説明

画像形成システム、画像形成装置、送信装置及びプログラム

【課題】送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、この画像形成装置が利用できない状態になった場合にも、この印刷データに応じた画像を形成できるようにする。
【解決手段】クライアント装置は、複数の画像形成装置に含まれる画像形成装置30B及び30Cに対し画像データを送信する。画像形成装置30Cは、クライアント装置20から画像データを受信し、受信した画像データと実質同一な画像データを複数の画像形成装置30のうち基準数の画像形成装置30から取得できない状況である場合には、自装置以外の画像形成装置30Dに対し画像データを送信する。また、画像形成装置30Cは、画像データを受信した画像形成装置30C及び30Dに関する管理テーブルを複数の画像形成装置30に対し送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成装置、送信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像形成装置を設置し、一部の画像形成装置が故障した場合にも継続してプリントサービスを提供できるようにしたシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、使用するプリンタが印刷可能な状態でない場合、ホストから他のプリンタに印刷データを送信し、使用するプリンタが印刷可能状態に遷移したときに、他のプリンタからこのプリンタに印刷データを送信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−047706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、この画像形成装置が利用できない状態になった場合にも、この印刷データに応じた画像を形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成システムは、少なくとも一つの送信装置と複数の画像形成装置とを備え、前記送信装置は、前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置に対し印刷データを送信する送信手段を有し、前記第1の画像形成装置は、前記送信装置または他の画像形成装置から印刷データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記印刷データと実質同一な印刷データを、前記複数の画像形成装置のうち予め定められた基準数の画像形成装置から取得できない状況である場合に、前記複数の画像形成装置のうち自装置以外の画像形成装置に対し前記印刷データまたは当該印刷データに基づいて生成した実質同一な印刷データを送信する印刷データ送信手段と、前記印刷データを受信した画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する装置情報送信手段とを有し、前記複数の画像形成装置の各々は、前記装置情報送信手段により送信された前記装置情報を受信する装置情報受信手段と、利用者により利用される場合、前記受信した装置情報に基づいて前記印刷データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記印刷データに応じた画像形成を行う画像形成手段とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成システムは、請求項1に記載の構成において、前記送信手段により送信される前記印刷データには、予め設定された利用者を識別する利用者情報が対応付けられており、前記複数の画像形成装置の各々は、前記利用者情報の入力を受け付ける受付手段を有し、前記取得手段は、前記入力された利用者情報に対応する印刷データを取得することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成システムは、請求項2に記載の構成において、前記装置情報送信手段は、自装置が利用できない状態になる場合には、前記受信した印刷データが取得できない状況になることを示す情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成システムは、請求項3に記載の構成において、前記印刷データ送信手段は、自装置が利用できない状態になる場合に、前記印刷データの送信を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成システムは、請求項1から4のいずれかに記載の構成において、前記実質同一な印刷データが複数の第1の画像形成装置により受信された場合において、前記装置情報送信手段は、自装置が特定の条件を満たす場合に、予め決められた時間間隔で前記装置情報の送信を行い、前記印刷データ送信手段は、前記予め決められた時間が経過しても、前記特定の条件を満たす第1の画像形成装置から前記装置情報が受信されない場合には、前記印刷データの送信を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る画像形成システムは、請求項1から5のいずれかに記載の構成において、前記実質同一な印刷データが複数の第1の画像形成装置により受信された場合において、前記装置情報送信手段は、自装置が特定の条件を満たす場合に、予め決められた時間間隔で前記装置情報の送信を行い、前記複数の画像形成装置の各々は、前記装置情報を受信すると、当該装置情報を受信したことを示す応答を行う応答手段を有し、前記印刷データ送信手段は、自装置から前記装置情報が送信された場合に、自装置以外の第1の画像形成装置から前記応答がなかったときには、前記印刷データの送信を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成システムは、請求項1から6のいずれかに記載の構成において、前記実質同一な印刷データが複数の第1の画像形成装置により受信された場合において、前記複数の第1の画像形成装置の各々は、自装置が特定の条件を満たさない場合に、自装置が利用できない状態になるときには、自装置が利用できない状態になることを前記特定の条件を満たす第1の画像形成装置に通知する通知手段を有し、前記印刷データ送信手段は、自装置が特定の条件を満たす場合に、自装置以外の第1の画像形成装置から前記利用できない状態になることが通知されたときには、前記印刷データの送信を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係る画像形成システムは、請求項2に記載の構成において、前記基準数は、前記印刷データに対応付けられた前記利用者情報毎に定められており、前記印刷データ送信手段は、前記受信した印刷データに対応付けられた前記利用者情報に対して定められた基準数に基づいて前記印刷データの送信を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項9に係る画像形成システムは、請求項8に記載の構成において、時間又は前記印刷データに設定された優先度に応じて、前記基準数を変更する第1の変更手段を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項10に係る画像形成システムは、請求項5から7のいずれかに記載の構成において、前記第1の画像形成装置には、優先順位が割り当てられており、前記特定の条件は、前記実質同一な印刷データを受信した前記複数の第1の画像形成装置の中で前記割り当てられた優先順位が最も高いことであり、時間又は前記第1の画像形成装置の使用履歴に応じて、前記優先順位を変更する第2の変更手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項11に係る画像形成システムは、請求項1から10のいずれかに記載の構成において、前記送信手段は、基準数の前記第1の画像形成装置に対し前記印刷データを送信し、当該印刷データの送信先となる当該第1の画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信することを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項12に係る画像形成装置は、送信装置または他の画像形成装置から印刷データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記印刷データと実質同一な印刷データを、複数の画像形成装置のうち予め定められた基準数の画像形成装置から取得できない状況である場合に、前記複数の画像形成装置のうち自装置以外の画像形成装置に対し前記印刷データまたは当該印刷データに基づいて生成した実質同一な印刷データを送信する印刷データ送信手段と、前記印刷データを受信した画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する装置情報送信手段と、他の画像形成装置から送信された前記装置情報を受信する装置情報受信手段と、利用者により利用される場合、前記受信した装置情報に基づいて前記印刷データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記印刷データに応じた画像形成を行う画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項13に係る送信装置は、複数の画像形成装置のうち基準数の第1の画像形成装置に対し印刷データを送信し、当該印刷データの送信先となる第1の画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項14に係るプログラムは、コンピュータに、送信装置または他の画像形成装置から印刷データを受信するステップと、前記受信した印刷データと実質同一な印刷データを、複数の画像形成装置のうち予め定められた基準数の画像形成装置から取得できない状況である場合に、前記複数の画像形成装置に含まれる他の画像形成装置に対し前記印刷データまたは当該印刷データに基づいて生成した実質同一な印刷データを送信するステップと、前記印刷データを受信した画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信するステップと、他の画像形成装置から送信された前記装置情報を受信するステップと、利用者により利用される場合、前記受信した装置情報に基づいて前記印刷データを取得するステップと、前記取得手段により取得された前記印刷データに応じた画像形成を画像形成部に行わせるステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、この画像形成装置が利用できない状態になった場合にも、この印刷データに応じた画像を形成することができる。
請求項2に係る発明によれば、複数の利用者により利用される場合にも、利用者に対応する印刷データを取得して画像形成を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、第1の画像形成装置が利用できない状態になる場合にも、この印刷データに応じた画像形成を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、第1の画像形成装置が利用できない状態になる場合にも、この印刷データに応じた画像形成を行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、第1の画像形成装置が利用できない状態になった場合にも、この印刷データに応じた画像を形成することができる。
請求項6に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、第1の画像形成装置が利用できない状態になった場合にも、この印刷データに応じた画像を形成することができる。
請求項7に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、第1の画像形成装置が利用できない状態になる場合にも、この印刷データに応じた画像形成を行うことができる。
請求項8に係る発明によれば、利用者毎に基準数を変えることができる。
請求項9に係る発明によれば、時間又は印刷データに設定された優先度に応じて、基準数を変えることができる。
請求項10に係る発明によれば、時間又は第1の画像形成装置の使用履歴に応じて、第1の画像形成装置の優先順位を変えることができる。
請求項11に係る発明によれば、予め基準数の第1の画像形成装置に対し印刷データを送信することができる。
請求項12に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、この画像形成装置が利用できない状態になった場合にも、この印刷データに応じた画像を形成することができる。
請求項13に係る発明によれば、予め基準数の第1の画像形成装置に対し印刷データを送信することができる。
請求項14に係る発明によれば、送信装置から画像形成装置に印刷データが送信された後に、この画像形成装置が利用できない状態になった場合にも、この印刷データに応じた画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図
【図2】クライアント装置のハードウェア構成を示す図
【図3】管理テーブルの一例を示す図
【図4】画像形成装置のハードウェア構成を示す図
【図5】クライアント装置の機能構成を示す図である。
【図6】画像データを記憶する画像形成装置の機能構成を示す図
【図7】画像形成装置の機能構成を示す図である。
【図8】画像データの送信動作を示すシーケンス図
【図9】更新後の管理テーブルを示す図
【図10】画像データの転送動作を示すシーケンス図
【図11】更新後の管理テーブルを示す図
【図12】更新後の管理テーブルを示す図
【図13】画像データの転送動作を示すシーケンス図
【図14】画像データの転送動作を示すシーケンス図
【図15】更新後の管理テーブルを示す図
【図16】更新後の管理テーブルを示す図
【図17】画像データの転送動作を示すシーケンス図
【図18】プリント動作を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.画像形成システムの構成
図1は、実施形態に係る画像形成システム1の構成を示す図である。画像形成システム1は、複数のクライアント装置20と、画像形成装置30A、30B、30C及び30Dとを備えている。このクライアント装置20と、画像形成装置30A、30B、30C及び30Dとは、通信回線2を介して互いに接続されている。なお、以下の説明では、画像形成装置30A、30B、30C及び30Dを区別する必要がない場合には、総称して「画像形成装置30」という。
【0022】
図2は、クライアント装置20のハードウェア構成を示す図である。クライアント装置20は、CPU(Central Processing Unit)21と、メモリ22と、通信部23と、記憶部24と、操作部25と、表示部26とを備えている。CPU21は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより、クライアント装置20の各部を制御する。通信部23は、通信回線2に接続される通信インターフェースである。クライアント装置20は、通信部23を用いて画像形成装置30と通信を行う。記憶部24は、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶部24には、画像形成システム1を利用する利用者毎に作成された管理テーブル41が記憶されている。操作部25は、例えばキーボードとマウスを備えている。操作部25は、クライアント装置20を操作するのに用いられる。表示部26は、液晶ディスプレイなどの表示装置である。
【0023】
図3は、管理テーブル41の一例を示す図である。この管理テーブル41には、ユーザIDと、優先順位と、通信アドレスと、フラグとが関連付けて記憶されている。ユーザIDは、利用者を識別する情報である。優先順位は、画像形成装置30に割り当てられた優先順位である。この優先順位は、例えば利用者毎に予め定められている。通信アドレスは、画像形成装置30に割り当てられた識別番号である。この通信アドレスとしては、例えばIP(Internet Protocol)アドレスが用いられる。画像形成装置30A、30B、30C及び30Dには、それぞれ「192.168.1.a」、「192.168.1.b」、「192.168.2.c」、「192.168.2.d」という通信アドレスが割り当てられている。フラグは、画像形成装置30に画像データが記憶されていることを示す情報である。このフラグは、画像形成装置30に画像データが記憶されたときにセットされるようになっている。
【0024】
図4は、画像形成装置30のハードウェア構成を示す図である。画像形成装置30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、UI(User Interface)部34と、画像形成部35と、カード読取部36とを備えている。制御部31は、画像形成装置30の各部を制御する。制御部31は、例えばCPUとメモリとを備えている。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、制御部31の機能を実現する。通信部32は、通信回線2に接続される通信インターフェースである。画像形成装置30は、通信部32を用いて、クライアント装置20又は他の画像形成装置30と通信を行う。記憶部33は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶装置である。記憶部33には、クライアント装置20から送信された画像データが記憶される。
【0025】
UI部34は、例えばタッチスクリーンと操作ボタンとを備えている。UI部34は、画像形成装置30を操作するのに用いられる。画像形成部35は、例えば電子写真方式のプリンタである。画像形成部35は、画像データに応じた画像を用紙等の媒体に形成(プリント)する。カード読取部36は、IC(integrated circuit)カードに記憶された情報を非接触で読み取る。このICカードは、ユーザ認証を行うために予め利用者に渡されている。なお、以下の説明において、画像形成装置30A、30B、30C、30Dの構成を区別する必要がある場合には、それぞれ符号に「A」、「B」、「C」、「D」という文字を付して説明する。
【0026】
図5は、クライアント装置20(送信装置の一例)の機能構成を示す図である。この実施形態では、送信手段201は、CPU21がプログラムを実行することにより実現される。送信手段201は、複数の画像形成装置30に含まれる画像形成装置30に対し画像データ(印刷データ)を送信する。なお、送信手段201により送信される画像データには、予め設定された利用者を識別するユーザID(利用者情報の一例)が対応付けられている。また、送信手段201は、画像データの送信先となる画像形成装置30に関する管理テーブル41(装置情報の一例)を複数の画像形成装置30に対し送信する。
【0027】
図6は、画像データを記憶する画像形成装置30の機能構成を示す図である。この実施形態では、受信手段301、印刷データ送信手段302及び装置情報送信手段303は、制御部31において例えばCPUがプログラムを実行することにより実現される。なお、これらの機能構成は、1の画像形成装置30により実現されてもよいし、画像データが格納された2以上の画像形成装置30の協働により実現されてもよい。受信手段301は、クライアント装置20または他の画像形成装置30から画像データを受信する。印刷データ送信手段302は、受信手段301により受信した画像データと実質同一な画像データを、複数の画像形成装置30のうち予め定められた基準数の画像形成装置30から取得できない状況である場合に、複数の画像形成装置30のうち自装置以外の画像形成装置30に対し画像データまたはこの画像データに基づいて生成した実質同一な画像データを送信する。装置情報送信手段303は、画像データを受信した画像形成装置30に関する管理テーブル41(装置情報の一例)を複数の画像形成装置30に対し送信する。
【0028】
図7は、画像形成装置30の機能構成を示す図である。なお、画像形成装置30に画像データが記憶される場合、この画像形成装置30は、図7に示す機能構成に加え、上述した図6に示す機能構成を有する。この実施形態では、受付手段305は、カード読取部36により実現される。また、装置情報受信手段306及び取得手段307は、制御部31において例えばCPUがプログラムを実行することにより実現される。画像形成手段308は、画像形成部35により実現される。受付手段305は、利用者情報の入力を受け付ける。装置情報受信手段306は、他の画像形成装置30の装置情報送信手段303により送信された管理テーブル41を受信する。取得手段307は、利用者により利用される場合、受信した管理テーブル41に基づいて画像データを取得する。画像形成手段308は、取得手段307により取得された画像データに応じた画像形成を行う。
【0029】
2.画像形成システムの動作
(1)画像データの送信動作
まず、クライアント装置20から画像形成装置30に画像データを送信するときの動作を説明する。図8は、この画像データの送信動作を示すシーケンス図である。利用者は、クライアント装置20を操作して、画像データの送信指示を行う。このとき、利用者は、操作部25を用いて、プリントの対象となる画像データを指定する。ここでは、利用者により、画像データD1が指定された場合を想定する。送信指示が行われると、クライアント装置20は、記憶部24に記憶された管理テーブル41に基づいて、基準数の画像形成装置30に画像データD1を送信する。この基準数は、予め定められている。この実施形態では、基準数として「2」が定められている場合を想定する。なお、画像データD1には、属性情報が付加されている。この属性情報には、画像データD1を識別するファイル名などの情報と、クライアント装置20において予め設定された利用者のユーザID「userA」とが含まれている。
【0030】
具体的には、CPU21は、通信部23を制御して、図3に示す管理テーブルにおいて、優先順位「1」が割り当てられた画像形成装置30Aの通信アドレス「192.168.1.a」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS11)。ここでは、画像形成装置30Aの電源が切断されている場合を想定する。この場合、画像形成装置30Aから応答はない。画像形成装置30Aから指定時間内に応答がない場合、CPU21は、この処理をタイムアウトさせる(ステップS12)。
【0031】
次に、CPU21は、図3に示す管理テーブルにおいて、優先順位「2」が割り当てられた画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS13)。画像形成装置30Bは、電源が投入されており、利用可能な状態である。この場合、制御部31Bは、画像データを蓄積可能である旨を応答する(ステップS14)。画像形成装置30Bから応答があった場合、CPU21は、通信部23により、利用者により指定された画像データD1を画像形成装置30Bに送信する(ステップS15)。また、CPU21は、記憶部24に記憶された管理テーブル41を更新して、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」にフラグをセットする(ステップS16)。これにより、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」にフラグが付加される。画像形成装置30Bは、クライアント装置20から画像データD1を受信すると、この画像データD1を記憶部33Bに記憶させる(ステップS17)。
【0032】
次に、CPU21は、図3に示す管理テーブルにおいて、優先順位「3」が割り当てられた画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS18)。画像形成装置30Cは、電源が投入されており、利用可能な状態である。この場合、制御部31Cは、画像データを蓄積可能である旨を応答する(ステップS19)。画像形成装置30Cから応答があった場合、CPU21は、通信部23により、利用者により指定された画像データD1を画像形成装置30Cに送信する(ステップS20)。また、CPU21は、記憶部24に記憶された管理テーブル41を更新して、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」にフラグをセットする(ステップS21)。これにより、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」にフラグが付加される。画像形成装置30Cは、クライアント装置20から画像データD1を受信すると、この画像データD1を記憶部33Cに記憶させる(ステップS22)。
【0033】
図9は、更新後の管理テーブル41を示す図である。この管理テーブル41では、通信アドレス「192.168.1.b」と「192.168.2.c」とにフラグがセットされている。これは、画像データD1の送信先が、画像形成装置30Bと画像形成装置30Cであることを示す。このように、管理テーブル41に基準数のフラグがセットされた場合、CPU21は、通信部23を制御して、記憶部24に記憶された管理テーブル41を画像形成装置30A、30B、30C及び30Dに送信する(ステップS23)。この管理テーブル41は、例えばブロードキャストで送信される。画像形成装置30B、30C及び30Dは、クライアント装置20から管理テーブル41を受信すると、それぞれこの管理テーブル41を記憶部33B、33C及び33Dに記憶させる(ステップS24)。なお、画像形成装置30Aは、電源が切断されているため、管理テーブル41を受信できない。
【0034】
(2)画像データの転送動作
クライアント装置20から送信された画像データが画像形成装置30に記憶された後、この画像形成装置30が利用できない状態になる場合がある。この利用できない状態とは、画像形成装置30から画像データを取得し画像を形成することができない状態をいう。例えば、画像形成装置30は、電源が切断された場合や不具合が発生したときに、利用できない状態に陥る。この場合、画像データを記憶する画像形成装置30は、利用可能な基準数の画像形成装置30に同一の画像データが記憶されるように、記憶部33に記憶された画像データを他の画像形成装置30に転送する。この基準数は、予め定められている。この実施形態では、基準数として「2」が定められている場合を想定する。
【0035】
まず、クライアント装置20から送信された画像データが画像形成装置30B、30Cに記憶された後、画像形成装置30Bの電源を切断する指示が行われた場合の動作を説明する。図10は、この場合の動作を示すシーケンス図である。上述したステップS24において管理テーブル41を記憶すると、各画像形成装置30は、自装置に主導権があるか否かを判断する。具体的には、制御部31は、記憶部33に記憶された管理テーブル41において、自装置の通信アドレスにフラグがセットされており、且つ、フラグがセットされた通信アドレスの中で最も高い優先順位が割り当てられているか(特定の条件の一例)を判断する。図9に示す管理テーブル41には、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」と、画像形成装置30Cの「192.168.2.c」とにフラグがセットされている。また、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」には、優先順位「2」が関連付けられており、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」には、優先順位「3」が関連付けられている。この場合、フラグがセットされた通信アドレスの中で、画像形成装置30Bの通信アドレスに最も高い優先順位が割り当てられている。そのため、画像形成装置30Bが、自装置に主導権があると判断する(ステップS31)。また、各画像形成装置30は、タイマーをセットして更新時間Tを計測する(ステップS32)。なお、タイマーにより計測された更新時間Tになると、画像形成装置30Bは、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を他の画像形成装置30に送信する。
【0036】
ここでは、ステップS32でタイマーをセットした後、画像形成装置30Bの電源を切断する指示が行われた場合を想定する。この場合、制御部31Bは、図11に示すように、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を更新して、自装置の通信アドレス「192.168.1.b」にセットされたフラグをリセットする(ステップS33)。これにより、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」に付加されたフラグが削除される。これは、画像形成装置30Bに受信された画像データが取得できない状況になることを示す。次に、制御部31Bは、通信部32Bを制御して、記憶部33Bに記憶された更新後の管理テーブル41を画像形成装置30A、30C及び30Dに送信する(ステップS34)。この管理テーブル41は、例えばブロードキャストで送信される。管理テーブル41を送信した後、画像形成装置30Bは電源を切断する(ステップS36)。
【0037】
画像形成装置30C及び30Dは、画像形成装置30Bから管理テーブル41を受信すると、それぞれこの管理テーブル41を記憶部33C及び33Dに記憶させる(ステップS35)。なお、画像形成装置30Aは、電源が切断されているため、管理テーブル41を受信できない。画像形成装置30C及び30Dは、記憶部33C及び33Dに新たに記憶された管理テーブル41に基づいて、上述と同様に自装置に主導権があるか否かを判断する。図11に示す管理テーブル41には、画像形成装置30Cの「192.168.2.c」のみにフラグがセットされている。そのため、画像形成装置30Cは、自装置に主導権があると判断する(ステップS37)。
【0038】
図11に示すように、管理テーブル41にセットされたフラグの数は基準数未満である。これは、画像データを記憶している画像形成装置30が利用できない状態になったことを示す。この場合、画像形成装置30Cは、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数になるように、記憶部33Cに記憶された画像データD1を他の画像形成装置30に転送する。この場合、画像形成装置30Cは、基準数「2」と管理テーブル41にセットされたフラグの数「1」との差の数である1台の他の画像形成装置30に、記憶部33Cに記憶された画像データを送信する。
【0039】
具体的には、制御部31Cは、通信部32Cを制御して、図11に示す管理テーブルにおいて、優先順位「1」が割り当てられた画像形成装置30Aの通信アドレス「192.168.1.a」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS38)。画像形成装置30Aは、電源が切断されているため、画像形成装置30Aから応答はない。画像形成装置30Aから指定時間内に応答がない場合、制御部31Cは、この処理をタイムアウトさせる(ステップS39)。
【0040】
次に、制御部31Cは、図11に示す管理テーブルにおいて、優先順位「2」が割り当てられた画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS40)。画像形成装置30Bは、電源が切断されているため、画像形成装置30Bから応答はない。画像形成装置30Bから指定時間内に応答がない場合、制御部31Cは、この処理をタイムアウトさせる(ステップS41)。
【0041】
次に、制御部31Cは、図11に示す管理テーブルにおいて、優先順位「4」が割り当てられた画像形成装置30Dの通信アドレス「192.168.2.d」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS42)。なお、優先順位「3」が割り当てられた通信アドレスは、自装置の通信アドレスであるため、問い合わせを行わない。画像形成装置30Dは、電源が投入されており、利用可能な状態である。この場合、画像形成装置30Dは、画像データを蓄積可能である旨を応答する(ステップS43)。画像形成装置30Dから応答があった場合、制御部31Cは、通信部32Cにより、記憶部33Cに記憶された画像データD1を画像形成装置30Dに送信する(ステップS44)。画像形成装置30Dは、画像形成装置30Cから受信した画像データD1を記憶部33Dに記憶させる(ステップS45)。また、制御部31Cは、記憶部33Cに記憶された管理テーブル41を更新して、画像形成装置30Dの通信アドレス「192.168.2.d」にフラグをセットする(ステップS46)。これにより、画像形成装置30Dの通信アドレス「192.168.2.d」にフラグが付加される。
【0042】
図12は、更新後の管理テーブル41を示す図である。この管理テーブル41では、通信アドレス「192.168.2.c」と「192.168.2.d」とにフラグがセットされている。これは、画像形成装置30Cと画像形成装置30Dに画像データが受信されたことを示す。このように、管理テーブル41に基準数のフラグがセットされた場合、制御部31Cは、通信部32Cを制御して、記憶部24Cに記憶された管理テーブル41を画像形成装置30A、30B及び30Dに送信する(ステップS47)。この管理テーブル41は、例えばブロードキャストで送信される。画像形成装置30Dの制御部31Dは、通信部32Dを介して画像形成装置30Cから管理テーブル41を受信すると、この管理テーブル41を記憶部33Dに記憶させる(ステップS48)。なお、画像形成装置30A及び30Bは、電源が切断されているため、管理テーブル41を受信できない。
【0043】
次に、クライアント装置20から送信された画像データが画像形成装置30B、30Cに記憶された後、画像形成装置30Bの電源が切断された場合の動作を説明する。この電源が切断された場合とは、例えばコンセントが抜かれた場合のように、画像形成装置30が処理を行う間もなく電源が突然切断された場合をいう。図13は、この場合の動作を示すシーケンス図である。
【0044】
画像形成装置30Bは、予め決められた時間間隔で、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を他の画像形成装置30に送信する。具体的には、制御部31Bは、タイマーにより計測された更新時間Tになる度に、通信部32Bを制御して、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を画像形成装置30A、30C及び30Dに送信する。しかし、画像形成装置30Bの電源が切断されている場合には、タイマーにより計測された更新時間Tが経過しても、管理テーブル41の送信は行われない。
【0045】
この場合、画像形成装置30C及び30Dは、自装置が主導権の委譲先であるか否かを判断する。具体的には、制御部31C及び31Dは、記憶部33C及び33Dに記憶された管理テーブル41において、自装置の通信アドレスにフラグがセットされており、且つ、フラグがセットされた通信アドレスの中で2番目に高い優先順位が割り当てられているかを判断する。例えば、図9に示す管理テーブル41には、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」と、画像形成装置30Cの「192.168.2.c」とにフラグがセットされている。また、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」には、優先順位「2」が関連付けられており、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」には、優先順位「3」が関連付けられている。この場合、フラグがセットされた通信アドレスの中で、画像形成装置30Cの通信アドレスに2番目に高い優先順位が割り当てられている。従って、画像形成装置30Cが、自装置が主導権の委譲先であると判断する(ステップS51)。
【0046】
この場合、制御部31Cは、記憶部33Cに記憶された管理テーブル41を更新して、画像形成装置30Bの通信アドレス「192.168.1.b」にセットされたフラグをリセットする(ステップS52)。これにより、画像形成装置30Bの通信アドレスに付加されたフラグが削除される。その結果、図11に示すように、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数未満になる。この場合、画像形成装置30Cは、上述したステップS38〜S48と同様に、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数になるように、記憶部33Cに記憶された画像データD1を他の画像形成装置30に転送する。また、画像形成装置30Dは、自装置が主導権の委譲先ではないと判断する。この場合、制御部31Dは、記憶部33Dに記憶された管理テーブル41を削除する(ステップS53)。
【0047】
次に、クライアント装置20から送信された画像データが画像形成装置30B、30Cに記憶された後、画像形成装置30Cの電源が切断された場合の動作を説明する。図14は、この場合の動作を示すシーケンス図である。画像形成装置30Bは、予め決められた時間間隔で、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を他の画像形成装置30に送信する。具体的には、制御部31Bは、タイマーにより計測された更新時間Tになる度に、通信部32Bを制御して、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を画像形成装置30A、30C及び30Dに送信する(ステップS61)。
【0048】
画像形成装置30A、30C及び30Dは、画像形成装置30Bから管理テーブル41を受信すると、管理テーブル41の受信を完了したことを示す応答を行う(ステップS62)。画像形成装置30Dは、電源が投入されており、利用可能な状態である。この場合、制御部31D(応答手段の一例)は、制御部32Dを制御して、管理テーブル41の受信を完了したことを示す応答情報を画像形成装置30Dに送信する。また、制御部31Dは、受信した管理テーブル41を記憶部33Dに記憶させる(ステップS63)。一方、画像形成装置30A及び30Cは、電源が切断されているため、画像形成装置30A及び30Cから管理テーブル41の受信を完了したことを示す応答は行われない。この場合、画像形成装置30Bは、画像形成装置30A及び30Cは利用できない状態であると判断する。
【0049】
画像形成装置30Bは、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41において、通信アドレスにフラグがセットされた画像形成装置30から応答がなかった場合には、管理テーブル41を更新してこのフラグをリセットする(ステップS64)。例えば、図9に示す管理テーブル41には、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」にフラグがセットされている。この場合、制御部31Bは、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を更新して、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」にセットされたフラグをリセットする。これにより、画像形成装置30Cの通信アドレスに付加されたフラグが削除される。
【0050】
図15は、更新後の管理テーブル41を示す図である。この管理テーブル41では、通信アドレス「192.168.1.b」だけにフラグがセットされている。このように、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数未満になった場合、画像形成装置30Bは、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数になるように、記憶部33Bに記憶された画像データD1を他の画像形成装置30に転送する。
【0051】
具体的には、制御部31Bは、通信部32Bを制御して、図15に示す管理テーブルにおいて、優先順位「1」が割り当てられた画像形成装置30Aの通信アドレス「192.168.1.a」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS65)。画像形成装置30Aは、電源が切断されているため、画像形成装置30Aから応答はない。画像形成装置30Aから指定時間内に応答がない場合、制御部31Bは、この処理をタイムアウトさせる(ステップS66)。
【0052】
次に、制御部31Bは、図15に示す管理テーブルにおいて、優先順位「3」が割り当てられた画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS67)。なお、優先順位「2」が割り当てられた通信アドレスは、自装置の通信アドレスであるため、問い合わせを行わない。画像形成装置30Cは、電源が切断されているため、画像形成装置30Cから応答はない。画像形成装置30Cから指定時間内に応答がない場合、制御部31Bは、この処理をタイムアウトさせる(ステップS68)。
【0053】
次に、制御部31Bは、図15に示す管理テーブルにおいて、優先順位「4」が割り当てられた画像形成装置30Dの通信アドレス「192.168.2.d」宛てに、画像データを蓄積可能か否かを問い合わせる(ステップS69)。画像形成装置30Dは、電源が投入されており、利用可能な状態である。この場合、画像形成装置30Dは、画像データを蓄積可能である旨を応答する(ステップS70)。画像形成装置30Dから応答があった場合、制御部31Bは、通信部32Bにより、記憶部33Bに記憶された画像データD1を画像形成装置30Dに送信する(ステップS71)。画像形成装置30Dは、画像形成装置30Bから受信した画像データD1を記憶部33Dに記憶させる(ステップS72)。また、制御部31Bは、管理テーブル41を更新して、画像形成装置30Dの通信アドレス「192.168.2.d」にフラグをセットする(ステップS73)。これにより、画像形成装置30Dの通信アドレス「192.168.2.d」にフラグが付加される。
【0054】
図16は、更新後の管理テーブル41を示す図である。この管理テーブル41では、通信アドレス「192.168.1.b」と「192.168.2.d」とにフラグがセットされている。これは、画像形成装置30Bと画像形成装置30Dに画像データが受信されたことを示す。このように、管理テーブル41に基準数のフラグがセットされた場合、制御部31Bは、通信部32Bを制御して、記憶部24Bに記憶された管理テーブル41を画像形成装置30A、30C及び30Dに送信する(ステップS74)。この管理テーブル41は、例えばブロードキャストで送信される。画像形成装置30Dは、画像形成装置30Cから管理テーブル41を受信すると、この管理テーブル41を記憶部33Dに記憶させる(ステップS75)。なお、画像形成装置30A及び30Cは、電源が切断されているため、管理テーブル41を受信できない。
【0055】
次に、クライアント装置20から送信された画像データが画像形成装置30B、30Cに記憶された後、画像形成装置30Cの電源を切断する指示が行われた場合の動作を説明する。図17は、この場合の動作を示すシーケンス図である。ここでは、上述したステップS32でタイマーをセットした後、画像形成装置30Cの電源を切断する指示が行われた場合を想定する。この場合、制御部31C(通知手段の一例)は、自装置が利用できない状態になることを画像形成装置30Bに通知する(ステップS81)。自装置が利用できない状態になることを画像形成装置30Bに通知した後、画像形成装置30Cは電源を切断する(ステップS82)。
【0056】
画像形成装置30Bは、画像形成装置30Cから利用できない状態になることが通知されると、記憶部33Bに記憶された管理テーブル41を更新して、画像形成装置30Cの通信アドレスにセットされたフラグをリセットする(ステップS83)。具体的には、制御部31Aは、図15に示すように、管理テーブル41において、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.C」にセットされたフラグを削除する。これにより、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.C」に付加されたフラグが削除される。その結果、図15に示すように、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数未満になる。この場合、画像形成装置30Bは、上述したステップS65〜S75と同様に、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数になるように、記憶部33Bに記憶された画像データD1を他の画像形成装置30に転送する。
【0057】
(3)プリント動作
次に、画像データに応じた画像を形成するときのプリント動作について説明する。図18は、このプリント動作を示すシーケンス図である。クライアント装置20を操作してプリント指示を行った後、利用者は、画像形成装置30A、30B、30C及び30Dの中から所望の画像形成装置30を選択し、選択した画像形成装置30を使用すべく、その画像形成装置30の前に移動する。例えば、利用者は、自分の席の近くにある一番利用しやすい画像形成装置30の前に移動する。ここでは、利用者が、画像形成装置30Aの前に移動した場合を想定する。また、このとき、画像形成装置30Aの電源は投入されており、各画像形成装置30の記憶部33には、図12に示す管理テーブル41が記憶されている場合を想定する。
【0058】
画像形成装置30AのUI部34Aには認証画面が表示されている。利用者は、自分のICカードをカード読取部36AにかざしてユーザIDを入力する。このICカードには、利用者のユーザID「userA」が記憶されている。画像形成装置30Aは、入力されたユーザIDに基づいて、ユーザ認証を行う(ステップS91)。具体的には、カード読取部36Aは、ICカードからユーザID「userA」を読み取る。画像形成装置30Aには、予め画像形成装置30Aの利用を許可する利用者のユーザIDが登録されている。制御部31Aは、利用者により入力されたユーザID「userA」が予め登録されたユーザIDに含まれているか否かを判断する。利用者により入力されたユーザIDが予め登録されたユーザIDに含まれていない場合、制御部31Aは、ユーザ認証に失敗したことを示すメッセージをUI部34Aに表示させて、この処理を終了する。この場合、利用者は、画像形成装置30Aを使用することはできない。一方、利用者により入力されたユーザIDが予め登録されたユーザIDに含まれている場合、制御部31Aは、ユーザ認証に成功したことを示すメッセージをUI部34Aに表示させる。
【0059】
ユーザ認証に成功した場合、画像形成装置30Aは、ユーザID「userA」に対応する画像データを記憶する画像形成装置30から、その画像データのリストを取得する。具体的には、制御部31Aは、記憶部33Aに記憶された管理テーブル41において、フラグがセットされた通信アドレスのうち、割り当てられた優先順位が最も高い通信アドレスを特定する。図12に示す管理テーブル41では、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」と画像形成装置30Dの「192.168.2.d」とにフラグがセットされている。また、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」には、優先順位「3」が関連付けられており、画像形成装置30Dの通信アドレス「192.168.2.d」には、優先順位「4」が関連付けられている。この場合、制御部31Aは、画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」を特定する。制御部31Aは、通信部32Aを制御して、特定した画像形成装置30Cの通信アドレス「192.168.2.c」宛てに、ユーザID「userA」に対応する画像データのリストを要求する(ステップS92)。
【0060】
画像形成装置30Cは、画像形成装置30Aから要求されたリストを作成し、画像形成装置30Aに送信する(ステップS93)。具体的には、制御部31Cは、記憶部33Cに記憶された画像データの中から、属性情報にユーザID「userA」を含む画像データを特定する。制御部31Cは、特定した画像データに付加された属性情報を並べてリストを作成する。制御部31Cは、通信部32Cを制御して、作成したリストを画像形成装置30Aに送信する。
【0061】
画像形成装置30Aは、画像形成装置30Cからリストを受信すると、このリストをUI部34Aに表示させる(ステップS94)。利用者は、UI部34Aに表示されたリストに基づいて、所望の画像データを選択する。そして、利用者は、UI部34Aを操作して、プリント指示を行う。ここでは、利用者により画像データD1が選択された場合を想定する。プリント指示が行われると、画像形成装置30Aは、利用者により選択された画像データD1を取得する。具体的には、制御部31Aは、通信部32Aを制御して、リストの取得先である画像形成装置30Cに画像データD1を要求する(ステップS95)。画像形成装置30Cは、画像形成装置30Aから要求された画像データD1を記憶部33Cから読み出し、画像形成装置30Aに送信する(ステップS96)。画像形成装置30Aの制御部31Aは、通信部32Aを介して画像形成装置30Cからこの画像データD1を受信する。
【0062】
画像データD1を取得すると、画像形成装置30Aは、この画像データD1に応じたプリント処理を行う(ステップS97)。具体的には、制御部31Aは、画像データD1を画像形成部35Aに供給し、画像データD1に応じた画像を形成させる。画像形成部35Aは、制御部31Aの制御の下、画像データD1に応じた画像を媒体に形成する。プリント処理を行った後、制御部31Aは、通信部32Aを制御して、画像形成装置30B,30C及び30Dに画像データD1の削除を要求する(ステップS98)。この削除要求は、例えばブロードキャストで行われる。画像形成装置30B、30C及び30Dは、記憶部33B、33C及び33Dに画像データD1が記憶されている場合には、この画像データD1を削除する(ステップS99)。
【0063】
この実施形態によれば、クライアント装置20から画像形成装置30に画像データが送信された後に、この画像形成装置30が利用できない状態になった場合にも、この画像データに応じた画像が形成される。
【0064】
3.変形例
本発明は、実施形態に限定されず、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を相互に組み合わせてもよい。
【0065】
(1)変形例1
上述した基準数は、2個に限定されない。冗長性を高める場合には、この基準数を増やしてもよい。また、基準数は、利用者毎に定められていてもよい。この場合、管理テーブル41には、利用者毎に定められた基準数が記憶される。制御部31は、管理テーブル41に記憶された基準数に基づいて、上述した画像データの転送動作を行う。
【0066】
また、基準数は、時間に応じて変更されてもよい。この場合、制御部31(第1の変更手段の一例)は、決められた時間になると基準数を変更する。例えば、金曜日には冗長性を高めたいという場合がある。この場合、制御部31は、金曜日になると基準数を増やす。また、基準数は、画像データの優先度に応じて変更されてもよい。この場合、利用者は、クライアント装置20を操作してプリント指示をするときに、画像データの優先度を設定する。制御部31(第1の変更手段の一例)は、記憶部33に記憶された画像データの優先度が標準の優先度よりも高い場合には、基準数を増やす。
【0067】
(2)変形例2
管理テーブル41の優先順位は、画像形成装置30の使用履歴に応じて変更されてもよい。例えば、この優先順位は、画像形成装置30の認証回数に応じて変更されてもよい。この場合、制御部31は、利用者により入力されたユーザID毎に、そのユーザIDを用いてユーザ認証を行った認証回数を記録する。クライアント装置20のCPU21は、画像形成装置30A、30B、30C及び30Dから、管理テーブル41に記憶されたユーザIDに対応する認証回数を取得する。CPU21(第2の変更手段の一例)は、認証回数が多い画像形成装置30ほど優先順位が高くなるように、管理テーブル41の優先順位を変更する。
【0068】
また、優先順位は、画像形成装置30のプリント回数に応じて変更されてもよい。この場合、制御部31は、利用者により入力されたユーザID毎に、そのユーザIDが入力されたときにプリント処理を行ったプリント回数を記録する。クライアント装置20のCPU21は、画像形成装置30A、30B、30C及び30Dから、管理テーブル41に記憶されたユーザIDに対応するプリント回数を取得する。CPU21(第2の変更手段の一例)は、プリント回数が多い画像形成装置30ほど優先順位が高くなるように、管理テーブル41の優先順位を変更する。
【0069】
また、優先順位は、決められた時間になると変更されてもよい。例えば、夜間でも電源が切断されない画像形成装置30が予め決められている場合がある。この場合、クライアント装置20のCPU21(第2の変更手段の一例)は、夜間になると、この予め決められた画像形成装置30に割り当てられた優先順位を「1」に変更する。
【0070】
(3)変形例3
上述したプリント動作において、画像形成装置30は、利用者により入力されたユーザIDに対応する画像データを記憶した画像形成装置30のうち、最も近くに配置された画像形成装置30から画像データを取得してもよい。この場合、画像形成装置30の記憶部33には、各画像形成装置30の配置を示す配置情報が記憶されている。制御部31は、管理テーブル41において、フラグがセットされた通信アドレスを有する画像形成装置30のうち、配置情報が示す配置において自装置に最も近くにある画像形成装置30を特定する。そして、制御部31は、特定した画像形成装置30から上述したリストや画像データを取得する。
【0071】
また、画像形成装置30は、利用者により入力されたユーザIDに対応する画像データを記憶した複数の画像形成装置30から画像データを取得してもよい。例えば、ユーザIDに対応する画像データが10個ある場合、制御部31は、管理テーブル41において、フラグがセットされた通信アドレスを有する1の画像形成装置30から5個の画像データを取得し、フラグがセットされた通信アドレスを有する他の画像形成装置30から残りの5個の画像データを取得してもよい。
【0072】
(4)変形例4
クライアント装置20は、基準数以下の数の画像形成装置30に画像データを送信してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様に、主導権を有する画像形成装置30が、管理テーブル41にセットされたフラグの数が基準数になるように、上述した画像データの転送を行う。
【0073】
(5)変形例5
上述した実施形態のように、クライアント装置20から送信された画像データが画像形成装置30B、30Cに記憶された後、画像形成装置30Cの電源を切断する指示が行われた場合、画像形成装置30Cは、図10に示す画像形成装置30Bと同様の動作を行ってもよい。具体的には、制御部31Cは、電源を切断する指示が行われると、上述したステップS33と同様に、記憶部33Cに記憶された管理テーブル41を更新して、自装置の通信アドレス「192.168.2.c」にセットされたフラグをリセットする。続いて、制御部31Cは、上述したステップS34と同様に、通信部32Cを制御して、更新後の管理テーブル41を画像形成装置30A、30B及び30Dに送信する。この場合、画像形成装置30Bは、上述したステップS65以降の動作を行う。
【0074】
(6)変形例6
上述したユーザIDは、利用者を識別する利用者情報の一例である。この利用者情報は、ユーザIDに限定されない。例えば、利用者情報は、利用者に渡されるICカードに割り当てられたカードIDであってもよいし、利用者に割り当てられたメールアドレスであってもよい。また、上述したように、ICカードは利用者一人ひとりに渡されるようになっているため、ICカードに割り当てられたカードIDが利用者情報として用いられてもよい。
【0075】
(7)変形例7
上述したユーザ認証は、ICカードを使用せずに行われてもよい。例えば、利用者が、画像形成装置30のUI部34を用いて、自分のユーザIDを入力してもよい。また、ユーザIDに代えて、指紋などの生体情報が用いられてもよい。この場合、画像形成装置30には、この生体情報を読み取る装置が設けられる。
【0076】
(8)変形例8
画像形成システム1の構成は、図1に示す構成に限らない。例えば、利用者の人数に応じて、画像形成装置30の数を増やしてもよい。また、クライアント装置20は、利用者の人数分設けられてもよい。
【0077】
(9)変形例9
画像形成部35は、電子写真方式以外の方式で画像を形成するプリンタであってもよい。また、画像形成部35は、白黒の画像を形成するものであってもよいし、カラーの画像を形成するものであってもよい。UI部34は、タッチパネルを備えていたが、タッチパネルに代えて液晶ディスプレイなどの表示装置を備えていてもよい。
【0078】
(10)変形例10
CPU21又は制御部31のCPUにおいて実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリなどの記録媒体に記録した状態で提供され、クライアント装置20又は画像形成装置30にインストールされてもよい。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線を介してクライアント装置20又は画像形成装置30にダウンロードされてもよい。
【0079】
(11)変形例11
画像形成システム1には、上位機種の画像形成装置30(第1の画像形成装置の一例)と下位機種の画像形成装置30が含まれていてもよい。この「下位機種」とは、例えば上位機種よりも機能は劣るが小型なものをいう。この場合、この下位機種の画像形成装置30には、管理テーブル41は送信されるが、画像データの送信又は転送は行われない。下位機種の画像形成装置30は、利用者により利用される場合、管理テーブル41に基づいて、上位機種の画像形成装置30から画像データを取得し、プリント処理を行う。つまり、下位機種の画像形成装置30は、管理テーブル41に基づいて、画像データがどの画像形成装置30に格納されているかを把握することができれば、画像データの記憶や転送を行うための構成(例えば、図6に示す装置情報受信手段301、印刷データ送信手段302及び装置情報送信手段303)は備えていなくてもよい。
【0080】
(12)変形例12
上述した実施形態において、画像形成装置30は、予め定められた基準数の画像形成装置30から取得できない状況である場合に、自装置以外の画像形成装置30に対し画像データの送信を行っている。この予め定められた基準数の画像形成装置30から取得できない状況としては、例えば管理テーブル41のフラグの数が基準数よりも少ない場合や、管理テーブル41のフラグの数は基準数であるが、画像データが受信された画像形成装置30からその画像データが取得できない場合(例えば、画像形成装置30の電源が切断されている、通信回線2にエラーが発生している、或いは画像形成装置30の電源は投入されているが、サービスが停止している場合)等が考えられる。
【0081】
(13)変形例13
画像形成装置30は、画像データを他の画像形成装置30に転送するときに、記憶部33に記憶された画像データと同一の画像データを転送してもよいし、記憶部33に記憶された画像データに基づいて作成した実質同一な画像データを転送してもよい。画像データには、画像形成に直接影響しない作成日時や更新日時などのパラメータが含まれていることがある。この「実質同一な画像データ」とは、画像形成に係るデータは同一であるが、画像形成には直接影響しないこのようなデータが異なるデータをいう。例えば、制御部31は、記憶部33に記憶された画像データに、作成日時や更新日時などのパラメータが含まれている場合には、このパラメータを削除した画像データを作成し、他の画像形成装置30に転送してもよい。つまり、画像形成装置30は、記憶部33に記憶された画像データと同じ条件でプリント処理を行った場合に、同じ出力物(画像が形成された媒体)が得られるような画像データを他の画像形成装置30に送信すればよい。
【0082】
(14)変形例14
上述した実施形態では、管理テーブル41をやり取りすることにより、画像データを記憶する画像形成装置30を把握していた。しかし、このような目的で用いられる情報は、管理テーブル41のようなリスト形式の情報に限定されない。例えば、ユーザ情報や画像データと対応づいた格納先の情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)が用いられてもよい。つまり、画像データが受信された画像形成装置30に関する装置情報が複数の画像形成装置30に送信されればよい。
【0083】
(15)変形例15
上述した実施形態では、或る画像形成装置30が利用できない状態になる場合には、他の画像形成装置30によって画像データの転送が行われていた。しかし、このような場合に、利用できない状態になる画像形成装置30自身が画像データの転送を行ってもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…画像形成システム、20…クライアント装置、21…CPU、22…メモリ、23…通信部、30…画像形成装置、31…制御部、32…通信部、33…記憶部、34…UI部、35…画像形成部、36…カード読取部、201…送信手段、301…受信手段、302…印刷データ送信手段、303…装置情報送信手段、305…受付手段、306…装置情報受信手段、307…取得手段、308…画像形成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの送信装置と複数の画像形成装置とを備え、
前記送信装置は、
前記複数の画像形成装置のうち第1の画像形成装置に対し印刷データを送信する送信手段を有し、
前記第1の画像形成装置は、
前記送信装置または他の画像形成装置から印刷データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記印刷データと実質同一な印刷データを、前記複数の画像形成装置のうち予め定められた基準数の画像形成装置から取得できない状況である場合に、前記複数の画像形成装置のうち自装置以外の画像形成装置に対し前記印刷データまたは当該印刷データに基づいて生成した実質同一な印刷データを送信する印刷データ送信手段と、
前記印刷データを受信した画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する装置情報送信手段と
を有し、
前記複数の画像形成装置の各々は、
前記装置情報送信手段により送信された前記装置情報を受信する装置情報受信手段と、
利用者により利用される場合、前記受信した装置情報に基づいて前記印刷データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記印刷データに応じた画像形成を行う画像形成手段と
を有する
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記送信手段により送信される前記印刷データには、予め設定された利用者を識別する利用者情報が対応付けられており、
前記複数の画像形成装置の各々は、
前記利用者情報の入力を受け付ける受付手段を有し、
前記取得手段は、前記入力された利用者情報に対応する印刷データを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記装置情報送信手段は、自装置が利用できない状態になる場合には、前記受信した印刷データが取得できない状況になることを示す情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記印刷データ送信手段は、自装置が利用できない状態になる場合に、前記印刷データの送信を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記実質同一な印刷データが複数の第1の画像形成装置により受信された場合において、
前記装置情報送信手段は、自装置が特定の条件を満たす場合に、予め決められた時間間隔で前記装置情報の送信を行い、
前記印刷データ送信手段は、前記予め決められた時間が経過しても、前記特定の条件を満たす第1の画像形成装置から前記装置情報が受信されない場合には、前記印刷データの送信を行う
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記実質同一な印刷データが複数の第1の画像形成装置により受信された場合において、
前記装置情報送信手段は、自装置が特定の条件を満たす場合に、予め決められた時間間隔で前記装置情報の送信を行い、
前記複数の画像形成装置の各々は、
前記装置情報を受信すると、当該装置情報を受信したことを示す応答を行う応答手段を有し、
前記印刷データ送信手段は、自装置から前記装置情報が送信された場合に、自装置以外の第1の画像形成装置から前記応答がなかったときには、前記印刷データの送信を行う
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記実質同一な印刷データが複数の第1の画像形成装置により受信された場合において、
前記複数の第1の画像形成装置の各々は、
自装置が特定の条件を満たさない場合に、自装置が利用できない状態になるときには、自装置が利用できない状態になることを前記特定の条件を満たす第1の画像形成装置に通知する通知手段を有し、
前記印刷データ送信手段は、自装置が特定の条件を満たす場合に、自装置以外の第1の画像形成装置から前記利用できない状態になることが通知されたときには、前記印刷データの送信を行う
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記基準数は、前記印刷データに対応付けられた前記利用者情報毎に定められており、
前記印刷データ送信手段は、前記受信した印刷データに対応付けられた前記利用者情報に対して定められた基準数に基づいて前記印刷データの送信を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項9】
時間又は前記印刷データに設定された優先度に応じて、前記基準数を変更する第1の変更手段
を備えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記第1の画像形成装置には、優先順位が割り当てられており、
前記特定の条件は、前記実質同一な印刷データを受信した前記複数の第1の画像形成装置の中で前記割り当てられた優先順位が最も高いことであり、
時間又は前記第1の画像形成装置の使用履歴に応じて、前記優先順位を変更する第2の変更手段
を備えることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記送信手段は、基準数の前記第1の画像形成装置に対し前記印刷データを送信し、当該印刷データの送信先となる当該第1の画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項12】
送信装置または他の画像形成装置から印刷データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記印刷データと実質同一な印刷データを、複数の画像形成装置のうち予め定められた基準数の画像形成装置から取得できない状況である場合に、前記複数の画像形成装置のうち自装置以外の画像形成装置に対し前記印刷データまたは当該印刷データに基づいて生成した実質同一な印刷データを送信する印刷データ送信手段と、
前記印刷データを受信した画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する装置情報送信手段と、
他の画像形成装置から送信された前記装置情報を受信する装置情報受信手段と、
利用者により利用される場合、前記受信した装置情報に基づいて前記印刷データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記印刷データに応じた画像形成を行う画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
複数の画像形成装置のうち基準数の第1の画像形成装置に対し印刷データを送信し、当該印刷データの送信先となる第1の画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信する送信手段
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項14】
コンピュータに、
送信装置または他の画像形成装置から印刷データを受信するステップと、
前記受信した印刷データと実質同一な印刷データを、複数の画像形成装置のうち予め定められた基準数の画像形成装置から取得できない状況である場合に、前記複数の画像形成装置に含まれる他の画像形成装置に対し前記印刷データまたは当該印刷データに基づいて生成した実質同一な印刷データを送信するステップと、
前記印刷データを受信した画像形成装置に関する装置情報を前記複数の画像形成装置に対し送信するステップと、
他の画像形成装置から送信された前記装置情報を受信するステップと、
利用者により利用される場合、前記受信した装置情報に基づいて前記印刷データを取得するステップと、
前記取得手段により取得された前記印刷データに応じた画像形成を画像形成部に行わせるステップと
を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2013−92890(P2013−92890A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234227(P2011−234227)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】