説明

画像形成装置、及び、画像形成システム

【課題】転写ローラが媒体に現像剤像を適切に転写する。
【解決手段】現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、を備えた画像形成装置であって、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づくことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームプリンタ等の画像形成装置は既によく知られている。かかる画像形成装置は、例えば、ホストコンピュータなどの外部装置からの画像信号等を受信すると、現像装置を感光体と対向する現像位置に位置決めし、感光体に担持された潜像を、現像装置内の現像剤で現像して現像剤像を形成し、前記現像剤像を媒体に転写し、該現像剤像を前記媒体に定着させ、最終的に媒体に画像を形成する機能を有している。
【0003】
また、上記の機能を有する画像形成装置の中には、前記現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、前記中間転写体に離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を媒体に転写するための転写ローラと、該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットを備えているものもある。
【特許文献1】特開平9−197847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現像剤像を前記中間転写体から前記媒体に転写するためには、例えば、転写バイアスが印加される必要がある。
一方、転写バイアスは転写ローラの抵抗値によって変化し、また、該抵抗値は前記転写ローラの温度に依存して変化する。このため、転写ローラの温度変動範囲が広い場合、前記抵抗値の変化によって転写バイアスが不安定となり、媒体に転写された現像剤像に濃度ムラが生じるなど、現像剤像の転写が適切に行われない虞がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、転写ローラが媒体に現像剤像を適切に転写することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主たる本発明は、現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、を備えた画像形成装置であって、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動する画像形成装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0009】
現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、を備えた画像形成装置であって、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動する画像形成装置。
かかる画像形成装置によれば、転写ローラを加温させて、該転写ローラの抵抗値が安定することにより、転写ローラが媒体に現像剤像を適切に転写することができる。
【0010】
また、前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口、が設けられており、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を閉塞する仮想平面、と交わることとしてもよい。
かかる画像形成装置によれば、転写ローラがより効率良く加温されるため、該転写ローラが媒体に現像剤像をより適切に転写することができる。さらに、前記転写ローラが、定着ユニット内の熱が該定着ユニット外に放出することを抑制するため、定着ユニットの所要暖機時間も短縮することができる。
【0011】
また、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記定着ユニットに接していることとしてもよい。
かかる画像形成装置によれば、転写ローラがさらに効率良く加温されるため、該転写ローラが媒体に現像剤像をより一層適切に転写することができる。
【0012】
また、前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口、が設けられており、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を塞ぐこととしてもよい。
かかる画像形成装置によれば、転写ローラがより効率良く加温されるため、該転写ローラが媒体に現像剤像をなお一層適切に転写することができる。さらに、前記転写ローラが、定着ユニット内の熱が該定着ユニット外に放出することを一層抑制するため、前記所要暖機時間もより短縮することができる。
【0013】
また、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、回転することとしてもよい。
かかる画像形成装置によれば、転写ローラの表面がより均一に加温されるため、転写ローラが媒体に現像剤像をより適切に転写することができる。
【0014】
また、前記定着ユニットは、回転可能なローラを備えており、該ローラを回転させる駆動源と、前記中間転写体から離間した待機位置で前記転写ローラを回転させる駆動源とは同一であることとしてもよい。
かかる画像形成装置によれば、転写ローラを回転させる駆動源を増設させる必要がない。
【0015】
また、現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、を備えた画像形成装置であって、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動し、前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口が、が設けられており、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を閉塞する仮想平面、と交わり、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、回転し、前記定着ユニットは、回転可能なローラを備えており、該ローラを回転させる駆動源と、前記中間転写体から離間した待機位置で前記転写ローラを回転させる駆動源とは同一であること、を特徴とする画像形成装置も実現可能である。
このようにすれば、既述の殆どの効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
【0016】
また、現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、を備えた画像形成装置であって、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動し、前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口が、が設けられており、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記定着ユニットに接しており、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を塞ぐこと、を特徴とする画像形成装置も実現可能である。
このようにすれば、既述の殆どの効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
【0017】
また、コンピュータ、及び、このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、を備えた画像形成装置であって、前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動する画像形成装置も実現可能である。
かかる画像形成システムによれば、転写ローラが媒体に現像剤像を適切に転写することができる。
【0018】
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図1を用いて、画像形成装置としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
【0019】
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体62、感光体クリーニングユニット82を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
【0020】
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
【0021】
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
【0022】
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置に収容された現像剤の一例としてのトナー、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
【0023】
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの現像装置保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、プリンタ本体、より具体的には、YMCK現像ユニット50の前記現像装置保持部55a、55b、55c、55dに対して着脱可能となっている。
【0024】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を後述の中間転写体62に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体62にフルカラートナー像が形成される。
【0025】
中間転写体62は、感光体20上の現像剤像の一例としてのトナー像を記録媒体に転写する際の中間媒体である。この中間転写体62は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトである。中間転写体62は、駆動ローラ71、従動ローラ72等に掛け回されて張架されており感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
【0026】
二次転写ユニット80は、中間転写体62上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体(以下、記録媒体という)に転写するための装置である。なお、二次転写ユニット80の詳細については、後述する。
【0027】
定着ユニット90は、記録媒体上のトナー像を当該媒体に定着するための装置であり、内部ヒータ501cを備えた第一ローラ501と、該第一ローラ501を押圧する第二ローラ502を有している。なお、定着ユニット90の詳細については、後述する。
【0028】
また、プリンタ10の下部には、給紙トレイ92が設けられ、当該給紙トレイ92は、記録媒体を収納し、当該記録媒体を記録媒体搬送路400に供給する。記録媒体搬送路400は、当該給紙トレイ92から排紙トレイ226に亘って設けられている。また、当該記録媒体搬送路400は、記録媒体を給紙トレイ92から排紙トレイ226まで案内するためのガイド部、により形成されており、当該ガイド部は、多数のガイド部材(例えば、図3中に示した定着ユニット上流側ガイド部材401)から成っている。そして、当該記録媒体搬送路400に沿って、前述した二次転写ユニット80及び定着ユニット90が設けられ、さらに、記録媒体を搬送するための複数のローラ(例えば、給紙ローラ94、レジローラ96、排紙ローラ97)も設けられている。
【0029】
感光体クリーニングユニット82は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード84を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体62上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーを感光体クリーニングブレード84により掻き落として除去するための装置である。
【0030】
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
【0031】
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。以下に説明されるプリンタ10の各種動作は、主として、プリンタ10内のメインコントローラ101又はユニットコントローラ102により実現される。特に、本実施の形態においては、プログラムROMに格納されたプログラムをCPUが処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0032】
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(図2において、I/Fと表記)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、及び、中間転写体62が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
【0033】
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。
【0034】
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
【0035】
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体62に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写バイアスが印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体62とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体62から離間して待機している。
【0036】
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像装置毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体62に重なり合って転写される。これにより、中間転写体62上にはフルカラートナー像(以下、単にトナー像と言う)が形成される。
【0037】
中間転写体62上に形成されたトナー像は、中間転写体62の回転に伴って二次転写位置に至り、前記二次転写ユニット80によって記録媒体に転写される。なお、転写に際して、前記記録媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体62と協働して、前記記録媒体を挟持するとともに、既述の二次転写バイアスが印加される。
【0038】
トナー像が転写された記録媒体は、定着ユニット90内に導入されると、前記内部ヒータ501cによって所定の温度まで昇温された第一ローラ501と、第二ローラ502との間を、両ローラに挟持された状態で通過する。この際、前記第一ローラ501及び前記第二ローラ502が記録媒体上のトナー像を加熱加圧することにより、該トナー像は記録媒体に融着される。
トナー像が融着された記録媒体は、排紙ローラ97を介して、排紙トレイ226へ搬送される。
【0039】
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、感光体クリーニングユニット82に支持された感光体クリーニングブレード84によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、感光体クリーニングユニット82が備える残存トナー回収部に回収される。
【0040】
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図2を参照しつつ説明する。制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、二次転写ユニット80、感光体クリーニングユニット82、定着ユニット90)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
【0041】
===定着ユニット90の構成例===
次に、図3及び図4を用いて、定着ユニット90の構成例について説明する。
図3は、プリンタ10内に設置された、二次転写ユニット80、中間転写体62、及び定着ユニット90について、それぞれの主要構成部材を示した断面模式図であり、二次転写ローラ301が中間転写体62に当接している状態を示している。図4は、定着ユニット90の斜視模式図である。なお、図3においては、図1同様、矢印にて上下方向を示しており、例えば、駆動ローラ71の中心軸は、定着ユニット90の導入口505よりも下方にある。
【0042】
また、図3において、記録媒体搬送路400を破線にて示しており、記録媒体は図中、記号Pで示す方向に向かい、前記記録媒体搬送路400に沿って移動する。さらに、鎖線にて、第一ローラ501及び第二ローラ502に駆動力を伝達する歯車輪列を示している。一方、図4に矢印にて示す上下方向は、プリンタ10に設置された際の前記定着ユニット90の上下方向を示すものである。また、図3に示された定着ユニット90は、図4に示された該定着ユニット90の長手方向一端面504aが、図3において紙面を貫く方向の奥側を向くように取付けられたものである。
【0043】
定着ユニット90は、前述したように、記録媒体上のトナー像を加熱加圧して当該媒体に定着するためのものであり、内部ヒータ501cを備えた第一ローラ501、該第一ローラ501を押圧する第二ローラ502、前記第一ローラ501の表面温度を計測する温度センサ503、及び、その内部に上記部材を収容するハウジング504等を有している。
【0044】
第一ローラ501は記録媒体上のトナー像を加熱して、当該トナー像を当該記録媒体に融着させるためのものである。該第一ローラ501は、その長手方向が定着ユニット90の長手方向(図3において、紙面を貫く方向)に沿うように、前記定着ユニット90内に設けられている。また、第一ローラ501は金属製の小径部501aと、ゴム製の大径部501bとを有し、第一ローラ501の回転軸(すなわち、小径部501aの中心軸)まわりに回転可能となっている。さらに、前記小径部501aの軸方向一端部には、図3に示すように、該小径部501aと同軸の第一ローラ駆動歯車501d(図4に不図示)が連結しており、該第一ローラ駆動歯車501dがプリンタ10本体に設けられた本体歯車600と噛み合っている。さらに、該本体歯車600は、複数の中間歯車(例えば、図3に示す第一中間歯車601,第二中間歯車602)を介して、不図示の駆動モータと接続しているので、前記第一ローラ501は該駆動源から伝達された駆動力により回転する。
【0045】
また、第一ローラ501の内部には、加熱源として内部ヒータ501c(本実施の形態においては、ハロゲンヒータを用いている)が設けられており、内部ヒータ501cにより加熱された第一ローラ501により、記録媒体上のトナー像が熱せられて記録媒体に融着される。また、内部ヒータ501cは、プリンタ10が稼動状態となった時点で通電され、第一ローラ501を設定温度(本実施の形態においては、約180℃)まで加熱するための暖機運転が行われる。
【0046】
第二ローラ502は、前記第一ローラ501と協働して、記録媒体上のトナー像を加圧するためのものである。この第二ローラ502は、その長手方向が定着ユニット90の長手方向に沿うように、かつ、第一ローラ501と隣り合う位置に設けられている。また、第二ローラ502も、第一ローラ501と同様に、金属製の小径部502aとゴム製の大径部502bを有しており、前記第二ローラ502の回転軸(すなわち、小径部502aの中心軸)まわりに回転可能となっている。
【0047】
また、第二ローラ502は、第一ローラ501に押圧可能となるように構成されている。そして、定着ユニット90が記録媒体上のトナー像を記録媒体に定着する際には、第二ローラ502が、不図示の押圧部材により第一ローラ501に記録媒体を介して押圧されて、第一ローラ501と第二ローラ502とにより挟持された記録媒体上のトナー像が、これらの二つのローラにより加圧されることとなる。
【0048】
また、前記小径部502aの軸方向一端部には、図3に示すように、該小径部502aと同軸の第二ローラ駆動歯車502c(図4に不図示)が連結している。また、図3に示すように、該第二ローラ駆動歯車502cは前記第一ローラ駆動歯車501dと噛み合っており、第一ローラ501に駆動力を伝達する駆動源から、第二ローラ502にも駆動力が伝達されることにより、該第二ローラ502は回転する。
【0049】
温度センサ503は、前記第一ローラ501の周面に接して、該第一ローラ501の表面温度を計測するためのものである。本実施の形態における温度センサ503は、サーミスタであり、図3には該温度センサの主構成要素として、当接部503aとリード線部503bを示している。また、前記温度センサ503は、当接部503aが第一ローラ501に押し当てられた状態で、前記第一ローラ501の表面温度を計測する。そして、温度センサ503の計測値が設定温度に到達した時点で、既述の、第一ローラ501を加熱するための暖機運転はで終了する。
【0050】
ハウジング504は、その内部に前記第一ローラ501、前記第二ローラ502、及び前記温度センサ503等を収容するためのものである。該ハウジング504は耐熱樹脂からなる部材であり、図3に示すように、その外面には記録媒体を定着ユニット90内に導入する導入口505と、定着ユニット90外に排出する排出口506と、が設けられている。また、ハウジング504は、図3に示すように、導入口505及び排出口506の、それぞれの短手方向一端部に、記録媒体案内部507a、507bを有している。すなわち、該記録媒体案内部507a、507bは、前述したガイド部を形成する、多数のガイド部材のうちの一部材である。なお、本実施の形態に係る定着ユニット90においては、前記導入口505の短手方向の長さが、二次転写ローラ301の大径部301bの外径以下であり、前記導入口505の長手方向の長さが、前記大径部301bの軸方向における長さ以下となっている。かかる場合には、後述する二次転写ローラ301が、前記定着ユニット90の導入口505を閉塞する仮想平面(図5において破線で示された部分)と交わる位置に移動し、前記定着ユニット90と接触する際に、前記導入口505を塞ぐことが可能である(図5参照)。なお、本動作については、後述の、二次転写ユニット80の構成例及び動作の項で、詳述する。
【0051】
===二次転写ユニット80の構成例及び動作===
次に、図3及び図5を用いて、二次転写ユニット80の構成例について説明する。
図5は、図3と同様、プリンタ10内に設置された、二次転写ユニット80、中間転写体62、及び定着ユニット90について、それぞれの主要構成部材を示した断面模式図であり、二次転写ローラ301が中間転写体62から定着ユニット90方向に離間して待機している状態を示している。
二次転写ユニット80は、二次転写ローラ301及び二次転写ローラ支持部材302等を備えている。
【0052】
二次転写ローラ301は、記録媒体にトナー像を転写させるためのものであり、中間転写体62に対して離当接し、中間転写体62に記録媒体を介して当接した状態で、該記録媒体上にトナー像を転写する。該二次転写ローラ301は、その長手方向が、前記駆動ローラ71の長手方向(すなわち、図3の紙面を貫く方向)に沿うように設けられており、金属からなる回転軸部301aとウレタンスポンジからなる大径部301bと、を有している。また、二次転写ローラ301の回転軸部301aは、後述する二次転写ローラ支持部材302によって、回転自在に支持されている。
【0053】
二次転写ローラ301が転写動作を行う際には、前述したように、該二次転写ローラ301に二次転写バイアスが印加される。そして、記録媒体が、前記駆動ローラ71と二次転写ローラ301により挟持される位置を通過するときに、中間転写体62上のトナー像も記録媒体上を通過し、前記二次転写バイアスの印加により発生した転写電界によって、トナー像が記録媒体に転写される。なお、前記二次転写バイアスの大きさは、定電流制御によって調整される。
【0054】
一方、二次転写ローラ301は、後述する二次転写ローラ支持部材302の往復回動に伴って、中間転写体62に前記記録媒体を介して当接する位置(図3に示す二次転写ローラ301の位置であり、以下、当接位置と言う)と、中間転写体62から離間して待機する位置(図5に示す二次転写ローラ301の位置であり、以下、待機位置と言う)との間を往復移動する。
【0055】
前記当接位置においては、二次転写ローラ301は、図3に示すように、回転状態の駆動ローラ71と隣り合い、記録媒体が該駆動ローラ71と前記二次転写ローラ301の間を通過する際に、前記記録媒体を介して中間転写体62に当接する。このとき、前記中間転写体62が、前記駆動ローラ71の回転によって回転しているため、該中間転写体62に当接している二次転写ローラ301は、前記駆動ローラ71及び前記中間転写体62とともに回転することとなる。なお、前記二次転写ローラ301の回転方向は、前記駆動ローラ71の回転方向と反対方向である。
【0056】
他方、図5に示すように、前記待機位置においては、二次転写ローラ301は、前記定着ユニット90の導入口505を閉塞する仮想平面と交わり、かつ、前記定着ユニット90と接触している。さらに、前記導入口505は、該二次転写ローラ301は前記待機位置で、前記導入口505を塞ぐように定着ユニット90に接触する(本実施の形態においては、前述したように、導入口505の長手方向及び端手方向の長さは、前記二次転写ローラ301が塞ぐことができる長さである)。
【0057】
二次転写ローラ支持部材302は、二次転写ローラ301を支持するためのものである。この二次転写ローラ支持部材302は、二次転写ローラ301の両端部に、それぞれ一つずつ設けられている。前記二次転写ローラ支持部材302は、二次転写ローラ301の長手方向(すなわち、二次転写ローラ301の軸方向)に沿うように設けられた軸302aに固定されており、軸302aまわりに回動することができるように支持されている。また、前記二次転写ローラ支持部材302は、不図示のカム機構の作用により、前記軸302aを回動支点として、第一回動位置(図3に示す二次転写ローラ支持部材302の位置)と第二回動位置(図5に示す二次転写ローラ支持部材302の位置)との間を往復回動する。さらに、前述したように、二次転写ローラ支持部材302が回動することにより、二次転写ローラ301は該二次転写ローラ支持部材302と一体的に移動する。すなわち、二次転写ローラ支持部材302が第一回動位置にあるときには、前記二次転写ローラ301は当接位置に位置し、二次転写ローラ支持部材302が第二回動位置にあるときには、前記二次転写ローラは待機位置に位置することになる。
【0058】
また、前記カム機構は、二次転写ローラ301及び二次転写ローラ支持部材302を移動させる機能だけでなく、当該二次転写ローラ301の位置を当接位置又は待機位置に維持させる機能をも有している。
【0059】
次に、このように構成された二次転写ユニット80の動作について説明する。
二次転写ローラ301は、前述したように、トナー像を記録媒体に転写するときのみ前記当接位置に移動し、それ以外のときは待機位置に待機するように制御される。
二次転写ローラ301は、二次転写ユニット80が二次転写ユニット駆動制御回路(図2参照)から転写動作開始の信号を受信するまで、前記待機位置で待機している。この際、前述したように、二次転写ローラ301は、定着ユニット90の導入口505を閉塞する仮想平面と交わった状態で、該定着ユニット90と接触し、かつ、前記導入口505を塞いでいる。
【0060】
二次転写ユニット80が前記転写動作開始の信号を受信すると、既述のカム機構により、二次転写ローラ支持部材302が第二回動位置から第一回動位置まで回動する。これに伴って、二次転写ローラ301は、中間転写体62に近づく方向へ移動し、前記当接位置に到達する。その後、前述したように、当接位置において、記録媒体が駆動ローラ71と二次転写ローラ301の間に到達すると、該二次転写ローラ301は前記記録媒体を介して中間転写体62に当接する。そして、前記二次転写ローラ301は駆動ローラ71及び中間転写体62とともに回転している状態で、記録媒体に中間転写体62上のトナー像を転写するとともに、前記記録媒体を記録媒体搬送路400に沿って、前記定着ユニット90に向かう方向に搬送する。また、転写が継続されている間は、二次転写ローラ支持部材302は前記第一回動位置に、二次転写ローラ301は前記当接位置に維持される。
【0061】
二次転写ローラ301が転写を終えると、前記カム機構により、前記二次転写ローラ支持部材302が第一回動位置から第二回動位置へ回動する。これに伴って、二次転写ローラ301は、前記定着ユニット90に近づくように中間転写体62から離間する。そして、二次転写ローラ301が前記待機位置に到達すると、該二次転写ローラ301は次の転写動作まで、待機位置に維持されることとなる。
【0062】
==本実施の形態に係る画像形成装置の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係る画像形成装置は、トナー像を記録媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体62と、前記中間転写体62に対し離当接可能であり、該中間転写体62に前記記録媒体を介して当接した状態で前記トナー像を前記記録媒体に転写するための二次転写ローラ301と、該二次転写ローラ301により前記記録媒体に転写された前記トナー像を加熱して、該トナー像を定着させるための定着ユニット90と、を備えた画像形成装置であって、前記二次転写ローラ301は、前記中間転写体62から離間する際に、前記定着ユニット90に近づくものである。このことにより、二次転写ローラ301が記録媒体にトナー像を適切に転写する画像形成装置を実現することができる。
【0063】
すなわち、発明が解決しようとする課題の項で説明したとおり、トナー像を前記中間転写体62から記録媒体に転写するためには、例えば、二次転写バイアスが印加される必要がある。
【0064】
一方、二次転写バイアスの制御方法の一例として、定電流制御を採用すると、前記二次転写バイアスは二次転写ローラ301の抵抗値に依存して変化することになる。また、二次転写ローラ301の抵抗値は、該二次転写ローラ301の温度に依存して変化する。本実施の形態においては、例えば、二次転写ローラ301の温度が10℃から25℃まで上昇すると、前記抵抗値が約2桁減少することとなる。このため、プリンタの設置環境等によって二次転写ローラ301の温度が変化すると、該二次転写ローラ301の抵抗値が変化するため、前記二次転写バイアスが不安定となる。この結果、記録媒体に転写されたトナー像に濃度ムラが生じるなど、前記トナー像が適切に転写されない虞がある。
【0065】
これに対し、本実施の形態に係る画像形成装置は、上記問題を解決するものとなっている。すなわち、二次転写ローラ301が中間転写体62から離間する際に、該二次転写ローラ301を、加熱された第一ローラ501を有する定着ユニット90に近づかせて積極的に加温し、該二次転写ローラ301の温度を周囲環境からの影響を受けにくい温度域(本実施の形態においては、約70℃付近)まで到達させることができる。この結果、前記抵抗値が安定し、二次転写バイアスも安定するため、二次転写ローラ301が記録媒体にトナー像を適切に転写することが可能となる。
【0066】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係るプリンタ等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0067】
上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
【0068】
また、上記実施の形態においては、二次転写ローラ301は、中間転写体62から離間した待機位置で、定着ユニット90の導入口505を閉塞する仮想平面と交わることとした。但し、二次転写ローラ301が記録媒体にトナー像を適切に転写する方策としては、上記実施の形態(以下、本件例と言う)に限定されるものではない。例えば、二次転写ローラ301は、前記待機位置で定着ユニット90の導入口505を閉塞する仮想平面と交わらないこととしてもよい。但し、二次転写ローラ301の加温源となる、定着ユニット90の第一ローラ501に近い位置で待機するほど、より効率的に前記二次転写ローラ301が加温される点において、本件例に係る実施の形態の方が望ましい。さらに、二次転写ローラ301が、前記導入口を閉塞する仮想平面と交わっている場合には、定着ユニット90内の熱が該定着ユニット90外に放出することを抑制するため、第一ローラ501の暖機運転にかかる時間をより短縮することが可能である。
【0069】
一方、本件例の実施の形態においては、二次転写ローラ301が前記待機位置で、定着ユニット90に接触していることとしたが、これに限るものではない。例えば、二次転写ローラ301は、前記待機位置で接触していない形態も考えられる。当該形態について図6を用いて説明する。図6は、二次転写ローラ301の待機位置についての変更例を示す模式図である。また、前記二次転写ローラ301の待機位置を分かりやすくするために、図6は、二次転写ローラ301、第一ローラ501、第二ローラ502、ハウジング504、導入口505及び排出口506を抽出して示している。また、図6には、二次転写ローラ301に駆動力を伝達する歯車輪列を鎖線にて示している。
【0070】
上記変更例に係る二次転写ローラ301は、前記待機位置で、定着ユニット90と接触しない。一方、図6に示すように、二次転写ローラ301の回転軸部301aは、その長手方向一端部に、二次転写ローラ駆動歯車301cを備えている。また、該二次転写ローラ駆動歯車301cは、二次転写ローラ301が前記待機位置まで移動すると、第一ローラ駆動歯車501dと噛み合うことができる。また、前述したように、前記第一ローラ駆動歯車501dに、不図示の駆動モータから中間歯車(例えば、第一中間歯車601、第二中間歯車602)、本体歯車600を介して駆動力が伝達されることにより、第一ローラ501は回転する。したがって、前記第一ローラ駆動歯車501dと噛み合った二次転写ローラ駆動歯車301cにも前記駆動モータから駆動力が伝達されるため、二次転写ローラ301は、前記待機位置で、回転することが可能となる。
【0071】
上記変更例に係る待機位置においては、二次転写ローラ301の回転により、該二次転写ローラ301の外周面のうち、加熱された第一ローラ501と対向する面が周期的に変化する。この結果、二次転写ローラ301をより均一に加温することが可能である。かかる点において、変更例に係る待機位置は、本件例に係る待機位置より有利な形態である。
【0072】
なお、上記変更例においては、定着ユニット90の第一ローラ501を回転させる駆動源と、二次転写ローラ301を前記待機位置で回転させる駆動源とが同一であることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記待機位置で二次転写ローラ301を回転させる駆動源を別途設けてもよい。
但し、二次転写ローラ301を回転させる駆動源を増設させる必要がない点で、変更例に係る実施の形態の方が望ましい。
【0073】
他方、本件例に係る待機位置において、二次転写ローラ301は回転しない一方で、前記第一ローラ501によって加温された定着ユニット90と接触しているため、前記定着ユニット90からの伝導伝熱により、前記二次転写ローラ301をより効率的に加温することが可能である。かかる点において、本件例に係る待機位置は、上記変更例に係る待機位置より有利な形態である。
【0074】
なお、本件例に係る二次転写ローラ301は、前記待機位置で、定着ユニット90の導入口505を塞いでいるが、これに限定されるものではない。例えば、二次転写ローラ301が、前記待機位置で、導入口505の短手方向における一端部にのみ接触していることとしてもよい。但し、定着ユニット90内の熱が該定着ユニット90外に放出することを抑制し、第一ローラ501の暖機運転にかかる時間をより一層短縮することができる点において、本件例に係る実施の形態の方が望ましい。
【0075】
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0076】
図7は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ706と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ706は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0077】
図8は、図7に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
【0078】
なお、以上の説明においては、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ706から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
【0079】
また、例えば、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ706が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0080】
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】プリンタ10の制御ユニット100の構成を示したブロック図である。
【図3】プリンタ10内に設置された、二次転写ユニット80、中間転写体62、及び定着ユニット90について、それぞれの主要構成部材を示した断面模式図であり、二次転写ローラ301が中間転写体62に当接している状態を示している。
【図4】定着ユニット90の斜視模式図である。
【図5】プリンタ10内に設置された、二次転写ユニット80、中間転写体62、及び定着ユニット90について、それぞれの主要構成部材を示した断面模式図であり、二次転写ローラ301が中間転写体62から定着ユニット90方向に離間して待機している状態を示している。
【図6】二次転写ローラ301の、中間転写体62から離間した待機位置についての変更例を示す模式図である。
【図7】画像形成システムの外観構成を示した説明図である。
【図8】図7に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
10 レーザビームプリンタ 20 感光体
30 帯電ユニット 40 露光ユニット
50 YMCK現像ユニット 50a 中心軸
51 ブラック現像装置 52 マゼンタ現像装置
53 シアン現像装置 54 イエロー現像装置
55a 現像装置保持部 55b 現像装置保持部
55c 現像装置保持部 55d 現像装置保持部
60 一次転写ユニット 62 中間転写体
71 駆動ローラ 72 従動ローラ
80 二次転写ユニット 82 感光体クリーニングユニット
84 感光体クリーニングブレード 90 定着ユニット
92 給紙トレイ 94 給紙ローラ
96 レジローラ 97 排紙ローラ
100 制御ユニット 101 メインコントローラ
102 ユニットコントローラ 112 インターフェイス
113 画像メモリ 226 排紙トレイ
301 二次転写ローラ 301a 回転軸部
301b 大径部 301c 二次転写ローラ駆動歯車
302 二次転写ローラ支持部材 302a 軸
400 記録媒体搬送路 401 定着ユニット上流側ガイド部材
501 第一ローラ
501a 小径部 501b 大径部
501c 内部ヒータ 501d 第一ローラ駆動歯車
502 第二ローラ 502a 小径部
502b 大径部 502c 第二ローラ駆動歯車
503 温度センサ
503a 当接部 503b リード線部
504 ハウジング 504a 長手方向一端面
505 導入口 506 排出口
507a,507b 記録媒体案内部 600 本体歯車
601 第一中間歯車 602 第二中間歯車
700 画像形成システム 702 コンピュータ
704 表示装置 706 プリンタ
708 入力装置 708A キーボード
708B マウス 710 読取装置
710A フレキシブルディスクドライブ装置
710B CD−ROMドライブ装置
802 内部メモリ
804 ハードディスクドライブユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、
前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、
該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、
を備えた画像形成装置であって、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口、が設けられており、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を閉塞する仮想平面、と交わること、を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の画像形成装置において、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記定着ユニットに接していること、を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口、が設けられており、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を塞ぐこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1及び請求項2に記載の画像形成装置において、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、回転すること、を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記定着ユニットは、回転可能なローラを備えており、
該ローラを回転させる駆動源と、前記中間転写体から離間した待機位置で前記転写ローラを回転させる駆動源とは同一であること、を特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、
前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、
該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、
を備えた画像形成装置であって、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動し、
前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口が、が設けられており、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を閉塞する仮想平面、と交わり、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、回転し、
前記定着ユニットは、回転可能なローラを備えており、
該ローラを回転させる駆動源と、前記中間転写体から離間した待機位置で前記転写ローラを回転させる駆動源とは同一であること、を特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、
前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、
該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、
を備えた画像形成装置であって、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動し、
前記定着ユニットの外面に、前記媒体を該定着ユニット内に導入するための導入口が、が設けられており、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記定着ユニットに接しており、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間した待機位置で、前記導入口を塞ぐこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
コンピュータ、及び、
このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、
現像剤像を媒体に転写する際の中間媒体となる中間転写体と、
前記中間転写体に対し離当接可能であり、該中間転写体に前記媒体を介して当接した状態で前記現像剤像を前記媒体に転写するための転写ローラと、
該転写ローラにより前記媒体に転写された前記現像剤像を加熱して、該現像剤像を定着させるための定着ユニットと、
を備えた画像形成装置であって、
前記転写ローラは、前記中間転写体から離間する際に、前記定着ユニットに近づく方向に移動する画像形成装置、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−187906(P2007−187906A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6289(P2006−6289)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】