説明

画像形成装置、情報処理装置、画像形成システムおよび結合ジョブ実行方法

【課題】複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する際のユーザの操作負担を軽減できるようにする。
【解決手段】複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する画像形成装置200は、結合ジョブを構成する各文書の印刷データを受信するように構成され、その印刷データに付加されている結合ジョブ設定情報を解析して結合ジョブを特定するデータ解析部230と、その印刷データを、結合ジョブごとに所定の記憶領域261に保存するデータ管理部240と、所定の記憶領域261において、結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが保存された場合、結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを実行する結合ジョブ実行部251とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理装置、画像形成システムおよび結合ジョブ実行方法に関し、特に複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置は、印刷出力に伴い、複数の文書をまとめてステープルやパンチ穿孔などのフィニッシング処理を行うことができるものが存在する。また、このような画像形成装置には、例えばフィニッシング処理を行う場合に、複数の文書のそれぞれから生成される印刷データを結合して結合ジョブを実行することができるものも存在する。
【0003】
ところが、従来の結合ジョブを実行する技術として一般的なものは、画像形成装置に予め文書データを保存しておき、ユーザが結合ジョブを実行させる際には画像形成装置の操作パネルなどを操作しながら予め保存しておいた文書データに結合設定などを行っていく必要があるため、単独の文書を印刷する場合に比べると、ユーザの操作負担が過大であり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0004】
一方、結合ジョブを実行する先行技術の一つとして、例えば、画像形成装置のハードディスクに印刷ジョブを予め保存しておき、ユーザが結合ジョブを実行させる際には、コンピュータなどの情報処理装置を操作することにより、画像形成装置のハードディスクに保存されている印刷ジョブの情報を画像形成装置から取得して印刷ジョブのリストを表示し、ユーザがそのリストから現在実行しようとする印刷ジョブと結合するジョブを選択し、印刷実行を指示することで、その指示が画像形成装置に与えられ、画像形成装置において印刷ジョブの結合が行われると共に印刷ジョブが実行されるものも提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−159961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記先行技術においても、ユーザが結合ジョブの設定を行う前に、予め印刷ジョブを画像形成装置に保存しておく必要がある。そのため、ユーザは、結合ジョブの設定に先立ち、画像形成装置のハードディスクなどに対し、結合対象の印刷ジョブを保存するための記憶領域(ボックス)を作成する作業を行い、さらにその作成した記憶領域に結合対象の印刷ジョブを保存する作業を行う必要がある。それ故、上記先行技術においても、単独の文書を印刷する場合と比較すれば、依然として、ユーザの操作負担は大きいという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上記問題を解決するため、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する際のユーザの操作負担を軽減できるようにした画像形成装置、情報処理装置、画像形成システムおよび結合ジョブ実行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する画像形成装置であって、結合ジョブを構成する各文書の印刷データを受信する受信手段と、結合ジョブを構成する各文書の印刷データに付加されている結合ジョブ設定情報を解析して結合ジョブを特定するデータ解析手段と、前記受信手段が受信した印刷データを、結合ジョブごとに所定の記憶領域に保存するデータ管理手段と、前記所定の記憶領域において、結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが保存された場合、前記結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを実行する結合ジョブ実行手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
かかる発明によれば、画像形成装置が結合ジョブ設定情報の付加されている印刷データを受信すると、その受信した印刷データを結合ジョブごとに所定の記憶領域に自動保存し、しかも、その所定の記憶領域において結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが保存された場合には結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを自動的に実行する。
【0010】
請求項2にかかる発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記データ管理手段は、前記所定の記憶領域に保存した印刷データを一定期間継続して保存することを特徴としている。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記データ管理手段は、前記受信手段の受信した印刷データが前記所定の記憶領域に既に保存されている印刷データの更新データである場合、該更新データに基づいて前記所定の記憶領域に既に保存されている印刷データを更新することを特徴としている。
【0012】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記データ管理手段は、前記所定の記憶領域に保存されている印刷データに関する情報を送信することによって印刷データの保存状況を通知することを特徴としている。
【0013】
請求項5にかかる発明は、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する画像形成装置に対し、印刷データを出力する情報処理装置であって、結合ジョブを構成する複数の文書データを、結合ジョブごとに割り当てられた所定の記憶領域に記憶する記憶手段と、前記所定の記憶領域に記憶されている全ての文書データを特定するための情報を含む結合ジョブ設定情報を生成する結合ジョブ設定手段と、前記所定の記憶領域に記憶されている少なくとも1つの文書データに対する印刷指示が与えられた場合、その印刷指示が与えられた文書データに基づいて印刷データを生成し、該印刷データに、前記結合ジョブ設定手段が生成する結合ジョブ設定情報を付加して前記画像形成装置に送信する印刷データ制御手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
かかる発明によれば、情報処理装置は、結合ジョブを構成する複数の文書データを、結合ジョブごとに割り当てられた所定の記憶領域に記憶し、その所定の記憶領域に記憶されている全ての文書データを特定するための情報を含む結合ジョブ設定情報を生成する。そしてその所定の記憶領域に記憶されている少なくとも1つの文書データに対する印刷指示が与えられた場合、その印刷指示が与えられた文書データに基づいて印刷データを生成し、該印刷データに、結合ジョブ設定情報を自動的に付加して画像形成装置に送信することができる。
【0015】
請求項6にかかる発明は、請求項5記載の情報処理装置において、前記印刷データ制御手段は、前記画像形成装置から結合ジョブを構成する複数の文書データのそれぞれに対応した印刷データの保存状況に関する情報を取得し、該保存状況に基づいて結合ジョブの実行に不足している印刷データを生成し、前記画像形成装置に送信することを特徴としている。
【0016】
請求項7にかかる発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の情報処理装置において、前記印刷データ制御手段は、前記所定の記憶領域に記憶されている文書データを削除することに伴い、その削除する文書データに対応する印刷データの削除指示を前記画像形成装置に送信することを特徴としている。
【0017】
請求項8にかかる発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の情報処理装置において、前記結合ジョブ設定手段は、前記所定の記憶領域に記憶されている文書データの更新に伴い、前記結合ジョブ設定情報を更新することを特徴としている。
【0018】
請求項9にかかる発明は、請求項5乃至8のいずれかに記載の情報処理装置において、前記結合ジョブ設定手段は、前記所定の記憶領域に記憶された順序に基づいて、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データの結合順序を決定することを特徴としている。
【0019】
請求項10にかかる発明は、請求項5乃至9のいずれかに記載の情報処理装置において、前記結合ジョブ設定手段は、前記所定の記憶領域に対して最初に記憶される文書データの印刷設定に基づいて、結合ジョブを実行する際の印刷設定を行うことを特徴としている。
【0020】
請求項11にかかる発明は、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する画像形成装置と、前記画像形成装置に対して印刷データを出力する情報処理装置とを有する画像形成システムにおいて、前記情報処理装置は、結合ジョブを構成する複数の文書データを、結合ジョブごとに割り当てられた第1の記憶領域に記憶する記憶手段と、前記第1の記憶領域に記憶されている全ての文書データを特定するための情報を含む結合ジョブ設定情報を生成する結合ジョブ設定手段と、前記第1の記憶領域に記憶されている少なくとも1つの文書データに対する印刷指示が与えられた場合、その印刷指示が与えられた文書データに基づいて印刷データを生成し、該印刷データに、前記結合ジョブ設定情報を付加して前記画像形成装置に送信する印刷データ制御手段と、を備え、前記画像形成装置は、前記結合ジョブ設定情報の付加された印刷データを受信する受信手段と、前記結合ジョブ設定情報を解析して結合ジョブを特定するデータ解析手段と、前記受信手段が受信した印刷データを、結合ジョブごとに第2の記憶領域に保存するデータ管理手段と、前記第2の記憶領域において結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが保存された場合、前記結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを実行する結合ジョブ実行手段と、を備えることを特徴としている。
【0021】
請求項12にかかる発明は、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する方法であって、結合ジョブを構成する各文書の印刷データを受信するステップと、結合ジョブを構成する各文書の印刷データに付加されている結合ジョブ設定情報を解析して結合ジョブを特定するステップと、結合ジョブごとに、印刷データを所定の記憶領域に保存するステップと、結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが前記所定の記憶領域に保存された場合、前記結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを実行するステップとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する際のユーザの操作負担を軽減することができる。
【0023】
例えば、画像形成装置は、結合ジョブ設定情報の付加されている印刷データを受信すると、その受信した印刷データを結合ジョブごとに所定の記憶領域に自動保存し、しかも、その所定の記憶領域において結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが保存された場合には結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを自動的に実行するので、ユーザ自身が記憶領域を作成する作業を行う必要はなく、またその記憶領域に対して印刷データを保存する作業を行う必要もない。
【0024】
またユーザは情報処理装置に対して印刷指示を与えると、情報処理装置は、印刷データを生成して結合ジョブ設定情報を付加した状態で画像形成装置に送信するので、ユーザは単独の文書に対する印刷指示を行う場合と同様の操作で画像形成装置に結合ジョブを実行させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】画像形成システムの一構成例を示す図である。
【図2】情報処理装置の詳細な内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の詳細な内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】情報処理装置においてプリンタドライバが機能することによって表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【図5】結合ジョブ設定画面の一例を示す図である。
【図6】結合対象文書追加設定画面の一例を示す図である。
【図7】フォルダ新規作成画面の一例を示す図である。
【図8】情報処理装置の記憶領域に記憶される結合ジョブ設定情報と文書データとを示す図である。
【図9】結合ジョブ設定部が結合ジョブの設定を行う際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】結合ジョブ設定部が結合ジョブの設定を行う際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施の形態の画像形成システムにおいて結合ジョブを実行する際の処理概念を示す図である。
【図12】第1の実施の形態において情報処理装置の印刷データ制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】第1の実施の形態において画像形成装置の制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】第1の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の一例を具体的に説明するための図である。
【図15】第1の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の一例を具体的に説明するための図である。
【図16】第1の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の一例を具体的に説明するための図である。
【図17】第1の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の一例を具体的に説明するための図である。
【図18】第1の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の一例を具体的に説明するための図である。
【図19】第2の実施の形態において情報処理装置の印刷データ制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態において画像形成装置の制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】第2の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の一例を具体的に説明するための図である。
【図22】第3の実施の形態において情報処理装置の印刷データ制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】第3の実施の形態において画像形成装置の制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】第3の実施の形態におけるデータ受信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】第3の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の一例を説明するための図である。
【図26】第3の実施の形態の画像形成システムでの結合ジョブの実行形態の別の例を説明するための図である。
【図27】第4の実施の形態において画像形成装置の制御部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における画像形成システム1の一構成例を示す図である。この画像形成システム1は、ユーザが操作する情報処理装置100と、複合機やMFPなどと呼ばれる画像形成装置200とがLANなどのネットワーク9を介して相互にデータ通信可能に接続された構成である。
【0028】
情報処理装置100は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ(PC)などで構成される。この情報処理装置100は、ユーザに対して各種情報を表示する表示部101と、ユーザが操作する操作部102と、CPUやメモリ、ハードディスク装置などを内蔵した装置本体103とを備えている。尚、操作部102には、キーボードやマウスなどが含まれる。
【0029】
画像形成装置200は、装置本体上部に設けられた画像読取部201と、装置本体下部に設けられた画像形成部202と、ユーザが操作可能な操作パネル203とを備えている。画像形成部202は、出力用紙などの印刷媒体に対してトナー像を転写することにより画像形成を行うものである。つまり、画像形成部202が印刷媒体に対して画像形成を行うことにより、画像形成装置200において印刷ジョブが実行される。そして画像形成装置200は、後述するように、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する機能を有している。尚、本実施形態では、画像形成装置1が複合機やMFPなどである場合を例示しているため、画像読取部201や操作パネル203を備えた構成を示しているが、本発明においてそれらは必須のものではない。すなわち、画像形成装置1は、プリンタ専用装置であっても構わない。
【0030】
上記の画像形成システム1において、結合ジョブを実行する場合、ユーザは情報処理装置100を操作し、結合対象となる文書に対して結合ジョブの設定を行う。そして結合ジョブの設定を行った文書の印刷指示を行うと、情報処理装置100は画像形成装置200に対して結合ジョブ設定情報を付加した印刷データを送信する。画像形成装置200は、結合ジョブ設定情報の付加された印刷データを受信すると、その印刷データを一定期間保持しておき、結合対象となる全ての印刷データが揃った時点で自動的に印刷データの結合を行い、結合ジョブを実行する。以下、このような画像形成システム1について更に詳しく説明する。
【0031】
図2は、情報処理装置100の詳細な内部構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、上述した表示部101および操作部102の他、CPUやメモリなどで構成される制御部110と、ネットワーク9を介して画像形成装置200とデータ通信を行うための通信インタフェース140と、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置で構成される記憶装置150とを備えている。
【0032】
制御部110は、例えばCPUが所定のプログラムを実行することにより、アプリケーション部120およびプリンタドライバ130として機能する。アプリケーション部120は、テキストや画像などを含む文書の作成又は編集を行う処理部であり、ユーザが操作部102を介して入力する情報に基づいて文書データを生成する。したがって、結合対象となる文書の文書データも、このアプリケーション部120によって生成される。
【0033】
プリンタドライバ130は、例えばアプリケーション部120が文書データを読み出している状態でユーザが印刷に関する設定操作などを行った場合に機能する処理部である。このプリンタドライバ130は、図2に示すように、さらに、結合ジョブ設定部131および印刷データ制御部132として機能する。
【0034】
結合ジョブ設定部131は、操作部102を介して入力するユーザの指示に基づいて結合ジョブの設定を行う処理部であり、例えばアプリケーション部120が生成又は更新する文書データを結合対象文書として設定する。結合ジョブ設定部131は、結合ジョブを設定する際、記憶装置150に、ひとつの結合ジョブごとに結合対象となる文書データを保存するための記憶領域(フォルダ)151,152,153,…を作成し、ひとつの結合ジョブを構成する文書データを全て、同じ記憶領域に保存する。尚、図2では、記憶装置150に複数の記憶領域151,152,153,…が作成されており、情報処理装置100において複数の結合ジョブが設定されている例を示している。また、この結合ジョブ設定部131は、結合ジョブの設定に伴い、結合ジョブに対応する記憶領域に、結合ジョブ設定情報を保存する。尚、結合ジョブ設定情報の詳細については後述する。
【0035】
印刷データ制御部132は、ユーザによって指定された文書データを読み出して印刷データを生成し、画像形成装置200に送信する処理部である。印刷データ制御部132は、結合ジョブの設定が行われていない単独の文書データから印刷データを生成した場合、その生成した印刷データをそのまま画像形成装置200に送信する。これに対し、結合ジョブの設定が行われている記憶領域151から文書データを読み出し、その文書データに基づいて印刷データを生成した場合、その記憶領域151に保存されている結合ジョブ設定情報を印刷データに付加した状態で画像形成装置200に送信する。つまり、印刷データ制御部132は、結合対象文書の印刷データであることを、結合ジョブ設定情報を付加することによって画像形成装置200に通知する。
【0036】
図3は、画像形成装置200の詳細な内部構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置200は、上述した画像形成部202の他、ネットワーク9を介して情報処理装置100とデータ通信を行うための通信インタフェース210と、CPUやメモリなどで構成される制御部220と、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置で構成される記憶装置260とを備えている。
【0037】
通信インタフェース210は、情報処理装置100から送信される各種データを受信する受信手段として機能し、情報処理装置100から受信したデータを制御部220に出力する。また通信インタフェース210は、画像形成装置200から情報処理装置100に各種データを送信する場合には送信手段としても機能し、制御部220から入力するデータを情報処理装置100に送信する。
【0038】
制御部220は、例えばCPUが所定のプログラムを実行することにより、データ解析部230、データ管理部240およびジョブ実行部250として機能する。またジョブ実行部250は、結合ジョブを実行する際には、結合ジョブ実行部251として機能する。
【0039】
データ解析部230は、通信インタフェース210を介して情報処理装置100から受信するデータを解析する処理部である。例えば、情報処理装置100から印刷データを受信した場合、データ解析部230は、その印刷データに結合ジョブ設定情報が付加されているか否かを解析し、結合ジョブ設定情報が付加されていれば、その印刷データは、他の印刷データと結合する結合ジョブであると判断し、データ管理部240にその受信した印刷データと、結合ジョブ設定情報とを出力する。また、受信した印刷データに結合ジョブ設定情報が付加されていない場合、その受信した印刷データは単独文書の印刷データであって結合ジョブの対象でないと判断し、その印刷データをジョブ実行部250に出力する。
【0040】
データ管理部240は、結合対象文書の印刷データを管理する処理部であり、記憶装置260に対して結合対象文書の印刷データを保存する。またデータ管理部240は、結合ジョブごとに、記憶装置260に記憶領域(ボックス)261,262,263,…を作成し、ひとつの結合ジョブを構成する印刷データを同じ記憶領域に保存する。尚、図3では、記憶装置260に複数の記憶領域261,262,263,…が作成されている例を示している。また、データ管理部240は、記憶領域261,262,263,…のそれぞれに対して結合ジョブに対応する結合ジョブ設定情報を保存する。
【0041】
そしてデータ管理部240は、データ解析部230から結合対象文書の印刷データを入力した場合、その結合ジョブに対応する記憶領域261が作成されていれば、その記憶領域261に印刷データを保存すると共に、記憶領域261に保存されている結合ジョブ設定情報に基づいて結合対象文書の印刷データが全て揃ったか否かを判断する。そして結合対象文書の印刷データが全て揃った場合には、結合ジョブ実行部251に結合ジョブの実行を指示する。
【0042】
ジョブ実行部250は、画像形成部202に対して印刷データを出力することにより、画像形成部202において印刷出力を行わせる処理部である。ジョブ実行部250は、例えば単独文書の印刷データをデータ解析部230から入力すると、その入力した印刷データを画像形成部202に出力し、画像形成部202の動作を制御して単独文書の印刷出力を行う。またデータ管理部240から結合ジョブの実行が指示された場合、ジョブ実行部250は、結合ジョブ実行部251を機能させる。
【0043】
結合ジョブ実行部251は、データ管理部240からの指示に基づいて実行対象の結合ジョブを特定し、実行対象の結合ジョブに対応した記憶領域261に保存されている印刷データを全て読み出す。また結合ジョブ実行部251は、その記憶領域261に保存されている結合ジョブ設定情報を読み出す。そして結合ジョブ実行部251は、結合ジョブ設定情報に定められている結合順序に従って結合対象の複数の印刷データを結合し、ひとつの印刷データを生成する。そして結合ジョブ実行部251は、複数の印刷データを結合したひとつの印刷データを画像形成部202に出力し、画像形成部202の動作を制御して結合文書の印刷出力を行う。
【0044】
次に、情報処理装置100において結合ジョブの設定を行う場合のユーザの操作手順について説明する。図4乃至図7は、情報処理装置100においてプリンタドライバ130が機能することによって表示部101に表示される画面構成の一例を示す図である。例えばアプリケーション部120が文書データを読み出している状態でユーザが印刷に関する設定操作などを行うと、図2に示したように、情報処理装置100の制御部110においてプリンタドライバ130が機能する。そして表示部101には図4に示すようなプリント設定画面G1が表示される。このプリント設定画面G1の左側には、例えば、文書全体のサムネイル画像161が表示されると共に、文書に関する文書情報162が表示される。またプリント設定画面G1の右側上部には、当該文書を印刷する際の印刷設定欄163が表示され、ユーザは画面内に表示されるマウスポインタ160をこの印刷設定欄163に移動させ、クリック操作やその他所定の操作などを行うことで各種印刷設定を行うことができるようになっている。
【0045】
また印刷設定欄163の下側には、結合ジョブ設定ボタン164が表示されている。ユーザは当該文書に対して結合ジョブを設定する場合、マウスポインタ160を結合ジョブ設定ボタン164上に移動させてクリック操作を行うと、プリンタドライバ130は、結合ジョブの設定指示を受け付け、結合ジョブ設定部131を機能させる。そして表示部101の表示画面は次の画面へと遷移する。
【0046】
また結合ジョブ設定ボタン164の下側には、実行ボタン165とキャンセルボタン166とが表示されている。実行ボタン165は、ユーザが当該文書の印刷を指示するボタンであり、プリンタドライバ130が実行ボタン165の操作を検知すると、印刷データ制御部132が機能する。そして文書データに基づく印刷データが生成され、画像形成装置200に対してその印刷データが送信される。また印刷が指示された文書データに対して結合ジョブの設定が行われている場合、印刷データ制御部132は、印刷データに対して結合ジョブ設定情報を付加して画像形成装置200に送信する。
【0047】
図5は、ユーザによる結合ジョブの設定指示に基づいて表示される結合ジョブ設定画面G2の一例を示す図である。図5に示すように、結合ジョブ設定画面G2には、結合対象文書の文書データを保存する結合ジョブ設定フォルダ(記憶領域)を選択するためのフォルダ選択欄171と、ユーザが操作するプルダウンボタン171aとが表示されている。例えばユーザがプルダウンボタン171aにマウスポインタ160を移動させてクリック操作を行うと、結合ジョブ設定部131は、記憶装置150に既に作成されている記憶領域151,152,153,…のリストをプルダウン表示し、ユーザはそのリストの中から一の記憶領域を選択すると、それがフォルダ選択欄171に表示され、選択された状態となる。図例では、「00001」の記憶領域が選択された状態を示している。本実施形態において、この記憶領域の番号「00001」は、結合ジョブ設定部131が結合ジョブごとに自動付与する記憶領域(フォルダ)の管理番号となっている。
【0048】
フォルダ選択欄171の下側には、ユーザによって選択された記憶領域に保存されている文書データの一覧を表示するための結合対象文書一覧表示欄172が表示される。つまり、結合ジョブ設定部131は、ユーザが既存の記憶領域(フォルダ)を選択した場合、その記憶領域に対して既に保存されている文書データの情報を取得し、それを結合対象文書一覧表示欄172に表示する。図例の場合、管理番号「00001」の記憶領域には、既に2つの文書データが結合対象文書として保存されていることを示している。この結合ジョブに対して更なる文書データを結合対象文書として追加する場合、例えば結合対象文書一覧表示欄172の文書データが登録されていない空欄部分をクリックすることにより、表示画面は、結合対象文書追加設定画面へと遷移する。
【0049】
図6は、結合対象文書追加設定画面G3の一例を示す図である。この結合対象文書追加設定画面G3には、ユーザによって選択された結合ジョブ設定フォルダ(記憶領域)の管理番号181と、今回追加する文書の結合順序番号182とが表示される。ここで結合順序番号182は、結合ジョブ設定フォルダ(記憶領域)に対して記憶される順序に基づいて結合ジョブ設定部131が自動決定した番号が付与される。図例の場合、管理番号「00001」の記憶領域に対して保存する3つ目の文書データとなるため、結合順序番号は「3」となっている。また画面中央には、記憶領域に追加保存する結合対象文書データを指定するための文書データ指定欄183が表示される。この文書データ指定欄183には、デフォルト値として、例えばアプリケーション部120が読み込んでいる状態の文書データが表示される。また文書データ指定欄183の右側にはユーザが自由に追加保存する文書データを指定することができるように記憶装置150の中身を参照するための参照ボタン184が表示されている。したがって、ユーザは参照ボタン184をクリック操作することにより、デフォルト値を変更して記憶装置150に記憶されている各種の文書データの中から自由に結合対象文書データを選択することができる。
【0050】
文書データ指定欄183に表示されている文書データを管理番号「00001」の記憶領域に追加保存する場合、ユーザは、画面下部に表示されている実行ボタン185を操作する。これに対し、文書追加をキャンセルする場合は、キャンセルボタン186を操作する。ユーザにより実行ボタン185およびキャンセルボタン186のいずれか一方が操作されると、表示画面は、図5の結合ジョブ設定画面G2に戻る。このとき、文書データが追加されていれば、結合対象文書一覧表示欄172に追加された文書データが表示される。一方、文書データの追加がキャンセルされた場合、結合対象文書一覧表示欄172はそれ以前の表示と同様である。
【0051】
図5の結合ジョブ設定画面G2において、ユーザが新規の結合ジョブの設定を行う場合、記憶装置150にはその結合ジョブに対応する記憶領域は未だ作成されていないため、ユーザは新規作成ボタン173を操作する。結合ジョブ設定部131は、ユーザによる新規作成ボタン173の操作を検知すると、表示画面をフォルダ新規作成画面へと遷移させる。
【0052】
図7は、フォルダ新規作成画面G4の一例を示す図である。このフォルダ新規作成画面G4には、新規の結合ジョブに対応した記憶領域の管理番号表示欄191が表示され、その管理番号表示欄191には結合ジョブ設定部131が自動付与した管理番号が表示される。図例の場合、結合ジョブ設定部131が新規に作成する記憶領域の管理番号として「00002」を付与したことを示している。また画面中央には、新規の記憶領域を作成する際、記憶装置150のどこに作成するかを指定するための作成先指定欄192が表示される。この作成先指定欄192には、デフォルト値として、所定の作成先が表示されるが、ユーザは作成先指定欄192の右側にある参照ボタン193をクリック操作することにより、デフォルト値を変更して記憶装置150の任意の作成先に記憶領域を作成することができる。
【0053】
そしてユーザは、新規の結合ジョブに対応した記憶領域の作成を指示する場合、画面下部に表示されている実行ボタン194を操作する。結合ジョブ設定部131は、ユーザが実行ボタン194を操作すると、記憶装置150における指定された作成先に、新規の結合ジョブの文書データなどを保存するための記憶領域151を作成する。また記憶領域の作成をキャンセルする場合は、キャンセルボタン195を操作する。ユーザにより実行ボタン185およびキャンセルボタン186のいずれか一方が操作されると、表示画面は、図5の結合ジョブ設定画面G2に戻る。このとき、新規の記憶領域が作成されていれば、フォルダ選択欄171の表示は、新規に作成された記憶領域が選択された状態となっており、結合対象文書一覧表示欄172には文書データが登録されていない状態となる。ユーザは、新規の結合ジョブに対する結合対象文書を新規に作成した記憶領域に保存する場合、上述した文書データを結合対象文書として追加する操作を行えばよい。ユーザが文書データの追加操作を行うと、結合対象文書一覧表示欄172にその文書データが表示されるようになる。
【0054】
また図5の結合ジョブ設定画面G2では、結合対象文書一覧表示欄172に登録されている文書データを削除することもできる。ユーザが文書データの削除を行う場合、例えば、結合対象文書一覧表示欄172に表示されている文書データの中から削除すべき文書データをクリック操作することによって選択する。その選択した状態で、ユーザは、さらにキーボードの削除ボタンなどを操作することで結合対象文書一覧表示欄172に登録されている文書データを削除することができる。
【0055】
上記のようにしてユーザが結合ジョブの設定を行った後、図5に示す結合ジョブ設定画面G2において実行ボタン174のクリック操作を行うと、結合ジョブ設定部131は、その結合ジョブの設定を有効な状態に反映させて結合ジョブの設定処理を終了する。そして図4のプリント設定画面G1に戻る。またユーザが図5に示すキャンセルボタン175を操作すると、結合ジョブ設定部131は、それまでの設定内容を反映させず、結合ジョブの設定処理を終了する。そして図4のプリント設定画面G1に戻る。
【0056】
このような結合ジョブの設定操作によれば、例えばアプリケーション部120が結合対象文書となる最初の文書データを読み出している状態で印刷指示を行えば、それに伴う一連の操作として、結合ジョブを構成する複数の文書を結合対象文書として登録することができる。
【0057】
上記のようにして結合ジョブの設定を行うことにより、記憶装置150における記憶領域151には、結合ジョブに対応した結合ジョブ設定情報と、結合対象文書の文書データとが保存される。図8は、記憶領域151に記憶される結合ジョブ設定情報DSと、文書データDF1,DF2,DF3,…DFnとを示す図である。図8に示すように、結合ジョブ設定情報DSは、記憶領域151の管理番号D1と、文書データDF1〜DFnのそれぞれに対応する文書データ情報D2と、結合ジョブを印刷する際の印刷設定情報D3とを含む情報である。管理番号D1は、記憶領域151に対応した情報であると共に、結合ジョブを特定するための情報である。また文書データ情報D2は、記憶領域151に保存されている文書データDF1〜DFnを特定するための情報である。この文書データ情報D2において、文書データ情報1〜Nは結合順序番号に対応している。そのため、この文書データ情報D2を参照すれば、結合ジョブを構成する文書データと、結合ジョブを実行する際の結合順序とを把握することができる。また印刷設定情報D3は、結合ジョブを実行する際の各種印刷設定を示した情報である。本実施形態の場合、印刷設定情報D3は、結合ジョブ設定部131が記憶領域151に最初の文書データDF1を保存する際、その文書データDF1の印刷設定に基づいて印刷設定情報D3を生成する。例えば、最初の文書データDF1を保存する際、図4のプリント設定画面G1に表示されていた印刷設定欄163の設定状態に基づき印刷設定情報D3を生成する。したがって、ユーザは、2つ目以降の文書データを登録する際、印刷設定を行う必要がないので、操作負担が軽減される。
【0058】
次に、結合ジョブ設定部131による処理手順の一例について説明する。図9および図10は、結合ジョブ設定部131が結合ジョブの設定を行う際の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、結合ジョブ設定部131は、図5の結合ジョブ設定画面G2を表示している状態で、ユーザにより既存フォルダが選択されたか否かを判断する(ステップS11)。ユーザが既存フォルダを選択した場合、結合ジョブ設定部131は、その選択された記憶領域151に保存されている結合ジョブ設定情報DSを取得し(ステップS12)、その記憶領域151に既に保存されている文書データを結合対象文書一覧表示欄172に表示する(ステップS13)。
【0059】
一方、ユーザが既存フォルダを選択しなかった場合は(ステップS11でNO)、次にフォルダの新規作成が指示されたか否かを判断し(ステップS14)、フォルダの新規作成が指示されている場合は、新規に作成する記憶領域の管理番号を付与し(ステップS15)、ユーザによって指定された情報に基づいて記憶装置150に記憶領域151を作成する(ステップS16)。そして、結合ジョブ設定情報DSを生成し、記憶領域151に保存する(ステップS17)。尚、このとき、新規に作成した記憶領域151には、文書データは保存されていないため、結合ジョブ設定情報DSには、管理番号D1のみが含まれることになる。
【0060】
そして結合ジョブ設定部131は、ユーザにより文書データの追加が指示されたか否かを判断する(ステップS18)。文書データの追加が指示された場合(ステップS18でYES)、結合ジョブ設定部131は、結合順序番号を付与し(ステップS19)、ユーザによって指定された文書データを記憶領域151に格納保存する(ステップS20)。そしてステップS20で保存した文書データに関する文書データ情報を結合ジョブ設定情報DSに追加して更新する(ステップS21)。これに対し、ユーザにより文書データの追加が指示されていない場合(ステップS18でNO)、結合ジョブ設定部131は、ステップS19〜S21の処理をスキップする。
【0061】
図10のフローチャートに進み、次に結合ジョブ設定部は、ユーザにより文書データの削除が指示されたか否かを判断する(ステップS22)。文書データの削除が指示された場合(ステップS22でYES)、結合ジョブ設定部131は、ユーザによって指定された文書データを記憶領域151から削除し(ステップS23)、記憶領域151に保存されているその他の文書データの結合順序番号を変更する(ステップS24)。そして結合ジョブ設定情報DSを更新する(ステップS25)。続いて結合ジョブ設定部131は、削除した文書データに対応する印刷データを既に画像形成装置200に送信済みであるか否かを判断し(ステップS26)、送信済みであれば、画像形成装置200に対して印刷データの削除指示を送信する(ステップS27)。これに対し、削除した文書データに対応する印刷データが未送信であれば、ステップS27の処理をスキップし、終了する。一方、ユーザにより文書データの削除が指示されていなかった場合(ステップS22でNO)、ステップS23〜S27をスキップし、終了する。尚、図9のステップS14においてユーザがフォルダの新規作成の指示も行わなかった場合(ステップS14でNO)、結合ジョブの設定操作は行われず、キャンセル操作が行われたものとしてこの処理を終了する。
【0062】
結合ジョブ設定部131が上記のような処理手順を繰り返し実行することにより、記憶装置150には結合ジョブごとの記憶領域151,152,153,…が作成され、各記憶領域151,152,153,…には、各結合ジョブを構成する文書データと、各結合ジョブに対応した結合ジョブ設定情報DSとが保存される。
【0063】
そして本実施形態では、ユーザが上記のようにして情報処理装置100を操作することにより、例えば記憶装置150に作成した記憶領域151に対して当該結合ジョブを構成する全ての文書データを保存した後、その記憶領域151に保存されている文書データを読み出して印刷指示を与えれば、印刷データ制御部132が機能し、結合ジョブを構成する文書データに基づいて印刷データを生成し、その印刷データに結合ジョブ設定情報DSを付加して画像形成装置200に送信する。そして、このような印刷指示を記憶領域151に保存されている当該結合ジョブを構成する全ての文書データに対して行うことにより、情報処理装置100は画像形成装置200に対して結合ジョブを構成する全ての文書データに基づく印刷データを送信することができる。尚、このような印刷指示は、通常の文書データを単独で印刷する場合と同様である。
【0064】
図11は、本実施形態の画像形成システム1において結合ジョブを実行する際の処理概念を示す図である。図11では、情報処理装置100において、ある結合ジョブを構成する3つの文書データDF1,DF2,DF3が記憶領域151に保存されている場合を例示している。尚、文書データ1〜3の数字は、それぞれ結合順序番号を表している。
【0065】
その状態で、例えばユーザがはじめに文書データ1を読み出して印刷指示を行った場合、印刷データ制御部132は、文書データDF1に基づいて印刷データDP1を生成し、その印刷データDP1に結合ジョブ設定情報DSを付加して画像形成装置200に送信する。画像形成装置200は、情報処理装置100から印刷データDP1を受信すると、データ解析部230がデータ解析を行って結合ジョブであるか否かを判断し、結合ジョブであることが特定されると、受信した印刷データDP1と結合ジョブ設定情報DSとをデータ管理部240に出力する。データ管理部240は、特定された結合ジョブに対応する記憶領域が記憶装置260において既に作成されているか否かを判断し、新規の結合ジョブであれば、記憶装置260に対してその新規の結合ジョブに対応する記憶領域261を作成する。そしてデータ管理部240は、作成した記憶領域261に、受信した印刷データDP1と結合ジョブ設定情報DSとを保存する。尚、データ管理部240は、印刷データDP1を記憶領域261に保存したタイミングから一定期間、その保存状態を継続させるため、記憶領域261に対して印刷データDP1の保存期間を設定する。
【0066】
データ管理部240は、印刷データDP1を記憶領域261に保存すると、結合ジョブ設定情報DSを参照し、結合ジョブを構成する全ての印刷データが揃ったか否かを判断する。そしてこの時点では、結合ジョブを構成する3つの文書データのうちの1番目の文書データDF1に基づく印刷データDP1だけが保存された状態であるので、結合ジョブは未だ実行することができないことを把握する。
【0067】
次に情報処理装置100においてユーザが文書データ2を読み出して印刷指示を行った場合、印刷データ制御部132は、文書データDF2に基づいて印刷データDP2を生成し、その印刷データDP2に結合ジョブ設定情報DSを付加して画像形成装置200に送信する。画像形成装置200は、情報処理装置100から印刷データDP2を受信すると、データ解析部230がデータ解析を行って結合ジョブであるか否かを判断し、結合ジョブであることが特定されると、受信した印刷データDP2と結合ジョブ設定情報DSとをデータ管理部240に出力する。データ管理部240は、特定された結合ジョブに対応する記憶領域が記憶装置260において既に作成されているか否かを判断する。この場合、データ管理部240は、当該結合ジョブに対応する記憶領域261が既に作成されていると判断するので、その記憶領域261に対し、受信した印刷データDP2を保存する。尚、結合ジョブ設定情報DSについては、既に保存されているものに対して上書き保存を行っても良いし、同じ情報であれば特に保存処理を行わなくても良い。
【0068】
データ管理部240は、印刷データDP2を記憶領域261に保存すると、結合ジョブ設定情報DSを参照し、結合ジョブを構成する全ての印刷データが揃ったか否かを判断する。そしてこの時点でも、結合ジョブを構成する3つの文書データのうちの1番目と2番目の文書データDF1,DF2に基づく印刷データDP1,DP2だけが保存された状態であるので、結合ジョブは未だ実行することができないことを把握する。
【0069】
さらに続いて情報処理装置100においてユーザが文書データ3を読み出して印刷指示を行った場合、印刷データ制御部132は、文書データDF3に基づいて印刷データDP3を生成し、その印刷データDP3に結合ジョブ設定情報DSを付加して画像形成装置200に送信する。画像形成装置200は、情報処理装置100から印刷データDP3を受信すると、データ解析部230がデータ解析を行って結合ジョブであるか否かを判断し、結合ジョブであることが特定されると、受信した印刷データDP2と結合ジョブ設定情報DSとをデータ管理部240に出力する。データ管理部240は、特定された結合ジョブに対応する記憶領域が記憶装置260において既に作成されているか否かを判断するが、この場合においても、当該結合ジョブに対応する記憶領域261が既に作成されていると判断するので、その記憶領域261に対し、受信した印刷データDP3を保存する。尚、ここでも結合ジョブ設定情報DSについては、既に保存されているものに対して上書き保存を行っても良いし、同じ情報であれば特に保存処理を行わなくても良い。
【0070】
そしてデータ管理部240は、印刷データDP3を記憶領域261に保存すると、結合ジョブ設定情報DSを参照し、結合ジョブを構成する全ての印刷データが揃ったか否かを判断する。そしてこの時点では、結合ジョブを構成する3つの文書データDF1,DF2,DF3に対応する全ての印刷データDP1,DP2,DP3を保存したことが判明するので、データ管理部240は、結合ジョブ実行部251に対して結合ジョブの実行を指示する。これにより、画像形成装置200では、記憶領域261に保存された3つの印刷データDP1,DP2,DP3が読み出され、それぞれの印刷データが結合順序番号に従って結合される。そして結合したひとつの印刷データが生成され、画像形成部202に出力されると共に、結合ジョブが実行される。
【0071】
尚、図11の例では、文書データ1,2,3の順序で印刷データを送信する場合を例示したが、印刷データに付加される結合ジョブ設定情報DSには、結合順序番号に関する情報も含まれるため、結合順序とは異なる順序で印刷データを送信した場合でも、画像形成装置200では全ての印刷データを受信した後、結合ジョブ設定情報DSに含まれる結合順序番号に従って正確に印刷データの結合を行うことができる。
【0072】
次に、本実施形態の画像形成システム1において結合ジョブを実行する際の情報処理装置100および画像形成装置200でのそれぞれの動作について説明する。まず、図12は、情報処理装置100の印刷データ制御部132によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。プリンタドライバ130が起動すると、印刷データ制御部132は、ユーザによる印刷指示を待機する状態となる(ステップS100)。例えば情報処理装置100のアプリケーション部120が文書データを読み出している状態でユーザが印刷指示を行うと、印刷データ制御部132は、その文書データに基づいて印刷データを生成する(ステップS101)。そして、その文書データが結合ジョブの記憶領域151に保存されている文書データであるか否かを判断し(ステップS103)、結合ジョブの記憶領域151に保存されている文書データである場合には、その記憶領域151から結合ジョブ設定情報DSを読み出し、印刷データに付加する(ステップS103)。そして結合ジョブ設定情報DSを付加した印刷データを画像形成装置200へ送信する(ステップS104)。一方、結合ジョブの記憶領域151に保存されていた文書データでない場合(ステップS102でNO)、印刷データ制御部132は、単独の文書の印刷であると判断し、生成した印刷データだけをそのまま画像形成装置200へ送信する(ステップS104)。
【0073】
情報処理装置100の印刷データ制御部132が上記のような処理を行うことにより、結合ジョブを構成する文書データに基づいて印刷データを生成した場合には、その結合ジョブに関する結合ジョブ設定情報DSが付加された状態で印刷データが画像形成装置200に送信される。
【0074】
次に、図13は、画像形成装置200の制御部220によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば制御部220によって一定時間間隔で定期的に繰り返し行われるようになっている。
【0075】
制御部220は、この処理を開始すると、印刷データを受信したか否かを判断する(ステップS200)。印刷データを受信していなければ、この処理は終了する。これに対し、印刷データを受信していれば、データ解析部230が受信した印刷データを解析し、結合ジョブ設定情報DSが付加されているか否かを判断する(ステップS201)。ここで、結合ジョブ設定情報DSが付加されていない印刷データであれば(ステップS201でNO)、この処理はステップS209へとジャンプし、ジョブ実行部250が受信した印刷データに基づく画像形成処理を行って処理を終了する。つまり、この場合は、結合ジョブではなく、単独のジョブが実行されることになる。
【0076】
一方、受信した印刷データに結合ジョブ設定情報DSが付加されている場合(ステップS201でYES)、データ管理部240が機能し、記憶装置260において、その結合ジョブに対応した記憶領域が未作成であるか否かを判断する(ステップS202)。そして記憶領域が未作成であれば、当該結合ジョブに対応した新規の記憶領域を記憶装置260に作成する(ステップS203)。尚、当該結合ジョブに対応した記憶領域が既に作成されている場合、ステップS203はスキップする。
【0077】
そしてデータ管理部240は、受信した印刷データを、記憶装置260の当該結合ジョブに対応した記憶領域に保存する(ステップS204)。またデータ管理部240は、印刷データに付加されていた結合ジョブ設定情報DSを、同じ記憶領域に保存する(ステップS205)。尚、受信した印刷データに付加されていた結合ジョブ設定情報DSと同じ情報が既にその記憶領域に保存されている場合、ステップS205の処理はスキップしても構わない。
【0078】
次にデータ管理部240は、結合ジョブ判定を行う(ステップS206)。この結合ジョブ判定では、ステップS204で印刷データを保存したことによって、当該結合ジョブを構成する全ての印刷データが揃ったか否かが判定される。具体的には、記憶領域に保存されている結合ジョブ設定情報DSに基づいて結合ジョブを構成する複数の文書データを把握し、それら複数の文書データに対応する全ての印刷データが受信されていれば、結合ジョブ実行可能と判断する。これに対し、結合ジョブを構成する複数の文書データに対応する全ての印刷データが揃っていなければ、結合ジョブ実行不可能と判断する。
【0079】
そしてデータ管理部240は、結合ジョブ判定結果に基づいて結合ジョブの全ての印刷データを受信したか否かを判断し(ステップS207)、全ての印刷データが揃っていない場合は(ステップS207でNO)、この処理を終了する。これに対し、全ての印刷データが揃った場合(ステップS207でYES)、データ管理部240は結合ジョブ実行部251に対して結合ジョブの実行を指示する。そして結合ジョブ実行部251は、当該結合ジョブの記憶領域に保存されている全ての印刷データを読み出し、結合ジョブ設定情報DSに基づいて印刷データの結合処理を実行する(ステップS208)。これにより、結合ジョブを構成する複数の印刷データから、ひとつの印刷データが生成される。そして結合ジョブ実行部251は、結合生成した印刷データに基づいて画像形成処理を行い、結合ジョブを実行する(ステップS209)。そして結合ジョブの実行が終了すると、この処理は終了する。
【0080】
図14乃至図18は、本実施形態の画像形成システム1における結合ジョブの実行形態を具体的に説明するための図である。この例では、図14に示すように、情報処理装置100の記憶装置150に、5つの文書データが保存されており、結合ジョブが設定された記憶領域151には3つの文書データ1〜3が保存され、他の2つの文書データA,Bには結合ジョブの設定が行われていない場合を示している。まず、図14に示すように、ユーザが文書データAの印刷指示を行った場合、情報処理装置100は、文書データAに基づく印刷データAを生成し、画像形成装置200に送信する。この印刷データAには、結合ジョブ設定情報DSは付加されない。そのため、画像形成装置200は、印刷データAを受信すると、そのまま印刷データAに基づいて印刷出力を行い、文書データAに基づく印刷物PAを出力する。
【0081】
次に図15に示すように、ユーザが文書データ1の印刷指示を行った場合、情報処理装置100は、文書データ1に基づく印刷データ1を生成し、画像形成装置200に送信する。文書データ1は結合対象文書であるため、この印刷データ1には、結合ジョブ設定情報DSが付加される。そのため、画像形成装置200は、印刷データ1を受信すると、結合ジョブ設定情報DSに基づいて記憶領域261を新規作成し、受信した印刷データ1と結合ジョブ設定情報DSとをその記憶領域261に保存する。この時点では、結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2,3が揃っていないので、画像形成装置200はジョブの結合を行わない。
【0082】
次に図16に示すように、ユーザが文書データ2の印刷指示を行った場合、情報処理装置100は、文書データ2に基づく印刷データ2を生成し、画像形成装置200に送信する。文書データ2は結合対象文書であるため、この印刷データ2には、結合ジョブ設定情報DSが付加される。そのため、画像形成装置200は、印刷データ2を受信すると、その結合ジョブに対応する記憶領域261に、受信した印刷データ2と結合ジョブ設定情報DSとを保存する。この時点でも、結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2,3が揃っていないので、画像形成装置200はジョブの結合を行わない。
【0083】
次に図17に示すように、ユーザが文書データBの印刷指示を行った場合、情報処理装置100は、文書データBに基づく印刷データBを生成し、画像形成装置200に送信する。この印刷データBには、結合ジョブ設定情報DSは付加されない。そのため、画像形成装置200は、印刷データBを受信すると、そのまま印刷データBに基づいて印刷出力を行い、文書データBに基づく印刷物PBを出力する。
【0084】
次に図18に示すように、ユーザが文書データ3の印刷指示を行った場合、情報処理装置100は、文書データ3に基づく印刷データ3を生成し、画像形成装置200に送信する。文書データ3は結合対象文書であるため、この印刷データ3には、結合ジョブ設定情報DSが付加される。そのため、画像形成装置200は、印刷データ3を受信すると、その結合ジョブに対応する記憶領域261に、受信した印刷データ3と結合ジョブ設定情報DSとを保存する。この時点では、結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2,3が揃ったことになるので、画像形成装置200は印刷データ1,2,3を結合し、文書データ1,2,3の内容が含まれる印刷データを生成する。そして画像形成装置200は、その印刷データに基づいて印刷出力を行い、文書データ1,2,3の内容が含まれる印刷物P1を出力する。
【0085】
このように本実施形態では、情報処理装置100から送信される印刷データに結合ジョブ設定情報DSが付加されている場合、画像形成装置200においてその結合ジョブを構成する印刷データを保存するための記憶領域261を自動作成し、情報処理装置100から個別に入力する印刷データをその記憶領域261に自動保存する。そのため、従来は、画像形成装置において結合ジョブの印刷データを保存するための記憶領域を作成する作業をユーザ自身が手動操作で行っていたが、本実施形態ではユーザ自身がそのような作業を行う必要がなくなる。また結合ジョブに対応する記憶領域への印刷データの保存作業も従来はユーザ自身が手動操作で行っていたが、本実施形態ではユーザ自身がそのような作業も行う必要がなくなる。したがって、本実施形態の画像形成システム1は、結合ジョブを実行する場合のユーザの操作負担を著しく軽減することができるという利点がある。
【0086】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。本実施形態では、情報処理装置100が結合ジョブを構成する全ての印刷データを画像形成装置200に送信した後に少なくとも1つの結合対象文書が校正などによって更新された場合でもその更新された文書データに基づく印刷データを送信することで結合ジョブを実行することが可能な形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成システム1、情報処理装置100および画像形成装置200の構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0087】
図19は、第2の実施の形態において情報処理装置100の印刷データ制御部132によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。プリンタドライバ130が起動すると、印刷データ制御部132は、ユーザによる印刷指示を待機する状態となる(ステップS120)。例えば情報処理装置100のアプリケーション部120が文書データを読み出している状態でユーザが印刷指示を行うと、印刷データ制御部132は、その文書データに基づいて印刷データを生成する(ステップS121)。そして、その文書データが結合ジョブの記憶領域151に保存されている文書データであるか否かを判断し(ステップS122)、結合ジョブの記憶領域151に保存されている文書データである場合には、さらに、既に印刷データを送信したことのある文書データか否かを判断する(ステップS123)。ここでは、例えば文書データのファイル名などに基づいて既に印刷データを送信したことがあるか否かが判断される。そして既に印刷データを送信したことがある場合、今回の印刷データは、前回送信した印刷データとは異なり、文書データの中身が更新されているものと判断する。そして結合ジョブ設定情報を更新する(ステップS124)。例えば、今回の印刷データは、前回の印刷データとは異なる印刷データに更新されていることを示す情報を結合ジョブ設定情報に記述し、更新する。これに対し、ステップS121で生成した印刷データが、それ以前に画像形成装置200に送信されていない場合(ステップS123でNO)、ステップS124の処理はスキップする。
【0088】
そして印刷データ制御部132は、結合ジョブ設定情報DSを印刷データに付加し(ステップS125)、その結合ジョブ設定情報DSを付加した印刷データを画像形成装置200へ送信する(ステップS126)。一方、結合ジョブの記憶領域151に保存されていた文書データでない場合(ステップS122でNO)、印刷データ制御部132は、単独の文書の印刷であると判断し、生成した印刷データだけをそのまま画像形成装置200へ送信する(ステップS126)。
【0089】
本実施形態の情報処理装置100において印刷データ制御部132が上記のような処理を行うことにより、結合ジョブを構成する文書データに基づく印刷データが画像形成装置200に送信された後、ユーザが文書データの中身を更新して再度印刷指示を行った場合には、その更新された文書データに基づく印刷データが生成されると共に、その印刷データに付加される結合ジョブ設定情報DSには、印刷データが更新されていることを示す情報が含まれる。そのため、画像形成装置200では、既に受信している印刷データを再度受信した場合でも、結合ジョブ設定情報DSを確認すれば、印刷データが更新されているか否かを把握することができる。
【0090】
図20は、第2の実施の形態において画像形成装置200の制御部220によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば制御部220によって一定時間間隔で定期的に繰り返し行われるようになっている。
【0091】
制御部220は、この処理を開始すると、印刷データを受信したか否かを判断する(ステップS220)。印刷データを受信していなければ、この処理は終了する。これに対し、印刷データを受信していれば、データ解析部230が受信した印刷データを解析し、結合ジョブ設定情報DSが付加されているか否かを判断する(ステップS221)。ここで、結合ジョブ設定情報DSが付加されていない印刷データであれば(ステップS221でNO)、この処理はステップS231へとジャンプし、ジョブ実行部250が受信した印刷データに基づく画像形成処理を行って処理を終了する。つまり、この場合は、結合ジョブではなく、単独のジョブが実行されることになる。
【0092】
一方、受信した印刷データに結合ジョブ設定情報DSが付加されている場合(ステップS221でYES)、データ管理部240が機能し、記憶装置260において、その結合ジョブに対応した記憶領域が未作成であるか否かを判断する(ステップS222)。そして記憶領域が未作成であれば、当該結合ジョブに対応した新規の記憶領域を記憶装置260に作成する(ステップS223)。尚、当該結合ジョブに対応した記憶領域が既に作成されている場合、ステップS223の処理はスキップする。
【0093】
そしてデータ管理部240は、受信した印刷データに付加されていた結合ジョブ設定情報DSが更新されているか否かを判断する(ステップS224)。例えば、結合ジョブ設定情報DSに、上述した印刷データが更新されていることを示す情報が含まれている場合、更新されていると判断する。そして結合ジョブ設定情報DSが更新されている場合(ステップS224でYES)、その結合ジョブに対応した記憶領域から更新された印刷データを削除する(ステップS225)。これに対し、結合ジョブ設定情報DSが更新されていない場合(ステップS224でNO)、ステップS225の処理はスキップする。
【0094】
そしてデータ管理部240は、受信した印刷データを、その結合ジョブに対応した記憶領域に保存する(ステップS226)。またデータ管理部240は、印刷データに付加されていた結合ジョブ設定情報DSを、同じ記憶領域に保存する(ステップS227)。尚、受信した印刷データに付加されていた結合ジョブ設定情報DSと同じ情報が既にその記憶領域に保存されている場合、ステップS227の処理はスキップしても構わない。
【0095】
次にデータ管理部240は、結合ジョブ判定を行う(ステップS228)。この結合ジョブ判定は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。そしてデータ管理部240は、結合ジョブ判定結果に基づいて結合ジョブの全ての印刷データを受信したか否かを判断し(ステップS229)、全ての印刷データが揃っていない場合は(ステップS229でNO)、この処理を終了する。これに対し、全ての印刷データが揃った場合(ステップS229でYES)、データ管理部240は結合ジョブ実行部251に対して結合ジョブの実行を指示する。そして結合ジョブ実行部251は、当該結合ジョブの記憶領域に保存されている全ての印刷データを読み出し、結合ジョブ設定情報DSに基づいて印刷データの結合処理を実行する(ステップS230)。これにより、結合ジョブを構成する複数の印刷データから、ひとつの印刷データが生成される。そして結合ジョブ実行部251は、結合生成した印刷データに基づいて画像形成処理を行い、結合ジョブを実行する(ステップS231)。そして結合ジョブの実行が終了すると、この処理は終了する。
【0096】
画像形成装置200が上記のような処理を行うことにより、結合ジョブの記憶領域261に既に保存されている印刷データを再度受信した場合、その印刷データが更新された文書データに基づくものであれば、記憶領域261に保存されていた印刷データを新たに受信した印刷データに置き換えて結合ジョブを実行することができる。
【0097】
図21は、本実施形態の画像形成システム1における結合ジョブの実行形態を具体的に説明するための図である。この例では、図18に示したように、画像形成装置200の記憶領域261に結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2,3が揃っている状態で、その後、ユーザが文書データ2を再編集し、文書データ2Aとして再度印刷指示を行った場合を示している。図21に示すように、ユーザが文書データ2Aの印刷指示を行った場合、情報処理装置100は、文書データ2Aに基づく印刷データ2Aを生成し、画像形成装置200に送信する。この印刷データ2Aには、印刷データ2が印刷データ2Aに更新されたことを示す結合ジョブ設定情報DSが付加される。そのため、画像形成装置200は、印刷データ2Aを受信すると、その結合ジョブに対応する記憶領域261に保存されている印刷データ2を削除し、受信した印刷データ2Aと結合ジョブ設定情報DSとを記憶領域261に保存する。この時点では、結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2A,3が全て揃ったことになるので、画像形成装置200は印刷データ1,2A,3を結合し、文書データ1,2A,3の内容が含まれる印刷データを生成する。そして画像形成装置200は、その印刷データに基づいて印刷出力を行い、文書データ1,2A,3の内容が含まれる印刷物P2を出力する。
【0098】
したがって、本実施形態では、情報処理装置100から画像形成装置200に対して既に印刷データを送信している文書データを変更した場合でも、その変更した文書データに基づく印刷データを送信するだけで結合ジョブを実行させることができる。つまり、他の結合対象文書に変更がない場合、他の結合対象文書に基づく印刷データをあらためて画像形成装置200に再送信する必要はないため、ユーザの操作負担が軽減されると共に、結合ジョブを効率的に実行することが可能になる。
【0099】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。本実施形態では、情報処理装置100が、画像形成装置200において結合ジョブの記憶領域261に既に保存されている印刷データに関する情報を取得し、画像形成装置200での印刷データの保存状況に応じて結合ジョブの実行に不足している印刷データを生成し、画像形成装置200に送信する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成システム1、情報処理装置100および画像形成装置200の構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0100】
図22は、第3の実施の形態において情報処理装置100の印刷データ制御部132によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理を開始すると、印刷データ制御部132は、ユーザによる結合ジョブの印刷指示を待機する状態となる(ステップS140)。そして結合ジョブの印刷指示が与えられると、印刷データ制御部132は、印刷指示が与えられた結合ジョブを特定し、画像形成装置200に対して保存状況送信要求を行う(ステップS141)。これにより、印刷データ制御部132は、画像形成装置200から特定した結合ジョブに関する印刷データの保存状況の通知を受信する(ステップS142)。そして印刷データ制御部132は、画像形成装置200において結合ジョブを構成する印刷データの保存状況を判定する(ステップS143)。そして結合ジョブを実行するために不足している印刷データがあるか否かを判断し(ステップS144)、不足している印刷データがあれば(ステップS144でYES)、その不足している印刷データを特定し(ステップS145)、それに対応した文書データを記憶領域261から読み出す(ステップS146)。印刷データ制御部132は、その読み出した文書データに基づいて印刷データを生成し(ステップS147)、結合ジョブ設定情報DSを付加し(ステップS148)、画像形成装置200へ送信する(ステップS149)。したがって、情報処理装置100は、画像形成装置200において結合ジョブを実行するために不足している印刷データを確認した上で、その不足している印刷データを送信することができる。尚、不足している印刷データが複数ある場合には、上記ステップS145〜S149を繰り返し実行するように構成すれば良い。
【0101】
一方、画像形成装置200において結合ジョブを実行するために不足している印刷データがない場合(ステップS144でNO)、情報処理装置100は、画像形成装置200に対して空データを送信する。この空データは、印刷データが含まれていないデータであって、結合ジョブ設定情報DSのみから成るデータである。
【0102】
次に、図23および図24は、第3の実施の形態において画像形成装置200の制御部220によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば制御部220によって一定時間間隔で定期的に繰り返し行われるようになっている。
【0103】
制御部220がこの処理を開始すると、データ解析部230が機能し、保存状況送信要求を受信したか否かを判断する(ステップS240)。保存状況送信要求を受信した場合、データ管理部240が、保存状況送信要求にある結合ジョブを特定し(ステップS241)、その結合ジョブに対応した記憶領域261を検査する(ステップS242)。そしてその記憶領域261に保存されている結合ジョブ設定情報DSと印刷データとを対して結合ジョブの実行に必要な印刷データの保存状況を判定する(ステップS243)。そしてデータ管理部240は通信インタフェース210を介して情報処理装置100に対し、指定された結合ジョブに対応した記憶領域261に保存されている印刷データに関する情報を送信することによって印刷データの保存状況を通知する(ステップS244)。
【0104】
一方、保存状況送信要求を受信していなかった場合(ステップS240でNO)、制御部220はデータ受信処理を実行する(ステップS245)。図24は、このデータ受信処理(ステップS245)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。データ解析部230は、情報処理装置100から空データを受信したか否かを判断し(ステップS251)、空データを受信した場合には(ステップS251でYES)、その空データに含まれる結合ジョブ設定情報DSに基づいて結合ジョブを特定する(ステップS252)。そしてデータ管理部240は、結合ジョブ実行部251に対して結合ジョブの実行を指示する。結合ジョブ実行部251は、データ管理部240からの指示に基づいて、その結合ジョブに対応した記憶領域261に保存されている全ての印刷データを読み出し(ステップS253)、各印刷データを結合ジョブ設定情報DSに基づいて印刷データの結合処理を実行する(ステップS254)。これにより、結合ジョブを構成する複数の印刷データから、ひとつの印刷データが生成される。そして結合ジョブ実行部251は、結合生成した印刷データに基づいて画像形成処理を行い、結合ジョブを実行する(ステップS255)。そして結合ジョブの実行が終了すると、この処理は終了する。
【0105】
また空データを受信していなかった場合(ステップS251でNO)、データ解析部230は、印刷データを受信したか否かを判断する(ステップS256)。ここで印刷データも受信していなかった場合は、処理を終了する。これに対し、印刷データを受信している場合は(ステップS256でYES)、制御部220は印刷データ受信処理を実行する(ステップS257)。この印刷データ受信処理は、例えば図13のフローチャートのステップS201〜S209の処理、又は、図20のフローチャートのステップS221〜S231の処理と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0106】
画像形成装置200が上記のような処理を行うことにより、情報処理装置100から保存状況送信要求を受信した場合には結合ジョブの記憶領域261に保存されている印刷データに関する情報を送信することで印刷データの保存状況を情報処理装置100に通知することができる。また、情報処理装置100から空データを受信した場合には結合ジョブの記憶領域261において既に全て揃っている印刷データを結合して結合ジョブを実行することができる。また情報処理装置100から不足している印刷データを受信した場合には、その印刷データの受信に伴い、結合ジョブを実行することができる。
【0107】
図25は、本実施形態の画像形成システム1における結合ジョブの実行形態の一例を説明するための図である。この例では、図25に示すように、画像形成装置200の記憶領域261において結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2,3が揃っている状態を示している。図25に示すように、ユーザが結合ジョブの印刷指示を行うと、情報処理装置100は、保存状況送信要求を画像形成装置200に送信する。画像形成装置200は、この保存状況送信要求を受信すると、指定された結合ジョブに対応した記憶領域261における印刷データの保存状況を確認し、情報処理装置100に対して保存状況の通知を行う。この場合、画像形成装置200において結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2,3が揃っていることになるので、情報処理装置100は、画像形成装置200に対して空データを送信する。画像形成装置200は、この空データを受信すると、記憶領域261に保存している印刷データ1,2,3を結合し、文書データ1,2,3の内容が含まれる印刷データを生成する。そして画像形成装置200は、その印刷データに基づいて印刷出力を行い、文書データ1,2,3の内容が含まれる印刷物P1を出力する。
【0108】
このように本実施形態では、情報処理装置100から画像形成装置200に対して空データを送信することにより、結合ジョブを繰り返し実行させることができる。つまり、文書データ1,2,3を結合させた結合ジョブを画像形成装置200において繰り返し実行させる場合でも、情報処理装置100からあらためて印刷データを送信する必要はなく、効率的に印刷出力を行うことができる。また再印刷時には、ネットワーク9の通信負荷を軽減することもできる。
【0109】
次に図26は、本実施形態の画像形成システム1における結合ジョブの実行形態の別の例を説明するための図である。この例では、図26に示すように、画像形成装置200の記憶領域261において印刷データ2,3が保存されており、印刷データ1が不足している状態を示している。図26に示すように、ユーザが結合ジョブの印刷指示を行うと、情報処理装置100は、保存状況送信要求を画像形成装置200に送信する。画像形成装置200は、この保存状況送信要求を受信すると、指定された結合ジョブに対応した記憶領域261における印刷データの保存状況を確認し、情報処理装置100に対して保存状況の通知を行う。この場合、画像形成装置200において結合ジョブを構成する印刷データ1が不足していることになるので、情報処理装置100は、画像形成装置200に対して印刷データ1を送信する。このとき、結合ジョブ設定情報DSが印刷データ1に付加される。画像形成装置200は、この印刷データ1を受信すると、記憶領域261に保存する。そして結合ジョブを構成する全ての印刷データ1,2,3が揃ったことになるので、印刷データ1,2,3の結合が行われ、文書データ1,2,3の内容が含まれる印刷データが生成される。そして画像形成装置200は、その印刷データに基づいて印刷出力を行い、文書データ1,2,3の内容が含まれる印刷物P1を出力する。
【0110】
このように本実施形態では、画像形成装置200において結合ジョブを実行するのに不足している印刷データがある場合、情報処理装置100が画像形成装置200とデータ通信を行ってその不足している印刷データを把握し、その不足している印刷データを画像形成装置200に送信する。その結果、画像形成装置200では、結合ジョブを実行するのに必要な印刷データが全て揃うこととなり、結合ジョブを実行することができるようになる。
【0111】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。本実施形態においては、画像形成装置200が結合ジョブの記憶領域261に保存している印刷データを削除する形態および結合ジョブに対応して作成した記憶領域261を削除する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成システム1、情報処理装置100および画像形成装置200の構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0112】
図27は、第4の実施の形態において画像形成装置200の制御部220によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば制御部220によって一定時間間隔で定期的に繰り返し行われるようになっている。またこの処理は、上述した第1乃至第3の実施の形態で説明した画像形成装置200における処理と並行して実行可能な処理となっている。
【0113】
制御部220がこの処理を開始すると、データ解析部230が機能し、情報処理装置100から印刷データ削除指示を受信したか否かを判断する(ステップS270)。情報処理装置100は、第1の実施の形態で説明したように、既に画像形成装置200に対して印刷データが送信された文書データを削除した場合、その削除に伴って画像形成装置200に印刷データの削除指示を送信する(図10のステップS27参照)。そのため、ステップS270ではその印刷データ削除指示を受信したか否かが判断される。そして印刷データ削除指示を受信していた場合、データ管理部240は、削除指示の与えられた印刷データが保存されている記憶領域261を特定し(ステップS271)、指定された印刷データを削除する(ステップS272)。そしてその記憶領域261に他の印刷データが保存されているか否かを判断し(ステップS273)、他の印刷データが保存されていなければ、記憶領域261そのものを削除する(ステップS274)。これに対し、記憶領域261に他の印刷データが残っていれば(ステップS273でYES)、記憶領域261を削除することなく、この処理を終了する。
【0114】
一方、印刷データ削除指示を受信していない場合(ステップS270でNO)、データ管理部240は、印刷データを保存してから所定期間が経過した記憶領域261があるか否かを判断する(ステップS275)。そして所定期間が経過した記憶領域261がある場合、その記憶領域261に保存されている印刷データを含め、記憶領域261そのものを削除する(ステップS276)。一方、所定期間が経過した記憶領域261がない場合(ステップS275でNO)、記憶領域261を削除することなく、この処理を終了する。
【0115】
このように本実施形態では、情報処理装置100において結合ジョブを構成する文書データが削除された場合、それに伴って情報処理装置100から画像形成装置200に対して印刷データ削除指示が与えられる。そして画像形成装置200は、その印刷データ削除指示に基づいて印刷データを削除する。このとき、印刷データが保存されていた記憶領域に他の印刷データが残らない場合には、記憶領域そのものが削除される。
【0116】
また本実施形態では、画像形成装置200が、印刷データを保存してから所定期間が経過した記憶領域261の存在を定期的に確認し、所定期間が経過した記憶領域261があれば、それを削除する。
【0117】
したがって、本実施形態では、画像形成装置200において不要な印刷データや長期間使用されない記憶領域などが記憶装置260を占有し続けることを防止することができる。特に、本実施形態では、ユーザが情報処理装置100において結合ジョブを構成するものとして登録しておいた文書データを削除すると、それに伴って画像形成装置200がそれに対応する印刷データを自動的に削除するため、ユーザは画像形成装置200の操作パネル203を操作して印刷データを削除する作業を行う必要がなくなり、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0118】
以上、本発明に関するいくつかの実施の形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、上述した他にも本発明には種々の変形例が適用可能である。すなわち、上述した説明は、全ての点において例示であって、本発明に関する限定的なものではない。
【符号の説明】
【0119】
1 画像形成システム
9 ネットワーク
100 情報処理システム
110 制御部
130 プリンタドライバ
131 結合ジョブ設定部(結合ジョブ設定手段)
132 印刷データ制御部(印刷データ制御手段)
140 通信インタフェース
150 記憶装置(記憶手段)
151,152,153 記憶領域(フォルダ)
200 画像形成装置
202 画像形成部
210 通信インタフェース(受信手段)
220 制御部
230 データ解析部(データ解析手段)
240 データ管理部(データ管理手段)
250 ジョブ実行部
251 結合ジョブ実行部(結合ジョブ実行手段)
260 記憶装置(記憶手段)
261,261,262 記憶領域(ボックス)
DS 結合ジョブ設定情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する画像形成装置であって、
結合ジョブを構成する各文書の印刷データを受信する受信手段と、
結合ジョブを構成する各文書の印刷データに付加されている結合ジョブ設定情報を解析して結合ジョブを特定するデータ解析手段と、
前記受信手段が受信した印刷データを、結合ジョブごとに所定の記憶領域に保存するデータ管理手段と、
前記所定の記憶領域において、結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが保存された場合、前記結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを実行する結合ジョブ実行手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記データ管理手段は、前記所定の記憶領域に保存した印刷データを一定期間継続して保存することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記データ管理手段は、前記受信手段の受信した印刷データが前記所定の記憶領域に既に保存されている印刷データの更新データである場合、該更新データに基づいて前記所定の記憶領域に既に保存されている印刷データを更新することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記データ管理手段は、前記所定の記憶領域に保存されている印刷データに関する情報を送信することによって印刷データの保存状況を通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する画像形成装置に対し、印刷データを出力する情報処理装置であって、
結合ジョブを構成する複数の文書データを、結合ジョブごとに割り当てられた所定の記憶領域に記憶する記憶手段と、
前記所定の記憶領域に記憶されている全ての文書データを特定するための情報を含む結合ジョブ設定情報を生成する結合ジョブ設定手段と、
前記所定の記憶領域に記憶されている少なくとも1つの文書データに対する印刷指示が与えられた場合、その印刷指示が与えられた文書データに基づいて印刷データを生成し、該印刷データに、前記結合ジョブ設定手段が生成する結合ジョブ設定情報を付加して前記画像形成装置に送信する印刷データ制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記印刷データ制御手段は、前記画像形成装置から結合ジョブを構成する複数の文書データのそれぞれに対応した印刷データの保存状況に関する情報を取得し、該保存状況に基づいて結合ジョブの実行に不足している印刷データを生成し、前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記印刷データ制御手段は、前記所定の記憶領域に記憶されている文書データを削除することに伴い、その削除する文書データに対応する印刷データの削除指示を前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項5又は6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記結合ジョブ設定手段は、前記所定の記憶領域に記憶されている文書データの更新に伴い、前記結合ジョブ設定情報を更新することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記結合ジョブ設定手段は、前記所定の記憶領域に記憶された順序に基づいて、複数の文書のそれぞれに対応する印刷データの結合順序を決定することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記結合ジョブ設定手段は、前記所定の記憶領域に対して最初に記憶される文書データの印刷設定に基づいて、結合ジョブを実行する際の印刷設定を行うことを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する画像形成装置と、前記画像形成装置に対して印刷データを出力する情報処理装置とを有する画像形成システムにおいて、
前記情報処理装置は、
結合ジョブを構成する複数の文書データを、結合ジョブごとに割り当てられた第1の記憶領域に記憶する記憶手段と、
前記第1の記憶領域に記憶されている全ての文書データを特定するための情報を含む結合ジョブ設定情報を生成する結合ジョブ設定手段と、
前記第1の記憶領域に記憶されている少なくとも1つの文書データに対する印刷指示が与えられた場合、その印刷指示が与えられた文書データに基づいて印刷データを生成し、該印刷データに、前記結合ジョブ設定情報を付加して前記画像形成装置に送信する印刷データ制御手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記結合ジョブ設定情報の付加された印刷データを受信する受信手段と、
前記結合ジョブ設定情報を解析して結合ジョブを特定するデータ解析手段と、
前記受信手段が受信した印刷データを、結合ジョブごとに第2の記憶領域に保存するデータ管理手段と、
前記第2の記憶領域において結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが保存された場合、前記結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを実行する結合ジョブ実行手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項12】
複数の文書のそれぞれに対応する印刷データを結合して結合ジョブを実行する方法であって、
結合ジョブを構成する各文書の印刷データを受信するステップと、
結合ジョブを構成する各文書の印刷データに付加されている結合ジョブ設定情報を解析して結合ジョブを特定するステップと、
結合ジョブごとに、印刷データを所定の記憶領域に保存するステップと、
結合ジョブを構成する全ての文書の印刷データが前記所定の記憶領域に保存された場合、前記結合ジョブ設定情報に基づいて印刷データを結合し、結合ジョブを実行するステップと、
を有することを特徴とする結合ジョブ実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−218338(P2010−218338A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65475(P2009−65475)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】