説明

画像形成システム

【課題】コピー機能等を有する画像形成装置と該画像形成装置と接続可能な情報処理装置とから構成され、画像形成装置に対して情報処理装置からコピー条件等の設定を行ってコピーの予約ができるようにする。
【解決手段】画像形成システムは、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部14を備える複合機1と、複合機1と接続可能なポート端末2とを備える。ポート端末2は、入力部14と同様な操作入力を可能とする操作入力画面を表示する表示部24と、該操作入力画面で入力設定された内容(コピー条件等)を複合機1へ送信する通信ポート22とを備える。複合機1は、ポート端末2から送信された設定内容に従って、画像形成処理を可能とする。また、表示部24は、前記操作入力画面上の入力領域の座標位置を入力可能なタッチパネルを備え、入力部14が備える操作画面及び操作ボタンを含む画面情報を同じレイアウトで表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、より詳細には、コピー機能等を有する画像形成装置と該画像形成装置と接続可能な情報処理装置とから構成され、画像形成装置に対して情報処理装置からコピー予約等を行える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、コンビニエンスストア等において、コピー機等の画像形成装置が設置され、コピーサービスが提供されている。また近年、画像形成装置のデジタル化が進み、原稿画像をスキャナ装置により電子的に走査してレーザプリンタなどによりプリントアウトするプリンタ機能、コピー機能、及びファクシミリ機能を備える複合機能型の画像形成装置が商品化されている。このデジタル化のメリットは、高画質出力、画像の加工が自在、1スキャンマルチコピー、原稿の電子データ保存などであり、このデジタル化のメリットを生かした新たなドキュメントサービスが市場に提案されている。
【0003】
最近のコピーサービス用の画像形成装置においても、デジタル化、カラー化が進み、カラーデジタル複合機が一般的になってきている。そして、モノクロ原稿あるいはカラー原稿からに白黒コピーやカラーコピー、さらには、ネットワークを介して入手した情報のカラープリントアウトなどのドキュメント出力サービスが提供されるようになってきた。
【0004】
このように、画像形成装置の進化に伴い、コンビニエンスストア等に設置される画像形成装置の役割が多様化したため、操作性の悪化が顕在化し、また、複数の利用者が複数の目的で店舗内の画像形成装置を利用するので、画像形成装置の利用時に利用者間で混乱が生じるという問題も想定される。このような状況を鑑みて、画像形成装置における操作面における改善が望まれている。
【0005】
例えば、特許文献1には、コピー機能を利用する利用者に対して余計な情報により混乱させることなく、また、プリンタ機能を利用する利用者に対して必要に応じて最適なタイミングで情報を提供できるようにした印刷システムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−209710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、コンビニエンスストア等の店舗において、あるユーザが画像形成装置を使用中に、他のユーザが画像形成装置を使用しようとした場合、後からきたユーザは、前のユーザがコピーし終わるまで待たなくてはならず、また、コピー終了後に画像形成装置が使用できる状態になったとしても、さらに、コピー条件の設定等を行う必要があり、コピー完了までに時間がかかり、不便を感じていた。これに対して、ユーザが待っている時間を利用して、店舗に設置されている情報処理端末からコピー条件の設定等を行えればよいが、この点に関して、上記特許文献1には記載されていない。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、コピー機能等を有する画像形成装置と該画像形成装置と接続可能な情報処理装置とから構成され、画像形成装置に対して情報処理装置からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約を行える画像形成システムを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作入力手段を備える画像形成装置と、該画像形成装置と接続可能な情報処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、前記操作入力手段と同様な操作入力を可能とする操作入力画面を表示する表示手段と、該操作入力画面で入力設定された内容を前記画像形成装置へ送信する手段とを備え、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から送信された設定内容に従って、画像形成処理を可能としたことを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示手段は、前記操作入力画面上の入力領域の座標位置を入力可能なタッチパネルを備え、前記操作入力手段が備える操作画面及び操作ボタンを含む画面情報を同じレイアウトで表示することを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記表示手段は、前記設定内容を前記画像形成装置へ送信するための送信キーを表示し、該送信キーがユーザによりタッチされると、前記設定内容を前記画像形成装置へ送信すると共に、前記操作入力画面から前記操作入力手段の操作画面に向けて、前記操作入力画面に表示されている所定の操作画面情報を横向きにアニメーション表示しながら移動させることを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記所定の操作画面情報は、前記操作入力手段の操作画面に表示される情報であることを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第3の技術手段において、前記情報処理装置あるいは前記画像形成装置は、前記所定の操作画面情報の移動速度を任意に変更可能としたことを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第3の技術手段において、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から送られてくる前記設定内容に従って画像形成処理を予約し、前記操作入力手段が備える開始キーが前記ユーザにより押下されると、前記予約された画像形成処理を開始することを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第6の技術手段において、前記情報処理装置は、前記画像形成装置の動作状態を取得可能とし、前記画像形成装置が画像形成処理の予約を受け付け可能な状態にある場合、その旨を前記操作入力画面に表示することを特徴としたものである。
【0015】
第8の技術手段は、第1乃至第7のいずれか1の技術手段において、前記画像形成処理は、原稿から読み取った画像データを記録用紙にコピーする処理、あるいは、前記情報処理装置から送信される画像データを記録用紙にプリント出力する処理であることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コピー機能等を有する画像形成装置と該画像形成装置と接続可能な情報処理装置とから構成され、画像形成装置に対して情報処理装置からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約ができるため、ユーザが待っている時間を有効に利用することができ、さらに、前のユーザの処理終了後すぐにコピーやプリント処理を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る画像形成システムの実施の形態を添付の図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明に係る画像形成システムの概要例を示す模式図である。図中、1はコンビニエンスストア等の店舗に設置される画像形成装置、2は同店舗に設置される情報処理装置(以下、ポート端末という)であり、画像形成装置1とポート端末2は、店舗内のLAN(Local Area Network)等を介してあるいは有線ケーブル等で接続されている。
【0018】
ポート端末2は、広域通信ネットワークであるインターネットに接続可能とし、図示しないWebサーバと通信を行うことによりコンサートチケットの購入、Webサーバに格納されたネットワークアルバムから画像のダウンロード等の各種機能を備えている。インターネットを経由してダウンロードした画像データ、または、ポート端末2に備えられたメモリカード等の記録媒体のリーダにより読み取った画像データは、所定の貨幣の投入により印刷データとして、同じく店舗内に設置され、LAN等を介して接続された画像形成装置1へ印刷データとして送信され、印刷が行われる。画像形成装置(以下、複合機という)1は、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能等の複合機能を有している。その一つとして、ポート端末2からの要求に応じたプリンタとしての機能を果たす。
【0019】
他方、投入された貨幣、プリペイドカードに記憶された有価情報を取得する有価情報取得装置(以下、コインベンダという)3へ所定の金額が投入等されたことを条件に原稿台に載置された原稿のコピーを行うコピー機としての機能を果たす。なお、本実施の形態においては、これらの機器及びネットワークがコンビニエンスストア等の店舗内に構築された場合について説明するが、必ずしもこれに限るものではなく、大学、オフィス等に構築されるネットワーク内に適用してもよい。
【0020】
そのほか上記LANには、図示しないレジに設置されるPOS端末及びパーソナルコンピュータなどが接続されている。POS端末は、売り上げデータ等を管理し、バッチ処理により管理した管理データをコンビニエンスストア本部のサーバコンピュータ(図示せず)へインターネットを介して送信する。パーソナルコンピュータは、顧客が使用するものではなく、店舗内の管理者が、売り上げデータ、アルバイトスタッフのシフト表、ポスター等の作成のために、店舗裏で使用する公知のパーソナルコンピュータである。
【0021】
図2は、複合機1の制御部、ポート端末2、及びコインベンダ3のハードウェア構成を示すブロック図であり、図3は、複合機1のハードウェアの構成例を示す模式的断面図である。複合機1の上面には透明なガラス体の原稿台117が配置されており、その下方には読み取り手段としてのスキャナ部18が配置されている。スキャナ部18は、露光ランプ181,第1反射ミラー182a、第2反射ミラー182b、第3反射ミラー182c、レンズ183、及びCCDを用いてなる光電変換素子184を含み、露光ランプ181及び第1反射ミラー182aを原稿台117の下面において水平方向に往復運動させて原稿台117上面に載置された原稿の画像を露光ランプ181から照射された光によって露光走査する。なお、原稿台117の下部には、原稿台117におかれた原稿のサイズを認識する認識センサ185が設けられている。
【0022】
露光ランプ181による反射光は、第1反射ミラー182a乃至第3反射ミラー182c及びレンズ183を介して光電変換素子184の受光面に結像し、光電変換素子184は、受光面における受光量に応じた信号を出力する。光電変換素子184から出力された信号は、制御部10のA/D変換器17によりデジタル化され、ハードディスク等の記憶部15内のコピーデータファイル15dに記憶される。そして、操作パネル等の入力部14から出力される操作信号に従って、記憶部15のコピーデータファイル15dから画像データを読み出して、光走査装置112へ出力する。
【0023】
続いて、図2に示す複合機1の制御部10の内容を詳述する。図2に示すように演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)11には、バス20を介してRAM(Random Access Memory)13、ハードディスク等の記憶部15、表示手段としての液晶ディスプレイ等の表示部16、並びに、テンキー,スタートキー等の各種入力キー,及び表示部16上に設けられるタッチパネルから構成される操作入力手段としての入力部14等が接続される。
【0024】
その他、光電変換素子184からの信号をデジタル信号に変換するA/D変換器17、時間情報をCPU11へ出力する時計部(図示せず)及び画像データに基づく変調光を感光体104へ照射する等して画像を記録紙Pに形成する画像形成部19、ポート端末2と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート12b、コインベンダ3と情報を送受信するためのRS232Cポート等の補助通信ポート12aが接続される。CPU11は、バス20を介して制御部10等の上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部15に記憶された制御プログラム15aに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0025】
記憶部15には、コピー処理としてスキャナ部18で読み取られた画像データを記憶するコピーデータファイル15d、及びポート端末装置2からのプリント処理として送信されたプリント用の印刷データを記憶する印刷データファイル15bが格納されている。さらに、記憶部15には、プリント処理に関するガイダンス,手順案内等の情報、及び、コピー処理に関するガイダンス,手順案内等の情報を記憶した案内情報ファイル15cが記憶されている。これらの案内情報はCPU11により適宜読み出されて表示部16または図示しない音声出力部から出力される。
【0026】
続いて、トナー現像処理について説明する。複合機1の略中央部には感光体104が矢印方向に回転自在に支持されており、この感光体104には、例えば、所定電圧に印加された導電性ブラシ等の帯電器105が接触可能に設けられており、帯電器105により感光体104の表面は所定電圧に帯電される。そして、感光体104に、制御部10のコピーデータファイル15dまたは印刷データファイル15bから出力される画像データに基づいて変調された画像光を、遮光性のケースに覆われた光走査装置112から照射し、感光体104上に静電潜像を形成する。
【0027】
トナーが貯留された現像槽106は、感光体104の表面に現像ローラ106aを通じてトナーを供給し、静電潜像をトナー像に形成する。その後、感光体104の回転に先立って給紙ローラ116の回転によって給紙カセット100内の記録紙Pが一枚ずつ用紙搬送路内に給紙される。給紙された記録紙Pは、搬送ローラ116によりレジストローラ113へ搬送される。なお、給紙カセット100は記録紙Pのサイズに応じて複数の給紙カセット101,102,103,…が設けられており、認識センサ185により認識されたサイズ、またはユーザが入力部14により入力した記録紙Pのサイズに応じた一の給紙カセット100が選択される。
【0028】
記録紙Pは、前端部をレジストローラ113に当接した状態で停止しており、所定のタイミングで回転し記録紙Pを感光体104方向へ導く。そして記録紙Pの表面に、感光体104に担持されたトナー像を所定の転写バイアスが印加された転写器107により転写する。転写された記録紙Pは定着ローラ114を通過する間に加熱及び加圧される。これによりトナー像が溶融して記録紙Pの下面に固着する。
【0029】
トナー像が固着された記録紙Pは排紙ローラ115により搬送され、そして多段の排紙トレイ110(110,110,…,110)に排出される。ここで両面コピーである場合は、表面の画像形成後、定着ローラ114の通過後、再度レジストローラ113へ搬送され、所定のタイミングで裏面の画像形成が開始される。なお、感光体104に残着したトナーはクリーナ108のクリーニングブレード109により除去される。なお、本実施例においては説明を簡略化するために、一色(黒色)のみの画像形成部19について説明したが、カラーコピー機である場合同様の画像形成部19がタンデム状に各色(シアン、マゼンダ、イエロー)分用意されている。
【0030】
続いて、コインベンダ3について説明する。コインベンダ3は制御部31、通信ポート33、及び貨幣投入部32により構成される。貨幣投入部32は、投入された貨幣を受け付ける投入口である。制御部31は、貨幣投入部32から投入された貨幣の真偽を判断すると共に、投入された貨幣の情報(有価情報)を、通信ポート33を介して複合機1の制御部10のCPU11へ送出する。なお、本実施の形態においては有価情報を、コインベンダ3の制御部31が有価情報の認識を条件に出力するよう構成しているが、これに限らず制御部10のCPU11が一定周期で制御部31へアクセスし、有価情報を取得するようにしてもよい。また、本実施の形態においては貨幣を受け付けるようにしているが、貨幣投入部32に代えて、有価情報が記憶または有価情報の決済が可能なプリペイドカード、ICカード等の記録媒体へアクセス可能なリーダ・ライタにより構成するようにしてもよい。
【0031】
次に、ポート端末2のハードウェア構成について説明する。図2に示すように、CPU21にはバス30を介してRAM25、ROM27、複合機1と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート22、タッチパネルを備えた液晶ディスプレイ等の表示部24、キーボード等の入力部23、そのほかリーダ26、貨幣投入部28、及び印刷部29が接続される。CPU21は、バス30を介してポート端末2の上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、ROM27に格納された制御プログラム27aに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0032】
また、ROM27には複合機1用のプリンタドライバ27bがインストールされている。ポート端末2を用いて印刷を行う場合、ユーザが入力部23を操作することによりWebサーバのネットワークアルバムからダウンロードされた印刷データ、または、リーダ26に挿入されたCD−ROMやメモリカード等の記録媒体から読み取った印刷データを複合機1へ出力することにより実行される。印刷データが複合機1に出力された後は、識別情報出力手段としての印刷部29から印刷データを特定するための固有の識別情報、例えば4桁の暗証番号またはバーコード、を記録用紙としてのレシートRに印字して出力する。なお、識別情報の出力は、レシートRに印字して出力する方法に限定されるものではなく、単に表示部24に識別情報を表示する方法、または識別情報を図示しない赤外線通信部から、またはBluetooth等の通信手段を用いて、図示しない顧客の携帯電話、またはPDA(Personal Digital Assistant)へ送信するようにしてもよい。
【0033】
本発明に係る画像形成システムは、コピー処理等の順番を待っている間に、複合機1に対してポート端末2からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約を行えるようにすることを主たる目的とし、そのために、ユーザからの操作入力を受け付ける操作入力手段である入力部14を備える複合機1と、複合機1と接続可能なポート端末2とを備え、ポート端末2は、入力部14と同様な操作入力を可能とする操作入力画面を表示する表示部24と、操作入力画面で入力設定された内容を複合機1へ送信する手段である通信ポート22とを備え、複合機1は、ポート端末2から送信された設定内容に従って、コピーやプリントなどの画像形成処理を行えるように構成されている。
【0034】
図4は、複合機1に対してポート端末2からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約処理の一例を説明するための図である。図5は、コピーやプリントの予約処理の他の例を説明するための図で、図4の続きである。
【0035】
図4において、ユーザU1は複合機1を操作してコピーを行っているときに、ユーザU2はコピーの予約を行うために、ポート端末2を操作してコピー条件を設定する。次に、図5において、複合機1でのコピー処理を終了してユーザU1が立ち去ると、ポート端末2は、複合機1でのコピー処理が終了したことを検知して、表示部24の操作入力画面に、コピー予約が可能である旨を示すメッセージを表示すると共に、移行キー24aを表示する。表示部24は、操作入力画面上の入力領域の座標位置を入力可能なタッチパネルを備え、複合機1の入力部14が備える操作画面及び操作ボタンを含む画面情報を同じレイアウトで表示する。
【0036】
図5において、ユーザU2がタッチパネル上の移行キー24aをタッチすると、ポート端末2で設定した内容が複合機1に送信され、複合機1は、ポート端末2からの設定内容に従って、コピー等の予約を行う。
【0037】
図6は、複合機1が備える入力部14の構成例を示す図である。入力部14は、表示部16を備え、操作画面情報16aを表示する。この表示部16はタッチパネルになっており、ユーザは操作画面情報16aに含まれる操作キーをタッチすることで、コピー条件やプリント条件等を設定することができる。ここではコピー条件の設定画面を表示しているものとする。
【0038】
図7は、ポート端末2が備える表示部24に表示される操作入力画面の一例を示す図である。表示部24は、タッチパネルを備え、複合機1の入力部14が備える操作画面(表示部16)及び操作ボタンを含む画面情報を同じレイアウトで表示する。この表示部24において、複合機1が備える入力部14の画面情報を入力部14′とし、表示部16が表示する操作画面情報16aを操作画面情報16a′とする。このように、表示部24の操作入力画面に、入力部14が備える操作画面及び操作ボタンを同じレイアウトで表示することで、ユーザは複合機1と同じ操作感覚でポート端末2を操作することができる。
【0039】
ユーザは、ポート端末2の入力部14′(操作画面情報16a′含む)から、複合機1と同様の設定(コピー条件、プリント条件など)を行うことができる。ポート端末2は、複合機1でのコピー処理が終了したことを検知して、表示部24の操作入力画面に、コピー予約が可能である旨を示す、例えば「複写機が利用可能です。移行する場合は、移行キーをタッチして下さい。」などのメッセージを表示すると共に、移行キー24aを操作可能に表示する。
【0040】
図8は、複合機1に対してポート端末2からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約処理を行う際の画面遷移例を示す図である。図9は、コピーやプリントの予約処理を行う際の画面遷移の他の例を示す図で、図8の続きである。
【0041】
表示部24は、コピー条件等の設定内容を複合機1へ送信するための送信キーである移行キー24aを備え、移行キー24aがユーザによりタッチされると、設定内容を複合機1へ送信すると共に、表示部24の操作入力画面から入力部14の表示部16(以下、操作画面16)に向けて、操作入力画面に表示されている操作画面情報16a′を横向きにアニメーション表示しながら移動させる。
【0042】
本例において、図8(A),図8(B),図9(A),図9(B)の順に、表示部24と表示部16の画面が遷移していく。まず、図8(A)において、ポート端末2の表示部24には入力部14′、操作画面情報16′、及び移行キー24aが表示され、複合機1の表示部16には何も表示されていない状態とする。
【0043】
次に、図8(B)において、複合機1でのコピー処理が終了した場合、ユーザは表示部24の移行キー24aをタッチする。そうすると表示部24に表示されている操作画面情報16a′が横方向(ここでは図中左側に向けて)へアニメーション表示しながら移動し、これに連動して、操作画面情報16aが移動した部分から順に表示部16にアニメーション表示される。ここでは表示部16の画面右側から操作画面情報16aが出現し、操作画面情報16aを画面左側へ向けてアニメーション表示しながら移動させる。なお、操作画面情報16aは表示部16に表示され、操作画面情報16a′は表示部24に表示されるものとして区別しているが、操作可能な内容及び各操作キーの配置は同様とする。
【0044】
図9(A)に示すように、図8(B)の状態から所定時間経過すると、表示部24の操作画面情報16a′と、表示部16の操作画面情報16aとがさらに図中左側へ向けてアニメーション表示しながら移動する。最後に、図9(B)に示すように、図9(A)の状態からさらに所定時間経過すると、表示部24の操作画面情報16a′が画面から消え、表示部16の操作画面情報16a全てが図面に表示される。
【0045】
このように、操作画面情報16a,16a′をアニメーション表示しながら移動させることで、ポート端末2で設定したコピー条件等の設定内容を複合機1へ送信している様子をユーザに知らしめることができる。なお、操作画面情報の移動速度は任意に変更可能とし、ユーザがポート端末2の場所から複合機1の場所まで移動するのに要するおおよその時間に合わせて設定するようにしてもよい。上記操作画面情報の移動速度は、複合機1またはポート端末2により設定することができる。
【0046】
複合機1は、ポート端末2から送られてくる設定内容に従ってコピー処理等の画像形成処理を予約し、入力部14が備える開始(スタート)キーがユーザにより押下されると、予約された画像形成処理を開始する。また、ポート端末2は、複合機1の動作状態を検知可能とし、複合機1がコピー処理等の画像形成処理の予約を受け付け可能な状態にある場合、その旨を表示部24の操作入力画面に表示する。
【0047】
図10は、本発明に係る画像形成システムによる画像形成処理の一例を説明するためのフロー図である。まず、複合機1は、原稿セットし(ステップS1)、コピーモードを設定し(ステップS2)、入力部14のスタートキーが押下されるとコピーをスタートする(ステップS3)。この間、複合機1が使用中である旨をポート端末2側に通知し、ポート端末2は、所定の操作キーがユーザによりタッチされると、コピーパネルを表示し、コピーモードを設定(予約)可能とする(ステップS21)。なお、ポート端末2から複合機1の動作状態を検知して、複合機1が使用中かどうかを認識するようにしてもよい。
【0048】
次に、複合機1は、コピーが完了すると(ステップS4)、複合機1が待機中である旨をポート端末2側に通知する。複合機1は、複合機1を開放し(ステップS5)、その旨をポート端末2側に通知し、ポート端末2は、移行可能メッセージを表示部24に表示する(ステップS22)。ポート端末2は、複合機1へ移行指示を送信し(ステップS23)、複合機1は、ポート端末2からの移行指示に従って、コピー処理の予約を行い(ステップS6)、予約を許可する旨をポート端末2側へ通知する。
【0049】
次に、ポート端末2は、コピー条件等のモードデータを複合機1に転送し(ステップS24)、複合機1は、ポート端末2からのモードデータを受信し(ステップS7)、コピーOKである旨をメッセージ表示や音声出力等により通知する(ステップS8)。複合機1は、受信完了した旨をポート端末2側へ通知し、ポート端末2は、転送完了メッセージを表示部24に表示する(ステップS25)。
【0050】
次に、複合機1は、原稿セットし(ステップS9)、入力部14のスタートキーが押下されると、ポート端末2から送信されたコピーモードに従って、コピーをスタートする(ステップS10)。この間、複合機1が使用中である旨をポート端末2側に通知し、ポート端末2は、所定の操作キーがユーザによりタッチされると、コピーパネルを表示し、コピーモードを設定(予約)可能とする(ステップS26)。
【0051】
次に、複合機1は、コピーが完了すると(ステップS11)、複合機1が待機中である旨をポート端末2側に通知する。複合機1は、複合機1を開放し(ステップS12)、その旨をポート端末2側に通知し、ポート端末2は、複合機1側でもコピー条件等の設定が可能であることを表示部24に表示する(ステップS27)。
【0052】
以上説明したように、本発明によれば、コピー機能等を有する画像形成装置と該画像形成装置と接続可能な情報処理装置とから構成され、画像形成装置に対して情報処理装置からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約ができるため、ユーザが待っている時間を有効に利用することができ、さらに、前のユーザの処理終了後すぐにコピーやプリント処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る画像形成システムの概要例を示す模式図である。
【図2】複合機の制御部、ポート端末、及びコインベンダのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】複合機のハードウェアの構成例を示す模式的断面図である。
【図4】複合機に対してポート端末からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約処理の一例を説明するための図である。
【図5】コピーやプリントの予約処理の他の例を説明するための図で、図4の続きである。
【図6】複合機が備える入力部の構成例を示す図である。
【図7】ポート端末が備える表示部に表示される操作入力画面の一例を示す図である。
【図8】複合機に対してポート端末からコピー条件あるいはプリント条件の設定等を行ってコピーやプリントの予約処理を行う際の画面遷移例を示す図である。
【図9】コピーやプリントの予約処理を行う際の画面遷移の他の例を示す図で、図8の続きである。
【図10】本発明に係る画像形成システムによる画像形成処理の一例を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0054】
1…画像形成装置(複合機)、2…情報処理装置(ポート端末)、3…有価情報取得装置(コインベンダ)、11,21…CPU、12a…補助通信ポート、12b,22,33…通信ポート、13…RAM、14,23…入力部、15…記憶部、15a,27a…制御プログラム、15b…印刷データファイル、15c…案内情報ファイル、15d…コピーデータファイル、16,24…表示部、17…A/D変換器、18…スキャナ部、19…画像形成部、20,30…バス、26…リーダ、27…ROM、27b…プリンタドライバ、28,32…貨幣投入部、29…印刷部、10,31…制御部、100,101,102,103…給紙カセット、104…感光体、105…帯電器、106…現像槽、106a…現像ローラ、107…転写器、108…クリーナ、109…クリーニングブレード、110…排紙トレイ、112…光走査装置、113…レジストローラ、114…定着ローラ、115…排紙ローラ、116…搬送ローラ、117…原稿台、181…露光ランプ、182a…第1反射ミラー、182b…第2反射ミラー、182c…第3反射ミラー、183…レンズ、184…光電変換素子、185…認識センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの操作入力を受け付ける操作入力手段を備える画像形成装置と、該画像形成装置と接続可能な情報処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、前記操作入力手段と同様な操作入力を可能とする操作入力画面を表示する表示手段と、該操作入力画面で入力設定された内容を前記画像形成装置へ送信する手段とを備え、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から送信された設定内容に従って、画像形成処理を可能としたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記表示手段は、前記操作入力画面上の入力領域の座標位置を入力可能なタッチパネルを備え、前記操作入力手段が備える操作画面及び操作ボタンを含む画面情報を同じレイアウトで表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記表示手段は、前記設定内容を前記画像形成装置へ送信するための送信キーを表示し、該送信キーがユーザによりタッチされると、前記設定内容を前記画像形成装置へ送信すると共に、前記操作入力画面から前記操作入力手段の操作画面に向けて、前記操作入力画面に表示されている所定の操作画面情報を横向きにアニメーション表示しながら移動させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の操作画面情報は、前記操作入力手段の操作画面に表示される情報であることを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記情報処理装置あるいは前記画像形成装置は、前記所定の操作画面情報の移動速度を任意に変更可能としたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から送られてくる前記設定内容に従って画像形成処理を予約し、前記操作入力手段が備える開始キーが前記ユーザにより押下されると、前記予約された画像形成処理を開始することを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、前記画像形成装置の動作状態を取得可能とし、前記画像形成装置が画像形成処理の予約を受け付け可能な状態にある場合、その旨を前記操作入力画面に表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成処理は、原稿から読み取った画像データを記録用紙にコピーする処理、あるいは、前記情報処理装置から送信される画像データを記録用紙にプリント出力する処理であることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−110617(P2007−110617A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−301763(P2005−301763)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】