説明

画像形成システム

【課題】画像形成装置が有する所定機能の使用可否を適切に変更することができる画像形成システムを提供すること。
【解決手段】画像形成システム300は、記憶デバイス200と、コピー機1とを備える。記憶デバイス200は、所定機能に係るライセンス情報を記憶可能なデータ記憶領域201と、デバイスの属性情報を記憶する記憶領域であって、ライセンス情報が使用可能であるか否かを示す使用可否フラグを記憶する属性情報記憶領域202と、を備える。コピー機1は、所定機能を有し、記憶デバイス200を装着する装着部70と、所定機能が使用不能の状態で装着部70に記憶デバイス200が装着された場合において、データ記憶領域201にライセンス情報が記憶され、かつ、属性情報記憶領域202に記憶されている使用可否フラグがオンであるとき、ライセンス情報に基づいて所定機能を使用可能とする使用許可制御部101と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機等の画像形成装置には、出荷時において所定機能を使用不能の状態にしておき、ユーザーが当該所定機能を購入したことに応じて、当該所定機能を使用可能の状態にするものがある。ユーザーが画像形成装置の所定機能を使用可能の状態にするには、メーカー側からライセンス情報を取得して、取得されたライセンス情報を使用して、所定機能を使用不能の状態から使用可能の状態に変更する必要がある。この場合、ライセンス情報を取得したユーザー以外が、他の画像形成装置に対してライセンス情報を利用できないようにするための対策が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、クライアントコンピューターと通信可能なライセンス管理サーバーを設けておき、このライセンス管理サーバーがクライアントコンピューターから所定機能に係るライセンスの譲渡要求を受けた場合に、クライアントコンピューターに対してライセンスが譲渡可能か否かを判定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−047870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のライセンスサーバー側でライセンス管理を行う技術を画像形成装置に対して適用した場合、画像形成装置は、通信ネットワークを介してライセンスサーバーに接続可能とする必要がある。よって、通信ネットワークを介してライセンスサーバーに接続できない環境では、画像形成装置は、所定機能について使用不能の状態から使用可能の状態に変更することができない。
【0006】
一方、記憶デバイス等に所定機能に係るライセンス情報を記憶させておき、画像形成装置に対して当該記憶デバイスを接続させて、当該ライセンス情報を使用して所定機能を使用可能とする方法がある。しかしながら、この方法を利用した場合、ライセンス情報が複写されたり、記憶デバイスが譲渡されたりして、所定機能の使用が許可されていないユーザーの画像形成装置についても、所定機能を使用可能とされるおそれがある。
【0007】
本発明は、画像形成装置が有する所定機能の使用可否を適切に変更することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、データを、当該データの種別にかかわらず記憶する記憶領域であって、所定機能に係るライセンス情報を記憶可能なデータ記憶領域と、デバイスの属性情報を記憶する記憶領域であって、前記ライセンス情報が使用可能であるか否かを示す使用可否情報を記憶する属性情報記憶領域と、を有する記憶デバイスと、前記所定機能を有する画像形成装置であって、前記記憶デバイスを装着する装着部と、前記所定機能が使用不能の状態で前記装着部に前記記憶デバイスが装着された場合において、前記データ記憶領域に前記ライセンス情報が記憶され、かつ、前記属性情報記憶領域に記憶されている前記使用可否情報が当該ライセンス情報の使用可能を示す情報であるとき、前記ライセンス情報に基づいて前記所定機能を使用可能とする使用許可制御部と、を有する画像形成装置と、を備える画像形成システムに関する。
【0009】
また、画像形成システムでは、前記使用許可制御部は、前記所定機能を使用可能にしたことに応じて、前記属性情報記憶領域に記憶されている前記使用可否情報を、前記ライセンス情報の使用可能を示す情報から前記ライセンス情報の使用不能を示す情報に変更させることが好ましい。
【0010】
また、画像形成システムでは、前記使用許可制御部は、前記所定機能を使用可能にしたことに応じて、前記データ記憶領域に記憶されている前記ライセンス情報を消去させることが好ましい。
【0011】
また、画像形成システムでは、前記記憶デバイスは、前記データ記憶領域に対するデータの送受信を可能とする第1端子と、前記属性情報記憶領域に対するデータの送受信を可能とする第2端子とを有し、前記装着部は、前記第1端子と接続可能な第3端子と、前記2端子と接続可能な第4端子とを有し、前記使用許可制御部は、前記第3端子を介して、前記データ記憶領域に対するデータの送受信を行うと共に、前記第4端子を介して前記属性情報記憶領域に対するデータの送受信を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成装置が有する所定機能の使用可否を適切に変更することができる画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る画像形成システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】本実施形態に係るコピー機の全体構成を説明するための図である。
【図3】本実施形態に係るコピー機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るコピー機の所定機能を使用可能にする処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成システムの一実施形態に係るコピー機について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成システム300の全体構成を説明するための図である。図2は、本実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。図3は、画像形成システム300の機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、画像形成システム300は、コピー機1と、記憶デバイス200とを備える。
まず、記憶デバイス200について説明する。図3に示すように、記憶デバイス200は、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)等のフラッシュ型メモリーカードである。記憶デバイス200は、データ記憶領域201と、属性情報記憶領域202とを備える。また、記憶デバイス200は、データ記憶領域201に対するデータの送受信を可能とする第1端子としての複数のデバイス側データバス端子211と、属性情報記憶領域202に対するデータの送受信を可能とする第2端子としてのデバイス側ライトイネーブル端子212とを備える。
【0016】
データ記憶領域201は、データを、当該データの種別にかかわらず記憶する記憶領域である。データ記憶領域201は、コピー機1が有する所定機能に係るライセンス情報を記憶可能である。
【0017】
属性情報記憶領域202は、主に記憶デバイス200に係る各種属性情報を記憶する記憶領域であり、アトリビュート領域ともいう。属性情報記憶領域202は、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が使用可能であるか否かを示す使用可否情報としての発行許可フラグを記憶する。この発行許可フラグは、オンとオフに設定可能である。記憶デバイス200は、発行許可フラグがオンである場合、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が使用可能な状態であり、オフである場合、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が使用不能な状態である。この使用可否フラグは、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が使用される前にはオンに設定されており、後述の使用許可制御部101により、オフに設定される。
なお、記憶デバイス200は、デバイス側制御部(図示せず)を備えていてもよく、この場合、コピー機1は、デバイス側制御部を介してデータ記憶領域201及び属性情報記憶領域202にアクセスすることができる。
【0018】
次に、コピー機1について説明する。図2に示すように、コピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Auto Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0019】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図2に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0020】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図2において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0021】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。
【0022】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が形成されるタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0023】
画像形成部40は、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0024】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図21に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0025】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48における対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0026】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0027】
次に、図3を参照して、コピー機1の機能構成について説明する。
コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、装着部70と、操作部80と、記憶部90と、制御部100とを備える。
【0028】
装着部70は、記憶デバイス200を装着するインターフェイスである。装着部70は、記憶デバイス200の複数のデバイス側データバス端子211のそれぞれと接続可能な複数の装置側データバス端子71と、記憶デバイス200のデバイス側ライトイネーブル端子212と接続可能な装置側ライトイネーブル端子72とを備える。
【0029】
装置側データバス端子71は、コピー機1の制御部100に接続されている。装置側データバス端子71は、装着部70に記憶デバイス200が装着されている場合に、記憶デバイス200のデータ記憶領域201に対するデータの送受信を可能とする。
装置側ライトイネーブル端子72は、コピー機1の制御部100に接続されている。装置側ライトイネーブル端子72は、装着部70に記憶デバイス200が装着されている場合に、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に対するデータの送受信を可能とする。
【0030】
操作部80は、テンキー(図示せず)、タッチパネル(図示せず)及びスタートキー(図示せず)等を備える。テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネルは、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等)や、後述の所定機能の追加機能や、後述のライセンス情報追加機能)が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネルに表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部80は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部100に供給する。
【0031】
記憶部90は、ハードディスク又は半導体メモリー等から構成される。記憶部90は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部90は、コピー機1を動作させるための制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。制御プログラムには、所定機能に係るプログラムとして、インターネットFAX機能又はメール機能に係るプログラムが含まれている。この所定機能に係るプログラムは、出荷時に使用不能の状態とされている。
また、記憶部90は、所定機能に係るプログラムの使用可否を示す使用可否フラグを記憶する。この使用可否フラグは、オンとオフに設定可能である。コピー機1は、使用可否フラグがオンの場合、所定機能に係るプログラムが使用可能な状態であり、オフの場合、所定機能に係るプログラムが使用不能な状態である。この使用可否フラグは、出荷時にはオフに設定されており、後述の使用許可制御部101により、オンに設定される。
【0032】
制御部100は、原稿搬送部10、原稿読取部2、エンジン部3及び操作部80等を制御する。
原稿載置部11に載置された原稿Gをコピーする場合を示して、制御部100の機能(動作)の一例を説明する。まず、制御部100は、操作部80を構成する上記のスタートキーが操作されたことを示す信号が供給されることにより、スタートキーが操作されたことを検知する。次に、制御部100は、原稿搬送部10の第1送りローラー12を駆動させて原稿Gを第1読取面21aに供給する。制御部100は、原稿読取部20により第1読取面21aに供給された原稿Gに基づく画像データを生成させ、その画像データを記憶部90に一時記憶する。制御部100は、記憶部90に一時記憶された画像データに基づいて用紙Tにトナー画像を形成するために、エンジン部3を構成する用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とをそれぞれ制御する。すなわち、制御部100は、第2送りローラー31又は第3送りローラー32を駆動させて、用紙Tを転写部50に搬送させる。また、制御部100は、画像データに基づいて色毎に生成された色画像データをそれぞれレーザースキャナーユニット43に供給し、レーザースキャナーユニット43から照射されるレーザー光により感光体ドラム41に静電潜像を形成させる。制御部100は、現像器44により感光体ドラム41にトナー画像を形成させ、このトナー画像を中間転写ベルト48に1次転写させる。制御部100は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を2次転写ローラー51によって用紙Tに2次転写させる。制御部100は、加熱回転体61が所定の温度に加熱されるよう制御して、その加熱回転体61により用紙Tに2次転写されたトナー画像のトナーを溶融させると共に、加熱回転体61に圧接される加圧回転体62よりトナーを用紙Tに定着させる。さらに、制御部100は、トナー画像が定着された用紙Tを用紙搬送部30により用紙排出部34から排出させる。
【0033】
また、制御部100は、使用許可制御部101と、所定機能使用制御部102とを備える。
使用許可制御部101は、所定機能が使用不能の状態で装着部70に記憶デバイス200が装着された場合において、記憶デバイス200のデータ記憶領域201にライセンス情報が記憶され、かつ、属性情報記憶領域202に記憶されている使用可否情報が当該ライセンス情報の使用可能を示す情報であるとき、ライセンス情報に基づいて所定機能を使用可能とする。
【0034】
具体的には、使用許可制御部101は、装着部70に記憶デバイス200が装着された状態で、操作部80により、ライセンス情報を登録する操作が行われた場合、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオフであるか否かを判定する。
続いて、使用許可制御部101は、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオフであると判定した場合、装置側データバス端子71とデバイス側データバス端子211を介して、記憶デバイス200のデータ記憶領域201にアクセスし、ライセンス情報が記憶されているか否かを判定する。また、使用許可制御部101は、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオンであると判定した場合、既に所定機能が使用可能であることから、所定機能が使用可能である旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
【0035】
続いて、使用許可制御部101は、装着部70に装着されている記憶デバイス200のデータ記憶領域201にライセンス情報が記憶されていると判定した場合、装置側ライトイネーブル端子72と、デバイス側ライトイネーブル端子212とを介して、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202にアクセスし、発行許可フラグがオンであるか否かを判定する。また、使用許可制御部101は、装着部70に装着されている記憶デバイス200のデータ記憶領域201にライセンス情報が記憶されていないと判定した場合、記憶デバイス200のデータ記憶領域201にライセンス情報が記憶されていない旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
【0036】
続いて、使用許可制御部101は、装着部70に装着されている記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている発行許可フラグがオンであると判定した場合、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が正しいライセンス情報であるか否かを判定する。本実施形態において、使用許可制御部101は、例えば、以下の認証方式により、ライセンス情報が正しいものであるか否かを判定する。すなわち、使用許可制御部101は、ライセンス情報に対して所定の演算を行い所定の結果が得られた場合に、ライセンス情報が正しいものであると判定する。なお、使用許可制御部101は、他の認証方式を利用してライセンス情報が正しいか否かを判定するようにしてもよい。
【0037】
続いて、使用許可制御部101は、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が正しいライセンス情報であると判定した場合、記憶部90に記憶されている使用可否フラグをオンに変更する。続いて、使用許可制御部101は、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオンに変更されたことに応じて、装置側ライトイネーブル端子72と、デバイス側ライトイネーブル端子212とを介して、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202にアクセスし、発行許可フラグをオフに変更する。また、使用許可制御部101は、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオンに変更されたことに応じて、装置側データバス端子71とデバイス側データバス端子211を介して、記憶デバイス200のデータ記憶領域201にアクセスし、ライセンス情報を消去させる。
【0038】
また、使用許可制御部101は、装着部70に装着されている記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている発行許可フラグがオンではないと判定した場合、ライセンス情報が無効である旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。ここで、発行許可フラグがオンではない場合とは、発行フラグがオフの場合及び発行フラグが記憶されていない場合をいう。また、使用許可制御部101は、装着部70に装着されている記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている発行許可フラグがオンである場合において、かつ、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が正しいライセンス情報ではないと判定した場合、ライセンス情報が不正なライセンス情報である旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
【0039】
所定機能使用制御部102は、操作部80により、所定機能を使用する操作が行われた場合、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオンであるか否かを判定する。続いて、所定機能使用制御部102は、使用可否フラグがオンであると判定した場合、記憶部90に記憶されている所定機能に係るプログラムを実行する。また、所定機能使用制御部102は、使用可否フラグがオフであると判定した場合、所定機能が使用できない旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
【0040】
続いて、本実施形態におけるコピー機1の所定機能を使用可能にする処理の流れについて説明する。図4は、本実施形態に係るコピー機1の所定機能を使用可能にする処理の流れを示すフローチャートである。なお、コピー機1の装着部70には、記憶デバイス200が装着されているものとする。
【0041】
ステップST1において、操作部80は、ライセンス情報の登録操作を受け付ける。
ステップST2において、使用許可制御部101は、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオフであるか否かを判定する。使用許可制御部101は、この判定がYESの場合、ステップST4に処理を移し、この判定がNOである場合、ステップST3に処理を移す。
【0042】
ステップST2においてNOと判定された場合、記憶部90に記憶されている使用可否フラグがオンであり、所定機能が既に使用可能であるため、使用許可制御部101は、ステップST3において、所定機能が使用可能である旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
ステップST2においてYESと判定された場合、使用許可制御部101は、ステップST4において、記憶デバイス200のデータ記憶領域201にライセンス情報が記憶されているか否かを判定する。使用許可制御部101は、この判定がYESの場合、ステップST6に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップST5に処理を移す。
【0043】
ステップST4においてNOと判定された場合、記憶デバイス200のデータ記憶領域201にライセンス情報が記憶されていないため、使用許可制御部101は、ステップST5において、ライセンス情報が記憶されていない旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
ステップST4においてYESと判定された場合、使用許可制御部101は、ステップST6において、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている発行許可フラグがオンであるか否かを判定する。使用許可制御部101は、この判定がYESの場合、ステップST8に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップST7に処理を移す。
【0044】
ステップST6においてNOと判定された場合、発行フラグがオフ又は発行フラグが記憶されていない状態であるため、使用許可制御部101は、ステップST7において、記憶デバイス200に記憶されているライセンス情報が無効である旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
ステップST6においてYESと判定された場合、使用許可制御部101は、ステップST8において、記憶デバイス200に記憶されているライセンス情報が正しいか否かを判定する。使用許可制御部101は、この判定がYESの場合、ステップST10に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップST9に処理を移す。
【0045】
ステップST8においてNOと判定された場合、ライセンス情報が不正であるため、ステップST9において、使用許可制御部101は、ライセンス情報が不正である旨を操作部80のタッチパネルに表示させる。
ステップST8においてYESと判定された場合、使用許可制御部101は、ステップST10において、記憶部90に記憶されている使用可否フラグをオフからオンに変更する。
【0046】
ステップST11において、使用許可制御部101は、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている発行許可フラグをオンからオフに変更する。また、使用許可制御部101は、記憶デバイス200のデータ記憶領域201に記憶されているライセンス情報を消去する。
【0047】
以上、本実施形態の画像形成システム300によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態の画像形成システム300は、所定機能が使用不能の状態で装着部70に記憶デバイス200が装着された場合において、当該記憶デバイス200のデータ記憶領域201にライセンス情報が記憶され、かつ、当該記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている使用可否フラグがオンであるとき、ライセンス情報に基づいて所定機能を使用可能とする。ここで、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202は、基本的に記憶デバイス200の属性情報が記憶される領域であり、PCや、従来のコピー機において参照される必要性が少なく、データ記憶領域201と比べて閲覧される可能性が極めて低く、第三者に変更される可能性も低い。よって、画像形成システム300では、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている使用可否フラグを参照しながら、データ記憶領域201に記憶されているライセンス情報が適切なものであることを判定し、コピー機1が有する所定機能の使用可否を適切に変更することができる。
【0048】
また、本実施形態の画像形成システム300では、コピー機1の使用許可制御部101により、所定機能を使用可能にしたことに応じて、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に記憶されている使用可否フラグを、オンからオフに変更させる。
また、本実施形態の画像形成システム300では、コピー機1の使用許可制御部101により、所定機能を使用可能にしたことに応じて、記憶デバイス200のデータ記憶領域201に記憶されているライセンス情報を消去させる。
このようにすることで、所定機能を使用可能することに利用したライセンス情報を再び利用することができないようにすることができる。
【0049】
また、本実施形態の画像形成システム300では、記憶デバイス200は、データ記憶領域201に対するデータの送受信を可能とするデバイス側データバス端子211と、属性情報記憶領域202に対するデータの送受信を可能とするデバイス側ライトイネーブル端子212とを有し、装着部70は、デバイス側データバス端子211と接続可能な装置側データバス端子71と、デバイス側ライトイネーブル端子212と接続可能な装置側ライトイネーブル端子72とを有する。そして、画像形成システム300では、使用許可制御部101により、装置側データバス端子71を介して、データ記憶領域201に対するデータの送受信を行うと共に、装置側ライトイネーブル端子72を介して属性情報記憶領域202に対するデータの送受信を行う。このように、画像形成システム300では、データ記憶領域201と属性情報記憶領域202とのそれぞれに対応する端子を介して、データの送受信をすることで、所定機能を使用可能にすることができる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0051】
本実施形態の画像形成システム300では、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に発行許可フラグを記憶させておき、この発行許可フラグに基づいてライセンス情報の使用可否を判定したが、これに限らない。例えば、記憶デバイス200の属性情報記憶領域202に所定数を初期値とした発行許可カウントを記憶させておき、使用許可制御部101により、発行許可カウントの値が1以上の場合に、ライセンス情報を使用可能と判定すると共に、発行許可カウントの値を1ずつ減算するようにしてもよい。また、使用許可制御部101は、発行許可カウントが1である場合にライセンス情報を使用可能と判定したとき、発行許可カウントと、ライセンス情報を削除するようにしてもよい。このようにすることで、一の記憶デバイス200を使用して、複数台のコピー機の所定機能を適切に使用可能にすることができる。
【符号の説明】
【0052】
1……コピー機(画像形成装置)、70……装着部、71……装置側データバス端子部(第3端子)、72……装置側ライトイネーブル端子部(第4端子)、90……記憶部、101……使用許可制御部、102……所定機能使用制御部、200……記憶デバイス、201……データ記憶領域、202……属性情報記憶領域、211……デバイス側データバス端子部(第1端子)、212……デバイス側ライトイネーブル端子部(第2端子)、300……画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを、当該データの種別にかかわらず記憶する記憶領域であって、所定機能に係るライセンス情報を記憶可能なデータ記憶領域と、
デバイスの属性情報を記憶する記憶領域であって、前記ライセンス情報が使用可能であるか否かを示す使用可否情報を記憶する属性情報記憶領域と、を有する記憶デバイスと、
前記所定機能を有する画像形成装置であって、
前記記憶デバイスを装着する装着部と、
前記所定機能が使用不能の状態で前記装着部に前記記憶デバイスが装着された場合において、前記データ記憶領域に前記ライセンス情報が記憶され、かつ、前記属性情報記憶領域に記憶されている前記使用可否情報が当該ライセンス情報の使用可能を示す情報であるとき、前記ライセンス情報に基づいて前記所定機能を使用可能とする使用許可制御部と、を有する画像形成装置と、を備える
画像形成システム。
【請求項2】
前記使用許可制御部は、前記所定機能を使用可能にしたことに応じて、前記属性情報記憶領域に記憶されている前記使用可否情報を、前記ライセンス情報の使用可能を示す情報から前記ライセンス情報の使用不能を示す情報に変更させる
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記使用許可制御部は、前記所定機能を使用可能にしたことに応じて、前記データ記憶領域に記憶されている前記ライセンス情報を消去させる
請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記記憶デバイスは、前記データ記憶領域に対するデータの送受信を可能とする第1端子と、前記属性情報記憶領域に対するデータの送受信を可能とする第2端子とを有し、
前記装着部は、前記第1端子と接続可能な第3端子と、前記2端子と接続可能な第4端子とを有し、
前記使用許可制御部は、前記第3端子を介して、前記データ記憶領域に対するデータの送受信を行うと共に、前記第4端子を介して前記属性情報記憶領域に対するデータの送受信を行う
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−50842(P2013−50842A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188271(P2011−188271)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】