説明

画像形成装置、及びプログラム

【課題】省電力効果を損なわずに電源スイッチの寿命を装置寿命まで保たせる。
【解決手段】画像形成装置10で実行された画像形成処理の履歴情報を記憶する。そして、該記憶された履歴情報と、画像形成装置10の寿命を示す情報と、電源スイッチ19が寿命となる切替回数を示す情報とに基づいて、画像形成装置10が寿命となるまでに電源スイッチ19の寿命が到来しないように、制御期間内の予め定められた期間毎に履歴情報に応じた上限値を設定し、該制御期間において画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過した場合に、該経過したときの期間において電源スイッチ19をオフ状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値未満のときには電源スイッチ19がオフ状態に切替えられるように制御し、該切替えた回数が該上限値に到達していたときには電源スイッチ19をオン状態に維持したまま省電力状態となるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源と装置との間に設けられる電源スイッチと、上記装置が所定の時間以上の間、継続して操作されていないことを検出する検出手段と、検出手段により、上記装置が所定時間以上操作されていないことが検出された場合、電源スイッチをオフに切替える電源遮断手段と、電源遮断手段により電源スイッチがオフに切替えられた後に、次に電源スイッチがオンに切替えられるまでの時間を測定する測定手段と、測定手段により測定された時間に基づいて、検出手段の検出する上記所定の時間の値を補正する補正手段とを備えた自動電源オフ回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、画像形成装置の動作開始時刻、動作終了時刻等のデータを収集して収集用DBに登録し、収集用DBに登録したデータを取り出し、使用頻度の算出を行い、自動節電の移行時間、自動オフの移行時間、オートクリアの移行時間、ウィークリータイマの移行時間を作成して設定用DBに登録し、設定用DBから登録されているデータを取り出して当該画像形成装置の各移行時間を設定する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−268713号公報
【特許文献2】特開2007−082222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、省電力効果を損なわずに電源スイッチの寿命を装置寿命まで保たせることができる画像形成装置、及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明の画像形成装置は、自装置の各構成部に対する電力供給を制御する電源部に対して電力を供給する第1の状態と電力の供給を停止する第2の状態とに切替えられる電源スイッチと、画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段を動作させて画像形成処理を実行させるための指令を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた指令に応じて実行された画像形成処理の履歴情報を記憶手段に記憶する処理を行う記憶処理手段と、前記記憶手段に記憶された履歴情報と、前記自装置の寿命を示す情報と、前記電源スイッチが寿命となる切替回数を示す情報とに基づいて、前記自装置が寿命となるまでに前記電源スイッチの寿命が到来しないように、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えて自装置への電力供給を停止する回数の上限値を予め定められた期間毎に設定するために必要な履歴情報を取得する取得期間が経過した後自装置が寿命になると想定される時期までの制御期間内の予め定められた期間毎に、前記履歴情報に応じた前記上限値を設定する設定手段と、前記制御期間において前記画像形成手段による画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過した場合に、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値未満のときには、前記電源スイッチが前記第1の状態から前記第2の状態に切替えられるように制御し、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値に到達していたときには、前記電源スイッチを前記第1の状態に維持したまま前記画像形成手段への電力の供給を停止して前記画像形成手段が動作可能な状態よりも自装置の消費電力が少ない省電力状態となるように制御する制御手段と、を備えている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替える回数の上限値を予め定められた期間毎に前記履歴情報に拘わらず均等に設定する場合に比べて、前記制御期間において前記電源スイッチが前記第2の状態に切替えられている時間が長くなるように、前記上限値を設定する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、前記記憶処理手段は、前記履歴情報として、前記画像形成手段により実行された各画像形成処理毎に、各画像形成処理が終了してから次の画像形成処理の指令を受け付けるまで又は次の画像形成処理を開始するまでの時間間隔を示す時間間隔情報と、各画像形成処理を開始した時期、各画像形成処理を終了した時期、及び各画像形成処理に対する指令を受け付けた時期のいずれかを示す時期情報とを対応付けて記憶し、前記設定手段は、前記制御期間内の予め定められた期間を、予め定められた単位で周期的に繰り返される区分毎に区切られた期間とし、前記履歴情報を、前記時期情報が示す時期を基準として前記区分毎に区切って集計したときに、前記時間間隔情報が示す時間間隔が予め定められた閾値より長い画像形成処理の数が多い区分に対応する期間ほど、前記上限値が大きくなるように設定する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、前記記憶処理手段は、前記履歴情報として、前記画像形成手段により実行された各画像形成処理毎に、各画像形成処理を開始した時期、各画像形成処理を終了した時期、及び各画像形成処理に対する指令を受け付けた時期のいずれかを示す時期情報を記憶し、前記設定手段は、前記制御期間内の予め定められた期間を、予め定められた単位で周期的に繰り返される区分毎に区切られた期間とし、前記履歴情報を、前記時期情報が示す時期を基準として前記区分毎に区切って集計したときに、集計された画像形成処理の数が少ない区分に対応する期間ほど、前記上限値が大きくなるように設定する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の画像形成装置において、前記記憶処理手段は、前記設定手段が上限値を設定した後も、前記履歴情報を前記記憶手段に記憶する処理を継続し、前記設定手段は、定期的に又は予め定められたタイミングで前記記憶手段に記憶された履歴情報を参照して、前記上限値の設定を修正する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の画像形成装置において、前記設定手段は、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が前記上限値未満の状態で終了した期間が発生した場合には、当該期間以降の期間の少なくとも1つの期間に設定された上限値に、前記上限値未満の状態で終了した期間の残りの回数を加算して上限値の設定を修正する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記設定手段は、修正前の上限値が最も大きい期間の設定値に対して、前記残りの回数を加算して修正する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の画像形成装置において、記画像形成手段による画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過したか否かに関わらず、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替える強制終了時期を指定するための指定手段を更に備え、前記設定手段は、前記記憶処理手段に記憶された履歴情報、前記自装置の寿命を示す情報、前記電源スイッチの寿命となる切替回数を示す情報、及び前記指定手段で指定された時期の数に基づいて、前記設定を行い、前記制御手段は、前記指定手段で前記強制終了時期が指定された場合には、前記指定手段で指定された強制終了時期が到来したときにも、前記電源スイッチが前記第1の状態から前記第2の状態に切替えられるように制御する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の画像形成装置において、前記設定手段は、利用者が前記電源スイッチを手動で前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた場合には、該切替えた後に到来するいずれかの期間の上限値が該手動で切替えた回数分だけ小さくなるように調整する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の画像形成装置において、利用者が前記電源スイッチを手動で前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた場合には、該切替えた後に到来するいずれかの期間の、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数を、前記制御手段の制御により切替えた回数に該手動で切替えた回数を加算して制御する。
【0016】
請求項11の発明は、自装置の各構成部に対する電力供給を制御する電源部に対して電力を供給する第1の状態と電力の供給を停止する第2の状態とに切替えられる電源スイッチ、及び画像を形成する画像形成手段を備えた装置に搭載されたコンピュータを、前記画像形成手段を動作させて画像形成処理を実行させるための指令を受け付ける受付手段、前記受付手段で受け付けた指令に応じて実行された画像形成処理の履歴情報を記憶手段に記憶する処理を行う記憶処理手段、前記記憶手段に記憶された履歴情報と、前記自装置の寿命を示す情報と、前記電源スイッチが寿命となる切替回数を示す情報とに基づいて、前記自装置が寿命となるまでに前記電源スイッチの寿命が到来しないように、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えて自装置への電力供給を停止する回数の上限値を予め定められた期間毎に設定するために必要な履歴情報を取得する取得期間が経過した後自装置が寿命になると想定される時期までの制御期間内の予め定められた期間毎に、前記履歴情報に応じた前記上限値を設定する設定手段、及び前記制御期間において前記画像形成手段による画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過した場合に、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値未満のときには、前記電源スイッチが前記第1の状態から前記第2の状態に切替えられるように制御し、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値に到達していたときには、前記電源スイッチを前記第1の状態に維持したまま前記画像形成手段への電力の供給を停止して前記画像形成手段が動作可能な状態よりも自装置の消費電力が少ない省電力状態となるように制御する制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、省電力効果を損なわずに電源スイッチの寿命を装置寿命まで保たせることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、省電力効果を向上させることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、制御期間において電源スイッチが第2の状態に切替えられている時間が長くなる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、制御期間において電源スイッチが第2の状態に切替えられている時間が長くなる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、利用者の利用状態が変化しても、該変化に応じた上限値に修正できる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、省電力効果を向上させることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、修正前の上限値が最も大きい期間以外の期間の上限値を修正する場合に比べて、省電力効果を向上させることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、強制終了時期を指定できない場合に比べて、省電力効果を向上させることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、利用者が手動で電源スイッチを第2の状態に切替える事象が発生しても、画像形成装置が寿命となるまでに電源スイッチの寿命が到来することを抑制できる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、利用者が手動で電源スイッチを第2の状態に切替える事象が発生しても、画像形成装置が寿命となるまでに電源スイッチの寿命が到来することを抑制できる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、省電力効果を損なわずに電源スイッチの寿命を装置寿命まで保たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置と複数の端末装置とが通信手段を介して接続されている様子を示す模式図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す図である。
【図3】履歴情報を取得するための履歴情報取得処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】電源スイッチをオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を設定する設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】電源スイッチをオン状態からオフ状態に切替える回数の1日あたりの上限値を計算する計算方法を説明する説明図である。
【図6】取得した履歴情報の一例を散布図で示した図である。
【図7】時間帯と電源スイッチをオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値とを対応付けて記憶したテーブルの一例である。
【図8】電源スイッチをオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を設定する設定方法の他の例を説明する説明図である。
【図9】電源スイッチのオートオフ動作を制御する制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】調整処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
【0030】
本実施の形態では、図1に示すように、画像形成装置10と、複数の端末装置20とが通信手段30を介して接続されている。なお、通信手段30は、公衆回線であってもよいし、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークであってもよい。また、通信手段30を、無線の通信手段としてもよいし、有線の通信手段としてもよい。
【0031】
以下、各装置の作用を概略的に説明する。
【0032】
端末装置20は、画像形成装置10で画像形成機構部14(後述)を動作させて画像形成処理を実行させるための指令としての印刷情報を生成して画像形成装置10に送信する。印刷情報は、印刷対象のデータを表す画像を特定する画像情報と、画像形成条件を示す画像形成条件情報とを含んでいる。画像形成条件には、例えば、拡大・縮小の有無、印刷する用紙のサイズ、両面印刷・片面印刷の指定、印刷部数、印刷する用紙に対する原稿の向き、カラー・白黒の指定、画質等の条件が含まれている。印刷情報はページ記述言語で記述されていてもよい。
【0033】
画像形成装置10は、端末装置20から印刷情報を受信し、該印刷情報に基づいて用紙等の記録媒体に画像を形成する(印刷機能)。なお、画像形成装置10は、例えば画像読取機構を備え、原稿の画像を読み取る読取機能、及び原稿の画像を読み取り、該読み取った画像の画像情報に基づいて用紙等の記録媒体に画像を形成する複写機能を有していてもよい。また、画像形成装置10に、ファクシミリ通信機構を設け、ファクシミリ通信を可能に構成してもよい。ただし、以下では、印刷機能に着目して説明するものとする。
【0034】
図2は、画像形成装置10の構成の一例を示す図である。図2は、画像形成処理を実現するために必要な部分のみを図示しているが、画像形成装置10が複写機能やファクシミリ機能を有している場合には、これら図示される構成要素が、複写機能を備えた画像形成装置や、ファクシミリ機能を備えた画像形成装置の一部分であってもよい。
【0035】
画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、メモリ13、画像形成機構部14、RTC(Real Time Clock)15、操作部16、通信IF(Interface)17、電源部18、及びオフ機能付きACスイッチ(以下、単に電源スイッチと呼称する)19を備えている。
【0036】
CPU11は、ROM12に記憶されているプログラム(後述する、履歴情報取得処理ルーチン、設定処理ルーチン、オートオフ制御処理ルーチン、及び調整処理ルーチンのプログラムを含む)を実行し、画像形成装置10全体の動作を制御する。例えば、通信IF17で受信した(受け付けた)印刷情報を処理して、該印刷情報を画像形成機構部14で実際に画像形成が可能な画像データに展開して画像形成機構部14に送信して画像形成を行わせたりする。また、CPU11は、電源部18に対してスリープ信号を入力したり、電源スイッチ19に対してオートオフ信号を入力したりする。
【0037】
ROM12には、CPU11が実行するプログラムやCPU11の処理に必要なデータ等が記憶される。
【0038】
なお、CPU11が実行するプログラムを記憶するための記憶媒体は、ROM12に限定されない。例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、フレキシブルディスクやDVDディスク、光磁気ディスクやUSBメモリ等(不図示)であってもよい。
【0039】
メモリ13は、読み書き可能なメモリであって、後述する履歴情報や上限値等が記憶される。なお、ここでは、メモリ13は、画像形成装置10の電源がオフ状態となっても、内容が消去されないフラッシュメモリ等のメモリとする。なお、この他に、ワークメモリ用のRAMが設けられていても良い。
【0040】
電源部18は、画像形成装置10の各部への電力供給を制御する。図2において、電源部18からの電力供給ラインは、CPU11及び画像形成機構部14に対してのみ図示されており、他の構成部への電力供給ラインの図示は省略されている。
【0041】
電源スイッチ19は、電源部18に電力を供給するACラインの途中に設けられている。電源スイッチ19は、オン状態とオフ状態とに切替えられる。ここで、オン状態とは、ACラインを接続して電源部18に対して電力を供給する状態をいい、オフ状態とは、ACラインを切断して電源部18に対する電力の供給を停止する状態をいう。
【0042】
電源スイッチ19は、後述する操作部16の電源ボタンによって、オン状態からオフ状態へ、或いはオフ状態からオン状態へ切替えられる。また、電源スイッチ19は、例えばソレノイド等が組み込まれ、自らオン状態からオフ状態へ切り替わるオートオフ動作が可能に構成されている。電源スイッチ19は、CPU11からのオートオフ信号が入力された場合に、オートオフ動作を実行し、オン状態からオフ状態に切り替わる。
【0043】
なお、電源部18は、電源スイッチ19がオン状態において、CPU11から、スリープ信号が入力された場合には、画像形成機構部14への電力供給を停止して、画像形成機構部14が動作可能な状態よりも画像形成装置10の消費電力が少ない省電力状態(以下、スリープモードという)に移行させる。また、電源部18は、CPU11から、スリープ解除信号が入力された場合には、画像形成機構部14への電力供給を再開して画像形成装置10を非省電力状態(通常モード)に移行させる。
【0044】
画像形成機構部14は、印刷エンジンであって、CPU11の指令に従って、記録媒体に画像を形成する。画像形成機構部15は、電子写真方式の印刷エンジンであってもよいし、インクジェット方式の印刷エンジンであってもよい。
【0045】
RTC15は、マザーボードなどに実装されている、計時専用のチップであって、画像形成装置10の電源が切られている間(電源スイッチ19がオフ状態のとき)も内蔵電池から電源供給を受けて動作する(電源スイッチ19がオン状態の場合には電源部18からの電力の供給を得る)。CPU11は、RTC15から日時を取得して計時する。なお、RTC15から日時を取得する代わりに、通信手段30にNTP(Network Time Protocol)サーバが接続されていればNTPサーバから日時を取得するようにしてもよい。
【0046】
操作部16は、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態へ、及びオフ状態からオン状態へ切替えることが可能な電源ボタンを含んで構成されている。利用者は、この電源ボタンを操作して電源スイッチ19の状態を切替えることができる。更にまた、操作部16には、画像形成装置10をスリープモードから通常モードに移行させるための省電力解除ボタンも設けられている。省電力解除ボタンが押下されると信号としてCPU11に伝達される。画像形成装置10がスリープモードにあるときに省電力解除ボタンが押下された、或いは通信IFから印刷情報が受信された等、予め定められた条件が成立した場合には、CPU11は、画像形成機構部14への電力の供給が再開され通常モードに移行するようにスリープ解除信号を電源部18に送信する(図示省略)。
【0047】
なお、操作部16が、例えば、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等を含んでいてもよい。このタッチパネルディスプレイによれば、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、利用者がタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力される。なお、タッチパネルディスプレイが設けられる場合には、スリープモードにおいて、該タッチパネルディスプレイに対する電力供給も停止するようにしてもよい。
【0048】
通信IF17は、通信手段30に接続するためのインタフェースである。端末装置から送信された印刷情報は、通信IF17により受信され、CPU11で受け付けられる。
【0049】
端末装置20の構成は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、表示部、操作部、HDD(Hard Disk Drive)、通信IF(Interface)等を備え、上記印刷情報の生成や、通信手段30を介した画像形成装置10との通信が可能に構成されている。
【0050】
次に、画像形成装置10のオートオフ制御動作について説明する。
【0051】
電源スイッチ19をオフ状態にして画像形成装置10を電源オフ状態にするほうが、画像形成装置10を省電力状態にする場合に比べて省電力効果が高い。一方で、画像形成装置10に設けられた電源スイッチ19にも寿命があり、該寿命を考慮せず、電源スイッチ19のオンオフを頻繁に実行した場合には、画像形成装置10の寿命が到来する前に電源スイッチ19の寿命が到来してしまう可能性がある。
【0052】
そこで、本実施の形態では、省電力効果を損なわないように、オートオフ動作とスリープ動作を併用すると共に、画像形成装置10が寿命になると想定される時点まで電源スイッチ19の寿命を保たせるため、電源オフの回数に制限を設ける。具体的には、本実施の形態では、画像形成装置10が寿命になると想定される時期まで電源スイッチ19の寿命が到来しないように、予め定められた期間毎に電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を設定し、該上限値を超えないようにオートオフ動作を実行させることで省エネ効果を向上させるようにしている。以下、詳細な動作を説明する。
【0053】
まず、オートオフ動作制御を行う場合には、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を、予め定められた期間毎に設定するために必要な履歴情報を取得する取得期間を設け、該取得期間に履歴情報取得処理を実行する。取得期間の長さは、予め設定されているものとするが、利用者により変更可能としてもよい。ここで、履歴情報とは、端末装置20から受信され受け付けた印刷情報に応じて実行された画像形成処理の実行履歴を示す情報であって、本実施の形態では、時間間隔情報と、時期情報とを、実行された画像形成処理毎に対応付けて取得し、メモリ13に記憶する。以下では、画像形成処理毎に記憶された履歴情報(時期情報と時間間隔情報の組み合わせ)の各々を、サンプルと呼称する場合もある。
【0054】
時間間隔情報は、画像形成処理が終了してから次の画像形成処理の指令(ここでは、印刷情報)を受け付けるまで又は次の画像形成処理を開始するまでの時間間隔を示す情報とする。
【0055】
また時期情報は、画像形成処理を開始した時期、画像形成処理を終了した時期、及び画像形成処理に対する指令を受け付けた時期のいずれかを示す情報とする。
【0056】
ここで、CPU11により実行される履歴情報取得処理ルーチンのプログラムの一例を図3を参照して説明する。
【0057】
履歴情報取得処理ルーチンは、例えば、画像形成装置10が設置され、利用者が最初に操作部16の電源ボタンを操作して電源スイッチ19をオフ状態からオン状態に切替え、画像形成装置10の電源をオンした稼働開始時に開始されるようにしてもよいし、オートオフ動作制御の機能の有効無効を切替えられる場合には、例えば、利用者が操作部17を操作して、オートオフ動作制御の機能を有効にした状態で、画像形成装置10の電源ボタンを操作して電源スイッチ19をオフ状態からオン状態に切替えたとき(画像形成装置10の電源をオンしたとき)に開始されるようにしてもよい。
【0058】
ステップ100では、端末装置20から印刷情報が受信されたか(受け付けたか)否かを判断する。印刷情報が受信されたと判断した場合には、CPU11は、該受信した印刷情報をメモリ13の予め定められた記憶領域に記憶する。
【0059】
ステップ102では、該受信した印刷情報に基づいて画像形成機構部14を制御して画像形成処理を開始させる。画像形成処理が終了したところで、ステップ104に進む。
【0060】
ステップ104では、該終了した画像形成処理の終了時期(ここでは、画像形成処理が日を跨がないものとし、終了時刻とする)を時期情報としてメモリ13に記憶する。なお、時期情報は、前述したように、画像形成処理を開始した時期であってもよいし、画像形成処理に対する指令を受け付けた時期であってもよい。
【0061】
次に、ステップ106で、印刷情報の受信待ちを行う。そして、ステップ106で、次の印刷情報が受信されたと判断した場合には、ステップ108に進む。
【0062】
ステップ108では、前回受信した印刷情報に基づく画像形成処理の終了時刻から今回の印刷情報を受信した受信時刻までの時間を計算し、該計算結果を時間間隔情報として前回実行された画像形成処理の時期情報に対応付けてメモリ13に記憶する。なお、時間間隔情報は、前回受信した印刷情報に基づく画像形成処理の終了時刻から今回受信した印刷情報に基づく画像形成処理の実行を開始した時刻までの時間として計算してもよい。
【0063】
ステップ110では、今回受信した印刷情報に基づいて、画像形成機構部14を制御して画像形成処理を開始させる。画像形成処理が終了したところで、ステップ104に戻る。そして、ステップ104で、該終了した画像形成処理の終了時刻を時期情報としてメモリ13に記憶する。そして、前述と同様にステップ106で次の印刷情報の受信を待って、上記処理を繰り返す。
【0064】
なお、本履歴情報取得処理ルーチンは、電源スイッチ19をオン状態に切替えてから、最低限、1週間或いは1ヶ月など予め定められた取得期間が終了するまで継続して実行されるが、この取得期間においては、オートオフ動作は行われない。
【0065】
ところで、本実施の形態では、後述するように、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値は、予め定められた期間毎に設定されるが、この予め定められた期間は、予め定められた単位で周期的に繰り返される区分毎に区切られた期間とする。具体的には、月の上旬・中旬・下旬を示す旬、曜日、時間帯などである。例えば、旬は、1月毎に繰り返される区分であり、曜日は1週間毎に繰り返される区分である。時間帯は1日毎に繰り返される区分である。従って、区分毎に上限値を設定することにより、制御期間内の該区分に対応する期間の上限値が設定されることとなる。
【0066】
上限値を設定する区分として、仮に、曜日及び時間帯を適用する場合には、1週間の取得期間が必要となる。上限値を設定する期間の区分として、時間帯だけを適用する場合には、1日の取得期間が必要となる。また、旬及び時間帯を適用する場合には、1ヶ月の取得期間が必要となる。
【0067】
次に、メモリ13に記憶された履歴情報と、画像形成装置10の寿命を示す情報(以下、第1の情報と呼称する)と、電源スイッチ19が寿命となる切替回数を示す情報(以下、第2の情報と呼称する)とに基づいて、画像形成装置10が寿命となるまでに電源スイッチ19の寿命が到来しないように、上記取得期間が経過した後画像形成装置10が寿命になると想定される時期までの期間(これを制御期間という)内の予め定められた期間毎に、上記履歴情報に応じて電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を設定する。なお、厳密には、制御期間は、上記取得期間が経過した後に上限値を設定してから画像形成装置10が寿命になると想定される時期までの期間とされるが、上限値の設定は短時間に行われるため、本実施の形態では、取得期間が経過した後画像形成装置10が寿命になると想定される時期までを制御期間と定義している。以下、上限値の設定について、図4に示すフローチャートを参照しながら、具体的に説明する。
【0068】
図4は、制御期間における、電源スイッチ19をオフ状態に切替える回数の上限値を設定する設定処理ルーチンを示すフローチャートである。本処理ルーチンは、予め定められた取得期間が終了した後に開始される。
【0069】
ステップ200では、まず、第1の情報と第2の情報とに基づいて、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の、1日あたりの上限値を計算する。
【0070】
画像形成装置10が寿命となる時期は、画像形成装置10の機種や使用頻度、使用する温度条件、使用する記録媒体の種類などにより異なるが、画像形成装置10のメーカは、機種毎に、予め定められた標準的な環境下で標準的な使用をした場合の耐用年数を求め、該耐用年数を示す情報を、第1の情報として予め画像形成装置10のROM12等の記憶手段に記憶しておくか、或いはCPU11が実行するプログラム中に組み込んでおく。CPU11は、該1日あたりの上限値の算出の際にこの情報を参照する。なお、第1の情報が、画像形成装置10が寿命になると想定される時期そのものを示す情報であってもよい。
【0071】
一方、電源スイッチ19が寿命となる切替回数を示す情報は、例えば、メーカにより正常動作可能な目安として提示されている開閉回数(保証回数)を示す情報とすることができ、該回数を示す情報を第2の情報として、予め画像形成装置10のROM12等の記憶手段に記憶しておくか、或いはCPU11が実行するプログラム中に組み込んでおく。CPU11は、該1日あたりの上限値の算出の際にこの情報を参照する。
【0072】
そして1日あたりの上限値は、以下のように算出する。利用者が画像形成装置10の電源ボタンを押下して、最初に電源スイッチ19をオン状態に切替えて画像形成装置10の電源をオンにした使用開始時点から、第1の情報が示す画像形成装置10が寿命となるまでの期間(例えば、耐用年数が5年間ならば5年間)に、第2の情報が示す保証回数(例えば、1万回)を図5に示すようにリニアに割り振る。
【0073】
具体的には、1万回を260週間(5年間)で除算すると38回程度となるが、この38回を1週間のオフ動作回数の上限値とし、これを単純に7で除算して1日あたりの上限値を求めるようにしてもよい。或いは、履歴情報の取得期間が1週間以上であれば、履歴情報から判断された1週間の画像形成装置10の稼働日数を求め、該稼働日数で1週間の上限値を除算して求めても良い。例えば、稼働日数が5日であれば、1週間の上限値38回を5で除算して1日あたり7〜8回、稼働日数が6日であれば、38回を6で除算して、6〜7回の上限値が計算される。また、ここでは、取得期間はそれほど長くないものとしてこの期間を考慮せずに簡便に1日あたりの上限値を計算しているが、取得期間を考慮して計算してもよい。すなわち、取得期間が1週間であれば、260週間から1週間を差し引いた259週間で1万回を除算して最終的に1日あたりの上限値を求めてもよい。なお、ここで挙げた画像形成装置10の寿命や電源スイッチ19の保証回数等の数値は一例であって、これらに限定されるものではない。
【0074】
また、本実施の形態では、第2の情報を、電源スイッチ19の開閉を1セットとする回数を示す情報としているため、この値をそのまま用いて、1日の電源スイッチ19をオフ状態に切替える回数の上限値を求めているが、第2の情報を、電源スイッチ19をオン状態に切替える回数と、オフ状態に切替える回数とを合計した回数を示す情報とする場合には、第2の情報が示す回数を2で除算してから、上記計算に用いる。
【0075】
ステップ202では、取得期間を予め定められた期間(季節、月、曜日、及び時間帯の少なくとも1つの区分で区切られた期間)毎に区切って、該区分毎にサンプルの個数を集計する。
【0076】
ステップ204では、時間間隔情報が示す時間間隔が、予め定められた閾値を上回るサンプルの個数(実行された画像形成処理の数)を区分毎に抽出する。
【0077】
第1の情報を横軸とし第2の情報を縦軸としたときの各サンプルの散布図の一例を図6に示す。破線が、閾値を示している。なお、閾値より長い時間間隔のサンプルの個数が、予め定められた数より少ない場合には、閾値を下げるようにしても良い。
【0078】
ステップ206では、上記1日あたりの上限値、及び抽出したサンプルの数に応じて、抽出したサンプルの数が多い区分ほど、上限値が大きくなるように各区分毎の上限値を決定して、メモリ13に記憶して設定する(図7も参照。)。
【0079】
以下、具体例を挙げて説明する。ここでは、制御期間を1週間の各曜日毎且つ1日の時間帯毎に区切って、該区切った期間毎に上限値を設定する場合を例に挙げる。
【0080】
設定処理ルーチンのステップ202〜204において、曜日毎に一日のどの時間帯に、時間間隔情報が示す時間間隔が長いサンプルが出現するかを、サンプルを抽出してカウントすることにより判断する。
【0081】
例えば、履歴情報として記憶された月曜日のサンプルの中で、時間間隔情報が示す時間間隔が予め定められた閾値以上のサンプルの数が50個あり、3時間毎に区切られた8:00から23:00までの5つの時間帯(早い順から、第1の時間帯、第2の時間帯、第3の時間帯、第4の時間帯、第5の時間帯と呼称する)についてそれぞれ4個、14個、2個、10個、20個のサンプルが抽出されたとする。
【0082】
従って、ステップ206では、第5の時間帯、第2の時間帯、第4の時間帯、第1の時間帯、第3の時間帯の順に上限値を割り振る。例えば、抽出された閾値以上のサンプル数につき、1日のサンプル数に対する各時間帯のサンプル数の比率を求め、該比率の大きさに応じた上限値としてもよい。上記例では、各時間帯のサンプル数の比率は4/50、14/50、2/50、10/50、20/50となるため、1日あたりの上限値を7回として、各比率に7を乗算して小数点一桁の位を四捨五入して計算すると、第1の時間帯、第2の時間帯、第3の時間帯、第4の時間帯、第5の時間帯の順にそれぞれ1回、2回、0回、1回、3回という上限値が計算され、月曜日の時間帯毎の上限値にこの値を設定する。他の曜日の各時間帯についても同様に計算して設定する。なお、もともと画像形成処理が実行されずサンプルが検出されなかった時間帯については、上限値は0回とすればよい。
【0083】
これにより、履歴情報の時間間隔情報が示す時間間隔が予め定められた閾値より長い画像形成処理の数が多い区分に対応する期間ほど、上限値が大きくなるように設定される。該設定した上限値に応じて後述するオートオフ制御処理を実行するようにすれば、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を画像形成処理の履歴に拘わらず予め定められた期間毎に均等に設定する場合に比べて電源オフ状態の時間が長くなる。
【0084】
なお、上限値の設定方法は、上記に限定されるものではない。例えば、前述した時間間隔は履歴情報として記憶せず、時期情報のみ記憶しておき、時間帯毎に受信した印刷情報の数を単純に集計して、印刷情報の受信数が少ない時間帯ほど、画像形成処理が終了してから次の画像形成処理を開始するまで(或いは印刷情報を受け付けるまで)の平均時間間隔が長いと判断して、受信した印刷情報の数が少ない時間帯ほど上限値が多くなるように設定しても良い。
【0085】
この場合、履歴情報取得処理ルーチンでは、履歴情報として上記時間間隔情報は記憶せず、時期情報のみを記憶するものとする。時期情報は、画像形成処理を開始した時期、画像形成処理を終了した時期、及び印刷情報を受信した時期のいずれかを示す情報とすればよいが、ここでは、印刷情報を受信した時期とする。
【0086】
図3のフローチャートにおいては、ステップ108は行わず、ステップ104では、印刷情報の受信時刻を記録するものとする。
【0087】
そして、設定処理では、図4のフローチャートのステップ200と同様に、1日あたりの上限値を計算した後、履歴情報の各サンプルを、時期情報が示す時期を基準として予め定められた区分毎に区切って集計したときに、集計されたサンプルの数が少ない区分に対応する期間ほど、上限値が大きくなるように設定する。ただし、例外として、サンプル数が0の区分については、上限値が0回となるように設定する。従って、本実施の形態では、サンプル数が1以上の区分について、集計されたサンプルの数が少ない区分に対応する期間ほど、上限値が大きくなるように設定する。
【0088】
図8(A)に、3時間毎に区切られた各区間毎の、印刷情報の受信数の集計結果の一例を示す。これによれば、3時間毎に区切られた8:00から23:00までの5つの時間帯(それぞれ早い順から第1の時間帯、第2の時間帯、第3の時間帯、第4の時間帯、第5の時間帯と呼称する)にそれぞれ25個、15個、30個、20個、10個のサンプルが記録されている。このとき、例えば、重み付けの一例として、受信数が0の時間帯を除いた5つの時間帯の各受信数の逆数A1〜A5を計算し、該逆数の合計値Bに対するA1〜A5の比率r1〜r5の各々を計算し、それぞれの比率に1日あたりの上限値を乗算した値を各時間帯の上限値として計算する。他の時間帯の上限値は0とする。図8(B)に計算結果の一例を示す。
【0089】
受信数が0の時間帯を除いた5つの時間帯の各受信数の逆数A1〜A5は、順に、1/25、1/15、1/30、1/20、1/10であり、これら逆数の合計値Bは、87/300である。従って、第1の時間帯の上記比率r1は、A1/B≒1.375となり、第2の時間帯の上記比率r2は、A2/B≒0.23となり、第3の時間帯の上記比率r3は、A3/B≒0.115となり、第4の時間帯の上記比率r4は、A4/B≒0.1725となり、第5の時間帯の上記比率r5は、A5/B≒0.345となる。
【0090】
そして、各比率r1〜r5のそれぞれに、1日あたりの上限値(ここでは8回とする)を乗算し、小数点以下は四捨五入或いは切り捨て等することにより、最終的に、各時間帯の上限値をそれぞれ1回、2回、1回、1回、3回と合計8回になるように設定する。
【0091】
なお、ここでは各曜日毎且つ時間帯毎に区切って集計するようにしたが、上限値を設定するための区分が時間帯のみである場合には、曜日では区別せずに、時間帯のみを考慮して集計して上限値を設定すればよい。この場合には、履歴情報の取得については、最低1日の取得期間があれば足りる。また、上旬・中旬・下旬毎に画像形成装置10の使用状況が異なる場合もある。この場合には、最低限1ヶ月の取得期間を設け、各旬毎且つ時間帯毎に区切って集計して上限値を設定すればよい。
【0092】
これにより、後述するオートオフ制御処理ルーチンにおいて、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を予め定められた期間毎に画像形成動作の履歴に拘わらず均等に設定する場合に比べて、電源オフ状態の時間が長くなるように制御される。
【0093】
上記設定処理ルーチンが終了すると、図9に示すオートオフ制御処理ルーチンが開始される。なお、ここで、利用者は、通常、端末装置20を操作して印刷情報を画像形成装置10に送信するが、画像形成装置10の電源がオフ状態の場合には、電源ボタンを押下して電源スイッチ19をオフ状態からオン状態に切替え、画像形成装置10の電源を手動で投入してから印刷情報を送信するものとする。画像形成装置10の電源がオン状態の間は、当該オートオフ制御処理ルーチンが継続して実行される。
【0094】
ステップ300では、端末装置20から印刷情報が受信されたか(受け付けたか)否かを判断する。印刷情報が受信されたと判断した場合には、CPU11は、該受信した印刷情報をメモリ13の予め定められた記憶領域に記憶する。
【0095】
ステップ302では、該受信した印刷情報に基づいて画像形成機構部14を制御して画像形成処理を開始させる。画像形成処理が終了したところで、ステップ304に進む。
【0096】
ステップ304では、画像形成処理が終了した後の、待機状態が継続した時間(待機時間)が予め定められた閾値を超えたかを判断する。待機状態とは、画像処理機構部14へ電力が供給されている状態ではあるが、利用者から何らの画像形成処理の実行指令も入力されず、画像形成装置10で画像形成処理が何も行われていない状態をいう。ここでは、次に印刷情報が受信されるまでは待機状態となる。ステップ304で否定判断された場合には、ステップ300に戻り、次の印刷情報待ちを行う。ステップ304で肯定判断した場合には、ステップ306に進む。
【0097】
ステップ306では、RTC15から現在の時刻を取得すると共に、メモリ13に記憶された上限値の設定を参照し、オートオフ実行可能回数は1回以上残っているか否かを判断する。なお、オートオフ実行可能回数は、ステップ304で肯定判断した時期を含む期間に対応する区分に対して設定されている上限値から、該期間で既に実行されたオートオフ動作の回数を減算した値をいう。従って、オートオフ実行可能回数の初期値は、該当する期間に対応する区分に設定されている上限値となる。ここで、一例を示す。
【0098】
・月曜日の8時から11時までの時間帯の区分に対応して設定されている上限値は、3回である。
・上記ステップ304で肯定判断した時期が、制御期間のいずれかの週の月曜日の8時から11時までの期間内のいずれかの時期である。
・上記ステップ304で肯定判断した時期を含む期間でオートオフ動作が実際に行われた回数(オートオフ実行回数)は、2回である。
【0099】
上記の場合、オートオフ実行可能回数は、3回−2回=1回であるため、ステップ306では、肯定判断される。
【0100】
そこで、ステップ308に進み、現在の期間のオートオフ実行可能回数を1つ減算する。同じ期間にオートオフ動作が何度も実行されると、その度にオートオフ実行回数が増加していくことになるため、オートオフ実行可能回数は減少していく。オートオフ実行可能回数はメモリ13に記憶され、更新される。
【0101】
ステップ310では、電源スイッチ19に対してオートオフ信号を入力し、オートオフ動作を実行させる。これにより、画像形成装置10の電源がオフされ、画像形成装置10の各構成要素への通電が停止される。
【0102】
なお、ここでは図示を省略したが、RTCから取得した現在の時刻が次の区分に対応する期間(ここでは時間帯)に移った場合には、前の期間にカウントされたオートオフ実行回数を初期値の0に戻し、オートオフ実行可能回数を、次の区分の上限値に設定する。
【0103】
一方、ステップ306において、オートオフ実行可能回数が0回で否定判断した場合には、電源部18に対してスリープ信号を入力する。これにより、電源部18は、画像形成機構部14への電力供給を停止して、画像形成装置10をスリープモードに移行させる。なお、スリープモード中も通信IF17への電力供給は行われるため、印刷情報の受信は可能である。
【0104】
ステップ314では、端末装置20から印刷情報が受信されたか(受け付けたか)否かを判断する。印刷情報が受信されたと判断した場合には、CPU11は、該受信した印刷情報をメモリ13の予め定められた記憶領域に記憶する。
【0105】
ステップ316では、電源部18に対してスリープ解除信号を入力して、画像形成機構部14への電力供給を再開して画像形成装置10を非省電力状態(通常モード)に移行させる。そして、ステップ302に戻り、記憶した印刷情報に基づいて画像形成処理を実行する。
【0106】
なお、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替えた回数が、設定されている上限値未満の状態で終了した期間が発生した場合には、当該期間以降の期間の少なくとも1つの期間に設定された上限値に、該残りの回数を加算してオートオフ実行可能回数の設定を修正するようにしてもよい。すなわち、余った回数をそれ以降の期間に繰り越すのである。例えば、残りの回数を同日の該期間以降に到来する期間の中で、最も上限値の設定回数が多い区分に対応する時間帯の、該上限値に残りの回数を加算した値を、オートオフ実行可能回数の初期値とし、該時間帯のオートオフ実行可能回数を増加させもよい。最も上限値の設定回数の多い時間帯は、最も省エネ効果が見込まれるためである。
【0107】
また、同日の期間ではなく、次の日以降に繰り越しても良い。例えば、オートオフ実行可能回数を消費しきれずに、その日の最後の時間帯が終了した場合には、次の日以降の上限値の設定回数の多い時間帯の該上限値に残りの回数を加算した値を、オートオフ実行可能回数の初期値とする。
【0108】
また、履歴情報に依らないオートオフ動作を指定できるように構成してもよい。例えば、画像形成機構部14による画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過したか否かに関わらず、電源スイッチ19をオン状態からからオフ状態に切替える強制終了時期を指定するための指定手段を更に設ける。例えば、利用者が操作部26を操作して指定できるようにしてもよい。
【0109】
例えば、お昼休みや深夜22時〜早朝6時の時間帯など、めったに画像形成動作をさせないであろう時間に対して、その時間帯になったらオートオフ動作を強制的に実行させるように設定できるように構成する。
【0110】
この場合、設定処理ルーチンで設定される上限値は、上記指定された強制終了時期の数を減じた回数で計算して設定される。例えば、前述した例では、強制終了時期を指定しない場合の1日あたりの上限値が8回である場合において、1つの強制終了時期が指定された場合には、1日あたりの上限値を8から1を引いて7回として、上記と同様に各区分の上限値を設定する。
【0111】
また、一方で、該操作部26で強制終了時期が指定された場合には、上記オートオフ制御処理ルーチンの実行中に、該指定された強制終了時期が到来したときには、割込みを発生させ、電源スイッチ19がオン状態からオフ状態に切替えられるようにオートオフ信号を電源スイッチ19に入力する。
【0112】
次に、オートオフ動作以外に、利用者が手動で画像形成装置10の電源ボタンを操作して電源スイッチ19をオフ状態に切替え、画像形成装置10の電源を切った場合(以下、手動オフ動作と呼称する)について説明する。画像形成装置10の寿命が到来する前に電源スイッチ19の寿命が到来しないようにするためには、この手動オフ動作も、電源スイッチ19の切替実行回数に含めて制御する必要がある。しかしながら、手動オフ動作が実行されても、CPU11では、その時点で手動オフ動作を検出することができない。そこで、本実施の形態では、手動オフ動作検出のためのフラグを設け、以下のように処理する。
【0113】
例えば、CPU11が、CPU11自身の制御(オートオフ信号の電源スイッチ19への入力)によるオートオフ動作を実行する場合には、メモリ13にフラグとして「1」を書き込んでからオートオフ信号を電源スイッチ19に入力して、画像形成装置10の電源をオフさせる。具体的には、図9において、ステップ306からステップ310の間に、メモリ13にフラグとして「1」を書き込むステップを挿入する。
【0114】
そして、利用者による画像形成装置10の電源投入があった場合には、まず、図10に示す調整処理ルーチンを実行する。
【0115】
ステップ400では、メモリ13に書き込まれたフラグが「1」か「0」かを確認する。
【0116】
ステップ402では、フラグの値に基づいて、直前の電源オフは利用者による手動オフ動作か否かを判断する。フラグが「1」なら、オートオフ動作、フラグが「0」なら手動オフ動作であると判断する。
【0117】
ステップ402で手動オフ動作であると判断した場合には、ステップ404で、オートオフ実行可能回数の再割り当てを行う。例えば、本処理ルーチンを開始した日のオートオフ実行可能回数の総数を1回減らして、各時間帯に再度割り当てをする。すなわち、通常は、設定処理ルーチンで計算された1日あたりの上限値を、オートオフ実行可能回数の総数として、各区分に対して設定した上限値を、各区分に対応する時間帯のオートオフ実行可能回数として用いるが、ここでは、設定処理ルーチンで計算された1日あたりの上限値から1を減らした上限値を、その日の調整後の上限値として、該調整後の1日あたりの上限値に基づいて、上記説明した設定方法と同様に各区分に対応する時間帯の上限値を定め、オートオフ制御処理に用いるものとする。これにより、利用者が電源スイッチ19を手動でオン状態からオフ状態に切替えた場合には、該切替えた後に到来するいずれかの期間のオートオフ実行可能回数が該手動で切替えた回数分だけ小さくなるように調整される。
【0118】
或いは、単純に、オートオフ制御処理ルーチンにおいて、電源スイッチ19がオフ状態からオン状態になったときの時間帯のオートオフ実行可能回数を1回減じる(すなわち、その時間帯のオートオフ実行回数を1回増やす)ようにして制御してもよい。また、電源スイッチ19がオフ状態からオン状態になったときの時間帯ではなく、他の時間帯に適用してもよい。
【0119】
ステップ406では、フラグを「0」に書き換え、ステップ408で、通常動作(図9で説明したオートオフ制御処理)に移行する。
【0120】
これにより、手動オフ動作で電源がオフされた場合には、フラグが0のままとなり、オートオフ動作で電源がオフされた場合には、フラグが1に書き換えられるため、上記処理ルーチンのステップ400での判断が容易になる。
【0121】
なお、上記実施の形態では、また、該取得期間が終了した後は、履歴情報の取得を終了する例について説明したが、これに限定されない。例えば、予め定められた取得期間経過後、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替える回数の上限値を予め定められた区間毎に設定した後も、上記履歴情報取得処理ルーチンの実行を継続するようにしてもよい。そして、設定処理ルーチンは、取得期間が終了したときだけでなく、予め定められた間隔毎に定期的に行うか、或いは、利用者が指定したタイミング等の予め定められたタイミングで実行されるようにする。その際には、電源スイッチ19をオン状態からオフ状態に切替えた累積回数を、電源スイッチ19の保証回数から差し引いて、これから到来する制御期間について、区分毎の上限値を設定するものとする。すなわち、最新の履歴情報に基づいて上限値を修正することで、修正しない場合に比べて利用者の使用状態の変化に対応でき、省電力効果を損なわずにすむ。なお、この場合には、履歴情報取得処理ルーチンと並行して図9に示すオートオフ制御処理ルーチンが実行されることになる。
【0122】
また、上記実施の形態では、画像形成装置10の稼働開始直後から取得期間がスタートする例について説明したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置10にオートオフ制御する制御モードと、オートオフ制御しない非制御モードとを設け、操作部16で利用者が非制御モードから制御モードに切替えたときに、取得期間を開始して上限値を設定し、オートオフ制御するようにしてもよい。
【0123】
このように構成する場合、いつ制御モードに移行してもよいように、稼働開始から取得期間開始までの、電源スイッチ19がオン状態からオフ状態に切替えられた回数の累計値はカウントしておく。そして、非制御モードから制御モードに切替えられたときに、履歴情報取得処理ルーチンを開始する。ここで、取得期間が画像形成装置10の稼働開始後しばらくしてからの期間であった場合には、稼働開始から取得期間開始までに電源スイッチ19がオン状態からオフ状態に切替えられた回数の累計値を、前述した第2の情報が示す切替回数から差し引き、且つ、稼働開始から取得期間開始(或いは取得期間終了)までの期間の長さを、第1の情報が示す画像形成装置10が寿命となるまでの期間から差し引いて修正した後に、該修正した値に基づいて前述した設定処理ルーチンを実行するものとする。
【0124】
また、上記実施の形態では、画像形成機構部14を動作させて画像形成処理を実行させるための指令を画像形成装置10に入力する一例として、端末装置20から印刷情報を送信する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置10が複写機能を備えている場合には、利用者が操作部16の複写ボタンを操作して、複写の実行を指示する信号を入力したときに、該入力された信号(複写実行信号)を、画像形成機構部14を動作させて画像形成処理を実行させるための指令としてもよい。CPU11は、該複写実行信号を受け付け、該信号に応じて画像読取機構部(不図示)及び画像形成機構部14を動作させて複写を実行する。履歴情報取得処理ルーチンでは、画像形成処理の履歴情報ではなく、複写処理の履歴情報を取得すればよい。またオートオフ制御処理ルーチンにおいても、ステップ300やステップ314においては複写実行信号が入力されたか否かを判断すればよい。
【0125】
また、画像形成処理と複写処理とを区別せず、処理してもよい。すなわち、履歴情報取得処理ルーチンでは、画像形成処理と複写処理とを区別せずに両方の履歴情報を取得し、設定処理ルーチンにて上限値を設定し、同様にオートオフ制御処理ルーチンを実行するようにしてもよい。
【0126】
以上説明したように、履歴情報を取得して上限値を設定し、オートオフ動作の制御を行うようにしたため、長い寿命の電源スイッチ19を採用する場合に比べて低コストになり、また、例えば、オートオフ動作に極端な制限を設ける場合に比べて、省電力効果が損なわれることを防止できる。
【0127】
なお、本実施の形態では、画像形成装置10が直接通信手段30に接続された形態としたが、これに限定されるものではない。例えば、プリントサーバとしてのサーバ装置を設け、該サーバ装置と通信手段30とを接続し、該サーバ装置が通信手段30に接続された状態で、該サーバ装置を介して画像形成装置10と通信手段30とが間接的に接続された構成としてもよい。
【0128】
上記実施の形態では、スリープモードにおいて、CPU11への通電が停止されない場合について説明したが、スリープモードでCPU11への通電も停止されるように構成してもよい。この場合には、画像形成処理の実行指令(印刷情報)を受信したことを検知してCPU11への通電を開始させる回路を設けておけばよい。
【符号の説明】
【0129】
10 画像形成装置
11 CPU
12 ROM
13 メモリ
14 画像形成機構部
15 RTC
16 操作部
17 通信IF
18 電源部
19 電源スイッチ(オフ機能付きACスイッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の各構成部に対する電力供給を制御する電源部に対して電力を供給する第1の状態と電力の供給を停止する第2の状態とに切替えられる電源スイッチと、
画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段を動作させて画像形成処理を実行させるための指令を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた指令に応じて実行された画像形成処理の履歴情報を記憶手段に記憶する処理を行う記憶処理手段と、
前記記憶手段に記憶された履歴情報と、前記自装置の寿命を示す情報と、前記電源スイッチが寿命となる切替回数を示す情報とに基づいて、前記自装置が寿命となるまでに前記電源スイッチの寿命が到来しないように、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えて自装置への電力供給を停止する回数の上限値を予め定められた期間毎に設定するために必要な履歴情報を取得する取得期間が経過した後自装置が寿命になると想定される時期までの制御期間内の予め定められた期間毎に、前記履歴情報に応じた前記上限値を設定する設定手段と、
前記制御期間において前記画像形成手段による画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過した場合に、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値未満のときには、前記電源スイッチが前記第1の状態から前記第2の状態に切替えられるように制御し、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値に到達していたときには、前記電源スイッチを前記第1の状態に維持したまま前記画像形成手段への電力の供給を停止して前記画像形成手段が動作可能な状態よりも自装置の消費電力が少ない省電力状態となるように制御する制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替える回数の上限値を予め定められた期間毎に前記履歴情報に拘わらず均等に設定する場合に比べて、前記制御期間において前記電源スイッチが前記第2の状態に切替えられている時間が長くなるように、前記上限値を設定する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶処理手段は、前記履歴情報として、前記画像形成手段により実行された各画像形成処理毎に、各画像形成処理が終了してから次の画像形成処理の指令を受け付けるまで又は次の画像形成処理を開始するまでの時間間隔を示す時間間隔情報と、各画像形成処理を開始した時期、各画像形成処理を終了した時期、及び各画像形成処理に対する指令を受け付けた時期のいずれかを示す時期情報とを対応付けて記憶し、
前記設定手段は、前記制御期間内の予め定められた期間を、予め定められた単位で周期的に繰り返される区分毎に区切られた期間とし、前記履歴情報を、前記時期情報が示す時期を基準として前記区分毎に区切って集計したときに、前記時間間隔情報が示す時間間隔が予め定められた閾値より長い画像形成処理の数が多い区分に対応する期間ほど、前記上限値が大きくなるように設定する、
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶処理手段は、前記履歴情報として、前記画像形成手段により実行された各画像形成処理毎に、各画像形成処理を開始した時期、各画像形成処理を終了した時期、及び各画像形成処理に対する指令を受け付けた時期のいずれかを示す時期情報を記憶し、
前記設定手段は、前記制御期間内の予め定められた期間を、予め定められた単位で周期的に繰り返される区分毎に区切られた期間とし、前記履歴情報を、前記時期情報が示す時期を基準として前記区分毎に区切って集計したときに、集計された画像形成処理の数が少ない区分に対応する期間ほど、前記上限値が大きくなるように設定する、
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶処理手段は、前記設定手段が上限値を設定した後も、前記履歴情報を前記記憶手段に記憶する処理を継続し、
前記設定手段は、定期的に又は予め定められたタイミングで前記記憶手段に記憶された履歴情報を参照して、前記上限値の設定を修正する、
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が前記上限値未満の状態で終了した期間が発生した場合には、当該期間以降の期間の少なくとも1つの期間に設定された上限値に、前記上限値未満の状態で終了した期間の残りの回数を加算して上限値の設定を修正する、
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定手段は、修正前の上限値が最も大きい期間の設定値に対して、前記残りの回数を加算して修正する、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成手段による画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過したか否かに関わらず、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替える強制終了時期を指定するための指定手段を更に備え、
前記設定手段は、前記記憶処理手段に記憶された履歴情報、前記自装置の寿命を示す情報、前記電源スイッチの寿命となる切替回数を示す情報、及び前記指定手段で指定された時期の数に基づいて、前記設定を行い、
前記制御手段は、前記指定手段で前記強制終了時期が指定された場合には、前記指定手段で指定された強制終了時期が到来したときにも、前記電源スイッチが前記第1の状態から前記第2の状態に切替えられるように制御する、
請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記設定手段は、利用者が前記電源スイッチを手動で前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた場合には、該切替えた後に到来するいずれかの期間の上限値が該手動で切替えた回数分だけ小さくなるように調整する、
請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、利用者が前記電源スイッチを手動で前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた場合には、該切替えた後に到来するいずれかの期間の、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数を、前記制御手段の制御により切替えた回数に該手動で切替えた回数を加算して制御する、
請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
自装置の各構成部に対する電力供給を制御する電源部に対して電力を供給する第1の状態と電力の供給を停止する第2の状態とに切替えられる電源スイッチ、及び画像を形成する画像形成手段を備えた装置に搭載されたコンピュータを、
前記画像形成手段を動作させて画像形成処理を実行させるための指令を受け付ける受付手段、
前記受付手段で受け付けた指令に応じて実行された画像形成処理の履歴情報を記憶手段に記憶する処理を行う記憶処理手段、
前記記憶手段に記憶された履歴情報と、前記自装置の寿命を示す情報と、前記電源スイッチが寿命となる切替回数を示す情報とに基づいて、前記自装置が寿命となるまでに前記電源スイッチの寿命が到来しないように、前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えて自装置への電力供給を停止する回数の上限値を予め定められた期間毎に設定するために必要な履歴情報を取得する取得期間が経過した後自装置が寿命になると想定される時期までの制御期間内の予め定められた期間毎に、前記履歴情報に応じた前記上限値を設定する設定手段、及び
前記制御期間において前記画像形成手段による画像形成処理が終了してから予め定められた待機時間が経過した場合に、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値未満のときには、前記電源スイッチが前記第1の状態から前記第2の状態に切替えられるように制御し、該経過したときの期間において前記電源スイッチを前記第1の状態から前記第2の状態に切替えた回数が、該期間に対して設定された上限値に到達していたときには、前記電源スイッチを前記第1の状態に維持したまま前記画像形成手段への電力の供給を停止して前記画像形成手段が動作可能な状態よりも自装置の消費電力が少ない省電力状態となるように制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−67052(P2013−67052A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206158(P2011−206158)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】