説明

画像形成システム

【課題】空気清浄機の管理を容易にすることが可能な画像形成システムを提供する。
【解決手段】FSSサーバ102により画像形成装置100の稼動情報を管理するだけでなく、画像形成装置100に付設された空気清浄機71の稼動情報をも管理しているので、画像形成装置100のメンテナンスサービスだけでなく、空気清浄機71のメンテナンスサービスをも実施することができ、利用者USの手間を簡略化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置及び空気清浄機を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置としては、電子写真方式のものがある。この方式の装置では、静電潜像を感光体ドラム表面に形成し、トナーにより感光体ドラム表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム表面にトナー像を形成し、トナー像を感光体ドラムから記録用紙に転写し、記録用紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録用紙上に定着させている。
【0003】
このような画像形成装置は、必須のOA機器であって、殆どのオフィスに設置され、更には家庭や病院にも普及しつつある。
【0004】
一方、オフィス、家庭、病院等においては、室内の空気を浄化する空気清浄機が設置されることが多くなっている。
【0005】
例えば、特許文献1には、正イオン及び負イオンを同時に発生して、正イオン及び負イオンにより空気中の浮遊細菌を効果的に除去するというイオン発生装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−58731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像形成装置に加えて、空気清浄機を設置したならば、これを管理する利用者の手間が増えてしまう。
【0008】
ここで、画像形成装置には、該画像形成装置の稼動情報を収集して記憶しておき、この稼動情報をネットワークを通じてサービスセンターのサーバに送信するという機能を備えるものがある。サーバは、画像形成装置の稼動情報を蓄積して、この稼動情報を表示部の画面に表示する。サービスセンターでは、表示部の画面に表示された画像形成装置の稼動情報に基づき画像形成装置の修理や定期点検の要否を判断し、修理や定期点検等のメンテナンスを実施する。
【0009】
しかしながら、空気清浄機については、画像形成装置のようなメンテナンスサービスの体制がなく、このため利用者がTEL等により空気清浄機の修理や定期点検を依頼するしかなく、画像形成装置と比較すると手間がかかった。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、空気清浄機の管理を容易にすることが可能な画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成システムは、画像形成装置と、画像形成装置の稼動情報を収集して記憶管理する管理手段と、前記管理手段により記憶管理されている画像形成装置の稼動情報を外部に送信する通信制御手段とを備える画像形成システムであって、空気を清浄化するための空気清浄機を備え、前記管理手段は、前記空気清浄機の稼動情報をも収集して記憶管理し、前記通信制御手段は、この管理手段により記憶管理されている前記空気清浄機の稼動情報をも外部に送信している。
【0012】
また、前記通信制御手段は、前記画像形成装置の稼動情報及び前記空気清浄機の稼動情報をネットワークを通じて外部のサーバに通信し、前記サーバは、前記画像形成装置の稼動情報及び前記空気清浄機の稼動情報を蓄積して表示している。
【0013】
更に、前記管理手段により記憶管理されている前記空気清浄機の稼動情報を表示する表示手段を備えている。
【0014】
また、前記空気清浄機の稼動情報は、該空気清浄動作の累積時間を示している。
【0015】
更に、前記空気清浄機の稼動情報は、該空気清浄機の故障を示している。
【0016】
また、前記空気清浄機は、イオン発生手段を備えている。
【0017】
更に、前記空気清浄機は、前記画像形成装置の上方に設けられている。
【0018】
また、前記空気清浄機は、前記画像形成装置に内蔵されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、画像形成装置と、画像形成装置の稼動情報を収集して記憶管理する管理手段と、管理手段により記憶管理されている画像形成装置の稼動情報を外部に送信する通信制御手段とを備える既存の画像形成システムを前提としている。例えば、通信制御手段は、管理手段により記憶管理されている画像形成装置の稼動情報をネットワークを通じてサービスセンターのサーバに送信する。サーバは、画像形成装置の稼動情報を蓄積して、この稼動情報を表示する。サービスセンターでは、表示された画像形成装置の稼動情報に基づき画像形成装置の修理や定期点検の要否を判断し、修理や定期点検等のためのメンテナンスサービスを実施する。
【0020】
そして、このような画像形成装置の管理手段により空気清浄機の稼動情報をも収集して記憶管理し、通信制御手段により空気清浄機の稼動情報をも外部(サービスセンターのサーバ)に送信している。従って、画像形成装置のための既存のメンテナンスサービスを利用して、空気清浄機のメンテナンスサービスをも実施することができ、利用者の手間を簡略化することができる。
【0021】
また、管理手段により記憶管理されている空気清浄機の稼動情報を画像形成装置で表示しているので、利用者は、その表示を見て、空気清浄機の稼動情報を知ることができる。
【0022】
例えば、空気清浄機の稼動情報は、該空気清浄動作の累積時間を示している。この場合は、累積時間に基づきメンテナンスサービスの実施時期を設定することができる。
【0023】
また、空気清浄機の稼動情報は、該空気清浄機の故障を示している。この場合は、空気清浄機の修理を直ちに行うことができる。
【0024】
また、空気清浄機は、イオン発生手段を備えている。このイオン発生手段としては、正イオン及び負イオンを同時に発生して放出するものが好ましい。このような正イオン及び負イオンは、空気中の浮遊細菌を効果的に除去したり、画像形成装置の排出ガスを分解低減することができ、本発明に好適である。例えば、電子写真方式の画像形成装置ではオゾンなどの排出ガスを生じることがあり、通常は画像形成装置に内蔵されたフィルターで除去を行ったうえで機外への排出を行っているが、イオン発生手段を用いることにより、正イオン及び負イオンによりオゾン等の排出ガスを分解低減することができる。
【0025】
例えば、空気清浄機は、画像形成装置の上方に設けられている。この場合は、空気清浄機の設置スペースを節減することができる。また、空気清浄機から送風された空気を広範囲に対流させることができ、空気の浄化作用を高めることができる。
【0026】
あるいは、空気清浄機は、画像形成装置に内蔵されている。この場合も、空気清浄機の設置スペースを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の画像形成システムにおける空気清浄機を示す断面図である。
【図3】図2のイオン発生装置におけるプラズマクラスターイオン発生素子を例示する平面図である。
【図4】図1の画像形成システムにおける空気清浄機からのイオン放出方向を斜め下方に設定した状態を示す側面図である。
【図5】図1の画像形成システムにおける画像形成装置及び空気清浄機等の構成を示すブロック図である。
【図6】画像形成装置及び空気清浄機の利用者に対するサービスを提供するまでの手順を概略的に示す図である。
【図7】空気清浄機の他の配置態様を示す斜視図である。
【図8】空気清浄機の別の配置態様を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の画像形成システムの一実施形態を概略的に示す図である。本実施形態の画像形成システムは、画像形成装置100と、画像形成装置100の上方に配設された空気清浄機71とを備えている。また、画像形成装置100は、後で詳しく説明するようにネットワークに接続され、画像形成装置100の稼動情報及び空気清浄機71の稼動情報をネットワークを通じて外部のFSSサーバに送信する。
【0030】
画像形成装置100は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能等を有する所謂複合機であり、原稿読取り装置101により読取られた原稿の画像を外部に送信したり(スキャナ機能に相当する)、この読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成する(複写機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能に相当する)。
【0031】
この画像形成装置100は、原稿の画像を読取るべく、原稿読取り装置101及び原稿搬送部42を備えている。原稿読取り装置101は、原稿搬送部42により搬送されている原稿画像を読取る。原稿搬送部42では、原稿が原稿セットトレイ41にセットされると、原稿ピックアップローラ44が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿が原稿セットトレイ41から引き出され、原稿がサバキローラ45と分離パッド46間を通過して1枚ずつに分離されてから搬送経路47へと搬送される。
【0032】
この搬送経路47では、原稿の先端が原稿レジストローラ49に当接して、原稿の先端が原稿レジストローラ49と平行に揃えられ、この後に原稿が原稿レジストローラ49により搬送されて読取りガイド51と読取りガラス52間を通過する。更に、原稿は、搬送ローラ57により搬送され、排紙ローラ58を介して排紙トレイ59に排出される。
【0033】
原稿読取り装置101では、原稿が読取りガイド51と読取りガラス52間を通過するに際し、第1走査部53の光源の光が読取りガラス52を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取りガラス52を介して第1走査部53に入射し、この反射光が第1及び第2走査部53、54のミラーで反射されて結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿の画像がCCD(Charge Coupled Device)56上に結像される。CCD56は、原稿の画像を読取り、原稿の画像を示す画像データを出力する。
【0034】
また、原稿台ガラス61上に載置された原稿を読取ることができる。原稿搬送部42は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により下側の原稿読取り装置101の奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。この原稿搬送部42が開かれると、原稿台ガラス61が解放されて、原稿台ガラス61上に原稿を載置することができる。原稿が載置されて、原稿搬送部42が閉じられると、第1及び第2走査部53、54が副走査方向に移動されつつ、第1走査部53によって原稿台ガラス61上の原稿表面が露光され、第1及び第2走査部53、54によって原稿表面からの反射光が結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿の画像がCCD56上に結像される。このとき、第1及び第2走査部53、54が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第1及び第2走査部53、54→結像レンズ55→CCD56という反射光の光路の長さが変化しないように第1及び第2走査部53、54の位置関係が常に維持され、これによりCCD56上での原稿の画像のピントが常に正確に維持される。
【0035】
こうして読取られた原稿の画像全体は、画像データとして画像形成装置100のレーザ露光装置1へと送受され、画像形成装置100において画像が記録用紙に印刷される。
【0036】
また、画像形成装置100は、画像を記録用紙に印刷するべく、レーザ露光装置1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4、中間転写ベルト装置8、定着装置12、用紙搬送経路S、給紙トレイ10、及び用紙排出トレイ15等を備えている。
【0037】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4は各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0038】
感光体ドラム3は、画像形成装置100のほぼ中央に配置されている。
【0039】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【0040】
レーザ露光装置1は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0041】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K、C、M、Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0042】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、中間転写ローラ6、及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
【0043】
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22等は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を矢印C方向に周回移動させる。
【0044】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接され、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7に転写するための転写バイアスを印加されている。
【0045】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【0046】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7裏面に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0047】
上述の様に各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、中間転写ベルト7と接触する2次転写装置11の転写ローラ11aによって記録用紙上に転写される。
【0048】
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは相互に圧接されて、ニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0049】
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として、中間転写ベルト7に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードが設けられており、クリーニングブレードが接触する部位で、従動ローラ22により中間転写ベルト7裏側が支持されている。
【0050】
給紙トレイ10は、記録用紙を格納しておくためのトレイであり、画像形成装置100の下部に設けられて、トレイ内の記録用紙を供給する。
【0051】
画像形成装置100には、給紙トレイ10から供給された記録用紙を2次転写装置11や定着装置12を経由させて用紙排出トレイ15に送るための、Sの字形状の用紙搬送経路Sが設けられている。この用紙搬送経路Sに沿って、用紙ピックアップローラ16、用紙レジストローラ14、定着装置12、及び記録用紙を搬送する搬送ローラ等が配置されている。
【0052】
用紙ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に設けられ、給紙トレイ10から記録用紙を1枚ずつ用紙搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。搬送ローラは、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数個設けられている。
【0053】
用紙レジストローラ14は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0054】
例えば、用紙レジストローラ14は、図示しないレジスト前検知スイッチの検出出力に基づき、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像の先端が記録用紙の画像形成領域の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
【0055】
定着装置12は、加熱ローラ31及び加圧ローラ32等を備えている。加熱ローラ31及び加圧ローラ32は、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域を通過して来た記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0056】
加熱ローラ31は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ32とともに記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる機能を有している。
【0057】
各色のトナー像の定着後の記録用紙は、搬送ローラによって用紙排出トレイ15上にフェイスダウンで排出される。
【0058】
次に、空気清浄機71を説明する。この空気清浄機71は、画像形成装置100の本体背面片側のコーナーに突設された支柱72の上端に支持され、正イオン及び負イオンを発生して、この正イオン及び負イオンを空気と共に上方に放出する。
【0059】
画像形成装置100は、その背面側を室の壁に寄せて配置されることが多く、このため空気清浄機71も室の壁に寄せて配置されることになる。この場合、空気清浄機71から上方に放出された空気の殆どは、壁に沿って上昇して天井に吹き付けられ、天井に沿って広がり、室内に広く行き渡る。従って、空気清浄機71から放出された空気に含まれる正イオン及び負イオンも室内に広く行き渡り、この正イオン及び負イオンにより室内の空気中の浮遊細菌が効果的に除去される。
【0060】
また、空気清浄機71から上方に放出された空気の一部は、そのまま下降して、画像形成装置100近辺に漂い、画像形成装置100の本体全体を覆う。そして、この空気に含まれる正イオン及び負イオンにより画像形成装置100の排出ガスを分解低減することができる。
【0061】
電子写真方式の画像形成装置100ではオゾンなどの排出ガスを生じることがあり、これを低減するためのフィルター等を画像形成装置100に内蔵させることがあるが、正イオン及び負イオンにより排出ガスを分解低減することができるため、内蔵のフィルター等の省略が可能である。
【0062】
空気清浄機71を画像形成装置100の上方に配置したことから、空気清浄機71を設置するためだけの格別なスペースを必要とせず、このスペースを節減することができる。
【0063】
また、空気清浄機71を画像形成装置100に突設された支柱72の上端に支持していることから、画像形成装置100と空気清浄機71間が開放され、画像形成装置100の使い勝手が損なわれることはない。
【0064】
図2は、空気清浄機71を示す断面図である。この空気清浄機71は、本体筐体81、本体筐体81の下部に配置されたファンユニット82、本体筐体81の下側壁に形成された複数の吸入孔81a、各吸入孔81aに重なるように配置されたフィルター86、フィルター86とファンユニット82の吸入口82aとの間に配置された吸入ダクト83、本体筐体81の上部に形成された上部吹き出し口81b、上部吹き出し口81bとファンユニット82の吹き出し口82bとの間に配置された吹き出しダクト84、及びファンユニット82の周囲に配置された複数のイオン発生素子85を備えている。
【0065】
図1に示すように空気清浄機71が画像形成装置100の幅方向に長いため、本体筐体81、ファンユニット82、各吸入孔81a、吸入ダクト83、放出口82b、及び放出ダクト84等も画像形成装置100の幅方向に長く、また複数のイオン発生素子85を画像形成装置100の幅方向に配列している。
【0066】
ファンユニット82のファン82cは、モータ(図示せず)により回転駆動されて、矢印Gに示すような空気流を発生し、空気を各吸入孔81a→フィルター86→吸入ダクト83という経路でファンユニット82内へと吸入し、空気を各イオン発生素子85近傍で流通させてから、空気を吹き出しダクト84を通じて上部吹き出し口81bから放出する。このとき、フィルター86は、空気中の塵埃等を吸着して除去する。
【0067】
各イオン発生素子85は、プラズマクラスターイオン(登録商標)発生素子(PCI)である。図2の矢印A方向から各イオン発生素子85を見ると、図3に示すように2個のイオン発生素子85が画像形成装置100の幅方向に配列され、イオン発生素子85毎に、正イオンを発生する一対の正イオン発生部85aと、負イオンを発生する一対の負イオン発生部85bとが配列されている。このようなイオン発生素子85は、本願発明の出願人が先に出願した特開2002−58731号に詳しく開示されている。
【0068】
このイオン発生素子85により発生された正イオン及び負イオンは、ファンユニット82のファン82cにより発生された空気流と共に吹き出しダクト84を通じて上部吹き出し口81bから放出される。
【0069】
ファン82cのモータの回転速度を変更することにより、空気清浄機71からの空気の放出量を調節することができる。空気の放出量を増大させた場合は、正イオン及び負イオンを含む空気がより広い範囲に行き渡って、より広い範囲の空気が浄化される。また、空気の放出量を低減させた場合は、正イオン及び負イオンを含む空気が画像形成装置100近辺に漂い易くなり、画像形成装置100の排出ガスがより効果的に分解低減される。
【0070】
また、空気清浄機71からの空気の放出方向を、上方ではなく、図4に示すように矢印Dの斜め下方に設定してもよい。あるいは、支柱72の上端で空気清浄機71の一端側の軸71aを回転可能に軸支し、この軸71aをモータ駆動により回転させて、空気清浄機71を軸71a周りで回転させ、空気清浄機71からの空気の放出方向を変更するようにしても構わない。更に、空気清浄機71を軸71a周りの一定角度範囲で往復回転させ、つまり空気清浄機71をスイング動作させ、正イオン及び負イオンの放出範囲を広げてもよい。
【0071】
図5は、画像形成装置100及び空気清浄機71等を示すブロック図である。この図5には、ネットワークNを通じて画像形成装置100に接続される外部のFSS(フィールドサポートシステム)サーバ103も示されている。このFSSサーバ103は、ネットワークNを通じて画像形成装置100に接続され、種々の情報を画像形成装置100との間で送受することができる。
【0072】
図5に示すように画像形成装置100は、この画像形成装置100全体の制御を司る制御部111、原稿搬送部42、原稿読取り装置101、画像データ蓄積部112、画像処理部113、画像形成部114、ファクシミリ通信部115、各種の情報を表示する表示部116、利用者により操作される入力操作部117、各部を相互接続するバス118、入出力部119、データ通信部120、主電源121、副電源122、及び電源キー123等を備えている。
【0073】
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)、CPUにより実行される各種のプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)、及びCPUのワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)等からなり、CPUによりプログラムを実行し、データ処理を行って、画像形成装置100全体を制御する。
【0074】
また、制御部111は、入出力部119を通じて空気清浄機71に接続され、この空気清浄機71の動作を制御する。
【0075】
原稿搬送部42及び原稿読取り装置101は、図1にも示されているおり、原稿を搬送したり、原稿の画像を読取る。
【0076】
画像データ蓄積部112は、ハードディスク装置等であり、原稿読取り装置101により読取られた原稿の画像や外部から受信した画像を示す画像データを蓄積する。画像処理部113は、画像データ蓄積部112に蓄積された画像データに各種の処理を施す。
【0077】
画像形成部114は、図1に示すレーザ露光装置1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4、中間転写ベルト装置8、定着装置12、用紙搬送経路S、給紙トレイ10、及び用紙排出トレイ15等からなり、原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0078】
ファクシミリ通信部115は、ネットワークNに接続され、ネットワークNを通じて、相手側端末との間でファクシミリ通信のプロトコルを実行して画像データを送受する。
【0079】
表示部116は、例えば液晶表示装置であり、画像形成装置100の操作ガイダンス等を表示する。入力操作部117は、利用者により操作される各種のキーやボタン、あるいは表示部116の画面に重ねられたタッチパネルを備え、利用者により操作されたキーやボタンを検出したり、利用者により選択された表示部116の画面上のキー等をタッチパネルを通じて検出し、この利用者による入力指示を制御部111に出力する。
【0080】
データ通信部120は、ネットワークNに接続され、ネットワークNを通じて、画像形成装置100及び空気清浄機71の稼動情報をFSSサーバ102に送信する。
【0081】
主電源121は、ファクシミリ通信部115を除く他の各部に電力を供給するものであり、制御部111、原稿搬送部42、原稿読取り装置101、画像データ蓄積部112、画像処理部113、画像形成部114、表示部116、入力操作部117、及び入出力部119等に動作電力を供給する。また、副電源122は、ファクシミリ通信部115専用の電源であり、ファクシミリ通信部115だけに動作電力を供給する。
【0082】
電源キー123は、利用者により操作されるキーであって、画像形成装置100を夜間モードに設定したり、夜間モードから復帰させるために操作される。
【0083】
また、空気清浄機71は、この空気清浄機71全体の制御を司る制御部131、ファン82cを回転させるモータ132、表示部133、入出力部134、イオン発生素子85、電源135、及び電源スイッチ136等を備えている。
【0084】
制御部131は、CPU、CPUにより実行される各種のプログラム等を記憶したROM、及びCPUのワークエリアとして用いられるRAM等からなり、CPUによりプログラムを実行し、空気清浄機71全体を制御する。
【0085】
また、制御部131は、入出力部134を通じて画像形成装置100に接続され、画像形成装置100の制御部111からの指示に応答して、この空気清浄機71の動作を制御する。
【0086】
モータ132は、図2に示すファンユニット82のファン82cを回転駆動するためのものである。イオン発生素子85は、図2及び図3に示すPCIである。
【0087】
表示部133は、例えば複数のLEDであり、これらのLEDを選択的に点灯もしくは点滅させ、この選択的な点灯もしくは点滅により様々な情報を利用者に知らせる。
【0088】
電源135は、制御部131、モータ132、表示部133、入出力部134、及びイオン発生素子85等に動作電力を供給する。
【0089】
電源スイッチ136は、利用者により操作されるスイッチであって、電源135からの電力供給をオンオフするために操作される。
【0090】
また、FSSサーバ102は、サービスセンターSSに設置されて、画像形成装置100及び空気清浄機71を遠隔から管理するホストコンピュータであり、各種の情報を記憶する記憶部125、及び各種の情報を表示する表示部126等を備えている。通常は、FSSサーバ102によるサービス提供の対象となる画像形成装置100がネットワークN上に複数存在し、これらの画像形成装置100の稼動情報がFSSサーバ102に収集され一括管理されている。そして、画像形成装置100に空気清浄機71が付設されている場合は、この空気清浄機71の稼動情報もFSSサーバ102に収集され管理されている。
【0091】
周知のように画像形成装置の稼動情報をサーバに収集し記憶して、この稼動情報を表示部の画面に表示し、この表示された画像形成装置の稼動情報に基づき画像形成装置の修理や定期点検の要否を判断し、修理や定期点検等のためのメンテナンスを実施するというサービスが提供されている。しかしながら、本実施形態では、FSSサーバ102により画像形成装置100の稼動情報を管理するだけでなく、画像形成装置100に付設された空気清浄機71の稼動情報をも管理しているので、画像形成装置100のメンテナンスサービスだけでなく、空気清浄機71のメンテナンスサービスをも実施することができ、利用者の手間を簡略化することができる。
【0092】
仮に、空気清浄機71の管理を利用者に任せていたならば、利用者がTEL等により空気清浄機71の修理や定期点検を依頼することになり、画像形成装置100と比較すると多くの手間がかかる。
【0093】
空気清浄機71は、オフィス等の室内の空気を浄化し、画像形成装置100の排出ガスを分解低減することができるが、空気清浄機71を設けたことにより利用者の手間が増えるのは好ましくない。ところが、本実施形態のようにFSSサーバ102により画像形成装置100の稼動情報だけでなく、空気清浄機71の稼動情報を管理すれば、格別なネットワーク設備を増設することなく、利用者の手間の増大を抑えることができる。
【0094】
次に、図6を参照しつつ、画像形成装置100の稼動情報及び空気清浄機71の稼動情報をFSSサーバ102に収集して管理し、この管理されている画像形成装置100の稼動情報及び空気清浄機71の稼動情報に基づくサービスを提供するまでの手順を説明する。
【0095】
管理対象となる画像形成装置100及び空気清浄機71は、利用者(サービスの顧客)USのオフィスや店舗等に設置されている。また、FSSサーバ102は、サービスセンターSSに設置されている。これらの画像形成装置100、空気清浄機71、及びFSSサーバ102は、サービスを提供するべく、画像形成装置100の稼動情報及び空気清浄機71の稼動情報をFSSサーバ102に収集するためのリモート検針及びリモート診断機能1011やアラート送信機能1013、及びFSSサーバ102から画像形成装置100及び空気清浄機71に対するリモートメンテナンスを実行するためのリモートメンテナンス機能1012などを実施する。
【0096】
リモート検針及びリモート診断機能1011は、画像形成装置100の記録用紙の計数値(記録紙の使用枚数)や空気清浄機71の空気清浄動作の累積時間等を検針するためのものであり、画像形成装置100の計数値や空気清浄機71の空気清浄動作の累積時間を画像形成装置100からFSSサーバ102へと定期的に送信する。
【0097】
詳しくは、画像形成装置100において、制御部111は、画像形成部114による画像形成動作を監視し、画像形成部114により画像が記録された記録用紙の枚数を計数し、この計数値をRAM等に記憶しておく。この計数値は、例えば画像形成装置100の設置時点からの累積枚数であっても、また画像形成装置100の定期点検実施時点からの累積枚数であってもよい。
【0098】
また、空気清浄機71において、制御部131は、イオン発生素子85及びモータ132の駆動時間、つまり空気清浄動作が行われた累積時間を計時し、この累積時間をRAM等に記憶しておく。この累積時間は、例えば空気清浄機71の設置時点からの累積時間であっても、また空気清浄機71の定期点検実施時点からの累積時間であってもよい。
【0099】
そして、画像形成装置100の制御部111は、ネットワークNを通じてFSSサーバ102を定期的に呼出し、RAM等に記憶しておいた記録用紙の計数値をデータ通信部120からFSSサーバ102へと送信する。このとき、制御部111は、入出力部119を通じて、空気清浄機71の制御部131に対して稼動情報の要求を出す。空気清浄機71の制御部131は、この稼動情報の要求を入出力部134を通じて受けると、RAM等に記憶しておいた空気清浄動作の累積時間を入出力部134を通じて画像形成装置100の制御部111へと通知する。画像形成装置100の制御部111は、この空気清浄機71の空気清浄動作の累積時間を入出力部119を通じて受けると、この空気清浄動作の累積時間をデータ通信部120からFSSサーバ102へと送信する。このとき、画像形成装置100の制御部111は、記録用紙の計数値や空気清浄動作の累積時間を表示部116の画面に表示してもよい。
【0100】
したがって、画像形成装置100からFSSサーバ102へと、記録用紙の計数値が画像形成装置100の稼動情報として送信され、空気清浄動作の累積時間が空気清浄機71の稼動情報として送信される。
【0101】
FSSサーバ102では、記録用紙の計数値及び空気清浄動作の累積時間を受信すると、これらを記憶部125に記憶したり表示部126の画面に表示し、稼動状況報告1014を実施する。この稼動状況報告1014では、画像形成装置100の記録用紙の計数値や空気清浄機71の空気清浄動作の累積時間に対して課金するという契約があれば、これらの計数値や累積時間に応じた使用料金を利用者USに対して計上する。この使用料金の計上は、FSSサーバ102から画像形成装置100へと使用料金の請求書等を示す画像を送信し、この請求書等の画像を画像形成装置100で記録用紙に印刷することにより行うことができる。
【0102】
次に、アラート送信機能1013は、画像形成装置100や空気清浄機71の故障や点検の要求等を示すアラートを求めて、このアラートを画像形成装置100からFSSサーバ102へと送信するためのものである。
【0103】
詳しくは、画像形成装置100の制御部111は、各種のセンサの検出出力等に基づいて、画像形成装置100の故障を判定したり、消耗部品(トナーボックス等)の交換の要否を判定し、この判定結果に対応するアラートコードを求めて、その判定結果を表示部116の画面に表示する。例えば、種々の判定結果に対応するそれぞれのアラートコードを予め作成してROM等に記憶しておき、判定結果が得られたときに、この判定結果に対応するアラートコードを読み出して求める。
【0104】
また、空気清浄機71の制御部131は、各種のセンサの検出出力等に基づいて、空気清浄機71の故障を判定したり、消耗部品交換(イオン発生素子等)の要否を判定し、この判定結果に対応するアラートコードを求め、このアラートコードを画像形成装置100の制御部111に通知して、その判定結果を表示部116の画面に表示させる。
【0105】
そして、画像形成装置100の制御部111は、画像形成装置100のアラートコードを求めると、自発的にFSSサーバ102を呼出し、アラートコードをデータ通信部120からFSSサーバ102へと送信する。また、制御部111は、空気清浄機71の制御部131からアラートコードを通知されると、この空気清浄機71からのアラートコードをFSSサーバ102に送信する。
【0106】
したがって、画像形成装置100からFSSサーバ102へと、画像形成装置100の故障や消耗部品交換の要否の判定結果に対応するアラートコードが画像形成装置100の稼動情報として送信され、また空気清浄機71の故障や消耗部品交換の要否の判定結果に対応するアラートコードが空気清浄機71の稼動情報として送信される。
【0107】
FSSサーバ102では、画像形成装置100のアラートコードや空気清浄機71のアラートコードを受信すると、これらのアラートコードを記憶部125に記憶したり表示部126の画面に表示する。
【0108】
次に、リモートメンテナンス機能1012は、画像形成装置100及び空気清浄機71に対するリモートメンテナンスをFSSサーバ102から行うためのものであり、リモート検針及びリモート診断機能1011やアラート送信機能1013により収集された画像形成装置100及び空気清浄機71の稼動情報に基づいてトラブル一次対応処理1015、消耗部品自動配送処理1016、訪問処理1017等を選択的に実施する。
【0109】
詳しくは、サービスセンターSSでは、画像形成装置100及び空気清浄機71の稼動情報に基づいてトラブル一次対応処理1015の要否を判定し、トラブル一次対応処理1015が必要であれば、これを実施する。このトラブル一次対応処理1015では、FSSサーバ102からネットワークNを通じて画像形成装置100もしくは空気清浄機71のメンテナンスを行う。例えば、画像形成装置100もしくは空気清浄機71のアラートコードに基づいてファームウェアの更新が必要であると判定されると、FSSサーバ102から画像形成装置100もしくは空気清浄機71へとそれらの最新のファームウェアを送信し、画像形成装置100もしくは空気清浄機71のファームウェアをアップデートする。このファームウェアのアップデートに際し、画像形成装置100の表示部116もしくは空気清浄機71の表示部133にアップデートの内容を表示する。これにより、画像形成装置100のトラブルもしくは空気清浄機71のトラブルが解消され、またアップデートの内容が利用者USに通知されて、利用者USの不安が解消される。
【0110】
また、サービスセンターSSでは、画像形成装置100及び空気清浄機71の稼動情報に基づいて消耗部品自動配送処理1016の要否を判定し、消耗部品自動配送処理1016が必要であれば、これを実施する。この消耗部品自動配送処理1016では、例えば画像形成装置100のアラートコードがトナーボックスの交換を示すものであれば、自動的にその画像形成装置100の利用者USにトナーボックスを送付する手配処理を行う。これにより利用者USは、トナーの残量を気にすることなく画像形成装置100を利用することができる。
【0111】
また、サービスセンターSSでは、画像形成装置100及び空気清浄機71の稼動情報に基づいて訪問処理1017の要否を判定し、訪問処理1017が必要であれば、これを実施する。この訪問処理1017では、故障や消耗部品交換の要否をサービスセンターSSからサービス拠点1018へと連絡し、サービス拠点1018のサービスエンジニアが画像形成装置100もしくは空気清浄機71のトラブルの内容を把握して利用者USを訪問する。例えば、空気清浄機71の累積時間がイオン発生素子の耐用使用期間を越えていれば、サービスエンジニアが交換用のイオン発生素子を持って利用者USを訪問する。
【0112】
また、リモートメンテナンス機能1012では、利用者USからの要請または利用者USによる了解を得た上で、FSSサーバ102による画像形成装置100や空気清浄機71の設定変更もしくは遠隔操作を可能にする。例えば、画像形成装置100を動作させるための各種の設定項目や設定値のアップロード及びダウンロードが可能であり、またサービスエンジニアが使用するシミュレーションの設定内容のアップロード及びダウンロードが可能である。この他、画像形成装置100の再起動指示や、画像形成装置100の動作禁止/解除、マルチ部数設定禁止/解除、画像形成装置100のマシンステータス情報(例えばドアオープン、省エネモード中、復帰中、ウォームアップ中、レディ中など)のアップロード、画像形成装置100のアプリケーションのバージョン情報のアップロードなどが可能である。
【0113】
尚、利用者USからサービスセンターSSへの電話連絡があった場合は、テクニカルオペレータが電話連絡に応対する。テクニカルオペレータは、FSSサーバ102に収集された画像形成装置100や空気清浄機71の稼動情報を確認しながら適切な対応を行う。例えば、FSSサーバ102からの遠隔操作により確認、変更可能な箇所であれば、FSSサーバ102のリモート検針及びリモート診断機能1011やリモートメンテナンス機能1012により、診断及びリモートメンテナンスを行う。また、トナーの注文であれば、既にトナーを自動発送したという連絡を行うことができ、またサービスマンの訪問が必要な場合には保守部門への修理指示を行うことができる。
【0114】
このように本実施形態では、画像形成装置100、空気清浄機71、及びFSSサーバ102の協働によりリモート検針及びリモート診断機能1011及びアラート送信機能1013を実施して、画像形成装置100及び空気清浄機71の稼動情報を画像形成装置100からFSSサーバ102へと送信し、これらの稼動情報をFSSサーバ102の記憶部125に記憶したり表示部126の画面に表示している。このため、サービスセンターSSでは、画像形成装置100及び空気清浄機71の稼動情報に基づいて画像形成装置100及び空気清浄機71のメンテナンスサービスを実施することができ、利用者USの手間を簡略化することができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範疇の設計変更等が施されたものであっても、本発明の範囲に含まれる。
【0116】
例えば、上記実施形態では、空気清浄機71を画像形成装置100の上方に配置しているが、空気清浄機71を画像形成装置100に内蔵させても構わない。具体的には、図7に示すように画像形成装置100の本体外壁の手前上側に複数の送風孔191を形成し、これらの送風孔191の部位で本体外壁の裏側に空気清浄機71を設けておき、この空気清浄機71から本体外壁の各送風孔191を通じて操作パネル192へとイオンを吹き出してもよい。
【0117】
また、図8に示すように画像形成装置100の操作パネル192へとイオンを吹き付けるための空気清浄機71と、画像形成装置100の排出ガスが生じる付近にイオンを吹き出すための空気清浄機71とを個別に設けても構わない。
【0118】
更に、空気清浄機71を画像形成装置100に一体化させずに別体とし、空気清浄機71の制御部131と画像形成装置100の制御部111を入出力部を介して相互接続するだけでも構わない。この場合は、空気清浄機71を天井等の高所や床に設置することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 レーザ露光装置
2 現像装置
3 感光体ドラム
4 クリーナ装置
5 帯電器
8 中間転写ベルト装置
10 給紙トレイ
11 2次転写装置
12 定着装置
15 用紙排出トレイ
42 原稿搬送部
71 空気清浄機
72 支柱
81 本体筐体
82 ファンユニット
83 吸入ダクト
84 吹き出しダクト
85 イオン発生素子
86 フィルター
100 画像形成装置
101 原稿読取り装置
102 FSSサーバ
111、131 制御部
112 画像データ蓄積部
113 画像処理部
114 画像形成部
115 ファクシミリ通信部
116、126、133 表示部
117 入力操作部
118 バス
119、134 入出力部
121 主電源
122 副電源
125 記憶部
132 モータ
135 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、画像形成装置の稼動情報を収集して記憶管理する管理手段と、前記管理手段により記憶管理されている画像形成装置の稼動情報を外部に送信する通信制御手段とを備える画像形成システムであって、
空気を清浄化するための空気清浄機を備え、
前記管理手段は、前記空気清浄機の稼動情報をも収集して記憶管理し、
前記通信制御手段は、この管理手段により記憶管理されている前記空気清浄機の稼動情報をも外部に送信することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記通信制御手段は、前記画像形成装置の稼動情報及び前記空気清浄機の稼動情報をネットワークを通じて外部のサーバに通信し、
前記サーバは、前記画像形成装置の稼動情報及び前記空気清浄機の稼動情報を蓄積して表示することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記管理手段により記憶管理されている前記空気清浄機の稼動情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記空気清浄機の稼動情報は、該空気清浄動作の累積時間を示すことを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記空気清浄機の稼動情報は、該空気清浄機の故障を示すことを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記空気清浄機は、イオン発生手段を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記空気清浄機は、前記画像形成装置の上方に設けられたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
前記空気清浄機は、前記画像形成装置に内蔵されたことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−24014(P2011−24014A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167897(P2009−167897)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】