画像形成装置、サーバ装置およびプログラム
【課題】環境に与える負荷を低減可能な画像形成装置、サーバ装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置100は、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部81と、受付部81で印刷ジョブを受け付けたときに、CO2排出量を算出するCO2排出量算出部82と、印刷ジョブを記憶する記憶部40と、印刷データに基づく印刷を実行する印刷部2と、印刷部2を制御する制御部83と、を備え、制御部83は、CO2排出量がしきい値(目標値)以上の場合は、印刷部2に印刷を実行させずに、受付部81で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に記憶する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置100は、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部81と、受付部81で印刷ジョブを受け付けたときに、CO2排出量を算出するCO2排出量算出部82と、印刷ジョブを記憶する記憶部40と、印刷データに基づく印刷を実行する印刷部2と、印刷部2を制御する制御部83と、を備え、制御部83は、CO2排出量がしきい値(目標値)以上の場合は、印刷部2に印刷を実行させずに、受付部81で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、サーバ装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品が生産されてから廃棄されるまでの過程で環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、画像形成時の環境負荷情報を算出する画像形成装置が開示されている。より具体的には、特許文献1に開示された画像形成装置は、印刷条件と画像データのドット数とに基づいて、CO2排出量(環境負荷情報)を算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、画像形成時の環境負荷情報を算出するのみであり、例えばCO2排出量が目標値を超える場合であっても、印刷は実行されるので、結局、環境に与える負荷を低減することはできないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、環境に与える負荷を低減可能な画像形成装置、サーバ装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、前記印刷部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷部に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の画像形成装置は、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、前記印刷部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷部に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のサーバ装置は、印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のサーバ装置は、印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記画像形成装置を制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプログラムは、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する第2ステップと、前記第2ステップで算出された前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明のプログラムは、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第2ステップと、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を前記印刷部に実行させる第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、環境に与える負荷を低減可能な画像形成装置、サーバ装置およびプログラムを提供できるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、カラー画像形成装置の概略構成例を示す図である。
【図2】図2は、印刷部の構成の一例を示す模式図である。
【図3】図3は、第1実施形態のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、印刷枚数とCO2排出量との関係を示す図である。
【図6】図6は、印刷枚数と、総CO2排出量および1枚当たりのCO2排出量との関係を示す図である。
【図7】図7は、所定枚数の設定画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、目標値の設定画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、セキュリティレベルの設定画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図11】図11は、第2実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第3実施形態のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図13】図13は、第3実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、第4実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第5実施形態のCPUが実行するモード設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、変形例のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図17】図17は、変形例のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、CPUが搭載されたサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、サーバ装置およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では、画像形成装置として、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも何れかの機能を有する複合機を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
<A:第1実施形態>
図1は、電子写真方式のカラー画像形成装置100の概略構成例を示す図である。図1に示すように、カラー画像形成装置100は、画像読取装置であるスキャナ部1と、印刷部(画像形成部)2とを有する。また、印刷部2の下部には、本体給紙トレイ7、バンク給紙トレイ8が設けられている。さらに、カラー画像形成装置100の本体部には、手差しトレイ9が設けられている。
【0016】
スキャナ部1は、読み取り対象の原稿の画像データを読み取る。より具体的には、スキャナ部1は、光源で原稿を照射しながら原稿を走査し、原稿からの反射光をCCDセンサで光電変換することにより、原稿の画像データを生成する。スキャナ部1で読み取られた画像データは、不図示の画像処理ユニットに供給される。画像処理ユニットは、スキャナ部1から送られた画像データに対して、ガンマ補正、色変換処理、画像分離処理、階調処理(ハーフトーン処理)等の画像処理を実行する。画像処理後の画像データは、印刷部2に含まれる後述の露光装置(書き込みユニット)15へ供給される。
【0017】
図2は、印刷部2の構成の一例を示す模式図である。印刷部2は、4つの感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kと、その各感光体ドラムの表面上に形成された潜像を互いに異なる色のトナー像にそれぞれ現像する複数の現像装置11Y,11M,11C,11Kと、露光装置15と、異なる色のトナー像がそれぞれ重ね合わされて転写(一次転写)される中間転写ベルト16とを有する。
【0018】
中間転写ベルト16は、無端状のベルトであり、駆動ローラ17とテンションローラ19の2軸によって支持されている。中間転写ベルト16の上部側には、ブラック(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色用の4個の感光体ドラム10が、中間転写ベルト16の回動方向Aに沿って順番に配置される。感光体ドラム10の周囲には、上述の現像装置11、帯電装置12、クリーニング装置13、および、一次転写装置を構成する一次転写ローラ14が配置される。また、感光体ドラム10の上方には、露光装置15が配置される。露光装置15は、レーザ光を出射するレーザーダイオードを備え、不図示の画像処理ユニットから供給される画像データ(画像処理後の画像データ)に応じて、レーザーダイオードの駆動を変調する。
【0019】
感光体ドラム10は、図2のB方向に回転するように駆動される。帯電装置12は、感光体ドラム10の表面を所定の極性に帯電する。そして、その帯電面には、露光装置15から出射されるレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。現像装置11は、不図示のトナー容器から搬出されるトナーを、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像に可視像化する。これにより、感光体ドラム10の表面にトナー像が形成される。
【0020】
各感光体ドラム10には、一次転写ローラ14がそれぞれ対向配置されている。中間転写ベルト16は、各一次転写ローラ14と感光体ドラム10との間に挟まれた状態で回動する。そして、一次転写ローラ14の作用によって、各感光体ドラム10の表面に形成されたトナー像が、中間転写ベルト16に転写(一次転写)される。このようにして、ブラック,シアン,マゼンタ,イエローのトナー像が、中間転写ベルト16上で正確に重ね合わされるように順次に転写されていき、フルカラーの合成カラー画像が形成される。一次転写後、中間転写ベルト16に転写されずに感光体ドラム10の表面に残留する未転写トナーは、クリーニング装置13で回収される。
【0021】
図2に示すように、中間転写ベルト16を挟んで、駆動ローラ17(二次転写対向ローラ)に対向して二次転写ローラ18が配置される。給紙トレイから記録媒体である記録紙Pが給紙されると、それがレジストローラ対22の回転によって所定のタイミングで、駆動ローラ17と二次転写ローラ18の間に送り込まれる。そして、二次転写ローラ18の作用によって、中間転写ベルト16に担持されている合成カラー画像が一括して記録紙Pに転写される。記録紙Pに転写されたトナー像は、定着装置23により熱と圧力で定着され、図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0022】
なお、ここでは、二次転写ローラを介して転写紙に転写する方式の例を示したが、これに限らず、記録紙Pに直接転写する方式の画像形成装置を用いてもよい。
【0023】
図3は、第1実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すように、カラー画像形成装置100は、ネットワーク200を介して、ホスト装置である複数のPC(Personal Computer)300と接続され、各PC300から、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受信可能である。印刷ジョブは、当該印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷を要求する命令信号であり、印刷ジョブに含まれる印刷データの数(印刷枚数)は任意に設定され得る。印刷データは、PDL(Page Description Language)などの言語で記述される。
【0024】
図3に示すように、画像形成装置100は、通信I/F部30と、記憶部40と、画像処理部50と、上述の印刷部2と、操作表示部60と、その他I/F部70と、CPU(Central Processing Unit)80とを備え、それぞれがバスB1で相互に接続されている。
【0025】
通信I/F部30は、画像形成装置100をネットワーク200に接続するための手段であり、各PC300からの印刷ジョブを受信することができる。
【0026】
記憶部40は、HDD(Hard Disk Drive)42と、ROM(Read Only Memory)44と、RAM(Random Access Memory)46とを含む。記憶部40は、通信I/F部30で受信した印刷ジョブを記憶することができる。HDD42およびROM44は、不揮発性の半導体メモリであり、画像形成装置100で実行される各種のプログラムや各種のデータ(通信I/F部30で受信した印刷ジョブや後述のCO2排出量を算出するのに用いられるデータ等)を記憶する。RAM46は、HDD42やROM44に記憶された各種プログラムを実行する際に各種データを一時的に保持する揮発性の半導体メモリである。
【0027】
画像処理部50は、印刷ジョブに含まれる印刷データの画像処理を実行する。より具体的には、画像処理部50は、PDLなどのページ記述言語で記述された印刷データを、印刷部2が印刷可能な形式(例えばビットマップ形式)で描画された画像データに変換し、その画像データを印刷部2へ供給する。印刷部2は、CPU80の制御の下、画像処理部50から供給される画像データに基づいて、画像を記録紙Pに形成する(印刷を実行する)。言い換えれば、印刷部2は、CPU90の制御の下、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行する。
【0028】
操作表示部60は、各種画面や画像形成装置100に関する情報を表示するとともに、ユーザーが各種の操作入力を行うための手段である。詳細な図示は省略するが、操作表示部60は、各種画面や画像形成装置100に関する情報を表示するとともにユーザーからのタッチ入力を受け付ける表示パネルと、キーなどの操作デバイスとを備える。
【0029】
その他I/F部70には、スキャナ部1、記録紙Pにステープルやパンチ穴をあける機能等を有する周辺機、大量の記録紙Pをスタック可能な周辺機等が含まれる。要するに、その他I/F部70には、画像形成に必要なインタフェースが含まれる。
【0030】
CPU80は、画像形成装置100の各部を制御する手段である。CPU80が有する機能には、受付部81、CO2排出量算出部82、制御部83が含まれる。これらの機能は、CPU80がROM44に記憶された制御プログラムをRAM46に読み出して実行することにより実現される。なお、これに限らず、これらの機能を個別の回路(ハードウェア)で実現することもできる。
【0031】
受付部81は、通信I/F部30や操作表示部60からの各種入力を受け付ける。例えば受付部81は、通信I/F部30で受信した印刷ジョブを受け付ける。CO2排出量算出部82は、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷が行われた場合におけるCO2排出量を算出する。詳細な内容については後述する。制御部83は、受付部81で受け付けた各種入力やCO2排出量算出部82で算出されたCO2排出量などを用いて各種の制御を実行する。詳細な内容については後述する。
【0032】
図4は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、受付部81が印刷ジョブを受け付けたとき(ステップS1の結果:肯定)、制御部83は、記憶部40に印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS2)。記憶部40に印刷ジョブが存在すると判定した場合、制御部83は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブと、記憶部40に蓄積された印刷ジョブとを合算し(ステップS3)、処理はステップS4に移行する。一方、記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判定した場合、処理はステップS4に移行する。
【0033】
ステップS4において、CO2排出量算出部82は、所定枚数当たりのCO2排出量を算出する。上述のステップS2の結果が否定の場合、CO2排出量算出部82は、上述のステップS1で受け付けた印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷が実行された場合における所定枚数当たりのCO2排出量を算出する。一方、上述のステップS2の結果が肯定の場合、CO2排出量算出部82は、上述のステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる全印刷データに基づく印刷が実行された場合における所定枚数当たりのCO2排出量を算出する。以下、CO2排出量の算出方法の具体例を説明する。なお、ここでは、CO2排出量算出部82は、1枚当たりのCO2排出量を算出するものとする。
【0034】
CO2排出量算出部82は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数(印刷枚数に相当)と、予め記憶部40に記憶されたデータテーブルとから、1枚当たりのCO2排出量を算出する。さらに詳述すると、データテーブルには、印刷データの数と、1枚当たりのCO2排出量との関係が予め記憶されているので、CO2排出量算出部82は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数に対応するCO2排出量を、データテーブルから読み出す。これにより、1枚当たりのCO2排出量が求められるという具合である。
【0035】
図5および図6は、印刷枚数(印刷データの数)と、当該印刷枚数に対応する総CO2排出量および1枚当たりのCO2排出量との関係を示す図である。図5および図6に示すように、例えば印刷枚数が「1」の場合は、総CO2排出量および1枚当たりのCO2排出量は5000gとなる。仮に、1つの印刷データを含む印刷ジョブを10回繰り返した場合は、印刷準備(定着装置23のウォームアップ等)→印刷という工程を10回繰り返すことになり、総CO2排出量は、5000×10=50000gとなる。これに対して、印刷枚数が「10」の場合(10の印刷データを含む印刷ジョブを実行した場合)は、印刷準備が1度で済むので、総CO2排出量は7700gとなり、1枚当たりのCO2排出量は770gとなる(図5および図6参照)。すなわち、印刷枚数が増大するほど、1枚当たりのCO2排出量は減少する。
【0036】
再び図4に戻って説明を続ける。CO2排出量算出部82が、1枚当たりのCO2排出量を算出した後(上述のステップS4の後)、制御部83は、当該1枚当たりのCO2排出量が目標値(しきい値)を下回るか否かを判定する(ステップS5)。1枚当たりのCO2排出量が目標値を下回ると判定した場合、制御部83は、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する(ステップS6)。より具体的には、制御部83は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷データを実行するように印刷部2を制御する。本実施形態では、印刷部2による印刷が完了すると、制御部83は、記憶部40に蓄積されていた印刷ジョブを削除する。したがって、印刷部2による印刷が完了するたびに、記憶部40は印刷ジョブが存在しない状態に設定される。
【0037】
一方、1枚当たりのCO2排出量が目標値以上であると判定した場合、制御部83は、印刷の実行を許可する許可情報を受付部81で受け付けたか否かを判定する(ステップS7)。本実施形態では、ユーザーは、例えば操作表示部60の表示画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、許可情報を入力することができる。受付部81で許可情報を受け付けたと判定した場合、制御部83は、1枚当たりのCO2排出量が目標値以上であっても、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷データを実行するように印刷部2を制御する(ステップS6)。
【0038】
つまり、制御部83は、印刷ジョブを受け付けたときに算出した所定枚数当たりのCO2排出量がしきい値以上であっても、受付部81で許可情報を受け付けた場合は、印刷を実行するように印刷部2を制御する。すなわち、本実施形態によれば、最終的には、ユーザーの意思で印刷を実行させることができるので、CO2排出量がしきい値を下回るまで印刷が実行されないという不具合を招くことはない。
【0039】
一方、上述のステップS7において、受付部81で許可情報を受け付けていないと判定した場合、制御部83は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録(蓄積)する(ステップS8)。そして、処理は再びステップS1に戻される。
【0040】
なお、本実施形態では、上述のステップS4でCO2排出量算出部82によって算出される所定枚数当たりのCO2排出量の一例として、1枚当たりのCO2排出量が算出される例を説明したが、これに限らず、上記所定枚数は任意に変更可能である。図7は、操作表示部60に表示された、所定枚数の設定画面の一例を示す図である。例えばユーザーは、画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、所定枚数の値を可変に設定できる。なお、これに限らず、ユーザーが、所定枚数の値をPCなどの端末装置に入力し、その入力情報がネットワーク経由で画像形成装置100に送信されることにより、所定枚数の値が、その入力情報が示す値に設定されてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、上述のステップS5での判断基準となる目標値(しきい値)も任意に変更可能である。図8は、操作表示部60に表示された、目標値の設定画面の一例を示す図である。例えばユーザーは、画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、目標値を可変に設定できる。また、これに限らず、上述したように、ネットワーク経由で目標値を可変に設定することもできる。
【0042】
さらに、本実施形態では、セキュリティレベルの設定入力を受付部81で受け付けた場合、CPU80(制御部83)は、その受け付けたセキュリティレベルに応じて、許可情報を入力可能なユーザーを制限する機能を有する。図9は、操作表示部60に表示された、セキュリティレベルの設定画面の一例を示す図である。図9の例では、セキュリティレベルは、「レベルA」、「レベルB」、「レベルC」、「なし」の4段階に分かれている。例えばユーザーは、画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、セキュリティレベルを可変に設定することができる。また、これに限らず、上述したように、ネットワーク経由でセキュリティレベルを可変に設定することもできる。
【0043】
図9の例では、セキュリティレベルが「なし」に設定された場合は、誰でも許可情報を入力することが可能になる。つまり、この場合は、許可情報の入力制限は行われない。セキュリティレベルが「レベルC」に設定された場合は、予めグルーピングされているメンバーのみが許可情報を入力することが可能になる。グルーピングされるメンバーは各ユーザーで設定可能であるが、IPアドレス等で自動的に振り分けてもよい。セキュリティレベルが「レベルB」に設定された場合は、例えば所定の部署のセキュリティ担当者のみが許可情報を入力することが可能になる。セキュリティレベルが「レベルA」に設定された場合は、あるユーザー本人のみが許可情報を入力することが可能になるという具合である。なお、これは一例であり、許可情報を入力可能なユーザーを制限する方法は任意である。
【0044】
以上に説明したように、本実施形態では、CPU80(制御部83)は、印刷ジョブを受け付けたときに算出したCO2排出量がしきい値以上の場合は、印刷部2による印刷を実行させないので、印刷ジョブを受け付けるたびに、無条件に印刷を実行する構成に比べて、環境に与える負荷を低減できるという有利な効果を奏する。
【0045】
<B:第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図10に示すカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、基本的には図3に例示した構成と同じであるが、CPU80が有する機能の中に、現在時刻をカウントするリアルタイムクロック機能を有するクロック部84が含まれる点が異なる。以下では、上述の第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、第1実施形態と重複する部分については適宜に説明を省略する。
【0046】
図11は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図11のステップS11〜ステップS13の内容は、図4のステップS1〜ステップS3の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。図11のステップS12において、記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判断した場合、制御部83は、印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長を示す要求受付経過時間の計測を開始する(ステップS14)。ここでの要求受付経過時間は、記憶部40に印刷ジョブが存在しない状態で最初の印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長であると捉えることもできる。そして、処理はステップS15に移行する。ステップS15〜ステップS18の内容は、図4のステップS4〜ステップS7の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0047】
ステップS18で、受付部81で許可情報を受け付けていないと判定した場合、制御部83は、上述の要求受付経過時間が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS19)。ステップS19において、制御部83は、要求受付経過時間が所定値以上であると判定した場合は、ステップS11で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS13で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する(ステップS17)。一方、ステップS19において、制御部83は、要求受付経過時間が所定値未満であると判定した場合は、ステップS11で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録(蓄積)する(ステップS20)。そして、処理は再びステップS11に戻される。
【0048】
以上に説明したように、本実施形態では、CPU80(制御部83)は、印刷ジョブを受け付けたときに算出した所定枚数当たりのCO2排出量がしきい値以上であって、かつ、受付部81で許可情報を受け付けていなくても、記憶部40に印刷ジョブが存在しない状態で最初の印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長(要求受付経過時間)が所定値以上である場合は、印刷を実行するように印刷部2を制御するので、CO2排出量がしきい値を下回るか、許可情報が入力されない限り印刷が実行されない場合に比べて、印刷の待ち時間が無駄に長くなることを防止できる。
【0049】
<C:第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る画像形成装置は、CO2排出量を算出しない点で上述の各実施形態と相違する。より具体的には、本実施形態に係る画像形成装置は、印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、印刷を実行せずに当該印刷ジョブを蓄積し、所定の時間長が経過した後に、まとめて印刷を実行する点で上述の各実施形態と相違する。また、詳しくは後述するが、本実施形態では、ユーザーは、PCなどを介して、画像形成装置100に印刷ジョブを与えるときに、当該印刷ジョブが終了する時刻(終了時刻)を指定する情報(「終了時刻パラメータ」と呼ぶ)を当該印刷ジョブに付加することができる。以下では、上述の各実施形態と相違する部分を中心に説明し、各実施形態と重複する部分については適宜に説明を省略する。
【0050】
図12は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図12に示すカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、基本的には図10に例示した構成と同じであるが、CPU80が有する機能の中に、CO2排出量算出部82が含まれない点が異なる。
【0051】
図13は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、受付部81は、印刷ジョブを受け付けたか否かを判定する(ステップS21)。受付部81が印刷ジョブを受け付けたと判定した場合、制御部83は、その受け付けた印刷ジョブに終了時刻パラメータが付加されているか否かを判定する(ステップS22)。終了時刻パラメータが付加されていないと判定した場合、制御部83は、記憶部40に印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS23)。記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判定した場合、制御部83は、上述の要求受付経過時間(記憶部40に印刷ジョブが存在しない状態で最初の印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長)の計測を開始し(ステップS24)、処理はステップS25に移行する。記憶部40に印刷ジョブが存在すると判定された場合、処理はステップS25に移行する。
【0052】
ステップS25では、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録(蓄積)し、処理はステップS26に移行する。ステップS26では、制御部83は、上述の要求受付経過時間が、予め定められた時間長の規定時間以上であるか否かを判定する。要求受付経過時間が規定時間以上であると判定した場合、制御部83は、印刷を実行するように印刷部2を制御する(ステップS27)。より具体的には、制御部83は、記憶部40に記憶された全ての印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する。一方、要求受付経過時間が規定時間未満の場合は、処理は上述のステップS21に戻される。
【0053】
上述のステップS22において、終了時刻パラメータが付加されていると判定した場合、制御部83は、規定時間を変更する必要があるか否かを判定する(ステップS28)。例えば、制御部83は、現在における規定時間の設定値で、ユーザーの指定した時刻(複数ある場合は最も早い時刻)までに全ての印刷ジョブが完了するか否かを判定する。規定時間を変更する必要があると判定した場合、処理はステップS29に移行する。一方、規定時間を変更する必要は無いと判定した場合、処理は上述のステップS25に移行する。
【0054】
ステップS29において、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブと、記憶部40に蓄積された印刷ジョブとを合算する。記憶部40に印刷ジョブが存在しない場合は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブのみとなる。次に、制御部83は、ステップS29で合算した印刷ジョブの完了に要する時間長を示す出力時間を算出する(ステップS30)。
【0055】
次に、制御部83は、クロック部84が示す現在時刻と、ステップS30で算出した出力時間と、終了時刻パラメータが示す時刻とに基づいて、規定時間の値を設定する(ステップS31)。より具体的には、制御部83は、現在時刻と、ステップS30で算出した出力時間と、終了時刻パラメータが示す時刻とから、印刷を開始すべき時刻を示す印刷開始時刻を算出する。そして、現在時刻から印刷開始時刻までの時間長を規定時間として設定する。例えば、現在時刻が9時00分、出力時間が50分、終了時刻パラメータが示す時刻が13時00分の場合、印刷開始時刻は12時10分となり、規定時間は190分に設定されるという具合である。そして、処理は上述のステップS24に移行し、制御部83は、要求受付経過時間の計測を開始する。ここでの要求受付経過時間は、記憶部40に既に印刷ジョブが存在するか否かに関わらず、ステップS21で印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長(ステップS31で規定時間の設定が行われてから経過した時間長と捉えることもできる)となる。次に、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録する(ステップS25)。本実施形態では、印刷ジョブと、当該印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻とが対応付けられて記憶部40に記憶される。
【0056】
例えば上述のステップS28において、終了時刻パラメータが付加された印刷ジョブが既に記憶部40に存在する場合、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻と、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する終了時刻とを比較し、受け付けた印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻の方が、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する終了時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要があると判断できる。一方、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する終了時刻の方が、受け付けた印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要は無いと判断できるといった具合である。
【0057】
また、上述のステップS21において、受付部81が印刷ジョブを受け付けていないと判定された場合、処理はステップS32に移行する。ステップS32において、制御部83は、記憶部40に印刷ジョブが存在するか否かを判定する。記憶部40に印刷ジョブが存在すると判定された場合、処理は上述のステップS26に移行する。記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判定された場合、処理は上述のステップS21に戻される。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態では、CPU80(制御部83)は、要求受付経過時間が規定時間に到達するまでは、印刷部2に印刷を実行させずに、受け付けた印刷ジョブを記憶部40に蓄積し、要求受付経過時間が規定時間に到達した後に、記憶部40に蓄積された印刷ジョブをまとめて実行する。これにより、印刷ジョブを受け付けるたびに、当該印刷ジョブを実行する場合に比べて、1枚当たりのCO2排出量を低減できるという利点がある。
【0059】
<D:第4実施形態>
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態では、ユーザーは、PCなどを介して、画像形成装置100に印刷ジョブを与えるときに、当該印刷ジョブが開始する時刻(開始時刻)を指定する情報(「開始時刻パラメータ」と呼ぶ)を当該印刷ジョブに付加することができる点で上述の第3実施形態と相違する。以下では、上述の第3実施形態と相違する部分を中心に説明し、第3実施形態と重複する部分については適宜に説明を省略する。
【0060】
第4実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、図12に例示した構成と同じであるので、詳細な説明は省略する。図14は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、受付部81は、印刷ジョブを受け付けたか否かを判定する(ステップS41)。受付部81が印刷ジョブを受け付けたと判定した場合、制御部83は、その受け付けた印刷ジョブに開始時刻パラメータが付加されているか否かを判定する(ステップS42)。開始時刻パラメータが付加されていないと判定された場合、処理はステップS43に移行する。ステップS43〜ステップS47の内容は、図13のステップS23〜ステップS27の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
一方、上述のステップS42において開始時刻パラメータが付加されていると判定された場合、処理はステップS48に移行する。ステップS48では、制御部83は、規定時間を変更する必要があるか否かを判定する。例えば、制御部83は、現在における規定時間の設定値で、ユーザーの指定した時刻に印刷ジョブが開始するか否かを判定する。規定時間を変更する必要があると判定した場合、処理はステップS49に移行する。一方、規定時間を変更する必要は無いと判定した場合、処理はステップS45に移行する。
【0062】
ステップS49において、制御部83は、規定時間を設定する。より具体的には、制御部83は、クロック部84が示す現在時刻と、開始時刻パラメータが示す開始時刻との差分の時間長を規定時間として設定する。例えば、現在時刻が9時00分、開始時刻パラメータが示す時刻が12時00分の場合、規定時間は180分に設定されるという具合である。そして、処理はステップS44に移行し、制御部83は、要求受付経過時間の計測を開始する。ここでの要求受付経過時間は、記憶部40に既に印刷ジョブが存在するか否かに関わらず、ステップS41で印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長(ステップS49で規定時間の設定が行われてから経過した時間長と捉えることもできる)となる。次に、制御部83は、ステップS41で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録する(ステップS45)。本実施形態では、印刷ジョブと、当該印刷ジョブに付加された開始時刻パラメータが示す開始時刻とが対応付けられて記憶部40に記憶される。
【0063】
例えば上述のステップS48において、開始時刻パラメータが付加された印刷ジョブが既に記憶部40に存在する場合、制御部83は、ステップS41で受け付けた印刷ジョブに付加された開始終了パラメータが示す終了時刻と、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する開始時刻とを比較し、受け付けた印刷ジョブに付加された開始時刻パラメータが示す開始時刻の方が、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する開始時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要があると判断できる。一方、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する開始時刻の方が、受け付けた印刷ジョブに付加された開始時刻パラメータが示す開始時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要は無いと判断できるといった具合である。
【0064】
本実施形態においても、上述の第3実施形態と同様に、CPU80(制御部83)は、要求受付経過時間が規定時間に到達するまでは、印刷部2に印刷を実行させずに、受け付けた印刷ジョブを記憶部40に蓄積し、要求受付経過時間が規定時間に到達した後に、記憶部40に蓄積された印刷ジョブをまとめて実行するので、1枚当たりのCO2排出量を低減できるという利点がある。
【0065】
<E:第5実施形態>
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態では、ユーザーは、操作表示部60やPC300の操作等により画像形成装置100の動作モードを可変に設定することができる。ここでは、動作モードとして、上述の第1実施形態の動作に対応する「CO2削減モード」、第2実施形態の動作に対応する「CO2削減優先モード」、第3実施形態(または第4実施形態)の動作に対応する「時間モード」、および、印刷ジョブを受け付けるたびに、当該印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行する「通常モード」がある。
【0066】
図15は、CPU80が実行するモード設定処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すように、まず受付部81は、ユーザーによる「CO2削減モード」の選択入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS61)。受付部81が、「CO2削減モード」の選択入力を受け付けたと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「CO2削減モード」に設定する(ステップS62)。この場合、CPU80が実行する処理は、図4に示す内容となる。
【0067】
上述のステップS61において、「CO2削減モード」の選択入力を受け付けていないと判定した場合、受付部81は「CO2削減優先モード」の選択入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS63)。受付部81が、「CO2削減優先モード」の選択入力を受け付けたと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「CO2削減優先モード」に設定する(ステップS64)。この場合、CPU80が実行する処理は、図11に示す内容となる。
【0068】
上述のステップS63において、「CO2削減優先モード」の選択入力を受け付けていないと判定した場合、受付部81は「時間モード」の選択入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS65)。受付部81が、「時間モード」の選択入力を受け付けたと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「時間モード」に設定する(ステップS66)。この場合、CPU80が実行する処理は、図13または図14に示す内容となる。
【0069】
上述のステップS65において、「時間モード」の選択入力を受け付けていないと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「通常モード」に設定する(ステップS67)。この場合、CPU80は、従来と同様に、印刷ジョブを受け付けるたびに、当該印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する。
【0070】
<F:変形例>
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下に変形例を記載する。なお、以下の変形例を任意に組み合わせることも可能である。
【0071】
(変形例1)
上述の第1実施形態および第2実施形態では、制御部83は、印刷ジョブを受け付けたときに算出したCO2排出量がしきい値以上であっても、受付部81で許可情報を受け付けた場合は、印刷を実行するように印刷部2を制御しているが、これに限らず、例えば上述の許可情報の入力が行われない構成であってもよい。例えば図4のステップS7が存在しない構成であってもよいし、図11のステップS18が存在しない構成であってもよい。
【0072】
(変形例2)
上述の第3実施形態および第4実施形態では、画像形成装置100に与える印刷ジョブの終了時刻や開始時刻を指定可能な構成であるが、これに限らず、画像形成装置100に与える印刷ジョブの終了時刻や開始時刻を指定することができない構成であってもよい。例えば図13のステップS22、ステップS28〜ステップS31が存在しない構成であってもよいし、図14のステップS42、ステップS48およびステップS49が存在しない構成であってもよい。
【0073】
(変形例3)
上述の第1実施形態および第2実施形態では、印刷ジョブを受け付けたときに算出したCO2排出量がしきい値以上の場合は、印刷が実行されない例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、印刷ジョブを受け付けたときに算出した消費電力量がしきい値以上の場合は、印刷が実行されない構成であってもよい。
【0074】
いま、第1実施形態の変形を例に挙げて説明する。図16は、この変形例に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図16に示すカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、基本的には図3に例示した構成と同じであるが、上述のCO2排出量算出部82の代わりに、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷が行われた場合における消費電力量を算出する消費電力量算出部85が、CPU80の機能に含まれる点が異なる。その他は、上述の第1実施形態と同じである。
【0075】
図17は、変形例のCPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。ステップS71〜ステップS73の内容は、図4のステップS1〜ステップS3の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。ステップS74において、消費電力量算出部85は、所定枚数当たりの消費電力量を算出する。より具体的には、消費電力量算出部85は、ステップS71で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS73で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数(印刷枚数に相当)と、予め記憶部40に記憶されたデータテーブルとから、所定枚数(上述したように任意に変更可能)当たりの消費電力量を算出する。さらに詳述すると、データテーブルには、印刷データの数と、所定枚数当たりの消費電力量との関係が記憶されているので、消費電力量算出部85は、ステップS71で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS73で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数に対応する消費電力量を、データテーブルから読み出す。これにより、所定枚数当たりの消費電力量が求められるという具合である。なお、これに限らず、消費電力量の算出方法は任意である。
【0076】
消費電力量算出部85が、所定枚数当たりの消費電力量を算出した後(上述のステップS74の後)、制御部83は、当該所定枚数当たりの消費電力量が目標値(しきい値)を下回るか否かを判定する(ステップS75)。所定枚数当たりの消費電力量が目標値を下回ると判定した場合、制御部83は、ステップS71で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS73で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷データを実行するように印刷部2を制御する(ステップS76)。一方、所定枚数当たりの消費電力量が目標値以上であると判定した場合、制御部83は、受付部81で、印刷の実行を許可する許可情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS77)。ステップS77およびステップS78の内容は、図4のステップS7およびステップS8の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。なお、上述の第2実施形態についても、上記と同様の変形が可能である。
【0077】
要するに、本発明の画像形成装置は、印刷ジョブを受け付けたときに算出した環境負荷情報(環境に与える負荷を示す情報)がしきい値以上の場合は、印刷を実行せずに、その受け付けた印刷ジョブを記憶部40に記憶するものであればよい。そして、環境負荷情報としては、上述の第1実施形態および第2実施形態のようにCO2排出量を採用することもできるし、消費電力量を採用することもできる。
【0078】
(変形例4)
上述の第1実施形態および第2実施形態において、CO2排出量算出部82によるCO2排出量の算出方法は任意である。例えば画像形成装置100は、環境温度を測定するための測定部(不図示)をさらに備え、CO2排出量算出部82は、当該測定部により測定された環境温度を用いて、CO2排出量を求めることもできる。
【0079】
一例を挙げると、CO2排出量は、以下の式(1)を用いて求めることができる。
X=α+β+γ+ζ ・・・(1)
上記式(1)におけるXは、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行した場合における総CO2排出量である。式(1)におけるαは、電力の消費により発生するCO2排出量であり、ウォームアップを含む印刷動作で消費される電力量から算出される。ここでは、CO2排出量算出部82は、環境温度を考慮して算出した消費電力量から、CO2発生量を求める。より具体的には、CO2排出量算出部82は、環境温度、記録紙Pの種類およびサイズ等のパラメータと、当該パラメータに対応する消費電力量との関係が記録されたデータテーブルを用いて、測定部で測定された環境温度、記録紙Pの種類およびサイズ等に対応する消費電力量を読み出す。そして、CO2排出量算出部82は、その読み出した消費電力量からCO2排出量を算出する。例えば、CO2排出量算出部82は、消費電力量とCO2排出量との関係が記録されたデータテーブルを用いて、読み出した消費電力量に対応するCO2排出量を求めてもよい。
【0080】
上記式(1)におけるβは、記録紙Pの消費により発生するCO2排出量である。CO2排出量算出部82は、記録紙Pの種類(重量、サイズおよび再生紙率等)、印刷枚数などから、上記βを算出する。上記式(1)におけるγは、トナーの消費により発生するCO2排出量である。CO2排出量算出部82は、印刷時に消費されるトナーの量や種類等から、上記γを算出する。さらに、式(1)におけるζは、その他の資源の消費により発生するCO2排出量である。CO2排出量算出部82は、ステープル、定着オイル等の消費量(その他の資源の消費量)から、上記ζを算出する。そして、αとβとγとζとを加算することで、総CO2排出量Xが求められる。
【0081】
例えば前述の所定枚数が「1」枚に設定されていた場合、CO2排出量算出部82は、上記式(1)を用いて算出した総CO2排出量Xを、印刷枚数(印刷ジョブに含まれる印刷データの数)で割ることにより、1枚当たりのCO2排出量を算出することができる。以上の例によれば、環境温度を考慮せずに、CO2排出量を算出する構成に比べて、CO2排出量の算出精度を向上させることができる。なお、ここでは、環境負荷情報としてCO2排出量を採用した場合を例に挙げて説明したが、例えば環境負荷情報として消費電力量を採用した場合においても同様に、環境温度を用いて消費電力量を求めることができる。
【0082】
(変形例5)
例えば、上述のCPU80は、画像形成装置と接続されたサーバ装置に搭載されてもよい。図18は、上述のCPU80が搭載されたサーバ装置400のハードウェア構成例を示す図である。図18に示すように、サーバ装置400は、上述の通信I/F部30と、上述の記憶部40と、上述の画像処理部50と、上述のCPU80と、I/F部91とを備え、それぞれがバスB2で相互に接続されている。図18の例では、サーバ装置400は専用線90を介して画像形成装置500と接続される。I/F部91は、サーバ装置400を画像形成装置500に接続するための手段であり、I/F部91には専用線90が接続される。
【0083】
また、図18に示すように、画像形成装置500は、I/F部92と、上述の印刷部2と、上述の操作表示部60と、上述のその他I/F部70とを備え、それぞれがバスB3で接続されている。I/F部92は、画像形成装置500をサーバ装置400に接続するための手段であり、I/F部92には専用線90が接続される。画像形成装置500は、サーバ装置400のCPU80の制御の下、印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する。図18の例では、サーバ装置400に搭載されたCPU80が、上述の各実施形態で説明した処理を実行するという具合である。
【0084】
(変形例6)
上述の第5実施形態では、「CO2削減モード」、「CO2削減優先モード」、「時間モード」、「通常モード」のうちの何れかの動作モードを選択できる例を挙げたが、動作モードの種類および組み合わせは任意である。例えば動作モードとして、「CO2削減モード」と「通常モード」があり、ユーザーは、操作表示部60やPC300の操作等により、「CO2削減モード」および「通常モード」のうちの何れかを選択できるものであってもよい。
【0085】
(変形例7)
なお、上述の画像形成装置100やサーバ装置400で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0086】
さらに、上述の画像形成装置100やサーバ装置400で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、画像形成装置100やサーバ装置400で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 スキャナ部
2 印刷部
7 本体給紙トレイ
8 バンク給紙トレイ
9 手差しトレイ
10 感光体ドラム
11 現像装置
12 帯電装置
13 クリーニング装置
14 一次転写ローラ
15 露光装置
16 中間転写ベルト
17 駆動ローラ
18 二次転写ローラ
19 テンションローラ
22 レジストローラ対
23 定着装置
30 通信I/F部
40 記憶部
42 HDD
44 ROM
46 RAM
50 画像処理部
60 操作表示部
70 その他I/F部
81 受付部
82 CO2排出量算出部
83 制御部
84 クロック部
85 消費電力量算出部
90 専用線
91 I/F部
92 I/部部
100 カラー画像形成装置
200 ネットワーク
300 PC
400 サーバ装置
500 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2003−150695号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、サーバ装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品が生産されてから廃棄されるまでの過程で環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、画像形成時の環境負荷情報を算出する画像形成装置が開示されている。より具体的には、特許文献1に開示された画像形成装置は、印刷条件と画像データのドット数とに基づいて、CO2排出量(環境負荷情報)を算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、画像形成時の環境負荷情報を算出するのみであり、例えばCO2排出量が目標値を超える場合であっても、印刷は実行されるので、結局、環境に与える負荷を低減することはできないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、環境に与える負荷を低減可能な画像形成装置、サーバ装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、前記印刷部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷部に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の画像形成装置は、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、前記印刷部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷部に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のサーバ装置は、印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のサーバ装置は、印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記画像形成装置を制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプログラムは、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する第2ステップと、前記第2ステップで算出された前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明のプログラムは、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第2ステップと、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を前記印刷部に実行させる第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、環境に与える負荷を低減可能な画像形成装置、サーバ装置およびプログラムを提供できるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、カラー画像形成装置の概略構成例を示す図である。
【図2】図2は、印刷部の構成の一例を示す模式図である。
【図3】図3は、第1実施形態のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、印刷枚数とCO2排出量との関係を示す図である。
【図6】図6は、印刷枚数と、総CO2排出量および1枚当たりのCO2排出量との関係を示す図である。
【図7】図7は、所定枚数の設定画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、目標値の設定画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、セキュリティレベルの設定画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図11】図11は、第2実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第3実施形態のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図13】図13は、第3実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、第4実施形態のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第5実施形態のCPUが実行するモード設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、変形例のカラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図17】図17は、変形例のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、CPUが搭載されたサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、サーバ装置およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では、画像形成装置として、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも何れかの機能を有する複合機を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
<A:第1実施形態>
図1は、電子写真方式のカラー画像形成装置100の概略構成例を示す図である。図1に示すように、カラー画像形成装置100は、画像読取装置であるスキャナ部1と、印刷部(画像形成部)2とを有する。また、印刷部2の下部には、本体給紙トレイ7、バンク給紙トレイ8が設けられている。さらに、カラー画像形成装置100の本体部には、手差しトレイ9が設けられている。
【0016】
スキャナ部1は、読み取り対象の原稿の画像データを読み取る。より具体的には、スキャナ部1は、光源で原稿を照射しながら原稿を走査し、原稿からの反射光をCCDセンサで光電変換することにより、原稿の画像データを生成する。スキャナ部1で読み取られた画像データは、不図示の画像処理ユニットに供給される。画像処理ユニットは、スキャナ部1から送られた画像データに対して、ガンマ補正、色変換処理、画像分離処理、階調処理(ハーフトーン処理)等の画像処理を実行する。画像処理後の画像データは、印刷部2に含まれる後述の露光装置(書き込みユニット)15へ供給される。
【0017】
図2は、印刷部2の構成の一例を示す模式図である。印刷部2は、4つの感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kと、その各感光体ドラムの表面上に形成された潜像を互いに異なる色のトナー像にそれぞれ現像する複数の現像装置11Y,11M,11C,11Kと、露光装置15と、異なる色のトナー像がそれぞれ重ね合わされて転写(一次転写)される中間転写ベルト16とを有する。
【0018】
中間転写ベルト16は、無端状のベルトであり、駆動ローラ17とテンションローラ19の2軸によって支持されている。中間転写ベルト16の上部側には、ブラック(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色用の4個の感光体ドラム10が、中間転写ベルト16の回動方向Aに沿って順番に配置される。感光体ドラム10の周囲には、上述の現像装置11、帯電装置12、クリーニング装置13、および、一次転写装置を構成する一次転写ローラ14が配置される。また、感光体ドラム10の上方には、露光装置15が配置される。露光装置15は、レーザ光を出射するレーザーダイオードを備え、不図示の画像処理ユニットから供給される画像データ(画像処理後の画像データ)に応じて、レーザーダイオードの駆動を変調する。
【0019】
感光体ドラム10は、図2のB方向に回転するように駆動される。帯電装置12は、感光体ドラム10の表面を所定の極性に帯電する。そして、その帯電面には、露光装置15から出射されるレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。現像装置11は、不図示のトナー容器から搬出されるトナーを、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像に可視像化する。これにより、感光体ドラム10の表面にトナー像が形成される。
【0020】
各感光体ドラム10には、一次転写ローラ14がそれぞれ対向配置されている。中間転写ベルト16は、各一次転写ローラ14と感光体ドラム10との間に挟まれた状態で回動する。そして、一次転写ローラ14の作用によって、各感光体ドラム10の表面に形成されたトナー像が、中間転写ベルト16に転写(一次転写)される。このようにして、ブラック,シアン,マゼンタ,イエローのトナー像が、中間転写ベルト16上で正確に重ね合わされるように順次に転写されていき、フルカラーの合成カラー画像が形成される。一次転写後、中間転写ベルト16に転写されずに感光体ドラム10の表面に残留する未転写トナーは、クリーニング装置13で回収される。
【0021】
図2に示すように、中間転写ベルト16を挟んで、駆動ローラ17(二次転写対向ローラ)に対向して二次転写ローラ18が配置される。給紙トレイから記録媒体である記録紙Pが給紙されると、それがレジストローラ対22の回転によって所定のタイミングで、駆動ローラ17と二次転写ローラ18の間に送り込まれる。そして、二次転写ローラ18の作用によって、中間転写ベルト16に担持されている合成カラー画像が一括して記録紙Pに転写される。記録紙Pに転写されたトナー像は、定着装置23により熱と圧力で定着され、図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0022】
なお、ここでは、二次転写ローラを介して転写紙に転写する方式の例を示したが、これに限らず、記録紙Pに直接転写する方式の画像形成装置を用いてもよい。
【0023】
図3は、第1実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図3に示すように、カラー画像形成装置100は、ネットワーク200を介して、ホスト装置である複数のPC(Personal Computer)300と接続され、各PC300から、少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受信可能である。印刷ジョブは、当該印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷を要求する命令信号であり、印刷ジョブに含まれる印刷データの数(印刷枚数)は任意に設定され得る。印刷データは、PDL(Page Description Language)などの言語で記述される。
【0024】
図3に示すように、画像形成装置100は、通信I/F部30と、記憶部40と、画像処理部50と、上述の印刷部2と、操作表示部60と、その他I/F部70と、CPU(Central Processing Unit)80とを備え、それぞれがバスB1で相互に接続されている。
【0025】
通信I/F部30は、画像形成装置100をネットワーク200に接続するための手段であり、各PC300からの印刷ジョブを受信することができる。
【0026】
記憶部40は、HDD(Hard Disk Drive)42と、ROM(Read Only Memory)44と、RAM(Random Access Memory)46とを含む。記憶部40は、通信I/F部30で受信した印刷ジョブを記憶することができる。HDD42およびROM44は、不揮発性の半導体メモリであり、画像形成装置100で実行される各種のプログラムや各種のデータ(通信I/F部30で受信した印刷ジョブや後述のCO2排出量を算出するのに用いられるデータ等)を記憶する。RAM46は、HDD42やROM44に記憶された各種プログラムを実行する際に各種データを一時的に保持する揮発性の半導体メモリである。
【0027】
画像処理部50は、印刷ジョブに含まれる印刷データの画像処理を実行する。より具体的には、画像処理部50は、PDLなどのページ記述言語で記述された印刷データを、印刷部2が印刷可能な形式(例えばビットマップ形式)で描画された画像データに変換し、その画像データを印刷部2へ供給する。印刷部2は、CPU80の制御の下、画像処理部50から供給される画像データに基づいて、画像を記録紙Pに形成する(印刷を実行する)。言い換えれば、印刷部2は、CPU90の制御の下、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行する。
【0028】
操作表示部60は、各種画面や画像形成装置100に関する情報を表示するとともに、ユーザーが各種の操作入力を行うための手段である。詳細な図示は省略するが、操作表示部60は、各種画面や画像形成装置100に関する情報を表示するとともにユーザーからのタッチ入力を受け付ける表示パネルと、キーなどの操作デバイスとを備える。
【0029】
その他I/F部70には、スキャナ部1、記録紙Pにステープルやパンチ穴をあける機能等を有する周辺機、大量の記録紙Pをスタック可能な周辺機等が含まれる。要するに、その他I/F部70には、画像形成に必要なインタフェースが含まれる。
【0030】
CPU80は、画像形成装置100の各部を制御する手段である。CPU80が有する機能には、受付部81、CO2排出量算出部82、制御部83が含まれる。これらの機能は、CPU80がROM44に記憶された制御プログラムをRAM46に読み出して実行することにより実現される。なお、これに限らず、これらの機能を個別の回路(ハードウェア)で実現することもできる。
【0031】
受付部81は、通信I/F部30や操作表示部60からの各種入力を受け付ける。例えば受付部81は、通信I/F部30で受信した印刷ジョブを受け付ける。CO2排出量算出部82は、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷が行われた場合におけるCO2排出量を算出する。詳細な内容については後述する。制御部83は、受付部81で受け付けた各種入力やCO2排出量算出部82で算出されたCO2排出量などを用いて各種の制御を実行する。詳細な内容については後述する。
【0032】
図4は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、受付部81が印刷ジョブを受け付けたとき(ステップS1の結果:肯定)、制御部83は、記憶部40に印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS2)。記憶部40に印刷ジョブが存在すると判定した場合、制御部83は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブと、記憶部40に蓄積された印刷ジョブとを合算し(ステップS3)、処理はステップS4に移行する。一方、記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判定した場合、処理はステップS4に移行する。
【0033】
ステップS4において、CO2排出量算出部82は、所定枚数当たりのCO2排出量を算出する。上述のステップS2の結果が否定の場合、CO2排出量算出部82は、上述のステップS1で受け付けた印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷が実行された場合における所定枚数当たりのCO2排出量を算出する。一方、上述のステップS2の結果が肯定の場合、CO2排出量算出部82は、上述のステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる全印刷データに基づく印刷が実行された場合における所定枚数当たりのCO2排出量を算出する。以下、CO2排出量の算出方法の具体例を説明する。なお、ここでは、CO2排出量算出部82は、1枚当たりのCO2排出量を算出するものとする。
【0034】
CO2排出量算出部82は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数(印刷枚数に相当)と、予め記憶部40に記憶されたデータテーブルとから、1枚当たりのCO2排出量を算出する。さらに詳述すると、データテーブルには、印刷データの数と、1枚当たりのCO2排出量との関係が予め記憶されているので、CO2排出量算出部82は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数に対応するCO2排出量を、データテーブルから読み出す。これにより、1枚当たりのCO2排出量が求められるという具合である。
【0035】
図5および図6は、印刷枚数(印刷データの数)と、当該印刷枚数に対応する総CO2排出量および1枚当たりのCO2排出量との関係を示す図である。図5および図6に示すように、例えば印刷枚数が「1」の場合は、総CO2排出量および1枚当たりのCO2排出量は5000gとなる。仮に、1つの印刷データを含む印刷ジョブを10回繰り返した場合は、印刷準備(定着装置23のウォームアップ等)→印刷という工程を10回繰り返すことになり、総CO2排出量は、5000×10=50000gとなる。これに対して、印刷枚数が「10」の場合(10の印刷データを含む印刷ジョブを実行した場合)は、印刷準備が1度で済むので、総CO2排出量は7700gとなり、1枚当たりのCO2排出量は770gとなる(図5および図6参照)。すなわち、印刷枚数が増大するほど、1枚当たりのCO2排出量は減少する。
【0036】
再び図4に戻って説明を続ける。CO2排出量算出部82が、1枚当たりのCO2排出量を算出した後(上述のステップS4の後)、制御部83は、当該1枚当たりのCO2排出量が目標値(しきい値)を下回るか否かを判定する(ステップS5)。1枚当たりのCO2排出量が目標値を下回ると判定した場合、制御部83は、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する(ステップS6)。より具体的には、制御部83は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷データを実行するように印刷部2を制御する。本実施形態では、印刷部2による印刷が完了すると、制御部83は、記憶部40に蓄積されていた印刷ジョブを削除する。したがって、印刷部2による印刷が完了するたびに、記憶部40は印刷ジョブが存在しない状態に設定される。
【0037】
一方、1枚当たりのCO2排出量が目標値以上であると判定した場合、制御部83は、印刷の実行を許可する許可情報を受付部81で受け付けたか否かを判定する(ステップS7)。本実施形態では、ユーザーは、例えば操作表示部60の表示画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、許可情報を入力することができる。受付部81で許可情報を受け付けたと判定した場合、制御部83は、1枚当たりのCO2排出量が目標値以上であっても、ステップS1で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS3で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷データを実行するように印刷部2を制御する(ステップS6)。
【0038】
つまり、制御部83は、印刷ジョブを受け付けたときに算出した所定枚数当たりのCO2排出量がしきい値以上であっても、受付部81で許可情報を受け付けた場合は、印刷を実行するように印刷部2を制御する。すなわち、本実施形態によれば、最終的には、ユーザーの意思で印刷を実行させることができるので、CO2排出量がしきい値を下回るまで印刷が実行されないという不具合を招くことはない。
【0039】
一方、上述のステップS7において、受付部81で許可情報を受け付けていないと判定した場合、制御部83は、ステップS1で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録(蓄積)する(ステップS8)。そして、処理は再びステップS1に戻される。
【0040】
なお、本実施形態では、上述のステップS4でCO2排出量算出部82によって算出される所定枚数当たりのCO2排出量の一例として、1枚当たりのCO2排出量が算出される例を説明したが、これに限らず、上記所定枚数は任意に変更可能である。図7は、操作表示部60に表示された、所定枚数の設定画面の一例を示す図である。例えばユーザーは、画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、所定枚数の値を可変に設定できる。なお、これに限らず、ユーザーが、所定枚数の値をPCなどの端末装置に入力し、その入力情報がネットワーク経由で画像形成装置100に送信されることにより、所定枚数の値が、その入力情報が示す値に設定されてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、上述のステップS5での判断基準となる目標値(しきい値)も任意に変更可能である。図8は、操作表示部60に表示された、目標値の設定画面の一例を示す図である。例えばユーザーは、画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、目標値を可変に設定できる。また、これに限らず、上述したように、ネットワーク経由で目標値を可変に設定することもできる。
【0042】
さらに、本実施形態では、セキュリティレベルの設定入力を受付部81で受け付けた場合、CPU80(制御部83)は、その受け付けたセキュリティレベルに応じて、許可情報を入力可能なユーザーを制限する機能を有する。図9は、操作表示部60に表示された、セキュリティレベルの設定画面の一例を示す図である。図9の例では、セキュリティレベルは、「レベルA」、「レベルB」、「レベルC」、「なし」の4段階に分かれている。例えばユーザーは、画面のタッチ操作やデバイスの操作を行うことにより、セキュリティレベルを可変に設定することができる。また、これに限らず、上述したように、ネットワーク経由でセキュリティレベルを可変に設定することもできる。
【0043】
図9の例では、セキュリティレベルが「なし」に設定された場合は、誰でも許可情報を入力することが可能になる。つまり、この場合は、許可情報の入力制限は行われない。セキュリティレベルが「レベルC」に設定された場合は、予めグルーピングされているメンバーのみが許可情報を入力することが可能になる。グルーピングされるメンバーは各ユーザーで設定可能であるが、IPアドレス等で自動的に振り分けてもよい。セキュリティレベルが「レベルB」に設定された場合は、例えば所定の部署のセキュリティ担当者のみが許可情報を入力することが可能になる。セキュリティレベルが「レベルA」に設定された場合は、あるユーザー本人のみが許可情報を入力することが可能になるという具合である。なお、これは一例であり、許可情報を入力可能なユーザーを制限する方法は任意である。
【0044】
以上に説明したように、本実施形態では、CPU80(制御部83)は、印刷ジョブを受け付けたときに算出したCO2排出量がしきい値以上の場合は、印刷部2による印刷を実行させないので、印刷ジョブを受け付けるたびに、無条件に印刷を実行する構成に比べて、環境に与える負荷を低減できるという有利な効果を奏する。
【0045】
<B:第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図10に示すカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、基本的には図3に例示した構成と同じであるが、CPU80が有する機能の中に、現在時刻をカウントするリアルタイムクロック機能を有するクロック部84が含まれる点が異なる。以下では、上述の第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、第1実施形態と重複する部分については適宜に説明を省略する。
【0046】
図11は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図11のステップS11〜ステップS13の内容は、図4のステップS1〜ステップS3の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。図11のステップS12において、記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判断した場合、制御部83は、印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長を示す要求受付経過時間の計測を開始する(ステップS14)。ここでの要求受付経過時間は、記憶部40に印刷ジョブが存在しない状態で最初の印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長であると捉えることもできる。そして、処理はステップS15に移行する。ステップS15〜ステップS18の内容は、図4のステップS4〜ステップS7の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0047】
ステップS18で、受付部81で許可情報を受け付けていないと判定した場合、制御部83は、上述の要求受付経過時間が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS19)。ステップS19において、制御部83は、要求受付経過時間が所定値以上であると判定した場合は、ステップS11で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS13で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する(ステップS17)。一方、ステップS19において、制御部83は、要求受付経過時間が所定値未満であると判定した場合は、ステップS11で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録(蓄積)する(ステップS20)。そして、処理は再びステップS11に戻される。
【0048】
以上に説明したように、本実施形態では、CPU80(制御部83)は、印刷ジョブを受け付けたときに算出した所定枚数当たりのCO2排出量がしきい値以上であって、かつ、受付部81で許可情報を受け付けていなくても、記憶部40に印刷ジョブが存在しない状態で最初の印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長(要求受付経過時間)が所定値以上である場合は、印刷を実行するように印刷部2を制御するので、CO2排出量がしきい値を下回るか、許可情報が入力されない限り印刷が実行されない場合に比べて、印刷の待ち時間が無駄に長くなることを防止できる。
【0049】
<C:第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る画像形成装置は、CO2排出量を算出しない点で上述の各実施形態と相違する。より具体的には、本実施形態に係る画像形成装置は、印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、印刷を実行せずに当該印刷ジョブを蓄積し、所定の時間長が経過した後に、まとめて印刷を実行する点で上述の各実施形態と相違する。また、詳しくは後述するが、本実施形態では、ユーザーは、PCなどを介して、画像形成装置100に印刷ジョブを与えるときに、当該印刷ジョブが終了する時刻(終了時刻)を指定する情報(「終了時刻パラメータ」と呼ぶ)を当該印刷ジョブに付加することができる。以下では、上述の各実施形態と相違する部分を中心に説明し、各実施形態と重複する部分については適宜に説明を省略する。
【0050】
図12は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図12に示すカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、基本的には図10に例示した構成と同じであるが、CPU80が有する機能の中に、CO2排出量算出部82が含まれない点が異なる。
【0051】
図13は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、受付部81は、印刷ジョブを受け付けたか否かを判定する(ステップS21)。受付部81が印刷ジョブを受け付けたと判定した場合、制御部83は、その受け付けた印刷ジョブに終了時刻パラメータが付加されているか否かを判定する(ステップS22)。終了時刻パラメータが付加されていないと判定した場合、制御部83は、記憶部40に印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS23)。記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判定した場合、制御部83は、上述の要求受付経過時間(記憶部40に印刷ジョブが存在しない状態で最初の印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長)の計測を開始し(ステップS24)、処理はステップS25に移行する。記憶部40に印刷ジョブが存在すると判定された場合、処理はステップS25に移行する。
【0052】
ステップS25では、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録(蓄積)し、処理はステップS26に移行する。ステップS26では、制御部83は、上述の要求受付経過時間が、予め定められた時間長の規定時間以上であるか否かを判定する。要求受付経過時間が規定時間以上であると判定した場合、制御部83は、印刷を実行するように印刷部2を制御する(ステップS27)。より具体的には、制御部83は、記憶部40に記憶された全ての印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する。一方、要求受付経過時間が規定時間未満の場合は、処理は上述のステップS21に戻される。
【0053】
上述のステップS22において、終了時刻パラメータが付加されていると判定した場合、制御部83は、規定時間を変更する必要があるか否かを判定する(ステップS28)。例えば、制御部83は、現在における規定時間の設定値で、ユーザーの指定した時刻(複数ある場合は最も早い時刻)までに全ての印刷ジョブが完了するか否かを判定する。規定時間を変更する必要があると判定した場合、処理はステップS29に移行する。一方、規定時間を変更する必要は無いと判定した場合、処理は上述のステップS25に移行する。
【0054】
ステップS29において、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブと、記憶部40に蓄積された印刷ジョブとを合算する。記憶部40に印刷ジョブが存在しない場合は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブのみとなる。次に、制御部83は、ステップS29で合算した印刷ジョブの完了に要する時間長を示す出力時間を算出する(ステップS30)。
【0055】
次に、制御部83は、クロック部84が示す現在時刻と、ステップS30で算出した出力時間と、終了時刻パラメータが示す時刻とに基づいて、規定時間の値を設定する(ステップS31)。より具体的には、制御部83は、現在時刻と、ステップS30で算出した出力時間と、終了時刻パラメータが示す時刻とから、印刷を開始すべき時刻を示す印刷開始時刻を算出する。そして、現在時刻から印刷開始時刻までの時間長を規定時間として設定する。例えば、現在時刻が9時00分、出力時間が50分、終了時刻パラメータが示す時刻が13時00分の場合、印刷開始時刻は12時10分となり、規定時間は190分に設定されるという具合である。そして、処理は上述のステップS24に移行し、制御部83は、要求受付経過時間の計測を開始する。ここでの要求受付経過時間は、記憶部40に既に印刷ジョブが存在するか否かに関わらず、ステップS21で印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長(ステップS31で規定時間の設定が行われてから経過した時間長と捉えることもできる)となる。次に、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録する(ステップS25)。本実施形態では、印刷ジョブと、当該印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻とが対応付けられて記憶部40に記憶される。
【0056】
例えば上述のステップS28において、終了時刻パラメータが付加された印刷ジョブが既に記憶部40に存在する場合、制御部83は、ステップS21で受け付けた印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻と、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する終了時刻とを比較し、受け付けた印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻の方が、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する終了時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要があると判断できる。一方、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する終了時刻の方が、受け付けた印刷ジョブに付加された終了時刻パラメータが示す終了時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要は無いと判断できるといった具合である。
【0057】
また、上述のステップS21において、受付部81が印刷ジョブを受け付けていないと判定された場合、処理はステップS32に移行する。ステップS32において、制御部83は、記憶部40に印刷ジョブが存在するか否かを判定する。記憶部40に印刷ジョブが存在すると判定された場合、処理は上述のステップS26に移行する。記憶部40に印刷ジョブが存在しないと判定された場合、処理は上述のステップS21に戻される。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態では、CPU80(制御部83)は、要求受付経過時間が規定時間に到達するまでは、印刷部2に印刷を実行させずに、受け付けた印刷ジョブを記憶部40に蓄積し、要求受付経過時間が規定時間に到達した後に、記憶部40に蓄積された印刷ジョブをまとめて実行する。これにより、印刷ジョブを受け付けるたびに、当該印刷ジョブを実行する場合に比べて、1枚当たりのCO2排出量を低減できるという利点がある。
【0059】
<D:第4実施形態>
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態では、ユーザーは、PCなどを介して、画像形成装置100に印刷ジョブを与えるときに、当該印刷ジョブが開始する時刻(開始時刻)を指定する情報(「開始時刻パラメータ」と呼ぶ)を当該印刷ジョブに付加することができる点で上述の第3実施形態と相違する。以下では、上述の第3実施形態と相違する部分を中心に説明し、第3実施形態と重複する部分については適宜に説明を省略する。
【0060】
第4実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、図12に例示した構成と同じであるので、詳細な説明は省略する。図14は、CPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。まず、受付部81は、印刷ジョブを受け付けたか否かを判定する(ステップS41)。受付部81が印刷ジョブを受け付けたと判定した場合、制御部83は、その受け付けた印刷ジョブに開始時刻パラメータが付加されているか否かを判定する(ステップS42)。開始時刻パラメータが付加されていないと判定された場合、処理はステップS43に移行する。ステップS43〜ステップS47の内容は、図13のステップS23〜ステップS27の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
一方、上述のステップS42において開始時刻パラメータが付加されていると判定された場合、処理はステップS48に移行する。ステップS48では、制御部83は、規定時間を変更する必要があるか否かを判定する。例えば、制御部83は、現在における規定時間の設定値で、ユーザーの指定した時刻に印刷ジョブが開始するか否かを判定する。規定時間を変更する必要があると判定した場合、処理はステップS49に移行する。一方、規定時間を変更する必要は無いと判定した場合、処理はステップS45に移行する。
【0062】
ステップS49において、制御部83は、規定時間を設定する。より具体的には、制御部83は、クロック部84が示す現在時刻と、開始時刻パラメータが示す開始時刻との差分の時間長を規定時間として設定する。例えば、現在時刻が9時00分、開始時刻パラメータが示す時刻が12時00分の場合、規定時間は180分に設定されるという具合である。そして、処理はステップS44に移行し、制御部83は、要求受付経過時間の計測を開始する。ここでの要求受付経過時間は、記憶部40に既に印刷ジョブが存在するか否かに関わらず、ステップS41で印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長(ステップS49で規定時間の設定が行われてから経過した時間長と捉えることもできる)となる。次に、制御部83は、ステップS41で受け付けた印刷ジョブを記憶部40に登録する(ステップS45)。本実施形態では、印刷ジョブと、当該印刷ジョブに付加された開始時刻パラメータが示す開始時刻とが対応付けられて記憶部40に記憶される。
【0063】
例えば上述のステップS48において、開始時刻パラメータが付加された印刷ジョブが既に記憶部40に存在する場合、制御部83は、ステップS41で受け付けた印刷ジョブに付加された開始終了パラメータが示す終了時刻と、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する開始時刻とを比較し、受け付けた印刷ジョブに付加された開始時刻パラメータが示す開始時刻の方が、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する開始時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要があると判断できる。一方、記憶部40に記憶された印刷ジョブに対応する開始時刻の方が、受け付けた印刷ジョブに付加された開始時刻パラメータが示す開始時刻よりも早い場合は、規定時間を変更する必要は無いと判断できるといった具合である。
【0064】
本実施形態においても、上述の第3実施形態と同様に、CPU80(制御部83)は、要求受付経過時間が規定時間に到達するまでは、印刷部2に印刷を実行させずに、受け付けた印刷ジョブを記憶部40に蓄積し、要求受付経過時間が規定時間に到達した後に、記憶部40に蓄積された印刷ジョブをまとめて実行するので、1枚当たりのCO2排出量を低減できるという利点がある。
【0065】
<E:第5実施形態>
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態では、ユーザーは、操作表示部60やPC300の操作等により画像形成装置100の動作モードを可変に設定することができる。ここでは、動作モードとして、上述の第1実施形態の動作に対応する「CO2削減モード」、第2実施形態の動作に対応する「CO2削減優先モード」、第3実施形態(または第4実施形態)の動作に対応する「時間モード」、および、印刷ジョブを受け付けるたびに、当該印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行する「通常モード」がある。
【0066】
図15は、CPU80が実行するモード設定処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すように、まず受付部81は、ユーザーによる「CO2削減モード」の選択入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS61)。受付部81が、「CO2削減モード」の選択入力を受け付けたと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「CO2削減モード」に設定する(ステップS62)。この場合、CPU80が実行する処理は、図4に示す内容となる。
【0067】
上述のステップS61において、「CO2削減モード」の選択入力を受け付けていないと判定した場合、受付部81は「CO2削減優先モード」の選択入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS63)。受付部81が、「CO2削減優先モード」の選択入力を受け付けたと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「CO2削減優先モード」に設定する(ステップS64)。この場合、CPU80が実行する処理は、図11に示す内容となる。
【0068】
上述のステップS63において、「CO2削減優先モード」の選択入力を受け付けていないと判定した場合、受付部81は「時間モード」の選択入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS65)。受付部81が、「時間モード」の選択入力を受け付けたと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「時間モード」に設定する(ステップS66)。この場合、CPU80が実行する処理は、図13または図14に示す内容となる。
【0069】
上述のステップS65において、「時間モード」の選択入力を受け付けていないと判定した場合、制御部83は、画像形成装置100の動作モードを「通常モード」に設定する(ステップS67)。この場合、CPU80は、従来と同様に、印刷ジョブを受け付けるたびに、当該印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行するように印刷部2を制御する。
【0070】
<F:変形例>
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下に変形例を記載する。なお、以下の変形例を任意に組み合わせることも可能である。
【0071】
(変形例1)
上述の第1実施形態および第2実施形態では、制御部83は、印刷ジョブを受け付けたときに算出したCO2排出量がしきい値以上であっても、受付部81で許可情報を受け付けた場合は、印刷を実行するように印刷部2を制御しているが、これに限らず、例えば上述の許可情報の入力が行われない構成であってもよい。例えば図4のステップS7が存在しない構成であってもよいし、図11のステップS18が存在しない構成であってもよい。
【0072】
(変形例2)
上述の第3実施形態および第4実施形態では、画像形成装置100に与える印刷ジョブの終了時刻や開始時刻を指定可能な構成であるが、これに限らず、画像形成装置100に与える印刷ジョブの終了時刻や開始時刻を指定することができない構成であってもよい。例えば図13のステップS22、ステップS28〜ステップS31が存在しない構成であってもよいし、図14のステップS42、ステップS48およびステップS49が存在しない構成であってもよい。
【0073】
(変形例3)
上述の第1実施形態および第2実施形態では、印刷ジョブを受け付けたときに算出したCO2排出量がしきい値以上の場合は、印刷が実行されない例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、印刷ジョブを受け付けたときに算出した消費電力量がしきい値以上の場合は、印刷が実行されない構成であってもよい。
【0074】
いま、第1実施形態の変形を例に挙げて説明する。図16は、この変形例に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図16に示すカラー画像形成装置100のハードウェア構成は、基本的には図3に例示した構成と同じであるが、上述のCO2排出量算出部82の代わりに、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷が行われた場合における消費電力量を算出する消費電力量算出部85が、CPU80の機能に含まれる点が異なる。その他は、上述の第1実施形態と同じである。
【0075】
図17は、変形例のCPU80が実行する処理の一例を示すフローチャートである。ステップS71〜ステップS73の内容は、図4のステップS1〜ステップS3の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。ステップS74において、消費電力量算出部85は、所定枚数当たりの消費電力量を算出する。より具体的には、消費電力量算出部85は、ステップS71で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS73で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数(印刷枚数に相当)と、予め記憶部40に記憶されたデータテーブルとから、所定枚数(上述したように任意に変更可能)当たりの消費電力量を算出する。さらに詳述すると、データテーブルには、印刷データの数と、所定枚数当たりの消費電力量との関係が記憶されているので、消費電力量算出部85は、ステップS71で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS73で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データの数に対応する消費電力量を、データテーブルから読み出す。これにより、所定枚数当たりの消費電力量が求められるという具合である。なお、これに限らず、消費電力量の算出方法は任意である。
【0076】
消費電力量算出部85が、所定枚数当たりの消費電力量を算出した後(上述のステップS74の後)、制御部83は、当該所定枚数当たりの消費電力量が目標値(しきい値)を下回るか否かを判定する(ステップS75)。所定枚数当たりの消費電力量が目標値を下回ると判定した場合、制御部83は、ステップS71で受け付けた印刷ジョブ、または、ステップS73で合算した印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷データを実行するように印刷部2を制御する(ステップS76)。一方、所定枚数当たりの消費電力量が目標値以上であると判定した場合、制御部83は、受付部81で、印刷の実行を許可する許可情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS77)。ステップS77およびステップS78の内容は、図4のステップS7およびステップS8の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。なお、上述の第2実施形態についても、上記と同様の変形が可能である。
【0077】
要するに、本発明の画像形成装置は、印刷ジョブを受け付けたときに算出した環境負荷情報(環境に与える負荷を示す情報)がしきい値以上の場合は、印刷を実行せずに、その受け付けた印刷ジョブを記憶部40に記憶するものであればよい。そして、環境負荷情報としては、上述の第1実施形態および第2実施形態のようにCO2排出量を採用することもできるし、消費電力量を採用することもできる。
【0078】
(変形例4)
上述の第1実施形態および第2実施形態において、CO2排出量算出部82によるCO2排出量の算出方法は任意である。例えば画像形成装置100は、環境温度を測定するための測定部(不図示)をさらに備え、CO2排出量算出部82は、当該測定部により測定された環境温度を用いて、CO2排出量を求めることもできる。
【0079】
一例を挙げると、CO2排出量は、以下の式(1)を用いて求めることができる。
X=α+β+γ+ζ ・・・(1)
上記式(1)におけるXは、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく印刷を実行した場合における総CO2排出量である。式(1)におけるαは、電力の消費により発生するCO2排出量であり、ウォームアップを含む印刷動作で消費される電力量から算出される。ここでは、CO2排出量算出部82は、環境温度を考慮して算出した消費電力量から、CO2発生量を求める。より具体的には、CO2排出量算出部82は、環境温度、記録紙Pの種類およびサイズ等のパラメータと、当該パラメータに対応する消費電力量との関係が記録されたデータテーブルを用いて、測定部で測定された環境温度、記録紙Pの種類およびサイズ等に対応する消費電力量を読み出す。そして、CO2排出量算出部82は、その読み出した消費電力量からCO2排出量を算出する。例えば、CO2排出量算出部82は、消費電力量とCO2排出量との関係が記録されたデータテーブルを用いて、読み出した消費電力量に対応するCO2排出量を求めてもよい。
【0080】
上記式(1)におけるβは、記録紙Pの消費により発生するCO2排出量である。CO2排出量算出部82は、記録紙Pの種類(重量、サイズおよび再生紙率等)、印刷枚数などから、上記βを算出する。上記式(1)におけるγは、トナーの消費により発生するCO2排出量である。CO2排出量算出部82は、印刷時に消費されるトナーの量や種類等から、上記γを算出する。さらに、式(1)におけるζは、その他の資源の消費により発生するCO2排出量である。CO2排出量算出部82は、ステープル、定着オイル等の消費量(その他の資源の消費量)から、上記ζを算出する。そして、αとβとγとζとを加算することで、総CO2排出量Xが求められる。
【0081】
例えば前述の所定枚数が「1」枚に設定されていた場合、CO2排出量算出部82は、上記式(1)を用いて算出した総CO2排出量Xを、印刷枚数(印刷ジョブに含まれる印刷データの数)で割ることにより、1枚当たりのCO2排出量を算出することができる。以上の例によれば、環境温度を考慮せずに、CO2排出量を算出する構成に比べて、CO2排出量の算出精度を向上させることができる。なお、ここでは、環境負荷情報としてCO2排出量を採用した場合を例に挙げて説明したが、例えば環境負荷情報として消費電力量を採用した場合においても同様に、環境温度を用いて消費電力量を求めることができる。
【0082】
(変形例5)
例えば、上述のCPU80は、画像形成装置と接続されたサーバ装置に搭載されてもよい。図18は、上述のCPU80が搭載されたサーバ装置400のハードウェア構成例を示す図である。図18に示すように、サーバ装置400は、上述の通信I/F部30と、上述の記憶部40と、上述の画像処理部50と、上述のCPU80と、I/F部91とを備え、それぞれがバスB2で相互に接続されている。図18の例では、サーバ装置400は専用線90を介して画像形成装置500と接続される。I/F部91は、サーバ装置400を画像形成装置500に接続するための手段であり、I/F部91には専用線90が接続される。
【0083】
また、図18に示すように、画像形成装置500は、I/F部92と、上述の印刷部2と、上述の操作表示部60と、上述のその他I/F部70とを備え、それぞれがバスB3で接続されている。I/F部92は、画像形成装置500をサーバ装置400に接続するための手段であり、I/F部92には専用線90が接続される。画像形成装置500は、サーバ装置400のCPU80の制御の下、印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する。図18の例では、サーバ装置400に搭載されたCPU80が、上述の各実施形態で説明した処理を実行するという具合である。
【0084】
(変形例6)
上述の第5実施形態では、「CO2削減モード」、「CO2削減優先モード」、「時間モード」、「通常モード」のうちの何れかの動作モードを選択できる例を挙げたが、動作モードの種類および組み合わせは任意である。例えば動作モードとして、「CO2削減モード」と「通常モード」があり、ユーザーは、操作表示部60やPC300の操作等により、「CO2削減モード」および「通常モード」のうちの何れかを選択できるものであってもよい。
【0085】
(変形例7)
なお、上述の画像形成装置100やサーバ装置400で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0086】
さらに、上述の画像形成装置100やサーバ装置400で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、画像形成装置100やサーバ装置400で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 スキャナ部
2 印刷部
7 本体給紙トレイ
8 バンク給紙トレイ
9 手差しトレイ
10 感光体ドラム
11 現像装置
12 帯電装置
13 クリーニング装置
14 一次転写ローラ
15 露光装置
16 中間転写ベルト
17 駆動ローラ
18 二次転写ローラ
19 テンションローラ
22 レジストローラ対
23 定着装置
30 通信I/F部
40 記憶部
42 HDD
44 ROM
46 RAM
50 画像処理部
60 操作表示部
70 その他I/F部
81 受付部
82 CO2排出量算出部
83 制御部
84 クロック部
85 消費電力量算出部
90 専用線
91 I/F部
92 I/部部
100 カラー画像形成装置
200 ネットワーク
300 PC
400 サーバ装置
500 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2003−150695号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、
前記印刷部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷部に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記環境負荷情報が前記しきい値を下回る場合は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記環境負荷情報が前記しきい値以上であっても、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長が所定値以上の場合は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷の実行を許可する許可情報を受け付ける許可情報受付部を備え、
前記制御部は、前記許可情報受付部で前記許可情報を受け付けた場合は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
セキュリティレベルの設定入力を前記受付部で受け付けた場合、前記制御部は、その受け付けた前記セキュリティレベルに応じて、前記許可情報を入力可能なユーザーを制限する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記環境負荷情報は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷が行われた場合における所定枚数当たりのCO2排出量を示す情報である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
環境温度を測定する測定部をさらに備え、
前記算出部は、前記測定部で測定された前記環境温度を用いて、前記CO2排出量を算出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記環境負荷情報は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷が行われた場合における所定枚数当たりの消費電力量を示す情報である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
環境温度を測定する測定部をさらに備え、
前記算出部は、前記測定部で測定された前記環境温度を用いて、前記消費電力量を算出する、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、
前記印刷部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷部に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、
前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、
前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記画像形成装置を制御する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項13】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、
前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する第2ステップと、
前記第2ステップで算出された前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、
前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第2ステップと、
前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を前記印刷部に実行させる第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、
前記印刷部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷部に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記環境負荷情報が前記しきい値を下回る場合は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記環境負荷情報が前記しきい値以上であっても、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けてから経過した時間長が所定値以上の場合は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷の実行を許可する許可情報を受け付ける許可情報受付部を備え、
前記制御部は、前記許可情報受付部で前記許可情報を受け付けた場合は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
セキュリティレベルの設定入力を前記受付部で受け付けた場合、前記制御部は、その受け付けた前記セキュリティレベルに応じて、前記許可情報を入力可能なユーザーを制限する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記環境負荷情報は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷が行われた場合における所定枚数当たりのCO2排出量を示す情報である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
環境温度を測定する測定部をさらに備え、
前記算出部は、前記測定部で測定された前記環境温度を用いて、前記CO2排出量を算出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記環境負荷情報は、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷が行われた場合における所定枚数当たりの消費電力量を示す情報である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
環境温度を測定する測定部をさらに備え、
前記算出部は、前記測定部で測定された前記環境温度を用いて、前記消費電力量を算出する、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、
前記印刷部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷部に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記印刷部を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、
前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する算出部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに、前記受付部で受け付けた前記印刷ジョブを前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
印刷ジョブに含まれる少なくとも1つの印刷データに基づく印刷を実行する画像形成装置と接続されたサーバ装置であって、
前記印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記印刷ジョブを記憶する記憶部と、
前記画像形成装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記受付部で前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記画像形成装置に前記印刷を実行させずに当該印刷ジョブを前記記憶部に記憶し、前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を実行するように前記画像形成装置を制御する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項13】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、
前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けたときに、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する第2ステップと、
前記第2ステップで算出された前記環境負荷情報がしきい値以上の場合は、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
少なくとも1つの印刷データを含む印刷ジョブを受け付ける第1ステップと、
前記第1ステップで前記印刷ジョブを受け付けると、所定の時間長が経過するまでは、前記印刷データに基づく印刷を実行する印刷部に前記印刷を実行させずに、前記印刷ジョブを記憶部に記憶する第2ステップと、
前記所定の時間長が経過した後に、前記記憶部に記憶された前記印刷ジョブに含まれる前記印刷データに基づく前記印刷を前記印刷部に実行させる第3ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−192549(P2012−192549A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56446(P2011−56446)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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