【0074】
認証サーバ装置6は、そのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を受信すると、ユーザ登録データ61を参照し、受信したユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS7)。そして、認証サーバ装置6は、その認証結果を応答としてサーバ装置2へ送信する(ステップS8)。
【0075】
サーバ装置2の通信処理部221は、ネットワーク7およびネットワークインタフェースカード205を介して、その認証結果を受信し、認証処理部222へ供給する。認証処理部222は、その認証結果に基づいて複合機3からのユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS9)。
【0076】
そして、認証処理部222が、複合機3からのユーザ認証情報が正規のものであると判定した場合には、出力データ管理部21は、出力データ記憶部22内の画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データのリストを生成し、通信処理部221に、そのリストを複合機3へ送信させる(ステップS10)。通信処理部221は、そのリストを、ネットワークインタフェースカード205およびネットワーク7を介して、複合機3へ送信する。
【0077】
なお、認証処理部222が、複合機3からのユーザ認証情報が正規のものではないと判定した場合には、認証処理部222が、通信処理部221を使用して、認証結果のみを複合機3へ送信する。
【0078】
送信したユーザ認証情報についてのユーザ認証が成功した場合、複合機3の制御装置306は、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データのリストを、ネットワークインタフェースカード205で受信し、操作パネル307の表示装置に表示させる。
【0079】
図5は、実施の形態1における、画像出力データのリストを表示する画面の一例を示す図である。図5に示すように、リストには、ユーザID、画像出力データのサーバ保存日時、ページ数、およびサムネイル画像が含まれている。ユーザIDは、ユーザ認証情報の一部、またはユーザ認証情報に対応する識別情報である。また、サーバ装置2の出力データ管理部21が画像出力データの先頭ページのサムネイル画像データを生成し、リストに付加する。図5に示すサムネイル画像は、そのサムネイル画像データに基づいて表示される。
【0080】
その後、操作パネル307の入力装置に対してユーザによる選択操作があると(ステップS11)、制御装置306は、その選択操作に従って、リストから画像出力データを選択し、その画像出力データの送信要求を、ネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信する(ステップS12)。例えば図5に示すようなリストの場合、サーバ保存日時またはシリアル番号により、選択された画像出力データが特定される。
【0081】
サーバ装置2において、その送信要求が通信処理部221により受信されると、出力データ管理部21は、要求された画像出力データを読み出し、通信処理部221に、その画像出力データを複合機3へ送信させる(ステップS13)。
【0082】
なお、出力データ管理部21は、画像出力データが送信された後に、その画像出力データを出力データ記憶部22から削除するようにしてもよい。あるいは、出力データ管理部21は、画像出力データが送信された後に、所定の期間の経過後に、その画像出力データを自動的に出力データ記憶部22から削除するようにしてもよい。
【0083】
複合機3の制御装置306は、その画像出力データをネットワークインタフェースカード301で受信し、ユーザが操作パネル307で選択した画像形成処理を実行させる(ステップS14)。例えば、図5に示す画面において、印刷ボタンが押下されると(ステップS11)、印刷装置302を使用して画像出力データに基づく印刷が実行され、ファクシミリ送信ボタンが押下されると(ステップS11)、モデム303を使用して画像出力データに基づくファクシミリ送信が実行される。
【0084】
なお、ユーザ認証が成功した場合、認証処理部22は、このセッションに固有のセッションIDを生成し、通信処理部221が、そのセッションIDをリストとともに複合機3へ送信する。複合機3の制御装置306は、セッションIDを画像出力データの送信要求に付加してから、画像出力データの送信要求をサーバ装置2へ送信する。
【0085】
このように、画像出力データを発行したユーザが複合機3の設置場所にいるときに、画像出力処理のジョブが実行されるため、機密漏洩の可能性を低減することができる。
【0086】
次に、カードリーダを有さない画像形成装置でジョブを実行させる際の処理を説明する。
【0087】
図6は、図1に示す画像形成システムにおいて、プリンタ4で印刷を実行させる際の処理を説明する図である。
【0088】
まず、複合機3で画像形成処理を行わせる場合と同様にして、画像出力データがクライアント装置1からサーバ装置2へ伝送され、サーバ装置2において保持される(ステップS1〜S3)。
【0089】
プリンタ4で印刷を実行させる場合には、ユーザはプリンタ4とカードリーダ5の設置場所へ行き、ログイン操作を行う。この実施の形態1では、ログイン操作として、ユーザは、自己に割り当てられたIDカード101をカードリーダ5にかざす。カードリーダ5は、近づけられたIDカード101を検出すると、そのIDカード101からユーザ認証情報を読み出し(ステップS21)、ネットワーク7を介してサーバ装置2へ送信する(ステップS22)。
【0090】
そのユーザ認証情報はサーバ装置2に受信される。サーバ装置2では、ネットワークインタフェースカード205で、通信処理部221がそのユーザ認証情報を受信する。カードリーダ5からのユーザ認証情報が受信されると、認証処理部222は、そのユーザ認証情報を、ネットワーク7を介して認証サーバ装置6へ送信する(ステップS23)。
【0091】
認証サーバ装置6は、そのユーザ認証要求およびそのユーザ認証情報を受信すると、ユーザ登録データ61を参照し、受信したユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS24)。そして、認証サーバ装置6は、その認証結果を応答としてサーバ装置2へ送信する(ステップS25)。
【0092】
サーバ装置2の通信処理部221は、ネットワーク7およびネットワークインタフェースカード205を介して、その認証結果を受信し、認証処理部222へ供給する。認証処理部222は、その認証結果に基づいてカードリーダ5からのユーザ認証情報が正規のものであるか否かを判定する(ステップS26)。
【0093】
そして、認証処理部222は、カードリーダ5からのユーザ認証情報が正規のものであると判定した場合には、認証サーバ装置6に、そのカードリーダ5に関連付けられている画像形成装置を問い合わせ、認証サーバ装置6からその応答を受信し、その応答に基づいて、画像出力データの送信先となる画像形成装置(ここでは、プリンタ4)を特定する(ステップS27)。このとき、認証サーバ装置6は、その問い合わせを受信すると、機器登録データ62を参照して、カードリーダ5に関連付けられている画像形成装置を特定し、その画像形成装置を示す応答をサーバ装置2へ送信する。
【0094】
そして、出力データ管理部21は、出力データ記憶部22内の画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データを読み出し、通信処理部221に、特定された画像形成装置(ここではプリンタ4)へ送信させる(ステップS28)。通信処理部221は、ネットワークインタフェースカード205で、画像出力データを順番に、ネットワーク7を介してプリンタ4へ送信する。
【0095】
なお、認証処理部222が、カードリーダ5からのユーザ認証情報が正規のものではないと判定した場合には、今回のセッションを終了する。
【0096】
カードリーダ5から送信したユーザ認証情報についてのユーザ認証が成功した場合、プリンタ4は、画像出力データを順番に受信し、その画像出力データに基づき印刷を実行する(ステップS29)。
【0097】
このように、画像出力データを発行したユーザがプリンタ4およびカードリーダ5の設置場所にいるときに、印刷ジョブが実行されるため、機密漏洩の可能性を低減することができる。
【0098】
以上のように、上記実施の形態1によれば、クライアント装置1は、文書データから画像出力データを生成しサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2では、通信処理部221が、ネットワークインタフェースカード205でその画像出力データを受信し、出力データ管理部21が、その画像出力データを出力データ記憶部22に格納する。そして、認証処理部222は、ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、ネットワークインタフェースカード204でネットワーク7を介して複合機3、またはプリンタ4に予め関連付けられているカードリーダ5から受信し、そのユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する。通信処理部221は、そのユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、画像出力データのうち、そのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データを、複合機3またはプリンタ4へネットワークインタフェースカード205で送信する。
【0099】
これにより、画像出力データがサーバ装置2により一旦保存され、複合機3、プリンタ4といった画像形成装置の設置場所からサーバ装置2のユーザ認証を経ないと、画像出力データがその画像形成装置へ供給されない。このため、ユーザが印刷後すぐに画像形成装置から印刷物を取ることができる。したがって、複合機3およびプリンタ4からの機密漏洩を防止できる。
【0100】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る画像形成システムは、実施の形態1に係る画像形成システムと同様の構成を有し、印刷、ファクシミリ送信などの複数の画像形成処理のうちの一部についてのみ、実行前に実施の形態1と同様にしてユーザ認証が要求され、残りの画像形成処理については、ユーザ認証をせずに、直ちに実行される。
【0101】
実施の形態2では、クライアント装置1の出力ドライバ11は、ユーザ操作などに従って、画像出力データに対して実行される画像形成処理を指定し、画像出力データとともにその指定をサーバ装置2へ通知する。ユーザ認証の不要な画像形成処理が指定される場合には、画像出力データの処理に使用される画像形成装置(例えば複合機3)も指定され、サーバ装置2へ通知される。
【0102】
そして、サーバ装置2の出力データ管理部21が、その通知において所定の画像形成処理(例えばファクシミリ送信)が指定されている場合には、通信処理部221に、直ちに、その画像出力データを、指定された画像形成装置へ送信させる。したがって、通信処理部221は、所定の画像形成処理(例えばファクシミリ送信)の場合、認証処理部222によるユーザ認証を経ずに、画像出力データを、指定された画像形成装置(例えば複合機3)へネットワークインタフェースカード205で送信する。
【0103】
実施の形態2では、複合機3の制御装置306は、所定の画像形成処理(例えばファクシミリ送信)については、ユーザ認証情報が正当なものであるか否かの判定を経ずに、画像出力データをサーバ装置2から受信し、その画像出力データに対するその画像形成処理を行わせる。
【0104】
一方、クライアント装置1において画像出力データに対して他の画像形成処理(例えば印刷)が指定された場合には、実施の形態1の場合と同様にその画像出力データは処理される。
【0105】
このようにすることで、機密漏洩の可能性の低い画像形成処理については、複合機3にユーザがログインしなくても実行させることができる。
【0106】
なお、この実施の形態2のように一部の画像形成処理についてユーザ認証を経ずに実行可能とする第1認証方式(以下、シングル認証という)、およびすべての画像形成処理について処理実行前のユーザ認証を必須とする第2認証方式(以下、フル認証という)のいずれか一方を、サーバ装置2および複合機3において選択可能としてもよい。
【0107】
以上のように、上記実施の形態2によれば、例えば、印刷、ファクシミリ送信といった2つの画像形成処理のうちの1つのみ(例えば印刷)について、サーバ装置によるユーザ認証を導入し、もう1つ(ファクシミリ送信)については、クライアント装置からサーバ装置へ画像出力データを直接供給することができる。
【0108】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る画像形成システムは、実施の形態1または2に係る画像形成システムと同様の構成を有し、ユーザごとまたはユーザの属する部門ごとに、複合機3での使用量の管理を行う。
【0109】
実施の形態3では、複合機3の制御装置306は、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が設定データ311内に保持されていない場合、ユーザ認証情報のユーザに対応する使用量制限情報の送信要求を、ネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信し、ネットワークインタフェースカード301でその使用量制限情報を受信し、受信した使用量制限情報が、使用量が無制限であることを示すものである場合には、その使用量制限情報を設定データ311において保持する。
【0110】
また、実施の形態3では、サーバ装置2の使用量監視部223は、ユーザ認証情報が正当なものであると判定されている場合、その使用量制限情報の送信要求が受信されると、ユーザ認証情報のユーザに対応する使用量制限情報を使用量データ231から読み出す。通信処理部221は、その使用量制限情報を複合機3へ送信する。あるユーザについての使用量制限情報は、そのユーザまたはそのユーザの属する部門についての各項目の累積使用量の値(例えば処理ページ数)と各項目の上限値とを含む。使用量が無制限である場合には、例えば、上限値がゼロに予め設定される。
【0111】
なお、実施の形態3における各装置のその他の構成は、実施の形態1または2のものと同様であるので、その説明を省略する。
【0112】
次に、実施の形態3における使用量管理について説明する。図7は、実施の形態3における複合機3の使用量管理処理について説明するフローチャートである。
【0113】
実施の形態1に示すようにユーザが複合機3でログイン操作を行い、サーバ装置2によるユーザ認証が成功すると、制御装置306は、そのユーザについて、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が設定データ311内に保持されているか否かを判定する(ステップS41)。
【0114】
使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が設定データ311内に保持されていない場合、制御装置306は、そのユーザに対応する使用量制限情報の送信要求をサーバ装置2へ送信し、サーバ装置2からその使用量制限情報を受信する(ステップS42)。
【0115】
そして、制御装置306は、受信した使用量制限情報が、使用量が無制限であることを示しているか否かを判定する(ステップS43)。
【0116】
受信した使用量制限情報が、使用量が無制限であることを示していると判定した場合、制御装置306は、その使用量制限情報を設定データ311において保持する(ステップS44)。
【0117】
一方、受信した使用量制限情報が、使用量が無制限であることを示していないと判定した場合、制御装置306は、使用量監視処理を開始する(ステップS45)。使用量監視処理では、画像形成処理が実行されるたびに、その処理に対応する項目での使用量が累積的にカウントされ、その使用量が上限値に達したか否かが判定され、使用量の値が上限値に達すると、その項目に対応する処理の実行が禁止される。
【0118】
また、ステップS41において、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が設定データ311内に保持されていると判定した場合には、制御装置306は、サーバ装置2からの使用量制限情報の取得を行わない。
【0119】
なお、ステップS41において、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が設定データ311内に保持されていると判定した場合、およびステップS42において受信した使用量制限情報が、使用量が無制限であることを示していると判定した場合、画像形成処理が実行されるたびに、その処理に対応する項目での使用量が累積的にカウントされるが、その使用量が上限値に達したか否かは判定されない。
【0120】
そして、このユーザがログアウトすると、制御装置306は、ネットワークインタフェースカード301でその時点での使用量の値を、ユーザ認証情報またはセッションIDとともにサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2では、通信処理部221が、その使用量の値を受信し、使用量管監視部223が、受信された使用量の値で、そのユーザまたはそのユーザの属する部門についての使用量制限情報内の使用量の値を更新する。
【0121】
以上のように、上記実施の形態3によれば、使用量制限がない場合、使用量に応じて複合機3の使用を禁止することがないため、リアルタイムで使用量を監視する必要がない。このため、使用量制限がない場合、複合機3などの画像形成装置では、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が受信されると、それを保持して、次回の使用量制限情報の要求を省略する。したがって、ユーザログイン時の処理の所要時間が短くなる。
【0122】
実施の形態4
本発明の実施の形態4に係る画像形成システムは、実施の形態1〜3のいずれかに係る画像形成システムと同様の構成を有し、複合機3は、サーバ装置2のダウンを検出したときに、エラーメッセージを表示する。
【0123】
実施の形態4では、複合機3の制御装置306は、起動時に、ネットワークインタフェースカード301でデフォルトのサーバ装置2へアクセスし、一定期間内にサーバ装置2からの応答がない場合には、エラーメッセージを、操作パネル307の表示装置に表示させる。図8は、実施の形態4におけるエラーメッセージの表示画面の一例を示す図である。
【0124】
その後、ユーザにより次の処理が選択されると、制御装置306は、その処理を実行する。
【0125】
例えば図8に示す場合では、次の処理として、「サーバ設定」、「代替サーバ選択」、「後で再接続」および「終了」のいずれかが選択される。
【0126】
「サーバ設定」が選択された場合には、サーバ装置を指定するための設定画面が表示される。その設定画面において、ユーザは、別のサーバ装置を指定することができる。
【0127】
「代替サーバ選択」が選択された場合には、設定データ311に予め登録されている代替サーバのリストが表示され、そのうちの1つがユーザ操作に基づいて選択され、サーバ装置2の代わりとされる。
【0128】
「後で再接続」が選択された場合には、制御装置306は、所定の時間(例えば3分)後、サーバ装置2へのアクセスを再度試みる。
【0129】
「終了」が選択された場合には、制御装置306は、起動処理を中止する。
【0130】
なお、実施の形態4におけるその他の処理については、実施の形態1〜3のいずれかと同様であるので、その説明を省略する。
【0131】
以上のように、上記実施の形態4によれば、ユーザがサーバ装置2のダウンを知ることができる。
【0132】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る画像形成システムは、実施の形態1〜4のいずれかに係る画像形成システムと同様の構成を有し、サーバ装置2が、複合機3に設定されている認証方式が、サーバ装置2に設定されている中継処理方式に適合するか否かを判定する。
【0133】
実施の形態5では、複合機3は、この複合機3におけるユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定を設定データ311に有し、制御装置306は、起動時に、ユーザ認証設定をサーバ装置2へ送信する。
【0134】
また、実施の形態5では、サーバ装置2は、所定の複数の中継処理方式からこのサーバ装置で実行する画像出力データの中継処理を指定する中継処理設定を設定データ232に有し、認証処理部222は、複合機3からユーザ認証設定を受信すると、そのユーザ認証設定が中継処理設定に適合するか否かを判定し、通信処理部221が、その判定結果を複合機3の制御装置306に送信する。
【0135】
サーバ装置2は、複合機3のユーザ認証設定の取り得る各値とサーバ装置2の中継処理設定の取り得る各値との組み合わせが互いに適合するか否かを示す適合性データを設定データ232に有する。なお、適合性データは、複合機3、プリンタ4といった複数の画像形成装置のそれぞれについて個別に設けられていてもよいし、複数の画像形成装置に対して共通の適合性データが使用されるようにしてもよい。
【0136】
図9は、実施の形態5における適合性データの一例を示す図である。
【0137】
図9に示すように、実施の形態5における複合機3では、ユーザ認証設定が、「認証オフ」、「ローカル認証」、「ネットワーク認証」、および「仲介サーバ認証」のいずれかにされる。
【0138】
「認証オフ」の場合、ユーザ認証を行わずに、ユーザが複合機3を使用可能である。
【0139】
「ローカル認証」の場合、複合機3が、ユーザ登録データを有し、制御装置306が、そのユーザ登録データを参照し、カードリーダ31により取得されたユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する。
【0140】
「ネットワーク認証」の場合、制御装置306が、直接的に認証サーバ装置6にユーザ認証要求を送信し、認証サーバ装置6からユーザ認証結果を受信し、そのユーザ認証結果に基づいて、カードリーダ31により取得されたユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する。
【0141】
「仲介サーバ認証」の場合、制御装置306は、実施の形態1のようにして、ユーザ認証情報をサーバ装置2へ送信し、サーバ装置2にユーザ認証を実行させる。
【0142】
一方、図9に示すように、実施の形態5におけるサーバ装置2では、中継処理設定が、「転送印刷」、「ダム印刷」、「シングル認証下でのジョブ選択印刷」、および「フル認証下でのジョブ選択印刷」のいずれかにされる。
【0143】
なお、「転送印刷」とは、クライアント装置1から画像出力データを受信すると、サーバ装置2においてそれを保持せずに、指定された画像形成装置へただちに送信する処理方式である。
【0144】
また、「ダム印刷」とは、ユーザ認証が成功すると、ユーザ認証情報に関連付けられているすべての画像出力データを画像形成装置へ送信する処理方式である。
【0145】
また、「シングル認証下でのジョブ選択印刷」および「フル認証下でのジョブ選択印刷」は、実施の形態2に示すものである。「ジョブ選択印刷」は、画像出力データおよび画像形成処理の種類を選択可能であることを示す。
【0146】
図9に示す適合性データによれば、サーバ装置2の中継処理設定「転送印刷」に適合する複合機3のユーザ認証設定は、「認証オフ」のみであり、サーバ装置2の中継処理設定「シングル認証下でのジョブ選択印刷」および「フル認証下でのジョブ選択印刷」に適合する複合機3のユーザ認証設定は、「仲介サーバ認証」のみである。
【0147】
したがって、図9に示す適合性データの場合、認証処理部222は、複合機3からのユーザ認証設定の値が「ローカル認証」であり、かつ中継処理設定が「フル認証下でのジョブ選択印刷」であると、そのユーザ認証設定は不適合であると判定し、通信処理部221が、その判定結果を複合機3の制御装置306に送信する。
【0148】
複合機3の制御装置306は、その判定結果を受信し、ユーザ認証設定が不適合である場合には、例えば、その旨を示すエラーメッセージを操作パネル307の表示装置に表示させる。
【0149】
あるいは、ユーザ認証設定が不適合である場合には、サーバ装置2の認証処理部222が判定結果とともに適合性データを複合機3へ送信させ、複合機3の制御装置306は、ユーザ認証設定が中継処理設定に適合しない場合には、その適合性データを参照して、中継処理設定に適合する設定にユーザ認証設定を変更するようにしてもよい。
【0150】
あるいは、ユーザ認証設定が不適合である場合には、サーバ装置2の認証処理部222が、そのユーザ認証設定に適合する設定に、中継処理設定を変更し、ユーザ認証設定が適合となるようにしてもよい。例えば、中継処理設定が「ダム印刷」であり、ユーザ認証設定が「仲介サーバ認証」である場合、認証処理部222は、まず、ユーザ認証設定が不適合であると判定するが、中継処理設定が「ダム印刷」を「フル認証下でのジョブ選択印刷」に変更し、その後に、ユーザ認証設定が中継処理設定に適合すると判定する。
【0151】
なお、実施の形態5におけるその他の処理については、実施の形態1〜4のいずれかと同様であるので、その説明を省略する。
【0152】
以上のように、上記実施の形態5によれば、システム構成(不適切な認証方式)に起因してユーザ認証が失敗するであろうことを、印刷処理の実行前に複合機3が検出することができる。
【0153】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係る画像形成システムは、実施の形態1〜5のいずれかに係る画像形成システムと同様の構成を有し、サーバ装置2を経由しない複合機3への画像形成処理の要求を禁止する。
【0154】
実施の形態6では、サーバ装置2以外の機器からネットワーク7を介して画像出力データが複合機3へ送信されてきても、ネットワークインタフェースカード301または制御装置306は、その画像出力データを受信しない。
【0155】
例えば、画像出力データの送信元のIPアドレスがサーバ装置2のものではない場合には、制御装置306は、その画像出力データを受信しない。
【0156】
また、サーバ装置2は、画像出力データにセッションIDを付加しておき、制御装置306は、画像出力データを一旦受信し、セッションIDがない場合には、その画像出力データを破棄するようにしてもよい。
【0157】
なお、プリンタ4においても同様の処理が行われる。
【0158】
なお、実施の形態6におけるその他の処理については、実施の形態1〜5のいずれかと同様であるので、その説明を省略する。
【0159】
以上のように、上記実施の形態6によれば、画像形成装置の設置場所からサーバ装置2によるユーザ認証を経ないと、印刷などの画像形成処理を実行させることができないため、複合機3およびプリンタ4からの機密漏洩を防止できる。
【0160】
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係る画像形成システムは、実施の形態1〜5のいずれかに係る画像形成システムと同様の構成を有し、複合機3の制御装置306は、サーバ装置2以外の装置から受信した画像出力データについて、複合機3の一部の機能の利用を禁止する。
【0161】
複合機3の制御装置306は、サーバ装置2以外の装置から受信した画像出力データについて、カラー印刷、高速印刷などといった高性能機能の利用を禁止する。
【0162】
なお、実施の形態7におけるその他の処理については、実施の形態1〜5のいずれかと同様であるので、その説明を省略する。
【0163】
以上のように、上記実施の形態7によれば、サーバ装置以外の装置から受信した画像出力データについては、カラー印刷、高速印刷などといった高性能機能の利用を禁止することで、ユーザがサーバ装置2を利用する動機を高めることができる。
【0164】
実施の形態8.
本発明の実施の形態8に係る画像形成システムは、実施の形態1〜5のいずれかに係る画像形成システムと同様の構成を有し、サーバ装置2以外の装置から複合機3への画像出力データを、複合機3からサーバ装置2へ転送する。
【0165】
複合機3の制御装置306は、サーバ装置2以外の装置からの画像出力データを受信した場合、その画像出力データをサーバ装置2へ転送する。そして、サーバ装置2の通信処理部221は、ネットワークインタフェースカード205でその画像出力データを受信し、出力データ管理部21は、その画像出力データを出力データ記憶部22に格納する。したがって、画像形成処理がただちに実行されず、その画像出力データはサーバ装置2に保持される。
【0166】
また、サーバ装置2の出力データ管理部21は、転送されてきた画像出力データを、所定のユーザ(例えば管理者)のユーザ認証情報に関連付けて出力データ記憶部22に格納するようにしてもよい。これにより、その所定のユーザ(例えば管理者)が、サーバ装置を経由しないで印刷しようとしたジョブの発生を監視することができる。
【0167】
また、ユーザ認証に成功した後に、ユーザがログインしている複合機3の制御装置306は、このようにしてサーバ装置2において保持されている画像出力データのリストをサーバ装置2から取得し、リストからそのユーザの画像出力データが選択されると、実施の形態1の場合と同様にして、その画像出力データをサーバ装置2から取得してその画像出力データに対して画像形成処理を実行させるようにしてもよい。
【0168】
なお、プリンタ4においても同様の処理が行われる。
【0169】
なお、実施の形態8におけるその他の処理については、実施の形態1〜5のいずれかと同様であるので、その説明を省略する。
【0170】
以上のように、上記実施の形態8によれば、サーバ装置2を経由せずに画像形成装置を使用することができないため、複合機3およびプリンタ4からの機密漏洩を防止できる。
【0171】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0172】
例えば、上記各実施の形態において、画像出力データは、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、TIFF(Tagged Image File Format)形式などといったイメージ形式、PDF(Portable Document Format)形式、EPS(Encapsulated Post Script)形式などのデータであってもよい。
【0173】
また、上記各実施の形態では、複合機3は1台だけであるが、複数の複合機がネットワーク7に接続されているシステムも構成可能である。
【0174】
また、上記各実施の形態において、認証サーバ装置6を設けずに、認証サーバ装置6の機能をサーバ装置2に持たせるようにしてもよい。
【0175】
また、上記各実施の形態において、複合機3、プリンタ4といった画像形成装置のグループを設け、クライアント装置1において画像出力データにグループ識別情報が付加され、サーバ装置2において、グループ識別情報に関連付けて画像出力データを保持するようにしてもよい。この場合、サーバ装置2から複合機3へ、その画像形成装置の属するグループのグループ識別情報およびログインユーザのユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データのリストが送信される。
【0176】
また、上記各実施の形態において、複合機3の制御装置306は、画像出力データのリストが表示された後、ユーザにより選択された画像出力データについて、その画像出力データの削除要求をネットワークインタフェースカード301でサーバ装置2へ送信するようにしてもよい。この場合、通信処理部221によりその削除要求が受信されると、サーバ装置2の出力データ管理部21は、要求された画像出力データを出力データ記憶部22から削除する。なお、この削除要求にはセッションIDが付加される。
【0177】
また、上記各実施の形態において、サーバ装置2の出力データ管理部21は、保存から所定の期間(例えば1ヶ月)が経過した画像出力データを自動的に削除するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本発明は、例えば、複数の複合機を有する画像形成システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0179】
1 クライアント装置
2 サーバ装置
3 複合機(画像形成装置の一例)
4 プリンタ(画像形成装置の一例)
5 カードリーダ(電子機器の一例)
6 認証サーバ装置
7 ネットワーク
21 出力データ管理部(データ管理手段の一例)
31 カードリーダ(取得手段の一例)
205 ネットワークインタフェースカード(第1通信装置の一例,通信装置の一例)
221 通信処理部(データ受信手段の一例,データ送信手段の一例)
222 認証処理部(認証処理手段の一例)
301 ネットワークインタフェースカード(第2通信装置の一例,通信装置の一例)
306 制御装置(制御手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された少なくとも1つの画像形成装置と、
前記ネットワークに接続されたサーバ装置と、
前記ネットワークに接続され、文書データから画像出力データを生成し前記サーバ装置へ送信するクライアント装置とを備え、
前記サーバ装置は、
前記ネットワークに接続された第1通信装置と、
前記第1通信装置で前記画像出力データを受信するデータ受信手段と、
前記画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、
ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、前記第1通信装置で前記ネットワークを介して前記画像形成装置または前記画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、前記ユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、
前記ユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、前記画像出力データのうち、前記ユーザ認証情報に関連付けられている前記画像出力データを前記画像形成装置へ前記第1通信装置で送信するデータ送信手段と、
所定の複数の印刷処理方式からこのサーバ装置で実行する画像出力データの中継処理を指定する中継処理設定とを有し、
前記画像形成装置は、
前記ネットワークに接続された第2通信装置と、
ユーザ操作に基づいて前記ユーザ認証情報を取得する取得手段と、
前記第2通信装置で前記ユーザ認証情報を前記サーバ装置へ送信し、前記第2通信装置で前記画像出力データを前記サーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段と、
前記画像形成装置におけるユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定とを有し、
前記画像形成装置の前記制御手段は、起動時に、前記ユーザ認証設定を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、前記ユーザ認証設定の取り得る値と前記中継処理設定の取り得る値との組み合わせが適合するか否かを示す適合性データを有し、
前記サーバ装置の前記認証処理手段は、前記画像形成装置から前記ユーザ認証設定を受信すると、前記適合性データに基づいて、前記ユーザ認証設定が前記中継処理設定に適合するか否かを判定し、
前記サーバ装置の前記データ送信手段は、前記認証処理手段による判定結果を前記画像形成装置の前記制御手段に送信すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記ユーザ認証設定が前記中継処理設定に適合しない場合には、前記中継処理設定に適合する設定に前記ユーザ認証設定を変更することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記ネットワークに接続され、登録済みのユーザ認証情報を有し、前記登録済みのユーザ認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証サーバ装置を備え、
前記サーバ装置の認証処理手段は、前記画像形成装置または前記電子機器からのユーザ認証情報を前記第1通信装置で前記認証サーバ装置へ送信してユーザ認証を実行させ、前記第1通信装置で前記認証サーバ装置から前記ユーザ認証の結果を受信し、その結果に基づいて、前記ユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記ユーザ認証情報のユーザの前記画像出力データのリストを前記サーバ装置から取得し、ユーザ操作に基づいて前記リストから前記画像出力データを選択し、選択した前記画像出力データの送信要求を前記サーバ装置へ送信し、その画像出力データを前記サーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせ、
前記サーバ装置の前記データ送信手段は、前記画像形成装置から要求された前記画像出力データを、前記ユーザ認証情報および前記送信要求を送信した前記画像形成装置へ送信すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置の前記制御手段は、複数の画像形成処理のうちの一部についてのみ前記ユーザ認証情報を前記サーバ装置へ送信し、前記ユーザ認証情報が正当なものであると判定された後に、前記画像出力データを前記サーバ装置から受信してその画像出力データに基づきその画像形成処理を行わせ、前記複数の画像形成処理のうちの残りについては、前記ユーザ認証情報が正当なものであるか否かの判定を経ずに、その画像形成処理を行わせ、
前記サーバ装置の前記データ送信手段は、前記複数の画像形成処理のうちの前記残りの場合、前記認証処理手段によるユーザ認証を経ずに、前記画像出力データを、前記画像形成装置へ前記第1通信装置で送信すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置の前記制御手段は、使用量が無制限であることを示す使用量制限情報が保持されていない場合、前記ユーザ認証情報のユーザに対応する使用量制限情報の送信要求を前記第2通信装置で前記サーバ装置へ送信し、前記第2通信装置で使用量制限情報を受信し、受信した使用量制限情報が使用量が無制限であることを示すものである場合には、その使用量制限情報を保持し、
前記サーバ装置の前記データ送信手段は、前記ユーザ認証情報が正当なものであると判定されている場合、前記使用量制限情報の送信要求が受信されると、そのユーザ認証情報のユーザに対応する使用量制限情報を前記画像形成装置へ送信すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置の前記制御手段は、起動時に、前記第2通信装置で前記サーバ装置へアクセスし、前記サーバ装置からの応答がない場合には、エラーメッセージを所定の表示装置に表示させることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記サーバ装置以外の装置からの画像出力データを受信しないことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記サーバ装置以外の装置から受信した画像出力データについて、前記画像形成装置の一部の機能の利用を禁止することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記画像形成装置の前記制御手段は、前記第2通信装置で、前記サーバ装置以外の装置からの画像出力データを受信した場合、その画像出力データを前記サーバ装置へ転送し、
前記サーバ装置の前記データ受信手段は、前記第1通信装置でその画像出力データを受信し、
前記サーバ装置の前記データ管理手段は、その画像出力データを所定の記憶装置に格納すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記サーバ装置の前記データ管理手段は、その画像出力データを、所定のユーザのユーザ認証情報に関連付けて前記所定の記憶装置に格納することを特徴とする請求項10記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記画像出力データは、ページ記述言語で記述された印刷データであることを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の画像形成システム。
【請求項13】
ネットワークに接続された通信装置と、
前記通信装置で画像出力データを受信するデータ受信手段と、
前記画像出力データを所定の記憶装置に格納するデータ管理手段と、
ユーザ操作に基づいて入力されたユーザ認証情報を、前記通信装置で前記ネットワークを介して画像形成装置または画像形成装置に予め関連付けられている電子機器から受信し、前記ユーザ認証情報が正当なものであるか否かを判定する認証処理手段と、
前記ユーザ認証情報が正当なものであると判定された場合に、前記画像出力データのうち、前記ユーザ認証情報に関連付けられている前記画像出力データを、前記ユーザ認証情報を送信した前記画像形成装置へ前記通信装置で送信するデータ送信手段と、
所定の複数の印刷処理方式からこのサーバ装置で実行する画像出力データの中継処理を指定する中継処理設定と、
前記画像形成装置におけるユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定の取り得る値と前記中継処理設定の取り得る値との組み合わせが適合するか否かを示す適合性データとを備え、
前記認証処理手段は、前記ユーザ認証設定を前記画像形成装置から受信すると、前記適合性データに基づいて、前記ユーザ認証設定が前記中継処理設定に適合するか否かを判定し、
前記データ送信手段は、前記認証処理手段による判定結果を前記画像形成装置の前記制御手段に送信すること、
を特徴とするサーバ装置。
【請求項14】
ネットワークに接続された通信装置と、
ユーザ操作に基づいてユーザ認証情報を取得する取得手段と、
前記ネットワークに接続されているサーバ装置へ前記通信装置でユーザ認証情報および画像出力データの送信要求を送信し、画像出力データのうち、前記ユーザ認証情報に関連付けられている画像出力データを、前記通信装置で前記サーバ装置から受信してその画像出力データに基づき画像形成処理を行わせる制御手段と、
前記画像形成装置におけるユーザ認証の有無およびユーザ認証方式を指定するユーザ認証設定とを備え、
前記制御手段は、起動時に、前記ユーザ認証設定を前記サーバ装置へ送信し、適合性の判定結果を前記サーバ装置から受信し、
前記適合性の判定結果は、前記サーバ装置が有する適合性データに基づいて、前記サーバ装置が有する中継処理設定に、送信した前記ユーザ認証設定が適合するか否かの判定結果であり、
前記中継処理設定は、所定の複数の印刷処理方式から前記サーバ装置で実行する画像出力データの中継処理を指定し、
前記適合性データは、前記ユーザ認証設定の取り得る値と前記中継処理設定の取り得る値との組み合わせが適合するか否かを示す
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−93049(P2013−93049A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−10508(P2013−10508)
【出願日】平成25年1月23日(2013.1.23)
【分割の表示】特願2009−10408(P2009−10408)の分割
【原出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】