説明

画像形成装置、画像および画像形成方法

【課題】 中間転写体を用いたカラー画像形成装置において、中間転写体の金色トナー像と同じ場所に他の色のトナー像を積層して、キラキラと輝く華やかな豪華さのあるカラー画像を得ることのできる画像形成装置の提供、画像および画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 電子写真により金色の像を含む画像形成が可能な画像形成装置の感光体上に現像した金色トナー3と金色トナー以外の色5との全色トナー像を中間転写体に積層した後、像担持体4へ前記全色トナー像を転写し、定着して画像形成する画像形成装置であって、前記金色トナーにより形成された像である金色トナー像を前記中間転写体へ積層した後に、前記金色トナー以外の色のトナーの少なくとも一色から形成されるトナー像は、前記金色トナー像上に積層されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真技術を用いた画像形成装置、画像および画像形成方法に関し、特に金色の画像形成が可能な画像形成装置、画像および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
学校での卒業証書等の証明書、あるいは企業や公官庁での表彰状や感謝状のように、枠等に金色の画像を用いて華やかさ、豪華さを演出している画像においては、ほとんど同じ画像でありながら、名前や所属等、一部のみが異なる画像を大量に作成しなければならない場合がある。これらの画像は、予め枠等を印刷された専用紙を用いて手書きをしたりして対応をしていることが多かったが、専用紙はコストが高く、専用紙を作成する業者に発注する場合には、大量の枚数でないと受け付けてもらえないことが多く、例えば枠のデザインの変更は容易には行えなかった。
【0003】
昨今これら金色を用いた画像も、パソコンによる画像作成能力の向上と、画像形成装置の性能向上にともない、像形成することが可能となってきている。
【0004】
例えば、銅、亜鉛及びアルミニウムを主成分とした金属の微粉末を着色剤に用い金色及び金色トナーを用いた金色の画像を形成する発明が開示されている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、この画像の金色の部分は、単に金色であるだけで、安っぽい平坦な画像で、本来金色のもつ華やかで、豪華なイメージの画像とはかけ離れていた。
【0005】
また、光を反射するフレーク状物質をトナーに含有させ、金色の画像形成を行った画像が開示されている(例えば特許文献3、4、5参照)。これらの画像は、画像の角度を変えることでキラキラト光り、装飾性豊かな画像を作製することができる。しかしながら、金色のトナーの付着量が少ない画像では、平坦な画像となってしまい、華やかさの点で十分でなかった。華やかさをより豊かにするためには、金色のトナーの付着量を多くすれば良いのであるが、付着量を多くしすぎると、金色のトナーの消費量が激しくなりコストが高くなると共に、地汚れが激しくなり、装飾性豊かで、華やかな画像を得ることが難しかった。
【0006】
また、金色の画像形成ができる多色記録装置が開示されているが(例えば特許文献6参照)、やはり金色の画像は平坦な画像で、本来金色のもつ華やかで、豪華なイメージの画像を形成することは出来なかった。
【0007】
また、三原色と黒色トナー以外の4色以上のトナー像を現像することのできる像形成装置で、各色のトナー像を像担持体へ順次転写し、最後に金色トナーを像担持体へ転写させる画像形成装置が開示されている(例えば特許文献7、8参照)。
【0008】
また、金色トナーを含む各色のトナー像を中間転写体へ積層した後、転写体へ積層して金色画像を含むカラー画像を形成できる画像形成装置が開示されている(例えば特許文献9、10、11参照)。
【特許文献1】特公平6−73028号公報
【特許文献2】特開平9−160298号公報
【特許文献3】特開2002−351144号公報
【特許文献4】特開2004−61822号公報
【特許文献5】特開2003−207941号公報
【特許文献6】特公平3−41075号公報
【特許文献7】特開2001−13721号公報
【特許文献8】特開2004−70209号公報
【特許文献9】特開平10−177286号公報
【特許文献10】特開2004−70208号公報
【特許文献11】特開2002−229293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、金色がくすんだ色となって、美しさの面や、金色トナーの流動性、感光体への悪影響の面で好ましくなかったり、これらの画像形成装置で作成した画像の金色の画像部は平坦な画像となってしまい、華やかさ、豪華さの点で物足りなかった。また、金色の画像と他の色の画像が重なっている場所では、画像が重なっている場所と金色の画像のみの場所とで、華やかさに差があり、違和感を感じることがあり、金色トナーを使用することができなかった等の問題があった。
【0010】
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、中間転写体を用いたカラー画像形成装置において、中間転写体の金色トナー像と同じ場所に他の色のトナー像を積層して、キラキラと輝く華やかな豪華さのあるカラー画像を得ることのできる画像形成装置の提供、画像および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置の発明は、電子写真により金色の像を含む画像形成が可能な画像形成装置の感光体上に現像した金色トナーと金色トナー以外の色との全色トナー像を中間転写体に積層した後、像担持体へ前記全色トナー像を転写し、定着して画像形成する画像形成装置であって、前記金色トナーにより形成された像である金色トナー像を前記中間転写体へ積層した後に、前記金色トナー以外の色のトナーの少なくとも一色から形成されるトナー像は、前記金色トナー像上に積層されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の画像形成装置の発明は、請求項1において、前記金色トナー像上に積層されるトナーは、黄色または透明の少なくとも1つの色のトナーであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の画像形成装置の発明は、請求項1または2において、前記金色トナーが光を反射するフレーク状の物質を含有していることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、感光体上に現像した金色トナー像と金色トナー像以外の色のトナー像とを中間転写体に積層した後、像担持体へ全色のトナー像を転写し、定着して形成された画像であって、前記金色のトナー像を中間転写体へ積層した後、前記金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像は、前記金色トナー像上に積層されたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3に記載の画像形成装置を用いて得られた画像であって、金色のトナー像を中間転写体へ積層した後、前記金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像は、前記金色トナー像上に積層されたことを特徴とする金色の像を含む画像である。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、感光体上に現像した金色トナー像と金色トナー像以外の色のトナー像とを中間転写体に積層した後、像担持体へ全色のトナー像を転写し、定着して画像形成する画像形成装置を用いて、金色のトナー像を中間転写体へ積層した後、金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像を前記金色トナー像上に積層する画像形成方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電子写真により金色の像を含む画像形成が可能な画像形成装置において、該画像形成装置は感光体上に現像した金色トナー像と金色トナー像以外の色のトナー像を中間転写体に積層した後、像担持体へ全色のトナー像を転写、定着して画像形成する画像形成装置において、金色のトナー像を最初に中間転写体へ積層した後、金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像が、金色トナー像と同じ場所に積層されることを特徴とする画像形成装置により、キラキラと光り輝く、華やかな金色画像が形成可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明でフレーク状トナーを平坦に付着した場合の光の反射を示す説明図である。本発明者は、金色トナーを用いた画像の華やかな画像とはどのようなものか鋭意検討を重ねるうちに、金色トナーに含有している光を反射するフレーク状物質が様々な方向に光を反射させる必要があるのであるが、平坦な紙に付着量を少なく画像形成した場合には、光を反射するフレーク状物質は同じ様な方向に並んでしまい、偏った方向しか輝きは少なく、平坦な画像になってしまうことを見出した。
【0019】
そのため、金色トナーに含有している光を反射するフレーク状の物質をランダムで様々な方向に配置させるにはどのようにすれば良いか、本発明者はさらに検討を重ねた結果、中間転写体を用いたカラー画像形成装置においては、金色トナー像を最初に中間転写体へ転写した後、中間転写体の金色トナー像と同じ場所に他の色のトナー像を積層しておけば、中間転写体から像担持体へ転写され、定着した画像の金色トナー画像部分は、キラキラと華やかな画像となることを見出した。
【0020】
即ち、本発明は電子写真装置により金色の像を含む画像形成が可能な画像形成装置において、該画像形成装置は感光体上に現像した金色トナー像と金色トナー像以外の色のトナー像を中間転写体に積層した後、像担持体へ全色のトナー像を転写、定着して画像形成する画像形成装置において、金色のトナー像を最初に中間転写体へ積層した後、金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像が、金色トナー像と同じ場所に積層されることを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
図2は本発明に使用されるフレーク状トナーを他のトナー上に付着した場合の反射に関する説明図である。本発明の画像形成装置(たとえば電子写真装置)により作成したカラー画像が、キラキラと輝く華やかな画像である理由としては、図2に示すように、像担持体の上に金色トナーに含有されている光を反射するフレーク状物質が他の色のトナーの上にあると、光を反射するフレーク状物質は様々な方向に向くことになる。定着において、トナーは溶融し、光を反射するフレーク状物質の個々の向いている方向は変わってしまうが、全体として様々な方向(ランダムな方向)に向いていることは変わらないので、画像に入射した光は光を反射するフレーク状物質上で様々な方向へ反射されるため、本発明の画像はキラキラと輝く華やかな画像となる。
【0022】
本発明の電子写真装置において、金色トナーが中間転写体へ転写した後、中間転写体の金色トナー像と同じ場所に転写されるトナーの色としては、どのような色であっても良いが、黄色又は透明の少なくとも1つであると、金色が汚れることなく綺麗な画像形成ができるため好ましく、特に黄色は人間工学的に鑑みれば金色と色見が近く、鮮やかさを付加することができるため、とても好ましい。
【0023】
本発明の電子写真装置に用いる光を反射するフレーク状物質としては、十分な光沢を実現するものであれば特に制限されないが、金属粉、合金粉、フレーク状の金属粉、フレーク状の合金粉、金属が被覆された無機物の粉体、金属が被覆された有機物の粉体、金属が被覆された無機物のフレーク状粉体、金属が被覆された有機物のフレーク状粉体などが挙げられ、これらは1種単独で使用でき、または必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0024】
具体的には、白金粉、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉(ペールゴールド及びリッチゴールド等)、クロム粉、チタン粉、亜鉛粉、ニッケル粉、スズ粉などの金属粉および合金粉などを使用する。金色は金のように物質そのものが金色のものもあるが、光を反射する物質に黄色〜オレンジの色の層を設けることで、金色に見えるようになる。ただし、黄色〜オレンジの色の層が厚くなりすぎると、反射光が外色の層で吸収されてしまい、黄色〜オレンジ色となってしまうので、色の層も厚みは薄く、あるいは色の濃度を薄くする必要がある。
【0025】
光を反射する物質は、微粉末であっても金色を発現させることは可能であるが、平面的な色となってしまうため、フレーク状で、反射光を多くできる形状であることが、キラキラと光り輝く華やかな金色の画像を形成することができるため好ましい。
【0026】
光を反射するフレーク状物質はその物質そのものがフレーク状であっても良いが、例えばフレーク状のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ウレタン樹脂、カーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの樹脂の上に光を反射する物質を蒸着やスパッタ等の乾式法や、無電界めっきのような湿式法により作製されたフレーク状物質を用いる方が、生産性、均一性、経済性の面で好ましい。
【0027】
光を反射するフレーク状物質の多くが金属、あるいは合金の場合は導電性であるため、そのまま電子写真プロセスに持ち込むと、現像、帯電、転写時に、放電が生じる結果、感光体や部材を破壊する可能性が高いため、光を反射する物質は前述の黄色〜オレンジ色の光を透過させる樹脂や透明な樹脂や無機物で被覆していることが好ましい。
【0028】
具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、フッ化マグネシウム等の無機物で被覆されたフレーク状金属粉および合金粉;フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、カーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ等の有機物で被覆されたフレーク状金属粉および合金粉を使用する。
【0029】
また、シリカ、アルミナ、チタニア、フッ化マグネシウム等の無機物で被覆されたフレーク状金属粉およびフレーク状合金粉;フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、カーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ等の有機物で被覆されたフレーク状金属粉およびフレーク状合金粉を使用する。
【0030】
更に、金属および合金で被覆された無機物で、その被覆層が更にシリカ、アルミナ、チタニア、フッ化マグネシウム等の無機物で被覆された粉体およびフレーク;金属および合金で被覆された無機物で、その被覆層が更にフッ素樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、カーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ等の有機物で被覆された粉体およびフレーク;金属および合金で被覆された樹脂で、その被覆層が更にシリカ、アルミナ、チタニア、フッ化マグネシウム等の無機物で被覆された粉体およびフレーク;金属および合金で被覆された樹脂で、その被覆層が更にフッ素樹脂、シリコーン樹脂、エステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、カーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ等の有機物で被覆された粉体およびフレーク等を使用することができる。
【0031】
以上の様な光反射材(光を反射するフレーク状物質)の平均粒子径は、トナーの定着性および離型性などを損なうことなく、画像の十分な光沢を実現するために、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上の場合もあり、一方、500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましく、50μm以下の場合もある。必要に応じて、二種以上の光反射材を併用することもできる。
【0032】
また、光反射材のトナー全体に占める割合は、画像の十分な光沢を実現するために、0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、40重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
【0033】
一成分現像剤を作製する場合、光反射材を普通トナーに配合するが、光反射材を含有しないトナーと光反射材とを混合して現像剤を調製することもでき、光反射材を含有するトナーに更に光反射材を混合して現像剤を調製することもできる。
【0034】
また、二成分現像剤を作製する場合、光反射材を普通トナーに配合するが、キャリアに光反射材を配合することもでき、光反射材を含有しないトナーと光反射材を含有しないキャリアと光反射材とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に光反射材を配合し更に光反射材を混合して現像剤を調製することもできる。
【0035】
以上の様な場合、光反射材の現像剤全体に占める割合は、画像の十分な光沢を実現するために、0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、40重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
【0036】
(結着樹脂)
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単一重合体あるいは2種以上の単量体成分からなる共重合体などを使用したり、必要に応じて複数の樹脂(単一重合体および/または共重合体)を併用することもできる。
【0037】
また、十分な光沢を実現するためには透明な結着樹脂が好ましく、透明樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましく、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレー卜樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂などを使用することができる。
【0038】
例えば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0039】
一方、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂などの様に半透明樹脂を使用すれば、ソフト感のある光沢を実現できる。
以上の様な結着樹脂の中でも、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単一重合体あるいは複数の単量体成分からなる共重合体が好ましく、特にエステル系樹脂が低温での定着ができ好ましい。
【0040】
本発明のカラー画像に使用する金色トナー以外の色のトナーは、通常、電子写真用トナーとして使用されるものを、特に制限無く、使用することができる。
例えば、該電子写真用トナーに使用される結着剤樹脂の一例としては、ポリスチレン,ポリp−クロロスチレン,ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体,スチレン/プロピレン共重合体,スチレン/ビニルトルエン共重合体,スチレン/ビニルナフタレン共重合体,スチレン/アクリル酸メチル共重合体,スチレン/アクリル酸エチル共重合体,スチレン/アクリル酸ブチル共重合体,スチレン/アクリル酸オクチル共重合体,スチレン/メタクリル酸メチル共重合体,スチレン/メタクリル酸エチル共重合体,スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体,スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体,スチレン/アクリロニトリル共重合体,スチレン/ビニルメチルケトン共重合体,スチレン/ブタジエン共重合体,スチレン/イソプレン共重合体,スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル,ポリアクリル酸ブチル,ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体,ポリウレタン系重合体,ポリアミド系重合体,ポリイミド系重合体,ポリオール系重合体,エポキシ系重合体,テルペン系重合体,脂肪族または脂環族炭化水素樹脂,芳香族系石油樹脂などが挙げられ、1種単独で、あるいは2種以上適宜混合して使用できるが特にこれらに限定するものではない。
【0041】
中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリオール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であることが、電気特性,コスト面等から、より好ましいものである。更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂および/またはポリオール系樹脂の使用が、一層好ましい。
【0042】
また、該電子写真用トナーに使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料が使用でき、具体的には、カーボンブラック,ランプブラック,鉄黒,群青,ニグロシン染料,アニリンブルー,フタロシアニンブルー,フタロシアニングリーン,ハンザイエローG,ローダミン6Cレーキ,カルコオイルブルー,クロムイエロー,キナクリドンレッド,ベンジジンイエロー,ローズベンガル等を一種単独で、あるいは2種以上混合して用いる事ができる。
【0043】
更に、必要により、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、フェライト,マグネタイト,マグヘマイト等の酸化鉄類,鉄,コバルト,ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分を単独または混合して、トナー粒子へ含有させればよい。また、これらの成分は、着色剤成分として使用/併用する事もできる。
【0044】
また、該電子写真用現像剤に含まれるトナーは離型性物質を含む事が好ましく、これにより定着オイルを使用しないオイルレス定着を行いつつ、該キャリアの効果により現像剤の長寿命化をも図られる。トナー中に含ませる離型性物質としては、ポリエチレンワックス,プロピレンワックス,カルナウバワックス等のワックス類が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。これらの使用量としては、用いる材料の種類や定着の方法にもよるが、およそ0.5〜10.0重量%程度の使用が好ましく、3.0〜8.0重量%程度の使用が更に好ましい。
【0045】
トナー流動性や環境依存性改良のための添加剤としても、一般に公知のものが使用でき、例えば、酸化亜鉛,酸化錫,酸化アルミニウム,酸化チタン,酸化珪素,チタン酸ストロンチウム,チタン酸バリウム,チタン酸カルシウム,ジルコン酸ストロンチウム,ジルコン酸カルシウム,チタン酸ランタン,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,マイカ,ドロマイト等の無機粉末や、これらの疎水化物が単独または混合して使用できる。この他の添加剤として、ポリテトラフルオロエチレン,テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体,ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂微粒子をトナー表面改質剤として使用しても良い。これらは、添加する材料の種類にもよるが、トナー母体粒子100重量部に対して、およそ0.1〜10重量部程度を外添し、必要であれば適当な混合機により混合してトナー粒子表面に付着,凝着或いは、トナー粒子間隙で遊離した状態になるよう調整し、用いることができる。
【0046】
この他、帯電の立ち上がりをより良くするための電荷制御剤としては、一般に知られているものが使用でき、例えば、アミノ基含有ビニル系コポリマー,四級アンモニウム塩化合物,ニグロシン染料,ポリアミン樹脂,イミダゾール化合物,アジン系染料,トリフェニルメタン系染料,グアニジン化合物,レーキ顔料等の正帯電性電荷制御剤や、カルボン酸誘導体及びこの金属塩,アルコキシレート,有機金属錯体,キレート化合物等の負帯電性電荷制御剤を、単独または混合して、トナー粒子中への混練物および/または添加物とすることができる。これら電荷制御剤を分散状態で用いる場合、キャリア粒子表面との相互作用が略均等に生じるためには、その分散径は、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることが更に好ましいものである。
【0047】
本発明の画像形成装置に用いる現像剤中のトナー粒子製造方法としては、上述のような原材料を、二本ロール,二軸押出し混練機,一軸押出し混練機等の、公知の方法で混練し、これを機械式や気流式等の公知の粉砕,分級を行いトナー母体粒子を作成する事ができる。また混練時に、着色剤や磁性体の分散状態を制御するための分散剤等を併用しても良い。更に、このトナー母体粒子は、前述の添加剤を添加し、混合機等により混合・表面改質を行っても良い。
またこの外に、樹脂単量体や、低分子量樹脂オリゴマー等を出発原料としてトナー粒子を造粒する、いわゆる重合トナーを用いても良い。
【0048】
また、これらのトナー粒子の帯電電荷量は、実使用プロセスにより異なるため一概に決定できるものではないが、おおよそ、本発明の構成によるキャリア粒子との組み合わせにおいて、絶対値で3〜40μC/g程度の飽和電荷量である事が好ましく、更には5〜30μC/g程度の飽和電荷量である事が、より好ましい。
【0049】
また、トナー粒子の粒径としては、重量平均径D4=4〜10μm程度であることが好ましく、トナー粒子の個数基準10%径は、2.5μm以上である事が、より安定した画質を得る為には好ましい。
【0050】
図3は、本発明の第1の実施形態の画像形成装置の概略図である。本実施形態の画像形成装置は、矢印A1,A2,A3方向に周動する中間転写体112が、張架ロール102,104,106および転写装置125の転写ロール108により張架され、中間転写体112の周動方向に順に、金色、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナーによる、一般色画像形成部100G、100C、100M、100Y、100K、転写部125G、126C、126M、126Y、126Kおよびベルトクリーナ114が配されて構成される。
【0051】
また、一般色画像形成部100G,100C,100M,100Y、100Kは、それぞれ、中間転写体112に従動回転するように矢印B方向に回転する感光体118G,118C,118M,118Y、および118Kの他、その表面を一様に帯電する帯電手段124G,124C,124M,124Y、および124Kと、さらにその表面に画像情報に応じた潜像を形成する露光手段116G,116C,116M,116Y、および116Kと、それぞれの感光体に形成された潜像に各色のトナーを用いて現像し、トナー画像を得る感光体現像手段122G,122C,122M,122Y、および122Kと、中間転写体112を介して感光体118G,118C,118M,118Y、および118Kにそれぞれ対向して配置され、それぞれの感光体に形成されたトナー画像を中間転写体112に転写する一次転写手段126G,126C,126M,126Y、および126Kと、感光体118G,118C,118M,118Y、および118Kの表面をそれぞれ清浄化するクリーニング手段120G,120C,120M,120Y、および120Kと、が感光体118G,118C,118M,118Y、および118Kの回転方向に順にそれぞれ配置されてなる。
【0052】
ここで、中間転写体112への画像形成の動作を、金色のトナー像を形成する金色画像形成部100Gを代表させて説明する。金色画像形成部100Gの感光体118Gは、中間転写体112の矢印A1方向への進行と同一の線速度で、従動回転する。感光体118Gの表面は、帯電手段124Gにより一様な電位状態に帯電され、露光手段116Gにより静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体現像手段122Kによってブラックのトナー画像とされ、一次転写手段126Gによってベルト状の中間転写体112の表面に転写される。転写の後、感光体118Gの表面に残留したトナーは、クリーニング手段120Gによって掻き取られる。感光体118Gの表面は、必要に応じて不図示の除電手段によって、電荷が消去された後、次の画像形成サイクルのために、帯電手段124Gにより再び帯電される。
【0053】
本画像形成装置では、金色トナー像を中間転写体112に転写した後、金色トナー像と同じ中間転写体の場所に転写させる色のトナー(ここではイエロー)での感光体への露光は、その色の画像と金色トナーの画像、あるいはその色の画像と金色トナーの画像よりも僅かに大きな画像とを合わせて行われる。これにより画像形成された画像の金色トナーが存在する場所の下には必ず他の色のトナーが存在することになり、キラキラと光り輝く、豪華な金色カラー画像を画像形成することができる。
【0054】
図3では金色トナー像と同じ中間転写体の場所に転写させる色のトナーをイエローとしたが、前述のように他の色であっても、透明であっても好ましく、金色トナー像と同じ中間転写体の場所に転写させる色のトナーを現像する場所も、金色トナーよりも後に中間転写体へ、トナー像を転写できる場所であれば、どこであっても好ましく、同様に金色トナーの現像する場所も、図3の場所に限定されない。また、図3では現像装置は5つとしたが、金色トナー像と、その金色トナー像を中間転写体へ転写後、金色トナー像と同じトナー像と同じ場所にトナー像を転写する色の現像装置があれば、現像装置の数は限定されない。
【0055】
本画像形成装置では、一般色画像形成部100G,100C,100M,100Y、100Kの相対的な位置のずれを考慮したタイミングで、上記と同様の画像形成工程が画像形成部100C,100M,100Y、100Kにおいても行われ、中間転写体112上には各色のトナー画像が重ね合わされ、一般色からなるフルカラーのトナー画像と、金属色のトナー画像とが形成される(一般色画像形成工程および金属色画像形成工程)。
【0056】
中間転写体112がさらに矢印A2方向への周動し、トナー画像が形成された箇所が転写装置110の所まで移動すると、該トナー画像は転写装置110により記録媒体128に転写される。転写装置110は、転写ロール108および対向ロール130が対向配置されてなり、両者間に電圧が印加される構成である。転写ロール108および対向ロール130の間隙には中間転写体112の表面に形成されたトナー画像が記録媒体128と接するように、中間転写体112および記録媒体128が重ね合わせられた状態で、挿通される。すると、転写ロール108および対向ロール130間に印加された電圧による静電引力(または静電反発力)により、中間転写体112の表面に形成されたトナー画像が記録媒体128に転写される(転写工程)。
【0057】
トナー画像が転写された記録媒体128は、矢印C方向に進み、定着装置136に搬送される。定着装置136は、加熱ロール132に圧接ロール134が圧接されてなり、両者間にはニップ部が形成される。当該ニップ部に、トナー画像が転写された記録媒体128が挿通され、加熱ロール132からの熱、および圧接ロール134の圧力により、記録媒体128に転写されたトナー画像が定着される。
【0058】
定着は、最終画像の光沢や平滑性を左右する重要な工程である。定着方式は加熱加圧ロールによる定着ベルトを用いたベルト定着などが知られているが、上記光沢、平滑性等の画像品質の点からはベルト定着方式の方が好ましい。ベルト定着方式については、例えば特開平11−352819号公報に記載のオイルレスタイプのベルト定着方法、特開平11−231671号公報、特開平5−341666号公報に記載の二次転写と定着を同時に達成する方法等が知られている。
さらに、静電転写あるいはバイアスローラー転写に代え、あるいは併用して粘着転写型又は熱支援型の転写方式が知られ、これらを採用することも本発明において好ましい。
【0059】
上記の定着ベルトの表面は、トナーの剥離性あるいはトナー成分のオフセッットを防止するためにシリコーン系(有機シリコン化合物)あるいはフッソ系あるいはその共有系(シリコン原子とフッ素原子の両方を有する有機化合物)の表面処理が施されていることが好ましい。また定着の後半にはベルトの冷却装置を備え、受像シートの剥離を良好にすることが好ましい。冷却温度は、トナー中の結着樹脂、および/または、後述する記録媒体におけるトナー受像層の樹脂、の軟化点あるいはガラス転移点以下にすることが好ましい。
【0060】
一方で定着初期には、トナー中の結着樹脂、および/または、記録媒体におけるトナー受像層の樹脂が十分に軟化する温度まで昇温する必要がある。具体的には冷却温度は70℃以下、30℃以上とすることが実用上好ましく、定着初期においては180℃以下、100℃以上とすることが好ましい。転写後の中間転写体112は、さらに矢印A3方向に周動し、表面に残存するトナーがベルトクリーナ114で掻き落とされ、次の画像形成サイクルに供される。
【0061】
図4に本発明の第2の実施形態の画像形成装置の概略図を示す。本実施形態の画像形成装置は、矢印D1,D2,D3方向に周動する中間転写体212が、張架ロール202,204,206および転写装置210の転写ロール208により張架され、中間転写体212の周動方向に順に、現像装置238、転写装置210、および張架ロール202に対向配置されたベルトクリーナ214が配されて構成される。
【0062】
また、現像手段222は金色、シアン、イエロー、マゼンダ、黒の現像手段222G、222C、222M、222Y、222Bを一体になっており、中心を回転することにより、感光体218へ各色の現像を行うことができる。
本実施形態において感光体218は、中間転写体212に従動回転するように矢印E方向に回転する感光体218の他、その表面を一様に帯電する帯電手段224と、さらにその表面に画像情報に応じた潜像を形成する露光手段216と、形成された潜像に金色、シアン、イエロー、マゼンダ、黒のトナーを用いて現像し、トナー画像を得る感光体現像手段222G、222C、222M、222Y、222Bと、中間転写体212を介して感光体218に対向して配置され、感光体218に形成されたトナー画像を中間転写体212に転写する一次転写手段226と、感光体218の表面を清浄化するクリーニング手段220と、が感光体218の回転方向に順にそれぞれ配置されてなる。
【0063】
ここで、中間転写体212への画像形成の動作を説明する。感光体218は、中間転写体212の矢印D1方向への進行と同一の線速度で、従動回転する。感光体218の表面は、帯電手段224により一様な電位状態に帯電され、露光手段216により静電潜像が形成される。このとき形成される静電潜像は、金色のトナーでトナー画像が形成されるべき潜像である。この静電潜像は、感光体現像手段222Gによって金色のトナー画像とされ、一次転写手段226によってベルト状の中間転写体212の表面に転写される。
【0064】
次に、感光体218の表面は、上記と同様の操作で帯電手段224により一様な電位状態に帯電され、露光手段216により、シアンのトナーによりトナー画像が形成されるべき静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体現像手段222Mによってシアンのトナー画像とされ、一次転写手段226によってベルト状の中間転写体212の表面に転写される。このとき、中間転写体は、金色のトナー画像が転写された位置から、矢印D1方向と逆方向に周動し、金色のトナー画像の転写時と同位置に位置決めされ、金色のトナー画像の上にシアンのトナー画像が重ねて転写される。
【0065】
さらに、上記同様の操作で、イエローのトナーについて、感光体218表面に金色のトナーにより形成する潜像と、本来イエローのトナーが形成する潜像とが合わされた潜像が形成され、感光体現像手段222Yによってイエローのトナー画像とされ、一次転写手段226によってベルト状の中間転写体212の表面に転写される。次に同様に、ブラックのトナーについて、感光体218表面に金色のトナーにより形成する潜像と、本来ブラックのトナーが形成する潜像とが合わされた潜像が形成され、感光体現像手段222Bによってブラックのトナー画像とされ、一次転写手段226によってベルト状の中間転写体212の表面に転写される。
【0066】
以上のようにして、中間転写体212の表面には、金色、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナー画像とが重ね合わせられて形成される。つまり、本実施形態において、感光体218、一次転写手段226、クリーニング手段220、帯電手段224および露光手段216は、各色の現像装置の双方に共通の構成要素となっている。
【0067】
中間転写体212がさらに矢印D2方向への周動し、トナー画像が形成された箇所が転写装置210の所まで移動すると、該トナー画像は転写装置210により記録媒体228に転写される。転写装置210の構成は、第1の実施形態と同様である。トナー画像が転写された記録媒体228は、矢印F方向に進み、第1の実施形態と同様、定着装置236における加熱ロール232および圧接ロール234間のニップ部に挿通され定着される。転写後の中間転写体212は、さらに矢印D3方向に周動し、表面に残存するトナーがベルトクリーナ214で掻き落とされ、次の画像形成サイクルに供される。
【0068】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に拘束されて限定解釈されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。
【実施例】
【0069】
黄色の染料で着色したポリエステル樹脂フィルムの片方にアルミニウムを蒸着した後、アルミニウムの上にポリエステル樹脂フィルムを積層し、熱融着させた。これを粉砕して、金色トナーを作製した。市販のブラック、シアン、マゼンダ、イエローのトナーを用いて図3または4の画像形成装置で画像形成を行った。
画像は飾り枠及び画像上部に優秀特許賞と大きく書いた文字を金色に指定し、他はブラックで所属と名前、表彰の内容を書いた表彰状とした。
図3の画像形成装置で、飾り枠及び優秀特許賞と大きく書いた文字は、イエローの画像も金色画像の下に形成していた。作製した画像は、金色画像がキラキラと光り輝く、表彰状にふさわしい華やかな画像が得られた。
【0070】
[比較例]
上記した金色のトナー像を中間転写体に転写した後、中間転写体の金色のトナー像と同じ場所に他の色のトナー像を転写せずに画像形成を行ったところ、画像形成された画像の飾り枠及び画像上部に優秀特許賞と大きく書いた文字金色として認識されるものの、輝きが弱く、華やかさの面で、上記画像に比べて劣っていた。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明でフレーク状トナーを平坦に付着した場合の光の反射を示す説明図である。
【図2】本発明のフレーク状トナーを他のトナー上に付着した場合の反射の説明図である。
【図3】本発明の画像形成装置の1例を示す概略断面構成図である。
【図4】本発明の画像形成装置の他の例を示す概略断面構成図である。
【符号の説明】
【0072】
1 入射光
2 反射光
3 フレーク状光反射トナー
4 像担持体
5 他の色のトナー
102,104,106 張架ロール
108 転写ロール
100G、100C、100M、100Y、100K 一般色画像形成装置
100G 金色画像形成装置
110 転写装置
112 中間転写体
114 ベルトクリーナ
116G,116C,116M,116Y、116K 露光手段
118G,118C,118M,118Y、118K 感光体
120G,120C,120M,120Y、120K クリーニング手段
122G,122C,122M,122Y、122K 現像手段
124G,124C,124M,124Y、124K 帯電手段
126G,126C,126M,126Y、126K 一次転写手段
128 記録媒体
130 対向ロール
132 加熱ロール
134 圧接ロール
136 定着装置
202,204,206 張架ロール
208 転写ロール
210 転写装置
212 中間転写体
214 ベルトクリーナ
216 露光手段
218 感光体
222G、222C、222M、222Y、222B 現像手段
224 帯電手段
226 一次転写手段
228 記録媒体
232 加熱ロールおよび
234 圧接ロール
236 定着装置
238 現像装置
A1,A2,A3 周動方向矢印
D1,D2,D3 周動方向矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真により金色の像を含む画像形成が可能な画像形成装置の感光体上に現像した金色トナーと金色トナー以外の色との全色トナー像を中間転写体に積層した後、像担持体へ前記全色トナー像を転写し、定着して画像形成する画像形成装置であって、
前記金色トナーにより形成された像である金色トナー像を前記中間転写体へ積層した後に、前記金色トナー以外の色のトナーの少なくとも一色から形成されるトナー像は、前記金色トナー像上に積層されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記金色トナー像上に積層されるトナーは、黄色または透明の少なくとも1つの色のトナーであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記金色トナーが光を反射するフレーク状の物質を含有していることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
感光体上に現像した金色トナー像と金色トナー像以外の色のトナー像とを中間転写体に積層した後、像担持体へ全色のトナー像を転写し、定着して形成された画像であって、
前記金色のトナー像を中間転写体へ積層した後、前記金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像は、前記金色トナー像上に積層されたことを特徴とする金色の像を含む画像。
【請求項5】
請求項1〜3に記載の画像形成装置を用いて得られた画像であって、
金色のトナー像を中間転写体へ積層した後、前記金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像は、前記金色トナー像上に積層されたことを特徴とする金色の像を含む画像。
【請求項6】
感光体上に現像した金色トナー像と金色トナー像以外の色のトナー像とを中間転写体に積層した後、像担持体へ全色のトナー像を転写し、定着して画像形成する画像形成装置を用いて、金色のトナー像を中間転写体へ積層した後、金色トナー以外の少なくとも一色のトナー像を前記金色トナー像上に積層する画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−317633(P2006−317633A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138938(P2005−138938)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】