画像形成ユニット及び画像形成装置
【課題】現像剤搬送ベルトの走行に伴って異音が発生することがないようにする。
【解決手段】像担持体と、像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、搬入部及び搬出部が設定され、像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、除去された現像剤を搬入部に向けて搬送する搬送手段と、現像剤を搬入部から搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有する。現像剤搬送ベルトを案内する溝52の側壁82及び現像剤搬送ベルトのうちの一方に、溝52の側壁82と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、溝52の側壁82と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成される。溝52の側壁82と現像剤搬送ベルトとの接触面積を小さくすることができる。
【解決手段】像担持体と、像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、搬入部及び搬出部が設定され、像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、除去された現像剤を搬入部に向けて搬送する搬送手段と、現像剤を搬入部から搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有する。現像剤搬送ベルトを案内する溝52の側壁82及び現像剤搬送ベルトのうちの一方に、溝52の側壁82と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、溝52の側壁82と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成される。溝52の側壁82と現像剤搬送ベルトとの接触面積を小さくすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタには、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジが配設され、各プロセスカートリッジと対向させて、LEDヘッド、転写ローラ等が配設される。前記各プロセスカートリッジは、感光体ドラム、帯電ローラ、現像器、クリーニングブレード等を備え、前記現像器は、現像ローラ、トナー供給ローラ、現像ブレード等を備える。また、各プロセスカートリッジは、プロセスカートリッジの本体、すなわち、プロセスカートリッジ本体、及び該プロセスカートリッジ本体に対して着脱自在に配設されたトナーカートリッジを備える。
【0003】
そして、感光体ドラムの表面を、帯電ローラによって帯電させ、LEDヘッドによって露光して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像ローラ上で薄層化されたトナーを静電的に付着させることによって、感光体ドラムの表面にトナー像が形成される。続いて、該トナー像を各転写ローラによって用紙に順次重ねて転写すると、カラーのトナー像が形成され、定着器においてカラーのトナー像を用紙に定着させることによって、カラーの画像が形成される。
【0004】
また、転写後に前記感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニングブレードによって掻き取られて除去され、廃トナーとして、前記トナーカートリッジ内に形成されたトナー廃棄室に回収される。
【0005】
そのために、前記各プロセスカートリッジの側壁を構成するサイドフレームにループ状の溝が形成され、該溝内に、外周面に複数の凸状の歯が形成された現像剤搬送ベルトとしてのトナー搬送ベルトが配設される。そして、該トナー搬送ベルトを走行させることによって、クリーニングブレードから送られてきた廃トナーがトナー廃棄室に送られるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−73078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のプロセスカートリッジにおいては、画像形成の高速化に伴い、トナー搬送ベルトの走行速度が高くなると、トナー搬送ベルトの歯と前記溝の側壁との間の摩擦によって、トナー搬送ベルトが振動して異音が発生してしまう。また、廃トナーが溶けてトナー搬送ベルトの歯の先端に固着すると、トナー搬送ベルトを走行させる際にドラムモータに加わる負荷が大きくなってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のプロセスカートリッジの問題点を解決して、現像剤搬送ベルトの走行によって異音が発生することがない画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、回転自在に支持された像担持体と、転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有する。
【0010】
そして、前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成される。
【0011】
また、該溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成ユニットにおいては、回転自在に支持された像担持体と、転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有する。
【0013】
そして、前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成される。
【0014】
また、該溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成される。
【0015】
この場合、前記溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成されるので、溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの接触面積を小さくすることができる。
【0016】
したがって、溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に摩擦が発生するのを抑制することができるので、現像剤搬送ベルトが振動するのを防止することができ、高周波による異音が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図である。
【図9】図8のX−X断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における溝とトナー搬送ベルトとの関係を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第1の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第2の図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図である。
【図17】図14のY−Y断面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における溝の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像を形成することによって印刷を行う画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0019】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0020】
図において、10はプリンタの本体、すなわち、装置本体であり、該装置本体10内には、媒体としての図示されない用紙を搬送するための搬送路25が形成され、該搬送路25に搬送ローラ26〜29が配設される。また、前記搬送路25に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成するための画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジBk、Y、M、Cが配設される。該各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cより下方には、用紙を搬送するとともに、前記各色のトナー像を用紙に転写するための転写ユニット34が配設され、各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cと転写ユニット34との間に前記搬送路25が形成される。
【0021】
前記装置本体10には、像担持体としての感光体ドラム11と対向させて露光装置としての、かつ、記録ヘッドとしてのLEDヘッド23が配設される。そして、用紙の搬送方向における前記転写ユニット34の下流側には、転写されたトナー像を用紙に定着させるための定着装置としての定着器35が配設される。
【0022】
前記各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cにおいて、前記感光体ドラム11は、駆動部としての図示されないドラムモータを駆動することによって所定の回転速度で回転させられ、表面に電荷を蓄えることができ、前記LEDヘッド23による露光によって表面の電荷が除去されると、感光体ドラム11上に潜像としての静電潜像が形成される。そして、前記感光体ドラム11に、帯電装置としての帯電ローラ12が一定の圧力で接触させられ、該帯電ローラ12は、感光体ドラム11と反対方向に回転させられ、感光体ドラム11の表面に所定の電圧を印加する。
【0023】
また、45は、前記感光体ドラム11に隣接させて配設され、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置としての現像器であり、該現像器45は、感光体ドラム11に現像剤としてのトナーを付着させる現像剤担持体としての現像ローラ16、該現像ローラ16上のトナーの厚さを規制する現像剤層規制部材としての図示されない現像ブレード、前記現像ローラ16にトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18等を備える。前記現像ローラ16は、感光体ドラム11に一定の圧力で接触させられ、感光体ドラム11と反対方向に回転させられ、トナー供給ローラ18は、現像ローラ16に一定の圧力で接触させられ、現像ローラ16と同じ方向に回転させられる。
【0024】
そして、42はクリーニング部材としてのクリーニングブレードであり、該クリーニングブレード42は、感光体ドラム11に沿って、かつ、先端を感光体ドラム11に当接させて配設される。
【0025】
前記感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像器45等は、前記プロセスカートリッジの本体、すなわち、プロセスカートリッジ本体を構成する筐体20内に収容され、該筐体20の上方には、トナーを収容する現像剤収容部としての、かつ、現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ15が筐体20に対して着脱自在に配設される。
【0026】
前記転写ユニット34は、走行自在に配設された転写ベルト21、及び各感光体ドラム11と対向させて配設された転写部材としての転写ローラ22を備える。前記転写ベルト21及び転写ローラ22は、図示されない電圧印加部によって所定の電圧が印加され、感光体ドラム11上の各トナー像を用紙に転写する。
【0027】
また、38はロワフレーム、40は、該ロワフレーム38に対して揺動自在に配設され、装置本体外に排出された用紙を積載するためのスタッカ31を備えたアッパフレームである。そして、前記転写ユニット34より下方における、搬送路25の端部に、用紙を収容する媒体収容部としての給紙カセット30が配設され、該給紙カセット30に、用紙を繰り出す繰出部32が配設される。
【0028】
次に、前記構成のプリンタの動作について説明する。
【0029】
まず、プリンタの図示されない電源が投入されると、プリンタの図示されない制御部は、所定の初期動作を行い、プリンタを待機状態に置く。そして、上位装置としての図示されないホストコンピュータからプリンタに印刷命令が送られると、繰出部32によって給紙カセット30から用紙が一枚ずつ繰り出され、繰り出された用紙は、搬送ローラ26、27によって搬送され、転写ベルト21の走行に伴って、プロセスカートリッジBk、Y、M、Cと転写ユニット34との間に送られる。
【0030】
前記各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cにおいて、帯電ローラ12は感光体ドラム11の表面を一様に帯電させ、LEDヘッド23は感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する。続いて、現像器45は、静電潜像を現像して各色のトナー像を形成する。
【0031】
一方、搬送ローラ26、27によって搬送された用紙は、静電気によって転写ベルト21に付着させられ、該転写ベルト21の走行に伴って、各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cと転写ユニット34との間を搬送され、その間に、各色のトナー像が重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。その後、用紙は定着器35に送られ、該定着器35においてカラーのトナー像が用紙に定着させられ、カラーの画像が形成される。続いて、用紙は、搬送ローラ28、29によって更に搬送され、スタッカ31に排出される。
【0032】
ところで、前記プロセスカートリッジBk、Y、M、Cにおいて、転写後に前記感光体ドラム11上に残留したトナーは、クリーニングブレード42によって掻き取られて除去され、廃現像剤としての廃トナーとして、前記トナーカートリッジ15内に形成された現像剤廃棄室としての図示されないトナー廃棄室に排出される。
【0033】
次に、プロセスカートリッジBkにおいて、クリーニングブレード42によって除去された廃トナーをトナー廃棄室に排出するためのトナー回収装置について説明する。
【0034】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの断面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの斜視図である。
【0035】
図において、Bkはプロセスカートリッジ、11は感光体ドラム、12は帯電ローラ、16は現像ローラ、17は現像ブレード、18はトナー供給ローラ、19、39はプロセスカートリッジBkの両端において、二つの側壁を構成するサイドフレーム、50は該各サイドフレーム19、39間に延在させて配設されたクリーニング装置である。
【0036】
該クリーニング装置50は、感光体ドラム11に沿って配設され、感光体ドラム11と対向する側が開放されたケース50a、該ケース50aに取り付けられた前記クリーニングブレード42、ケース50a内に形成された廃現像剤収容部としての廃トナー収容部51に延在させて、かつ、回転自在に配設された搬送手段としての、かつ、搬送部材としての回収スパイラル54等を備える。該回収スパイラル54は前記ドラムモータと連結され、ドラムモータを駆動することによって回転させられる。本実施の形態においては、駆動部としてドラムモータが使用されるようになっているが、ドラムモータに代えて他のモータを使用することができる。
【0037】
そして、クリーニングブレード42によって感光体ドラム11の表面から掻き取られて除去された廃トナーは、ケース50a内を落下して廃トナー収容部51に収容され、回収スパイラル54の回転に伴って、廃トナー収容部51内をサイドフレーム19に向けて移動させられる。
【0038】
該サイドフレーム19にはループ状の溝52が形成され、該溝52は、サイドフレーム19の下端の近傍に形成された「U」字状部分52a、サイドフレーム19の上端の近傍に形成された「U」字状部分52b、及び「U」字状部分52a、52b間を連結する2本の接続部分52c、52dを備える。なお、前記サイドフレーム19によって現像剤搬送部が構成される。
【0039】
前記溝52内には、周長が溝52の内周長よりわずかに長く設定されたエンドレスの現像剤搬送ベルトとしてのトナー搬送ベルト53が配設される。そして、前記ドラムモータを駆動し、ベルト駆動要素としてのベルト駆動ギヤ65を矢印A方向に回転させると、前記トナー搬送ベルト53が溝52に沿って矢印B方向に走行させられる。このとき、溝52によってトナー搬送ベルト53が案内される。また、前記「U」字状部分52bには、トナー搬送ベルト53を円滑に走行させることができるようにプーリ62が配設される。
【0040】
なお、前記ベルト駆動ギヤ65は、図示されないアイドルギヤ、及び前記感光体ドラム11に配設された図示されない駆動ギヤを介して前記ドラムモータと連結される。
【0041】
また、前記溝52は、サイドフレーム19の下端に設定された搬入部P1において、廃トナー収容部51と連通させられ、前記トナー搬送ベルト53が廃トナー収容部51に臨ませて配設される。そして、前記トナー搬送ベルト53は、本体部53a、及び該本体部53aの外周面から突出させて形成された複数の凸状の歯56を備える。したがって、トナー搬送ベルト53を走行させることによって、廃トナー収容部51内の廃トナーが取り込まれ、矢印B方向に搬送される。
【0042】
さらに、前記溝52は、サイドフレーム19の上端に設定された搬出部P2において、現像剤回収部としてのトナー回収部63と連通させられ、前記トナー搬送ベルト53がトナー回収部63に臨ませて配設される。そして、矢印B方向に搬送された廃トナーは、トナー回収部63に落下し、回収される。
【0043】
該トナー回収部63は、前記トナー廃棄室と連通させられ、回収された廃トナーをトナー廃棄室に排出する。そのために、前記ベルト駆動ギヤ65とアイドルギヤ64とが噛合させられ、該アイドルギヤ64と搬送要素としての搬送ギヤ60とが噛合させられ、該搬送ギヤ60に排出要素としての螺旋形シャフト61が取り付けられる。該螺旋形シャフト61はトナー廃棄室内に向けて突出させて配設され、螺旋形シャフト61を回転させることによって、廃トナーを軸方向に移動させる。
【0044】
したがって、ベルト駆動ギヤ65の回転を螺旋形シャフト61に伝達し、螺旋形シャフト61を回転させると、トナー回収部63に回収された廃トナーがトナー廃棄室に排出される。
【0045】
なお、前記トナー搬送ベルト53において、各歯56は、図5及び6に示されるように、走行方向における斜め前方に傾けて形成され、逆インボリュート形状を有する前方の面56a、及びインボリュート形状を有する後方の面56bを備える。したがって、前記面56aによって廃トナーを収容する凹部57が形成されるので、前記搬入部P1において、廃トナーを掬うことができる。その結果、トナー搬送ベルト53によって、多くの廃トナーを取り込み、搬送することができる。
【0046】
また、前記面56bはインボリュート形状を有するので、前記ベルト駆動ギヤ65の歯と歯56とを良好に噛合させることができる。したがって、前記ベルト駆動ギヤ65を回転させ、トナー搬送ベルト53を走行させる際のドラムモータに加わる負荷を小さくすることができる。しかも、前記ベルト駆動ギヤ65の歯と歯56との噛合に伴って発生する異音を小さくすることができる。
【0047】
ところで、前記サイドフレーム19においては、感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18、プーリ62等の各ローラ類のシャフトが回転自在に支持されるとともに、ベルト駆動ギヤ65、アイドルギヤ64、搬送ギヤ60等の各ギヤのシャフトが回転自在に支持される。
【0048】
そこで、本実施の形態においては、前記各シャフトを避けるように前記溝52が形成される。すなわち、前記「U」字状部分52aは感光体ドラム11のシャフトを包囲し、かつ、帯電ローラ12のシャフトを避けるように形成され、「U」字状部分52bはプーリ62のシャフトを包囲して形成され、2本の接続部分52c、52dは、現像ローラ16のシャフトを包囲して、かつ、トナー供給ローラ18、ベルト駆動ギヤ65、アイドルギヤ64及び搬送ギヤ60のシャフトを避けるように形成される。
【0049】
また、前記接続部分52c、52dにおける現像ローラ16のシャフトを包囲する部分は、斜めに延在させて形成されるのに対して、接続部分52c、52dにおけるトナー供給ローラ18、ベルト駆動ギヤ65、アイドルギヤ64及び搬送ギヤ60のシャフトを避ける部分は、垂直方向に延在させて形成される。
【0050】
ところで、前述されたように、前記溝52は、前記各シャフトを避けるように形成されるので、複雑な形状を有し、溝52における複数の箇所に湾曲部分が形成される。そして、該湾曲部分においては、トナー搬送ベルト53が強制的に変形させられるので、トナー搬送ベルト53を走行させるのに伴って、トナー搬送ベルト53と溝52の側壁との間に摩擦が発生するが、特に、トナー搬送ベルト53の歯56と溝52の側壁との間に発生する摩擦によってトナー搬送ベルト53が振動すると、高周波による異音が発生してしまう。また、前記摩擦によって廃トナーが溶けて歯56の先端に固着すると、トナー搬送ベルト53を走行させる際にドラムモータに加わる負荷が一層大きくなってしまう。
【0051】
そこで、本実施の形態においては、前記トナー搬送ベルト53の歯56と溝52の側壁との間に摩擦が発生するのを抑制するようにしている。
【0052】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図、図9は図8のX−X断面図、図10は本発明の第1の実施の形態における溝とトナー搬送ベルトとの関係を示す図である。
【0053】
図において、19はサイドフレーム、52は溝であり、該溝52は、底壁81、該底壁81から垂直に立ち上げて形成された外周側の側壁82、及び前記底壁81から垂直に立ち上げて、かつ、前記側壁82と対向させて形成された内周側の側壁83を備える。
【0054】
ところで、前記溝52における湾曲部分のうちの、側壁82が側壁83側に向けて突出する湾曲部分AR1においては、トナー搬送ベルト53が矢印B方向に走行させられると、トナー搬送ベルト53に張力が発生し、トナー搬送ベルト53は矢印C方向に向けて移動し、側壁82に寄ろうとする。
【0055】
そこで、本実施の形態においては、側壁82における湾曲部分AR1に、溝52の深さ方向に、溝幅を変化させることによって、所定の距離にわたって接触部としての段差部85が形成され、底壁81に近い側の部位91における溝幅より、底壁81から離れる側の部位92における溝幅が段差量Tだけ大きくされる。
【0056】
該段差量Tは、湾曲部分AR1の開始位置R1及び終了位置R2において0〔mm〕にされ、開始位置R1及び終了位置R2から湾曲部分AR1の中央部R3に向けて離れるほど大きくされ、中央部R3において最大の0.5〔mm〕にされる。また、段差部85におけるエッジ部86にはアールによって面取りが施される。該面取りの量は、前記段差量Tと同様に、湾曲部分AR1の開始位置R1及び終了位置R2において0〔mm〕にされ、開始位置R1及び終了位置R2から湾曲部分AR1の中央部R3に向けて離れるほど大きくされる。
【0057】
前記トナー搬送ベルト53が走行させられると、トナー搬送ベルト53は側壁82に寄ろうとするが、側壁82における湾曲部分AR1に段差部85が形成されるので、図10に示されるように傾く。このとき、歯56の先端は、段差部85と対向する部分q1、及び歯56の幅方向における一端q2(底壁81から離れる側の端部)の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0058】
したがって、歯56と側壁82との間に摩擦が発生するのを抑制することができるので、トナー搬送ベルト53が振動するのを防止することができ、高周波による異音が発生するのを防止することができる。
【0059】
また、廃トナーが溶けて歯56の先端に固着するのを防止することができるので、トナー搬送ベルト53を走行させる際にドラムモータに加わる負荷が大きくなるのを防止することができる。したがって、印刷むらが発生するのを防止することができる。
【0060】
次に、前記溝52の変形例について説明する。
【0061】
図11は本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第1の図である。
【0062】
図において、52は溝、53はトナー搬送ベルト、56は歯である。
【0063】
この場合、側壁82における湾曲部分AR1に接触部としての段差部88が形成され、底壁81から離れる側の部位92における溝幅より、底壁81に近い側の部位91における溝幅が大きくされる。
【0064】
前記トナー搬送ベルト53が走行させられると、トナー搬送ベルト53は側壁82に寄ろうとするが、側壁82における湾曲部分AR1に段差部88が形成されるので、図に示されるように傾く。このとき、歯56の先端は、段差部88と対向する部分q11、及び歯56の幅方向における他端q12(底壁81側の端部)の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0065】
図12は本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第2の図である。
【0066】
この場合、側壁82における湾曲部分AR1に、溝52の深さ方向における2箇所に、接触部としての、かつ、段差部としての突起93、94が形成され、該突起93、94が形成されない部位の溝幅が、突起93、94が形成される部位の溝幅より大きくされる。
【0067】
歯56の先端は、突起93、94と対向する部分q21、q22の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0069】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図、図14は本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図、図17は図14のY−Y断面図である。
【0070】
この場合、図15及び16に示されるように、歯56の先端の幅方向における一端q31(底壁81から離れる側の端部)に、歯56の高さを変化させることによって、直径が前記歯56の先端の厚さ、すなわち、歯厚Sと同じ値を有する接触部としての、かつ、段差部としての半球形の突起部59が突出させて形成される。現像剤搬送ベルトとしてのトナー搬送ベルト53は、前記第1の実施の形態と同様に、ベルト駆動要素としてのベルト駆動ギヤ65を回転させることによって走行させられるが、前記突起部59は、歯56の幅方向において、トナー搬送ベルト53とベルト駆動ギヤ65とが噛合する位置と異なる位置に形成されるので、突起部59とベルト駆動ギヤ65とは干渉しない。
【0071】
そして、前記トナー搬送ベルト53が矢印B方向に走行させられると、トナー搬送ベルト53に張力が発生し、トナー搬送ベルト53は矢印C方向に向けて移動し、側壁82に寄ろうとするが、歯56に突起部59が形成されるので、図17に示されるように傾く。このとき、歯56の先端は、一端q31及び他端q32(底壁81側の端部)の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0072】
この場合、溝52に段差部を形成する必要がないので、サイドフレーム19のコストを低くすることができる。
【0073】
次に、前記溝52の変形例について説明する。
【0074】
図18は本発明の第2の実施の形態における溝の変形例を示す図である。
【0075】
この場合、図に示されるように、歯56の先端の幅方向における一端q31(底壁81から離れる側の端部)、及び他端q32(底壁81側の端部)に、直径が前記歯56の先端の歯厚Sと同じ値を有する接触部としての、かつ、段差部としての半球形の突起部59a、59bが突出させて形成される。
【0076】
そして、前記トナー搬送ベルト53が走行させられると、トナー搬送ベルト53に張力が発生し、トナー搬送ベルト53は側壁82に寄ろうとするが、歯56に突起部59a、59bが形成されるので、図に示されるように、歯56の先端は、一端q31及び他端q32の2箇所で側壁82と接触する。したがって、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0077】
前記各実施の形態においては、カラーのプリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に適用することができる。
【0078】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0079】
11 感光体ドラム
19 サイドフレーム
42 クリーニングブレード
52 溝
53 トナー搬送ベルト
54 回収スパイラル
59、59a、59b 突起部
85、88 段差部
93、94 突起
Bk、Y、M、C プロセスカートリッジ
P1 搬入部
P2 搬出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタには、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジが配設され、各プロセスカートリッジと対向させて、LEDヘッド、転写ローラ等が配設される。前記各プロセスカートリッジは、感光体ドラム、帯電ローラ、現像器、クリーニングブレード等を備え、前記現像器は、現像ローラ、トナー供給ローラ、現像ブレード等を備える。また、各プロセスカートリッジは、プロセスカートリッジの本体、すなわち、プロセスカートリッジ本体、及び該プロセスカートリッジ本体に対して着脱自在に配設されたトナーカートリッジを備える。
【0003】
そして、感光体ドラムの表面を、帯電ローラによって帯電させ、LEDヘッドによって露光して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像ローラ上で薄層化されたトナーを静電的に付着させることによって、感光体ドラムの表面にトナー像が形成される。続いて、該トナー像を各転写ローラによって用紙に順次重ねて転写すると、カラーのトナー像が形成され、定着器においてカラーのトナー像を用紙に定着させることによって、カラーの画像が形成される。
【0004】
また、転写後に前記感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニングブレードによって掻き取られて除去され、廃トナーとして、前記トナーカートリッジ内に形成されたトナー廃棄室に回収される。
【0005】
そのために、前記各プロセスカートリッジの側壁を構成するサイドフレームにループ状の溝が形成され、該溝内に、外周面に複数の凸状の歯が形成された現像剤搬送ベルトとしてのトナー搬送ベルトが配設される。そして、該トナー搬送ベルトを走行させることによって、クリーニングブレードから送られてきた廃トナーがトナー廃棄室に送られるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−73078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のプロセスカートリッジにおいては、画像形成の高速化に伴い、トナー搬送ベルトの走行速度が高くなると、トナー搬送ベルトの歯と前記溝の側壁との間の摩擦によって、トナー搬送ベルトが振動して異音が発生してしまう。また、廃トナーが溶けてトナー搬送ベルトの歯の先端に固着すると、トナー搬送ベルトを走行させる際にドラムモータに加わる負荷が大きくなってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のプロセスカートリッジの問題点を解決して、現像剤搬送ベルトの走行によって異音が発生することがない画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、回転自在に支持された像担持体と、転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有する。
【0010】
そして、前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成される。
【0011】
また、該溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成ユニットにおいては、回転自在に支持された像担持体と、転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有する。
【0013】
そして、前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成される。
【0014】
また、該溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成される。
【0015】
この場合、前記溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成されるので、溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの接触面積を小さくすることができる。
【0016】
したがって、溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に摩擦が発生するのを抑制することができるので、現像剤搬送ベルトが振動するのを防止することができ、高周波による異音が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図である。
【図9】図8のX−X断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における溝とトナー搬送ベルトとの関係を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第1の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第2の図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図である。
【図17】図14のY−Y断面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における溝の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像を形成することによって印刷を行う画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0019】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0020】
図において、10はプリンタの本体、すなわち、装置本体であり、該装置本体10内には、媒体としての図示されない用紙を搬送するための搬送路25が形成され、該搬送路25に搬送ローラ26〜29が配設される。また、前記搬送路25に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成するための画像形成ユニットとしてのプロセスカートリッジBk、Y、M、Cが配設される。該各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cより下方には、用紙を搬送するとともに、前記各色のトナー像を用紙に転写するための転写ユニット34が配設され、各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cと転写ユニット34との間に前記搬送路25が形成される。
【0021】
前記装置本体10には、像担持体としての感光体ドラム11と対向させて露光装置としての、かつ、記録ヘッドとしてのLEDヘッド23が配設される。そして、用紙の搬送方向における前記転写ユニット34の下流側には、転写されたトナー像を用紙に定着させるための定着装置としての定着器35が配設される。
【0022】
前記各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cにおいて、前記感光体ドラム11は、駆動部としての図示されないドラムモータを駆動することによって所定の回転速度で回転させられ、表面に電荷を蓄えることができ、前記LEDヘッド23による露光によって表面の電荷が除去されると、感光体ドラム11上に潜像としての静電潜像が形成される。そして、前記感光体ドラム11に、帯電装置としての帯電ローラ12が一定の圧力で接触させられ、該帯電ローラ12は、感光体ドラム11と反対方向に回転させられ、感光体ドラム11の表面に所定の電圧を印加する。
【0023】
また、45は、前記感光体ドラム11に隣接させて配設され、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置としての現像器であり、該現像器45は、感光体ドラム11に現像剤としてのトナーを付着させる現像剤担持体としての現像ローラ16、該現像ローラ16上のトナーの厚さを規制する現像剤層規制部材としての図示されない現像ブレード、前記現像ローラ16にトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18等を備える。前記現像ローラ16は、感光体ドラム11に一定の圧力で接触させられ、感光体ドラム11と反対方向に回転させられ、トナー供給ローラ18は、現像ローラ16に一定の圧力で接触させられ、現像ローラ16と同じ方向に回転させられる。
【0024】
そして、42はクリーニング部材としてのクリーニングブレードであり、該クリーニングブレード42は、感光体ドラム11に沿って、かつ、先端を感光体ドラム11に当接させて配設される。
【0025】
前記感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像器45等は、前記プロセスカートリッジの本体、すなわち、プロセスカートリッジ本体を構成する筐体20内に収容され、該筐体20の上方には、トナーを収容する現像剤収容部としての、かつ、現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ15が筐体20に対して着脱自在に配設される。
【0026】
前記転写ユニット34は、走行自在に配設された転写ベルト21、及び各感光体ドラム11と対向させて配設された転写部材としての転写ローラ22を備える。前記転写ベルト21及び転写ローラ22は、図示されない電圧印加部によって所定の電圧が印加され、感光体ドラム11上の各トナー像を用紙に転写する。
【0027】
また、38はロワフレーム、40は、該ロワフレーム38に対して揺動自在に配設され、装置本体外に排出された用紙を積載するためのスタッカ31を備えたアッパフレームである。そして、前記転写ユニット34より下方における、搬送路25の端部に、用紙を収容する媒体収容部としての給紙カセット30が配設され、該給紙カセット30に、用紙を繰り出す繰出部32が配設される。
【0028】
次に、前記構成のプリンタの動作について説明する。
【0029】
まず、プリンタの図示されない電源が投入されると、プリンタの図示されない制御部は、所定の初期動作を行い、プリンタを待機状態に置く。そして、上位装置としての図示されないホストコンピュータからプリンタに印刷命令が送られると、繰出部32によって給紙カセット30から用紙が一枚ずつ繰り出され、繰り出された用紙は、搬送ローラ26、27によって搬送され、転写ベルト21の走行に伴って、プロセスカートリッジBk、Y、M、Cと転写ユニット34との間に送られる。
【0030】
前記各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cにおいて、帯電ローラ12は感光体ドラム11の表面を一様に帯電させ、LEDヘッド23は感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する。続いて、現像器45は、静電潜像を現像して各色のトナー像を形成する。
【0031】
一方、搬送ローラ26、27によって搬送された用紙は、静電気によって転写ベルト21に付着させられ、該転写ベルト21の走行に伴って、各プロセスカートリッジBk、Y、M、Cと転写ユニット34との間を搬送され、その間に、各色のトナー像が重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。その後、用紙は定着器35に送られ、該定着器35においてカラーのトナー像が用紙に定着させられ、カラーの画像が形成される。続いて、用紙は、搬送ローラ28、29によって更に搬送され、スタッカ31に排出される。
【0032】
ところで、前記プロセスカートリッジBk、Y、M、Cにおいて、転写後に前記感光体ドラム11上に残留したトナーは、クリーニングブレード42によって掻き取られて除去され、廃現像剤としての廃トナーとして、前記トナーカートリッジ15内に形成された現像剤廃棄室としての図示されないトナー廃棄室に排出される。
【0033】
次に、プロセスカートリッジBkにおいて、クリーニングブレード42によって除去された廃トナーをトナー廃棄室に排出するためのトナー回収装置について説明する。
【0034】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの断面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるプロセスカートリッジの斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの斜視図である。
【0035】
図において、Bkはプロセスカートリッジ、11は感光体ドラム、12は帯電ローラ、16は現像ローラ、17は現像ブレード、18はトナー供給ローラ、19、39はプロセスカートリッジBkの両端において、二つの側壁を構成するサイドフレーム、50は該各サイドフレーム19、39間に延在させて配設されたクリーニング装置である。
【0036】
該クリーニング装置50は、感光体ドラム11に沿って配設され、感光体ドラム11と対向する側が開放されたケース50a、該ケース50aに取り付けられた前記クリーニングブレード42、ケース50a内に形成された廃現像剤収容部としての廃トナー収容部51に延在させて、かつ、回転自在に配設された搬送手段としての、かつ、搬送部材としての回収スパイラル54等を備える。該回収スパイラル54は前記ドラムモータと連結され、ドラムモータを駆動することによって回転させられる。本実施の形態においては、駆動部としてドラムモータが使用されるようになっているが、ドラムモータに代えて他のモータを使用することができる。
【0037】
そして、クリーニングブレード42によって感光体ドラム11の表面から掻き取られて除去された廃トナーは、ケース50a内を落下して廃トナー収容部51に収容され、回収スパイラル54の回転に伴って、廃トナー収容部51内をサイドフレーム19に向けて移動させられる。
【0038】
該サイドフレーム19にはループ状の溝52が形成され、該溝52は、サイドフレーム19の下端の近傍に形成された「U」字状部分52a、サイドフレーム19の上端の近傍に形成された「U」字状部分52b、及び「U」字状部分52a、52b間を連結する2本の接続部分52c、52dを備える。なお、前記サイドフレーム19によって現像剤搬送部が構成される。
【0039】
前記溝52内には、周長が溝52の内周長よりわずかに長く設定されたエンドレスの現像剤搬送ベルトとしてのトナー搬送ベルト53が配設される。そして、前記ドラムモータを駆動し、ベルト駆動要素としてのベルト駆動ギヤ65を矢印A方向に回転させると、前記トナー搬送ベルト53が溝52に沿って矢印B方向に走行させられる。このとき、溝52によってトナー搬送ベルト53が案内される。また、前記「U」字状部分52bには、トナー搬送ベルト53を円滑に走行させることができるようにプーリ62が配設される。
【0040】
なお、前記ベルト駆動ギヤ65は、図示されないアイドルギヤ、及び前記感光体ドラム11に配設された図示されない駆動ギヤを介して前記ドラムモータと連結される。
【0041】
また、前記溝52は、サイドフレーム19の下端に設定された搬入部P1において、廃トナー収容部51と連通させられ、前記トナー搬送ベルト53が廃トナー収容部51に臨ませて配設される。そして、前記トナー搬送ベルト53は、本体部53a、及び該本体部53aの外周面から突出させて形成された複数の凸状の歯56を備える。したがって、トナー搬送ベルト53を走行させることによって、廃トナー収容部51内の廃トナーが取り込まれ、矢印B方向に搬送される。
【0042】
さらに、前記溝52は、サイドフレーム19の上端に設定された搬出部P2において、現像剤回収部としてのトナー回収部63と連通させられ、前記トナー搬送ベルト53がトナー回収部63に臨ませて配設される。そして、矢印B方向に搬送された廃トナーは、トナー回収部63に落下し、回収される。
【0043】
該トナー回収部63は、前記トナー廃棄室と連通させられ、回収された廃トナーをトナー廃棄室に排出する。そのために、前記ベルト駆動ギヤ65とアイドルギヤ64とが噛合させられ、該アイドルギヤ64と搬送要素としての搬送ギヤ60とが噛合させられ、該搬送ギヤ60に排出要素としての螺旋形シャフト61が取り付けられる。該螺旋形シャフト61はトナー廃棄室内に向けて突出させて配設され、螺旋形シャフト61を回転させることによって、廃トナーを軸方向に移動させる。
【0044】
したがって、ベルト駆動ギヤ65の回転を螺旋形シャフト61に伝達し、螺旋形シャフト61を回転させると、トナー回収部63に回収された廃トナーがトナー廃棄室に排出される。
【0045】
なお、前記トナー搬送ベルト53において、各歯56は、図5及び6に示されるように、走行方向における斜め前方に傾けて形成され、逆インボリュート形状を有する前方の面56a、及びインボリュート形状を有する後方の面56bを備える。したがって、前記面56aによって廃トナーを収容する凹部57が形成されるので、前記搬入部P1において、廃トナーを掬うことができる。その結果、トナー搬送ベルト53によって、多くの廃トナーを取り込み、搬送することができる。
【0046】
また、前記面56bはインボリュート形状を有するので、前記ベルト駆動ギヤ65の歯と歯56とを良好に噛合させることができる。したがって、前記ベルト駆動ギヤ65を回転させ、トナー搬送ベルト53を走行させる際のドラムモータに加わる負荷を小さくすることができる。しかも、前記ベルト駆動ギヤ65の歯と歯56との噛合に伴って発生する異音を小さくすることができる。
【0047】
ところで、前記サイドフレーム19においては、感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像ローラ16、トナー供給ローラ18、プーリ62等の各ローラ類のシャフトが回転自在に支持されるとともに、ベルト駆動ギヤ65、アイドルギヤ64、搬送ギヤ60等の各ギヤのシャフトが回転自在に支持される。
【0048】
そこで、本実施の形態においては、前記各シャフトを避けるように前記溝52が形成される。すなわち、前記「U」字状部分52aは感光体ドラム11のシャフトを包囲し、かつ、帯電ローラ12のシャフトを避けるように形成され、「U」字状部分52bはプーリ62のシャフトを包囲して形成され、2本の接続部分52c、52dは、現像ローラ16のシャフトを包囲して、かつ、トナー供給ローラ18、ベルト駆動ギヤ65、アイドルギヤ64及び搬送ギヤ60のシャフトを避けるように形成される。
【0049】
また、前記接続部分52c、52dにおける現像ローラ16のシャフトを包囲する部分は、斜めに延在させて形成されるのに対して、接続部分52c、52dにおけるトナー供給ローラ18、ベルト駆動ギヤ65、アイドルギヤ64及び搬送ギヤ60のシャフトを避ける部分は、垂直方向に延在させて形成される。
【0050】
ところで、前述されたように、前記溝52は、前記各シャフトを避けるように形成されるので、複雑な形状を有し、溝52における複数の箇所に湾曲部分が形成される。そして、該湾曲部分においては、トナー搬送ベルト53が強制的に変形させられるので、トナー搬送ベルト53を走行させるのに伴って、トナー搬送ベルト53と溝52の側壁との間に摩擦が発生するが、特に、トナー搬送ベルト53の歯56と溝52の側壁との間に発生する摩擦によってトナー搬送ベルト53が振動すると、高周波による異音が発生してしまう。また、前記摩擦によって廃トナーが溶けて歯56の先端に固着すると、トナー搬送ベルト53を走行させる際にドラムモータに加わる負荷が一層大きくなってしまう。
【0051】
そこで、本実施の形態においては、前記トナー搬送ベルト53の歯56と溝52の側壁との間に摩擦が発生するのを抑制するようにしている。
【0052】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図、図9は図8のX−X断面図、図10は本発明の第1の実施の形態における溝とトナー搬送ベルトとの関係を示す図である。
【0053】
図において、19はサイドフレーム、52は溝であり、該溝52は、底壁81、該底壁81から垂直に立ち上げて形成された外周側の側壁82、及び前記底壁81から垂直に立ち上げて、かつ、前記側壁82と対向させて形成された内周側の側壁83を備える。
【0054】
ところで、前記溝52における湾曲部分のうちの、側壁82が側壁83側に向けて突出する湾曲部分AR1においては、トナー搬送ベルト53が矢印B方向に走行させられると、トナー搬送ベルト53に張力が発生し、トナー搬送ベルト53は矢印C方向に向けて移動し、側壁82に寄ろうとする。
【0055】
そこで、本実施の形態においては、側壁82における湾曲部分AR1に、溝52の深さ方向に、溝幅を変化させることによって、所定の距離にわたって接触部としての段差部85が形成され、底壁81に近い側の部位91における溝幅より、底壁81から離れる側の部位92における溝幅が段差量Tだけ大きくされる。
【0056】
該段差量Tは、湾曲部分AR1の開始位置R1及び終了位置R2において0〔mm〕にされ、開始位置R1及び終了位置R2から湾曲部分AR1の中央部R3に向けて離れるほど大きくされ、中央部R3において最大の0.5〔mm〕にされる。また、段差部85におけるエッジ部86にはアールによって面取りが施される。該面取りの量は、前記段差量Tと同様に、湾曲部分AR1の開始位置R1及び終了位置R2において0〔mm〕にされ、開始位置R1及び終了位置R2から湾曲部分AR1の中央部R3に向けて離れるほど大きくされる。
【0057】
前記トナー搬送ベルト53が走行させられると、トナー搬送ベルト53は側壁82に寄ろうとするが、側壁82における湾曲部分AR1に段差部85が形成されるので、図10に示されるように傾く。このとき、歯56の先端は、段差部85と対向する部分q1、及び歯56の幅方向における一端q2(底壁81から離れる側の端部)の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0058】
したがって、歯56と側壁82との間に摩擦が発生するのを抑制することができるので、トナー搬送ベルト53が振動するのを防止することができ、高周波による異音が発生するのを防止することができる。
【0059】
また、廃トナーが溶けて歯56の先端に固着するのを防止することができるので、トナー搬送ベルト53を走行させる際にドラムモータに加わる負荷が大きくなるのを防止することができる。したがって、印刷むらが発生するのを防止することができる。
【0060】
次に、前記溝52の変形例について説明する。
【0061】
図11は本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第1の図である。
【0062】
図において、52は溝、53はトナー搬送ベルト、56は歯である。
【0063】
この場合、側壁82における湾曲部分AR1に接触部としての段差部88が形成され、底壁81から離れる側の部位92における溝幅より、底壁81に近い側の部位91における溝幅が大きくされる。
【0064】
前記トナー搬送ベルト53が走行させられると、トナー搬送ベルト53は側壁82に寄ろうとするが、側壁82における湾曲部分AR1に段差部88が形成されるので、図に示されるように傾く。このとき、歯56の先端は、段差部88と対向する部分q11、及び歯56の幅方向における他端q12(底壁81側の端部)の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0065】
図12は本発明の第1の実施の形態における溝の変形例を示す第2の図である。
【0066】
この場合、側壁82における湾曲部分AR1に、溝52の深さ方向における2箇所に、接触部としての、かつ、段差部としての突起93、94が形成され、該突起93、94が形成されない部位の溝幅が、突起93、94が形成される部位の溝幅より大きくされる。
【0067】
歯56の先端は、突起93、94と対向する部分q21、q22の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0069】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す斜視図、図14は本発明の第2の実施の形態におけるサイドフレームの要部を示す側面図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第1の拡大図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるトナー搬送ベルトを示す第2の拡大図、図17は図14のY−Y断面図である。
【0070】
この場合、図15及び16に示されるように、歯56の先端の幅方向における一端q31(底壁81から離れる側の端部)に、歯56の高さを変化させることによって、直径が前記歯56の先端の厚さ、すなわち、歯厚Sと同じ値を有する接触部としての、かつ、段差部としての半球形の突起部59が突出させて形成される。現像剤搬送ベルトとしてのトナー搬送ベルト53は、前記第1の実施の形態と同様に、ベルト駆動要素としてのベルト駆動ギヤ65を回転させることによって走行させられるが、前記突起部59は、歯56の幅方向において、トナー搬送ベルト53とベルト駆動ギヤ65とが噛合する位置と異なる位置に形成されるので、突起部59とベルト駆動ギヤ65とは干渉しない。
【0071】
そして、前記トナー搬送ベルト53が矢印B方向に走行させられると、トナー搬送ベルト53に張力が発生し、トナー搬送ベルト53は矢印C方向に向けて移動し、側壁82に寄ろうとするが、歯56に突起部59が形成されるので、図17に示されるように傾く。このとき、歯56の先端は、一端q31及び他端q32(底壁81側の端部)の2箇所で側壁82と接触し、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0072】
この場合、溝52に段差部を形成する必要がないので、サイドフレーム19のコストを低くすることができる。
【0073】
次に、前記溝52の変形例について説明する。
【0074】
図18は本発明の第2の実施の形態における溝の変形例を示す図である。
【0075】
この場合、図に示されるように、歯56の先端の幅方向における一端q31(底壁81から離れる側の端部)、及び他端q32(底壁81側の端部)に、直径が前記歯56の先端の歯厚Sと同じ値を有する接触部としての、かつ、段差部としての半球形の突起部59a、59bが突出させて形成される。
【0076】
そして、前記トナー搬送ベルト53が走行させられると、トナー搬送ベルト53に張力が発生し、トナー搬送ベルト53は側壁82に寄ろうとするが、歯56に突起部59a、59bが形成されるので、図に示されるように、歯56の先端は、一端q31及び他端q32の2箇所で側壁82と接触する。したがって、側壁82とトナー搬送ベルト53との間に部分的な隙間が形成されるので、歯56と側壁82との接触面積を小さくすることができる。
【0077】
前記各実施の形態においては、カラーのプリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に適用することができる。
【0078】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0079】
11 感光体ドラム
19 サイドフレーム
42 クリーニングブレード
52 溝
53 トナー搬送ベルト
54 回収スパイラル
59、59a、59b 突起部
85、88 段差部
93、94 突起
Bk、Y、M、C プロセスカートリッジ
P1 搬入部
P2 搬出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)回転自在に支持された像担持体と、
(b)転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、
(c)搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、
(d)前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、
(e)該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有するとともに、
(f)前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成され、
(g)該溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
(a)回転自在に支持された像担持体と、
(b)転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、
(c)搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、
(d)前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、
(e)該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有するとともに、
(f)前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成され、
(g)該溝の側壁に、前記現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる段差部が形成されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項3】
(a)回転自在に支持された像担持体と、
(b)転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、
(c)搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、
(d)前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、
(e)該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有するとともに、
(f)前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成され、
(g)前記現像剤搬送ベルトに、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる突起が形成されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項4】
前記接触部は、前記溝の側壁に形成された突起である請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
(a)前記現像剤搬送ベルトは外周面から突出させて形成された複数の歯を備え、
(b)前記接触部において、溝の側壁と現像剤搬送ベルトとが接触させられる請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記段差部は、前記溝における湾曲部分に形成される請求項2に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記段差部のエッジ部に、アールによって面取りが施される請求項2に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記突起は、前記溝における湾曲部分に形成される請求項4に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成ユニットが搭載された画像形成装置。
【請求項1】
(a)回転自在に支持された像担持体と、
(b)転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、
(c)搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、
(d)前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、
(e)該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有するとともに、
(f)前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成され、
(g)該溝の側壁及び前記現像剤搬送ベルトのうちの一方に、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる接触部が形成されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
(a)回転自在に支持された像担持体と、
(b)転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、
(c)搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、
(d)前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、
(e)該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有するとともに、
(f)前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成され、
(g)該溝の側壁に、前記現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる段差部が形成されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項3】
(a)回転自在に支持された像担持体と、
(b)転写後に該像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング部材と、
(c)搬入部及び搬出部が設定され、前記像担持体の側方に配設された現像剤搬送部と、
(d)前記像担持体に沿って形成され、前記クリーニング部材によって除去された現像剤を前記像担持体の側方の前記搬入部に向けて搬送する搬送手段と、
(e)該搬送手段によって搬送された現像剤を前記搬入部から前記搬出部へ搬送する現像剤搬送ベルトとを有するとともに、
(f)前記現像剤搬送部に、前記現像剤搬送ベルトを案内する溝が形成され、
(g)前記現像剤搬送ベルトに、該現像剤搬送ベルトの幅方向における前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとの間に部分的な隙間を形成し、前記溝の側壁と現像剤搬送ベルトとを接触させる突起が形成されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項4】
前記接触部は、前記溝の側壁に形成された突起である請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
(a)前記現像剤搬送ベルトは外周面から突出させて形成された複数の歯を備え、
(b)前記接触部において、溝の側壁と現像剤搬送ベルトとが接触させられる請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記段差部は、前記溝における湾曲部分に形成される請求項2に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記段差部のエッジ部に、アールによって面取りが施される請求項2に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記突起は、前記溝における湾曲部分に形成される請求項4に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成ユニットが搭載された画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−2789(P2011−2789A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148017(P2009−148017)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]