説明

画像形成機器のデータ管理装置

【課題】多様性に富み、統一的なデータ管理を可能にし、データの機密性や可搬性など、ユーザーの利便性を向上させる、画像形成機器のデータ管理装置を提供する。
【解決手段】データ管理装置1は、蓄積文書データを管理する情報や検索する文書名、ユーザー名又は文書の内容を特徴付ける語句などを含むメタデータを蓄積文書データと対応して蓄積文書データ毎に保持、管理する機能と、情報端末装置13に文書データとして出力する機能と、蓄積文書データに付随するメタデータを取込み出力する機能と、メタデータの内容を任意に登録、削除又は変更する編集機能と、出力される蓄積文書データのデータ形式を変換する機能と、所望の蓄積文書データを検索する検索条件を基に、メタデータを使用して所望の蓄積文書データを検索する機能と、検索条件に合致する、又は予め設定された検索条件に従い該当蓄積文書データをユーザーに認識させる機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成機器に対して入出力されるデータの管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタル孔版印刷機あるいはデジタル複写機などの画像形成機器のデータ管理においては、機器に搭載のスキャナを走査することによって文書データをハードディスク(HDD)などの機器内部に装着された大容量の記憶装置に蓄積することやLANなどのネットワークを介して接続されたコンピュータから送信された文書データを送信し、この送信された文書データを記憶装置に同様に蓄積(登録とも言う)する、いわゆる文書データ蓄積が行われている。
【0003】
これら蓄積された文書データから、目的とする文書データを検索するには、機器に設けられた操作パネル(タッチパネル)を使用して、あるいはネットワークを介して接続されたコンピュータからWebブラウザなど使用して、機器に蓄積されている文書データの一覧リストを表示させ、スクロールやページ切り替えを行ってオペレータが対象文書データを探し出す方法や、文書データに関連する文書名やユーザー名を簡易的な検索ツールで指定することによって行っている。
また、類似文書を検索する方法として、機器に登録された対象文書において全文を走査し、助詞、助動詞、接続詞、一般的な名詞などの文書を特徴付けない語句を読み飛ばす、あるいは削除し、残った語句を、対象文書を特徴付ける語句として抽出するものが、特許文献1,2として本出願人から提案されている。
【0004】
さらに、従来のデジタル孔版印刷機あるいはデジタル複写等のデータ管理には、ユーザーが機器をどれだけ使用(製版/印刷/プリント)したかといったユーザー管理や、当該機器の機種、機番、仕向け先などから紙送りのパルス設定値に至るまでのマシン属性や設定に関わるデータを保存・管理するマシンシステム管理などがある。これらデータの管理やデータ形式は、開発機種毎に異なる場合や、メーカー独自の形式である場合が多い。また、これらの管理データは、物理的には、電装基板に固定配置された記憶部となるNVRAMなどの不揮発性メモリ内に収められていることが多い。
【特許文献1】特開2005−141733
【特許文献2】特開2006−301732
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の文書蓄積手法において、画像形成機器に蓄積される文書データは、当該機器に搭載されているスキャナで走査し、取り込んだものか、ネットワークを介して接続されたコンピュータなどから送信された文書データ(プリンタドライバが生成した文書データ)に限られており、しかも、蓄積文書のデータ形式は、一般的に流通しているような文書形式もしくは画像形式などではなく、メーカー独自もしくは一般的な形式に独自にカスタマイズしたものが多く、しかもそのデータ形式は非公開となっていることが多い。
それ故に、データが非互換性となり、一般的に流通しているデータ形式の文書データを機器に登録することはできなかった。また、前述のように、従来のデータ管理装置のひとつである蓄積文書管理においては、登録されている蓄積文書の一覧リストをユーザーが表示させ、スクロールやページ切り替えを行って人為的に対象文書を探し出す方法は、登録されている文書数が十個程度の少ない量であれば実用に耐え得る。しかし、近年のHDDの大容量化にともない、機器には数百個あるいは数千個の文書データを蓄積できるようになり、また多数の人が多数の文書を保存しておくようになった現在では、そのような方法では検索に時間を要し、実用に耐え難い。
前記のような状況において、文書名やユーザー名を簡易的な検索ツールで指定して検索を行う方法は、常套手段ともいえるが、検索対象となる文書名をユーザーが正しく記憶していることは少なく、また、そもそも文書名として文書の内容を特徴付けるようなネーミングが常にされているとは限らない。例えば、「議事録1」、「議事録2」、「月間報告書」などのネーミングでは、ユーザーは、登録時点ではいつの何の議事録であるか、いつの何の報告書であるかを把握していたであろうが、時間の経過とともにその文書についての記憶があやふやとなることが多い。これが、自分の文書ではなく、他人の文書データを検索するとなれば尚更である。
さらに、類似文書を検索する方法として、特許文献1,2のように、対象文書において全文を走査し、助詞、助動詞、接続詞、一般的な名詞などの文書を特徴付けない語句を読み飛ばしたり削除していき、残った語句を、対象文書を特徴付ける語句として抽出し、比較するような機械的な検索方法では、文書の内容まで吟味したキーワード抽出ではないため、人手により良く思慮されたキーワードの抽出には遠く及ばない。
従来のデータ管理のひとつであるユーザー管理やマシンシステム管理では、前述のように開発機種毎にデータ管理方法やデータ形式が異なって互換性がないため、データ管理において統一的で継続的、一貫的な管理が行われているとは言い難い。なによりも、データそのものは、電装基板に固定配置された不揮発性メモリ内に収められているため、当該データを他の印刷機などで利用しようとしても、その術がなかった。
【0006】
本発明は、前記に鑑みてなされたものであり、多様性に富み、統一的、一貫的で、継続的に運用可能で柔軟なデータ管理を可能にし、さらに、そのデータの機密性や携帯性、可搬性など、ユーザーの利便性を向上させる、画像形成機器のデータ管理装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、請求項1の発明は、デジタル化されている文書データを機器本体内に装着されている大容量記憶装置に蓄積文書データとして格納する機能と、蓄積文書データを管理するための情報や検索のための文書名、ユーザー名又は文書の内容を特徴付ける語句などを含むメタデータを、蓄積文書データと対応させて蓄積文書データ毎に保持、管理する機能と、大容量記憶装置に格納された蓄積文書データを、機器本体に装着された携帯型大容量記憶装置又はネットワークを介して接続された情報端末装置に文書データとして出力する機能と、大容量記憶装置に格納する文書データ又は大容量記憶装置から出力する文書データに付随するメタデータを取込み及び出力する機能と、メタデータの内容を任意に登録、削除又は変更する編集手段と、大容量記憶装置に格納される文書データもしくは携帯型大容量記憶装置又は情報端末装置に出力される蓄積文書データのデータ形式を変換する機能と、蓄積文書データの中から所望の蓄積文書データを検索するための検索条件を指定する手段で指定された検索条件を基に、メタデータを使用して所望の蓄積文書データを検索する機能と、検索条件に合致するものもしくは予め設定された検索条件に従い、該当蓄積文書データをユーザーに認識させる手段を有することを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置において、デジタル化されている文書データが、機器が備える画像読取部で読み込まれた原稿読込みデータ、情報端末装置からデータ転送される送信データ、携帯型大容量記憶装置に予め格納されているデータの少なくとも何れか1つであることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の画像形成機器のデータ管理装置において、メタデータは、文書名、ユーザー名、登録者名、文書管理者、文書管理部門、文書データ形式、文書データ形式の構造又は構成、機密区分とその区分、アクセス権限、文書作成年月日時、文書登録年月日時、登録元、文書種別、文書を特徴付ける語句群、アクセス履歴、アクセス頻度、保存期間、連絡先の少なくとも何れか1つを含むものであることを特徴としている。
【0010】
機密区分とその区分としては、通常文書、機密文書、本人のみ、本人を含む課・グループ、本人を含む部門、社外秘などが挙げられ、アクセス権限としては本人のみ、本人を含む課・グループ、本人を含む部門、社内などが挙げられる。登録元としてはスキャナ、プリンタ、記録メディアなどが挙げられ、文書種別としては報告書、試験問題、ちらし、連絡先としては電話番号、E−mail、URLが挙げられる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置において、携帯型大容量記憶装置との間でデータの入出力を行うデータ入出力手段を有し、データ入出力手段から文書データが機器内へ入力される時に、予め設定されて、文書データとともに当該携帯型大容量記憶装置に格納されているメタデータを、蓄積文書データとして取り込まれる文書データに対応するメタデータとして、当該メタデータのすべてもしくはその一部を取り込むことを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4記載の画像形成機器のデータ管理装置において、大容量記憶装置に格納されている蓄積文書データと大容量記憶装置に格納される文書データのデータ形式が異なる場合、予め設定されたメタデータ中に含まれているデータ形式情報を基に、大容量記憶装置に格納される文書データを、大容量記憶装置に前記格納されている蓄積文書データのデータ形式に変換して大容量記憶装置に格納するとともに、メタデータを蓄積文書データと対応するメタデータとして、当該データのすべてもしくはその一部を取込むとともに、取込まれたメタデータの形式を、データ形式を変換されて格納された蓄積文書データに対応するデータ形式に変換することを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4記載の画像形成機器のデータ管理装置において、メタデータの機密区分に含まれている値が機密文書を示す場合、文書データを大容量記憶装置に格納する際に、ユーザーに認証データの入力を促し、入力された認証データを前記大容量記憶装置に格納し、以後の当該蓄積文書データへアクセスする際の認証用に供することを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置において、携帯型大容量記憶装置との間でデータの入出を行うデータ入出力手段を有し、大容量記憶装置に格納されている蓄積文書データを、データ入出力手段を介して携帯型大容量記憶装置に出力する場合、蓄積文書データに対応して当該機器で管理している蓄積文書管理用メタデータのすべてもしくはその一部を、蓄積文書データに付随するメタデータとして携帯型大容量記憶装置に出力することを特徴としている。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7記載の画像形成機器のデータ管理装置において、蓄積文書データを携帯型大容量記憶装置へ出力する場合、出力される蓄積文書データに、機器で管理するデータ形式と異なる形式が要求されている場合、出力対象となる蓄積文書データのデータ形式を、要求されるデータ形式に変換して出力するとともに、当該蓄積文書データと対応して管理されている蓄積文書管理用のメタデータも出力し、かつ、この蓄積文書管理用のメタデータを、変換された文書データに対応するデータ形式に更新または変更することを特徴としている。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1、4又は7記載の画像形成機器のデータ管理装置において、蓄積文書データの管理、入出力に関わるメタデータの表現形式が、XML形式であることを特徴としている。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1ないし9の何れかに記載の画像形成機器のデータ管理装置において、所望の蓄積文書データを検索するための検索条件を指定する手段が、文字もしくは音声の入力装置であることを特徴としている。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1ないし10の何れかに記載の画像形成機器のデータ管理装置において、ユーザーに認識させる手段が、文字表示、画像表示又は音声出力する装置であることを特徴としている。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1ないし11の何れかに記載の画像形成機器のデータ管理装置において、予め設定された検索条件が、最新アクセス順、アクセス頻度順、ユーザー名順、文書名順、文書登録年月日順、文書作成年月日順、の少なくとも何れか1つであることを特徴としている。
【0020】
請求項13の発明は、請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置において、少なくとも機器の使用状況の情報をユーザー別に保存・管理するユーザー管理情報と、機器を使用するユーザーに関する情報の連絡先、所属、識別番号、アクセス権限の属性を保存・管理するアドレス帳管理情報と、機器の属性や設定に関わる情報を保存・管理するシステム管理情報を、携帯型大容量記憶媒体に格納されている表現形式がXML形式のメタデータファイルで管理することを特徴としている。
【0021】
請求項14の発明は、請求項13記載の画像形成機器のデータ管理装置において、携帯型大容量記憶媒体は機器本体に対して着脱可能であり、携帯型大容量記憶媒体を機器本体から離脱不能とするロック機構、又は携帯型大容量記憶媒体に格納されているメタデータファイルに対するアクセス規制を行う手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、機器本体の大容量記憶装置に格納される蓄積文書データや格納されている蓄積文書データの中から所望の蓄積文書データを検索するための検索条件を指定する手段で指定された検索条件を基に、メタデータを使用して所望の蓄積文書データを検索し、検索条件に合致するものもしくは予め設定された検索条件に従い、該当蓄積文書データをユーザーに認識させる、メタデータファイルを使用するデータ管理装置をデジタル孔版印刷機に適用することにより、多様性に富み、統一的、一貫的で、継続的に運用可能で柔軟なデータ管理を可能にし、さらにそのデータの機密性や携帯性、可搬性など、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態について図面を用いて説明する。本発明に係るデータ管理装置1は、デジタル孔版印刷機あるいはデジタル複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などの画像形成機器に装着されて用いられる。利用形態としては、デジタル孔版印刷機と個別に構成する形態でもよいし、画像形成機器の機器本体内に配備して画像形成機器と一体化して用いる形態であってもよい。本形態において、画像形成機器はデジタル孔版印刷機と、データ管理装置1は、機器本体内に配備したものとして以下説明を続ける。
【0024】
データ管理装置は、図1に示すように、制御系基板1で構成されている。制御系基板1はACU2(Application Control Unit)とECU(Engine Control Unit)の二つに大きく分かれている。ACU2は、操作パネル4が接続される操作パネル用インターフェース5、携帯型大容量記憶装置となるメモリーカード35のデータ入出力装置6,7や大容量記憶装置となるハードディスク(以下HDDと記す)8などが接続されるインターフェース9,10,11、USB用インターフェース12、パソコンなどの情報端末装置13が備えるネットワーク基板14が接続される外部通信インターフェース15、ECU3側が接続されるECUインターフェース16と、中央演算回路となるCPU17、記憶手段となるRAM18とROM19が、ASIC20(Application Specific Integrated Circuit)に接続されている。ACU2は、デジタル孔版印刷機の製版制御等を行い、最終的に製版データを生成したのち、ECU16に転送するという働きを受け持つ。本発明の機能は、主にこのACU20に属し、その多種の機能によりデータ管理を行う。操作パネル4には、文字情報や英数字などを入力する入力手段122が表示される。
【0025】
ECU3は、中央演算回路となるCPU21、記憶手段となるRAM22とROM23、ACU2のECUインターフェース16と接続されるACUインターフェース24、画像読取部となるスキャナ25が接続されるスキャナインターフェース26、印字装置となるプロッタ27が接続されるプロッタインターフェース28が、それぞれASIC30に接続されている。ECU3は、ACU2により生成された製版データを基に周知の孔版原紙の感熱孔版フィルムに熱的プロセスによって穿孔を行うことにより潜像画像を生成し、この孔版原紙を周知の版胴に巻装し、インキを版胴内部より供給しながら版胴を回転させ、それに呼応させるように用紙を給紙することにより印刷成果物を得るという一連のデジタル孔版印刷機の製版から印刷に至る動作全般を制御するものである。デジタル孔版印刷機としては、片面印刷機や両面印刷機、単色印刷機や多色印刷機の何れであってもよい。
【0026】
このような構成のデータ管理装置1は、デジタル化されている文書データを機器本体内に装着されているHDD8に蓄積文書データとして格納する機能と、蓄積文書データを管理するための情報や検索のための文書名、ユーザー名又は文書の内容を特徴付ける語句などを含むメタデータを、蓄積文書データと対応させて蓄積文書データ毎に保持、管理する機能と、HDD8に格納された蓄積文書データを、機器本体に装着されたメモリーカード35又はネットワークを介して接続された情報端末装置13に文書データとして出力する機能と、HDD8に格納する文書データ又はHDD8から出力する文書データに付随するメタデータを取込み及び出力する機能と、メタデータの内容を任意に登録、削除又は変更する編集機能と、HDD8に格納される文書データもしくはメモリーカード35または情報端末装置13に出力される蓄積文書データのデータ形式を変換する機能と、蓄積文書データの中から所望の蓄積文書データを検索するための検索条件を指定する手段により指定された検索条件を基に、メタデータを使用して所望の蓄積文書データを検索する機能と、検索条件に合致するもの、もしくは予め設定された検索条件に従い、該当蓄積文書データをユーザーに認識させる機能を有する。
【0027】
デジタル化されている文書データとしては、スキャナ25で読み込まれた原稿読込みデータ、情報端末装置13からネットワーク基板14、外部通信インターフェース15を介して転送される送信データ、メモリーガード35に予め格納されているデータの少なくとも何れか1つである。
【0028】
本形態において、メタデータは、文書名、ユーザー名、登録者名、文書管理者、文書管理部門、文書データ形式、文書データ形式の構造又は構成、機密区分とその区分、アクセス権限、文書作成年月日時、文書登録年月日時、登録元、文書種別、文書を特徴付ける語句群、アクセス履歴、アクセス頻度、保存期間、連絡先の少なくとも何れか1つを含むものである。また、機密区分とその区分としては、通常文書、機密文書、本人のみ、本人を含む課・グループ、本人を含む部門、社外秘などが挙げられ、アクセス権限としては本人のみ、本人を含む課・グループ、本人を含む部門、社内などが挙げられる。登録元としてはスキャナ、プリンタ、記録メディアなどが挙げられ、文書種別としては報告書、試験問題、ちらし、連絡先としては電話番号、E−mail、URLなどが挙げられる。
(第1の実施形態)
本発明に係るデジタル孔版印刷機のデータ管理装置1による制御形態を、図2〜図11を主に使用して説明する。
ユーザーが、予め作成された文書データファイルと登録用メタデータファイルが書き込まれて格納されているメモリーカード35を、デジタル孔版印刷機に装備されたデータ入出力装置6又は7のカードスロットに差込み、これを介してデジタル孔版印刷機に装備されたHDD8に蓄積文書データ及び蓄積文書管理用メタデータとして取り込ませる(格納する)ことを想定する。
図2は、デジタル孔版印刷機の表示装置であり、ユーザーに認識させる手段となるタッチパネル40に表示されるメインメニュー画面41の一例である。メモリーカード35から文書データを取り込む場合、メインメニュー画面40の右部分の領域41Aに表示される仮想スイッチの「文書蓄積」を選択する。これにより、図2の領域41Aが図3に示すようなサブメニュー画面42に置き換わる。さらに、サブメニュー画面42中に表示される仮想スイッチ「詳細設定」43を選択すると、タッチパネル全体が、図4及び図5に示されるようなメニュー画面50,60に切り替わる。
図4及び図5において、「ユーザー名」や「文書名」はシステムが適当に設定したデフォルト値になっており、また「機密区分」、「文書作成日時」、検索キーワード」等の何も設定されていない箇所は空白で表示されている。なお、本形態の蓄積文書におけるデータ管理装置1が管理する項目は、前述のとおりであるが、一例として示したものであり、これに限定されるものではない。
図4に示すメニュー画面50に表示される「登録方法」の項目は、取込みの対象となる文書データの取り込み元を指定するのに用いる。この形態では、取り込み対象機器の選択肢として「スキャナ」と「メモリーカード」を選択するスイッチ51,52があるが、ここでは後者の「メモリーカード」用のスイッチ52を選択した場合が表示されている。なお、各メニュー画面には「取消」の選択スイッチが表示されるが、これが選択された場合の動作やフローについては、本発明を特に特徴付けるものではないので説明を省略する。
【0029】
以下、図11に示すフローチャートに基づいて取り込み動作時の制御概略を説明する。
図4に示されている項目「登録方法」としてスイッチ52を押下すると、データ管理装置1は、図11のステップS1において、メモリーカード35に格納されているファイルのリストをタッチパネル40に表示する(図6参照)。ステップS2では、リストアップされたファイルの中から蓄積文書データとして取り込みたい文書データの選択をユーザーに促す。本形態では、図6に示すように上から2つ目になる欄71に表示されているファイル名「文書蓄積設計仕様書.PDF」が選択されている場合を表示している。ここでは、PDF形式の文書データを例示しているが、この形式の文書データのみに制限されるものではなく、例えばPostscript形式など他のデータ形式であってもよく、また、JPEGやTIFFのような画像データ形式であってもよい。以下、他の実施形態についても同様である。
ステップS2において登録したい文書データが選択されると、ここでは欄71がユーザーの指で触れられると、ACU2(データ管理装置)は、ステップS3において「文書蓄積設計仕様書.PDF」に対応した登録用メタデータファイル名「文書蓄積設計仕様書.xm1」を検索し、対応するメタデータファイルがある場合にはステップS4においてそのファイルを読込む。このメタデータファイルは、XML形式で記述されており、その内容の一例を図9に示す。XML形式のファイルの拡張子は、「.xml」と表示される。ステップS3において当該メタデータファイルが存在しない場合は、ステップS6に進んで文書データの拡張子から文書データ形式の識別を実行する。
【0030】
本形態では、取り込み対象文書ファイル名を「文書蓄積設計仕様書.PDF」と、登録用メタデータファイル名を「文書蓄積設計仕様書.xm1」というように、ファイル名を共通とし、拡張子を違えるというような管理方式にしているが、登録用メタデータファイルは、どの取り込み対象文書であっても同一名で、 共通に使用するというような管理方式であってもよい。以下の他の実施形態についても同様である。
データ管理装置1は、ステップS5において登録用メタデータから当該取り込み対象文書の文書データ形式を参照する。ここでは、図9に示すメタデータのタグ名<form>がそれに該当する。次にステップS7において、この文書データ形式が、当該デジタル孔版印刷機の蓄積文書形式あるいはその形式に変換可能であるか否かが判断され、変換可能又は取り込み可能であれば、ステップS8へ進むが、そうでなければ図示しない登録エラーをタッチパネル40に表示し、図6のファイル選択メニュー画面70に戻る。登録用メタデータファイルがなく、ステップS6において拡張子による文書データ形式で識別した場合も同様である。
ステップS8では、データ形式の変換の要不を判断し、変換要の場合はステップS9に進んで文書データの形式変更を実行し、変換不要の場合はステップS9をスキップする。本形態では、取り込み対象の文書データ形式が「PDF」形式であり、デジタル孔版印刷機の蓄積文書データ形式は、メーカー独自のものを採用しており、文書データ形式は異なるが、PDF形式から独自形式へは変換可能であるものとする。そのため、ステップS8では変換可能と判断し、取り込み対象文書データを、ステップS9でPDF形式から独自形式に変換する。
【0031】
さらにデータ管理装置1は、ステップS10において当該文書データを管理するための蓄積文書管理用メタデータファイルをデジタル孔版印刷機内に生成し、ステップS11において登録用メタデータから蓄積文書管理用メタデータに必要なデータを取り込み機器に登録する。以後、蓄積文書管理用メタデータファイルは、当該取り込まれた文書データと対で扱われる。
図10(A)に本形態で生成され、必要なデータが取り込まれた蓄積文書管理用メタデータの一例を示す。当然のことながら、当該蓄積文書管理用メタデータには、データ管理装置独自の管理項目も追加される。ここでは、アクセス頻度として、タグ<frq−access>とその初期値1が、最新アクセス日としてタグ<lru−access>とその初期値20060112(ここでは登録日)などが設定されている。
なお、著者情報を示すタグ<auther>の下位にある、著者の所属を示すタグ<group>は、文書登録時/登縁後のどちらにも使用されておらず、また、著者名を示すタグ<name>は、デジタル孔版印刷機の蓄積文書管理用メタデータファイルでは、タグ<autner_name>に入れられている。
このように、必ずしも登録用メタデータファイル内のすべての情報が、デジタル孔版印刷機の蓄積文書管理用メタデータファイルに格納される必要はなく、また、そのままのタグ名である必要もない。 即ち、デジタル孔版印刷機の蓄積文書管理に必要な情報は、適宜取捨選択や変換されるということである。さらに、タグ名や項目については、XML形式の文書データにおいては、任意の項目に対し、任意のタグ名を付与し、使用することが基本的に(仕様上)可能であるので、本形態に限定されるものではない。以下の形態においても同様である。但し、当然のことながら、デジタル孔版印刷機のデータ管理装置1が認識でき、また必要に応じて変換できるものでなくてはならない。
このようなステップを経た後、独自形式に変換された文書データは、ステップS12においてHDD8内に格納されて、新規の蓄積文書として登録される。このとき、ステップS13において蓄積文書管理用メタデ-タ(登録用メタデータから取り込まれたデータ)の機密区分に関係するタグ、ここではタグ<security>が参照され、機密文書扱いであった場合、ステップS14において当該デジタル孔版印刷機で可動している認証システムのための認証登録が行われる。本形態では、パスワード方式を採用しているので、パスワードを認証データとして入力するための図示しない画面がタッチパネル40上に表示され、認証データ入力がユーザーに促される。ステップS14でユーザーから認証データ(パスワード)が入力されると、以後、この文書データをアクセスする時に使用される。通常文書の場合もしくは登録用メタデータがない場合は、ステップS13において通常文書とみなされ、ステップS14,15の認証管理はスキップされてパスワードの入力や登録はされない。仮にパスワードなどによる認証管理が必要な場合、別途蓄積文書管理メニューから入り登録することになる。
本形態は認証方式として、パスワード方式を使用しているが、本人を確認するものであれば、指紋認証、ICカードなど他の手段で行ってもよく、本形態に限定されるものではない。以下の他の実施形態においても同様である。
文書データの登録(格納)が正常に行われると、ステップS16において登録された蓄積文書管理メタデータの一部が図7、図8に示すタッチパネル40上の画面80,90が表示される。この時、ユーザーは必要であれば、図7の図面80に表示される「パスワード」、「ユーザー名」、‥や図8の画面90に表示される「検索キーワード」などを適宜選択することによって、図示しない各項目の編集画面が表示されるので、そこで任意に蓄積文書管理用メタデータの変更・修正・追加作業を行うことができる。
取り込まれて登録された文書データは蓄積文書データとして、その後、他の蓄積文書データと同様、製版データとして使用できるので、製版・印刷工程に進めるが、これらの工程は既によく知られたものであり、また、本発明を特に特徴付けるものではないので、これらの説明は割愛する。
本形態では、メモリーカード35上に格納された文書データ及び登録用メタデータファイルをデジタル孔版印刷機内の蓄積文書として登録しているが、逆にデジタル孔版印刷機に蓄積文書として登録されている文書とそれを管理する対応した蓄積文書管理用メタデータをメモリーカード35上に出力したり、ネットワークを介して接続された情報端末装置13などに出力することにより、メモリーカード35を介したデータ交換やネットワークを介したデータ交換を容易に行うことができる。
【0032】
また、本形態では、携帯型大容量記憶装置としてメモリーカード35を採用し、当該メモリーカードに、登録対象の文書ファイルと登録用メタデータファイルを予め格納し、デジタル孔版印刷機に装備されたデータ入出力装置6又は7を介して登録対象の文書データをデジタル孔版印刷機の蓄積文書データとして取り込み格納しているが、携帯型大容量記憶装置として周知のUSBメモリを採用し、デジタル孔版印刷機にUSBメモリとアクセスしてデータの入出力を可能にするとソケットとなるUSB端子をUSBインターフェース12と接続することで、メモリーカード35の場合と同様の機能を果たすことができる。
【0033】
携帯型大容量記憶装置となるメモリーカード35には、例えばSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディアなど多種のものが存在するが、インターフェース9、10に各メディアに対応するデータ入出力装置(読み書き装置)を接続することで、これらメディアを用いたデータ管理を行える。
【0034】
このように本発明のメタデータファイルを使用するデータ管理装置をデジタル孔版印刷機に適用することにより、文書データの多様で柔軟な管理(蓄積文書登録)が可能になるとともに、文書データの可搬性を広げることができる。
本形態の蓄積文書管理用メタデータと蓄積文書管理用メタデータファイル、登録用メタデータと登録用メタデータファイルの関係は1対1となっており、実質的には、蓄積文書管理用メタデータ=蓄積文書管理用メタデータファイル、登録用メタデータ=登録用メタデータファイルファイルとなっている。即ち、蓄積文書データ毎にその管理のためのメタデータファイルが存在する。
本形態では、実用的かつ保守性、拡張性に優れるという観点から、このような形態にしているが、蓄積文書管理用メタデータについては、階層化された1つのメタデータとして統合し、1つのメタデータファイルに収めるといったような形態であっても何ら差し支えなく、この実施形態に制限されるものではない。以下の実施形態においても同様である。図10(B)は、蓄積文書管理用メタデータの別な形態として1つのメタデータとして統合化された参考例を示す。
(第2の実施形態)
図12〜図16を用いて第2の実施形態を説明する。なお、前記実施形態と同一又は同様の構成部は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じである)。
【0035】
本形態は、デジタル孔版印刷機に蓄積文書データとして登録されている文書データを、蓄積文書管理用メタデータによって管理する場合に、ユーザーが、目的とする検索対象蓄積文書データを、メタデータを使用したキーワード検索を用いて探し出すことを想定する。
図12は、デジタル孔版印刷機のタッチパネル40に表示されるメインメニュー画面100の一例であるが、製版・印刷させるデータを蓄積文書データから選択する場合、図12中の左端部の領域101に表示される仮想スイッチ「蓄積文書指定」を触れて選択する。これにより、タッチパネル40の表示は、図13に示すようなサブメニュー画面110に置き換わる。このサブメニュー画面110には、蓄積文書データのリストが表示されているが、デフォルトでは、蓄積文書管理用メタデータのタグ<reg_date>に記された年月日順にリスト表示される。ここでの蓄積文書管理用メタデータのタグは、登録年月日を示すものである。なお、本形態では、第1の実施形態で示した文書(「文書蓄積設計仕様書」)が蓄積文書データとして、既にHDD8に格納されて登録済みであるものとする。
ここで、図13のサブメニュー画面110中に表示される仮想スイッチ「キーワード検索」121をユーザーが選択すると、さらに図14に示されるようなサブメニュー画面120に切り替わる。但し、この画面は図中の仮想スイッチ「検索キーワード」121を選択することによって開かれる図示しないフロントエンドプロセッサ(FEP)の文字入力画面において、検索キーワードを図1に示す入力手段122より入力(複数指定の場合、空白で区切って入力)することにより、蓄積文書データの中から所望の蓄積文書データを検索するための検索条件が既に指定された後の画面を示している。つまり、本形態において、入力手段122は検索条件が指定する手段として機能する。本形態では、入力手段122は検索条件となる検索キーワードとして「文書蓄積」と「XML」が指定されている。
以下、図16に示すフローチャートに基づいて、当該蓄積文書の検索動作の制御の概略を説明する。デジタル孔版印刷機のデータ管理装置1は、ステップT1において、入力された検索キーワードを取得するとともに、蓄積文書管理用メタデータファイルのリストをステップT2で作成する。ステップT3では登録されている蓄積文書の有無が判断され、蓄積文書がない場合は図示しない検索エラーをタッチパネル40上に表示して、図13の選択メニュー画面110に戻る。
ステップT3において登録されている文書蓄積があると判断すると、ステップT4においてメタデータファイルリストにエントリされるので、エントリされた蓄積文書管理用メタデータファイルを順に読込み、ステップT5においてメタデータに格納されたキーワードを抽出する。本形態では、図10(A)に示すタグ<key>の値が該当する。
【0036】
データ管理装置1は、ステップT6において前述のユーザーが入力した検索キーワードと蓄積文書管理用メタデータファイルから抽出したキーワードのマッチング(比較)をし、ステップT7においてキーワードに該当する文書データがあるか否か、すなわち双方のキーデータが一致するか否かを判断する。ここで一致しなかった場合、ステップT8に進んで当該メタデータファイルをファイルリストから外してステップT9に進む。即ち、これによりキーワード検索に一致したものだけがファイルリストに残ることになる。一方、キーワードが一致した場合(検索キーワードが複数の場合、ひとつでも一致した場合)には、目的とする文書データに該当すると判断し、ステップT8をスキップしてステップT9に進む。
【0037】
ステップT9では、次のメタデータファイルをセットし、ステップT10で次のメタデータファイルの有無が判断され、メタデータファイルがある場合にはステップT4に戻る。すなわち、前述の処理をファイルリストにエントリされたメタデータファイルの走査がすべて終了するまで続けられる。これらの一連の工程よりメタデータファイルがなくなると、すなわち、走査が全て終了すると、ステップT11においてファイルリストに残ったメタデータファイルに対応する蓄積文書データが、目的とする文書データの候補群であるから、図15に示すようにキーワード検索でヒットした蓄積文書データの一覧画面130をタッチパネル40に表示する。本形態では、第1の実施形態で示した文書(「文書蓄積設計仕様書」)のみが検索にヒットしたとして表示した例を示している。
【0038】
本形態でキーワード検索を行うために、蓄積文書管理用メタデータファイルのリストをつくり、当該リストにリストアップされた蓄積文書管理用メタデータファイルを順次走査していくことにより、該当する文書データの検索を実現しているが、ファイル管理テーブルなどによる方式によりファイル管理している場合、そのファイル管理テーブルを順次走査し、そこから蓄積文書管理用データファイルであるメタデータファイルをアクセスしていく等の方法により検索してもよく、前述のファイル管理方法に限定されるものではない。即ち、本形態は、蓄積文書のファイル管理に如何なる形態を採用しているかは直接関係しない。これは、以下の他の実施形態においても同様である。
このような形態のメタデータファイルを使用するデータ管理装置をデジタル孔版印刷機に適用することにより、文書の迅速で的確な管理(蓄積文書検索)が可能になり、ユーザーの利便性に寄与することができる。特に、HDD8やメモリーカード35など大容量記憶装置の容量が年々増大し、それに比して蓄積される文書の数が増大し、数百、数千個などのオーダーに上ってきた場合、その効力を富みに発する事になる。
(第3の実施形態)
本形態は、ユーザー管理に適用した例を、図17〜図20を主に使用して説明する。データ管理装置1は、どのユーザーがどのくらい製版を行い、どのくらい印刷したかと言う、所謂ユーザー管理情報をXMLファイル形式のメタデータで保持している。このユーザー管理用メタデータの一例(一部分)を図19に示す。
また、図19に示すファイルは、物理的には図1に示すデータ入出力装置6,7の内の1つに挿入されたメモリーカード35に保存される。ここではメモリーカード35がデータ入出力装置6のスロットに挿入されているものとする。データ入出力装置6は、データ管理装置1が使用するデータの格納専用に用いられており、よって常時メモリーカード35が挿入されたままの状態である。参考までに、もう1つのデータ入出力装置7は、印刷機のACU2やECU3のファームウェアのアップデート用に使用するものである。
ユーザーが、ユーザー毎の製版・印刷状況を確認したい場合、タッチパネル40上に表示される図示しない仮想スイッチ「ユーザー別のカウンタ表示」を選択すると、データ管理装置は、図19に示すユーザー管理用メタデータファイルを読込む。ユーザー毎のデータは、タグ<user>毎に分けられているので、データ管理装置は、タグ<user>毎にデータを取り出して、タッチパネル40上に表示する。その表示画面140の一例を図17に示す。
さらに、このような形態で実装されたデータ管理装置(ユーザ管理)を使い、目的とするユーザーの当該デジタル孔版印刷機の使用状況を把握する時の検索動作の制御の概略を、図20のフローチャートに基づいて説明する。
ユーザーが図17に示す仮想スイッチ「ユーザー検索」141を選択すると、データ管理装置1は、図20のステップU1において図示しないフロントエンドプロセッサ(PEP)の文字入力画面を表示し、ユーザーに検索ユーザー名の入力を促し、図1の入力手段122でユーザーによって入力された検索ユーザー名を取得する。このとき、検索ユーザー名を複数指定の場合、空白で区切って入力させるように表示する。ステップU2では、取得した検索ユーザー名のユーザー管理用メタデータファイルを読込み、ステップU3においてメタデータに格納されたユーザー名をタグ<name>を基に抽出する。
【0039】
データ管理装置1はステップU4において前述のユーザーが入力した検索ユーザー名とユーザー管理用メタデータファイルから抽出したユーザー名をマッチングして比較し、ステップU5において目的とするユーザー名に該当するか否かを判断する。該当するユーザーがヒットした場合、タグ<user>を含む親タグ<name>以下の子ノードに、当該ユーザーのユーザー管理データが格納されているので、ステップU6において当該ユーザーのユーザー管理データを読込み(取得し)、ステップU7においてタッチパネル40上に表示する。該当するユーザーが存在しなかった場合、図示しない空白のユーザー管理データ(該当者無し)が表示される。
本形態では、ユーザー名の一例である「山田太郎」を検索ユーザー名として指定し、検索にヒットしたとし、そのユーザー管理データをタッチパネル40上に表示した表紙画面150の一例を図18に示す。
【0040】
ユーザー管理データの具体的な内容は、図19に示す例では、モノクロ/カラードラム毎の製版回数と印刷枚数のデータを格納したものとなっているが、カラードラムをさらに細分化して色毎にする等、より詳細な内容や項目が追加されたものであってもよく、本形態に限定されるものではない。以下の他の実施形態においても同様である。
ユーザー数が数人、あるいは数十人程度であれば、従来のような画面のスクロールや表示ページの切り替えで十分対応できたが、数百人以上のオーダーのように多くなってくると、従来のようなやり方では、目的とする情報を得るまでにページ送りなどの煩雑な繰り返し操作など時間がかかるが、本形態のようなメタデータを使用した検索を利用することにより、これらの煩雑な繰り返し操作が不要となり、短時間に目的とする蓄積文書データを検索することができ、実用に耐え得るものとなる。
【0041】
また、使用している古いデジタル孔版印刷機を廃棄し、新しいデジタル孔版印刷機にリプレースするような場合、従来だとそれまでのユーザー管理データは引き継げず、また最初からユーザー登録をやり直さなければならなかった。これは、従来のユーザー管理情報が、NVRAMなどの不揮発性メモリIC上にデータ配列されていて、独自のフォーマットで記憶保存する形態であったためである。
しかし本形態のように、それまで使用していたユーザー管理データを、当該ユーザー管理用メタデータが格納されているメモリーカード35を古い印刷機のデータ入出力装置6のスロットから取り外し、それを新しいデジタル孔版印刷機のデータ入出力装置のスロットに挿入するだけで、継続使用可能である。しかも、メタデータ形式として汎用性の高いXML形式を適用しているため、必要であれば自社製品だけでなく、他社製晶であっても互換性を取ることが可能である。
【0042】
また、古いデジタル孔版印刷機を廃棄する場合だけであっても、当該印刷機内部に保存されたユーザーに関する情報は、情報保護の観点から消去されることが望ましい。本形態では、ユーザー情報は、当該メモリーカード35に記録(格納)されているので、当該メモリーカードをデータ入出力装置6のスロットから抜き取るだけでその目的を果たすことができ、セキュリティーレベルを従来の構成よりも格段に高められ、機密漏洩防止にも有効となる。
【0043】
このように本形態のメタデータファイルを使用するデータ管理装置1をデジタル孔版印刷機に適用することにより、ユーザー管理において、柔軟できめ細かく、機密性も考慮された管理が可能になるとともに、ユーザー管理データの可搬性も実現されるなど、ユーザーの利便性を向上させることができる。
(第4の実施形態)
デジタル孔版印刷機のデータ管理装置1をマシンシステム管理に適用した例を、図21〜図23を主に使用して説明する。データ管理装置1は、マシン(デジタル孔版印刷機)の名前からモータ制御量データに至るまでの所謂マシンシステム管理情報をXMLファイル形式のメタデータで保持している。このマシンシステム管理用メタデータの一例(一部分)を図21に示す。
また、第3の実施形態と同様、このファイルは、物理的にはデジタル孔版印刷機に装備された2つのデータ出力装置6又は7のスロットの内の1つに挿入されたメモリーカード35上に保存される。データ入出力装置6は、ACU2が使用するデータの格納専用に用いられており、よって常時メモリーカード35はデータ入出力装置6のスロットに挿入されたままの状態とされている。
【0044】
このような構成で実装されたデータ管理装置1(マシンシステム管理)を使い、ユーザーがデジタル孔版印刷機のシステム設定を変更する時の動作の概略を、図23に示すフローチャートに基づいて説明する。
ユーザーが、デジタル孔版印刷機のシステム設定を変更したい場合、タッチパネル40上に表示される図示しない仮想スイッチ「システム初期設定」を選択すると、データ管理装置1は、図23のV1においてマシンシステム管理用メタデータファイルを読込み、ステップV2において当該メニュー画面に対応した表示すべきシステム設定項目とそのデータ値をメタデータファイルから抽出し、ステップV3でタッチパネル40上に表示する。その表示画面160の一例を図22に示す。
データ管理装置1はステップV4において、ユーザーからの設定変更入力を待ち(受付け)、ステップV5において何の設定項目がどのような値に変更されたかを取得し、ステップV6において変更された値をタッチパネル40上に再表示する。本形態では図22に示すように、網掛けされた「本体IPアドレス」項目161を設定変更対象として想定している。
データ管理装置1は、ステップV7において、ステップV1で読込んだマシンシステム管理用メタデータファイルを検索し、メタデータに格納された設定変更項目を示すタグ、ここではタグ<ip−add>を抽出する。そしてステップV8において、このタグの値を変更されたものに置き換える。これにより、マシンシステム管理用データは更新されたので、ステップV9においてメタデータファイルを保存する。
使用している古いデジタル孔版印刷機を廃棄し、新しいデジタル孔版印刷機にリプレースするような場合、あるいは、新しいデジタル孔版印刷機を増設するような場合、従来だとそれまでのマシンシステム設定データは引き継げないため、また最初から設定をやり直さなければならなかった。これは、従来のマシンシステム管理は、上述したようにNVRAMなどの不揮発性メモリ上にデータ配列として、独自のフォーマットで記憶保存する形態であったためである。
しかし本形態では、それまで使用していたマシンシステム管理用メタデータが保存されているメモリーカード35をデータ入出力装置6のスロットから取り外し、新しいデジタル孔版印刷機のデータ入出力装置のスロットに挿入するだけで、あるいは、使用していたメモリーカード35に保存されているマシンシステム管理メタデータを別のメモリーカードにコピーし、当該メモリーカードを、対象とするデジタル孔版印刷機のデータ入出力装置のスロットに挿入するだけで、継続使用可能である。実際には、若干の設定変更作業は生じることもあるが、最初から設定し直すよりも作業効率は格段に高くなる。
また、古いデジタル孔版印刷機を廃棄する場合だけであっても、当該印刷機内部に保存されたマシンシステムに関する情報は、情報保護の観点から消去されることが望ましい。本形態では、マシンシステム情報は、当該メモリーカード35に記録されているので、当該メモリーカードを廃棄するデジタル孔版印刷機のデータ入出力装置のスロットから抜き取るだけでその目的を果たすことができ、セキュリティーレベルを従来の構成よりも格段に高められ、機密漏洩防止にも有効となる。
【0045】
このように本形態のメタデータファイルを使用するデータ管理装置1をデジタル孔版印刷機に適用することにより、マシンシステム管理において、柔軟できめ細かく拡張性に優れ、また機密性も考慮された管理が可能になるとともに、マシンシステム管理データの可搬性も実現されるなど、ユーザーの利便性を向上させることができる。
第1および第2の実施形態で説明した蓄積文書管理用メタデータ、第3の実施形態で説明したユーザー管理用メタデータ、本形態で説明したマシンシステム管理用データは、各々独立したメタデータとそれを格納するメタデータファイルという形態でメモリーカード35に実装している。本形態では、実用的かつ保守性、拡張性に優れるという観点から、このようにそれぞれ個別なメタデータとしているが、これらメタデータをすべて統合して1つのメタデータファイルに、あるいは2つ以上のメタデータを統合して1つのメタデータファイルに、と言うような形態であっても何ら差し支えなく、この実施形態に制限されるものではない。以下の実施形態においても同様である。
(第5の実施形態)
本形態は、デジタル孔版印刷機のデータ管理装置1で管理している管理用メタデータを暗号化して運用する形態であり、図24,図25を主に使用して説明する。
図24は、デジタル孔版印刷機のデータ管理装置1で管理している管理用メタデータ(ここではユーザー管理用メタデータであるとする)が、当該印刷機に装着されたメモリーカード35上に、暗号化されて格納されている状態を示したものである。この時、当該管理用メタデータの暗号化/平文化に関わるキー(暗号化キー/解除キー)は、アクセスコードとして機器本体の制御系基板1に装備されているNVRAM31内に格納されているものとする。
この状態で、第三者が当該メモリーカード35を取り外して、ユーザー管理用メタデータを適当なブラウザあるいはエディタで閲覧しようとしても、暗号化されているため、閲覧、改竄することは不可能であり、機密性が保たれている。これは当該ユーザー管理データを課金の用途に使用する場合、特に重要な事柄である。
図25に示すフローチャートを用いてデータ管理装置1によるセキュリティー動作の制御内容の概略について説明する。
【0046】
ユーザーが当該管理用メタデータにアクセスするような操作をした場合、データ管理装置1は、図25のステップW1において、まずデジタル孔版印刷機内のNVRAM31に格納されているアクセスコードを取得する。ステップW2ではメモリーカード35に格納されている暗号化されたユーザー管理用メタデータにアクセスし、ステップW1で取得したアクセスコードを用いて、当該管理用メタデータを平文化する。そしてステップW3において、正しく平文化されたか否かを判断し、平文化された場合にはステップW4において当該管理用メタデータをRAM領域に展開する。展開されるのはACU2のRAM18とする。
【0047】
これにより、その後の管理用メタデータのアクセスは、ステップW5においてこのRAM領域に展開されたメタデータへ行われる。この時点で電源が切られたとしても、RAM上に展開されたメタデータは消失してしまうので、印刷機内に平文化されたメタデータは残らないため、機密性の面でも優れる。
データ管理装置1は、ユーザーからの当該管理用メタデータアクセスへの要求に答え、ステップW6において管理用メタデータの変更の有無を判断する。ここで管理用メタデータがなにも変更されなかった(参照のみ)場合は、そのまま終了する。
【0048】
一方、管理用メタデータの変更を伴う場合、ステップW7において変更された管理用メタデータ、すなわち、平文化メタデータのアクセスコードを暗号化キーとして暗号化し、ステップW8において、号化された管理用メタデータをメモリーカード35にコピーする(置き換える)。このようなユーザー管理処理がデータ管理装置1によって行われる。
ここで、図24に示すように、使用している古いデジタル孔版印刷機を廃棄し、新しいデジタル孔版印刷機にリプレースするような場合、従来だとそれまでのユーザー管理データは引き継げず、また最初からユーザー登録をやり直さなければならなかった.これは、従来のユーザー管理は、古いデジタル孔版印刷機のNVRAMなどの不揮発性メモリIC上にデータ配列として、独自のフォーマットで記憶保存しておく形態であったためである。
しかし本形態では、図24に示すように、それまで使用していたユーザー管理用メタデータは、メモリーカード35に格納されているので、当該ユーザー管理用メタデータが格納されているメモリーカード35をデータ入出力装置のスロット取り外し、それを新しいデジタル孔版印刷機のデータ入出力装置のスロットに挿入するだけで、継続使用可能である。
但し、この場合、新しいデジタル孔版印刷機のアクセスコードは設定されていないか、あるいは古いデジタル孔版印刷機とは異なることが予想される。その場合、図25のステップW3において当該暗号化されたユーザー管理用メタデータの平文化に失敗してしまうので、タッチパネル40上には、図示しないアクセスコード入力のための画面が表示される。
そして、ステップW9において、ユーザー管理データは当該暗号化されたユーザー管理用メタデータを平文化するためのアクセスコード、即ち古いデジタル孔版印刷機で使用されていたアクセスコードの入力を促しアクセスコードの受付待機状態となる。この時、ユーザーによって入力されるアクセスコードは、当該暗号化されたユーザー管理用メタデータを平文化するための暗号化キー(解除キー)のみに使用するものとしており、この入力されたアクセスコードを新しいアクセスコードとして新しいデジタル孔版印刷機の機器本体に登録変更することはないようにしている。しかしながら、アクセスコードが未登録あるいはデフォルト値の場合、又は、使用パターンの頻度などを鑑みた結果、その登録変更を認めるような処理になっていてもよい。また、平文化のためのアクセスコードを受付けるのは、1回のみに限っているが、特定回数の再入力(リトライ)を認めても構わず、本形態に限定されるものではない。
ユーザーによってアクセスコードが入力されると、データ管理装置1はステップW10においてそのアクセスコードを取得し、ステップW11でそのアクセスコードを用いて前述したような平文化処理を行う。そしてステップW12で平文化処理の内容を判断し、正しく平文化されている場合、ステップW4に進んで当該管理用メタデータをRAM領域に展開する。以後の処理は、既に説明済みなので説明を略する。
【0049】
但し、当該管理用メタデータが変更された場合、変更された管理用メタデータを、アクセスコードを暗号化キーとして暗号化し、暗号化された管理用メタデ-タをメモリーカード35にコピーする(置き換える)のであるが、この時暗号化のために使用されるアクセスコードは、前述のユーザーに入力を促して入力されたアクセスコードではなく、新しいデジタル孔版印刷機に格納されているアクセスコードである。これにより、次回以降のアクセス時には、この印刷機に格納されているアクセスコードより平文化されるため、毎回アクセスコードを入力する必要がない。
また、古いデジタル孔版印刷機を廃棄する場合だけであっても、当該印刷機内部に保存されたユーザーに関する情報は、情報保護の観点から消去されることが望ましい。本形態では、ユーザー情報は、メモリーカード35に記録されているので、当該メモリーカード35をデータ入出力装置6のスロットから抜き取るだけでその目的を果たすことができ、セキュリティーレベルを従来の構成よりも格段に高められ、機密漏洩防止にも有効となる。仮にメモリーカード35を抜き取り忘れてしまったような場合でも、ユーザー情報は暗号化されたままであるので、第三者に容易に閲覧されることはない。
このように本形態のメタデータファイルを使用するデータ管理装置1をデジタル孔版印刷機に適用し、さらに、そのメタデータファイルに暗号化を施すことにより、ユーザー管理において、柔軟できめ細かく、機密性も考慮された管理が可能になるとともに、ユーザー管理データの可搬性も実現されるなど、ユーザーの利便性を向上させることができる。
本形態では、メモリーカード35に格納されているメタデータファイルに対するアクセス規制を行うことでセキュリティーレベルを高めているが、このような電子的にロック手法に限定されるものではなく、例えばメモリーカード35自体をデータ入出力手段6のスロットから離脱不能とする図26に示すロック機構170を設けて、物理的に自由にメモリーカード35を着脱不能としてもセキュリティーレベルを高めることはできる。ロック機構170としては、例えばデータ入出力手段6のスロットの挿入口6aを塞ぐ位置と開放する位置へと移動可能なシャッタ部材171を挿入口6a近傍に配置し、当該シャッタ部材171を、パスワードなどを入力することで駆動する電磁アクチュエータ172で開放させる構成が挙げられる。
【0050】
上記実施形態において、ユーザーに認識させる手段としては、タップパネル40を例に説明したが、文字表示ではなく、画像表示であってもよく、あるいは周知の音声出力装置を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施に係るデジタル孔版印刷機に共通な制御基板の一形態を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る一般的なデジタル孔版印刷機のタッチパネルのメイン画面の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態に係る文書登録用メタデータの一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態に係る蓄積文書管理用メタデータの一例を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係るデータ管理装置(蓄積文書登録)の動作を説明するための処理のフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係る一般的なデジタル孔版印刷機のタッチパネルのメイン画面の別の一例を示す図である。
【図13】第2の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図14】第2の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態に係るデータ管理装置(蓄積文書検索)の動作を説明するための処理のフローチャートである。
【図17】第3の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図18】第3の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の-例を示す図である。
【図19】第3の実施形態に係るユーザー管理用メタデータの一例を示す図である。
【図20】第3の実施形態に係るデータ管理装置(ユーザ検索)の動作を説明するための処理のフローチャートである。
【図21】第4の実施形態に係るマシンシステム管理用メタデータの一例を示す図である。
【図22】第4の実施形態に係るデータ管理装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図23】第4の実施形態に係るデータ管理装置(マシン設定変更)の動作を説明するための処理のフローチャートである。
【図24】第5の実施形態に係るメタデータファイルに暗号化をかけて運用する様態を説明するための図である。
【図25】第5の実施形態に係るデータ管理装置のメタデータファイルの暗号化/平文化の動作を説明するための処理のフローチャートである。
【図26】ロック機構の一形態を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0052】
1 データ管理装置
6,7 データ入出力手段
8 大容量記憶装置
13 情報端末装置
25 画像読取部
35 携帯型大容量記憶装置
122 検索条件指定手段
170 ロック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル化されている文書データを機器本体内に装着されている大容量記憶装置に蓄積文書データとして格納する機能と、
前記蓄積文書データを管理するための情報や検索のための文書名、ユーザー名又は文書の内容を特徴付ける語句などを含むメタデータを、前記蓄積文書データと対応させて蓄積文書データ毎に保持、管理する機能と、
前記大容量記憶装置に格納された蓄積文書データを、前記機器本体に装着された携帯型大容量記憶装置又はネットワークを介して接続された情報端末装置に文書データとして出力する機能と、
前記大容量記憶装置に格納する文書データ又は大容量記憶装置から出力する文書データに付随するメタデータを取込み及び出力する機能と、
前記メタデータの内容を任意に登録、削除又は変更する編集機能と、
前記大容量記憶装置に格納される文書データもしくは前記携帯型大容量記憶装置又は前記情報端末装置に出力される蓄積文書データのデータ形式を変換する機能と、
前記蓄積文書データの中から所望の蓄積文書データを検索するための検索条件を指定する手段により指定された検索条件を基に、前記メタデータを使用して所望の蓄積文書データを検索する機能と、
前記検索条件に合致するもの、もしくは予め設定された検索条件に従い、該当蓄積文書データをユーザーに認識させる機能を有することを特徴とする画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項2】
前記デジタル化されている文書データは、前記機器が備える画像読取部で読み込まれた原稿読込みデータ、前記情報端末装置からデータ転送される送信データ、前記携帯型大容量記憶装置に予め格納されているデータの少なくとも何れか1つであることを特徴とする請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項3】
前記メタデータは、文書名、ユーザー名、登録者名、文書管理者、文書管理部門、文書データ形式、文書データ形式の構造又は構成、機密区分とその区分、アクセス権限、文書作成年月日時、文書登録年月日時、登録元、文書種別、文書を特徴付ける語句群、アクセス履歴、アクセス頻度、保存期間、連絡先の少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項4】
前記携帯型大容量記憶装置との間でデータの入出力を行うデータ入出力手段を有し、
このデータ入出力手段から文書データが機器内へ入力される時に、予め設定されて、前記文書データとともに当該携帯型大容量記憶装置に格納されているメタデータを、前記蓄積文書データとして取り込まれる文書データに対応するメタデータとして、当該メタデータのすべてもしくはその一部を取り込むことを特徴とする請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項5】
前記大容量記憶装置に格納されている蓄積文書データと前記大容量記憶装置に格納される文書データのデータ形式が異なる場合、予め設定されたメタデータ中に含まれているデータ形式情報を基に、前記大容量記憶装置に格納される文書データを、前記大容量記憶装置に前記格納されている蓄積文書データのデータ形式に変換して、前記大容量記憶装置に格納するとともに、前記メタデータを前記蓄積文書データと対応するメタデータとして、当該データのすべてもしくはその一部を取込むとともに、取込まれたメタデータの形式を、データ形式を変換されて格納された蓄積文書データに対応するデータ形式に変換することを特徴とする請求項4記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項6】
前記メタデータの機密区分に含まれている値が機密文書を示す場合、前記文書データを前記大容量記憶装置に格納する際に、ユーザーに認証データの入力を促し、入力された認証データを前記大容量記憶装置に格納し、以後の当該蓄積文書データへアクセスする際の認証用に供することを特徴とする請求項4記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項7】
前記携帯型大容量記憶装置との間でデータの入出を行うデータ入出力手段を有し、
前記大容量記憶装置に格納されている蓄積文書データを、前記データ入出力手段を介して前記携帯型大容量記憶装置に出力する場合、
前記蓄積文書データに対応して当該機器で管理している蓄積文書管理用メタデータのすべてもしくはその一部を、前記蓄積文書データに付随するメタデータとして前記携帯型大容量記憶装置に出力することを特徴とする請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項8】
前記蓄積文書データを携帯型大容量記憶装置へ出力する場合、出力される蓄積文書データに、前記機器で管理するデータ形式と異なる形式が要求されている場合、
当該出力対象となる蓄積文書データのデータ形式を、要求されるデータ形式に変換して出力するとともに、当該蓄積文書データと対応して管理されている蓄積文書管理用のメタデータも出力し、かつ、この蓄積文書管理用のメタデータを、変換された文書データに対応するデータ形式に更新または変更することを特徴とする請求項7記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項9】
前記蓄積文書データの管理、入出力に関わるメタデータの表現形式が、XML形式であることを特徴とする請求項1、4又は7記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項10】
前記所望の蓄積文書データを検索するための検索条件を指定する手段が、文字もしくは音声の入力装置であることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項11】
前記ユーザーに認識させる手段が、文字表示、画像表示又は音声出力する装置であることを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項12】
前記予め設定された検索条件が、最新アクセス順、アクセス頻度順、ユーザー名順、文書名順、文書登録年月日順、文書作成年月日順、の少なくとも何れか1つであることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項13】
少なくとも機器の使用状況の情報をユーザー別に保存・管理するユーザー管理情報と、前記機器を使用するユーザーに関する情報の連絡先、所属、識別番号、アクセス権限の属性を保存・管理するアドレス帳管理情報と、前記機器の属性や設定に関わる情報を保存・管理するシステム管理情報を、
前記携帯型大容量記憶媒体に格納されている表現形式がXML形式のメタデータファイルで管理することを特徴とする請求項1記載の画像形成機器のデータ管理装置。
【請求項14】
前記携帯型大容量記憶媒体は機器本体に対して着脱可能であり、
前記携帯型大容量記憶媒体を前記機器本体から離脱不能とするロック機構、又は前記携帯型大容量記憶媒体に格納されているメタデータファイルに対するアクセス規制を行う手段を有する請求項13記載の画像形成機器のデータ管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−299432(P2008−299432A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142357(P2007−142357)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【Fターム(参考)】