説明

画像形成システム

【課題】コンピュータから画像形成装置に印刷対象データを送信して印刷した場合に、当該印刷を失敗しても、操作者が印刷対象データの送信元であるコンピュータまで移動せずに、印刷設定を変更して再印刷を行うことができるようにする。
【解決手段】サーバコンピュータにおいて、コンピュータから送信されてくる印刷対象データを印刷対象データ記憶部に記憶しておき(S1)、プリント用データ作成部がプリント用データを作成した後(S3)、このプリント用データを通信部が複合機に送信すると共に(S5)、作成したプリント用データの第1頁目のデータを頁データ記憶部に記憶しておく(S4)。複合機から印刷物第1頁目の読取データと新たな印刷設定とが送信されてくると(S6でYES)、この印刷設定指示に従った新たなプリント用データをプリント用データ作成手段が作成し(S8)、通信部が複合機に送信する(S5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関し、特に、印刷を失敗した場合に、印刷設定を再度設定する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータから、ネットワーク上の画像形成装置に印刷対象データを送信して印刷を行ったが、その印刷物の用紙サイズや、印刷対象となる画像の拡大又は縮小の設定等が悪く印刷を失敗した場合には、用紙サイズや拡大又は縮小の設定等を変えて再度印刷を行う。従来の印刷設定を変更する技術としては、下記特許文献1に示されるように、読取手段によって情報入力用シートを読み取ることで、用紙サイズや拡大又は縮小等の設定を切り替える画像処理装置がある。また、下記特許文献2には、ホストコンピュータの閲覧手段に、以前に印刷した印刷対象データの印刷イメージを表示させることで、操作者が以前に印刷した印刷対象データの内容を確認してから印刷できるようにして、印刷対象とする印刷対象データの指定間違いや、画像形成装置への再度の印刷対象データ送信を不要とした印刷装置が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、印刷設定を変更して再度印刷を行おうとすると、操作者は、印刷対象データの出力元であるパーソナルコンピュータまで移動し、このパーソナルコンピュータを操作して印刷設定を変え、再度画像形成装置に印刷対象データを送信する必要がある。また、上記特許文献1に記載の画像処理装置の場合、画像形成装置側において設定を切り替えることはできるが、操作者がホストコンピュータまで移動しなければ、印刷対象とする印刷対象データを再度送信することはできない。また、特許文献2に記載の印刷装置の場合も、以前に印刷した印刷対象データの印刷イメージがホストコンピュータに表示されるため、操作者はホストコンピュータまで移動して印刷操作を行う必要がある。
【特許文献1】特開平8−224930号公報
【特許文献2】特開2004−326817号公報
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、コンピュータから画像形成装置に印刷対象データを送信して印刷する場合に、当該印刷を失敗しても、操作者が印刷対象データの送信元であるコンピュータまで移動せずに、印刷設定を変更して再印刷を行うことができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の請求項1に記載の発明は、相互にデータの送受信が可能にネットワーク接続されたサーバコンピュータ及び画像形成装置を備える画像形成システムであって、
前記サーバコンピュータは、コンピュータから印刷の対象として送信されてくる印刷対象データを記憶する印刷対象データ記憶手段と、印刷対象データ記憶手段に記憶された印刷対象データから前記画像形成装置に対応したプリント用データを作成するプリント用データ作成手段と、プリント用データ作成手段によって作成された少なくとも1頁分のプリント用データを記憶する頁データ記憶手段と、プリント用データ作成手段によって作成されたプリント用データを前記画像形成装置に送信するプリント用データ送信手段とを備え、
前記画像形成装置は、操作者から印刷設定が入力される印刷設定入力手段と、前記サーバコンピュータから送信されてきたプリント用データを印刷する印刷手段と、原稿上の画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段に読み取られた少なくとも原稿1頁分の読取データ、及び前記印刷設定入力手段に入力された印刷設定を前記サーバコンピュータに送信するデータ送信手段とを備え、
更に、前記サーバコンピュータは、前記画像形成装置から送信されてきた少なくとも原稿1頁分の読取データと、前記頁データ記憶手段に記憶されているプリント用データとの一致を判定する判定手段を備え、この判定手段によって上記両データの一致が判定された場合に、前記プリント用データ作成手段が、当該一致が判別されたプリント用データの元となる印刷対象データを前記印刷対象データ記憶手段から読み出して、前記画像形成装置から送信されてきた印刷設定に従ったプリント用データを作成し、前記プリント用データ送信手段が、当該プリント用データを前記画像形成装置に送信するものである。
【0006】
この構成では、サーバコンピュータにおいて、コンピュータから送信されてくる印刷対象データを印刷対象データ記憶手段に記憶しておき、プリント用データ作成手段がプリント用データを作成した後、作成したプリント用データをプリント用データ送信手段から画像形成装置に送信すると共に、上記印刷対象データを印刷対象データ記憶手段に残しておき、さらに、作成したプリント用データの少なくとも1頁分のデータを頁データ記憶手段に記憶しておく。そして、当該サーバコンピュータに、画像形成装置のデータ送信手段から、画像読取手段に読み取られた少なくとも原稿1頁分の読取データ、及び操作者により印刷設定入力手段に入力された印刷設定が送信されてくると、判定手段が、上記画像形成装置から送信されてきた少なくとも原稿1頁分の読取データと、頁データ記憶手段に記憶されているプリント用データとの一致を判定する。これら両データが一致すると判定された場合には、プリント用データ作成手段が、当該一致が判別されたプリント用データの元となる印刷対象データを前記印刷対象データ記憶手段から読み出し、画像形成装置からの印刷設定に従ったプリント用データを作成し、プリント用データ送信手段が当該プリント用データを画像形成装置に送信する。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムであって、前記画像形成装置は、印刷設定用紙のデータを記憶する印刷設定用紙データ記憶手段と、操作者からの前記印刷設定用紙の印刷指示が入力される指示入力手段と、前記指示入力手段に操作者から印刷指示が入力された場合に、前記印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている印刷設定用紙のデータを前記印刷手段に印刷させる制御手段とを備え、
前記印刷設定入力手段は、前記画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから印刷設定を解析することで操作者からの印刷設定の入力を受け付け、前記データ送信手段は、当該印刷設定入力手段で受け付けられた印刷設定を前記サーバコンピュータに向けて送信するものである。
【0008】
この構成では、画像形成装置において、指示入力手段に操作者から印刷指示が入力されると、制御手段が、印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている印刷設定用紙のデータを印刷手段に印刷させる。印刷設定入力手段は、画像読取手段によって読み取られた印刷設定用紙の読取データから印刷設定指示を解析することで操作者からの印刷設定指示の入力を受け付ける。データ送信手段は、このような読取データから解析された印刷設定指示を、データ送信手段から前記サーバコンピュータに向けて送信させる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムであって、前記画像形成装置の前記印刷設定用紙データ記憶手段には、前記印刷設定用紙のデータと、当該印刷設定用紙の識別標識となる画像のデータとが記憶されており、
前記制御手段は、前記指示入力手段に入力される操作者からの印刷指示に基づいて、前記印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている前記印刷設定用紙のデータと共に、前記識別標識となる画像のデータを前記印刷手段に印刷させ、
前記印刷設定入力手段は、前記画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから前記識別標識を検出した場合に、当該画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから印刷設定を解析するものである。
【0010】
この構成では、画像形成装置において、指示入力手段に操作者から印刷指示が入力されると、制御手段が、印刷設定用紙のデータと共に、当該印刷設定用紙の識別標識となる画像のデータを印刷手段に印刷させる。そして、印刷設定入力手段は、画像読取手段によって読み取られた読取データから上記識別標識を検出した場合に、当該印刷対象データから更に印刷設定指示を解析する。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムであって、前記指示入力手段に、前記画像読取手段の読取対象が前記印刷設定用紙であることが操作者から入力された場合に、前記印刷設定入力手段が、当該画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから印刷設定を解析するものである。
【0012】
この構成では、印刷設定入力手段は、画像読取手段の読み取り対象が印刷設定用紙であることが操作者から指示入力手段に入力された場合に、画像読取手段によって読み取られた読取データから印刷設定指示を解析するようになっている。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムであって、前記画像形成装置は、前記印刷設定入力手段に代えて、操作者からの印刷指示が入力される指示入力手段と、印刷設定用紙のデータが記憶された印刷設定用紙データ記憶手段と、前記指示入力手段に操作者から印刷指示が入力されると、前記印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている印刷設定用紙のデータを前記印刷手段に印刷させる制御手段とを備え、前記データ送信手段は、前記画像読取手段の読み取り対象が前記印刷設定用紙であることが操作者から前記指示入力手段に入力された場合には、当該画像読取手段によって読み取られた読取データを前記画像形成装置に送信し、
前記サーバコンピュータは、前記画像形成装置のデータ送信手段から送信されてくる前記読取データから印刷設定を解析する印刷設定解析手段を備え、前記プリント用データ作成手段は、当該印刷設定解析手段により解析された印刷設定に従ったプリント用データを作成するものである。
【0014】
この構成では、画像形成装置において、指示入力手段に操作者から印刷指示が入力されると、制御手段が、印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている印刷設定用紙のデータを印刷手段に印刷させ、さらに指示入力手段に、画像読取手段の読み取り対象が前記印刷設定用紙であることが操作者から入力された場合には、データ送信手段が、当該画像読取手段によって読み取られた当該読取データを画像形成装置に送信する。そして、サーバコンピュータでは、印刷設定解析手段が、画像形成装置のデータ送信手段から送信されてくる上記プリント用データから印刷設定指示を解析し、プリント用データ作成手段が、当該解析された印刷設定に従ったプリント用データを作成する。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、相互にデータの送受信が可能にネットワーク接続されたサーバコンピュータ及び画像形成装置を備える画像形成システムであって、
前記サーバコンピュータは、コンピュータから印刷の対象として送信されてくる印刷対象データを記憶する印刷対象データ記憶手段と、印刷対象データ記憶手段に記憶された印刷対象データから前記画像形成装置に対応したプリント用データを作成するプリント用データ作成手段と、プリント用データ作成手段によって作成されたプリント用データを前記画像形成装置に送信するプリント用データ送信手段とを備え、
前記画像形成装置は、操作者から印刷の対象とするデータを特定する指示及び印刷設定が入力される印刷指示入力手段と、前記サーバコンピュータから送信されてきたプリント用データを印刷する印刷手段と、前記印刷指示入力手段に入力された前記印刷の対象とするデータを特定する指示及び印刷設定を前記サーバコンピュータに送信するデータ送信手段とを備え、
更に、前記サーバコンピュータは、前記プリント用データ作成手段が、前記画像形成装置から送信されてきた前記印刷の対象とするデータを特定する指示に従って前記印刷対象データ記憶手段から印刷対象データを読み出して、前記画像形成装置から送信されてきた印刷設定に従ったプリント用データを作成し、前記プリント用データ送信手段が、当該プリント用データを前記画像形成装置に送信するものである。
【0016】
この構成では、サーバコンピュータにおいて、コンピュータから送信されてくる印刷対象データを印刷対象データ記憶手段に記憶しておき、プリント用データ作成手段がプリント用データを作成した後、作成したプリント用データをプリント用データ送信手段が画像形成装置に送信する。そして、当該サーバコンピュータに、画像形成装置のデータ送信手段から、操作者により印刷設定入力手段に入力された印刷の対象とするデータを特定する指示及び印刷設定が送信されてくると、プリント用データ作成手段が、上記印刷の対象とするデータを特定する指示が示す印刷対象データを印刷対象データ記憶手段から読み出して、画像形成装置からの印刷設定に従ったプリント用データを作成し、プリント用データ送信手段が当該プリント用データを画像形成装置に送信する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、サーバコンピュータで、コンピュータから送信されてきた印刷対象データを保有しておき、画像形成装置から印刷設定指示が送信されてくると、この印刷設定指示に従ったプリント用データを、印刷対象データ記憶手段に記憶されている印刷対象データから作成するので、操作者は、印刷対象データをサーバコンピュータに出力したコンピュータまで移動しなくても、印刷物が出力される画像形成装置の設置場所に居ながらにして、印刷設定を変更する指示を入力する操作を行うことができる。また、サーバコンピュータでは、画像形成装置から送信されてくる少なくとも原稿1頁分の読取データと、頁データ記憶手段に記憶されている少なくとも原稿1頁分のプリント用データとを照合して、プリント用データの作成対象とする印刷対象データを特定するので、操作者は、画像形成装置において、プリント用データの作成対象とする印刷対象データを特定するために、複雑な操作が要求されることがない。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、画像形成装置では、画像読取手段で読み取られた印刷設定用紙の読取データから印刷設定指示を解析することで、操作者からの印刷設定指示の入力を受け付け、解析した印刷設定指示をサーバコンピュータに向けて送信するので、操作者は、印刷設定用紙を画像読取手段に読み取らせるだけの簡単な操作で、印刷設定を画像形成装置に入力することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、画像形成装置において、画像読取手段で読み取られた印刷設定用紙の読取データから、識別標識となる画像のデータを検出した場合に、画像読取手段による読取データを、印刷設定指示が含まれているかの解析対象となるデータとして扱うので、操作者は、印刷設定指示を解析させる指示を入力する操作が不要になる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、画像形成装置では、画像読取手段の読取対象が印刷設定用紙であることが指示入力手段に操作者から入力されると、画像読取手段で読みとられた読取データを、印刷設定指示が含まれているかの解析対象となるデータとして扱うので、操作者は、印刷設定指示を解析させる指示を簡単に入力することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、画像形成装置に、印刷設定指示を解析するためのシステムを保有させておく必要がなく、画像形成装置にかかる処理負担を軽減できる。サーバコンピュータは、一般的に、制御手段として比較的高性能なCPUが搭載されているため、サーバコンピュータに印刷設定指示を解析するためのシステム(プログラム等)を保有させたとしても、サーバコンピュータにかかる処理負担は重大な問題にはならない。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、サーバコンピュータで、コンピュータから送信されてきた印刷対象データを保有しておき、画像形成装置から印刷設定指示が送信されてくると、この印刷設定指示に従ったプリント用データを、印刷対象データ記憶手段に記憶されている印刷対象データから作成するので、操作者は、印刷対象データをサーバコンピュータに出力したコンピュータまで移動しなくても、印刷物が出力される画像形成装置の設置場所に居ながらにして、印刷設定を変更する指示を入力する操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成システムについて図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成システムをなす画像形成装置及びサーバコンピュータと、画像形成システムに接続されたコンピュータとからなるネットワーク構成を示す図である。
【0024】
画像形成装置の一例としての複合機1は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を兼ね備えている。複合機1は、スキャナ等からなる画像読取部で読み取った原稿のデータを複合機1の内部記憶装置や、イントラネット等によって複合機1に接続されたサーバコンピュータSV2、各PC(パーソナルコンピュータ)31乃至34内の記憶部等に格納する。また、複合機1は、複合機1の内部記憶装置に記憶されているデータのプリントアウトや、サーバコンピュータSV2から送られてきたデータのプリントアウト等を行う。このように、複合機1、サーバコンピュータSV2、各PC31乃至34は、相互にデータ通信が可能とされている。
【0025】
図2は複合機1の内部構成の概略を示すブロック図である。複合機1は、装置の各部の動作を制御する制御ユニット100と、原稿画像を読み取るスキャナ等を有する画像読取部(画像読取手段)110と、画像読取部110によって読み取られた原稿のデータ等を一時的に記憶したり、印刷部130の印刷対象となるデータを一時的に保存する領域となる画像メモリ120と、画像読取部110によって読み取られた原稿のデータや、サーバコンピュータSV2から送信されてきたデータ等を印刷する印刷部(印刷手段)130とを有する。
【0026】
また、複合機1は、ファクシミリ通信に必要な諸機能を実行し、公衆回線を通じて外部のファクシミリ装置から画像データを受信するファクシミリ通信部140と、送信スタートキー、テンキー及び短縮番号キー等からなり、操作者から各種操作指示(印刷設定の入力、印刷設定用紙の印刷指示等)やID情報(後述)等の入力を受け付ける操作部(印刷設定入力手段、指示入力手段)20と、操作者への操作案内等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部150とを備える。なお、この表示部150がタッチパネル機能を備えることにより、操作者からの各種操作指示を受け付けるようにしてもよい。
【0027】
さらに、複合機1は、画像読取部110によって読み取られた原稿画像データ等を記憶する大容量の記憶領域を有するHDD(ハードディスク)170を有している。このHDD170は、印刷設定用紙データ記憶部(印刷設定用紙データ記憶手段)171と、データ保存部172とを有する。印刷設定用紙データ記憶部171は、印刷設定用紙を印刷するために必要な画像データと、識別標識を印刷するために必要な画像データとを記憶する。印刷設定用紙とは、印刷物の印刷設定(拡大・縮小、用紙サイズ設定等)を操作者が書き込むための印刷設定用紙である。識別標識とは、印刷設定用紙として印刷された記録紙が、操作者からの印刷設定指示の情報を有する用紙であり、印刷対象となる一般の原稿とは異なることを示すマーク(例えば、バーコード等)である。データ保存部172は、画像読取部110によって読み取られた原稿画像データや、サーバコンピュータSV2又はPC31乃至34から送信されてきたデータを蓄積する。
【0028】
制御ユニット100は、解析部101と、データ送受信部102と、制御部103とを備えている。
【0029】
解析部(設定入力手段の一部として機能)101は、画像読取部110によって読み取られた画像データ(以下、読取データという)を解析して、当該読取データに含まれている印刷設定指示を検出することで、操作者からの印刷設定の入力を受け付ける。
【0030】
データ送受信部(データ送信手段)102は、サーバコンピュータSV2と、PC31乃至34との間でデータの送受信に必要に処理を行う。本実施形態では、データ送受信部102は、解析部101で解析された印刷設定指示と、再印刷の対象とするデータを特定するために画像読取部110に読み取られる少なくとも印刷物1頁分の読取データとをサーバコンピュータSV2に送信する。
【0031】
制御部(制御手段)103は、複合機1全体の動作制御を司るものである。本実施形態では、制御部103は、操作部20に操作者から印刷設定用紙の印刷指示が入力された場合に、印刷設定用紙データ記憶部171に記憶されている識別標識及び印刷設定用紙の画像データを印刷部130に印刷させる。
【0032】
さらに、複合機1は、画像読取部110が読み取った画像イメージデータ編集/加工(符/復号処理、拡大/縮小処理、圧縮/伸長処理)処理等を行う画像処理部190と、サーバコンピュータSV2、PC31乃至34との間で各種データのやりとりを行うために用いられるネットワークI/F160とを有している(なお、図2には、代表してサーバコンピュータSV2との接続を示している)。
【0033】
図3はPC31乃至34の内部構成の概略を示すブロック図である。PC31乃至34の構成はいずれも同様で足りるので、以下については、PC31の構成を例にして説明する。PC31は、制御部311と、ROM312と、RAM313と、HDD314と、ディスプレイ315と、通信I/F316と、入力部317とを備える。
【0034】
制御部311は、PC31全体の動作制御を司るものである。ROM312は、各種の動作プログラムを記憶する。RAM313は、制御部311の動作領域等として使用される。HDD314は、印刷の対象とする文書データ又は画像データ等の各種データを記憶する記憶装置である。ディスプレイ315は、各種データの内容が表示されるものである。通信I/F316は、複合機1及びサーバコンピュータSV2とのデータ通信を行うためのインタフェイスとして機能する。入力部317は、キーボードやマウス等から構成され、HDD314に記憶されているデータ等の中から、印刷の対象とするデータとしてサーバコンピュータSV2を介して複合機1に送信するデータを特定する指示、特定したデータを送信する指示が操作者から入力される。
【0035】
図4はサーバコンピュータSV2の内部構成の概略を示すブロック図である。サーバコンピュータSV2は、制御ユニット21と、ROM22と、RAM23と、HDD24と、ディスプレイ25と、通信I/F26と、入力部27とを備える。
【0036】
制御ユニット21は、CPU等からなり、制御部211と、プリント用データ作成部212と、通信部213と、判定部214とを有する。
【0037】
制御部211は、サーバコンピュータSV2全体の動作制御を司るものである。プリント用データ作成部212は、印刷対象データ記憶部241に記憶されている印刷対象データから、複合機1で用いられているプリンタ言語からなるページ記述言語等からなるプリント用データを作成する。プリント用データ作成部212は、例えば、HDD24にインストールされている複合機1用のプリンタドライバに従って、上記プリント用データを作成する。
【0038】
通信部213は、通信I/F26を介して上記プリント用データや各種データを、複合機1又はPC31乃至34との間で送受信するために必要な処理を行うものである。
【0039】
判定部214は、複合機1から送信されてきた1頁分の原稿読取データと、頁データ記憶部242に記憶されている1頁分のプリント用データとの一致・不一致を判定する。
【0040】
また、制御部211は、サーバコンピュータSV2全体の動作制御を司る他、判定部214によって上記両データの一致が判定された場合に、当該一致が判別されたプリント用データの元データである印刷対象データを印刷対象データ記憶部241から読み出して、複合機1から送信されてきた印刷設定指示に従ったプリント用データをプリント用データ作成部212に作成させる制御も行う。
【0041】
ROM22は、各種の動作プログラムを記憶する。RAM23は、制御部211の動作領域等として使用される。
【0042】
HDD24は、各種データを記憶する記憶装置である。本実施形態では、複合機1に適したプリント用データを作成するために必要なプログラム、すなわち制御ユニット21をプリント用データ作成部212等として機能させるプログラム(上記プリンタドライバ)がHDD24に記憶されている。また、HDD24の一部の領域は、印刷対象データ記憶部(印刷対象データ記憶手段)241と、頁データ記憶部(頁データ記憶手段)242として用いられる。印刷対象データ記憶部241は、コンピュータから印刷の対象として送信されてくる各印刷対象データを記憶して蓄積しておく領域である。頁データ記憶部242は、プリント用データ作成部212によってプリント用データが作成された場合に、当該プリント用データの第1頁目のデータ(1頁分のデータ)を記憶しておく領域である。
【0043】
ディスプレイ25は、各種データの内容が表示されるものである。通信I/F26は、複合機1及びPC31乃至34とのデータ通信を行うためのインタフェイスとして機能する。入力部27は、キーボードやマウス等から構成される。
【0044】
次に、画像形成システムにおける印刷処理の第1実施形態について説明する。図5は画像形成システムにおける印刷処理の第1実施形態を示すフローチャート、図6(a)はデフォルト状態の印刷設定用紙を示す図、(b)は操作者による印刷設定記入済みの印刷設定用紙を示す図である。
【0045】
サーバコンピュータSV2において、通信部213が、通信I/F26を介してPC31乃至34のいずれかから印刷の対象とする印刷対象データを受信すると(S1でYES)、制御部211は、この受信した印刷対象データを印刷対象データ記憶部241に記憶させ(S2)、プリント用データ作成部212が、当該印刷対象データを、複合機1に適したプリンタ言語に変換してプリント用データを作成する(S3)。そして、制御部211は、作成されたプリント用データの第1頁のデータを頁データ記憶部242に記憶させ(S4)、通信部213が全頁分のプリント用データを複合機1に送信する(S5)。
【0046】
複合機1において、データ送受信部102が、ネットワークI/F160を介して、サーバコンピュータSV2から送信されてきた上記プリント用データを受信すると(F1でYES)、制御部103は、印刷部130に当該プリント用データを印刷させる(F2)。これにより、操作者は、PC31等から送信した印刷の対象とするデータの印刷物を得る。
【0047】
そして、操作者による操作部20の操作で、印刷設定を変更するための印刷設定用紙を印刷する指示が操作部20に入力されると(F3でYES)、制御部103が、印刷部130に、印刷設定用紙データ記憶部171に記憶されている印刷設定用紙及び識別標識の画像データを記録紙上に印刷し、設定用紙として排出させる(F4)。この印刷設定用紙には、図6(a)に示すように、用紙サイズや給紙方法、拡大縮小の印刷設定項目が表記されており、操作者が、設定したい項目にチェックを入れるようになっている。例えば、操作者は、上記プリント用データの印刷物の印刷内容を確認した後、この印刷の内容が期待した内容ではなく、印刷設定(拡大縮小の印刷設定用紙サイズ等の変更等)を変更した上で再印刷したいと思った場合に、印刷設定用紙を印刷する指示を操作部20から入力し、複合機1によって印刷された印刷設定用紙中の所望の印刷設定項目にチェックを入れる(図6(b))。
【0048】
上記印刷設定用紙の印刷終了後、予め定められた時間(例えば、5分)内に、操作者による操作部20の操作で、原稿画像読取の指示が入力されると(F5でYES)、制御部103は、画像読取部110に原稿を読み取らせる(F6)。ここでは、操作者が、画像読取部110に、所望の項目にチェックを入れた上記印刷設定用紙と、上記印刷物の第1頁目とを一度に読み取らせるものとする。
【0049】
上記原稿読取後、解析部101が、画像読取部110に読み取られた読取データを解析して、当該読取の対象となった原稿が印刷設定用紙であることを示す識別標識が含まれているかを検出する(F7)。ここで、解析部101が識別標識を検出した場合は(F8でYES)、解析部101が解析を続けて、当該識別標識を含む頁の読取データから印刷設定指示を検出する(F9)。この印刷設定の解析は、例えば、読取データ中における予め定められた位置のデータ、例えば、印刷設定用紙データ記憶部171に記憶されている「用紙サイズ」の「A1」の左隣に配置された四角形の画像を示すデータが、元データとほぼ同じであれば、同位置にチェックがされていないと認識し、元データに比べて差異が生じていれば、同位置にチェックがされていると認識する。そして、チェックがあると認識された位置に対応する用紙サイズ「A1」が選択されたと認識する。他の印刷設定項目も同様)。データ送受信部102は、当該解析された印刷設定指示と、画像読取部110が読み取っている原稿第1頁目の読取データを、サーバコンピュータSV2に送信する(F10)。
【0050】
なお、画像読取部110によって読み取られた上記読取データ中に、解析部101が識別標識を検出しなかった場合(F8でNO)、制御部103は、通常のスキャン動作又はコピー動作を実行させる(F11)。
【0051】
サーバコンピュータSV2において、複合機1から上記印刷指示及び原稿第1頁目の読取データを受信すると(S6でYES)、判定部214が、受信した原稿第1頁目の読取データと、頁データ記憶部242に記憶されている各プリント用データの第1頁目のデータとの一致を判定し(S7)、プリント用データ作成部212が、当該一致が判定された第1頁目のプリント用データの元データを印刷対象データ記憶部241から読み出し、上記複合機1から受信した印刷設定指示に従って、用紙サイズ、拡大縮小等の設定を変更した新たなプリント用データを作成する(S8)。制御部211は、作成された新たなプリント用データの第1頁目のデータを、それまで頁データ記憶部242に記憶されていた当該プリント用データの第1頁目のデータとして書き換える(S9)。この後、処理は、S5に戻り、通信部213が、新たに作成されたプリント用データの全頁分のデータを複合機1に送信し(S5)、以降の処理が繰り返される。S6で、複合機1から上記印刷指示及び第1頁目の読取データを受信しない場合は(S6でNO)、処理をS1に戻し、他の印刷対象データがPC31等から送信されてきた場合に備える。
【0052】
次に、画像形成システムにおける印刷処理の第2実施形態について説明する。図7は画像形成システムにおける印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、図7では、図6に示した第1実施形態と同様の処理は同符号を付して説明を省略する。
【0053】
上記第1実施形態では、画像読取部110に読み取られた原稿が印刷設定用紙であることは、解析部101が読取データを解析して、当該読取データに識別標識が含まれているかで判別しているが、この第2実施形態では、印刷設定用紙データ記憶部171には識別標識のデータは記憶されておらず、操作者から印刷設定用紙の印刷指示があった場合(F3)、制御部103は、印刷部130に印刷設定用紙データのみを印刷させる(F4)。そして、操作者が印刷設定項目にチェックを記入した後、画像読取部110に印刷設定用紙を読み取らせるとき(F5,F6)、操作部20の操作により、読み取らせる原稿が印刷設定用紙である旨の指示が入力された場合に(F21でYES)、解析部101が、画像読取部110に読み取られた読取データを解析して、当該読取データから印刷設定指示を検出する(F22)。また、操作者から、画像読取部110に読み取らせる原稿が印刷設定用紙である旨の指示が入力されなかった場合は(F21NO)、通常のスキャン動作又はコピー動作を行う(F1)。
【0054】
このようにすれば、印刷設定用紙データ記憶部171に保有するデータ、及び印刷部130が印刷設定用紙を印刷する際の画像数を低減し、さらに、識別標識を検出するための解析処理を削減することができる。
【0055】
次に、画像形成システムの第2実施形態を説明する。図8は、第2実施形態に係る画像形成システムにおける複合機1の内部構成の概略図、図9は第2実施形態に係る画像形成システムにおけるサーバコンピュータSV2の内部構成の概略図である。
【0056】
この第2実施形態に係る画像形成システムは、画像読取部110によって読み取られた読取データを解析して印刷設定指示を検出する処理を、サーバコンピュータSV2が行うようにしたものである。この第2実施形態においては、図8に示すように、複合機1の制御ユニット100は、データ送受信部102及び制御部103を備えるが、第1実施形態のような解析部101は備えない。一方、サーバコンピュータSV2は、図9に示すように、制御ユニット21に印刷設定解析部215が備えられ、この印刷設定解析部215が、複合機1から送信されてきた読取データを解析して印刷設定指示を検出する。この印刷設定指示の解析・検出処理は、第1実施形態の複合機1における解析部101による処理と同様にして行う。
【0057】
第2実施形態に係る画像形成システムによる印刷処理を説明する。図10は第2実施形態に係る画像形成システムによる印刷処理を示すフローチャートである。なお、図5及び図7に示した処理と同様の処理は、同符号を付して説明を省略する。
【0058】
上記第2実施形態に係る画像形成システムでは、複合機1において、画像読取部110に原稿が読み取られて、かつ、操作者による操作部20の操作により、読み取らせる原稿が印刷設定用紙である旨の指示が入力されている場合に(F21でYES)、データ送受信部102がサーバコンピュータSV2に対して、印刷設定用紙の読取データと、次頁分(すなわち、印刷物の第1頁目)の読取データとを送信する(F31)。
【0059】
サーバコンピュータSV2では、印刷設定用紙にあたる頁の読取データと、次頁分(すなわち、印刷物の第1頁目)の読取データとを受信すると(S11でYES)、印刷設定解析部215が、印刷設定用紙の読取データから印刷設定指示を解析し(S12)、この解析した印刷設定指示に従って、印刷対象データ記憶部241に記憶されている元データからプリント用データを作成する(S13)。
【0060】
このようにすれば、複合機1には解析部101を設ける必要がないので、その制御ユニット100にかかる処理負担を軽くすることができる。
【0061】
なお、第2実施形態に係る画像形成システムでは、複合機1に解析部101を設けない構成としたが、複合機1の印刷設定用紙データ記憶部171に識別標識のデータを印刷設定用紙と共に記憶させておき、印刷設定用紙の印刷時には、制御部103が当該識別標識も印刷部130に印刷させるようにし、さらに、画像読取部110によって読み取られた読取データの中に識別標識が含まれているか否かを解析できる程度の解析部101を制御ユニット100に設けるようにして、この解析部101が画像読取部110による読取データの中に識別標識を検出した場合に、識別標識を含む印刷設定用紙の読取データと、次頁分(すなわち、印刷物の第1頁目)の読取データとをサーバコンピュータSV2に送信し、サーバコンピュータSV2の印刷設定解析部215で印刷設定指示が解析されるようにしてもよい。
【0062】
また更には、上記第1及び第2の実施形態に係る画像形成システムにおいて、複合機1に印刷設定用紙データ記憶部171を設けず、サーバコンピュータSV2のHDD24に印刷設定用紙データ記憶部を設けて、複合機1の操作部20に、操作者から印刷設定用紙を印刷する指示が入力された場合に、データ送受信部102が、サーバコンピュータSV2に印刷設定用紙データの送信を要求してサーバコンピュータSV2から印刷設定用紙データを取得して、制御部103が印刷部130に印刷させるようにしてもよい。
【0063】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、複合機1において操作者が印刷設定を変更した場合、この変更した印刷設定に従った新たなプリント用データの作成の対象となるデータの特定は、操作者が印刷物の第1頁を複合機1の画像読取部110に読み取らせて、当該読取データをサーバSV2に送信し、この読取データと頁データ記憶部242に記憶されているデータとの一致不一致の判定に基づいて、サーバSV2の判定部214が、上記新たなプリント用データの作成の対象となるデータを検出するものとなっているが、これに代えて、複合機1において、操作者が操作部20から印刷の対象とするデータを特定する指示を入力し、当該入力された指示をサーバSV2に送信し、この印刷の対象とするデータを特定する指示に基づいて、プリント対象データ作成部212が、上記新たなプリント用データの作成の対象となるデータを読み出すようにしてもよい。この場合、複合機1からサーバSV2に送信するデータ量を低減でき、しかも、サーバSV2には、頁データ記憶部242及び判定部214を設ける必要がない。
【0064】
また、上記実施形態では、サーバコンピュータSV2の頁データ記憶部242には、各プリント用データの第1頁目のデータが記憶されるとしているが、これは第1頁目のデータに限られるものではなく、他頁のデータでもよいし、複数頁分のデータでもよい。その場合には、複合機1のデータ送受信部102からは他頁のデータ又は複数頁分のデータを受信し、当該判定部214が、当該受信した他頁のデータ又は複数頁分のデータと、頁データ記憶部242に記憶されている他頁のデータ又は複数頁分のデータとの一致不一致を判定し、プリント用データの作成対象となる元データ(印刷対象データ)を特定する。
【0065】
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成システムに備えられる画像形成装置を複合機1としているが、これは本発明に係る画像形成装置を複合機1に限定するものではなく、他の画像形成装置であっても構わない。
【0066】
また、上記図1乃至図10で示した構成及び処理は、あくまでも一例であり、本発明は上記に示した構成及び処理に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る画像形成システムをなす画像形成装置及びサーバコンピュータと、画像形成システムに接続されたコンピュータとからなるネットワーク構成を示す図である。
【図2】複合機の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図3】パーソナルコンピュータの内部構成の概略を示すブロック図である。
【図4】サーバコンピュータの内部構成の概略を示すブロック図である。
【図5】画像形成システムにおける印刷処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図6】(a)はデフォルト状態の印刷設定用紙を示す図、(b)は操作者による印刷設定記入済みの印刷設定用紙を示す図である。
【図7】画像形成システムにおける印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る画像形成システムにおける複合機の内部構成の概略図である。
【図9】第2実施形態に係る画像形成システムにおけるサーバコンピュータの内部構成の概略図である。
【図10】第2実施形態に係る画像形成システムによる印刷処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 複合機
20 操作部
21 制御ユニット
100 制御ユニット
101 解析部
102 データ送受信部
103 制御部
110 画像読取部
130 印刷部
150 表示部
170 HDD
171 印刷設定用紙データ記憶部
172 データ保存部
211 制御部
212 プリント用データ作成部
213 通信部
214 判定部
215 印刷設定解析部
241 印刷対象データ記憶部
242 頁データ記憶部
31,32,33,34 パーソナルコンピュータ
311 制御部
SV2 サーバコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互にデータの送受信が可能にネットワーク接続されたサーバコンピュータ及び画像形成装置を備える画像形成システムであって、
前記サーバコンピュータは、コンピュータから印刷の対象として送信されてくる印刷対象データを記憶する印刷対象データ記憶手段と、印刷対象データ記憶手段に記憶された印刷対象データから前記画像形成装置に対応したプリント用データを作成するプリント用データ作成手段と、プリント用データ作成手段によって作成された少なくとも1頁分のプリント用データを記憶する頁データ記憶手段と、プリント用データ作成手段によって作成されたプリント用データを前記画像形成装置に送信するプリント用データ送信手段とを備え、
前記画像形成装置は、操作者から印刷設定が入力される印刷設定入力手段と、前記サーバコンピュータから送信されてきたプリント用データを印刷する印刷手段と、原稿上の画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段に読み取られた少なくとも原稿1頁分の読取データ、及び前記印刷設定入力手段に入力された印刷設定を前記サーバコンピュータに送信するデータ送信手段とを備え、
更に、前記サーバコンピュータは、前記画像形成装置から送信されてきた少なくとも原稿1頁分の読取データと、前記頁データ記憶手段に記憶されているプリント用データとの一致を判定する判定手段を備え、この判定手段によって上記両データの一致が判定された場合に、前記プリント用データ作成手段が、当該一致が判別されたプリント用データの元となる印刷対象データを前記印刷対象データ記憶手段から読み出して、前記画像形成装置から送信されてきた印刷設定に従ったプリント用データを作成し、前記プリント用データ送信手段が、当該プリント用データを前記画像形成装置に送信する画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、印刷設定用紙のデータを記憶する印刷設定用紙データ記憶手段と、操作者からの前記印刷設定用紙の印刷指示が入力される指示入力手段と、前記指示入力手段に操作者から印刷指示が入力された場合に、前記印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている印刷設定用紙のデータを前記印刷手段に印刷させる制御手段とを備え、
前記印刷設定入力手段は、前記画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから印刷設定を解析することで操作者からの印刷設定の入力を受け付け、前記データ送信手段は、当該印刷設定入力手段で受け付けられた印刷設定を前記サーバコンピュータに向けて送信する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像形成装置の前記印刷設定用紙データ記憶手段には、前記印刷設定用紙のデータと、当該印刷設定用紙の識別標識となる画像のデータとが記憶されており、
前記制御手段は、前記指示入力手段に入力される操作者からの印刷指示に基づいて、前記印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている前記印刷設定用紙のデータと共に、前記識別標識となる画像のデータを前記印刷手段に印刷させ、
前記印刷設定入力手段は、前記画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから前記識別標識を検出した場合に、当該画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから印刷設定を解析する請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記指示入力手段に、前記画像読取手段の読取対象が前記印刷設定用紙であることが操作者から入力された場合に、前記印刷設定入力手段が、当該画像読取手段によって読み取られた前記印刷設定用紙の読取データから印刷設定を解析する請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記印刷設定入力手段に代えて、操作者からの印刷指示が入力される指示入力手段と、印刷設定用紙のデータが記憶された印刷設定用紙データ記憶手段と、前記指示入力手段に操作者から印刷指示が入力されると、前記印刷設定用紙データ記憶手段に記憶されている印刷設定用紙のデータを前記印刷手段に印刷させる制御手段とを備え、前記データ送信手段は、前記画像読取手段の読み取り対象が前記印刷設定用紙であることが操作者から前記指示入力手段に入力された場合には、当該画像読取手段によって読み取られた読取データを前記画像形成装置に送信し、
前記サーバコンピュータは、前記画像形成装置のデータ送信手段から送信されてくる前記読取データから印刷設定を解析する印刷設定解析手段を備え、前記プリント用データ作成手段は、当該印刷設定解析手段により解析された印刷設定に従ったプリント用データを作成する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
相互にデータの送受信が可能にネットワーク接続されたサーバコンピュータ及び画像形成装置を備える画像形成システムであって、
前記サーバコンピュータは、コンピュータから印刷の対象として送信されてくる印刷対象データを記憶する印刷対象データ記憶手段と、印刷対象データ記憶手段に記憶された印刷対象データから前記画像形成装置に対応したプリント用データを作成するプリント用データ作成手段と、プリント用データ作成手段によって作成されたプリント用データを前記画像形成装置に送信するプリント用データ送信手段とを備え、
前記画像形成装置は、操作者から印刷の対象とするデータを特定する指示及び印刷設定が入力される印刷指示入力手段と、前記サーバコンピュータから送信されてきたプリント用データを印刷する印刷手段と、前記印刷指示入力手段に入力された前記印刷の対象とするデータを特定する指示及び印刷設定を前記サーバコンピュータに送信するデータ送信手段とを備え、
更に、前記サーバコンピュータは、前記プリント用データ作成手段が、前記画像形成装置から送信されてきた前記印刷の対象とするデータを特定する指示に従って前記印刷対象データ記憶手段から印刷対象データを読み出して、前記画像形成装置から送信されてきた印刷設定に従ったプリント用データを作成し、前記プリント用データ送信手段が、当該プリント用データを前記画像形成装置に送信する画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−122641(P2007−122641A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317379(P2005−317379)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】