説明

画像形成装置、画像形成システム、その制御方法及びプログラム

【課題】 書誌情報を管理するサーバを設置せずに、より簡潔なシステムで所望の印刷装置とマイプリンタのユーザの文書一覧を取得できる画像形成装置、その制御方法及びプログラム、並びに画像形成システムを提供すること。
【解決手段】 ユーザ情報と対応付けて登録されたプリンタのIPアドレスに基づいて、ユーザのログイン中のプリンタが当該IPアドレスの示すプリンタでない場合でも、当該IPアドレスが示すプリンタから書誌情報・印刷ジョブを取得して、取得した印刷ジョブの情報をログイン中のプリンタの表示画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機に印刷ジョブを一時蓄積して印刷を行うプリントシステムの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同ネットワーク上の複合機の文書一覧を所望の複合機に表示及び印刷する事ができるシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。このシステムでは、プリントサーバで印刷ジョブを格納し、印刷ジョブからプリントサーバを特定する情報および前記印刷ジョブの書誌情報を含む書誌情報データを生成し、前記書誌情報は印刷管理サーバで一元管理して、複合機から印刷指示をする場合には前記印刷管理サーバと通信して印刷ジョブが格納されたプリントサーバを特定することで、どのプリントサーバに蓄積された印刷ジョブでも所望の印刷装置から容易に出力することができるシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−350497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような技術では、同一ネットワーク上すべての書誌情報や印刷ジョブを管理するためサーバを設置する事が前提になっている。しかしながら、サーバの導入には初期設定の手間やコストがかかるという課題がある。
【0005】
また通常、各個人の使用頻度の高い複合機が決まっている環境においては、特許文献1のようにわざわざ複数のサーバを用いて印刷ジョブ、書誌情報を管理する事は、システムを複雑化させるという問題がある。
【0006】
上記の問題点を鑑み、本発明は、書誌情報を管理するサーバを設置せずに、ログイン中の複合機と、ログイン中のユーザの使用頻度の高い複合機とに記憶された印刷ジョブの情報を取得できる画像形成装置、画像形成システム、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、画像形成装置にログインするユーザを示すユーザ情報の入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段により入力を受け付けたユーザ情報に対応するマイプリンタとしての画像形成装置を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得し、一方、前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であると判定した場合、当該ユーザがログイン中の画像形成装置自身に格納された印刷ジョブの情報を取得するジョブ情報取得手段と、前記ジョブ情報取得手段により取得された印刷ジョブの情報を表示画面に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、書誌情報を管理するサーバを設置せずに、ログイン中の複合機と、ログイン中のユーザの使用頻度の高い複合機とに記憶された印刷ジョブの情報を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態における画像形成システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるクライアントPC200のハードウエア構成の一 例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における、プリンタ300及びマイプリンタ350のコントローラユニットのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における、各種装置の機能構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における、溜め置きプリントアプリケーション120起動時の処理流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における、クライアントPC200からプリンタ300、マイプリンタ350へ印刷ジョブを送信して保存する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態における、ログイン中プリンタの表示画面に、ログイン中プリンタ内の印刷ジョブと、マイプリンタ内の印刷ジョブを表示する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態における印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における、マイプリンタ350のIPアドレスをユーザ情報テーブルに登録するIPアドレス登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態における、ユーザ情報テーブル1000の構成の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における書誌情報ファイル1100の構成の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態における、印刷ジョブ一覧画面1200の構成の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態における、認証情報の入力を受け付ける際にプリンタの表示画面に表示する、メイン認証画面1300の構成の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態における、マイプリンタのIPアドレスの登録処理準備画面1400の構成の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態におけるマイプリンタ登録画面1500の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態における画像形成システムの構成の一例について説明する。図1は、本発明の実施形態における画像形成システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0011】
本発明の画像形成システムは、図1に示すように、クライアントPC200、プリンタ300、マイプリンタ350等を備えて構成されている。マイプリンタ350は、ユーザ情報と紐付いてユーザ情報テーブルに登録されたIPアドレスから特定されるプリンタである。
【0012】
プリンタ300は、LAN101を通じて他のプリンタと通信可能に接続されたプリンタである。本発明の実施形態においては、プリンタ300は、ユーザがログインするプリンタとして説明する。プリンタ300のIPアドレスと、ユーザ情報と紐付いてユーザ情報テーブルに登録されたIPアドレス(マイプリンタ情報)とが同一であった場合、プリンタ300はマイプリンタとして判断される。LAN101は上記の各装置を相互に通信可能に接続するためのネットワークである。尚、前記ネットワークはLANに限るものではない。
【0013】
クライアントPC200には、プリンタドライバがインストールされており、プリンタドライバはアプリケーションプログラムから受け取ったデータに基づいて印刷ジョブを作成し、該印刷ジョブを各プリンタへ送信する機能を有する。各アプリケーションプログラムは、後述するプリンタ300及び、マイプリンタ350のCPU301の制御により動作する。
【0014】
プリンタ300、マイプリンタ350は、クライアントPC200より受け取った当該印刷ジョブをそれぞれのプリンタのHDDに保存する。それぞれのプリンタ上では印刷を管理するアプリケーションが動作し、HDDに保存した印刷ジョブの書誌情報を取得してメモリ上に管理する。
【0015】
尚、本実施形態ではネットワークに接続されたプリンタを、プリンタ300、マイプリンタ350の2機として記載しているが、ネットワークに接続されるプリンタの台数は限定されない。また、図1のLAN101に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。以上が図1の本発明の画像形成システムのシステム構成の一例の説明である。
【0016】
次に図2を参照して、本発明の実施形態におけるクライアントPC200のハードウエア構成の一例について説明する。図2は、本発明の実施形態におけるクライアントPC200のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0018】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(BasIC Input Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要は後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0019】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0020】
また、入力コントローラ205は、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示機への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示機はCRTだけではなく、液晶ディスプレイ等の他の表示機であってもよい。
【0021】
メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HDD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0022】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0023】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0024】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されている。以上が、図2に示す、本発明の実施形態におけるクライアントPC200のハードウエア構成の一例についての説明である。
【0025】
次に、図3を参照して、本発明の実施形態における、プリンタ300、及びマイプリンタ350を制御するコントローラユニットのハードウエア構成について説明する。図3は、本発明の実施形態における、プリンタ300、及びマイプリンタ350のコントローラユニットのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図3において、コントローラユニット316は、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LANや公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行なう。
【0027】
CPU301は、システム全体を制御するプロセッサである。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムネットワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0028】
ROM303は、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。HDD304は、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0029】
NetworkI/F305は、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。MODEM306は、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0030】
操作部インターフェース(操作部I/F)307は、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。また、操作部I/F307は、操作部308から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部(UI)を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
【0031】
外部I/F318は、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0032】
IMAGE BUS I/F320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0033】
ラスタイメージプロセッサ(RIP)310は、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。プリンタインタフェース(プリンタI/F)311は、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、スキャナインタフェース(スキャナI/F)313は、スキャナ部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0034】
画像処理部317は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行い、また、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0035】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0036】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0037】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0038】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0039】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FelICa)(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0040】
以上のような構成によって、プリンタ300及びマイプリンタ350は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをLAN101上に送信したり、LANから受信した印刷ジョブをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0041】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをMODEM306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。以上が、図3に示す、本発明の実施形態における、プリンタ300、及びマイプリンタ350を制御するコントローラユニットのハードウエア構成の一例についての説明である。
【0042】
次に図4を参照して、本発明の実施形態における各種装置の機能構成の一例について説明する。図4は、本発明の実施形態における、各種装置の機能構成の一例を示す図である。
【0043】
図4に示す通り、プリンタ300及びマイプリンタ350は認証アプリケーション110、溜め置きプリントアプリケーション120等を備えている。また、クライアントPC200は、プリンタドライバ130等を備えている。
【0044】
認証アプリケーション110はプリンタ300及びマイプリンタ350上で動作し、図10に示すようなユーザ情報テーブル1000を保持する。ユーザ情報テーブル1000の詳細については図10の説明にて後述する。認証アプリケーション110はユーザからの認証情報の入力内容に基づいて各プリンタに対するユーザのログイン/ログアウトを管理する。尚、認証アプリケーション110は、各プリンタのCPU301の制御により動作するものである。
【0045】
認証アプリケーション110は、認証機能111、マイプリンタ情報登録機能112を有する。マイプリンタ情報とは、ユーザ情報テーブル1000に、ユーザIDと紐付けて登録されたIPアドレスを示す情報である。(=IPアドレス1003/図10)
【0046】
ここで図10を参照して、本発明の実施形態における、ユーザ情報テーブル1000の構成の一例について説明する。図10は、本発明の実施形態における、ユーザ情報テーブル1000の構成の一例を示す図である。
【0047】
図10に示すように、ユーザ情報テーブル1000は、ユーザID1001、ユーザ名1002、IPアドレス1003等から構成されている。ユーザID1001は、ユーザを一意に識別するためのIDである。本発明の実施形態においては、当該ユーザID1001とICカードに記憶されるカードIDとが紐付けて管理されている(同一の値が設定されている)。
【0048】
ユーザ名1002は、ユーザID1001と紐付いて記憶されるユーザ名である。IPアドレス1003は、ユーザID1001と紐付いて記憶される、ユーザID1001に対応したプリンタであるマイプリンタ350のIPアドレスである。
【0049】
尚、本実施形態においては、ユーザ名及びマイプリンタのIPアドレスは各プリンタの認証アプリケーションが読み込みメモリ上で管理するユーザ情報テーブル1000上で管理されているが、ICカードにカードIDと対応付けて記憶する構成を取ってもよい。以上が図10の、本発明の実施形態における、ユーザ情報テーブル1000の構成の一例についての説明である。
【0050】
図4の説明に戻る。認証アプリケーション110における認証機能111は、ユーザからの認証情報の入力を受け付ける。ここでの認証情報とは認証方式によって様々な形式が考えられる。例えばカード認証の場合ではカードの製造番号やユーザのID入力式の認証方式であれば、ユーザIDとパスワードという場合も考えられる。ここではカードIDを認証情報として扱うものとする。
【0051】
認証機能111は認証情報(以下、カードID)の入力を受付けると図10に示すようなユーザ情報テーブル1000から、取得したカードIDをキーに対象のユーザを検索する。ユーザ情報テーブル1000はプリンタ300及びマイプリンタ350の起動時に同時に立ち上がる認証アプリケーション110が読み込みメモリ上に管理しているものとする。
【0052】
該当するユーザが存在しない場合はプリンタ上のUIにエラー通知を表示する。ユーザが存在する場合はユーザのログイン処理を行う。ユーザのログイン処理に際して、UIに表示された認証画面を閉じるとともにプリンタ上で動作する他のアプリケーションに対して当該ユーザのユーザ情報を通知することによりユーザログインを通知する。
【0053】
認証アプリケーション110におけるマイプリンタ情報登録機能112は、図10に示すユーザ情報テーブル1000の値を受け付け、管理する。
【0054】
溜め置きプリントアプリケーション120はプリンタ300及びマイプリンタ350上で動作する。また、溜め置きプリントアプリケーション120は、印刷ジョブ受信機能121と、印刷管理機能122を有する。尚、溜め置きプリントアプリケーション120は、各プリンタのCPU301の制御により動作するものである。
【0055】
溜め置きプリントアプリケーション120は、クライアントPC200から送信されてくる印刷ジョブを受信し、HDD内に保存し、図11に示すような書誌情報ファイル1100を取得してメモリ上に保持する。書誌情報ファイル1100の詳細については、図11の説明で後述する。
【0056】
ここで図11を参照して、本発明の実施形態における書誌情報ファイル1100の構成の一例について説明する。図11は、本発明の実施形態における書誌情報ファイル1100の構成の一例を示す図である。
【0057】
図11に示すように、書誌情報ファイル1100は、ユーザ名1101、ドキュメント名1102、部数1103、ページ数1104、印刷方法1105、用紙サイズ1106、カラー1107、ページレイアウト1108、保存日時1109、ジョブサイズ1110、IPアドレス1111等から構成されている。
【0058】
ユーザ名1101はジョブオーナーのユーザ名であり、ドキュメント名1102は印刷ジョブのドキュメント名を示す。
【0059】
部数1103は、印刷ジョブの部数を示す。ページ数1104は、印刷ジョブを印刷する際の1部あたりのページ数を示す。印刷方法1105は、印刷ジョブの印刷方法を示す。具体的には、片面印刷や両面印刷の設定を示す情報である。
【0060】
用紙サイズ1106は、印刷する用紙のサイズを示す情報である。カラー1107は、印刷ジョブ作成時のプリンタドライバのカラーモード設定の情報を示す。
【0061】
ページレイアウト1108は、印刷ジョブの印刷レイアウトを示す情報である。保存日時1109は、クライアントPC200のCPU201が、プリンタドライバ130で当該印刷ジョブを生成した日時である。ジョブサイズ1110は、印刷ジョブのサイズを示す情報である。
【0062】
IPアドレス1111は、印刷ジョブを格納している複合機のIPアドレスを示す情報である。以上が図11の、本発明の実施形態における書誌情報ファイル1100の構成の一例についての説明である。
【0063】
図4の説明に戻る。印刷ジョブ受信機能121は溜め置きプリントアプリケーション120内で動作する。溜め置きプリントアプリケーション120の起動時にプリンタ300、マイプリンタ350上のRAWポート(9100)番を監視する。
【0064】
印刷ジョブ受信機能121はクライアントPC200上のプリンタドライバ130の印刷ジョブ生成機能131から送信される印刷ジョブを受信する。受信した印刷ジョブはプリンタ300、マイプリンタ350のHDD304に保存する。また保存した印刷ジョブを解析し、書誌情報ファイル1100(図11)を取得しメモリ上に保持する。
【0065】
印刷管理機能122は溜め置きプリントアプリケーション120内で動作する。印刷管理機能122は起動時に認証アプリケーション110から、ログイン時に用いたユーザIDに紐付いたIPアドレス1003(図10)を取得し、IPアドレス1003によって書誌情報ファイル1100の取得先を決定する。
【0066】
IPアドレス1003に設定されたIPアドレスがプリンタ300のIPアドレスであれば、プリンタ300のHDD304からユーザ名1002と一致するユーザ名1101を有する書誌情報ファイル1100を取得する。
【0067】
IPアドレス1003がマイプリンタ350のIPアドレスと同一の場合、プリンタ300のHDD及びマイプリンタ350から書誌情報を取得する。
【0068】
印刷管理機能122は取得した書誌情報ファイル1100に基づいて印刷ジョブ一覧を生成し、プリンタの表示画面上に表示する。印刷管理機能122は文書一覧画面でのユーザの印刷指示によって印刷ジョブ一覧で選択されている印刷ジョブの印刷を実行する。
【0069】
プリンタドライバ130はクライアントPC200上で動作する。プリンタドライバ130はクライアントPC200上で動作する各種アプリケーションから呼び出され、対象アプリケーションのデータを複合機で印刷可能なデータに変換する。変換後は対象のプリンタ300に対して生成した印刷ジョブを送信する。尚、クライアントPC200上で動作する各種アプリケーションは、クライアントPC200のCPU201の制御により動作するものである。
【0070】
印刷ジョブ生成機能131はプリンタドライバ130内で動作し、各種アプリケーションからの呼び出しを受けて印刷設定画面を表示する。印刷設定画面では出力の際の各種設定が可能である。またユーザからの印刷指示を受け付け印刷設定画面で設定された設定によって当該アプリケーションの印刷ジョブを生成する。生成した印刷ジョブはプリンタ300に対して印刷を行う。以上が図4の、本発明の実施形態における、各種装置の機能構成の一例の説明である。
【0071】
次に図5〜8を参照して、本発明の実施形態における、プリンタ300の表示部に表示される表示画面に、プリンタ300に格納された印刷ジョブと、マイプリンタ350に格納された印刷ジョブとを表示し、印刷を実行する処理の流れについて説明する。
【0072】
まず、図5を参照して、本発明の実施形態における、溜め置きプリントアプリケーション120起動時の処理流れについて説明する。図5は、本発明の実施形態における、溜め置きプリントアプリケーション120起動時の処理流れを示すフローチャートである。
【0073】
尚、本実施形態においては、ユーザのログインを受け付けるプリンタはプリンタ300であるものとして説明する。また、図5における各ステップの処理は、プリンタ300のCPU301によって制御される溜め置きプリントアプリケーション120が実行するものとする。
【0074】
プリンタ300のCPU301は、印刷ジョブ一覧を表示画面に表示する際に使用する書誌情報ファイル1100を格納するリストである不図示の書誌情報リストの初期化を行う。具体的には複数書誌情報を格納するための空の書誌情報リストをメモリ上に保持する(ステップS501)。
【0075】
プリンタ300のCPU301は、プリンタ300に保存されている印刷ジョブの一覧を取得する(ステップS502)。
【0076】
次にプリンタ300のCPU301は、ステップS504〜ステップS505の処理を、ステップS502で取得した印刷ジョブ数分繰り返し、メモリ上に書誌情報リストを構築する(ステップS503)。
【0077】
なお、プリンタ300のCPU301は、ステップS504において、プリンタ300のHDD304に保存されている印刷ジョブから、書誌情報ファイル1100(図11)を取得し、ステップS505において、ステップS504で取得した書誌情報ファイル1100を、ステップS501で初期化した書誌情報リストに追加する。
【0078】
プリンタ300のCPU301は、プリンタ300のRAWポート(9100)番の監視を開始する(ステップS506)。また、プリンタ300と同ネットワーク上の他のプリンタとの通信ポートを開く(ステップS507)。以上が図5の、本発明の実施形態における、溜め置きプリントアプリケーション120起動時の処理流れについて説明である。
【0079】
次に図6を参照して、本発明の実施形態における、クライアントPC200からプリンタ300、マイプリンタ350へ印刷ジョブを送信して保存する処理の流れについて説明する。図6は、本発明の実施形態における、クライアントPC200からプリンタ300、マイプリンタ350へ印刷ジョブを送信して保存する処理の流れの一例を示すフローチャートである。各処理をステップ数と共に説明する。尚、図6におけるステップS603〜S606の処理は、プリンタ300、マイプリンタ350のCPU301によって制御される溜め置きプリントアプリケーション120が実行するものとする。
【0080】
クライアントPC200のCPU201は、プリンタドライバ130を制御して、不図示の印刷設定画面で受け付けたユーザからの指示に従って印刷ジョブを生成する(ステップS601)。そして、ステップS601で生成した印刷ジョブを、ユーザからの指示に従って、クライアントPC200とネットワークを介して通信可能なプリンタへ送信する(ステップS602)。ここでは、クライアントPC200のCPU201が印刷ジョブを送信する送信先がプリンタ300であるものとして説明する。
【0081】
プリンタ300のCPU301は、ステップS602でクライアントPC200のCPU201が送信した印刷ジョブを受信する(ステップS603)。
【0082】
具体的にはポート9100を監視して、外部からデータが送信された際にコネクトを開始する。そして、ステップS603で受信した印刷ジョブをプリンタ300のHDD304上の所定のフォルダに保存する(ステップS604)。
【0083】
プリンタ300のCPU301は、ステップS604で保存した印刷ジョブを解析し、書誌情報を取得して、図11に示すような書誌情報ファイルを生成し、メモリ上に保持する(ステップS605)。そして、当該書誌情報ファイル1100に基づいて、ステップS501で生成した書誌情報リストに書誌情報を追加し、処理を終了する(ステップS606)。以上が、図6の、本発明の実施形態における、クライアントPC200からプリンタ300、マイプリンタ350へ印刷ジョブを送信して保存する処理の流れについての説明である。
【0084】
次に図7を参照して、本発明の実施形態における、ログイン中プリンタの表示画面に、ログイン中プリンタ内の印刷ジョブと、マイプリンタ内の印刷ジョブを表示する処理の流れを説明する。図7は、本発明の実施形態における、ログイン中プリンタの表示画面に、ログイン中プリンタ内の印刷ジョブと、マイプリンタ内の印刷ジョブを表示する処理の流れを示すフローチャートである。各処理をステップ数とともに説明する。
【0085】
尚、ここではユーザのログインを受け付けるプリンタが、プリンタ300であるものとして説明する。また、図7におけるステップS701〜S704の処理は、プリンタ300のCPU301によって制御される認証アプリケーション110が実行するものとする。同じく、図7におけるステップS705〜S709、及び、ステップS711〜S716の処理は、プリンタ300のCPU301によって制御される溜め置きプリントアプリケーション120が実行するものとする。ステップS710の処理は、マイプリンタ350のCPU301によって制御される溜め置きプリントアプリケーション120が実行するものとする。
【0086】
プリンタ300のCPU301は、認証情報の入力(ICカードの検知)を受け付けたか否かを判定する(ステップS701)。この際、プリンタ300のUI上に表示されている画面は図7に示すような、メイン認証画面1300である。メイン認証画面1300の詳細については、図13の説明にて後述する。
【0087】
また、本実施形態では、ICカードの検知を以て認証情報の入力の有無を判定する。プリンタ300のCPU301は、ICカードを検知した場合(ステップS701でYES)、処理をステップS702に移行する。
【0088】
プリンタ300のCPU301は、ICカードからカードIDを取得する(ステップS702)。そして、プリンタ300内のHDD304で管理している、図10に示すユーザ情報テーブル1000から、ステップS702で取得したカードIDと一致するユーザID1001に紐づくユーザ名1002、IPアドレス1003を取得する(ステップS703)。
【0089】
そして、プリンタ300のCPU301により制御された認証アプリケーションは、プリンタ300の溜め置きプリントアプリケーション120にログインイベントを通知し(ステップS704)、プリンタ300の溜め置きプリントアプリケーション120がログインイベントを取得する(ステップS705)。
【0090】
プリンタ300のCPU301は、表示画面に印刷ジョブ一覧を表示する際に使用するログインユーザの書誌情報を格納するログインユーザ書誌情報リストの初期化を行う(ステップS706)。具体的には複数のログインユーザの書誌情報を格納するための空のリストをメモリ上に保持する。
【0091】
プリンタ300のCPU301は、ステップS705で取得したログインイベントからユーザ名1002、IPアドレス1003(図10)を取得する(ステップS707)。
【0092】
尚、ICカードにカードIDと対応したユーザ名、マイプリンタのIPアドレスが記憶されている場合は、ステップS702でカードIDを検知するタイミングでユーザ名・マイプリンタのIPアドレスを取得し、ステップS703、及び、後述するステップS707の代わりとしてもよい。
【0093】
そして、プリンタ300のCPU301は、ステップS707で取得したIPアドレス1003がプリンタ300のIPアドレスと一致するか否かを判定する(ステップS708)。一致しない場合は処理をステップS709に移行し、一致する場合は処理をステップS713に移行する。
【0094】
プリンタ300のCPU301は、ステップS707で取得したIPアドレスがプリンタ300のIPアドレスと一致すると判定した場合、プリンタ300がマイプリンタであると判断し、ステップS501(図5)で生成した書誌情報リストから、ステップS707で取得したユーザ情報、及び、ログインユーザの書誌情報を取得し(ステップS713)、当該書誌情報をステップS706で生成した書誌情報リストに格納する(ステップS714)。
【0095】
尚、ステップS707で取得したIPアドレスが複数存在する場合は、当該IPアドレスから特定される全てのマイプリンタから書誌情報を取得するようにしてもよい。また、プリンタ300がマイプリンタであると判定した場合であっても、プリンタ300以外のマイプリンタに対し、以下に説明するステップS709〜S712の処理を実行するものとする。
【0096】
一方、ステップS707で取得したIPアドレスがプリンタ300のIPアドレスと一致しないと判定した場合、プリンタ300のCPU301は、当該IPアドレスの示すプリンタであるマイプリンタ350に対し、ユーザ名1002を送信し、同ユーザ名をユーザ名1101に含む書誌情報ファイル1100の問い合わせを行う(ステップS709)。
【0097】
マイプリンタ350のCPU301は、ステップS709でプリンタ300より送信されたユーザ名1002を受信し、マイプリンタ350のメモリ上の書誌情報リストからユーザ名1002を含む書誌情報ファイル1100(図11)のリストを抽出し、プリンタ300に返信する(ステップS710)。
【0098】
プリンタ300のCPU301は、ステップS710で抽出された書誌情報リストを取得し(ステップS711)、プリンタ300のCPU301がステップS706で生成したログインユーザの書誌情報リストに追加する(ステップS712)。
【0099】
続いて、プリンタ300のCPU301は、ステップS501(図5)で生成した書誌情報リストから、ステップS707で取得したユーザ情報に基づいて、ログインユーザの書誌情報を取得し(ステップS713)、当該書誌情報をステップS706で生成した書誌情報リストに格納する(ステップS714)。
【0100】
プリンタ300のCPU301は、ステップS706で生成された書誌情報リストであって、ステップS712とステップS714でそれぞれ書誌情報が追加された書誌情報リストを、図11で示す書誌情報ファイル1100の保存日時1109を基準にソートする(ステップS715)。尚、ソートの方法は保存日時1109を基準としたものに限らない。
【0101】
プリンタ300のCPU301は、ステップS715でソートしたログインユーザの書誌情報リストを図12で示すようなログインユーザの印刷ジョブ一覧画面1200でプリンタ300上のUIに表示する(ステップS716)。図12に示す印刷ジョブ一覧画面1200の詳細は、図12の説明にて後述する。
【0102】
また、ICカード内にマイプリンタ350のUPアドレスが、カードIDと対応付けて記憶されている場合、プリンタ300のCPU301はステップS702にて、カードIDと、ICカードに記憶されたマイプリンタ350のIPアドレスとを取得し、ステップS708において、ステップS702で取得したIPアドレスに基づいて、当該プリンタがプリンタ300であるか、マイプリンタ350であるかを判定するものとする。以上が図7の、本発明の実施形態における、ログイン中プリンタの表示画面に、ログイン中プリンタ内の印刷ジョブと、マイプリンタ内の印刷ジョブとを表示する処理の流れについての説明である。
【0103】
次に図12を参照して、本発明の実施形態における、印刷ジョブ一覧画面1200の構成の一例について説明する。図12は、本発明の実施形態における、印刷ジョブ一覧画面1200の構成の一例を示す図である。
【0104】
図12に示す通り、印刷ジョブ一覧画面1200は、ユーザ名表示部1201、「更新」ボタン1202、印刷ジョブ選択受付部1203、「全選択」ボタン1204、「プリント開始」ボタン1205等から構成されている。
【0105】
ユーザ名表示部1201は、当該印刷ジョブ一覧画面1200を表示するプリンタにログイン中のユーザのユーザ名を表示する表示部である。「更新」ボタン1202は、印刷ジョブの受信状況の変化に伴い、印刷ジョブ一覧画面1200の表示状態を更新するためのボタンである。
【0106】
印刷ジョブ選択受付部1203は、ユーザによる印刷ジョブの選択を受け付ける選択受付部である。「全選択」ボタン1204は、印刷ジョブ一覧画面1200に表示されている全ての印刷ジョブを選択状態にするためのボタンである。
【0107】
「プリント開始」ボタン1205は、ユーザからの選択を受け付けた印刷ジョブの印刷を開始するためのボタンである。以上が図12の、本発明の実施形態における、印刷ジョブ一覧画面1200の構成の一例についての説明である。
【0108】
次に図8を参照して、本発明の実施形態における印刷処理の流れについて説明する。図8は、本発明の実施形態における印刷処理の流れを示すフローチャートである。各処理をステップ数と共に説明する。
【0109】
プリンタ300のCPU301は、ユーザからの印刷指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS801)。具体的には、図10に示す印刷ジョブ一覧画面1200で一覧から印刷ジョブの選択を受け付け、「プリント開始」ボタン1006の押下を受け付けることで印刷指示を受け付けたと判定する。
【0110】
印刷指示を受け付けた場合(ステップS801でYES)、処理をステップS802に移行し、印刷指示を受け付けなかった場合(ステップS801でNO)、印刷指示を受け付けるまで待機する。
【0111】
印刷指示を受け付けた場合(ステップS801でYES)、プリンタ300のCPU301は、図7のステップS715でソートした書誌情報リストから印刷ジョブ一覧画面1200で選択を受け付けた印刷ジョブの書誌情報ファイル1100(図11)を取得する(ステップS802)。
【0112】
以降、プリンタ300のCPU301は、ステップS801で選択を受け付けた全ての文書に対して、ステップS817までの処理を繰り返す(ステップS803)。プリンタ300のCPU301は、ステップS802で取得した書誌情報ファイル1100のうち、ひとつの書誌情報ファイルを抽出する(ステップS804)。
【0113】
プリンタ300のCPU301は、ステップS804で抽出した書誌情報ファイル1100に対応する印刷ジョブの保存場所を示すIPアドレス1111(図11)に基づき、当該印刷ジョブがプリンタ300のHDD304に格納されているか、マイプリンタ350のHDD304に格納されているかを判定する(ステップS805)。
【0114】
プリンタ300のCPU301は、当該印刷ジョブがプリンタ300のHDD304に格納されていると判定した場合、プリンタ300のHDD304より当該印刷ジョブを取得し(ステップS809)、印刷処理を実行する(ステップS810)。
【0115】
一方、当該印刷ジョブがマイプリンタ350のHDD304に格納されていると判定した場合、プリンタ300のCPU301は処理をステップS806に移行し、マイプリンタ350に対して、プリンタ300に対する当該印刷ジョブの送信要求と、ステップS805で取得した書誌情報ファイル1100とを送信する。(ステップS806)。
【0116】
マイプリンタ350はステップS806で送信された要求を受け、ステップS805で抽出した書誌情報ファイル1100に対応する印刷ジョブをマイプリンタ350のHDD304から取得し、プリンタ300に対して送信する(ステップS807)。
【0117】
プリンタ300のCPU301は、ステップS807で送信された印刷ジョブを受信し(ステップS808)、印刷処理を実行する(ステップS810)。ここで、マイプリンタ350から受信した印刷ジョブはファイルに書き出さず印刷プロトコルに直接印刷ジョブを受け渡すものとする。
【0118】
尚、プリンタ300のCPU301はRAWポート(9100)を監視しているため、そのままRAWポート(9100)へ送信すると印刷できない。そのため、RAW印刷以外の印刷手段で印刷実行する。例えば印刷コマンドであるLPRや一般的な印刷プロトコルとして用意されているFTP印刷やIPP印刷等を利用する形態が考えられる。
【0119】
続いて、プリンタ300のCPU301は、ステップS810で実行した印刷処理が成功したか否かを判定する(ステップS811)。印刷が成功しなかったと判定した場合は(ステップS811でNO)、処理をステップS812に移行し、印刷失敗の理由を示す情報を印刷エラー通知としてプリンタ300のUI上に表示し(ステップS812)、処理を終了する。
【0120】
一方、ステップS811で印刷が成功したと判定した場合(ステップS811でYES)、プリンタ300のCPU301は印刷成功した印刷ジョブの格納場所が、プリンタ300か、マイプリンタ350かを判定する(ステップS813)。
【0121】
印刷ジョブの格納場所がプリンタ300である場合、処理をステップS814に移行し、当該印刷ジョブに対応する書誌情報ファイル1100を、ステップS706で生成したログインユーザの書誌情報リスト及び図5のステップS501で生成した書誌情報リストから削除する(ステップS814)。
【0122】
続いて、プリンタ300のCPU301は、プリンタ300のHDD内に保存されている、ステップS810で印刷が成功したと判断した当該印刷ジョブを削除する(ステップS815)。
【0123】
一方、印刷ジョブの格納場所がマイプリンタ350である場合、プリンタ300のCPU301は、処理をステップS816に移行し、マイプリンタ350に対し、印刷成功した当該印刷ジョブに対応する書誌情報ファイル1100を送信し、マイプリンタ350上の当該書誌情報ファイル1100と同一の書誌情報と、当該書誌情報に対応する印刷ジョブの削除を依頼する(ステップS816)。
【0124】
マイプリンタ350のCPU301は、書誌情報リスト及びログインユーザ書誌情報リストから当該文書の書誌情報を削除する(ステップS817)。また、マイプリンタ350のHDD304内に保存されている、当該書誌情報ファイル1100に対応する印刷ジョブを削除する(ステップS818)。以上、ステップS804〜S818までの処理を、ステップS801で選択指示を受け付けた全ての印刷ジョブ及び書誌情報ファイルに適用した後、処理を終了する。
【0125】
尚、ここでは印刷成功文書は削除するとしているが、再印刷を可能にするため、管理者設定等で印刷成功後に文書を削除しない設定(例えば、印刷済のフラグを付与する設定)や、ユーザが印刷時に個別に印刷成功後の削除の有無を選択可能にしてもよい。
【0126】
この場合、プリンタ300のCPU301は、ステップS816で当該印刷成功した印刷ジョブと、印刷ジョブに対応する書誌情報ファイル1100に印刷済のフラグを設定するよう依頼する(ステップS816)。
【0127】
マイプリンタ350のCPU301は、プリンタ300からの依頼を受け、当該書誌情報ファイル1100に印刷済フラグを設定し(ステップS817)、ステップS818の印刷ジョブの削除処理を行わずに処理を終了する。以上が図8の、本発明の実施形態における印刷処理の流れについての説明である。
【0128】
次に、図9を参照して、本発明の実施形態における、マイプリンタ350のIPアドレスをユーザ情報テーブルに登録するIPアドレス登録処理の流れについて説明する。図9は、本発明の実施形態における、マイプリンタ350のIPアドレスをユーザ情報テーブルに登録するIPアドレス登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0129】
プリンタ300のCPU301は、プリンタ300上のUIに表示される、図13に示すメイン認証画面1300上の「ユーザ設定」ボタン1301が検知されるまで待機する(ステップS901)。図13に示すメイン認証画面1300については図13の説明にて後述する。
【0130】
ここで図13を参照して、本発明に実施形態における、認証情報の入力を受け付ける際にプリンタの表示画面に表示する、メイン認証画面1300の構成の一例について説明する。図13は、本発明に実施形態における、認証情報の入力を受け付ける際にプリンタの表示画面に表示する、メイン認証画面1300の構成の一例を示す図である。
【0131】
図13に示す通り、メイン認証画面1300は、「ユーザ設定」ボタン1301等から構成されている。「ユーザ設定」ボタン1301は、ユーザ毎のマイプリンタの設定処理開始のためのボタンである。以上が図13の、認証情報の入力を受け付ける際にプリンタの表示画面に表示する、メイン認証画面の構成の一例についての説明である。
【0132】
図9の説明に戻る。認証アプリケーション110は「ユーザ設定」ボタン1301が押された事を検知すると、ポップアップ画面として、図14で示すユーザに認証を促す登録処理準備画面1400をプリンタ300のUI上に表示する(ステップS902)。登録処理準備画面1400については図14の説明にて後述する。
【0133】
ここで図14を参照して、本発明の実施形態における、マイプリンタのIPアドレスの登録処理準備画面1400の構成の一例について説明する。図14は、本発明の実施形態における、マイプリンタのIPアドレスの登録処理準備画面1400の構成の一例を示す図である。
【0134】
登録処理準備画面1400は。登録処理準備画面1400がプリンタ300のUIに表示されている状態でICカードを検知することで、UIに表示されている画面をマイプリンタ登録画面1500に移行するための画面である。マイプリンタ登録画面1500の詳細については図15の説明にて後述する。図に示す通り登録処理準備画面1400は、「キャンセル」ボタン1401等から構成されている。
【0135】
「キャンセル」ボタン1401は、マイプリンタの設定処理を終了するためのボタンである。以上が図14の、本発明の実施形態における、マイプリンタのIPアドレスの登録処理準備画面1400の構成の一例についての説明である。
【0136】
図9の説明に戻る。プリンタ300のCPU301は、ICカードによる認証情報の入力を受け付けると、ICカード認証を開始し、カードIDを取得する(ステップS903)。そして、プリンタ300内のHDD304で管理されている図10に示すユーザ情報テーブル1000から、ステップS903で取得したカードIDと一致するユーザID1001に紐づくユーザ名1002、IPアドレス1003を取得する(ステップS904)。次にプリンタ300のCPU301は、UI上に図15に示すマイプリンタ登録画面1500を表示する(ステップS905)。
【0137】
ここで図15を参照して、本発明の実施形態におけるマイプリンタ登録画面1500の構成の一例について説明する。図15は、本発明の実施形態におけるマイプリンタ登録画面1500の構成の一例を示す図である。
【0138】
図15に示す通り、マイプリンタ登録画面1500は、ユーザ名表示部1501、マイプリンタアドレス入力受付部1502、「登録」ボタン1503、「キャンセル」ボタン1504、「プリンタ一覧」ボタン1505等から構成されている。ユーザ名表示部1501は、当該マイプリンタ登録画面1500を表示するプリンタにログイン中のユーザのユーザ名を表示する表示部である。
【0139】
マイプリンタアドレス入力受付部1502は、ユーザからのマイプリンタのIPアドレスの入力を受け付ける入力受付部である。「登録」ボタン1503は、マイプリンタアドレス入力部で入力を受け付けたIPアドレスを、ユーザ情報テーブル1000(図10)に登録・更新するためのボタンである。
【0140】
「キャンセル」ボタン1504は、マイプリンタの登録処理を中止するためのボタンである。「プリンタ一覧」ボタン1505は、当該マイプリンタ登録画面と同ネットワーク上に接続されるプリンタのIPアドレスの一覧(不図示)を表示するためのボタンである。当該「プリンタ一覧」ボタン1505の押下受付により表示されるIPアドレスの一覧からのIPアドレスの選択を受け付けることで、マイプリンタアドレス入力受付部1502においてプリンタのIPアドレスの直接入力を受け付ける代わりとすることが可能である。以上が図15の、発明の実施形態におけるマイプリンタの登録画面の構成の一例についての説明である。
【0141】
図9の説明に戻る。プリンタ300のCPU301は、ステップS904で取得したIPアドレス1003の値がnullか否かを判定する(ステップS906)。ステップS904で取得したIPアドレス1003がnullでない場合、つまり、ユーザ情報テーブル1000にマイプリンタのIPアドレスが既に登録済みの場合、ステップS907に処理を移行し、現在のマイプリンタのIPアドレスであるIPアドレス1003の値を、マイプリンタアドレス入力受付部1502に表示する(ステップS907)。そして、処理をステップS908に移行する。
【0142】
また、プリンタ300のCPU301は、ステップS904で取得したIPアドレス1003がnullであった場合、つまり、ユーザ情報テーブル1000にマイプリンタのIPアドレスが未登録の場合も処理をステップS908に移行し、ユーザ名表示部1501に、ステップS904で取得したユーザ名1002(図10)に設定されたユーザ名を表示する(ステップS908)。
【0143】
プリンタ300のCPU301は、マイプリンタアドレス入力受付部1502へのIPアドレスの入力を検知し(ステップS909)、当該入力内容をマイプリンタアドレス入力受付部1502に表示する。当該IPアドレスの入力検知は、ユーザからのマイプリンタアドレス入力受付部1502へのIPアドレスの直接入力の検知でもよいし、「プリンタ一覧」ボタン1505の押下受付により表示される、不図示のIPアドレスの一覧からの、IPアドレスの選択指示を以て検知したと判断してもよい。
【0144】
プリンタ300のCPU301は、「登録」ボタン1503の押下を検知すると(ステップS910)、当該「登録」ボタン1503の押下検知時に、前記マイプリンタアドレス入力受付部1502に表示されているIPアドレスを、新たなマイプリンタのIPアドレスとして、プリンタ300の認証アプリケーション110が保持するユーザ情報テーブル1000を更新する(ステップS911)。
【0145】
そして、ステップS911で更新した内容を更新情報として、図1に示すLAN101で接続された他のプリンタに対しブロードキャストで送信する(ステップS912)。
【0146】
尚、ここでは送信方法にブロードキャストを使用しているが、前記更新情報の送信先となるプリンタのIPアドレスを管理するテーブルを認証アプリケーション内で保持し、当該テーブルの情報を基に前記更新情報を送信するようにしてもよい。前記送信方法を採用することで、更新情報送信に際してセグメント越えが可能となる。
【0147】
プリンタ300と同じネットワーク上に接続されたプリンタのCPU301は、ステップS912で送信された更新情報を受信し(ステップS913)、更新情報に基づいてそれぞれのプリンタの認証アプリケーション110が保持するユーザ情報テーブル1000を更新する。以上が図9の、本発明の実施形態における、マイプリンタ350のIPアドレスをユーザ情報テーブルに登録する処理の流れについての説明である。
【0148】
尚、図9の説明においては、各プリンタの認証アプリケーション110が、ユーザ情報テーブル1000上でマイプリンタ350のIPアドレス(IPアドレス1003)を管理している場合の同IPアドレスの登録・更新処理について説明したが、マイプリンタ350のIPアドレスがICカード内に記憶され、管理されている場合には、図9に示す登録・更新処理は必ずしも必要なものではない。
【0149】
ICカード内にマイプリンタ350のIPアドレスが記憶されている場合には、ICカード内に記憶されているIPアドレスの情報を直接変更・更新することで、図9に示す、マイプリンタ350のIPアドレスをユーザ情報テーブルに登録する処理と同様の効果を得ることが可能である。
【0150】
以上のように、上記実施体系によれば、書誌情報を管理するサーバを設置せずに、より簡潔なシステムで所望の印刷装置とマイプリンタからユーザの文書一覧を取得できる画像形成装置、その制御方法及びプログラム、並びに画像形成システムを提供することが可能となる。
【0151】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0152】
また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウエアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0153】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0154】
以下、本発明の特許請求の範囲に記載した請求項の各構成要件が、本発明の実施形態における各装置の何れの処理を指すかについて説明する。本発明の実施形態におけるプリンタ300のCPU301は図7のステップS701においてカードを検知し、ユーザ情報の入力を受け付ける(画像形成装置にログインするユーザを示すユーザ情報の入力を受け付ける入力受付手段)。
【0155】
そして、図7のステップS707において、ステップS702で取得したユーザ情報に対応するIPアドレス1003(図10)をユーザ情報テーブルより取得する。(前記入力受付手段により入力を受け付けたユーザ情報に対応するマイプリンタとしての画像形成装置を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段)。
【0156】
プリンタ300のCPU301は、図7のステップS708において、ステップS707で取得したIPアドレス1003が、ユーザがログイン中のプリンタ300のIPアドレスと一致するか否かを判定する(前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であるかどうかを判定する判定手段)。
【0157】
ステップS707で取得したIPアドレス1003の値が、ユーザがログイン中のプリンタ300のIPアドレスと一致しないと判定した場合、当該IPアドレスの示すプリンタであるマイプリンタ350に対し、ユーザ名1002をユーザ名1101(図11)に含む書誌情報ファイル1100の問い合わせを行う。マイプリンタ350のCPU301は当該問い合わせ内容に該当する書誌情報ファイル1100(図11)のリストをプリンタ300に返信し、プリンタ300のCPU301は当該書誌情報リストを取得する(ステップS711)。(前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得/ステップS712)。
【0158】
プリンタ300のCPU301は、ステップS707で取得したIPアドレスがプリンタ300のIPアドレスと一致すると判定した場合、プリンタ300がマイプリンタ350であると判断し、ステップS501(図5)で生成した書誌情報リストから、ステップS707で取得したユーザ情報、及び、ログインユーザの書誌情報を取得する(前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であると判定した場合、当該ユーザがログイン中の画像形成装置自身に格納された印刷ジョブの情報を取得するジョブ情報取得手段)。
【0159】
つまり、プリンタ300のCPU301は、マイプリンタ350に対し、ユーザ名1002をユーザ名1101に含む書誌情報ファイル1100の取得要求をして(前記識別情報により識別される画像形成装置に対し、前記入力受付手段で入力を受け付けたユーザ情報を送信し、当該印刷ジョブの情報の取得要求をするジョブ情報取得要求手段)、マイプリンタ350のCPU301は、当該取得要求を受けて(前記ジョブ情報取得要求手段により送信されたユーザ情報と、ジョブの情報の取得要求を受信するジョブ情報取得要求受信手段)、当該取得要求に該当する書誌情報ファイル1100のリスト抽出し(前記ジョブ情報取得要求受信手段で受信したユーザ情報に基づいて、前記ユーザ情報に対応する印刷ジョブの情報を、前記識別情報により識別される画像形成装置から抽出する抽出手段)、当該リストをプリンタ300に返信する(前記抽出手段で抽出した印刷ジョブの情報を、前記ユーザがログイン中の画像形成装置に返信する返信手段)。
【0160】
プリンタ300のCPU301は、当該リストを取得する(前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記ジョブ情報取得要求手段で送信した取得要求に対する返信としての印刷ジョブの情報を取得/ステップS711)。
【0161】
プリンタ300のCPU301は、図7のステップS716において、ログインユーザの書誌情報リストを図10で示すようなログインユーザの印刷ジョブ一覧画面1200でプリンタ300のUIに表示する(前記ジョブ情報取得手段により取得された印刷ジョブの情報を表示画面に表示する表示制御手段)。
【0162】
プリンタ300のCPU301は、図7のステップS707で取得したIPアドレスが複数存在する場合は、プリンタ300以外のマイプリンタに対し、ステップS709〜S712の処理を実行するものとする(前記ジョブ情報取得手段は、前記識別情報取得手段で前記識別情報を複数取得し、前記判定手段で前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身が前記識別情報により識別される画像形成装置と同一であると判定した場合、前記ユーザがログイン中の画像形成装置以外の前記識別情報により識別される画像形成装置より印刷ジョブの情報を取得することを特徴とする)。
【0163】
プリンタ300のCPU301は、図7のステップS712において、ステップS711で取得したマイプリンタ350内の書誌情報ファイルをログインユーザの書誌情報リストに追加し、ステップS714において、ステップS713で取得したプリンタ300内の書誌情報ファイルを同書誌情報リストに追加する(前記ジョブ情報取得手段は、前記ユーザがログイン中の画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得する)。そして、ステップS716において、上記ログインユーザの書誌情報リストに基づいた印刷ジョブの一覧をUIに表示する(前記表示制御手段は、前記識別情報により識別される画像形成装置から取得した印刷ジョブの情報と前記ユーザがログイン中の画像形成装置から取得した印刷ジョブの情報とを、表示画面上に表示する)。
【0164】
また、各印刷ジョブは、印刷ジョブを発行したユーザを情報と対応するユーザID1001・ユーザ名を含むユーザ情報テーブル1000上の、IPアドレス1003から特定されるプリンタに格納するものとしてもよい(前記ユーザ情報に対応する印刷ジョブを、前記ユーザ情報に対応した前記識別情報で識別される画像形成装置に格納する格納手段)。このような構成を取ることで、プリンタにログインするユーザに対し、どのプリンタからでも、当該ユーザの所望する全ての印刷ジョブを確認することが出来る。
【0165】
プリンタ300のCPU301は、ICカードにカードIDと対応したマイプリンタのIPアドレスが記憶されている場合は、図7のステップS702でカードIDを検知するタイミングでマイプリンタのIPアドレスを取得する構成を取ってもよい(前記入力受付手段は、前記ユーザ情報に加えて前記識別情報の入力を受け付け、前記識別情報取得手段は、前記入力受付手段で入力を受け付けた前記識別情報を取得することを特徴とする)。
【0166】
また、マイプリンタのIPアドレスを各プリンタの認証アプリケーションが管理している場合、プリンタ300のCPU301は、図7のステップS701〜S707の説明の通り、ステップS702で取得したカードIDに基づいて、認証アプリケーションが管理するユーザ情報テーブル1000の中から当該カードIDと同一のユーザID1001に対応したIPアドレス1003を取得する(前記ユーザ情報と前記識別情報を対応付けて記憶する記憶手段を更に備え、前記識別情報取得手段は、前記記憶手段に記憶された前記識別情報であって、前記入力受付手段で入力を受け付けたユーザ情報と同一のユーザ情報に対応付けて記憶された前記識別情報を取得することを特徴とする)。
【0167】
プリンタ300のCPU301は、図9のステップS909において、ユーザからのマイプリンタのIPアドレスの入力を受け付け、ステップS911において、入力されたIPアドレスを基にユーザ情報テーブル1000のIPアドレス1003を更新する(ユーザからの指示に従って、前記記憶手段に記憶された識別情報の変更を行う識別情報変更手段)。
【0168】
そして、ステップS912において、更新情報を当該ユーザがログイン中のプリンタ300以外のプリンタに対して送信し、(前記識別情報変更手段で変更した識別情報と、前記識別情報に対応するユーザ情報とを外部装置へ送信する送信手段)、更新情報を受信したプリンタは(外部装置から前記識別情報と前記ユーザ情報とを受信する受信手段)、ステップS913において、当該更新情報を受信したプリンタ内のユーザ情報テーブル1000の内容を更新する(前記識別情報変更手段は、前記受信手段で受信した前記ユーザ情報と前記識別情報とに基づいて、前記記憶手段に記憶された前識別情報を変更する)。
【0169】
プリンタ300のCPU301は、図8のステップS801において、ユーザからの印刷指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、図10に示す印刷ジョブ一覧画面1200で一覧から印刷ジョブの選択を受け付け、「プリント開始」ボタン1006(図10)の押下を受け付けることで印刷指示を受け付けたと判定し(前記表示制御手段により表示した印刷ジョブの選択指示を受け付ける選択指示受付手段)、ステップS810において、印刷処理を実行する(前記選択指示受付手段で選択指示を受け付けた印刷ジョブを前記ユーザがログイン中の画像形成装置で印刷する印刷手段)。
【0170】
プリンタ300のCPU301は、図8のステップS813において、印刷成功した印刷ジョブの格納場所がプリンタ300内か、マイプリンタ350かを判定し、当該格納場所がマイプリンタ350であった場合、ステップS816において、当該印刷成功した印刷ジョブに対応する書誌情報ファイル1100に対して印刷済のフラグを付与する旨を依頼し、マイプリンタ350のCPU301は、当該依頼を受けて、当該書誌情報ファイルに印刷済のフラグを設定する(前記印刷手段で印刷した印刷ジョブが前記識別情報により識別される画像形成装置から取得した印刷ジョブであった場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された、前記印刷手段で印刷した印刷ジョブのステータスを印刷済みステータスに変更する変更手段)。
【0171】
また、印刷成功した印刷ジョブを削除する場合、プリンタ300のCPU301は、図8のステップS813において、印刷成功した印刷ジョブの格納場所がプリンタ300内か、マイプリンタ350かを判定し、当該格納場所がマイプリンタ350であった場合、ステップS816において、マイプリンタ350に対し、当該印刷ジョブと印刷ジョブに対応する書誌情報ファイルの削除依頼を送信し、マイプリンタ350のCPU301は、当該印刷ジョブと書誌情報ファイルを削除する(前記印刷手段で印刷した印刷ジョブが前記識別情報により識別される像形成装置から取得した印刷ジョブであった場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された前記印刷手段で印刷した印刷ジョブを、前記識別情報により識別される画像形成装置上から削除する削除手段)。以上が、本発明の特許請求の範囲に記載した請求項の各構成要件が、本発明の実施形態における各装置の何れの処理を指すかについての説明である。

【符号の説明】
【0172】
101 LAN
110 認証アプリケーション
111 認証機能
112 マイプリンタ情報登録機能
120 溜め置きプリントアプリケーション
121 印刷ジョブ受信機能
122 印刷管理機能
130 プリンタドライバ
131 印刷ジョブ生成機能
200 クライアントPC
300 プリンタ
350 マイプリンタ
200 クライアントPC
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
209 キーボード
210 CRTディスプレイ
211 外部メモリ(HD、FD)
300 画像処理装置(複合機、プリンタ)
301 CPU
302 RAM
303 ROM
304 HDD
305 NetworkI/F
306 MODEM
307 操作部I/F
308 操作部
309 システムバス
310 RIP
311 プリンタI/F
312 プリンタ
313 スキャナI/F
314 スキャナ
315 画像バス
316 コントローラユニット
317 画像処理部
318 外部I/F
319 カードリーダ
1000 ユーザ認証テーブル
1100 書誌情報ファイル
1200 印刷ジョブ一覧画面
1300 認証メイン画面
1400 登録処理準備画面
1500 マイプリンタ登録画面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置にログインするユーザを示すユーザ情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段により入力を受け付けたユーザ情報に対応するマイプリンタとしての画像形成装置を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得し、一方、前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であると判定した場合、当該ユーザがログイン中の画像形成装置自身に格納された印刷ジョブの情報を取得するジョブ情報取得手段と、
前記ジョブ情報取得手段により取得された印刷ジョブの情報を表示画面に表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ情報取得手段は、前記識別情報取得手段で前記識別情報を複数取得し、前記判定手段で前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身が前記識別情報により識別される画像形成装置と同一であると判定した場合、前記ユーザがログイン中の画像形成装置以外の前記識別情報により識別される画像形成装置より印刷ジョブの情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ジョブ情報取得手段は、前記ユーザがログイン中の画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得することを特徴とし、
前記表示制御手段は、前記識別情報により識別される画像形成装置から取得した印刷ジョブの情報と前記ユーザがログイン中の画像形成装置から取得した印刷ジョブの情報とを、表示画面上に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報に対応する印刷ジョブを、前記ユーザ情報に対応した前記識別情報で識別される画像形成装置に格納する格納手段
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入力受付手段は、前記ユーザ情報に加えて前記識別情報の入力を受け付け、
前記識別情報取得手段は、前記入力受付手段で入力を受け付けた前記識別情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報と前記識別情報を対応付けて記憶する記憶手段
を更に備え、
前記識別情報取得手段は、前記記憶手段に記憶された前記識別情報であって、前記入力受付手段で入力を受け付けたユーザ情報と同一のユーザ情報に対応付けて記憶された前記識別情報を取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ユーザからの指示に従って、前記記憶手段に記憶された識別情報の変更を行う識別情報変更手段と、
前記識別情報変更手段で変更した識別情報と、前記識別情報に対応するユーザ情報とを外部装置へ送信する送信手段と、
外部装置から前記識別情報と前記ユーザ情報とを受信する受信手段と
を更に備え、
前記識別情報変更手段は、前記受信手段で受信した前記ユーザ情報と前記識別情報とに基づいて、前記記憶手段に記憶された前識別情報を変更することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記表示制御手段により表示した印刷ジョブの選択指示を受け付ける選択指示受付手段と、
前記選択指示受付手段で選択指示を受け付けた印刷ジョブを前記ユーザがログイン中の画像形成装置で印刷する印刷手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷手段で印刷した印刷ジョブが前記識別情報により識別される画像形成装置から取得した印刷ジョブであった場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された、前記印刷手段で印刷した印刷ジョブのステータスを印刷済みステータスに変更する変更手段
を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記印刷手段で印刷した印刷ジョブが前記識別情報により識別される像形成装置から取得した印刷ジョブであった場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された前記印刷手段で印刷した印刷ジョブを、前記識別情報により識別される画像形成装置上から削除する削除手段と
を更に備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
入力受付手段が、画像形成装置にログインするユーザを示すユーザ情報の入力を受け付ける入力受付工程と、
識別情報取得が、前記入力受付工程で入力を受け付けたユーザ情報に対応するマイプリンタとしての画像形成装置を識別するための識別情報を取得する識別情報取得工程と、
判定手段が、前記識別情報取得工程で取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であるかどうかを判定する判定工程と、
ジョブ情報取得手段が、前記判定工程で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得し、一方、前記判定工程で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であると判定した場合、当該ユーザがログイン中の画像形成装置自身に格納された印刷ジョブの情報を取得するジョブ情報取得工程と、
表示制御手段が、前記ジョブ情報取得工程により取得された印刷ジョブの情報を表示画面に表示する表示制御工程と
を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
画像形成装置を、
画像形成装置にログインするユーザを示すユーザ情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で入力を受け付けたユーザ情報に対応するマイプリンタとしての画像形成装置を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得し、一方、前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であると判定した場合、当該ユーザがログイン中の画像形成装置自身に格納された印刷ジョブの情報を取得するジョブ情報取得手段と、
前記ジョブ情報取得手段により取得された印刷ジョブの情報を表示画面に表示する表示制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
ユーザがログイン中の画像形成装置と、画像形成装置にログインするユーザを示すユーザ情報に対応する識別情報により識別される画像形成装置と、がネットワークを介して通信可能に接続される画像形成システムであって、
前記ユーザがログイン中の画像形成装置は、
前記ユーザ情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で入力を受け付けたユーザ情報に対応する前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に基づいて、前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記識別情報により識別される画像形成装置に格納された印刷ジョブの情報を取得すべく、前記識別情報により識別される画像形成装置に対し、前記入力受付手段で入力を受け付けたユーザ情報を送信し、当該印刷ジョブの情報の取得要求をするジョブ情報取得要求手段と、
前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一でないと判定した場合、前記ジョブ情報取得要求手段で送信した取得要求に対する返信としての印刷ジョブの情報を取得し、前記判定手段で前記識別情報により識別される画像形成装置が、前記ユーザがログイン中の画像形成装置自身と同一であると判定した場合、当該ユーザがログイン中の画像形成装置自身に格納された印刷ジョブの情報を取得するジョブ情報取得手段と、
前記ジョブ情報取得手段により取得された印刷ジョブの情報を表示画面に表示する表示制御手段と
を備え、
前記識別情報により識別される画像形成装置は、
前記ジョブ情報取得要求手段により送信されたユーザ情報と、ジョブの情報の取得要求を受信するジョブ情報取得要求受信手段と、
前記ジョブ情報取得要求受信手段で受信したユーザ情報に基づいて、前記ユーザ情報に対応する印刷ジョブの情報を、前記識別情報により識別される画像形成装置から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出した印刷ジョブの情報を、前記ユーザがログイン中の画像形成装置に返信する返信手段と
を備えることを特徴とする画像形成システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−3739(P2013−3739A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132632(P2011−132632)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】