画像形成装置、および画像形成用カートリッジの新旧判定方法
【課題】既存のセンサでカートリッジの新旧判定を行う技術を提供すること。
【解決手段】画像形成装置1は、搬送経路上に設けられ、用紙3の搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータ44と、アクチュエータ44の位置変動に応じて用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサ43と、用紙3に画像を形成するための画像形成部5を含み、搬送経路の近傍に着脱可能に配置されるカートリッジ30と、新品カートリッジが装着された後、アクチュエータ44をセンサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、センサ検出信号が第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置にアクチュエータ44を保持する新旧識別用部材37とを備える。また、検出制御部50は、センサ検出信号に基づいて、用紙3の位置検出および新品カートリッジの装着検出の各制御、および各検出を行う。
【解決手段】画像形成装置1は、搬送経路上に設けられ、用紙3の搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータ44と、アクチュエータ44の位置変動に応じて用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサ43と、用紙3に画像を形成するための画像形成部5を含み、搬送経路の近傍に着脱可能に配置されるカートリッジ30と、新品カートリッジが装着された後、アクチュエータ44をセンサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、センサ検出信号が第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置にアクチュエータ44を保持する新旧識別用部材37とを備える。また、検出制御部50は、センサ検出信号に基づいて、用紙3の位置検出および新品カートリッジの装着検出の各制御、および各検出を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、および画像形成用カートリッジの新旧判定方法に関し、詳しくは、画像形成装置に用いられるセンサを有効利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に用いられるセンサを有効利用する技術として、例えば、下記特許文献1には、レジ後センサをカートリッジ有無検出と兼用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−292357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カートリッジ有無検出とは別に、個別のセンサを用いてカートリッジの新旧判定を行う技術があるが、この技術においても、さらに既存のセンサで判定を行うことが切望されていた。
本発明は、本発明は、既存のセンサでカートリッジの新旧判定を行う技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像形成装置は、用紙を搬送するための搬送経路と、前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、前記用紙に画像を形成するための画像形成部材を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置されるカートリッジと、新品カートリッジが装着された後、前記アクチュエータを前記センサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、前記センサ検出信号が前記第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置に前記アクチュエータを保持する新旧識別用部材と、前記センサ検出信号に基づいて、前記用紙の位置検出および前記新品カートリッジの装着検出の各制御、および各検出を行う検出制御部とを備える。
【0006】
上記画像形成装置において、前記カートリッジの装着時に前記搬送経路に前記用紙が通紙されると、前記アクチュエータは、前記センサ検出信号が前記第1レベルとなる通紙位置になるようにしてもよい。
【0007】
また、上記画像形成装置において、前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、最後に前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御するようにしてもよい。
あるいは、前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御するようにしてもよい。
【0008】
また、上記画像形成装置において、前記検出制御部の駆動制御にしたがって、前記搬送経路に前記用紙を搬送させる用紙搬送機構をさらに備え、前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記用紙搬送機構の駆動を停止するようにしてもよい。
【0009】
また、上記画像形成装置において、モータと、前記検出制御部の制御にしたがって、前記新旧識別用部材および前記用紙搬送機構に前記モータの駆動力を伝達する伝達機構をさらに備え、前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記新旧識別用部材のみ回転させる第1伝達機構制御モードと、前記用紙搬送機構を少なくとも駆動する第2伝達機構制御モードとを切替えるようにしてもよい。
その際、前記検出制御部は、前記モータの回転方向を切り替え制御し、前記モータを第1方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第1伝達機構制御モードに制御し、前記モータを第1方向とは逆方向の第2方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第2伝達機構制御モードに制御するようにしてもよい。
【0010】
また、上記画像形成装置において、前記アクチュエータを保持する、前記新旧識別用部材とは個別の保持部材をさらに備え、前記保持部材は、前記カートリッジ未装着時、前記アクチュエータを、前記センサ検出信号が旧品位置とはレベルの異なる前記第1レベルとなる未装着位置に保持するようにしてもよい。
【0011】
また、上記画像形成装置において、前記検出制御部は、前記アクチュエータが前記旧品位置に保持されているかどうかを判定し、保持されていると判定した場合に、前記新品カートリッジの検出動作を行うようにしてもよい。
【0012】
また、上記画像形成装置において、用紙検出センサは、レジストレーションローラの用紙搬送方向下流側に設けられるレジ後センサとしてもよい。
【0013】
本明細書によって開示される画像形成用カートリッジの新旧判定方法は、搬送経路を介して用紙を搬送するための搬送機構と、前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、前記アクチュエータを所定位置に保持する新旧識別用部材と、前記搬送機構および前記新旧識別用部材を駆動するモータと、前記用紙に画像を形成するための画像形成部を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置される画像形成用カートリッジとを備えた画像形成装置において、前記画像形成用カートリッジの新旧判定方法であって、前記アクチュエータが前記新旧識別用部材によって第1位置に、変動可能に保持されている際に、前記モータを第1方向に回転させて前記搬送機構を駆動して前記用紙を搬送させ、前記用紙の搬送に伴って前記アクチュエータが前記第1位置から第2位置に変動した際の第1レベルの前記センサ検出信号に基づいて前記用紙の通紙を検出する通紙検出工程と、前記モータを前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転させることによって前記新旧識別用部材を所定量回転させ、それによって、前記アクチュエータが前記第1位置から変動した際に、前記センサ検出信号のレベルが前記第1レベルである場合、前記カートリッジが新品であることを検出する新品検出工程と、前記モータの回転に応じて、前記センサ検出信号の前記第1レベルが検出されない場合、前記カートリッジが旧品であることを検出する旧品検出工程とを含む。
【0014】
上記画像形成用カートリッジの新旧判定方法において、前記モータを回転させずに前記第1レベルの前記センサ検出信号が検出された場合、前記カートリッジの未装着を検出する未装着検出工程をさらに含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、新旧識別用部材は、新品カートリッジが装着された後、用紙検出用のアクチュエータをセンサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、既存のセンサである用紙検出用センサからのセンサ検出信号が第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置にアクチュエータを保持する。そのため、単にセンサ検出信号のレベル変化を検出することで、カートリッジの新旧判定を行うことができる。すなわち、既存のセンサでカートリッジの新旧判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置の一実施形態を概略的に示す側断面
【図2】現像カートリッジの概略的な側面図
【図3】カバーを外した状態の現像カートリッジの概略的な側面図
【図4】回転体と第4ギヤとの噛み合わせの説明図
【図5】画像形成装置から現像カートリッジを外した状態を示す説明図
【図6】レジ後センサの動作を模式的に示す説明図
【図7】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図
【図8】初期化動作処理の各処理を概略的に示すフローチャート
【図9】初期化動作処理に係るタイムチャート
【図10】新品現像カートリッジの検出に係る説明図
【図11】用紙検出に係る説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
一実施形態を図1から図11を参照して説明する。
【0018】
1.画像形成装置の全体構成
図1は、画像形成装置の一例であるレーザプリンタ1の側断面を概略的に示す模式図である。画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、コピー機能等を備えた複合機であってもよい。
【0019】
レーザプリンタ1は、本体ケーシング2、本体ケーシング2内に用紙3を給紙するためのフィーダ部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。以下の説明では図1における右を前、左を後として説明する。
【0020】
1−1.フィーダ部の構成
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に着脱可能に装着される給紙トレイ6、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7、給紙トレイ6の一端側の上方に設けられる送出ローラ11、送出ローラ11に対して用紙3の搬送方向下流側に設けられている給紙ローラ8、給紙パット9、給紙ローラ8に対して搬送方向下流側に設けられるレジストローラ12などを備えている。
【0021】
給紙トレイ6内の用紙3は、用紙押圧板7によって給紙ローラ8側に寄せられ、給紙ローラ8および給紙パット9によって一枚ずつ送り出されて各種ローラ10、11、12を通った後、画像形成部5に搬送される。
【0022】
1−2.画像形成部の構成
画像形成部5は、スキャナユニット16、プロセスカートリッジ17、定着部18などを備えている。
【0023】
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。
【0024】
画像データに基づいてレーザ発光部から発光されるレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡、レンズ、反射鏡等の通過あるいは反射を経て、プロセスカートリッジ17の感光体ドラム27の表面上に高速走査にて照射される。
【0025】
プロセスカートリッジ17は、感光体カートリッジ20と現像カートリッジ30とで構成されており、スキャナユニット16の下方に着脱自在に装着される。
【0026】
なお、現像カートリッジ30の本体ケーシング2内への装着は、現像カートリッジ30単品で、あるいは感光体カートリッジ20に現像カートリッジ30を装着したプロセスカートリッジ17で可能である。
【0027】
現像カートリッジ30は、トナー(現像剤の一例)を収容する筐体35、筐体35に回転可能に軸支されている現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33、および回転体37(新旧識別用部材の一例)などを備えている。
【0028】
筐体35内のトナーは、供給ローラ33により現像ローラ31に供給され、このとき供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴なって層厚規制ブレード32と現像ローラ31との間に進入し、さらに摩擦帯電されつつ、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
【0029】
図2は、現像カートリッジ30の一端側を模式的に示す側面図である。現像カートリッジ30の筐体35は、カートリッジ本体の一端側に着脱可能に設けられ当該一端側を部分的に覆うカバー体35aを有している。
【0030】
回転体37は、第1大径部37a、第2大径部37b、第1小径部38a、および第2小径部38bを有する。
【0031】
図3は、カバー体35aを外した状態の現像カートリッジ30の側面図である。カートリッジ本体とカバー体35aとの間には、駆動部74などが設けられている。
【0032】
駆動部74は、カートリッジ伝達機構63、第1ギヤ64、第2ギヤ65、第3ギヤ66、第4ギヤ67などを含む。
【0033】
カートリッジ伝達機構63は、入力ギヤ69、現像ローラ駆動ギヤ70、供給ローラ駆動ギヤ71、中間ギヤ72、アジテータ駆動ギヤ73を備えている。
【0034】
現像ローラ駆動ギヤ70は、図1に示す現像ローラ31の端部に一体に設けられており、入力ギヤ69と噛み合っている。供給ローラ駆動ギヤ71は、図1に示す供給ローラ33の端部に一体に設けられており、入力ギヤ69と噛み合っている。
【0035】
アジテータ駆動ギヤ73は、アジテータ(図示せず)の端部に一体に設けられており、中間ギヤ72を介して入力ギヤ69と噛み合っている。第1ギヤ64は、アジテータ駆動ギヤ73と同軸上に設けられており、アジテータ駆動ギヤ73と一体に回転する。
【0036】
第2ギヤ65は、第1ギヤ64と噛み合い、筐体35に回転可能に軸支されている。第3ギヤ66は、第2ギヤ65と噛み合い、筐体35に回転可能に軸支されている。なお、第2ギヤ65の第3ギヤ66と噛み合う部分は筐体35の外側に形成されている。すなわち、第3ギヤ66は筐体35の外側に設けられる。また、第4ギヤ67は、第3ギヤ66と噛み合い、筐体35に回転可能に軸支されている。第4ギヤ67も筐体35の外側に設けられている。
【0037】
第4ギヤ67は、図4に示されているように、回転体37の小径部の端部38cに設けられた歯と噛み合い、回転体37を回転させる。なお、回転体37の一部には歯のない歯欠部37cが設けられたおり、第4ギヤ67と回転体37とは歯欠部37cにおいて噛み合わない。すなわち、回転体37が第4ギヤ67の回転によって時計反対回りにほぼ一回転すると、第4ギヤ67の歯は回転体37の歯欠部37cと噛み合わなくなる。それによって、回転体37は回転出来なくなる。具体的には、後述するように、新品の現像カートリッジ30がプリンタ1に挿入された場合、図4に示される状態で、第4ギヤ67の歯とは回転体37の歯とが噛み合っている。そしてメインモータ(モータの一例)110の逆回転(第2方向の回転の一例)にともなって、回転体37は、時計反対回りにほぼ一回転だけ回転できる。したがって、メインモータ110が正回転(第1方向の回転の一例)したとき、および旧品の現像カートリッジ30がプリンタ1に挿入された場合、回転体37は回転しない構造となっている。
【0038】
入力ギヤ69は、現像カートリッジ30が本体ケーシング2内の所定の装着位置に装着されると、本体ケーシング2側に設けられている駆動装置100(図5参照)の回転駆動軸120と係合し、回転駆動軸120から入力される回転駆動力によって回転する。駆動装置100はメインモータ110を含み、メインモータ110は回転駆動軸120に接続され、回転駆動軸120を回転させる。
【0039】
入力ギヤ69の回転によって現像ローラ駆動ギヤ70および供給ローラ駆動ギヤ71が回転することにより、現像ローラ31および供給ローラ33に回転駆動力が伝達されるとともに、入力ギヤ69の回転によって中間ギヤ72およびアジテータ駆動ギヤ73が回転することにより、第2ギヤ65に回転駆動力が伝達される。回転駆動軸120、カートリッジ伝達機構63、および各ギヤは、「伝達機構」に相当する。
【0040】
図1に示すように、感光体カートリッジ20には、感光体ドラム27、転写ローラ28、およびスコロトロン型帯電器29などが設けられている。
【0041】
感光体ドラム27は、感光体カートリッジ20の筐体に回転可能に支持されている。感光体ドラム27は、例えば、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分が正帯電性の感光層により形成されている。感光ドラムの上方には、感光体カートリッジ20の筐体に孔状に形成された露光窓21aが配設されている。
【0042】
スコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定間隔を隔てて対向配置されている。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用の帯電器であり、感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0043】
転写ローラ28は、感光体ドラム27の下方において、感光体ドラム27に対向して接触するように配置され、感光体カートリッジ20の筐体に回転可能に支持されている。転写ローラ28は、転写ローラ28には、転写時に、定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0044】
感光体ドラム27の表面は、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0045】
現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持されているトナーが、感光体ドラム27に対向して接触する時に、感光体ドラム27の表面上に形成される静電潜像に供給される。トナーは、感光体ドラム27の表面上で選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0046】
感光体ドラム27と転写ローラ28とは、用紙3を両者間で挟持して搬送するように回転駆動され、感光体ドラム27と転写ローラ28との間を用紙3が搬送されることにより、感光体ドラム27の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
【0047】
定着部18は、プロセスカートリッジ17の下流側に配設され、加熱ローラ41、加熱ローラ41と対向配置され加熱ローラ41を押圧する加圧ローラ42、これら加熱ローラ41および加圧ローラ42の下流側に設けられる1対の排紙ローラ45などを備えている。
【0048】
定着部18は、用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させる。熱定着された用紙3は排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。なお、給紙トレイ6から、画像形成部5、定着部18等を経由して排紙トレイ46に至る経路が、用紙3を搬送するための搬送経路3aに相当する(図1の用紙3を示す太線を参照)。また。給紙ローラ8、送出ローラ11、レジストローラ12、および加熱ローラ41等の各ローラは、用紙搬送機構を構成する。各ローラ(用紙搬送機構)は、メインモータ110に駆動されて回転する図示しないギヤ列、および電磁クラッチ機構等の回転伝達機構(伝達機構に相当する)を介して回転駆動される。
【0049】
1−3.本体ケーシング内の詳細構造
本体ケーシング2の前側には開閉自在なフロントカバー2aが設けられている。フロントカバー2aを開いたときにできる開口からプロセスカートリッジ17を着脱できる。
【0050】
図5は、本体ケーシング2から現像カートリッジ30のみを取り外した状態を示す模式図である。本体ケーシング2内の現像カートリッジ30が装着される装着位置近傍には、現像カートリッジ30の入力ギヤ69に回転駆動力を伝達する駆動装置100、レジ後センサ(用紙検出センサの一例)43およびレバー(アクチュエータの一例)44が設けられている。
【0051】
駆動装置100は、メインモータ110、メインモータ110に駆動されて回転する図示しないギヤ列、ギヤ列に駆動されて回転する回転駆動軸120などで構成されている。
【0052】
駆動装置100において、入力ギヤ69と係合する回転駆動軸120は、例えば、フロントカバー2aの開閉に連動して現像カートリッジ30に対して進退するように構成されている。現像カートリッジ30を本体ケーシング2内に装着した後にフロントカバー2aを閉じると、回転駆動軸120が入力ギヤ69に向かって進出し、入力ギヤ69が回転駆動軸120と係合する。フロントカバー2aを開くと回転駆動軸120が入力ギヤ69から退避し、回転駆動軸120と入力ギヤ69との係合が解除される。
【0053】
レバー44は搬送経路3a上に設けられ、用紙3の搬送経路3aの通過にともなって位置変動する。レジ後センサ43は、レバー44の位置変動に応じて用紙3の位置を検出し、センサ検出信号Sdを生成する。また、後述するように、レジ後センサ43およびレバー44は、さらに現像カートリッジ30の有無判断、すなわちプロセスカートリッジ17の装着の有無判断、および現像カートリッジ30の新旧判断を行うために使用される。
【0054】
詳しくは、図6に示されるように、レジ後センサ43は、発光部43aと受光部43bとを備えた公知の光学式センサである。レジ後センサ43は、発光部43aから射出された光を受光部43bが検知するとON状態(レバー44を検知不能な位置)になり、オン(ハイ)レベル(「第1レベル」に相当する)のセンサ検出信号Sdを生成する(図9参照)。一方、レバー44の後端部44bにより発光部43aから受光部43bまでの光路が遮断され、発光部43aから射出された光を受光部43bが検知できなくなるとOFF状態(レバー44を検知可能な位置)になり、オフ(ロー)レベル(「第2レベル」に相当する)のセンサ検出信号Sdを生成する(図9参照)。
【0055】
レバー44は回転軸44cを中心として、回転可能に構成されており、先端部44aがガイド部材2bよりも上部(つまり用紙3の搬送経路3aを横切る位置)に突出している。なお、図6は、レバー44は、プロセスカートリッジ17の現像カートリッジ30が装着されていないとき、および用紙3が搬送されないときのレバー44の状態を示す。すなわち、レバー44の先端部44aが回転軸44cよりも用紙3の搬送方向上流側に位置し、レバー44の後端部44bはレジ後センサ43により検知不能な位置にある。プロセスカートリッジ17に現像カートリッジ30が装着されるとき、および用紙3が搬送されるときのレバー44の状態は後述する。
【0056】
ところで、レバー44が、図6に示すような位置を保つために、図6に示すようなバネ44dが備えられている。なお、図6以外の図においては、バネ44dの表記を省略する。バネ44dは、一端がレバー44に形成された孔に挿通されており、レバー44の回転軸44cに巻回された状態で、他端がガイド部材2bの下側面に固定されている。このため、レバー44は、バネ44dの付勢力により、常に定位置(図6に示す位置)に戻ろうとするため、現像カートリッジ30が装着されていない状態においては、図6に示す位置を維持する。
【0057】
2.プリンタの電気的構成
図7は、プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【0058】
プリンタ1は、図7に示すように、CPU50、ROM51、RAM52、NVRAM(不揮発性メモリ)53、ネットワークインターフェイス54を備えている。ROM51には、後述するプリンタ初期化動作など、プリンタ1の各種動作を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0059】
CPU50(検出制御部の一例)は、ROM51から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM52またはNVRAM53に記憶させながら各部の制御を行う。ネットワークインターフェイス54は、例えばLANなどの通信回線に接続され、その通信回線上に接続された端末装置(図示せず)等との間の通信を可能とする。
【0060】
また、CPU50はメインモータ110、およびメインモータ110の回転を伝達する伝達機構に接続され、メインモータ110および伝達機構を駆動制御する。また、CPU50はレジ後センサ43に接続され、レジ後センサ43からのセンサ検出信号Sdに基づいて、用紙3の位置検出および新品現像カートリッジ30の装着検出の各制御、および各検出を行う。
【0061】
プリンタ1は、さらに操作部80、表示部81を備えている。表示部81は、ディスプレイやランプ等(図示せず)を備え、各種の設定画面や装置の動作状態等を表示することが可能である。操作部80は、複数のボタン(図示せず)を備え、ユーザにより各種指示の入力操作が可能である。
【0062】
3.初期化動作処理(新品検出処理)
次に、新品現像カートリッジの検出を含むプリンタ1の初期化動作処理を、図8〜図11を参照して説明する。図8は初期化動作処理の各処理を概略的に示すフローチャートであり、図9は初期化動作処理に係るタイムチャートである。また、図10は新品現像カートリッジの検出を説明する図であり、図11は用紙検出を説明する図である。ここで新品とは回転体37が未駆動である現像カートリッジ30をいう。また旧品とは回転体37が駆動済みである現像カートリッジ30をいう。
【0063】
初期化動作処理は、例えば、プリンタ1の電源投入時に、所定のプログラムにしたがってCPU50によって実行される。CPU50は、初期化動作処理を開始すると、レジ後センサ43が兼用されるモード(以下「兼用モード」という)を、「プロセス有無センサ」モードに設定する(ステップS105)。次いで、レジ後センサ(兼用センサ)43からのセンサ検出信号SdがONレベル(第1レベル)かどうか判定する(ステップS110:図9の時刻t1に相当)。センサ検出信号SdがONレベルである(ステップS110:YES)と判定した場合、プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていないとして、例えば、表示部81にエラー表示させて、初期化動作処理を一旦終了する(ステップS115)。プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていない場合のレジ後センサ43とレバー44の関係は、図6に示された状態に相当する。すなわち、レジ後センサ43の発光部43aと受光部43bとの間にレバー44の後端部44bが存在しないため、図9の点線で示されるようにセンサ検出信号SdがONレベルとなる。
【0064】
一方、ステップS110においてセンサ検出信号SdがOFFレベル(第2レベル)である(ステップS110:NO)と判定した場合、プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていると判定し(図10の「カートリッジ挿入時」を参照)、「兼用モード」を、用紙検出のための「レジ後センサ」モードに設定する(ステップS120)。この判定は以下による。すなわち、プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていると、図10の「カートリッジ挿入時」に示されるように、回転体37の第1大径部37aによってレバー44が、レジ後センサ43の発光部43aと受光部43bとの間に後端部44bが存在する位置まで、バネ44dの付勢力に抗して回転される。それによって、発光部43aからの検出光が後端部44bによって遮られ、センサ検出信号SdがOFFレベルとなるからである。なお、図10の「カートリッジ挿入時」に示されるレバー44の位置が、旧品位置および第1位置に相当する。
【0065】
そして、メインモータ110を正回転させて、いわゆるガラ回しを開始する(ステップS125:図9の時刻t2に相当)。そして、CPU50は、ガラ回し期間中(図9の時刻t2から時刻t3)に紙詰まりが発生したかどうかをセンサ検出信号Sdに基づいて判定する(ステップS135)。この判定は、プリンタ1内に残された用紙3によってレジ後センサ43の近傍において紙詰まりが発生していないかを判定するために行われる。紙詰まりが発生していると、後述する現像カートリッジ30の新品検出が正常に行えないからである。
【0066】
紙詰まりが発生していると判定した場合(ステップS135:YES)、CPU50は、例えば、表示部81にエラー表示させて、初期化動作処理を一旦終了する(ステップS140)。紙詰まりの判定は、例えば、センサ検出信号SdがONレベルである期間が、正常通紙の判定期間K1(図9参照)より長い場合に行われる。すなわち、図11に示されるように、用紙3がレジ後センサ43の位置を通過する際に、用紙3がレバー44の先端部44aに当接するためレバー44が回転する。その際、レジ後センサ43の発光部43aと受光部43bとの間にレバー44の後端部44bが存在しないため、用紙3がレバー44を通過する期間、センサ検出信号SdがONレベルとなる。一方、レバー44の近傍で紙詰まりが発生すると、用紙3がレバー44の後端部44bに当接した状態が継続されるため、センサ検出信号SdのONレベル期間が判定期間K1より長くなる。
【0067】
一方、ガラ回し中に紙詰まりが発生しなかった場合(ステップS135:NOおよびステップS130:YES)、メインモータ110を停止させ(ステップS145:時刻t3)、「兼用モード」を、現像カートリッジ30の新品検出のための「トナー新品検知センサ」モードに設定する(ステップS150)。
【0068】
「トナー新品検知センサ」モードにおいて、CPU50は、メインモータ110を、回転体37が少なくとも一回転する期間、逆回転させる(ステップS155:時刻t4)。
【0069】
現像カートリッジ30の新品である場合、メインモータ110の逆回転に伴って、回転体37は図10に示される矢印の方向に回転する。回転体37の回転に伴って、回転体37の第1小径部38aがレバー44の後端部44bの位置に到達すると(図10の新品検出時1を参照)、レバー44はバネ44dの付勢力で回転する。それに伴ってセンサ検出信号Sdが所定期間K2(時刻t5から時刻t6)、ONレベルとなる。
【0070】
さらに、回転体37が図10に示される矢印の方向に回転すると、回転体37の第2大径部37bがレバー44の後端部44bの位置に来ると(図10の新品検出時2を参照)、レバー44はバネ44dの付勢力に抗して時計反対回りに回転する。それに伴ってセンサ検出信号SdがOFFレベルとなる(時刻t6から時刻t7)。
【0071】
さらに、回転体37が図10に示される矢印の方向に回転すると、図10の新品検出時3に示されるように、回転体37の第2小径部38bがレバー44の後端部44bの位置に来る。それに伴って、レバー44はバネ44dの付勢力で時計回りに回転する。それに伴ってセンサ検出信号Sdが、再び所定期間K3(時刻t7から時刻t8)、ONレベルとなる(ステップS165:YES)。なお、図10の「新品検出時1」および「新品検出時3」に示されるレバー44の位置が、新品位置および第2位置に相当する。
【0072】
センサ検出信号SdがONレベルとなる所定期間K2および所定期間K3が検出されると、トナー新品判定(現像カートリッジの新品検出)がなされたとして(ステップS170:YES)、トナー新品判定確定処理を行う(ステップS175)。トナー新品判定確定処理としては、例えば、印刷用紙カウント数をゼロにリセットする。なお、メインモータ110を逆回転させてもONレベルのセンサ検出信号Sdが検出されない場合、回転体37が回転せずレバー44は図10に示される旧品位置から変動しない場合に相当し、挿入された現像カートリッジ30は旧品であると判定される。
【0073】
さらに、回転体37が図10に示される矢印の方向に回転し、回転体37がほぼ一回転すると、図10の検出終了時に示されるように、回転体37は、カートリッジ挿入時とほぼ同一の位置で停止する。回転体37は以後、回転不可能となる。すなわち、回転体37は、ほぼ一回転すると回転不可能となり、以後、プロセスカートリッジ17あるいは現像カートリッジ30の挿入検出に使用される。また、現像カートリッジ30の旧品検出に使用される。
【0074】
メインモータ110の逆回転の開始(時刻t4)から所定時間が終了すると、トナー新品検知の終了と判定し(ステップS160:YES)、メインモータ110の逆回転を停止する(ステップS180)。そして、再び、「兼用モード」を、用紙検出のための「レジ後センサ」モードに設定し(ステップS185)、初期化動作処理を終了する。以後、レジ後センサ43は、図11に示されるように、用紙3の検出に使用される。なお、図11に示されるレバー44の位置が、通紙位置に相当する。
【0075】
4.実施形態の効果
回転体37は、新品の現像カートリッジ30がプリンタ1に装着された後、レバー44(用紙検出用のアクチュエータ)をセンサ検出信号SdがONレベル(第1レベル)となる新品位置に所定期間(K2,K3)、保持する。その後、レジ後センサ43のセンサ検出信号SdがONレベルとは異なるOFFレベル(第2レベル)となる旧品位置にレバー44を保持する。そのため、単にセンサ検出信号Sdのレベル変化を検出することで、現像カートリッジ3の新旧判定を行うことができる。すなわち、既存のレジ後センサ43で現像カートリッジ30の新旧判定を好適に行うことができる。
【0076】
また、新品の現像カートリッジ30の装着検出と通紙検出とにおいて、センサ検出信号Sdのレベル(センサ出力レベル)が、同一レベルのONレベルとされる。そのため、各検出における検出レベルが異なる場合と比べ各検出処理が簡易化される。
【0077】
用紙検出センサとして、レジストレーションローラ12の用紙搬送方向下流側に設けられるレジ後センサ43が使用される。そのため、プリンタ1を手差し構成とした場合であっても、新品検知動作時に用紙3を挿されて誤判断するのを低減できる。
【0078】
また、CPU50は、メインモータ110が正回転時にセンサ検出信号SdがOFFレベルかどうか、すなわち、レバー44が旧品位置に保持されているかどうかを判定し、保持されていると判定した場合(ステップS135:NO)に、新品カートリッジの検出動作を行う。そのため、現像カートリッジ30が装着されており、かつ用紙ジャムがセンサ上で発生していないときに新品検知動作を行える。
【0079】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0080】
(1)上記実施形態では、現像カートリッジ30の新旧判断の際に、回転体37をほぼ一回転させて、ONレベルを2回検出するようにしたがこれに限られない。例えば、回転体37をほぼ半回転させて、ONレベルを1回検出するようにしてもよい。すなわち、図9のメインモータ110の逆回転期間(時刻t4からt9まで)に、ONレベルのセンサ検出信号Sdを一回検出することによっても、現像カートリッジ30が新品であることを検出できる。さらには、本発明に係る新旧識別用部材は回転体37に限られない。
【0081】
(2)上記実施形態では、現像カートリッジ30の新旧判断の際にメインモータ110を逆回転する例を示したがこれに限られない。すなわち、図8のステップS155において、メインモータ110を正回転して現像カートリッジ30の新旧判断を行うように伝達ギヤを構成するようにしてもよい。要は、ステップS155において、図8のステップS125での、紙詰まり検出用のメインモータ110の正回転処理とは別途にメインモータ110が回転されればよい。
【0082】
(3)上記実施形態では、用紙検出センサとしてレジ後センサ43を使用する例を示したが、これに限られない。例えば、用紙検出センサは、レジストレーションローラ12の用紙搬送方向上流側に設けられるレジ前センサであってもよい。
【0083】
(4)上記実施形態において、CPU50は、新品カートリッジの検出時に、用紙搬送機構の駆動を停止するようにしてもよい。この場合、用紙3が通紙されることによる新品検知の誤判断を防止できる。
【0084】
(5)CPU50は、新品カートリッジの検出時に、新旧識別用部材のみ回転させる第1伝達機構制御モードと、用紙搬送機構を少なくとも駆動する第2伝達機構制御モードとを切替えるようにしてもよい。この場合、レバー44の新品位置と通紙位置とにおけるセンサ検出信号Sdのレベル(センサ出力レベル)が同一であっても、検出制御部によってモードを切替えることで新品位置と通紙位置とを、すなわち、新品検出と通紙検出とを切り分けられる。
【0085】
その際、CPU50は、メインモータ110を第1方向に回転させる場合、伝達機構を第1伝達機構制御モードに制御し、メインモータ110を第1方向とは逆方向の第2方向に回転させる場合、伝達機構を第2伝達機構制御モードに制御するようにしてもよい。この場合、レバー44の新品位置と通紙位置とにおけるセンサ出力レベルが同一であっても、メインモータ110の回転方向を切り替えることで新品位置と通紙位置とを切り分けられる。
【0086】
(6)レバー44を保持する、回転体37とは個別の保持部材をさらに備え、保持部材は、カートリッジ未装着時、レバー44を、センサ検出信号Sdが旧品位置とはレベルの異なる第1レベルとなる未装着位置に保持するようにしてもよい。この場合、既存のセンサで現像カートリッジ30の新旧判定を行えるのみならず、現像カートリッジ30の有無も判定できる。
【符号の説明】
【0087】
1…レーザプリンタ、17…プロセスカートリッジ、20…感光体カートリッジ、30…現像カートリッジ、37…回転体、43…レジ後センサ、44…レバー、50…CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、および画像形成用カートリッジの新旧判定方法に関し、詳しくは、画像形成装置に用いられるセンサを有効利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に用いられるセンサを有効利用する技術として、例えば、下記特許文献1には、レジ後センサをカートリッジ有無検出と兼用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−292357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カートリッジ有無検出とは別に、個別のセンサを用いてカートリッジの新旧判定を行う技術があるが、この技術においても、さらに既存のセンサで判定を行うことが切望されていた。
本発明は、本発明は、既存のセンサでカートリッジの新旧判定を行う技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像形成装置は、用紙を搬送するための搬送経路と、前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、前記用紙に画像を形成するための画像形成部材を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置されるカートリッジと、新品カートリッジが装着された後、前記アクチュエータを前記センサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、前記センサ検出信号が前記第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置に前記アクチュエータを保持する新旧識別用部材と、前記センサ検出信号に基づいて、前記用紙の位置検出および前記新品カートリッジの装着検出の各制御、および各検出を行う検出制御部とを備える。
【0006】
上記画像形成装置において、前記カートリッジの装着時に前記搬送経路に前記用紙が通紙されると、前記アクチュエータは、前記センサ検出信号が前記第1レベルとなる通紙位置になるようにしてもよい。
【0007】
また、上記画像形成装置において、前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、最後に前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御するようにしてもよい。
あるいは、前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御するようにしてもよい。
【0008】
また、上記画像形成装置において、前記検出制御部の駆動制御にしたがって、前記搬送経路に前記用紙を搬送させる用紙搬送機構をさらに備え、前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記用紙搬送機構の駆動を停止するようにしてもよい。
【0009】
また、上記画像形成装置において、モータと、前記検出制御部の制御にしたがって、前記新旧識別用部材および前記用紙搬送機構に前記モータの駆動力を伝達する伝達機構をさらに備え、前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記新旧識別用部材のみ回転させる第1伝達機構制御モードと、前記用紙搬送機構を少なくとも駆動する第2伝達機構制御モードとを切替えるようにしてもよい。
その際、前記検出制御部は、前記モータの回転方向を切り替え制御し、前記モータを第1方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第1伝達機構制御モードに制御し、前記モータを第1方向とは逆方向の第2方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第2伝達機構制御モードに制御するようにしてもよい。
【0010】
また、上記画像形成装置において、前記アクチュエータを保持する、前記新旧識別用部材とは個別の保持部材をさらに備え、前記保持部材は、前記カートリッジ未装着時、前記アクチュエータを、前記センサ検出信号が旧品位置とはレベルの異なる前記第1レベルとなる未装着位置に保持するようにしてもよい。
【0011】
また、上記画像形成装置において、前記検出制御部は、前記アクチュエータが前記旧品位置に保持されているかどうかを判定し、保持されていると判定した場合に、前記新品カートリッジの検出動作を行うようにしてもよい。
【0012】
また、上記画像形成装置において、用紙検出センサは、レジストレーションローラの用紙搬送方向下流側に設けられるレジ後センサとしてもよい。
【0013】
本明細書によって開示される画像形成用カートリッジの新旧判定方法は、搬送経路を介して用紙を搬送するための搬送機構と、前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、前記アクチュエータを所定位置に保持する新旧識別用部材と、前記搬送機構および前記新旧識別用部材を駆動するモータと、前記用紙に画像を形成するための画像形成部を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置される画像形成用カートリッジとを備えた画像形成装置において、前記画像形成用カートリッジの新旧判定方法であって、前記アクチュエータが前記新旧識別用部材によって第1位置に、変動可能に保持されている際に、前記モータを第1方向に回転させて前記搬送機構を駆動して前記用紙を搬送させ、前記用紙の搬送に伴って前記アクチュエータが前記第1位置から第2位置に変動した際の第1レベルの前記センサ検出信号に基づいて前記用紙の通紙を検出する通紙検出工程と、前記モータを前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転させることによって前記新旧識別用部材を所定量回転させ、それによって、前記アクチュエータが前記第1位置から変動した際に、前記センサ検出信号のレベルが前記第1レベルである場合、前記カートリッジが新品であることを検出する新品検出工程と、前記モータの回転に応じて、前記センサ検出信号の前記第1レベルが検出されない場合、前記カートリッジが旧品であることを検出する旧品検出工程とを含む。
【0014】
上記画像形成用カートリッジの新旧判定方法において、前記モータを回転させずに前記第1レベルの前記センサ検出信号が検出された場合、前記カートリッジの未装着を検出する未装着検出工程をさらに含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、新旧識別用部材は、新品カートリッジが装着された後、用紙検出用のアクチュエータをセンサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、既存のセンサである用紙検出用センサからのセンサ検出信号が第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置にアクチュエータを保持する。そのため、単にセンサ検出信号のレベル変化を検出することで、カートリッジの新旧判定を行うことができる。すなわち、既存のセンサでカートリッジの新旧判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置の一実施形態を概略的に示す側断面
【図2】現像カートリッジの概略的な側面図
【図3】カバーを外した状態の現像カートリッジの概略的な側面図
【図4】回転体と第4ギヤとの噛み合わせの説明図
【図5】画像形成装置から現像カートリッジを外した状態を示す説明図
【図6】レジ後センサの動作を模式的に示す説明図
【図7】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図
【図8】初期化動作処理の各処理を概略的に示すフローチャート
【図9】初期化動作処理に係るタイムチャート
【図10】新品現像カートリッジの検出に係る説明図
【図11】用紙検出に係る説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
一実施形態を図1から図11を参照して説明する。
【0018】
1.画像形成装置の全体構成
図1は、画像形成装置の一例であるレーザプリンタ1の側断面を概略的に示す模式図である。画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、コピー機能等を備えた複合機であってもよい。
【0019】
レーザプリンタ1は、本体ケーシング2、本体ケーシング2内に用紙3を給紙するためのフィーダ部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。以下の説明では図1における右を前、左を後として説明する。
【0020】
1−1.フィーダ部の構成
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に着脱可能に装着される給紙トレイ6、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7、給紙トレイ6の一端側の上方に設けられる送出ローラ11、送出ローラ11に対して用紙3の搬送方向下流側に設けられている給紙ローラ8、給紙パット9、給紙ローラ8に対して搬送方向下流側に設けられるレジストローラ12などを備えている。
【0021】
給紙トレイ6内の用紙3は、用紙押圧板7によって給紙ローラ8側に寄せられ、給紙ローラ8および給紙パット9によって一枚ずつ送り出されて各種ローラ10、11、12を通った後、画像形成部5に搬送される。
【0022】
1−2.画像形成部の構成
画像形成部5は、スキャナユニット16、プロセスカートリッジ17、定着部18などを備えている。
【0023】
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。
【0024】
画像データに基づいてレーザ発光部から発光されるレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡、レンズ、反射鏡等の通過あるいは反射を経て、プロセスカートリッジ17の感光体ドラム27の表面上に高速走査にて照射される。
【0025】
プロセスカートリッジ17は、感光体カートリッジ20と現像カートリッジ30とで構成されており、スキャナユニット16の下方に着脱自在に装着される。
【0026】
なお、現像カートリッジ30の本体ケーシング2内への装着は、現像カートリッジ30単品で、あるいは感光体カートリッジ20に現像カートリッジ30を装着したプロセスカートリッジ17で可能である。
【0027】
現像カートリッジ30は、トナー(現像剤の一例)を収容する筐体35、筐体35に回転可能に軸支されている現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33、および回転体37(新旧識別用部材の一例)などを備えている。
【0028】
筐体35内のトナーは、供給ローラ33により現像ローラ31に供給され、このとき供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴なって層厚規制ブレード32と現像ローラ31との間に進入し、さらに摩擦帯電されつつ、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
【0029】
図2は、現像カートリッジ30の一端側を模式的に示す側面図である。現像カートリッジ30の筐体35は、カートリッジ本体の一端側に着脱可能に設けられ当該一端側を部分的に覆うカバー体35aを有している。
【0030】
回転体37は、第1大径部37a、第2大径部37b、第1小径部38a、および第2小径部38bを有する。
【0031】
図3は、カバー体35aを外した状態の現像カートリッジ30の側面図である。カートリッジ本体とカバー体35aとの間には、駆動部74などが設けられている。
【0032】
駆動部74は、カートリッジ伝達機構63、第1ギヤ64、第2ギヤ65、第3ギヤ66、第4ギヤ67などを含む。
【0033】
カートリッジ伝達機構63は、入力ギヤ69、現像ローラ駆動ギヤ70、供給ローラ駆動ギヤ71、中間ギヤ72、アジテータ駆動ギヤ73を備えている。
【0034】
現像ローラ駆動ギヤ70は、図1に示す現像ローラ31の端部に一体に設けられており、入力ギヤ69と噛み合っている。供給ローラ駆動ギヤ71は、図1に示す供給ローラ33の端部に一体に設けられており、入力ギヤ69と噛み合っている。
【0035】
アジテータ駆動ギヤ73は、アジテータ(図示せず)の端部に一体に設けられており、中間ギヤ72を介して入力ギヤ69と噛み合っている。第1ギヤ64は、アジテータ駆動ギヤ73と同軸上に設けられており、アジテータ駆動ギヤ73と一体に回転する。
【0036】
第2ギヤ65は、第1ギヤ64と噛み合い、筐体35に回転可能に軸支されている。第3ギヤ66は、第2ギヤ65と噛み合い、筐体35に回転可能に軸支されている。なお、第2ギヤ65の第3ギヤ66と噛み合う部分は筐体35の外側に形成されている。すなわち、第3ギヤ66は筐体35の外側に設けられる。また、第4ギヤ67は、第3ギヤ66と噛み合い、筐体35に回転可能に軸支されている。第4ギヤ67も筐体35の外側に設けられている。
【0037】
第4ギヤ67は、図4に示されているように、回転体37の小径部の端部38cに設けられた歯と噛み合い、回転体37を回転させる。なお、回転体37の一部には歯のない歯欠部37cが設けられたおり、第4ギヤ67と回転体37とは歯欠部37cにおいて噛み合わない。すなわち、回転体37が第4ギヤ67の回転によって時計反対回りにほぼ一回転すると、第4ギヤ67の歯は回転体37の歯欠部37cと噛み合わなくなる。それによって、回転体37は回転出来なくなる。具体的には、後述するように、新品の現像カートリッジ30がプリンタ1に挿入された場合、図4に示される状態で、第4ギヤ67の歯とは回転体37の歯とが噛み合っている。そしてメインモータ(モータの一例)110の逆回転(第2方向の回転の一例)にともなって、回転体37は、時計反対回りにほぼ一回転だけ回転できる。したがって、メインモータ110が正回転(第1方向の回転の一例)したとき、および旧品の現像カートリッジ30がプリンタ1に挿入された場合、回転体37は回転しない構造となっている。
【0038】
入力ギヤ69は、現像カートリッジ30が本体ケーシング2内の所定の装着位置に装着されると、本体ケーシング2側に設けられている駆動装置100(図5参照)の回転駆動軸120と係合し、回転駆動軸120から入力される回転駆動力によって回転する。駆動装置100はメインモータ110を含み、メインモータ110は回転駆動軸120に接続され、回転駆動軸120を回転させる。
【0039】
入力ギヤ69の回転によって現像ローラ駆動ギヤ70および供給ローラ駆動ギヤ71が回転することにより、現像ローラ31および供給ローラ33に回転駆動力が伝達されるとともに、入力ギヤ69の回転によって中間ギヤ72およびアジテータ駆動ギヤ73が回転することにより、第2ギヤ65に回転駆動力が伝達される。回転駆動軸120、カートリッジ伝達機構63、および各ギヤは、「伝達機構」に相当する。
【0040】
図1に示すように、感光体カートリッジ20には、感光体ドラム27、転写ローラ28、およびスコロトロン型帯電器29などが設けられている。
【0041】
感光体ドラム27は、感光体カートリッジ20の筐体に回転可能に支持されている。感光体ドラム27は、例えば、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分が正帯電性の感光層により形成されている。感光ドラムの上方には、感光体カートリッジ20の筐体に孔状に形成された露光窓21aが配設されている。
【0042】
スコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定間隔を隔てて対向配置されている。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用の帯電器であり、感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0043】
転写ローラ28は、感光体ドラム27の下方において、感光体ドラム27に対向して接触するように配置され、感光体カートリッジ20の筐体に回転可能に支持されている。転写ローラ28は、転写ローラ28には、転写時に、定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0044】
感光体ドラム27の表面は、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0045】
現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持されているトナーが、感光体ドラム27に対向して接触する時に、感光体ドラム27の表面上に形成される静電潜像に供給される。トナーは、感光体ドラム27の表面上で選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0046】
感光体ドラム27と転写ローラ28とは、用紙3を両者間で挟持して搬送するように回転駆動され、感光体ドラム27と転写ローラ28との間を用紙3が搬送されることにより、感光体ドラム27の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
【0047】
定着部18は、プロセスカートリッジ17の下流側に配設され、加熱ローラ41、加熱ローラ41と対向配置され加熱ローラ41を押圧する加圧ローラ42、これら加熱ローラ41および加圧ローラ42の下流側に設けられる1対の排紙ローラ45などを備えている。
【0048】
定着部18は、用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させる。熱定着された用紙3は排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。なお、給紙トレイ6から、画像形成部5、定着部18等を経由して排紙トレイ46に至る経路が、用紙3を搬送するための搬送経路3aに相当する(図1の用紙3を示す太線を参照)。また。給紙ローラ8、送出ローラ11、レジストローラ12、および加熱ローラ41等の各ローラは、用紙搬送機構を構成する。各ローラ(用紙搬送機構)は、メインモータ110に駆動されて回転する図示しないギヤ列、および電磁クラッチ機構等の回転伝達機構(伝達機構に相当する)を介して回転駆動される。
【0049】
1−3.本体ケーシング内の詳細構造
本体ケーシング2の前側には開閉自在なフロントカバー2aが設けられている。フロントカバー2aを開いたときにできる開口からプロセスカートリッジ17を着脱できる。
【0050】
図5は、本体ケーシング2から現像カートリッジ30のみを取り外した状態を示す模式図である。本体ケーシング2内の現像カートリッジ30が装着される装着位置近傍には、現像カートリッジ30の入力ギヤ69に回転駆動力を伝達する駆動装置100、レジ後センサ(用紙検出センサの一例)43およびレバー(アクチュエータの一例)44が設けられている。
【0051】
駆動装置100は、メインモータ110、メインモータ110に駆動されて回転する図示しないギヤ列、ギヤ列に駆動されて回転する回転駆動軸120などで構成されている。
【0052】
駆動装置100において、入力ギヤ69と係合する回転駆動軸120は、例えば、フロントカバー2aの開閉に連動して現像カートリッジ30に対して進退するように構成されている。現像カートリッジ30を本体ケーシング2内に装着した後にフロントカバー2aを閉じると、回転駆動軸120が入力ギヤ69に向かって進出し、入力ギヤ69が回転駆動軸120と係合する。フロントカバー2aを開くと回転駆動軸120が入力ギヤ69から退避し、回転駆動軸120と入力ギヤ69との係合が解除される。
【0053】
レバー44は搬送経路3a上に設けられ、用紙3の搬送経路3aの通過にともなって位置変動する。レジ後センサ43は、レバー44の位置変動に応じて用紙3の位置を検出し、センサ検出信号Sdを生成する。また、後述するように、レジ後センサ43およびレバー44は、さらに現像カートリッジ30の有無判断、すなわちプロセスカートリッジ17の装着の有無判断、および現像カートリッジ30の新旧判断を行うために使用される。
【0054】
詳しくは、図6に示されるように、レジ後センサ43は、発光部43aと受光部43bとを備えた公知の光学式センサである。レジ後センサ43は、発光部43aから射出された光を受光部43bが検知するとON状態(レバー44を検知不能な位置)になり、オン(ハイ)レベル(「第1レベル」に相当する)のセンサ検出信号Sdを生成する(図9参照)。一方、レバー44の後端部44bにより発光部43aから受光部43bまでの光路が遮断され、発光部43aから射出された光を受光部43bが検知できなくなるとOFF状態(レバー44を検知可能な位置)になり、オフ(ロー)レベル(「第2レベル」に相当する)のセンサ検出信号Sdを生成する(図9参照)。
【0055】
レバー44は回転軸44cを中心として、回転可能に構成されており、先端部44aがガイド部材2bよりも上部(つまり用紙3の搬送経路3aを横切る位置)に突出している。なお、図6は、レバー44は、プロセスカートリッジ17の現像カートリッジ30が装着されていないとき、および用紙3が搬送されないときのレバー44の状態を示す。すなわち、レバー44の先端部44aが回転軸44cよりも用紙3の搬送方向上流側に位置し、レバー44の後端部44bはレジ後センサ43により検知不能な位置にある。プロセスカートリッジ17に現像カートリッジ30が装着されるとき、および用紙3が搬送されるときのレバー44の状態は後述する。
【0056】
ところで、レバー44が、図6に示すような位置を保つために、図6に示すようなバネ44dが備えられている。なお、図6以外の図においては、バネ44dの表記を省略する。バネ44dは、一端がレバー44に形成された孔に挿通されており、レバー44の回転軸44cに巻回された状態で、他端がガイド部材2bの下側面に固定されている。このため、レバー44は、バネ44dの付勢力により、常に定位置(図6に示す位置)に戻ろうとするため、現像カートリッジ30が装着されていない状態においては、図6に示す位置を維持する。
【0057】
2.プリンタの電気的構成
図7は、プリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【0058】
プリンタ1は、図7に示すように、CPU50、ROM51、RAM52、NVRAM(不揮発性メモリ)53、ネットワークインターフェイス54を備えている。ROM51には、後述するプリンタ初期化動作など、プリンタ1の各種動作を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0059】
CPU50(検出制御部の一例)は、ROM51から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM52またはNVRAM53に記憶させながら各部の制御を行う。ネットワークインターフェイス54は、例えばLANなどの通信回線に接続され、その通信回線上に接続された端末装置(図示せず)等との間の通信を可能とする。
【0060】
また、CPU50はメインモータ110、およびメインモータ110の回転を伝達する伝達機構に接続され、メインモータ110および伝達機構を駆動制御する。また、CPU50はレジ後センサ43に接続され、レジ後センサ43からのセンサ検出信号Sdに基づいて、用紙3の位置検出および新品現像カートリッジ30の装着検出の各制御、および各検出を行う。
【0061】
プリンタ1は、さらに操作部80、表示部81を備えている。表示部81は、ディスプレイやランプ等(図示せず)を備え、各種の設定画面や装置の動作状態等を表示することが可能である。操作部80は、複数のボタン(図示せず)を備え、ユーザにより各種指示の入力操作が可能である。
【0062】
3.初期化動作処理(新品検出処理)
次に、新品現像カートリッジの検出を含むプリンタ1の初期化動作処理を、図8〜図11を参照して説明する。図8は初期化動作処理の各処理を概略的に示すフローチャートであり、図9は初期化動作処理に係るタイムチャートである。また、図10は新品現像カートリッジの検出を説明する図であり、図11は用紙検出を説明する図である。ここで新品とは回転体37が未駆動である現像カートリッジ30をいう。また旧品とは回転体37が駆動済みである現像カートリッジ30をいう。
【0063】
初期化動作処理は、例えば、プリンタ1の電源投入時に、所定のプログラムにしたがってCPU50によって実行される。CPU50は、初期化動作処理を開始すると、レジ後センサ43が兼用されるモード(以下「兼用モード」という)を、「プロセス有無センサ」モードに設定する(ステップS105)。次いで、レジ後センサ(兼用センサ)43からのセンサ検出信号SdがONレベル(第1レベル)かどうか判定する(ステップS110:図9の時刻t1に相当)。センサ検出信号SdがONレベルである(ステップS110:YES)と判定した場合、プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていないとして、例えば、表示部81にエラー表示させて、初期化動作処理を一旦終了する(ステップS115)。プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていない場合のレジ後センサ43とレバー44の関係は、図6に示された状態に相当する。すなわち、レジ後センサ43の発光部43aと受光部43bとの間にレバー44の後端部44bが存在しないため、図9の点線で示されるようにセンサ検出信号SdがONレベルとなる。
【0064】
一方、ステップS110においてセンサ検出信号SdがOFFレベル(第2レベル)である(ステップS110:NO)と判定した場合、プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていると判定し(図10の「カートリッジ挿入時」を参照)、「兼用モード」を、用紙検出のための「レジ後センサ」モードに設定する(ステップS120)。この判定は以下による。すなわち、プロセスカートリッジ17がプリンタ1に挿入されていると、図10の「カートリッジ挿入時」に示されるように、回転体37の第1大径部37aによってレバー44が、レジ後センサ43の発光部43aと受光部43bとの間に後端部44bが存在する位置まで、バネ44dの付勢力に抗して回転される。それによって、発光部43aからの検出光が後端部44bによって遮られ、センサ検出信号SdがOFFレベルとなるからである。なお、図10の「カートリッジ挿入時」に示されるレバー44の位置が、旧品位置および第1位置に相当する。
【0065】
そして、メインモータ110を正回転させて、いわゆるガラ回しを開始する(ステップS125:図9の時刻t2に相当)。そして、CPU50は、ガラ回し期間中(図9の時刻t2から時刻t3)に紙詰まりが発生したかどうかをセンサ検出信号Sdに基づいて判定する(ステップS135)。この判定は、プリンタ1内に残された用紙3によってレジ後センサ43の近傍において紙詰まりが発生していないかを判定するために行われる。紙詰まりが発生していると、後述する現像カートリッジ30の新品検出が正常に行えないからである。
【0066】
紙詰まりが発生していると判定した場合(ステップS135:YES)、CPU50は、例えば、表示部81にエラー表示させて、初期化動作処理を一旦終了する(ステップS140)。紙詰まりの判定は、例えば、センサ検出信号SdがONレベルである期間が、正常通紙の判定期間K1(図9参照)より長い場合に行われる。すなわち、図11に示されるように、用紙3がレジ後センサ43の位置を通過する際に、用紙3がレバー44の先端部44aに当接するためレバー44が回転する。その際、レジ後センサ43の発光部43aと受光部43bとの間にレバー44の後端部44bが存在しないため、用紙3がレバー44を通過する期間、センサ検出信号SdがONレベルとなる。一方、レバー44の近傍で紙詰まりが発生すると、用紙3がレバー44の後端部44bに当接した状態が継続されるため、センサ検出信号SdのONレベル期間が判定期間K1より長くなる。
【0067】
一方、ガラ回し中に紙詰まりが発生しなかった場合(ステップS135:NOおよびステップS130:YES)、メインモータ110を停止させ(ステップS145:時刻t3)、「兼用モード」を、現像カートリッジ30の新品検出のための「トナー新品検知センサ」モードに設定する(ステップS150)。
【0068】
「トナー新品検知センサ」モードにおいて、CPU50は、メインモータ110を、回転体37が少なくとも一回転する期間、逆回転させる(ステップS155:時刻t4)。
【0069】
現像カートリッジ30の新品である場合、メインモータ110の逆回転に伴って、回転体37は図10に示される矢印の方向に回転する。回転体37の回転に伴って、回転体37の第1小径部38aがレバー44の後端部44bの位置に到達すると(図10の新品検出時1を参照)、レバー44はバネ44dの付勢力で回転する。それに伴ってセンサ検出信号Sdが所定期間K2(時刻t5から時刻t6)、ONレベルとなる。
【0070】
さらに、回転体37が図10に示される矢印の方向に回転すると、回転体37の第2大径部37bがレバー44の後端部44bの位置に来ると(図10の新品検出時2を参照)、レバー44はバネ44dの付勢力に抗して時計反対回りに回転する。それに伴ってセンサ検出信号SdがOFFレベルとなる(時刻t6から時刻t7)。
【0071】
さらに、回転体37が図10に示される矢印の方向に回転すると、図10の新品検出時3に示されるように、回転体37の第2小径部38bがレバー44の後端部44bの位置に来る。それに伴って、レバー44はバネ44dの付勢力で時計回りに回転する。それに伴ってセンサ検出信号Sdが、再び所定期間K3(時刻t7から時刻t8)、ONレベルとなる(ステップS165:YES)。なお、図10の「新品検出時1」および「新品検出時3」に示されるレバー44の位置が、新品位置および第2位置に相当する。
【0072】
センサ検出信号SdがONレベルとなる所定期間K2および所定期間K3が検出されると、トナー新品判定(現像カートリッジの新品検出)がなされたとして(ステップS170:YES)、トナー新品判定確定処理を行う(ステップS175)。トナー新品判定確定処理としては、例えば、印刷用紙カウント数をゼロにリセットする。なお、メインモータ110を逆回転させてもONレベルのセンサ検出信号Sdが検出されない場合、回転体37が回転せずレバー44は図10に示される旧品位置から変動しない場合に相当し、挿入された現像カートリッジ30は旧品であると判定される。
【0073】
さらに、回転体37が図10に示される矢印の方向に回転し、回転体37がほぼ一回転すると、図10の検出終了時に示されるように、回転体37は、カートリッジ挿入時とほぼ同一の位置で停止する。回転体37は以後、回転不可能となる。すなわち、回転体37は、ほぼ一回転すると回転不可能となり、以後、プロセスカートリッジ17あるいは現像カートリッジ30の挿入検出に使用される。また、現像カートリッジ30の旧品検出に使用される。
【0074】
メインモータ110の逆回転の開始(時刻t4)から所定時間が終了すると、トナー新品検知の終了と判定し(ステップS160:YES)、メインモータ110の逆回転を停止する(ステップS180)。そして、再び、「兼用モード」を、用紙検出のための「レジ後センサ」モードに設定し(ステップS185)、初期化動作処理を終了する。以後、レジ後センサ43は、図11に示されるように、用紙3の検出に使用される。なお、図11に示されるレバー44の位置が、通紙位置に相当する。
【0075】
4.実施形態の効果
回転体37は、新品の現像カートリッジ30がプリンタ1に装着された後、レバー44(用紙検出用のアクチュエータ)をセンサ検出信号SdがONレベル(第1レベル)となる新品位置に所定期間(K2,K3)、保持する。その後、レジ後センサ43のセンサ検出信号SdがONレベルとは異なるOFFレベル(第2レベル)となる旧品位置にレバー44を保持する。そのため、単にセンサ検出信号Sdのレベル変化を検出することで、現像カートリッジ3の新旧判定を行うことができる。すなわち、既存のレジ後センサ43で現像カートリッジ30の新旧判定を好適に行うことができる。
【0076】
また、新品の現像カートリッジ30の装着検出と通紙検出とにおいて、センサ検出信号Sdのレベル(センサ出力レベル)が、同一レベルのONレベルとされる。そのため、各検出における検出レベルが異なる場合と比べ各検出処理が簡易化される。
【0077】
用紙検出センサとして、レジストレーションローラ12の用紙搬送方向下流側に設けられるレジ後センサ43が使用される。そのため、プリンタ1を手差し構成とした場合であっても、新品検知動作時に用紙3を挿されて誤判断するのを低減できる。
【0078】
また、CPU50は、メインモータ110が正回転時にセンサ検出信号SdがOFFレベルかどうか、すなわち、レバー44が旧品位置に保持されているかどうかを判定し、保持されていると判定した場合(ステップS135:NO)に、新品カートリッジの検出動作を行う。そのため、現像カートリッジ30が装着されており、かつ用紙ジャムがセンサ上で発生していないときに新品検知動作を行える。
【0079】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0080】
(1)上記実施形態では、現像カートリッジ30の新旧判断の際に、回転体37をほぼ一回転させて、ONレベルを2回検出するようにしたがこれに限られない。例えば、回転体37をほぼ半回転させて、ONレベルを1回検出するようにしてもよい。すなわち、図9のメインモータ110の逆回転期間(時刻t4からt9まで)に、ONレベルのセンサ検出信号Sdを一回検出することによっても、現像カートリッジ30が新品であることを検出できる。さらには、本発明に係る新旧識別用部材は回転体37に限られない。
【0081】
(2)上記実施形態では、現像カートリッジ30の新旧判断の際にメインモータ110を逆回転する例を示したがこれに限られない。すなわち、図8のステップS155において、メインモータ110を正回転して現像カートリッジ30の新旧判断を行うように伝達ギヤを構成するようにしてもよい。要は、ステップS155において、図8のステップS125での、紙詰まり検出用のメインモータ110の正回転処理とは別途にメインモータ110が回転されればよい。
【0082】
(3)上記実施形態では、用紙検出センサとしてレジ後センサ43を使用する例を示したが、これに限られない。例えば、用紙検出センサは、レジストレーションローラ12の用紙搬送方向上流側に設けられるレジ前センサであってもよい。
【0083】
(4)上記実施形態において、CPU50は、新品カートリッジの検出時に、用紙搬送機構の駆動を停止するようにしてもよい。この場合、用紙3が通紙されることによる新品検知の誤判断を防止できる。
【0084】
(5)CPU50は、新品カートリッジの検出時に、新旧識別用部材のみ回転させる第1伝達機構制御モードと、用紙搬送機構を少なくとも駆動する第2伝達機構制御モードとを切替えるようにしてもよい。この場合、レバー44の新品位置と通紙位置とにおけるセンサ検出信号Sdのレベル(センサ出力レベル)が同一であっても、検出制御部によってモードを切替えることで新品位置と通紙位置とを、すなわち、新品検出と通紙検出とを切り分けられる。
【0085】
その際、CPU50は、メインモータ110を第1方向に回転させる場合、伝達機構を第1伝達機構制御モードに制御し、メインモータ110を第1方向とは逆方向の第2方向に回転させる場合、伝達機構を第2伝達機構制御モードに制御するようにしてもよい。この場合、レバー44の新品位置と通紙位置とにおけるセンサ出力レベルが同一であっても、メインモータ110の回転方向を切り替えることで新品位置と通紙位置とを切り分けられる。
【0086】
(6)レバー44を保持する、回転体37とは個別の保持部材をさらに備え、保持部材は、カートリッジ未装着時、レバー44を、センサ検出信号Sdが旧品位置とはレベルの異なる第1レベルとなる未装着位置に保持するようにしてもよい。この場合、既存のセンサで現像カートリッジ30の新旧判定を行えるのみならず、現像カートリッジ30の有無も判定できる。
【符号の説明】
【0087】
1…レーザプリンタ、17…プロセスカートリッジ、20…感光体カートリッジ、30…現像カートリッジ、37…回転体、43…レジ後センサ、44…レバー、50…CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送するための搬送経路と、
前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、
前記用紙に画像を形成するための画像形成部材を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置されるカートリッジと、
新品カートリッジが装着された後、前記アクチュエータを前記センサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、前記センサ検出信号が前記第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置に前記アクチュエータを保持する新旧識別用部材と、
前記センサ検出信号に基づいて、前記用紙の位置検出および前記新品カートリッジの装着検出の各制御、および各検出を行う検出制御部と、
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記カートリッジの装着時に前記搬送経路に前記用紙が通紙されると、前記アクチュエータは、前記センサ検出信号が前記第1レベルとなる通紙位置になる、画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、最後に前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御する、画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部の駆動制御にしたがって、前記搬送経路に前記用紙を搬送させる用紙搬送機構をさらに備え、
前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記用紙搬送機構の駆動を停止する、画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
モータと、
前記検出制御部の制御にしたがって、前記新旧識別用部材および前記用紙搬送機構に前記モータの駆動力を伝達する伝達機構をさらに備え、
前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記新旧識別用部材のみ回転させる第1伝達機構制御モードと、前記用紙搬送機構を少なくとも駆動する第2伝達機構制御モードとを切替える、画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、
前記モータの回転方向を切り替え制御し、
前記モータを第1方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第1伝達機構制御モードに制御し、
前記モータを第1方向とは逆方向の第2方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第2伝達機構制御モードに制御する、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記アクチュエータを保持する、前記新旧識別用部材とは個別の保持部材をさらに備え、
前記保持部材は、前記カートリッジ未装着時、前記アクチュエータを、前記センサ検出信号が旧品位置とはレベルの異なる前記第1レベルとなる未装着位置に保持する、画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、前記アクチュエータが前記旧品位置に保持されているかどうかを判定し、保持されていると判定した場合に、前記新品カートリッジの検出動作を行う、画像形成装置。
【請求項9】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御する、画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
用紙検出センサは、レジストレーションローラの用紙搬送方向下流側に設けられるレジ後センサである、画像形成装置。
【請求項11】
搬送経路を介して用紙を搬送するための搬送機構と、前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、前記アクチュエータを所定位置に保持する新旧識別用部材と、前記搬送機構および前記新旧識別用部材を駆動するモータと、前記用紙に画像を形成するための画像形成部を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置される画像形成用カートリッジとを備えた画像形成装置において、前記画像形成用カートリッジの新旧判定方法であって、
前記アクチュエータが前記新旧識別用部材によって第1位置に、変動可能に保持されている際に、前記モータを第1方向に回転させて前記搬送機構を駆動して前記用紙を搬送させ、前記用紙の搬送に伴って前記アクチュエータが前記第1位置から第2位置に変動した際の第1レベルの前記センサ検出信号に基づいて前記用紙の通紙を検出する通紙検出工程と、
前記モータを前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転させることによって前記新旧識別用部材を所定量回転させ、それによって、前記アクチュエータが前記第1位置から変動した際に、前記センサ検出信号のレベルが前記第1レベルである場合、前記カートリッジが新品であることを検出する新品検出工程と、
前記モータの回転に応じて、前記センサ検出信号の前記第1レベルが検出されない場合、前記カートリッジが旧品であることを検出する旧品検出工程と、
を含む、画像形成用カートリッジの新旧判定方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成用カートリッジの新旧判定方法において、
前記モータを回転させずに前記第1レベルの前記センサ検出信号が検出された場合、前記カートリッジの未装着を検出する未装着検出工程をさらに含む、画像形成用カートリッジの新旧判定方法。
【請求項1】
用紙を搬送するための搬送経路と、
前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、
前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、
前記用紙に画像を形成するための画像形成部材を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置されるカートリッジと、
新品カートリッジが装着された後、前記アクチュエータを前記センサ検出信号が第1レベルとなる新品位置に一時的に保持し、その後、前記センサ検出信号が前記第1レベルとは異なる第2レベルとなる旧品位置に前記アクチュエータを保持する新旧識別用部材と、
前記センサ検出信号に基づいて、前記用紙の位置検出および前記新品カートリッジの装着検出の各制御、および各検出を行う検出制御部と、
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記カートリッジの装着時に前記搬送経路に前記用紙が通紙されると、前記アクチュエータは、前記センサ検出信号が前記第1レベルとなる通紙位置になる、画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、最後に前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御する、画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部の駆動制御にしたがって、前記搬送経路に前記用紙を搬送させる用紙搬送機構をさらに備え、
前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記用紙搬送機構の駆動を停止する、画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
モータと、
前記検出制御部の制御にしたがって、前記新旧識別用部材および前記用紙搬送機構に前記モータの駆動力を伝達する伝達機構をさらに備え、
前記検出制御部は、前記新品カートリッジの検出時に、前記新旧識別用部材のみ回転させる第1伝達機構制御モードと、前記用紙搬送機構を少なくとも駆動する第2伝達機構制御モードとを切替える、画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、
前記モータの回転方向を切り替え制御し、
前記モータを第1方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第1伝達機構制御モードに制御し、
前記モータを第1方向とは逆方向の第2方向に回転させる場合、前記伝達機構を前記第2伝達機構制御モードに制御する、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記アクチュエータを保持する、前記新旧識別用部材とは個別の保持部材をさらに備え、
前記保持部材は、前記カートリッジ未装着時、前記アクチュエータを、前記センサ検出信号が旧品位置とはレベルの異なる前記第1レベルとなる未装着位置に保持する、画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、前記アクチュエータが前記旧品位置に保持されているかどうかを判定し、保持されていると判定した場合に、前記新品カートリッジの検出動作を行う、画像形成装置。
【請求項9】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記検出制御部は、前記新旧識別用部材が、最初、前記第1レベルの前記センサ検出信号を生成し、その後、前記第2レベルの前記センサ検出信号を生成するように、前記新旧識別用部材を制御する、画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
用紙検出センサは、レジストレーションローラの用紙搬送方向下流側に設けられるレジ後センサである、画像形成装置。
【請求項11】
搬送経路を介して用紙を搬送するための搬送機構と、前記搬送経路上に設けられ、前記用紙の前記搬送経路の通過にともなって位置変動するアクチュエータと、前記アクチュエータの位置変動に応じて前記用紙の位置を検出し、センサ検出信号を生成する用紙検出センサと、前記アクチュエータを所定位置に保持する新旧識別用部材と、前記搬送機構および前記新旧識別用部材を駆動するモータと、前記用紙に画像を形成するための画像形成部を含み、前記搬送経路の近傍に着脱可能に配置される画像形成用カートリッジとを備えた画像形成装置において、前記画像形成用カートリッジの新旧判定方法であって、
前記アクチュエータが前記新旧識別用部材によって第1位置に、変動可能に保持されている際に、前記モータを第1方向に回転させて前記搬送機構を駆動して前記用紙を搬送させ、前記用紙の搬送に伴って前記アクチュエータが前記第1位置から第2位置に変動した際の第1レベルの前記センサ検出信号に基づいて前記用紙の通紙を検出する通紙検出工程と、
前記モータを前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転させることによって前記新旧識別用部材を所定量回転させ、それによって、前記アクチュエータが前記第1位置から変動した際に、前記センサ検出信号のレベルが前記第1レベルである場合、前記カートリッジが新品であることを検出する新品検出工程と、
前記モータの回転に応じて、前記センサ検出信号の前記第1レベルが検出されない場合、前記カートリッジが旧品であることを検出する旧品検出工程と、
を含む、画像形成用カートリッジの新旧判定方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成用カートリッジの新旧判定方法において、
前記モータを回転させずに前記第1レベルの前記センサ検出信号が検出された場合、前記カートリッジの未装着を検出する未装着検出工程をさらに含む、画像形成用カートリッジの新旧判定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−114163(P2013−114163A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261943(P2011−261943)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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