説明

画像形成装置、動作モードの切り替え方法、及びプログラム

【課題】画像形成装置のアクティブモードとパッシブモードの2つのRFID通信方式を、状況に応じて適切に切り替えること。
【解決手段】画像形成装置10では、ICカード410に無線接続するための信号を発信するアクティブモードで動作している状態で、省電力状態に移行する場合、及び障害状態となった場合の少なくともいずれかの場合に、画像形成装置10の動作モードが、RFID通信装置400からの無線接続のための信号に反応してデュアルI/Fメモリ103へのアクセスを可能とするパッシブモードに切り替わることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の機器とRFID通信可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電波誘導を利用した非接触無線通信であるRFIDが、物流管理システム、ユーザ認証システム、電子マネーシステム、交通システムなどの様々な場で、認証システムとして利用されつつある。
【0003】
例えば、物流管理システムでは、固定に置かれているRFIDリーダライタが搬送される部品等に埋め込まれているRFIDタグを読み取り、種類や数量の検査を行うために使われている。
また、認証システムでは、複合機のログインをするためにICカードを複合機等の画像形成装置のRFID部にかざすことで、RFIDタグを読み取り、個人認証することができる。
【0004】
この種のRFID装置は、電力をもたないRFIDタグに電力を供給し、アクティブとして動作するタイプと、電力を供給されるパッシブとして動作するタイプの2つのタイプがある。
【0005】
パッシブとして動作するICカード等のRFIDタグは、電池を内蔵せずに外部のリーダ/ライタからの電波によって内部に必要な電力を生成し、外部のリーダ/ライタと通信を行う。一方、アクティブとして動作するRFID装置は電池等を内蔵し、自発的に情報を発信し通信を行う。このアクティブとして動作するRFID装置に関連する技術として、RFID部への電源供給オンオフ検出部が電源供給オフになるとパッシブ型へ切り替わる技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−302956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、RFID部を備える画像形成装置では、従来のように、単にRFID部への電源供給がオフになるとパッシブ型へ切り替わるだけでは、状況に応じて適切にRFID通信方法の切り替えを行っているとは言えない。
例えば、RFID部がアクティブ型で動作している画像形成装置に対して、アクティブ型のRFIDが通信をしようとしても、電波の干渉によりRFタグへ通信ができない等の各種問題が発生する。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、画像形成装置の2つのRFID通信方式であるアクティブモードとパッシブモードを、状況に応じて適切に切り替える仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像形成装置であって、外部の機器により無線アクセス可能な記憶手段と、当該画像形成装置の前記無線アクセスに関する動作モードを、外部の機器に無線接続するための信号を発信するアクティブモードと、外部の機器からの無線接続のための信号に反応して前記記憶手段へのアクセスを可能とするパッシブモードとで切り替える切替手段とを有し、当該画像形成装置が前記アクティブモードで動作している状態で、当該画像形成装置が省電力状態に移行する場合、及び、当該画像形成装置が障害状態となった場合の少なくともいずれかの場合に、前記動作モードが前記パッシブモードに切り替わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、画像形成装置の2つのRFID通信方式であるアクティブモードとパッシブモードを、状況に応じて適切に切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1を示す画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】アクティブ無線通信制御部105の詳細ブロック図である。
【図3】画像形成装置10起動時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第2の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第3の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第4の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第5の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例1におけるサービスモード画面の一例を示す図である。
【図10】実施例1における画像形成装置10がパッシブモードで動作する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施例1における画像形成装置10がパッシブモードで動作する場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施例2におけるRFIDコントローラ100の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
<実施例1のハードウェア構成>
図1は、本発明の実施例1を示す画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。なお、特に断らない限り、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、本発明を適用できることは言うまでもない。
【0014】
画像形成装置10は、例えばMFP(Multifunction Peripheral)等のデジタル複合機である。
画像形成装置10は、RFIDコントローラ100と、システムコントローラ200を有する。なお、画像形成装置10は、その機能に応じて、図示しないプリンタ部、スキャナ部、ファクシミリ部等を備える。
【0015】
RFIDコントローラ100は、アンテナマッチング101、デュアルインタフェースメモリ(デュアルI/Fメモリ)103、及び、アクティブ無線通信制御部105を有する。
【0016】
アンテナマッチング101は、RFIDの周波数帯のマッチングを行い、RFプロトコル102によりデュアルI/Fメモリ103にアクセスする。RFIDの周波数帯は、ISO/IECで標準化されている135KHz以下、13.56MHz、2.45GHz、860MHz〜960MHz、433MHzである。なお、RFIDコントローラ100と通信するデバイスとして、例えば、アクティブとして動作するRFID通信装置400や、パッシブとして動作するICカード410がある。なお、ICカードは、パッシブとして動作するRFID通信装置であってもよく、以下、これらをまとめてICカードと呼ぶ。
デュアルI/Fメモリ103は、外部の機器(RFID通信装置400やICカード410)により無線アクセス可能な記憶装置である。
【0017】
RFIDコントローラ100は、RFプロトコル102とI2Cプロトコル104の2つのプロトコルで通信可能であり、この2つのプロトコルの通信線がそれぞれデュアルI/Fメモリ103に接続されている。
【0018】
アクティブ無線通信制御部105には、I/Oコントローラ201からEnable/Disable信号106が入力される。アクティブ無線通信制御部105は、信号106がEnableであれば、アンテナマッチング101へ電源を供給する。この場合、RFIDコントローラ100は、アクティブとして動作し、パッシブで動作するICカード410と通信可能である。即ち、画像形成装置10はアクティブモードで動作する。
【0019】
一方、アクティブ無線通信制御部105は、信号106がDisableであれば、アンテナマッチング101へ電源を供給しない。この場合、RFIDコントローラ100は、パッシブとして動作し、アクティブで動作するRFID通信装置400と通信可能である。即ち、画像形成装置10は、パッシブモードで動作する。なお、この場合、上述のように、アンテナマッチング101へ電源が供給されないため、RFIDコントローラ100側からパッシブで動作するICカード410へは通信できない。
即ち、信号106は、画像形成装置10のRFID無線アクセスに関する動作モードを、外部の機器に無線接続するための信号を発信するアクティブモードと、外部の機器からの無線接続のための信号に反応してデュアルI/Fメモリ103へのアクセスを可能とするパッシブモードとで切り替える切替信号として機能する。
【0020】
RFIDコントローラ100は、画像形成装置10本体に電源供給されている場合は(画像形成装置10本体が電源オンの状態では)、画像形成装置10本体から電源供給を受け、上述のように、アクティブとパッシブとを切り替え、パッシブで動作するICカード410やアクティブで動作するRFID通信装置400と通信可能である。即ち、画像形成装置10は、相手側に電力を供給してRFIDの通信を行うアクティブ型と相手側から電力を供給されてRFIDの通信を行うパッシブ型とを切り替えて動作可能である。
【0021】
しかし、画像形成装置10本体に電源供給されていない場合は(画像形成装置10本体が電源オフの状態では)、画像形成装置10本体からRFIDコントローラ100への電源供給が無くなる。このため、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101へも電源が供給されず、RFIDコントローラ100は、パッシブとして動作することとなる。
【0022】
システムコントローラ200は、I/Oコントローラ201、メモリ202、CPU203、及び、ユーザI/F204を有する。
I/Oコントローラ201は、I2Cプロトコル104でデュアルI/Fメモリ103と通信する。CPU203は、ユーザI/F204の表示やユーザI/F204からの入力に対して、プログラムの処理を行うためのものである。I/Oコントローラ201は、メモリ202及びCPU203と接続されており、CPU203とデュアルI/Fメモリ103へデータをREAD/WRITEする。
【0023】
CPU203は、メモリ202の不揮発性記憶領域にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより、画像形成装置10全体の制御を行う。
【0024】
図2は、アクティブ無線通信制御部105の詳細ブロック図である。
アクティブ無線通信制御部105は、RFIDリーダ/ライタ・トランシーバ(RFID Reader/Writer Transciever)112と、プロセッサ113を有する。
【0025】
RFIDリーダ/ライタ・トランシーバ112は、アンテナマッチング101を介してRFID通信装置400と電力を供給するアクティブ型として通信する。また、RFIDリーダ/ライタ・トランシーバ112は、プロセッサ113と接続されている。プロセッサ113は、デュアルI/Fメモリ103からデータをリード/ライトし、RFIDリーダ/ライタ・トランシーバ112へ転送する。
【0026】
I/Oコントローラ201は、アクティブ無線通信制御部105へ動作モード(アクティブモード/パッシブモード)を切り替えるためのEnable/Disable信号106を送信する。
【0027】
I/Oコントローラ201が信号106をEnableにすることで、アクティブ無線通信制御部105はアンテナマッチング101へ電源を供給し、RFIDコントローラ100はアクティブ型でRFID通信を行う。即ち、画像形成装置10はアクティブモードで動作する。
【0028】
一方、I/Oコントローラ201が信号106をDisableにすることで、アクティブ無線通信制御部105はアンテナマッチング101へ電源を供給せず、RFIDコントローラ100はパッシブ型でRFID通信を行うことになる。即ち、画像形成装置10はパッシブモードで動作する。なお、パッシブ型でRFID通信を行う場合、データフローとしては、RFID通信装置400からアンテナマッチング101へデータが転送され、RFプロトコル102を介して、データがデュアルI/Fメモリ103へリード/ライトされる。
【0029】
<フローチャート>
図3は、画像形成装置10起動時の処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、システムコントローラ200のCPU203がメモリ202の不揮発性記憶領域にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0030】
画像形成装置10の電源オフ状態(S101)から電源オン状態(S102)になると、CPU203は、RFIDの初期設定がされていない場合は、アクティブモードとパッシブモードのいずれかを選択するための画面(不図示)をユーザI/F204に表示するように制御する(S103)。
【0031】
なお、アクティブモードでは、RFIDリーダ/ライタ・トランシーバ112が自発的に電波を発信し、ICカード410と通信する。この時のICカード410は電源をもたずにRFIDリーダ/ライタ・トランシーバ112から照射された電波を利用して電力とするデバイス(即ち、パッシブ型のRFID)である。
また、パッシブモードは、RFID通信装置400が自発的に電波を発信し、RFIDコントローラ100が照射された電波を利用して電力とし通信をする。
【0032】
CPU203は、ユーザI/F204上での、ユーザ選択操作を受け付け、ユーザ選択操作を検知すると、RFIDの初期設定値として、メモリ202内の不揮発性記憶領域に記憶し、S104に処理を進める。
なお、上述のRFIDの初期設定がされていない場合とは、メモリ202内の不揮発性記憶領域にRFIDの初期設定値が記憶されていない場合である。
【0033】
RFIDの初期設定がされている場合、即ち、メモリ202内の不揮発性記憶領域にRFIDの初期設定値が記憶されている場合、CPU203は、上記S103の処理をスキップしてS104に処理を進める。
【0034】
S104では、CPU203は、上記メモリ202内に記憶されるRFIDの初期設定値に基づいて、RFIDの初期設定としてアクティブモードが選択されたか否かを判定する。そして、アクティブモードが選択されたと判定した場合(S104でYes)、CPU203は、図4のS201へ処理を移行させる。
【0035】
一方、アクティブモードが選択されていない(パッシブモードが選択された)と判定した場合(S104でNo)、CPU203は、図10のS701へ処理を移行させる。
【0036】
以下、図4〜図9を参照して、実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の動作について説明する。
<第1の動作>
図4は、実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、システムコントローラ200のCPU203がメモリ202の不揮発性記憶領域にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0037】
図4では、画像形成装置10が通常モード(スリープモード等ではない)の場合、RFIDコントローラ100がアクティブモードで動作しているため、電源を持たないパッシブ型で動作するICカード等が認識できれば、RFIDコントローラ100をアクティブモードのまま動作させることを想定している。また、ユーザが課金カードとしてICカード410を利用し、認証からコピーが終了するまでカードを挿入しておき、最後に清算するという使い方も想定している。ただし、アクティブ型で動作するRFID通信装置400がアクティブモードで動作するRFIDコントローラ100と通信したい場合、電波が干渉して通信ができない。この時、RFIDコントローラ100をパッシブモードへ切り替えることで、RFID通信装置400がRFIDコントローラ100と通信することができる。
【0038】
まず、S201において、CPU203は、信号106をEnableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101へ電力を供給させ、RFIDコントローラ100をアクティブで動作させる。即ち、画像形成装置10をアクティブモードで動作させる。
【0039】
次に、CPU203は、アクティブモードで動作している状態(S201)で、RFIDリーダ/ライタ・トランシーバ112によりアクティブで動作するRFID通信装置400のデバイスIDをポーリングすることにより、アクティブ端末の検出を監視する(S202)。このとき、RFIDリーダ/ライタ・トランシーバ112がアクティブとして動作するRFID通信装置400の電波を検知するための検知部となる。
【0040】
そして、アクティブで動作するRFID通信装置400のデバイスIDが読み取れた、即ち、アクティブ端末を検出できと判定した場合(S202でYes)、CPU203は、S203に処理を進める。
【0041】
S203では、CPU203は、信号106をDisableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101への電力供給を停止させ、RFIDコントローラ100をパッシブに移行させる。即ち、画像形成装置10をパッシブモードに移行させる。
【0042】
パッシブモードに移行したら、RFIDコントローラ100によるデータ受信が可能となり、アクティブとして動作するRFID通信装置400がデータ転送を行うと、RFIDコントローラ100はデータ受信を開始する(S204)。
【0043】
そして、CPU203は、アクティブとして動作するRFID通信装置400がRFIDコントローラ100から離れたかどうか監視する(S205)。
なお、本実施例では、RFIDコントローラ100は、パッシブモードで動作する場合、アクティブとして動作するRFID通信装置400からのアクセスが終了すると、デュアルI/Fメモリ103内に保持されるフラグがONになるように構成されている。CPU203はこのフラグの値を、I2Cプロトコル104経由でポーリングし、このフラグがONになった場合に、アクティブとして動作するRFID通信装置400がRFIDコントローラ100から離れたと判断するものとする。
【0044】
そして、アクティブとして動作するRFID通信装置400がRFIDコントローラ100から離れたと判定した場合(S205でYes)、CPU203は、S206に処理を進める。
【0045】
S206では、CPU203は、信号106をEnableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101へ電力を供給させ、RFIDコントローラ100をアクティブに移行させる。即ち、画像形成装置10をアクティブモードに移行させる。
【0046】
以上の処理により、画像形成装置10がアクティブとして動作していて、サービスマン等がハンディ型のアクティブで動作するRFID通信装置400を画像形成装置10に近づけたことをRFIDコントローラ100が検知すると、RFIDコントローラ100をパッシブとして動作するモードに切り替える。これにより、RFIDコントローラ100とアクティブで動作するRFID通信装置400との電波干渉を防ぐことができる。
このように、2つの機器の通信方式がRFIDのアクティブ型である場合、一方のRFID装置をパッシブ型へ切り替えることで、2つのRFID装置間の電波干渉による通信障害を防止し、機器同士の通信が可能となる。
【0047】
そして、サービスマン等がハンディ型のアクティブで動作するRFID通信装置400を画像形成装置10から一定距離だけ離したことを検知すると、RFIDコントローラ100をアクティブとして動作するモードに切り替え、パッシブで動作するICカード410にアクセスすることができるようになる。
【0048】
なお、アクティブとして動作するRFID通信装置400がRFIDコントローラ100から離れても、アクティブモードへ移行せず、パッシブモードのまま動作させるように制御してもよい。即ち、S205、S206を実行しないようにしてもよい。
【0049】
また、図4のS203の処理を行う前に、即ち、RFIDコントローラ100をパッシブモードに移行する直前に、CPU203が、所定のデータをデュアルI/Fメモリ103内(RFID通信装置400側から読み出し可能なメモリブロック)に格納するように制御する構成であってもよい。なお、所定のデータとは、例えば、画像形成装置10本体のシリアル番号、ユーザ情報、エラー情報、ログ情報、ライセンス情報、カウンタ情報、課金情報、消耗品情報、トナー情報、ネットワーク情報等の各種設定情報、即ち、画像形成装置10の識別情報やユーザ情報、及び画像形成装置10の利用情報などを示す。ただし、所定のデータは、これらの情報に限定されるものではない。
【0050】
なお、上記ライセンス情報とは、画像形成装置10にインストールするアプリケーションプログラムのライセンス情報を示す。アプリケーションプログラムには、アプリケーションプログラムを画像形成装置にインストール等する際に、不正使用防止のため、ライセンス情報の設定が必要なものがある。例えば、ライセンス情報は、シリアル番号やライセンスコード等を用いて不図示のライセンスサーバにアクセスすることにより、該ライセンスサーバで発行されるものである。
【0051】
ここで、デュアルI/Fメモリ103のアクセス権について説明する。
デュアルI/Fメモリ103では、I2Cプロトコル104を介したシステムコントローラ200からの制御により、デュアルI/Fメモリ103の記憶領域を結合、分割指定することにより複数のメモリブロックとして扱うことができる。
【0052】
また、システムコントローラ200は、I2Cプロトコル104を介した制御により、各メモリブロックに対するアクセス権を設定できる。具体的には、I2C側からのアクセスとRFIDからのアクセスに対するアクセス権(リード権/ライト権)をそれぞれメモリブロック毎に設定できる。例えば、I2C側からのアクセス権は、全てのメモリブロックに対して、読み出しと書き込みの両方(リード/ライト)を許可するように設定する。また、RFID側からのアクセス権は、一部のメモリブロックは読み出し(リード)のみを許可し、他のメモリブロックは読み出しと書き込みの両方(リード/ライト)を許可するように設定する。
【0053】
なお、CPU203は、RFIDコントローラ100がアクティブモードに復帰した場合、デュアルI/Fメモリ103内に記録された設定情報を、画像形成装置10に適用する処理を行うように構成してもよい。
【0054】
以上のような構成により、アクティブモードとパッシブモードの2つのRFID通信方式を切り替えて動作可能な画像形成装置におけるRFID通信方式を、状況に応じて適切に切り替えることができる。その結果、アクティブで動作する画像形成装置10にアクティブで動作するRFID通信装置400が接近した場合でも、電波干渉を防き、RFID通信装置400を用いて、画像形成装置10の識別情報やユーザ情報、画像形成装置10の利用情報等の情報を取得したり、画像形成装置10に設定することが可能となる。
【0055】
<第2の動作>
図5は、実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第2の動作の一例を示すフローチャートであり、図4と同一のステップには同一のステップ番号を付し説明は省略する。
【0056】
アクティブモードで動作している状態(S201)で、画像形成装置10本体の電源がオフになると(S302でYes)、画像形成装置10本体からRFIDコントローラ100への電力供給が停止する。このため、デュアルI/Fメモリ103やアンテナマッチング101への電力供給が停止し、RFIDコントローラ100はパッシブモードに移行する(S303)。即ち、画像形成装置10がパッシブモードに移行する。なお、デュアルI/Fメモリ103は、電源オフの状態でも、アクティブで動作するRFID通信装置400からは通信可能である。
【0057】
なお、図5のS302及びS303の動作は、CPU203の制御によるものではないが、CPU203が以下のような制御を行う構成であってもよい。
例えば、画像形成装置10本体の電源オフ状態への移行をCPU203により監視し、電源オフへ移行する直前に、CPU203が、上述したような所定のデータをデュアルI/Fメモリ103内(RFID通信装置400から読み出し可能なメモリブロック)に格納するように制御してもよい。さらに、CPU203が、電源オフへ移行する直前に、RFIDコントローラ100をパッシブモードに移行させるように制御してもよい。即ち、画像形成装置10がパッシブモードに移行させるように制御してもよい。
【0058】
なお、CPU203は、画像形成装置10本体が電源オン状態となった場合、デュアルI/Fメモリ103内に記録された設定情報を、画像形成装置10に適用する処理を行うように構成してもよい。
【0059】
以上説明したように、画像形成装置10本体の電源オフ状態となった場合でも、アクティブとして動作するRFID通信装置400を用いて、画像形成装置10の識別情報やユーザ情報、画像形成装置10の利用情報等の情報を取得したり、画像形成装置10に設定することが可能となる。
【0060】
<第3の動作>
図6は、実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第3の動作の一例を示すフローチャートであり、図4と同一のステップには同一のステップ番号を付し説明は省略する。
【0061】
アクティブモードで動作している状態(S201)で、画像形成装置10本体がスリープモード(省電力状態)に移行すると(S402でYes)、画像形成装置10本体からRFIDコントローラ100への電力供給が停止する。このため、デュアルI/Fメモリ103やアンテナマッチング101への電力供給が停止し、RFIDコントローラ100はパッシブに移行する(S403)。即ち、画像形成装置10がパッシブモードに移行する。上述したように、デュアルI/Fメモリ103は、電源オフの状態でも、アクティブで動作するRFID通信装置400からは通信可能である。
【0062】
なお、スリープモードへの移行の条件は、ユーザI/F204、RFID、及び図示しないネットワークインタフェース等のいずれへのアクセスも一定時間なかった場合とし、システムコントローラ200で一定時間を設定することができる。
【0063】
その後、画像形成装置10本体がスリープモードから復帰すると(S404でYes)、画像形成装置10本体からRFIDコントローラ100への電力供給が再開される。これにより、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101への電力供給も再開され、RFIDコントローラ100はアクティブに移行する(S405)。即ち、画像形成装置10がアクティブモードに移行する。
【0064】
なお、図6のS402〜S405の動作は、CPU203の制御によるものではないが、CPU203が以下のような制御を行う構成であってもよい。
例えば、画像形成装置10本体のスリープモードへの移行をCPU203により監視し、スリープモードへ移行する直前に、即ち、RFIDコントローラ100がパッシブモードに移行することになる直前に、CPU203が、上述したような所定のデータをデュアルI/Fメモリ103内(RFID通信装置400から読み出し可能な領域)に格納するように制御する構成であってもよい。また、スリープモードへ移行する直前に、CPU203が、RFIDコントローラ100をパッシブに移行させ(画像形成装置10をパッシブモードに移行させ)、さらに、スリープモードから復帰した際に、CPU203が、RFIDコントローラ100をアクティブモードに移行させる(画像形成装置10をアクティブモードに移行させ)ように制御してもよい。
【0065】
なお、CPU203は、画像形成装置10本体がスリープモードから復帰した場合、デュアルI/Fメモリ103内に記録された設定情報を、画像形成装置10に適用する処理を行うように構成してもよい。
【0066】
以上説明したように、画像形成装置10本体がスリープモードに移行した場合でも、アクティブとして動作するRFID通信装置400を用いて、画像形成装置10の識別情報やユーザ情報、画像形成装置10の利用情報等の情報を取得したり、画像形成装置10に設定することが可能となる。
【0067】
<第4の動作>
図7は、実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第4の動作の一例を示すフローチャートであり、図4と同一のステップには同一のステップ番号を付し説明は省略する。なお、このフローチャートの処理は、システムコントローラ200のCPU203がメモリ202の不揮発性記憶領域にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0068】
CPU203は、アクティブモードで動作している状態(S201)で、画像形成装置10が異常状態(障害状態)になったかどうかを監視する(S502)。なお、異常状態とは、画像形成装置10のフリーズや、画像形成装置10でシステムエラー等の障害が発生した状態を示す。
【0069】
そして、画像形成装置10が異常状態になったと判定した場合(S502でYes)、CPU203は、S503に処理を進める。
S503では、CPU203は、信号106をDisableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101への電力供給を停止させ、RFIDコントローラ100をパッシブに移行させる。即ち、画像形成装置10をパッシブモードに移行させる。
【0070】
なお、図7のS503の処理を行う前に、即ち、RFIDコントローラ100をパッシブモードに移行する直前に、CPU203が、上述したような所定のデータをデュアルI/Fメモリ103内(RFID通信装置400から読み出し可能な領域)に格納するように制御する構成であってもよい。
【0071】
なお、CPU203は、画像形成装置10本体の異常状態が解除された場合、デュアルI/Fメモリ103内に記録された設定情報を、画像形成装置10に適用する処理を行うように構成してもよい。そしてさらに、RFIDコントローラ100をアクティブに移行させる(画像形成装置10をアクティブモードに移行させる)ように構成してもよい。
【0072】
なお、異常状態時にはユーザI/F204が操作できず画像形成装置10もシステムとして動作していないため、ICカード410を用いても画像形成装置10へログインすることができない。しかし、サービスマン等がアクティブとして動作するハンディタイプのRFID通信装置400を用いて、異常状態時でも、画像形成装置10の識別情報やユーザ情報、画像形成装置10の利用情報等の情報を取得したり、画像形成装置10に設定することが可能となる。
【0073】
<第5の動作>
図8は、実施例1において画像形成装置10がアクティブモードで動作する場合の第5の動作の一例を示すフローチャートであり、図4と同一のステップには同一のステップ番号を付し説明は省略する。なお、このフローチャートの処理は、システムコントローラ200のCPU203がメモリ202の不揮発性記憶領域にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0074】
CPU203は、アクティブモードで動作している状態(S201)で、画像形成装置10が特定モードに移行したかを監視する(S602)。なお、特定モードとは、例えばサービスマンが画像形成装置10をメンテナンスするときに使用するサービスモードを示す。アクティブモードで動作している画像形成装置10にICカードが近接された場合には、ICカードから該ICカード内に記憶されるデータが、デュアルI/Fメモリ103に書き込まれ、I/Oコントローラ201を介してCPU203が確認可能となる。即ち、CPU203はICカードを検出可能となる。CPU203は、RFIDコントローラ100を介して、ユーザの電子マネーカード(ICカード)を検出したら動作に応じた課金処理等を行い、一方、サービスマンのICカードを検出したら所定の動作選択画面をユーザI/F204に表示し、該動作選択画面で特定モードへの移行が選択されたことを検知すると、画像形成装置10を特定モードへ移行する。なお、上記課金処理は、ユーザの電子マネーカード内に記憶される電子マネーの残高情報を用いて印刷料金精算したり、該清算した金額の情報(課金情報)をメモリ202に記録する処理等を示す。
【0075】
画像形成装置10が特定モードに移行したと判定した場合(S602でYes)、CPU203は、S603に処理を進める。
S603では、CPU203は、信号106をDisableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101への電力供給を停止させ、RFIDコントローラ100をパッシブに移行させる。即ち、画像形成装置10をパッシブモードに移行させる。
【0076】
なお、図8には示していないが、CPU203は、RFIDコントローラ100をパッシブモードに移行する直前に(即ち、S603の直前に)、カウンタ情報、課金情報、消耗品情報、トナー情報をメモリ202から読み出して、これらの情報をデュアルI/Fメモリ103内の異なるメモリブロックに格納するように制御する。
【0077】
次に、CPU203は、ユーザI/F204に図9に示すようなサービスモード画面を表示し、ユーザによる外部へ送信するデータの選択操作をユーザI/F204から受け付けるように制御する。
【0078】
図9は、実施例1におけるサービスモード画面の一例を示す図である。
図9に示すサービスモード画面には、カウンタ情報を送信データとして選択するためのカウンタ情報ボタン901、課金情報を送信データとして選択するための課金情報ボタン902、消耗品情報を送信データとして選択するための消耗品情報ボタン903、トナー情報を送信データとして選択するためのトナー情報ボタン904が表示されている。これらのボタンは、複数同時に選択可能であり、選択されたボタンは背景(例えば背景色)が変わり選択されたことが認識可能となるようにCPU203により制御されている。
【0079】
サービスマンが、ボタン901〜904の少なくとも1つ(例えば、カウンタ情報ボタン901と課金情報ボタン902)を選択し、送信ボタン906を押下すると、CPU203はこの操作を検知し、選択されたボタンに対応するデータ(ここでは、カウンタ情報と課金情報)を、アクティブとして動作するRFID通信装置400に送信可能にする処理(送信処理)を行う。この処理では、CPU203は、デュアルI/Fメモリに対して、上記選択されたデータが格納されるメモリブロックのRFID側のアクセス権を読み出し可能にし、且つ、上記選択されていないデータが格納されるメモリブロックのRFID側のアクセス権を読み出し不可能にするように制御する。これにより、読み出し可能とされたメモリブロックのデータが、アクティブとして動作するRFID通信装置400からの読み出しアクセスに応じて、デュアルI/Fメモリ103から読み出されてRFID通信装置400に送信されることとなる。
【0080】
なお、ユーザがキャンセルボタン905を押下すると、CPU203はこの操作を検知し、サービスモード画面(図9)を閉じ、S605に処理を進める。
S605では、CPU203は、画像形成装置10が特定モードから抜けたかどうかを監視する。
そして、特定モードから抜けたと判定した場合(S605でYes)、CPU203は、S606に処理を進める。
【0081】
S606では、CPU203は、信号106をEnableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101へ電力を供給させ、RFIDコントローラ100をアクティブに移行させる。即ち、画像形成装置10をアクティブモードに移行させる。
【0082】
なお、ここでは、特定モードにおいてアクティブとして動作するRFID通信装置400に送信するデータを、カウンタ情報、課金情報、消耗品情報、トナー情報としたが、特定モードで送信するデータはこれらに限定されるものではない。例えば、画像形成装置10本体のシリアル番号、ユーザ情報、エラー情報、ログ情報、ライセンス情報、ネットワーク情報等の各種設定情報等も、特定モードで送信するデータに含めるようにしてもよい。
【0083】
なお、CPU203は、画像形成装置10本体の特定モードから抜けた場合、デュアルI/Fメモリ103内に記録された設定情報を、画像形成装置10に適用する処理を行うように構成してもよい。
【0084】
以上説明したように、特定モードでは、アクティブとして動作するRFID通信装置400を用いて、画像形成装置10の利用情報等を取得したり、画像形成装置10に各種設定を行うことが可能となる。
【0085】
<初期設定としてパッシブモードが選択された場合>
次に、図10,図11を参照して、実施例1における画像形成装置10がパッシブモードで動作する場合の処理について説明する。
【0086】
図10,図11は、実施例1における画像形成装置10がパッシブモードで動作する場合の動作の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、システムコントローラ200のCPU203がメモリ202の不揮発性記憶領域にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0087】
まず、S701において、CPU203は、信号106をDisableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101への電力供給を停止させ、RFIDコントローラ100をパッシブモードで動作させる。
【0088】
そして、CPU203は、パッシブモードで動作している状態(S701)で、アクティブモードへの移行指示がなされたかどうか監視する(S702)。
アクティブモードへの移行指示がなされたと判定した場合(S702でYes)、CPU203は、S703に処理を進める。なお、このアクティブモードへの移行指示は、ユーザI/F204、もしくはアクティブで動作するRFID通信装置400からRFID通信でなされるものとする。
【0089】
S703では、CPU203は、信号106をEnableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101へ電力を供給させ、RFIDコントローラ100をアクティブに移行させる。即ち、画像形成装置10をアクティブモードに移行させる。
【0090】
そして、CPU203は、アクティブモードで動作している状態(S703)で、パッシブとして動作するICカード410から読み取られるデータ内に指定のIDを確認できたかどうか監視する(S801)。上述したように、アクティブモードでは、アンテナマッチング101から無線接続のための信号を発信され、パッシブとして動作するICカード410からデータが読み取られる。読み取られたデータは、デュアルI/Fメモリ103に書き込まれ、CPU203は、I/Oコントローラ201を介してこのデータを確認可能である。
【0091】
そして、指定のIDを確認できたと判定した場合(S801でYes)、CPU203は、S802に処理を進める。
S802では、CPU203は、上記S801で確認できた指定のIDが、ユーザ用のIDか否かを判定する。ここでは、ユーザがICカード410をRFIDコントローラ100にかざして認証を行った場合を想定しており、ICカード410から読み取られたIDが、例えばメモリ202の不揮発性記憶領域に登録されているユーザ用IDであれば、画像形成装置10にログインすることが可能となる。なお、ユーザ用IDとは、例えば、ユーザ用として登録されているICカードの識別情報や、ユーザの識別情報である。
【0092】
ユーザ用のICカードには、例えば、上記のユーザ用IDの他に、画像形成装置の利用情報(例えば、あと何枚印刷可能であるかを示す印刷可能枚数や、電子マネーの残高情報等のデータ)が記憶されている。このため、アクティブモードで動作している画像形成装置10にユーザ用のICカードが近接された場合には、ユーザ用のICカードから上記IDや画像形成装置の利用情報等のデータが、デュアルI/Fメモリ103に書き込まれ、I/Oコントローラ201を介してCPU203が確認可能となる。
【0093】
そして、ユーザ用のIDであると判定した場合(S802でYes)、CPU203は、S803に処理を進める。
S803では、CPU203は、上記のユーザ用のIDを用いてユーザ認証を行い、認証に成功した場合には、そのユーザの使用を許可し(ログイン状態とし)、スタンバイ状態でユーザI/F204からの動作指示の入力を待機する。そして、ユーザI/F204からの動作指示の入力を検知すると、動作指示に応じた処理を実行し、S804に処理を進める。例えば、印刷動作が指示された場合、該指示された印刷動作を、デュアルI/Fメモリ103を介して確認された上記ユーザの印刷可能枚数や残高情報に応じて実行するように制御する。また、印刷実行後、CPU203は、印刷した枚数に応じて、上記デュアルI/Fメモリ103内の印刷可能枚数や残高情報を減算処理し、該減算処理結果を用いて、ユーザ用のICカードに記憶される印刷可能枚数や残高情報を更新するように制御する。
【0094】
S804では、CPU203は、ユーザI/F204からの動作指示に応じてログアウトが行われたかどうかを判定する。
そして、ログアウト処理が行われていないと判定した場合(S804でNo)、CPU203は、スタンバイ状態でユーザI/F204からの動作指示の入力を待機する(S803)。
【0095】
一方、ログアウト処理が行われたと判定した場合(S804でYes)、CPU203は、S810に処理を進める。
S810では、CPU203は、信号106をDisableとし、アクティブ無線通信制御部105からアンテナマッチング101への電力供給を停止させ、RFIDコントローラ100をパッシブに移行させる。即ち、画像形成装置10をパッシブモードに移行させる。なお、図11ではS810において、パッシブモードに移行させるように制御しているが、アクティブモードのまま待機するように制御してもよい。
【0096】
また、CPU203は、上記S801で確認できた指定のIDが、ユーザ用のIDでないと判定した場合(S802でNo)、CPU203は、S805に処理を進める。
S805では、CPU203は、上記S801で確認できた指定のIDが、メモリ202の不揮発性記憶領域に登録されているサービスマン用のIDか否かを判定する。ここでは、サービスマン用のICカード410がRFIDコントローラ100にかざされた場合を想定している。
【0097】
そして、サービスマン用のIDであると判定した場合(S805でYes)、CPU203は、S806に処理を進める。
S806では、CPU203は、メモリ202に記憶される特定データを、デュアルI/Fメモリ103に記憶し、該デュアルI/Fメモリ103に記憶された前記特定データを、上記S801で確認したICカード410に送信するように制御する。なお、特定データとは、例えば、画像形成装置10本体のシリアル番号、ユーザ情報、エラー情報、ログ情報、ライセンス情報、カウンタ情報、課金情報、消耗品情報、トナー情報、ネットワーク情報等の各種設定情報等を示す。ただし、これらの情報に限定されるものではない。
【0098】
そして、CPU203は、特定データの送信が終了したかどうかを判定する(S807)。まだ特定データの送信が終了していないと判定した場合(S807でNo)、CPU203は、特定データの送信が終了するまで待機する。
【0099】
そして、特定データの送信が終了したと判定した場合(S807でYes)、CPU203は、S810に処理を進め、RFIDコントローラ100をパッシブモードに移行させる。
【0100】
また、上記S805において、上記S801で確認できた指定のIDがサービスマン用のIDでないと判定した場合(No)、CPU203は、登録されていない不明のIDと判断し、S809に処理を進める。
S809では、CPU203は、UI(ユーザI/F204)に認証エラーを示す表示を行う。
【0101】
以上説明したように、サービスマンは、パッシブで動作している画像形成装置10をアクティブに切り替え、サービスマン用のICカード410に画像形成装置10の利用情報や設定情報等を格納することができる。
【0102】
なお、ここでは、パッシブで起動された画像形成装置10をアクティブに切り替え、図11の処理を実行する構成について示した。しかし、パッシブで起動された後にアクティブに切り替えられた場合に限らず、アクティブで動作している状態(例えば、図4〜図8のS201の状態)で、CPU203が図11の各ステップを実行するように構成してもよい。
【0103】
以上、実施例1の画像形成装置10は、アクティブモードとパッシブモードの2つのRFID通信方法(RFID無線アクセスに関する動作モード)を、状況に応じて適切に切り替えることができる。
例えば、画像形成装置10では、画像形成装置10がアクティブモードで動作している状態において、画像形成装置10を省電力状態(スリープ)に移行する場合、画像形成装置10が異常状態(障害状態)となった場合、画像形成装置10が電源オフ状態に移行する場合、アクティブモードで動作する外部の機器(RFID通信装置400)を検出した場合、及び、画像形成装置10の操作モードが特定モード(画像形成装置をメンテナンスするときに使用するサービスモード)に移行した場合を含む少なくともいずれかの場合に、画像形成装置10がパッシブモードに切り替わるように構成されている。
さらに、画像形成装置10では、省電力状態から復帰した場合、障害状態から復帰した場合、アクティブモードで動作する外部の機器を検出しなくなった場合、及び、特定モードから復帰した場合を含む少なくともいずれかの場合に、画像形成装置10がアクティブモードに切り替わるように構成されている。
【0104】
また、画像形成装置10では、画像形成装置10がアクティブモードで動作している場合に、ユーザ用のICカード410が近づけられると、ICカード410からID(ICカード410の識別情報又はユーザの識別情報)、及び画像形成装置10の利用情報(印刷可能枚数、又は印刷料金情報)が、デュアルI/Fメモリ103に対して書き込まれるように構成されている。
このような構成により、ユーザ用のICカードを用い、画像形成装置へのログイン処理や、ユーザの印刷枚数管理、課金処理等を実現することができる。
【0105】
また、CPU203は、画像形成装置10がパッシブモードに切り替わる前に、デュアルI/Fメモリ103に対して、画像形成装置10の障害情報、カウンタ情報、及びログ情報等の各種情報の少なくともいずれかの情報を、書き込むように制御する。
このような構成により、電源オフ状態の画像形成装置10からの機器情報の取得や、電源オフ状態の画像形成装置10への設定情報の転送を、モバイル端末(RFID通信装置400)やICカード410を画像形成装置10に近接させることで実現することができる。
【実施例2】
【0106】
<実施例2のハードウェア構成>
図12は、実施例2におけるRFIDコントローラ100の構成の一例を示すブロック図である。
【0107】
図12に示すように、実施例2のRFIDコントローラ100は、アンテナマッチング101、アクティブコントローラ121、パッシブコントローラ122、メモリ123、メモリコントローラ124、及び、切り替え部125を有する。なお、メモリ123は、不揮発性メモリである。
【0108】
アクティブコントローラ121は、メモリ123のデータをリード/ライトし、アンテナマッチング101を介して電波を発信し、パッシブで動作するICカード410と通信する。
【0109】
パッシブコントローラ122は、アンテナマッチング101を介して、アクティブで動作するRFID通信装置400の電波を受信し通信し、メモリ123にデータをリード/ライトする。
【0110】
切り替え部125は、RFIDコントローラ100がアクティブとして動作しているときに、アクティブで動作するRFID通信装置400の電波を受信したと判定した場合、アクティブコントローラ121による電波の発信を中止させ、パッシブコントローラ122を有効にするように制御する。即ち、画像形成装置10をパッシブモードに移行させる。
【0111】
なお、切り替え部125とI/Oコントローラ201を接続し、I/Oコントローラ201を介したCPU203からの制御により、切り替え部125で有効なコントローラ(アクティブコントローラ121/パッシブコントローラ122)を切り替えるようにしてもよい。
【0112】
この構成の場合、CPU203は、RFIDコントローラ100がアクティブとして動作しているときに、アクティブで動作するRFID通信装置400の電波を受信したと判定した場合、切り替え部125に指示して、アクティブコントローラ121を無効にし、パッシブコントローラ122を有効にするように制御する。
【0113】
また、CPU203は、RFIDコントローラ100がアクティブとして動作しているときに、画像形成装置10が異常状態になったかどうかを監視し、異常状態になったと判定した場合、切り替え部125に指示して、アクティブコントローラ121を無効にし、パッシブコントローラ122を有効にするように制御する。即ち、画像形成装置10をパッシブモードに移行させる。
【0114】
さらに、CPU203は、RFIDコントローラ100がアクティブとして動作しているときに、画像形成装置10が特定モードになったかどうかを監視し、特定モードになったと判定した場合、切り替え部125に指示して、アクティブコントローラ121を無効にし、パッシブコントローラ122を有効にするように制御する。即ち、画像形成装置10をパッシブモードに移行させる。さらに、CPU203は、ユーザI/F204にサービスモード画面(図9)を表示して、ユーザから送信するデータの選択を受け付け、選択されたデータを、アクティブとして動作するRFID通信装置400に送信可能にする処理を行う。そして、特定モードから抜けたと判定した場合、CPU203は、切り替え部125に指示して、パッシブコントローラ122を無効にし、アクティブコントローラ121を有効にするように制御する。即ち、画像形成装置10をアクティブモードに移行させる。
【0115】
実施例2では、画像形成装置10本体の電源がオフ状態では、アクティブとして動作するRFID通信装置400からでも、メモリ123へのアクセスはできない。しかしながら、以上示した制御を行うことにより、画像形成装置10本体の電源がオン状態では、実施例2においても、実施例1と同様に、RFIDコントローラ100の動作モード(画像形成装置10の動作モード)を適切に切り替えることができ、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0116】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0117】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0118】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0119】
10 画像形成装置
100 RFIDコントローラ
101 アンテナマッチング
103 デュアルI/Fメモリ
105 アクティブ無線通信制御部
200 システムコントローラ
203 CPU
400 RFID通信装置
410 ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
外部の機器により無線アクセス可能な記憶手段と、
当該画像形成装置の前記無線アクセスに関する動作モードを、外部の機器に無線接続するための信号を発信するアクティブモードと、外部の機器からの無線接続のための信号に反応して前記記憶手段へのアクセスを可能とするパッシブモードとで切り替える切替手段とを有し、
当該画像形成装置が前記アクティブモードで動作している状態で、当該画像形成装置が省電力状態に移行する場合、及び、当該画像形成装置が障害状態となった場合の少なくともいずれかの場合に、前記動作モードが前記パッシブモードに切り替わることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
当該画像形成装置が電源オフ状態に移行する場合を含む少なくとも前記いずれかの場合に、前記動作モードが前記パッシブモードに切り替わることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記アクティブモードで動作する外部の機器を検出した場合を含む少なくとも前記いずれかの場合に、前記動作モードが前記パッシブモードに切り替わることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
当該画像形成装置が画像形成装置をメンテナンスするときに使用するサービスモードに移行した場合を含む少なくとも前記いずれかの場合に、前記動作モードが前記パッシブモードに切り替わることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
当該画像形成装置が省電力状態から復帰した場合、及び、当該画像形成装置が障害状態から復帰した場合の少なくともいずれかの場合に、前記動作モードが前記アクティブモードに切り替わることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記アクティブモードで動作する外部の機器を検出しなくなった場合に、前記動作モードが前記アクティブモードに切り替わることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
当該画像形成装置が前記サービスモードから復帰した場合に、前記動作モードが前記アクティブモードに切り替わることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
当該画像形成装置が前記アクティブモードで動作している場合に、外部の機器から、前記外部の機器又はユーザの識別情報、及び当該画像形成装置の利用情報が、前記記憶手段に対して書き込まれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記利用情報は、印刷可能枚数、又は印刷料金情報であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
当該画像形成装置の動作モードを前記パッシブモードに切り替える前に、前記記憶手段に対して、当該画像形成装置の障害情報、カウンタ情報、及びログ情報の少なくともいずれかの情報を、書き込むように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
外部の機器により無線アクセス可能な記憶手段を有し、前記無線アクセスに関する動作モードを外部の機器に無線接続するための信号を発信するアクティブモードと外部の機器からの無線接続のための信号に反応して前記記憶手段へのアクセスを可能とするパッシブモードとで切り替え可能な画像形成装置における動作モードの切り替え方法であって、
当該画像形成装置が前記アクティブモードで動作している状態で、当該画像形成装置が省電力状態に移行する場合、及び、当該画像形成装置が障害状態となった場合の少なくともいずれかの場合に、前記動作モードが前記パッシブモードに切り替わることを特徴とする動作モードの切り替え方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−55607(P2013−55607A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194147(P2011−194147)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】