説明

画像形成システム

【課題】カスタマイズした設定情報表示画面の数の制限をなくす。
【解決手段】情報処理装置は、画像形成装置の設定情報を受信し、ユーザにより変更された設定情報に関連付けてユーザにより編集された設定画面情報および設定情報識別子を生成する設定画面生成部と、設定情報識別子、設定情報および設定画面情報を関連付けて記憶する記憶部と、画像形成装置から受信した設定情報識別子に基づいて記憶部から抽出した設定情報および設定画面情報を画像形成装置へ送信する制御部とを備え、画像形成装置は、情報処理装置で生成された設定情報識別子を表示し、設定情報識別子を選択する操作を受付ける操作表示部と、選択された設定情報識別子を情報処理装置へ送信し、情報処理装置から設定情報識別子に関連付けられた設定情報および設定画面情報を受信し、設定情報および設定画面情報を操作表示部に表示し、設定情報に従って前記機能を実行する制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と情報処理装置とが通信回線で接続された画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成システムの画像形成装置は、コピー機能、スキャナ機能、印刷機能、およびファクシミリ機能等を備え、操作パネルの画面上に配置された設定情報をユーザによりカスタマイズできるようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−224995号公報(段落「0057」〜段落「0068」、図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、画像形成装置にカスタマイズされた設定情報を表示する設定情報表示画面を複数保持する場合、その設定情報表示画面を保持するための記憶領域を確保する必要があり、カスタマイズされた設定情報表示画面の数が制限されてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、設定情報表示画面の数に制限されることなく、設定情報表示画面を設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、画像形成装置と情報処理装置とが通信回線で接続された画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、前記画像形成装置が実行する機能に関する設定情報を前記画像形成装置から受信し、ユーザの操作により変更された前記設定情報に関連付けてユーザの操作により編集された設定画面情報および設定情報識別子を生成する設定画面生成部と、前記設定情報識別子、前記設定情報および前記設定画面情報を関連付けて記憶する記憶部と、前記画像形成装置から受信した前記設定情報識別子に基づいて前記記憶部から抽出した前記設定情報および前記設定画面情報を前記画像形成装置へ送信する制御部とを備え、前記画像形成装置は、前記情報処理装置で生成された前記設定情報識別子を前記情報処理装置から受信して記憶する記憶部と、前記設定情報識別子を表示し、前記設定情報識別子を選択する操作を受付ける操作表示部と、選択された前記設定情報識別子を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置から前記設定情報識別子に関連付けられた前記設定情報および前記設定画面情報を受信し、前記設定情報および前記設定画面情報を操作表示部に表示し、前記設定情報に従って前記機能を実行する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、設定情報表示画面の数に制限されることなく、設定情報表示画面を設定できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例における画像形成システムの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における画面作成処理の流れを示すフローチャート
【図3】第1の実施例におけるアクセスアドレス設定処理の流れを示すフローチャート
【図4】第1の実施例におけるコピー処理の流れを示すフローチャート
【図5】第1の実施例における画面生成アプリのエントリ画面を示す説明図
【図6】第1の実施例における設定情報および画面イメージの編集画面の説明図
【図7】第1の実施例における画面イメージを示す説明図
【図8】第1の実施例におけるアクセスアドレス設定画面の説明図
【図9】第1の実施例における複合機の操作表示部の画面の説明図
【図10】第1の実施例における設定情報の構成を示す説明図
【図11】第1の実施例における設定情報の構成を示す説明図
【図12】第1の実施例における複合機操作時のデータの流れを示す説明図
【図13】第2の実施例における画像形成システムの構成を示すブロック図
【図14】第2の実施例におけるアドレス帳およびアクセスパスワードを設定する処理の流れを示すフローチャート
【図15】第2の実施例におけるスキャンToEmail処理の流れを示すフローチャート
【図16】第2の実施例におけるアクセスアドレス設定画面の説明図
【図17】第2の実施例における複合機の操作表示部の画面の説明図
【図18】第2の実施例における複合機操作時のデータの流れを示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による画像形成システムの実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例における画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図1において、画像形成システムは、情報処理装置としてのPC(Personal Computer)100と、画像形成装置としての複合機200と、PC100と複合機200を通信可能に接続する通信回線150とにより構成されている。
【0010】
まず、PC100を説明する。
PC100は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータであり、制御部101と、操作・表示部102と、記憶部103と、送受信部108とを備え、LAN(Local Area Network)等の通信回線150を介して複合機200と接続されている。
【0011】
操作・表示部102は、キーボードやマウス等の入力手段およびディスプレイ等の出力手段であり、一般的なパーソナルコンピュータの入出力機器である。
記憶部103は、メモリやハードディスクドライブ(HDD)等の記憶手段であり、画面生成アプリ104と、設定保持部105と、画面保持部106と、アクセスアドレス保持部107とから構成されている。
【0012】
設定画面生成部としての画面生成アプリ104は、PC100の記憶部103にインストールされたアプリケーションソフトウェアであり、複合機200から設定情報および画面イメージを受信し、その設定情報および画面イメージに基づいてユーザの操作によりカスタマイズ(変更・編集)された複合機200で使用される設定情報および画面イメージ、ならびにその設定情報および画面イメージを識別するためのアクセスアドレスを生成・編集し、その設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレスを関連付けてPC100の記憶部103に保存するものである。
なお、設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレスの詳細は後述する。
【0013】
設定保持部105は、画面生成アプリ104により生成・編集された設定情報を記憶・保持し、画面保持部106は、画面生成アプリ104により生成・編集された画面イメージを記憶・保持し、アクセスアドレス保持部107は、画面生成アプリ104により生成・編集されたアクセスアドレスを記憶・保持する。設定保持部105に記憶される設定情報および画面保持部106に記憶される画面イメージは、アクセスアドレス保持部107に記憶されるアクセスアドレスに関連付けられて記憶される。
【0014】
送受信部108は、通信回線150を介して複合機200から設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレス等の各種情報を受信することができ、また設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレス等の各種情報を複合機200へ送信することができるようになっている。
【0015】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段および演算手段で構成され、記憶部103に記憶された画面生成アプリ104やPC100全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)に基づいてPC100全体の動作を制御するものである。
この制御部101は、複合機200から受信したアクセスアドレスに基づいて記憶部103から抽出した設定情報および画面イメージを複合機200へ送信する。
【0016】
次に、複合機200を説明する。
本発明が適用される複合機200は、原稿を複写するコピー機能、原稿を読取るスキャン機能、受信した印刷ジョブデータに基づいて印刷を行う印刷機能およびファクシミリの送受信を行うファクシミリ機能等を有する装置であるが、本実施例では、コピー機能に対して本発明を適用した例として説明するため、そのコピー機能を実現するために必要な構成を備えたものとして説明する。
【0017】
複合機200は、制御部201と、操作・表示部202と、読取り部203と、印刷部204と、記憶部205とを備え、LAN等の通信回線150を介してPC100と接続されている。
操作・表示部202は、操作パネルと、タッチパネルを備えた液晶ディスプレイ等とから構成された入出力手段であり、複合機の設定操作やコピー機能の実行指示等を入力することができるものである。
【0018】
読取り部203は、スキャナ等の原稿読取りセンサで構成された原稿読取り手段であり、原稿を読取り、原稿の画像データを生成するものである。
印刷部204は、プリンタエンジンであり、読取り部203で読取った原稿の画像を印刷用紙に印刷するものである。
記憶部205は、メモリやハードディスクドライブ(HDD)等の記憶手段であり、設定保持部206と、画面保持部207と、アクセスアドレス保持部208とから構成されている。
【0019】
設定保持部206は、PC100から受信した設定情報を記憶・保持し、画面保持部207は、PC100から受信した画面イメージを記憶・保持し、アクセスアドレス保持部208は、PC100から受信したアクセスアドレスを記憶・保持、すなわち記憶部205はPC100で生成された設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレスを記憶する。
【0020】
ここで、設定情報とは、コピー機能等の複合機200の各機能の動作の詳細を定める情報であり、例えば「両面コピーを行う/行わない」、「綴じ代を付ける/付けない」、「綴じ代をつける場合はXmmとする」等の各機能の動作を規定する変数情報である。
また、画面イメージとは、設定画面情報であり、設定情報とともに操作・表示部202に表示する画面の背景画像等のイメージデータである。
【0021】
さらに、アクセスアドレスとは、上述した設定情報と画面イメージとを関連付けて記憶し、また記憶した設定情報および画面イメージを読み出すために利用される設定情報識別子であり、ユーザによりカスタマイズ(変更)されたそれぞれの設定情報および画面イメージに対応付けられたものである。
【0022】
設定保持部206、画面保持部207およびアクセスアドレス保持部208に記憶される情報は、例えば図10に示すように、アクセスアドレスによるリンク先であるPCを示す「PCのIPアドレス:192.168.0.2」、設定情報として「設定値情報:解像度=600dpi(dots per inch)、N−up=4up(1枚の印刷用紙に4枚の原稿を印刷)、両面(コピー)=あり、綴じ代=あり:Xmm」、画面イメージとして「画面イメージID:101」、およびアクセスアドレスとして「アクセスアドレス名称:経理部専用」である。
【0023】
送受信部209は、通信回線150を介してPC100から設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレス等の各種情報を受信することができ、また設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレス等の各種情報をPC100へ送信することができるようになっている。
【0024】
制御部201は、CPU等の制御手段および演算手段で構成され、記憶部205に記憶された複合機200全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて複合機200全体の動作を制御するものである。
この制御部201は、操作・表示部202で選択されたアクセスアドレスをPC100へ送信し、そのアクセスアドレスに関連付けられた設定情報および画面イメージをPC100から受信し、設定情報および画面イメージを操作・表示部202に表示し、その設定情報に従ってコピー機能等の機能を実行する。
【0025】
上述した構成の作用について説明する。
まず、図1に示すPC100の制御部101が実行する画面生成アプリ104により設定情報表示画面を生成する処理を図2の第1の実施例における画面作成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
【0026】
S101:PC100の制御部101は、操作・表示部102に画像生成アプリのエントリ画面を表示し、複合機200のIPアドレスの入力を操作・表示部102で受け付ける。このエントリ画面は、例えば図5に示すように複合機のIPアドレスの入力を誘導する文言51およびIPアドレスの入力を受け付ける領域52で構成された画面である。
【0027】
S102:続いて、制御部101は、操作・表示部102に表示したエントリ画面において複合機200の記憶部205に保持されている設定情報および画面イメージを取得するための入力操作を操作・表示部102で受け付ける。設定情報および画面イメージを取得するための入力操作は、例えば図5に示すエントリ画面50の「取得」操作ボタン53の選択操作を受け付けることにより行う。
【0028】
設定情報および画面イメージを取得するための入力操作を操作・表示部102で受け付けた制御部101は、入力された複合機のIPアドレスに基づき、送受信部108を介して複合機200の記憶部205に保持されている設定情報および画面イメージを取得する。
【0029】
S103:制御部101は、取得した設定情報および画面イメージに基づいて編集した画面を操作・表示部102により表示する。表示する画面は、例えば図6に示すように、設定情報が「解像度=300dpi」、「N−up=1up」、「両面=なし」、「綴じ代=なし」となっており、また画面イメージが「白い背景で画面の右側に家屋が配置された画像」となっているものである。
【0030】
S104:複合機200から取得した設定情報および画面イメージに基づいて編集した画面を操作・表示部102により表示した制御部101は、設定情報および画面イメージを変更・編集するユーザによる操作を操作・表示部102で受け付ける。
【0031】
ここで、画面イメージを編集する例を図7に示す。この画面イメージは、複合機200の操作・表示部202に表示される際には画面の背景画像として用いられ、図7(a)に示すように白い背景の下部に文字を配置して背景画像としたり、図7(b)に示すように背景を暗くして右側に絵図を配置したりすることができる。
本実施例では、図7(a)に示す白い背景の下部に文字を配置した背景画像を用いることとする。
【0032】
S105:設定情報および画面イメージを編集する操作を操作・表示部102で受け付けた制御部101は、その画面に表示された「登録」操作ボタン(図6に示す「登録」操作ボタン61)の選択操作を操作・表示部102で受け付けると、PC100の記憶部103に、編集された設定情報および画面イメージを記憶・保存する。
このようにしてPC100は、編集された設定情報および画面イメージからなる設定情報表示画面を生成し、保持する。
【0033】
次に、図1に示すPC100の制御部101が実行する画面生成アプリ104によりアクセスアドレスを設定する処理を図3の第1の実施例におけるアクセスアドレス設定処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
【0034】
S201:PC100の制御部101は、操作・表示部102に画面生成アプリのエントリ画面を表示し、複合機200のIPアドレスの入力を操作・表示部102で受け付ける。このエントリ画面は、例えば図5に示すように複合機のIPアドレスの入力を誘導する文言51およびIPアドレスの入力を受け付ける領域52で構成された画面である。
【0035】
S202:続いて、制御部101は、操作・表示部102に表示したエントリ画面においてアクセスアドレスを設定するための入力操作を操作・表示部102で受け付ける。アクセスアドレスを設定するための入力操作は、例えば図5に示すエントリ画面50の「アクセスアドレス設定」操作ボタン54の選択操作を受け付けることにより行う。
アクセスアドレスを設定するための入力操作を操作・表示部102で受け付けた制御部101は、入力された複合機のIPアドレスに基づき、送受信部108を介して複合機200の記憶部205に保持されている設定情報を取得する。
【0036】
S203:制御部101は、取得した設定情報を操作・表示部102により表示する。表示する設定情報は、例えば図8に示すように、コピー機能を実行するための詳細設定情報の他に、設定情報の構造81も表示する。
【0037】
設定情報の構造とは、操作・表示部102に表示する「メニュー」、「コピー」等の名称を有するボタンが設定情報のどの位置に配置されているかを示すものであり、本実施例では、例えば図8および図11に示すように、「メニュー」は第1階層の1番目、「コピー」は第2階層の1番目、また本実施例で新規にアクセスアドレスとして作成する「経理部専用」は第2階層の2番目に配置されていることを示している。
【0038】
S204:制御部101は、設定情報を表示した画面において、設定情報の構造に予め作成した設定情報表示画面(図2で説明した設定情報および画面イメージからなる設定情報表示画面)を挿入(編集)するためのユーザによる入力操作を操作・表示部102で受け付ける。例えば、図8に示すように、挿入する設定情報に対してPC100のIPアドレス82、挿入する設定情報を参照するための詳細参照83、挿入する画面イメージのID84、挿入するアクセスアドレスを識別するためのアクセスアドレスの名称85の入力操作を受け付ける。
【0039】
S205:制御部101は、挿入する設定情報表示画面に対して入力されたPC100のIPアドレス、挿入する設定情報、挿入する画面イメージを識別するためのID、および挿入するアクセスアドレスの名称(設定情報の構造を示す位置情報を含む)を記憶部103に記憶させる。
【0040】
S206:制御部101は、その画面に表示された「登録」操作ボタン(図8に示す「登録」操作ボタン86)の選択操作を操作・表示部102で受け付けると、送受信部108を介してPC100の記憶部103に記憶、登録された設定情報および画面イメージに結び付けられたアクセスアドレスの名称をアクセスアドレス(設定情報の構造を示す位置情報を含む)として複合機200の記憶部205のアクセスアドレス保持部208に記憶させ、登録する。
このようにしてPC100は設定情報識別子としてのアクセスアドレスを複合機200に設定する。
【0041】
次に、図1に示す複合機200の制御部201が実行するコピー処理を図4の第1の実施例におけるコピー処理の流れを示すフローチャートおよび図12の第1の実施例における複合機操作時のデータの流れを示す説明図の図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。なお、図4および図12において同一の処理には同一のステップ番号を付与している。
【0042】
S301:複合機200の制御部201は、操作・表示部202にメニュー画面を表示する。このメニュー画面には、図9(a)に示すように、上述した図3に示すアクセスアドレス設定処理において設定登録されたアクセスアドレスの名称(例えば、「経理部専用」)が選択項目として表示される。アクセスアドレスの名称は、設定情報の構造を示す位置情報にしたがって操作・表示部202にツリー構造で表示される。
【0043】
S302:操作・表示部202は、設定登録されたアクセスアドレスの名称(例えば、「経理部専用」)のユーザによる選択入力操作を受付ける。
S303:アクセスアドレスの名称の選択入力操作を操作・表示部202で受付けると制御部201は、当該アクセスアドレスの名称が選択されたことを検知し、送受信部209を介して選択されたアクセスアドレスの名称(設定情報識別子)に関連付けられてPC100の記憶部103に記憶された設定情報および画面イメージを取得することを依頼する通知をPC100へ送信する。
【0044】
S304:PC100は、選択されたアクセスアドレスの名称に関連付けられて記憶部103に記憶された設定情報および画面イメージを取得し、送受信部108を介して取得した設定情報および画面イメージを複合機200へ送信する。
【0045】
S305:PC100の記憶部103に記憶された設定情報および画面イメージを取得した制御部201は、その画面イメージに設定情報を重ね合わせた画面を操作・表示部202に表示する。この画面イメージに設定情報を重ね合わせた画面は、例えば図9(b)に示すように、上述した図3に示すアクセスアドレス設定処理において設定登録した画面イメージ92に設定情報93を重ね合わせた画面であり、またコピー動作を開始させるための「Start」ボタン94が表示された画面である。
【0046】
S306:ユーザは、原稿を読取り部203に載置し、操作・表示部202に表示された画面の「Start」ボタンを押下するものとし、操作・表示部202はその入力操作を受付ける。
S307:「Start」ボタンの押下を操作・表示部202で受付けた制御部201は、読取り部203で原稿の画像データを読取り、設定登録された設定情報に従って画像データの編集を行い、編集した画像データを印刷部204で印刷用紙に印刷し、コピー動作を実行する。
【0047】
このように、設定情報および画面イメージをPC側に記憶させるようにしたことにより、複合機の記憶領域の制約を受けることなく、設定情報表示画面を設定できるようになる。
なお、本実施例では、画面イメージを変更する例で説明したが、画面イメージを変更するようにしたことにより、複合機に保持する画面イメージの容量を削減することができるようになり、また画面イメージに「経理部専用」等の文字を表示するようにしたことにより、その設定画面を使用すべきか否かが直ぐに判別することができるようになり、ユーザの操作の間違いを減少させることができる。
【0048】
以上説明したように、第1の実施例では、設定情報および画面イメージをPC側に記憶させるようにしたことにより、複合機の記憶領域の制約を受けることがないため、設定情報表示画面の数に制限されることなく、設定情報表示画面を設定できるようになるという効果が得られる。
【実施例2】
【0049】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成におけるPCにアドレス帳アプリを含む画面生成アプリ、アドレス帳保持部、およびアクセスパスワード保持部を追加し、複合機にEmail送信部を追加したものとしている。
第2の実施例の構成を図13の第2の実施例における画像形成システムの構成を示すブロック図に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図13において、記憶部103は、メモリやハードディスクドライブ(HDD)等の記憶手段であり、アドレス帳アプリ111を含む画面生成アプリ112と、設定保持部105と、画面保持部106と、アクセスアドレス保持部107と、アドレス帳保持部113と、アクセスパスワード保持部114とから構成されている。
アドレス帳アプリ111は、電子メール(以下、「Email」ともいう。)を送信する場合のあて先に用いるEmailアドレスを入力および編集するためのアプリケーションソフトウェア(エディタ)であり、ユーザに入力・編集させたEmailアドレスをアドレス帳としてアドレス帳保持部113に記憶・保存するものである。
【0051】
画面生成アプリ112は、PC100の記憶部103にインストールされたアプリケーションソフトウェアであり、複合機200で使用される設定情報と、画面イメージおよびアクセスアドレスとを生成・編集し、その設定情報、画面イメージおよびアクセスアドレスをPC100の記憶部103に保存するものである。
【0052】
また、画面生成アプリ112は、PC100の記憶部103に登録されたアクセスアドレスとしてのアドレス帳にアクセスするときのユーザ認証で使用される認証情報としてのアクセスパスワードを設定する機能を追加したものでもあり、画面生成アプリ112はアクセスパスワードを入力および編集するためのアプリケーションソフトウェア(エディタ)としての機能を有するものである。
【0053】
この画面生成アプリ112は、ユーザに入力・編集させた認証情報としてのアクセスパスワードをアクセスパスワード保持部114に、アドレス帳保持部113に記憶されたアドレス帳に関連付けて記憶・保存するものである。
複合機200に追加されたEmail送信部211は、通信回線150に接続される送受信部209を制御し、読取り部203で読取った原稿の画像データを電子メールとして送信するものである。
【0054】
上述した構成の作用について説明する。
まず、図13に示すPC100の制御部101が実行するアドレス帳アプリ111によりアドレス帳を設定する処理および画面生成アプリ112によるアクセスパスワードを設定する処理を図14の第2の実施例におけるアドレス帳およびアクセスパスワードを設定する処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図13を参照しながら説明する。
【0055】
S401:PC100の制御部101は、操作・表示部102に画面生成アプリのエントリ画面を表示し、アドレス帳アプリを起動する操作ボタンの選択入力を操作・表示部102で受け付ける。このエントリ画面は、例えば図5に示すようにアドレス帳アプリを起動する操作ボタン55等で構成された画面である。
アドレス帳アプリを起動する操作ボタンの選択入力を操作・表示部102で受け付けた制御部101は、アドレス帳アプリ111を起動する。
【0056】
S402:制御部101は、操作・表示部102にアドレス帳アプリのエントリ画面を表示し、そのエントリ画面に設けられた入力・編集ボタンの選択入力を操作・表示部102で受付けるとPC100の記憶部103のアドレス帳保存部113に記憶された現在登録されているアドレス帳を取得し、取得したアドレス帳を操作・表示部102に表示する。
【0057】
S403:制御部101は、新規にEmailアドレスを追加または既に登録されているEmailアドレスを編集するユーザによる操作を操作・表示部102で受け付け、さらに登録ボタンの選択入力操作を操作・表示部102で受付ける。
S404:制御部101は、登録ボタンの選択入力操作を操作・表示部102で受付けると、追加または編集されたEmailアドレスを記憶部103のアドレス帳保持部113にアドレス帳として記憶・保存する。
【0058】
S405:制御部101は、操作・表示部102に画面生成アプリのエントリ画面を表示し、そのエントリ画面に設けられたアクセスパスワード(以下、「パスワード」という。)を設定するためのパスワード設定ボタンの選択入力を操作・表示部102で受付ける。このエントリ画面は、例えば図5に示すようにパスワード設定ボタン56等で構成された画面である。
【0059】
パスワード設定ボタンの選択入力を操作・表示部102で受付けるとPC100の記憶部103のアドレス帳保存部113に記憶された現在登録されているアドレス帳を取得し、取得したアドレス帳をリスト形式で操作・表示部102に表示する。
【0060】
S406:制御部101は、操作・表示部102にリスト形式で表示したアドレス帳の横に表示されるパスワード設定ボタンの選択入力を操作・表示部102で受付けると、パスワードの設定画面を操作・表示部102に表示する。
S407:制御部101は、ユーザによるパスワードの入力操作および登録ボタンの選択入力操作を操作・表示部102で受付ける。
【0061】
S408:制御部101は、当該アドレス帳に関連付けて操作・表示部102で入力されたパスワードを記憶部103のアクセスパスワード保持部114に記憶して設定する。
このようにしてPC100はアドレス帳毎にパスワードを設定する。
【0062】
なお、アクセスアドレス設定処理は、図3に示す第1の実施例と同様の処理なのでその説明を省略するが、本実施例では図16に示すように、上述したパスワード設定処理でパスワードが設定されたアドレス帳を指定したアクセスアドレスであり、その名称が「経理部のアドレス帳」であるアクセスアドレスが予め登録されているものとする。
【0063】
次に、図13に示す複合機200の制御部201が読取り部203で読取った原稿の画像データをEmail送信(以下、「スキャンToEmail」という。)する処理を図15の第2の実施例におけるスキャンToEmail処理の流れを示すフローチャートおよび図18の第2の実施例における複合機操作時のデータの流れを示す説明図の図中Sで表すステップにしたがって図13を参照しながら説明する。なお、図15および図18において同一の処理には同一のステップ番号を付与している。
【0064】
S501:複合機200の制御部201は、操作・表示部202にメニュー画面を表示する。このメニュー画面には、図17(a)に示すように、「スキャンToEmail」が選択ボタンとして表示される。
【0065】
S502:制御部201は、操作・表示部202で「スキャンToEmail」の選択ボタンが選択入力されると、第1の実施例で説明した図3に示すアクセスアドレス設定処理において設定登録したアクセスアドレスの名称(例えば、「経理部のアドレス帳」)が選択項目として表示される。なお、このアクセスアドレスには、図14で説明したアドレス帳が指定されているものとする。
操作・表示部202は、設定登録されたアクセスアドレスの名称(例えば、図16に示す「経理部のアドレス帳」の選択ボタン95)のユーザによる選択入力操作を受付ける。
【0066】
S503:アクセスアドレスの名称の選択入力操作を操作・表示部202で受付けると制御部201は、当該アクセスアドレスの名称が選択されたことを検知し、送受信部209を介して選択されたアクセスアドレスで指定されたアドレス帳に関連付けられてPC100の記憶部103に記憶されたアクセスパスワードを取得することを依頼する通知をPC100へ送信する。
PC100は、選択されたアクセスアドレスで指定されたアドレス帳に関連付けられて記憶部103に記憶されたアクセスパスワードを取得し、送受信部108を介して取得したアクセスパスワードを複合機200へ送信する。
【0067】
S504:PC100の記憶部103に記憶されたアクセスパスワードを取得した制御部201は、アクセスパスワードの入力を受付けるパスワード入力画面を操作・表示部202に表示する。
S505:制御部201は、ユーザによるパスワードの入力操作を操作・表示部202で受付ける。
【0068】
S506:制御部201は、S503において取得したアクセスパスワードと、S504においてユーザにより入力されたパスワードとを比較する。(認証)
このように、アドレス帳を取得する際に、パスワードによる認証を行うようにしたことにより、不特定多数のユーザにアドレス帳が参照されることがなくなる。
S507:制御部201は、S503において取得したアクセスパスワードと、S504においてユーザにより入力されたパスワードとを比較した結果、両者が一致した場合、処理をS509へ移行し、一致しなかった場合、処理をS508へ移行する。
【0069】
S508:制御部201は、S503において取得したアクセスパスワードと、S504においてユーザにより入力されたパスワードとを比較した結果、両者が一致しないと判定した場合、操作・表示部202に入力されたパスワードに誤りがある旨のエラー表示を行い、処理をS504へ移行してパスワードの入力画面の表示に戻る。
【0070】
S509:アクセスパスワードと入力されたパスワードとが一致することを確認した制御部201は、送受信部209を介して経理部のアドレス帳を要求する通知をPC100へ送信し、PC100から記憶部103に保持されている経理部のアドレス帳を取得(受信)する。
【0071】
S510:経理部のアドレス帳を取得した制御部201は、その経理部のアドレス帳で構成された画面を操作・表示部202に表示する。この経理部のアドレス帳で構成された画面は、例えば図17(b)に示すように、上述した図3に示すアクセスアドレス設定処理において設定登録した画面イメージ92に経理部のアドレス帳を重ね合わせた画面であり、またスキャンToEmail動作を開始させるための「Start」ボタン94が表示された画面である。
【0072】
S511:ユーザは、原稿を読取り部203に載置し、操作・表示部202に表示された画面の「Start」ボタンを押下するものとし、操作・表示部202はその入力操作を受付ける。
S512:「Start」ボタンの押下を操作・表示部202で受付けた制御部201は、読取り部203で原稿の画像データを読取り、設定登録された経理部のアドレス帳に従ってEmail送信部211を制御して画像データをメール送信する。
【0073】
このように、複合機200の制御部201は、PC100から設定情報および画面イメージを受信する際、操作・表示部202で選択されたアクセスアドレスをPC100へ送信し、そのPC100からアクセスアドレスに関連付けられたアクセスパスワードを受信し、そのアクセスパスワードと操作・表示部202で入力されたパスワードとを比較して認証を行う。
【0074】
以上説明したように、第2の実施例では、アクセスアドレスに対応する設定情報としてのアドレス帳を取得する際に、パスワードによる認証を行うようにしたことにより、不特定多数のユーザにアドレス帳が参照されることがなくなるという効果が得られる。
また、設定されたアドレス帳の情報を情報処理装置としてのPC側に設けたことにより、複数の複合機に同じアドレス帳を設定することができ、ひとつのアドレス帳を複数の複合機で利用することができるという効果が得られる。
【0075】
したがって、アドレス帳の設定内容が変わった場合、PC側に保持されたアドレス帳を変更することで複数の複合機のアドレス帳をそれぞれ変更する必要がなくなるという効果が得られる。
なお、第1の実施例では、本発明をコピー機能に適用した例で説明したが、それに限られるものでなく、スキャン機能、ファクシミリ機能、印刷機能等の機能を実行するためのパラメータを変更して種々の処理を行う機能に適用するようにしても良い。
【0076】
また、第1の実施例では、メニュー画面にアクセスアドレスを挿入する例で説明したが、それに限られるものでなく、複合機が有する設定ツリー構造の中ならば任意に挿入することが可能である。したがって、通常のユーザが目にすることがない位置(管理者専用の設定等)に挿入することにより、管理者のみが使用できるアクセスアドレスを作成することもできる。例えば、コピー機能のテストを行なうアクセスアドレス(名称:「テストコピー」等)を管理者のみが使用できるツリー構造の中に配置しておけば、管理者のみが直ぐにコピー機能のテストを開始することができるようになる。
【0077】
さらに、第1の実施例では、画面イメージとして背景画像を変更する例で説明したが、それに限られるものでなく、操作ボタンの色、大きさ、形等を変更・設定するようにしても良い。
また、第2の実施例では、本発明をスキャンToEmail機能に適用した例で説明したが、それに限られるものでなく、宛先情報が必要なファクシミリ機能、ネットワーク送信機能(例えば、FTP(File Transfer Protocol)での送信等)に適用するようにしても良い。
さらに、第1の実施例および第2の実施例では、情報処理装置をPCとして説明したが、それに限られるものでなく、情報処理装置をサーバ等の記憶装置を備えた装置としても良い。
【符号の説明】
【0078】
100 PC
101、201 制御部
102、202 操作・表示部
103、205 記憶部
104、112 画面生成アプリ
105、206 設定保持部
106、207 画面保持部
107、208 アクセスアドレス保持部
108、209 送受信部
111 アドレス帳アプリ
113 アドレス帳保持部
114 アクセスパスワード保持部
150 通信回線
200 複合機
203 読取り部
204 印刷部
211 Email送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と情報処理装置とが通信回線で接続された画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置が実行する機能に関する設定情報を前記画像形成装置から受信し、ユーザの操作により変更された前記設定情報に関連付けてユーザの操作により編集された設定画面情報および設定情報識別子を生成する設定画面生成部と、
前記設定情報識別子、前記設定情報および前記設定画面情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記画像形成装置から受信した前記設定情報識別子に基づいて前記記憶部から抽出した前記設定情報および前記設定画面情報を前記画像形成装置へ送信する制御部とを備え、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置で生成された前記設定情報識別子を前記情報処理装置から受信して記憶する記憶部と、
前記設定情報識別子を表示し、前記設定情報識別子を選択する操作を受付ける操作表示部と、
選択された前記設定情報識別子を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置から前記設定情報識別子に関連付けられた前記設定情報および前記設定画面情報を受信し、前記設定情報および前記設定画面情報を操作表示部に表示し、前記設定情報に従って前記機能を実行する制御部とを備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記設定情報は、前記画像形成装置が実行する機能を規定する変数であり、
前記設定情報識別子は、変更されたそれぞれの前記設定情報に対応付けられていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成システムにおいて、
前記設定情報識別子は、前記画像形成装置の前記操作表示部に表示される位置情報を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成システムにおいて、
前記設定画面情報は、前記画像形成装置の前記操作表示部に表示される背景画像を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置の記憶部は、前記設定情報識別子に関連付けられた認証情報が記憶されていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置の前記制御部は、
前記情報処理装置から前記設定情報および前記設定画面情報を受信する際、
前記操作表示部で選択された前記設定情報識別子を前記情報処理装置へ送信し、前記情報処理装置から前記設定情報識別子に関連付けられた前記認証情報を受信し、
前記認証情報と前記操作表示部で入力された認証情報とを比較して認証を行うことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−41382(P2013−41382A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177344(P2011−177344)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】