説明

画像形成装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】再印刷機能を備えた画像形成装置の文書一覧表示において、再印刷可能な画像処理ジョブを簡便に表示する仕組みを提供する。
【解決手段】本画像形成装置は、画像形成に関する処理を完了したジョブの履歴情報を管理し、管理されている複数の履歴情報の中で、ジョブを再実行可能な履歴情報のみを表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷済みジョブを再印刷可能な画像形成装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置では、大容量ハードディスクなどの記憶装置を備え、記憶装置に画像データやジョブ設定を保存しておき、任意のタイミングで印刷を容易に行える機能を備えるものがある。この機能によれば、一度印刷した電子文書の出力結果が所望のものではない場合には、一部設定を変更して再印刷することが可能になる。
【0003】
記憶装置に蓄積された電子文書を印刷する場合、画像形成装置に文書一覧を表示し、所望の文書を選択して印刷することが一般的である。蓄積された文書を指定されたジョブ設定で実行できない場合もあり、文書一覧にその旨を表示しないで印刷実行させてしまうことは利便性の観点で好ましくない。このような問題に対して、特許文献1では、「指定されたジョブ設定で印刷可」「属性変更で印刷可」「印刷不可」を示す情報を、文書一覧に表示する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−152726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する問題がある。上記従来技術によれば、記憶装置に蓄積された画像データを指定されたジョブ設定で印刷可能か、印刷不可かを文書一覧上で区別することは可能である。しかし、この方法では印刷可能なジョブのみを一覧表示することができないため、再印刷のユースケースにおいて、再印刷可能なジョブのみを速やかに特定することが困難であった。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、再印刷機能を備えた画像形成装置の文書一覧表示において、再印刷可能な画像処理ジョブを簡便に表示する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、画像形成装置であって、画像形成に関する処理を完了したジョブの履歴情報を管理するジョブ履歴管理手段と、前記ジョブ履歴管理手段によって管理されている複数の履歴情報の中で、ジョブを再実行可能な履歴情報のみを表示部に表示するジョブ履歴表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、再印刷機能を備えた画像形成装置の文書一覧表示において、再印刷可能な画像処理ジョブを簡便に表示する仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置のブロック図。
【図2】第1の実施形態に係るソフトウェア構成の一例を示す図。
【図3】第1の実施形態に係るジョブ履歴情報一覧画面を示す図。
【図4】第1の実施形態に係るジョブ履歴情報管理テーブル及び個数管理テーブルを示す図。
【図5】第1の実施形態に係るジョブ履歴表示処理の一例を示すフローチャート。
【図6】第2の実施形態に係る履歴管理画面の一例を示す図。
【図7】第2の実施形態に係る履歴管理画面で設定したフラグを記憶するテーブルを示す図。
【図8】第2の実施形態に係る履歴管理処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
<第1の実施形態>
<画像形成装置のハードウェア構成>
以下では、図1乃至図5を参照して、第1の実施形態について説明する。本実施形態では、再実行可能な画像処理ジョブと再実行できない画像処理ジョブの全てを一覧表示するモード、再実行可能な画像処理ジョブのみを一覧表示するモード、及び認証ユーザの画像処理ジョブのみを表示するモードを有する画像形成装置について説明する。
【0012】
まず、図1を参照して、画像形成装置100の内部構成について説明する。画像形成装置100は、CPU101、RAM102、補助記憶装置103、画像表示装置104、ユーザコマンド入力装置105、NIC106、印刷部107、読取部108、DSU110、モデム111、NCU112、及びUSB通信部114を備える。各コンポーネントは、メインバス109を介して相互にデータをやり取りするように接続されている。CPU101は、画像形成装置100を統括的に制御する。RAM102は、CPU101のワークエリアの提供やデータの一時保管を行うためのRAMである。補助記憶装置(ハードディスク、CD−ROM等)103は、データの一時保管や、RAM102の代わりに用いられる。画像表示装置104は、タッチパネル等と共に構成され、プリンタ装置(画像形成装置)の状態や、エラーメッセージ等を表示する場合に用いることができる。ユーザコマンド入力装置(タッチパネル等)105は、ログイン情報の入力や、所望する印刷データの指定等をユーザが操作するためのものである。
【0013】
NIC106はLAN120を介して、他のネットワーク機器と双方向にデータをやり取りする。印刷部(印刷エンジン)107は、スキャンした画像データ等を用紙に印刷する。読取部(スキャナ)108は、原稿台に置かれた紙原稿を読み取り白黒2値やカラー多値の画像データ等を生成する。読み取った画像データは、印刷部107で印刷することが可能であり、また補助記憶装置103に一時的に記憶しておき、任意のタイミングで印刷することも可能である。DSU(Digital Service Unit:ディジタル回線終端装置)110は、ディジタル回線130に接続され、データ送受信に使用される。NCU(Network Contorol Unit)112は、アナログ回線140に接続され、回線の開閉、発着信制御、イメージデータ(アナログ)の送受信等を行う。モデム111は、送受信データの変調・復調を行う。USB通信部114は、USBを用いて外部の情報端末とデータの送受信を行う。
【0014】
<画像形成装置のソフトウェア構成>
次に、図2を参照して、画像形成装置100の補助記憶装置103に記憶された制御プログラムを実行することによって実現されるソフトウェア構成の一例について説明する。画像形成装置100は、制御構成として、ジョブ履歴管理部201、ジョブ履歴表示部202、ジョブ制御部203、及び認証部204を含む。ジョブ履歴管理部201は、印刷部107で画像を印刷する印刷ジョブや読取部108で読み取った画像を送信する送信ジョブを実行した際のジョブ履歴の情報(以下、履歴情報という)を管理する。具体的には、ジョブ履歴管理部201は、補助記憶装置103に格納されているジョブ履歴情報500(図4を用いて後述する。)の更新や読み出しを制御する。
【0015】
ジョブ履歴表示部202は、ジョブ履歴、即ち、ジョブ履歴管理部201で読み出したジョブ履歴情報500を画像表示装置104に表示する。ジョブ制御部203は、画像形成装置100が印刷部107や読取部108を使用して印刷ジョブやスキャンジョブを処理するする際に使用される。また、ジョブ制御部203は、ジョブ履歴管理部201を使用して、実行したジョブの成否等のジョブ履歴情報500を更新する。認証部204は、画像形成装置100を利用する際のユーザ認証全般を管理する。認証部204の詳細説明については省略する。本実施形態において、ジョブ履歴管理部201は、任意のタイミングで画像形成装置100の利用ユーザIDを把握できる。
【0016】
<画面例>
次に、図3を参照して、ジョブ履歴表示部202が画像表示装置104に表示するジョブ履歴に関する表示画面の一例について説明する。本実施形態では、履歴表示画面でジョブ履歴を表示するときに図3に示すように「全ジョブ」「Myジョブ」「再実行可能ジョブ」の3つのモードから認証ユーザが任意に選択することが可能な構成になっている。
【0017】
「全ジョブ」のモードを選択した場合には、ジョブ履歴管理部201で管理している複数の履歴情報の全てが履歴表示エリア309に表示される。「Myジョブ」のモードを選択した場合には、ジョブ履歴管理部201で管理されている複数の履歴情報のうち、認証部204で認証した認証ユーザのユーザIDと一致するジョブの履歴情報だけが履歴表示エリア309に表示される。つまり、認証ユーザが過去に実行したジョブの履歴情報のみが履歴表示エリア309に表示される。「再実行可能ジョブ」のモードを選択した場合には、ジョブ履歴管理部201で管理している複数の履歴情報のうち、再実行可能なジョブの履歴情報のみが履歴表示エリア309に表示される。ここで、再実行可能なジョブとは、再実行用の画像処理ジョブのデータが補助記憶装置103に保存されているジョブを示す。これら各モードに従った履歴表示処理については図5を参照して後述する。なお、ここでは、上記3つのモードについてのみ説明するが、本発明はこれに限定されず、他のモードを有するように構成されてもよい。
【0018】
図3の画面401、402、403では履歴表示機能301が選択されている。画面401は、全ジョブボタン302が押下された状態を示す。画面402は、Myジョブボタン303が押下された状態を示す。画面403は、再実行可能ジョブボタン304が押下された状態を示す。なお、全ジョブボタン302、Myジョブボタン303、及び再実行可能ジョブボタン304は、選択手段の一例であり、これらのボタンを押下するユーザ入力に従って、押下されたボタンにより履歴情報を表示するモードが選択される。
【0019】
305は、ジョブ履歴表示エリアであり、本実施形態ではジョブ名表示エリア306、実行者表示エリア307、日時表示エリア308、履歴表示エリア309、及び再実行可否エリア310を含んで構成される。311は履歴表示エリア309に表示されているジョブ履歴一覧から認証ユーザに選択されたジョブの印刷指示を行う際の印刷ボタンである。印刷ボタン311が押下されると、その選択したジョブが再実行可能である場合にはジョブ制御部203により印刷制御を実行することが可能である。
【0020】
この様な表示構成を有する本実施形態によれば、ジョブ履歴情報500で管理されている全ての履歴情報を表示するか、再実行可能な履歴情報のみを表示するかを切り替えることができる。全ジョブボタン302を押下すると、ジョブ履歴管理部201で管理されている全ての履歴情報を表示し、再実行可能ジョブボタン304を押下すると、ジョブ履歴管理部201で管理されている履歴情報のうち再実行可能な履歴情報のみを表示する。
【0021】
<履歴情報>
次に、図4を参照して、履歴情報について説明する。履歴情報は、画面401、402、403等に対象となる履歴を表示するための情報を含む。図4に示すように、ジョブ履歴情報500は、履歴ID501、ジョブ名称502、実行者503、日付504、結果(結果情報)505、及び画像処理ジョブID506を含む。また、ジョブ履歴情報500で管理されている情報数を管理する履歴情報数600が管理されている。これらの情報は、ジョブ制御部203により対象となるジョブの実行後に生成される。
【0022】
履歴ID501には、各履歴情報507〜514に割り当てられる識別IDである。ジョブ名称502は、実行したジョブの名称を示す。実行者503は、当該ジョブを実行した画像形成装置100の操作者を示す。日付504は、当該ジョブを実行した日付を示す。結果505は、当該ジョブを実行した際に正常に完了したか否かの判定結果を示す情報(結果情報)である。図4では、正常に完了した場合にはOKが定義され、失敗した場合にはNGが定義されている。画像処理ジョブID506は、結果505がOKである各履歴情報(図4では、履歴情報507、510、511、512、513、514である。)の割り当てられる識別IDである。
【0023】
本実施形態に係る画像形成装置100では、ジョブの実行が正常に完了した場合には、再実行用に画像処理ジョブのデータを履歴情報とともに補助記憶装置103に保存し、失敗した場合には再実行用の画像処理ジョブのデータは保存せず履歴情報のみを保存する。再実行用の画像処理ジョブのデータが補助記憶装置103に保存されている場合には、ジョブ制御部203は、画像処理ジョブID506を用いて、データを特定したり、再実行ジョブとして制御したりすることができる。履歴情報数600には、ジョブ履歴情報500で管理されている情報数が管理されており、図4では、履歴情報507〜514が定義されており、8となる。
【0024】
<表示処理>
次に、図5を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100においてジョブ履歴情報を表示する処理手順について説明する。なお、以下で説明する処理は、CPU101が補助記憶装置103に格納されている制御プログラムをRAM102に読み出して実行することによって実現される。また、図5に示すフローチャートの処理は、図3のジョブ履歴画面で302〜304のいずれかのボタンが認証ユーザに押下されると開始される。
【0025】
まず、S701において、ジョブ履歴表示部202は、ジョブ履歴管理部201が管理している図4に示した履歴数情報数N(600)を参照する。続いて、S702において、ジョブ履歴表示部202は、認証部204より認証ユーザIDを参照し、S703で制御用の変数Iを1で初期化する。その後、S704において、ジョブ履歴表示部202は、変数IがN以下であるか否かを判定する。変数IがN以下であると判定するとS705に進み、ジョブ履歴表示部202は、I番目の履歴情報を参照し、S706に進む。例えば変数Iが1である場合に図4の例で説明すると、履歴情報507が参照されることになる。一方、変数IがN以下でないと判定すると処理を終了する。
【0026】
S706において、ジョブ履歴表示部202は、図3のジョブ履歴画面で認証ユーザがMyジョブボタン303を押下したか否かを判定する。Myジョブボタン303が認証ユーザに押下されたと判定した場合にはS707に進み、それ以外の場合はS708に進む。S707において、ジョブ履歴表示部202は、認証部204から認証ユーザのIDを取得し、その取得した認証ユーザのIDとI番目の履歴情報の実行者が一致するか否かを判定する。認証ユーザのIDとI番目の履歴情報の実行者とが一致すると判定した場合にはS709に進み、ジョブ履歴表示部202は、I番目の履歴情報を履歴表示エリア305に表示する。一方、認証ユーザのIDとI番目の履歴情報の実行者とが一致しないと判定した場合には、I番目の履歴情報は他のユーザのジョブ履歴と判断し、履歴情報をリストに追加することなくS711に進む。
【0027】
S708において、ジョブ履歴表示部202は、全ジョブボタン302が押下されたか否かを判定する。全ジョブボタン302が押下されたと判定した場合にはS709に進み、ジョブ履歴表示部202は、I番目の履歴情報を履歴表示エリア305に表示する。このとき、もしI番目の履歴情報に対応する画像処理ジョブID506が存在する場合には、再実行が可能であることを識別できるようなメッセージ(「可」)を履歴表示エリア305の310の領域に表示することが望ましい。一方、I番目の履歴情報に対応する画像処理ジョブID506が存在しない場合には、再実行ができないことを識別できるようなメッセージ(「不可」)を310の領域に表示する。
【0028】
S708で全ジョブボタン302が押下されていないと判定すると、即ち、再実行可能ジョブボタン304が押下されたと判断し、S710に進む。S710において、ジョブ履歴表示部202は、I番目の履歴情報に対応する画像処理ジョブID506が管理されているか(即ち、再実行可能なジョブのデータが補助記憶装置103に記憶されているか)を判定する。画像処理ジョブID506が管理されていれば、再実行用の画像処理ジョブのデータが存在しているので再実行可能であると判断しS709に進み、ジョブ履歴表示部202は、I番目の履歴情報を履歴表示エリア305に表示する。I番目の履歴情報に対応する画像処理ジョブID506が管理されていなければ、そのジョブが古いジョブであるためジョブのデータが削除されたか、或いはジョブの実行結果がNGであったためそもそもジョブのデータを記憶していないかのどちらかである。そのためI番目のジョブ履歴情報はリストには追加せずにS711に進む。
【0029】
S711において、ジョブ履歴表示部202は、変数Iをインクリメントし、処理をS704に遷移させる。S704乃至S710の処理はN個の履歴情報すべてに対して実行され、全てのジョブ履歴情報について上述の処理を実行した場合(即ち、S704でNOの場合)には、本フローチャートの処理を終了する。
【0030】
本実施形態によれば、ジョブ履歴一覧表示から、画像実行可能な画像処理ジョブを容易に選択可能となり、利便性が向上する。具体的には、全てのジョブ履歴を表示するモードでは、表示されたジョブ履歴のうちどのジョブが再実行可能でどのジョブが再実行不可能なのかを区別可能に表示するようにした。この結果、ユーザは、ジョブ履歴の中からどのジョブのデータが画像形成装置100内に記憶されていてどのジョブのデータが記憶されていないのかを一瞥するだけで把握することができる。一方、再実行可能なジョブだけを表示するモードでは、再印刷可能なジョブだけを表示するため、画像実行可能な画像処理ジョブを容易に選択可能となり速やかに目的のジョブを特定できるので、利便性が向上する。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、図6乃至図8を参照して第2の実施形態について説明する。本実施形態では、ジョブ履歴管理部201が管理するジョブ履歴情報500が画像形成装置で予め設定しておいた上限に達した際に、古い履歴情報から削除する構成について説明する。本実施形態の基本的な構成は、上記第1の実施形態における図1乃至図5で説明したものと同様である。従って、以下では、第2の実施形態の特徴的な部分についてのみ説明する。
【0032】
まず、図6及び図7を参照して、ジョブ履歴管理部201が管理するジョブ履歴情報500の管理方法を指示する構成について説明する。本実施形態では、ジョブ履歴情報500が上限に達した場合には、日付504の古い履歴情報から削除することとし、さらに、図6に示す801の設定項目により再実行データが存在しない履歴情報から削除することを指定できる。再実行データが存在しない履歴情報とは、ジョブ履歴情報500において、画像処理ジョブID506が存在しない履歴情報を指す。設定項目801の情報はジョブ履歴管理部201により図7に示すフラグ901として管理される。具体的には、ジョブ履歴管理部201は、認証ユーザ又は管理者が設定項目801にチェックした場合にはフラグを「1」に設定し、チェックを外した場合にはフラグを「0」に設定する。
【0033】
次に、図8を参照して、ジョブ制御部203により印刷ジョブまたは送信ジョブが完了した際に、ジョブ履歴情報500を更新する処理手順について説明する。なお、以下で説明する処理は、CPU101が補助記憶装置103に格納されている制御プログラムをRAM102に読み出して実行することによって実現される。
【0034】
ジョブ履歴管理部201は、S1001でジョブが完了したことを検知し、S1002で履歴情報数N(600)を取得し、S1003でNが上限に達しているか否かを判定する。上限に達していない場合には、S1008に進み、ジョブ履歴管理部201は、完了したジョブのジョブ履歴情報をジョブ履歴情報500に追加し、処理を終了する。
【0035】
一方、上限に達している場合にはS1004に進み、ジョブ履歴管理部201は、図7に示すフラグ901の値を取得する。続いて、S1005において、ジョブ履歴管理部201は、取得したフラグの値が1であるか否かを判定する。フラグの値が1である場合には、S1006に進み、ジョブ履歴管理部201は、ジョブ履歴情報500を参照し、再実行不可の履歴が存在するか否かを判定する。再実行不可の履歴が存在する場合にはS1007に進み、ジョブ履歴管理部201は、再実行不可かつ、最も古いジョブ履歴情報を1つ削除し、S1008において、完了したジョブのジョブ履歴情報をジョブ履歴情報500に追加し、処理を終了する。
【0036】
S1005においてフラグの値が1でない場合、又は、S1006で再実行不可の履歴情報が存在しない場合には、S1009に進み、ジョブ履歴管理部201は、古い履歴をジョブ履歴情報500から1つ削除し、S1008の処理に進む。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置100は、ジョブ履歴情報の管理数に上限を設けた場合に、管理数が上限を超える場合には、管理している履歴情報の中から再実行不可のジョブ履歴情報を優先的に削除する。さらに、本画像形成装置は、再実行不可の履歴情報が存在しない場合には、最も古くから管理されている履歴情報を削除する。これにより、ジョブ履歴情報500が上限に達する際には、再実行可能な履歴情報を優先して残すことが可能になり、再実行の利用機会を増やすことが可能となる。
【0038】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
画像形成に関する処理を完了したジョブの履歴情報を管理するジョブ履歴管理手段と、
前記ジョブ履歴管理手段によって管理されている複数の履歴情報の中で、ジョブを再実行可能な履歴情報のみを表示部に表示するジョブ履歴表示手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ユーザ入力に従って、前記ジョブ履歴管理手段で管理されている履歴情報の全てを前記表示部に表示するモード、又は、ジョブを再実行可能な履歴情報のみを前記表示部に表示するモードを選択する選択手段をさらに備え、
前記ジョブ履歴表示手段は、
前記選択手段によって選択されたモードに従って履歴情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置を使用するユーザを認証する認証手段をさらに備え、
前記選択手段は、さらに、前記ジョブ履歴管理手段によって管理されている複数の履歴情報の中で、特定のユーザにより実行された履歴情報のみを前記表示部に表示するモードを選択可能であり、
前記ジョブ履歴表示手段は、
前記選択手段によって特定のユーザにより実行された履歴情報のみを前記表示部に表示するモードが選択されると、前記認証手段によって認証されているユーザが過去に実行したジョブの履歴情報のみを前記表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ジョブの実行が正常に完了したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を示す結果情報を含む履歴情報を生成する生成手段と
をさらに備え、
前記ジョブ履歴管理手段は、
前記結果情報が、ジョブが正常に完了したことを示す場合には、前記履歴情報とともに、当該ジョブを再実行するためのデータを管理し、
前記結果情報が、ジョブが正常に完了しなかったことを示す場合には、前記履歴情報のみを管理することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ジョブ履歴管理手段は、
前記ジョブ履歴管理手段に新たな履歴情報を追加する際に、該ジョブ履歴管理手段によって管理されている履歴情報の数が予め設定された値に達している場合には、管理している複数の履歴情報の中で、前記結果情報が、ジョブが正常に完了しなかったことを示す履歴情報を削除して、前記新たな履歴情報を追加することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジョブ履歴管理手段は、
管理している複数の履歴情報の中で、前記結果情報が、ジョブが正常に完了しなかったことを示す履歴情報が無い場合には、最も古い履歴情報を削除して、前記新たな履歴情報を追加することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置の制御方法であって、
ジョブ履歴管理手段が、画像形成に関する処理を完了したジョブの履歴情報を管理するジョブ履歴管理ステップと、
ジョブ履歴表示手段が、前記ジョブ履歴管理ステップにおいて管理されている複数の履歴情報の中で、ジョブを再実行可能な履歴情報のみを表示部に表示するジョブ履歴表示ステップと
を実行することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置の制御方法における各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106275(P2013−106275A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250056(P2011−250056)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】