説明

画像形成システム、画像出力制御装置、プログラム

【課題】出力ジョブの属性との関係で本来不要となる出力設定を利用者が設定できないような印刷設定画面にする。
【解決手段】画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、処理対象のジョブごとに、ジョブの属性に応じて、有効でない設定を利用者が設定できないように制御する。ジョブの属性として、処理対象の文書の種類や処理対象の文書の出力を指示する利用者の属性を判定指標に用いる(S200,S202,S220,S222,S240)。たとえば、図面を印刷対象とする場合には、ステープラやパンチングは利用しないものとしてステープラやパンチングの印刷設定は印刷依頼画面では表示しない(S204,S224,S244)。オフィス文書を印刷対象とする場合には、紙折りやデバイススタンプは利用しないものとして、印刷依頼画面には、紙折りやデバイススタンプの項目は表示しない(S206,S226,S246)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像出力制御装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(たとえばプリンタ)と、画像形成装置に対して出力指示を発するたとえばパーソナルコンピュータなどの画像出力制御装置とを備えてなる画像形成システムがある。
【0003】
このような画像形成システムにおいて、どのような出力条件で出力させるかを指定する際に、画像形成装置に対応した印刷設定用のアプリケーションソフトウェアの一例であるプリンタドライバにて、必要な出力条件(各種の印刷パラメータ)を指示する。
【0004】
その際、その時点の環境下で指定でき得る出力設定の全てを表示するのではなく、対象を絞り込んで表示する仕組みが提案されている(たとえば特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−174121号公報
【0006】
たとえば、特許文献1に記載の仕組みでは、複数のプリンタで共通の印刷印刷設定を作成する場合に、利用者が設定したにも拘わらず実際には設定が有効にならない設定項目が生じることがないように、有効でない印刷設定(複数のプリンタで共通でない印刷設定)を利用者が設定できないように操作画面を制御する仕組みが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、出力対象のジョブの属性との関係で本来不要となる出力設定を、利用者が設定できないようにすることのできる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、処理対象のジョブの属性を取得するジョブ属性取得部と、画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、処理対象のジョブごとに、ジョブ属性取得部が取得したジョブの属性に応じて、有効でないと判断された設定を利用者が設定できないように制御する画面制御部を備えたことを特徴とする画像形成システムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明においてさらに、複数の画像形成装置を備え、設定画面は、複数の画像形成装置の設定を、各画像形成装置に対して、あるいは複数の画像形成装置を構成要素とするグループに対して、行なうためのものであって、画面制御部は、設定画面を、システムの環境に応じて、有効でない印刷設定を利用者が設定できないように制御することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、処理対象のジョブごとに、ジョブの属性に応じて、有効でない設定を利用者が設定できないように制御する画面制御部を備えたことを特徴とする画像出力制御装置である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明においてさらに、画面制御部は、ジョブの属性として、処理対象の文書の属性情報を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3,4に記載の発明においてさらに、画面制御部は、ジョブの属性として、処理対象の文書の出力を指示する利用者情報を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5に記載の発明においてさらに、画面制御部は、複数の画像形成装置の設定を、画像形成装置ごとに、あるいは複数の画像形成装置をメンバとするグループとして、行なうための設定画面を、システムの環境に応じて、有効でない設定を利用者が設定できないように制御することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6に記載の発明においてさらに、画面制御部は、有効でない設定を非表示とすることで利用者が設定できないようにすることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、処理対象のジョブの属性を取得するジョブ属性取得部と、画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、処理対象のジョブごとに、ジョブ属性取得部が取得したジョブの属性に応じて、有効でないと判断された設定を利用者が設定できないように制御する画面制御部として電子計算機を機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、出力対象のジョブの属性との関係で本来不要となる出力設定は、利用者が設定できないようにされる。その結果、出力設定画面での出力設定の表示で、ジョブの属性に応じた有効なもののみを、利用者が設定できるようになるので、操作性を改善でき、利用者の操作ミスを軽減できる画像形成システムを実現できる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、さらに、複数の画像形成装置の内で、システムの環境応じた有効なものを、利用者が設定できるようになるので、システムでの環境の差異によって生じる不都合を未然に防ぐことができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、出力対象のジョブの属性との関係で本来不要となる出力設定を利用者が設定できないようにすることのできる画像出力制御装置を実現できる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、処理対象の文書の属性(種類)に応じた有効なものを、利用者が設定できるようになる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、処理対象の文書の出力を指示する利用者に応じた有効なものを、利用者が設定できるようになる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、さらに、複数の画像形成装置の内で、システムの環境応じた有効なものを、利用者が設定できるようになるので、システムでの環境の差異によって生じる不都合を未然に防ぐことができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、出力設定の表示項目が簡素化されるため、一層、操作性を改善でき、利用者の操作ミスを、より軽減できるようになる。表示される設定の項目数が低減されるから、より単純な、利用者の操作が簡単になる操作画面を提供できるからである。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、出力対象のジョブの属性との関係で本来不要となる出力設定を利用者が設定できないようにすることのできる画像出力制御装置の仕組みを、コンピュータを用いて実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
<システムの概要>
図1は、画像形成システム(画像形成組織)の概要を示す図である。図示のように、本実施形態の画像形成システム1は、印刷システム(印刷組織)として構成されており、一例として、画像形成処理要求としての印刷ジョブ(Print Job )を発するユーザ側の装置である利用者端末100と、受信した印刷ジョブを処理する画像形成装置の一例である印刷装置200と、処理対象の文書を記憶・保持するサーバ装置(役務提供装置)の一例である文書管理サーバ(ドキュメントリポジトリサーバ)400と、複数の印刷装置200を管理しつつ印刷サービス(印刷役務)を提供するサーバ装置の一例であるプリントサーバ(印刷役務提供装置)500とが、情報通信路9により接続されて構成されている。
【0026】
印刷装置200には、たとえば、ステープラ、パンチング(穴開け)、折畳み(紙折り)、スタンプ(刻印;特にハードウェア機構を利用したもの)などの後処理を行なう後処理装置202が併設可能になっている。
【0027】
情報通信路9は、有線および無線の何れの方式のものであってもよい。また、各装置の間を直接に接続する形態のものであってもよいし、局所的なLAN(Local Area Network;ローカルエリアネットワーク)であっても、あるいは公衆電話回線を利用したWAN(Wide Area Network ;広域ネットワーク)であってもよい。また、文書管理サーバ400をWeb上に配する場合には、情報通信路9は、インターネット(Internet)を利用したものであってもよい。ここでは、情報通信路9は、通信網(ネットワーク)構成のものとする。
【0028】
印刷ジョブとは、利用者から見て印刷装置200で処理させる一纏まりの印刷処理単位を意味する。印刷ジョブには、出力処理対象の文書ファイルもしくはこの文書ファイルに対応するプリンタ言語の印刷データの他、出力設定を示す設定情報を含んでいる。なお、設定情報は、文書ファイルやプリンタ言語の印刷データの一部に記述してもよいし、文書ファイルやプリンタ言語の印刷データとは別のファイルにしてもよい。
【0029】
文書管理サーバ400は、利用者自身もしくは第3者から提供される文書を図示を割愛した所定の記憶媒体に記憶(格納)しておき、利用者からの要求に基づいてプリントサーバ500に指示された文書を渡す。
【0030】
プリントサーバ500は、利用者端末100からの印刷要求を受け付けると、利用者端末100から受け取った処理対象文書または文書管理サーバ400に保存している指定された文書の印刷処理を管理する。
【0031】
図示した例では、1台の利用者端末100と、3台の印刷装置200および後処理装置202と、1台の文書管理サーバ400と、1台のプリントサーバ500とで、画像形成システム1が構成されているが、それぞれの設置台数は任意である。
【0032】
利用者端末100は、操作画面など表示する表示装置102を備える。また、利用者端末100は、印刷に供される一般文書、表、図面、写真、あるいは小冊子などの文書ファイルを取得する文書取得装置としての機能を備える。
【0033】
たとえば、利用者端末100は、一般文書や図面などの文書ファイルを取得する文書取得部110と、文書取得部110が取得した文書ファイルの印刷プレビューまたは実際の印刷出力などの印刷に関わる出力要求を発する出力要求部120と、他の装置との間の中継(インタフェース;Interface )機能をなす中継部130とを有する。
【0034】
ここで、「ファイル(File)」とは、電子計算機で取り扱うデータを、一定の規則でハードディスクやフレキシブルディスクなどの記憶媒体に記録した情報を意味する。
【0035】
中継(インタフェース)機能とは、2つ以上の機器(本実施形態の場合、利用者端末100と他の装置)を繋ぐ際の、データ転送速度やタイミング、手順などの規格に従った処理を実行する機能を意味する。
【0036】
中継部130は、利用者端末100に備えられる表示装置102との間の中継機能をなす表示中継部132と、文書管理サーバ400やプリントサーバ500との間の中継機能をなす通信中継部134とを有する。
【0037】
文書取得部110は、たとえば、文書ファイルを生成する専用のハードウェア機能部を設ける、あるいは、文書ファイルを生成するアプリケーションソフトウェアが組み込まれた構成を採ることで、自身にて文書を作成することができるものであってもよい。また、自身では文書ファイルを作成する機能を有しないが、他の文書処理装置にて生成された文書ファイルを取り込むものであってもよい。
【0038】
文書取得部110に一般文書や図形などの文書データを生成するためのアプリケーションプログラムを組み込む場合、利用者端末100には、そのアプリケーションプログラムを動作させるための仕組みとして、電子計算機に準じた仕組みを採る。一例として、利用者端末100には、装置全体を制御する中央制御部を設け、この中央制御部に装置全体を制御するソフトウェアである基本ソフト(OS;Operating Systems/オペレーティング・システム)を組み込む。
【0039】
これにより、利用者端末100は、プログラムに基づいてソフトウェア的に文書を作成する機能を実現するようになる。もちろん、文書を作成する機能だけでなく、出力要求部120の機能をもソフトウェアで実現する仕組みを採用することもできるようになる。
【0040】
すなわち、各種の機能部を構成するためのプログラムを格納したフレキシブルディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )などの可搬型のコンピュータ読取り可能な記憶媒体からプログラムを読み出して図示しないハードディスク装置などにインストールさせておき、ハードディスク装置からプログラムを読み出して図示しないCPUが後述する処理手順を実行することにより、各機能をソフトウェア的に実現することができる。
【0041】
なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。また、これらのプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体は、既存のシステムやアプリケーションプログラムをバージョンアップするものとして提供されてもよい。あるいは、各機能部分をソフトウェア的に実現するパッチファイルあるいは付加モジュール、あるいは、一部の拡張機能に対応したオプションプログラム(いわゆるアドインソフトやアドオンソフト)として提供されてもよい。
【0042】
また、他の利用者端末100にて生成された文書の取込みは、文書(の電子データ)が記憶された記憶媒体(記録媒体とも称される)の記憶情報を読み取ることで取得してもよいし、他の利用者端末100から文書(の電子データ)を情報通信路9を介して取得してもよい。
【0043】
出力要求部120は、各種の文書ファイルの出力設定の判定に関する情報を記述したファイル(コンフィグレーションファイルと称する)を保存する判定規則情報記憶部122と、処理対象のジョブの属性を取得するジョブ属性取得部123と、判定規則に基づいて画像形成装置の一例である印刷装置200における画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を制御する画面制御部124と、画面制御部124により提供される操作画面上で、印刷出力処理用の各種の設定を利用者から受け付け、その印刷設定を示す出力設定情報J10を生成する出力設定ツールの一例である出力設定部126とを有している。
【0044】
判定規則情報記憶部122は、複数のコンフィグレーションファイルを保存しておくのが好ましい。また、判定規則情報記憶部122は、利用者より選択されたコンフィグレーションファイルに記述されている判定規則の情報を画面制御部124に通知する。また、必要に応じて、利用者より規則の変更を受け付け、変更された後の判定規則の情報を画面制御部124に通知する。
【0045】
画面制御部124は、判定規則情報記憶部122に保存されているコンフィグレーションファイルで特定される判定規則そのものや、コンフィグレーションファイルに対して利用者により変更された後の判定規則に基づいて、設定画面を制御する。
【0046】
ここで、本実施形態の画面制御部124は、処理対象の印刷ジョブごとに、ジョブ属性取得部123が取得したジョブの属性に応じて、有効でないと判断された設定を利用者が設定できないようにする点に特徴を有する。「有効でないと判断された設定を利用者が設定できないように」するに当たっては、有効でない印刷設定を半輝度で表示する(グレーアウト表示にする)、あるいは、非表示とするのがよい。これらの点に関しては、後で詳しく説明する。なお、以下の説明では、「有効でないと判断された設定」を、単に「有効でない設定」とも記す。
【0047】
出力設定部126は、生成した出力設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10を通信中継部134に渡す。
【0048】
なお、利用者端末100に画面制御部124や出力設定部126を備えていることは必須ではなく、出力要求部120は、少なくとも印刷ジョブを出力側(本例ではプリントサーバ500側)に発する機能を有していればよい。また、本実施形態では、出力要求部120が画面制御部124と出力設定部126とを備える構成例で示しているが、出力要求部120とは別に、画面制御部124や出力設定部126を備える構成とすることもできる。
【0049】
何れの場合においても、画面制御部124や出力設定部126を備えない構成とする場合には、たとえば親展プリントのように予約出力モードで出力要求をプリントサーバ500側に発し、出力設定(印刷設定)は、印刷装置200側で設定すればよい。この場合、印刷装置200側に、画面制御部124や出力設定部126と同様の機能を具備した画像出力制御装置の機能部が設けられる。
【0050】
つまり、本実施形態の画像形成システム1においては、画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、処理対象のジョブごとに、ジョブの属性やシステム環境に応じて、有効でない設定を利用者が設定できないように制御する画面制御部を具備する画像出力制御装置を、利用者端末100および印刷装置200の何れに配することもできるのである。
【0051】
通信中継部134は、文書取得部110で取得された文書ファイルを文書管理サーバ400に出力する。また、通信中継部134は、出力設定部126で生成された印刷設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10と、文書取得部110で取得された出力処理対象の文書ファイル(元の印刷データ)とを対応付けて、情報通信路9を介して、プリントサーバ500に出力する。あるいは、出力設定部126で生成された印刷設定情報J10を記述した出力設定ファイルF10と、文書管理サーバ400に保存されている出力処理対象の文書ファイルを指示する情報とを対応付けて、情報通信路9を介して、プリントサーバ500に出力する。
【0052】
このような構成では、画面制御部124と出力設定部126とを有する出力要求部120が画像出力制御装置として機能する。
【0053】
なお、文書ファイルをプリントサーバ500に渡すのではなく、出力要求部120にて、処理対象文書を印刷処理に好適なデータ(プリンタ言語の印刷データ)に変換してプリントサーバ500に渡すようにすることもできる。この場合、出力要求部120には、元の印刷データである文書ファイルを、プリンタに対応するプリンタ言語に変換する機能を有するプリンタドライバを搭載する。なお、プリンタドライバは、複数のプリンタドライバをサポートするものとするのが好ましい。
【0054】
印刷装置200は、図示を割愛したネットワークインタフェースを介して情報通信路9と接続されさらにプリントサーバ500と接続されるようになっている。この印刷装置200は、利用者端末100からプリントサーバ500を介して送信されるプリンタ言語の印字データを含む印刷ジョブを解析して、1ページずつ画像形成用のイメージデータに変換し、1ページごとに印刷する。なお、印刷装置200としては、いわゆるネットワークプリンタを採用することができる。
【0055】
プリントサーバ500は、利用者端末100から要求された印刷ジョブに基づき、処理対象文書を記述した文書ファイルを、印刷処理に好適なデータ(印刷データ)に変換して、さらに1ページずつ画像形成用のページ画像(印刷イメージと称する)に変換(描画展開と称する)して出力処理を担当する印刷装置200に出力する。
【0056】
ここで、本実施形態のプリントサーバ500は、利用者端末100から印刷要求が出されたプリンタ言語の印刷データを含む印刷ジョブを格納して印刷する機能、または利用者端末100からプリンタ言語の印字データを含まない印刷ジョブ情報のみ受け取り、利用者端末100の印刷順序を管理し、印刷順序になった利用者端末100もしくは文書管理サーバ400に対してプリンタ言語の印字データを含む印刷ジョブの送信許可を通知する機能、あるいは印刷装置200のステータスや印刷ジョブの各種情報などを取得し、利用者端末100に通知する機能などを有する。
【0057】
<印刷ジョブの属性と設定画面制御について>
本実施形態において、印刷設定画面を利用者に提示する際には、プリントサーバ500が管理している印刷装置200の内、その時点で使用可能な全ての印刷装置200の全ての印刷設定項目(後処理などのオプションも含む)を表示するのではなく、印刷ジョブとの関係で不要な項目は表示しないようにする。
【0058】
さらに好ましくは、複数の印刷装置200で構成されるグループに対して制御可能なプリンタドライバの設定に関しては、実際に印刷動作が行なわれるプリントサーバ500の環境に応じて、実際には設定が有効にならない設定項目に関しては表示しないようにする。
【0059】
つまり、印刷ジョブの属性やシステムの環境に応じて、有効でない印刷設定を利用者が設定できないように制御するのである。なお、システム環境に関しては、特許文献1に記載の仕組みと同様の手法を採用すればよい。
【0060】
ここで、印刷ジョブの属性としては、以下のようなものが存在する。たとえば、印刷ジョブに含まれるプリンタ言語の印刷データの元となる文書ファイルの種類や、出力サイズ(具体的には用紙サイズ)や、印刷ジョブを要求する利用者の属性などがある。これらは、単独で取り扱うことができるし、相互に関連して取り扱うこともできる。
【0061】
また、印刷ジョブの属性は、印刷装置200そのものが持つ機能との関わりで取り扱うことができるだけでなく、印刷装置200の後段に備えられる後処理装置202が持つ機能との関わりでも取り扱うことができる。なお、後処理としては、たとえば、ステープラやパンチング、あるいは折畳み(紙折りとも称する)、スタンプ(ハードウェア機構を利用したもの)などがある。
【0062】
たとえば、処理対象の文書ファイルが、一般文書、表、図面、写真、あるいは小冊子の何れであるのかで、出力時の用紙サイズが決まることがある。一例としては、図面の印刷出力時には、A0〜A2と言った比較的大きな用紙サイズが使用されるが、一般文書、表、写真、あるいは小冊子などのオフィス文書の印刷出力時には、A3以下(A3,A4、B4,B5など)の比較的小さな用紙サイズが使用される。
【0063】
また、利用者の側面からは、出力要求を発した利用者の会社における所属(部署名など)から、処理対象の文書ファイルの種類をある程度特定することができる。たとえば、図面の印刷出力を取り扱うことの多い部署に所属している者からの出力要求であれば、処理対象の文書ファイルは図面であることが予測される。また、一般文書、表、写真、あるいは小冊子などのオフィス文書の印刷出力を取り扱うことの多い部署に所属している者からの出力要求であれば、処理対象の文書ファイルは一般文書、表、写真、あるいは小冊子の何れかのファイルであることが予測される。
【0064】
また、後処理装置202として、ステープラ、パンチング、折畳み(紙折り)、スタンプに対応するものであっても、それらは、全ての文書ファイルの種類や用紙サイズで適用し得るとは限らず、ファイルの種類や用紙サイズとの関係が存在する。
【0065】
たとえば、折畳みは、用紙サイズが大きい場合に要求される機能であり、A0〜A2と言った比較的大きな用紙サイズのときに利用される。たとえば、A3を超える用紙サイズのものをA4サイズに折り畳む。一方、ステープラやパンチングは、一般文書や表で利用される機会が多い。
【0066】
また、スタンプは、その記入内容によって利用される対象が異なる。たとえば、マル秘、重要、持出し禁止、親展、至急などの比較的汎用的な文字のものは印刷イメージで対処可能でありソフトウェアスタンプが使用され文書の種類を問わないが、文書管理情報を記入するための表題欄はハードウェア機構を利用したスタンプ(デバイススタンプとも称する)が使用され、一般文書や表で利用される機会よりも、図面で利用される機会の方が多いと考えてよい。
【0067】
そこで、本実施形態では、これら各種の印刷ジョブの属性に応じて、さらに好ましくはシステム環境に応じて、印刷処理用の出力設定画面(本例ではプリントサーバ500への印刷依頼画面)で表示する印刷設定を動的に表示することにする。つまり、印刷依頼画面で、利用できる全ての印刷設定を表示するのではなく、印刷対象の文書の属性(種類)や利用者の属性を利用し、使用しないと判定できる印刷設定に関しては、印刷依頼画面に表示しないことにする。以下、具体的な事例に基づいて説明する。
【0068】
<<処理手順>>
図2は、印刷依頼画面(出力設定画面)を表示するまでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0069】
利用者は、利用者端末100にて、印刷対象の文書ファイルを指定する(S100)。指定し得る文書ファイルは、利用者端末100の文書取得部110で取得したものに限らず、文書管理サーバ400に保存されているものでもよい。また、処理対象の文書ファイルを個別に指定してもよいし、フォルダ単位で指定してもよい。
【0070】
印刷対象の文書ファイルもしくはフォルダの選択が完了すると、出力指示を発する(S102)。この指示を受け付けた出力要求部120において、先ず、画面制御部124は、その時点でプリントサーバ500に登録されている印刷装置200の利用できる範囲内で印刷設定を許可する(S110)。たとえば、その時点でプリントサーバ500に登録されている全ての印刷装置200の利用できる全ての印刷設定をマージ(統合)したものを、利用できる印刷設定とする(S110−NO,S114)。
【0071】
なお、このとき、その時点でプリントサーバ500に登録されている全ての印刷装置200の利用できる全ての印刷設定ではなく、特許文献1の仕組みを適用して、複数のプリンタで共通の印刷設定を作成する場合に、利用者が設定したにも拘わらず実際には設定が有効にならない設定項目が生じることがないように、システムの環境に応じて、有効でない印刷設定(複数のプリンタで共通でない印刷設定)を利用者が設定できないように、予め出力設定の対象を絞り込んでおくとよい(S110−YES,S112)。この場合、画面制御部124は、絞り込んだ範囲内のものを利用できる印刷設定とする(S114)。
【0072】
次に、画面制御部124は、印刷ジョブの属性に応じて、有効でない設定を利用者が設定できないように、印刷依頼画面に表示する印刷設定を決定し(S120)、出力設定の対象を絞り込んだ印刷依頼画面を構築し表示装置102に表示する(S122)。
【0073】
図3は、表示する印刷設定を決定する処理手順(S120)の詳細例を示すフローチャートである。ここでは、ジョブの属性として、処理対象の文書の種類や処理対象の文書の出力を指示する利用者の属性を判定指標に用いる(S200,S202,S220,S222,S240)。
【0074】
このため、画面制御部124は、先ず、処理対象の印刷ジョブが、フォルダ単位で指定されたものであるのか文書ファイルが個別に指定されたものであるのかを判定する(S200)。文書ファイルが個別に指定されたものである場合には(S200−NO)、画面制御部124は、さらに、処理対象の文書ファイルが、図面であるのかそれ以外(オフィス文書)であるのかを判定する(S202)。
【0075】
画面制御部124は、図面である場合は(S202−YES)、前述のように、後処理装置202にてステープラやパンチングが利用される機会は少ないと考えてよいので、ステープラやパンチングに関する出力設定を削除するようにする(S204)。一方、図面以外の一般文書などのオフィス文書である場合は(S202−NO)、前述のように、後処理装置202にて折畳みやデバイススタンプが利用される機会は少ないと考えてよいので、折畳みやデバイススタンプに関する出力設定を削除するようにする(S206)。
【0076】
つまり、図面を印刷対象とする場合には、一般的に、出力サイズがA0〜A2の比較的大きな用紙サイズが使用されるものと考え、ステープラやパンチングは利用しないものとして、ステープラやパンチングの印刷設定は印刷依頼画面では表示しないものとする。
【0077】
一方、オフィス文書を印刷対象とする場合には、A3以下(A3,A4、B4,B5など)の比較的小さな用紙サイズが使用されるものと考え、紙折りやデバイススタンプ(ハードウェアスタンプ)は利用しないものとして、印刷依頼画面には、紙折りやデバイススタンプの項目は表示しないものとする。
【0078】
また、画面制御部124は、処理対象の印刷ジョブがフォルダ単位で指定されたものである場合(S200−YES)、そのフォルダ内に図面とオフィス文書とが混在しているか否かを判定する(S220)。混在していなければ(S220−NO)、画面制御部124は、さらに、図面のみであるのかオフィス文書のみであるのかを判定する(S222)。
【0079】
画面制御部124は、図面のみである場合は(S222−YES)、前述のように、後処理装置202にてステープラやパンチングが利用される機会は少ないと考えてよいので、ステープラやパンチングに関する出力設定を削除するようにする(S224)。一方、オフィス文書のみである場合は(S222−NO)、前述のように、後処理装置202にて折畳みやデバイススタンプが利用される機会は少ないと考えてよいので、折畳みやデバイススタンプに関する出力設定を削除するようにする(S226)。前記ステップS202〜S206と同様の考え方である。
【0080】
また、画面制御部124は、フォルダ内に図面とオフィス文書とが混在している場合には(S220−YES)、出力要求を発した利用者の属性、たとえば文書管理サーバ400にログインしている利用者の属性を参照し、その利用者の所属部門(部署名)が、図面を出力する機械が多い部署(図面出力の部署)であるのか否かを判定する(S240)。
【0081】
そして、利用者が図面を出力する機械が多い部署に所属している場合には(S240−YES)、画面制御部124は、図面の出力の方を優先して、ステープラやパンチングに関する出力設定を削除するようにする(S244)。この場合、オフィス文書を出力する部署以外では、オフィス文書の出力であっても、ステープラやパンチングを利用しないものとする。
【0082】
一方、利用者が図面出力の部署以外の部署に所属している場合には(S240−NO)、画面制御部124は、オフィス文書の出力の方を優先して、折畳みやデバイススタンプに関する出力設定を削除するようにする(S246)。この場合、図面を出力する部署以外では、図面の出力の際には、紙折りやデバイススタンプを利用しないものとする。
【0083】
画面制御部124は、前述の各種の判定結果に従って、印刷ジョブの属性に応じて、表示する印刷設定を決定する(S260)。印刷依頼画面では、出力設定を削除すると決定した項目については、有効でない印刷設定を利用者が設定できないように、半輝度表示もしくは非表示にする。
【0084】
有効でない印刷設定を半輝度表示する場合および非表示とする場合の何れにおいても、ジョブの属性に応じた印刷設定のみが有効なものとして表示されるのであるが、特に、有効でない印刷設定を非表示にする場合において、印刷依頼画面に表示される設定の項目数が少なくなるため、好適である。
【0085】
なお、ここで示した判定規則は一例に過ぎず、注目する印刷ジョブの属性に合わせて、様々な判定規則を適用することは可能である。前述のように、図面とオフィス文書の判定に関する設定情報を記述したファイル(コンフィグレーションファイルと称する)を1つもしくは複数用意して、利用者が文書の判定基準を、利用者の使い方や好みに合わせて判定規則を変更可能にするのが好ましい。
【0086】
図4は、印刷依頼画面で印刷依頼をするまでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0087】
利用者は、利用者端末100にて、印刷処理プログラムを起動し、出力処理対象の文書を指定するとともに、印刷設定を指定する(S300)。利用者端末100の出力要求部120は、利用者より指定された印刷設定の情報をプリントサーバ500に通知する(S302)。
【0088】
印刷設定の情報を利用者端末100から受信したプリントサーバ500は、その時点で管理している印刷装置200の内、指定された印刷設定に対して利用できる印刷装置200を検索し(S310)、検索結果を利用者端末100に通知する(S312)。
【0089】
検索結果をプリントサーバ500から受信した利用者端末100の出力設定部126は、検索された印刷装置200の情報を、印刷依頼画面における、指定した「印刷設定で利用できるプリンタ一覧」に表示する(S320)。
【0090】
印刷設定の指定を変更する場合(S322−YES)、ステップS300に戻って同様の処理を繰り返す。
【0091】
印刷設定の指定変更がなければ(S322−NO)、利用者は、プリンタ一覧から出力処理に使用する印刷装置200を指定して印刷依頼をプリントサーバ500に発する(S324)。プリントサーバ500は、確定された印刷設定に従って、指定された印刷装置200にて印刷処理を実行する(S326)。
【0092】
<印刷設定画面の一例>
図5および図6は、図3に示した処理手順に従って決定された出力設定画面の一例を示す図である。ここで、図5は、図面の印刷出力に適合させた印刷依頼画面の一例を示し、図6は、オフィス文書の印刷出力に適合させた印刷依頼画面の一例を示す。
【0093】
前述の説明から理解されるように、図面の印刷出力に適合させた印刷依頼画面(図5)では、ステープラやパンチングに関する出力設定が削除されるので、出力用紙サイズや、ソフトウェア(SW)スタンプや、折畳みや、デバイススタンプに関する出力設定項目が表示される。
【0094】
一方、オフィス文書の印刷出力に適合させた印刷依頼画面(図6)では、折畳みやデバイススタンプに関する出力設定が削除され、出力用紙サイズや、ソフトウェア(SW)スタンプや、ステープラやパンチングに関する出力設定項目が表示される。
【0095】
<電子計算機を利用した構成例>
図7は、ジョブの属性やシステム環境に応じて出力設定画面を制御する画面制御部を具備する画像出力制御装置900のハードウェア的な構成の一例を示す図である。画像出力制御装置900は、ハードウェア的には汎用的なパーソナルコンピュータ(パソコンと称する)で実現できる。なお、文書管理サーバ400やプリントサーバ500に関しては、ハードウェア的には汎用的なパーソナルコンピュータ(パソコンと称する)やサーバコンピュータで実現できる。
【0096】
つまり、本実施形態の画像出力制御装置900は、各種の機能部の一部を、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)と同様の仕組みを用いてソフトウェア的に実現することが可能である。
【0097】
電子計算機と同様の仕組みで、出力設定画面を制御する画面制御機能をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成する処理プログラムが、その処理プログラムを記憶したCD−ROMやフィレキシブルディスクなどの記憶媒体(記録媒体)から、装置内部の記憶媒体(記憶媒体)にインストールされる。
【0098】
処理プログラムを記憶した記憶媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの状態変化を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。
【0099】
なお、画面制御機能をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記憶媒体を通じて配布されることに限らず、ダウンロードサイトなどの他のサーバなどからインターネットなどのネットワーク(有線であるか無線であるかは問わない)を経由してプログラムをダウンロード(コンピュータに転送)して取得したり、あるいは更新したりしてもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスクなどの記憶媒体にインストールする。
【0100】
また、画面制御機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0101】
たとえば、図7に示すように、コンピュータシステムとして構成される画像出力制御装置900は、装置全体の動作を制御するシステム制御部902を装置本体900aに備える。本実施形態において、システム制御部902は、画面制御機能を実現する画面制御部124としての機能を持つ。
【0102】
システム制御部902は、具体的には、コントローラ部(制御部)904と、図示したハードディスク装置(HDD)918あるいは光/磁気ディスク装置919や、図示を割愛した、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、CD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、所定の記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取制御部906とを有する。
【0103】
なお、ハードディスク装置918や光/磁気ディスク装置919は、装置本体900a内ではなく、外部に情報蓄積装置900bとして設けるようにしてもよい。この態様は、特に、文書管理サーバ400やプリントサーバ500を構成する場合に好適である。
【0104】
コントローラ部904は、CPU912、読出専用の記憶部であるROM913、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM915、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)916を有する。
【0105】
なお、上記において“揮発性の記憶部”とは、装置の電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶部”とは、装置のメイン電源がオフされた場合でも、記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。記憶内容を保持し続けることができるものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。
【0106】
また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体を利用して構成してもよい。たとえば、ハードディスク装置918や光/磁気ディスク装置919を不揮発性の記憶部として利用できる。また、CD−ROMなどの記憶媒体から情報を読み出す構成を採ることでも不揮発性の記憶部として利用できる。
【0107】
また、コンピュータシステムと同様の仕組みで構成された画像出力制御装置900は、装置の操作指示を受け付けるなどの利用者インタフェースをなす機能部としての指示受付部952と、操作時のガイダンス画面(操作メニュー)や装置の動作状態や処理結果などの所定の情報を利用者に提示する表示出力部954と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部(IF部)990とを、装置本体900aに有する。
【0108】
インタフェース部990としては、処理データ(文書データや設定ファイルを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス991の他、たとえば、操作パネル部992aおよび操作キー部992bを具備した利用者インタフェース部992や、プロトコル制御を実行しネットワークとのインタフェース機能をなす通信インタフェース部994や、その他の外部デバイスとのインタフェース機能をなすデバイスインタフェース部を有する。
【0109】
通信インタフェース部994は、LANやWANなどの有線形態のネットワークを制御するネットワークコントローラ942や、公衆回線網(たとえば電話回線)などを通じ、コンピュータ同士でデータをやり取りするときに利用するモデム944などの通信制御機能を持つ。なお、ネットワークは、有線形態のものに限らず、無線形態のネットワークであってもよく、この場合無線仕様のネットワークコントローラ946が設けられる。
【0110】
デバイスインタフェース部は、後述するように、各種のデバイス装置をコントロールする。
【0111】
指示受付部952としては、たとえば、利用者インタフェース部992の操作キー部992bを利用することができる。あるいは、キーボード952aやマウス952bなどを利用することもできる。
【0112】
利用者インタフェース部992やキーボード952aやマウス952bは、図示を割愛するが、キーボード952aからのキー入力およびマウス952bといったポインティングデバイスからの入力を制御するそれぞれに応じたデバイスインタフェース部を介してシステムバス991に接続される。
【0113】
表示出力部954は、表示制御部と表示装置とを備える。表示装置としては、たとえば、利用者インタフェース部992の操作パネル部992aを利用することができる。あるいは、CRT(Cathode Ray Tube;陰極線管)やLCD(Liquid Crystal Display;液晶)などでなるその他のディスプレイ部954aを利用することもできる。
【0114】
また、画像出力制御装置900には、前述の各機能部の他にも、装置機能に応じた特有の機能部も設けられる。一例として、各種の記憶媒体に保存する文書データ(文書のプリンタ言語の印刷データ)やその設定ファイルなどのデータ量を少なくする機能を持つ場合であれば、データの圧縮伸張処理やデータ加工などの処理を実行するデータ処理部980が設けられる。
【0115】
また、画像出力制御装置900と画像形成装置とを一体にして構成することや、さらに画像読取装置をも一体にして構成することもできる。たとえば、印刷出力機能や複写機能などを備えた画像形成装置を一体的に構築して複合機を構成し、この複合機が画像出力制御装置900の機能をも備えるようにする場合であれば、原稿画像を読み取る画像読取部982や、画像情報を印刷出力して利用者に提示する構成とするべく、画像読取部982が読み取った画像や通信インタフェース部994を介して取得した印刷データなどに基づき、所定の出力媒体(たとえば印刷用紙)に画像を出力する画像記録部(画像形成部)984を設けることもできる。
【0116】
画像読取部982や画像記録部984は、インタフェース部990をなすデバイスインタフェース部としてのスキャナインタフェース部996やプリンタインタフェース部997を介してシステムバス991に接続される。
【0117】
各種のデバイスは、それらに応じたアプリケーションプログラムとコントローラ部904による全体を制御するアプリケーションプログラム(オペレーティング・システム用のソフトウェアなど)との連携(協調動作)によって、文書生成や取得並びに保存やその文書に関連する印刷出力用のデータ(プリンタ言語の印刷データ)の取得並びに保存といった文書出力処理(印刷出力処理;印刷プレビュー用の処理を含む)に関わる各種のサービスを提供するように構築される。
【0118】
このため、一例として、アプリケーションプログラムとしては、OSの他に、印刷出力に関わる出力設定を実行するためのプリンタドライバが組み込まれる。このプリンタドライバには、前述の画面制御機能を持つようにする。
【0119】
これら各デバイス用の各アプリケーションは、アプリケーションごとに、追加(インストール)、仕様変更(バージョンアップやバグ修正などの同一バージョン内での微小変更)、または削除(アンインストール)することができし、アプリケーションを構成するモジュールごとにも、追加、仕様変更、あるいは削除することができる。
【0120】
CPU912は、システムバス991を介してシステム全体の制御を行なう。ROM913は、CPU912が使用する制御プログラムを含む各種固定データを格納する。RAM915は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納し、また、所定のアプリケーションプログラムに従って演算して得たデータや外部から取得したデータなどを一時的に格納する領域を含んでおり、CPU912がデータ処理などを行なう際に、ワークメモリなどの用途に使用される。
【0121】
NVRAM916は、制御パラメータや処理されたデータなどを記憶しておくものであり、バックアップされる。特に、本実施形態の構成では、文書出力処理に関連する各種のデータを保存する機能をなすようになっている。
【0122】
また、ハードディスク装置918や光/磁気ディスク装置919は、フレキシブルディスク907aやCD−ROM907bなどの可搬型の記憶媒体907から取り込んだ文書出力処理用のプログラムや各種のアプリケーションプログラム、あるいはフォントデータや利用者ファイルといった利用者データや制御管理データを保持したり、自装置で取得したデータや外部から取得したデータなどを大量に一時的に格納したりする領域を含んでおり、入出力インタフェース機能をなす記録・読取制御部906によりデータの読出しや書込みが制御される。
【0123】
このような構成により、所定の指令にて、文書出力(印刷)機能を実現する際の画面制御機能を実行するプログラムが記憶されているCD−ROMなどの読取可能な記憶媒体から、あるいは通信網を介して、RAM915に文書出力処理プログラム(プリンタ制御プログラムとも称する)がインストールされ、また指示受付部952を介した操作者による指令や所定の条件を契機とする自動処理にて文書出力処理プログラムが起動される。
【0124】
CPU912は、この文書出力処理プログラムに従って前述の文書出力処理に伴う処理ステップを実行し、処理結果をRAM915やハードディスク装置918などの記憶装置に格納し、必要により操作パネル部、あるいはCRTやLCDなどの表示装置に出力設定画面を提示出力する。文書出力処理を実行するプログラムが記録した記憶媒体を用いることにより、既存のシステムを変えることなく、画面制御機能を実行する画像出力制御装置900を汎用的に構築することができる。
【0125】
なお、このようなコンピュータを用いた構成に限らず、前述のように、各機能部の処理をなす専用のハードウェアの組合せにより、画面制御機能を実行することを可能とする画像出力制御装置900を構成することもできる。また、文書出力処理のための一連の処理はハードウェア、またはソフトウェアの一方のみで実行されることに限らず、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0126】
また、前述の文書出力処理は、前述の記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】画像形成システムの概要を示す図である。
【図2】印刷依頼画面(出力設定画面)を表示するまでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】表示する印刷設定を決定する処理手順(S120)の詳細例を示すフローチャートである。
【図4】印刷依頼画面で印刷依頼をするまでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図面の印刷出力に適合させた印刷依頼画面の一例を示錫である。
【図6】オフィス文書の印刷出力に適合させた印刷依頼画面の一例を示す図である。
【図7】出力設定画面を制御する画面制御部を具備した画像出力制御装置を、電子計算機を用いて構成する場合のハードウェア的な構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0128】
1…画像形成システム、100…利用者端末、102…表示装置、110…文書取得部、120…出力要求部、122…判定規則情報記憶部、123…ジョブ属性取得部、124…画面制御部、126…出力設定部、130…中継部、200…印刷装置(画像形成装置)、202…後処理装置、400…文書管理サーバ、500…プリントサーバ、9…情報通信路、900…画像出力制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象のジョブの属性を取得するジョブ属性取得部と、
画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、前記処理対象のジョブごとに、前記ジョブ属性取得部が取得したジョブの属性に応じて、有効でないと判断された設定を利用者が設定できないように制御する画面制御部
を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
複数の画像形成装置を備え、
前記設定画面は、前記複数の画像形成装置の設定を、各画像形成装置に対して、あるいは前記複数の画像形成装置を構成要素とするグループに対して、行なうためのものであって、
前記画面制御部は、当該設定画面を、システムの環境に応じて、有効でない印刷設定を利用者が設定できないように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、処理対象のジョブごとに、当該ジョブの属性に応じて、有効でない設定を利用者が設定できないように制御する画面制御部
を備えたことを特徴とする画像出力制御装置。
【請求項4】
前記画面制御部は、前記ジョブの属性として、処理対象の文書の属性情報を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の画像出力制御装置。
【請求項5】
前記画面制御部は、前記ジョブの属性として、処理対象の文書の出力を指示する利用者情報を含む
ことを特徴とする請求項3または4に記載の画像出力制御装置。
【請求項6】
前記画面制御部は、複数の前記画像形成装置の設定を、前記画像形成装置ごとに、あるいは前記複数の画像形成装置をメンバとするグループとして、行なうための前記設定画面を、システムの環境に応じて、有効でない設定を利用者が設定できないように制御する
ことを特徴とする請求項3〜5の内の何れか1項に記載の画像出力制御装置。
【請求項7】
前記画面制御部は、有効でない設定を非表示とすることで、利用者が設定できないようにする
ことを特徴とする請求項3〜6の内の何れか1項に記載の画像出力制御装置。
【請求項8】
処理対象のジョブの属性を取得するジョブ属性取得部と、
画像形成装置の画像形成機能に関する設定を行なうための設定画面を、前記処理対象のジョブごとに、前記ジョブ属性取得部が取得したジョブの属性に応じて、有効でないと判断された設定を利用者が設定できないように制御する画面制御部
として電子計算機を機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−59111(P2008−59111A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233034(P2006−233034)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】