説明

画像形成装置、画像処理装置、画像形成システム、画像形成方法、画像形成処理プログラム及び記録媒体

【課題】用紙1ページ分に入る印刷内容を印刷してN人に配布する場合、N枚分を印刷することになり、印刷用紙はN枚必要となる。
【解決手段】外部からの画像データを受信する画像データ受信部5と、画像データ受信部5で受信した画像データを1/nに縮小する画像縮小部33と、前記画像縮小部33で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成するnCOPYin1画像作成部34と、前記nCOPYin1画像作成部34で作成したnCOPYin1の画像データを印刷する画像印刷手段8を有する。更に、画像印刷手段8は両面印刷を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複写機やプリンタなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、複数(N)ページの画像を用紙の1ページ分に割付けて印刷できる機能を有するものがある。これは「Nup印刷」とか「Nin1」又は「シート毎の印刷」などといわれている。例えば2ページ分の画像を印刷する場合、各ページの画像データを1/2に縮小し、片側に第1ページの内容を、残りのもう片側に第2ページの内容を印刷することで、2ページ分の画像を用紙の1ページ分に割付けて印刷する方法である。
【0003】
一方、特開平10−100506号公報(特許文献1)には、このような「Nup印刷」において、画像データを縮小又は等倍する倍率を変化させることにより、画像データを必要以上に縮小又は欠落させないデータ編集装置が開示されている。
【特許文献1】特開平10−100506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の方法では、同じ内容の画像データを複数部作成する場合、必要な部数分の用紙が必要であった。例えば、用紙1ページ分に入る印刷内容を印刷して複数の人(N人)に配布する場合、複数枚(N枚)分を印刷することになり、印刷用紙は複数枚(N枚)必要となってしまう。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、同じ内容の画像データを複数部作成する場合、印刷用紙枚数を少なくすることにより用紙の無駄を省き、かつ、印刷内容を小さくして携帯に便利な印刷物を作成する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、特許請求の範囲の請求項1記載の発明は、外部からの画像データを受信する画像データ受信部と、前記画像データ受信部で受信した画像データを1/nに縮小する画像縮小部と、前記画像縮小部で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成部と、前記画像作成部で作成したnCOPYin1の画像データを印刷する画像印刷手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
更に、請求項3記載の発明は、画像データを1/nに縮小する画像縮小部と、前記画像縮小部で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成部と、前記画像作成部で作成したnCOPYin1の画像データを画像形成装置へ送信する画像データ送信部を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
更に、請求項5記載の発明は、画像データを1/nに縮小する画像縮小部と、前記画像縮小部で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成部と、前記画像作成部で作成したnCOPYin1の画像データを画像形成装置へ送信する画像データ送信部とを有する画像処理装置と、前記画像データ送信部から送信されるnCOPYin1の画像データを受信する画像データ受信部と、前記画像データ受信部で受信したnCOPYin1の画像データを印刷する画像形成部とを有する画像形成装置とからなることを特徴とする画像形成システムである。
【0009】
更に、請求項7記載の発明は、画像データを1/nに縮小する画像縮小工程と、前記画像縮小工程で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成工程と、前記画像作成工程で作成したnCOPYin1の画像データを印刷する画像形成工程を含むことを特徴とする画像形成方法である。
【0010】
更に、請求項9記載の発明は、画像データを1/nに縮小する画像縮小手順と、前記画像縮小手順で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成手順と、前記画像作成手順で作成したnCOPYin1の画像データを印刷する画像形成手段へ送信する画像データ送信手順とをコンピュータに実行させるための画像形成処理プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、同じ内容の画像データを複数部作成する場合、印刷用紙枚数を少なくすることにより用紙の無駄を省き、かつ、印刷内容を小さくして携帯に便利な印刷物を作成する画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下に本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態に関するプリンタのブロック図である。画像形成装置としてプリンタ1は、装置全体を制御するCPU2を有する。当該CPU2は、マイクロプロセッサなどから構成されており、別途格納されたプログラム(ファームウェア)を実行することでプリンタ1の全体の制御を行っている。メモリ領域4はROM、RAM、Flashメモリ又はHDDなどで構成され、プログラムの実行に必要な情報を一時的に格納するとともに、後述するデフォルト数nCOPYin1_Value、ユーザ指定数n、ページ数Pなどの各種設定情報も格納している。
【0013】
また、画像データ受信部としてのデータ受信部5は、例えば、ネットワークカードなどから構成され、パソコンなどの外部装置9から送られてくる各種データ(制御データ、印刷データ)の受信を行なう。操作/表示部6は、オペレータ(以下ユーザという)が情報入力操作などの操作を行ない、動作中の状態やプリンタ1の各種情報などの表示を行なう。例えば、スイッチ、LEDランプ、LCD文字表示を含むオペレーションパネルなどである。印刷装置制御部7は、印刷装置部8へ印刷の指示制御を行なう。印刷装置部8は、前記印刷装置制御部7の制御によって、実際に印刷動作を行なう部分である。
【0014】
nCOPYin1実行可能判断部31は、1ページ分の画像データを複数(n)コピーして1ページ分に割付けて印刷する(以下nCOPYin1という)要求の有無を判断するとともに、印刷画像ページ数Pが実行可能なページ数(即ちP=1の場合は片面印刷が可能、P=2の場合は両面印刷が可能)であるかを判断する。画像作成部32は、前記データ受信部5で受信した画像データを解析し、以後の処理に適する画像データを作成する。画像縮小部33は、前記画像作成部32で作成した画像データを後述する1/nに縮小する。画像作成部としてのnCOPYin1画像作成部34は、前記画像縮小部33で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けてnCOPYin1の画像データを作成する。画像データ格納部35は、前記nCOPYin1画像作成部34で作成したnCOPYin1の画像データを格納する。
【0015】
前記nCOPYin1実行可能判断部31、前記画像作成部32、前記画像縮小部33、前記nCOPYin1画像作成部34、前記画像データ格納部35、前記メモリ領域4、前記データ受信部5は、ROM又はFlashメモリなどの不揮発メモリで構成され、プリンタ1全体を制御するためのファームウェアが格納されている。
【0016】
図2は本発明に関するnCOPYin1を説明する説明図である。同図(a)はn=2の場合、同図(b)はn=3の場合、同図(c)はn=4の場合、同図(d)はn=6の場合、同図(e)はn=8の場合、同図(f)はn=9の場合をそれぞれ示す。同図に示すようにnCOPYin1とは、1ページ分の画像データの内容(α)を複数(n)コピーして1ページ分に割付けて印刷することを意味する。
【0017】
図3は本発明に関するnCOPYin1の両面印刷(P=2)の場合を説明する説明図である。同図(a)はn=2の場合を示し、同図(b)はn=4の場合を示す。同図(a)より、2ページ分の画像データ(第1ページの内容はα、第2ページの内容はβ)を1枚の用紙に対して、指定された部数(n=2)画像データで縮小コピーして割付けた後、両面印刷する。その後用紙を1/2に裁断すれば、表面に画像データの内容α、裏面に画像データの内容βが印刷された用紙が2部作成される。
【0018】
同図(b)より、2ページ分の画像データ(第1ページの内容はα、第2ページの内容はβ)を1枚の用紙分に対して、指定された部数(n=4)画像データで縮小コピーして、割付けた後、両面印刷する。その後用紙を1/4に裁断すれば、表面に画像データの内容α、裏面に画像データの内容βが印刷された用紙が4部作成される。これにより、例えばメモ、行事、企画の開催案内通知などの2ページ以内の少ない情報を、1枚の用紙の両面に印刷し、その後に複数の人に配布資料として配布する。
【0019】
図4はメモリ領域4と画像データ格納部35の記憶内容を説明する説明図である。同図(a)はメモリ領域4の記憶内容を示し、同図(b)は画像データ格納部35の記憶内容を示す。同図(a)において、エリア101には、プリンタ1が有するnCOPYin1のデフォルト数nCOPYin1_Valueが格納される。例えば当該エリア101には「2」が格納される。更に、エリア102には、ユーザが指定するnCOPYin1数のnが格納される。ユーザの指定がなければ前記デフォルト数nCOPYin1_Valueが有効となり、ユーザの指定があるときは、前記デフォルト数nCOPYin1_Valueはユーザ指定のnに置換わる。例えば当該ユーザ指定は、図2に示すようにn=2、3、4、6、8、9のいずれかである。更に、エリア103には、画像データのページ数Pが格納される。P=1であれば片面印刷であり、P=2であれば両面印刷である。
【0020】
一方、同図(b)において、エリアX1−1には縮小した画像データX1が格納される。例えば画像データの内容αが1個格納される。エリアY1−1には両面印刷の場合の縮小した裏面の画像データY1が格納される。例えば裏面の画像データの内容βが1個格納される。更に、エリアX2−1には縮小した画像データX1をn部コピーした画像データX2が格納される。例えばn=4の場合は図示の通り、内容αを1ページに4個割付けた画像データが格納される。エリアY2−1には両面印刷の場合の縮小した裏面の画像データY1をn部コピーした画像データY2が格納される。例えばn=4の場合は図示の通り、内容βを1ページに4個割付けた画像データが格納される。
【0021】
次に、第1の実施の形態の動作について説明する。図5は第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。まず、外部装置9から送信された画像印刷データをプリンタ1が受信した場合、CPU2はメモリ領域4のエリア101からプリンタ1自体が持つデフォルト設定値nCOPYin1_Valueを読み出し、ユーザが実行指定するnCOPYin1数の格納エリア102にセットする(S301)。
【0022】
次にCPU2は、画像印刷データの設定情報と一緒に、ユーザ所望のnCOPYin1設定数が送信されてきたかどうかチェックする(S302)。ユーザからの指定がある場合はその値nをメモリ領域4のエリア102にセットする(S303)。
【0023】
次にCPU2は、nCOPYin1実行可能判断部31を制御し、nCOPYin1要求の有無を判断する(S304)。つまり、COPY指定数nが1(n>1)より大きい場合は、ユーザからの要求有りと判断する。要求無しの場合は通常の印刷と判断する。更に前記nCOPYin1実行可能判断部31において、印刷画像ページ数Pが実行可能なページ数(1ページ分又は2ページ分)であるかを判断(P=1又はP=2)する。それ以外の場合は通常印刷と判断する(S306)。通常印刷と判断した場合は、通常の印刷として実行する(S305)。
【0024】
CPU2は画像作成部32を制御し、受信した第1ページの画像印刷データを解析し、第1ページの画像データを作成する(S307)。次にCPU2は画像縮小部33を制御し、ステップ307で作成した第1ページの画像データを1/nに縮小化する。更に、CPU2は画像データ格納部35を制御し、その縮小化した画像データを第1ページの縮小画像格納エリアX1−1に格納する(S308)。
【0025】
更に、CPU2はnCOPYin1画像作成部34を制御し、ステップ308の縮小化した画像データX1を、用紙1ページ分のサイズにn個を割付けて作成する(n=2の場合は図3(a)の第1ページの「α」参照、n=4の場合は図3(b)の第1ページの「α」参照)。そして、作成したnCOPYin1画像データを、画像データ格納部35における第1ページのnCOPYin1画像格納エリアX2−1に格納する(S309)。
【0026】
次にCPU2は前記nCOPYin1実行可能判断部31を制御し、印刷画像ページ数Pに第2ページが存在するか判断する(S310)。画像データが1ページのみの場合、片面だけのnCOPYin1印刷として実行する(S315)。
【0027】
CPU2は画像作成部32を制御し、受信した第2ページの画像データを解析し、第2ページの画像データを作成する(S311)。CPU2は画像縮小部33を制御し、第2ページの画像データを1/nに縮小化する。更に、画像データ格納部35にその縮小化した画像データY1を第2ページの縮小画像格納エリアY1−1に格納する(S312)。
【0028】
CPU2はnCOPYin1画像作成部34を制御し、前記ステップ312の画像データY1を、用紙1ページ分のサイズにn個を割付けて作成する(n=2の場合は図3(a)の第2ページの「β」参照、n=4の場合は図3(b)の第2ページの「β」参照)。そして、画像データ格納部35を制御し、そのnCOPYin1画像データY2を、第2ページのnCOPYin1画像格納エリアY2−1に格納する(S313)。ステップ309と313にて格納された両面の画像データ(X2とY2)を、印刷装置制御部7にて、両面機能付の印刷装置部8に通知して、表面に画像データX2,裏面に画像データY2の両面印刷を実行する(S314)。
【0029】
以上第1の実施の形態によれば、1ページ分又は2ページ分の画像印刷データを、1枚の用紙両面(表に第1ページ、裏に第2ページ)に縮小して複数部印刷(nCOPYin1)することが可能となる。それを図4の例で示すように裁断すれば、用紙1枚で複数の人に提供する事が可能となり、印刷枚数の削減につながりコスト削減化が期待できる。また、小さく裁断されて印刷した情報を入手することで、受け取る側の収納の良さ(携帯性)にも効果が期待できる。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。前記第1の実施の形態は、画像形成装置としてのプリンタ1であるのに対し、第2の実施の形態は、パソコン10とプリンタ20からなる画像形成システムである。パソコン10にてnCOPYin1画像データを作成し、その画像データをパソコン10のデータ送信部15から送信し、その画像データをプリンタ20のデータ受信部25で受信し、印刷装置部28にて印刷を行なうことで、nCOPYin1印刷を可能としている。
【0031】
図6は第2の実施の形態に関する画像形成システムのブロック図である。パソコン10は装置全体を制御するCPU12を有する。当該CPU12は、マイクロプロセッサなどから構成されており、別途格納されたプログラム(ファームウェア)を実行することでパソコン10の全体の制御を行っている。メモリ領域14はROM、RAM、Flashメモリ又はHDDなどで構成され、プログラムの実行に必要な情報を一時的に格納するとともに、図4(a)に示すデフォルト数nCOPYin1_Value、ユーザ指定数n、ページ数Pなどの各種設定情報も格納している。画像データ送信部としてのデータ送信部15は画像データ格納部35に格納してあるnCOPYin1の画像データ及びその他の制御データをプリンタ20へ送信する。また、操作/表示部16は、ユーザがnCOPYin1設定の要求を含む情報入力操作を行ない、動作中の状態表示を行なう。例えば、キーボード、モニタなどである。
【0032】
nCOPYin1実行可能判断部41は、nCOPYin1の要求の有無を判断するとともに、印刷画像ページ数Pが実行可能なページ数(即ちP=1の場合は片面印刷が可能、P=2の場合は両面印刷が可能)であるかを判断する。画像作成部42は、パソコン10内の図示しない原稿作成手段によって作成された画像印刷データを解析し、以後の処理に適する画像データを作成する。画像縮小部43は、前記画像作成部42で作成した画像データを後述する1/nに縮小する。nCOPYin1画像作成部44は、前記画像縮小部43で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けてnCOPYin1の画像データを作成する。画像データ格納部45は、前記nCOPYin1画像作成部44で作成したnCOPYin1の画像データを格納する。
【0033】
前記nCOPYin1実行可能判断部41、前記画像作成部42、前記画像縮小部43、前記nCOPYin1画像作成部44、前記画像データ格納部45、前記メモリ領域14は、ROM又はFlashメモリなどの不揮発メモリで構成され、プリンタ20全体を制御するためのファームウェアが格納されている。
【0034】
プリンタ20は装置全体を制御するCPU22を有する。当該CPU22は、マイクロプロセッサなどから構成されており、別途格納されたプログラム(ファームウェア)を実行することでプリンタ20の全体の制御を行っている。メモリ領域24はROM、RAM、Flashメモリ又はHDDなどで構成され、プログラムの実行に必要な情報を一時的に格納する。データ受信部25は例えば、ネットワークカードからなり、前記パソコン10の前記データ送信部15から送信されたnCOPYin1の画像データ及びその他の制御データを受信する。
【0035】
操作/表示部26は、ユーザが情報入力操作などの操作を行ない、動作中の状態やプリンタ20の各種情報などの表示を行なう。例えば、スイッチ、LEDランプ、LCD文字表示を含むオペレーションパネルなどである。印刷装置制御部27は、印刷装置部28へ印刷の指示制御を行なう。印刷装置部28は、前記印刷装置制御部27の制御によって、実際に印刷動作を行なう部分である。
【0036】
画像作成部52は前記データ受信部25で受信したnCOPYin1の画像データを解析し、以後の処理に適するnCOPYin1の画像データを作成する。画像データ格納部55はnCOPYin1の画像データを一旦格納する。画像作成部52、画像データ格納部55、メモリ領域24、データ受信部25はROM又はFlashメモリなどの不揮発メモリで構成され、プリンタ20全体を制御するためのファームウェアが格納されている。
【0037】
なお、第2の実施の形態においては、図4(a)のメモリ領域4はメモリ領域14と読替え、同図(b)の画像データ格納部35は画像データ格納部45と読替えるものとする。
【0038】
図7は、第2の実施の形態に関するパソコン側の動作を示すフローチャートである。パソコン10内の図示しない原稿作成手段によって作成された画像印刷データをプリンタ20に送信する場合、CPU12はメモリ領域14のエリア101からプリンタ20自体が持つデフォルト設定値nCOPYin1_Valueを読み出し、ユーザが実行指定するnCOPYin1数の格納エリア102にセットする(S601)。
【0039】
次にCPU12は、画像印刷データに関して、ユーザ所望のnCOPYin1設定数があるかどうかチェックする(S602)。ユーザからの指定がある場合はその値nをメモリ領域14のエリア102にセットする(S603)。
【0040】
次にCPU12は、nCOPYin1実行可能判断部41を制御し、nCOPYin1要求の有無を判断する(S604)。つまり、COPY指定数nが1(n>1)より大きい場合は、ユーザからの要求有りと判断する。要求無しの場合は通常の印刷と判断する。更に前記nCOPYin1実行可能判断部41において、印刷画像ページ数Pが実行可能なページ数(1ページ分又は2ページ分)であるかを判断(P=1又はP=2)する。それ以外の場合は通常印刷と判断する(S606)。通常印刷と判断した場合は、通常の印刷として実行する(S605)。
【0041】
CPU12は画像作成部42を制御し、受信した第1ページの画像印刷データを解析し、第1ページの画像データを作成する。更に、画像縮小部43を制御し、第1ページの画像データを1/nに縮小化する。更に、画像データ格納部45を制御し、その縮小化した画像データを第1ページの縮小画像格納エリアX1−1に格納する(S607)。
【0042】
次に、CPU12はnCOPYin1画像作成部44を制御し、ステップ607の画像データX1を、用紙1ページ分のサイズにn個を割付けて作成する。そして、作成したnCOPYin1画像データを、画像データ格納部45にて第1ページのnCOPYin1画像格納エリアX2−1に格納する(S608)。
【0043】
次に、CPU12は前記nCOPYin1実行可能判断部41を制御し、印刷画像ページ数Pに第2ページが存在するか判断する(S609)。画像データが1ページのみの場合、片面だけのnCOPYin1印刷として画像データX1をデータ送信部15を介して、プリンタ20へ送信する(S613)。
【0044】
CPU12は画像作成部42を制御し、第2ページの画像データを解析し、第2ページの画像データを作成する。更に、画像縮小部43を制御し、第2ページの画像データを1/nに縮小化する。更に、画像データ格納部45を制御し、その縮小化した画像データY1を第2ページの縮小画像格納エリアY1−1に格納する(S610)。
【0045】
CPU12はnCOPYin1画像作成部44を制御し、前記ステップ610の画像データY1を、用紙1ページ分のサイズにn個を割付けて作成する。そして、画像データ格納部45を制御し、そのnCOPYin1画像データY2を、第2ページのnCOPYin1画像格納エリアY2−1に格納する(S611)。ステップ608と611にて格納された両面の画像データ(X2とY2)をデータ送信部15を介して、両面機能付の印刷装置部28へ送信する(S612)。
【0046】
図8は第2の実施の形態に関するプリンタ20側の動作を示すフローチャートである。CPU22は、データ受信部25を制御し、前記データ送信部15より送信されたnCOPYin1の画像データ(片面の場合はX2、両面の場合はX2とY2)を受信する(S701)。次に、CPU22は画像作成部52を制御し、受信した画像データを解析し、以後の処理に適するプリンタ20用の画像データを作成する(S702)。そして、画像データ格納部55を制御し、一旦これを格納する(S703)。
【0047】
CPU22は、印刷装置制御部27を制御し、印刷装置部28に対して印刷実行を指示する(S704)。これにより、片面印刷の場合は表面に画像データX2(n=4の場合は「α」が4個)が印刷され、両面印刷の場合は、表面に画像データX2(n=4の場合は「α」が4個)、裏面に画像データY2(n=4の場合は「β」が4個)が印刷される。そして、印刷された用紙を裁断すれば、配布資料として利用することができる。
【0048】
第2の実施の形態によれば、パソコン10側にRIP機能を備えた画像形成システムにおいて、パソコン10を使用して1ページ分又は2ページ分の画像印刷データを、1枚の用紙両面に縮小して複数部印刷(nCOPYin1)することが可能となる。よって、コスト削減や収納の良さ、携帯性向上といった効果が期待できる。
【0049】
前記第1及び第2の実施の形態の動作の説明において示した方法は、コンピュータに実行させるための画像形成処理プログラムとして実現可能である。また、本発明は前記画像形成処理プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施の形態に関するプリンタのブロック図である。
【図2】本発明に関するnCOPYin1を説明する説明図である。
【図3】本発明に関するnCOPYin1の両面印刷の場合を説明する説明図である。
【図4】メモリ領域と画像データ格納部の記憶内容を説明する説明図である。
【図5】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に関する画像形成システムのブロック図である。
【図7】第2の実施の形態に関するパソコン側の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に関するプリンタ側の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1、20 プリンタ
2、12、22 CPU
4、14、24 メモリ領域
5、25 データ受信部
15 データ送信部
6、16、26 操作/表示部
7、27 印刷装置制御部
8、28 印刷装置部
9 外部装置
10 パソコン
31、41 nCOPYin1実行可能判断部
32、42、52 画像作成部
33、43 画像縮小部
34、44 nCOPYin1画像作成部
35、45、55 画像データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの画像データを受信する画像データ受信部と、
前記画像データ受信部で受信した画像データを1/nに縮小する画像縮小部と、
前記画像縮小部で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成部と、
前記画像作成部で作成したnCOPYin1の画像データを印刷する画像印刷手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像作成部で作成するnCOPYin1の画像データは両面印刷を行なう画像データであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像データを1/nに縮小する画像縮小部と、
前記画像縮小部で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成部と、
前記画像作成部で作成したnCOPYin1の画像データを画像形成装置へ送信する画像データ送信部を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
前記画像作成部で作成するnCOPYin1の画像データは両面印刷を行なう画像データであることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像データを1/nに縮小する画像縮小部と、
前記画像縮小部で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成部と、
前記画像作成部で作成したnCOPYin1の画像データを画像形成装置へ送信する画像データ送信部とを有する画像処理装置と、
前記画像データ送信部から送信されるnCOPYin1の画像データを受信する画像データ受信部と、
前記画像データ受信部で受信したnCOPYin1の画像データを印刷する画像形成部とを有する画像形成装置とからなることを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
前記画像作成部で作成するnCOPYin1の画像データは両面印刷を行なう画像データであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
画像データを1/nに縮小する画像縮小工程と、
前記画像縮小工程で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成工程と、
前記画像作成工程で作成したnCOPYin1の画像データを印刷する画像形成工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記画像作成工程で作成するnCOPYin1の画像データは両面印刷を行なう画像データであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
【請求項9】
画像データを1/nに縮小する画像縮小手順と、
前記画像縮小手順で縮小した画像データをn部コピーして1ページ分に割付けnCOPYin1の画像データを作成する画像作成手順と、
前記画像作成手順で作成したnCOPYin1の画像データを印刷する画像形成手段へ送信する画像データ送信手順とを
コンピュータに実行させるための画像形成処理プログラム。
【請求項10】
前記画像作成手順で作成するnCOPYin1の画像データは両面印刷を行なう画像データであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成処理プログラム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の画像形成処理プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−36437(P2010−36437A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201424(P2008−201424)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】