画像形成装置、印刷制御方法、及びプログラム
【課題】より適切に印刷を制御することを目的とする。
【解決手段】印刷情報のジョブ情報を参照して他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、他の経路の情報を選択し、他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、要因があると判断した場合、選択した他の経路の情報を一の経路の情報に変更し、情報処理装置で出力可能かつ画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち印刷情報が他の印刷情報により近い印刷情報となるように情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成することによって課題を解決する。
【解決手段】印刷情報のジョブ情報を参照して他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、他の経路の情報を選択し、他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、要因があると判断した場合、選択した他の経路の情報を一の経路の情報に変更し、情報処理装置で出力可能かつ画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち印刷情報が他の印刷情報により近い印刷情報となるように情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成することによって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、印刷制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタなどの事務機器でクラウドプリントに対応した機器が増えてきている。クラウドプリントとは、ユーザが端末を介してクラウドサービスにアクセスし、リモートでファイルをプリント(印刷)することを可能とした技術である。クラウドプリントでは、プリンタドライバを一切必要とせず、直接デスクトップやモバイルアプリケーションからファイルをあらゆるプリンタへ送信することができる。
また、スマートフォン、タブレット端末などの普及に伴い、携帯端末を使ったメール、ウェブページ閲覧、文書作成などの機会が増えてきていることから、ドライバレスのクラウドプリントのクラウドサービスは、今後のWebサービスの主流となりつつある。
【0003】
また、低価格でコンパクトな画像形成装置の市場においても、クラウドプリントへの対応は求められており、クラウドプリントを実現する方法が提案されてきている。例えば、PDFの印刷が非対応であるような廉価な画像形成装置においては、印刷サーバの出力フォーマットがPDFのみである場合、ダイレクトに印刷データを取得して印刷することができない。
このようなシステム構成の問題を解決する方法として、変換サーバを介して画像形成装置で印刷ができるフォーマット(例えばPDL:Page Description Language)に変換してデータを取得する方法が提案されている。
また、印刷サーバで出力されるフォーマットが画像形成装置でレンダリング可能であったとしても、画像形成装置の性能によってはパフォーマンスが懸念される。このような場合の対策として、印刷設定情報(画質設定値など)や画像形成装置の動作状況に応じて、取得するデータの最適なフォーマットを選定し、選定したフォーマットに従ってデータを取得する経路(データ取得経路)を動的に切替える方法も検討されている。
【0004】
このように、低価格でコンパクトな画像形成装置では、画像形成装置の能力に見合ったシステム構成を採用することで、質の高いサービスの提供を実現している。
しかしながら、データ取得経路を複数有するシステム構成である場合、ある1つのデータ取得経路において通信障害が発生すると、その経路を経由してデータを取得することができなくなってしまう問題がある。このような場合のデータ取得先の切替えに関する技術として、元のデータ取得先のサーバに障害が発生した時に、他のサーバを動的に新たなデータ取得先のサーバとして切替える方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
メインのデータ取得先のサーバは、データ取得先の代替となり得る複数のサーバのアドレス情報リスト(IPアドレス、MACアドレス、機種番号など)を保存し、アドレス情報リストを予めサブのサーバに送信しておく。メインのデータ取得先のサーバ及び画像形成装置間での通信障害の発生をサブのサーバが検知すると、送信されたアドレス情報リストを参照して代替のデータ取得先のサーバを検索する。サブのサーバは、代替のデータ取得先のサーバが見つかるとメインのサーバとして設定する。このようにして、動的に新たなデータ取得先のサーバへの切替えを実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−85058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術によれば、各サーバは、同一N/W内に存在し、かつ同様の構成となっており、何れのサーバもメインまたはサブのデータ取得先のサーバとなり得る。そのため、各サーバは、何れもメインのデータ取得先のサーバの通信障害の発生を検知する手段とサーバ検索用のアドレス情報リストの作成手段(IPアドレスやMACアドレス通知用のI/F)とを有している。
しかしながら、クラウドプリントでは、複数のサーバ構成を特許文献1のように統一することは現実的ではない。また、画像形成装置から印刷サーバに対してデータの取得を要求する構成であるため、画像形成装置が能動的にデータ取得先を切替え可能としたい。
また、システム構成によっては、データ取得経路を切替えたことによって元のデータ取得先との出力の結果が異なってしまう可能性はあるが、ユーザの意図しないデータの出力はできる限り回避したい。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、より適切に印刷を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明に係る画像形成装置は、印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置であって、前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択手段と、前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択手段で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、方法、プログラム、システム、記憶媒体などとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より適切に印刷を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成装置の利用環境の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図3】操作パネルの構成の一例を示す図である。
【図4】LCDに表示される画面の一例を示す図である。
【図5】事前準備処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図6】印刷制御処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図7】サーバ処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図8】ジョブリストの一例を示す図である。
【図9】テーブルの一例を示す図である。
【図10】データ取得経路判断処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図11】データ取得経路判断処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている全ての構成が本発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。
【0013】
<第1の実施形態>
本実施形態では、クラウドプリントに対応する機能を搭載した画像形成装置における印刷データ(印刷情報の一例)の取得に関する技術について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の利用環境の一例(印刷制御システム)を示す図である。
画像形成装置100、印刷サーバ200、無線ネットワークルータ400、印刷データ変換サーバ600などが、クラウドネットワーク500に通信可能に接続されている。また、PDA端末300は、無線ネットワークルータ400を介して、クラウドネットワーク500に通信可能に接続されている。
ここで、PDA端末300は、ユーザによる印刷の指示に応じて、予め定められたプロトコルによって印刷サーバ200と通信し、印刷の要求を印刷サーバ200に送信する。なお、この際、印刷データ、印刷データについての印刷設定情報も併せて送信されるものとして説明するが、この構成に限られるものではない。例えば、印刷データについては、別の手段により、印刷サーバ200に記憶されていてもよい。
【0014】
印刷サーバ200は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、PDA端末300から印刷の要求を受信すると、画像形成装置100に対して印刷に係るジョブが存在することを通知(ジョブ通知)する。
画像形成装置100は、印刷サーバ200からのジョブ通知に従って、予め定められたプロトコルで印刷サーバ200或いは印刷データ変換サーバ600からジョブ(ジョブ情報の一例)に係る印刷データを受信して印刷を実行する。
印刷データ変換サーバ600は、情報変換装置の一例であり、画像形成装置100からの後述のデータ取得要求に応答して印刷サーバ200から印刷データを取得し、当該印刷データを他の印刷データに変換して画像形成装置100に送信する。例えば、印刷データ変換サーバ600は、印刷サーバ200からPDFの印刷データ(PDFデータ)を取得すると、PDFデータを画像形成装置専用フォーマット(PDL等)の印刷データ(PDLデータ等)に変換して画像形成装置100に送信する。
【0015】
図2は、画像形成装置100のハードウェアの構成の一例を示す図である。画像形成装置100は、印刷部107、読取部109、操作パネル110、回線I/F112、及びこれらの制御を司るコントローラ部101を含んで構成される。
コントローラ部101は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、CPU102、RAM103、ROM104、印刷部I/F106、読取部I/F108、MODEM111、USB I/F115、及びネットワークI/F116を含んで構成される。各デバイスは、システムバス105に通信可能に接続されている。
【0016】
CPU102は、各種の制御プログラムに従って各デバイスを総括的に制御する。各種の制御プログラムは、CPU102により、ROM104におけるプログラムを記憶する領域(プログラムROM)から読み出されて実行される。或いは、各種の制御プログラムは、CPU102により、ROM104のプログラムROMに記憶された圧縮されたデータがRAM103へ伸張、展開されて実行される。また、図示しないハードディスクドライブ(HDD)に各種の制御プログラムを圧縮状態または非圧縮状態で記憶する構成であってもよい。なお、ROM104、RAM103、及びHDDは、各種の情報を記憶する記憶部の一例である。
本実施形態では、CPU102が、ROM104に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、画像形成装置100における機能及び後述するフローチャートに係る処理が実現される。なお、画像形成装置100における機能、後述するフローチャートに係る処理の一部、又は全部を専用のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0017】
ネットワークI/F116は、有線通信部117又は無線通信部118を介してクラウドネットワーク500経由で印刷サーバ200及び印刷データ変換サーバ600との通信処理を行う。有線通信部117とクラウドネットワーク500とは、LANケーブル119などの通信ケーブルで接続され、無線通信部118とクラウドネットワーク500とは電気通信120によって接続される。
MODEM111は、回線I/F112を介して公衆回線網114と接続され、図示しない他の画像形成装置、ファクシミリ装置、電話機などと通信処理を行う。回線I/F112と公衆回線網114とは、電話線113などで接続される。
【0018】
印刷部I/F106は、印刷部107(プリンタエンジン)に画像信号を出力するインターフェースを担う。また、読取部I/F108は、読取部109(スキャナエンジン)からの画像信号を入力するインターフェースを担う。CPU102は、読取部I/F108より入力された画像信号を処理し、記録用の画像信号として印刷部I/F106へ出力する。
また、CPU102は、ROM104におけるフォント情報を記憶する領域(フォントROM)に記憶されたフォント情報を用いて、操作パネル110の表示部に文字や記号を表示し、ユーザの指示を受け付けた操作パネル110からの指示情報を受け取る。
また、ROM104におけるデータを記憶する領域(データROM)には、CPU102によって画像形成装置100の装置情報、ユーザの電話帳情報、部門管理情報などが記憶され、CPU102により必要に応じて読み出され、必要に応じて更新される。
本実施形態では、読取部109および印刷部107が画像形成装置100の内部に設けられる構成としたが、少なくとも一方が外部に設けられる構成であってもよい。
【0019】
図3は、操作パネル110の構成の一例を示す図である。ファンクションキー211からファンクションキー214までは、それぞれ「コピー」、「ファックス」、「スキャン」、「メディアプリント」の各機能のファンクションキーである。各ファンクションキーが押下されると、関連付けられている機能のトップ画面(基本画面)に画面が遷移する。なお、選択されている機能については、関連付けられているファンクションキーが点灯する。
OKキー215は、項目の選択の指示を受け付ける。上の矢印キー216、下の矢印キー217、左の矢印キー218、及び右の矢印キー219は、項目の移動の指示を受け付ける。LCD220は、各種の画面を表示する。
【0020】
スタートキー221は、白黒の印刷(コピー等)の指示を受け付ける。押下が可能である状態ではスタートキー221が点灯する。同様にスタートキー222は、カラーの印刷(コピー等)の指示を受け付ける。押下が可能である状態ではスタートキー222が点灯する。ストップキー223は、ジョブの停止などの指示を受け付ける。
メニューキー224は、クラウドプリントに関する設定値を受け付ける設定画面に画面を遷移する。設定画面では、ON/OFFなど各種の設定値の指定が可能である。状況確認キー225は、印刷の履歴を示す履歴画面に画面を遷移する。
【0021】
図4は、LCD220に表示される画面の一例を示す図である。図4(A)は、クラウドプリントを有効または無効にする画面の一例(設定画面710)を示す図である。設定画面710は、操作パネル110におけるメニューキー224の押下によりメニュー画面に画面が遷移し、当該メニュー画面内の項目であるシステム管理設定項目の押下により表示される。
また、設定画面710は、3行から構成され、最初の行(1行目)にはタイトルが表示される。2行目には、設定値として「OFF」を設定する項目711が表示され、3行目には、設定値として「ON」を設定する項目712が表示される。各項目は、OKキー215にて選択可能である。
図4(B)は、エラーを通知する画面の一例(エラー画面720)を示す図である。エラー画面720は、設定画面710にてクラウドプリントを有効(設定値をON)にしたが、印刷サーバ200に画像形成装置100の情報の登録が行われていないなど、動作環境が整っていない場合に、ポップアップで表示される。
【0022】
図4(C)は、操作パネル110における通常時(クラウドプリントが無効の様態)のコピー機能のトップ画面の一例(トップ画面730)を示す図である。トップ画面730は、コピー機能の基本画面であり、5行から構成され、1行目および2行目には、コピーを開始するための指示の内容、拡大或いは縮小の倍率、用紙トレイ、及び用紙サイズの設定項目および設定値が表示される。3行目から5行目までには、コピーのジョブに指定可能な動作モードについての設定項目および設定値731が表示される。表示しきれない場合は、スクロールバー732がトップ画面730の右端に表示される。
図4(D)は、クラウドプリントが有効(設定値がON)であるが、画像形成装置100の情報の登録が取り消されたなど、動作環境が整っていない場合に、トグル表示でエラーを表示するコピー機能のトップ画面の一例(トップ画面730)を示す図である。クラウドプリントを無効(設定値をOFF)にするか、或いはRUI(リモートユーザインタフェース)から画像形成装置100の情報の登録状況を確認し、必要な設定値を指定することにより、エラーの表示は解除される。
【0023】
図4(E)及び(F)は、クラウドプリントが有効である場合における印刷エラーの通知中のコピー機能のトップ画面の一例(トップ画面730)を示す図である。画像形成装置100は、例えば、データ取得先のサーバの代替のデータ取得先を検索できなかった場合に当該画面を表示する。
トップ画面730では、1行目および2行目のステータスの行が領域734と領域735とのトグルで表示される。
【0024】
図4(G)は、操作パネル110における状況確認キー225の押下により遷移する画面の一例(履歴画面740)を示す図である。1行目には、タイトルが表示される。2行目から5行目までには、ジョブの履歴として日付、結果等の項目の情報が表示される。
図4(H)は、図4(G)の履歴画面740において、カーソルの当たっているジョブ741上で、OKキー215が押下されることにより表示される履歴の詳細画面の一例(詳細画面750)を示す図である。1行目には、タイトルが表示される。2行目から5行目までには、受付番号、結果、ジョブタイプ、開始時刻などの項目の情報が表示される。
【0025】
図5は、印刷サーバ200が画像形成装置100の情報を事前に登録する処理(事前準備処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、HDD等の記憶装置に記憶されており、CPUによって読み出されて実行される。
クラウドプリントを利用するには印刷サーバ200に、画像形成装置100の情報(画像形成装置100の能力に係る情報など)を事前に登録する必要がある。画像形成装置100の情報の登録は、RUIにて可能である。より具体的には、RUIにより、印刷サーバ200から登録用情報が取得され、登録用情報をもとにブラウザ上に表示される内容に従って画像形成装置100の情報が入力される。そして、S1000では、印刷サーバ200は、入力された情報をRUIから受け取ってHDD等の記憶装置に記憶(登録)する。
【0026】
図6は、画像形成装置100が行うクラウドプリントの基本的な処理(印刷制御処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、ROM104に記憶されており、CPU102によってRAM103に読み出されて実行される。
ここで、画像形成装置100の情報の登録が完了し、クラウドプリントを有効(設定値をON)にすると、印刷サーバ200と画像形成装置100とがXMPPプロトコルで常時接続されるようになる。これにより、画像形成装置100は、印刷サーバ200からジョブ通知を受けることが可能になる。
【0027】
まず、画像形成装置100は、ジョブ通知を受信したか否かを判断する(S1001)。このとき、画像形成装置100は、受信したと判断した場合、S1002に処理を進め、他方、受信しなかったと判断した場合、再びS1001の判断を行う。
S1002では、画像形成装置100は、印刷サーバ200に対してジョブリストを要求(fetch要求)する。続いてS1003では、画像形成装置100は、印刷サーバ200からジョブリストを受信すると、画像形成装置100で印刷すべきジョブがある否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、印刷すべきジョブがあると判断した場合、S1004に処理を進め、他方、印刷すべきジョブがないと判断した場合、S1001に処理を移す。
【0028】
S1004では、画像形成装置100は、カウンタiに初期値「1」をセットする。続いてS1005では、画像形成装置100は、選別したジョブに対してデータ取得経路を特定する(データ取得経路判断処理)。本実施形態では、印刷サーバ200から印刷データを取得する直接経路であるか印刷データ変換サーバ600を経由して印刷データを取得する間接経路であるかを判断している。なお、データ取得経路判断処理の詳細については、図10を用いて説明する。
続いてS1006では、画像形成装置100は、データ取得経路上のサーバに対してJOBTicketの取得の要求(JOBTicket取得要求)を送信する。本実施形態では、データ取得経路上のサーバとしては、印刷サーバ200及び印刷データ変換サーバ600が該当する。なお、JOBTicket取得要求は、要求情報の一例であり、いわゆる印刷データの取得の要求(データ取得要求)のことである。
【0029】
続いてS1007では、画像形成装置100は、印刷サーバ200から直接、或いは印刷データ変換サーバ600を介して、対象のジョブの印刷データのダウンロードを開始する。続いて1008では、画像形成装置100は、ダウンロードした印刷データを印刷する。続いてS1009では、画像形成装置100は、カウンタiをカウントアップ(印刷済のジョブ数をカウント)する。
続いてS1010では、画像形成装置100は、印刷すべきジョブの全てについて処理が終了したか否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、終了したと判断した場合、S1002に処理を移し、他方、終了していないと判断した場合、S1005に処理を移す。
【0030】
図7は、印刷サーバ200が行う基本的な処理(サーバ処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、HDD等の記憶装置に記憶されており、CPUによって読み出されて実行される。
印刷サーバ200と画像形成装置100とがXMPPプロトコルで常時接続されている場合、まず、印刷サーバ200は、PDA端末300などの外部端末から印刷データの印刷の要求を受信する(S2001)。なお、本実施形態では、印刷サーバ200は、印刷の要求と共に、印刷データおよび印刷設定情報を受信するものとして説明する。
続いてS2002では、印刷サーバ200は、受信した印刷データのジョブを生成し、画像形成装置100に対してジョブの有無を知らせるジョブ通知を行う。続いてS2003では、印刷サーバ200は、画像形成装置100からジョブリストのfetch要求を受信したか否かを判断する。このとき、印刷サーバ200は、受信したと判断した場合、S2004に処理を進め、他方、受信していないと判断した場合、再びS2003の判断を行う。
【0031】
S2004では、印刷サーバ200は、印刷キューに溜まっているジョブのジョブリスト(ジョブの一覧)を画像形成装置100に送信する。続いてS2005では、印刷サーバ200は、画像形成装置100からJOBTicket取得要求、つまりデータ取得要求を受信したか否かを判断する。このとき、印刷サーバ200は、受信したと判断した場合、S2006に処理を進め、他方、受信していないと判断した場合、再びS2005の判断を行う。
S2006では、印刷サーバ200は、受信したデータ取得要求に従って、対象のジョブのラスタフォーマットの印刷データ(ラスタデータ)を生成する。続いてS2007では、印刷サーバ200は、生成した印刷データを画像形成装置100に送信する。
なお、図示は省略するが、印刷サーバ200は、印刷データ変換サーバ600を介してデータ取得要求を受信した場合、対象のジョブの印刷データ(PDFデータ)を印刷データ変換サーバ600に送信する。また、印刷データ変換サーバ600は、PDFデータを受信すると、PDFデータをPDLデータに変換して画像形成装置100に送信する。
【0032】
図8は、印刷サーバ200から画像形成装置100が受信するジョブリストの一例を示す図である。ジョブリストの項目としては、ジョブID、PINコード、用紙サイズ、画質設定、レイアウト、地文印刷などがある。画像形成装置100は、印刷サーバ200へのジョブリストのfetch要求により、ジョブリストを取得することができる。
図9(A)は、画像形成装置100が印刷データのデータ取得経路の判断時に参照する管理テーブルの一例を示す図である。管理テーブルは、画像形成装置100の内部で保持(ROM104等に記憶)され、各パラメータ(印刷に用いられる設定項目の設定情報)に基づいてデータ取得経路が決定される。換言するならば、管理テーブルには、予め定められた設定項目の設定値とデータ取得経路の情報とが対応付けられた情報(管理情報の一例)が記憶されている。
図9(B)は、代替データ取得可否判定用テーブルの一例を示す図である。代替データ取得可否判定用テーブルには、図9(A)の各パラメータに対してそれぞれ代替データ取得経路の確保が可能であるかを示す情報が記憶されている。代替データの取得が可能な設定項目の設定値である場合、画像形成装置100は、データ取得経路を切替えて印刷データを取得することができる。なお、詳細については、図11を用いて説明する。
【0033】
図10は、画像形成装置100が取得したジョブリストを用いてデータ取得経路を判断するデータ取得経路判断処理(図6のS1005の処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、ROM104に記憶されており、CPU102によってRAM103に読み出されて実行される。
本実施形態では、画像形成装置100は、印刷サーバ200からダイレクトに印刷データを取得して印刷することも、印刷データ変換サーバ600を経由して印刷データを取得して印刷することもできる。そこで、本実施形態では、画像形成装置100が、ジョブリストを取得した後、各ジョブの印刷設定情報の画質設定値に基づいてデータ取得経路を判断する例を挙げて説明する。
【0034】
ここで、本実施形態では、印刷サーバ200は、複数種類の解像度(通常解像度、高解像度)のラスタデータ、及びPDFデータを出力可能であり、後述するように、PDA端末300で指定された画質設定値に応じて出力の態様が変更される構成を採用している。
例えば、画質設定値が相対的に低い値である場合、画像形成装置100が印刷サーバ200からダイレクトに印刷データを取得する直接経路が選択される。この場合においては、印刷サーバ200から取得する印刷データのフォーマットについては、通常解像度のラスタフォーマット(300×300dpi)を要求すること(通常画質作成モード)がプログラム、管理テーブル等に定義されている。
また、例えば、画質設定値が相対的に高い値である場合、原則として、画像形成装置100が印刷データ変換サーバ600経由で印刷データを取得する間接経路が選択される。この場合においては、印刷データ変換サーバ600を経由して取得する印刷データのフォーマットについては、廉価デバイス版のPDLフォーマットを要求することがプログラム、管理テーブル等に定義されている。
【0035】
ラスタフォーマットのデフォルトの解像度を通常解像度に固定している理由としては、画質設定値として相対的に低い値が指定されている場合に、性能が低い廉価な画像形成装置においてパフォーマンス及びそれほど重視されていない画質を考慮するためである。
他方、印刷データ変換サーバ600経由でPDLフォーマットの印刷データを取得する理由としては、画質設定値として相対的に高い値が指定されている場合に、ラスタフォーマットの印刷データよりも高品位な印刷データの取得が可能となるためである。例えば、画像形成装置のレジ情報、LUT等の情報を含めた画像処理を印刷データ変換サーバ600で行うことで、ラスタフォーマットの印刷データよりも高品位な印刷データの取得が可能となる。画像形成装置のレジ情報とは、エンジン特性による色毎(CMYK)の印字情報のズレを示すものであり、LUT(Look Up Table)とは、色変換用のLUTを示している。
【0036】
まず、画像形成装置100は、データ取得経路判断処理において、印刷サーバ200から受信したジョブリストを参照する(S1201)。続いてS1202では、画像形成装置100は、ジョブリスト(図8)のジョブを解析して当該ジョブに含まれている画質設定値が高画質を示す値(高画質設定値)であるか否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、高画質設定値であると判断した場合、S1205に処理を進め、他方、高画質設定値でない、例えば画質設定値が通常の画質を示す値(通常画質設定値)であると判断した場合、S1203に処理を進める。
S1203では、画像形成装置100は、データ取得経路として、画像形成装置100が印刷サーバ200からダイレクトに印刷データを取得する直接経路を決定する。続いてS1204では、画像形成装置100は、取得する印刷データがラスターデータ(300×300dpi)となるようにデータ取得要求を作成し、S1211(S1006)に処理を進める。例えば、画像形成装置100は、通常解像度のラスタデータを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
【0037】
S1205では、画像形成装置100は、データ取得経路として、画像形成装置100が印刷データ変換サーバ600経由で印刷データを取得する間接経路を決定する。続いてS1206では、画像形成装置100は、印刷データ変換サーバ600との接続の確認を行う(通信可能であるか否かを判断する)。このとき、画像形成装置100は、通信可能であると判断した場合、S1207に処理を進め、他方、通信不可能であると判断した場合、S1208に処理を進める。
S1207では、画像形成装置100は、取得する印刷データがPDLデータ(BDL-Image)となるようにデータ取得要求を作成する。例えば、画像形成装置100は、PDLデータを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
【0038】
S1208では、画像形成装置100は、データ取得要求の作成モードを通常画質作成モードから高画質作成モードに変更する。続いてS1209では、画像形成装置100は、データ取得経路を直接経路に切替える。
続いてS1210では、画像形成装置100は、取得する印刷データが一時的にラスターデータ(600×600dpi)となるようにデータ取得要求を作成し、S1211に処理を進める。例えば、画像形成装置100は、高解像度のラスタデータを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
即ち、印刷サーバ200で出力可能かつ画像形成装置100で印刷可能な印刷データ(複数のラスタデータ)のうちPDLデータにより近い印刷データ(より高解像度のラスタデータ)となるように印刷サーバ200に変換を要求するデータ取得要求が作成される。
S1211では、画像形成装置100は、データ取得先のサーバに対してデータ取得要求を送信し、S1007に処理を進める。なお、S1211は、S1006と同じ処理である。
【0039】
ここで、データ取得先の切替えを判断する構成、即ち印刷データ変換サーバ600を介した印刷データの取得の妨げとなる要因があるか否かを判断する構成は、印刷データ変換サーバ600との接続を確認する構成に限られるものではない。
例えば、この構成に加えて又は代えて、印刷サーバ200と印刷データ変換サーバ600との接続を確認する構成を採用してもよい。また、例えば、印刷データ変換サーバ600がダウンしている状態、印刷データ変換サーバ600の処理が重い状態(キューが溜まっている状態)などを示す情報を取得してデータ取得先の切替えを判断してもよい。
【0040】
また、データ取得経路を判断する構成は、画質設定値であるか否かで判断する構成に限られるものではない。例えば、印刷設定情報の他の設定項目の設定値を用いてデータ取得経路を判断してもよい。
なお、図10では、印刷データ変換サーバ600及び画像形成装置100間の通信障害が発生した場合の処理に限定している。その理由としては、印刷サーバ200及び画像形成装置100間で通信障害が発生した場合、そもそもS1001のジョブ通知が受信されないためジョブリストを取得することができない。また、印刷サーバ200との接続が確認できなければ、印刷サーバ200及び印刷データ変換サーバ600間の接続も危ぶまれる。このようなことから、本実施形態では、印刷データ変換サーバ600と画像形成装置100との通信障害に限定して言及している。
【0041】
以上、本実施形態によれば、印刷データ変換サーバ600及び画像形成装置100間で通信障害が発生した場合において、直接経路に切替え可能である場合、印刷結果がエラーとならずに印刷することができる。
また、ユーザが設定した高画質設定値を考慮し、一時的にラスタデータの解像度を上げて印刷データの取得を要求するため、通常の直接経路の出力結果より高品位な印刷データ、即ちユーザが意図する画質により近い印刷データで印刷することができる。
また、本実施形態によれば、印刷設定情報を変えてジョブを再度投入する必要がなくなるので、ユーザの負担を軽減することができる。
【0042】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、データ取得経路を判断する構成として、印刷設定情報の画質設定値を参照する例を示し、通信障害の発生時において、印刷結果がエラーとならずに処理を継続させるための構成を示した。しかしながら、データ取得経路によって出力結果が異なる場合、データ取得先を切替えずに印刷を停止させる必要があるジョブが投入されることも想定される。
例えば、地紋透かしなどのセキュリティ文書の作成を目的とする印刷(地紋印刷)において、印刷データ変換サーバ600のみ地紋透かし機能が備えられている場合に、データ取得経路を直接経路に切替えて印刷することは不可能である。強制的にデータ取得経路を切替え、データ要求内容を地紋印刷としたとしても、仕様によって地紋印刷が無視されて印刷してしまうおそれもある。
そこで、本実施形態では、このような代替データの取得が不可能なジョブを保留にする構成について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態の構成と同一の構成については同一の符号を用いてその説明を適宜省略する。
【0043】
図11は、データ取得経路判断処理(S1005の処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、ROM104に記憶されており、CPU102によってRAM103に読み出されて実行される。
まず、画像形成装置100は、印刷サーバ200から受信したジョブリストを参照する(S1301)。続いてS1302では、画像形成装置100は、ジョブリスト(図8)に含まれている印刷設定情報の設定値(地紋印刷に関する設定値等)を読み出す。続いてS1303では、画像形成装置100は、代替データ取得可否判断用テーブル(図9(B))を参照し、読み出した設定値が代替データの取得可能なパラメータであるか否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、代替データの取得不可能なパラメータが含まれていると判断した場合、S1304に処理を進め、他方、代替データの取得不可能なパラメータが含まれていないと判断した場合、S1305に処理を進める。
【0044】
S1304では、画像形成装置100は、ジョブ保留フラグをセットして次のジョブの処理(S1009の処理)を行う。この際、画像形成装置100は、例えば、出力不可能なジョブが存在していることをLCD220において表示する。
S1305では、画像形成装置100は、データ取得経路を決定する。本例では、データ取得経路として間接経路が決定される。S1306では、画像形成装置100は、データ取得経路先のサーバ(印刷データ変換サーバ600)との接続の確認を行う。
【0045】
以降、第1の実施形態のS1206以降の処理と同様に、接続が確認できた場合、画像形成装置100は、取得する印刷データが地紋印刷用の印刷データとなるようにデータ取得要求を作成する(S1307)。例えば、画像形成装置100は、地紋印刷用の印刷データを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
他方、接続が確認できなかった場合、画像形成装置100は、データ取得の作成モードを通常印刷作成モードから地紋印刷作成モードに変更する(S1308)。そして、画像形成装置100は、データ取得経路を直接経路に変更し(S1309)、取得する印刷データが地紋印刷用の印刷データとなるようにデータ取得要求を作成する(S1310)。
また、S1311(S1006)では、画像形成装置100は、データ取得先のサーバに対してデータ取得要求を送信し、S1007以降の処理を行う。
以上、本実施形態によれば、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブを保留にすることで、より適切に印刷を制御できるようになる。
【0046】
なお、本実施形態は、上述の構成に限られるものではない。例えば、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブでないと判断(S1303でNOであると判断)したときに、S1305以降の処理に代えて第1の実施形態のS1202以降の処理を行う構成としてもよい。この構成によれば、セキュリティ文書の作成を目的とした地紋印刷などが指示されている場合、データ取得経路を自動で切替えないように制御することができる。
また、例えば、S1306でNOであると判断してからS1303の判断を行い、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブであると判断した場合、ユーザに印刷を継続するか否かを確認する画面を提供する構成を採用してもよい。例えば、印刷を継続すると判断した場合、画像形成装置100は、印刷データを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成し、S1311に処理を進め、他方、印刷を継続しないと判断した場合、ジョブ保留フラグをセットし、次のジョブの処理を行う。この構成によれば、通信障害が発生したときは、印刷データ(印刷設定情報)に応じて、意図的に印刷を停止するか強制的に継続するかを選択することができるようになる。なお、この構成においては、通信エラーの解除後に、印刷が開始されるようにする。
また、例えば、S1306でNOであると判断してからS1303の判断を行い、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブであると判断した場合、ジョブ保留フラグをセットする。そして、図4(E)、(F)に示すような画面をLCD220に表示し、次のジョブの処理を行う構成としてもよい。なお、画像形成装置100は、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブでないと判断した場合、S1308に処理を進める。
【0047】
<その他の実施形態>
上述した実施形態の構成は、適宜組み合わせて採用することができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0048】
上述した実施形態の構成によれば、より適切に印刷を制御することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、印刷制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタなどの事務機器でクラウドプリントに対応した機器が増えてきている。クラウドプリントとは、ユーザが端末を介してクラウドサービスにアクセスし、リモートでファイルをプリント(印刷)することを可能とした技術である。クラウドプリントでは、プリンタドライバを一切必要とせず、直接デスクトップやモバイルアプリケーションからファイルをあらゆるプリンタへ送信することができる。
また、スマートフォン、タブレット端末などの普及に伴い、携帯端末を使ったメール、ウェブページ閲覧、文書作成などの機会が増えてきていることから、ドライバレスのクラウドプリントのクラウドサービスは、今後のWebサービスの主流となりつつある。
【0003】
また、低価格でコンパクトな画像形成装置の市場においても、クラウドプリントへの対応は求められており、クラウドプリントを実現する方法が提案されてきている。例えば、PDFの印刷が非対応であるような廉価な画像形成装置においては、印刷サーバの出力フォーマットがPDFのみである場合、ダイレクトに印刷データを取得して印刷することができない。
このようなシステム構成の問題を解決する方法として、変換サーバを介して画像形成装置で印刷ができるフォーマット(例えばPDL:Page Description Language)に変換してデータを取得する方法が提案されている。
また、印刷サーバで出力されるフォーマットが画像形成装置でレンダリング可能であったとしても、画像形成装置の性能によってはパフォーマンスが懸念される。このような場合の対策として、印刷設定情報(画質設定値など)や画像形成装置の動作状況に応じて、取得するデータの最適なフォーマットを選定し、選定したフォーマットに従ってデータを取得する経路(データ取得経路)を動的に切替える方法も検討されている。
【0004】
このように、低価格でコンパクトな画像形成装置では、画像形成装置の能力に見合ったシステム構成を採用することで、質の高いサービスの提供を実現している。
しかしながら、データ取得経路を複数有するシステム構成である場合、ある1つのデータ取得経路において通信障害が発生すると、その経路を経由してデータを取得することができなくなってしまう問題がある。このような場合のデータ取得先の切替えに関する技術として、元のデータ取得先のサーバに障害が発生した時に、他のサーバを動的に新たなデータ取得先のサーバとして切替える方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
メインのデータ取得先のサーバは、データ取得先の代替となり得る複数のサーバのアドレス情報リスト(IPアドレス、MACアドレス、機種番号など)を保存し、アドレス情報リストを予めサブのサーバに送信しておく。メインのデータ取得先のサーバ及び画像形成装置間での通信障害の発生をサブのサーバが検知すると、送信されたアドレス情報リストを参照して代替のデータ取得先のサーバを検索する。サブのサーバは、代替のデータ取得先のサーバが見つかるとメインのサーバとして設定する。このようにして、動的に新たなデータ取得先のサーバへの切替えを実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−85058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術によれば、各サーバは、同一N/W内に存在し、かつ同様の構成となっており、何れのサーバもメインまたはサブのデータ取得先のサーバとなり得る。そのため、各サーバは、何れもメインのデータ取得先のサーバの通信障害の発生を検知する手段とサーバ検索用のアドレス情報リストの作成手段(IPアドレスやMACアドレス通知用のI/F)とを有している。
しかしながら、クラウドプリントでは、複数のサーバ構成を特許文献1のように統一することは現実的ではない。また、画像形成装置から印刷サーバに対してデータの取得を要求する構成であるため、画像形成装置が能動的にデータ取得先を切替え可能としたい。
また、システム構成によっては、データ取得経路を切替えたことによって元のデータ取得先との出力の結果が異なってしまう可能性はあるが、ユーザの意図しないデータの出力はできる限り回避したい。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、より適切に印刷を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明に係る画像形成装置は、印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置であって、前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択手段と、前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択手段で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、方法、プログラム、システム、記憶媒体などとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より適切に印刷を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成装置の利用環境の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図3】操作パネルの構成の一例を示す図である。
【図4】LCDに表示される画面の一例を示す図である。
【図5】事前準備処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図6】印刷制御処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図7】サーバ処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図8】ジョブリストの一例を示す図である。
【図9】テーブルの一例を示す図である。
【図10】データ取得経路判断処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図11】データ取得経路判断処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている全ての構成が本発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。
【0013】
<第1の実施形態>
本実施形態では、クラウドプリントに対応する機能を搭載した画像形成装置における印刷データ(印刷情報の一例)の取得に関する技術について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の利用環境の一例(印刷制御システム)を示す図である。
画像形成装置100、印刷サーバ200、無線ネットワークルータ400、印刷データ変換サーバ600などが、クラウドネットワーク500に通信可能に接続されている。また、PDA端末300は、無線ネットワークルータ400を介して、クラウドネットワーク500に通信可能に接続されている。
ここで、PDA端末300は、ユーザによる印刷の指示に応じて、予め定められたプロトコルによって印刷サーバ200と通信し、印刷の要求を印刷サーバ200に送信する。なお、この際、印刷データ、印刷データについての印刷設定情報も併せて送信されるものとして説明するが、この構成に限られるものではない。例えば、印刷データについては、別の手段により、印刷サーバ200に記憶されていてもよい。
【0014】
印刷サーバ200は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、PDA端末300から印刷の要求を受信すると、画像形成装置100に対して印刷に係るジョブが存在することを通知(ジョブ通知)する。
画像形成装置100は、印刷サーバ200からのジョブ通知に従って、予め定められたプロトコルで印刷サーバ200或いは印刷データ変換サーバ600からジョブ(ジョブ情報の一例)に係る印刷データを受信して印刷を実行する。
印刷データ変換サーバ600は、情報変換装置の一例であり、画像形成装置100からの後述のデータ取得要求に応答して印刷サーバ200から印刷データを取得し、当該印刷データを他の印刷データに変換して画像形成装置100に送信する。例えば、印刷データ変換サーバ600は、印刷サーバ200からPDFの印刷データ(PDFデータ)を取得すると、PDFデータを画像形成装置専用フォーマット(PDL等)の印刷データ(PDLデータ等)に変換して画像形成装置100に送信する。
【0015】
図2は、画像形成装置100のハードウェアの構成の一例を示す図である。画像形成装置100は、印刷部107、読取部109、操作パネル110、回線I/F112、及びこれらの制御を司るコントローラ部101を含んで構成される。
コントローラ部101は、情報処理装置(コンピュータ)の一例であり、CPU102、RAM103、ROM104、印刷部I/F106、読取部I/F108、MODEM111、USB I/F115、及びネットワークI/F116を含んで構成される。各デバイスは、システムバス105に通信可能に接続されている。
【0016】
CPU102は、各種の制御プログラムに従って各デバイスを総括的に制御する。各種の制御プログラムは、CPU102により、ROM104におけるプログラムを記憶する領域(プログラムROM)から読み出されて実行される。或いは、各種の制御プログラムは、CPU102により、ROM104のプログラムROMに記憶された圧縮されたデータがRAM103へ伸張、展開されて実行される。また、図示しないハードディスクドライブ(HDD)に各種の制御プログラムを圧縮状態または非圧縮状態で記憶する構成であってもよい。なお、ROM104、RAM103、及びHDDは、各種の情報を記憶する記憶部の一例である。
本実施形態では、CPU102が、ROM104に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、画像形成装置100における機能及び後述するフローチャートに係る処理が実現される。なお、画像形成装置100における機能、後述するフローチャートに係る処理の一部、又は全部を専用のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0017】
ネットワークI/F116は、有線通信部117又は無線通信部118を介してクラウドネットワーク500経由で印刷サーバ200及び印刷データ変換サーバ600との通信処理を行う。有線通信部117とクラウドネットワーク500とは、LANケーブル119などの通信ケーブルで接続され、無線通信部118とクラウドネットワーク500とは電気通信120によって接続される。
MODEM111は、回線I/F112を介して公衆回線網114と接続され、図示しない他の画像形成装置、ファクシミリ装置、電話機などと通信処理を行う。回線I/F112と公衆回線網114とは、電話線113などで接続される。
【0018】
印刷部I/F106は、印刷部107(プリンタエンジン)に画像信号を出力するインターフェースを担う。また、読取部I/F108は、読取部109(スキャナエンジン)からの画像信号を入力するインターフェースを担う。CPU102は、読取部I/F108より入力された画像信号を処理し、記録用の画像信号として印刷部I/F106へ出力する。
また、CPU102は、ROM104におけるフォント情報を記憶する領域(フォントROM)に記憶されたフォント情報を用いて、操作パネル110の表示部に文字や記号を表示し、ユーザの指示を受け付けた操作パネル110からの指示情報を受け取る。
また、ROM104におけるデータを記憶する領域(データROM)には、CPU102によって画像形成装置100の装置情報、ユーザの電話帳情報、部門管理情報などが記憶され、CPU102により必要に応じて読み出され、必要に応じて更新される。
本実施形態では、読取部109および印刷部107が画像形成装置100の内部に設けられる構成としたが、少なくとも一方が外部に設けられる構成であってもよい。
【0019】
図3は、操作パネル110の構成の一例を示す図である。ファンクションキー211からファンクションキー214までは、それぞれ「コピー」、「ファックス」、「スキャン」、「メディアプリント」の各機能のファンクションキーである。各ファンクションキーが押下されると、関連付けられている機能のトップ画面(基本画面)に画面が遷移する。なお、選択されている機能については、関連付けられているファンクションキーが点灯する。
OKキー215は、項目の選択の指示を受け付ける。上の矢印キー216、下の矢印キー217、左の矢印キー218、及び右の矢印キー219は、項目の移動の指示を受け付ける。LCD220は、各種の画面を表示する。
【0020】
スタートキー221は、白黒の印刷(コピー等)の指示を受け付ける。押下が可能である状態ではスタートキー221が点灯する。同様にスタートキー222は、カラーの印刷(コピー等)の指示を受け付ける。押下が可能である状態ではスタートキー222が点灯する。ストップキー223は、ジョブの停止などの指示を受け付ける。
メニューキー224は、クラウドプリントに関する設定値を受け付ける設定画面に画面を遷移する。設定画面では、ON/OFFなど各種の設定値の指定が可能である。状況確認キー225は、印刷の履歴を示す履歴画面に画面を遷移する。
【0021】
図4は、LCD220に表示される画面の一例を示す図である。図4(A)は、クラウドプリントを有効または無効にする画面の一例(設定画面710)を示す図である。設定画面710は、操作パネル110におけるメニューキー224の押下によりメニュー画面に画面が遷移し、当該メニュー画面内の項目であるシステム管理設定項目の押下により表示される。
また、設定画面710は、3行から構成され、最初の行(1行目)にはタイトルが表示される。2行目には、設定値として「OFF」を設定する項目711が表示され、3行目には、設定値として「ON」を設定する項目712が表示される。各項目は、OKキー215にて選択可能である。
図4(B)は、エラーを通知する画面の一例(エラー画面720)を示す図である。エラー画面720は、設定画面710にてクラウドプリントを有効(設定値をON)にしたが、印刷サーバ200に画像形成装置100の情報の登録が行われていないなど、動作環境が整っていない場合に、ポップアップで表示される。
【0022】
図4(C)は、操作パネル110における通常時(クラウドプリントが無効の様態)のコピー機能のトップ画面の一例(トップ画面730)を示す図である。トップ画面730は、コピー機能の基本画面であり、5行から構成され、1行目および2行目には、コピーを開始するための指示の内容、拡大或いは縮小の倍率、用紙トレイ、及び用紙サイズの設定項目および設定値が表示される。3行目から5行目までには、コピーのジョブに指定可能な動作モードについての設定項目および設定値731が表示される。表示しきれない場合は、スクロールバー732がトップ画面730の右端に表示される。
図4(D)は、クラウドプリントが有効(設定値がON)であるが、画像形成装置100の情報の登録が取り消されたなど、動作環境が整っていない場合に、トグル表示でエラーを表示するコピー機能のトップ画面の一例(トップ画面730)を示す図である。クラウドプリントを無効(設定値をOFF)にするか、或いはRUI(リモートユーザインタフェース)から画像形成装置100の情報の登録状況を確認し、必要な設定値を指定することにより、エラーの表示は解除される。
【0023】
図4(E)及び(F)は、クラウドプリントが有効である場合における印刷エラーの通知中のコピー機能のトップ画面の一例(トップ画面730)を示す図である。画像形成装置100は、例えば、データ取得先のサーバの代替のデータ取得先を検索できなかった場合に当該画面を表示する。
トップ画面730では、1行目および2行目のステータスの行が領域734と領域735とのトグルで表示される。
【0024】
図4(G)は、操作パネル110における状況確認キー225の押下により遷移する画面の一例(履歴画面740)を示す図である。1行目には、タイトルが表示される。2行目から5行目までには、ジョブの履歴として日付、結果等の項目の情報が表示される。
図4(H)は、図4(G)の履歴画面740において、カーソルの当たっているジョブ741上で、OKキー215が押下されることにより表示される履歴の詳細画面の一例(詳細画面750)を示す図である。1行目には、タイトルが表示される。2行目から5行目までには、受付番号、結果、ジョブタイプ、開始時刻などの項目の情報が表示される。
【0025】
図5は、印刷サーバ200が画像形成装置100の情報を事前に登録する処理(事前準備処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、HDD等の記憶装置に記憶されており、CPUによって読み出されて実行される。
クラウドプリントを利用するには印刷サーバ200に、画像形成装置100の情報(画像形成装置100の能力に係る情報など)を事前に登録する必要がある。画像形成装置100の情報の登録は、RUIにて可能である。より具体的には、RUIにより、印刷サーバ200から登録用情報が取得され、登録用情報をもとにブラウザ上に表示される内容に従って画像形成装置100の情報が入力される。そして、S1000では、印刷サーバ200は、入力された情報をRUIから受け取ってHDD等の記憶装置に記憶(登録)する。
【0026】
図6は、画像形成装置100が行うクラウドプリントの基本的な処理(印刷制御処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、ROM104に記憶されており、CPU102によってRAM103に読み出されて実行される。
ここで、画像形成装置100の情報の登録が完了し、クラウドプリントを有効(設定値をON)にすると、印刷サーバ200と画像形成装置100とがXMPPプロトコルで常時接続されるようになる。これにより、画像形成装置100は、印刷サーバ200からジョブ通知を受けることが可能になる。
【0027】
まず、画像形成装置100は、ジョブ通知を受信したか否かを判断する(S1001)。このとき、画像形成装置100は、受信したと判断した場合、S1002に処理を進め、他方、受信しなかったと判断した場合、再びS1001の判断を行う。
S1002では、画像形成装置100は、印刷サーバ200に対してジョブリストを要求(fetch要求)する。続いてS1003では、画像形成装置100は、印刷サーバ200からジョブリストを受信すると、画像形成装置100で印刷すべきジョブがある否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、印刷すべきジョブがあると判断した場合、S1004に処理を進め、他方、印刷すべきジョブがないと判断した場合、S1001に処理を移す。
【0028】
S1004では、画像形成装置100は、カウンタiに初期値「1」をセットする。続いてS1005では、画像形成装置100は、選別したジョブに対してデータ取得経路を特定する(データ取得経路判断処理)。本実施形態では、印刷サーバ200から印刷データを取得する直接経路であるか印刷データ変換サーバ600を経由して印刷データを取得する間接経路であるかを判断している。なお、データ取得経路判断処理の詳細については、図10を用いて説明する。
続いてS1006では、画像形成装置100は、データ取得経路上のサーバに対してJOBTicketの取得の要求(JOBTicket取得要求)を送信する。本実施形態では、データ取得経路上のサーバとしては、印刷サーバ200及び印刷データ変換サーバ600が該当する。なお、JOBTicket取得要求は、要求情報の一例であり、いわゆる印刷データの取得の要求(データ取得要求)のことである。
【0029】
続いてS1007では、画像形成装置100は、印刷サーバ200から直接、或いは印刷データ変換サーバ600を介して、対象のジョブの印刷データのダウンロードを開始する。続いて1008では、画像形成装置100は、ダウンロードした印刷データを印刷する。続いてS1009では、画像形成装置100は、カウンタiをカウントアップ(印刷済のジョブ数をカウント)する。
続いてS1010では、画像形成装置100は、印刷すべきジョブの全てについて処理が終了したか否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、終了したと判断した場合、S1002に処理を移し、他方、終了していないと判断した場合、S1005に処理を移す。
【0030】
図7は、印刷サーバ200が行う基本的な処理(サーバ処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、HDD等の記憶装置に記憶されており、CPUによって読み出されて実行される。
印刷サーバ200と画像形成装置100とがXMPPプロトコルで常時接続されている場合、まず、印刷サーバ200は、PDA端末300などの外部端末から印刷データの印刷の要求を受信する(S2001)。なお、本実施形態では、印刷サーバ200は、印刷の要求と共に、印刷データおよび印刷設定情報を受信するものとして説明する。
続いてS2002では、印刷サーバ200は、受信した印刷データのジョブを生成し、画像形成装置100に対してジョブの有無を知らせるジョブ通知を行う。続いてS2003では、印刷サーバ200は、画像形成装置100からジョブリストのfetch要求を受信したか否かを判断する。このとき、印刷サーバ200は、受信したと判断した場合、S2004に処理を進め、他方、受信していないと判断した場合、再びS2003の判断を行う。
【0031】
S2004では、印刷サーバ200は、印刷キューに溜まっているジョブのジョブリスト(ジョブの一覧)を画像形成装置100に送信する。続いてS2005では、印刷サーバ200は、画像形成装置100からJOBTicket取得要求、つまりデータ取得要求を受信したか否かを判断する。このとき、印刷サーバ200は、受信したと判断した場合、S2006に処理を進め、他方、受信していないと判断した場合、再びS2005の判断を行う。
S2006では、印刷サーバ200は、受信したデータ取得要求に従って、対象のジョブのラスタフォーマットの印刷データ(ラスタデータ)を生成する。続いてS2007では、印刷サーバ200は、生成した印刷データを画像形成装置100に送信する。
なお、図示は省略するが、印刷サーバ200は、印刷データ変換サーバ600を介してデータ取得要求を受信した場合、対象のジョブの印刷データ(PDFデータ)を印刷データ変換サーバ600に送信する。また、印刷データ変換サーバ600は、PDFデータを受信すると、PDFデータをPDLデータに変換して画像形成装置100に送信する。
【0032】
図8は、印刷サーバ200から画像形成装置100が受信するジョブリストの一例を示す図である。ジョブリストの項目としては、ジョブID、PINコード、用紙サイズ、画質設定、レイアウト、地文印刷などがある。画像形成装置100は、印刷サーバ200へのジョブリストのfetch要求により、ジョブリストを取得することができる。
図9(A)は、画像形成装置100が印刷データのデータ取得経路の判断時に参照する管理テーブルの一例を示す図である。管理テーブルは、画像形成装置100の内部で保持(ROM104等に記憶)され、各パラメータ(印刷に用いられる設定項目の設定情報)に基づいてデータ取得経路が決定される。換言するならば、管理テーブルには、予め定められた設定項目の設定値とデータ取得経路の情報とが対応付けられた情報(管理情報の一例)が記憶されている。
図9(B)は、代替データ取得可否判定用テーブルの一例を示す図である。代替データ取得可否判定用テーブルには、図9(A)の各パラメータに対してそれぞれ代替データ取得経路の確保が可能であるかを示す情報が記憶されている。代替データの取得が可能な設定項目の設定値である場合、画像形成装置100は、データ取得経路を切替えて印刷データを取得することができる。なお、詳細については、図11を用いて説明する。
【0033】
図10は、画像形成装置100が取得したジョブリストを用いてデータ取得経路を判断するデータ取得経路判断処理(図6のS1005の処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、ROM104に記憶されており、CPU102によってRAM103に読み出されて実行される。
本実施形態では、画像形成装置100は、印刷サーバ200からダイレクトに印刷データを取得して印刷することも、印刷データ変換サーバ600を経由して印刷データを取得して印刷することもできる。そこで、本実施形態では、画像形成装置100が、ジョブリストを取得した後、各ジョブの印刷設定情報の画質設定値に基づいてデータ取得経路を判断する例を挙げて説明する。
【0034】
ここで、本実施形態では、印刷サーバ200は、複数種類の解像度(通常解像度、高解像度)のラスタデータ、及びPDFデータを出力可能であり、後述するように、PDA端末300で指定された画質設定値に応じて出力の態様が変更される構成を採用している。
例えば、画質設定値が相対的に低い値である場合、画像形成装置100が印刷サーバ200からダイレクトに印刷データを取得する直接経路が選択される。この場合においては、印刷サーバ200から取得する印刷データのフォーマットについては、通常解像度のラスタフォーマット(300×300dpi)を要求すること(通常画質作成モード)がプログラム、管理テーブル等に定義されている。
また、例えば、画質設定値が相対的に高い値である場合、原則として、画像形成装置100が印刷データ変換サーバ600経由で印刷データを取得する間接経路が選択される。この場合においては、印刷データ変換サーバ600を経由して取得する印刷データのフォーマットについては、廉価デバイス版のPDLフォーマットを要求することがプログラム、管理テーブル等に定義されている。
【0035】
ラスタフォーマットのデフォルトの解像度を通常解像度に固定している理由としては、画質設定値として相対的に低い値が指定されている場合に、性能が低い廉価な画像形成装置においてパフォーマンス及びそれほど重視されていない画質を考慮するためである。
他方、印刷データ変換サーバ600経由でPDLフォーマットの印刷データを取得する理由としては、画質設定値として相対的に高い値が指定されている場合に、ラスタフォーマットの印刷データよりも高品位な印刷データの取得が可能となるためである。例えば、画像形成装置のレジ情報、LUT等の情報を含めた画像処理を印刷データ変換サーバ600で行うことで、ラスタフォーマットの印刷データよりも高品位な印刷データの取得が可能となる。画像形成装置のレジ情報とは、エンジン特性による色毎(CMYK)の印字情報のズレを示すものであり、LUT(Look Up Table)とは、色変換用のLUTを示している。
【0036】
まず、画像形成装置100は、データ取得経路判断処理において、印刷サーバ200から受信したジョブリストを参照する(S1201)。続いてS1202では、画像形成装置100は、ジョブリスト(図8)のジョブを解析して当該ジョブに含まれている画質設定値が高画質を示す値(高画質設定値)であるか否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、高画質設定値であると判断した場合、S1205に処理を進め、他方、高画質設定値でない、例えば画質設定値が通常の画質を示す値(通常画質設定値)であると判断した場合、S1203に処理を進める。
S1203では、画像形成装置100は、データ取得経路として、画像形成装置100が印刷サーバ200からダイレクトに印刷データを取得する直接経路を決定する。続いてS1204では、画像形成装置100は、取得する印刷データがラスターデータ(300×300dpi)となるようにデータ取得要求を作成し、S1211(S1006)に処理を進める。例えば、画像形成装置100は、通常解像度のラスタデータを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
【0037】
S1205では、画像形成装置100は、データ取得経路として、画像形成装置100が印刷データ変換サーバ600経由で印刷データを取得する間接経路を決定する。続いてS1206では、画像形成装置100は、印刷データ変換サーバ600との接続の確認を行う(通信可能であるか否かを判断する)。このとき、画像形成装置100は、通信可能であると判断した場合、S1207に処理を進め、他方、通信不可能であると判断した場合、S1208に処理を進める。
S1207では、画像形成装置100は、取得する印刷データがPDLデータ(BDL-Image)となるようにデータ取得要求を作成する。例えば、画像形成装置100は、PDLデータを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
【0038】
S1208では、画像形成装置100は、データ取得要求の作成モードを通常画質作成モードから高画質作成モードに変更する。続いてS1209では、画像形成装置100は、データ取得経路を直接経路に切替える。
続いてS1210では、画像形成装置100は、取得する印刷データが一時的にラスターデータ(600×600dpi)となるようにデータ取得要求を作成し、S1211に処理を進める。例えば、画像形成装置100は、高解像度のラスタデータを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
即ち、印刷サーバ200で出力可能かつ画像形成装置100で印刷可能な印刷データ(複数のラスタデータ)のうちPDLデータにより近い印刷データ(より高解像度のラスタデータ)となるように印刷サーバ200に変換を要求するデータ取得要求が作成される。
S1211では、画像形成装置100は、データ取得先のサーバに対してデータ取得要求を送信し、S1007に処理を進める。なお、S1211は、S1006と同じ処理である。
【0039】
ここで、データ取得先の切替えを判断する構成、即ち印刷データ変換サーバ600を介した印刷データの取得の妨げとなる要因があるか否かを判断する構成は、印刷データ変換サーバ600との接続を確認する構成に限られるものではない。
例えば、この構成に加えて又は代えて、印刷サーバ200と印刷データ変換サーバ600との接続を確認する構成を採用してもよい。また、例えば、印刷データ変換サーバ600がダウンしている状態、印刷データ変換サーバ600の処理が重い状態(キューが溜まっている状態)などを示す情報を取得してデータ取得先の切替えを判断してもよい。
【0040】
また、データ取得経路を判断する構成は、画質設定値であるか否かで判断する構成に限られるものではない。例えば、印刷設定情報の他の設定項目の設定値を用いてデータ取得経路を判断してもよい。
なお、図10では、印刷データ変換サーバ600及び画像形成装置100間の通信障害が発生した場合の処理に限定している。その理由としては、印刷サーバ200及び画像形成装置100間で通信障害が発生した場合、そもそもS1001のジョブ通知が受信されないためジョブリストを取得することができない。また、印刷サーバ200との接続が確認できなければ、印刷サーバ200及び印刷データ変換サーバ600間の接続も危ぶまれる。このようなことから、本実施形態では、印刷データ変換サーバ600と画像形成装置100との通信障害に限定して言及している。
【0041】
以上、本実施形態によれば、印刷データ変換サーバ600及び画像形成装置100間で通信障害が発生した場合において、直接経路に切替え可能である場合、印刷結果がエラーとならずに印刷することができる。
また、ユーザが設定した高画質設定値を考慮し、一時的にラスタデータの解像度を上げて印刷データの取得を要求するため、通常の直接経路の出力結果より高品位な印刷データ、即ちユーザが意図する画質により近い印刷データで印刷することができる。
また、本実施形態によれば、印刷設定情報を変えてジョブを再度投入する必要がなくなるので、ユーザの負担を軽減することができる。
【0042】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、データ取得経路を判断する構成として、印刷設定情報の画質設定値を参照する例を示し、通信障害の発生時において、印刷結果がエラーとならずに処理を継続させるための構成を示した。しかしながら、データ取得経路によって出力結果が異なる場合、データ取得先を切替えずに印刷を停止させる必要があるジョブが投入されることも想定される。
例えば、地紋透かしなどのセキュリティ文書の作成を目的とする印刷(地紋印刷)において、印刷データ変換サーバ600のみ地紋透かし機能が備えられている場合に、データ取得経路を直接経路に切替えて印刷することは不可能である。強制的にデータ取得経路を切替え、データ要求内容を地紋印刷としたとしても、仕様によって地紋印刷が無視されて印刷してしまうおそれもある。
そこで、本実施形態では、このような代替データの取得が不可能なジョブを保留にする構成について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態の構成と同一の構成については同一の符号を用いてその説明を適宜省略する。
【0043】
図11は、データ取得経路判断処理(S1005の処理)に係るフローチャートの一例を示す図である。なお、本フローチャートに係るプログラム、及びプログラムの実行に必要なデータは、ROM104に記憶されており、CPU102によってRAM103に読み出されて実行される。
まず、画像形成装置100は、印刷サーバ200から受信したジョブリストを参照する(S1301)。続いてS1302では、画像形成装置100は、ジョブリスト(図8)に含まれている印刷設定情報の設定値(地紋印刷に関する設定値等)を読み出す。続いてS1303では、画像形成装置100は、代替データ取得可否判断用テーブル(図9(B))を参照し、読み出した設定値が代替データの取得可能なパラメータであるか否かを判断する。このとき、画像形成装置100は、代替データの取得不可能なパラメータが含まれていると判断した場合、S1304に処理を進め、他方、代替データの取得不可能なパラメータが含まれていないと判断した場合、S1305に処理を進める。
【0044】
S1304では、画像形成装置100は、ジョブ保留フラグをセットして次のジョブの処理(S1009の処理)を行う。この際、画像形成装置100は、例えば、出力不可能なジョブが存在していることをLCD220において表示する。
S1305では、画像形成装置100は、データ取得経路を決定する。本例では、データ取得経路として間接経路が決定される。S1306では、画像形成装置100は、データ取得経路先のサーバ(印刷データ変換サーバ600)との接続の確認を行う。
【0045】
以降、第1の実施形態のS1206以降の処理と同様に、接続が確認できた場合、画像形成装置100は、取得する印刷データが地紋印刷用の印刷データとなるようにデータ取得要求を作成する(S1307)。例えば、画像形成装置100は、地紋印刷用の印刷データを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成する。
他方、接続が確認できなかった場合、画像形成装置100は、データ取得の作成モードを通常印刷作成モードから地紋印刷作成モードに変更する(S1308)。そして、画像形成装置100は、データ取得経路を直接経路に変更し(S1309)、取得する印刷データが地紋印刷用の印刷データとなるようにデータ取得要求を作成する(S1310)。
また、S1311(S1006)では、画像形成装置100は、データ取得先のサーバに対してデータ取得要求を送信し、S1007以降の処理を行う。
以上、本実施形態によれば、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブを保留にすることで、より適切に印刷を制御できるようになる。
【0046】
なお、本実施形態は、上述の構成に限られるものではない。例えば、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブでないと判断(S1303でNOであると判断)したときに、S1305以降の処理に代えて第1の実施形態のS1202以降の処理を行う構成としてもよい。この構成によれば、セキュリティ文書の作成を目的とした地紋印刷などが指示されている場合、データ取得経路を自動で切替えないように制御することができる。
また、例えば、S1306でNOであると判断してからS1303の判断を行い、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブであると判断した場合、ユーザに印刷を継続するか否かを確認する画面を提供する構成を採用してもよい。例えば、印刷を継続すると判断した場合、画像形成装置100は、印刷データを要求することを示す情報を含むデータ取得要求を作成し、S1311に処理を進め、他方、印刷を継続しないと判断した場合、ジョブ保留フラグをセットし、次のジョブの処理を行う。この構成によれば、通信障害が発生したときは、印刷データ(印刷設定情報)に応じて、意図的に印刷を停止するか強制的に継続するかを選択することができるようになる。なお、この構成においては、通信エラーの解除後に、印刷が開始されるようにする。
また、例えば、S1306でNOであると判断してからS1303の判断を行い、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブであると判断した場合、ジョブ保留フラグをセットする。そして、図4(E)、(F)に示すような画面をLCD220に表示し、次のジョブの処理を行う構成としてもよい。なお、画像形成装置100は、代替データの取得が不可能な印刷データのジョブでないと判断した場合、S1308に処理を進める。
【0047】
<その他の実施形態>
上述した実施形態の構成は、適宜組み合わせて採用することができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0048】
上述した実施形態の構成によれば、より適切に印刷を制御することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置であって、
前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択手段と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択手段で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記情報処理装置から前記ジョブ情報を取得する取得手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記作成手段は、前記情報処理装置と前記情報変換装置との接続、及び前記情報変換装置と前記画像形成装置との接続の何れかの接続において通信できないことを確認したときは前記要因があると判断し、前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部には、予め定められた設定項目の設定情報と前記他の経路の情報とが対応付けられた管理情報が記憶され、
前記選択手段は、前記ジョブ情報に含まれる設定項目の設定情報を特定し、前記管理情報を用いて、特定した設定情報が前記他の経路の情報と対応付けられていると判断した場合、前記他の印刷情報への変換が必要であると判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記情報処理装置に前記要求情報を送信する送信手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記要求情報に従って変換された印刷情報を前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、印刷に用いられる設定項目の設定情報に応じた他の印刷情報に前記印刷情報を変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置であって、
前記記憶部に記憶されている前記情報処理装置で変換できない設定項目を示す情報を用いて、前記印刷情報のジョブ情報に前記設定項目が含まれていると判断した場合、前記ジョブ情報の印刷を保留し、前記ジョブ情報に前記設定項目が含まれていないと判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択手段と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択手段で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記印刷情報を前記他の印刷情報とするように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置における印刷制御方法であって、
選択手段が、前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
作成手段が、前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項9】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、印刷に用いられる設定項目の設定情報に応じた他の印刷情報に前記印刷情報を変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置における印刷制御方法であって、
選択手段が、前記記憶部に記憶されている前記情報処理装置で変換できない設定項目を示す情報を用いて、前記印刷情報のジョブ情報に前記設定項目が含まれていると判断した場合、前記ジョブ情報の印刷を保留し、前記ジョブ情報に前記設定項目が含まれていないと判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
作成手段が、前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記印刷情報を前記他の印刷情報とするように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項10】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置のコンピュータに、
前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を実行させるプログラム。
【請求項11】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、印刷に用いられる設定項目の設定情報に応じた他の印刷情報に前記印刷情報を変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置のコンピュータに、
前記記憶部に記憶されている前記情報処理装置で変換できない設定項目を示す情報を用いて、前記印刷情報のジョブ情報に前記設定項目が含まれていると判断した場合、前記ジョブ情報の印刷を保留し、前記ジョブ情報に前記設定項目が含まれていないと判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記印刷情報を前記他の印刷情報とするように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を実行させるプログラム。
【請求項1】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置であって、
前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択手段と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択手段で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記情報処理装置から前記ジョブ情報を取得する取得手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記作成手段は、前記情報処理装置と前記情報変換装置との接続、及び前記情報変換装置と前記画像形成装置との接続の何れかの接続において通信できないことを確認したときは前記要因があると判断し、前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部には、予め定められた設定項目の設定情報と前記他の経路の情報とが対応付けられた管理情報が記憶され、
前記選択手段は、前記ジョブ情報に含まれる設定項目の設定情報を特定し、前記管理情報を用いて、特定した設定情報が前記他の経路の情報と対応付けられていると判断した場合、前記他の印刷情報への変換が必要であると判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記情報処理装置に前記要求情報を送信する送信手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記要求情報に従って変換された印刷情報を前記情報処理装置から受信して印刷する印刷手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、印刷に用いられる設定項目の設定情報に応じた他の印刷情報に前記印刷情報を変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置であって、
前記記憶部に記憶されている前記情報処理装置で変換できない設定項目を示す情報を用いて、前記印刷情報のジョブ情報に前記設定項目が含まれていると判断した場合、前記ジョブ情報の印刷を保留し、前記ジョブ情報に前記設定項目が含まれていないと判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択手段と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択手段で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記印刷情報を前記他の印刷情報とするように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置における印刷制御方法であって、
選択手段が、前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
作成手段が、前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項9】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、印刷に用いられる設定項目の設定情報に応じた他の印刷情報に前記印刷情報を変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置における印刷制御方法であって、
選択手段が、前記記憶部に記憶されている前記情報処理装置で変換できない設定項目を示す情報を用いて、前記印刷情報のジョブ情報に前記設定項目が含まれていると判断した場合、前記ジョブ情報の印刷を保留し、前記ジョブ情報に前記設定項目が含まれていないと判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
作成手段が、前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記印刷情報を前記他の印刷情報とするように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項10】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、前記印刷情報を前記印刷情報とは異なる他の印刷情報に変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置のコンピュータに、
前記印刷情報のジョブ情報を参照して前記他の印刷情報への変換が必要であるか否かを判断し、必要であると判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記情報処理装置で出力可能かつ前記画像形成装置で印刷可能な印刷情報のうち前記印刷情報が前記他の印刷情報により近い印刷情報となるように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を実行させるプログラム。
【請求項11】
印刷情報を有する情報処理装置から前記印刷情報を取得する一の経路の情報、印刷に用いられる設定項目の設定情報に応じた他の印刷情報に前記印刷情報を変換する情報変換装置を介して前記他の印刷情報を取得する他の経路の情報が記憶された記憶部を有する画像形成装置のコンピュータに、
前記記憶部に記憶されている前記情報処理装置で変換できない設定項目を示す情報を用いて、前記印刷情報のジョブ情報に前記設定項目が含まれていると判断した場合、前記ジョブ情報の印刷を保留し、前記ジョブ情報に前記設定項目が含まれていないと判断した場合、前記他の経路の情報を選択する選択工程と、
前記他の印刷情報の取得の妨げとなる要因があるか否かを判断し、前記要因があると判断した場合、前記選択工程で選択された前記他の経路の情報を前記一の経路の情報に変更し、前記印刷情報を前記他の印刷情報とするように前記情報処理装置に変換を要求する要求情報を作成する作成工程と、を実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−103477(P2013−103477A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250878(P2011−250878)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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