画像形成ユニット及び画像形成装置
【課題】現像剤担持体に現像剤を安定して供給することができ、画像品位が低下するのを防止することができるようにする。
【解決手段】現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有する。現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面31aのレベルは、第1、第2の供給部材の接触対向部β1より低くされる。現像剤の上面31aのレベルは、第1、第2の供給部材の接触対向部β1より低くされるので、第1の供給部材を現像剤から浮かせることができる。第1の供給部材が現像剤に埋もれることがなくなる。
【解決手段】現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有する。現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面31aのレベルは、第1、第2の供給部材の接触対向部β1より低くされる。現像剤の上面31aのレベルは、第1、第2の供給部材の接触対向部β1より低くされるので、第1の供給部材を現像剤から浮かせることができる。第1の供給部材が現像剤に埋もれることがなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタは、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ローラ、定着器等を備え、前記画像形成ユニットは、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設されたトナーカートリッジから成り、前記画像形成ユニット本体内には、感光体ドラム、帯電ローラ、現像剤担持体としての現像ローラ、現像ブレード、トナー供給ローラ、クリーニングブレード等が配設されるようになっている。なお、現像ローラ、現像ブレード、トナー供給ローラ、トナーカートリッジ等によって現像器が構成される。
【0003】
前記プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて、静電潜像が形成される。一方、前記トナーカートリッジから画像形成ユニット本体内に供給された現像剤としてのトナーは、トナー供給ローラによって現像ローラに供給され、現像ブレードによって現像ローラ上にトナーの薄層が形成される。そして、現像ローラ上のトナーを、感光体ドラム上の静電潜像に付着させ、該静電潜像を現像することによって感光体ドラム上にトナー像が形成される。続いて、該トナー像は、転写ローラによって用紙に転写され、定着器において用紙に定着させられて、画像が形成される。
【0004】
ところで、前記トナー供給ローラとしてブラシローラを使用し、ブラシローラから現像ローラにトナーを供給するようにしたプリンタが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−258987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、画像形成ユニット本体内でブラシローラがトナーに埋もれていると、ブラシローラのブラシの隙間にトナーが入り込み、詰まってしまう。
【0007】
したがって、プリンタを長期間にわたり使用すると、ブラシの弾性が低くなり、現像ローラにトナーを安定して供給することができなくなってしまう。その結果、画像品位が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、現像剤担持体に現像剤を安定して供給することができ、画像品位が低下するのを防止することができる画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、現像剤を担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有する。
【0010】
また、前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成ユニットにおいては、現像剤を担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有する。
【0012】
また、前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされる。
【0013】
この場合、現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされるので、第1の供給部材を現像剤から浮かせることができる。
【0014】
したがって、第1の供給部材が現像剤に埋もれることがなくなり、現像剤担持体に現像剤を安定して供給することができるので、画像品位が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における現像ローラの断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第1の概念図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第2の概念図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の概念図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の要部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における光検出部による反射板の検出状態を説明するための図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第1の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第2の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるトナーレベルと受光時間との関係図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【図15】比較例1の画像形成ユニットの概略図である。
【図16】比較例2の画像形成ユニットの概略図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における比較例1の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態における比較例2の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図20】高温高湿の環境下で実施例1の画像形成ユニットにおいて白抜けが発生するメカニズムを説明するための図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第1の拡大図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第2の拡大図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【図27】本発明の第4の実施の形態における比較例3の画像形成ユニットの要部を示す図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図29】本発明の第5の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図30】本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【図31】本発明の第5の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図、図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す拡大図である。
【0018】
図において、10はプリンタ、Cs1は該プリンタ10の筐体としてのケーシング、20は画像形成ユニット(現像装置)、23は矢印a方向に回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム、11は該感光体ドラム23と対向させて配設され、感光体ドラム23の表面を露光して、感光体ドラム23の表面に潜像としての静電潜像を形成する露光装置としてのLEDヘッド、12は前記感光体ドラム23と対向させて矢印b方向に回転自在に配設され、感光体ドラム23上に形成された現像剤像としてのトナー像を媒体としての用紙Pに転写する転写部材としての転写ローラである。
【0019】
前記画像形成ユニット20は、画像形成ユニット20の本体、すなわち、画像形成ユニット本体20a、及び該画像形成ユニット本体20aに対して着脱自在に配設された現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32を備え、該トナーカートリッジ32内に現像剤としてのトナー31を収容するための現像剤収容室としてのトナー収容室が形成される。前記画像形成ユニット本体20aの筐体としてのケーシングCs2は、前記トナーカートリッジ32を受けるための受け部Csaを備える。
【0020】
そして、前記トナー31を画像形成ユニット本体20a内に供給するために、トナーカートリッジ32の底部に現像剤排出口としてのトナー排出口h1が、前記受け部Csaにおける現像剤排出口h1と対応する箇所に現像剤受け口としてのトナー受け口h2が形成され、前記トナー排出口h1が開閉部材としてのシャッタ32aによって開閉させられる。
【0021】
前記画像形成ユニット本体20a内には、前記感光体ドラム23、該感光体ドラム23と接触させて矢印c方向に回転自在に配設され、前記感光体ドラム23の表面を一様に帯電させる帯電装置としての、かつ、帯電部材としての帯電ローラ24、前記静電潜像にトナー31を付着させて現像し、トナー像を形成する現像器90、先端を感光体ドラム23と接触させて配設され、転写後に感光体ドラム23上に残留したトナー31を回収するクリーニング部材としてのクリーニングブレード29等が配設される。
【0022】
また、前記現像器90は、前記感光体ドラム23と対向させて、かつ、感光体ドラム23と接触させて矢印d方向に回転自在に配設され、前記トナー31を担持する現像剤担持体としての現像ローラ21、該現像ローラ21の下方において、現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触することなく(非接触で)矢印e方向に回転自在に配設され、前記トナー31を現像ローラ21に供給する第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ22、該トナー供給ブラシローラ22の上方においてトナー供給ブラシローラ22と接触させて配設された現像剤飛翔部材としてのトナー供給ブラシ用フリッカー27、先端を前記現像ローラ21と当接させて配設され、現像ローラ21上に均一な厚さのトナー31の薄層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード26、前記現像ローラ21の下方において、該現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触させて矢印f方向に回転自在に配設され、現像に使用されることなく前記現像ローラ21上に残留したトナー31を回収する現像剤回収部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤回収ブラシローラ)としてのトナー回収ブラシローラ25、該トナー回収ブラシローラ25の下方においてトナー回収ブラシローラ25と接触させて配設された現像剤飛翔部材としてのトナー回収ブラシ用フリッカー28、前記トナー供給ブラシローラ22の下方において、該トナー供給ブラシローラ22と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ22と接触させて矢印g方向に回転自在に配設され、トナー供給ブラシローラ22にトナー31を供給する第2の供給部材としての、かつ、現像剤補給部材としての補助供給ローラ30、矢印方向に回転自在に配設され、前記ケーシングCs2内のトナー31を攪拌して搬送する複数の攪拌部材33a〜33d、矢印k方向に回転自在に配設され、前記ケーシングCs2内のトナー31の残量を表す上面31aのレベル(位置)、すなわち、現像剤レベルとしてのトナーレベルを検出するための検出レバー34等を備える。
【0023】
前記トナー供給ブラシ用フリッカー27は、トナー供給ブラシローラ22の回転方向における現像ローラ21より上流側に、前記トナー回収ブラシ用フリッカー28は、トナー回収ブラシローラ25の回転方向における現像ローラ21より下流側に配設される。
【0024】
前記ケーシングCs2は、前記現像器90を収容し、トナー31を保持するための現像剤保持空間rmを形成する。
【0025】
なお、前記攪拌部材33a〜33d及び検出レバー34は、クランク形状の金属バーによって形成され、図1に示される破線に沿って回転させられる。また、現像ローラ21とトナー供給ブラシローラ22とが接触することなく対向させられる部分によって、非接触対向部α1が、トナー供給ブラシローラ22と補助供給ローラ30とが接触して対向させられる部分によって、接触対向部β1が形成される。
【0026】
前記トナー供給ブラシローラ22は、導電性を有する金属製の芯金22aに、所望の抵抗値に調整された導電性繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ22bをスパイラル状に巻き付けることによって、前記トナー回収ブラシローラ25は、導電性を有する金属製の芯金25aに、所望の抵抗値に調整された導電性繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ25bをスパイラル状に巻き付けることによって形成される。そして、前記トナー供給ブラシ用フリッカー27は、ブラシ22bの弾性を利用してトナー供給ブラシローラ22が保持するトナー31を現像ローラ21に向けて飛翔させ、前記トナー回収ブラシ用フリッカー28は、ブラシ25bの弾性を利用してトナー回収ブラシローラ25が保持するトナー31を下方に向けて飛翔させる。
【0027】
また、前記補助供給ローラ30は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金30a上に、弾性体としてのシリコーンゴムスポンジ層30bを被覆することによって形成される。
【0028】
なお、感光体ドラム23に対して、トナー供給ブラシローラ22、攪拌部材33a〜33d及び検出レバー34は逆方向に、転写ローラ12、帯電ローラ24、現像ローラ21、補助供給ローラ30及びトナー回収ブラシローラ25は同方向に回転させられる。
【0029】
前記現像ローラ21、トナー供給ブラシローラ22、トナー供給ブラシ用フリッカー27、トナー回収ブラシローラ25、トナー回収ブラシ用フリッカー28及び補助供給ローラ30の各ローラは、図3に示されるように、ギャップ又はニップを形成するように配設される。
【0030】
そして、現像ローラ21とトナー供給ブラシローラ22との間のギャップ量d1、トナー供給ブラシローラ22とトナー供給ブラシ用フリッカー27とのニップ量d2、現像ローラ21とトナー回収ブラシローラ25とのニップ量d3、トナー回収ブラシローラ25とトナー回収ブラシ用フリッカー28とのニップ量d4、及びトナー供給ブラシローラ22と補助供給ローラ30とのニップ量d5は、いずれも0.5〔mm〕にされる。
【0031】
前記画像形成ユニット20の下方には、感光体ドラム23と転写ローラ12との間に形成される転写部に用紙Pを供給するために、用紙Pを収納する媒体収容部としての用紙カセット91、及び前記用紙Pを1枚ずつ分離させ、搬送するための第1の搬送部材としての、かつ、繰出ローラとしてのホッピングローラ15aが配設される。
【0032】
そして、用紙Pを搬送するための媒体搬送路における前記ホッピングローラ15aより下流側には、第2の搬送部材としてのレジストローラ15bが配設される。さらに、媒体搬送路における前記転写部より下流側には、定着装置としての定着器13、及び該定着器13を通過した用紙Pをプリンタ10の本体、すなわち、装置本体外に排出するための第3の搬送部材としての排出ローラ15cが配設される。
【0033】
前記定着器13は、第1のローラとしての加熱ローラR1、及び第2のローラとしての加圧ローラR2を備え、前記加熱ローラR1内に加熱体としての図示されないヒータが配設される。そして、定着器13において、用紙Pに転写されたトナー像が加熱ローラR1によって加熱され、加圧ローラR2によって加圧されて用紙Pに定着させられる。
【0034】
なお、画像形成ユニット20を横方向に2個以上、例えば、4個配設し、各画像形成ユニットにおいてそれぞれ異なる色、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン等のトナー像を形成することによって、カラーの画像を形成することができる。
【0035】
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。
【0036】
前記用紙カセット91に収容された用紙Pは、ホッピングローラ15aによって1枚ずつ分離させられて繰り出され、媒体搬送路に沿って搬送される。そして、レジストローラ15bによって斜行が矯正された後、用紙Pは、転写部において感光体ドラム23上のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着器13に送られ、該定着器13において、トナー像が加熱され、加圧され、用紙Pに定着させられる。その後、用紙Pは、排出ローラ15cによって装置本体外に排出される。
【0037】
次に、トナー31について説明する。
【0038】
本実施の形態において使用されるトナー31は、粉砕法で製造された非磁性一成分の負帯電性のトナーであり、バインダー(結着樹脂)としてポリエステル樹脂を使用し、バインダー中に着色剤、帯電制御剤等を分散してベーストナー(トナー母粒子)を形成し、該ベーストナーに、流動性及び帯電性を調整するための外添剤を添加することによって形成される。
【0039】
着色剤としては、カーボンブラック、銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue15)、キナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red22)、C.I.Pigment Yellow185等が使用され、添加剤としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ等が使用される。さらに、シリカとしては、シリコーンオイル処理、ジシラザン処理等を施したものが使用される。
【0040】
トナー31の体積平均粒径は5.7〔μm〕であり、円形度は0.92であり、ブローオフ帯電量は−36〔μC/g〕である。なお、体積平均粒径の測定には、コールターマルチライザーII(コールター社製)を、円形度の測定にはフロー式粒子像分析装置FPIA−3000(シスメックス(株)製)を、ブローオフ帯電量の測定には粉体帯電量測定装置TYPE TB−203(京セラ(株)製)を使用した。ブローオフ帯電量の測定においては、トナー0.5〔g〕と、フェライトキャリア(F−60)(パウダーテック(株)製)9.5〔g〕とを混合し、30〔分〕攪拌した後、ブロー圧7.0〔kPa〕、吸引圧−4.5〔kPa〕の条件で飽和帯電量を測定した。
【0041】
次に、前記現像ローラ21について説明する。
【0042】
図4は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの断面図である。
【0043】
図に示されるように、現像ローラ21は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼(SUS)製の芯金21a、該芯金21a上に形成された弾性体から成る弾性層21b、及び該弾性層21b上に形成された半導電性樹脂膜21cを備え、該半導電性樹脂膜21cは、トナー31への電荷付与性を考慮して、アクリル樹脂にカーボンブラック等を分散させて形成される。
【0044】
前記弾性層21bの材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の一般的なゴム材料を使用することができ、本実施の形態においては、シリコーンゴムを使用した。
【0045】
また、前記弾性層21bのゴム硬度は、アスカーC硬度で50〔°〕以上、かつ、80〔°〕以下の範囲が適当であり、本実施の形態においては、アスカーC硬度で60〔°〕とした。
【0046】
次に、前記現像ブレード26について説明する。
【0047】
現像ブレード26は、弾性を有する金属、本実施の形態においては、ステンレス鋼(SUS)から成り、板厚が0.08〔mm〕であり、現像ローラ21との当接部には、L字状になるように曲げ加工が施されていて、曲げ部の曲率半径Rを0.18〔mm〕とし、当接部における現像ローラ21に対する線圧を35〔gf/cm〕とした。
【0048】
なお、前記現像ブレード26の線圧を考慮して、現像ローラ21上のトナー31の層厚及び帯電量を所定の値にするために、現像ローラ21の表面粗さ及び抵抗値が設定される。
【0049】
本実施の形態においては、現像ローラ21の表面の十点平均粗さRz(JIS B0601−1994)を2〜8〔μm〕とした。なお、表面粗さの測定はサーフコーダSEF3500(小坂研究所製)で行い、測定器の触針半径を2〔μm〕とし、触針圧を0.7〔mN〕とし、触針の送り速さを0.1〔mm/sec〕とした。
【0050】
また、前記現像ローラ21の抵抗値は、弾性層21b及び半導電性樹脂膜21cを含めた値で1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×109 〔Ω〕以下の範囲とした。
【0051】
次に、前記現像ローラ21の抵抗値の測定方法について説明する。
【0052】
図5は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第1の概念図、図6は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第2の概念図である。
【0053】
現像ローラ21の抵抗値を測定するに当たり、測定装置としてハイレジスタンスメータ(型番:4339B)(ヒューレット・パッカード社製)51を使用した。現像ローラ21の軸方向における6箇所に、幅が2.0〔mm〕であり、直径が6.0〔mm〕であるステンレス鋼製のボールベアリング52a〜52fを20〔gf〕の力で接触させ、現像ローラ21に100〔V〕の直流電圧を印加し、現像ローラ21を50〔rpm〕の速度で回転させ、芯金21aとローラ表面との間の抵抗値を測定した。
【0054】
なお、ボールベアリング52a〜52fごとに、現像ローラ21を1回転させる間に、円周上の100ポイントで抵抗値を測定し、合計で600ポイントで抵抗値を測定し、各ポイントにおける抵抗値の平均値を現像ローラ21の抵抗値とした。
【0055】
次に、トナー供給ブラシローラ22について説明する。
【0056】
トナー供給ブラシローラ22は、前述されたように、所望の抵抗値に調整された導電性を有する繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ22bを、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金22aにスパイラル状に巻き付けて形成される。
【0057】
前記トナー供給ブラシローラ22の抵抗値は、図5及び6に示されるハイレジスタンスメータ51で測定した。前記抵抗値は、トナー供給ブラシローラ22に50〔V〕の直流電圧を印加したときに1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×1010〔Ω〕以下の範囲にされるのが好ましい。
【0058】
また、ブラシ22bの糸の長さを3〔mm〕とし、繊度(太さ)を6〔デニール〕とし、植密度を80〔kF/inch2 〕とした。さらに、ブラシ22bの素材としては、本実施の形態において、トナー31として非磁性一成分の負帯電性のトナーが使用されるので、トナー31を負の極性に帯電させるために、帯電列が正帯電側に位置するナイロン(登録商標)、アクリル等を使用するのが好ましく、本実施の形態においては、ナイロン繊維(登録商標)(ユニチカ(株)製UUN材)を使用した。
【0059】
次に、トナー供給ブラシ用フリッカー27について説明する。
【0060】
トナー供給ブラシ用フリッカー27は、断面の直径が3〔mm〕のステンレス鋼から成る円柱状のバーによって形成される。なお、前記トナー供給ブラシ用フリッカー27を、厚さが0.5〔mm〕程度の金属板で形成することができるが、金属板をトナー供給ブラシ用フリッカー27として使用する場合は、金属板のエッジによってトナー供給ブラシローラ22のブラシ22bが摩耗しやすくなるので、金属板の先端部に曲げ加工を施して曲げ部を形成し、曲げ部をトナー供給ブラシローラ22に当接させるようにするのが好ましい。
【0061】
次に、トナー回収ブラシローラ25について説明する。
【0062】
トナー回収ブラシローラ25は、前述されたように、所望の抵抗値に調整された導電性を有する繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ25bを、導電性を有する金属製の芯金25aにスパイラル状に巻き付けて形成される。
【0063】
前記トナー供給ブラシローラ25の抵抗値は、図5及び6に示されるハイレジスタンスメータ51で測定した。前記抵抗値は、トナー回収ブラシローラ25に50〔V〕の直流電圧を印加したときに1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×108 〔Ω〕以下の範囲にされるのが好ましい。前記トナー回収ブラシローラ25の抵抗値が1×108 〔Ω〕より高くなると、ブラシ25bに電荷が蓄積され、現像ローラ21上の現像がされる前のトナー、すなわち、未現像トナーの電荷を除去することができなくなる。
【0064】
また、ブラシ25bの糸の長さを3〔mm〕とし、繊度を6〔デニール〕とし、植密度を75〔kF/インチ2 〕とした。さらに、ブラシ22bの素材としては、本実施の形態において、トナー31として非磁性一成分の負帯電性のトナーが使用されるので、トナー31を負の極性に帯電させるために、帯電列が正帯電側に位置するナイロン(登録商標)、アクリル等を使用するのが好ましく、本実施の形態においては、アクリル(東レ(株)製SA−7材)を使用した。
【0065】
次に、トナー回収ブラシ用フリッカー28について説明する。
【0066】
トナー回収ブラシ用フリッカー28は、断面の直径が3〔mm〕のステンレス鋼から成る円柱状のバーによって形成される。なお、前記トナー回収ブラシ用フリッカー28を、厚さが0.1〔mm〕程度の金属板で形成することができるが、金属板をトナー回収ブラシ用フリッカー28として使用する場合は、金属板のエッジによってトナー回収ブラシローラ25のブラシ25bが摩耗しやすくなるので、金属板の先端部に曲げ加工を施して曲げ部を形成し、曲げ部をトナー回収ブラシローラ25に当接させるようにするのが好ましい。
【0067】
次に、補助供給ローラ30について説明する。
【0068】
補助供給ローラ30は、前述されたように、芯金30a、及び該芯金30a上に形成されたシリコーンゴムスポンジ層30bを備える。該シリコーンゴムスポンジ層30bは、未加硫のシリコーンゴムコンパウンドを押出し等の方法で成形し、加熱によって加硫発泡させることによって形成される。
【0069】
本実施の形態においては、シリコーンゴムコンパウンドを発泡させることによって、表面に微細な孔から成るセル目が形成された補助供給ローラ30を使用した。前記セル目の各孔の直径は、200〔μm〕以上、かつ、500〔μm〕以下の範囲にされ、補助供給ローラ30のアスカーF硬度は50〔°〕以上、かつ、80〔°〕以下の範囲とした。
【0070】
そして、前記シリコーンゴムコンパウンドは、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルフェニルシリコーン生ゴム等の各種の生ゴムに、補強性シリカ充填剤、加硫硬化に必要な加硫剤及び発泡剤を添加することによって形成される。該発泡剤としては、重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤、ADCA等の有機発泡剤等が使用される。なお、シリコーンゴムスポンジ層30bに半導電性を持たせる場合は、生ゴムにアセチレンブラックやカーボンブラック等を添加する。さらに、前記補助供給ローラ30の硬度を、前記加硫剤の添加量を変更することによって調整することができる。
【0071】
次に、ケーシングCs2内におけるトナーレベルを検出するためのレベル信号発生装置について説明する。
【0072】
図7は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の概念図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の要部を示す斜視図、図9は本発明の第1の実施の形態における光検出部による反射板の検出状態を説明するための図である。なお、図9は、図7における光検出部Ha及び反射板62をギヤgr1側から見た図である。
【0073】
図において、60はレベル信号発生装置であり、該レベル信号発生装置60は、感光体ドラム23を回転させるための駆動源としての駆動モータ(M)17と、図示されないギヤ列を介して連結され、一定の回転速度で回転させられる回転伝達部材としてのギヤgr1、該ギヤgr1の回転に伴って回転させられ、ギヤgr1の回転を検出レバー34に伝達する回転伝達部材としての回転伝達ユニット61、該回転伝達ユニット61を介してギヤgr1の回転を受け、間欠的に回転させられる前記検出レバー34、該検出レバー34に取り付けられた被検出要素としての反射板62、検出要素としての光検出部Ha等を備え、ケーシングCs2内のトナーレベルを表す信号、すなわち、レベル信号を発生させる。
【0074】
前記回転伝達ユニット61は、ギヤgr1の出力軸sh0に固定された回転体61a、及びL字状の形状を有し、回転体61aからケーシングCs2内に向けて突出させて形成された駆動側の係止部としての突部61bを備える。前記出力軸sh0はケーシングCs2に配設された図示されない軸受によって回転自在に支持される。
【0075】
また、前記検出レバー34は、前述されたように、クランク形状の金属バーによって形成され、両端に検出レバー34の回転中心となる回転軸部sh1、sh2を、該回転軸部sh1、sh2間に、回転軸部sh1、sh2と偏心させて形成された旋回軸部sh3を、回転軸部sh1、sh2と旋回軸部sh3との間に従動側の係止部としての腕部mを備える。
【0076】
そして、回転軸部sh1は、前記回転体61aの回転中心に形成された穴に、相対的に回転自在に嵌入され、回転軸部sh2はケーシングCs2を貫通して延び、先端に前記反射板62が取り付けられる。なお、該反射板62は検出光としてのレーザ光を反射することができるものが好ましく、本実施の形態においては、反射板62として鏡を使用した。
【0077】
したがって、前記検出レバー34は、回転軸部sh1側において、回転伝達ユニット61を介してケーシングCs2に配設された前記軸受によって、回転軸部sh2側において、直接、ケーシングCs2に配設された図示されない軸受によって回転自在に支持される。
【0078】
駆動モータ17の回転がギヤgr1に伝達され、回転伝達ユニット61が、所定の回転速度で矢印re方向に回転させられ、突部61bが腕部mに当たり、腕部mを押すと、前記検出レバー34を回転させ、反射板62を回転させることができる。そして、検出レバー34の旋回軸部sh3が回転軌道Cr1の最も高い位置、すなわち、頂点pUに到達すると、旋回軸部sh3は、回転軌道Cr1の最も低い位置、すなわち、底点pLに向けて自重で落下して旋回させられる。なお、前記ギヤgr1の回転速度は、検出レバー34が回転軌道Cr1の頂点pUから底点pLに向けて自重で落下して旋回させられるときの検出レバー34の回転速度より低く設定される。
【0079】
そして、前記光検出部Haは、反射板62と対向させて配設され、レーザ光63aを発光させる第1の検出体としての発光素子63、及び前記反射板62によって反射させられたレーザ光63aを受光する第2の検出体としての受光素子64を備える。なお、該受光素子64は、センサ出力として前記レベル信号を発生させ、受光素子64によってレベル信号発生要素としてのレベルセンサが構成される。
【0080】
本実施の形態において、前記光検出部Haの位置は、頂点pUと底点pLとの中間点pMに反射板62が位置するときに、発光素子63が発光させたレーザ光63aを受光素子64が受光するように設定される。
【0081】
図9に示されるように、発光素子63のレーザ光63aは、反射板62が検出レバー34の回転軌道Cr1の頂点pUを通過した後、底点pLに移動するまでの、中間点pMを通過する間だけ反射板62を照射する。そして、反射板62が中間点pMを通過する間、受光素子64は、レーザ光63aを受光する。この場合、受光素子64がレーザ光63aを受光すると、レベル信号はオンになり、レーザ光63aを受光しなくなるとレベル信号はオフになる。
【0082】
次に、前記レベル信号発生装置60の動作について説明する。
【0083】
図10は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第1の図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第2の図である。
【0084】
図10に示されるように、トナー31の上面31aが検出レバー34の回転軌道Cr1の頂点pUより上に位置し、回転軌道Cr1がトナー31に埋もれた状態にある場合、検出レバー34の旋回軸部sh3は常に回転伝達ユニット61の突部61bによって押され、検出レバー34は回転伝達ユニット61と同じ回転速度で回転させられる。
【0085】
そして、図11に示されるように、トナー31の上面31aが検出レバー34の回転軌道Cr1の頂点pUより下に位置し、回転軌道Cr1の一部がトナー31に埋もれた状態にある場合、回転伝達ユニット61の回転に伴って、旋回軸部sh3が回転軌道Cr1の頂点pUに到達すると、回転軌道Cr1上の所定の区間はトナー31が存在しないので、旋回軸部sh3は自重で上面31aの高さまで落下し、上面31aの高さでトナー31の抵抗力によって停止させられる。そして、回転伝達ユニット61の回転に伴って、旋回軸部sh3が突部61bによって押されると、検出レバー34は回転伝達ユニット61と同じ回転速度で回転させられる。
【0086】
次に、前記トナーレベルと、反射板62が回転軌道Cr1上の中間点pMを通過するときの受光素子64がオンである時間、すなわち、受光素子64によるレーザ光63aの受光時間との関係について説明する。なお、該受光時間はトナーレベルを検出するための検出指標とされる。
【0087】
図12は本発明の第1の実施の形態におけるトナーレベルと受光時間との関係図である。なお、図において、横軸にトナーレベルを、縦軸に受光時間Tを採ってある。
【0088】
図に示されるように、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMより高い場合は、反射板62が中間点pMを通過する際の回転速度とギヤgr1の回転速度とが等しい。このときの、受光素子64によるレーザ光63aの受光時間Tは、第1の閾値としての値T1になる。
【0089】
また、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMより低い場合、反射板62が中間点pMを通過する際の回転速度は、旋回軸部sh3が自重で落下するときの検出レバー34の回転速度と等しく、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMより高い場合の、反射板62が中間点pMを通過する際の回転速度より高い。
【0090】
したがって、このときの受光時間Tは値T1より短い第2の閾値としての値T2になる。
【0091】
なお、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMと等しい場合、旋回軸部sh3が突部61bによって押されるまで受光素子64はオンであり続けるので、受光時間TはT1より長い値T3になる。
【0092】
次に、前記プリンタ10の制御装置について説明する。
【0093】
図13は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0094】
図において、70はマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される第1の制御部としての印刷制御部であり、図示されない上位装置としてのホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して印刷データ及び制御コマンドを受信し、プリンタ10の全体のシーケンスを制御し、印刷動作を行う。なお、ROMによって第1の記録装置が、RAMによって第2の記録装置が、タイマによって計時要素が構成される。
【0095】
また、72はホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して入力された印刷データを一時的に記録する記録部としての受信メモリ、73は該受信メモリ72に記録された印刷データを受け取るとともに、該印刷データを編集処理することによって形成された画像データ、すなわち、イメージデータを記録する記録部としての画像データ編集メモリである。
【0096】
そして、74は前記プリンタ10の状態を表示するための表示要素としての図示されないLED、及び操作者が前記プリンタ10に対する指示を入力するための操作要素としての図示されないスイッチ、キー等を備えた操作部、75はセンサ群であり、該センサ群75は、プリンタ10の動作状態を監視するための各種のセンサ、例えば、用紙Pの位置を検出する媒体検出部としての用紙位置検出センサ、プリンタ10の置かれた環境、例えば、温度、湿度等を検出する環境検出部としての温湿度センサ、印刷濃度を検出する濃度検出部としての印刷濃度センサ、トナーカートリッジ32内のトナー31の残量を検出するための現像剤残量検出部としてのトナー残量センサ等から成る。
【0097】
また、63は発光素子、64は受光素子、86は前記受光時間Tを測定する計時部材としてのタイマである。該タイマ86は受光素子64のレベル信号を読み込み、受光素子64がオンになると計時を開始し、オフになると計時を終了して、受光時間Tを測定する。
【0098】
そして、76は第1の電源としての帯電用電源であり、該帯電用電源76は印刷制御部70の指示によって帯電ローラ24に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム23の表面を帯電させる。また、77は第2の電源としての現像用電源であり、該現像用電源77は現像ローラ21に所定の直流電圧を印加し、静電潜像にトナー31を付着させる。そして、78は第3の電源としての供給用電源であり、該供給用電源78は、トナー供給ブラシローラ22に所定の直流電圧を印加し、現像ローラ21にトナー31を供給する。そして、79は第4の電源としての回収用電源であり、該回収用電源79は、トナー回収ブラシローラ25に所定の直流電圧を印加し、現像ローラ21からトナー31を回収する。また、80は、第5の電源としての転写用電源であり、該転写用電源80は、転写ローラ12に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム13上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。
【0099】
なお、前記帯電用電源76、現像用電源77、供給用電源78、回収用電源79及び転写用電源80は、印刷制御部70の指示によって印加する直流電圧を変更することができるようになっている。
【0100】
そして、81は第2の制御部としての駆動制御部であり、該駆動制御部81は、前記感光体ドラム23を回転させるための駆動モータ17を駆動する。前記駆動制御部81によって駆動モータ17が駆動されると、感光体ドラム23が回転させられるとともに、帯電ローラ24、現像ローラ21、トナー供給ブラシローラ22、トナー回収ブラシローラ25、補助供給ローラ30、攪拌部材33a〜33d及び検出レバー34が回転させられる。
【0101】
また、82は第3の制御部としてのヘッド駆動制御部であり、該ヘッド駆動制御部82は、画像データ編集メモリ73に記録されたイメージデータをLEDヘッド11に送り、該LEDヘッド11を駆動する。そして、83は第4の制御部としての定着制御部であり、該定着制御部83は、定着器13に直流電圧を印加し、転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。なお、前記定着器13は、加熱ローラR1の温度を検出する定着温度検出部としての図示されない温度センサを備え、前記定着制御部83は前記温度センサのセンサ出力を読み込み、センサ出力に基づいてヒータを通電させ、定着器13が一定の温度になるように制御を行う。
【0102】
また、84は第5の制御部としての搬送制御部であり、該搬送制御部84は、用紙Pを搬送するために、搬送用の駆動部としての用紙搬送モータ16を駆動し、印刷制御部70の指示によってホッピングローラ15a、レジストローラ15b、排出ローラ15c等を回転させ、所定のタイミングで用紙Pを搬送したり、停止させたりする。
【0103】
そして、85は第6の制御部としてのシャッタ駆動制御部であり、該シャッタ駆動制御部85は、トナーレベルに応じてシャッタ32aを開閉し、トナーカートリッジ32内のトナー31をケーシングCs2内に供給したり、供給を停止させたりする。
【0104】
ところで、トナーレベルが補助供給ローラ30の回転軸以下であると、補助供給ローラ30を回転させたときに補助供給ローラ30が保持するトナー31の量が少なくなってしまう。また、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端(接触対向部β1)以上であると、トナー供給ブラシローラ22の少なくとも一部がトナー31に埋もれ、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込み、詰まってしまう。
【0105】
したがって、プリンタ10を長期間にわたり使用すると、ブラシ22bの弾性が低くなり、現像ローラ21にトナー31を安定して供給することができなくなってしまう。その結果、画像品位が低下してしまう。
【0106】
そこで、本実施の形態においては、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされ、印刷制御部70は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、ケーシングCs2内のトナーレベルが、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くなるように、シャッタ32aを開閉する。なお、この場合、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端とは、トナー供給ブラシローラ22と補助供給ローラ30との間にニップが形成されていない状態のブラシ22bの下端をいう。
【0107】
続いて、シャッタ32aを開閉するための印刷制御部70の動作について説明する。
【0108】
図14は本発明の第1の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【0109】
まず、印刷制御部70の図示されない印刷処理手段は、印刷処理を行い、画像形成ユニット20による印刷動作を開始し、続いて、印刷制御部70の図示されない現像剤レベル検出処理手段としてのトナーレベル検出処理手段は、現像剤レベル検出処理としてのトナーレベル検出処理を行い、タイマ86によって測定された受光時間Tを読み込む。
【0110】
ところで、検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMの位置と検出レバー34の回転軸部sh1、sh2の位置とは等しいので、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされると、検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMも、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされる。
【0111】
そして、前述されたように、トナーレベルが中間点pMより低い場合、受光時間Tは値T2になり、トナーレベルが中間点pM以上である場合、受光時間Tは値T1になるので、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2より低い場合、受光時間Tは値T2になり、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上である場合、受光時間Tは値T1になる。
【0112】
そこで、本実施の形態においては、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2より低くなり、受光時間Tが値T2と等しくなった場合に、トナーカートリッジ32内のトナー31をケーシングCs2内に供給し、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上になり、受光時間Tが値T1になった場合に、トナーカートリッジ32内のトナー31のケーシングCs2内への供給を停止させるようにしている。
【0113】
そのために、印刷制御部70の図示されない現像剤レベル判断処理手段としてのトナーレベル判断処理手段は、現像剤レベル判断処理としてのトナーレベル判断処理を行い、受光時間Tが値T2より長いかどうか(実際は値T1であるかどうか)によって、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上であるかどうかを判断するようにしている。
【0114】
そして、受光時間Tが値T2より長く(実際は値T1であり)、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上である場合、前記印刷処理手段は、印刷動作を継続する。なお、この場合、シャッタ32aは閉じたままにされる。
【0115】
また、受光時間Tが値T2以下であり(実際は値T2であり)、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2より低い場合、印刷制御部70の図示されない現像剤供給処理手段としてのトナー供給処理手段は、現像剤供給処理としてのトナー供給処理を行い、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを開く。その結果、トナーカートリッジ32内のトナー31がケーシングCs2内に供給される。
【0116】
そして、前記トナーレベル判断処理手段は、再び、受光時間Tが値T2より長いかどうか(実際は値T1であるかどうか)によって、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上であるかどうかを判断し、受光時間Tが値T2より長くなり(実際は値T1になり)、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上になると、前記トナー供給処理手段は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを閉じる。その結果、トナーカートリッジ32内のトナー31のケーシングCs2内への供給が停止させられる。
【0117】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷動作を開始する。
ステップS2 受光時間Tが受光時間T2より短くなるのを待機し、受光時間Tが受光時間T2より短くなった場合はステップS3に進む。
ステップS3 シャッタ32aを開く。
ステップS4 受光時間Tが受光時間T2より長くなるのを待機し、受光時間Tが受光時間T2より長くなった場合はステップS5に進む。
ステップS5 シャッタ32aを閉じ、ステップS1に戻る。
【0118】
次に、前記構成のプリンタ10を使用して連続して印刷を行ったときに、画像品位が低下しないかどうかについて評価を行った。
【0119】
そのために、前記プリンタ10を、温度が20〔℃〕、湿度(相対湿度)が50〔%〕の常温常湿の環境下に置き、白紙パターンによる印刷(以下「白紙印刷」という。)を繰り返す試験、すなわち、連続印刷試験を行い、その後、現像ローラ21に十分な量のトナー31が供給されているかどうか、すなわち、トナー31の供給状態、及びブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで詰まることがないかどうか、すなわち、トナー31の詰まり状態を判断した。なお、白紙印刷において、LEDヘッド11による露光は行われず、現像用電源77による現像ローラ21への直流電圧の印加も行われないので、現像ローラ21上のトナー31は感光体ドラム23に付着させられず、現像は行われない。
【0120】
この場合、トナー31の供給状態を判断するために、連続印刷試験において所定の枚数の白紙印刷を行うごとに、100〔%〕デューティのベタ印刷を行ったときの、画像に発生したかすれのレベル、すなわち、白ぬけが発生したかどうかを判断した。そして、白抜けが発生していない場合に、現像ローラ21に十分な量のトナー31が供給されていると判断し、白抜けが発生した場合に、現像ローラ21に十分な量のトナー31が供給されていないと判断した。
【0121】
また、トナー31の詰まり状態を判断するために、連続印刷試験を行い、所定の白紙印刷を行うごとにベタ印刷を行ったときの、トナー供給ブラシローラ22のアスカーF硬度を測定した。そして、アスカーF硬度が高いほど、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで、詰まっていると判断した。
【0122】
なお、連続印刷試験において、現像用電源77によって、現像ローラ21及び現像ブレード26に−200〔V〕の直流電圧を、供給用電源78によって、トナー供給ブラシローラ22及び補助供給ローラ30に−1500〔V〕の直流電圧をそれぞれ印加した。また、トナー回収ブラシローラ25をアース接地した。
【0123】
そして、本実施の形態の画像形成ユニット20を実施例1とし、図15に示されるような画像形成ユニット20を比較例1とし、図16に示されるような画像形成ユニット20を比較例2として、実施例1並びに比較例1及び2についてトナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0124】
図15は比較例1の画像形成ユニットの概略図、図16は比較例2の画像形成ユニットの概略図、図17は本発明の第1の実施の形態における比較例1の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図、図18は本発明の第1の実施の形態における比較例2の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図である。
【0125】
図15において、20は比較例1の画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット20においては、トナー供給ブラシローラ92が、現像ローラ21の下方において、現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触することなく(非接触で)矢印h方向(実施例1における矢印e方向と逆方向)に回転自在に配設され、補助供給ローラ93が、前記トナー供給ブラシローラ92の下方において、該トナー供給ブラシローラ92と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ92と接触させて矢印i方向(実施例1における矢印g方向と逆方向)に回転自在に配設される。なお、トナー供給ブラシローラ92は、芯金92a及びブラシ92bを備える。したがって、トナー供給ブラシ用フリッカー97がトナー供給ブラシローラ92の回転方向における現像ローラ21より上流側に配設される。
【0126】
また、図16において、20は比較例2の画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット20においては、実施例1における補助供給ローラが配設されない。
【0127】
次に、前記実施例1並びに比較例1及び2の画像形成ユニット20において、30000枚の連続印刷試験を行ったときのトナー31の供給状態及び詰まり状態の判断結果について説明する。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
表1は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の供給状態の判断結果を示す。○は白抜けが発生しなかったことを、×は白抜けが発生したことを表す。
【0131】
また、表2は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の詰まり状態の判断結果を示す。アスカーF硬度が95未満である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていないことを、95以上である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていることを表す。
【0132】
実施例1の画像形成ユニット20においては、30000枚後においても白抜けが発生せず、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まらなかった。
【0133】
これに対して、比較例1の画像形成ユニット20においては、20000枚後に、白抜けが発生し、ブラシ922bの隙間にトナー31が詰まった。また、比較例2の画像形成ユニット20においては、5000枚後に、白抜けが発生し、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まった。
【0134】
なお、実施例1の画像形成ユニット20において、30000枚後のトナーレベルは、連続印刷試験を開始する前と同じ状態に置かれるのに対して、比較例1の画像形成ユニット20においては、20000枚後に、ブラシ92bの隙間にトナー31が詰まり、トナー供給ブラシローラ92によって現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができなくなる。したがって、補助供給ローラ93からトナー供給ブラシローラ92にトナー31が供給されなくなり、補助供給ローラ93が矢印i方向に回転させられるのに伴って、トナー供給ブラシローラ92に供給されない分のトナー31が、補助供給ローラ93とトナー供給ブラシローラ92との間を抜けてトナー回収ブラシローラ25側に供給される。その結果、図17に示されるように、ケーシングCs2内におけるトナー供給ブラシローラ92より検出レバー34側の領域を第1の領域とし、トナー供給ブラシローラ92よりトナー回収ブラシローラ25側の領域を第2の領域としたとき、第1の領域のトナーレベルより、第2の領域のトナーレベルが高くなる。
【0135】
それに伴って、トナー供給ブラシローラ92がトナー31に埋もれ、ブラシ92bの隙間にトナー31が一層詰まり、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することが一層できなくなる。また、トナー回収ブラシローラ25がトナー31に埋もれ、ブラシ25bの隙間にトナー31が詰まるので、現像ローラ21上のトナー31を十分に回収することができなくなる。
【0136】
そして、比較例2の画像形成ユニット20においては、5000枚後に、初期の状態でトナー供給ブラシローラ22の一部がトナー31に埋もれるので、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まりやすく、トナー供給ブラシローラ22によって現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができなくなる。したがって、トナー供給ブラシローラ22が矢印e方向に回転させられるのに伴って、現像ローラ21に供給されない分のトナー31が、トナー供給ブラシローラ22と現像ローラ21との間を抜けてトナー回収ブラシローラ25側に供給される。その結果、図18に示されるように、ケーシングCs2内におけるトナー供給ブラシローラ22より検出レバー34側の領域を第1の領域とし、トナー供給ブラシローラ22よりトナー回収ブラシローラ25側の領域を第2の領域としたとき、第1の領域のトナーレベルより、第2の領域のトナーレベルが高くなる。
【0137】
それに伴って、トナー供給ブラシローラ22がトナー31に一層埋もれ、ブラシ22bの隙間にトナー31が一層詰まり、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することが一層できなくなる。また、トナー回収ブラシローラ25がトナー31に埋もれ、ブラシ25bの隙間にトナー31が詰まるので、現像ローラ21上のトナー31を十分に回収することができなくなる。
【0138】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシローラ22の下方に、補助供給ローラ30がトナー供給ブラシローラ22に接触させて配設され、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされるので、トナー供給ブラシローラ22をトナー31から浮かせることができる。
【0139】
したがって、ブラシ22bがトナー31に埋もれることがなくなり、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを抑制することができるので、ブラシ22bの弾性が低くならず、現像ローラ21にトナー31を安定して供給することができる。
【0140】
しかも、トナー供給ブラシローラ22が現像ローラ21と同方向に回転させられ、補助供給ローラ30が現像ローラ21と逆方向に回転させられるので、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを一層抑制することができる。
【0141】
また、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、補助供給ローラ30の回転軸以上に置かれるので、補助供給ローラ30を回転させたときに補助供給ローラ30が十分な量のトナー31を保持することができ、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができる。
【0142】
その結果、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0143】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0144】
図19は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0145】
図において、22は、現像剤担持体としての現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触することなく(非接触で)矢印e方向に回転自在に配設された第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ、117は、該トナー供給ブラシローラ22の上方において、トナー供給ブラシローラ22と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ22と接触させて矢印j方向に回転自在に配設された現像剤飛翔部材としてのトナー供給ブラシ用フリッカーである。トナー供給ブラシローラ22とトナー供給ブラシ用フリッカー117とのニップ量d2は、第1の実施の形態と同様に0.5〔mm〕にされる。
【0146】
前記トナー供給ブラシ用フリッカー117の一端には、筐体としてのケーシングCs2外において図示されないギヤが取り付けられ、該ギヤと駆動源としての駆動モータ17(図7)とが図示されないギヤ列を介して連結され、ギヤは一定の回転速度で回転させられ、該回転がトナー供給ブラシ用フリッカー117に伝達される。
【0147】
また、本実施の形態においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117の周速度とトナー供給ブラシローラ22の周速度とが等しくされる。
【0148】
したがって、トナー供給ブラシ用フリッカー117の表面とトナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの先端との摺動を抑制することができるので、ブラシ22bが摩耗するのを抑制することができる。なお、トナー供給ブラシ用フリッカー117の周速度とトナー供給ブラシローラ22の周速度とが等しくされるが、トナー供給ブラシ用フリッカー117とトナー供給ブラシローラ22との間にニップが形成されるので、トナー供給ブラシ用フリッカー117によって、トナー供給ブラシローラ22が保持する現像剤としてのトナー31を現像ローラ21に向けて十分に飛翔させることができる。
【0149】
前記構成の画像形成装置としてのプリンタ10を、温度が27〔℃〕、湿度(相対湿度)が80〔%〕の高温高湿の環境下に置き、連続印刷試験を行い、その後、トナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0150】
次に、第1の実施の形態の画像形成ユニット20を実施例1とし、第2の実施の形態の画像形成ユニット20を実施例2とし、前記実施例1及び2において、30000枚の連続印刷試験を行ったときのトナー31の供給状態及び詰まり状態の判断結果について説明する。
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
表3は、高温高湿の環境下の連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の供給状態の判断結果を示す。○は白抜けが発生しなかったことを、×は白抜けが発生したことを表す。
【0154】
また、表4は、高温高湿の環境下の連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の詰まり状態の判断結果を示す。アスカーF硬度が95未満である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていないことを、95以上である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていることを表す。
【0155】
実施例2の画像形成ユニット20においては、30000枚後においても白抜けが発生せず、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まらなかった。
【0156】
これに対して、実施例1の画像形成ユニット20においては、30000枚後に、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まることはなかったが、白抜けが発生した。
【0157】
次に、高温高湿の環境下で実施例1の画像形成ユニット20において白抜けが発生するメカニズムについて説明する。
【0158】
図20は高温高湿の環境下で実施例1の画像形成ユニット20において白抜けが発生するメカニズムを説明するための図である。
【0159】
前述されたように、実施例1の画像形成ユニット20において、トナー供給ブラシ用フリッカー27は、現像ローラ21と現像剤規制部材としての現像ブレード26との当接部の鉛直線La上に配設される。したがって、現像ブレード26によって現像ローラ21上から掻き取られたトナー31がトナー供給ブラシ用フリッカー27上に落下する。そして、高温高湿の環境下においては、トナー31が吸湿して流動性が低くなるので、トナー供給ブラシ用フリッカー27上にトナー31が堆積しやすくなる。
【0160】
そして、トナー供給ブラシローラ22から矢印A方向に飛翔したトナー31が、現像ローラ21上にトナー層を形成するが、該トナー層にトナー供給ブラシ用フリッカー27上に堆積したトナー31が接触すると、現像ブレード26を通過する前の現像ローラ21上のトナー層の層厚が小さくなり、その結果、白抜けが発生すると考えられる。
【0161】
これに対して、実施例2の画像形成ユニット20においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117が回転させられるので、現像ブレード26によって現像ローラ21上から掻き取られたトナー31がトナー供給ブラシ用フリッカー117上に落下しても、トナー供給ブラシ用フリッカー117上でトナー31が堆積するのを抑制することができる。したがって、白抜けが発生するのを防止することができる。
【0162】
なお、本実施の形態においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117を回転させることによって、トナー供給ブラシ用フリッカー117上にトナー31が堆積するのを抑制するようにしているが、駆動部としての図示されないソレノイドをオン・オフさせることによって、トナー供給ブラシ用フリッカー117を軸方向に移動させ、トナー供給ブラシ用フリッカー117上にトナー31が堆積するのを抑制することができる。
【0163】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117が回転させられるので、トナー供給ブラシ用フリッカー117上にトナー31が堆積するのを抑制することができる。したがって、高温高湿の環境下においても、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができるので、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0164】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0165】
図21は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0166】
この場合、画像形成ユニット20には、画像形成ユニット本体20aの筐体としてのケーシングCs3内に現像剤収容室としてのトナー収容室122が一体に形成され、該トナー収容室122内に現像剤としてのトナー31が収容される。
【0167】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0168】
図22は本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0169】
図に示されるように、画像形成装置としてのプリンタ130は、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色の現像剤としてのトナーごとに画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cを備え、該画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cは、像担持体としての感光体ドラム23を備える。そして、該感光体ドラム23と対向させて露光装置としてのLEDヘッド11が配設され、該LEDヘッド11によって感光体ドラム23上に潜像としての静電潜像が形成され、現像剤担持体としての図示されない現像ローラによって静電潜像が現像されて各色の現像剤像としてのトナー像になる。
【0170】
前記画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cに沿って、転写ユニットu1が配設される。該転写ユニットu1は、駆動ローラr11、従動ローラr12、駆動ローラr11と従動ローラr12との間に張設され、矢印方向に走行させられる転写ベルト123、及び該転写ベルト123を介して各感光体ドラム23と当接させられる転写部材としての転写ローラ124を備える。
【0171】
この場合、前記画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cにおいて各色のトナー像が形成され、媒体としての用紙Pが、転写ベルト123の走行に伴って、画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cと各転写ローラ124との間を通過すると、各感光体ドラム23上のトナー像が順次重ねて用紙Pに転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0172】
続いて、用紙Pは定着装置としての定着器13に送られ、該定着器13において、カラーのトナー像が用紙Pに定着させられる。
【0173】
次に、前記画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cについて説明する。なお、該画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cは同じ構造を有するので、画像形成ユニット135Bkについてだけ説明する。
【0174】
図23は本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの概略図、図24は本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第1の拡大図、図25は本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第2の拡大図である。
【0175】
図に示されるように、画像形成ユニット135Bkにおいて、画像形成ユニット135Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体の筐体としてのケーシングCs4内に、現像剤保持空間としての、かつ、現像剤収容室としてのトナー収容室122が一体に形成され、該トナー収容室122内に現像剤としてのトナー31が収容される。
【0176】
また、前記画像形成ユニット135Bkは、矢印a’方向に回転自在に配設された感光体ドラム23、該感光体ドラム23と当接させて矢印c’方向に回転自在に配設され、感光体ドラム23の表面を一様に帯電させる帯電装置としての、かつ、帯電部材としての帯電ローラ24、前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像器90、先端を感光体ドラム23と接触させて配設され、転写後に感光体ドラム23上に残留したトナー31を回収するクリーニング部材としてのクリーニングブレード29、前記感光体ドラム23の回転方向におけるクリーニングブレード29より下流側において、前記感光体ドラム23に当接することなく配設され、除電光を照射して感光体ドラム23の帯電電位をリセットする除電装置145等を備える。
【0177】
前記現像器90は、前記感光体ドラム23の下方において、感光体ドラム23と対向させて、かつ、感光体ドラム23と接触させて矢印d’方向に回転自在に配設された現像剤担持体としての現像ローラ141、先端を該現像ローラ141と当接させて配設され、現像ローラ141上に均一な厚さでトナー31の薄層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード26、前記現像ローラ141の下方において、現像ローラ141と対向させて、かつ、現像ローラ141と接触させて矢印e’方向に回転自在に配設され、前記トナー31を現像ローラ141に供給する第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ142、該トナー供給ブラシローラ142の下方において、トナー供給ブラシローラ142と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ142と接触させて矢印g’方向に回転自在に配設され、トナー供給ブラシローラ142にトナー31を供給する第2の供給部材としての、かつ、現像剤補給部材としての補助供給ローラ148等を備える。
【0178】
なお、感光体ドラム23に対して、転写ローラ124、現像ローラ141及び補助供給ローラ148は逆方向に、トナー供給ブラシローラ142は同方向に回転させられる。
【0179】
前記画像形成ユニット135Bkの使用を開始する初期状態におけるケーシングCs4内に収容されているトナー31の上面31aのトナーレベルは、図24に示されるように、トナー供給ブラシローラ142の下端より低くされる。なお、この場合、トナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端とは、トナー供給ブラシローラ142と補助供給ローラ148との間にニップが形成されていない状態のブラシ142bの下端をいう。
【0180】
前記現像ローラ141、トナー供給ブラシローラ142及び補助供給ローラ148の各ローラは、図25に示されるように、それぞれニップを形成するように配設される。
【0181】
そして、現像ローラ141とトナー供給ブラシローラ142との間のニップ量d6、及びトナー供給ブラシローラ142と補助供給ローラ148とのニップ量d7は、いずれも0.5〔mm〕にされる。
【0182】
また、現像ローラ141とトナー供給ブラシローラ142とが接触させて対向させられる部分によって、接触対向部α2が、トナー供給ブラシローラ142と補助供給ローラ148とが接触させて対向させられる部分によって、接触対向部β2が形成される。
【0183】
次に、トナー供給ブラシローラ142について説明する。
【0184】
トナー供給ブラシローラ142は、所望の抵抗値に調整された導電性を有する繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ142bを、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金142aにスパイラル状に巻き付けて形成される。
【0185】
前記トナー供給ブラシローラ142の抵抗値は、第1の実施の形態と同様に、ハイレジスタンスメータ51(図5)で測定した。前記抵抗値は、トナー供給ブラシローラ142に50〔V〕の直流電圧を印加したときに1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×1010〔Ω〕以下の範囲にされるのが好ましい。
【0186】
また、ブラシ142bの糸の長さを3〔mm〕とし、繊度(太さ)を6〔デニール〕とし、植密度を80〔kF/inch2 〕とした。さらに、ブラシ142bの素材としては、本実施の形態において、トナー31として非磁性一成分の負帯電性のトナーが使用されるので、トナー31を負の極性に帯電させるために、帯電列が正帯電側に位置するナイロン(登録商標)、アクリル等を使用するのが好ましく、本実施の形態においては、ナイロン繊維(登録商標)(ユニチカ(株)製UUN材)を使用した。
【0187】
そして、前記補助供給ローラ148は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金148a上にウレタンゴムから成る発泡体層148bを被覆することによって形成される。該発泡体層148bの硬度は、アスカーF硬度で50〔°〕とした。
【0188】
次に、前記プリンタ130の制御装置について説明する。
【0189】
図26は本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0190】
図において、70はマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される第1の制御部としての印刷制御部であり、上位装置としてのホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して印刷データ及び制御コマンドを受信し、プリンタ130の全体のシーケンスを制御し、印刷動作を行う。なお、ROMによって第1の記録装置が、RAMによって第2の記録装置が、タイマによって計時要素が構成される。
【0191】
また、72はホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して入力された印刷データを一時的に記録する記録部としての受信メモリ、73は該受信メモリ72に記録された印刷データを受け取るとともに、該印刷データを編集処理することによって形成されたイメージデータを記録する記録部としての画像データ編集メモリである。
【0192】
そして、74は前記プリンタ130の状態を表示するための表示要素としてのLED、及び操作者が前記プリンタ130に対して指示を入力するための操作要素としてのスイッチ、キー等を備えた操作部、75はセンサ群であり、該センサ群75は、プリンタ130の動作状態を監視するための各種のセンサ、例えば、用紙Pの位置を検出する媒体検出部としての用紙位置検出センサ、プリンタ130の置かれた環境、例えば、温度、湿度等を検出する環境検出部としての温湿度センサ、印刷濃度を検出する濃度検出部としての印刷濃度センサ、現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32内のトナー31の残量を検出するための現像剤残量検出部としてのトナー残量センサ等から成る。
【0193】
また、76は第1の電源としての帯電用電源であり、該帯電用電源は印刷制御部70の指示によって各帯電ローラ24に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム23の表面を帯電させる。また、77は第2の電源としての現像用電源であり、該現像用電源77は各現像ローラ141に所定の直流電圧を印加し、静電潜像にトナー31を付着させる。そして、78は第3の電源としての供給用電源であり、該供給用電源78は、各トナー供給ブラシローラ142に所定の直流電圧を印加し、現像ローラ141にトナー31を供給する。そして、179は第4の電源としての補助供給用電源であり、該補助供給用電源179は、補助供給ローラ148に所定の直流電圧を印加し、トナー31をトナー供給ブラシローラ142に補給する。また、80は、第5の電源としての転写用電源であり、該転写用電源80は、各転写ローラ124に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム13上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。
【0194】
なお、前記帯電用電源76、現像用電源77、供給用電源78、補助供給用電源179及び転写用電源80は、印刷制御部70の指示によって印加する直流電圧を変更することができるようになっている。
【0195】
そして、81は第2の制御部としての駆動制御部であり、該駆動制御部81は、前記感光体ドラム23を回転させるための駆動源としての駆動モータ17(図9)を駆動する。前記駆動制御部81によって駆動モータ17が駆動されると、感光体ドラム23が回転させられるとともに、帯電ローラ24、現像ローラ141、トナー供給ブラシローラ142及び補助供給ローラ148が回転させられる。
【0196】
また、82は第3の制御部としてのヘッド駆動制御部であり、該ヘッド駆動制御部82は、画像データ編集メモリ73に記録されたイメージデータを画像信号としてLEDヘッド11に送り、該LEDヘッド11を駆動する。そして、83は第4の制御部としての定着制御部であり、該定着制御部83は、転写されたトナー像を用紙Pに定着するために定着器13に直流電圧を印加する。
【0197】
また、84は第5の制御部としての搬送制御部であり、該搬送制御部84は、用紙Pを搬送するために、搬送用の駆動部としての用紙搬送モータ16を駆動し、印刷制御部70の指示によって第1の搬送部材としての、かつ、繰出ローラとしてのホッピングローラ15a(図2)、第2の搬送部材としてのレジストローラ15b、第3の搬送部材としての排出ローラ15c等を回転させ、所定のタイミングで用紙Pを搬送したり、停止させたりする。
【0198】
次に、前記印刷制御部70の動作について説明する。
【0199】
まず、印刷命令を受けると、印刷制御部70の前記印刷処理手段は、駆動制御部81に指示を送り、駆動モータ17を駆動し、各感光体ドラム23を一定の周速度で矢印a’方向に回転させ、これに伴って、帯電ローラ24が矢印c’方向に、現像ローラ141が矢印d’方向に、トナー供給ブラシローラ142が矢印e’方向に、補助供給ローラ148が矢印g’方向に回転させられる。
【0200】
また、前記印刷処理手段は、帯電用電源76に指示を送り、帯電ローラ24に直流電圧を印加し、感光体ドラム23の表面を一様に帯電させるとともに、ヘッド駆動制御部82に指示を送り、LEDヘッド11を駆動し、画像信号に対応した光を感光体ドラム23に照射し、静電潜像を形成する。
【0201】
そして、前記印刷処理手段が、補助供給用電源179に指示を送り、補助供給ローラ148に直流電圧を印加すると、補助供給ローラ148の回転に伴って、トナー収容室122内のトナー31はすくい上げられ、補助供給ローラ148とトナー供給ブラシローラ142との接触対向部β2に搬送される。
【0202】
続いて、前記印刷処理手段が、供給用電源78に指示を送り、トナー供給ブラシローラ142に直流電圧を印加すると、トナー供給ブラシローラ142の回転に伴って、接触対向部β2に搬送されたトナー31が現像ローラ141に供給される。
【0203】
このようにして、トナー31が現像ローラ141に付着すると、トナー31は、現像ローラ141の回転に伴って矢印d’方向に搬送され、現像ローラ141の回転方向におけるトナー供給ブラシローラ142より下流側に配設された現像ブレード26によって、均一な厚さのトナー層になる。このとき、現像ブレード26には、図示されない現像ブレード用電源によって直流電圧が印加され、トナー31は現像ブレード26及び現像ローラ141によって摺られ、摩擦帯電させられる。
【0204】
次に、現像ブレード26を通過したトナー31は、現像ローラ141の回転に伴って、更に搬送され、感光体ドラム23と現像ローラ141との当接部分に送られる。現像ローラ141には、前記印刷処理手段が、現像用電源77に指示を送り、直流電圧が印加されているので、感光体ドラム23と現像ローラ141との間には、静電潜像及び現像バイアスによって電気力線が発生し、トナー31は静電気力によって感光体ドラム23に付着し、トナー像を形成する。
【0205】
そして、転写ベルト123の走行に伴って、用紙Pが画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cと各転写ローラ124との間の各転写部に送られると、前記印刷処理手段が、転写用電源80に指示を送り、各転写ローラ124に直流電圧を印加する。このとき、転写バイアスによって、感光体ドラム23上のトナー像が用紙Pに順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0206】
続いて、用紙Pは、定着器13に送られ、該定着器13においてカラーのトナー像が用紙Pに定着させられ、カラーの画像が形成される。このようにして、カラーの画像が形成された用紙Pは、装置本体外に排出される。
【0207】
一方、転写後の各感光体ドラム23には、トナー31がわずかに残留するが、残留したトナー31はクリーニングブレード29によって掻き取られる。また、前記除電装置145は、感光体ドラム23の表面に除電光を照射して、感光体ドラム23上の露光されていない電荷による残留電荷を除去し、感光体ドラム23の帯電電位をリセットする。
【0208】
次に、前記構成のプリンタ130を使用して連続して印刷を行ったときに、画像品位が低下しないかどうかについて評価を行った。
【0209】
前記構成のプリンタ130において、白紙印刷を繰り返す連続印刷試験を行い、その後、トナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0210】
この場合、トナー31の供給状態を判断するために、連続印刷試験において所定の枚数の白紙印刷を行うごとに、所定の枚数、本実施の形態においては、5枚のベタ印刷を行ったときの画像に白ぬけが発生したかどうかを判断した。そして、白抜けが発生していない場合に、現像ローラ141に十分な量のトナー31が供給されていると判断し、白抜けが発生した場合に、現像ローラ141に十分な量のトナー31が供給されていないと判断した。
【0211】
また、トナー31の詰まり状態を判断するために、連続印刷試験を行い、所定の白紙印刷を行うごとにベタ印刷を行ったときのトナー供給ブラシローラ142が担持するトナー31の重量を算出した。トナー供給ブラシローラ142が担持するトナー31の重量が大きいほど、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まっていると判断した。
【0212】
なお、連続印刷試験において、帯電用電源76によって、帯電ローラ24に−1000〔V〕の直流電圧を、現像用電源77によって、現像ローラ141に−200〔V〕の直流電圧を、現像ブレード用電源によって、現像ブレード26に−400〔V〕の直流電圧を、供給用電源78によって、トナー供給ブラシローラ142に−450〔V〕の直流電圧を、補助供給用電源179によって、補助供給ローラ148に−650〔V〕の直流電圧を、転写用電源80によって、転写ローラ124に+3000〔V〕の直流電圧を印加した。
【0213】
そして、本実施の形態の画像形成ユニット20を実施例3とし、図27に示されるような現像ローラ141及びトナー供給ブラシローラ142を備えた画像形成ユニットを比較例3とし、実施例3及び比較例3についてトナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0214】
図27は本発明の第4の実施の形態における比較例3の画像形成ユニットの要部を示す図である。
【0215】
図において、31はトナー、31aはトナー31の上面、141は現像ローラ、142はトナー供給ブラシローラ、142bはブラシである。なお、比較例3の画像形成ユニット20においては、補助供給ローラは配設されず、それに伴い、初期状態のトナーレベルは、トナー供給ブラシローラ142の少なくとも一部がトナー31に埋もれるように設定される。
【0216】
次に、前記実施例3及び比較例3の画像形成ユニット20において、10000枚の連続印刷試験を行ったときのトナー31の供給状態及び詰まり状態の判断結果について説明する。
【0217】
【表5】
【0218】
【表6】
【0219】
表5は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後及び10000枚後におけるトナー31の供給状態の判断結果を示す。○は白抜けが発生しなかったことを、×は白抜けが発生したことを表す。
【0220】
また、表6は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後及び10000枚後におけるトナー31の詰まり状態の判断結果を示す。ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んでいるトナー供給ブラシローラ142の重量をGb1とし、ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んでいないトナー供給ブラシローラ142の重量をGb2としたとき、前記トナー供給ブラシローラ142が担持するトナー31の重量gtを、
gt=Gb1−Gb2
とした。なお、トナー31が付着した状態でのトナー供給ブラシローラ142の重量Gb1を測定する際に、トナー供給ブラシローラ142の表面に付着した余分なトナー31を除去した。重量gtが50〔g〕未満である場合は、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まっていないことを、50〔g〕以上である場合は、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まっていることを表す。
【0221】
実施例3の画像形成ユニット20においては、10000枚後においても白抜けが発生せず、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まらなかった。
【0222】
これに対して、比較例3の画像形成ユニット20においては、5000枚後に、白抜けが発生し、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まった。
【0223】
なお、実施例3の画像形成ユニット20において、トナーレベルは、トナー供給ブラシローラ142の下端より低くされるので、トナー供給ブラシローラ142がトナー31に埋もれることがなく、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まるのを抑制することができる。
【0224】
また、比較例3のトナー供給ブラシローラ142は、回転させられるごとに、図27に示される破線で囲んだ領域AR1においてトナー31に埋もれる。したがって、トナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの隙間に入り込むトナー31の量が次第に多くなり、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まってしまう。
【0225】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシローラ142が下方において補助供給ローラ148と接触させて配設され、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端より低くされるので、ブラシ142bがトナー31に埋もれることがない。したがって、ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを抑制することができるので、ブラシ142bの弾性が低くならず、現像ローラ141にトナー31を安定して供給することができる。
【0226】
その結果、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0227】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0228】
図28は本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0229】
図に示されるように、画像形成装置としてのプリンタ130は、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色の現像剤としてのトナーごとに画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cを備え、該画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cは、像担持体としての感光体ドラム23を備える。そして、各感光体ドラム23と対向させて露光装置としてのLEDヘッド11が配設され、該LEDヘッド11によって感光体ドラム23上に潜像としての静電潜像が形成され、現像剤担持体としての図示されない現像ローラによって静電潜像が現像されて各色の現像剤像としてのトナー像になる。
【0230】
また、前記画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cに沿って、転写ユニットu1が配設される。該転写ユニットu1は、駆動ローラr11、従動ローラr12、駆動ローラr11と従動ローラr12との間に張設され、矢印方向に走行させられる転写ベルト123、及び該転写ベルト123を介して各感光体ドラム23と当接させられる転写部材としての転写ローラ124を備える。
【0231】
次に、前記画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cについて説明する。なお、前記画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cは同じ構造を有するので、画像形成ユニット155Bkについてだけ説明する。
【0232】
図29は本発明の第5の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0233】
図において、155Bkは画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット155Bkはは、画像形成ユニット155Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体155a、及び該画像形成ユニット本体155aに対して着脱自在に配設された現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32を備え、該トナーカートリッジ32内に現像剤としてのトナー31を収容するための現像剤収容室としてのトナー収容室が形成される。画像形成ユニット本体155aの筐体としてのケーシングCs5は、前記トナーカートリッジ32を受けるための受け部Csaを備える。
【0234】
そして、前記トナー31を画像形成ユニット本体155a内に供給するために、トナーカートリッジ32の底部に現像剤排出口としての図示されないトナー排出口が、前記受け部Csaにおける現像剤排出口と対応する箇所に現像剤受け口としてのトナー受け口h2が形成され、該トナー受け口h2が開閉部材としてのシャッタ32aによって開閉させられる。
【0235】
前記画像形成ユニット本体155a内は、前記受け部Csaの所定の箇所から垂下させて形成された仕切り壁w1によって、現像剤保持空間としての第1室rm1と、現像剤供給空間としての第2室rm2とに区分され、第1室rm1に、前記感光体ドラム23、帯電装置としての帯電ローラ24、現像器90、クリーニング部材としてのクリーニングブレード29、除電装置145等が配設される。
【0236】
前記現像器90は、現像ローラ141、第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ142、現像剤規制部材としての現像ブレード26、第2の供給部材としての、かつ、現像剤補給部材としての補助供給ローラ148、矢印k1、k2方向に回転自在に配設され、前記ケーシングCs5内のトナー31の残量を表すトナーレベルを検出するための第1、第2の検出レバー34H、34L等を備える。
【0237】
前記第1の検出レバー34Hの回転中心は、トナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端の位置に、前記第2の検出レバー34Hの回転中心は、補助供給ローラ148の下端の位置に置かれる。なお、第1、第2の検出レバー34H、34Lは、第1の実施の形態と同様に、クランク形状の金属バーによって形成され、図に示される破線に沿って回転させられる。第1、第2の検出レバー34H、34Lには、第1の実施の形態と同様の被検出要素としての図示されない第1、第2の反射板が取り付けられる。
【0238】
そして、装置本体には、第1、第2の反射板と対向させて第1、第2の光検出部が配設され、第1の光検出部は、レーザ光を発光させる第1の検出体としての第1、第2の発光素子、及び前記第1、第2の反射板によって反射させられたレーザ光を受光する第2の検出体としての第1、第2の受光素子を備える。なお、該第1、第2の受光素子は、センサ出力としてそれぞれレベル信号を発生させ、第1、第2の受光素子によって第1、第2のレベル信号発生要素としての第1、第2のレベルセンサが構成される。
【0239】
本実施の形態において、前記第1、第2の光検出部の位置は、頂点pU(図9)と底点pLとの中間点pMに第1、第2の反射板が位置するときに、第1、第2の受光素子が発光させたレーザ光を第1、第2の受光素子が受光するように設定される。
【0240】
そして、図12に示されるように、トナーレベルが第1、第2の検出レバーの回転軌道の中間点pMより高い場合、第1、第2の受光素子によるレーザ光の受光時間Tは第1の閾値としての値T1になり、第1、第2の検出レバーの回転軌道の中間点pMより低い場合、第1、第2の受光素子によるレーザ光の受光時間Tは第2の閾値としての値T2になり、トナーレベルが第1、第2の検出レバーの回転軌道の中間点pMと等しい場合、受光時間Tは値T3になる。
【0241】
次に、前記プリンタ130の制御装置について説明する。
【0242】
図30は本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0243】
図において、32aはシャッタ、85は第6の制御部としてのシャッタ駆動制御部、70は第1の制御部としての印刷制御部、63H、63Lは第1、第2の発光素子、64H、64Lは第1、第2の受光素子、86Hは第1の受光素子64Hによるレーザ光の受光時間Tを測定する第1の計時部材としての第1のタイマ、86Lは第2の受光素子64Lによるレーザ光の受光時間Tを測定する第2の計時部材としての第2のタイマである。
【0244】
なお、第1の電源としての帯電用電源76によって、帯電ローラ24に−1000〔V〕の直流電圧が、第2の電源としての現像用電源77によって、現像ローラ141に−200〔V〕の直流電圧が、現像ブレード用電源によって、現像ブレード26に−400〔V〕の直流電圧が、第3の電源としての供給用電源78によって、トナー供給ブラシローラ142に−450〔V〕の直流電圧が、第4の電源としての補助供給用電源179によって、補助供給ローラ148に−650〔V〕の直流電圧が、第5の電源としての転写用電源80によって、転写ローラ124に+3000〔V〕の直流電圧が印加される。
【0245】
次に、前記印刷制御部70の動作について説明する。
【0246】
図31は本発明の第5の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【0247】
この場合、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端と補助供給ローラ148の下端との間になるようにシャッタ32aが開閉させられる。
【0248】
そのために、印刷制御部70の前記現像剤レベル検出処理手段としてのトナーレベル検出処理手段は、第1、第2のタイマ86H、86Lによって測定された受光時間Tを読み込み、それぞれTH、TLとする。
【0249】
次に、印刷制御部70の前記現像剤レベル判断処理手段としてのトナーレベル判断処理手段は、受光時間TLが値T2であるかどうかによって、トナーレベルが補助供給ローラ148の下端より低いかどうかを判断する。
【0250】
受光時間TLが値T2であり、トナーレベルが補助供給ローラ148の下端より低い場合、印刷制御部70の前記現像剤供給処理手段としてのトナー供給処理手段は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを開く。このようにして、トナーカートリッジ32内のトナー31が第2室rm2内に供給される。
【0251】
なお、受光時間TLが値T2ではなく、トナーレベルが補助供給ローラ148の下端以上である場合、前記印刷処理手段は、印刷動作を継続する。この場合、シャッタ32aは開いたままにされる。
【0252】
続いて、前記トナーレベル判断処理手段は、受光時間THが値T1であるかどうかによって、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142b以上であるかどうかを判断する。
【0253】
受光時間THが値T1であり、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142b以上である場合、前記トナー供給処理手段は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを閉じる。このようにして、トナーカートリッジ32内のトナー31が第2室rm2内に供給されなくなる。
【0254】
なお、受光時間THが値T1ではなく、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bより低い場合、前記印刷処理手段は、印刷動作を継続する。この場合、シャッタ32aは開いたままにされる。
【0255】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 印刷動作を開始する。
ステップS12 受光時間TLが値T2になるのを待機し、受光時間TLが値T2になった場合はステップS13に進む。
ステップS13 シャッタ32aを開く。
ステップS14 受光時間THが値T1になるのを待機し、受光時間THが値T1になった場合はステップS15に進む。
ステップS15 シャッタ32aを閉じ、ステップS11に戻る。
【0256】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシローラ142の下方に、補助供給ローラ148が配設され、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端と補助供給ローラ148の下端との間になるようにシャッタ32aが開閉させられるので、トナー供給ブラシローラ142をトナー31から浮かせることができる。
【0257】
したがって、ブラシ142bがトナー31に埋もれることがなくなり、ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを抑制することができるので、ブラシ142bの弾性が低くならず、現像ローラ21にトナー31を安定して供給することができる。
【0258】
前記第1〜第3の実施の形態においては、一つの画像形成ユニット20を備えたプリンタ10について説明しているが、複数の画像形成ユニットを備えたカラーのプリンタに適用することができる。また、第4、第5の実施の形態においては、カラーのプリンタ130について説明しているが、モノクロのプリンタに適用することができる。
【0259】
そして、第1〜第3の実施の形態においては、現像ローラ21上のトナー31を回収するためにトナー回収ブラシローラ25が配設されるようになっているが、トナー回収ブラシローラ25に代えて、金属ローラ、ゴムローラ、スポンジ状のゴムローラ、導電性を有するフィルム等を現像ローラ21に当接させることによって、トナー31を回収することができる。
【0260】
さらに、各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0261】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0262】
20、135Bk、135Y、135M、135C、155Bk、155Y、155M、155C 画像形成ユニット
21、141 現像ローラ
22、142 トナー供給ブラシローラ
30、148 補助供給ローラ
31 トナー
31a 上面
Cs2〜Cs5 ケーシング
rm 現像剤保持空間
rm1 第1室
β1、β2 接触対向部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタは、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ローラ、定着器等を備え、前記画像形成ユニットは、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設されたトナーカートリッジから成り、前記画像形成ユニット本体内には、感光体ドラム、帯電ローラ、現像剤担持体としての現像ローラ、現像ブレード、トナー供給ローラ、クリーニングブレード等が配設されるようになっている。なお、現像ローラ、現像ブレード、トナー供給ローラ、トナーカートリッジ等によって現像器が構成される。
【0003】
前記プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて、静電潜像が形成される。一方、前記トナーカートリッジから画像形成ユニット本体内に供給された現像剤としてのトナーは、トナー供給ローラによって現像ローラに供給され、現像ブレードによって現像ローラ上にトナーの薄層が形成される。そして、現像ローラ上のトナーを、感光体ドラム上の静電潜像に付着させ、該静電潜像を現像することによって感光体ドラム上にトナー像が形成される。続いて、該トナー像は、転写ローラによって用紙に転写され、定着器において用紙に定着させられて、画像が形成される。
【0004】
ところで、前記トナー供給ローラとしてブラシローラを使用し、ブラシローラから現像ローラにトナーを供給するようにしたプリンタが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−258987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、画像形成ユニット本体内でブラシローラがトナーに埋もれていると、ブラシローラのブラシの隙間にトナーが入り込み、詰まってしまう。
【0007】
したがって、プリンタを長期間にわたり使用すると、ブラシの弾性が低くなり、現像ローラにトナーを安定して供給することができなくなってしまう。その結果、画像品位が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、現像剤担持体に現像剤を安定して供給することができ、画像品位が低下するのを防止することができる画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、現像剤を担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有する。
【0010】
また、前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成ユニットにおいては、現像剤を担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有する。
【0012】
また、前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされる。
【0013】
この場合、現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされるので、第1の供給部材を現像剤から浮かせることができる。
【0014】
したがって、第1の供給部材が現像剤に埋もれることがなくなり、現像剤担持体に現像剤を安定して供給することができるので、画像品位が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における現像ローラの断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第1の概念図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第2の概念図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の概念図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の要部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における光検出部による反射板の検出状態を説明するための図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第1の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第2の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるトナーレベルと受光時間との関係図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【図15】比較例1の画像形成ユニットの概略図である。
【図16】比較例2の画像形成ユニットの概略図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における比較例1の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態における比較例2の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図20】高温高湿の環境下で実施例1の画像形成ユニットにおいて白抜けが発生するメカニズムを説明するための図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第1の拡大図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第2の拡大図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【図27】本発明の第4の実施の形態における比較例3の画像形成ユニットの要部を示す図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図29】本発明の第5の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図30】本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【図31】本発明の第5の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図、図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す拡大図である。
【0018】
図において、10はプリンタ、Cs1は該プリンタ10の筐体としてのケーシング、20は画像形成ユニット(現像装置)、23は矢印a方向に回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム、11は該感光体ドラム23と対向させて配設され、感光体ドラム23の表面を露光して、感光体ドラム23の表面に潜像としての静電潜像を形成する露光装置としてのLEDヘッド、12は前記感光体ドラム23と対向させて矢印b方向に回転自在に配設され、感光体ドラム23上に形成された現像剤像としてのトナー像を媒体としての用紙Pに転写する転写部材としての転写ローラである。
【0019】
前記画像形成ユニット20は、画像形成ユニット20の本体、すなわち、画像形成ユニット本体20a、及び該画像形成ユニット本体20aに対して着脱自在に配設された現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32を備え、該トナーカートリッジ32内に現像剤としてのトナー31を収容するための現像剤収容室としてのトナー収容室が形成される。前記画像形成ユニット本体20aの筐体としてのケーシングCs2は、前記トナーカートリッジ32を受けるための受け部Csaを備える。
【0020】
そして、前記トナー31を画像形成ユニット本体20a内に供給するために、トナーカートリッジ32の底部に現像剤排出口としてのトナー排出口h1が、前記受け部Csaにおける現像剤排出口h1と対応する箇所に現像剤受け口としてのトナー受け口h2が形成され、前記トナー排出口h1が開閉部材としてのシャッタ32aによって開閉させられる。
【0021】
前記画像形成ユニット本体20a内には、前記感光体ドラム23、該感光体ドラム23と接触させて矢印c方向に回転自在に配設され、前記感光体ドラム23の表面を一様に帯電させる帯電装置としての、かつ、帯電部材としての帯電ローラ24、前記静電潜像にトナー31を付着させて現像し、トナー像を形成する現像器90、先端を感光体ドラム23と接触させて配設され、転写後に感光体ドラム23上に残留したトナー31を回収するクリーニング部材としてのクリーニングブレード29等が配設される。
【0022】
また、前記現像器90は、前記感光体ドラム23と対向させて、かつ、感光体ドラム23と接触させて矢印d方向に回転自在に配設され、前記トナー31を担持する現像剤担持体としての現像ローラ21、該現像ローラ21の下方において、現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触することなく(非接触で)矢印e方向に回転自在に配設され、前記トナー31を現像ローラ21に供給する第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ22、該トナー供給ブラシローラ22の上方においてトナー供給ブラシローラ22と接触させて配設された現像剤飛翔部材としてのトナー供給ブラシ用フリッカー27、先端を前記現像ローラ21と当接させて配設され、現像ローラ21上に均一な厚さのトナー31の薄層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード26、前記現像ローラ21の下方において、該現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触させて矢印f方向に回転自在に配設され、現像に使用されることなく前記現像ローラ21上に残留したトナー31を回収する現像剤回収部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤回収ブラシローラ)としてのトナー回収ブラシローラ25、該トナー回収ブラシローラ25の下方においてトナー回収ブラシローラ25と接触させて配設された現像剤飛翔部材としてのトナー回収ブラシ用フリッカー28、前記トナー供給ブラシローラ22の下方において、該トナー供給ブラシローラ22と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ22と接触させて矢印g方向に回転自在に配設され、トナー供給ブラシローラ22にトナー31を供給する第2の供給部材としての、かつ、現像剤補給部材としての補助供給ローラ30、矢印方向に回転自在に配設され、前記ケーシングCs2内のトナー31を攪拌して搬送する複数の攪拌部材33a〜33d、矢印k方向に回転自在に配設され、前記ケーシングCs2内のトナー31の残量を表す上面31aのレベル(位置)、すなわち、現像剤レベルとしてのトナーレベルを検出するための検出レバー34等を備える。
【0023】
前記トナー供給ブラシ用フリッカー27は、トナー供給ブラシローラ22の回転方向における現像ローラ21より上流側に、前記トナー回収ブラシ用フリッカー28は、トナー回収ブラシローラ25の回転方向における現像ローラ21より下流側に配設される。
【0024】
前記ケーシングCs2は、前記現像器90を収容し、トナー31を保持するための現像剤保持空間rmを形成する。
【0025】
なお、前記攪拌部材33a〜33d及び検出レバー34は、クランク形状の金属バーによって形成され、図1に示される破線に沿って回転させられる。また、現像ローラ21とトナー供給ブラシローラ22とが接触することなく対向させられる部分によって、非接触対向部α1が、トナー供給ブラシローラ22と補助供給ローラ30とが接触して対向させられる部分によって、接触対向部β1が形成される。
【0026】
前記トナー供給ブラシローラ22は、導電性を有する金属製の芯金22aに、所望の抵抗値に調整された導電性繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ22bをスパイラル状に巻き付けることによって、前記トナー回収ブラシローラ25は、導電性を有する金属製の芯金25aに、所望の抵抗値に調整された導電性繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ25bをスパイラル状に巻き付けることによって形成される。そして、前記トナー供給ブラシ用フリッカー27は、ブラシ22bの弾性を利用してトナー供給ブラシローラ22が保持するトナー31を現像ローラ21に向けて飛翔させ、前記トナー回収ブラシ用フリッカー28は、ブラシ25bの弾性を利用してトナー回収ブラシローラ25が保持するトナー31を下方に向けて飛翔させる。
【0027】
また、前記補助供給ローラ30は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金30a上に、弾性体としてのシリコーンゴムスポンジ層30bを被覆することによって形成される。
【0028】
なお、感光体ドラム23に対して、トナー供給ブラシローラ22、攪拌部材33a〜33d及び検出レバー34は逆方向に、転写ローラ12、帯電ローラ24、現像ローラ21、補助供給ローラ30及びトナー回収ブラシローラ25は同方向に回転させられる。
【0029】
前記現像ローラ21、トナー供給ブラシローラ22、トナー供給ブラシ用フリッカー27、トナー回収ブラシローラ25、トナー回収ブラシ用フリッカー28及び補助供給ローラ30の各ローラは、図3に示されるように、ギャップ又はニップを形成するように配設される。
【0030】
そして、現像ローラ21とトナー供給ブラシローラ22との間のギャップ量d1、トナー供給ブラシローラ22とトナー供給ブラシ用フリッカー27とのニップ量d2、現像ローラ21とトナー回収ブラシローラ25とのニップ量d3、トナー回収ブラシローラ25とトナー回収ブラシ用フリッカー28とのニップ量d4、及びトナー供給ブラシローラ22と補助供給ローラ30とのニップ量d5は、いずれも0.5〔mm〕にされる。
【0031】
前記画像形成ユニット20の下方には、感光体ドラム23と転写ローラ12との間に形成される転写部に用紙Pを供給するために、用紙Pを収納する媒体収容部としての用紙カセット91、及び前記用紙Pを1枚ずつ分離させ、搬送するための第1の搬送部材としての、かつ、繰出ローラとしてのホッピングローラ15aが配設される。
【0032】
そして、用紙Pを搬送するための媒体搬送路における前記ホッピングローラ15aより下流側には、第2の搬送部材としてのレジストローラ15bが配設される。さらに、媒体搬送路における前記転写部より下流側には、定着装置としての定着器13、及び該定着器13を通過した用紙Pをプリンタ10の本体、すなわち、装置本体外に排出するための第3の搬送部材としての排出ローラ15cが配設される。
【0033】
前記定着器13は、第1のローラとしての加熱ローラR1、及び第2のローラとしての加圧ローラR2を備え、前記加熱ローラR1内に加熱体としての図示されないヒータが配設される。そして、定着器13において、用紙Pに転写されたトナー像が加熱ローラR1によって加熱され、加圧ローラR2によって加圧されて用紙Pに定着させられる。
【0034】
なお、画像形成ユニット20を横方向に2個以上、例えば、4個配設し、各画像形成ユニットにおいてそれぞれ異なる色、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン等のトナー像を形成することによって、カラーの画像を形成することができる。
【0035】
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。
【0036】
前記用紙カセット91に収容された用紙Pは、ホッピングローラ15aによって1枚ずつ分離させられて繰り出され、媒体搬送路に沿って搬送される。そして、レジストローラ15bによって斜行が矯正された後、用紙Pは、転写部において感光体ドラム23上のトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着器13に送られ、該定着器13において、トナー像が加熱され、加圧され、用紙Pに定着させられる。その後、用紙Pは、排出ローラ15cによって装置本体外に排出される。
【0037】
次に、トナー31について説明する。
【0038】
本実施の形態において使用されるトナー31は、粉砕法で製造された非磁性一成分の負帯電性のトナーであり、バインダー(結着樹脂)としてポリエステル樹脂を使用し、バインダー中に着色剤、帯電制御剤等を分散してベーストナー(トナー母粒子)を形成し、該ベーストナーに、流動性及び帯電性を調整するための外添剤を添加することによって形成される。
【0039】
着色剤としては、カーボンブラック、銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue15)、キナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red22)、C.I.Pigment Yellow185等が使用され、添加剤としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ等が使用される。さらに、シリカとしては、シリコーンオイル処理、ジシラザン処理等を施したものが使用される。
【0040】
トナー31の体積平均粒径は5.7〔μm〕であり、円形度は0.92であり、ブローオフ帯電量は−36〔μC/g〕である。なお、体積平均粒径の測定には、コールターマルチライザーII(コールター社製)を、円形度の測定にはフロー式粒子像分析装置FPIA−3000(シスメックス(株)製)を、ブローオフ帯電量の測定には粉体帯電量測定装置TYPE TB−203(京セラ(株)製)を使用した。ブローオフ帯電量の測定においては、トナー0.5〔g〕と、フェライトキャリア(F−60)(パウダーテック(株)製)9.5〔g〕とを混合し、30〔分〕攪拌した後、ブロー圧7.0〔kPa〕、吸引圧−4.5〔kPa〕の条件で飽和帯電量を測定した。
【0041】
次に、前記現像ローラ21について説明する。
【0042】
図4は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの断面図である。
【0043】
図に示されるように、現像ローラ21は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼(SUS)製の芯金21a、該芯金21a上に形成された弾性体から成る弾性層21b、及び該弾性層21b上に形成された半導電性樹脂膜21cを備え、該半導電性樹脂膜21cは、トナー31への電荷付与性を考慮して、アクリル樹脂にカーボンブラック等を分散させて形成される。
【0044】
前記弾性層21bの材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の一般的なゴム材料を使用することができ、本実施の形態においては、シリコーンゴムを使用した。
【0045】
また、前記弾性層21bのゴム硬度は、アスカーC硬度で50〔°〕以上、かつ、80〔°〕以下の範囲が適当であり、本実施の形態においては、アスカーC硬度で60〔°〕とした。
【0046】
次に、前記現像ブレード26について説明する。
【0047】
現像ブレード26は、弾性を有する金属、本実施の形態においては、ステンレス鋼(SUS)から成り、板厚が0.08〔mm〕であり、現像ローラ21との当接部には、L字状になるように曲げ加工が施されていて、曲げ部の曲率半径Rを0.18〔mm〕とし、当接部における現像ローラ21に対する線圧を35〔gf/cm〕とした。
【0048】
なお、前記現像ブレード26の線圧を考慮して、現像ローラ21上のトナー31の層厚及び帯電量を所定の値にするために、現像ローラ21の表面粗さ及び抵抗値が設定される。
【0049】
本実施の形態においては、現像ローラ21の表面の十点平均粗さRz(JIS B0601−1994)を2〜8〔μm〕とした。なお、表面粗さの測定はサーフコーダSEF3500(小坂研究所製)で行い、測定器の触針半径を2〔μm〕とし、触針圧を0.7〔mN〕とし、触針の送り速さを0.1〔mm/sec〕とした。
【0050】
また、前記現像ローラ21の抵抗値は、弾性層21b及び半導電性樹脂膜21cを含めた値で1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×109 〔Ω〕以下の範囲とした。
【0051】
次に、前記現像ローラ21の抵抗値の測定方法について説明する。
【0052】
図5は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第1の概念図、図6は本発明の第1の実施の形態における現像ローラの抵抗値の測定装置を示す第2の概念図である。
【0053】
現像ローラ21の抵抗値を測定するに当たり、測定装置としてハイレジスタンスメータ(型番:4339B)(ヒューレット・パッカード社製)51を使用した。現像ローラ21の軸方向における6箇所に、幅が2.0〔mm〕であり、直径が6.0〔mm〕であるステンレス鋼製のボールベアリング52a〜52fを20〔gf〕の力で接触させ、現像ローラ21に100〔V〕の直流電圧を印加し、現像ローラ21を50〔rpm〕の速度で回転させ、芯金21aとローラ表面との間の抵抗値を測定した。
【0054】
なお、ボールベアリング52a〜52fごとに、現像ローラ21を1回転させる間に、円周上の100ポイントで抵抗値を測定し、合計で600ポイントで抵抗値を測定し、各ポイントにおける抵抗値の平均値を現像ローラ21の抵抗値とした。
【0055】
次に、トナー供給ブラシローラ22について説明する。
【0056】
トナー供給ブラシローラ22は、前述されたように、所望の抵抗値に調整された導電性を有する繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ22bを、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金22aにスパイラル状に巻き付けて形成される。
【0057】
前記トナー供給ブラシローラ22の抵抗値は、図5及び6に示されるハイレジスタンスメータ51で測定した。前記抵抗値は、トナー供給ブラシローラ22に50〔V〕の直流電圧を印加したときに1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×1010〔Ω〕以下の範囲にされるのが好ましい。
【0058】
また、ブラシ22bの糸の長さを3〔mm〕とし、繊度(太さ)を6〔デニール〕とし、植密度を80〔kF/inch2 〕とした。さらに、ブラシ22bの素材としては、本実施の形態において、トナー31として非磁性一成分の負帯電性のトナーが使用されるので、トナー31を負の極性に帯電させるために、帯電列が正帯電側に位置するナイロン(登録商標)、アクリル等を使用するのが好ましく、本実施の形態においては、ナイロン繊維(登録商標)(ユニチカ(株)製UUN材)を使用した。
【0059】
次に、トナー供給ブラシ用フリッカー27について説明する。
【0060】
トナー供給ブラシ用フリッカー27は、断面の直径が3〔mm〕のステンレス鋼から成る円柱状のバーによって形成される。なお、前記トナー供給ブラシ用フリッカー27を、厚さが0.5〔mm〕程度の金属板で形成することができるが、金属板をトナー供給ブラシ用フリッカー27として使用する場合は、金属板のエッジによってトナー供給ブラシローラ22のブラシ22bが摩耗しやすくなるので、金属板の先端部に曲げ加工を施して曲げ部を形成し、曲げ部をトナー供給ブラシローラ22に当接させるようにするのが好ましい。
【0061】
次に、トナー回収ブラシローラ25について説明する。
【0062】
トナー回収ブラシローラ25は、前述されたように、所望の抵抗値に調整された導電性を有する繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ25bを、導電性を有する金属製の芯金25aにスパイラル状に巻き付けて形成される。
【0063】
前記トナー供給ブラシローラ25の抵抗値は、図5及び6に示されるハイレジスタンスメータ51で測定した。前記抵抗値は、トナー回収ブラシローラ25に50〔V〕の直流電圧を印加したときに1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×108 〔Ω〕以下の範囲にされるのが好ましい。前記トナー回収ブラシローラ25の抵抗値が1×108 〔Ω〕より高くなると、ブラシ25bに電荷が蓄積され、現像ローラ21上の現像がされる前のトナー、すなわち、未現像トナーの電荷を除去することができなくなる。
【0064】
また、ブラシ25bの糸の長さを3〔mm〕とし、繊度を6〔デニール〕とし、植密度を75〔kF/インチ2 〕とした。さらに、ブラシ22bの素材としては、本実施の形態において、トナー31として非磁性一成分の負帯電性のトナーが使用されるので、トナー31を負の極性に帯電させるために、帯電列が正帯電側に位置するナイロン(登録商標)、アクリル等を使用するのが好ましく、本実施の形態においては、アクリル(東レ(株)製SA−7材)を使用した。
【0065】
次に、トナー回収ブラシ用フリッカー28について説明する。
【0066】
トナー回収ブラシ用フリッカー28は、断面の直径が3〔mm〕のステンレス鋼から成る円柱状のバーによって形成される。なお、前記トナー回収ブラシ用フリッカー28を、厚さが0.1〔mm〕程度の金属板で形成することができるが、金属板をトナー回収ブラシ用フリッカー28として使用する場合は、金属板のエッジによってトナー回収ブラシローラ25のブラシ25bが摩耗しやすくなるので、金属板の先端部に曲げ加工を施して曲げ部を形成し、曲げ部をトナー回収ブラシローラ25に当接させるようにするのが好ましい。
【0067】
次に、補助供給ローラ30について説明する。
【0068】
補助供給ローラ30は、前述されたように、芯金30a、及び該芯金30a上に形成されたシリコーンゴムスポンジ層30bを備える。該シリコーンゴムスポンジ層30bは、未加硫のシリコーンゴムコンパウンドを押出し等の方法で成形し、加熱によって加硫発泡させることによって形成される。
【0069】
本実施の形態においては、シリコーンゴムコンパウンドを発泡させることによって、表面に微細な孔から成るセル目が形成された補助供給ローラ30を使用した。前記セル目の各孔の直径は、200〔μm〕以上、かつ、500〔μm〕以下の範囲にされ、補助供給ローラ30のアスカーF硬度は50〔°〕以上、かつ、80〔°〕以下の範囲とした。
【0070】
そして、前記シリコーンゴムコンパウンドは、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルフェニルシリコーン生ゴム等の各種の生ゴムに、補強性シリカ充填剤、加硫硬化に必要な加硫剤及び発泡剤を添加することによって形成される。該発泡剤としては、重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤、ADCA等の有機発泡剤等が使用される。なお、シリコーンゴムスポンジ層30bに半導電性を持たせる場合は、生ゴムにアセチレンブラックやカーボンブラック等を添加する。さらに、前記補助供給ローラ30の硬度を、前記加硫剤の添加量を変更することによって調整することができる。
【0071】
次に、ケーシングCs2内におけるトナーレベルを検出するためのレベル信号発生装置について説明する。
【0072】
図7は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の概念図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の要部を示す斜視図、図9は本発明の第1の実施の形態における光検出部による反射板の検出状態を説明するための図である。なお、図9は、図7における光検出部Ha及び反射板62をギヤgr1側から見た図である。
【0073】
図において、60はレベル信号発生装置であり、該レベル信号発生装置60は、感光体ドラム23を回転させるための駆動源としての駆動モータ(M)17と、図示されないギヤ列を介して連結され、一定の回転速度で回転させられる回転伝達部材としてのギヤgr1、該ギヤgr1の回転に伴って回転させられ、ギヤgr1の回転を検出レバー34に伝達する回転伝達部材としての回転伝達ユニット61、該回転伝達ユニット61を介してギヤgr1の回転を受け、間欠的に回転させられる前記検出レバー34、該検出レバー34に取り付けられた被検出要素としての反射板62、検出要素としての光検出部Ha等を備え、ケーシングCs2内のトナーレベルを表す信号、すなわち、レベル信号を発生させる。
【0074】
前記回転伝達ユニット61は、ギヤgr1の出力軸sh0に固定された回転体61a、及びL字状の形状を有し、回転体61aからケーシングCs2内に向けて突出させて形成された駆動側の係止部としての突部61bを備える。前記出力軸sh0はケーシングCs2に配設された図示されない軸受によって回転自在に支持される。
【0075】
また、前記検出レバー34は、前述されたように、クランク形状の金属バーによって形成され、両端に検出レバー34の回転中心となる回転軸部sh1、sh2を、該回転軸部sh1、sh2間に、回転軸部sh1、sh2と偏心させて形成された旋回軸部sh3を、回転軸部sh1、sh2と旋回軸部sh3との間に従動側の係止部としての腕部mを備える。
【0076】
そして、回転軸部sh1は、前記回転体61aの回転中心に形成された穴に、相対的に回転自在に嵌入され、回転軸部sh2はケーシングCs2を貫通して延び、先端に前記反射板62が取り付けられる。なお、該反射板62は検出光としてのレーザ光を反射することができるものが好ましく、本実施の形態においては、反射板62として鏡を使用した。
【0077】
したがって、前記検出レバー34は、回転軸部sh1側において、回転伝達ユニット61を介してケーシングCs2に配設された前記軸受によって、回転軸部sh2側において、直接、ケーシングCs2に配設された図示されない軸受によって回転自在に支持される。
【0078】
駆動モータ17の回転がギヤgr1に伝達され、回転伝達ユニット61が、所定の回転速度で矢印re方向に回転させられ、突部61bが腕部mに当たり、腕部mを押すと、前記検出レバー34を回転させ、反射板62を回転させることができる。そして、検出レバー34の旋回軸部sh3が回転軌道Cr1の最も高い位置、すなわち、頂点pUに到達すると、旋回軸部sh3は、回転軌道Cr1の最も低い位置、すなわち、底点pLに向けて自重で落下して旋回させられる。なお、前記ギヤgr1の回転速度は、検出レバー34が回転軌道Cr1の頂点pUから底点pLに向けて自重で落下して旋回させられるときの検出レバー34の回転速度より低く設定される。
【0079】
そして、前記光検出部Haは、反射板62と対向させて配設され、レーザ光63aを発光させる第1の検出体としての発光素子63、及び前記反射板62によって反射させられたレーザ光63aを受光する第2の検出体としての受光素子64を備える。なお、該受光素子64は、センサ出力として前記レベル信号を発生させ、受光素子64によってレベル信号発生要素としてのレベルセンサが構成される。
【0080】
本実施の形態において、前記光検出部Haの位置は、頂点pUと底点pLとの中間点pMに反射板62が位置するときに、発光素子63が発光させたレーザ光63aを受光素子64が受光するように設定される。
【0081】
図9に示されるように、発光素子63のレーザ光63aは、反射板62が検出レバー34の回転軌道Cr1の頂点pUを通過した後、底点pLに移動するまでの、中間点pMを通過する間だけ反射板62を照射する。そして、反射板62が中間点pMを通過する間、受光素子64は、レーザ光63aを受光する。この場合、受光素子64がレーザ光63aを受光すると、レベル信号はオンになり、レーザ光63aを受光しなくなるとレベル信号はオフになる。
【0082】
次に、前記レベル信号発生装置60の動作について説明する。
【0083】
図10は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第1の図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるレベル信号発生装置の動作を示す第2の図である。
【0084】
図10に示されるように、トナー31の上面31aが検出レバー34の回転軌道Cr1の頂点pUより上に位置し、回転軌道Cr1がトナー31に埋もれた状態にある場合、検出レバー34の旋回軸部sh3は常に回転伝達ユニット61の突部61bによって押され、検出レバー34は回転伝達ユニット61と同じ回転速度で回転させられる。
【0085】
そして、図11に示されるように、トナー31の上面31aが検出レバー34の回転軌道Cr1の頂点pUより下に位置し、回転軌道Cr1の一部がトナー31に埋もれた状態にある場合、回転伝達ユニット61の回転に伴って、旋回軸部sh3が回転軌道Cr1の頂点pUに到達すると、回転軌道Cr1上の所定の区間はトナー31が存在しないので、旋回軸部sh3は自重で上面31aの高さまで落下し、上面31aの高さでトナー31の抵抗力によって停止させられる。そして、回転伝達ユニット61の回転に伴って、旋回軸部sh3が突部61bによって押されると、検出レバー34は回転伝達ユニット61と同じ回転速度で回転させられる。
【0086】
次に、前記トナーレベルと、反射板62が回転軌道Cr1上の中間点pMを通過するときの受光素子64がオンである時間、すなわち、受光素子64によるレーザ光63aの受光時間との関係について説明する。なお、該受光時間はトナーレベルを検出するための検出指標とされる。
【0087】
図12は本発明の第1の実施の形態におけるトナーレベルと受光時間との関係図である。なお、図において、横軸にトナーレベルを、縦軸に受光時間Tを採ってある。
【0088】
図に示されるように、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMより高い場合は、反射板62が中間点pMを通過する際の回転速度とギヤgr1の回転速度とが等しい。このときの、受光素子64によるレーザ光63aの受光時間Tは、第1の閾値としての値T1になる。
【0089】
また、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMより低い場合、反射板62が中間点pMを通過する際の回転速度は、旋回軸部sh3が自重で落下するときの検出レバー34の回転速度と等しく、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMより高い場合の、反射板62が中間点pMを通過する際の回転速度より高い。
【0090】
したがって、このときの受光時間Tは値T1より短い第2の閾値としての値T2になる。
【0091】
なお、トナーレベルが検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMと等しい場合、旋回軸部sh3が突部61bによって押されるまで受光素子64はオンであり続けるので、受光時間TはT1より長い値T3になる。
【0092】
次に、前記プリンタ10の制御装置について説明する。
【0093】
図13は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0094】
図において、70はマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される第1の制御部としての印刷制御部であり、図示されない上位装置としてのホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して印刷データ及び制御コマンドを受信し、プリンタ10の全体のシーケンスを制御し、印刷動作を行う。なお、ROMによって第1の記録装置が、RAMによって第2の記録装置が、タイマによって計時要素が構成される。
【0095】
また、72はホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して入力された印刷データを一時的に記録する記録部としての受信メモリ、73は該受信メモリ72に記録された印刷データを受け取るとともに、該印刷データを編集処理することによって形成された画像データ、すなわち、イメージデータを記録する記録部としての画像データ編集メモリである。
【0096】
そして、74は前記プリンタ10の状態を表示するための表示要素としての図示されないLED、及び操作者が前記プリンタ10に対する指示を入力するための操作要素としての図示されないスイッチ、キー等を備えた操作部、75はセンサ群であり、該センサ群75は、プリンタ10の動作状態を監視するための各種のセンサ、例えば、用紙Pの位置を検出する媒体検出部としての用紙位置検出センサ、プリンタ10の置かれた環境、例えば、温度、湿度等を検出する環境検出部としての温湿度センサ、印刷濃度を検出する濃度検出部としての印刷濃度センサ、トナーカートリッジ32内のトナー31の残量を検出するための現像剤残量検出部としてのトナー残量センサ等から成る。
【0097】
また、63は発光素子、64は受光素子、86は前記受光時間Tを測定する計時部材としてのタイマである。該タイマ86は受光素子64のレベル信号を読み込み、受光素子64がオンになると計時を開始し、オフになると計時を終了して、受光時間Tを測定する。
【0098】
そして、76は第1の電源としての帯電用電源であり、該帯電用電源76は印刷制御部70の指示によって帯電ローラ24に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム23の表面を帯電させる。また、77は第2の電源としての現像用電源であり、該現像用電源77は現像ローラ21に所定の直流電圧を印加し、静電潜像にトナー31を付着させる。そして、78は第3の電源としての供給用電源であり、該供給用電源78は、トナー供給ブラシローラ22に所定の直流電圧を印加し、現像ローラ21にトナー31を供給する。そして、79は第4の電源としての回収用電源であり、該回収用電源79は、トナー回収ブラシローラ25に所定の直流電圧を印加し、現像ローラ21からトナー31を回収する。また、80は、第5の電源としての転写用電源であり、該転写用電源80は、転写ローラ12に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム13上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。
【0099】
なお、前記帯電用電源76、現像用電源77、供給用電源78、回収用電源79及び転写用電源80は、印刷制御部70の指示によって印加する直流電圧を変更することができるようになっている。
【0100】
そして、81は第2の制御部としての駆動制御部であり、該駆動制御部81は、前記感光体ドラム23を回転させるための駆動モータ17を駆動する。前記駆動制御部81によって駆動モータ17が駆動されると、感光体ドラム23が回転させられるとともに、帯電ローラ24、現像ローラ21、トナー供給ブラシローラ22、トナー回収ブラシローラ25、補助供給ローラ30、攪拌部材33a〜33d及び検出レバー34が回転させられる。
【0101】
また、82は第3の制御部としてのヘッド駆動制御部であり、該ヘッド駆動制御部82は、画像データ編集メモリ73に記録されたイメージデータをLEDヘッド11に送り、該LEDヘッド11を駆動する。そして、83は第4の制御部としての定着制御部であり、該定着制御部83は、定着器13に直流電圧を印加し、転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。なお、前記定着器13は、加熱ローラR1の温度を検出する定着温度検出部としての図示されない温度センサを備え、前記定着制御部83は前記温度センサのセンサ出力を読み込み、センサ出力に基づいてヒータを通電させ、定着器13が一定の温度になるように制御を行う。
【0102】
また、84は第5の制御部としての搬送制御部であり、該搬送制御部84は、用紙Pを搬送するために、搬送用の駆動部としての用紙搬送モータ16を駆動し、印刷制御部70の指示によってホッピングローラ15a、レジストローラ15b、排出ローラ15c等を回転させ、所定のタイミングで用紙Pを搬送したり、停止させたりする。
【0103】
そして、85は第6の制御部としてのシャッタ駆動制御部であり、該シャッタ駆動制御部85は、トナーレベルに応じてシャッタ32aを開閉し、トナーカートリッジ32内のトナー31をケーシングCs2内に供給したり、供給を停止させたりする。
【0104】
ところで、トナーレベルが補助供給ローラ30の回転軸以下であると、補助供給ローラ30を回転させたときに補助供給ローラ30が保持するトナー31の量が少なくなってしまう。また、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端(接触対向部β1)以上であると、トナー供給ブラシローラ22の少なくとも一部がトナー31に埋もれ、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込み、詰まってしまう。
【0105】
したがって、プリンタ10を長期間にわたり使用すると、ブラシ22bの弾性が低くなり、現像ローラ21にトナー31を安定して供給することができなくなってしまう。その結果、画像品位が低下してしまう。
【0106】
そこで、本実施の形態においては、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされ、印刷制御部70は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、ケーシングCs2内のトナーレベルが、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くなるように、シャッタ32aを開閉する。なお、この場合、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端とは、トナー供給ブラシローラ22と補助供給ローラ30との間にニップが形成されていない状態のブラシ22bの下端をいう。
【0107】
続いて、シャッタ32aを開閉するための印刷制御部70の動作について説明する。
【0108】
図14は本発明の第1の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【0109】
まず、印刷制御部70の図示されない印刷処理手段は、印刷処理を行い、画像形成ユニット20による印刷動作を開始し、続いて、印刷制御部70の図示されない現像剤レベル検出処理手段としてのトナーレベル検出処理手段は、現像剤レベル検出処理としてのトナーレベル検出処理を行い、タイマ86によって測定された受光時間Tを読み込む。
【0110】
ところで、検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMの位置と検出レバー34の回転軸部sh1、sh2の位置とは等しいので、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされると、検出レバー34の回転軌道Cr1の中間点pMも、補助供給ローラ30の回転軸より高く、かつ、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされる。
【0111】
そして、前述されたように、トナーレベルが中間点pMより低い場合、受光時間Tは値T2になり、トナーレベルが中間点pM以上である場合、受光時間Tは値T1になるので、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2より低い場合、受光時間Tは値T2になり、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上である場合、受光時間Tは値T1になる。
【0112】
そこで、本実施の形態においては、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2より低くなり、受光時間Tが値T2と等しくなった場合に、トナーカートリッジ32内のトナー31をケーシングCs2内に供給し、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上になり、受光時間Tが値T1になった場合に、トナーカートリッジ32内のトナー31のケーシングCs2内への供給を停止させるようにしている。
【0113】
そのために、印刷制御部70の図示されない現像剤レベル判断処理手段としてのトナーレベル判断処理手段は、現像剤レベル判断処理としてのトナーレベル判断処理を行い、受光時間Tが値T2より長いかどうか(実際は値T1であるかどうか)によって、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上であるかどうかを判断するようにしている。
【0114】
そして、受光時間Tが値T2より長く(実際は値T1であり)、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上である場合、前記印刷処理手段は、印刷動作を継続する。なお、この場合、シャッタ32aは閉じたままにされる。
【0115】
また、受光時間Tが値T2以下であり(実際は値T2であり)、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2より低い場合、印刷制御部70の図示されない現像剤供給処理手段としてのトナー供給処理手段は、現像剤供給処理としてのトナー供給処理を行い、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを開く。その結果、トナーカートリッジ32内のトナー31がケーシングCs2内に供給される。
【0116】
そして、前記トナーレベル判断処理手段は、再び、受光時間Tが値T2より長いかどうか(実際は値T1であるかどうか)によって、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上であるかどうかを判断し、受光時間Tが値T2より長くなり(実際は値T1になり)、トナーレベルが回転軸部sh1、sh2以上になると、前記トナー供給処理手段は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを閉じる。その結果、トナーカートリッジ32内のトナー31のケーシングCs2内への供給が停止させられる。
【0117】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷動作を開始する。
ステップS2 受光時間Tが受光時間T2より短くなるのを待機し、受光時間Tが受光時間T2より短くなった場合はステップS3に進む。
ステップS3 シャッタ32aを開く。
ステップS4 受光時間Tが受光時間T2より長くなるのを待機し、受光時間Tが受光時間T2より長くなった場合はステップS5に進む。
ステップS5 シャッタ32aを閉じ、ステップS1に戻る。
【0118】
次に、前記構成のプリンタ10を使用して連続して印刷を行ったときに、画像品位が低下しないかどうかについて評価を行った。
【0119】
そのために、前記プリンタ10を、温度が20〔℃〕、湿度(相対湿度)が50〔%〕の常温常湿の環境下に置き、白紙パターンによる印刷(以下「白紙印刷」という。)を繰り返す試験、すなわち、連続印刷試験を行い、その後、現像ローラ21に十分な量のトナー31が供給されているかどうか、すなわち、トナー31の供給状態、及びブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで詰まることがないかどうか、すなわち、トナー31の詰まり状態を判断した。なお、白紙印刷において、LEDヘッド11による露光は行われず、現像用電源77による現像ローラ21への直流電圧の印加も行われないので、現像ローラ21上のトナー31は感光体ドラム23に付着させられず、現像は行われない。
【0120】
この場合、トナー31の供給状態を判断するために、連続印刷試験において所定の枚数の白紙印刷を行うごとに、100〔%〕デューティのベタ印刷を行ったときの、画像に発生したかすれのレベル、すなわち、白ぬけが発生したかどうかを判断した。そして、白抜けが発生していない場合に、現像ローラ21に十分な量のトナー31が供給されていると判断し、白抜けが発生した場合に、現像ローラ21に十分な量のトナー31が供給されていないと判断した。
【0121】
また、トナー31の詰まり状態を判断するために、連続印刷試験を行い、所定の白紙印刷を行うごとにベタ印刷を行ったときの、トナー供給ブラシローラ22のアスカーF硬度を測定した。そして、アスカーF硬度が高いほど、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで、詰まっていると判断した。
【0122】
なお、連続印刷試験において、現像用電源77によって、現像ローラ21及び現像ブレード26に−200〔V〕の直流電圧を、供給用電源78によって、トナー供給ブラシローラ22及び補助供給ローラ30に−1500〔V〕の直流電圧をそれぞれ印加した。また、トナー回収ブラシローラ25をアース接地した。
【0123】
そして、本実施の形態の画像形成ユニット20を実施例1とし、図15に示されるような画像形成ユニット20を比較例1とし、図16に示されるような画像形成ユニット20を比較例2として、実施例1並びに比較例1及び2についてトナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0124】
図15は比較例1の画像形成ユニットの概略図、図16は比較例2の画像形成ユニットの概略図、図17は本発明の第1の実施の形態における比較例1の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図、図18は本発明の第1の実施の形態における比較例2の画像形成ユニットによる連続印刷試験後のトナーレベルを示す図である。
【0125】
図15において、20は比較例1の画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット20においては、トナー供給ブラシローラ92が、現像ローラ21の下方において、現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触することなく(非接触で)矢印h方向(実施例1における矢印e方向と逆方向)に回転自在に配設され、補助供給ローラ93が、前記トナー供給ブラシローラ92の下方において、該トナー供給ブラシローラ92と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ92と接触させて矢印i方向(実施例1における矢印g方向と逆方向)に回転自在に配設される。なお、トナー供給ブラシローラ92は、芯金92a及びブラシ92bを備える。したがって、トナー供給ブラシ用フリッカー97がトナー供給ブラシローラ92の回転方向における現像ローラ21より上流側に配設される。
【0126】
また、図16において、20は比較例2の画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット20においては、実施例1における補助供給ローラが配設されない。
【0127】
次に、前記実施例1並びに比較例1及び2の画像形成ユニット20において、30000枚の連続印刷試験を行ったときのトナー31の供給状態及び詰まり状態の判断結果について説明する。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
表1は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の供給状態の判断結果を示す。○は白抜けが発生しなかったことを、×は白抜けが発生したことを表す。
【0131】
また、表2は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の詰まり状態の判断結果を示す。アスカーF硬度が95未満である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていないことを、95以上である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていることを表す。
【0132】
実施例1の画像形成ユニット20においては、30000枚後においても白抜けが発生せず、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まらなかった。
【0133】
これに対して、比較例1の画像形成ユニット20においては、20000枚後に、白抜けが発生し、ブラシ922bの隙間にトナー31が詰まった。また、比較例2の画像形成ユニット20においては、5000枚後に、白抜けが発生し、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まった。
【0134】
なお、実施例1の画像形成ユニット20において、30000枚後のトナーレベルは、連続印刷試験を開始する前と同じ状態に置かれるのに対して、比較例1の画像形成ユニット20においては、20000枚後に、ブラシ92bの隙間にトナー31が詰まり、トナー供給ブラシローラ92によって現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができなくなる。したがって、補助供給ローラ93からトナー供給ブラシローラ92にトナー31が供給されなくなり、補助供給ローラ93が矢印i方向に回転させられるのに伴って、トナー供給ブラシローラ92に供給されない分のトナー31が、補助供給ローラ93とトナー供給ブラシローラ92との間を抜けてトナー回収ブラシローラ25側に供給される。その結果、図17に示されるように、ケーシングCs2内におけるトナー供給ブラシローラ92より検出レバー34側の領域を第1の領域とし、トナー供給ブラシローラ92よりトナー回収ブラシローラ25側の領域を第2の領域としたとき、第1の領域のトナーレベルより、第2の領域のトナーレベルが高くなる。
【0135】
それに伴って、トナー供給ブラシローラ92がトナー31に埋もれ、ブラシ92bの隙間にトナー31が一層詰まり、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することが一層できなくなる。また、トナー回収ブラシローラ25がトナー31に埋もれ、ブラシ25bの隙間にトナー31が詰まるので、現像ローラ21上のトナー31を十分に回収することができなくなる。
【0136】
そして、比較例2の画像形成ユニット20においては、5000枚後に、初期の状態でトナー供給ブラシローラ22の一部がトナー31に埋もれるので、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まりやすく、トナー供給ブラシローラ22によって現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができなくなる。したがって、トナー供給ブラシローラ22が矢印e方向に回転させられるのに伴って、現像ローラ21に供給されない分のトナー31が、トナー供給ブラシローラ22と現像ローラ21との間を抜けてトナー回収ブラシローラ25側に供給される。その結果、図18に示されるように、ケーシングCs2内におけるトナー供給ブラシローラ22より検出レバー34側の領域を第1の領域とし、トナー供給ブラシローラ22よりトナー回収ブラシローラ25側の領域を第2の領域としたとき、第1の領域のトナーレベルより、第2の領域のトナーレベルが高くなる。
【0137】
それに伴って、トナー供給ブラシローラ22がトナー31に一層埋もれ、ブラシ22bの隙間にトナー31が一層詰まり、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することが一層できなくなる。また、トナー回収ブラシローラ25がトナー31に埋もれ、ブラシ25bの隙間にトナー31が詰まるので、現像ローラ21上のトナー31を十分に回収することができなくなる。
【0138】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシローラ22の下方に、補助供給ローラ30がトナー供給ブラシローラ22に接触させて配設され、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、トナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの下端より低くされるので、トナー供給ブラシローラ22をトナー31から浮かせることができる。
【0139】
したがって、ブラシ22bがトナー31に埋もれることがなくなり、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを抑制することができるので、ブラシ22bの弾性が低くならず、現像ローラ21にトナー31を安定して供給することができる。
【0140】
しかも、トナー供給ブラシローラ22が現像ローラ21と同方向に回転させられ、補助供給ローラ30が現像ローラ21と逆方向に回転させられるので、ブラシ22bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを一層抑制することができる。
【0141】
また、検出レバー34の回転軸部sh1、sh2が、補助供給ローラ30の回転軸以上に置かれるので、補助供給ローラ30を回転させたときに補助供給ローラ30が十分な量のトナー31を保持することができ、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができる。
【0142】
その結果、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0143】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0144】
図19は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0145】
図において、22は、現像剤担持体としての現像ローラ21と対向させて、かつ、現像ローラ21と接触することなく(非接触で)矢印e方向に回転自在に配設された第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ、117は、該トナー供給ブラシローラ22の上方において、トナー供給ブラシローラ22と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ22と接触させて矢印j方向に回転自在に配設された現像剤飛翔部材としてのトナー供給ブラシ用フリッカーである。トナー供給ブラシローラ22とトナー供給ブラシ用フリッカー117とのニップ量d2は、第1の実施の形態と同様に0.5〔mm〕にされる。
【0146】
前記トナー供給ブラシ用フリッカー117の一端には、筐体としてのケーシングCs2外において図示されないギヤが取り付けられ、該ギヤと駆動源としての駆動モータ17(図7)とが図示されないギヤ列を介して連結され、ギヤは一定の回転速度で回転させられ、該回転がトナー供給ブラシ用フリッカー117に伝達される。
【0147】
また、本実施の形態においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117の周速度とトナー供給ブラシローラ22の周速度とが等しくされる。
【0148】
したがって、トナー供給ブラシ用フリッカー117の表面とトナー供給ブラシローラ22のブラシ22bの先端との摺動を抑制することができるので、ブラシ22bが摩耗するのを抑制することができる。なお、トナー供給ブラシ用フリッカー117の周速度とトナー供給ブラシローラ22の周速度とが等しくされるが、トナー供給ブラシ用フリッカー117とトナー供給ブラシローラ22との間にニップが形成されるので、トナー供給ブラシ用フリッカー117によって、トナー供給ブラシローラ22が保持する現像剤としてのトナー31を現像ローラ21に向けて十分に飛翔させることができる。
【0149】
前記構成の画像形成装置としてのプリンタ10を、温度が27〔℃〕、湿度(相対湿度)が80〔%〕の高温高湿の環境下に置き、連続印刷試験を行い、その後、トナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0150】
次に、第1の実施の形態の画像形成ユニット20を実施例1とし、第2の実施の形態の画像形成ユニット20を実施例2とし、前記実施例1及び2において、30000枚の連続印刷試験を行ったときのトナー31の供給状態及び詰まり状態の判断結果について説明する。
【0151】
【表3】
【0152】
【表4】
【0153】
表3は、高温高湿の環境下の連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の供給状態の判断結果を示す。○は白抜けが発生しなかったことを、×は白抜けが発生したことを表す。
【0154】
また、表4は、高温高湿の環境下の連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後、10000枚後、20000枚後及び30000枚後におけるトナー31の詰まり状態の判断結果を示す。アスカーF硬度が95未満である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていないことを、95以上である場合は、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まっていることを表す。
【0155】
実施例2の画像形成ユニット20においては、30000枚後においても白抜けが発生せず、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まらなかった。
【0156】
これに対して、実施例1の画像形成ユニット20においては、30000枚後に、ブラシ22bの隙間にトナー31が詰まることはなかったが、白抜けが発生した。
【0157】
次に、高温高湿の環境下で実施例1の画像形成ユニット20において白抜けが発生するメカニズムについて説明する。
【0158】
図20は高温高湿の環境下で実施例1の画像形成ユニット20において白抜けが発生するメカニズムを説明するための図である。
【0159】
前述されたように、実施例1の画像形成ユニット20において、トナー供給ブラシ用フリッカー27は、現像ローラ21と現像剤規制部材としての現像ブレード26との当接部の鉛直線La上に配設される。したがって、現像ブレード26によって現像ローラ21上から掻き取られたトナー31がトナー供給ブラシ用フリッカー27上に落下する。そして、高温高湿の環境下においては、トナー31が吸湿して流動性が低くなるので、トナー供給ブラシ用フリッカー27上にトナー31が堆積しやすくなる。
【0160】
そして、トナー供給ブラシローラ22から矢印A方向に飛翔したトナー31が、現像ローラ21上にトナー層を形成するが、該トナー層にトナー供給ブラシ用フリッカー27上に堆積したトナー31が接触すると、現像ブレード26を通過する前の現像ローラ21上のトナー層の層厚が小さくなり、その結果、白抜けが発生すると考えられる。
【0161】
これに対して、実施例2の画像形成ユニット20においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117が回転させられるので、現像ブレード26によって現像ローラ21上から掻き取られたトナー31がトナー供給ブラシ用フリッカー117上に落下しても、トナー供給ブラシ用フリッカー117上でトナー31が堆積するのを抑制することができる。したがって、白抜けが発生するのを防止することができる。
【0162】
なお、本実施の形態においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117を回転させることによって、トナー供給ブラシ用フリッカー117上にトナー31が堆積するのを抑制するようにしているが、駆動部としての図示されないソレノイドをオン・オフさせることによって、トナー供給ブラシ用フリッカー117を軸方向に移動させ、トナー供給ブラシ用フリッカー117上にトナー31が堆積するのを抑制することができる。
【0163】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシ用フリッカー117が回転させられるので、トナー供給ブラシ用フリッカー117上にトナー31が堆積するのを抑制することができる。したがって、高温高湿の環境下においても、現像ローラ21に十分な量のトナー31を供給することができるので、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0164】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0165】
図21は本発明の第3の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0166】
この場合、画像形成ユニット20には、画像形成ユニット本体20aの筐体としてのケーシングCs3内に現像剤収容室としてのトナー収容室122が一体に形成され、該トナー収容室122内に現像剤としてのトナー31が収容される。
【0167】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0168】
図22は本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0169】
図に示されるように、画像形成装置としてのプリンタ130は、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色の現像剤としてのトナーごとに画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cを備え、該画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cは、像担持体としての感光体ドラム23を備える。そして、該感光体ドラム23と対向させて露光装置としてのLEDヘッド11が配設され、該LEDヘッド11によって感光体ドラム23上に潜像としての静電潜像が形成され、現像剤担持体としての図示されない現像ローラによって静電潜像が現像されて各色の現像剤像としてのトナー像になる。
【0170】
前記画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cに沿って、転写ユニットu1が配設される。該転写ユニットu1は、駆動ローラr11、従動ローラr12、駆動ローラr11と従動ローラr12との間に張設され、矢印方向に走行させられる転写ベルト123、及び該転写ベルト123を介して各感光体ドラム23と当接させられる転写部材としての転写ローラ124を備える。
【0171】
この場合、前記画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cにおいて各色のトナー像が形成され、媒体としての用紙Pが、転写ベルト123の走行に伴って、画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cと各転写ローラ124との間を通過すると、各感光体ドラム23上のトナー像が順次重ねて用紙Pに転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0172】
続いて、用紙Pは定着装置としての定着器13に送られ、該定着器13において、カラーのトナー像が用紙Pに定着させられる。
【0173】
次に、前記画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cについて説明する。なお、該画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cは同じ構造を有するので、画像形成ユニット135Bkについてだけ説明する。
【0174】
図23は本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの概略図、図24は本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第1の拡大図、図25は本発明の第4の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第2の拡大図である。
【0175】
図に示されるように、画像形成ユニット135Bkにおいて、画像形成ユニット135Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体の筐体としてのケーシングCs4内に、現像剤保持空間としての、かつ、現像剤収容室としてのトナー収容室122が一体に形成され、該トナー収容室122内に現像剤としてのトナー31が収容される。
【0176】
また、前記画像形成ユニット135Bkは、矢印a’方向に回転自在に配設された感光体ドラム23、該感光体ドラム23と当接させて矢印c’方向に回転自在に配設され、感光体ドラム23の表面を一様に帯電させる帯電装置としての、かつ、帯電部材としての帯電ローラ24、前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像器90、先端を感光体ドラム23と接触させて配設され、転写後に感光体ドラム23上に残留したトナー31を回収するクリーニング部材としてのクリーニングブレード29、前記感光体ドラム23の回転方向におけるクリーニングブレード29より下流側において、前記感光体ドラム23に当接することなく配設され、除電光を照射して感光体ドラム23の帯電電位をリセットする除電装置145等を備える。
【0177】
前記現像器90は、前記感光体ドラム23の下方において、感光体ドラム23と対向させて、かつ、感光体ドラム23と接触させて矢印d’方向に回転自在に配設された現像剤担持体としての現像ローラ141、先端を該現像ローラ141と当接させて配設され、現像ローラ141上に均一な厚さでトナー31の薄層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード26、前記現像ローラ141の下方において、現像ローラ141と対向させて、かつ、現像ローラ141と接触させて矢印e’方向に回転自在に配設され、前記トナー31を現像ローラ141に供給する第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ142、該トナー供給ブラシローラ142の下方において、トナー供給ブラシローラ142と対向させて、かつ、トナー供給ブラシローラ142と接触させて矢印g’方向に回転自在に配設され、トナー供給ブラシローラ142にトナー31を供給する第2の供給部材としての、かつ、現像剤補給部材としての補助供給ローラ148等を備える。
【0178】
なお、感光体ドラム23に対して、転写ローラ124、現像ローラ141及び補助供給ローラ148は逆方向に、トナー供給ブラシローラ142は同方向に回転させられる。
【0179】
前記画像形成ユニット135Bkの使用を開始する初期状態におけるケーシングCs4内に収容されているトナー31の上面31aのトナーレベルは、図24に示されるように、トナー供給ブラシローラ142の下端より低くされる。なお、この場合、トナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端とは、トナー供給ブラシローラ142と補助供給ローラ148との間にニップが形成されていない状態のブラシ142bの下端をいう。
【0180】
前記現像ローラ141、トナー供給ブラシローラ142及び補助供給ローラ148の各ローラは、図25に示されるように、それぞれニップを形成するように配設される。
【0181】
そして、現像ローラ141とトナー供給ブラシローラ142との間のニップ量d6、及びトナー供給ブラシローラ142と補助供給ローラ148とのニップ量d7は、いずれも0.5〔mm〕にされる。
【0182】
また、現像ローラ141とトナー供給ブラシローラ142とが接触させて対向させられる部分によって、接触対向部α2が、トナー供給ブラシローラ142と補助供給ローラ148とが接触させて対向させられる部分によって、接触対向部β2が形成される。
【0183】
次に、トナー供給ブラシローラ142について説明する。
【0184】
トナー供給ブラシローラ142は、所望の抵抗値に調整された導電性を有する繊維を織り込んだ生地で形成されたブラシ142bを、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金142aにスパイラル状に巻き付けて形成される。
【0185】
前記トナー供給ブラシローラ142の抵抗値は、第1の実施の形態と同様に、ハイレジスタンスメータ51(図5)で測定した。前記抵抗値は、トナー供給ブラシローラ142に50〔V〕の直流電圧を印加したときに1×106 〔Ω〕以上、かつ、1×1010〔Ω〕以下の範囲にされるのが好ましい。
【0186】
また、ブラシ142bの糸の長さを3〔mm〕とし、繊度(太さ)を6〔デニール〕とし、植密度を80〔kF/inch2 〕とした。さらに、ブラシ142bの素材としては、本実施の形態において、トナー31として非磁性一成分の負帯電性のトナーが使用されるので、トナー31を負の極性に帯電させるために、帯電列が正帯電側に位置するナイロン(登録商標)、アクリル等を使用するのが好ましく、本実施の形態においては、ナイロン繊維(登録商標)(ユニチカ(株)製UUN材)を使用した。
【0187】
そして、前記補助供給ローラ148は、導電性を有する金属製の、本実施の形態においては、ステンレス鋼製の芯金148a上にウレタンゴムから成る発泡体層148bを被覆することによって形成される。該発泡体層148bの硬度は、アスカーF硬度で50〔°〕とした。
【0188】
次に、前記プリンタ130の制御装置について説明する。
【0189】
図26は本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0190】
図において、70はマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される第1の制御部としての印刷制御部であり、上位装置としてのホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して印刷データ及び制御コマンドを受信し、プリンタ130の全体のシーケンスを制御し、印刷動作を行う。なお、ROMによって第1の記録装置が、RAMによって第2の記録装置が、タイマによって計時要素が構成される。
【0191】
また、72はホストコンピュータからインタフェース制御部71を介して入力された印刷データを一時的に記録する記録部としての受信メモリ、73は該受信メモリ72に記録された印刷データを受け取るとともに、該印刷データを編集処理することによって形成されたイメージデータを記録する記録部としての画像データ編集メモリである。
【0192】
そして、74は前記プリンタ130の状態を表示するための表示要素としてのLED、及び操作者が前記プリンタ130に対して指示を入力するための操作要素としてのスイッチ、キー等を備えた操作部、75はセンサ群であり、該センサ群75は、プリンタ130の動作状態を監視するための各種のセンサ、例えば、用紙Pの位置を検出する媒体検出部としての用紙位置検出センサ、プリンタ130の置かれた環境、例えば、温度、湿度等を検出する環境検出部としての温湿度センサ、印刷濃度を検出する濃度検出部としての印刷濃度センサ、現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32内のトナー31の残量を検出するための現像剤残量検出部としてのトナー残量センサ等から成る。
【0193】
また、76は第1の電源としての帯電用電源であり、該帯電用電源は印刷制御部70の指示によって各帯電ローラ24に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム23の表面を帯電させる。また、77は第2の電源としての現像用電源であり、該現像用電源77は各現像ローラ141に所定の直流電圧を印加し、静電潜像にトナー31を付着させる。そして、78は第3の電源としての供給用電源であり、該供給用電源78は、各トナー供給ブラシローラ142に所定の直流電圧を印加し、現像ローラ141にトナー31を供給する。そして、179は第4の電源としての補助供給用電源であり、該補助供給用電源179は、補助供給ローラ148に所定の直流電圧を印加し、トナー31をトナー供給ブラシローラ142に補給する。また、80は、第5の電源としての転写用電源であり、該転写用電源80は、各転写ローラ124に所定の直流電圧を印加し、感光体ドラム13上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。
【0194】
なお、前記帯電用電源76、現像用電源77、供給用電源78、補助供給用電源179及び転写用電源80は、印刷制御部70の指示によって印加する直流電圧を変更することができるようになっている。
【0195】
そして、81は第2の制御部としての駆動制御部であり、該駆動制御部81は、前記感光体ドラム23を回転させるための駆動源としての駆動モータ17(図9)を駆動する。前記駆動制御部81によって駆動モータ17が駆動されると、感光体ドラム23が回転させられるとともに、帯電ローラ24、現像ローラ141、トナー供給ブラシローラ142及び補助供給ローラ148が回転させられる。
【0196】
また、82は第3の制御部としてのヘッド駆動制御部であり、該ヘッド駆動制御部82は、画像データ編集メモリ73に記録されたイメージデータを画像信号としてLEDヘッド11に送り、該LEDヘッド11を駆動する。そして、83は第4の制御部としての定着制御部であり、該定着制御部83は、転写されたトナー像を用紙Pに定着するために定着器13に直流電圧を印加する。
【0197】
また、84は第5の制御部としての搬送制御部であり、該搬送制御部84は、用紙Pを搬送するために、搬送用の駆動部としての用紙搬送モータ16を駆動し、印刷制御部70の指示によって第1の搬送部材としての、かつ、繰出ローラとしてのホッピングローラ15a(図2)、第2の搬送部材としてのレジストローラ15b、第3の搬送部材としての排出ローラ15c等を回転させ、所定のタイミングで用紙Pを搬送したり、停止させたりする。
【0198】
次に、前記印刷制御部70の動作について説明する。
【0199】
まず、印刷命令を受けると、印刷制御部70の前記印刷処理手段は、駆動制御部81に指示を送り、駆動モータ17を駆動し、各感光体ドラム23を一定の周速度で矢印a’方向に回転させ、これに伴って、帯電ローラ24が矢印c’方向に、現像ローラ141が矢印d’方向に、トナー供給ブラシローラ142が矢印e’方向に、補助供給ローラ148が矢印g’方向に回転させられる。
【0200】
また、前記印刷処理手段は、帯電用電源76に指示を送り、帯電ローラ24に直流電圧を印加し、感光体ドラム23の表面を一様に帯電させるとともに、ヘッド駆動制御部82に指示を送り、LEDヘッド11を駆動し、画像信号に対応した光を感光体ドラム23に照射し、静電潜像を形成する。
【0201】
そして、前記印刷処理手段が、補助供給用電源179に指示を送り、補助供給ローラ148に直流電圧を印加すると、補助供給ローラ148の回転に伴って、トナー収容室122内のトナー31はすくい上げられ、補助供給ローラ148とトナー供給ブラシローラ142との接触対向部β2に搬送される。
【0202】
続いて、前記印刷処理手段が、供給用電源78に指示を送り、トナー供給ブラシローラ142に直流電圧を印加すると、トナー供給ブラシローラ142の回転に伴って、接触対向部β2に搬送されたトナー31が現像ローラ141に供給される。
【0203】
このようにして、トナー31が現像ローラ141に付着すると、トナー31は、現像ローラ141の回転に伴って矢印d’方向に搬送され、現像ローラ141の回転方向におけるトナー供給ブラシローラ142より下流側に配設された現像ブレード26によって、均一な厚さのトナー層になる。このとき、現像ブレード26には、図示されない現像ブレード用電源によって直流電圧が印加され、トナー31は現像ブレード26及び現像ローラ141によって摺られ、摩擦帯電させられる。
【0204】
次に、現像ブレード26を通過したトナー31は、現像ローラ141の回転に伴って、更に搬送され、感光体ドラム23と現像ローラ141との当接部分に送られる。現像ローラ141には、前記印刷処理手段が、現像用電源77に指示を送り、直流電圧が印加されているので、感光体ドラム23と現像ローラ141との間には、静電潜像及び現像バイアスによって電気力線が発生し、トナー31は静電気力によって感光体ドラム23に付着し、トナー像を形成する。
【0205】
そして、転写ベルト123の走行に伴って、用紙Pが画像形成ユニット135Bk、135Y、135M、135Cと各転写ローラ124との間の各転写部に送られると、前記印刷処理手段が、転写用電源80に指示を送り、各転写ローラ124に直流電圧を印加する。このとき、転写バイアスによって、感光体ドラム23上のトナー像が用紙Pに順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0206】
続いて、用紙Pは、定着器13に送られ、該定着器13においてカラーのトナー像が用紙Pに定着させられ、カラーの画像が形成される。このようにして、カラーの画像が形成された用紙Pは、装置本体外に排出される。
【0207】
一方、転写後の各感光体ドラム23には、トナー31がわずかに残留するが、残留したトナー31はクリーニングブレード29によって掻き取られる。また、前記除電装置145は、感光体ドラム23の表面に除電光を照射して、感光体ドラム23上の露光されていない電荷による残留電荷を除去し、感光体ドラム23の帯電電位をリセットする。
【0208】
次に、前記構成のプリンタ130を使用して連続して印刷を行ったときに、画像品位が低下しないかどうかについて評価を行った。
【0209】
前記構成のプリンタ130において、白紙印刷を繰り返す連続印刷試験を行い、その後、トナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0210】
この場合、トナー31の供給状態を判断するために、連続印刷試験において所定の枚数の白紙印刷を行うごとに、所定の枚数、本実施の形態においては、5枚のベタ印刷を行ったときの画像に白ぬけが発生したかどうかを判断した。そして、白抜けが発生していない場合に、現像ローラ141に十分な量のトナー31が供給されていると判断し、白抜けが発生した場合に、現像ローラ141に十分な量のトナー31が供給されていないと判断した。
【0211】
また、トナー31の詰まり状態を判断するために、連続印刷試験を行い、所定の白紙印刷を行うごとにベタ印刷を行ったときのトナー供給ブラシローラ142が担持するトナー31の重量を算出した。トナー供給ブラシローラ142が担持するトナー31の重量が大きいほど、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まっていると判断した。
【0212】
なお、連続印刷試験において、帯電用電源76によって、帯電ローラ24に−1000〔V〕の直流電圧を、現像用電源77によって、現像ローラ141に−200〔V〕の直流電圧を、現像ブレード用電源によって、現像ブレード26に−400〔V〕の直流電圧を、供給用電源78によって、トナー供給ブラシローラ142に−450〔V〕の直流電圧を、補助供給用電源179によって、補助供給ローラ148に−650〔V〕の直流電圧を、転写用電源80によって、転写ローラ124に+3000〔V〕の直流電圧を印加した。
【0213】
そして、本実施の形態の画像形成ユニット20を実施例3とし、図27に示されるような現像ローラ141及びトナー供給ブラシローラ142を備えた画像形成ユニットを比較例3とし、実施例3及び比較例3についてトナー31の供給状態及び詰まり状態を判断した。
【0214】
図27は本発明の第4の実施の形態における比較例3の画像形成ユニットの要部を示す図である。
【0215】
図において、31はトナー、31aはトナー31の上面、141は現像ローラ、142はトナー供給ブラシローラ、142bはブラシである。なお、比較例3の画像形成ユニット20においては、補助供給ローラは配設されず、それに伴い、初期状態のトナーレベルは、トナー供給ブラシローラ142の少なくとも一部がトナー31に埋もれるように設定される。
【0216】
次に、前記実施例3及び比較例3の画像形成ユニット20において、10000枚の連続印刷試験を行ったときのトナー31の供給状態及び詰まり状態の判断結果について説明する。
【0217】
【表5】
【0218】
【表6】
【0219】
表5は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後及び10000枚後におけるトナー31の供給状態の判断結果を示す。○は白抜けが発生しなかったことを、×は白抜けが発生したことを表す。
【0220】
また、表6は、連続印刷試験における初期、白紙印刷500枚後、1000枚後、5000枚後及び10000枚後におけるトナー31の詰まり状態の判断結果を示す。ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んでいるトナー供給ブラシローラ142の重量をGb1とし、ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んでいないトナー供給ブラシローラ142の重量をGb2としたとき、前記トナー供給ブラシローラ142が担持するトナー31の重量gtを、
gt=Gb1−Gb2
とした。なお、トナー31が付着した状態でのトナー供給ブラシローラ142の重量Gb1を測定する際に、トナー供給ブラシローラ142の表面に付着した余分なトナー31を除去した。重量gtが50〔g〕未満である場合は、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まっていないことを、50〔g〕以上である場合は、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まっていることを表す。
【0221】
実施例3の画像形成ユニット20においては、10000枚後においても白抜けが発生せず、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まらなかった。
【0222】
これに対して、比較例3の画像形成ユニット20においては、5000枚後に、白抜けが発生し、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まった。
【0223】
なお、実施例3の画像形成ユニット20において、トナーレベルは、トナー供給ブラシローラ142の下端より低くされるので、トナー供給ブラシローラ142がトナー31に埋もれることがなく、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まるのを抑制することができる。
【0224】
また、比較例3のトナー供給ブラシローラ142は、回転させられるごとに、図27に示される破線で囲んだ領域AR1においてトナー31に埋もれる。したがって、トナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの隙間に入り込むトナー31の量が次第に多くなり、ブラシ142bの隙間にトナー31が詰まってしまう。
【0225】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシローラ142が下方において補助供給ローラ148と接触させて配設され、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端より低くされるので、ブラシ142bがトナー31に埋もれることがない。したがって、ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを抑制することができるので、ブラシ142bの弾性が低くならず、現像ローラ141にトナー31を安定して供給することができる。
【0226】
その結果、画像品位が低下するのを防止することができる。
【0227】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0228】
図28は本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0229】
図に示されるように、画像形成装置としてのプリンタ130は、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色の現像剤としてのトナーごとに画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cを備え、該画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cは、像担持体としての感光体ドラム23を備える。そして、各感光体ドラム23と対向させて露光装置としてのLEDヘッド11が配設され、該LEDヘッド11によって感光体ドラム23上に潜像としての静電潜像が形成され、現像剤担持体としての図示されない現像ローラによって静電潜像が現像されて各色の現像剤像としてのトナー像になる。
【0230】
また、前記画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cに沿って、転写ユニットu1が配設される。該転写ユニットu1は、駆動ローラr11、従動ローラr12、駆動ローラr11と従動ローラr12との間に張設され、矢印方向に走行させられる転写ベルト123、及び該転写ベルト123を介して各感光体ドラム23と当接させられる転写部材としての転写ローラ124を備える。
【0231】
次に、前記画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cについて説明する。なお、前記画像形成ユニット155Bk、155Y、155M、155Cは同じ構造を有するので、画像形成ユニット155Bkについてだけ説明する。
【0232】
図29は本発明の第5の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0233】
図において、155Bkは画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット155Bkはは、画像形成ユニット155Bkの本体、すなわち、画像形成ユニット本体155a、及び該画像形成ユニット本体155aに対して着脱自在に配設された現像剤収容部としてのトナーカートリッジ32を備え、該トナーカートリッジ32内に現像剤としてのトナー31を収容するための現像剤収容室としてのトナー収容室が形成される。画像形成ユニット本体155aの筐体としてのケーシングCs5は、前記トナーカートリッジ32を受けるための受け部Csaを備える。
【0234】
そして、前記トナー31を画像形成ユニット本体155a内に供給するために、トナーカートリッジ32の底部に現像剤排出口としての図示されないトナー排出口が、前記受け部Csaにおける現像剤排出口と対応する箇所に現像剤受け口としてのトナー受け口h2が形成され、該トナー受け口h2が開閉部材としてのシャッタ32aによって開閉させられる。
【0235】
前記画像形成ユニット本体155a内は、前記受け部Csaの所定の箇所から垂下させて形成された仕切り壁w1によって、現像剤保持空間としての第1室rm1と、現像剤供給空間としての第2室rm2とに区分され、第1室rm1に、前記感光体ドラム23、帯電装置としての帯電ローラ24、現像器90、クリーニング部材としてのクリーニングブレード29、除電装置145等が配設される。
【0236】
前記現像器90は、現像ローラ141、第1の供給部材としての、かつ、ブラシローラ(現像剤供給ブラシローラ)としてのトナー供給ブラシローラ142、現像剤規制部材としての現像ブレード26、第2の供給部材としての、かつ、現像剤補給部材としての補助供給ローラ148、矢印k1、k2方向に回転自在に配設され、前記ケーシングCs5内のトナー31の残量を表すトナーレベルを検出するための第1、第2の検出レバー34H、34L等を備える。
【0237】
前記第1の検出レバー34Hの回転中心は、トナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端の位置に、前記第2の検出レバー34Hの回転中心は、補助供給ローラ148の下端の位置に置かれる。なお、第1、第2の検出レバー34H、34Lは、第1の実施の形態と同様に、クランク形状の金属バーによって形成され、図に示される破線に沿って回転させられる。第1、第2の検出レバー34H、34Lには、第1の実施の形態と同様の被検出要素としての図示されない第1、第2の反射板が取り付けられる。
【0238】
そして、装置本体には、第1、第2の反射板と対向させて第1、第2の光検出部が配設され、第1の光検出部は、レーザ光を発光させる第1の検出体としての第1、第2の発光素子、及び前記第1、第2の反射板によって反射させられたレーザ光を受光する第2の検出体としての第1、第2の受光素子を備える。なお、該第1、第2の受光素子は、センサ出力としてそれぞれレベル信号を発生させ、第1、第2の受光素子によって第1、第2のレベル信号発生要素としての第1、第2のレベルセンサが構成される。
【0239】
本実施の形態において、前記第1、第2の光検出部の位置は、頂点pU(図9)と底点pLとの中間点pMに第1、第2の反射板が位置するときに、第1、第2の受光素子が発光させたレーザ光を第1、第2の受光素子が受光するように設定される。
【0240】
そして、図12に示されるように、トナーレベルが第1、第2の検出レバーの回転軌道の中間点pMより高い場合、第1、第2の受光素子によるレーザ光の受光時間Tは第1の閾値としての値T1になり、第1、第2の検出レバーの回転軌道の中間点pMより低い場合、第1、第2の受光素子によるレーザ光の受光時間Tは第2の閾値としての値T2になり、トナーレベルが第1、第2の検出レバーの回転軌道の中間点pMと等しい場合、受光時間Tは値T3になる。
【0241】
次に、前記プリンタ130の制御装置について説明する。
【0242】
図30は本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0243】
図において、32aはシャッタ、85は第6の制御部としてのシャッタ駆動制御部、70は第1の制御部としての印刷制御部、63H、63Lは第1、第2の発光素子、64H、64Lは第1、第2の受光素子、86Hは第1の受光素子64Hによるレーザ光の受光時間Tを測定する第1の計時部材としての第1のタイマ、86Lは第2の受光素子64Lによるレーザ光の受光時間Tを測定する第2の計時部材としての第2のタイマである。
【0244】
なお、第1の電源としての帯電用電源76によって、帯電ローラ24に−1000〔V〕の直流電圧が、第2の電源としての現像用電源77によって、現像ローラ141に−200〔V〕の直流電圧が、現像ブレード用電源によって、現像ブレード26に−400〔V〕の直流電圧が、第3の電源としての供給用電源78によって、トナー供給ブラシローラ142に−450〔V〕の直流電圧が、第4の電源としての補助供給用電源179によって、補助供給ローラ148に−650〔V〕の直流電圧が、第5の電源としての転写用電源80によって、転写ローラ124に+3000〔V〕の直流電圧が印加される。
【0245】
次に、前記印刷制御部70の動作について説明する。
【0246】
図31は本発明の第5の実施の形態における印刷制御部の動作を示すフローチャートである。
【0247】
この場合、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端と補助供給ローラ148の下端との間になるようにシャッタ32aが開閉させられる。
【0248】
そのために、印刷制御部70の前記現像剤レベル検出処理手段としてのトナーレベル検出処理手段は、第1、第2のタイマ86H、86Lによって測定された受光時間Tを読み込み、それぞれTH、TLとする。
【0249】
次に、印刷制御部70の前記現像剤レベル判断処理手段としてのトナーレベル判断処理手段は、受光時間TLが値T2であるかどうかによって、トナーレベルが補助供給ローラ148の下端より低いかどうかを判断する。
【0250】
受光時間TLが値T2であり、トナーレベルが補助供給ローラ148の下端より低い場合、印刷制御部70の前記現像剤供給処理手段としてのトナー供給処理手段は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを開く。このようにして、トナーカートリッジ32内のトナー31が第2室rm2内に供給される。
【0251】
なお、受光時間TLが値T2ではなく、トナーレベルが補助供給ローラ148の下端以上である場合、前記印刷処理手段は、印刷動作を継続する。この場合、シャッタ32aは開いたままにされる。
【0252】
続いて、前記トナーレベル判断処理手段は、受光時間THが値T1であるかどうかによって、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142b以上であるかどうかを判断する。
【0253】
受光時間THが値T1であり、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142b以上である場合、前記トナー供給処理手段は、シャッタ駆動制御部85に指示を送り、シャッタ32aを閉じる。このようにして、トナーカートリッジ32内のトナー31が第2室rm2内に供給されなくなる。
【0254】
なお、受光時間THが値T1ではなく、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bより低い場合、前記印刷処理手段は、印刷動作を継続する。この場合、シャッタ32aは開いたままにされる。
【0255】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 印刷動作を開始する。
ステップS12 受光時間TLが値T2になるのを待機し、受光時間TLが値T2になった場合はステップS13に進む。
ステップS13 シャッタ32aを開く。
ステップS14 受光時間THが値T1になるのを待機し、受光時間THが値T1になった場合はステップS15に進む。
ステップS15 シャッタ32aを閉じ、ステップS11に戻る。
【0256】
このように、本実施の形態においては、トナー供給ブラシローラ142の下方に、補助供給ローラ148が配設され、トナーレベルがトナー供給ブラシローラ142のブラシ142bの下端と補助供給ローラ148の下端との間になるようにシャッタ32aが開閉させられるので、トナー供給ブラシローラ142をトナー31から浮かせることができる。
【0257】
したがって、ブラシ142bがトナー31に埋もれることがなくなり、ブラシ142bの隙間にトナー31が入り込んで詰まるのを抑制することができるので、ブラシ142bの弾性が低くならず、現像ローラ21にトナー31を安定して供給することができる。
【0258】
前記第1〜第3の実施の形態においては、一つの画像形成ユニット20を備えたプリンタ10について説明しているが、複数の画像形成ユニットを備えたカラーのプリンタに適用することができる。また、第4、第5の実施の形態においては、カラーのプリンタ130について説明しているが、モノクロのプリンタに適用することができる。
【0259】
そして、第1〜第3の実施の形態においては、現像ローラ21上のトナー31を回収するためにトナー回収ブラシローラ25が配設されるようになっているが、トナー回収ブラシローラ25に代えて、金属ローラ、ゴムローラ、スポンジ状のゴムローラ、導電性を有するフィルム等を現像ローラ21に当接させることによって、トナー31を回収することができる。
【0260】
さらに、各実施の形態においては、プリンタについて説明しているが、本発明を、複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0261】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0262】
20、135Bk、135Y、135M、135C、155Bk、155Y、155M、155C 画像形成ユニット
21、141 現像ローラ
22、142 トナー供給ブラシローラ
30、148 補助供給ローラ
31 トナー
31a 上面
Cs2〜Cs5 ケーシング
rm 現像剤保持空間
rm1 第1室
β1、β2 接触対向部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)現像剤を担持する現像剤担持体と、
(b)該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、
(c)該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、
(d)前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有するとともに、
(e)前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記第2の供給部材は、第1の供給部材より下方に配設される請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記現像剤担持体及び第1の供給部材は同方向に回転させられる請求項1又は2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記第1の供給部材は、芯金及びブラシを備えたブラシローラである請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
(a)開閉自在に配設され、現像剤収容室内の現像剤を前記現像剤保持空間に供給するための開閉部材と、
(b)現像剤保持空間における現像剤の上面のレベルを判断する現像剤レベル判断処理手段と、
(c)前記現像剤保持空間における現像剤の上面のレベルに応じて前記開閉部材を開閉させる現像剤供給処理手段とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記現像剤供給処理手段は、現像剤の上面のレベルを前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くする請求項5に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記現像剤供給処理手段は、現像剤の上面のレベルを前記第1の供給部材の下端と第2の供給部材の下端との間に置く請求項5に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記現像剤担持体と接触させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体上に残留した現像剤を回収する現像剤回収部材を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記ブラシローラと接触させて配設され、ブラシローラに付着した現像剤を飛翔させる現像剤飛翔部材を有する請求項4に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記現像剤飛翔部材は、前記ブラシローラと逆方向に回転させられる請求項9に記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
画像形成ユニットを備えた画像形成装置において、
(a)前記画像形成ユニットは、現像剤を担持する現像剤担持体、該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材、該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材、並びに前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体を有し、
(b)前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
(a)現像剤を担持する現像剤担持体と、
(b)該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材と、
(c)該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材と、
(d)前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体とを有するとともに、
(e)前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記第2の供給部材は、第1の供給部材より下方に配設される請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記現像剤担持体及び第1の供給部材は同方向に回転させられる請求項1又は2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記第1の供給部材は、芯金及びブラシを備えたブラシローラである請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
(a)開閉自在に配設され、現像剤収容室内の現像剤を前記現像剤保持空間に供給するための開閉部材と、
(b)現像剤保持空間における現像剤の上面のレベルを判断する現像剤レベル判断処理手段と、
(c)前記現像剤保持空間における現像剤の上面のレベルに応じて前記開閉部材を開閉させる現像剤供給処理手段とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記現像剤供給処理手段は、現像剤の上面のレベルを前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くする請求項5に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記現像剤供給処理手段は、現像剤の上面のレベルを前記第1の供給部材の下端と第2の供給部材の下端との間に置く請求項5に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記現像剤担持体と接触させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体上に残留した現像剤を回収する現像剤回収部材を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記ブラシローラと接触させて配設され、ブラシローラに付着した現像剤を飛翔させる現像剤飛翔部材を有する請求項4に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記現像剤飛翔部材は、前記ブラシローラと逆方向に回転させられる請求項9に記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
画像形成ユニットを備えた画像形成装置において、
(a)前記画像形成ユニットは、現像剤を担持する現像剤担持体、該現像剤担持体と対向させて回転自在に配設され、前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1の供給部材、該第1の供給部材と接触させて回転自在に配設され、前記第1の供給部材に現像剤を供給する第2の供給部材、並びに前記現像剤担持体及び第1、第2の供給部材を収容し、現像剤を保持するための現像剤保持空間を形成する筐体を有し、
(b)前記現像剤保持空間内に保持される現像剤の上面のレベルは、前記第1、第2の供給部材の接触対向部より低くされることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2013−88470(P2013−88470A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225904(P2011−225904)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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