説明

画像形成装置、画像形成システム、画像機密管理方法及び画像機密管理プログラム

【課題】本発明は、用紙に形成出力される文書の機密を確実に保護する。
【解決手段】画像形成システム1は、情報を書き込み可能なRFIDタグの付与されている用紙に画像データに基づいてプリンタエンジン12で画像を形成する場合に、CPU26が、該用紙のRFIDタグと通信して情報の読み取りと書き込みを行うRFIDリーダ/ライタ13に、該RFIDタグに記憶されている固有情報を読み取らせ、プリンタエンジン12による用紙への形成画像の元画像データと該用紙の固有情報とを関連付けてネットワークI/F21から画像ログサーバSVへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、画像機密管理方法及び画像機密管理プログラムに関し、詳細には、形成出力した画像の機密を保護する画像形成装置、画像形成システム、画像機密管理方法及び画像機密管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文書の機密が要求されることが多く、機密を要する文書が不用意に画像形成出力されて漏洩することは、企業等にとっては、信用問題である。特に、近年、企業の情報漏洩の問題が深刻化しており、万一顧客情報の漏洩等が発生した企業は、多額の賠償金、社会的信用の失墜など、多大なビジネス上の損失を余儀なくされる。
【0003】
そこで、従来、無線IDタグを含む用紙に画像形成する際に、ユーザが機密文書である旨の指示を行うと、用紙に画像を形成出力するとともに、無線IDタグに機密文書である旨を表す情報を保存する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、ユーザが機密文書である旨の指示を行うと、用紙の無線IDタグに機密文書である旨の情報を保存するのみであるため、例えば、該機密文書情報の保存されている無線IDタグの付与されている文書を複写装置で複写する場合、該複写装置が無線IDタグの機密文書情報を読み取って複写を禁止することはできるが、ユーザが機密文書であるにもかかわらず機密文書の指定を行うのを忘れる等によって機密文書の指定がないときには、機密文書の複製が可能となって、機密文書の管理を適切に行うことができない。また、公報記載の従来技術は、用紙の無線IDタグに機密文書である旨の情報を保存するのみであるため、機密文書の画像形成された用紙自体については、適切に管理することができず、改良の必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、被記録媒体に形成出力される画像の元画像データと該被記録媒体とを関連付けて管理して、機密を確実に保護することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、情報を書き込み可能な記憶媒体の付与されているシート状の被記録媒体に画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、前記被記録媒体の前記記憶媒体と通信して少なくとも情報の読み取りを行う媒体通信手段と、前記記憶媒体に該記憶媒体の付与されている前記被記録媒体を識別する固有情報が記憶されているときには前記媒体通信手段によって該記憶媒体から該固有情報を読み取り、該記憶媒体に該固有情報が未記憶であると、固有情報を生成する固有情報取得手段と、前記固有情報に基づいて該固有情報の対応する前記被記録媒体に形成される画像の機密を管理する管理サーバと通信する通信手段と、前記固有情報取得手段が前記固有情報を生成したときには、前記媒体通信手段に該固有情報を該固有情報に対応する前記被記録媒体の前記記憶媒体に書き込ませるとともに、前記画像形成手段による前記被記録媒体への形成画像の元画像データと該被記録媒体に対して前記固有情報取得手段の取得した前記固有情報とを関連付けて前記通信手段に前記管理サーバへ送信させる制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被記録媒体に形成出力される画像の元画像データと該被記録媒体とを関連付けて管理して、機密を確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成システムのシステム構成図。
【図2】画像形成装置のブロック構成図。
【図3】読み取った固有情報に基づく画像機密管理処理を示すフローチャート。
【図4】生成した固有情報に基づく画像機密管理処理を示すフローチャート。
【図5】画像の機密性判断を伴う画像機密管理処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0010】
図1〜図5は、本発明の画像形成装置、画像形成システム、画像機密管理方法及び画像機密管理プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成システム、画像機密管理方法及び画像機密管理プログラムの一実施例を適用した画像形成システム1のブロック構成図である。
【0011】
図1において、画像形成システム1は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWに、画像形成装置Gk、複数のホスト装置Hs1〜Hsn及び画像ログサーバ(管理サーバ)SVが接続されており、ネットワークNWには、複数の画像形成装置Gkが接続されていてもよい。
【0012】
画像ログサーバSVは、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション等が用いられ、画像管理プログラムを搭載して、該画像管理プログラムに基づいて、画像形成装置Gkからの画像データと該画像データに基づいて画像形成された用紙(被記録媒体)を関連付けてハードディスク等のメモリに保管して画像機密保護の管理を行なったり、画像形成装置Gkから画像データが送られてくると、該画像データが機密を要する画像データであるか否かの判定を行なって判定結果を画像形成装置Gkに送信する機密判定処理等を行う。
【0013】
ホスト装置Hs1〜Hsnは、例えば、通常のハードウェア構成を有するとともに、通常のソフトウェア構成を有するコンピュータ等が用いられ、ハードディスク等に、Windows(登録商標)等のOS(Operating System)及び文書作成ソフトウェア、図形作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、データベースソフトウェア、プリンタドライバ等のアプリケーションフトウェア(以下、単に、アプリケーションという。)が格納されている。ホスト装置Hs1〜Hsnは、ユーザによって、アプリケーションを利用して、文書の作成・編集等が行われて、該文書に対してアプリケーション等から印刷指示が行われると、OSを通してプリンタドライバに文書データと印刷設定情報を渡し、プリンタドライバが、アプリケーションから受け取った文書データを、当該文書データの印刷を行う画像形成装置Gkが解釈できる印刷データを作成するとともに、印刷設定情報を組み込んだ印刷ジョブを生成して、該印刷ジョブを、ネットワークNWを介して画像形成装置Gkに送信する。
【0014】
画像形成装置Gkは、図2に示すように、コントローラ10、コントローラ10、オペレーションパネル11及びプリンタエンジン12等を備えており、電子写真方式による画像形成を行う。
【0015】
コントローラ10は、そのとき設定されている制御モード及びホスト装置Hs1〜Hsnからの制御コードに従って、ホスト装置Hs1〜Hsnからの印字データを、ビデオデータに変換してプリンタエンジン12へ出力する制御機構の総称であり、ネットワークI/F21、プログラムROM(Read Only Memory)22、フォントROM23、パネルI/F24、ハードディスク25、CPU(Central Processing Unit )26、RAM(Random Access Memory)27、NVRAM(不揮発性RAM)28、エンジンI/F29及びオプションRAM30等を備えており、上記各部は、バス31により接続されている。
【0016】
ネットワークI/F(通信手段)21には、ネットワークNWを介してホスト装置Hs1〜HSn及び画像ログサーバSV等が接続されており、ネットワークI/F21は、ホスト装置Hs1〜HsnからネットワークNWを介して画像形成装置Gkへ送られてくる制御信号及び印刷データを受け取るとともに、画像形成装置Gkからホスト装置Hs1〜Hsnへステータス信号の送り出しを行う。また、ネットワークI/F21は、ネットワークNWを介して、画像ログサーバSVに画像データや該画像データに基づいて画像形成した用紙とを関連付ける(紐付ける)関連情報(固有情報及び該固有情報と画像データとを関連付ける情報)の送信を行い、また、機密判定要求等のコマンドの送信と画像ログサーバSVからの機密判定結果等のコマンドの受信を行う。
【0017】
プログラムROM22は、コントローラ10内でのデータの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、画像形成装置Gkとしての基本処理プログラム及び後述する画像機密管理方法を実行する画像機密管理プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
【0018】
パネルI/F24には、オペレーションパネル11が接続されており、オペレーションパネル11は、画像形成装置Gkのモードやフォント等の切換操作等の各種操作を行うための各種操作キーを備えるとともに、画像形成装置Gkの状態を表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。パネルI/F24は、コントローラ10とオペレーションパネル11との間で信号の授受を行う。
【0019】
フォントROM23は、画像形成装置Gkでの印字に使用される各種フォントが予め格納されており、CPU26により読み出されて、印字処理に供される。
【0020】
ハードディスク25は、大容量の記憶容量を有し、ホスト装置Hs1〜Hsnからの印刷データ等を記憶する。
【0021】
CPU(制御手段、固有情報取得手段)26は、プログラムROM22に格納されているプログラムに基づいて画像形成装置Gkの各部を制御して、印字処理を行うとともに、後述する画像機密管理処理を行う。
【0022】
RAM27は、CPU26のワークメモリとして利用されるとともに、ホスト装置Hs1〜Hsnからの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファ、バッファに記憶されたデータを実際の印字パターンに変換したビデオデータを記憶するビットマップメモリ及び後述する画像形成装置Gkで画像形成する画像データまたはページと用紙とを関連付ける関連情報、該画像データの機密判定結果等を一時記憶するメモリ等として利用される。
【0023】
NVRAM28は、画像形成装置Gkの電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、画像形成装置Gkの電源がオフの際にも保持する必要のあるデータがCPU26の制御下で格納される。
【0024】
エンジンI/F29には、プリンタエンジン12が接続されており、コントローラ10からプリンタエンジン12への制御信号やビデオ信号及び後述する関連情報を送信するとともに、プリンタエンジン12からコントローラ10へステータス信号等を受信して、CPU26に渡す。
【0025】
オプションRAM30は、いわゆる補助メモリであり、RAM27の容量が不足した際等に補助として使用されるものである。
【0026】
プリンタエンジン(画像形成手段)12は、エンジンI/F29を介してコントローラ10から受け取ったビデオ信号および制御信号により、所定の画像形成方式、例えば、電子写真方式、インク噴射方式により画像形成(印字処理)を行う画像形成部と画像形成部に用紙(シート状の被記録媒体)を搬送する用紙搬送部等を備えている。すなわち、プリンタエンジン12の画像形成部は、電子写真方式の場合、図示しないが、電子写真方式で記録紙に印刷データを記録出力するのに必要な部品、例えば、感光体、光書込部、現像部、帯電部、クリーニング部及び感光体へ用紙を供給する用紙搬送部等を備えており、用紙搬送部は、RFID方式で後述する固有情報や機密情報の記録されるRFIDタグ(記憶媒体)の付与されている用紙を複数枚収納する用紙カセット及び用紙カセット内の用紙を1枚ずつ感光体へ搬送する搬送部等を備えている。プリンタエンジン12は、この用紙搬送部にRFIDリーダ/ライタ(媒体通信手段)13が配設されており、RFIDリーダ/ライタ13は、用紙に付与されているRFIDタグに、コントローラ10から渡される情報を書き込んだり、用紙のRFIDタグから固有情報等の情報を読み出してコントローラ10のCPU26に渡す。
【0027】
用紙に付与されているRFIDタグは、用紙を識別する固有情報(例えば、固有の番号等)を予め記憶、または、CPU26によって書き込まれて記憶する不揮発性メモリとRFIDリーダ/ライタ13と通信するためのコイル等を備えており、RFIDリーダ/ライタ13は、RFIDタグのコイルとの間で無線通信するアンテナと該アンテナを介して少なくともRFIDタグの情報を読み取る読取部を備えている。
【0028】
なお、RFIDタグは、RFIDリーダ/ライタ13からの電波をエネルギー源として動作するパッシブタイプのタグであってもよいし、電池を内蔵して自ら電波を発するアクティブタイプのタグであってもよい。また、RFIDタグとRFIDリーダ/ライタ13との間の電磁波の伝達方式としては、RFIDタグのコイルとRFIDリーダ/ライタ13のアンテナコイルを磁束結合させて、エネルギー・信号を伝達する電磁誘導方式であってもよいし、RFIDタグのコイルとRFIDリーダ/ライタ13のアンテナで電磁波をやりとりしてエネルギーと信号を伝達する電波方式であってもよいし、他の方法であってもよい。また、用紙に付与されている記憶媒体は、RFIDタグに限るものではない。
【0029】
そして、画像形成装置Gkは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像機密管理方法を実行する画像機密管理プログラムを読み込んでROMプログラムROM22やハードディスク25等に導入することで、後述する用紙に形成出力された画像と該用紙とを関連付けて用紙に出力された画像の機密を管理する画像機密管理方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像機密管理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0030】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成システム1は、用紙に画像形成された画像データと該用紙とを用紙のRFIDタグに記憶する固有情報で関連付けて管理して、画像の機密を確実に保護する。
【0031】
画像形成システム1は、ホスト装置Hs1〜HSnが、ユーザによって印刷文書の指定及び各種印刷設定が行われると、印刷設定情報を組み込んだ印刷ジョブを生成して、該印刷ジョブを、ネットワークNWを介して画像形成装置Gkに送信する。
【0032】
画像形成装置Gkは、ホスト装置Hs1〜HSnから印刷ジョブが送られてくると、コントローラ10のネットワークI/F21が該印刷ジョブを受信して、CPU26が、プログラムROM22内のプログラムに基づいて、RAM27をワークメモリとして利用して、該印刷ジョブを解析処理して、印刷データ及び制御データ(SP、CR、LF、HT、VT、…等)とその他に分け、印刷データ及び印刷制御データをRAM27上の受信バッファに一旦記憶させる。CPU26は、RAM27上の一旦記憶させた印字データ及び印字制御データを一つずつ取り出して、画像形成するのに必要な処理を行う。例えば、CPU26は、取り出したデータが文字コードであると、印字位置、印字サイズ、文字コード、フォント情報等を備えた中間コードを作成して、RAM27上に設けられた中間バッファに収納し、取り出したデータが制御コードやエスケープシーケンス等のコマンドであると、それらに予め定義された処理、例えば、印字位置の指定であると、次の文字コードの位置を指定された位置へ設定、フォントの変更であると、次の文字コードのフォント情報を指定されたフォントにする等の処理を行う。CPU26は、上述のようにしてホスト装置Hs1〜HSnからの印刷ジョブ(印刷命令)の処理を行うか、または、処理を行ったデータが1ページ分を超えると、次に中間バッファに貯えられた中間コードを、制御プログラムに従って、ビデオデータに変換する処理を行い、変換が終了すると、エンジンI/F29を介してプリンタエンジン12にプリントスタートの命令を出すとともに、同期してビデオデータを転送する。画像形成装置Gkは、プリンタエンジン12が、渡されるコマンドとビデオデータに基づいて、用紙に画像を形成出力するとともに、CPU26の制御下で、画像機密管理処理を行う。
【0033】
そして、画像形成装置Gkは、画像機密管理処理として、大きく分けて、2通りの画像機密管理方法で機密文書の管理を行う。すなわち、予め用紙のRFIDタグに該用紙固有の固有情報が記憶されていて、該用紙への画像の形成に際して、該RFIDタグの該固有情報をRFIDリーダ/ライタ13で読み取って、該固有情報と該画像の画像データ(元画像データ)とを関連付けた関連情報を生成して、該関連情報と該画像の元となる画像データを画像ログサーバSVに送信して管理させる第1の画像機密管理方法と、用紙への画像の形成に際して、用紙を特定する固有情報を生成して、該固有情報と該画像の画像データとを関連付けた関連情報を生成して、該固有情報を該用紙のRFIDタグに書き込むとともに、該関連情報と該画像データを画像ログサーバSVに送信して管理させる第2の画像機密管理方法と、がある。
【0034】
まず、第1の画像機密管理方法による画像機密管理処理について、図3に基づいて説明する。画像形成装置Gkは、ネットワークI/F21がホスト装置Hs1〜HSnからの印刷ジョブを受信(データ受信)すると(ステップS101)、CPU26が、上述のように、コマンドを解析して(ステップS102)、画像をRAM27上に展開し(ステップS103)、1ページ分の画像を展開すると、印刷データであるビデオデータと印刷制御データをエンジンI/F29を介してプリンタエンジン12に送って、プリンタエンジン12に用紙に画像を形成させる(ステップS104)。
【0035】
画像形成装置Gkは、CPU26が、画像形成した用紙のRFIDタグから固有情報を、RFIDリーダ/ライタ13に読み取らせ(ステップS105)、読み取った固有情報と形成した画像の画像データ(元画像データ)とを関連付ける(紐付ける)関連情報を生成する(ステップS106)。すなわち、用紙のRFIDタグには、予め該用紙を特定する固有情報が記憶されており、RFIDリーダ/ライタ13でRFIDタグの固有情報を読み取って画像データと関連付ける関連情報を生成する。
【0036】
CPU26は、用紙に形成した画像の元画像データを、ネットワークI/F21を介して画像ログサーバSVに送信し(ステップS107)、固有情報(RFID固有情報)と関連情報を、ネットワークI/F21を介して画像ログサーバSVに送信して画像機密管理処理を終了する(ステップS108)。CPU26は、画像データを送信する際に、少なくとも該画像データの印刷ジョブを識別するためのジョブ識別情報を画像ログサーバSVに送信し、その他の印刷ジョブ、ページに付随する情報については、ビデオデータと同時に画像ログサーバSVに送信してもよいし、ジョブ識別情報により画像ログサーバSVがビデオデータ(画像データ)と関連付けを行うことができるため、別途に送信してもよい。
【0037】
なお、上記説明においては、固有情報と画像データとの関連付けを画像形成装置Gkにおいて行なっているが、画像ログサーバSVで行なってもよい。
【0038】
そして、原稿の挿入口または搬送部に少なくともRFIDリーダを備えている複写装置、複合装置、ファクシミリ装置等の装置に、RFIDタグに上記固有情報の書き込まれている用紙が原稿として挿入された場合、該装置が、RFIDリーダによってRFIDタグの固有情報を読み取り、画像ログサーバSVに固有情報を送信して機密問い合わせを行うことで、機密情報の記録されている原稿であるか否か通知される。その結果、装置は、複写等を禁止したり、どの装置で複写等の処理が行われたかを知ることができ、画像の機密を確実に保護することができる。
【0039】
このように、本実施例の画像形成システム1は、情報を書き込み可能なRFIDタグ(記憶媒体)の付与されているシート状の用紙(被記録媒体)に画像データに基づいて画像を形成するプリンタエンジン(画像形成手段)12と、用紙のRFIDタグと通信して少なくとも情報の読み取りを行うRFIDリーダ/ライタ(媒体通信手段)13と、RFIDタグに該RFIDタグの付与されている用紙を識別する固有情報が記憶されているので、RFIDリーダ/ライタ13によって該RFIDタグから該固有情報を読み取り、CPU(固有情報取得手段)26と、前記固有情報に基づいて該固有情報の対応する用紙に形成される画像の機密を管理する画像ログサーバ(管理サーバ)SVと通信するネットワークI/F(通信手段)21と、プリンタエンジン12による用紙への形成画像の元画像データと該用紙に対して取得した固有情報とを関連付けてネットワークI/F21から画像ログサーバSVへ送信するCPU26と、を備えている。
【0040】
したがって、固有情報の記録されたRFIDタグの用紙に画像を形成して、その画像の元画像データと固有情報を関連付けて画像ログサーバSVに送信することができ、用紙に形成された画像の元画像データと該用紙とを関連付けて複製物だけでなく、画像の形成された用紙自体を管理して、機密を確実に保護することができる。
【0041】
次に、第2の画像機密管理方法による画像機密管理処理について、図4に基づいて説明する。なお、図4において、ず3と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を簡略化または省略する。
【0042】
図4において、画像形成装置Gkは、図3の場合と同様に、ネットワークI/F21がホスト装置Hs1〜HSnからの印刷ジョブを受信(データ受信)すると(ステップS101)、CPU26が、コマンドを解析して(ステップS102)、画像をRAM27上に展開し(ステップS103)、1ページ分の画像を展開すると、印刷データであるビデオデータと印刷制御データをエンジンI/F29を介してプリンタエンジン12に送って、プリンタエンジン12に用紙に画像を形成させる(ステップS104)。
【0043】
画像形成装置Gkは、CPU26が、画像形成した用紙のRFIDタグに記録する固有情報を生成し(ステップS201)、生成した固有情報と形成した画像の画像データとを関連付ける(紐付ける)関連情報を生成する(ステップS106)。すなわち、用紙のRFIDタグには、事前には、固有情報は記憶されておらず、CPU26が、該用紙を特定する固有情報を生成して該固有情報と画像データとを関連付ける関連情報を生成している。
【0044】
CPU26は、用紙に形成した画像の元画像データを、ネットワークI/F21を介して画像ログサーバSVに送信し(ステップS107)、固有情報と関連情報を画像ログサーバSVに送信して画像機密管理処理を終了する(ステップS108)。そして、CPU26は、生成した固有情報を、RFIDリーダ/ライタ13に、該用紙のRFIDタグに書き込ませて、画像機密管理処理を終了する(ステップS202)。
【0045】
このように、本実施例の画像形成システム1は、RFIDタグに該RFIDタグの付与されている用紙を識別する固有情報が記憶されていないため、CPU26が、固有情報を生成して、RFIDリーダ/ライタ13に該固有情報を、該固有情報に対応してプリンタエンジン12で画像形成される用紙のRFIDタグに書き込ませるとともに、プリンタエンジン12による用紙への形成画像の元画像データと該固有情報とを関連付けてネットワークI/F21を介して画像ログサーバSVへ送信している。
【0046】
したがって、固有情報の記録されていないRFIDタグの付与されている用紙に画像を形成する場合にも、該用紙を識別する固有情報を生成して、該RFIDタグに該固有情報を書き込むとともに、その画像の元画像データと固有情報を関連付けて画像ログサーバSVに送信することができ、用紙に形成された画像の元画像データと該用紙とを関連付けて複製物だけでなく、画像の形成された用紙自体を管理して、画像の機密を確実に保護することができる。
【0047】
さらに、画像形成装置Gkは、図5に示すように、画像データを画像ログサーバSVに送信して、画像ログサーバSVが、該画像データが機密を要する画像データであるか否か判断して、判断結果を画像形成装置Gkに返送し、該判断結果に基づいて必要な画像機密処理を行うようにしてもよい。なお、図5において、図3及び図4と同様の処理ステップには、同一のステップナンバを付与して、その説明を簡略化または省略する。
【0048】
すなわち、画像形成装置Gkは、ネットワークI/F21がホスト装置Hs1〜HSnからの印刷ジョブを受信(データ受信)すると(ステップS101)、CPU26が、コマンドを解析して(ステップS102)、画像をRAM27上に展開し(ステップS103)、1ページ分の画像を展開すると、印刷データであるビデオデータと印刷制御データをエンジンI/F29を介してプリンタエンジン12に送って、プリンタエンジン12に用紙に画像を形成させる(ステップS104)。
【0049】
画像形成装置Gkは、CPU26が、画像形成した用紙のRFIDタグに記録する固有情報を生成し(ステップS201)、生成した固有情報と形成した画像の画像データとを関連付ける関連情報を生成する(ステップS106)。
【0050】
CPU26は、用紙に形成した画像の元画像データと機密判断要求を、ネットワークI/F21を介して画像ログサーバSVに送信するとともに(ステップS107)、固有情報を画像ログサーバSVに送信して(ステップS108)、画像ログサーバSVからの応答を待つ(ステップS301)。
【0051】
画像ログサーバSVは、画像形成装置Gkから画像データと機密判断要求があると、画像データが圧縮されているときには、伸張して、圧縮されていないときには、そのままの状態で、パターンマッチング技術や文字認識技術を用いて該画像データを解析して、予め定められているルールに基づいて、機密情報であるか否かを判断し、判断結果をネットワークNWを介して画像形成装置Gkに送信する。
【0052】
画像形成装置Gkは、画像ログサーバSVから判断結果が送信されてくると、CPU26が、該判断結果に基づいて、送信した画像データが機密情報に該当するか否か判断し(ステップS302)、機密情報でないとき(ステップS302で、NOのとき)には、固有情報をRFIDリーダ/ライタ13を介して該用紙のRFIDタグに書き込んで、画像機密管理処理を終了する(ステップS202)。
【0053】
CPU26は、ステップS302で、送信した画像データが機密情報に該当するとき(ステップS302で、YESのとき)には、機密情報である旨をRFIDリーダ/ライタ13を介して該用紙のRFIDタグに書き込み(ステップS303)、固有情報をRFIDリーダ/ライタ13を介して該用紙のRFIDタグに書き込んで、画像機密管理処理を終了する(ステップS202)。
【0054】
このように、本実施例の画像形成システム1は、画像形成装置GkのCPU26が、ネットワークI/F21を介して画像データのみを画像ログサーバSVに送信し、画像ログサーバSVから該画像データが機密文書である旨の機密通知が送られてくると、該画像データに基づいてプリンタエンジン12で画像形成する用紙のRFIDタグに機密文書である旨の機密情報を、RFIDリーダ/ライタ13に書き込ませている。
【0055】
したがって、機密文書であるか否かをユーザの指示ではなく、画像ログサーバSVを管理する管理者の立場で判断して、用紙に画像形成された機密を要する画像データと該用紙とを関連付けて複製物だけでなく、画像の形成された用紙自体を管理して、画像の機密をより一層適切にかつ確実に保護することができる。
【0056】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成システム
NW ネットワーク
Gk 画像形成装置
Hs1〜Hsn ホスト装置
SV 画像ログサーバ
10 コントローラ
11 オペレーションパネル
12 プリンタエンジン
21 ネットワークI/F
22 プログラムROM
23 フォントROM
24 パネルI/F
25 ハードディスク
26 CPU
27 RAM
28 NVRAM
29 エンジンI/F
30 オプションRAM
31 バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2006−208707号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を書き込み可能な記憶媒体の付与されているシート状の被記録媒体に画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記被記録媒体の前記記憶媒体と通信して少なくとも情報の読み取りを行う媒体通信手段と、
前記記憶媒体に該記憶媒体の付与されている前記被記録媒体を識別する固有情報が記憶されているときには前記媒体通信手段によって該記憶媒体から該固有情報を読み取り、該記憶媒体に該固有情報が未記憶であると、固有情報を生成する固有情報取得手段と、
前記固有情報に基づいて該固有情報の対応する前記被記録媒体に形成される画像の機密を管理する管理サーバと通信する通信手段と、
前記固有情報取得手段が前記固有情報を生成したときには、前記媒体通信手段に該固有情報を該固有情報に対応する前記被記録媒体の前記記憶媒体に書き込ませるとともに、前記画像形成手段による前記被記録媒体への形成画像の元画像データと該被記録媒体に対して前記固有情報取得手段の取得した前記固有情報とを関連付けて前記通信手段に前記管理サーバへ送信させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記通信手段に前記画像データのみを前記管理サーバに送信させ、該管理サーバから該画像データが機密文書である旨の機密通知が送られてくると、該画像データに基づいて前記画像形成手段が画像形成する前記被記録媒体の前記記憶媒体に機密文書である旨の機密情報を、前記媒体通信手段に書き込ませることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
情報を書き込み可能な記憶媒体の付与されているシート状の被記録媒体に、画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置と、該画像形成装置による形成画像を管理する管理サーバと、が接続されている画像形成システムであって、
前記画像形成装置が、請求項1または請求項2記載の画像形成装置であることを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
情報を書き込み可能な記憶媒体の付与されているシート状の被記録媒体に画像データに基づいて画像を形成する画像形成処理ステップと、
前記被記録媒体の前記記憶媒体と通信して少なくとも情報の読み取りを行う媒体通信処理ステップと、
前記記憶媒体に該記憶媒体の付与されている前記被記録媒体を識別する固有情報が記憶されているときには前記媒体通信処理ステップに該記憶媒体から該固有情報を読み取らせ、該記憶媒体に該固有情報が未記憶であると、固有情報を生成する固有情報取得処理ステップと、
前記固有情報に基づいて該固有情報の対応する前記被記録媒体に形成される画像の機密を管理する管理サーバと通信する通信処理ステップと、
前記固有情報取得処理ステップで前記固有情報が生成されたときには、前記媒体通信処理ステップに該固有情報を該固有情報に対応する前記被記録媒体の前記記憶媒体に書き込ませるとともに、前記画像形成処理ステップによる前記被記録媒体への形成画像の元画像データと該被記録媒体に対して前記固有情報取得処理ステップで取得された前記固有情報とを関連付けて前記通信処理ステップに前記管理サーバへ送信させる制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像機密管理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
情報を書き込み可能な記憶媒体の付与されているシート状の被記録媒体に画像データに基づいて画像を形成する画像形成処理と、
前記被記録媒体の前記記憶媒体と通信して少なくとも情報の読み取りを行う媒体通信処理と、
前記記憶媒体に該記憶媒体の付与されている前記被記録媒体を識別する固有情報が記憶されているときには前記媒体通信処理に該記憶媒体から該固有情報を読み取らせ、該記憶媒体に該固有情報が未記憶であると、固有情報を生成する固有情報取得処理と、
前記固有情報に基づいて該固有情報の対応する前記被記録媒体に形成される画像の機密を管理する管理サーバと通信する通信処理と、
前記固有情報取得処理で前記固有情報が生成されたときには、前記媒体通信処理に該固有情報を該固有情報に対応する前記被記録媒体の前記記憶媒体に書き込ませるとともに、前記画像形成処理による前記被記録媒体への形成画像の元画像データと該被記録媒体に対して前記固有情報取得処理で取得された前記固有情報とを関連付けて前記通信処理に前記管理サーバへ送信させる制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像機密管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−90083(P2013−90083A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227827(P2011−227827)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】