説明

画像形成装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体

【課題】フルカラー画像の形成に用いる色材使用量の節減を、フルカラー画像としての画質を保つように行うこと。
【解決手段】通常フルカラー印刷時と、モノクロ印刷や2色印刷等の非フルカラー印刷による既存のトナーセーブ(低コスト印刷)時のトナー使用総量から削減目標量を計算し(S101)、K削減方式、各色均等削減方式のうち、ユーザーによって選択される(S102)方式でフルカラートナーセーブ印刷に用いる画像データに削減量を反映させる(S103〜S106)。どちらの削減方式もガンマテーブルの変更を手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データに基づいて生成される出力用画像データにより記録用紙に画像を形成するプリンタ、複合機等の画像形成装置に関し、節減条件の指示に従い、適正量から所定量を削減した色材使用量で画像を形成することができる画像形成装置、前記画像形成装置における画像処理方法、前記画像処理を実行するためのプログラム及び該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷データに基づいて記録用紙に画像を形成するプリンタ、複合機等の画像形成装置は、プリント出力に対し使用料を課金する方法で用いられる場合がある。
このとき、使用料の課金額については、印刷枚数と、予め設定された1枚当たりの単価とから課金額を計算するものが主流であり、単価はモノクロ印刷、フルカラー印刷で料金が異なっている。
こうした使用料の課金方法では、普通、印刷対象の文書中に少しでもカラー情報が含まれていると、フルカラー印刷としてカウントされるため、このようなカラー文書の場合にユーザーは料金を節約するため、色材使用量を抑えるモノクロ印刷を選択して安い料金ですませるか、或は料金がモノクロ印刷と同等の2色印刷(2色だけで印刷)を選択する。
【0003】
また、上述の課金方法を運用する画像形成装置においては、課金額に対応して使用可能な印刷方式をユーザーに示す機能についても、従来から提案がなされており、例えば、特許文献1(特開2002−268861号公報)を挙げることができる。
特許文献1には、ユーザーに希望金額を入力させるとともに、その希望金額内でユーザーが選択可能な印刷方式を表示して、所望の印刷方式をユーザーに選択させる手段が記載されている。ここには、選択可能な方式としてトナー消費を下げる省トナーを選択するか否かを指示できることが示されている。
【0004】
ところで、色材使用量を削減することにより印刷料金を抑えるモノクロ印刷や2色印刷などは、印刷物が1色もしくは2色しかないため、フルカラー印刷では識別できる異なる色間の領域の境界が分かり難くなる等の出力画質の劣化が生じてしまう、という問題が起きる。
図12は、従来技術における、フルカラー印刷(A)と色材使用量を削減する2色印刷(B)の各画像を示す図である。
同図に示す各画像は、同じ円グラフを描く印刷データに基づいて印刷されたものである。フルカラー印刷(A)の画像は、セクタS1,S2,S3,・・・,S11からなる円グラフの各セクタ間の境界は、色の違いによって認識できる。これに対し、2色印刷(B)の各像は、セクタS11(元は濃黄色)とセクタS1(元は濃空色)、或はセクタS3(元は淡黄色)とセクタS4(元は淡空色)の間の境界は、同色となってしまい、境界が分からなくなる。
【0005】
図12の例に示すように、円グラフのセクタ間の境界が分からなくなると、円グラフとしての情報が失われてしまうことになり、欠点のある画像になってしまう。つまり、フルカラー画像としての画質が損なわれる、という問題が生じる。
なお、上記特許文献1に記載された省トナーは、トナー消費を下げる選択ができることが示されているだけで、フルカラー画像の画質を考慮した条件については、示すところがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、印刷データに基づいて記録用紙にフルカラー画像を形成する画像形成装置において、フルカラー画像の形成に用いる色材使用量の節減を、フルカラー画像としての画質を保つように行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、印刷データに基づいて画像を形成する際に、適正な色材使用量でフルカラーの画像を形成する通常動作を行うほか、前記印刷データに付加される節減条件に従い前記通常動作における色材使用量から所定量を削減した色材使用量で画像を形成する色材節減動作を行う画像形成装置であって、指示された前記節減条件に応じて処理対象の印刷データにおける色材使用総量の削減量を画素単位で算出する削減量算出手段と、フルカラーの画像が保たれることを条件に、前記削減量算出手段により算出された削減量を画素単位の色材使用総量に反映させた画像出力用データを前記処理対象の印刷データに基づいて生成する画像処理手段と、を有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷データに基づいてフルカラー画像を形成する際に、フルカラー画像としての画質を保って色材使用量を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタの構成の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプリンタにおける通常印刷時のトナー使用量を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプリンタにおける2色印刷時のトナー使用量を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプリンタにおけるフルカラートナーセーブ印刷時のトナー使用量を説明する図である。
【図5】フルカラートナーセーブ印刷時(図4、参照)における均等削減方式の処理に用いるガンマテーブルを説明する線図である。
【図6】本発明の実施形態に係るプリンタにおける通常印刷時のトナー使用量を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係るプリンタにおける2色印刷時のトナー使用量を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態に係るプリンタにおけるフルカラートナーセーブ印刷時のトナー使用量を説明する図である。
【図9】操作パネルからフルカラートナーセーブ印刷を指示する操作用画面の遷移を説明する図である。
【図10】プリンタドライバが作成するトナーセーブ印刷を指示する操作用画面のコンボボックスを説明する図である。
【図11】本発明の実施形態に係るプリンタにおけるフルカラートナーセーブ印刷時印刷時の出力画像データ処理のフローチャートである。
【図12】従来技術における、フルカラー印刷(A)と色材使用量を削減する2色印刷(B)の各画像を示す図である。
【0010】
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
以下、本発明の画像形成装置を、その実施形態であるプリンタ、即ち、印刷データに基づいて描画された出力用画像データ(画素信号)によってフルカラー画像を形成するプリンタを例に採って説明する。
本プリンタは、出力用画像データの処理を行う際に、元にする印刷データに付加される節減条件に対応して画素ごとに定まる色材使用総量の削減量を反映させた出力用画像データを生成する。
【0011】
上記色材使用総量の削減量を反映させた出力用画像データは、後記で詳述するが、フルカラー画像が保たれることを条件に画素ごとに各色成分の削減後のデータ値が求められ、この出力用画像データを用いて形成される画像は、色材を節減するために従来技術において、フルカラー印刷に替えて採用したモノクロ印刷や2色印刷において生じる、フルカラー画像としての画質の低下を抑制し、画質を保つようにする。
なお、以下の説明では、本発明の実施形態としてプリンタを例示するが、節減条件に対応して画素ごとに定まる色材使用総量の削減量を反映させた出力用画像データを生成し、生成した出力用画像データを用いて画像を形成する装置であれば、プリンタに限らない。
【0012】
[プリンタの構成]
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタの構成の概要を示す図である。
本プリンタ20は、プリンタ20全体を制御するコントローラ10と、描画された出力用画像データをもとに記録用紙に画像を形成するプリンタエンジン23と、表示部と入力キー等の操作部を備えユーザーインターフェースとしての機能を提供する操作パネル24を有する。
【0013】
コントローラ10は、ソフトウェアプログラムの命令を実行するためのCPU(Central Processing Unit)11と、コントローラを動作させるためにCPU11によって使用される制御プログラムや制御用データ等を保存するROM(Read Only Memory)12と、前記制御プログラムによって生成される描画された出力用画像データなどを一時的に保存するページ(フレーム)メモリ、或いはソフトウェアプログラムの動作に必要なデータを保存するワークメモリとして利用するRAM(Random Access Memory)13と、機器に依存する処理条件等の設定データ、装置(プリンタ20)の管理情報などを保存しておく不揮発性メモリであるNVRAM(Non Volatile RAM)14と、を構成要素として有する。つまり、CPU11、ROM12、RAM13、NVRAM14の各要素からなるコンピュータでコントローラ10の主要部を構成する。
【0014】
さらに、コントローラ10は、プリンタエンジン23との間でデータを交換するためのエンジンI/F(インターフェース)16と、操作パネル24との間でデータを交換するための操作パネルI/F17と、ネットワーク上に接続された、プリンタドライバ等の印刷データを作成する手段を搭載したホスト装置としてのPC(以下、「ホストPC」という)40との間でデータを交換するためのネットワークI/F15を構成要素として有する。
なお、コントローラ10を構成する上記の各要素は、それぞれ内部バス19を介して接続されている。
【0015】
ホストPC40は、所定のプリンタドライバを使用して、アプリケーションによって作成もしくは処理した文書、ウェブページ等を、各種の描画コマンドを含む描画条件を記述した印刷データに変換して、ネットワーク30経由でプリンタ20に送信し、プリント出力を要求する。なお、上記印刷データは、PostScript(登録商標)などのPDLで記述されたデータで表現される。
【0016】
コントローラ10は、ホストPC40から受信した印刷データにもとづいて、各種の変換処理を含む描画処理を行い、印刷に用いる出力用画像データを生成し、プリンタエンジン23で印刷(画像出力)を行わせる動作手順を管理して、動作手順に従い動作を制御し、かつ画像データ等のデータ処理を実行する。
このとき、コントローラ10のCPU11は、ROM12やNVRAM14などの記憶装置に保存された制御や処理のプログラム及び動作条件に係る設定情報を読出し、RAM13のメモリ領域に展開し、またRAM13を制御や処理を実行する際の作業領域として利用することによって、ホストPC40から受け取る印刷データ及び操作パネル24から指示される制御や処理の動作条件(後述の使用する色材の節減実行指示や節減条件の指示を含む)に基づいて、中間データ形式の画像データ、ラスタ形式のピクセル(画素)データ、及びプリンタエンジン23でフルカラー印刷に用いる出力用画像データを生成する。
【0017】
[色材の節減指示に応じる画像出力処理]
次に、ユーザーから色材の使用量を節減して印刷を行うことが指示されたときに、本プリンタ20が、指示に応じて行う動作を説明する。なお、以下の説明では、本プリンタ20が電子写真方式で画像を形成するプリンタであり、色材としてトナーを用いる形態を例に採り、トナー使用量を節減して印刷を行う動作を、「トナーセーブ」動作という。
なお、この色材の使用量の節減の指示は、操作パネル24からユーザーが行うトナーセーブを指示する操作を受付ける方法で行うか、或いは、ホストPC40が搭載するプリンタドライバにこの指示を行う機能を持たせ、印刷データの一部にトナーセーブを指示するデータを記述する方法による。
【0018】
トナーセーブにおける節減の指示は、色材使用量の節減をするか否か、さらに節減するときには、節減の実行に係る節減条件を指示する。
即ち、節減の実行に係る節減条件は、
節減条件1:色材使用量の節減目標量
節減条件2:フルカラー印刷への節減の適用方法
を条件とする。
次に、上記節減条件1,2それぞれについて説明する。
【0019】
〈色材使用量の節減目標量〉
節減条件1は、どの程度もしくはどれぐらいの色材使用量の節減をするか、節減の目標量を指示する条件である。
色材使用量の節減目標量の指示は、ユーザーが行うので、ユーザーが理解し易い、節減結果によって変わる「薄い」、「やや薄い」といった印刷状態で表現される条件を操作部からユーザーが指示する方法を採用する(後記図9及び図10、参照)。
また、本プリンタ20では、色材使用量を節減するために、従来からフルカラー印刷に替えて採用しているモノクロ印刷や2色印刷等の非フルカラー印刷によると同等の使用量の節減を、フルカラー画像で実現するので、こうした条件を前提として定められた色材使用量の節減目標量の指示も行えるようにする(後記図9及び図10、参照)。
【0020】
したがって、「薄い」、「やや薄い」といった表現やモノクロ印刷や2色印刷と同等の使用量といった表現でユーザーが指示する色材使用量の節減目標量を反映させたフルカラー印刷を行うためには、画素単位で削減する色材使用量を求める必要がある。また、得られる結果をもとに画素単位の色材使用総量が把握される。
なお、指示された色材使用量の節減目標量に従って求められる画素単位の色材使用総量の算出過程は、後述する実施形態にてさらに説明する。
【0021】
〈フルカラー印刷への節減の適用方法〉
節減条件1の色材使用量の節減目標量に従って、削減する色材使用量が求められ、この削減量に従い把握される画素単位の色材使用総量の下で、フルカラー印刷に用いる出力用画像データが生成される。
ここに、削減量を反映させて生成される出力用画像データは、フルカラー画像が保たれることを条件にしており、これらの制約の中でフルカラー印刷を行う。
【0022】
これらの制約を受けた中でフルカラー印刷を行う場合、各色成分にどのような削減を掛けた出力用画像データを生成するかによって、印刷結果の画質も変わってくる。
そこで、削減量が反映され、かつフルカラー画像を保つことができ、異なる方法によって出力用画像データを生成する手段として採用できるものを二例説明する。
その一つは、各カラー成分の削減率を等しくして、目標の削減量を達成する方式(以下、「均等削減方式」ともいう)によるものである。
また、もう一つは、ブラック(K)成分のみを削減して、目標の削減量を達成する方式(以下、「K削減方式」ともいう)によるものである。
なお、上記二方式については、下記実施形態1及び2にてさらに具体的に説明する。
【0023】
〈実施形態1〉
ここで、上記節減条件1を2色印刷と同等の色材(トナー)使用量の節減目標量とし、節減条件2を均等削減方式で各色材(トナー)の削減量としてフルカラー印刷の出力用画像データを生成するプリンタ20が行うトナーセーブ動作を説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るプリンタ20における通常印刷時のトナー使用量を説明する図である。
図2Aは、トナーセーブが指示されていない通常印刷時の印刷結果、即ち、処理対象の印刷データに変更を加えず、適正な処理を経て得られる出力用画像データを用いて印刷を行った時の印刷結果を示す。
【0024】
また、図2Bは、図2Aの出力画像中のある画素の各色成分(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のトナー使用量を表したグラフである。図2Bのグラフに示す画素のトナー使用総量は、各色成分のトナー使用量から計算して合計「190」が得られる。
図2Aの出力画像は、図2Bのグラフからも分かるように、フルカラー印刷で出力されている。よって、印刷結果に課金がされている場合には、フルカラー印刷として課金される。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係るプリンタ20における2色印刷時のトナー使用量を説明する図である。
図3Aは、2色印刷のトナーセーブが指示されている時の印刷結果、即ち、図2Aのフルカラー印刷におけると同じ印刷データを基に、MとKの2色印刷に用いる出力用画像データを生成し、得られる出力用画像データを用いて印刷を行った時の印刷結果を示す。
【0026】
また、図3Bは、2色印刷(図3A)の出力画像中のある画素におけるM,Kの各色成分のトナー使用量を表したグラフである。なお、図3Bの画素は、図2Bに示した画素と同じ画素のトナー使用量を表している。図3Bのグラフに示す画素のトナー使用総量は、M,Kの各色成分のトナー使用量から計算して合計「140」が得られ、図2Bの「190」に比べてトナーの使用量を節減している。
図3Aの出力画像は、トナーの使用量を節減していることから、印刷結果に課金をする場合には、フルカラー印刷よりも安い課金が設定されてもよい場合の例である。ただ、図2Aに示したフルカラー印刷の結果よりも画質が低下し、色によって色間の境界が分からなくなっている(上記[背景技術]の図12を参照する説明、参照)。
【0027】
そこで、本プリンタ20は、2色印刷と同等のトナーの節減量を目標とし、均等削減方式で各色のトナーを削減してトナー使用総量を減らしてフルカラー印刷を行うトナーセーブ(以下「フルカラートナーセーブ」という)の動作を行えるようにする。
図4は、本発明の実施形態に係るプリンタ20におけるフルカラートナーセーブ印刷時のトナー使用量を説明する図である。
図4Aは、フルカラートナーセーブが指示されている時の印刷結果、即ち、図2Aのフルカラー印刷におけると同じ印刷データを基に、均等削減方式でC,M,Y,K各色のトナーの使用量を2色印刷と同等の量だけ削減する出力用画像データを生成し、得られる出力用画像データを用いて印刷を行った時の印刷結果を示す。
【0028】
また、図4Bは、フルカラートナーセーブ印刷(図4A)の出力画像中のある画素におけるC,M,Y,Kの各色成分のトナー使用量を表したグラフである。なお、図4Bの画素は、図2B及び図3Bに示した画素と同じ画素のトナー使用量を表している。
図4Bのグラフは、同図中に矢印で示すように、C,M,Y,Kの各色のトナーの使用量が削減されており、また、この画素のトナー使用総量は、C,M,Y,Kの各色成分のトナー使用量の合計「140」であり、図3Bの2色印刷と同等のトナー使用量の節減をしている。
【0029】
フルカラートナーセーブ印刷(図4A)によると、C,M,Y,Kの各色成分のトナー使用量を削減した分だけ画像全体が薄くはなるが、フルカラー画像を保つことが可能になり、図3Aの2色印刷に生じる、色によって色間の境界が分からなくなる(上記[背景技術]の図12を参照する説明、参照)といった欠点を抑制することができる。
また、トナーの使用量を節減していることから、印刷結果に課金をする場合には、トナーセーブを掛けない通常のフルカラー印刷よりも安い課金を設定する、という課金システムの運用が可能になる。
【0030】
“均等削減方式”
ここで、トナーの使用量を節減した出力用画像データを生成するときに採用する上述した均等削減方式をより詳細に説明する。
本プリンタ20の行うフルカラートナーセーブ印刷において、使用トナーの削減量は、これまでもトナーセーブ印刷として用いられている2色印刷を例に採り、図2〜図4を参照して説明したように、印刷データに依存し、通常のフルカラー印刷時のトナー使用総量と、2色印刷時のトナー使用総量を求め、求めた各トナー使用総量の差分を、フルカラートナーセーブ印刷におけるトナー使用総量の目標削減量として得る。また、このようにして得た目標削減量を達成する各色成分のトナー使用量が画素単位で定められる。
【0031】
トナー使用総量の目標削減量を達成する各色成分のトナー使用量に対する削減量を定める方式の一つが“均等削減方式”である。
均等削減方式は、各色成分に対する削減率を一定にして、トナー使用総量の目標削減量を達成する方式である。
均等削減方式により定められる各色のトナー使用量で印刷を行うためには、この印刷出力に用いる画像データを生成する必要がある。この出力用画像データを生成する処理は、コントローラ10が有する画像処理手段によって行う。
【0032】
具体的には、コントローラ10は、まずトナー使用総量の目標削減量とトナーセーブを掛けないときのトナー使用総量とからフルカラートナーセーブ印刷におけるトナー使用総量を求める。
また、上記の処理で求めたトナー使用総量となるように、一定の削減率で各色成分のトナー使用量を定めた出力用画像データを生成する。このとき、各色で一定の削減率とするのは、このトナーセーブ印刷によって得られる画像においてカラーバランスを保つようにするためである。
上記の処理を行うことで、意図したフルカラートナーセーブ印刷を行うことができる。
【0033】
一定の削減率で各色成分のトナー使用量を定めた出力用画像データの生成は、例えば、入力データを補正して出力するガンマ補正処理に用いるガンマテーブルのデータをトナー使用量の削減率によって変更することで実施することができる。なお、トナー使用量の削減率は、上記で例に採った2色印刷の削減量を目標にする場合、
2色印刷時のトナー使用総量/通常のフルカラー印刷時のトナー使用総量
として求める数値である。
【0034】
図5は、フルカラートナーセーブ印刷時(図4、参照)における均等削減方式の処理に用いるガンマテーブルを説明する線図である。同図に示す線図の横軸をINPUTに、縦軸をOUTPUTにとっている。線図中の一方の線Tbはトナーセーブをしない(通常印刷)ときのガンマテーブルの数値を表し、他方の線Taはフルカラートナーセーブをするときのガンマテーブルの数値を表す。
フルカラートナーセーブをするときの線Taの数値は、トナーセーブをしないときの線Tbの数値にトナー使用量の削減率を掛けることにより得られる値である。
【0035】
なお、図5に示す例には、削減率50%である場合の線Taが示されている。図2〜図4を参照して説明した例の場合、削減率は、2色印刷時のトナー使用総量/通常のフルカラー印刷時のトナー使用総量=140/190であるから、ガンマテーブルの数値は図5の線Taよりも線Tbに近い値をとる。
上記のようにして、画素単位で各色に適用するガンマテーブル値が変更され、フルカラートナーセーブ印刷に用いる出力用画像データを生成する画像処理過程で、変更されたテーブル値を適用してガンマ補正処理が行われる。
【0036】
〈実施形態2〉
次に、上記節減条件1を2色印刷と同等のトナー使用量の節減目標量とし、節減条件2をK(ブラック)成分のみを削減するK削減方式によりフルカラー印刷の出力用画像データを生成するプリンタ20が行うトナーセーブ動作を説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るプリンタ20における通常印刷時のトナー使用量を説明する図である。
図6Aは、トナーセーブが指示されていない通常印刷時の印刷結果、即ち、処理対象の印刷データに変更を加えず、適正な処理を経て得られる出力用画像データを用いて印刷を行った時の印刷結果を示す。なお、例示した図6Aの画像は、画像中のグラフが描かれた小部分だけがカラー画像である。
【0037】
また、図6Bは、図6Aの出力画像中のある画素のC,M,Y,Kの各色成分のトナー使用量を表したグラフである。図6Bのグラフに示す画素のトナー使用総量は、各色成分のトナー使用量から計算して合計「125」が得られる。
図6Aの出力画像は、図6Bのグラフからも分かるように、フルカラー印刷で出力されている。よって、印刷結果に課金がされている場合には、フルカラー印刷として課金される。
【0038】
図7は、本発明の実施形態に係るプリンタ20における2色印刷時のトナー使用量を説明する図である。
図7Aは、2色印刷のトナーセーブが指示されている時の印刷結果、即ち、図6Aのフルカラー印刷におけると同じ印刷データを基に、MとKの2色印刷に用いる出力用画像データを生成し、得られる出力用画像データを用いて印刷を行った時の印刷結果を示す。
【0039】
また、図7Bは、2色印刷(図7A)の出力画像中のある画素におけるM,Kの各色成分のトナー使用量を表したグラフである。なお、図7Bの画素は、図6Bに示した画素と同じ画素のトナー使用量を表している。図7Bのグラフに示す画素のトナー使用総量は、M,Kの各色成分のトナー使用量から計算して合計「115」が得られ、図6Bの「125」に比べてトナーの使用量を節減している。
図7Aの出力画像は、トナーの使用量を節減していることから、印刷結果に課金をする場合には、フルカラー印刷よりも安い課金が設定されてもよい場合の例である。ただ、図6Aに示したフルカラー印刷の結果よりも画質が低下し、色によって色間の境界が分からなくなっている(上記[背景技術]の図12を参照する説明、参照)。
【0040】
そこで、本プリンタ20は、2色印刷と同等のトナーの節減量を目標とし、かつKのみを削減するK削減方式でトナー使用総量を減らしてフルカラー印刷をするフルカラートナーセーブ動作を行えるようにする。
図8は、本発明の実施形態に係るプリンタ20におけるフルカラートナーセーブ印刷時のトナー使用量を説明する図である。
図8Aは、フルカラートナーセーブが指示されている時の印刷結果、即ち、図6Aのフルカラー印刷におけると同じ印刷データを基に、K削減方式でKのトナー使用量のみを2色印刷で削減したと同等の量だけ削減して、C,M,Y,K各色の出力用画像データを生成し、得られる出力用画像データを用いて印刷を行った時の印刷結果を示す。
【0041】
また、図8Bは、フルカラートナーセーブ印刷(図8A)の出力画像中のある画素におけるC,M,Y,Kの各色成分のトナー使用量を表したグラフである。なお、図8Bの画素は、図6B及び図7Bに示した画素と同じ画素のトナー使用量を表している。
図8Bのグラフは、同図中に矢印で示すように、Kのみの使用量が削減されてC,M,Yは削減せず、また、この画素のトナー使用総量は、C,M,Y,Kの各色成分のトナー使用量の合計「115」であり、図7Bの2色印刷と同等のトナー使用量の節減をしている。
【0042】
“K削減方式”
ここで、K削減方式でトナーの使用量を節減した出力用画像データを生成する処理をより詳細に説明する。
本プリンタ20の行うフルカラートナーセーブ印刷において、使用トナーの削減量は、図6〜図8を参照して説明したように、印刷データに依存し、通常のフルカラー印刷時のトナー使用総量と、2色印刷時のトナー使用総量を求め、求めた各トナー使用総量の差分を、フルカラートナーセーブ印刷におけるトナー使用総量の目標削減量として得る。また、このようにして得た目標削減量を達成する各色成分のトナー使用量が画素単位で定められる。
【0043】
トナー使用総量の目標削減量を達成する各色成分のトナー使用量に対する削減量を定める方式の一つが“K削減方式”である。
K削減方式は、カラー情報を保持するのでC,M,Y成分は削減せず、K成分のみの使用量を削減して、トナー使用総量の目標削減量を達成する方式である。
K削減方式によるフルカラートナーセーブ印刷を行うためには、この印刷出力に用いる画像データを生成する必要がある。この出力用画像データを生成する処理は、コントローラ10が有する画像処理手段によって行う。
【0044】
具体的には、コントローラ10は、まずトナー使用総量の目標削減量とトナーセーブを掛けないときのトナー使用総量とからフルカラートナーセーブ印刷におけるトナー使用総量を求める。
また、上記の処理で求めたフルカラートナーセーブ印刷におけるトナー使用総量となるように、K成分のトナー使用量のみで削減する削減率を定め、定めた削減率でK成分の出力用画像データを生成する。したがって、C,M,Y成分は、トナーセーブのために付加的な処理を必要としない。
上記の処理を行うことで、意図したフルカラートナーセーブ印刷を行うことができる。
【0045】
上記のようにして定められた削減率によるK成分の出力用画像データを生成は、例えば、入力データを補正して出力するガンマ補正処理に用いるガンマテーブルのデータをトナー使用量の削減率によって変更することで実施することができる。なお、Kトナー使用量の削減率は、
(K−ΔQ)/K
(但し、K:通常のフルカラー印刷時のK使用量
ΔQ:目標削減量、即ち、“通常のフルカラー印刷時のトナー使用総量”−“2色印刷時のトナー使用総量”)
として求める値である。
上記で得たトナー使用量の削減率を通常印刷時に適用するKガンマテーブル値に掛けることにより、フルカラートナーセーブ印刷時に適用するKガンマテーブル値が得られる(図5の説明、参照)。
【0046】
K削減方式のフルカラートナーセーブ印刷(図8A)は、カラー情報(C,M,Y)が少ししか含まれていない図6Aに示したような印刷データに用いるのに適している。というのは、印刷データにカラー情報が少しでも含まれていれば、フルカラー印刷としてモノクロ印刷よりも高い課金が設定される課金システムにおいて、カラー情報が少なく大部分がモノクロの印刷データに対する課金額が割高となることや、また、少ない情報であってもカラー情報を保持しておきたい、という要求をもつユーザーにとっては、K削減方式によるトナーセーブを利用することで安い課金で所望の印刷結果を得ることができるからである。
また、このフルカラートナーセーブ印刷によると、K成分のトナー使用量を削減した分だけ画像全体が薄くはなるが、カラー情報(C,M,Y)を保つことが可能になり、図7Aの2色印刷に生じる、色によって色間の境界が分からなくなる(上記[背景技術]の図12を参照する説明、参照)といった欠点を抑制することができる。
【0047】
〈ユーザーによる節減条件の選択〉
フルカラートナーセーブによりトナーの使用を節減するときに、使用する各色のトナー量の削減の仕方を、均等削減方式(上記実施形態1、参照)とするか、K削減方式(上記実施形態2、参照)とするかによって、印刷結果の画質も変わってくる。
そこで、プリンタ20が均等削減方式、K削減方式の両方に対応する手段を有することを前提に、フルカラートナーセーブを上記2方式のいずれかを選択して利用することができるようにする。ここでは、ユーザーもしくは機器の管理者が望ましいと判断する方式を選択できるように外部からの操作によりその指示を与える。
上記指示は、プリンタ20の操作パネル24からのキー等による入力操作による方法とホストPC40に搭載されたプリンタドライバが有する印刷条件の指示機能を用いる方法を採用することができる。
【0048】
プリンタ20の操作パネル24から指示する場合は、プリンタでは小型の表示部が通常用いられ、そこに動作条件の指示を行う操作用画面が表示され、この操作用画面の一部にトナーセーブの選択操作用画面が表示される。
小型の表示部を用いるときには、選択対象の動作条件等を示す画面がボタンの押下により順次遷移する方式が採用され、ここでもこの方式を採用する。
表示された動作条件を選択する場合、「OK」等の機能ボタンを操作することで、表示された動作条件の選択指示を確定する。
【0049】
図9は、操作パネル24からフルカラートナーセーブ印刷を指示する操作用画面の遷移を説明する図である。
同図に示す例では、ユーザーが、ダイレクト印刷等で有効になる操作において、フルカラートナーセーブ(以下、単に「トナーセーブ」という)の操作用画面を呼ぶと、先ず、トナーセーブをするか否かを選択するための画面D1が表示される。ここで、「OK」ボタンを押さずに遷移を指示する下(ダウン)ボタンを押すと、次のトナーセーブの節減条件を選択するための操作用画面D2に遷移する。
以下、トナーセーブをするときに選択される節減条件を順次表示する。
遷移する操作用画面D2における第1の節減条件は、「薄い」である。ここで、「OK」ボタンを押すと、フルカラーの画像を保ってトナーセーブを強めに掛ける節減条件が選択される。
【0050】
遷移する操作用画面D3における第2の節減条件は、「やや薄い」である。ここで、「OK」ボタンを押すと、フルカラーの画像を保ってトナーセーブを弱めに掛ける節減条件が選択される。なお、操作用画面D2における「薄い」、操作用画面D3における「やや薄い」は、それぞれ所定の削減率で各色のトナーの使用量を上記均等削減方式におけると同様のやり方により定めることで実施し得る。
次に遷移する操作用画面D4における第3の節減条件は、「コスト優先(均等削減)」である。ここで、「OK」ボタンを押すと、上記実施形態1で説明した、フルカラーの画像を保ってトナーセーブを行う動作が選択される。
次に遷移する操作用画面D5における第4の節減条件は、「コスト優先(K削減)」である。ここで、「OK」ボタンを押すと、上記実施形態2で説明した、フルカラーの画像を保ってトナーセーブを行う動作が選択される。
なお、上記「コスト優先(均等削減)」や「コスト優先(K削減)」中の「コスト」という表現は、この節減条件で印刷すると課金額が安くなる課金システムで運用する場合に、ユーザーにこの課金との関係を容易に認識させるための表し方をしたものである。
【0051】
ホストPC40に搭載されたプリンタドライバが有する印刷条件の指示機能を用いて指示する場合は、コンピュータのディスプレイを用いるので、動作条件の指示を行う操作用画面の構成が上述のプリンタにおける操作パネルに比べて自由になる。
選択対象の動作条件等は、基本的に上述のプリンタの操作パネルの例と変わらない。また、画面に表示された選択可能な動作条件等を指定して、「OK」等の機能ボタンを操作することで、表示された動作条件の指示を確定する、という操作を受け付ける、という点でも基本的に上述のプリンタの操作パネルの例と変わらない。ただ、プリンタドライバは、ユーザーの操作により指示された動作条件を、印刷要求先のプリンタ20に送信する印刷(PDL)データに記述する必要がある。
【0052】
図10は、トナーセーブ印刷を指示するプリンタドライバの操作用画面のコンボボックスを説明する図である。
同図に示す例では、ユーザーが印刷条件を指示するためのプリンタドライバの操作用画面の一要素としてトナーセーブの設定を行うための画面要素241が設けられる。トナーセーブの設定を行うための画面要素241は、コンボボックス242内に選択対象の全ての項目が展開され、その中の一つを選択する操作を行い、「実行」等の機能ボタンを操作して指示を確定する。
コンボボックス242内に選択対象の全ての項目「しない」、「薄い」、「やや薄い」、「コスト優先(均等削減)」及び「コスト優先(K削減)」は、操作パネルの上記選択項目(図9、参照)と同じであるから、説明は省略する。なお、コンボボックス242内の最下部に「ユーザー設定」という項目があるが、これは、ユーザーが希望するトナーセーブの節減条件を、例えば削減率の数値で入力する、といった方法で指示するものである。
【0053】
〈出力画像データ処理のフロー〉
上記〈ユーザーによる節減条件の選択〉で述べたように、プリンタ20が均等削減方式、K削減方式の両方に対応する手段を有することを前提に、削減方式がユーザーの指示により選択されるので、プリンタ20のコントローラ10はユーザーの選択に従った動作を行う必要がある。
次に、コントローラ10がユーザーによって指示された削減方式により行うフルカラートナーセーブ印刷に用いる出力画像データ処理の手順をフローに基づいて説明する。
【0054】
図11は、本発明の実施形態に係るプリンタ20におけるフルカラートナーセーブ印刷時の出力画像データ処理のフローチャートである。
コントローラ10は、ホストPC40から受け取った印刷データにフルカラートナーセーブ(コスト優先のトナーセーブ)が指示されているか、又は操作パネル24を通して行われるダイレクト印刷等の印刷要求時にフルカラートナーセーブ(コスト優先のトナーセーブ)が指示されている場合に、このフローを起動し、処理を開始する。
処理を開始すると、コントローラ10は、先ず、トナーセーブをしない(通常印刷)時と従来から採用しているモノクロ印刷や2色印刷等の非フルカラー印刷によるトナーセーブ(低コスト印刷)時のトナー使用総量をそれぞれ計算する(ステップS101)。なお、この計算は、上記実施形態1の図2及び3、並びに実施形態2の図6及び7で説明されており、低コスト印刷として2色印刷による例を採っている。
【0055】
ただ、非フルカラー印刷による低コスト印刷と言っても様々あり、印刷結果に課金するシステムで運用するときに多様な課金額が採用されることが考えられるが、例示したモノクロ印刷や2色印刷等のように、課金システムで運用するときに課金額が同じ場合は、最もトナー使用総量が多くなる低コスト印刷のトナー使用総量を、以降のトナーの削減量を求める計算で用いることとする。
このような条件を考慮してトナーの削減量を求める計算を行うことにより、課金額の合理性を保証することができる。
【0056】
ステップS101で通常印刷時とモノクロ印刷もしくは2色印刷時それぞれのトナー使用総量を計算した後、次に、コントローラ10は、トナー使用総量の節減を均等削減方式によって各色均等にトナーセーブするか否か、つまり、均等削減方式、K削減方式のいずれで行うかを確認する(ステップS102)。この手順は、上記〈ユーザーによる節減条件の選択〉で述べたユーザーの指示を確認することになる。
【0057】
次いで、コントローラ10は、ステップS102の確認結果により処理を分岐し、K削減方式が選択されている場合(ステップS102−NO)、Kトナーの使用量の削減率を計算する(ステップS103)。このステップの処理は、ステップS101で計算した、通常印刷時とモノクロ印刷もしくは2色印刷時それぞれのトナー使用総量を用いて、上記“K削減方式”で述べた処理を実行してKトナー使用量の削減率を求める。
次いで、コントローラ10は、前ステップで求めたKトナー使用量の削減率をKのガンマテーブルの数値に乗算してテーブル値を変更することで、Kの出力用画像データに反映させる(ステップS104)。
【0058】
他方、コントローラ10は、均等削減方式が選択されている場合(ステップS102−YES)、各色のトナーの使用量の削減率を計算する(ステップS105)。このステップの処理は、ステップS101で計算した、通常印刷時とモノクロ印刷もしくは2色印刷時それぞれのトナー使用総量を用いて、上記“均等削減方式”で述べた処理を実行してC,M,Y,Kの各色のトナー使用量の削減率を求める。
次いで、コントローラ10は、前ステップで求めたC,M,Y,Kの各色のトナー使用量の削減率を各色のガンマテーブルの数値に乗算してテーブル値を変更することで、C,M,Y,Kの各色の出力用画像データに反映させる(ステップS106)。
ステップS104及びステップS106を行うことによって、フルカラートナーセーブが指示された場合に、出力用画像データの処理で付加的に必要になる処理手順を終了する。
【符号の説明】
【0059】
10・・コントローラ、11・・CPU、12・・ROM、13・・RAM、14・・NVRAM、15・・ネットワークI/F、16・・エンジンI/F、17・・操作パネルI/F、20・・プリンタ、23・・プリンタエンジン、24・・操作パネル、40・・ホストPC。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2002−268861号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データに基づいて画像を形成する際に、適正な色材使用量でフルカラーの画像を形成する通常動作を行うほか、前記印刷データに付加される節減条件に従い前記通常動作における色材使用量から所定量を削減した色材使用量で画像を形成する色材節減動作を行う画像形成装置であって、
指示された前記節減条件に応じて処理対象の印刷データにおける色材使用総量の削減量を画素単位で算出する削減量算出手段と、
フルカラーの画像が保たれることを条件に、前記削減量算出手段により算出された削減量を画素単位の色材使用総量に反映させた画像出力用データを前記処理対象の印刷データに基づいて生成する画像処理手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記節減条件が、モノクロ印刷節減方式、2色印刷節減方式を含む非フルカラー印刷節減方式が適用された場合において削減される色材使用総量と同等の削減をする条件である画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載された画像形成装置において、
前記節減条件として適用する非フルカラー印刷節減方式に含まれる複数の節減方式のいずれかを選択可能とするとともに、
非フルカラー印刷節減方式に含まれる複数の節減方式のうち削減後に最も色材使用総量が多くなる節減方式を使用する方式として選択する手段を有する
画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記画像処理手段は、各カラー成分の削減率を等しくすることで、色材使用総量を削減する前記フルカラーの画像出力用データを生成する画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記画像処理手段は、ブラックカラー成分のみを削減することで、色材使用総量を削減する前記フルカラーの画像出力用データを生成する画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記画像処理手段は、各カラー成分の削減率を等しくすること又はブラックカラー成分のみを削減することのいずれかの方式を用いて色材使用総量を削減する前記フルカラーの画像出力用データを生成するとともに、
処理対象の印刷データに対して外部からの操作によって行われる指示に従い色材使用総量を削減する前記方式を選択する手段を有する
画像形成装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記画像処理手段は、ガンマ補正によりカラー成分の削減をする画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1乃至7のいずれかに記載された画像形成装置が有する前記削減量算出手段及び前記画像処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項10】
印刷データに基づいて画像を形成する際に、適正な色材使用量でフルカラーの画像を形成する通常動作を行うほか、前記印刷データに付加される節減条件に従い前記通常動作における色材使用量から所定量を削減した色材使用量で画像を形成する色材節減動作を行う画像形成装置における画像処理方法であって、
指示された前記節減条件に応じて処理対象の印刷データにおける色材使用総量の削減量を画素単位で算出する削減量算出工程と、
フルカラーの画像が保たれることを条件に、前記削減量算出工程で算出された削減量を画素単位の色材使用総量に反映させた画像出力用データを、前記処理対象の印刷データに基づいて生成する画像処理工程と、
を有する画像処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−110465(P2013−110465A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251871(P2011−251871)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】