説明

画像形成装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】新たにシート処理装置が接続された場合に、シート処理装置に関連する設定の手間を省きつつ、ユーザの意図しない排紙トレイにシートが排紙されることを防ぐ。
【解決手段】本画像形成装置は、接続されたシート処理装置から、接続情報を取得すると、取得した接続情報に含まれるシート処理装置の情報を示す装置情報と、画像形成装置に設けられた記憶手段に予め記憶されている装置情報とが異なっている場合には記憶手段に予め記憶されている装置情報を再設定し、2つの装置情報が同一の場合には記憶手段に予め記憶されている装置情報を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の排紙トレイを備えるシート処理装置にシートを排紙可能な画像形成装置、その制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ステイプルや折り処理を行うシート処理装置を接続可能な画像形成装置がある。このようなシート処理装置は、印刷物を出力する複数の排紙トレイを有しているものが多い。また、画像形成装置には、コピー機能、FAX機能などの機能や用途に合わせて出力するトレイを割り当てるものがある。そのため、シート処理装置のトレイに応じ、画像形成装置の機能に合わせて、シート処理装置内の不揮発性メモリではなく画像形成装置内の不揮発性メモリに、出力するトレイの設定データを保存し管理している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術には以下に記載する問題がある。例えば、上述のような画像形成装置内の不揮発性メモリには、「コピー」や「プリント」等の各機能ごとに、どの排紙トレイに優先的にシートを排紙するかといった排紙先が設定されている。また、画像形成装置は、当該画像形成装置に接続されたシート処理装置が取り外された後、異なる種類のシート処理装置が新たに接続されることがある。そのような場合、新たに接続される後処理装置が、それまで接続されていたシート処理装置とは排紙トレイの数が異なることがあり、画像形成装置が、元の設定に従って排紙先を決めると、ユーザの意図しない排紙トレイにシートが排紙される可能性がある。そのため、従来では、排紙トレイが取り外されるときに不揮発性メモリ内の排紙先の設定をクリアして再起動時に再設定していた。しかし、サービスマンがメンテナンスを行うために一時的にシート処理装置を取り外した場合にまで、排紙先の設定がクリアされるため、サービスマンは再度設定する必要があった。さらには、メンテナンス後に、サービスマン等のミス設定によって今までの排紙先と異なる排紙先にシートが排紙されることがあり、ユーザの混乱を招いていた。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、新たにシート処理装置が接続された場合に、シート処理装置に関連する設定の手間を省きつつ、ユーザの意図しない排紙トレイにシートが排紙されることを防ぐ仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シート処理装置を接続可能な画像形成装置であって、接続された前記シート処理装置から、該シート処理装置が前記画像形成装置に接続されていることを示す接続情報を取得する取得手段と、取得した前記接続情報に含まれるシート処理装置の情報を示す装置情報と、前記画像形成装置に設けられた記憶手段に予め記憶されている装置情報とを比較する比較手段と、2つの前記アクセサリ情報が異なっている場合には前記記憶手段に予め記憶されている装置情報を再設定し、該2つの装置情報が同一の場合には前記記憶手段に予め記憶されている装置情報を維持する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、新たにシート処理装置が接続された場合に、シート処理装置に関連する設定の手間を省きつつ、ユーザの意図しない排紙トレイにシートが排紙されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す図。
【図3】第1の実施形態に係る画像形成装置の入出力デバイス外観図。
【図4】第1の実施形態に係る画像形成装置の操作部デバイス詳細図。
【図5】第1の実施形態に係る装置情報を示す操作部の図。
【図6】第1の実施形態に係るフィニッシャのトレイ数情報による装置情報更新の処理手順を示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態に係るフィニッシャのタイプ数情報による装置情報更新の処理手順を示すフローチャート。
【図8】第3の実施形態に係る複数の装置が接続された場合の画像形成装置を示す図。
【図9】第3の実施形態に係る複数の装置の場合の装置情報更新の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0009】
<第1の実施形態>
<画像形成装置の構成>
以下では、図1乃至図6を参照して、第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の一例として多機能周辺機器(MFP:Multi−Function Peripheral)の構成について説明する。MFP100は、コントローラ101、スキャナエンジン102、プリンタエンジン103、フィニッシャ104、ネットワークインタフェース105、及び操作部106を備える。
【0010】
コントローラ101は、多機能周辺機器を制御するためのコントローラであり、図2に示すハードウエア構成を有している。スキャナエンジン102は、コントローラ101によって制御され、後述するスキャナ208を制御する。プリンタエンジン103は、コントローラ101によって制御され、後述するプリンタ206を制御する。さらに、プリンタエンジン103には、シート処理装置(アクセサリ装置)の代表的な機器であるフィニッシャ104が接続されており、同プリンタエンジンから出力された複数の記録媒体(例えば、紙)をまとめてステイプル(ホッチキス)処理することが可能となっている。フィニッシャ104に関してはプリンタエンジン103と着脱可能であり、フィニッシャ104が接続されていないプリンタエンジン103のみの構成でも正常に動作する。また、MFP100には、複数のシート処理装置を接続することが可能である。
【0011】
フィニッシャ104もコントローラ101によって制御されている。ネットワークインタフェース(イーサネット(登録商標))105は、コントローラ101に対して同インタフェースを通した双方向通信を提供している。ユーザインタフェース(操作部)106は、LCDディスプレイとキーボードから構成されており、コントローラ101からの情報表示を行うとともにユーザ(操作者)からの指示をコントローラ101に伝える。また、Network(Ethernet(登録商標),TCP/IP)のどのインタフェースからでも、全ての機能を使用可能である。
【0012】
<コントローラの構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係るコントローラ101のハードウエア構成について説明する。コントローラ101の内部では、CPU201がバス209を介して、メモリ202、操作部106を構成する液晶ディスプレイ203及びキーボード204、ROM210、DISK211に接続されている。
【0013】
各種プログラム及びデータは、ハードディスクやフロッピー(登録商標)ディスク等のDISK211(記憶媒体)に記憶されており、必要に応じて順次メモリ202に読み出されてCPU201で実行される。このDISK211は、MFP100に着脱可能でもMFPに内蔵されたものでもよい。更に、プログラムは、ネットワークを介して他のMFPからダウンロードされてDISK211に記憶されてもよい。また、メモリにはDRAMのような不揮発メモリ、SRAMのような揮発メモリの種類があるが、メモリ202は双方の機能を備えていてもよいし、揮発メモリの機能をメモリ202が受け持ち、不揮発メモリの機能をDISK211が受け持つような構成でもよい。また取り外し可能な記憶媒体でもよい。
【0014】
液晶ディスプレイ203及びキーボード204は、図1に示す操作部106を構成する。CPU201が液晶ディスプレイ203にデータを書き込むことにより表示を行う。また、CPU201は、キーボード204もしくは液晶ディスプレイ203が備えるタッチパネルを介してユーザから指示を受け付ける。受け付けた情報は、メモリ202、DISK211、CPU201のいずれかに転送、蓄積され、様々な処理に使用される。
【0015】
また、バス209には、ネットワークインタフェース205が接続されており、図1に示すネットワークインタフェース105に対応する。CPU201がインタフェースからデータを読み込みまたは書き込むことによりインタフェースを使用した通信を行う。更に、バス209には、図1に示すスキャナエンジン102やプリンタエンジン103を介して、プリンタ206、フィニッシャ207、スキャナ208、が接続されている。CPU201がこれらのエンジンに対してデータの読み書きを行うことによりプリント・スキャンなどのエンジン動作および各種ステータス取得を行う。
【0016】
画像データはスキャナ208又はネットワークインタフェース105からコントローラ101内のDISK211、メモリ202に保存することが可能である。また、取り外し可能なメモリ202に予め画像データを蓄積しておき、そのメモリをコントローラ101に取り付けることによって取り込むことも可能である。DISK211に蓄積されている画像データはメモリ202に移動又はコピーすることが可能になっており、操作部106から指示された内容によってメモリ上の画像データに様々な付加画像(例えばページ印字の数字部分)を合成することができる。なお、プリンタ206、フィニッシャ207、スキャナ208は、MFP100の内部ではなく、ネットワーク上にそれぞれ単体の周辺機器として存在し、それをMFP100のコントローラ101が制御してもよい。フィニッシャ207は、図1に示すフィニッシャ104と同等のものであり、プリンタエンジン103に着脱可能であり、プリンタエンジン103に接続されて、CPU201によって制御される。
【0017】
<画像形成装置の外観>
次に、図3を参照して、MFP100とフィニッシャ304の外観について説明する。画像入力デバイスであるスキャナ部301は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサを走査することで、スキャナ208に置かれた原稿から電気的な画像データに変換する。電気的に変換された画像データから、原稿のカラー判定やサイズ判定などを行う。
【0018】
画像出力デバイスであるプリンタ部302は、画像データを用紙上の画像に変換する部分であり、用紙に印刷した後にステイプルや製本などの折処理を行い出力する。プリント動作の起動や停止は、コントローラCPU201からの指示によって開始する。303は操作部を示す。また、304はフィニッシャを示す。フィニッシャ304は、MFP100に着脱可能である。なお、フィニッシャ304の種類によっては、フィニッシャ304に対してさらに他のシート処理装置を接続することが可能である。詳細については、図8を用いて後述する。
【0019】
<操作部の構成>
次に、図4を参照して、操作部303について説明する。操作部303は、液晶表示部401、スタートキー402、2色LED403、ストップキー404、テンキー405、及びユーザモードキー406を含んで構成される。液晶表示部401は、液晶上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面およびソフトキーを表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報をコントローラCPU201に伝える。
【0020】
スタートキー402は、原稿画像の読み取り動作を開始する場合などに用いられる。スタートキー402中央部には、緑と赤の2色LED403が設けられ、その色によってスタートキー402が使える状態にあるかどうかが示される。ストップキー404は稼働中の動作を止める働きをする。テンキー405は、数字と文字のボタン郡で構成されており、コピー部数の設定や、液晶表示部401の画面切り替えを指示する。ユーザモードキー406は機器設定を行う場合に押下される。
【0021】
<画面例>
次に、図5を参照して、ユーザモード画面から、フィニッシャ104の排紙トレイの優先度を機能ごとに設定する設定画面について説明する。図5の例ではフィニッシャ104は2つのトレイA、Bを備えており、コントローラ101が実行可能な、「コピー」、「保存ファイルの利用」、「プリンタ」、「受信」などの機能ごとに、各トレイの優先度を設定することができる。
【0022】
501はトレイAに対する機能の割り当てであり、502はトレイBに対する機能の割り当てである。例えば、図5の例では、トレイAに優先度「2」が設定され、トレイBに優先度「1」が設定されている。数字が小さい方が優先度が高いことを示している。このように設定されている場合、コピーを実行することによって排紙するシートを、トレイAよりトレイBに先に排紙し、トレイBで満載が検知された場合に、トレイAに排紙先を切り替える。このような排紙トレイごとの優先度の設定については「保存ファイルの利用」、「プリンタ」、「受信」の各機能についても同様に設けられている。なお、「保存ファイルの利用」機能は、DISK211に保存された画像データを操作部106からの指示によって印刷して、排紙する機能である。「プリンタ」機能は、ネットワークインタフェース205を介して外部装置から受信しが画像データを印刷して、排紙する機能である。「受信」機能は、不図示の電話回線を介して受信した画像データを印刷して、排紙する機能である。
【0023】
図5の画面を介して設定された内容は、装置情報として、コントローラ101内の図2上に示すメモリ202に保存される。本実施形態では排紙トレイの機能を排紙トレイの機能毎に切り替える機能について記載したが、フィニッシャ104に関連したコントローラ101のメモリ202で保持しなくてはならないデータであれば特にデータの内容については限定しない。
【0024】
<処理手順>
次に、図6を参照して、フィニッシャ104の着脱が発生した場合の、本実施形態における特徴的な処理手順について説明する。フィニッシャ104をプリンタエンジン103と切り離し、プリンタエンジンのみとした場合の図5で示したデータの保持方法について図6を用いて記載する。なお、以下で説明する処理は、CPU201がROM210、DISK211等から制御プログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現される。
【0025】
まず、S601において、CPU201は、MFP100に対して電源の投入が行われたタイミングで、コントローラ101に対してプリンタエンジン103を経由し、フィニッシャ104から接続信号(接続情報)を受信する。なお、本実施形態に係るMFPは、シート処理装置を取り外す際にユーザは、MFP100に対する電源供給を停止させ、その後、新たなシート処理装置を接続し、再び電源投入を行うことを想定している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、MFP100に対する電源供給を行ったまま、シート処理装置の着脱がされた場合の処理としてもよい。
【0026】
S602において、CPU201は、接続信号が受信されたか否かを判定することによって、フィニッシャ104が接続しているかどうかを判定する。フィニッシャ104が接続されていなければS603に進み、CPU201は、コントローラ101内のメモリ202で保持しているデータに関しては何も処理を行わず、処理を終了する。接続情報は、シート処理装置であるフィニッシャ104がMFP100に接続されていることを示す情報であり、当該シート処理装置の情報を示す装置情報を含む。なお、ここでは、装置情報が接続情報に含まれている例について説明するがこの限りではない。例えば、接続情報はあくまでもシート処理装置が接続されている否かを示す情報だけを含むようにしてもよい。その場合。CPU201は、接続情報を受信したシート処理装置から、別途装置情報を取得する必要がある。
【0027】
一方、フィニッシャ104が接続されている状態であればS604に進み、CPU201は、接続情報からフィニッシャ104の排紙トレイに関する装置情報を取得する。さらに、CPU201は、メモリ202に予め保持しているフィニッシャの排紙トレイ数と、取得したフィニッシャ104の排紙トレイに関する情報に含まれる排紙トレイ数とを比較する。メモリ202に予め保持している排紙トレイの情報は、前回接続されていたフィニッシャから通知された情報である。
【0028】
S604でメモリ202内に保持しているトレイ数と接続したフィニッシャ104のトレイ数とが異なる場合は、S605に進む。また、MFP100が工場出荷時である場合など、前回接続されていたフィニッシャがなく、メモリ202に前回接続されていたフィニッシャの排紙トレイ数が保持されていない場合も、CPU201は、S605に処理を進める。S605で、CPU201は、コントローラ101のメモリ202に保持しているフィニッシャの装置情報をクリアする。続いて、S606において、CPU201は、装置情報の初期値を新たに接続されたフィニッシャの装置情報として設定し、処理を終了する。装置情報の初期値は、メモリ202に予め、トレイ数ごとに記憶されている。トレイ数が1の場合、トレイAの優先度が「1」にセットされ、トレイ数が2の場合、トレイAの優先度が「1」がセットされ、トレイBの優先度が「2」にセットされているものとする。また、トレイ数が3の場合、トレイAの優先度が「1」がセットされ、トレイBの優先度が「2」にセットされ、トレイCの優先度が「3」にセットされているものとする。なお、S606で、CPU201は、新たに接続されたフィニッシャのために排紙トレイの優先度の設定をするよう、ユーザに促すメッセージを操作部106に表示してもよい。
【0029】
一方、S604でメモリ202内に保持しているトレイ数と接続したフィニッシャ104のトレイ数とが同一の場合は、S603に進み、CPU201は、コントローラ101内のメモリ202で保持しているフィニッシャの装置情報を維持する。即ち、CPU201は、メモリ202で保持しているデータを変更することなく、処理を終了する。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、フィニッシャの着脱が発生した後において、例えば、画像形成装置に電源が投入されると、現在接続されているフィニッシャから排紙トレイ数を含む情報を取得する。さらに、画像形成装置は、取得した排紙トレイ数と、予めメモリ等に保持している排紙トレイ数とを比較し、異なっていればフィニッシャの装置情報をクリアして再設定する。ここで、予めメモリ等に保持している排紙トレイ数は、前回接続されていたフィニッシャの装置情報となる。即ち、本実施形態によれば、接続されるフィニッシャが異なる排紙トレイ数を有する他のフィニッシャへ変更されると、フィニッシャに関する情報を再設定し、そうでない場合はフィニッシャに関する情報をクリアすることなく、予め保持している情報を利用する。これにより、本実施形態に係る画像形成装置は、ユーザやサービスエンジニアが一時的にシート処理装置(フィニッシャ)が外された場合であっても、再接続後に後処理装置に関連する画像形成装置の機能を再設定することなく動作することができる。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成及び制御については説明を省略する。図7は、フィニッシャ104の着脱が発生した場合の、本実施形態における特徴的な処理手順について説明する図である。なお、以下で説明する処理は、CPU201がROM210、DISK211等から制御プログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現される。
【0032】
まず、S701において、CPU201は、MFP100に対して電源の投入が行われたタイミングで、コントローラ101に対してプリンタエンジン103を経由し、フィニッシャ104からの接続信号を受信する。接続信号を受信すると、S702において、CPU201は、フィニッシャ104が接続しているかどうか判定する。フィニッシャ104が接続されていない状態であればS703に進み、CPU201は、コントローラ101内のメモリ202で保持しているデータに関しては何も処理を行わず、処理を終了する。
【0033】
一方、フィニッシャ104が接続されている状態であればS704に進み、CPU201は、フィニッシャ104のタイプの情報を取得する。そして、CPU201は、取得したフィニッシャ104のタイプの情報と、メモリ202に予め保持しているフィニッシャのタイプ情報とを比較する。メモリ202に予め保持しているタイプ情報は、MFP100に前回接続されていたフィニッシャ104から通知された情報である。タイプ情報は、1台のフィニッシャ104ごとに固有のIDではなく、フィニッシャの種類を特定するIDであればよい。メモリ202に予め保持しているタイプ情報は、前回接続されていたフィニッシャから通知された情報である。
【0034】
S704でメモリ202に保持しているタイプ情報と接続したフィニッシャ104のタイプ情報とが異なる場合は、S705に進む。また、MFP100が工場出荷時である場合など、前回接続されていたフィニッシャがなく、メモリ202にタイプ情報が保持されていない場合も、CPU201は、S705に処理を進める。S705で、CPU201は、コントローラ101のメモリ202に保持しているフィニッシャの装置情報をクリアする。続いて、S706において、CPU201は、コントローラが内蔵しているトレイ数毎に割り当てられているフィニッシャの装置情報の初期値をメモリ202上に更新し、処理を終了する。装置情報の初期値は、メモリ202に予め、トレイ数ごとに記憶されている。トレイ数が1の場合、トレイAの優先度が「1」にセットされ、トレイ数が2の場合、トレイAの優先度が「1」がセットされ、トレイBの優先度が「2」にセットされているものとする。また、トレイ数が3の場合、トレイAの優先度が「1」がセットされ、トレイBの優先度が「2」にセットされ、トレイCの優先度が「3」にセットされているものとする。なお、S706で、CPU201は、新たに接続されたフィニッシャのために排紙トレイの優先度の設定をするよう、ユーザに促すメッセージを操作部106に表示してもよい。
【0035】
一方、S704でメモリ202内に保持しているタイプ情報と接続したフィニッシャ104のタイプ情報とが同一の場合は、S703に進み、CPU201は、コントローラ101内のメモリ202で保持しているデータを維持する。即ち、CPU201は、メモリ202で保持しているデータを変更することなく、処理を終了する。
【0036】
<第3の実施形態>
次に、図8及び図9を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上記第1及び第2の実施形態と同様の構成及び制御については説明を省略する。本実施形態では、図8に示すように、MFP100に対して複数のシート処理装置が接続可能である。第1及び第2の実施形態で説明したMFP100においては、810に示すように、シート処理装置の一例としてフィニッシャ801が接続されている。フィニッシャ801は図1の104と同等のものである。
【0037】
一方、本実施形態で説明するMFP100においては複数のシート処理装置を接続可能であり、820のような印刷物を大容量積載可能なスタッカ装置802なども接続可能である。また、830に示すように、フィニッシャ801やスタッカ装置802を同時に接続可能である。本実施形態では830に示すように複数のシート処理装置801、802が接続された場合のフィニッシャ情報の更新フローについて説明する。
【0038】
図9は、フィニッシャ801及びスタッカ装置802の着脱が発生した場合の、本実施形態における特徴的な処理手順について説明する図である。なお、以下で説明する処理は、CPU201がROM210、DISK211等から制御プログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現される。
【0039】
まず、S901において、CPU201は、MFP100に対して電源の投入が行われたタイミングで、コントローラ101に対してプリンタエンジン103を経由し、フィニッシャ801及びスタッカ装置802からの接続信号を受信する。接続信号を受信すると、S902において、CPU201は、フィニッシャ801、スタッカ装置802などのシート処理装置が接続しているかどうか判定する。シート処理装置が接続されていない状態であればS903に進み、CPU201は、コントローラ101内のメモリ202で保持しているデータに関しては何も処理を行わず、処理を終了する。
【0040】
一方、シート処理装置が接続されている状態であればS904に進み、CPU201は、複数のシート処理装置に関する装置情報を取得し、メモリ202に予め保持している装置情報と比較する。装置情報はフィニッシャ801、スタッカ装置802から通知される情報である。装置情報の内容としては、第1の実施形態で説明したトレイ数の情報や、第2の実施形態で説明したタイプ情報のどちらでもよい。
【0041】
S904でメモリ202内に保持している装置情報と接続したシート処理装置の装置情報とが異なる場合は、S905に進み、CPU201は、コントローラ101内に保持している装置情報をクリアする。続いて、S906において、CPU201は、コントローラが内蔵している装置情報の初期値をメモリ202上に更新し、処理を終了する。装置情報の初期値は、メモリ202に予め、トレイ数ごとに記憶されている。トレイ数が1の場合、トレイAの優先度が「1」にセットされ、トレイ数が2の場合、トレイAの優先度が「1」がセットされ、トレイBの優先度が「2」にセットされているものとする。また、トレイ数が3の場合、トレイAの優先度が「1」がセットされ、トレイBの優先度が「2」にセットされ、トレイCの優先度が「3」にセットされているものとする。なお、S906で、CPU201は、新たに接続されたフィニッシャのために排紙トレイの優先度の設定をするよう、ユーザに促すメッセージを操作部106に表示してもよい。
【0042】
一方、S904でメモリ202内に保持している装置情報と接続したシート処理装置の装置情報とが同一の場合は、S903に進み、CPU201は、コントローラ101内のメモリ202で保持しているデータを維持する。即ち、CPU201は、メモリ202で保持しているデータを変更することなく、処理を終了する。
【0043】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート処理装置を接続可能な画像形成装置であって、
接続された前記シート処理装置から、該シート処理装置が前記画像形成装置に接続されていることを示す接続情報を取得する取得手段と、
取得した前記接続情報に含まれるシート処理装置の情報を示す装置情報と、前記画像形成装置に設けられた記憶手段に予め記憶されている装置情報とを比較する比較手段と、
2つの前記装置情報が異なっている場合には前記記憶手段に予め記憶されている装置情報を再設定し、該2つの装置情報が同一の場合には前記記憶手段に予め記憶されている装置情報を維持する制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置情報を設定するための設定画面を表示部に表示し、該設定画面を介して操作者から指示を受け付けて前記装置情報を設定する設定手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記2つの装置情報が異なっている場合には前記記憶手段に予め記憶されている装置情報を、前記設定手段を用いて再設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置情報とは、前記シート処理装置に設けられた排紙トレイの数を示す情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置情報とは、前記シート処理装置の種類を示すタイプ情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数のシート処理装置が前記画像形成装置に接続される場合には、
前記取得手段は、各シート処理装置から前記接続情報を取得し、
前記比較手段は、前記取得手段によって取得された各シート処理装置の前記接続情報に含まれる前記装置情報と、前記記憶手段に予め記憶されている各アクセサリ装置の前記装置情報とをそれぞれ比較することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記画像形成装置に対して電源の投入が行われたタイミングで、接続されている前記シート処理装置から前記接続情報を取得することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
シート処理装置を接続可能な画像形成装置の制御方法であって、
取得手段が、接続された前記シート処理装置から、該シート処理装置が前記画像形成装置に接続されていることを示す接続情報を取得する取得ステップと、
比較手段が、取得した前記接続情報に含まれるシート処理装置の情報を示す装置情報と、前記画像形成装置に設けられた記憶手段に予め記憶されている装置情報とを比較する比較ステップと、
制御手段が、2つの装置情報が異なっている場合には前記記憶手段に予め記憶されている装置情報を再設定し、該2つの装置情報が同一の場合には前記記憶手段に予め記憶されている装置情報を維持する制御ステップと
を実行することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置の制御方法における各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−25115(P2013−25115A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160306(P2011−160306)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】