画像形成システム、画像形成装置、管理サーバおよびプログラム
【課題】フィニッシャーを使用する複数のジョブを実行する場合において、オペレータの作業効率を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】画像形成システムは、フィニッシャー情報取得部とジョブ実行順序変更部とを備える。フィニッシャー情報取得部は、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する(ステップS12)。ジョブ実行順序変更部は、フィニッシャー情報に基づいて複数のジョブを複数のグループに分類するとともに(ステップS13)、当該複数のジョブがグループ毎に実行されるように当該複数のジョブの実行順序を変更する(ステップS14〜ステップS26)。
【解決手段】画像形成システムは、フィニッシャー情報取得部とジョブ実行順序変更部とを備える。フィニッシャー情報取得部は、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する(ステップS12)。ジョブ実行順序変更部は、フィニッシャー情報に基づいて複数のジョブを複数のグループに分類するとともに(ステップS13)、当該複数のジョブがグループ毎に実行されるように当該複数のジョブの実行順序を変更する(ステップS14〜ステップS26)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フィニッシャーと称される後加工機を用いて、印刷物に後処理(ステープル処理等)を施すことが可能な画像形成装置が知られている。このような画像形成装置においては、フィニッシャーを使用するジョブの実行順序を制御する技術が存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、ジョブに設定された後処理の実行可否に応じて当該ジョブに対して優先度を設定し、当該ジョブの実行順序を制御する技術が記載されている。
【0004】
具体的には、ジョブにステープル処理が設定されている場合には、画像形成装置は、装置内のステープル残量(P)と当該ステープル処理に要するステープル数量(Q)とを比較する。そして、ステープル残量(P)がステープル数量(Q)よりも少ない場合には(P<Q)、画像形成装置は、ステープル処理を実行不可能であると判定し、当該ステープル処理を実行可能である場合に比べて低い優先度をジョブに設定する。一方、ステープル残量(P)がステープル数量(Q)以上である場合には(P≧Q)、画像形成装置は、ステープル処理を実行可能であると判定し、当該ステープル処理を実行不可能である場合に比べて高い優先度を設定する。これによれば、ジョブに設定されているステープル処理の実行可否に応じて、当該ジョブの実行順序を制御することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−76123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フィニッシャーは、画像形成装置に対して接続されて用いられる。そのため、ジョブの実行時に当該ジョブに使用されるフィニッシャー(以下、使用フィニッシャーとも称する)が画像形成装置に接続されていない場合には、オペレータは、使用フィニッシャーを当該画像形成装置に接続するための作業を行う。特に、画像形成装置に接続可能な最大数のフィニッシャーが既に接続されており、使用フィニッシャーを新たに接続できない場合には、オペレータは、一旦不要なフィニッシャーを取り外した上で、使用フィニッシャーを接続する。このように、フィニッシャーを使用するジョブの実行においては、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業(取り付け作業および/または取り外し作業)を要する場合が有る。
【0007】
このような着脱作業においてはオペレータがその都度画像形成装置に移動しなければならず、当該着脱作業は当該オペレータにとって大きな手間である。したがって、複数のジョブが蓄積されており、フィニッシャーの着脱作業が複数回発生する可能性が有る場合においては、上記着脱作業の頻度をできる限り低減することが好ましい。
【0008】
しかしながら、フィニッシャーを使用する複数のジョブを蓄積された順序にしたがって実行する場合においては、上述の着脱作業の頻度を十分に低減することができず、オペレータの作業効率を著しく低下させる場合が有る。
【0009】
なお、上記特許文献1に記載の技術は、ジョブに設定された後処理の実行可否に応じて当該ジョブに対して優先度を設定し、当該ジョブの実行順序を制御する技術である。そのため、フィニッシャーの着脱作業の頻度については考慮されておらず、当該着脱作業の頻度を低減することは困難である。すなわち、特許文献1に記載の技術を用いたとしても、フィニッシャーを使用する複数のジョブを実行する場合において、オペレータの作業効率が低下するという問題を解決することはできない。
【0010】
そこで、この発明の課題は、フィニッシャーを使用する複数のジョブを実行する場合において、オペレータの作業効率を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成システムであって、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成システムにおいて、前記変更手段は、前記フィニッシャー情報に基づいて、同一種類のフィニッシャーを使用するジョブが同一のグループに属し且つ異なる種類のフィニッシャーを使用するジョブが異なるグループに属するように、前記複数のジョブを前記複数のグループに分類することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る画像形成システムにおいて、前記複数のグループは、第1のグループと第2のグループとを有し、前記変更手段は、前記第1のグループに属する第1のジョブに使用されるフィニッシャーの全部が前記第2のグループに属する第2のジョブに使用されるフィニッシャーに包含される場合には、前記第2のジョブに引き続いて前記第1のジョブが実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明に係る画像形成システムにおいて、前記画像形成装置に対して前記複数のジョブの実行前に接続されているフィニッシャーを、接続中フィニッシャーとして検出する検出手段、をさらに備え、前記変更手段は、前記接続中フィニッシャーの一部または全部を使用し且つ前記接続中フィニッシャー以外のフィニッシャーを使用しないジョブが他のジョブに先立って実行されるように、前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、画像形成装置であって、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、管理サーバであって、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、a)画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得するステップと、b)前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし請求項7に記載の発明によれば、フィニッシャー情報に基づいて複数のジョブが複数のグループに分類されるとともに、当該複数のジョブがグループ毎に実行されるように当該複数のジョブの実行順序が変更される。したがって、複数のジョブが蓄積された順序にしたがって実行される場合に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度を低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0019】
特に、請求項3に記載の発明によれば、第1のグループに属する第1のジョブに使用されるフィニッシャーが第2のグループに属する第2のジョブに使用されるフィニッシャーに包含される場合には、当該第2のジョブに引き続いて当該第1のジョブが実行されるように当該複数のジョブの実行順序を変更する。したがって、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0020】
また特に、請求項4に記載の発明によれば、接続中フィニッシャーの一部または全部を使用し且つ当該接続中フィニッシャー以外のフィニッシャーを使用しないジョブが他のジョブに先立って実行されるように複数のジョブの実行順序が変更される。したがって、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図5】管理テーブルを示す図である。
【図6】管理テーブルを示す図である。
【図7】フィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図8】フィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図9】第2実施形態に係る管理テーブルを示す図である。
【図10】第2実施形態に係るフィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図11】第3実施形態に係る管理テーブルを示す図である。
【図12】第3実施形態に係るフィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図13】第4実施形態に係る管理テーブルを示す図である。
【図14】第4実施形態に係るフィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<1.第1実施形態>
<1−1.概要>
図1は、本実施形態に係る画像形成システム1を示す図である。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置10と管理サーバ50とを備える。画像形成装置10と管理サーバ50とは、互いにネットワークNWを介して通信を行うことが可能である。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWに対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。
【0024】
画像形成装置10は、管理サーバ50から送信されてきた印刷ジョブ(以下、印刷ジョブPJとも称する)を実行して印刷出力等を行う装置である。この画像形成装置10は、後加工機として各種フィニッシャーを接続する(取り付ける)ことが可能である。
【0025】
ここでは、後加工機として4つのフィニッシャー「A」,「B」,「C」,「D」が備えられており、当該4つの「A」,「B」,「C」,「D」の中から最大で2つのフィニッシャーを画像形成装置10に対して接続することが可能である。
【0026】
なお、画像形成装置10に対して1つのフィニッシャーが接続される場合には、当該画像形成装置10に対してフィニッシャーが直接接続される。一方、画像形成装置10に対して2つのフィニッシャーが接続される場合には、1番目のフィニッシャーは画像形成装置10に対して接続され、2番目のフィニッシャーは1番目のフィニッシャーに対して接続される。例えば、画像形成装置10に対して2つのフィニッシャー「B」、「C」が接続される場合には、1番目のフィニッシャー「B」が画像形成装置10に対して接続され、2番目のフィニッシャー「C」は1番目のフィニッシャー「B」に対して接続される。このように、画像形成装置10に対して2つのフィニッシャーが接続される場合には、2番目のフィニッシャーは画像形成装置10に対して間接的に接続される。
【0027】
また、4つのフィニッシャー「A」,「B」,「C」,「D」としては、たとえば、「パンチ」、「ステープル」、「折り」、「くるみ製本」等が挙げられる。「パンチ」は印刷物に穴を開けるフィニッシャーであり、「ステープル」はステープラーを用いて印刷物を固定するフィニッシャーである。また、「折り」は印刷物に対して谷折りあるいは山折り等を施すフィニッシャーであり、「くるみ製本」は表紙を用いて印刷物をくるむように糊付けして製本するフィニッシャーである。
【0028】
管理サーバ50は、画像形成装置10に対する印刷ジョブPJとして蓄積されている複数の印刷ジョブPJの管理等を行うコンピュータである。具体的には、管理サーバ50は、クライアントコンピュータ等から送信されてきた画像形成装置10に対する印刷ジョブPJを蓄積するとともに、蓄積された複数の印刷ジョブPJの実行順序を決定する。
【0029】
<1−2.画像形成装置10>
画像形成装置10は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))として構成されているものとする。当該MFPは、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。
【0030】
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0031】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。
【0032】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0033】
通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信を行うことが可能な処理部である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(管理サーバ50等)との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0034】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
【0035】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部と、各種情報の表示出力を行う表示部とを備えている。
【0036】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG1を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0037】
<1−3.管理サーバ50>
管理サーバ50は、CPU等を備えるコンピュータシステムとして構成される。管理サーバ50は、図3に示すように、通信部54、格納部55およびCPU59等を備える。なお、図3は、管理サーバ50の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0038】
通信部54は、ネットワーク通信等によりMFP10等との通信を行う処理部である。
【0039】
格納部55は、各種の情報を格納する処理部であり、ハードディスク等により構成される。格納部55には、画像形成装置10に対するジョブとして受け付けられた複数の印刷ジョブPJi(PJ1,PJ2,PJ3,...)が蓄積(格納)される。また、格納部55には、複数の印刷ジョブPJに関する各種情報(以下、印刷ジョブ情報PFとも称する)を記録する管理テーブルTB(図5参照)も格納されている。
【0040】
管理テーブルTBには、複数の印刷ジョブPJiの実行順序にしたがって各印刷ジョブPJiに関する印刷ジョブ情報PFiが上から順に記録される。
【0041】
図5に示すように、印刷ジョブ情報PFiとして、「ジョブ識別名称」、「使用フィニッシャー」、「不足フィニッシャー」および「不足フィニッシャー数」が管理テーブルTBに記録される。
【0042】
「ジョブ識別名称」には、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)のそれぞれに付与される識別名称(「job001」,「job002」,「job003」,...)が記録される。
【0043】
「使用フィニッシャー」には、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)のそれぞれの実行時に使用されるフィニッシャー(「使用フィニッシャー」とも称する)UFの種類(「B,D」,「A」,「C」,...)が記録される。
【0044】
「不足フィニッシャー」には、使用フィニッシャーUF(「B,D」,「A」,「C」,...)から接続中フィニッシャーCF(「A」)を除いたフィニッシャー(「B,D」,「無」,「C」,...)である。接続中フィニッシャーCFは、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)の実行前に画像形成装置10に対して接続されているフィニッシャーである。ここでは、接続中フィニッシャーCFとしてフィニッシャー「A」が接続されている状況を想定する。
【0045】
「不足フィニッシャー数」には、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)のそれぞれの不足フィニッシャーDFの数(「2」,「0」,「1」)が記録される。
【0046】
なお、後述するように、「不足フィニッシャー」および「不足フィニッシャー数」は、接続中フィニッシャーCFの検出時(図4のステップS11)に記録される。したがって、複数の印刷ジョブPJiの蓄積時点(受付時点)においては、「不足フィニッシャー」および「不足フィニッシャー数」は未だ記録されておらず、「ジョブ識別名称」および「使用フィニッシャー」のみが記録されている。
【0047】
CPU59は、所定のソフトウエアプログラム(プログラム)PG2を実行することによって、各種の処理部を実現する。具体的には、図3に示すように、管理サーバ50のCPU59にてプログラムPG2が実行されることにより、接続中フィニッシャー検出部91とフィニッシャー情報取得部93とジョブ実行順序変更部95とを含む各種の処理部が実現される。なお、プログラムPG2は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介して管理サーバ50にインストールされればよい。
【0048】
接続中フィニッシャー検出部91は、複数の印刷ジョブPJの実行前に画像形成装置10に対して接続されている接続中フィニッシャーCFを検出する処理部である。
【0049】
フィニッシャー情報取得部93は、管理テーブルTBを参照して、複数の印刷ジョブPJのそれぞれの使用フィニッシャーUFに関する情報(以下、フィニッシャー情報FJとも称する)を取得する処理部である。なお、フィニッシャー情報FJとしては、使用フィニッシャーUFの種類と不足フィニッシャーDFの種類と不足フィニッシャーDFの数とが取得される。
【0050】
ジョブ実行順序変更部95は、フィニッシャー情報FJに基づいて複数の印刷ジョブPJを複数のジョブグループJGに分類するとともに、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理部である。ジョブ実行順序変更部95は、後述するように、複数の印刷ジョブPJがジョブグループJG毎に実行されるように当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0051】
<1−4.動作>
次に、図4のフローチャートおよび図6の管理テーブルTB等を参照しながら管理サーバ50の動作について詳細に説明する。図4は、管理サーバ50の動作を示すフローチャートである。図6は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序変更処理(図4)が実行された後の管理テーブルTB(TB1)を示す図である。
【0052】
管理サーバ50は、或る日の所定の印刷ジョブ開始時点(たとえば朝の始業時点)において蓄積されている複数の印刷ジョブPJに関して、図4のフローチャートの処理を実行し、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0053】
以下では、印刷ジョブ開始時点において印刷ジョブPJ1〜PJ9が蓄積されている状況を想定して、管理サーバ50の動作を図4のフローチャートに沿って説明する。
【0054】
まず、ステップS11においては、接続中フィニッシャー検出部91は、接続中フィニッシャーCFを検出する。上述したように、ここでは、接続中フィニッシャーCFとして単一のフィニッシャー「A」が接続されており、当該フィニッシャー「A」が接続中フィニッシャーCFとして検出される。接続中フィニッシャーCFが検出されると、管理サーバ50は、接続中フィニッシャーCFに基づいて複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9のそれぞれの不足フィニッシャーDFを決定する。
【0055】
具体的には、管理サーバ50は、複数の印刷ジョブPJのそれぞれの使用フィニッシャーUFから接続中フィニッシャーCFを除いた各印刷ジョブPJのフィニッシャーをそれぞれ不足フィニッシャーDFとして決定する。なお、不足フィニッシャーDFが決定されると、管理テーブルTBの「不足フィニッシャー」に不足フィニッシャーDFの種類が記録されるとともに、「不足フィニッシャー数」に不足フィニッシャーDFの数が記録される。
【0056】
ステップS12においては、フィニッシャー情報取得部93は、管理テーブルTBを参照して、フィニッシャー情報FJを取得する。具体的には、フィニッシャー情報取得部93は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9のそれぞれの使用フィニッシャーUFの種類と不足フィニッシャーDFの種類と不足フィニッシャーDFの数とを取得する。たとえば、印刷ジョブPJ1のフィニッシャー情報FJとしては、使用フィニッシャーUFの種類(「B,D」)と不足フィニッシャーDFの種類(「B,D」)と不足フィニッシャーDFの数(「2」)とが取得される。また、印刷ジョブPJ2のフィニッシャー情報FJとしては、使用フィニッシャーUFの種類(「A」)と不足フィニッシャーDFの種類(「無」)と不足フィニッシャーDFの数(「0」)とが取得される。同様に、印刷ジョブPJ3〜PJ9のフィニッシャー情報FJも取得される。
【0057】
ステップS13においては、ジョブ実行順序変更部95は、フィニッシャー情報FJに基づいて複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9を複数のジョブグループJGに分類する。
【0058】
ジョブ実行順序変更部95は、各印刷ジョブの不足フィニッシャ(詳細には不足フィニッシャの種類および数)に基づいて、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9を複数のジョブグループJGに分類する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、複数の印刷ジョブPJのうち同一の不足フィニッシャーDF(同一種類且つ同一数のフィニッシャ)を有する印刷ジョブPJが同一のジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJを複数のジョブグループJGに分類する。換言すれば、ジョブ実行順序変更部95は、同一の不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJが同一のジョブグループJGに属し且つ異なる不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJが異なるジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJを分類する。
【0059】
また、ジョブ実行順序変更部95は、或る印刷ジョブPJの不足フィニッシャーDFと同一の不足フィニッシャーDFを有する別の印刷ジョブPJが存在しない場合においても、或る印刷ジョブPJを単独でジョブグループJGに分類する。
【0060】
より詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、まず、1番目に蓄積された印刷ジョブPJ1の不足フィニッシャDF(種類(「B,D」)および数(「2」))と同一の不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJ8を検出する(図5参照)。そして、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ1,PJ8を同一のジョブグループJG1に分類する。
【0061】
次に、ジョブ実行順序変更部95は、2番目に蓄積された印刷ジョブPJ2の不足フィニッシャーDF(種類(「無」)および数(「0」))と同一の不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJ7を検出する(図5参照)。そして、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ2,PJ7を同一のジョブグループJG2に分類する。
【0062】
次に、3番目に蓄積された印刷ジョブPJ3に関しては、当該印刷ジョブPJ3の不足フィニッシャーDFと同一の不足フィニッシャーDFを有する他の印刷ジョブPJが存在しない。そこで、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ3を単独でジョブグループJG3に分類する。
【0063】
同様にして、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ4,PJ6,PJ9をジョブグループJG4に分類し、印刷ジョブPJ5をジョブグループJG5に分類する。
【0064】
このように、ジョブ実行順序変更部95は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9を5つのジョブグループJG1〜JG5に分類する。
【0065】
なお、上記のような態様は、「使用フィニッシャーUF」の種類と数とに基づいて印刷ジョブPJが複数のジョブグループJGに分類される態様である、とも表現される。具体的には、互いに同一のフィニッシャを使用する印刷ジョブPJ(同一種類且つ同一数の使用フィニッシャーUFを有する印刷ジョブPJ)が同一のジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJが複数のジョブグループJGに分類されている。換言すれば、ジョブ実行順序変更部95は、同一の使用フィニッシャーUFを有する印刷ジョブPJが同一のジョブグループJGに属し且つ異なる使用フィニッシャーUFを有する印刷ジョブPJが異なるジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJを分類する。
【0066】
ステップS14においては、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJGが存在するか否かが判定される。
【0067】
ここでは、図5に示すように、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2,JG7が存在するので(ステップS14でYES)、処理はステップS15に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJGが存在しない場合には(ステップS14でNO)、処理はステップS17に進む。
【0068】
ステップS15においては、ジョブ実行順序変更部95は、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2の実行優先度の値Nを「0」(N=0)(最も高い優先度)に設定する。換言すれば、ジョブ実行順序変更部95は、接続中フィニッシャーCF(詳細にはその全部)「A」を使用し且つ接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJ2,PJ7が属するジョブグループJG2の実行優先度を値「0」に設定する。なお、後述するように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように変更される(図6参照)。したがって、ジョブグループJG2に最も高い実行優先度の値「0」が設定されると、当該ジョブグループJG2が他のジョブグループJG1,JG3〜JG5に先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される。
【0069】
ステップS17においては、不足フィニッシャーDFの数が最大接続可能フィニッシャー数(ここでは「2」)であるジョブグループJGが存在するか否かが判定される。なお、最大接続可能フィニッシャー数は、画像形成装置10に対して接続することが可能なフィニッシャーの最大値である。
【0070】
ここでは、図5に示すように、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJG1が存在するので(ステップS17でYES)、処理はステップS18に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGが存在しない場合には(ステップS17でNO)、処理はステップS24に進む。
【0071】
ステップS18においては、ジョブ実行順序変更部95は、優先度の値Nを更新(1つインクリメント)し、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGとして検出されたジョブグループJG1を次順位のジョブグループJGに決定する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1の実行優先度を値「N」に設定する。ここでは、インクリメント後の「1」が値Nとして設定され、ジョブグループJG1の実行優先度は値「1」に設定される(図6参照)。
【0072】
次のステップS20においては、実行優先度の値が未設定である未設定ジョブグループ(ジョブグループJG1,JG2以外のジョブグループJG)の使用フィニッシャーUFがジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含されるか否かが判定される。換言すれば、ジョブグループJG1,JG2以外の各ジョブグループJGの使用フィニッシャーUFが、ジョブグループJG1の使用フィニッシャーUFの部分集合であるか否かが判定される。
【0073】
ここでは、ジョブグループJG4の使用フィニッシャーUF(「B」)とジョブグループJG5の使用フィニッシャーUF(「D」)とがそれぞれジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含される(ステップS20でYES)。そのため、処理はステップS21に進む。なお、仮に、ジョブグループJG1以外の各印刷ジョブPJの使用フィニッシャーUFがジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含されない場合には、処理はステップS23に進む。
【0074】
ステップS21においては、ジョブ実行順序変更部95は、優先度の値Nを更新(1つインクリメント)し、検出されたジョブグループJG4,JG5を次順位のジョブグループJGに決定する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度をそれぞれ値「N」に設定する。ここでは、インクリメント後の「2」が値Nとして設定され、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度は値「2」に設定される(図6参照)。
【0075】
このように、ジョブグループJG4,JG5の使用フィニッシャーUF(「B」,「D」)がジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含される場合には、ジョブグループJG1の実行優先度が値「1」に設定され、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度が値「2」に設定される。これにより、ジョブグループJG1に引き続いてジョブグループJG4,JG5が実行されるように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(図6参照)。
【0076】
ステップS21の後のステップS23においては、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGが他に(ここでは、ジョブグループJG1以外に)存在するか否かが判定される。
【0077】
ここでは、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGがジョブグループJG1以外には存在しないので(ステップS23でNO)、処理はステップS24に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGがジョブグループJG1以外に存在する場合には(ステップS23でYES)、処理はステップS18に戻る。
【0078】
次のステップS24においては、不足フィニッシャーDFの数が「1」(=(最大接続可能フィニッシャー数「2」)−1)であり、且つ実行優先度が未設定であるジョブグループ(未設定ジョブグループ)JGが存在するか否か、が判定される。
【0079】
ここでは、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり、且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJG3が存在するので(ステップS24でYES)、処理はステップS25に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJGが存在しない場合には(ステップS24でNO)、処理はステップS26に進む。
【0080】
ステップS25においては、ジョブ実行順序変更部95は、優先度の値Nを更新(1つインクリメント)し、検出されたジョブグループJG3を次順位のジョブグループJGに決定する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり、且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJG3の実行優先度を値「N」に設定する。ここでは、インクリメント後の「3」が値Nとして設定され、ジョブグループJG3の実行優先度は値「3」に設定される(図6参照)。
【0081】
ステップS26においては、ジョブ実行順序変更部95は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0082】
詳細には、図6に示すように、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG2,JG1,JG4,JG5,JG3の順序にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行されるように当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0083】
以上の動作によれば、フィニッシャー情報FJに基づいて複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9が複数のジョブグループJG1〜JG5に分類される(ステップS13)。そして、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9がジョブグループJG毎に実行されるように当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(ステップS14〜ステップS26)。
【0084】
詳細には、接続中フィニッシャーCFの一部または全部を使用し且つ接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJ(PJ2,PJ7)で構成されるジョブグループJG(JG2)が他のジョブグループJG(JG1,JG3〜JG5)に先立って実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(図4のステップS14,S15)。
【0085】
また、ジョブグループJG4,JG5の使用フィニッシャーUFがジョブグループJG1の使用フィニッシャーUFに包含される場合には、ジョブグループJG1に属する印刷ジョブPJ1,PJ8に引き続いてジョブグループJG4,JG5に属するPJ4,PJ6,PJ9,PJ5が実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(図4のステップS17〜S21)。
【0086】
したがって、後に詳述するように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9が単純に蓄積された順序にしたがって実行される場合に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を大幅に低減することが可能である。そのため、印刷ジョブPJ1〜PJ9を実行する場合において、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0087】
<1−5.フィニッシャーの着脱作業の頻度等>
次に、図7を参照して、複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが仮に実行される場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について説明する。図7は、この比較例におけるフィニッシャーの着脱作業の様子を示す概念図である。
【0088】
図7に示すように、印刷ジョブPJ1の実行前(詳細には実行直前)においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とを取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0089】
次に、印刷ジョブPJ2の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0090】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0091】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0092】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ5の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「C」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0093】
次に、印刷ジョブPJ6の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ6の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0094】
次に、印刷ジョブPJ7の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0095】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」のうち、フィニッシャー「B」は接続されているもののフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0096】
次に、印刷ジョブPJ9の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ9の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、印刷ジョブPJ9においては、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0097】
このように、複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、図7に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5,PJ7,PJ8の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ4,PJ6の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「6回」である。
【0098】
また、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5,PJ7,PJ8の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」、「2回」、「2回」、「2回」である。また、印刷ジョブPJ4,PJ6の実行前の着脱作業におけるフィニッシャー着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、フィニッシャーの着脱回数の合計数は「13回」である。
【0099】
続いて、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図8を参照しながら説明する。図8は、図6に示す実行順序にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行される場合におけるフィニッシャーの着脱作業の様子を示す概念図である。
【0100】
まず、印刷ジョブPJ2の実行前においては、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0101】
同様に、印刷ジョブPJ7の実行前においても、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0102】
次に、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」、「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0103】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0104】
同様に、印刷ジョブPJ4,PJ6,PJ9,PJ5の実行前においても、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0105】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0106】
このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合においては、図8に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ3の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「2回」である。
【0107】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ3の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「5回」である。
【0108】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJ1が実行される場合においては、当該複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を大幅に低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度を「6回」から「2回」に低減するとともに、着脱回数の合計数を「13回」から「5回」に低減することが可能である。このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行されることにより、オペレータの作業効率を飛躍的に向上させることが可能である。
【0109】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0110】
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0111】
上記第1実施形態では、図4のステップS14〜S26において、複数のジョブグループJG1〜JG5の各実行優先度の値が設定され、当該実行優先度にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合を例示した。
【0112】
一方、この第2実施形態では、図4のステップS14〜S26の処理が実行されずに、ジョブグループJG1〜JG5が分類された順序である分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合を例示する。
【0113】
具体的には、図4のステップS13において、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9が複数のジョブグループJG1〜JG5に分類されると、ジョブ実行順序変更部95は、ステップS17〜ステップS26の処理に代えて次述する処理を実行する。
【0114】
詳細には、図9に示すように、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1〜JG5の分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9がジョブグループJG毎に実行されるように当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。なお、上述したように、ステップS13において、ジョブグループJG1,JG2,JG3,JG4,JG5は、この順序で分類される。したがって、図9に示すように、ジョブ実行順序変更部95は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9がジョブグループJG1,JG2,JG3,JG4,JG5の順序にしたがって実行されるように当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0115】
次に、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図9参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図10を参照しながら説明する。
【0116】
図10に示すように、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とを取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0117】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0118】
次に、印刷ジョブPJ2の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0119】
次に、印刷ジョブPJ7の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0120】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0121】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0122】
同様に、印刷ジョブPJ6,PJ9の実行前においても、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0123】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「C」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0124】
このように、複数の印刷ジョブPJが変更後の実行順序(図9参照)にしたがって実行された場合においては、図10に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ8,PJ7,PJ4,PJ6,PJ9の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「4回」である。
【0125】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ8,PJ7,PJ4,PJ6,PJ9の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「9回」である。
【0126】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図9参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、当該複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度が「6回」から「4回」に低減され、着脱回数の合計数が「13回」から「9回」に低減される。このように、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0127】
ただし、上記第1実施形態のような態様(図4のステップS14〜ステップS26)で複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることがより好ましい。上記第1実施形態によれば、上述したように、フィニッシャーの着脱作業の頻度が「6回」から「2回」に低減されるとともに、着脱回数の合計数が「13回」から「5回」に低減される。したがって、上記第2実施形態に比べてフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計をより低減することが可能である。そのため、上記第1実施形態のような態様によれば、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0128】
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0129】
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0130】
この第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、接続中フィニッシャーCFに基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS14,S15)が実行される。
【0131】
ただし、この第3実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、複数のジョブグループJG相互間での使用フィニッシャーUFの包含関係に基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS17〜ステップS25)は、実行されない。
【0132】
すなわち、この第3実施形態では、図4のステップS14〜ステップS25の処理のうち、ステップS17〜ステップS25が実行されずに、ステップS14,S15の処理のみが実行される場合を例示する。
【0133】
具体的には、図4のステップS11〜S15においては、上記第1実施形態と同様の処理が実行される。したがって、ステップS15においては、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2の実行優先度が値「0」に設定される。
【0134】
ステップS15の処理が終了すると、ジョブ実行順序変更部95は、ステップS17〜ステップS25の処理に代えて次述する処理を実行する。
【0135】
詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、実行優先度が設定されたジョブグループJG2以外のジョブグループJG1,JG3〜JG5の分類順序にしたがって当該ジョブグループJG1,JG3〜JG5にそれぞれ実行優先度を設定する。より詳細には、ジョブグループJG1,JG3,JG4,JG5はこの順で分類されているので、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1の実行優先度を値「1」を設定し、ジョブグループJG3の実行優先度を値「2」に設定する。さらに、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG4の実行優先度を値「3」を設定し、ジョブグループJG5の実行優先度を値「4」を設定する。
【0136】
この後、処理はステップS26に進み、ジョブ実行順序変更部95は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0137】
詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、図11の管理テーブルTB(TB3)に示すように、ジョブグループJG2,JG1,JG3,JG4,JG5の順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0138】
次に、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図11参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図12を参照しながら説明する。
【0139】
まず、印刷ジョブPJ2の実行前においては、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0140】
同様に、印刷ジョブPJ7の実行時においても、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0141】
次に、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B,D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0142】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0143】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順序で接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0144】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0145】
同様に、印刷ジョブPJ6,PJ9の実行時においても、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0146】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ5の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「C」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0147】
このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合においては、図12に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ3,PJ5の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「3回」である。
【0148】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ3,PJ5の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「7回」である。
【0149】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図11参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、当該複数の印刷ジョブPJが蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度が「6回」から「3回」に低減され、着脱回数の合計数が「13回」から「7回」に低減される。そのため、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0150】
また、この第3実施形態においては、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2が他のジョブグループJG1,JG3〜JG5に先立って実行される(ステップS14,S15)。換言すれば、接続中フィニッシャーCFの一部または全部を使用し且つ接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJ2,PJ7が他の印刷ジョブPJ1,PJ3〜PJ6,PJ8,PJ9に先立って実行される。
【0151】
したがって、ジョブグループJG1〜JG5の分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合(上記第2実施形態)に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数をより低減することが可能である。
【0152】
ただし、上記第1実施形態のような態様(図4のステップS14〜ステップS26)で複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることがより好ましい。上述したように、上記第1実施形態によれば、上記第3実施形態に比べて当該着脱作業の頻度をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0153】
<4.第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0154】
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0155】
この第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、複数のジョブグループJG相互間での使用フィニッシャーUFの包含関係に基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS17〜ステップS25)が実行される。
【0156】
ただし、この第4実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、接続中フィニッシャーCFに基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS14,S15)は、実行されない。
【0157】
すなわち、この第4実施形態では、図4のステップS14〜ステップS25の処理のうち、ステップS14,S15の処理が実行されずに、ステップS17〜ステップS25が実行される場合を例示する。
【0158】
具体的には、ステップS13の処理が終了すると、処理はステップS14,S15の処理を経由せずにステップS17に進む。すなわち、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2が実行優先度「0」に設定されることなく、ステップS17に進む。
【0159】
ステップS17〜ステップS23においては、第1実施形態と同様の処理が実行される。具体的には、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1の実行優先度を値「1」に設定するとともに、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度を値「2」に設定する。そして、処理はステップS24に進む。
【0160】
ステップS24においては、上述したように、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJGが存在するか否かが判定される。
【0161】
不足フィニッシャーDFの数が「1」であり且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJG2,JG3が存在するので(ステップS24でYES)、処理はステップS25に進む。
【0162】
ステップS25においては、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG2,JG3の実行優先度を値「3」に設定する。
【0163】
この後、ステップS26に進み、ジョブ実行順序変更部95は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0164】
詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、図13の管理テーブルTB(TB4)に示すように、ジョブグループJG1,JG4,JG5,JG2,JG3の順序にしたがって複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0165】
次に、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図13参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図14を参照しながら説明する。
【0166】
図14に示すように、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」が共に接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とを取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0167】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0168】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0169】
同様に、印刷ジョブPJ6,PJ9の実行前においても、印刷ジョブPJ6,PJ9の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0170】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ5の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0171】
次に、印刷ジョブPJ2の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0172】
次に、印刷ジョブPJ7の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0173】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0174】
このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図13参照)にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行された場合においては、図14に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5,PJ7の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「3回」である。
【0175】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5,PJ7の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「7回」である。
【0176】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図9参照)にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度が「6回」から「3回」に低減され、着脱回数の合計数が「13回」から「7回」に低減される。
【0177】
そのため、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行されることによって、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0178】
また、この第4実施形態においては、ジョブグループJG4,JG5の使用フィニッシャーUF(「B」,「D」)がジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含される場合には、ジョブグループJG1が実行優先度「1」に設定され、ジョブグループJG4,JG5が実行優先度「2」に設定される。したがって、ジョブグループJG1に引き続いてジョブグループJG4,JG5が実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される。
【0179】
したがって、ジョブグループJG1〜JG5の分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合(上記第2実施形態)に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数をより低減することが可能である。
【0180】
ただし、上記第1実施形態のような態様(図4のステップS14〜ステップS26)で複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることがより好ましい。上述したように、上記第1実施形態によれば、上記第4実施形態に比べてフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0181】
<5.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0182】
たとえば、上記各実施形態においては、管理サーバ50が複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する場合を例示したが、これに限定されず、画像形成装置10が当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更するようにしてもよい。具体的には、画像形成装置10は、クライアントコンピュータ等からの画像形成装置10に対する印刷ジョブPJを蓄積するとともに、図4のフローチャートの処理を実行して複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更するようにすればよい。
【0183】
また、上記各実施形態においては、或る日の所定の印刷ジョブ開始時点において蓄積されている複数の印刷ジョブPJに関して、図4のフローチャートの処理(スケジューリング処理)を実行する場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、複数の印刷ジョブPJの蓄積数が所定数(例えば「9」)以上であると判定されたことに応答して、上記スケジューリング処理が実行されるようにしてもよい。
【0184】
また、上記実施形態においては、最大で2つのフィニッシャーを画像形成装置10に対して接続することが可能である場合を例示したが、これに限定されず、最大で3つ以上のフィニッシャーを画像形成装置10に対して接続することが可能である場合(フィニッシャの最大接続数が「3」以上の場合)においても、本発明の思想を適用することが可能である。
【0185】
具体的には、まず、ステップS11〜S15,S26の処理に関して、フィニッシャーの最大接続数が「3」以上の場合においても、上記実施形態と同様の処理が実行されればよい。
【0186】
また、ステップS17〜S25の処理に関して、フィニッシャの最大接続数が「3」以上の場合においても、上記実施形態と同様にして、複数のジョブグループの相互間での使用フィニッシャーの包含関係に基づいて当該複数のジョブグループの実行優先度が決定されるようにしてもよい。
【0187】
たとえば、最大接続可能フィニッシャー数が「3」であり、フィニッシャー「B,C,D」を使用する印刷ジョブPJ70(ジョブグループJG70)とフィニッシャー「B,D」を使用する印刷ジョブPJ80(ジョブグループJG80)とを含む複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する状況を想定する。このような状況において、複数のジョブグループPJ70,PJ80の相互間での使用フィニッシャーの包含関係に基づいて、ジョブグループPJ70,PJ80の実行優先度が決定されるようにしてもよい。この例では、ジョブグループJG70の使用フィニッシャーUF(「B,D,C」)は、ジョブグループJG80の使用フィニッシャーUF(「B,D」)の全部を包含する。そして、このような包含関係に基づいて、ジョブグループJG80に属する印刷ジョブPJ80(包含される側のジョブ)が、ジョブグループJG70に属する印刷ジョブPJ70(包含する側のジョブ)に引き続いて実行されるように、複数の印刷ジョブPJ70,PJ80の実行順序が変更されるようにしてもよい。
【0188】
また、上記各実施形態においては、接続中フィニッシャーCFとして単一のフィニッシャー(「A」)が接続されている場合において、図4のフローチャートの処理(スケジューリング処理)が実行される場合を例示したが、これに限定されない。
【0189】
具体的には、接続中フィニッシャーCFとして複数のフィニッシャー(例えば「A,B」)が接続されている場合において、上記スケジューリング処理が実行されるようにしてもよい。
【0190】
特に、このような状況においては、接続中フィニッシャーCFである複数のフィニッシャーの一部または全部を使用し且つ当該接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJが他の印刷ジョブPJに先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることが好ましい。
【0191】
たとえば、印刷ジョブPJ20を含む複数の印刷ジョブPJが蓄積されている場合には、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序が次述するように変更されればよい。ここで、印刷ジョブPJ20は、接続中フィニッシャーCFの全部(「A,B」)を使用し且つ当該接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJである。
【0192】
具体的には、このような印刷ジョブPJ20がその他の印刷ジョブPJ(接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用する印刷ジョブPJ)に先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されればよい。
【0193】
同様に、印刷ジョブPJ30を含む複数の印刷ジョブPJが蓄積されている場合には、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序が次述するように変更されればよい。ここで、印刷ジョブPJ30は、接続中フィニッシャーCF(「A,B」)の一部(「A」)を使用し且つ当該接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJである。
【0194】
具体的には、このような印刷ジョブPJ30がその他の印刷ジョブPJ(接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用する印刷ジョブPJ)に先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されればよい。
【符号の説明】
【0195】
CF 接続中フィニッシャー
FJ フィニッシャー情報
JG1〜JG5 ジョブグループ
PF 印刷ジョブ情報
PJ1〜PJ9 印刷ジョブ
TB(TB0〜TB4) 管理テーブル
TC 蓄積数
UF 使用フィニッシャー
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フィニッシャーと称される後加工機を用いて、印刷物に後処理(ステープル処理等)を施すことが可能な画像形成装置が知られている。このような画像形成装置においては、フィニッシャーを使用するジョブの実行順序を制御する技術が存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、ジョブに設定された後処理の実行可否に応じて当該ジョブに対して優先度を設定し、当該ジョブの実行順序を制御する技術が記載されている。
【0004】
具体的には、ジョブにステープル処理が設定されている場合には、画像形成装置は、装置内のステープル残量(P)と当該ステープル処理に要するステープル数量(Q)とを比較する。そして、ステープル残量(P)がステープル数量(Q)よりも少ない場合には(P<Q)、画像形成装置は、ステープル処理を実行不可能であると判定し、当該ステープル処理を実行可能である場合に比べて低い優先度をジョブに設定する。一方、ステープル残量(P)がステープル数量(Q)以上である場合には(P≧Q)、画像形成装置は、ステープル処理を実行可能であると判定し、当該ステープル処理を実行不可能である場合に比べて高い優先度を設定する。これによれば、ジョブに設定されているステープル処理の実行可否に応じて、当該ジョブの実行順序を制御することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−76123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フィニッシャーは、画像形成装置に対して接続されて用いられる。そのため、ジョブの実行時に当該ジョブに使用されるフィニッシャー(以下、使用フィニッシャーとも称する)が画像形成装置に接続されていない場合には、オペレータは、使用フィニッシャーを当該画像形成装置に接続するための作業を行う。特に、画像形成装置に接続可能な最大数のフィニッシャーが既に接続されており、使用フィニッシャーを新たに接続できない場合には、オペレータは、一旦不要なフィニッシャーを取り外した上で、使用フィニッシャーを接続する。このように、フィニッシャーを使用するジョブの実行においては、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業(取り付け作業および/または取り外し作業)を要する場合が有る。
【0007】
このような着脱作業においてはオペレータがその都度画像形成装置に移動しなければならず、当該着脱作業は当該オペレータにとって大きな手間である。したがって、複数のジョブが蓄積されており、フィニッシャーの着脱作業が複数回発生する可能性が有る場合においては、上記着脱作業の頻度をできる限り低減することが好ましい。
【0008】
しかしながら、フィニッシャーを使用する複数のジョブを蓄積された順序にしたがって実行する場合においては、上述の着脱作業の頻度を十分に低減することができず、オペレータの作業効率を著しく低下させる場合が有る。
【0009】
なお、上記特許文献1に記載の技術は、ジョブに設定された後処理の実行可否に応じて当該ジョブに対して優先度を設定し、当該ジョブの実行順序を制御する技術である。そのため、フィニッシャーの着脱作業の頻度については考慮されておらず、当該着脱作業の頻度を低減することは困難である。すなわち、特許文献1に記載の技術を用いたとしても、フィニッシャーを使用する複数のジョブを実行する場合において、オペレータの作業効率が低下するという問題を解決することはできない。
【0010】
そこで、この発明の課題は、フィニッシャーを使用する複数のジョブを実行する場合において、オペレータの作業効率を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成システムであって、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像形成システムにおいて、前記変更手段は、前記フィニッシャー情報に基づいて、同一種類のフィニッシャーを使用するジョブが同一のグループに属し且つ異なる種類のフィニッシャーを使用するジョブが異なるグループに属するように、前記複数のジョブを前記複数のグループに分類することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る画像形成システムにおいて、前記複数のグループは、第1のグループと第2のグループとを有し、前記変更手段は、前記第1のグループに属する第1のジョブに使用されるフィニッシャーの全部が前記第2のグループに属する第2のジョブに使用されるフィニッシャーに包含される場合には、前記第2のジョブに引き続いて前記第1のジョブが実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明に係る画像形成システムにおいて、前記画像形成装置に対して前記複数のジョブの実行前に接続されているフィニッシャーを、接続中フィニッシャーとして検出する検出手段、をさらに備え、前記変更手段は、前記接続中フィニッシャーの一部または全部を使用し且つ前記接続中フィニッシャー以外のフィニッシャーを使用しないジョブが他のジョブに先立って実行されるように、前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、画像形成装置であって、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、管理サーバであって、画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、a)画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得するステップと、b)前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし請求項7に記載の発明によれば、フィニッシャー情報に基づいて複数のジョブが複数のグループに分類されるとともに、当該複数のジョブがグループ毎に実行されるように当該複数のジョブの実行順序が変更される。したがって、複数のジョブが蓄積された順序にしたがって実行される場合に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度を低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0019】
特に、請求項3に記載の発明によれば、第1のグループに属する第1のジョブに使用されるフィニッシャーが第2のグループに属する第2のジョブに使用されるフィニッシャーに包含される場合には、当該第2のジョブに引き続いて当該第1のジョブが実行されるように当該複数のジョブの実行順序を変更する。したがって、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0020】
また特に、請求項4に記載の発明によれば、接続中フィニッシャーの一部または全部を使用し且つ当該接続中フィニッシャー以外のフィニッシャーを使用しないジョブが他のジョブに先立って実行されるように複数のジョブの実行順序が変更される。したがって、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図5】管理テーブルを示す図である。
【図6】管理テーブルを示す図である。
【図7】フィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図8】フィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図9】第2実施形態に係る管理テーブルを示す図である。
【図10】第2実施形態に係るフィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図11】第3実施形態に係る管理テーブルを示す図である。
【図12】第3実施形態に係るフィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【図13】第4実施形態に係る管理テーブルを示す図である。
【図14】第4実施形態に係るフィニッシャーの接続状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<1.第1実施形態>
<1−1.概要>
図1は、本実施形態に係る画像形成システム1を示す図である。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置10と管理サーバ50とを備える。画像形成装置10と管理サーバ50とは、互いにネットワークNWを介して通信を行うことが可能である。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWに対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。
【0024】
画像形成装置10は、管理サーバ50から送信されてきた印刷ジョブ(以下、印刷ジョブPJとも称する)を実行して印刷出力等を行う装置である。この画像形成装置10は、後加工機として各種フィニッシャーを接続する(取り付ける)ことが可能である。
【0025】
ここでは、後加工機として4つのフィニッシャー「A」,「B」,「C」,「D」が備えられており、当該4つの「A」,「B」,「C」,「D」の中から最大で2つのフィニッシャーを画像形成装置10に対して接続することが可能である。
【0026】
なお、画像形成装置10に対して1つのフィニッシャーが接続される場合には、当該画像形成装置10に対してフィニッシャーが直接接続される。一方、画像形成装置10に対して2つのフィニッシャーが接続される場合には、1番目のフィニッシャーは画像形成装置10に対して接続され、2番目のフィニッシャーは1番目のフィニッシャーに対して接続される。例えば、画像形成装置10に対して2つのフィニッシャー「B」、「C」が接続される場合には、1番目のフィニッシャー「B」が画像形成装置10に対して接続され、2番目のフィニッシャー「C」は1番目のフィニッシャー「B」に対して接続される。このように、画像形成装置10に対して2つのフィニッシャーが接続される場合には、2番目のフィニッシャーは画像形成装置10に対して間接的に接続される。
【0027】
また、4つのフィニッシャー「A」,「B」,「C」,「D」としては、たとえば、「パンチ」、「ステープル」、「折り」、「くるみ製本」等が挙げられる。「パンチ」は印刷物に穴を開けるフィニッシャーであり、「ステープル」はステープラーを用いて印刷物を固定するフィニッシャーである。また、「折り」は印刷物に対して谷折りあるいは山折り等を施すフィニッシャーであり、「くるみ製本」は表紙を用いて印刷物をくるむように糊付けして製本するフィニッシャーである。
【0028】
管理サーバ50は、画像形成装置10に対する印刷ジョブPJとして蓄積されている複数の印刷ジョブPJの管理等を行うコンピュータである。具体的には、管理サーバ50は、クライアントコンピュータ等から送信されてきた画像形成装置10に対する印刷ジョブPJを蓄積するとともに、蓄積された複数の印刷ジョブPJの実行順序を決定する。
【0029】
<1−2.画像形成装置10>
画像形成装置10は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))として構成されているものとする。当該MFPは、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。
【0030】
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0031】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。
【0032】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0033】
通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信を行うことが可能な処理部である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(管理サーバ50等)との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0034】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
【0035】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部と、各種情報の表示出力を行う表示部とを備えている。
【0036】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG1を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0037】
<1−3.管理サーバ50>
管理サーバ50は、CPU等を備えるコンピュータシステムとして構成される。管理サーバ50は、図3に示すように、通信部54、格納部55およびCPU59等を備える。なお、図3は、管理サーバ50の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0038】
通信部54は、ネットワーク通信等によりMFP10等との通信を行う処理部である。
【0039】
格納部55は、各種の情報を格納する処理部であり、ハードディスク等により構成される。格納部55には、画像形成装置10に対するジョブとして受け付けられた複数の印刷ジョブPJi(PJ1,PJ2,PJ3,...)が蓄積(格納)される。また、格納部55には、複数の印刷ジョブPJに関する各種情報(以下、印刷ジョブ情報PFとも称する)を記録する管理テーブルTB(図5参照)も格納されている。
【0040】
管理テーブルTBには、複数の印刷ジョブPJiの実行順序にしたがって各印刷ジョブPJiに関する印刷ジョブ情報PFiが上から順に記録される。
【0041】
図5に示すように、印刷ジョブ情報PFiとして、「ジョブ識別名称」、「使用フィニッシャー」、「不足フィニッシャー」および「不足フィニッシャー数」が管理テーブルTBに記録される。
【0042】
「ジョブ識別名称」には、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)のそれぞれに付与される識別名称(「job001」,「job002」,「job003」,...)が記録される。
【0043】
「使用フィニッシャー」には、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)のそれぞれの実行時に使用されるフィニッシャー(「使用フィニッシャー」とも称する)UFの種類(「B,D」,「A」,「C」,...)が記録される。
【0044】
「不足フィニッシャー」には、使用フィニッシャーUF(「B,D」,「A」,「C」,...)から接続中フィニッシャーCF(「A」)を除いたフィニッシャー(「B,D」,「無」,「C」,...)である。接続中フィニッシャーCFは、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)の実行前に画像形成装置10に対して接続されているフィニッシャーである。ここでは、接続中フィニッシャーCFとしてフィニッシャー「A」が接続されている状況を想定する。
【0045】
「不足フィニッシャー数」には、複数の印刷ジョブPJ(PJ1,PJ2,PJ3,...)のそれぞれの不足フィニッシャーDFの数(「2」,「0」,「1」)が記録される。
【0046】
なお、後述するように、「不足フィニッシャー」および「不足フィニッシャー数」は、接続中フィニッシャーCFの検出時(図4のステップS11)に記録される。したがって、複数の印刷ジョブPJiの蓄積時点(受付時点)においては、「不足フィニッシャー」および「不足フィニッシャー数」は未だ記録されておらず、「ジョブ識別名称」および「使用フィニッシャー」のみが記録されている。
【0047】
CPU59は、所定のソフトウエアプログラム(プログラム)PG2を実行することによって、各種の処理部を実現する。具体的には、図3に示すように、管理サーバ50のCPU59にてプログラムPG2が実行されることにより、接続中フィニッシャー検出部91とフィニッシャー情報取得部93とジョブ実行順序変更部95とを含む各種の処理部が実現される。なお、プログラムPG2は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介して管理サーバ50にインストールされればよい。
【0048】
接続中フィニッシャー検出部91は、複数の印刷ジョブPJの実行前に画像形成装置10に対して接続されている接続中フィニッシャーCFを検出する処理部である。
【0049】
フィニッシャー情報取得部93は、管理テーブルTBを参照して、複数の印刷ジョブPJのそれぞれの使用フィニッシャーUFに関する情報(以下、フィニッシャー情報FJとも称する)を取得する処理部である。なお、フィニッシャー情報FJとしては、使用フィニッシャーUFの種類と不足フィニッシャーDFの種類と不足フィニッシャーDFの数とが取得される。
【0050】
ジョブ実行順序変更部95は、フィニッシャー情報FJに基づいて複数の印刷ジョブPJを複数のジョブグループJGに分類するとともに、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理部である。ジョブ実行順序変更部95は、後述するように、複数の印刷ジョブPJがジョブグループJG毎に実行されるように当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0051】
<1−4.動作>
次に、図4のフローチャートおよび図6の管理テーブルTB等を参照しながら管理サーバ50の動作について詳細に説明する。図4は、管理サーバ50の動作を示すフローチャートである。図6は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序変更処理(図4)が実行された後の管理テーブルTB(TB1)を示す図である。
【0052】
管理サーバ50は、或る日の所定の印刷ジョブ開始時点(たとえば朝の始業時点)において蓄積されている複数の印刷ジョブPJに関して、図4のフローチャートの処理を実行し、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0053】
以下では、印刷ジョブ開始時点において印刷ジョブPJ1〜PJ9が蓄積されている状況を想定して、管理サーバ50の動作を図4のフローチャートに沿って説明する。
【0054】
まず、ステップS11においては、接続中フィニッシャー検出部91は、接続中フィニッシャーCFを検出する。上述したように、ここでは、接続中フィニッシャーCFとして単一のフィニッシャー「A」が接続されており、当該フィニッシャー「A」が接続中フィニッシャーCFとして検出される。接続中フィニッシャーCFが検出されると、管理サーバ50は、接続中フィニッシャーCFに基づいて複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9のそれぞれの不足フィニッシャーDFを決定する。
【0055】
具体的には、管理サーバ50は、複数の印刷ジョブPJのそれぞれの使用フィニッシャーUFから接続中フィニッシャーCFを除いた各印刷ジョブPJのフィニッシャーをそれぞれ不足フィニッシャーDFとして決定する。なお、不足フィニッシャーDFが決定されると、管理テーブルTBの「不足フィニッシャー」に不足フィニッシャーDFの種類が記録されるとともに、「不足フィニッシャー数」に不足フィニッシャーDFの数が記録される。
【0056】
ステップS12においては、フィニッシャー情報取得部93は、管理テーブルTBを参照して、フィニッシャー情報FJを取得する。具体的には、フィニッシャー情報取得部93は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9のそれぞれの使用フィニッシャーUFの種類と不足フィニッシャーDFの種類と不足フィニッシャーDFの数とを取得する。たとえば、印刷ジョブPJ1のフィニッシャー情報FJとしては、使用フィニッシャーUFの種類(「B,D」)と不足フィニッシャーDFの種類(「B,D」)と不足フィニッシャーDFの数(「2」)とが取得される。また、印刷ジョブPJ2のフィニッシャー情報FJとしては、使用フィニッシャーUFの種類(「A」)と不足フィニッシャーDFの種類(「無」)と不足フィニッシャーDFの数(「0」)とが取得される。同様に、印刷ジョブPJ3〜PJ9のフィニッシャー情報FJも取得される。
【0057】
ステップS13においては、ジョブ実行順序変更部95は、フィニッシャー情報FJに基づいて複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9を複数のジョブグループJGに分類する。
【0058】
ジョブ実行順序変更部95は、各印刷ジョブの不足フィニッシャ(詳細には不足フィニッシャの種類および数)に基づいて、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9を複数のジョブグループJGに分類する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、複数の印刷ジョブPJのうち同一の不足フィニッシャーDF(同一種類且つ同一数のフィニッシャ)を有する印刷ジョブPJが同一のジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJを複数のジョブグループJGに分類する。換言すれば、ジョブ実行順序変更部95は、同一の不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJが同一のジョブグループJGに属し且つ異なる不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJが異なるジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJを分類する。
【0059】
また、ジョブ実行順序変更部95は、或る印刷ジョブPJの不足フィニッシャーDFと同一の不足フィニッシャーDFを有する別の印刷ジョブPJが存在しない場合においても、或る印刷ジョブPJを単独でジョブグループJGに分類する。
【0060】
より詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、まず、1番目に蓄積された印刷ジョブPJ1の不足フィニッシャDF(種類(「B,D」)および数(「2」))と同一の不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJ8を検出する(図5参照)。そして、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ1,PJ8を同一のジョブグループJG1に分類する。
【0061】
次に、ジョブ実行順序変更部95は、2番目に蓄積された印刷ジョブPJ2の不足フィニッシャーDF(種類(「無」)および数(「0」))と同一の不足フィニッシャーDFを有する印刷ジョブPJ7を検出する(図5参照)。そして、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ2,PJ7を同一のジョブグループJG2に分類する。
【0062】
次に、3番目に蓄積された印刷ジョブPJ3に関しては、当該印刷ジョブPJ3の不足フィニッシャーDFと同一の不足フィニッシャーDFを有する他の印刷ジョブPJが存在しない。そこで、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ3を単独でジョブグループJG3に分類する。
【0063】
同様にして、ジョブ実行順序変更部95は、印刷ジョブPJ4,PJ6,PJ9をジョブグループJG4に分類し、印刷ジョブPJ5をジョブグループJG5に分類する。
【0064】
このように、ジョブ実行順序変更部95は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9を5つのジョブグループJG1〜JG5に分類する。
【0065】
なお、上記のような態様は、「使用フィニッシャーUF」の種類と数とに基づいて印刷ジョブPJが複数のジョブグループJGに分類される態様である、とも表現される。具体的には、互いに同一のフィニッシャを使用する印刷ジョブPJ(同一種類且つ同一数の使用フィニッシャーUFを有する印刷ジョブPJ)が同一のジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJが複数のジョブグループJGに分類されている。換言すれば、ジョブ実行順序変更部95は、同一の使用フィニッシャーUFを有する印刷ジョブPJが同一のジョブグループJGに属し且つ異なる使用フィニッシャーUFを有する印刷ジョブPJが異なるジョブグループJGに属するように、複数の印刷ジョブPJを分類する。
【0066】
ステップS14においては、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJGが存在するか否かが判定される。
【0067】
ここでは、図5に示すように、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2,JG7が存在するので(ステップS14でYES)、処理はステップS15に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJGが存在しない場合には(ステップS14でNO)、処理はステップS17に進む。
【0068】
ステップS15においては、ジョブ実行順序変更部95は、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2の実行優先度の値Nを「0」(N=0)(最も高い優先度)に設定する。換言すれば、ジョブ実行順序変更部95は、接続中フィニッシャーCF(詳細にはその全部)「A」を使用し且つ接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJ2,PJ7が属するジョブグループJG2の実行優先度を値「0」に設定する。なお、後述するように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように変更される(図6参照)。したがって、ジョブグループJG2に最も高い実行優先度の値「0」が設定されると、当該ジョブグループJG2が他のジョブグループJG1,JG3〜JG5に先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される。
【0069】
ステップS17においては、不足フィニッシャーDFの数が最大接続可能フィニッシャー数(ここでは「2」)であるジョブグループJGが存在するか否かが判定される。なお、最大接続可能フィニッシャー数は、画像形成装置10に対して接続することが可能なフィニッシャーの最大値である。
【0070】
ここでは、図5に示すように、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJG1が存在するので(ステップS17でYES)、処理はステップS18に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGが存在しない場合には(ステップS17でNO)、処理はステップS24に進む。
【0071】
ステップS18においては、ジョブ実行順序変更部95は、優先度の値Nを更新(1つインクリメント)し、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGとして検出されたジョブグループJG1を次順位のジョブグループJGに決定する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1の実行優先度を値「N」に設定する。ここでは、インクリメント後の「1」が値Nとして設定され、ジョブグループJG1の実行優先度は値「1」に設定される(図6参照)。
【0072】
次のステップS20においては、実行優先度の値が未設定である未設定ジョブグループ(ジョブグループJG1,JG2以外のジョブグループJG)の使用フィニッシャーUFがジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含されるか否かが判定される。換言すれば、ジョブグループJG1,JG2以外の各ジョブグループJGの使用フィニッシャーUFが、ジョブグループJG1の使用フィニッシャーUFの部分集合であるか否かが判定される。
【0073】
ここでは、ジョブグループJG4の使用フィニッシャーUF(「B」)とジョブグループJG5の使用フィニッシャーUF(「D」)とがそれぞれジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含される(ステップS20でYES)。そのため、処理はステップS21に進む。なお、仮に、ジョブグループJG1以外の各印刷ジョブPJの使用フィニッシャーUFがジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含されない場合には、処理はステップS23に進む。
【0074】
ステップS21においては、ジョブ実行順序変更部95は、優先度の値Nを更新(1つインクリメント)し、検出されたジョブグループJG4,JG5を次順位のジョブグループJGに決定する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度をそれぞれ値「N」に設定する。ここでは、インクリメント後の「2」が値Nとして設定され、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度は値「2」に設定される(図6参照)。
【0075】
このように、ジョブグループJG4,JG5の使用フィニッシャーUF(「B」,「D」)がジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含される場合には、ジョブグループJG1の実行優先度が値「1」に設定され、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度が値「2」に設定される。これにより、ジョブグループJG1に引き続いてジョブグループJG4,JG5が実行されるように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(図6参照)。
【0076】
ステップS21の後のステップS23においては、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGが他に(ここでは、ジョブグループJG1以外に)存在するか否かが判定される。
【0077】
ここでは、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGがジョブグループJG1以外には存在しないので(ステップS23でNO)、処理はステップS24に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「2」であるジョブグループJGがジョブグループJG1以外に存在する場合には(ステップS23でYES)、処理はステップS18に戻る。
【0078】
次のステップS24においては、不足フィニッシャーDFの数が「1」(=(最大接続可能フィニッシャー数「2」)−1)であり、且つ実行優先度が未設定であるジョブグループ(未設定ジョブグループ)JGが存在するか否か、が判定される。
【0079】
ここでは、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり、且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJG3が存在するので(ステップS24でYES)、処理はステップS25に進む。なお、仮に、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJGが存在しない場合には(ステップS24でNO)、処理はステップS26に進む。
【0080】
ステップS25においては、ジョブ実行順序変更部95は、優先度の値Nを更新(1つインクリメント)し、検出されたジョブグループJG3を次順位のジョブグループJGに決定する。詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり、且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJG3の実行優先度を値「N」に設定する。ここでは、インクリメント後の「3」が値Nとして設定され、ジョブグループJG3の実行優先度は値「3」に設定される(図6参照)。
【0081】
ステップS26においては、ジョブ実行順序変更部95は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0082】
詳細には、図6に示すように、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG2,JG1,JG4,JG5,JG3の順序にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行されるように当該複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0083】
以上の動作によれば、フィニッシャー情報FJに基づいて複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9が複数のジョブグループJG1〜JG5に分類される(ステップS13)。そして、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9がジョブグループJG毎に実行されるように当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(ステップS14〜ステップS26)。
【0084】
詳細には、接続中フィニッシャーCFの一部または全部を使用し且つ接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJ(PJ2,PJ7)で構成されるジョブグループJG(JG2)が他のジョブグループJG(JG1,JG3〜JG5)に先立って実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(図4のステップS14,S15)。
【0085】
また、ジョブグループJG4,JG5の使用フィニッシャーUFがジョブグループJG1の使用フィニッシャーUFに包含される場合には、ジョブグループJG1に属する印刷ジョブPJ1,PJ8に引き続いてジョブグループJG4,JG5に属するPJ4,PJ6,PJ9,PJ5が実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される(図4のステップS17〜S21)。
【0086】
したがって、後に詳述するように、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9が単純に蓄積された順序にしたがって実行される場合に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を大幅に低減することが可能である。そのため、印刷ジョブPJ1〜PJ9を実行する場合において、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0087】
<1−5.フィニッシャーの着脱作業の頻度等>
次に、図7を参照して、複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが仮に実行される場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について説明する。図7は、この比較例におけるフィニッシャーの着脱作業の様子を示す概念図である。
【0088】
図7に示すように、印刷ジョブPJ1の実行前(詳細には実行直前)においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とを取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0089】
次に、印刷ジョブPJ2の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0090】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0091】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0092】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ5の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「C」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0093】
次に、印刷ジョブPJ6の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ6の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0094】
次に、印刷ジョブPJ7の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0095】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」のうち、フィニッシャー「B」は接続されているもののフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0096】
次に、印刷ジョブPJ9の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ9の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、印刷ジョブPJ9においては、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0097】
このように、複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、図7に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5,PJ7,PJ8の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ4,PJ6の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「6回」である。
【0098】
また、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5,PJ7,PJ8の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」、「2回」、「2回」、「2回」である。また、印刷ジョブPJ4,PJ6の実行前の着脱作業におけるフィニッシャー着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、フィニッシャーの着脱回数の合計数は「13回」である。
【0099】
続いて、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図8を参照しながら説明する。図8は、図6に示す実行順序にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行される場合におけるフィニッシャーの着脱作業の様子を示す概念図である。
【0100】
まず、印刷ジョブPJ2の実行前においては、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0101】
同様に、印刷ジョブPJ7の実行前においても、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0102】
次に、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」、「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0103】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0104】
同様に、印刷ジョブPJ4,PJ6,PJ9,PJ5の実行前においても、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0105】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0106】
このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合においては、図8に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ3の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「2回」である。
【0107】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ3の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「5回」である。
【0108】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJ1が実行される場合においては、当該複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を大幅に低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度を「6回」から「2回」に低減するとともに、着脱回数の合計数を「13回」から「5回」に低減することが可能である。このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行されることにより、オペレータの作業効率を飛躍的に向上させることが可能である。
【0109】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0110】
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0111】
上記第1実施形態では、図4のステップS14〜S26において、複数のジョブグループJG1〜JG5の各実行優先度の値が設定され、当該実行優先度にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合を例示した。
【0112】
一方、この第2実施形態では、図4のステップS14〜S26の処理が実行されずに、ジョブグループJG1〜JG5が分類された順序である分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合を例示する。
【0113】
具体的には、図4のステップS13において、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9が複数のジョブグループJG1〜JG5に分類されると、ジョブ実行順序変更部95は、ステップS17〜ステップS26の処理に代えて次述する処理を実行する。
【0114】
詳細には、図9に示すように、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1〜JG5の分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9がジョブグループJG毎に実行されるように当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。なお、上述したように、ステップS13において、ジョブグループJG1,JG2,JG3,JG4,JG5は、この順序で分類される。したがって、図9に示すように、ジョブ実行順序変更部95は、複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9がジョブグループJG1,JG2,JG3,JG4,JG5の順序にしたがって実行されるように当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0115】
次に、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図9参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図10を参照しながら説明する。
【0116】
図10に示すように、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とを取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0117】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0118】
次に、印刷ジョブPJ2の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0119】
次に、印刷ジョブPJ7の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0120】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0121】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0122】
同様に、印刷ジョブPJ6,PJ9の実行前においても、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0123】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「C」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0124】
このように、複数の印刷ジョブPJが変更後の実行順序(図9参照)にしたがって実行された場合においては、図10に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ8,PJ7,PJ4,PJ6,PJ9の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「4回」である。
【0125】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3,PJ5の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ8,PJ7,PJ4,PJ6,PJ9の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「9回」である。
【0126】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図9参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、当該複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度が「6回」から「4回」に低減され、着脱回数の合計数が「13回」から「9回」に低減される。このように、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0127】
ただし、上記第1実施形態のような態様(図4のステップS14〜ステップS26)で複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることがより好ましい。上記第1実施形態によれば、上述したように、フィニッシャーの着脱作業の頻度が「6回」から「2回」に低減されるとともに、着脱回数の合計数が「13回」から「5回」に低減される。したがって、上記第2実施形態に比べてフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計をより低減することが可能である。そのため、上記第1実施形態のような態様によれば、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0128】
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0129】
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0130】
この第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、接続中フィニッシャーCFに基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS14,S15)が実行される。
【0131】
ただし、この第3実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、複数のジョブグループJG相互間での使用フィニッシャーUFの包含関係に基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS17〜ステップS25)は、実行されない。
【0132】
すなわち、この第3実施形態では、図4のステップS14〜ステップS25の処理のうち、ステップS17〜ステップS25が実行されずに、ステップS14,S15の処理のみが実行される場合を例示する。
【0133】
具体的には、図4のステップS11〜S15においては、上記第1実施形態と同様の処理が実行される。したがって、ステップS15においては、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2の実行優先度が値「0」に設定される。
【0134】
ステップS15の処理が終了すると、ジョブ実行順序変更部95は、ステップS17〜ステップS25の処理に代えて次述する処理を実行する。
【0135】
詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、実行優先度が設定されたジョブグループJG2以外のジョブグループJG1,JG3〜JG5の分類順序にしたがって当該ジョブグループJG1,JG3〜JG5にそれぞれ実行優先度を設定する。より詳細には、ジョブグループJG1,JG3,JG4,JG5はこの順で分類されているので、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1の実行優先度を値「1」を設定し、ジョブグループJG3の実行優先度を値「2」に設定する。さらに、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG4の実行優先度を値「3」を設定し、ジョブグループJG5の実行優先度を値「4」を設定する。
【0136】
この後、処理はステップS26に進み、ジョブ実行順序変更部95は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0137】
詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、図11の管理テーブルTB(TB3)に示すように、ジョブグループJG2,JG1,JG3,JG4,JG5の順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0138】
次に、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図11参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図12を参照しながら説明する。
【0139】
まず、印刷ジョブPJ2の実行前においては、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0140】
同様に、印刷ジョブPJ7の実行時においても、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0141】
次に、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B,D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0142】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0143】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順序で接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0144】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0145】
同様に、印刷ジョブPJ6,PJ9の実行時においても、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0146】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「C」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ5の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が接続されていない。したがって、オペレータは、2番目のフィニッシャー「C」を取り外すとともに、フィニッシャー「D」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0147】
このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合においては、図12に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ3,PJ5の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「3回」である。
【0148】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ3,PJ5の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ2,PJ7,PJ8,PJ4,PJ6,PJ9の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「7回」である。
【0149】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図11参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、当該複数の印刷ジョブPJが蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度が「6回」から「3回」に低減され、着脱回数の合計数が「13回」から「7回」に低減される。そのため、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0150】
また、この第3実施形態においては、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2が他のジョブグループJG1,JG3〜JG5に先立って実行される(ステップS14,S15)。換言すれば、接続中フィニッシャーCFの一部または全部を使用し且つ接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJ2,PJ7が他の印刷ジョブPJ1,PJ3〜PJ6,PJ8,PJ9に先立って実行される。
【0151】
したがって、ジョブグループJG1〜JG5の分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合(上記第2実施形態)に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数をより低減することが可能である。
【0152】
ただし、上記第1実施形態のような態様(図4のステップS14〜ステップS26)で複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることがより好ましい。上述したように、上記第1実施形態によれば、上記第3実施形態に比べて当該着脱作業の頻度をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0153】
<4.第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0154】
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0155】
この第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、複数のジョブグループJG相互間での使用フィニッシャーUFの包含関係に基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS17〜ステップS25)が実行される。
【0156】
ただし、この第4実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、接続中フィニッシャーCFに基づいて複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する処理(ステップS14,S15)は、実行されない。
【0157】
すなわち、この第4実施形態では、図4のステップS14〜ステップS25の処理のうち、ステップS14,S15の処理が実行されずに、ステップS17〜ステップS25が実行される場合を例示する。
【0158】
具体的には、ステップS13の処理が終了すると、処理はステップS14,S15の処理を経由せずにステップS17に進む。すなわち、不足フィニッシャーDFの数が「0」であるジョブグループJG2が実行優先度「0」に設定されることなく、ステップS17に進む。
【0159】
ステップS17〜ステップS23においては、第1実施形態と同様の処理が実行される。具体的には、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG1の実行優先度を値「1」に設定するとともに、ジョブグループJG4,JG5の実行優先度を値「2」に設定する。そして、処理はステップS24に進む。
【0160】
ステップS24においては、上述したように、不足フィニッシャーDFの数が「1」であり且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJGが存在するか否かが判定される。
【0161】
不足フィニッシャーDFの数が「1」であり且つ実行優先度が未設定であるジョブグループJG2,JG3が存在するので(ステップS24でYES)、処理はステップS25に進む。
【0162】
ステップS25においては、ジョブ実行順序変更部95は、ジョブグループJG2,JG3の実行優先度を値「3」に設定する。
【0163】
この後、ステップS26に進み、ジョブ実行順序変更部95は、最も高い優先度を有する印刷ジョブPJから順次に実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する。
【0164】
詳細には、ジョブ実行順序変更部95は、図13の管理テーブルTB(TB4)に示すように、ジョブグループJG1,JG4,JG5,JG2,JG3の順序にしたがって複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する。
【0165】
次に、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図13参照)にしたがって当該複数の印刷ジョブPJが実行された場合におけるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数について図14を参照しながら説明する。
【0166】
図14に示すように、印刷ジョブPJ1の実行前においては、フィニッシャー「A」が接続されており、印刷ジョブPJ1の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」が共に接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とを取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「2回」の合計「3回」である。
【0167】
次に、印刷ジョブPJ8の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ8の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B,D」の双方が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0168】
次に、印刷ジョブPJ4の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ4の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0169】
同様に、印刷ジョブPJ6,PJ9の実行前においても、印刷ジョブPJ6,PJ9の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「B」が既に接続されており、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0170】
次に、印刷ジョブPJ5の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ5の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「D」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0171】
次に、印刷ジョブPJ2の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「D」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ2の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「D」を取り外すとともに、フィニッシャー「A」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0172】
次に、印刷ジョブPJ7の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ7の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「A」が既に接続されている。したがって、オペレータによる着脱作業は行われない。
【0173】
次に、印刷ジョブPJ3の実行前においては、フィニッシャー「B」とフィニッシャー「A」とがこの順に接続されており、印刷ジョブPJ3の使用フィニッシャーUFであるフィニッシャー「C」が接続されていない。したがって、オペレータは、フィニッシャー「A」を取り外すとともに、フィニッシャー「C」を取り付ける着脱作業を行う。そのため、この着脱作業における「着脱回数」は、取り外し「1回」および取り付け「1回」の合計「2回」である。
【0174】
このように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図13参照)にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行された場合においては、図14に示すように、印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3の実行前においてフィニッシャーの着脱作業が行われ、その他の印刷ジョブPJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5,PJ7の実行前には当該着脱作業は行われない。したがって、フィニッシャーの着脱作業の頻度は「3回」である。
【0175】
また、各印刷ジョブPJ1,PJ2,PJ3の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ、「3回」、「2回」、「2回」である。また、各印刷ジョブPJ8,PJ4,PJ6,PJ9,PJ5,PJ7の実行前の着脱作業におけるフィニッシャーの着脱回数は、それぞれ「0回」である。したがって、着脱回数の合計数は「7回」である。
【0176】
以上にように、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図9参照)にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行される場合においては、複数の印刷ジョブPJの蓄積順序(変更前の実行順序)(図5参照)にしたがって実行される場合に比べて、フィニッシャー着脱作業の頻度および着脱回数の合計数を低減することが可能である。具体的には、フィニッシャー着脱作業の頻度が「6回」から「3回」に低減され、着脱回数の合計数が「13回」から「7回」に低減される。
【0177】
そのため、複数の印刷ジョブPJの変更後の実行順序(図6参照)にしたがって複数の印刷ジョブPJが実行されることによって、オペレータの作業効率を向上させることが可能である。
【0178】
また、この第4実施形態においては、ジョブグループJG4,JG5の使用フィニッシャーUF(「B」,「D」)がジョブグループJG1の使用フィニッシャーUF(「B,D」)に包含される場合には、ジョブグループJG1が実行優先度「1」に設定され、ジョブグループJG4,JG5が実行優先度「2」に設定される。したがって、ジョブグループJG1に引き続いてジョブグループJG4,JG5が実行されるように複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される。
【0179】
したがって、ジョブグループJG1〜JG5の分類順序にしたがって複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序が変更される場合(上記第2実施形態)に比べて、オペレータによるフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数をより低減することが可能である。
【0180】
ただし、上記第1実施形態のような態様(図4のステップS14〜ステップS26)で複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることがより好ましい。上述したように、上記第1実施形態によれば、上記第4実施形態に比べてフィニッシャーの着脱作業の頻度および着脱回数の合計数をより低減することが可能である。そのため、オペレータの作業効率をさらに向上させることが可能である。
【0181】
<5.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0182】
たとえば、上記各実施形態においては、管理サーバ50が複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更する場合を例示したが、これに限定されず、画像形成装置10が当該複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更するようにしてもよい。具体的には、画像形成装置10は、クライアントコンピュータ等からの画像形成装置10に対する印刷ジョブPJを蓄積するとともに、図4のフローチャートの処理を実行して複数の印刷ジョブPJ1〜PJ9の実行順序を変更するようにすればよい。
【0183】
また、上記各実施形態においては、或る日の所定の印刷ジョブ開始時点において蓄積されている複数の印刷ジョブPJに関して、図4のフローチャートの処理(スケジューリング処理)を実行する場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、複数の印刷ジョブPJの蓄積数が所定数(例えば「9」)以上であると判定されたことに応答して、上記スケジューリング処理が実行されるようにしてもよい。
【0184】
また、上記実施形態においては、最大で2つのフィニッシャーを画像形成装置10に対して接続することが可能である場合を例示したが、これに限定されず、最大で3つ以上のフィニッシャーを画像形成装置10に対して接続することが可能である場合(フィニッシャの最大接続数が「3」以上の場合)においても、本発明の思想を適用することが可能である。
【0185】
具体的には、まず、ステップS11〜S15,S26の処理に関して、フィニッシャーの最大接続数が「3」以上の場合においても、上記実施形態と同様の処理が実行されればよい。
【0186】
また、ステップS17〜S25の処理に関して、フィニッシャの最大接続数が「3」以上の場合においても、上記実施形態と同様にして、複数のジョブグループの相互間での使用フィニッシャーの包含関係に基づいて当該複数のジョブグループの実行優先度が決定されるようにしてもよい。
【0187】
たとえば、最大接続可能フィニッシャー数が「3」であり、フィニッシャー「B,C,D」を使用する印刷ジョブPJ70(ジョブグループJG70)とフィニッシャー「B,D」を使用する印刷ジョブPJ80(ジョブグループJG80)とを含む複数の印刷ジョブPJの実行順序を変更する状況を想定する。このような状況において、複数のジョブグループPJ70,PJ80の相互間での使用フィニッシャーの包含関係に基づいて、ジョブグループPJ70,PJ80の実行優先度が決定されるようにしてもよい。この例では、ジョブグループJG70の使用フィニッシャーUF(「B,D,C」)は、ジョブグループJG80の使用フィニッシャーUF(「B,D」)の全部を包含する。そして、このような包含関係に基づいて、ジョブグループJG80に属する印刷ジョブPJ80(包含される側のジョブ)が、ジョブグループJG70に属する印刷ジョブPJ70(包含する側のジョブ)に引き続いて実行されるように、複数の印刷ジョブPJ70,PJ80の実行順序が変更されるようにしてもよい。
【0188】
また、上記各実施形態においては、接続中フィニッシャーCFとして単一のフィニッシャー(「A」)が接続されている場合において、図4のフローチャートの処理(スケジューリング処理)が実行される場合を例示したが、これに限定されない。
【0189】
具体的には、接続中フィニッシャーCFとして複数のフィニッシャー(例えば「A,B」)が接続されている場合において、上記スケジューリング処理が実行されるようにしてもよい。
【0190】
特に、このような状況においては、接続中フィニッシャーCFである複数のフィニッシャーの一部または全部を使用し且つ当該接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJが他の印刷ジョブPJに先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されることが好ましい。
【0191】
たとえば、印刷ジョブPJ20を含む複数の印刷ジョブPJが蓄積されている場合には、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序が次述するように変更されればよい。ここで、印刷ジョブPJ20は、接続中フィニッシャーCFの全部(「A,B」)を使用し且つ当該接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJである。
【0192】
具体的には、このような印刷ジョブPJ20がその他の印刷ジョブPJ(接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用する印刷ジョブPJ)に先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されればよい。
【0193】
同様に、印刷ジョブPJ30を含む複数の印刷ジョブPJが蓄積されている場合には、当該複数の印刷ジョブPJの実行順序が次述するように変更されればよい。ここで、印刷ジョブPJ30は、接続中フィニッシャーCF(「A,B」)の一部(「A」)を使用し且つ当該接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用しない印刷ジョブPJである。
【0194】
具体的には、このような印刷ジョブPJ30がその他の印刷ジョブPJ(接続中フィニッシャーCF以外のフィニッシャーを使用する印刷ジョブPJ)に先立って実行されるように、複数の印刷ジョブPJの実行順序が変更されればよい。
【符号の説明】
【0195】
CF 接続中フィニッシャー
FJ フィニッシャー情報
JG1〜JG5 ジョブグループ
PF 印刷ジョブ情報
PJ1〜PJ9 印刷ジョブ
TB(TB0〜TB4) 管理テーブル
TC 蓄積数
UF 使用フィニッシャー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成システムであって、
画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、
前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記変更手段は、前記フィニッシャー情報に基づいて、同一種類のフィニッシャーを使用するジョブが同一のグループに属し且つ異なる種類のフィニッシャーを使用するジョブが異なるグループに属するように、前記複数のジョブを前記複数のグループに分類することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成システムにおいて、
前記複数のグループは、第1のグループと第2のグループとを有し、
前記変更手段は、前記第1のグループに属する第1のジョブに使用されるフィニッシャーの全部が前記第2のグループに属する第2のジョブに使用されるフィニッシャーに包含される場合には、前記第2のジョブに引き続いて前記第1のジョブが実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置に対して前記複数のジョブの実行前に接続されているフィニッシャーを、接続中フィニッシャーとして検出する検出手段、
をさらに備え、
前記変更手段は、前記接続中フィニッシャーの一部または全部を使用し且つ前記接続中フィニッシャー以外のフィニッシャーを使用しないジョブが他のジョブに先立って実行されるように、前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
画像形成装置であって、
画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、
前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
管理サーバであって、
画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、
前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項7】
a)画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得するステップと、
b)前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像形成システムであって、
画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、
前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記変更手段は、前記フィニッシャー情報に基づいて、同一種類のフィニッシャーを使用するジョブが同一のグループに属し且つ異なる種類のフィニッシャーを使用するジョブが異なるグループに属するように、前記複数のジョブを前記複数のグループに分類することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成システムにおいて、
前記複数のグループは、第1のグループと第2のグループとを有し、
前記変更手段は、前記第1のグループに属する第1のジョブに使用されるフィニッシャーの全部が前記第2のグループに属する第2のジョブに使用されるフィニッシャーに包含される場合には、前記第2のジョブに引き続いて前記第1のジョブが実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置に対して前記複数のジョブの実行前に接続されているフィニッシャーを、接続中フィニッシャーとして検出する検出手段、
をさらに備え、
前記変更手段は、前記接続中フィニッシャーの一部または全部を使用し且つ前記接続中フィニッシャー以外のフィニッシャーを使用しないジョブが他のジョブに先立って実行されるように、前記複数のジョブの実行順序を変更することを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
画像形成装置であって、
画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、
前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
管理サーバであって、
画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得する取得手段と、
前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項7】
a)画像形成装置に対するジョブとして蓄積されている複数のジョブのそれぞれに使用されるフィニッシャーに関するフィニッシャー情報を取得するステップと、
b)前記フィニッシャー情報に基づいて前記複数のジョブを複数のグループに分類するとともに、前記複数のジョブがグループ毎に実行されるように前記複数のジョブの実行順序を変更するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−92999(P2013−92999A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236304(P2011−236304)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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