説明

画像形成システム

【課題】 最適なセンサーの配置で画像処理を実行することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】 画像形成システム10は、記録媒体91に印刷を実行するプリンター25と、記録媒体91を供給する供給装置31とを備えているMFP20と、MFP20に接続されてMFP20に記録媒体91を供給するサイドマルチトレイ50とを備えており、サイドマルチトレイ50は、記録媒体91を収納する複数のトレイ51aと、記録媒体91の特性の検知を実行する媒体特性センサー53とを備えており、MFP20は、プリンター25によって記録媒体91に印刷される予定の画像データの色を媒体特性センサー53の検知結果に基づいて変換する色変換手段を備えており、媒体特性センサー53は、複数のトレイ51aに対して共通であって、記録媒体91がサイドマルチトレイ50からMFP20に入る前に検知を実行する位置に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を供給する供給装置を備えている画像形成装置と、画像形成装置に接続されて画像形成装置に記録媒体を供給する補助供給装置とを備えている画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体の給紙口に配置されているCCDセンサを備えており、CCDセンサで読み込まれた記録媒体の色情報に基づいて求められた係数によって更新されたマスキングテーブルにおいて画像データの色補正を行う画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、給紙トレイや搬送経路近傍に配置されている撮像装置を備えており、撮像装置によって撮像された記録紙の画像から得られる特徴量に基づいて記録紙の用紙特性等を検出し、検出した用紙特性等に応じた画像処理をRGB画像データに施す画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
また、用紙を供給する給紙カセットを備えている印刷装置と、印刷装置に接続されて印刷装置に用紙を供給する大容量給紙デッキとを備えている印刷システムが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−270932号公報
【特許文献2】特開2009−225113号公報
【特許文献3】特開2008−180900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2においては、特許文献3に記載された印刷システムのように画像形成装置に記録媒体を供給する補助供給装置を備えている画像形成システムにおける最適なセンサーの配置について記載されていない。また、特許文献3においては、印刷される予定の画像データの色をセンサーの検知結果に基づいて変換することについて記載されていない。
【0006】
そこで、本発明は、最適なセンサーの配置で画像処理を実行することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成システムは、記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体を供給する供給装置とを備えている画像形成装置と、前記画像形成装置に接続されて前記画像形成装置に前記記録媒体を供給する補助供給装置とを備えており、前記補助供給装置は、前記記録媒体を収納する複数の媒体収納部と、前記記録媒体の特性の検知を実行する媒体特性センサーとを備えており、前記画像形成装置は、前記印刷部によって前記記録媒体に印刷される予定の画像データの色を前記媒体特性センサーの検知結果に基づいて変換する色変換手段を備えており、前記媒体特性センサーは、複数の前記媒体収納部に対して共通であって、前記記録媒体が前記補助供給装置から前記画像形成装置に入る前に前記検知を実行する位置に配置されていることを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の画像形成システムは、記録媒体が補助供給装置から画像形成装置に入る前に媒体特性センサーが検知を実行するので、媒体特性センサーの検知結果に基づいて画像データの色を変換する画像形成装置に十分に早い時期に媒体特性センサーの検知結果を通知することができる。また、本発明の画像形成システムは、媒体特性センサーが複数の媒体収納部に対して共通であるので、複数の媒体収納部のそれぞれに対して媒体特性センサーを設ける構成と比較して、製造コストを抑えることができる。したがって、本発明の画像形成システムは、最適なセンサーの配置で画像処理を実行することができる。
【0009】
また、本発明の画像形成システムの前記補助供給装置は、前記媒体収納部に収納されている前記記録媒体の前記画像形成装置側とは反対側の端を先端として前記記録媒体を前記画像形成装置に搬送する補助側媒体搬送部を備えていても良い。
【0010】
この構成により、本発明の画像形成システムは、補助供給装置の媒体収納部に収納されている記録媒体の画像形成装置側の端を先端として記録媒体を補助供給装置から画像形成装置に搬送する構成と比較して、補助供給装置の媒体収納部に収納されている記録媒体が画像形成装置に入るまでの距離が長いので、画像形成装置に十分に早い時期に媒体特性センサーの検知結果を通知するために搬送路上において画像形成装置から遠い位置に媒体特性センサーを配置することができる。
【0011】
また、本発明の画像形成システムの前記補助供給装置は、前記媒体収納部から前記画像形成装置までの前記記録媒体の搬送路が形成されており、前記媒体特性センサーは、全ての前記媒体収納部に対する前記搬送路が合流している部分の最上流の位置に配置されていても良い。
【0012】
この構成により、本発明の画像形成システムは、全ての媒体収納部に対する搬送路が合流している部分において最上流の位置以外の位置に媒体特性センサーが配置されている構成と比較して、画像形成装置に十分に早い時期に媒体特性センサーの検知結果を通知するために搬送路上において画像形成装置から遠い位置に媒体特性センサーを配置することができる。
【0013】
また、本発明の補助供給装置は、記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体を供給する供給装置とを備えている画像形成装置に接続されて前記画像形成装置に前記記録媒体を供給する補助供給装置であって、前記記録媒体を収納する複数の媒体収納部と、前記記録媒体の特性の検知を実行する媒体特性センサーとを備えており、前記媒体特性センサーは、複数の前記媒体収納部に対して共通であって、前記記録媒体が前記補助供給装置から前記画像形成装置に入る前に前記検知を実行する位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
この構成により、本発明の補助供給装置は、記録媒体が画像形成装置に入る前に媒体特性センサーが検知を実行するので、媒体特性センサーの検知結果を使用する画像形成装置に十分に早い時期に媒体特性センサーの検知結果を通知することができる。また、本発明の補助供給装置は、媒体特性センサーが複数の媒体収納部に対して共通であるので、複数の媒体収納部のそれぞれに対して媒体特性センサーを設ける構成と比較して、製造コストを抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成システムは、最適なセンサーの配置で画像処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成図である。
【図2】図1に示す画像形成システムのブロック図である。
【図3】図2に示す色変換手段による画像データの処理のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成図であって、図1に示す構成とは異なる構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成図であって、図1および図4に示す構成とは異なる構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10の構成図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成システム10は、MFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20に接続されてMFP20に用紙などの記録媒体91を供給する補助供給装置としてのサイドマルチトレイ(Side multi tray)50と、MFP20に接続されてMFP20によって印刷された記録媒体91の仕分け、ステープルなどの後処理を実行するフィニッシャー(Finisher)70とを備えている。本実施の形態において、本発明の画像形成装置は、MFP20およびフィニッシャー70によって構成されている。
【0021】
図2は、画像形成システム10のブロック図である。
【0022】
図2に示すように、MFP20は、MFP20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、記録媒体91に印刷を実行する印刷デバイスである印刷部としてのプリンター25と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー26と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部27と、LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部28とを備えている。
【0023】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0024】
記憶部22は、MFP20用のプログラムである画像形成装置用プログラム22aと、入力された色を印刷用の色に変換する色変換テーブル22bとを記憶している。なお、色変換テーブル22bは、記録媒体91の白色度に対応付けられて複数種類用意されている。記録媒体91の白色度に対応付けられた複数種類の色変換テーブル22bを用意しておく理由は、記録媒体91のガマット(色再現域)が記録媒体91の白色度に応じて異なるためである。また、記憶部22は、プリンター25によって記録媒体91に印刷される予定の画像データ22cを記憶することができる。画像データ22cは、印刷データに基づいて生成されるデータである。
【0025】
なお、画像形成装置用プログラム22aは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0026】
制御部21は、記憶部22に記憶されている画像形成装置用プログラム22aを実行することによって、画像データ22cの色を後述の媒体特性センサー53の検知結果に基づいて変換する色変換手段21aとして機能する。
【0027】
図1に示すように、プリンター25は、記録媒体91を収納する複数のトレイ31aを備えていて記録媒体91を供給する供給装置31と、トナーによって形成された画像であって最終的に記録媒体91に定着させられる予定のトナー画像が現像される感光体としてのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の感光体ドラム32a〜32dと、感光体ドラム32a〜32dに現像されたトナー画像が一時的に転写される中間転写体としての中間転写ベルト33と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像を記録媒体91に転写する転写ローラー34と、記録媒体91に転写されたトナー画像を熱によって記録媒体91に定着させる定着ローラー35と、定着ローラー35に記録媒体91を押し付ける加圧ローラー36と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像に記録媒体91の搬送のタイミングを合わせるためのレジストローラー37と、印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ38と、複数の搬送ローラー39aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部39とを備えている。
【0028】
サイドマルチトレイ50は、記録媒体91を収納する複数の媒体収納部としての複数のトレイ51aと、トレイ51aから記録媒体91が供給されたことを検知する媒体供給センサー52と、記録媒体91の特性として白色度の検知を実行する媒体特性センサー53と、複数の搬送ローラー54aを備えていて記録媒体91を搬送する補助側媒体搬送部としての媒体搬送部54とを備えている。サイドマルチトレイ50は、複数のトレイ51aからMFP20までの記録媒体91の搬送路55が形成されている。
【0029】
媒体特性センサー53は、複数のトレイ51aに対して共通であって、記録媒体91がサイドマルチトレイ50からMFP20に入る前に記録媒体91の白色度の検知を実行する位置に配置されている。なお、記録媒体91の白色度を検知する方法としては、例えば、記録媒体91の表面に光を照射するとともに、記録媒体91の表面に照射された光のうち記録媒体91の表面によって反射された光を検知することによって、記録媒体91の白色度を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることができる。
【0030】
媒体搬送部54は、トレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側とは反対側の端を先端として記録媒体91をMFP20に搬送するようになっている。
【0031】
フィニッシャー70は、MFP20によって印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ71、72と、複数の搬送ローラー73aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部73とを備えている。
【0032】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0033】
<一連の印刷動作>
まず、画像形成システム10のMFP20の制御部21が印刷データを受信してからの一連の印刷動作について説明する。
【0034】
制御部21は、例えば、コピーのためにスキャナー26によって読み取られた画像データに基づいた印刷データ、ファックス通信部27を介して受信したファックスデータに基づいた印刷データ、ネットワーク通信部28を介して受信した印刷データなどの各種の印刷データに基づいてプリンター25によって印刷を実行する。ここで、制御部21は、印刷データ内の情報に従って、プリンター25による印刷のための記録媒体91をトレイ31aからではなく、サイドマルチトレイ50内のトレイ51aから搬送することができる。
【0035】
制御部21は、印刷データに基づいて印刷を開始すると、サイドマルチトレイ50の媒体搬送部54に記録媒体91の搬送を開始させる。ここで、媒体搬送部54は、複数のトレイ51aのうち、印刷データにおいて指示されているトレイ51aから記録媒体91を搬送する。
【0036】
媒体搬送部54によってトレイ51aから記録媒体91が搬送されると、制御部21は、媒体搬送部54によって搬送されている記録媒体91を媒体供給センサー52によって検知する。
【0037】
媒体搬送部54によって更に記録媒体91が搬送されると、制御部21は、媒体搬送部54によって搬送されている記録媒体91を媒体特性センサー53によって検知する。したがって、制御部21は、媒体搬送部54によって搬送されている記録媒体91の白色度を媒体特性センサー53の検知結果に基づいて判断し、判断した白色度に基づいて画像データ22cの色を変換する。
【0038】
そして、制御部21は、図示していないレジストセンサーの検知結果に基づいて記録媒体91をレジストローラー37の位置で一旦停止させる。
【0039】
ここで、制御部21は、上述したように媒体供給センサー52によって記録媒体91を検知した時の所定の時間後に、画像データ22cに基づいて感光体ドラム32a〜32dへのトナー画像の現像を開始している。そして、感光体ドラム32a〜32dに現像されたトナー画像は、中間転写ベルト33に転写されている。
【0040】
その後、制御部21は、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像にタイミングを合わせて記録媒体91をレジストローラー37によって搬送する。
【0041】
したがって、記録媒体91は、中間転写ベルト33に転写されているトナー画像が転写された後、転写されたトナー画像が定着ローラー35および加圧ローラー36によって定着させられる。
【0042】
次いで、制御部21は、トナー画像が定着させられた記録媒体91を排出トレイ38、71または72に排出する。なお、記録媒体91が排出トレイ38、71および72の何れに排出されるかは、印刷データにおいて指定されている。
【0043】
<色変換手段21aによる画像データ22cの処理>
次に、色変換手段21aによる画像データ22cの処理について説明する。
【0044】
図3は、色変換手段21aによる画像データ22cの処理のフローチャートである。
【0045】
図3に示すように、制御部21の色変換手段21aは、記憶部22に記憶されている複数の色変換テーブル22bの中から、媒体特性センサー53の検知結果に基づいて判断した記録媒体91の白色度に対応付けられている色変換テーブル22bを選択する(S101)。
【0046】
次いで、色変換手段21aは、S101において選択した色変換テーブル22bを使用して画像データ22cの色を変換し(S102)、図3に示す処理を終了する。したがって、記録媒体91には、記録媒体91の白色度に応じて色が変換された画像データに基づいたトナー画像が定着させられる。
【0047】
以上に説明したように、画像形成システム10は、記録媒体91がサイドマルチトレイ50からMFP20に入る前に媒体特性センサー53が検知を実行する位置に媒体特性センサー53が配置されているので、記録媒体91がサイドマルチトレイ50からMFP20に入る前に媒体特性センサー53が検知を実行する。したがって、画像形成システム10は、媒体特性センサー53の検知結果に基づいて画像データ22cの色を変換するMFP20に十分に早い時期に媒体特性センサー53の検知結果を通知することができる。
【0048】
また、画像形成システム10は、媒体特性センサー53が複数のトレイ51aに対して共通であるので、複数のトレイ51aのそれぞれに対して媒体特性センサー53を設ける構成と比較して、製造コストを抑えることができる。
【0049】
画像形成システム10は、上述したように、媒体特性センサー53の配置によって、MFP20に十分に早い時期に媒体特性センサー53の検知結果を通知することができるだけでなく、製造コストを抑えることができる。すなわち、画像形成システム10は、最適な媒体特性センサー53の配置で画像処理を実行することができる。
【0050】
画像形成システム10は、プリンター25によって記録媒体91に印刷される予定の画像データ22cの色を媒体特性センサー53の検知結果に基づいて変換するので、記録媒体91が再生紙、裏紙などの質の悪い記録媒体である場合であっても、コントラスト、色再現性などの質の良い印刷結果を出力することができる。
【0051】
画像形成システム10は、プリンター25によって記録媒体91に印刷される予定の画像データ22cの色を媒体特性センサー53の検知結果に基づいて変換するので、利用者が記録媒体91の種類を印刷データにおいて指定していなくても、または、利用者が記録媒体91の種類を印刷データにおいて不適切な種類に指定していたとしても、コントラスト、色再現性などの質の良い印刷結果を自動的に出力することができる。
【0052】
画像形成システム10は、図1に示すようにサイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側とは反対側の端を先端として記録媒体91をMFP20に搬送するようになっているので、図4に示すようにサイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側の端を先端として記録媒体91をサイドマルチトレイ50からMFP20に搬送する構成と比較して、サイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91がMFP20に入るまでの距離が長い。したがって、画像形成システム10は、MFP20に十分に早い時期に媒体特性センサー53の検知結果を通知するために搬送路55上においてMFP20から遠い位置に媒体特性センサー53を配置することができる。
【0053】
なお、画像形成システム10は、図4に示すようにサイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側の端を先端として記録媒体91をサイドマルチトレイ50からMFP20に搬送するようになっていても良い。
【0054】
また、媒体特性センサー53は、図5に示すように全てのトレイ51aに対する搬送路55が合流している部分の最上流の位置に配置されていても良い。画像形成システム10は、図5に示すように全てのトレイ51aに対する搬送路55が合流している部分において最上流の位置に媒体特性センサー53が配置されている構成である場合、全てのトレイ51aに対する搬送路55が合流している部分において最上流の位置以外の位置に媒体特性センサー53が配置されている構成と比較して、MFP20に十分に早い時期に媒体特性センサー53の検知結果を通知するために搬送路55上においてMFP20から遠い位置に媒体特性センサー53を配置することができる。
【0055】
媒体特性センサー53は、本実施の形態において記録媒体91の特性として記録媒体91の白色度を検知するようになっているが、記録媒体91の平滑度、厚み、サイズなど、白色度以外の特性を検知するようになっていても良い。また、媒体特性センサー53は、複数種類の特性を検知するようになっていても良い。
【0056】
例えば、記録媒体91の厚みが標準的な厚みより厚い場合、定着時に記録媒体91の温度が定着に最適な温度に達しないことがある。定着時に記録媒体91の温度が定着に最適な温度に達しない場合、画像データに適切な色の変換が実行されなければ、記録媒体91に定着された色が適切でないことがある。したがって、画像形成システム10は、記録媒体91の厚みに基づいて画像データの色を変換するようになっていることが好ましい。なお、記録媒体91の厚みを検知する媒体特性センサー53としては、例えば、接触式の紙厚センサー、非接触式の紙厚センサーなど、公知の任意のセンサーが採用されることが可能である。
【0057】
色変換手段21aは、本実施の形態において記録媒体91の特性に応じて色変換テーブルを変更しているが、色変換テーブルに代えて、または、色変換テーブルとともに、画像データの色に関する色変換テーブル以外の情報を変更するようになっていても良い。例えば、色変換手段21aは、記録媒体91の特性に応じてガンマ補正用のテーブルを変更するようになっていても良い。
【0058】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPだけでなく、フィニッシャーも含んでいるが、MFPだけであっても良い。
【0059】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0060】
10 画像形成システム
20 MFP(画像形成装置)
21a 色変換手段
22c 画像データ
25 プリンター(印刷部)
31 供給装置
50 サイドマルチトレイ(補助供給装置)
51a トレイ(媒体収納部)
53 媒体特性センサー
54 媒体搬送部(補助側媒体搬送部)
55 搬送路
70 フィニッシャー(画像形成装置)
91 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体を供給する供給装置とを備えている画像形成装置と、前記画像形成装置に接続されて前記画像形成装置に前記記録媒体を供給する補助供給装置とを備えており、
前記補助供給装置は、前記記録媒体を収納する複数の媒体収納部と、前記記録媒体の特性の検知を実行する媒体特性センサーとを備えており、
前記画像形成装置は、前記印刷部によって前記記録媒体に印刷される予定の画像データの色を前記媒体特性センサーの検知結果に基づいて変換する色変換手段を備えており、
前記媒体特性センサーは、複数の前記媒体収納部に対して共通であって、前記記録媒体が前記補助供給装置から前記画像形成装置に入る前に前記検知を実行する位置に配置されていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記補助供給装置は、前記媒体収納部に収納されている前記記録媒体の前記画像形成装置側とは反対側の端を先端として前記記録媒体を前記画像形成装置に搬送する補助側媒体搬送部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記補助供給装置は、前記媒体収納部から前記画像形成装置までの前記記録媒体の搬送路が形成されており、
前記媒体特性センサーは、全ての前記媒体収納部に対する前記搬送路が合流している部分の最上流の位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
記録媒体に印刷を実行する印刷部と、前記記録媒体を供給する供給装置とを備えている画像形成装置に接続されて前記画像形成装置に前記記録媒体を供給する補助供給装置であって、
前記記録媒体を収納する複数の媒体収納部と、前記記録媒体の特性の検知を実行する媒体特性センサーとを備えており、
前記媒体特性センサーは、複数の前記媒体収納部に対して共通であって、前記記録媒体が前記補助供給装置から前記画像形成装置に入る前に前記検知を実行する位置に配置されていることを特徴とする補助供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−28124(P2013−28124A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166807(P2011−166807)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】