画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
【課題】セキュリティを確保したプリントジョブ制御において、プリントジョブがエラーになった場合に、使い勝手を落とさずにジョブの操作を適切に行うことを目的とする。
【解決手段】実行手段は、確認手段で機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、判断手段で一致しないと判断された場合にも、操作要求に応じたプリントジョブに対する処理を実行することによって課題を解決する。
【解決手段】実行手段は、確認手段で機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、判断手段で一致しないと判断された場合にも、操作要求に応じたプリントジョブに対する処理を実行することによって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、コピー、FAX及びスキャナ等の複数の機能を1つの装置内で実現することが可能な画像形成装置(デジタル複合機)がある。このような画像形成装置には、プリンタ、コピー、FAX又はスキャナ等の機能を画像形成装置内で実行させる際に、ユーザを特定して、ユーザの権限等に応じて画像処理装置内の機能使用を許可させるものがある。例えば、画像処理装置の具備する操作部(タッチパネル等)上から入力されたユーザID・パスワードで認証し、ホストコンピュータから実行を指示されたプリントジョブに付加されている認証情報と照合する。そして、同一ユーザであると判定した場合は、画像形成装置を操作する操作ユーザに対して上記ジョブへのアクセス権を付与するものがある(例えば、特許文献1参照)。先行技術では、実行中のプリントジョブでエラーが発生した場合、他の者が実行中のプリントジョブを停止できるものとしている。
一方、近年、携帯端末等の個人用情報端末機器の普及により、これら情報端末機器から複合機等の画像形成装置に画像データを送信してプリントを行うことのニーズが増してきている。個人用情報端末機器の場合には、一般に個人用であるので認証処理を行わないため、ユーザID等の情報は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−262864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実行中のプリントジョブでエラーが発生した場合に、発生したエラー内容によっては、プリントジョブを実行したユーザに対して適切に情報を通知する必要があるものがある。しかしながら、従来技術においては、エラーが発生した場合には、どんなユーザであってもプリントジョブをキャンセルすることが可能であるため、適切にプリントジョブを実行したユーザに情報を通知できない可能性がある。
また、携帯端末等の個人用情報端末機器からプリントを実行した場合、ユーザをユーザID等で特定することができないため、情報端末機器の製造番号等の識別情報で判断することが想定される。この場合、ユーザIDではなく情報端末機器の識別番号でプリントジョブに対する操作元を特定することになる。そのため、例えば、情報端末機器の電源が落ちる等で使用できなくなってしまうと、同じ情報端末機器で接続できないためプリントジョブの操作ができなくなってしまう。従来技術で、エラーが発生した場合には他のユーザでもキャンセルできる技術はあるが、エラーが発生したかどうかだけで判断してしまうため、上記と同じくユーザにエラー情報を適切に通知できない可能性がある。更に、情報端末機器からキャンセルできてしまうため、プリントジョブを実行したユーザから見えないところで操作されてしまう可能性があるため、プリントジョブを実行したユーザにわかりづらいという問題もあった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、セキュリティを確保したプリントジョブ制御において、プリントジョブがエラーになった場合に、使い勝手を落とさずにジョブの操作を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の画像形成装置は、ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段でプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理手段と、前記識別情報取得手段でプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理手段で管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段で一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行手段と、前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知手段と、前記検知手段で処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理手段より特定する特定手段と、前記特定手段で特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認手段と、を有し、前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、セキュリティを確保したプリントジョブ制御において、プリントジョブがエラーになった場合に、使い勝手を落とさずにジョブの操作を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システム全体を示すシステム構成の一例を示す図である。
【図2】デジタル複合機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】デジタル複合機のアプリケーション等のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図4】デジタル複合機と携帯端末とが接続する処理についてのデジタル複合機及び携帯端末の情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】接続時の携帯端末の画面の一例を示す図である。
【図6】携帯端末の文書操作アプリケーションの画面の一例を示す図である。
【図7】携帯端末からドキュメント1の文書データのプリント要求をデジタル複合機が受信した場合の、プリントジョブ管理アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】プリントジョブ情報のデータの一例を示す図である。
【図9】携帯端末からプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機が受信した場合の、実施形態1のプリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その1)である。
【図11】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その2)である。
【図12】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その3)である。
【図13】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その4)である。
【図14】実施形態1のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図15A】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その5)である。
【図15B】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その6)である。
【図16】携帯端末からドキュメント0のプリントジョブをキャンセル要求した場合のプリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】キャンセルログ情報のデータの一例を示す図である。
【図18】実施形態2のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】プリントジョブ情報のテーブルの一例を示す図である。
【図20】携帯端末からプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機が受信した場合の、実施形態2のプリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その7)である。
【図22】携帯端末からドキュメント1の追い越し指示をデジタル複合機に要求した場合の、プリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図23A】実施形態3のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図23B】セッション無効化時の情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
〔実施形態1〕
図1は、システム全体を示すシステム構成の一例を示す図である。デジタル複合機110と無線LANルータ130とがネットワーク100で接続されている。携帯端末120は、無線LANルータ130と通信してネットワーク100に接続され、デジタル複合機110と通信可能になっている。また、デジタル複合機110と携帯端末120とは、NFC(Near Field Communication(近距離無線通信))によって接続、通信可能になっている。
デジタル複合機110は、画像形成装置の一例である。また、携帯端末120は、機器の一例である。
【0011】
図2は、デジタル複合機110のハードウェア構成の一例を示す図である。デジタル複合機110は、コントローラユニット200、操作部220、スキャナ230、プリンタ240を含んでいる。コントローラユニット200には、操作部220が接続されると共に、画像入力デバイスであるスキャナ230や画像出力デバイスであるプリンタ240が接続される。
コントローラユニット200は、CPU202を有し、CPU202は、ROM206に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム(OS)を立ち上げる。CPU202は、このOS上で、HDD(ハードディスクドライブ)205に格納されているアプリケーションプログラムを実行し、これによって各種処理を実行する。このCPU202の作業領域としてはRAM203が用いられる。RAM203は、作業領域を提供すると共に、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。HDD205は、上記アプリケーションプログラムや画像データを格納する。
【0012】
CPU202には、システムバス210を介して、ROM206及びRAM203と共に、操作部I/F201、デバイスI/F204、Network207、画像処理208が接続される。
操作部I/F201は、タッチパネルを有する操作部220とのインタフェースであり、操作部220に表示すべき画像データを操作部220に対して出力する。また、操作部I/F201は、操作部220においてユーザにより入力された情報をCPU202に送出する。デバイスI/F204には、スキャナ230及びプリンタ240が接続され、デバイスI/F213は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。Network207は、LANに接続され、LANを介してLAN上の各装置との間で情報の入出力を行う。画像処理208では、スキャナからの入力画像処理やプリンタへの出力画像処理、画像回転、画像圧縮、解像度変換、色空間変換、階調変換等の処理を行う。
【0013】
図3は、デジタル複合機110のアプリケーション等のソフトウェア構成の一例を示す図である。プリントジョブ操作アプリケーション310は、ネットワーク100を通してデジタル複合機110が受信したプリントジョブに対する操作要求を受信して動作する。操作要求は、例えば、プリントジョブのキャンセル、プリントジョブの中断、プリントジョブの再開、である。プリントジョブ操作受付部311は、操作要求を受け付けると、操作要求内容を分析して、プリントジョブ操作処理部312に操作要求を伝える。例えば、プリントジョブ操作処理部312は、操作要求がプリントジョブ一覧情報の取得であった場合、プリントジョブの情報取得を操作権限判断部313に要求する。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320に対して全プリントジョブの情報取得を要求する。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320から全プリントジョブの情報を取得すると、一覧情報要求元が各プリントジョブに対して操作権限があるかどうか判断する。そして、操作権限判断部313は、その判断結果を追加して、プリントジョブ操作処理部312に結果を返却する。プリントジョブ操作処理部312は、受け取ったプリントジョブの情報を応答するデータ形式に変換して、結果を返す。
【0014】
プリントジョブ管理アプリケーション320は、ネットワーク100を通してデジタル複合機110が受信したプリントジョブを処理して、デジタル複合機110でプリントする。プリントジョブ受付部321は、プリントジョブを受信すると、受信したプリントジョブのデータをHDD205に格納しつつ、プリントジョブ制御部322にプリントジョブの処理依頼を行う。プリントジョブ制御部322は、プリントジョブの情報をプリントジョブ情報管理部323に登録し、プリントジョブ処理部324にプリントジョブの処理を指示する。プリントジョブ処理部324は、HDD205からプリントジョブのデータを読み出し、プリント処理を実行する。
プリントジョブ操作アプリケーション310及びプリントジョブ管理アプリケーション320は、通信処理部300を通して、ネットワーク100上の携帯端末120とデータや要求・結果の送受信を実行する。
CPU202が、RAM203、ROM206、HDD205の何れかに記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、通信処理部300、プリントジョブ操作アプリケーション310及びプリントジョブ管理アプリケーション320が実現される。
【0015】
デジタル複合機110と携帯端末120とが接続する処理についてのデジタル複合機110及び携帯端末120の情報処理の一例を図4のフローチャートに示す。デジタル複合機側処理のフローチャートで示される処理は、通信処理部300で実行される。携帯端末側処理のフローチャートで示される処理は、携帯端末120上で動作するアプリケーションによって実行される。携帯端末120のアプリケーション及び構成についての説明は省略する。なお、携帯端末120のCPUが携帯端末120のメモリに記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、携帯端末120のアプリケーションが実現される。
ステップS401で、携帯端末120は、デジタル複合機110に対して、NFCによる接続を要求する。ステップS402で、携帯端末120のアプリケーション(本フローチャートにおいて、以下、単にアプリケーションという)は、デジタル複合機110からの応答待ちとなる。ステップS411で、通信処理部300は、NFC接続要求の受信待ちを行う。NFC接続要求を受け付けたと判断した場合には、通信処理部300は、ステップS412へ進み、接続要求元に対してMACアドレスの送付を要求する。そして、通信処理部300は、ステップS413へ進み、MACアドレス受信待ちとなる。アプリケーションは、ステップS402でデジタル複合機110からの応答を受信したと判断してステップS403へ進む。ステップS403で、アプリケーションは、MACアドレス送付要求であることを判断して、携帯端末120のMACアドレス情報をデジタル複合機110へ送信し、ステップS404へ進む。ステップS413で、通信処理部300は、MACアドレスを受信したと判断すると、ステップS414へ進む。ステップS414で、通信処理部300は、受信したMACアドレスを一次記憶領域に保存して、デジタル複合機110のIPアドレスを携帯端末120へ送信し、NFC接続処理が終了となる。通信処理部300の一次記憶領域は、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に存在する。
【0016】
ステップS404で、アプリケーションは、デジタル複合機110からIPアドレスを受信したと判断すると、ステップS405へ進む。ステップS405では、アプリケーションは、受信したIPアドレスに対して、ネットワーク100を通して、デジタル複合機110への接続要求を行う。接続要求を行ったら、ステップS406で、アプリケーションは、応答待ちとなる。ステップS421で、通信処理部300は、ネットワーク経由の接続要求待ちを行う。通信処理部300は、携帯端末120からのネットワーク接続要求を受信したと判断すると、ステップS422へ進み、接続要求元のMACアドレスを特定する。ステップS423で、通信処理部300は、ステップS422で特定したMACアドレスが、NFC接続処理のステップS414で通信処理部300の一次記憶領域に保存していたMACアドレスに存在するかどうか判断する。ここで存在しなかった場合には、通信処理部300は、正当な接続要求でないと判断して、要求元にエラーを返して処理を終了する。ステップS423で、通信処理部300は、一次記憶領域に保存していたMACアドレスに一致すると判断した場合には、ステップS424へ進む。ステップS424で、通信処理部300は、携帯端末120からのネットワーク接続要求を許可して、セッションを生成し、携帯端末120へ応答を返して、ネットワーク接続処理が終了となる。
【0017】
携帯端末120のアプリケーションは、ステップS406で応答を受信すると、ステップS407へ進み、デジタル複合機110で生成されたセッション情報を保持して、以降はこのセッションを使用して処理を行う。なお、フローチャートには記載していないが、デジタル複合機110からエラーが返された場合には、携帯端末120での処理もエラー終了となる。携帯端末120とデジタル複合機110との接続が完了すると、例えば図5に示すような接続完了通知が、携帯端末120の画面に表示される。
携帯端末120を操作するユーザは、例えば図6に示すようなファイル閲覧アプリケーションを操作して、デジタル複合機110でプリントする文書データを選択する。本実施形態では、ユーザAが携帯端末120aから、ドキュメント1という文書データをデジタル複合機110にプリントする場合を例に説明を行う。
【0018】
図7は、携帯端末120aからドキュメント1の文書データのプリント要求をデジタル複合機110が受信した場合の、プリントジョブ管理アプリケーション320の情報処理の一例を示すフローチャートである。図4で説明した処理によって生成されたネットワーク100を通した携帯端末120aとデジタル複合機110とのセッションを使用して、携帯端末120aからデジタル複合機110にプリント要求が送られる。デジタル複合機110の通信処理部300は、まず先に、要求元が正当かどうかの確認を行う。ここで、通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうか、によって正当な要求元かどうかを判断する。ステップS701でこの判断を行い、正当であると判断した場合、通信処理部300は、プリントジョブをプリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ受付部321に渡す。
ステップS702で、プリントジョブ受付部321は、プリントジョブを受信可能な状態かどうかプリントジョブ制御部322に問い合わせる。プリントジョブ制御部322において受付可能だと判断されると、プリントジョブ受付部321は、ステップS703へ進む。しかし、例えば、リソースが足りない等の理由で受付不可能と判断されると、プリントジョブ受付部321は、要求に対してエラーを返して、処理終了となる。
【0019】
ステップS703で、プリントジョブ受付部321は、通信処理部300に対して要求元の携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントジョブ制御部322に伝える。ステップS703の処理は、識別情報取得の処理の一例である。
ステップS704では、プリントジョブ制御部322は、受け付けたプリントジョブを生成して、MACアドレスをプリントジョブに関連づけて、プリントジョブ情報管理部323にプリントジョブ情報として登録する。プリントジョブ情報は、プリントジョブのジョブ名称、プリントジョブのサイズ、受付日時、プリントジョブ状態、MACアドレス等である。プリントジョブ情報管理部323が管理するプリントジョブ情報のデータの一例を図8に示す。プリントジョブ情報は、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に記憶される。
ステップS705では、プリントジョブ処理部324は、生成されたプリントジョブの処理を行う。そして、プリンタ240でプリント処理を行って処理完了となる。なお、プリントジョブ処理部324での処理状況は、逐次、プリントジョブ制御部322を通して、プリントジョブ情報管理部323へ通知されてプリントジョブ状態情報が更新される。
【0020】
図9は、携帯端末120aからプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機110が受信した場合の、プリントジョブ操作アプリケーション310の情報処理の一例を示すフローチャートである。図4で説明した処理によって生成されたネットワーク100を通した携帯端末120aとデジタル複合機110とのセッションを使用して、携帯端末120aからデジタル複合機110へプリントリスト取得要求が送られる。通信処理部300は、まず、要求元が正当かどうかの確認を行う。ここで、通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうかと、で正当な要求元かどうかを判断する。ステップS901でこの判断を行い、正当であると判断した場合、通信処理部300は、プリントジョブ操作アプリケーション310のプリントジョブ操作受付部311にプリントリスト取得要求を渡す。
ステップS902で、プリントジョブ操作受付部311は、通信処理部300に対して要求元の携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントリスト要求と合わせてプリントジョブ操作処理部312に伝える。
【0021】
ステップS903で、プリントジョブ操作処理部312は、操作権限判断部313に対して、ステップS902で受けたMACアドレスを付けてプリントリスト取得要求を行う。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ情報管理部323に対して、現在処理している全てのプリントジョブに関する情報の取得を要求する。プリントジョブ情報管理部323は、保持しているプリント情報を操作権限判断部313に渡す。
次にステップS904で、操作権限判断部313は、ステップS903でプリントジョブ情報管理部323から取得したプリントジョブ情報を用いて、プリントジョブ毎にMACアドレスを特定する。
【0022】
ステップS905で、操作権限判断部313は、ステップS904で特定したMACアドレスが、プリントリスト要求を行った要求元のMACアドレスと一致するかどうかを確認する。ここでMACアドレスが一致しなかったプリントジョブの情報は、ジョブ名称が「*****」に変換され、プリントジョブ操作不可情報が付加される。なお、MACアドレスの一致判断は、プリントジョブ情報のMACアドレスが有効に取得できた場合に実施され、MACアドレスのないプリントジョブ情報に対しては実行されない。全プリントジョブに対する確認が完了したら、全プリントジョブ情報のMACアドレス情報を削除し、操作権限判断部313は、プリントジョブ操作処理部312に結果として渡す。
ステップS906で、プリントジョブ操作処理部312は、ステップS905で操作権限判断部313から受け取った情報を基に要求元に返すプリントリスト情報を生成する。生成されたプリントリスト情報は、プリントジョブ操作受付部311に渡され、通信処理部300を通して要求元の携帯端末120aへ送信される。
【0023】
ユーザAは、携帯端末120aからデジタル複合機110の状態及びプリント状況を確認することが可能である。例えば図10に示すような画面で、デジタル複合機110の状態及びプリント状況を確認する。このうちプリントジョブ状況で表示される情報は、図9を用いて説明したプリントリスト処理によって生成された情報を携帯端末120aで受信して表示している例である。
ここで、本実施形態では、別のユーザBが携帯端末120bからプリントを実施している場合を例にあげる。図10の画面では、ユーザAが要求したドキュメント1のプリントは待機中で、先にユーザBが要求したドキュメント0がプリント処理されていることを示している。このとき、ユーザAが操作する携帯端末120aの画面上では、ドキュメント0のジョブ名称は「*****」に変換されたものが表示され、操作ができない状態で表示されている。これは、図9を用いて説明したプリントリスト処理において、デジタル複合機110のプリントジョブ操作アプリケーション310が返却してきたプリントリスト情報で、携帯端末120aとは異なるMACアドレスが関連付けられたプリントジョブはジョブ名称が変換され、操作不可情報が付加されているためである。そのため、例えばユーザBが携帯端末120bで同様の画面を表示した場合には、図11に示すように、携帯端末120bから投入したプリントジョブのみが操作可能な状態で表示される。なお、本実施形態では、操作できないジョブ名称を「*****」に変換するとして説明するが、プリントリストに表示されないように全ての情報を変換する、若しくは削除するとしてもよい。また、操作できないように表示せず、選択されたときにエラーにするとしてもよい。
【0024】
ここで、ユーザBが携帯端末120bから投入したプリントジョブがエラーで中断した場合のことを説明する。図12は、携帯端末120bで表示されるエラー通知画面の一例を示す図である。ドキュメント0のプリントジョブが例えばデジタル複合機110の内部メモリ不足等によってエラーが発生した場合には、ユーザBに対して、エラーをスキップして処理を継続するか、プリントジョブをキャンセルするのか、を選択させる。これは、エラーの内容によって、ユーザがやり直しを望むか無視するのか、デジタル複合機110では自動で判断するのが難しい場合が存在するためである。このようなエラーが発生した場合、デジタル複合機110は、内部のプリント処理を中断して、ユーザの応答を待つのが一般的である。そのため、本実施形態での説明のように、ドキュメント0がエラーで中断した場合には、ユーザAが携帯端末120aから投入したドキュメント1のプリントジョブも待ち状態となってプリント出力されなくなる。このときに携帯端末120aに表示されるプリントジョブ状況の操作画面例を図13に示す。図13の例に示すように、エラーが発生していることは通知しても、携帯端末120aからは操作することはできない。携帯端末120aからエラーをキャンセルしたりスキップしたり指示できてしまうと、ユーザBが意図した処理を行えなくなってしまうためである。
【0025】
次に、上記のドキュメント0がエラーで中断した状態で、携帯端末120bが電池切れ等の理由によってネットワーク100から切断され、デジタル複合機110と通信が行えなくなってしまった場合を想定する。そのときのデジタル複合機110でのプリントジョブ操作アプリケーション310及びプリントジョブ管理アプリケーション320の処理と、それによって携帯端末120aでの表示と、がどう変化するのかについて説明する。
図14は、プリントジョブ管理アプリケーション320のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1401で、プリントジョブ処理部324は、プリント処理でエラーが発生したかどうかの判断を行う。プリントジョブ処理部324は、エラーを検知すると、プリントジョブ制御部322にエラーが発生したことを通知する。
プリントジョブ制御部322は、エラーが発生した旨の通知を受け取ると、エラーが発生したと判断して、ステップS1402に進み、発生したエラーの内容を特定する。
【0026】
ステップS1403で、プリントジョブ制御部322は、ステップS1402で特定したエラー内容から、プリントジョブを中断するか自動キャンセルするかを判断する。
ここで自動キャンセルすると判断した場合には、ステップS1408へ進み、プリントジョブ制御部322は、エラーが発生したプリントジョブをキャンセルする。
そして、ステップS1409で、プリントジョブ制御部322は、エラーの内容と処理の内容とを、プリントジョブ投入元の携帯端末120へ通知する。
本実施形態で例にあげたドキュメント0の場合は、メモリのバッファオーバーエラーが発生し、ステップS1403で、プリントジョブ制御部322は、中断と判断し、ステップS1404へ進む。ステップS1404で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323にMACアドレス取得要求を行う。プリントジョブ情報管理部323は、プリントジョブ情報からMACアドレスを特定して、プリントジョブ制御部322へ返却する。
【0027】
ステップS1405で、プリントジョブ制御部322は、ステップS1404で取得したMACアドレス情報を用いて、通信処理部300にMACアドレスで特定されるセッションが有効かどうか確認する。通信処理部300は、保持しているMACアドレス情報からネットワーク接続処理で生成したセッションを特定する。そして、通信処理部300は、特定したセッションに対して、接続元の携帯端末120bが通信可能な状態にあるかどうか確認して、確認結果をプリントジョブ制御部322に返答する。
ステップS1406で、プリントジョブ制御部322は、ステップS1405で取得した確認結果から、セッションが有効かどうかを判断する。ここで有効と判断した場合には、ステップS1409へ進み、プリントジョブ制御部322は、通信処理部300からプリントジョブのエラー内容を携帯端末120bへ通知して処理終了となる。無効と判断した場合には、ステップS1407へ進み、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323に対してプリントジョブのMACアドレス情報を無効化するように依頼する。プリントジョブ情報管理部323は、MACアドレス無効化要求を受けたら、管理するプリント情報のMACアドレス情報を削除して処理終了となる。ここで、プリントジョブ情報管理部323は、情報を削除せず無効化フラグをたてる等でもよい。
【0028】
エラー検知処理後に、携帯端末120aからデジタル複合機110に対して、再びプリントリスト取得要求が行われた場合の、プリントジョブ操作アプリケーション310の処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。ステップS901からステップS903までは前述の説明と同じであるため省略する。
ステップS904で、操作権限判断部313は、ステップS903でプリントジョブ情報管理部323から取得したプリントジョブ情報を用いて、プリントジョブ毎にMACアドレスを特定する。
ステップS905で、操作権限判断部313は、ステップS904で特定したMACアドレスが、プリントリスト要求を行った要求元のMACアドレスと一致するかどうかを確認する。このとき、前述のエラー検知処理によって、ドキュメント0のMACアドレス情報が削除されているため、前述の説明とは異なる。ドキュメント0はMACアドレス情報を持たないため、MACアドレスが異なるとは判断されずに、ジョブ名称の変更やプリントジョブ操作不可情報の付加が実行されない。全プリントジョブに対する確認が完了したら、操作権限判断部313は、全プリントジョブ情報のMACアドレス情報を削除し、プリントジョブ操作処理部312に結果として渡す。
【0029】
ステップS906で、プリントジョブ操作処理部312は、ステップS905で操作権限判断部313から受け取った情報を基に要求元に返すプリントリスト情報を生成する。プリントジョブ操作処理部312は、プリントジョブ操作受付部311に生成したプリントリスト情報を渡す。プリントリスト情報は、通信処理部300を通して、要求元の携帯端末120aへ送信される。つまり、MACアドレス情報が削除(若しくは無効化)されているため、ステップS905でドキュメント0の情報に対して変更処理が実施されなくなるので、携帯端末120aへドキュメント0の情報がプリントリスト情報として送信される。このプリントリスト情報を取得した携帯端末120aに表示されるプリントジョブ状況画面例を図15に示す。図13で例を示したときには操作不可能でジョブ名称も見えなかったドキュメント0のプリントジョブが、エラーで中断していて、操作可能であることが表示からわかるようになる。ドキュメント0がエラーで中断状態になって、かつ、ユーザBが何らかの理由でドキュメント0のプリントジョブの中断状態を解除できなくなった場合には、ユーザAは、操作可能になったことを知ることができる。かつ、ユーザAは、プリントジョブの中断状態を解除することができるようになる。そのため、ユーザAは、自分のドキュメント1のプリントジョブを実行することができるようになる。なお、本実施形態では、プリントジョブリスト取得を全プリントジョブのリスト取得を例に説明したが、画面内に納まる表示件数分の取得等であってもよい。
【0030】
図16のフローチャートを用いて、携帯端末120aからドキュメント0のプリントジョブをキャンセル要求した場合のプリントジョブ操作アプリケーション310の処理を説明する。
ステップS1601で、通信処理部300は、受信したプリントジョブキャンセル要求の要求元が正当かどうかの確認を行う。通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうかと、で正当な要求元かどうかを判断する。通信処理部300は、正当であると判断した場合、プリントジョブ操作アプリケーション310のプリントジョブ操作受付部311にプリントジョブキャンセル要求を渡す。
ステップS1602で、プリントジョブ操作受付部311は、通信処理部300に対して要求元携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントジョブキャンセル要求と合わせてプリントジョブ操作処理部312に伝える。
ステップS1603で、プリントジョブ操作処理部312は、操作権限判断部313に対して、ステップS1602で受けたMACアドレスを付けてプリントジョブキャンセル可否判断要求を行う。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ情報管理部323に対して、キャンセル可否判断を行うプリントジョブ情報の取得を要求する。プリントジョブ情報管理部323は、保持しているプリント情報を操作権限判断部313に渡す。
【0031】
ステップS1604で、操作権限判断部313は、ステップS1603でプリントジョブ情報管理部323から取得したプリントジョブ情報からMACアドレスを特定する。
ステップS1605で、操作権限判断部313は、ステップS1604で特定したMACアドレスが、プリントジョブキャンセル要求を行った要求元のMACアドレスと一致するかどうかを確認する。MACアドレスの一致判断は、プリントジョブ情報のMACアドレスが有効で取得できた場合に実施され、MACアドレスのないプリントジョブ情報に対しては実行されず一致と同一に扱われる。操作権限判断部313は、MACアドレスが一致する場合にはキャンセル可能と判断し、一致しない場合には不可能と判断して、その判断結果をプリントジョブ操作処理部312へ返却する。
キャンセル不可能と判断された場合には、ステップS1607で、プリントジョブ操作処理部312は、要求元に対してキャンセルが実行できないことを通知して処理終了となる。キャンセル可能と判断された場合には、ステップS1606で、プリントジョブ操作処理部312は、プリントジョブ管理アプリケーション320に対してプリントジョブキャンセル要求を行う。プリントジョブ管理アプリケーション320は、プリントジョブ操作処理部312からのキャンセル要求を受け付けた場合には、プリントジョブ制御部322がプリントジョブ処理部324に対してプリントジョブのキャンセルを要求してキャンセル処理を実行する。
【0032】
ドキュメント0のプリントジョブがエラーで中断している場合の携帯端末120aからのプリントジョブキャンセル要求の場合、操作権限判断部313は、ステップS1604でMACアドレスを取得できない。そのため、操作権限判断部313において一致すると判断されて、携帯端末120bからのプリントジョブであっても、携帯端末120aからプリントジョブのキャンセルを実行することが可能となる。プリントジョブのキャンセル実行後、ステップS1608でプリントジョブ制御部322はプリントジョブ操作処理部312からのキャンセル要求受信時に一緒に受け付けたキャンセル要求元のMACアドレス情報をプリントジョブのキャンセルログ情報に記録する。そして、図16に示す処理は終了となる。
【0033】
図17は、キャンセルログ情報のデータの一例を示す図である。キャンセルログ情報としては、プリントジョブ情報のときに加えて、キャンセルを実行したキャンセル日時と、キャンセルを実行した要求元のMACアドレス情報と、が記録される。キャンセルログ情報は、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に記憶される。なお、キャンセル時だけではなく、正常に実行された場合のログを残してもよい。また、本実施形態では、携帯端末を識別(又は特定)する識別情報の一例としてMACアドレスを例に説明したが、特定可能な情報であれば製造番号等の情報でもよい。また、本実施形態では、操作可能かどうかの判断を行う操作権限判断部313をプリントジョブ操作アプリケーション310内の処理として説明した。しかしながら、この処理を通信処理部300内で行われるようにしても、プリントジョブ管理アプリケーション320内で行われるようにしてもよい。また、通信処理部300、プリントジョブ操作アプリケーション310、プリントジョブ管理アプリケーション320が一つで構成されていても、複数に分割されて構成されていてもよい。更に、本実施形態では携帯端末を例に説明したが、ネットワークで通信が可能でプリントジョブを投入する情報端末機器であればよい。更に、情報端末機器からのプリントジョブ投入がNFCでの投入であってもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザ認証を行うのではなく、携帯端末のような機器とデジタル複合機とをペアリングしてプリントを実行する場合においても、セキュアにプリント操作を実行可能である。更に、プリント処理でエラーが発生した場合には適切にユーザに情報を通知すると共に、ユーザ判断が必要な場合には、他のユーザによって処理されないように制御可能である。更に、ユーザ判断が必要であっても、そのユーザの判断が実行できないと判断した場合には、デジタル複合機の処理を止めることなく継続できるように適切にプリント操作を実行可能である。更に、キャンセル時の要求元情報をログに残しておくことによって、後でどのユーザ若しくは端末からキャンセルが指示されたのかを知ることも可能である。
【0035】
〔実施形態2〕
実施形態2は、実施形態1と比べて、プリントジョブ処理のエラー検知処理とプリントジョブ情報のテーブル項目とプリントリスト要求処理について変更がある点とプリントジョブ追い越し要求処理が追加になる点とのみ異なるため、その点についてのみ説明する。
本実施形態でのエラー検知処理のフローチャートを図18に示す。実施形態1の説明と変更のない処理については同じステップ番号となっており、説明は省略する。
ステップS1406で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブの投入元端末とのセッションが無効であると判断した場合、ステップS1801へ進む。
ステップS1801で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブで発生したエラーが復帰可能なエラーかどうか判断する。復帰可能なエラーとは、ユーザからの指示や装置状態の変化等によって、処理を再開可能なエラーである。例えば、復帰可能なエラーの情報は予めハードコーディングしていてもよいし、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に記憶されているファイル等に記載してもよい。
ステップS1801の処理は、復帰判定の処理の一例である。
プリントジョブ制御部322は、復帰不可能と判断した場合には、ステップS1407へ進み、実施形態1と同様の処理になる。ここで、プリントジョブ制御部322は、復帰可能と判断した場合には、ステップS1802へ進む。
【0036】
ステップS1802で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブで発生したエラーが、後続プリントジョブが追い越し可能なエラーかどうか判断する。追い越し可能なエラーとは、エラーとなったプリントジョブを中断しておいて、次のプリントジョブを処理することが可能なエラーである。復帰可能なエラーの情報と同様に、追い越し可能なエラーの情報も予めハードコーディングしていてもよいし、ファイル等に記載してもよい。プリントジョブ制御部322は、追い越し不可能と判断した場合には、ステップS1407へ進み、実施形態1と同様の処理になる。ここで、プリントジョブ制御部322は、追い越し可能と判断した場合には、ステップS1803へ進む。
S1802の処理は、追越判定の処理の一例である。
ステップS1803で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323にエラーが発生しているプリントジョブに対して追い越し可能フラグをセットするように処理を依頼する。プリントジョブ情報管理部323は、依頼を受信すると、前記プリントジョブのプリントジョブ情報の追い越し可能フラグをNGからOKに変更して処理を終了する。このときのプリントジョブ情報のテーブル例を図19に示す。
【0037】
携帯端末120aからプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機110が受信した場合の、本実施形態でのプリントジョブ操作アプリケーション310の処理のフローチャートを図20に示す。実施形態1の説明と変更のない処理については同じステップ番号となっており、説明は省略する。唯一処理が異なるのは、ステップS905とステップS906との間にステップS2001が追加された点である。
ステップS2001で、操作権限判断部313は、ステップS905で操作不可情報を付加したプリントジョブに関して、プリントジョブ情報から取得した追い越し可能フラグ情報も付加する。そうすることによって、携帯端末120aは、操作不可情報が付加されているドキュメント0のプリントジョブに関して、追い越し可能フラグがONに設定されていることを受信できるようになる。この情報を受信した場合の携帯端末120aの操作画面例を図21に示す。この例に示すように、追い越し可能フラグがONであるため、追い越し指示ボタンが有効化されて表示されるようになる。そのため、ユーザAはドキュメント0のジョブ名称を知ったりキャンセルしたりはできないが、ドキュメント1に対して前のプリントジョブを追い越して処理するように指示することが可能になったことを知ることができる。
【0038】
次に、ユーザAが携帯端末120aからドキュメント1の追い越し指示をデジタル複合機110に要求した場合の、プリントジョブ操作アプリケーション310の処理について説明する。処理フローチャートを図22に示す。
ステップS2201で、通信処理部300は、受信したプリントジョブ追い越し要求の要求元が正当かどうかの確認を行う。通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうかと、で正当な要求元かどうかを判断する。通信処理部300は、正当であると判断した場合、プリントジョブ追い越し要求をプリントジョブ操作アプリケーション310のプリントジョブ操作受付部311に渡す。
ステップS2202で、プリントジョブ操作受付部311は、通信処理部300に対して要求元携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントジョブ追い越し要求と合わせてプリントジョブ操作処理部312に伝える。
【0039】
ステップS2203で、プリントジョブ操作処理部312は、操作権限判断部313に対して、ステップS2202で受けたMACアドレスを付けてプリントジョブ追い越しリスト変更要求を行う。操作権限判断部313は、追い越しリスト変更要求を受けると、プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ情報管理部323に全プリントジョブ情報の取得を要求する。プリントジョブ情報管理部323は管理するプリントジョブ情報を操作権限判断部313へ送信する。
ステップS2204で、操作権限判断部313は、ステップS2203で取得した全プリントジョブから追い越し要求のあったプリントジョブを特定する。そして、操作権限判断部313は、特定したプリントジョブの一つ前にプリント処理が行われるプリントジョブがあるかどうか判断する。ここでプリントジョブが無いと判断された場合には、処理終了となる。
【0040】
プリントジョブが一つ前に存在すると判断した場合、ステップS2205で、操作権限判断部313は、その一つ前のプリントジョブのプリントジョブ情報から追い越し可能フラグ情報を取得して、追い越し可能フラグがOKかどうか判断する。ここでNGであった場合には、処理終了となる。
追い越し可能フラグがOKだと判断した場合、操作権限判断部313は、ステップS2206に進む。ステップS2206で、操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320に対して、一つ前のプリントジョブの処理中断要求を行う。また、操作権限判断部313は、追い越し要求のあったプリントジョブを一つ前に処理するプリントジョブと順番を入れ替える処理順序変更要求を行う。
【0041】
プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ制御部322は、操作権限判断部313から上述した要求を受信した場合には、プリントジョブ処理部324に対して、プリントジョブ処理の中断指示を行う。プリントジョブ処理部324は、指示を受けた場合には処理を中断する。更に、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323に対してプリントジョブの処理順序変更要求を行う。プリントジョブ情報管理部323は、内部のプリントジョブ情報のリスト順序を要求された順序に変更する。そして、プリントジョブ制御部322は、変更後のプリントジョブの先頭のプリントジョブの処理をプリントジョブ処理部324に指示して処理終了となる。
携帯端末120aからのドキュメント1の追い越し指示の場合、ドキュメント1の前にドキュメント0が存在するため、ステップS2204の判定においてYesとなり、ステップS2205へと処理は進む。ステップS2205ではドキュメント0の追い越し可能フラグがOKであると判断されて、処理はステップS2206へ進む。ステップS2206では、ドキュメント0のプリントジョブに対する処理中断処理と、ドキュメント1とドキュメント0との処理順序変更処理と、がなされる。ドキュメント0は元から中断状態にあったため変化はないが、プリントジョブの処理順序は、ドキュメント1のプリントジョブが先頭に変更され、ドキュメント1のプリントジョブの処理が開始されることとなる。
【0042】
以上説明したように、復帰可能なエラーでエラー中断した場合には、後続ジョブが追い越し可能な場合、プリントジョブを投入した携帯端末との接続が切れていたとしても他の端末からのキャンセルは受け付けないようにする。このことで、後で処理を復帰することが可能になる。更に、エラー中断で待たされるユーザは、追い越し指示を要求することで中断しているプリントジョブを追い越して自らのプリントジョブを実施できるので、問題なく使用することが可能である。
【0043】
〔実施形態3〕
実施形態3は、実施形態1及び実施形態2と比べて、プリントジョブ投入元とのセッションが無効と判断された後の処理について変更がある点のみ異なるため、その点についてのみ説明する。
実施形態1の図14で説明したエラー検知処理のステップS1406の後に、S2300のセッション無効化時の処理が追加される。フローチャートを図23に示す。
セッションが無効だと判断した場合、ステップS2301で、プリントジョブ制御部322は、通信処理部300にNFC接続している機器の情報取得要求を行う。通信処理部300は、要求を受信したら、NFC接続している機器を特定する。
ステップS2302で、通信処理部300は、NFC接続している機器が無いと判断した場合、プリントジョブ制御部322にNFC接続している機器が存在しないことを通知して、ステップS2305へ進む。
ステップS2305で、プリントジョブ制御部322は、セッションだけでなくNFC接続も切れていると判断し、実施形態1の図14のステップS1407の処理と同様の処理を実行して処理終了となる。
【0044】
ステップS2302でNFC接続している機器が存在すると判断した場合、ステップS2303で、通信処理部300は、全てのNFC接続機器に対してMACアドレス取得要求を行い、MACアドレスを取得する。
ステップS2304では、通信処理部300は、ステップS2303で取得したMACアドレスの中に、ネットワークセッションが無効だと判断した接続のMACアドレスと一致するものがあるかどうか判断する。一致する機器がないと判断した場合には、ステップS2305に進み、前述と同様となる。一致する機器が存在すると判断した場合には、通信処理部300は、再度、同一のMACアドレスの端末からネットワーク接続要求があるものと判断して、MACアドレスの無効化処理は行わずに処理終了となる。
【0045】
なお、実施形態2の図18で説明したエラー検知処理でも同様の処理を追加することが可能である。また、本実施形態では、セッション無効化時処理をエラー検知処理時に実行するように説明したが、セッション無効化時処理のみ、例えば一定期間毎にセッションの有効無効を確認して、無効だということがわかったタイミングで処理してもよい。
また、本実施形態では、NFC接続した機器を探索してMACアドレス取得を行ったが、NFC接続している機器を管理しておいて、プリントジョブ制御部322から指定のMACアドレスを有する機器がNFC接続されているか問い合わせるようにしてもよい。
【0046】
以上説明したように、ネットワークが切断された場合であってもNFC通信が可能な距離にプリントジョブを投入した端末が存在することがわかった場合には、再処理される可能性が高いので、他の端末からのキャンセルを受け付けないようにできる。そのため、ネットワークが瞬間的に切断されたような場合であっても、間違って他の機器からキャンセル可能なように判断されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0047】
〔その他の実施形態〕
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0048】
以上、上述した各実施形態によれば、セキュリティを確保したプリントジョブ制御において、プリントジョブがエラーになった場合に、使い勝手を落とさずにジョブの操作を適切に行うことができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、コピー、FAX及びスキャナ等の複数の機能を1つの装置内で実現することが可能な画像形成装置(デジタル複合機)がある。このような画像形成装置には、プリンタ、コピー、FAX又はスキャナ等の機能を画像形成装置内で実行させる際に、ユーザを特定して、ユーザの権限等に応じて画像処理装置内の機能使用を許可させるものがある。例えば、画像処理装置の具備する操作部(タッチパネル等)上から入力されたユーザID・パスワードで認証し、ホストコンピュータから実行を指示されたプリントジョブに付加されている認証情報と照合する。そして、同一ユーザであると判定した場合は、画像形成装置を操作する操作ユーザに対して上記ジョブへのアクセス権を付与するものがある(例えば、特許文献1参照)。先行技術では、実行中のプリントジョブでエラーが発生した場合、他の者が実行中のプリントジョブを停止できるものとしている。
一方、近年、携帯端末等の個人用情報端末機器の普及により、これら情報端末機器から複合機等の画像形成装置に画像データを送信してプリントを行うことのニーズが増してきている。個人用情報端末機器の場合には、一般に個人用であるので認証処理を行わないため、ユーザID等の情報は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−262864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実行中のプリントジョブでエラーが発生した場合に、発生したエラー内容によっては、プリントジョブを実行したユーザに対して適切に情報を通知する必要があるものがある。しかしながら、従来技術においては、エラーが発生した場合には、どんなユーザであってもプリントジョブをキャンセルすることが可能であるため、適切にプリントジョブを実行したユーザに情報を通知できない可能性がある。
また、携帯端末等の個人用情報端末機器からプリントを実行した場合、ユーザをユーザID等で特定することができないため、情報端末機器の製造番号等の識別情報で判断することが想定される。この場合、ユーザIDではなく情報端末機器の識別番号でプリントジョブに対する操作元を特定することになる。そのため、例えば、情報端末機器の電源が落ちる等で使用できなくなってしまうと、同じ情報端末機器で接続できないためプリントジョブの操作ができなくなってしまう。従来技術で、エラーが発生した場合には他のユーザでもキャンセルできる技術はあるが、エラーが発生したかどうかだけで判断してしまうため、上記と同じくユーザにエラー情報を適切に通知できない可能性がある。更に、情報端末機器からキャンセルできてしまうため、プリントジョブを実行したユーザから見えないところで操作されてしまう可能性があるため、プリントジョブを実行したユーザにわかりづらいという問題もあった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、セキュリティを確保したプリントジョブ制御において、プリントジョブがエラーになった場合に、使い勝手を落とさずにジョブの操作を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の画像形成装置は、ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段でプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理手段と、前記識別情報取得手段でプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理手段で管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段で一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行手段と、前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知手段と、前記検知手段で処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理手段より特定する特定手段と、前記特定手段で特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認手段と、を有し、前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、セキュリティを確保したプリントジョブ制御において、プリントジョブがエラーになった場合に、使い勝手を落とさずにジョブの操作を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システム全体を示すシステム構成の一例を示す図である。
【図2】デジタル複合機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】デジタル複合機のアプリケーション等のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図4】デジタル複合機と携帯端末とが接続する処理についてのデジタル複合機及び携帯端末の情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】接続時の携帯端末の画面の一例を示す図である。
【図6】携帯端末の文書操作アプリケーションの画面の一例を示す図である。
【図7】携帯端末からドキュメント1の文書データのプリント要求をデジタル複合機が受信した場合の、プリントジョブ管理アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】プリントジョブ情報のデータの一例を示す図である。
【図9】携帯端末からプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機が受信した場合の、実施形態1のプリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その1)である。
【図11】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その2)である。
【図12】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その3)である。
【図13】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その4)である。
【図14】実施形態1のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図15A】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その5)である。
【図15B】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その6)である。
【図16】携帯端末からドキュメント0のプリントジョブをキャンセル要求した場合のプリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】キャンセルログ情報のデータの一例を示す図である。
【図18】実施形態2のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】プリントジョブ情報のテーブルの一例を示す図である。
【図20】携帯端末からプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機が受信した場合の、実施形態2のプリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】携帯端末におけるプリントジョブ状況を示す画面の一例を示す図(その7)である。
【図22】携帯端末からドキュメント1の追い越し指示をデジタル複合機に要求した場合の、プリントジョブ操作アプリケーションの情報処理の一例を示すフローチャートである。
【図23A】実施形態3のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図23B】セッション無効化時の情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
〔実施形態1〕
図1は、システム全体を示すシステム構成の一例を示す図である。デジタル複合機110と無線LANルータ130とがネットワーク100で接続されている。携帯端末120は、無線LANルータ130と通信してネットワーク100に接続され、デジタル複合機110と通信可能になっている。また、デジタル複合機110と携帯端末120とは、NFC(Near Field Communication(近距離無線通信))によって接続、通信可能になっている。
デジタル複合機110は、画像形成装置の一例である。また、携帯端末120は、機器の一例である。
【0011】
図2は、デジタル複合機110のハードウェア構成の一例を示す図である。デジタル複合機110は、コントローラユニット200、操作部220、スキャナ230、プリンタ240を含んでいる。コントローラユニット200には、操作部220が接続されると共に、画像入力デバイスであるスキャナ230や画像出力デバイスであるプリンタ240が接続される。
コントローラユニット200は、CPU202を有し、CPU202は、ROM206に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム(OS)を立ち上げる。CPU202は、このOS上で、HDD(ハードディスクドライブ)205に格納されているアプリケーションプログラムを実行し、これによって各種処理を実行する。このCPU202の作業領域としてはRAM203が用いられる。RAM203は、作業領域を提供すると共に、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。HDD205は、上記アプリケーションプログラムや画像データを格納する。
【0012】
CPU202には、システムバス210を介して、ROM206及びRAM203と共に、操作部I/F201、デバイスI/F204、Network207、画像処理208が接続される。
操作部I/F201は、タッチパネルを有する操作部220とのインタフェースであり、操作部220に表示すべき画像データを操作部220に対して出力する。また、操作部I/F201は、操作部220においてユーザにより入力された情報をCPU202に送出する。デバイスI/F204には、スキャナ230及びプリンタ240が接続され、デバイスI/F213は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。Network207は、LANに接続され、LANを介してLAN上の各装置との間で情報の入出力を行う。画像処理208では、スキャナからの入力画像処理やプリンタへの出力画像処理、画像回転、画像圧縮、解像度変換、色空間変換、階調変換等の処理を行う。
【0013】
図3は、デジタル複合機110のアプリケーション等のソフトウェア構成の一例を示す図である。プリントジョブ操作アプリケーション310は、ネットワーク100を通してデジタル複合機110が受信したプリントジョブに対する操作要求を受信して動作する。操作要求は、例えば、プリントジョブのキャンセル、プリントジョブの中断、プリントジョブの再開、である。プリントジョブ操作受付部311は、操作要求を受け付けると、操作要求内容を分析して、プリントジョブ操作処理部312に操作要求を伝える。例えば、プリントジョブ操作処理部312は、操作要求がプリントジョブ一覧情報の取得であった場合、プリントジョブの情報取得を操作権限判断部313に要求する。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320に対して全プリントジョブの情報取得を要求する。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320から全プリントジョブの情報を取得すると、一覧情報要求元が各プリントジョブに対して操作権限があるかどうか判断する。そして、操作権限判断部313は、その判断結果を追加して、プリントジョブ操作処理部312に結果を返却する。プリントジョブ操作処理部312は、受け取ったプリントジョブの情報を応答するデータ形式に変換して、結果を返す。
【0014】
プリントジョブ管理アプリケーション320は、ネットワーク100を通してデジタル複合機110が受信したプリントジョブを処理して、デジタル複合機110でプリントする。プリントジョブ受付部321は、プリントジョブを受信すると、受信したプリントジョブのデータをHDD205に格納しつつ、プリントジョブ制御部322にプリントジョブの処理依頼を行う。プリントジョブ制御部322は、プリントジョブの情報をプリントジョブ情報管理部323に登録し、プリントジョブ処理部324にプリントジョブの処理を指示する。プリントジョブ処理部324は、HDD205からプリントジョブのデータを読み出し、プリント処理を実行する。
プリントジョブ操作アプリケーション310及びプリントジョブ管理アプリケーション320は、通信処理部300を通して、ネットワーク100上の携帯端末120とデータや要求・結果の送受信を実行する。
CPU202が、RAM203、ROM206、HDD205の何れかに記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、通信処理部300、プリントジョブ操作アプリケーション310及びプリントジョブ管理アプリケーション320が実現される。
【0015】
デジタル複合機110と携帯端末120とが接続する処理についてのデジタル複合機110及び携帯端末120の情報処理の一例を図4のフローチャートに示す。デジタル複合機側処理のフローチャートで示される処理は、通信処理部300で実行される。携帯端末側処理のフローチャートで示される処理は、携帯端末120上で動作するアプリケーションによって実行される。携帯端末120のアプリケーション及び構成についての説明は省略する。なお、携帯端末120のCPUが携帯端末120のメモリに記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、携帯端末120のアプリケーションが実現される。
ステップS401で、携帯端末120は、デジタル複合機110に対して、NFCによる接続を要求する。ステップS402で、携帯端末120のアプリケーション(本フローチャートにおいて、以下、単にアプリケーションという)は、デジタル複合機110からの応答待ちとなる。ステップS411で、通信処理部300は、NFC接続要求の受信待ちを行う。NFC接続要求を受け付けたと判断した場合には、通信処理部300は、ステップS412へ進み、接続要求元に対してMACアドレスの送付を要求する。そして、通信処理部300は、ステップS413へ進み、MACアドレス受信待ちとなる。アプリケーションは、ステップS402でデジタル複合機110からの応答を受信したと判断してステップS403へ進む。ステップS403で、アプリケーションは、MACアドレス送付要求であることを判断して、携帯端末120のMACアドレス情報をデジタル複合機110へ送信し、ステップS404へ進む。ステップS413で、通信処理部300は、MACアドレスを受信したと判断すると、ステップS414へ進む。ステップS414で、通信処理部300は、受信したMACアドレスを一次記憶領域に保存して、デジタル複合機110のIPアドレスを携帯端末120へ送信し、NFC接続処理が終了となる。通信処理部300の一次記憶領域は、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に存在する。
【0016】
ステップS404で、アプリケーションは、デジタル複合機110からIPアドレスを受信したと判断すると、ステップS405へ進む。ステップS405では、アプリケーションは、受信したIPアドレスに対して、ネットワーク100を通して、デジタル複合機110への接続要求を行う。接続要求を行ったら、ステップS406で、アプリケーションは、応答待ちとなる。ステップS421で、通信処理部300は、ネットワーク経由の接続要求待ちを行う。通信処理部300は、携帯端末120からのネットワーク接続要求を受信したと判断すると、ステップS422へ進み、接続要求元のMACアドレスを特定する。ステップS423で、通信処理部300は、ステップS422で特定したMACアドレスが、NFC接続処理のステップS414で通信処理部300の一次記憶領域に保存していたMACアドレスに存在するかどうか判断する。ここで存在しなかった場合には、通信処理部300は、正当な接続要求でないと判断して、要求元にエラーを返して処理を終了する。ステップS423で、通信処理部300は、一次記憶領域に保存していたMACアドレスに一致すると判断した場合には、ステップS424へ進む。ステップS424で、通信処理部300は、携帯端末120からのネットワーク接続要求を許可して、セッションを生成し、携帯端末120へ応答を返して、ネットワーク接続処理が終了となる。
【0017】
携帯端末120のアプリケーションは、ステップS406で応答を受信すると、ステップS407へ進み、デジタル複合機110で生成されたセッション情報を保持して、以降はこのセッションを使用して処理を行う。なお、フローチャートには記載していないが、デジタル複合機110からエラーが返された場合には、携帯端末120での処理もエラー終了となる。携帯端末120とデジタル複合機110との接続が完了すると、例えば図5に示すような接続完了通知が、携帯端末120の画面に表示される。
携帯端末120を操作するユーザは、例えば図6に示すようなファイル閲覧アプリケーションを操作して、デジタル複合機110でプリントする文書データを選択する。本実施形態では、ユーザAが携帯端末120aから、ドキュメント1という文書データをデジタル複合機110にプリントする場合を例に説明を行う。
【0018】
図7は、携帯端末120aからドキュメント1の文書データのプリント要求をデジタル複合機110が受信した場合の、プリントジョブ管理アプリケーション320の情報処理の一例を示すフローチャートである。図4で説明した処理によって生成されたネットワーク100を通した携帯端末120aとデジタル複合機110とのセッションを使用して、携帯端末120aからデジタル複合機110にプリント要求が送られる。デジタル複合機110の通信処理部300は、まず先に、要求元が正当かどうかの確認を行う。ここで、通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうか、によって正当な要求元かどうかを判断する。ステップS701でこの判断を行い、正当であると判断した場合、通信処理部300は、プリントジョブをプリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ受付部321に渡す。
ステップS702で、プリントジョブ受付部321は、プリントジョブを受信可能な状態かどうかプリントジョブ制御部322に問い合わせる。プリントジョブ制御部322において受付可能だと判断されると、プリントジョブ受付部321は、ステップS703へ進む。しかし、例えば、リソースが足りない等の理由で受付不可能と判断されると、プリントジョブ受付部321は、要求に対してエラーを返して、処理終了となる。
【0019】
ステップS703で、プリントジョブ受付部321は、通信処理部300に対して要求元の携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントジョブ制御部322に伝える。ステップS703の処理は、識別情報取得の処理の一例である。
ステップS704では、プリントジョブ制御部322は、受け付けたプリントジョブを生成して、MACアドレスをプリントジョブに関連づけて、プリントジョブ情報管理部323にプリントジョブ情報として登録する。プリントジョブ情報は、プリントジョブのジョブ名称、プリントジョブのサイズ、受付日時、プリントジョブ状態、MACアドレス等である。プリントジョブ情報管理部323が管理するプリントジョブ情報のデータの一例を図8に示す。プリントジョブ情報は、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に記憶される。
ステップS705では、プリントジョブ処理部324は、生成されたプリントジョブの処理を行う。そして、プリンタ240でプリント処理を行って処理完了となる。なお、プリントジョブ処理部324での処理状況は、逐次、プリントジョブ制御部322を通して、プリントジョブ情報管理部323へ通知されてプリントジョブ状態情報が更新される。
【0020】
図9は、携帯端末120aからプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機110が受信した場合の、プリントジョブ操作アプリケーション310の情報処理の一例を示すフローチャートである。図4で説明した処理によって生成されたネットワーク100を通した携帯端末120aとデジタル複合機110とのセッションを使用して、携帯端末120aからデジタル複合機110へプリントリスト取得要求が送られる。通信処理部300は、まず、要求元が正当かどうかの確認を行う。ここで、通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうかと、で正当な要求元かどうかを判断する。ステップS901でこの判断を行い、正当であると判断した場合、通信処理部300は、プリントジョブ操作アプリケーション310のプリントジョブ操作受付部311にプリントリスト取得要求を渡す。
ステップS902で、プリントジョブ操作受付部311は、通信処理部300に対して要求元の携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントリスト要求と合わせてプリントジョブ操作処理部312に伝える。
【0021】
ステップS903で、プリントジョブ操作処理部312は、操作権限判断部313に対して、ステップS902で受けたMACアドレスを付けてプリントリスト取得要求を行う。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ情報管理部323に対して、現在処理している全てのプリントジョブに関する情報の取得を要求する。プリントジョブ情報管理部323は、保持しているプリント情報を操作権限判断部313に渡す。
次にステップS904で、操作権限判断部313は、ステップS903でプリントジョブ情報管理部323から取得したプリントジョブ情報を用いて、プリントジョブ毎にMACアドレスを特定する。
【0022】
ステップS905で、操作権限判断部313は、ステップS904で特定したMACアドレスが、プリントリスト要求を行った要求元のMACアドレスと一致するかどうかを確認する。ここでMACアドレスが一致しなかったプリントジョブの情報は、ジョブ名称が「*****」に変換され、プリントジョブ操作不可情報が付加される。なお、MACアドレスの一致判断は、プリントジョブ情報のMACアドレスが有効に取得できた場合に実施され、MACアドレスのないプリントジョブ情報に対しては実行されない。全プリントジョブに対する確認が完了したら、全プリントジョブ情報のMACアドレス情報を削除し、操作権限判断部313は、プリントジョブ操作処理部312に結果として渡す。
ステップS906で、プリントジョブ操作処理部312は、ステップS905で操作権限判断部313から受け取った情報を基に要求元に返すプリントリスト情報を生成する。生成されたプリントリスト情報は、プリントジョブ操作受付部311に渡され、通信処理部300を通して要求元の携帯端末120aへ送信される。
【0023】
ユーザAは、携帯端末120aからデジタル複合機110の状態及びプリント状況を確認することが可能である。例えば図10に示すような画面で、デジタル複合機110の状態及びプリント状況を確認する。このうちプリントジョブ状況で表示される情報は、図9を用いて説明したプリントリスト処理によって生成された情報を携帯端末120aで受信して表示している例である。
ここで、本実施形態では、別のユーザBが携帯端末120bからプリントを実施している場合を例にあげる。図10の画面では、ユーザAが要求したドキュメント1のプリントは待機中で、先にユーザBが要求したドキュメント0がプリント処理されていることを示している。このとき、ユーザAが操作する携帯端末120aの画面上では、ドキュメント0のジョブ名称は「*****」に変換されたものが表示され、操作ができない状態で表示されている。これは、図9を用いて説明したプリントリスト処理において、デジタル複合機110のプリントジョブ操作アプリケーション310が返却してきたプリントリスト情報で、携帯端末120aとは異なるMACアドレスが関連付けられたプリントジョブはジョブ名称が変換され、操作不可情報が付加されているためである。そのため、例えばユーザBが携帯端末120bで同様の画面を表示した場合には、図11に示すように、携帯端末120bから投入したプリントジョブのみが操作可能な状態で表示される。なお、本実施形態では、操作できないジョブ名称を「*****」に変換するとして説明するが、プリントリストに表示されないように全ての情報を変換する、若しくは削除するとしてもよい。また、操作できないように表示せず、選択されたときにエラーにするとしてもよい。
【0024】
ここで、ユーザBが携帯端末120bから投入したプリントジョブがエラーで中断した場合のことを説明する。図12は、携帯端末120bで表示されるエラー通知画面の一例を示す図である。ドキュメント0のプリントジョブが例えばデジタル複合機110の内部メモリ不足等によってエラーが発生した場合には、ユーザBに対して、エラーをスキップして処理を継続するか、プリントジョブをキャンセルするのか、を選択させる。これは、エラーの内容によって、ユーザがやり直しを望むか無視するのか、デジタル複合機110では自動で判断するのが難しい場合が存在するためである。このようなエラーが発生した場合、デジタル複合機110は、内部のプリント処理を中断して、ユーザの応答を待つのが一般的である。そのため、本実施形態での説明のように、ドキュメント0がエラーで中断した場合には、ユーザAが携帯端末120aから投入したドキュメント1のプリントジョブも待ち状態となってプリント出力されなくなる。このときに携帯端末120aに表示されるプリントジョブ状況の操作画面例を図13に示す。図13の例に示すように、エラーが発生していることは通知しても、携帯端末120aからは操作することはできない。携帯端末120aからエラーをキャンセルしたりスキップしたり指示できてしまうと、ユーザBが意図した処理を行えなくなってしまうためである。
【0025】
次に、上記のドキュメント0がエラーで中断した状態で、携帯端末120bが電池切れ等の理由によってネットワーク100から切断され、デジタル複合機110と通信が行えなくなってしまった場合を想定する。そのときのデジタル複合機110でのプリントジョブ操作アプリケーション310及びプリントジョブ管理アプリケーション320の処理と、それによって携帯端末120aでの表示と、がどう変化するのかについて説明する。
図14は、プリントジョブ管理アプリケーション320のエラー検知処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1401で、プリントジョブ処理部324は、プリント処理でエラーが発生したかどうかの判断を行う。プリントジョブ処理部324は、エラーを検知すると、プリントジョブ制御部322にエラーが発生したことを通知する。
プリントジョブ制御部322は、エラーが発生した旨の通知を受け取ると、エラーが発生したと判断して、ステップS1402に進み、発生したエラーの内容を特定する。
【0026】
ステップS1403で、プリントジョブ制御部322は、ステップS1402で特定したエラー内容から、プリントジョブを中断するか自動キャンセルするかを判断する。
ここで自動キャンセルすると判断した場合には、ステップS1408へ進み、プリントジョブ制御部322は、エラーが発生したプリントジョブをキャンセルする。
そして、ステップS1409で、プリントジョブ制御部322は、エラーの内容と処理の内容とを、プリントジョブ投入元の携帯端末120へ通知する。
本実施形態で例にあげたドキュメント0の場合は、メモリのバッファオーバーエラーが発生し、ステップS1403で、プリントジョブ制御部322は、中断と判断し、ステップS1404へ進む。ステップS1404で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323にMACアドレス取得要求を行う。プリントジョブ情報管理部323は、プリントジョブ情報からMACアドレスを特定して、プリントジョブ制御部322へ返却する。
【0027】
ステップS1405で、プリントジョブ制御部322は、ステップS1404で取得したMACアドレス情報を用いて、通信処理部300にMACアドレスで特定されるセッションが有効かどうか確認する。通信処理部300は、保持しているMACアドレス情報からネットワーク接続処理で生成したセッションを特定する。そして、通信処理部300は、特定したセッションに対して、接続元の携帯端末120bが通信可能な状態にあるかどうか確認して、確認結果をプリントジョブ制御部322に返答する。
ステップS1406で、プリントジョブ制御部322は、ステップS1405で取得した確認結果から、セッションが有効かどうかを判断する。ここで有効と判断した場合には、ステップS1409へ進み、プリントジョブ制御部322は、通信処理部300からプリントジョブのエラー内容を携帯端末120bへ通知して処理終了となる。無効と判断した場合には、ステップS1407へ進み、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323に対してプリントジョブのMACアドレス情報を無効化するように依頼する。プリントジョブ情報管理部323は、MACアドレス無効化要求を受けたら、管理するプリント情報のMACアドレス情報を削除して処理終了となる。ここで、プリントジョブ情報管理部323は、情報を削除せず無効化フラグをたてる等でもよい。
【0028】
エラー検知処理後に、携帯端末120aからデジタル複合機110に対して、再びプリントリスト取得要求が行われた場合の、プリントジョブ操作アプリケーション310の処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。ステップS901からステップS903までは前述の説明と同じであるため省略する。
ステップS904で、操作権限判断部313は、ステップS903でプリントジョブ情報管理部323から取得したプリントジョブ情報を用いて、プリントジョブ毎にMACアドレスを特定する。
ステップS905で、操作権限判断部313は、ステップS904で特定したMACアドレスが、プリントリスト要求を行った要求元のMACアドレスと一致するかどうかを確認する。このとき、前述のエラー検知処理によって、ドキュメント0のMACアドレス情報が削除されているため、前述の説明とは異なる。ドキュメント0はMACアドレス情報を持たないため、MACアドレスが異なるとは判断されずに、ジョブ名称の変更やプリントジョブ操作不可情報の付加が実行されない。全プリントジョブに対する確認が完了したら、操作権限判断部313は、全プリントジョブ情報のMACアドレス情報を削除し、プリントジョブ操作処理部312に結果として渡す。
【0029】
ステップS906で、プリントジョブ操作処理部312は、ステップS905で操作権限判断部313から受け取った情報を基に要求元に返すプリントリスト情報を生成する。プリントジョブ操作処理部312は、プリントジョブ操作受付部311に生成したプリントリスト情報を渡す。プリントリスト情報は、通信処理部300を通して、要求元の携帯端末120aへ送信される。つまり、MACアドレス情報が削除(若しくは無効化)されているため、ステップS905でドキュメント0の情報に対して変更処理が実施されなくなるので、携帯端末120aへドキュメント0の情報がプリントリスト情報として送信される。このプリントリスト情報を取得した携帯端末120aに表示されるプリントジョブ状況画面例を図15に示す。図13で例を示したときには操作不可能でジョブ名称も見えなかったドキュメント0のプリントジョブが、エラーで中断していて、操作可能であることが表示からわかるようになる。ドキュメント0がエラーで中断状態になって、かつ、ユーザBが何らかの理由でドキュメント0のプリントジョブの中断状態を解除できなくなった場合には、ユーザAは、操作可能になったことを知ることができる。かつ、ユーザAは、プリントジョブの中断状態を解除することができるようになる。そのため、ユーザAは、自分のドキュメント1のプリントジョブを実行することができるようになる。なお、本実施形態では、プリントジョブリスト取得を全プリントジョブのリスト取得を例に説明したが、画面内に納まる表示件数分の取得等であってもよい。
【0030】
図16のフローチャートを用いて、携帯端末120aからドキュメント0のプリントジョブをキャンセル要求した場合のプリントジョブ操作アプリケーション310の処理を説明する。
ステップS1601で、通信処理部300は、受信したプリントジョブキャンセル要求の要求元が正当かどうかの確認を行う。通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうかと、で正当な要求元かどうかを判断する。通信処理部300は、正当であると判断した場合、プリントジョブ操作アプリケーション310のプリントジョブ操作受付部311にプリントジョブキャンセル要求を渡す。
ステップS1602で、プリントジョブ操作受付部311は、通信処理部300に対して要求元携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントジョブキャンセル要求と合わせてプリントジョブ操作処理部312に伝える。
ステップS1603で、プリントジョブ操作処理部312は、操作権限判断部313に対して、ステップS1602で受けたMACアドレスを付けてプリントジョブキャンセル可否判断要求を行う。操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ情報管理部323に対して、キャンセル可否判断を行うプリントジョブ情報の取得を要求する。プリントジョブ情報管理部323は、保持しているプリント情報を操作権限判断部313に渡す。
【0031】
ステップS1604で、操作権限判断部313は、ステップS1603でプリントジョブ情報管理部323から取得したプリントジョブ情報からMACアドレスを特定する。
ステップS1605で、操作権限判断部313は、ステップS1604で特定したMACアドレスが、プリントジョブキャンセル要求を行った要求元のMACアドレスと一致するかどうかを確認する。MACアドレスの一致判断は、プリントジョブ情報のMACアドレスが有効で取得できた場合に実施され、MACアドレスのないプリントジョブ情報に対しては実行されず一致と同一に扱われる。操作権限判断部313は、MACアドレスが一致する場合にはキャンセル可能と判断し、一致しない場合には不可能と判断して、その判断結果をプリントジョブ操作処理部312へ返却する。
キャンセル不可能と判断された場合には、ステップS1607で、プリントジョブ操作処理部312は、要求元に対してキャンセルが実行できないことを通知して処理終了となる。キャンセル可能と判断された場合には、ステップS1606で、プリントジョブ操作処理部312は、プリントジョブ管理アプリケーション320に対してプリントジョブキャンセル要求を行う。プリントジョブ管理アプリケーション320は、プリントジョブ操作処理部312からのキャンセル要求を受け付けた場合には、プリントジョブ制御部322がプリントジョブ処理部324に対してプリントジョブのキャンセルを要求してキャンセル処理を実行する。
【0032】
ドキュメント0のプリントジョブがエラーで中断している場合の携帯端末120aからのプリントジョブキャンセル要求の場合、操作権限判断部313は、ステップS1604でMACアドレスを取得できない。そのため、操作権限判断部313において一致すると判断されて、携帯端末120bからのプリントジョブであっても、携帯端末120aからプリントジョブのキャンセルを実行することが可能となる。プリントジョブのキャンセル実行後、ステップS1608でプリントジョブ制御部322はプリントジョブ操作処理部312からのキャンセル要求受信時に一緒に受け付けたキャンセル要求元のMACアドレス情報をプリントジョブのキャンセルログ情報に記録する。そして、図16に示す処理は終了となる。
【0033】
図17は、キャンセルログ情報のデータの一例を示す図である。キャンセルログ情報としては、プリントジョブ情報のときに加えて、キャンセルを実行したキャンセル日時と、キャンセルを実行した要求元のMACアドレス情報と、が記録される。キャンセルログ情報は、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に記憶される。なお、キャンセル時だけではなく、正常に実行された場合のログを残してもよい。また、本実施形態では、携帯端末を識別(又は特定)する識別情報の一例としてMACアドレスを例に説明したが、特定可能な情報であれば製造番号等の情報でもよい。また、本実施形態では、操作可能かどうかの判断を行う操作権限判断部313をプリントジョブ操作アプリケーション310内の処理として説明した。しかしながら、この処理を通信処理部300内で行われるようにしても、プリントジョブ管理アプリケーション320内で行われるようにしてもよい。また、通信処理部300、プリントジョブ操作アプリケーション310、プリントジョブ管理アプリケーション320が一つで構成されていても、複数に分割されて構成されていてもよい。更に、本実施形態では携帯端末を例に説明したが、ネットワークで通信が可能でプリントジョブを投入する情報端末機器であればよい。更に、情報端末機器からのプリントジョブ投入がNFCでの投入であってもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザ認証を行うのではなく、携帯端末のような機器とデジタル複合機とをペアリングしてプリントを実行する場合においても、セキュアにプリント操作を実行可能である。更に、プリント処理でエラーが発生した場合には適切にユーザに情報を通知すると共に、ユーザ判断が必要な場合には、他のユーザによって処理されないように制御可能である。更に、ユーザ判断が必要であっても、そのユーザの判断が実行できないと判断した場合には、デジタル複合機の処理を止めることなく継続できるように適切にプリント操作を実行可能である。更に、キャンセル時の要求元情報をログに残しておくことによって、後でどのユーザ若しくは端末からキャンセルが指示されたのかを知ることも可能である。
【0035】
〔実施形態2〕
実施形態2は、実施形態1と比べて、プリントジョブ処理のエラー検知処理とプリントジョブ情報のテーブル項目とプリントリスト要求処理について変更がある点とプリントジョブ追い越し要求処理が追加になる点とのみ異なるため、その点についてのみ説明する。
本実施形態でのエラー検知処理のフローチャートを図18に示す。実施形態1の説明と変更のない処理については同じステップ番号となっており、説明は省略する。
ステップS1406で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブの投入元端末とのセッションが無効であると判断した場合、ステップS1801へ進む。
ステップS1801で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブで発生したエラーが復帰可能なエラーかどうか判断する。復帰可能なエラーとは、ユーザからの指示や装置状態の変化等によって、処理を再開可能なエラーである。例えば、復帰可能なエラーの情報は予めハードコーディングしていてもよいし、RAM203、ROM206、HDD205の何れかの記憶手段に記憶されているファイル等に記載してもよい。
ステップS1801の処理は、復帰判定の処理の一例である。
プリントジョブ制御部322は、復帰不可能と判断した場合には、ステップS1407へ進み、実施形態1と同様の処理になる。ここで、プリントジョブ制御部322は、復帰可能と判断した場合には、ステップS1802へ進む。
【0036】
ステップS1802で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブで発生したエラーが、後続プリントジョブが追い越し可能なエラーかどうか判断する。追い越し可能なエラーとは、エラーとなったプリントジョブを中断しておいて、次のプリントジョブを処理することが可能なエラーである。復帰可能なエラーの情報と同様に、追い越し可能なエラーの情報も予めハードコーディングしていてもよいし、ファイル等に記載してもよい。プリントジョブ制御部322は、追い越し不可能と判断した場合には、ステップS1407へ進み、実施形態1と同様の処理になる。ここで、プリントジョブ制御部322は、追い越し可能と判断した場合には、ステップS1803へ進む。
S1802の処理は、追越判定の処理の一例である。
ステップS1803で、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323にエラーが発生しているプリントジョブに対して追い越し可能フラグをセットするように処理を依頼する。プリントジョブ情報管理部323は、依頼を受信すると、前記プリントジョブのプリントジョブ情報の追い越し可能フラグをNGからOKに変更して処理を終了する。このときのプリントジョブ情報のテーブル例を図19に示す。
【0037】
携帯端末120aからプリントリスト表示を行うためのプリントリスト取得要求をデジタル複合機110が受信した場合の、本実施形態でのプリントジョブ操作アプリケーション310の処理のフローチャートを図20に示す。実施形態1の説明と変更のない処理については同じステップ番号となっており、説明は省略する。唯一処理が異なるのは、ステップS905とステップS906との間にステップS2001が追加された点である。
ステップS2001で、操作権限判断部313は、ステップS905で操作不可情報を付加したプリントジョブに関して、プリントジョブ情報から取得した追い越し可能フラグ情報も付加する。そうすることによって、携帯端末120aは、操作不可情報が付加されているドキュメント0のプリントジョブに関して、追い越し可能フラグがONに設定されていることを受信できるようになる。この情報を受信した場合の携帯端末120aの操作画面例を図21に示す。この例に示すように、追い越し可能フラグがONであるため、追い越し指示ボタンが有効化されて表示されるようになる。そのため、ユーザAはドキュメント0のジョブ名称を知ったりキャンセルしたりはできないが、ドキュメント1に対して前のプリントジョブを追い越して処理するように指示することが可能になったことを知ることができる。
【0038】
次に、ユーザAが携帯端末120aからドキュメント1の追い越し指示をデジタル複合機110に要求した場合の、プリントジョブ操作アプリケーション310の処理について説明する。処理フローチャートを図22に示す。
ステップS2201で、通信処理部300は、受信したプリントジョブ追い越し要求の要求元が正当かどうかの確認を行う。通信処理部300は、図4のネットワーク接続処理で生成したセッションを通して行われているかどうかと、要求元のMACアドレスが一次記憶領域の情報に一致するかどうかと、で正当な要求元かどうかを判断する。通信処理部300は、正当であると判断した場合、プリントジョブ追い越し要求をプリントジョブ操作アプリケーション310のプリントジョブ操作受付部311に渡す。
ステップS2202で、プリントジョブ操作受付部311は、通信処理部300に対して要求元携帯端末のMACアドレスを要求・取得して、MACアドレスを特定し、プリントジョブ追い越し要求と合わせてプリントジョブ操作処理部312に伝える。
【0039】
ステップS2203で、プリントジョブ操作処理部312は、操作権限判断部313に対して、ステップS2202で受けたMACアドレスを付けてプリントジョブ追い越しリスト変更要求を行う。操作権限判断部313は、追い越しリスト変更要求を受けると、プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ情報管理部323に全プリントジョブ情報の取得を要求する。プリントジョブ情報管理部323は管理するプリントジョブ情報を操作権限判断部313へ送信する。
ステップS2204で、操作権限判断部313は、ステップS2203で取得した全プリントジョブから追い越し要求のあったプリントジョブを特定する。そして、操作権限判断部313は、特定したプリントジョブの一つ前にプリント処理が行われるプリントジョブがあるかどうか判断する。ここでプリントジョブが無いと判断された場合には、処理終了となる。
【0040】
プリントジョブが一つ前に存在すると判断した場合、ステップS2205で、操作権限判断部313は、その一つ前のプリントジョブのプリントジョブ情報から追い越し可能フラグ情報を取得して、追い越し可能フラグがOKかどうか判断する。ここでNGであった場合には、処理終了となる。
追い越し可能フラグがOKだと判断した場合、操作権限判断部313は、ステップS2206に進む。ステップS2206で、操作権限判断部313は、プリントジョブ管理アプリケーション320に対して、一つ前のプリントジョブの処理中断要求を行う。また、操作権限判断部313は、追い越し要求のあったプリントジョブを一つ前に処理するプリントジョブと順番を入れ替える処理順序変更要求を行う。
【0041】
プリントジョブ管理アプリケーション320のプリントジョブ制御部322は、操作権限判断部313から上述した要求を受信した場合には、プリントジョブ処理部324に対して、プリントジョブ処理の中断指示を行う。プリントジョブ処理部324は、指示を受けた場合には処理を中断する。更に、プリントジョブ制御部322は、プリントジョブ情報管理部323に対してプリントジョブの処理順序変更要求を行う。プリントジョブ情報管理部323は、内部のプリントジョブ情報のリスト順序を要求された順序に変更する。そして、プリントジョブ制御部322は、変更後のプリントジョブの先頭のプリントジョブの処理をプリントジョブ処理部324に指示して処理終了となる。
携帯端末120aからのドキュメント1の追い越し指示の場合、ドキュメント1の前にドキュメント0が存在するため、ステップS2204の判定においてYesとなり、ステップS2205へと処理は進む。ステップS2205ではドキュメント0の追い越し可能フラグがOKであると判断されて、処理はステップS2206へ進む。ステップS2206では、ドキュメント0のプリントジョブに対する処理中断処理と、ドキュメント1とドキュメント0との処理順序変更処理と、がなされる。ドキュメント0は元から中断状態にあったため変化はないが、プリントジョブの処理順序は、ドキュメント1のプリントジョブが先頭に変更され、ドキュメント1のプリントジョブの処理が開始されることとなる。
【0042】
以上説明したように、復帰可能なエラーでエラー中断した場合には、後続ジョブが追い越し可能な場合、プリントジョブを投入した携帯端末との接続が切れていたとしても他の端末からのキャンセルは受け付けないようにする。このことで、後で処理を復帰することが可能になる。更に、エラー中断で待たされるユーザは、追い越し指示を要求することで中断しているプリントジョブを追い越して自らのプリントジョブを実施できるので、問題なく使用することが可能である。
【0043】
〔実施形態3〕
実施形態3は、実施形態1及び実施形態2と比べて、プリントジョブ投入元とのセッションが無効と判断された後の処理について変更がある点のみ異なるため、その点についてのみ説明する。
実施形態1の図14で説明したエラー検知処理のステップS1406の後に、S2300のセッション無効化時の処理が追加される。フローチャートを図23に示す。
セッションが無効だと判断した場合、ステップS2301で、プリントジョブ制御部322は、通信処理部300にNFC接続している機器の情報取得要求を行う。通信処理部300は、要求を受信したら、NFC接続している機器を特定する。
ステップS2302で、通信処理部300は、NFC接続している機器が無いと判断した場合、プリントジョブ制御部322にNFC接続している機器が存在しないことを通知して、ステップS2305へ進む。
ステップS2305で、プリントジョブ制御部322は、セッションだけでなくNFC接続も切れていると判断し、実施形態1の図14のステップS1407の処理と同様の処理を実行して処理終了となる。
【0044】
ステップS2302でNFC接続している機器が存在すると判断した場合、ステップS2303で、通信処理部300は、全てのNFC接続機器に対してMACアドレス取得要求を行い、MACアドレスを取得する。
ステップS2304では、通信処理部300は、ステップS2303で取得したMACアドレスの中に、ネットワークセッションが無効だと判断した接続のMACアドレスと一致するものがあるかどうか判断する。一致する機器がないと判断した場合には、ステップS2305に進み、前述と同様となる。一致する機器が存在すると判断した場合には、通信処理部300は、再度、同一のMACアドレスの端末からネットワーク接続要求があるものと判断して、MACアドレスの無効化処理は行わずに処理終了となる。
【0045】
なお、実施形態2の図18で説明したエラー検知処理でも同様の処理を追加することが可能である。また、本実施形態では、セッション無効化時処理をエラー検知処理時に実行するように説明したが、セッション無効化時処理のみ、例えば一定期間毎にセッションの有効無効を確認して、無効だということがわかったタイミングで処理してもよい。
また、本実施形態では、NFC接続した機器を探索してMACアドレス取得を行ったが、NFC接続している機器を管理しておいて、プリントジョブ制御部322から指定のMACアドレスを有する機器がNFC接続されているか問い合わせるようにしてもよい。
【0046】
以上説明したように、ネットワークが切断された場合であってもNFC通信が可能な距離にプリントジョブを投入した端末が存在することがわかった場合には、再処理される可能性が高いので、他の端末からのキャンセルを受け付けないようにできる。そのため、ネットワークが瞬間的に切断されたような場合であっても、間違って他の機器からキャンセル可能なように判断されてしまうことを防ぐことが可能である。
【0047】
〔その他の実施形態〕
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0048】
以上、上述した各実施形態によれば、セキュリティを確保したプリントジョブ制御において、プリントジョブがエラーになった場合に、使い勝手を落とさずにジョブの操作を適切に行うことができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段でプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理手段と、
前記識別情報取得手段でプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理手段で管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行手段と、
前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知手段と、
前記検知手段で処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理手段より特定する特定手段と、
前記特定手段で特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認手段と、
を有し、
前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する画像形成装置。
【請求項2】
前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能であると判断された場合、前記検知手段で検知されたエラーの内容を前記機器に通知する通知手段を更に有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知手段で検知されたエラーが復帰可能なエラーか否かを判定する復帰判定手段を更に有し、
前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断され、かつ、前記復帰判定手段で復帰可能なエラーでないと判定された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記復帰判定手段で復帰可能なエラーであると判定された場合、前記検知手段で検知されたエラーが後続のプリントジョブが追い越し可能なエラーか否かを判定する追越判定手段を更に有し、
前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断され、かつ、前記追越判定手段で後続のプリントジョブが追い越し可能なエラーでないと判定された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記確認手段は、前記特定手段で特定された識別情報で識別される機器とのセッションが有効である場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能であると判断し、前記機器とのセッションが有効でない場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断する請求項1乃至4何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記確認手段は、前記機器とのセッションが有効でない場合は、更に、前記機器と近距離無線通信で接続されているか否かを判断し、前記機器と近距離無線通信で接続されている場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能であると判断し、前記機器と近距離無線通信で接続されていない場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理ステップで管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行ステップと、
前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知ステップと、
前記検知ステップで処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理ステップより特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認ステップと、
を含み、
前記実行ステップでは、前記確認ステップで前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断ステップで一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理ステップで管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行ステップと、
前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知ステップと、
前記検知ステップで処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理ステップより特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認ステップと、
を実行させ、
前記実行ステップでは、前記確認ステップで前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断ステップで一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行するプログラム。
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段でプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理手段と、
前記識別情報取得手段でプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理手段で管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行手段と、
前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知手段と、
前記検知手段で処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理手段より特定する特定手段と、
前記特定手段で特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認手段と、
を有し、
前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する画像形成装置。
【請求項2】
前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能であると判断された場合、前記検知手段で検知されたエラーの内容を前記機器に通知する通知手段を更に有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知手段で検知されたエラーが復帰可能なエラーか否かを判定する復帰判定手段を更に有し、
前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断され、かつ、前記復帰判定手段で復帰可能なエラーでないと判定された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記復帰判定手段で復帰可能なエラーであると判定された場合、前記検知手段で検知されたエラーが後続のプリントジョブが追い越し可能なエラーか否かを判定する追越判定手段を更に有し、
前記実行手段は、前記確認手段で前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断され、かつ、前記追越判定手段で後続のプリントジョブが追い越し可能なエラーでないと判定された場合、前記判断手段で一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記確認手段は、前記特定手段で特定された識別情報で識別される機器とのセッションが有効である場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能であると判断し、前記機器とのセッションが有効でない場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断する請求項1乃至4何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記確認手段は、前記機器とのセッションが有効でない場合は、更に、前記機器と近距離無線通信で接続されているか否かを判断し、前記機器と近距離無線通信で接続されている場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能であると判断し、前記機器と近距離無線通信で接続されていない場合は、前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置が実行する情報処理方法であって、
ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理ステップで管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行ステップと、
前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知ステップと、
前記検知ステップで処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理ステップより特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認ステップと、
を含み、
前記実行ステップでは、前記確認ステップで前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断ステップで一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ネットワークを介して通信可能な機器からプリントジョブを受信したとき及びプリントジョブの操作要求を受信したときに、前記機器を識別する識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの受信時に取得された識別情報と前記プリントジョブとを関連付けて管理する管理ステップと、
前記識別情報取得ステップでプリントジョブの操作要求を受信したときに取得された識別情報と、前記管理ステップで管理されている前記プリントジョブと関連付けられている識別情報と、が一致するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで一致すると判断された場合に、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行する実行ステップと、
前記プリントジョブに対する処理中のエラーを検知する検知ステップと、
前記検知ステップで処理中にエラーを検知された前記プリントジョブに関連する識別情報を前記管理ステップより特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された識別情報で識別される機器とネットワークを介して通信可能か否か確認する確認ステップと、
を実行させ、
前記実行ステップでは、前記確認ステップで前記機器とネットワークを介して通信可能でないと判断された場合、前記判断ステップで一致しないと判断された場合にも、前記操作要求に応じた前記プリントジョブに対する処理を実行するプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【公開番号】特開2013−107243(P2013−107243A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252875(P2011−252875)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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