説明

画像形成装置、周波数制御方法

【課題】オプションボードを装着した際、定格電力を超えないように、本体及びオプションボードの消費電力を最適化することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像データを取得する画像データ取得手段43、22と、操作受付手段41と、画像処理が施された画像データを出力する出力手段42、12と、第一の中央処理装置16と、第二の中央処理装置を装着可能なインタフェース23と、第二の中央処理装置が装着されているか否かを検出する装着検出手段54と、画像処理に対応づけて処理態様が登録された処理決定テーブル56と、処理態様に対応づけて、第一の中央処理装置及び第二の中央処理装置の周波数が登録された周波数決定テーブル58と、処理態様を決定する処理態様決定手段53と、第一及び第二の中央処理装置の周波数を決定する周波数決定手段54と、第一の周波数制御手段61と、第二の周波数制御手段66と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプションボードを装着可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置にオプションボードを追加して、機能を追加する技術が従来から知られている。画像形成装置は、メインのコントローラボードにより全体を制御しており、コントローラボードには電源が接続されるが、オプションボードの電源はコントローラボードと共通の場合が多い。
【0003】
オプションボードを追加することで、画像形成装置が使用するトータルの電力が増えてしまうため、あらかじめ機器にオプションボードを追加可能とするだけの電力を積み上げておく必要がある。しかし、オプションボードに必要な電力は一定とは限らないので、電力を多めに見積もって積み上げておくと画像形成装置のコスト増になってしまう。
【0004】
そこで、オプションボードを追加してもコントローラボードの定格電力を超えないように電力制御する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、本体側の電力供給能力に応じて拡張機器自身がクロック周波数を切り替えるようにする画像形成装置が開示されている。これにより、低消費電力の拡張機器2台、又は、高機能で消費電力の大きい拡張機器1台、のいずれも本体に接続可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された画像形成装置は、オプションボードの周波数を下げるため、オプションボードにて行う処理速度が低下してしまうという問題がある。オプションボードは、機能の追加以外にも処理時間を短縮するために装着されるものであり、オプションボードは周波数を可能な限り大きい値で動作させることが好ましい。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、オプションボードを装着した際、定格電力を超えないように、本体及びオプションボードの消費電力を最適化することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データに施される画像処理を受け付ける操作受付手段と、画像処理が施された前記画像データを出力する出力手段と、画像処理を施す第一の中央処理装置と、画像処理を施す第二の中央処理装置を装着可能なインタフェースと、前記インタフェースに前記第二の中央処理装置が装着されているか否かを検出する装着検出手段と、画像処理に対応づけて、第一の中央処理装置単体、第二の中央処理装置単体、第一と第二の中央処理装置の並列、のいずれかの処理態様が登録された処理決定テーブルと、前記処理態様に対応づけて、第一の中央処理装置及び第二の中央処理装置の周波数が登録された周波数決定テーブルと、画像処理に基づき前記処理決定テーブルを参照し、前記処理態様を決定する処理態様決定手段と、前記処理態様に基づき前記周波数決定テーブルを参照し、第一及び第二の中央処理装置の周波数を決定する周波数決定手段と、第一の中央処理装置の周波数を制御する第一の周波数制御手段と、第二の中央処理装置の周波数を制御する第二の周波数制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
オプションボードを装着した際、定格電力を超えないように、本体及びオプションボードの消費電力を最適化することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置による周波数の制御手順を説明する図の一例である。
【図2】コントローラボード及びオプションボードの構成図の一例である。
【図3】画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図4】処理決定テーブル、周波数決定テーブルの一例を示す図である。
【図5】画像形成装置の起動時の動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図6】オプションボードが起動する際、オプションボードのCPUの設定手順を説明するフローチャート図の一例である。
【図7】画像形成装置が画像処理を行う際の周波数の設定手順を示すフローチャート図の一例である。
【図8】オプションボードが設定された周波数に変更する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図9】画像処理の終了後における周波数の設定手順を示すフローチャート図の一例である。
【図10】処理態様と消費電力の関係の一例を示す図である。
【図11】画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図12】消費電力マップを模式的に説明する図の一例である。
【図13】周波数設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本実施例の画像形成装置による周波数の制御手順を説明する図の一例である。画像形成装置にオプションボードが接続されると、コントローラボードとオプションボードが通信可能になる。
【0012】
コントローラボード上では、ソフトウェアが動作しており、画像データの出力方法(ハードディスク蓄積、プロッタでの印刷出力、他の装置へのデータ転送等)や出力条件(ファイルフォーマットの変換、色変換等)に応じて画像処理の内容を決定している。本実施例のソフトウェアは、オプションボードが接続されていることを検出すると、画像処理をコントローラボードとオプションボードのどちらで行うかを決定する。
【0013】
決定される処理態様には以下の3つの場合がある。
(i) コントローラボードとオプションボードが並列処理する
(ii) コントローラボードのみが処理する
(iii) オプションボードのみが処理する
本実施例の画像形成装置は、(i)の並列処理の場合、コントローラボードがコントローラボードのCPUの周波数を下げ、コントローラボードがオプションボードにオプションボードのCPUの周波数を設定する。設定されるオプションボードのCPUの周波数は、最大値か可能な限り高い値である。
【0014】
また、コントローラボードのCPUの周波数は、Min値まで下げない。Min値まで下げてしまうと、コントローラボードの処理が遅くなってしまうためである。したがって、コントローラボードの周波数をMin値まで下げずに小さくし、かつ、オプションボードの周波数を可能な限り大きくすることで、画像形成装置の定格電力を超えない範囲で、画像形成装置の処理性能を最大限に引き出すことができる。
【0015】
〔構成例〕
図2は、画像形成装置100におけるコントローラボード20及びオプションボード30の構成図の一例である。コントローラボード20にはPSU(Power Supply Unit)40が接続されており、オプションボード30への電源もPSU40から供給される。
【0016】
コントローラボード20は、プリント、スキャナ読み取り、FAX送受信、ネットワーク通信などのデータ処理を含めた全体的な制御を行う。オプションボード30は、コントローラボード20に接続され、コントローラボード20から要求された画像処理を行う。これにより、コントローラボード20の負荷を軽減することである。
【0017】
コントローラボード20は、2つのASIC11,16とCPU15を有する。ASIC11にはスキャナ部43、プロッタ部42及びHDD12が接続されている。CPU15にはASIC11、ASIC16、RAM13、及び、ROM14が接続されている。ASIC16には、操作部41、SD I/F19、USB I/F21、Network I/F22、NAND FLASH17、及び、NVRAM18が接続されている。
【0018】
スキャナ部43は、不図示のスキャナから画像データを取得する。スキャナは、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したカラーラインセンサにより原稿を1ライン毎主走査方向に読み取り、原稿を副走査方向に移動して、RGB毎に所定の階調を備えた画像データを生成する。スキャナ部43は、予め取得しているスキャナのCCD特性に基づく画像データの補正(シェーディング補正処理、γ補正、フィルタ処理、RGB→RGB色変換処理等)を行う。
【0019】
プロッタ部42は不図示のプロッタへの画像データの書込みを行う。プロッタ部42は、ASIC11から画像データを取得し、画像データをRGB→CMYKの画像データに変換した後、ディザ処理してプロッタに転送する。
【0020】
プロッタは、例えば、電子写真方式の印刷装置であり、CMYKの画像データに基づき、トナー画像を用紙に定着することで画像データを出力する。なお、白黒のプロッタでもよいし、液滴を塗布することで用紙に画像を形成するインクジェット型のプロッタでもよい。
【0021】
操作部41は、タッチパネル、ハードキーなどによるユーザーI/F部である。タッチパネルコントローラ、キーマトリクスコントローラとともに、これらを制御する不図示のCPUが搭載されている。LCDタッチパネルを備える画像形成装置100では、CPUがLCD画面の描画も行っている。
【0022】
ASIC11は、スキャナ部43又はHDD12から画像データを取得する。ASIC11は、出力方法や出力条件に応じて各種画像処理を行う。画像処理後、ASIC11は画像データをHDD12に書き込み、また、プロッタへの出力時やCPU15への出力時にHDD12から画像データを読み出す。
【0023】
CPU15は、HDD12又はROM14に記憶されたプログラムやシステムデータに基づいて、RAM14をワークメモリとして利用し、画像形成装置100の全体を統合制御する。また、CPU15は出力方法や出力条件に応じて画像処理を実行する。ユーザが、例えば、JPEGへの画像データの変換を設定した場合、PDFへの変換を設定した場合、又は、OCR処理を設定した場合、設定内容に応じた画像処理を行う。
【0024】
ASIC16は、省エネ制御、各種のI/Fとの制御をつかさどる。不図示の端末がプリントデータをNetwork I/F22に送信すると、ASIC16はプリントデータを画像データに変換してCPU15に出力する。CPU15は出力方法や出力条件に応じてプロッタ部42又はHDD12に画像データを出力する。
【0025】
NAND FLASH17はASIC16が実行するプログラムを記憶しており、NVRAM18には画像形成装置の型番、印刷ページ数などの情報が記憶される。
【0026】
コントローラボード20はオプションボードを装着するための装着部23を有し、オプションボード30はユーザなどの手により装着部23に装着される。装着部23はCPU15と33を接続する例えばPCIバスを有している。
【0027】
オプションボード30も同様に、CPU33により制御され、CPU33にはROM31、RAM34及びNANDFLASH32が接続されている。オプションボード30はコントローラボード20のCPU15と同様の画像処理及びコントローラボード20のCPU33では困難な画像処理が可能であり、オプションボード30の追加により機能の追加や処理性能の向上が可能になっている。オプションボード30が可能な画像処理は装着時にコントローラボード20に通知される。
【0028】
図3は、本実施例の画像形成装置100の機能ブロック図の一例である。まず、コントローラボード20は、アプリケーション51、UI部52、画像処理決定部53、及び、周波数決定部54を有する。画像処理決定部53は、画像処理部(以下、区別する場合、画像処理部1〜nという)55を有している。
【0029】
まず、UI部52は、ユーザが選択したアプリケーション51に応じてアプリケーション毎のUIを操作部41のLCD等に表示する。アプリケーション51は、スキャナアプリ、コピーアプリ、送信アプリなど、画像形成装置100の機能の利用した入力、加工及び出力の各条件、及び、画像データの指定などを受け付ける。これにより、出力方法と出力条件が定まる。
【0030】
画像処理決定部53は、出力方法と出力条件に応じて画像処理の内容を決定する。画像処理の内容は種々あるが、画像処理に応じて画像処理部1〜nを呼び出し、それらを順番に実行することで画像処理を行う。
【0031】
画像処理決定部53は、オプションボード30が接続されている場合、画像処理部1〜nに基づき、コントローラボード20で行う画像処理とオプションボード30で行う画像処理とを振り分ける。この振り分けにより、上述した(i)〜(iii)の3つの処理態様が生じる。画像処理決定部53は、予め、画像処理部1〜nとその画像処理を行うボードの組み合わせを定めた処理決定テーブル56を有している。
【0032】
図4(a)は、処理決定テーブル56の一例を示す図である。処理決定テーブル56には画像処理部1〜nに対応づけて画像処理を行うボードの識別情報が登録されている。例えば、画像処理部1が実行するJPEGエンコードは、オプションボード30で行うことが、画像処理部2が実行するPDF化は、コントローラボード20で行うことが、画像処理部3が実行するOCR処理は、コントローラボード20とオプションボード30で並行して行うことが、それぞれ登録されている。画像処理決定部53は処理決定テーブル56に基づいて決定した処理態様 (i)〜(iii)を周波数決定部54に通知する。
【0033】
図3に戻り、周波数決定部54は、処理態様に基づき、コントローラボード20のCPU15の周波数及びオプションボード30のCPU33の周波数を決定する。
図4(b)は周波数決定テーブル58の一例を示す図である。処理態様(i)〜(iii)に応じて、コントローラボード20とオプションボード30それぞれの周波数が登録されている。
(i)並列処理の場合、コントローラボード20のCPU15の周波数はc2、オプションボード30のCPU33の周波数はc11
(ii)コントローラボードのみが処理する場合、コントローラボード20のCPU15の周波数はc1、オプションボード30のCPU33の周波数はc12
(iii)オプションボードのみが処理する場合、コントローラボード20のCPU15の周波数はc3、オプションボード30のCPU33の周波数はc11
ここで、c1>c2>c3、c11>c12、である。
【0034】
(i)の場合、コントローラボード20とオプションボード30が共に処理するので、オプションボード30の周波数を最大にしてコントローラボード20の周波数を中程度にすることで、オプションボード30の処理を高速にしながら定格電力を超えないよう設計されている。(i)の場合のコントローラボード20の周波数c2は、PSU40の定格電力からオプションボード30が周波数c11(Max値)で動作した時の消費電力を除いた電力を超えない範囲で最大の周波数である。
【0035】
(ii)の場合、コントローラボード20のみが処理するので、コントローラボード20の周波数を最大にすることで、定格電力を超えずに、処理を高速化できる。
(iii)の場合、オプションボード30のみが処理するので、コントローラボード20の周波数を最小にして、オプションボード30の周波数を最大にすることで、消費電力を抑制できる。
【0036】
なお、周波数c1はコントローラボード20のCPU15の周波数のMax値であり起動時の周波数である。c3はコントローラボード20のCPU15の周波数のMin値である。また、c11はオプションボード30のCPU33の周波数のMax値である。c12はオプションボード30のCPU33の周波数のMin値であり、起動時の周波数である。
【0037】
周波数決定部54はこのようにして決定した周波数をコントローラボード20のPLL61に設定する。コントローラボード側では、CLKが所定の周波数のクロック信号をPLL61に供給している。PLL61は、設定された周波数に基づきクロック信号を分周するので、周波数が決定した周波数をコントローラボード20のCPU15に供給することができる。
【0038】
また、周波数決定部54は決定した周波数をオプションボード側のNANDFLASH32に設定する。オプションボード30は、コントローラボード20からの通知を割り込みなどで取得して周波数設定部64を起動させる。周波数設定部64は、NANDFLASH32に記憶された周波数をPLL66に設定する。PLL66は、設定された周波数に基づきクロック信号を分周するので、周波数決定部54が決定した周波数をオプションボード30のCPU33に供給することができる。
【0039】
なお、周波数決定部54は、電源オンによる起動時に、オプションボード30のNANDFLASH32に最小の周波数c12を設定する。したがって、オプションボード30の起動時、オプションボード30は最小の周波数にて起動するので、消費電力を抑制できる。
【0040】
オプション検出部57は、コントローラボード20にオプションボード30が接続されるとASIC16の所定のI/O59の論理が反転することを利用して、オプションボード30が接続されているか否かを判定する。
【0041】
〔動作手順〕
<起動時>
図5は、画像形成装置100の起動時の動作手順を示すフローチャート図の一例である。図5の手順は画像形成装置100の電源がオンになるとスタートする。コントローラボード20のCPU15は、電源オンから予め設定された時間が経過すると、例えばASIC16により省エネ制御されるため、待機用の低周波数になっている場合がある。しかし、電源がオンされた直後は、CPU15はPLL61に設定されている初期設定の周波数c1で動作している。
【0042】
画像形成装置100が起動すると、例えばCPU15へのリセット信号がネゲートされCPU15はリセットにより起動する。CPU15はIPL(Initial Program Loader)を実行して、IPLが予め定められ初期処理用のプログラムをCPU15に実行させる。本実施例ではこの初期処理の一つに、オプション検出部57と周波数決定部54が含まれている。
【0043】
オプション検出部57は、ASIC16の所定のI/O59の状態を監視して、オプションボード30が装着されているか否かを判定する(S10)。周波数決定部54は、オプション検出部57の判定結果に応じて、オプションボード30に設定する周波数を決定する。
【0044】
オプションボード30が接続されていない場合(S10のNo)、周波数決定部54はオプションボード30の周波数を決定する必要はない。この場合、コントローラボード20のCPU15の周波数は、起動時の周波数c1のままであり、時間が経過すると低下する場合がある。
【0045】
オプションボード30が接続されている場合(S10のYes)、周波数決定部54はオプションボード30のNANDFLASH32に最小の周波数c12を書き込む(S20)。
【0046】
図6は、オプションボード30が起動する際、オプションボード30のCPU33の周波数の設定手順を説明するフローチャート図の一例である。オプションボード30の起動には次の2つの場合があり得る。
(a)コントローラボード20と同様に電源オンで起動する
(b)コントローラボード20からの制御により起動する
このうち(a)はオプションボード30の周波数を動的に変更する場合と同様なので図8にて説明する。図6は、(b)の場合の起動手順であり、すでにNANDFLASH32にオプションボード32の周波数c12が記憶されているものとする。
【0047】
オプションボード30のCPU33は、PLL66に設定されている初期設定の周波数により起動する(S110)。この周波数は最大の周波数(オプションボードの場合、c11)である。
【0048】
オプションボード30CPU33はIPLを実行してIPLが予め定められ初期処理用のプログラムをCPU33に実行させる。本実施例ではこの初期処理の一つに、周波数設定部64が含まれている(S120)。
【0049】
周波数設定部64は、NANDFLASH32に記憶されている周波数をPLL66に設定する(S130)。これにより、PLL66はCLKが出力するクロック信号の分周比を変えて、設定された周波数のクロック信号を出力する。上記のように、この周波数はオプションボード30のCPU33の仕様上、最も低い周波数c12なのでオプションボード30が消費する消費電力を低減できる。
【0050】
<画像形成時>
図7は、画像形成装置100が画像処理を行う際の周波数の設定手順を示すフローチャート図の一例である。
【0051】
ユーザが操作部41を操作して入力、加工及び出力条件を設定すると、画像処理決定部53が画像処理を決定する。画像処理決定部53は、処理決定テーブル56を参照して、各画像処理毎に、画像処理を実行するボードを、コントローラボード20、オプションボード30、又は、コントローラボード20とオプションボード30の両方、のいずれかに決定する(S210)。
【0052】
周波数決定部54は、周波数決定テーブル58を参照してコントローラボード20とオプションボード30の周波数をそれぞれ決定する。
【0053】
(i) コントローラボード20とオプションボード30が並列処理する
この場合、周波数決定部54は、コントローラボード20のCPU15の周波数をc2に設定し、オプションボード30のCPU33の周波数をc11に設定する(S220)。周波数決定部54はコントローラボード20のPLL61にc2を設定し、オプションボード30のNANDFLASH32にc11を記憶する。したがって、コントローラボード20のCPU15の周波数は小さくなり、オプションボード30のCPU33の周波数は大きくなる。
【0054】
コントローラボードc1 →c2
オプションボード c12→c11
この後、コントローラボード20とオプションボード30はそれぞれ画像処理を実行する(S230)。
【0055】
(ii) コントローラボードのみが処理する
この場合、周波数決定部54は、コントローラボード20のCPU15の周波数をc1に設定し、オプションボード30のCPU33の周波数をc12に設定する。したがって、周波数決定部54は何もせず、コントローラボード20のCPU15もオプションボード30のCPU33も周波数に変更はない。
【0056】
コントローラボードc1 →c1
オプションボード c12→c12
コントローラボード20は画像処理を実行する(S240)。
【0057】
(iii) オプションボードのみが処理する
この場合、周波数決定部54は、コントローラボード20のCPU15の周波数をc3に設定し、オプションボード30のCPU33の周波数をc11に設定する(S250)。周波数決定部54はコントローラボード20のPLL61にc3を設定し、オプションボード30のNANDFLASH32にc11を記憶する。したがって、コントローラボード20のCPU15の周波数は小さくなり、オプションボード30のCPU33の周波数は大きくなる。
【0058】
コントローラボードc1 →c3
オプションボード c12→c11
この後、オプションボード30は画像処理を実行する(S260)。
【0059】
<オプションボードの周波数変更>
図8は、オプションボード30が設定された周波数に変更する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0060】
オプションボード30のCPU33は、コントローラボード20の例えば割り込みにより新たな周波数が設定されたことを検出する(S310)。これにより、オプションボード30のCPU33は周波数設定部64を起動させる。
【0061】
周波数設定部64は、NANDFLASH32から設定された周波数を読み出す(S320)。そして、PLL66に設定する(S330)。このように、コントローラボード20が周波数を決定しても、実際の設定はオプションボード30が行うことで、オプションボード30の制御下で周波数を変更できる。
【0062】
コントローラボード20は周波数設定部64の処理が終わると、割り込み前の処理に戻るので画像処理用のプログラムを実行して、画像処理を行うことができる。処理対象の画像データは、コントローラボード20が、オプションボード30のRAM34に記憶している。オプションボード30の画像処理部65は、画像処理が終了すると画像データをコントローラボード20のRAM13に移動する。
【0063】
<画像処理終了後>
図9は、画像処理の終了後における周波数の設定手順を示すフローチャート図の一例である。画像処理の終了後、周波数がMin値より高い場合、低くすることで消費電力を低減できる。このため、コントローラボード20及びオプションボード30は速やかに周波数をMin値に設定する。
【0064】
周波数決定部54は、画像処理が終了してから所定時間が経過したか否かを監視している(S410)。画像処理が終了したことは、例えば画像処理決定部53が検出している。
【0065】
そして、所定時間が経過すると、
・コントローラボードの周波数をc3(Min値)に設定し
・オプションボードの周波数をc12(Min値)に設定する(S420)。
【0066】
こうすることで、コントローラボード20及びオプションボード30の周波数を継続的に最小にできるので、消費電力を低減できる。なお、コントローラボード20の周波数をc3(Min値)に設定しておくと、例えば画像処理を開始するまでにタイムラグが発生するような場合は、コントローラボード20のCPU15の周波数は、c3よりも大きい周波数(c1又はc2等)に設定しておくことも可能である。
【0067】
〔処理の高速化と消費電力〕
図10(a)は処理態様と消費電力の関係の一例を、図10(b)は、(i)並行処理において画像形成装置100が上記の周波数制御を行った場合に短縮される処理時間の一例を説明する図である。
【0068】
図10(a)において、処理Aは例えばOCR処理であり処理態様としては(i)となる。処理Bは例えばPDF化であり処理態様としては(ii)となる。処理Cは例えばJPEGエンコードであり処理態様としては(iii)となる。
【0069】
まず、画像形成装置100のコントローラボード20の定格電力は12W、コントローラボード20のc1における消費電力が10W、オプションボード30における消費電力が3Wであるとする。このため、コントローラボード20とオプションボード30が周波数の制御を行わずに、c1とc11でそれぞれ動作すると、合計で13Wとなり、定格電力の12Wを超えてしまう。
【0070】
そこで、本実施例では処理A(OCR)では、コントローラボード20のCPU15の周波数を下げて7Wとしている。これにより、オプションボード30のCPU33の周波数はc11(Max値)に上げても、定格電力12Wを超えないようにしている。したがって、画像形成装置100が並列処理を行う場合、このようにコントローラボード20のCPU15の周波数を下げるが、Min値まで下げないことで、コントローラボード20が行う画像処理を大幅に遅くしないで、処理を行える。
【0071】
なお、処理B(PDF化)では、コントローラボード20のCPU15の周波数は変更がないが、オプションボード30のCPU33の周波数がc12(Min値)なので、合計の消費電力が10Wとなり、定格電力12Wを超えないようなっている。
【0072】
処理C(JPEGエンコード)では、コントローラボード20のCPU15の周波数をc3(Min値)に下げ、オプションボード30のCPU33の周波数をc11(Max値)に上げても、合計の消費電力が4Wとなり、定格電力12Wに対し十分に低い消費電力とすることができる。
【0073】
図10(b)に示すように、オプションボード30が装着されていないと、コントローラボード20のCPU15が単体で逐次的に画像処理を行うため、画像処理の処理時間はT1+T2となる。
【0074】
オプションボード30が装着されている場合、T2の処理時間に相当する処理はオプションボード30が処理できる。並列処理の場合は、コントローラボード20のCPU15の周波数はc1からc2になる(下がる)ため、処理時間T1はT1´(>T1)となる。オプションボード30のCPU33の周波数はc12からc11になる(上がる)ため、処理時間T2はT2´(<T2)になる。ここでは、c1<c11と仮定して、処理時間T2´はT2よりも短いとする。
【0075】
コントローラボード20とオプションボード30が逐次処理で処理時間T1とT2に相当する処理を行ったとしても、T1+T2>T1´+T2´である。したがって、トータルでの時間は若干、早くなる。
【0076】
また、オプションボード30が装着されている場合、本来、コントローラボード20とオプションボード30は並列に処理するので、トータルの処理時間は処理時間T1´とT2´のうち長い方となる。図10(b)では処理時間T1´とT2´を等しくしているが、処理時間T1処理時間T1´とT2´は画像処理のないようによって異なる。したがって、コントローラボード20のCPU15の周波数を下げて並列処理しても(処理時間T1´がT1より長くても)、トータルの処理時間を大きく短縮できる。また、この場合、消費電力は10Wに過ぎないので、定格電力に対しても十分に余裕がある。したがって、オプションボード30の装着のため、画像形成装置100の定格電力を多めに見積もることなく、オプションボード30が装着されても定格電力の範囲で、コントローラボード20のみが処理する場合よりも高速に処理できる。
【0077】
また、処理Bのようにコントローラボード20のみが処理する場合はオプションボード30の消費電力が浪費されるが、オプションボード30のCPU33の周波数はMin値なので増大量は最小化できる。
【0078】
また、処理Cのようにオプションボード30のみが処理する場合は、コントローラボード20のCPU15の周波数をMin値にするので、消費電力を低減できる。
【0079】
以上説明したように、本実施例の画像形成装置100は、オプションボード30が装着された際に画像処理を行うボードに応じてそれぞれのCPUの周波数を制御することで、定格電力を大きくすることなく画像処理を効率的に実行できる。
【実施例2】
【0080】
本実施例では動的にコントローラボード20のCPU15の周波数を変更できる画像形成装置100について説明する。
【0081】
図11は、本実施例の画像形成装置100の機能ブロック図の一例を示す。図11において図3と同一部の説明は省略する。本実施例の画像形成装置100は周波数決定テーブル58でなく、消費電力マップ63を有している。
【0082】
図12は、消費電力マップ63を模式的に説明する図の一例である。消費電力マップ63には、コントローラボード20とオプションボード30それぞれのCPU15,33について周波数と消費電力が対応づけて登録されている。コントローラボード20にとってどのようなオプションボード30が装着されるかは未知なので、コントローラボード20は自機の消費電力マップ63は予め記憶しておき、オプションボード30の消費電力マップ63をオプションボード30から読み出す。
【0083】
また、コントローラボード20は定格電力が記憶された定格電力記憶部60を有している。周波数決定部54は定格電力記憶部60から定格電力を読み出すことができる。
【0084】
以下、周波数決定部54による周波数の2つの決定方法を説明する。
(1)オプションボードの周波数をMax値に固定する
周波数決定部54は、消費電力マップ63を参照して、定格電力を超えない範囲で、コントローラボード20とオプションボード30のCPU33の周波数をそれぞれ決定する。実施例1の処理態様(i)〜(iii)のうち、(ii)(iii)については実施例1と同様である。
【0085】
(i) コントローラボード20とオプションボード30が並列処理する
周波数決定部54は、オプションボード30のCPU33のMax値に対応付けられた消費電力(例えば3W)を消費電力マップ63から読み出す。
【0086】
読み出した消費電力を定格電力から減じる(例えば、12W−3W=9W)。
【0087】
減じて得られた消費電力に対応づけられたコントローラボード20のCPU15の周波数を消費電力マップ63から読み出す(例えば、9Wに対応づけられているコントローラボード20のCPU15の周波数c2を読み出す)。
【0088】
このように、コントローラボード20とオプションボード30の周波数を決定することで、定格電力の範囲内で、処理時間を最短にできる。
【0089】
なお、コントローラボード20のCPU15の周波数をMax値に決定しておき、定格電力の範囲で最大のオプションボード30のCPU33の周波数を決定してもよい。
【0090】
(ii) コントローラボード20のみが画像処理する
周波数決定部54は、コントローラボード20のCPU15の周波数をMax値に設定し、オプションボード30のCPU33の周波数をMin値に設定する(すなわち、変更なし)。
【0091】
(iii) オプションボードのみが画像処理する
周波数決定部54は、コントローラボード20のCPU15の周波数をMin値に設定し、オプションボード30のCPU33の周波数をMax値に設定する。
【0092】
(2)オプションボードの周波数を定格電力とMax値に応じて切り換える
オプションボード30のCPU33の周波数のMax値の時の消費電力が大きいと、コントローラボード20の周波数が低く抑えられるおそれがある。このため、定格電力とオプションボード30のMax値の時の消費電力に応じて、オプションボード30のCPU33の周波数を可変にすることが有効になる。
【0093】
周波数決定部54は、以下のように、定格電力とオプションボード30のCPU33のMax値の時の消費電力の差に応じて、オプションボード30のCPU33の周波数を可変にする。コントローラボード20のCPU15の周波数は、定格電力を超えない範囲で決定する。
「定格電力−Max値の時の消費電力」 が所定値以上:Max値
「定格電力−Max値の時の消費電力」 が所定値未満:Max値×0.8
所定値未満の場合、その値に応じてCPU33の周波数が小さくなるように係数を変えてもよい
定格電力に十分な余裕がなければ、オプションボード30の周波数をMax値よりも下げるので、オプションボード30の消費電力が大きい場合や定格電力が十分でない場合も、コントローラボード20の処理が遅くなったり、定格電力が不足することを防止できる。
【実施例3】
【0094】
実施例1,2では、周波数決定部54がコントローラボード20とオプションボード30のCPU33の周波数を決定したが、本実施例ではユーザが周波数を決定できる画像形成装置100について説明する。
【0095】
例えば、ユーザがオプションボード30を装着して画像形成装置100の電源をオンにした場合、又は、ユーザが操作部41を操作することで、コントローラボード20とオプションボード30のCPU33の周波数を設定する画面が表示される。
【0096】
図13は、周波数設定画面の一例を示す図である。図13には「コントローラボードとオプションボード30の周波数を設定してください」というメッセージ201、コントローラボード20において設定可能な周波数範囲202、オプションボード30において設定可能な周波数範囲203、コントローラボード20のCPU15の周波数の設定欄204、及び、オプションボード30のCPU33の周波数の設定欄205が表示されている。
【0097】
ユーザがいずれか一方のボードの周波数を設定すると、周波数決定部54は定格電力の範囲で消費電力マップ63から他方のボードにおいて設定可能な最大の周波数を決定し、周波数設定画面に表示する。
【0098】
したがって、ユーザはコントローラボード20とオプションボード30のうち優先して周波数を設定し、他方のボードの周波数を定格電力の範囲内で設定することができる。
【符号の説明】
【0099】
11,16 ASIC
13,34 RAM
14,31 ROM
15,33 CPU
20 コントローラボード
30 オプションボード
40 PFU
41 操作部
43 スキャナ部
44 プロッタ部
53 画像処理決定部
54 周波数決定部
56 処理決定テーブル
57 オプション検出部
58 周波数決定テーブル
63 消費電力マップ
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開2007−249808号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに施される画像処理を受け付ける操作受付手段と、
画像処理が施された前記画像データを出力する出力手段と、
画像処理を施す第一の中央処理装置と、
画像処理を施す第二の中央処理装置を装着可能なインタフェースと、
前記インタフェースに前記第二の中央処理装置が装着されているか否かを検出する装着検出手段と、
画像処理に対応づけて、第一の中央処理装置単体、第二の中央処理装置単体、又は、第一と第二の中央処理装置の並列、のいずれかの処理態様が登録された処理決定テーブルと、
前記処理態様に対応づけて、第一の中央処理装置及び第二の中央処理装置の周波数が登録された周波数決定テーブルと、
画像処理に基づき前記処理決定テーブルを参照し、前記処理態様を決定する処理態様決定手段と、
前記処理態様に基づき前記周波数決定テーブルを参照し、第一及び第二の中央処理装置の周波数を決定する周波数決定手段と、
第一の中央処理装置の周波数を制御する第一の周波数制御手段と、
第二の中央処理装置の周波数を制御する第二の周波数制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記処理態様決定手段が第一と第二の中央処理装置が並列に処理を実行すると決定した場合、
前記周波数決定手段は、第一の中央処理装置の周波数を第一の中央処理装置の周波数の最小値と最大値の間の周波数に決定し、第二の中央処理装置の周波数を第二の中央処理装置の最大の周波数に決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
第一の中央処理装置の周波数が最大値、かつ、第二の中央処理装置の周波数が最大値の場合、消費電力が定格電力を超え、
第一の中央処理装置の周波数が最小値と最大値の間の周波数、かつ、第二の中央処理装置の周波数が最大値の場合、消費電力は定格電力未満である、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記処理態様決定手段が、第一の中央処理装置単体が処理を行うと決定した場合、前記周波数決定手段は、第二の中央処理装置の周波数を最小値に決定し、
前記処理態様決定手段が、第二の中央処理装置単体が処理を行うと決定した場合、前記周波数決定手段は、第一の中央処理装置の周波数を最小値に決定する、
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
定格電力を記憶する定格電力記憶手段と、
第一の中央処理装置の周波数に消費電力を対応づけ、第二の中央処理装置の周波数に消費電力を対応づけた消費電力算出マップと、を有し、
前記周波数決定手段は、第一の中央処理装置の消費電力と第二の中央処理装置の消費電力の合計が定格電力を超えない範囲で、第一と第二の中央処理装置の周波数を決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記周波数決定手段は、定格電力に対する第二の中央処理装置の周波数が最大時の消費電力の差を求め、前記差が所定値以上の場合、前記周波数決定手段は、第二の中央処理装置の周波数を最大に決定し、
前記差が所定値未満の場合、前記周波数決定手段は、第二の中央処理装置の周波数を最大よりも小さい値に決定する、
ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
第一の中央処理装置と第二の中央処理装置の周波数の設定を受け付ける周波数受付手段を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに施される画像処理を受け付ける操作受付手段と、
画像処理が施された前記画像データを出力する出力手段と、
画像処理を施す第一の中央処理装置と、
画像処理を施す第二の中央処理装置を装着可能なインタフェースと、有する画像形成装置の周波数制御方法であって、
装着検出手段が前記第二の中央処理装置が装着されているか否かを検出するステップと、
処理態様決定手段が、画像処理に基づき、画像処理に対応づけて第一の中央処理装置単体、第二の中央処理装置単体、又は、第一と第二の中央処理装置の並列、のいずれかの処理態様が登録された処理決定テーブルを参照し、前記処理態様を決定するステップと、
周波数決定手段が、前記処理態様に基づき、前記処理態様に対応づけて第一の中央処理装置及び第二の中央処理装置の周波数が登録された周波数決定テーブルを参照し、第一及び第二の中央処理装置の周波数を決定するステップと、
第一の周波数制御手段が、第一の中央処理装置の周波数を制御するステップと、
第二の周波数制御手段が、第二の中央処理装置の周波数を制御するステップと、
を有する周波数制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−17117(P2013−17117A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150015(P2011−150015)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】