画像形成装置、画像形成システム及び制御プログラム
【課題】外部装置が画像形成装置に提供した識別子群のうちの画像形成装置が印刷媒体に画像形成した画像に合成しなかった識別子を、別の印刷要求用に提供できるようにする。
【解決手段】画像形成装置20は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを制御部31によって取得し、識別子管理サーバ40から印刷要求に対応付けて取得した画像形成用データの各論理ページを特定可能な識別子群の各識別子の情報を、制御部31及びメモリ32によって、画像形成用データに基づき画像形成して出力する各物理ページの画像に合成し、画像形成用データに基づき画像形成して出力された印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報及び印刷要求ステータスを制御部31によって取得し、取得した識別子の情報及び印刷要求ステータスを対応付けて識別子管理サーバ40に制御部31によって送信する。
【解決手段】画像形成装置20は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを制御部31によって取得し、識別子管理サーバ40から印刷要求に対応付けて取得した画像形成用データの各論理ページを特定可能な識別子群の各識別子の情報を、制御部31及びメモリ32によって、画像形成用データに基づき画像形成して出力する各物理ページの画像に合成し、画像形成用データに基づき画像形成して出力された印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報及び印刷要求ステータスを制御部31によって取得し、取得した識別子の情報及び印刷要求ステータスを対応付けて識別子管理サーバ40に制御部31によって送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び制御プログラムである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至3には、用紙に印刷したパターンから、その用紙上の位置を特定可能にする技術が開示されている。
例えば、特許文献2では、印刷された各物理ページを区別できるように、位置アサイナによって物理ページと位置情報との割り当てを行い、その割り当てた関係をデータとして保持しておき、システム内で必要に応じてそのデータを提供するようにしている。
【0003】
また、特許文献4では、画像形成装置が、画像形成する記録媒体毎に識別情報を付与し、画像形成された記録媒体の排出が完了したときに識別情報をデータ管理端末に送信している。そして、画像形成装置は、印刷を失敗したとき、割り当てた識別情報を破棄し、再度印刷の際に別の識別情報を記録媒体に付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4215516号公報
【特許文献2】特表2006−504181号公報
【特許文献3】特表2008−282411号公報
【特許文献4】特表2007−243380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外部装置が画像形成装置に提供した識別子群のうちの画像形成装置が印刷媒体に画像形成した画像に合成しなかった識別子を、別の印刷要求用に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、を有する画像形成装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1の記載において、前記第3取得手段は、前記印刷要求終了情報として少なくとも印刷要求の実行の正常終了又は中断の情報を取得しており、前記送信手段は、前記印刷要求の実行が正常終了又は中断した場合に、前記送信を行う画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1の記載において、前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて第1記憶部に記憶する第1記憶手段と、前記外部装置から情報送信要求を受け付ける受付手段とをさらに有し、前記送信手段は、前記受付手段が外部装置からの情報送信要求を受け付けた場合に、前記第1記憶部に記憶されている前記識別子の情報と前記印刷要求終了情報とを対応付けたまま前記外部装置に送信する画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載において、前記送信手段は、
前記外部装置から取得した前記識別子群に前記第2取得手段が取得した識別子以外の識別子の情報が含まれている場合、前記送信を行う画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載において、前記印刷要求に係る画像形成用データを再度印刷可能な状態で記憶部に記憶する第2記憶手段をさらに有し、前記送信手段は、前記第2記憶部に画像形成用データが記憶されている場合、前記送信を行わない画像形成装置である。
【0009】
請求項6に係る発明は、請求項5の記載において、前記外部装置は、数列とされた複数の識別子からなる識別子空間から、値が大きくなる順序で連続した複数の識別子を前記識別子群として取得しており、前記第1取得手段が取得した画像形成用データ及び前記第2記憶部に記憶されている画像形成用データを用いて印刷媒体に画像形成した各印刷要求と、該印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した各識別子の情報とを対応付けて第3記憶部に記憶する第3記憶手段をさらに有し、前記送信手段は、前記第2記憶部から画像形成用データが消去された場合、前記第3記憶部に記憶されている複数の印刷要求のうち、対応付けられている識別子の値が最大の印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する画像形成装置である。
【0010】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載において、前記出力手段による前記印刷媒体の出力形式の情報を取得する第4取得手段をさらに有し、前記外部装置は、前記画像形成用データの論理ページのページ数及び第4取得手段が取得した出力形式の情報を基に、前記出力形式にかかわらず各論理ページを一意に特定可能な識別子群を取得する画像形成装置である。
【0011】
請求項8に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、前記外部装置から取得した識別子群の各識別子の情報及び前記第2取得手段が取得した識別子の情報を基に、該識別子群の各識別子の情報うちの前記第2取得手段が取得した識別子の情報以外の識別子の情報を検出する検出手段と、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、前記検出手段が検出した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、を有する画像形成装置である。
【0012】
請求項9に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理し、前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群を前記印刷要求に対応して提供する提供手段と、前記提供手段が提供する識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、を有する画像形成システムである。
【0013】
請求項10に係る発明は、請求項9の記載において、前記提供手段は、前記送信手段から対応付けられて送信されてきた前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを基に、前記印刷要求に対応して提供した前記識別子群が前記印刷要求の実行時に印刷媒体の画像に合成されなかった識別子を含むことを検出した場合、前記合成されなかった識別子を他の印刷要求に対応して提供する画像形成システムである。
【0014】
請求項11に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得ステップと、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力する各物理ページの画像に合成する合成ステップと、前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力された印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得ステップと、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得ステップと、前記第2取得ステップで取得した識別子の情報と前記第3取得ステップで取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、9、10、11に係る発明によれば、外部装置は、印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報及び印刷要求終了情報を参照して画像形成装置に提供した識別子群のうちの印刷媒体に画像形成した画像に合成されなかった識別子を特定し、その特定した識別子を別の印刷要求用に提供できるようになる。
請求項2に係る発明によれば、このような構成がない場合に比べて、特定した識別子を早期に別の印刷要求用に提供できるようになる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、外部装置からの情報送信要求があったときに、印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報と印刷要求終了情報とを関連付けた情報をまとめて送信できる。
請求項4に係る発明によれば、不用意な情報送信を防止できる。
請求項5に係る発明によれば、外部装置が、他の印刷要求用に識別子を重複して提供するのを防止できる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、不用意な情報送信を防止できる。
請求項7に係る発明によれば、出力形式にかわらず各論理ページを一意に特定可能な識別子群についても、画像に合成されなかった識別子を別の印刷要求用に提供できるようになる。
請求項8に係る発明によれば、外部装置は、印刷媒体の画像に合成されていない識別子の情報が画像形成装置から送信されてきたときには、その識別子を別の印刷要求用に提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】識別子管理サーバがID等を記憶するテーブルの一例を示す図である。
【図4】スキャナ付きペンの構成例を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】物理ページ単位の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】ページ描画処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】識別子回収処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】画像処理システムにおける一連の処理例を説明する図である。
【図10】画像処理システムにおける一連の処理例を説明する他の図である。
【図11】丁合い出力の場合に各物理ページに対応づけた識別子の例を示す図である。
【図12】画像形成装置から識別子管理サーバに送信される印刷要求ステータス及び最終識別子の一例を示す図である。
【図13】識別子を回収するために文書ID等の情報が削除されたテーブルの一例を示す図である。
【図14】回収された識別子が、再度、空いている識別子空間として確保されたテーブルの一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態における印字処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態における物理ページ単位の出力処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施形態における電源ON処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施形態における印刷要求情報修正処理を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施形態における最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施形態における識別子回収処理を示すフローチャートである。
【図21】画像形成装置と識別子管理サーバとの間で行われるシーケンスを示す図である。
【図22】第3の実施形態における印字処理を示すフローチャートである。
【図23】第3の実施形態における最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。
【図24】第4の実施形態におけるボックス文書印字処理を示すフローチャートである。
【図25】第4の実施形態における文書削除処理を示すフローチャートである。
【図26】第4の実施形態における最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態を説明する。
第1の実施形態は、画像処理システムである。
図1は、画像処理システム1の概略構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、画像処理システム1は、ホストコンピュータ10、画像形成装置20、識別子管理サーバ40、文書サーバ50、処理サーバ60、及びスキャナ付きペン70によって構成されている。
ここで、ホストコンピュータ10、画像形成装置20、識別子管理サーバ40、文書サーバ50、処理サーバ60、及びスキャナ付きペン70は、有線又は無線の通信手段80を介して通信可能に接続されている。例えば、通信手段80は、LAN(Local Area Network)やインターネット、一般公衆回線である。
【0021】
ホストコンピュータ10は、使用者により入力、作成等された文書、図形等を印刷媒体に印字するために画像形成装置20に印刷要求を出力する。
そのために、ホストコンピュータ10は、入力部(キーボードやマウス、タッチパネル等)11によって使用者が印刷の際の出力形式の各項目を設定できるように構成されている。
【0022】
ここで、出力形式の各項目としては、印刷部数(出力総部数)、用紙が収容される収容部、印刷した用紙の排出形式(出力形式)、片面印刷又は両面印刷、印刷した用紙の排出先、印刷した用紙の排出順序、及びステープル機能等といったものが挙げられる。例えば、印刷した用紙の排出形式としては、複数部数出力する場合の丁合い出力又はスタック出力(以下、丁合・スタック出力という。)がある。また、印刷した用紙の排出先としては、大容量排出部や用紙が印刷面を上にして排出されるフェイスアップトレイがある。
【0023】
ここで、丁合い出力とは、論理ページ毎の印刷を単位とし印刷部数内の何部目かを示す印刷部数目毎に印刷する形式である。また、スタック出力とは、印刷部数目毎の印刷を単位とし論理ページ毎に印刷する形式である。
このような構成のホストコンピュータ10は、先ず、使用者がこのような出力形式の各項目を入力部11によって設定し印刷の実行を指示すると、不図示のプリンタドライバによって印刷に必要なソフトウェア処理を施す。
【0024】
ここで、ホストコンピュータ10は、ソフトウェア処理によって、印刷対象の画像(アプリケーションデータ)や設定された出力形式の各項目を、画像形成装置20用に処理を施す。具体的には、ホストコンピュータ10は、ソフトウェア処理によって、画像形成装置20が処理できるように画像を印刷データ(出力データ)に加工する処理や、設定された出力形式の各項目を画像形成装置20が読み取れる出力形式指示に置き換える処理等を行う。
【0025】
次に、ホストコンピュータ10は、こうした処理によって取得した印刷データ及び出力形式指示を基に1つの印刷要求となる印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
画像形成装置20は、ホストコンピュータ10からの印刷用ファイル(印刷要求)に基づいて画像形成処理を行う。
【0026】
図2は、画像形成装置20の構成例を示す図である。
図2に示すように、画像形成装置20は、操作部21、原稿読取部22、画像形成部23、及び処理部30を有している。
操作部21は、情報の入出力部である。例えば、操作部21は、使用者に対する情報を表示する表示部(表示画面)と使用者に操作されて指示内容が入力される入力部とを一体として有する操作パネル等である。
【0027】
処理部30は、画像形成装置20における各種処理を実行する。
図2に示すように、処理部30は、制御部31、メモリ32、HDD33、イメージ入力部34、原稿読取用I/F部35、イメージ出力部36、画像形成用I/F部37、及び通信部38を有している。
制御部31は、各種制御を行う。例えば、制御部31は、印刷要求の実行によって、画像形成用I/F部37を制御して、イメージ出力部36のイメージ画像を画像形成部23に出力し画像形成部23にて用紙に画像形成する。また、制御部31は、複製要求の実行によって、原稿読取用I/F部35及び画像形成用I/F部37を制御して、原稿読取部22によって読み取った原稿のイメージ画像をイメージ入力部34に格納し、イメージ入力部34に格納したイメージ画像をイメージ出力部36に出力して画像形成部23にて用紙に画像形成する。
【0028】
メモリ32及びHDD33には、各種処理に必要なデータや情報が記憶されている。例えば、メモリ32には、制御部31で用いるプログラム32aやデータが記憶されている。
例えば、プログラム32aは、画像形成装置20の出荷時当初からメモリ32に記憶されているものとすることができる。また、プログラム32aは、出荷後に使用者等の作業によりCD−ROM等の記憶媒体から読み込まれてメモリ32に記憶されたものとすることもできる。
【0029】
通信部38は、ホストコンピュータ10との間で通信をする。画像形成装置20は、印刷用ファイルをこの通信部38によって受信したときに、割り込み処理等によって制御部31にその通知を行う。
制御部31は、印刷用ファイルを受信した通知を通信部38から受けると、その印刷用ファイルをメモリ32又はHDD33に格納した後又は格納しながら、印刷用ファイルの内容を解析する。そして、制御部31は、その解析の結果、画像形成のためのファイルであると判定すると、内部的な処理単位となる印刷制御指令を生成し、生成した印刷制御指令を実行する。すなわち、制御部31は、印刷用ファイルから印刷データを読み出し、読み出し印刷データをイメージングプログラムによってメモリ32上にイメージ画像として展開する。
【0030】
さらに、制御部31は、印刷用ファイルから出力形式指示(出力形式情報)を読み出し、読み出した出力形式指示の内容に従って画像形成部23に対してどの給紙部を使用するか、片面印刷か両面印刷か、ホチキスをするかどうか等の出力形式の指定を行う。
その後、制御部31は、画像形成部23の処理に合わせて決定(どのイメージ画像を用いるかの決定)されたイメージ画像を順次出力する。
【0031】
ここで、画像形成装置20は、出力形式指示にて印刷部数が複数部数指定されている場合、次のような出力処理を行う。
制御部31は、丁合い出力による複数部印刷になっている場合、ページ数が予め決められた設定値(例えばメモリ容量)よりも多いと、印刷するページ数分のイメージ画像をメモリ32上に展開できないことがあるため、メモリ32上に展開したイメージ画像をHDD33に一旦格納する。これにより、制御部31は、必要に応じてHDD33から読み出してメモリ32上にイメージ画像を展開し、そのイメージ画像を画像形成部23に送信する。このようにすることで、画像形成装置20は、丁合い出力の場合、1,2,3,4,・・・、1,2,3,4,・・・といったように、論理ページ順でまとめて部数分の印刷を行う。
【0032】
また、制御部31は、スタック出力による複数部印刷になっている場合、同じ画像を部数分だけ順次印刷していけば良いため、メモリ32上にイメージ画像を展開し、展開したイメージ画像を部数分、画像形成部23に送信する。このようにすることで、画像形成装置20は、3部を印刷するのであれば、1,1,1、2,2,2、3,3,3、・・・・といったように、最初のページから部数分ずつ印刷する。
【0033】
このように、画像形成装置20では、ホストコンピュータ10にて設定された出力形式指示に応じた印刷物を得ることができる。
ところで、近年、用紙の印刷面に座標情報を位置コードとして埋め込んでおき、その位置コードを読み取ることで用紙上の位置を特定するシステムが提案されている。例えば、スキャナを内蔵したスキャナ付きペンによって印刷面に埋め込まれた位置コードを読み取り、スキャナ付きペンがその読取結果とともに用紙に書き込んだ筆跡(ストローク)の情報をサーバ等に送るといったシステムがある。
【0034】
このようなシステムでは、スキャナ付きペンによって取得した情報(位置情報やストローク情報)のみをサーバ等に送り、その情報を受け取ったサーバ等で元のアンケート用紙の文章等と対応をとることで、アンケート用紙を回収することなく、そのアンケート用紙のマーク位置(チェック位置)を判定することが可能になる。よって、このようなシステムは、紙から電子データを自動的に作成できるために利便性が高い。
【0035】
これに対して、特許文献1乃至3では、画像形成の際に座標情報(位置情報)を埋め込む技術を開示している。これら特許文献1乃至3では、印刷機ではなく、プリンタなどを利用して座標情報を埋め込んだ文書を出力するという、いわゆるオンデマンドプリントにおける埋め込み方法を開示している。
そして、こうしたシステムの構築には、情報を収集すべき印刷物を区別できるような仕組みが必要となる。座標情報だけだと、情報を収集すべき印刷物に対して書き込みがされたのか、そうでない印刷物(情報を収集を必要としない印刷物)に対して書き込みがされたのかの判別がつかなくなってしまうからである。また、座標情報だけだと、ペンで読み取ったページ(物理ページ)が、どの文書のどのページ(論理ページ)に対応するかの対応関係がわからないため、処理ができなくなるからである。
【0036】
このようなことから、特許文献2に開示の技術は、位置アサイナによって物理ページと位置データとの割り当てを行い、システム内でその関係をデータとして保持しておき、必要に応じてそのデータを提供する方式を採用している。しかし、この方式でも次のような問題がある。
位置データを埋め込み印刷する画像形成装置は、物理ページそれぞれへの埋め込みに必要となる情報を物理ページ毎に外部サーバに問い合わせする必要がある。これでは、画像形成装置は、その問い合わせに対する返信が来るまで印刷を行えないため、印刷時間が長くなってしまう。
【0037】
そこで、次のような、位置アサイナではなく数値からなるIDを使用した方式が考えられる。
この場合、システムにおいて画像形成装置に出力を指示する出力指示側が、印刷要求によって印刷する物理ページ数からIDの空間を判定し、必要数のIDとして数値の連続区間を予約する。そして、出力指示側は、印刷要求とともにその数値の連続区間の先頭の数値(先頭ID)を画像形成装置に与える。これによって、システムの画像形成装置は、印刷要求に応じた印刷処理によって、先頭の数値(先頭ID)を初期値とし順次加算(インクリメント)していき、順次得られる値(加算値)を各IDとして物理ページ毎の画像に合成し印刷していく。そして、出力指示側でID(数値)と印刷要求に係る文章との対応を取れるようにしておくことで、システムでは、ペンによって印刷物から読み取ったIDに基づき文章情報を取得する。
【0038】
このようなシステムでは、印刷要求の実行中に出力指示側と画像形成装置とのやり取りが発生しないために、問い合わせのための時間が発生しない。この結果、このシステムでは、印刷時間が長くなってしまうのを抑制できる。
しかし、このシステムでは、画像形成装置側で実行中の印刷要求を使用者のキャンセル等によって中断すると、画像形成装置は、出力指示側で予約したID空間の全てのIDを使い切ることなく印刷を途中で終えてしまう。この結果、予約したID空間において使用されないIDが発生し、そのIDが無駄になる。
【0039】
例えば、論理ページ数が100ページの文章を10部印刷する印刷要求の場合、出力指示側では、ID空間として1000(100×10)ページ分のID空間を予約することになる。しかし、この場合において、画像形成装置側で1枚印刷したところで実行中の印刷要求を中断すると、残りの999ページ分のIDが使用されなくなり、IDが無駄になる。
【0040】
また、特許文献4に開示の技術では、印刷を失敗したとき、割り当てた識別情報を破棄し、再度印刷の際には別の識別情報を記録媒体に付与している。そのため、この技術でも、破棄された識別情報が使われない識別情報になってしまうため、識別情報に無駄が生じる。
これに対して、本実施形態では、以下のような構成及び処理により、無駄なくIDを使用している。
【0041】
本実施形態では、ホストコンピュータ10は、使用者によって印刷実行(出力設定)及び座標情報埋め込みの指示がなされると、その指示を座標情報とともに識別子情報もあわせて印刷物に埋め込む指示とみなし、それに応じた印刷に必要な処理をプリンタドライバによって実行する。
また、このとき、ホストコンピュータ10は、通信手段80を通じて文書サーバ50に対して文書データを送信する。これによって、ホストコンピュータ10は、文章サーバ50から文章IDを受信する。ここで、文章IDは、文書データを特定するためのIDとなる。
【0042】
さらに、ホストコンピュータ10は、文章IDを受信すると、通信手段80を通じて識別子管理サーバ40に対して識別子確保要求(番号要求又は識別子発行要求とも言う。)を送信する。ここで、識別子確保要求には、印刷データの論理ページ数(論理ページのページ数)及び文書ID、並びに使用者が設定した印刷部数及び丁合・スタック出力の情報が含まれる。この識別子確保要求は、識別子管理サーバ40に対して初期識別子(後述の先頭の識別子(識別子初期値))を取得する要求となる。
【0043】
そして、ホストコンピュータ10は、識別子確保要求に対応して識別子管理サーバ40から初期識別子情報を受信すると、前述の印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を基に1つの印刷用ファイルを作成する。ここで、ホストコンピュータ10は、印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を必要に応じて加工して印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
【0044】
識別子管理サーバ40は、システム全体で識別子を一意にして管理するサーバである。識別子管理サーバ40は、例えば、図1に示すように、処理部41及び記憶部42を有している。
この識別子管理サーバ40は、先ず、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、処理部41によって、記憶部42で管理している識別子空間内から空いている識別子空間を検索する。ここで、識別子空間は複数の識別子(複数の数値)で構成されており、空いている識別子空間とは、現在使用されていない識別子によって構成される識別子空間である。
【0045】
具体的には、識別子管理サーバ40は、印刷部数に論理ページ数を掛け合わせた分(印刷部数×論理ページ数)の大きさの空いている識別子空間(連続する数値の空間)を検索する。例えば、論理ページ数が5ページで印刷部数が3部の場合、識別子管理サーバ40は、印刷する物理ページ数相当の15(=5×3)個の未使用の識別子からなる識別子空間を検索する。
【0046】
次に、識別子管理サーバ40は、空いている識別子空間を検索して確保すると、確保した識別子空間(識別子群)、その先頭の識別子(最小の数値の識別子)である初期識別子情報、論理ページ数の情報、印刷部数の情報、丁合・スタック出力の情報、及び文章IDを対応付けて記憶部42に記憶する。
そして、識別子管理サーバ40は、記憶部42に記憶した情報のうちの初期識別子情報をホストコンピュータ10に送信する。
【0047】
ここで、図3は、識別子管理サーバ40が識別子情報等を記憶するテーブルの一例を示す図である。
図3に示すように、識別子管理サーバ40は、テーブルにおいて、ID(識別子情報)、文章ID、ページ番号(論理ページ番号)、部数、先頭フラグ、及び最終フラグを対応付けて記憶部42に記憶する。ここでいう部数とは、印刷部数内で何部目かを示す値、すなわち印刷部数目である。
【0048】
例えば、識別子管理サーバ40は、印刷部数及び丁合・スタック出力等の出力形式の情報に基づいて、出力形式にかかわらず論理ページを一意に特定可能なIDを算出している。つまり、IDは、算出の際には出力形式の情報に応じた値となるが、論理ページを特定する際には出力形式に関係なく一意にその特定を可能にする値である。そして、識別子管理サーバ40は、このように算出したIDとページ番号(論理ページ番号)及び印刷部数目の組とを対応付けて記憶部42に記憶する。
【0049】
また、先頭フラグ(先頭フラグ=1)は、同一の文章IDに属するIDのうちの先頭のID(初期識別子)に対応付けされたフラグである。また、最終フラグ(最終フラグ=1)は、同一の文章IDに属するIDのうちの最後のID(識別子空間で確保された最終の識別子)に対応付けされたフラグである。このようなことから、図3の例に示すDOC002の文章IDは、同一のIDに先頭フラグ及び最終フラグが設定されていることから、論理ページ数が1ページの文章であることがわかる。また、識別子管理サーバ40は、前述の識別子空間の検索を、このような先頭フラグや最終フラグに基づいて行う。例えば、識別子管理サーバ40は、最終フラグが1のIDよりも大きいIDによって構成される識別子空間から空いている識別子空間を検索する。
【0050】
なお、識別子管理サーバ40は、このようなテーブルによる方法によらず、他の方法によって識別子情報等を管理しても良い。
また、識別子管理サーバ40は、前述のように印刷部数及び論理ページ数に応じた数の識別子を確保するが、画像形成装置20で使用されなかった場合にはその使用されなかった識別子を回収する。具体的には、識別子管理サーバ40は、図3に示すようなテーブル等において実際使用されなかった識別子(ID)に係る情報を削除することで、該識別子を利用可能な識別子として回収する。この回収処理については後で詳述する。
【0051】
また、識別子管理サーバ40は、処理サーバ60から識別子取得要求を受信すると、識別子取得要求に含まれている識別子情報に基づいて、初期識別子情報、論理ページ数の情報、印刷部数の情報、丁合・スタック出力の情報、及び文章IDの対応を取得する。すなわち、図3に示すようなテーブルを有している場合、識別子管理サーバ40は、識別子情報であるIDに基づいて、文章ID、ページ番号(論理ページ番号)、印刷部数、及び丁合・スタック出力の情報の対応を取得する。そして、識別子管理サーバ40は、取得したこれらの情報を処理サーバ60に返信する。なお、識別子取得要求や識別子管理サーバ40による返信処理については後で詳述する。
【0052】
文書サーバ(印刷データサーバ)50は、文書データを管理するサーバである。文書サーバ50は、例えば、図1に示すように、処理部51及び記憶部52を有している。
この文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から文章データを受信すると、処理部51によって、受信した文章データをその文章データを特定するための文章IDとともに記憶部52に記憶する。そして、文書サーバ50は、送信されてきた文章データに対応する文章IDをホストコンピュータ10に返信する。
【0053】
ここで、使用者は、各論理ページに対して、どのような領域にどのような情報が書き込まれるべきであるかというような情報(領域情報)を合わせて文書サーバ50に格納させておくことができる。このような構成の場合、ホストコンピュータ10は、書き込まれるべき項目の情報と書き込まれる特定の座標領域の情報との入力が使用者によりなされると、これら情報からなる領域情報を文章データとともに文書サーバ50に送信する。そして、文書サーバ50は、文章データ及び領域情報を受信すると、文書データと領域情報とを対応付けて保持する。
【0054】
また、文書サーバ50は、処理サーバ60から文書情報取得要求を受信すると、その文書情報取得要求に含まれている文章ID及び論理ページ番号に対応する文書データのページ(文書情報、画像情報等)、及び領域情報を保持している場合にはその領域情報を併せて処理サーバ60に送信する。
画像形成装置20では、ホストコンピュータ10からの印刷用ファイルを受信し、その受信した印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が埋め込まれていると、制御部31が、印刷用ファイルから初期識別子情報を読み出してメモリ32に格納する。さらに、制御部31は、印刷用ファイルから印刷データを読み出してHDD33に格納する。そして、制御部31は、印刷処理として、印刷データをメモリ32上にイメージ展開する。また、制御部31は、印刷処理として、座標情報画像を物理ページ毎に作成する。
【0055】
ここで、制御部31は、次のように、座標情報画像を物理ページ毎に作成する処理を行う。
先ず、制御部31は、印刷用ファイル(印刷要求)の指示として与えられる初期識別子によって、最初に出力する物理ページに付与する最初の識別子を初期化する。制御部31は、この初期化によって、最初に印刷する物理ページに付与する最初の識別子に初期識別子を設定する。
【0056】
そして、制御部31は、物理ページのページ描画処理を行うたびに、初期化によって設定した最初の識別子を基に、該物理ページ毎の識別子を生成していく。このとき、制御部31は、識別子管理サーバ40と同様な演算によって識別子を生成していく。すなわち、制御部31は、印刷部数及び丁合・スタック出力等の出力形式の情報に基づいて、出力形式にかかわらず論理ページを一意に特定可能なIDを物理ページ毎に生成していく。
【0057】
その一方で、制御部31は、印刷しようとする用紙の用紙サイズに合わせて座標情報画像を生成する。ここで、座標情報画像は、座標情報によって構成される画像であり、例えば、座標情報画像生成プログラムによって生成される。さらに、制御部31は、座標情報画像生成プログラムに対して先に得た識別子情報をパラメータとして渡す等して、識別子情報を含んだ座標情報画像(識別子情報を合成した座標情報画像)を生成する。そして、制御部31は、メモリ32上にこのような座標情報画像を物理ページそれぞれについて作成していく。
【0058】
そして、制御部31は、印刷データに基づくイメージ画像と座標情報画像とを合成した画像を用紙上に形成させる処理を行う。
ここで、イメージ出力部36は、画像合成機能によって、複数のメモリに格納されている画像をor又はxor合成して画像形成部23に出力可能に構成されている。このようなことから、制御部31は、メモリ上に展開されている、イメージ画像と、該イメージ画像を形成する物理ページ用に生成した座標情報画像(識別子情報を含む座標情報画像)とを指定して、イメージ出力部36に対して画像合成出力の指示を行う。これにより、イメージ出力部36は、合成した画像を構成する信号を画像形成部23に出力する。
【0059】
画像形成部23は、イメージ出力部36からの信号が入力されると、その信号に基づいて用紙上に画像形成をする。このようにして画像形成部23によって用紙に形成された画像は、座標情報及び識別子情報がコード化されたコード画像がイメージ画像に合成された画像となる。
また、画像形成装置20は、識別子情報を画像に合成するとともに、印刷要求のステータスに対応づけて最終識別子情報を取得している。ここで、印刷要求のステータスは、いわば、印刷要求の実行終了の理由の情報である。また、最終識別子情報とは、画像形成装置20が印刷要求の実行によって印刷が完了している画像に合成された識別子(数値)のうち、最大値の識別子の情報である。印刷要求のステータスに対応づけて最終識別子情報を取得する処理にいては後で詳述する。
【0060】
スキャナ付きペン70は、ペンの機能によって用紙に書き込みつつ、スキャナの機能によりその用紙上の記述内容を読み取ることができるように構成されている。
図4は、スキャナ付きペン70の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、スキャナ付きペン70は、制御部71、読取部72、筆圧センサ73、送信ボタン74、及び通信部75を有している。
【0061】
このスキャナ付きペン70は、制御部71によって制御されて、筆圧センサ73が筆圧を検出(例えば予め設定された値以上の筆圧を検出)すると、読取部72が用紙上の読み取り範囲内に有る記述内容を読み取る。そして、スキャナ付きペン70は、送信ボタン74が押下されると読み取った情報を通信部75によって処理サーバ60に送信する。
例えば、このような構成のスキャナ付きペン70は、座標情報及び識別子情報のコード画像が印刷された用紙100に書き込みをした際、次のような処理を行う。
【0062】
スキャナ付きペン70では、読取部72が印刷面のコード画像を読み取ると、制御部71(その認識機能により)がそのコード画像から座標情報及び識別子情報を読み取る。そして、スキャナ付きペン70では、送信ボタン74が押下されると、通信部75によって、予め設定されている特定の処理サーバ60にそれらの情報を送信する。さらに、制御部71は、スキャナ付きペン70により用紙に書き込みを行っている場合には、その書き込みのストローク情報も収集しており、そのストローク情報も処理サーバ60に送信する。
【0063】
処理サーバ60は、スキャナ付きペン70から送信されてきた情報を基に処理を行う。処理サーバ60は、例えば、図1に示すように、処理部61及び記憶部62を有している。 この処理サーバ60は、先ず、スキャナ付きペン70から情報が送信されてくると、その情報内から識別子情報を取り出す。そして、処理サーバ60は、取り出した識別子情報を用いて、識別子管理サーバ40に対して識別子取得要求を送信する。ここで、識別子取得要求は、論理ページ番号を取得するための要求である。この識別子取得要求は、識別子情報を含んでいる。
【0064】
それから、処理サーバ60は、その識別子取得要求に対応して識別子管理サーバ40から文章ID及び論理ページ番号等の情報を受信すると、受信した文章ID及び論理ページ番号等の情報を用いて、文書サーバ50に対して、文書情報取得要求を送信する。ここで、文書情報取得要求は、その文章ID及び論理ページ番号に対応する印刷データ(該論理ページ番号に対応する文書情報等)を取得するための要求である。この文書情報取得要求は、文章ID及び論理ページ番号を含んでいる。
【0065】
そして、処理サーバ60は、文書情報取得要求に対応して文書サーバ50から文章データ(場合によっては領域情報を含む)が送信されてくると、文章データ並びに先にスキャナ付きペン70から送信されてきている座標情報及びストローク情報を基に、予め設定されている処理を行う。例えば、印刷データがアンケート用紙のものであれば、処理サーバ60は、アンケートの集計処理を行う。
【0066】
次に、画像形成装置20の処理内容をさらに詳しく説明する。
図5は、画像形成装置20の処理手順の一例を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図5に示す処理を処理部30の制御部31によって行う。
図5に示すように、先ずステップS1では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「印字中」を設定する。
【0067】
ここで、画像形成装置は、一般的には、印刷要求ステータスをHDD等の不揮発性メモリからなる記憶部に印刷要求情報として記憶するように構成されている。本実施形態の画像形成装置20でも、同様に、印刷要求ステータスを印刷要求情報として記憶部(例えばHDD33)に記憶する。
次に、ステップS2では、制御部31は、座標情報埋め込み指示が有る(印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれている)か否かを判定する。制御部31は、座標情報埋め込み指示が有ると判定すると、ステップS4に進む。また、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が無いと判定すると、ステップS3に進む。
【0068】
ステップS3では、制御部31は、通常の画像形成による出力処理を行う。
ステップS4では、制御部31は、各種情報を取得する。具体的には、制御部31は、ステップS4より後の処理で必要となる情報、すなわち、印刷用ファイルに含まれている初期識別子情報や、印刷部数、丁合・スタックの出力等の出力形式指示の内容を取得する。
【0069】
次に、ステップS5では、制御部31は、IDに初期識別子を設定する。また、制御部31は、最終識別子に0を設定する。
次に、ステップS6では、制御部31は、送信先アドレスを取得する。具体的には、制御部31は、予め設定されていた識別子管理サーバ40のIPアドレスを取得する。
また、このように固定的に登録するようにしても良いが、制御部31は、印刷要求情報としてIPアドレスを取得し、印刷要求の出力時にその情報を取得するようにしても良い。
【0070】
次に、ステップS7では、制御部31は、値cnに印刷部数を設定する。
次に、ステップS8では、制御部31は、論理ページ番号を示す値p及び出力部数目を示す値cそれぞれを1に設定する(初期化する)。
次に、ステップS9では、制御部31は、印刷要求のキャンセル指示があったか否かを判定する。制御部31は、印刷要求のキャンセル指示があったと判定すると、ステップS10に進む。また、制御部31は、印刷要求のキャンセル指示がないと判定すると、ステップS11に進む。
【0071】
ステップS10では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「強制終了」を設定する。そして、制御部31は、ステップS18に進む。
ステップS11では、制御部31は、物理ページ単位の出力処理(画像形成処理)を実行する。物理ページ単位の出力処理(画像形成処理)については、後で詳述する。
次に、ステップS12では、制御部31は、丁合いの出力指示か否かを判定する。制御部31は、丁合いの出力指示と判定すると、ステップS13に進む。また、制御部31は、そうでないと判定すると(スタックの出力指示の場合)、ステップS19に進む。
【0072】
ステップS13では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。
次に、ステップS14では、制御部31は、値p(ページpの論理ページ)が存在するか否かを判定する。制御部31は、値pが存在すると判定すると、前記ステップS9から再び処理を開始する。これにより、値cの出力部数目について、次の論理ページの印刷が行われる。また、制御部31は、値pが存在しないと判定すると、ステップS15に進む。
【0073】
ステップS15では、制御部31は、値cに1を加算する(値cをインクリメントする)。さらに、制御部31は、値pを1に設定する(値pを初期化する)。
次に、ステップS16では、制御部31は、前記ステップS15で設定した値cが前記ステップS7で設定した値cnよりも大きいか否かを判定する。制御部31は、値cが値cnよりも大きいと判定すると(c>cn)、ステップS17に進む。また、制御部31は、値cが値cn以下であると判定すると(c≦cn)、前記ステップS9から再び処理を開始する。すなわち、制御部31は、次の出力部数目の論理ページの第1ページ目から印刷を開始する。
【0074】
ステップS17では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「正常終了」を設定する。そして、制御部31は、ステップS18に進む。
ステップS18では、制御部31は、最終識別子及び印刷要求ステータスを前記ステップS6で設定した送信先アドレスの識別子管理サーバ40に送信する。そして、制御部31は、該図5に示す印刷処理を終了する。
【0075】
このステップS18の処理で扱う印刷要求ステータスは、前記ステップS10又はステップS17で設定された印刷要求ステータスである。また、最終識別子は、前記ステップS5で先ず0が設定され、その後、後述するステップS49で再設定される情報である。しかし、1ページも印刷されずに印刷要求が使用者によってキャンセルされた場合には、最終識別子は0になる。
【0076】
一方、ステップS19では、制御部31は、値cに1を加算する(値cをインクリメントする)。
次に、ステップS20では、制御部31は、値cが前記ステップS7で設定した値cnよりも大きいか否かを判定する。制御部31は、値cが値cnよりも大きいと判定すると(c>cn)、ステップS21に進む。また、制御部31は、値cが値cn以下であると判定すると(c≦cn)、前記ステップS9に進む。
【0077】
ステップS21では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。さらに、制御部31は、値cを1に設定する(値cを初期化する)。
次に、ステップS22では、制御部31は、値pが存在するか否かを判定する。制御部31は、値pが存在すると判定すると、前記ステップS9から再び処理を開始する。これにより、値pに論理ページについて、次の出力部数目の印刷が行われる。また、制御部31は、値pが存在しないと判定すると、該図5に示す印刷処理を終了する。
【0078】
次に、図5のステップS11の物理ページ単位の出力処理を詳しく説明する。
図6は、物理ページ単位の出力処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、先ずステップS41では、制御部31は、出力指示が両面印刷か否かを判定する。制御部31は、出力指示が両面印刷であると判定すると、ステップS42に進む。また、制御部31は、出力指示が片面印刷であると判定すると、ステップS43に進む。
【0079】
ステップS42では、制御部31は、値p+1(裏面)が存在するか否かを判定する。制御部31は、値p+1(裏面)が存在すると判定すると、ステップS44に進む。制御部31は、値p+1(裏面)が存在しないと判定すると、すなわち、両面印刷の出力指示のあった論理ページの最終ページが用紙の表面になる場合、ステップS43に進む。
ステップS43では、制御部31は、値p(ページp)について、ページ描画処理を行う。そして、制御部31は、ステップS47に進む。
【0080】
このページ描画処理は、物理ページ単位の出力処理において物理ページ(1ページ)に画像を描画するための処理である。このページ描画処理については後で詳述する。
ステップS44では、制御部31は、値p(ページp)について、ページ描画処理を行う。このページ描画処理については後で詳述する。
次に、ステップS45では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。
【0081】
次に、ステップS46では、制御部31は、更新された値p(ページp)について、ページ描画処理を行う。このページ描画処理については後で詳述する。そして、制御部31は、ステップS47に進む。
ステップS47では、制御部31は、ページ描画処理によって画像形成された用紙の出力が終了したか否かを判定する。制御部31は、用紙の出力が終了したと判定すると、ステップS48に進む。
【0082】
ステップS48では、制御部31は、最終識別子がIDよりも小さいか否かを判定する。制御部31は、最終識別子がIDよりも小さいと判定すると(最終識別子<ID)、ステップS49に進む。また、制御部31は、最終識別子がID以上であると判定すると(最終識別子≧ID)、該図6に示すページ出力処理を終了する。
ここで、IDは、前記図5のステップS5で先ず初期識別子が設定され、その後、後述するステップS67で増加させられる情報である。
【0083】
ステップS49では、制御部31は、最終識別子にIDを設定する。これにより、制御部31は、最終識別子を、より大きい値に更新する。そして、制御部31は、該図6に示すページ出力処理を終了する。
ここで、ステップS49の処理による最終識別子の設定が、前記ステップS44及び前記ステップS46又は前記ステップS43によってページ描画処理(詳しくは後述の図7の処理)の終了後であることから、最終識別子に設定されるIDにかかる印刷は、正常に終了していることになる。
【0084】
また、本実施形態では、物理ページに対するIDの対応のさせ方によっては、既に印刷を終了した画像に合成したIDよりも小さい値のIDを、その後に印刷する画像に合成する場合もある。その一方で、本実施形態では、正常終了した印刷にかかるIDのうち最大値となる識別子を取得することを目的としている。これらの理由から、制御部31は、既に最終識別子に設定されているIDの方が大きい場合があることを想定し、ステップS48及びステップS49の処理によって、既に設定した最終識別子よりも今回正常終了した印刷にかかるIDの方が大きければ、そのIDによって最終識別子を設定するようにしている。
【0085】
次に、図6のステップS43、ステップS44、又はステップS46のページ描画処理を詳しく説明する。
図7は、ページ描画処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、先ずステップS61では、制御部31は、値p(ページp)の論理ページをイメージ画像として展開済みか否かを判定する。すなわち、制御部31は、値pの論理ページをメモリ32にイメージ展開し、そのイメージ画像をHDD33に格納済みか否かを判定する。制御部31は、イメージ画像として展開済みと判定すると、ステップS62に進む。また、制御部31は、イメージ画像として展開済みではないと判定すると、ステップS63に進む。
【0086】
ステップS62では、制御部31は、HDD33から値pの論理ページのイメージ画像を読み出しメモリ32上に展開する。そして、制御部31は、ステップS65に進む。
ステップS63では、制御部31は、値pの論理ページのイメージ画像をメモリ32上に展開する。
次に、ステップS64では、制御部31は、前記ステップS63においてメモリ32上に展開した論理ページのイメージ画像をHDD33に格納する。そして、制御部31は、ステップS65に進む。
【0087】
ステップS65では、制御部31は、用紙サイズ及びIDを基に、コード画像(識別子情報である識別子ID及び座標情報をコード化した画像)を生成する。
次に、ステップS66では、制御部31は、前記ステップS65で生成したコード画像と、前記ステップS62又はステップS63にてメモリ32上に展開したイメージ画像とを合成し、その合成画像を基に用紙上に画像を形成する。
【0088】
次に、ステップS67では、制御部31は、IDに1を加算する。そして、制御部31は、該図7に示すページ描画処理を終了する。
次に、識別子管理サーバ40による識別子回収処理をさらに詳しく説明する。
図8は、識別子回収処理の一例を示すフローチャートである。識別子管理サーバ40は、図8に示す処理を処理部41によって行う。
【0089】
図8に示すように、先ずステップS81では、処理部41は、最終識別子を取得する。具体的には、処理部41は、画像形成装置20から送信されてきた最終識別子を取得する。
次に、ステップS83では、処理部41は、ID等を管理している図3に示したようなテーブル等を参照して、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1か否かを判定する。処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1であると判定すると、該図8に示す識別子回収処理を終了する。また、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1でないと判定すると、すなわち、最終識別子に一致するIDの最終フラグが0の場合、ステップS83に進む。
【0090】
ステップS83では、処理部41は、同一の文章IDにおいて最終識別子に一致するIDよりも後のID(最終フラグが1であるIDまで)に属する情報を削除する。
次に、ステップS84では、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグを1に設定する。
また、処理部41は、画像形成装置20から最終識別子とともに送信されてきた印刷要求ステータスも参照して処理を行っても良い。例えば、処理部41は、最終識別子と同一のIDの最終フラグが1であり、かつ印刷要求ステータスが「強制終了」であると判定すると、前記ステップS82からステップS83に進むようにしても良い。
【0091】
次に、画像処理システム1について動作等を説明する。
先ず、図9及び図10を参照して、画像処理システム1における一連の処理例を説明する。
先ず、図9を用いて説明すると、ホストコンピュータ10は、使用者によって印刷実行(出力設定)及び座標情報埋め込みの指示がなされると、通信手段80を通じて文書サーバ50に対して文書データを送信する。
【0092】
文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から文章データを受信すると、受信した文章データ及び文章IDを記憶部52に記憶し、その一方で、その文章IDをホストコンピュータ10に返信する。また、文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から領域情報が送信されてきた場合には、その領域情報も対応付けて記憶部52に記憶する。
ホストコンピュータ10は、文書サーバ50から文章IDを受信すると、通信手段80を通じて識別子管理サーバ40に対して識別子確保要求を送信する。
【0093】
識別子管理サーバ40は、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、空いている識別子空間を検索して確保し、確保した識別子群、その初期識別子、及び論理ページ数等の情報を対応付けて保持する。そして、識別子管理サーバ40は、初期識別子情報をホストコンピュータ10に送信する。
ホストコンピュータ10は、識別子管理サーバ40から初期識別子情報を受信すると、印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を基に1つの印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
【0094】
画像形成装置20は、ホストコンピュータ10から印刷用ファイルを受信すると、その印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれているとき、該印刷用ファイルに含まれている初期識別子を基に、物理ページ毎の識別子を取得する。さらに、画像形成装置20は、物理ページ毎の座標情報画像を生成する。これによって、画像形成装置20は、それら識別子情報及び座標情報画像によるコード画像を物理ページ毎に生成する。そして、画像形成装置20は、生成したコード画像と印刷データに基づくイメージ画像とを物理ページ単位で合成して合成画像を生成し、生成した合成画像を用紙に形成していく。
【0095】
ここで、図11は、丁合い出力の場合に各物理ページに対応づけた識別子の例を示す図である。この例は、論理ページ数が5ページの文章データを丁合い出力によって3部出力する例である。
図11に示すように、画像形成装置20は、1部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号1、2、3、4、5の印刷ページに対して、30、31、32、33、34の識別子を対応付ける。また、画像形成装置20は、2部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号6、7、8、9、10の印刷ページに対して、35、36、37、38、39の識別子を対応付ける。さらに、画像形成装置20は、3部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号11、12、13、14、15の印刷ページに対して、40、41、42、43、44の識別子を対応付ける。このように、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40と同様な演算(例えば図3参照)によって算出した識別子を物理ページに対応付ける。
【0096】
そして、図10に示すように、スキャナ付きペン70は、このような用紙への書き込みに際して埋め込まれているコード画像を読み取り、そのコード画像から座標情報及び識別子情報を読み取り、読み取った座標情報及び識別子情報を、ストローク情報とともに処理サーバ60に送信する。
処理サーバ60は、スキャナ付きペン70から情報を受信すると、その情報内の識別子を用いて、識別子管理サーバ40に対して識別子取得要求を送信する。
【0097】
識別子管理サーバ40は、処理サーバ60から識別子取得要求を受信すると、識別子取得要求にかかる識別子に対応する文章ID及び論理ページ番号等を処理サーバ60に返信する。
処理サーバ60は、識別子管理サーバ40から文章ID及び論理ページ番号等を受信すると、その情報を用いて、文書サーバ50に対して文書情報取得要求を送信する。
【0098】
文書サーバ50は、処理サーバ60から文書情報取得要求を受信すると、文書情報取得要求に含まれている文章ID及び論理ページ番号に対応する印刷データ(論理ページ番号に対応する文書情報等)を取得する。そして、文書サーバ50は、取得した印刷データを処理サーバ60に送信する。ここで、文書サーバ50は、領域情報を保持している場合には領域情報もあわせて処理サーバ60に送信する。
【0099】
処理サーバ60は、文書サーバ50から印刷データ(文書情報等)を受信すると、その印刷データとストローク情報とを使用して、例えばアンケートの集計等の処理を行う。
ここで、アンケート集計の処理の一例を説明する。
使用者がホストコンピュータ10において領域情報を入力し、文書サーバ50には、領域情報(特定の座標領域と書き込まれるべき項目等の情報)が登録されているとする。例えば、小さい四角枠形状のチェックボックスの領域情報にあっては、そのチェックボックスの座標領域と、「×」印や「レ」印等のチェックボックスに書き込まれるべき値の形状情報とを含んでいる。
【0100】
この場合、処理サーバ60は、文書サーバ50から印刷データとともに領域情報を受け取ることで、座標情報によって特定した領域に記載された情報が何であるかを認識する。例えば、スキャナ付きペン70から送信されてきた、該スキャナ付きペン70によって実際のアンケート用紙に書き込まれた文字の座標情報及びストローク情報を基に、チェックボックス内に記載された「×」印や「レ」印等を認識する。
【0101】
また、書き込まれるべき項目として、他にも数値情報や日本語、漢字で登録しておけば、処理サーバ60は、ストローク情報をOCR(Optical Character Reader)などで文字認識することで、その数値情報や日本語、漢字を認識できる。
そして、処理サーバ60は、そのように認識した情報を電子データとして集計する。
以上のように処理サーバ60がアンケート集計の処理を行うことで、処理サーバ60の使用者等は、アンケート用紙を収集して、収集したアンケート用紙の記載内容を人手で集計するといったような作業を必要とすることなく、アンケートの集計をとることができ、アンケートの集計の処理効率を上げることができる。
【0102】
ここで、以上のような画像処理システム1では、画像形成装置20は、印刷要求が使用者によってキャンセルされて中断すると、印刷要求情報として記憶されている印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(ステップS10、ステップS18)。このとき、識別子管理サーバ40に送信される最終識別子は、画像形成装置20が印刷要求において正常終了した印刷にかかる識別子のうち、最大値となる識別子である(ステップS48、ステップS49)。
【0103】
そして、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20から印刷要求ステータス及び最終識別子を受信すると、ID等を管理している図3に示したようなテーブル等を参照して、最終識別子に一致するIDの最終フラグが0の場合、識別子回収処理を行う。具体的には、識別子管理サーバ40は、識別子回収処理として、同一の文章IDにおいて最終識別子に一致するIDよりも後のIDに属する情報を削するとともに、最終識別子に一致するIDの最終フラグを1に設定する(ステップS81乃至ステップS84)。これによって、識別子管理サーバ40は、一旦は確保された識別子空間から使用されていない識別子を回収する。
【0104】
ここで、図12は、画像形成装置20から識別子管理サーバ40に送信される印刷要求ステータス及び最終識別子の一例を示す図である。
図3に示すようにID=44の最終フラグが1の場合において、図12(a)に示すように、最終識別子として44が送信されてきたとき、識別子管理サーバ40は、何ら対応する処理を行わない。
【0105】
しかし、図3に示すようにID=44の最終フラグが1の場合において、図12(b)に示すように、最終識別子として34が送信されてきたときには、識別子管理サーバ40は、ID=34の最終フラグが0であるため、識別子回収処理を行う。具体的には、識別子管理サーバ40は、識別子回収処理として、図13に示すように、同一の文章ID=DOC001において最終識別子に一致するID=34よりも後のID=35乃至44(最終フラグが1であるIDまで)に属する情報を削除するとともに、最終識別子に一致するID=34の最終フラグを1に設定する。
【0106】
この結果、識別子管理サーバ40は、その後、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、最終フラグが1のID=34よりも大きいID=35以降で空いている識別子空間を確保する。ただし、この例では、印刷要求に割り当て可能なのは、ID=35乃至44の10個のIDであるため、識別子管理サーバ40は、識別子確保要求にかかる印刷要求で必要となる総物理ページ数が10ページ以下であれば、ID=35乃至44を空いている識別子空間として確保する。この場合、ID=35が初期識別子になる。
【0107】
図14は、回収された識別子が、再度、空いている識別子空間(印刷要求に割り当て可能な識別子空間)として確保された例を示す図である。
図14に示すように、論理ページ数が2ページの文章を丁合いによって5部印刷する印刷要求であれば、ID=35乃至44が空いている識別子空間として確保される。
このように、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20に提供した識別子群のうちの印刷媒体に画像形成した画像に合成されなかった識別子を特定し、その特定した識別子を別の印刷要求用に提供する。
【0108】
ここで、本実施形態では、制御部31は、例えば、第1取得手段、第2取得手段、第3取得手段、及び送信手段を構成する。また、画像形成部23は、例えば、出力手段を構成する。また、制御部31及びメモリ32は、例えば、合成手段を構成する。
なお、前述の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、物理ページに対して識別子を順序に割り振ることを想定すれば、最終識別子を出力済みの識別子情報として使用することができるが、本実施形態では、出力済みの識別子全てをテーブルに記憶するなどして保持しても良い。また、このような場合には、画像形成装置20は、最終識別子に換えて出力済みの識別子全ての情報を識別子管理サーバ40に送信しても良い。この場合、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20から送信されてきた出力済みの識別子全ての情報を基に、画像形成装置20に提供した識別子群のうちの印刷媒体に画像形成した画像に合成されなかった識別子を特定し、その特定した識別子を別の印刷要求用に提供する。
【0109】
また、出力済みの識別子全ての情報を送信するのとは反対に、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から提供された識別子群の各識別子の情報及び出力済みの識別子の情報を基に、識別子群から出力済みの識別子以外の識別子を検出し、その検出した識別子を印刷要求ステータスとともに識別子管理サーバ40に送信しても良い。これにより、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20から送信されてきた出力済みの識別子以外の識別子を別の印刷要求用に提供する。
【0110】
また、本実施形態では、印刷要求情報として印刷要求ステータスを記憶しているが、その他の情報も印刷要求情報として記憶しても良い。そして、このように他の情報も印刷要求情報として記憶した場合、画像形成装置20は、印刷要求ステータスとともにそのような他の情報も識別子管理サーバ40に必要に応じて送信しても良い。
【0111】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を説明する。なお、前記第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第2の実施形態では、画像形成装置20は、印刷要求ステータスとともに最終識別子情報を記憶部に記憶する。その一方で、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20に最終識別子の送信要求をして最終識別子情報を取得する。
先ず、第2の実施形態における画像形成装置20の処理を説明する。
最初に、印刷要求ステータスとともに最終識別子情報を記憶部に記憶する処理を説明する。
【0112】
図15及び図16は、その処理例のフローチャートである。図15は、印字処理を示すフローチャートである。また、図16は、物理ページ単位の出力処理を示すフローチャートである。
図15に示す印字処理では、第2の実施形態における画像形成装置20は、前記第1の実施形態とは異なり、ステップS6及びステップS17が無く、自らのタイミングで最終識別子を識別子管理サーバ40に送信するための処理を行っていない。
【0113】
一般的には、画像形成装置は、印刷要求情報の印刷要求ステータスをHDD33等の不揮発性メモリからなる記憶部に記憶するが、第2の実施形態では、そのような処理の下、最終識別子も印刷要求情報として記憶部に記憶する。
そのため、第2の実施形態では、ステップS5において、印刷要求情報として記憶する最終識別子に先ず0を設定する。
【0114】
さらに、このような処理に対応して、図16に示す物理ページ単位の出力処理では、制御部31は、ステップS48において、印刷要求情報として記憶した最終識別子がIDよりも小さいか否かを判定する。また、制御部31は、ステップS49において、印刷要求情報として記憶した最終識別子にIDを設定する。
次に、記憶部に記憶されている印刷要求情報を電源投入時に必要に応じて修正する画像形成装置20による処理を説明する。
【0115】
図17は、その処理例となる電源ON処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、この処理を制御部31によって行う。
図17に示すように、先ずステップS101では、制御部31は、画像形成処理を行うための初期化処理を行う。
次に、ステップS102では、制御部31は、印刷要求情報修正処理を行う。そして、制御部31は、印刷要求情報修正処理を終了した後、該図17に示す電源ON処理を終了する。
【0116】
図18は、印刷要求情報修正処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、先ずステップS121では、制御部31は、先頭の印刷要求情報を取得する。すなわち、画像形成装置20は、前回の電源ON期間内に記憶部に記憶された印刷要求情報のうちの先頭の(最初に実行された印刷要求の)印刷要求情報を取得する。
【0117】
次に、ステップS122では、制御部31は、印刷要求情報が無いか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報が無いと判定すると、修正対象の印刷要求情報が無いため、該図18に示す印刷要求情報修正処理を終了する。また、制御部31は、印刷要求情報が有ると判定すると、ステップS123に進む。
例えば、制御部31は、前記ステップS121からステップS122に進んだ場合において、先頭の印刷要求情報が無いと判定すると、該図18に示す印刷要求情報修正処理を終了する。
【0118】
また、制御部31は、後述の前記ステップS125からステップS122に進んだ場合において、次の印刷要求情報が無いと判定すると、該図18に示す印刷要求情報修正処理を終了する。
ステップS123では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「印刷中」であるか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「印刷中」であると判定すると、ステップS124に進む。また、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「印刷中」でないと判定すると、ステップS125に進む。
【0119】
ステップS124では、制御部31は、前記ステップS123で判定対象とした印刷要求ステータスを「電源断による中断」に設定する。そして、制御部31は、ステップS125に進む。
ステップS125では、制御部31は、記憶部から次の印刷要求情報を取得する。そして、制御部31は、前記ステップS122から再び処理を行う。
【0120】
次に、画像形成装置20が識別子管理サーバ40から最終識別子情報の送信要求を受信した場合の処理を説明する。
図19は、その処理例となる最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図19に示す処理を制御部31によって行う。
図19に示すように、先ずステップS141では、制御部31は、識別子管理サーバ40から送信されてきた最終識別子情報要求のデータから送信先サーバ情報を取得する。例えば、制御部31は、送信先サーバ情報として識別子管理サーバ40のIPアドレスを取得する。
【0121】
次に、ステップS142では、制御部31は、先頭の印刷要求情報を取得する。例えば、制御部31は、前回の最終識別子情報要求に対応した処理後に記憶部に記憶された印刷要求情報から先頭の印刷要求情報を取得する。すなわち、制御部31は、識別子管理サーバ40に未だ送信していない印刷要求情報のうちの先頭の印刷要求情報を取得する。
次に、ステップS143では、制御部31は、印刷要求情報が無いか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報が無いと判定すると、該図19に示す最終識別子要求受付処理を終了する。また、制御部31は、印刷要求情報が有ると判定すると、ステップS144に進む。
【0122】
ステップS144では、制御部31は、前記ステップS143で有るとした印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」か否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであると判定すると、ステップS145に進む。また、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、及び「電源断による中断」の何れでもないと判定すると、ステップS146に進む。
【0123】
ステップS145では、制御部31は、前記ステップS144で判定対象とした印刷要求情報の最終識別子情報及び印刷要求ステータスを、前記ステップS141で取得した送信先サーバ情報に基づき特定した識別子管理サーバ40に送信する。そして、制御部31は、ステップS146に進む。
ステップS146では、制御部31は、次の印刷要求情報を取得する。そして、制御部31は、前記ステップS143から再び処理を行う。
【0124】
次に、識別子管理サーバ40が画像形成装置20に対して行う最終識別子の送信要求処理を説明する。
図20は、その処理例となる識別子回収処理を示すフローチャートである。識別子管理サーバ40は、図20に示す処理を処理部41によって行う。
図20に示すように、先ずステップS161では、処理部141は、予め設定した要求タイミングになったか否かを判定する。処理部141は、予め設定した要求タイミングになったと判定すると、ステップS162に進む。また、処理部141は、予め設定した要求タイミングになっていないと判定すると、該図20に示す識別子回収処理を終了する。例えば、予め設定した要求タイミングとは、1日1回のタイミングであり、設定された時刻である。
【0125】
ステップS162では、処理部41は、最終識別子情報要求を画像形成装置20に送信する。例えば、処理部41は、識別子確保要求に対応して初期識別子等の情報を送信した画像処理装置20をテーブル等において管理しており、その管理している画像処理装置20に最終識別子要求を送信する。
次に、ステップS163では、処理部41は、最終識別子情報要求を送信した画像形成装置20からの最終識別子情報の受信を完了したか否かを判定する。処理部41は、最終識別子情報の受信を完了したと判定すると、ステップS164に進む。
【0126】
ここで、画像処理装置20から複数の印刷要求に対応して複数の最終識別子情報が送信されてきた場合には、処理部41は、それら全ての最終識別子情報を受信したときに受信を完了したと判定する。
また、画像形成装置20がそもそも最終識別子を送信しない場合もあるので、処理部41は、タイムアップにより、該図20に示す識別子回収処理を終了するようにしても良い。
【0127】
ステップS164では、処理部41は、最終識別子のIDの最終フラグが1か否かを判定する。処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1であると判定すると、ステップS167に進む。また、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1でないと判定すると、すなわち、最終識別子に一致するIDの最終フラグが0の場合、ステップS165に進む。
【0128】
ステップS165では、処理部41は、同一文章IDにおいて最終識別子に一致するIDよりも後のIDに属する情報を削除する。
次に、ステップS166では、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグを1に設定する。そして、処理部41は、ステップS167に進む。
ステップS167では、処理部41は、受信した最終識別子情報が他に無いか否かを判定する。処理部41は、受信した最終識別子情報が他に無いと判定すると、該図20に示す識別子回収処理を終了する。また、処理部41は、受信した最終識別子情報が他に有ると判定すると、前記ステップS164から再び処理を開始する。これにより、処理部41は、次の最終識別子情報について前記ステップS164以降の処理を行う。
【0129】
また、第2の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第1の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
次に、第2の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第2の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、印刷要求ステータスが「印刷中」である印刷要求情報が存在する場合、その印刷要求ステータスを「電源断による中断」に設定する(図17、図18)。この設定は、印刷要求の実行中に電源が切られた場合には印刷要求情報の印刷要求ステータスを「電源断による中断」に設定していることに対応して行っている。また、その印刷要求情報には、0の最大識別子、又は1枚でも印刷が完了していた場合には1以上の値の最大識別子の何れかが記憶されている。
【0130】
そして、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信すると、「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかである印刷要求ステータスとそれに対応付けされている(同じ印刷要求情報に記憶されている)最大識別子とを識別子管理サーバ40に送信する(図19)。
【0131】
一方、識別子管理サーバ40は、最終識別子情報要求に対応して画像形成装置20から印刷要求ステータス及び最終識別子を受信すると、ID等を管理している図3に示したようなテーブル等を参照して、最終識別子と同一のIDの最終フラグが0の場合、同一の文章IDにおいて最終識別子と同一のIDよりも後のID(最終フラグが1であるIDまで)に属する情報を削除する(ステップS161乃至ステップS165)。さらに、識別子管理サーバ40は、最終識別子と同一のIDの最終フラグを1に設定する(ステップS166)。これによって、識別子管理サーバ40は、一旦は確保された識別子空間から使用されていない識別子を回収する。
【0132】
図21は、以上のような処理によって画像形成装置20と識別子管理サーバ40との間で行われるシーケンスを示す図である。
図21に示すように、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信すると、印刷要求ステータス及び最終識別子をその識別子管理サーバ40に返信する。このとき、画像形成装置20は、複数の印刷要求情報が記憶されている場合には、図21に示すように、それら複数の印刷要求情報にかかる印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に返信する。
これに対して、識別子管理サーバ40は、各最終識別子について識別子回収処理を行う(図20)。
【0133】
(第3実施形態)
次に第3の実施形態を説明する。なお、前記第2実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第3実施形態では、画像形成装置20は、印刷要求に割り当てられた識別子のうち未出力の識別子がある場合にのみ、最終識別子情報を識別子管理サーバ40に送信する。
先ず、第3の実施形態において画像形成装置20が行う、印刷要求ステータスとともに最終識別子情報及び割当最終識別子を記憶部に記憶する処理を説明する。
【0134】
図22は、その処理例となる印字処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図22に示す処理を制御部31によって行う。
図22に示すように、ステップ4に続くステップS181において、制御部31は、印刷要求に割り当てられた最終識別子(最大値の識別子)を算出する。すなわち、制御部31は、識別子管理サーバ40が確保した識別子空間における最大値の識別子を算出する。そして、制御部31は、算出した最終識別子をIDmaxに設定する。
例えば、制御部31は、下記(1)式によって最終識別子を算出する。
【0135】
最終識別子=初期識別子−1+論理ページ数×印刷部数 ・・・(1)
よって、論理ページ数が3ページ、印刷部数が4部、及び初期識別子が12の場合、制御部31は、次式によって最終識別子を算出する。
最終識別子=12−1+3×4=23
次に、ステップS182では、制御部31は、IDに初期識別子を設定する。また、制御部31は、最終識別子に0を設定する。また、制御部31は、割当最終識別子に前記ステップS181で設定したIDmaxを設定する。そして、制御部31は、ステップS7に進み、以降、第2の実施形態と同様な処理を行う。
【0136】
さらに、画像形成装置20が識別子管理サーバ40から最終識別子の送信要求を受信した場合の処理を説明する。
図23は、その処理例となる最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図23に示す処理を制御部31によって行う。
図23に示すように、制御部31は、ステップ144の判定処理でYesの場合にステップS201に進み、そのステップS201において、印刷要求情報から割当最終識別子と最終識別子とを取得する。
【0137】
次に、ステップS202では、制御部31は、前記ステップS201で取得した割当最終識別子と最終識別子とが一致するか否かを判定する。制御部31は、割当最終識別子と最終識別子とが一致すると判定すると(割当最終識別子=最終識別子)、ステップS146に進む。また、制御部31は、割当最終識別子と最終識別子とが一致しないと判定すると(割当最終識別子≠最終識別子)、ステップS145に進む。
【0138】
また、第3の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第2の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
次に、第3の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第3の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、印刷要求毎にその印刷要求情報に割当最終識別子及び最終識別子(最終識別子の取得については図16参照)を記憶する。そして、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信すると、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ割当最終識別子と最終識別子とが一致しない場合のみ、その印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(図23)。
【0139】
ここで、印刷要求にかかる割当最終識別子と最終識別子とが一致しないということは、
該印刷要求に割り当てられた識別子のうち、少なくとも、最終識別子よりも大きくかつ割当最終識別子までの範囲の識別子は、未出力の状態にあると言える。
よって、画像形成装置20は、印刷要求に割り当てられた識別子のうち未出力の識別子がある場合にのみ、最終識別子情報を識別子管理サーバ40に送信していることになる。
【0140】
なお、前述の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、物理ページの出力順に対して識別子を昇順に割り振っていくことを想定すれば、前述のような処理でも良いが、それ以外も想定して、画像形成装置20は、識別子が出力済みか否かの情報をテーブルに記憶するなどして保持しても良い。これにより、画像形成装置20は、テーブルに記憶されている識別子を検索して、未出力の識別子がある場合に、最終識別子情報を識別子管理サーバ40に送信する。
【0141】
(第4実施形態)
次に第4の実施形態を説明する。なお、前記第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第4実施形態では、ボックス印刷に対応した処理を行う。
ここで、ボックス印刷を行う前提として、画像形成装置20は、印刷要求の際に再印刷用のボックスへの蓄積指示があったとき、印刷要求にかかる文章データをHDDの再印刷用のボックスに記憶している。これにより、画像形成装置20は、その記憶した文章データについて印刷要求があったときに、ボックス印刷としてその文章データを再度印刷する。
【0142】
先ず、第4の実施形態における画像形成装置20の処理を説明する。
最初に、画像形成装置20がボックスに記憶された文章データに基づいてボックス印刷の処理を説明する。
図24は、その処理例となるボックス文書印字処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、この処理を制御部31によって行う。
【0143】
図24に示すように、ボックス文書印字処理は、図15に示す印字処理とほぼ同様な処理内容になっている。
しかし、第4の実施形態では、ボックス文書印字処理を開始すると、先ずステップS221において、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「印字中」を設定することに加えて、使用文書ID、すなわちこのボックス文書印字処理の印刷要求にかかる文章IDを印刷要求情報に記憶する。そして、制御部31は、ステップS2に進む。
【0144】
また、第4の実施形態では、制御部31は、ステップS18で印刷要求情報の印刷要求ステータスに「正常終了」を設定した後、ステップS222に進む。制御部31は、そのステップS222において、ボックスに記憶されている文書を削除する指示が使用者によってなされたか否かを判定する。制御部31は、ボックスに記憶されている文書を削除する指示が使用者によってなされたと判定すると、ステップS223に進む。また、制御部31は、ボックスに記憶されている文書を削除する指示が使用者によってなされていないと判定すると、該図24に示すボックス文書印字処理を終了する。
【0145】
ステップS223では、制御部31は、文書削除処理を行う。
図25は、文書削除処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示すように、先ずステップS241では、制御部31は、ボックスに記憶されている文章データを削除する。
次に、ステップS242では、制御部31は、最終識別子に0を設定する。さらに、制御部31は、対象印刷要求識別子にNullを設定する。ここで、対象印刷要求識別子は、同一の文章を印刷した印刷要求のうちの特定の印刷要求を識別するための識別子である。
【0146】
次に、ステップS243では、制御部31は、同一の文章を出力した最初の印刷要求情報を取得する。具体的には、制御部31は、記憶されている文章IDが同一の印刷要求情報のうちの最初の印刷要求にかかる印刷要求情報を取得する。
次に、ステップS244では、制御部31は、印刷要求情報が無いか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報が無いと判定すると、ステップS249に進む。また、制御部31は、印刷要求情報が有ると判定すると、ステップS245に進む。
【0147】
ステップS245では、制御部31は、前記ステップS244で有るとした印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」か否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであると判定すると、ステップS246に進む。また、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、及び「電源断による中断」の何れでもないと判定すると、ステップS248に進む。
【0148】
ステップS246では、制御部31は、最終識別子(前記ステップS242又は後述のステップS247で設定された最終識別子、以下、設定最終識別子という。)が前記ステップS245で判定対象とした印刷要求情報の最終識別子よりも小さいか否かを判定する。制御部31は、設定最終識別子が印刷要求情報の最終識別子よりも小さいと判定すると(設定最終識別子<印刷要求情報の最終識別子)、ステップS247に進む。また、制御部31は、設定最終識別子の最終識別子が最終識別子以上であると判定すると(設定最終識別子≧印刷要求情報の最終識別子)、ステップS248に進む。
【0149】
ステップS247では、制御部31は、対象印刷要求識別子に前記ステップS245で判定対象とした印刷要求情報の印刷要求識別子を設定する。ここで、印刷要求情報の印刷要求識別子は、印刷要求を識別するための情報である。これにより、同一文章をボックス印刷した印刷要求であっても(同一の文章IDが印刷要求に記憶されている印刷要求であっても)、印刷要求情報の印刷要求識別子によって特定の印刷要求を識別できる。
【0150】
さらに、制御部31は、設定最終識別子に、前記ステップS245で判定対象とした印刷要求情報の最終識別子を設定する。そして、制御部31は、ステップS248に進む。
ステップS248では、制御部31は、同一の文章を出力した次の印刷要求情報を取得する。具体的には、制御部31は、記憶されている文章IDが同一の印刷要求情報のうちの次の印刷要求情報を取得する。そして、制御部31は、前記ステップS244から再び処理を行う。
【0151】
また、ステップS249では、制御部31は、対象印刷要求識別子がNullか否かを判定する。すなわち、制御部31は、前記ステップS247の処理によって対象印刷要求識別子に印刷要求識別子が設定される処理が実施されたか否かを判定する。制御部31は、対象印刷要求識別子がNullであると判定すると、該図25に示す文書削除処理を終了する。また、制御部31は、対象印刷要求識別子がNullでないと判定すると、ステップS250に進む。
【0152】
ステップS250では、制御部31は、前記ステップS249で対象印刷要求識別子がNullでないと判定した印刷要求情報の送信対象情報にTUREを設定する。そして、制御部31は、該図25に示す文書削除処理を終了する。
次に、画像形成装置20が識別子管理サーバ40から最終識別子情報の送信要求を受信した場合の処理を説明する。
【0153】
図26は、その処理例となる最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図26に示す処理を制御部31によって行う。
図26に示すように、ステップS144の判定でYesの場合に進むステップS261では、制御部31は、ステップS144で判定対象とした印刷要求情報に文章IDが記憶されていないか否か、又は該印刷要求情報(文章IDが記憶されている印刷要求情報)の送信対象情報がTUREか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報に文章IDが記憶されていない、又は印刷要求情報の送信対象情報がTUREであると判定すると、ステップS145に進む。また、制御部31は、印刷要求情報に文章IDが記憶されており、かつ印刷要求情報の送信対象情報がTUREでないと判定すると、ステップS146に進む。
【0154】
ステップS145では、制御部31は、前記ステップS126で文章IDが記憶されていない、又は送信対象情報がTUREであると判定した印刷要求情報の最終識別子情報と印刷要求ステータスとを送信する。そして、制御部31は、ステップS146に進む。
また、第4の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第2の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
【0155】
次に、第4の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第4の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、ボックス印刷を行う場合、ボックス印刷にかかる印刷要求の印刷要求情報に文章IDを記憶する(ステップS221)。そして、画像形成装置20は、印刷要求の実行を正常終了し、そのときに文書の削除指示があった場合、文章削除処理を実行する(ステップS222、ステップS223)。
【0156】
文章削除処理では、図25に示すように、画像形成装置20は、ボックスに記憶されている文章データを削除する(ステップS241)。また、画像形成装置20は、同一の文章IDが記憶されている印刷要求情報のうち、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ最終識別子が最大値の印刷要求情報を選定する(ステップS245、ステップS246)。さらに、画像形成装置20は、対象印刷要求識別子に、選定した印刷要求情報の印刷要求識別子を設定する(ステップS247)。そして、画像形成装置20は、対象印刷要求識別子の印刷要求情報の送信対象情報にTRUEを設定する(ステップS250)。
【0157】
これによって、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信した場合、画像形成装置20は、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ印刷要求情報の送信対象情報がTUREである印刷要求情報の印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(図26)。また、画像形成装置20は、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ印刷要求情報に文章IDが記憶されていない場合にも、その印刷要求情報の印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(図26)。
【0158】
以上のような処理によって、画像処理システム1では、例えば、次のようなことを可能にしている。
画像形成装置20は、印刷要求の際に再印刷用のボックスへの蓄積指示があったとき、印刷要求にかかる文章データを再印刷用のボックスに記憶する。このとき、画像形成装置20は、文書の印字指示情報も文章データとともにボックスに記憶する。このように再印刷用のボックスに記憶されたことで、文章データ及び印字指示情報は、例えば、電源OFF後も画像形成装置20で保持されることになる。
【0159】
その後、そのようにしてボックスに保存されている文章データについて使用者が印刷要求をした場合、画像形成装置20は、文章データ及び印字指示情報に基づいて画像形成を行う。このとき、画像形成装置20は、先の印刷要求に用いたものと同一の識別子を用いて画像形成を行う。つまり、画像形成装置20は、印字指示が変化しないので、識別子に関しても同じ情報を用いて画像形成を行う。そして、画像形成装置20は、このようなボックス印刷を、印刷要求の都度、ボックス内の文書が削除されない限り行うことになる。例えば、このようなボックス印刷は、メモを保存するなどの用途として使うことができる。
【0160】
ここで、画像形成装置20は、ボックス印刷にかかる印刷要求では、前述のように、同じ識別子を用いて印刷を行う。しかし、最初の印刷要求、又は最初の印刷要求の文章データを用いたその後のボックス印刷にかかる印刷要求において、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40が確保した識別子空間の全ての識別子を使い切っているとは限らない。例えば、最初の印刷要求又はその後のボックス印刷にかかる印刷要求が使用者によって中断されている場合である。
【0161】
このような場合に、例えば、単に印刷要求が終了(中断、正常終了等)したからといって識別子管理サーバ40側で識別子の回収処理を行い、先に確保した識別子空間の一部の識別子を再度利用可能にし、その後、画像形成装置20側でボックス印刷にかかる印刷要求で新たに識別子を使用してしまうと、識別子管理サーバ40が再度利用可能にした識別子と画像形成装置20が新たに使用した識別子との間で重複が生じてしまうことになる。
【0162】
これに対して、本実施形態の画像形成装置20は、使用者の指示によってボックスに記憶されている文章データを削除した場合において、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつその印刷要求情報の送信対象情報がTUREであるときに、その印刷要求情報の印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信している。つまり、本実施形態の画像形成装置20は、ボックス印刷が今後実行されない状況になって初めて、すなわち、ボックス印刷によって識別子が新たに使用されるようなことがない状況になって初めて、印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信している。
【0163】
これにより、本実施形態では、ボックス印刷で新たに使用する識別子を、識別子管理サーバ40が他の印刷要求のための識別子空間の識別子として確保しないようにしている。この結果として、本実施形態では、画像形成装置20がボックス印刷が可能な装置であっても、識別子管理サーバ40は、その画像形成装置20に提供した識別子群のうちの画像形成装置20が印刷媒体に画像形成した画像に合成しなかった識別子を、別の印刷要求用に提供できるようになる。
【符号の説明】
【0164】
1 画像処理システム、10 ホストコンピュータ、20 画像形成装置、23 画像形成部、30 処理部、31 制御部、32 メモリ、40 識別子管理サーバ、50 文書サーバ、60 処理サーバ、70 スキャナ付きペン、
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム及び制御プログラムである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至3には、用紙に印刷したパターンから、その用紙上の位置を特定可能にする技術が開示されている。
例えば、特許文献2では、印刷された各物理ページを区別できるように、位置アサイナによって物理ページと位置情報との割り当てを行い、その割り当てた関係をデータとして保持しておき、システム内で必要に応じてそのデータを提供するようにしている。
【0003】
また、特許文献4では、画像形成装置が、画像形成する記録媒体毎に識別情報を付与し、画像形成された記録媒体の排出が完了したときに識別情報をデータ管理端末に送信している。そして、画像形成装置は、印刷を失敗したとき、割り当てた識別情報を破棄し、再度印刷の際に別の識別情報を記録媒体に付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4215516号公報
【特許文献2】特表2006−504181号公報
【特許文献3】特表2008−282411号公報
【特許文献4】特表2007−243380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外部装置が画像形成装置に提供した識別子群のうちの画像形成装置が印刷媒体に画像形成した画像に合成しなかった識別子を、別の印刷要求用に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、を有する画像形成装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1の記載において、前記第3取得手段は、前記印刷要求終了情報として少なくとも印刷要求の実行の正常終了又は中断の情報を取得しており、前記送信手段は、前記印刷要求の実行が正常終了又は中断した場合に、前記送信を行う画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1の記載において、前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて第1記憶部に記憶する第1記憶手段と、前記外部装置から情報送信要求を受け付ける受付手段とをさらに有し、前記送信手段は、前記受付手段が外部装置からの情報送信要求を受け付けた場合に、前記第1記憶部に記憶されている前記識別子の情報と前記印刷要求終了情報とを対応付けたまま前記外部装置に送信する画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載において、前記送信手段は、
前記外部装置から取得した前記識別子群に前記第2取得手段が取得した識別子以外の識別子の情報が含まれている場合、前記送信を行う画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載において、前記印刷要求に係る画像形成用データを再度印刷可能な状態で記憶部に記憶する第2記憶手段をさらに有し、前記送信手段は、前記第2記憶部に画像形成用データが記憶されている場合、前記送信を行わない画像形成装置である。
【0009】
請求項6に係る発明は、請求項5の記載において、前記外部装置は、数列とされた複数の識別子からなる識別子空間から、値が大きくなる順序で連続した複数の識別子を前記識別子群として取得しており、前記第1取得手段が取得した画像形成用データ及び前記第2記憶部に記憶されている画像形成用データを用いて印刷媒体に画像形成した各印刷要求と、該印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した各識別子の情報とを対応付けて第3記憶部に記憶する第3記憶手段をさらに有し、前記送信手段は、前記第2記憶部から画像形成用データが消去された場合、前記第3記憶部に記憶されている複数の印刷要求のうち、対応付けられている識別子の値が最大の印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する画像形成装置である。
【0010】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載において、前記出力手段による前記印刷媒体の出力形式の情報を取得する第4取得手段をさらに有し、前記外部装置は、前記画像形成用データの論理ページのページ数及び第4取得手段が取得した出力形式の情報を基に、前記出力形式にかかわらず各論理ページを一意に特定可能な識別子群を取得する画像形成装置である。
【0011】
請求項8に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、前記外部装置から取得した識別子群の各識別子の情報及び前記第2取得手段が取得した識別子の情報を基に、該識別子群の各識別子の情報うちの前記第2取得手段が取得した識別子の情報以外の識別子の情報を検出する検出手段と、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、前記検出手段が検出した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、を有する画像形成装置である。
【0012】
請求項9に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理し、前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群を前記印刷要求に対応して提供する提供手段と、前記提供手段が提供する識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、を有する画像形成システムである。
【0013】
請求項10に係る発明は、請求項9の記載において、前記提供手段は、前記送信手段から対応付けられて送信されてきた前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを基に、前記印刷要求に対応して提供した前記識別子群が前記印刷要求の実行時に印刷媒体の画像に合成されなかった識別子を含むことを検出した場合、前記合成されなかった識別子を他の印刷要求に対応して提供する画像形成システムである。
【0014】
請求項11に係る発明は、印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得ステップと、対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力する各物理ページの画像に合成する合成ステップと、前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力された印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得ステップと、前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得ステップと、前記第2取得ステップで取得した識別子の情報と前記第3取得ステップで取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、9、10、11に係る発明によれば、外部装置は、印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報及び印刷要求終了情報を参照して画像形成装置に提供した識別子群のうちの印刷媒体に画像形成した画像に合成されなかった識別子を特定し、その特定した識別子を別の印刷要求用に提供できるようになる。
請求項2に係る発明によれば、このような構成がない場合に比べて、特定した識別子を早期に別の印刷要求用に提供できるようになる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、外部装置からの情報送信要求があったときに、印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報と印刷要求終了情報とを関連付けた情報をまとめて送信できる。
請求項4に係る発明によれば、不用意な情報送信を防止できる。
請求項5に係る発明によれば、外部装置が、他の印刷要求用に識別子を重複して提供するのを防止できる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、不用意な情報送信を防止できる。
請求項7に係る発明によれば、出力形式にかわらず各論理ページを一意に特定可能な識別子群についても、画像に合成されなかった識別子を別の印刷要求用に提供できるようになる。
請求項8に係る発明によれば、外部装置は、印刷媒体の画像に合成されていない識別子の情報が画像形成装置から送信されてきたときには、その識別子を別の印刷要求用に提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】識別子管理サーバがID等を記憶するテーブルの一例を示す図である。
【図4】スキャナ付きペンの構成例を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】物理ページ単位の出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】ページ描画処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】識別子回収処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】画像処理システムにおける一連の処理例を説明する図である。
【図10】画像処理システムにおける一連の処理例を説明する他の図である。
【図11】丁合い出力の場合に各物理ページに対応づけた識別子の例を示す図である。
【図12】画像形成装置から識別子管理サーバに送信される印刷要求ステータス及び最終識別子の一例を示す図である。
【図13】識別子を回収するために文書ID等の情報が削除されたテーブルの一例を示す図である。
【図14】回収された識別子が、再度、空いている識別子空間として確保されたテーブルの一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態における印字処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態における物理ページ単位の出力処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施形態における電源ON処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施形態における印刷要求情報修正処理を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施形態における最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施形態における識別子回収処理を示すフローチャートである。
【図21】画像形成装置と識別子管理サーバとの間で行われるシーケンスを示す図である。
【図22】第3の実施形態における印字処理を示すフローチャートである。
【図23】第3の実施形態における最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。
【図24】第4の実施形態におけるボックス文書印字処理を示すフローチャートである。
【図25】第4の実施形態における文書削除処理を示すフローチャートである。
【図26】第4の実施形態における最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態を説明する。
第1の実施形態は、画像処理システムである。
図1は、画像処理システム1の概略構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、画像処理システム1は、ホストコンピュータ10、画像形成装置20、識別子管理サーバ40、文書サーバ50、処理サーバ60、及びスキャナ付きペン70によって構成されている。
ここで、ホストコンピュータ10、画像形成装置20、識別子管理サーバ40、文書サーバ50、処理サーバ60、及びスキャナ付きペン70は、有線又は無線の通信手段80を介して通信可能に接続されている。例えば、通信手段80は、LAN(Local Area Network)やインターネット、一般公衆回線である。
【0021】
ホストコンピュータ10は、使用者により入力、作成等された文書、図形等を印刷媒体に印字するために画像形成装置20に印刷要求を出力する。
そのために、ホストコンピュータ10は、入力部(キーボードやマウス、タッチパネル等)11によって使用者が印刷の際の出力形式の各項目を設定できるように構成されている。
【0022】
ここで、出力形式の各項目としては、印刷部数(出力総部数)、用紙が収容される収容部、印刷した用紙の排出形式(出力形式)、片面印刷又は両面印刷、印刷した用紙の排出先、印刷した用紙の排出順序、及びステープル機能等といったものが挙げられる。例えば、印刷した用紙の排出形式としては、複数部数出力する場合の丁合い出力又はスタック出力(以下、丁合・スタック出力という。)がある。また、印刷した用紙の排出先としては、大容量排出部や用紙が印刷面を上にして排出されるフェイスアップトレイがある。
【0023】
ここで、丁合い出力とは、論理ページ毎の印刷を単位とし印刷部数内の何部目かを示す印刷部数目毎に印刷する形式である。また、スタック出力とは、印刷部数目毎の印刷を単位とし論理ページ毎に印刷する形式である。
このような構成のホストコンピュータ10は、先ず、使用者がこのような出力形式の各項目を入力部11によって設定し印刷の実行を指示すると、不図示のプリンタドライバによって印刷に必要なソフトウェア処理を施す。
【0024】
ここで、ホストコンピュータ10は、ソフトウェア処理によって、印刷対象の画像(アプリケーションデータ)や設定された出力形式の各項目を、画像形成装置20用に処理を施す。具体的には、ホストコンピュータ10は、ソフトウェア処理によって、画像形成装置20が処理できるように画像を印刷データ(出力データ)に加工する処理や、設定された出力形式の各項目を画像形成装置20が読み取れる出力形式指示に置き換える処理等を行う。
【0025】
次に、ホストコンピュータ10は、こうした処理によって取得した印刷データ及び出力形式指示を基に1つの印刷要求となる印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
画像形成装置20は、ホストコンピュータ10からの印刷用ファイル(印刷要求)に基づいて画像形成処理を行う。
【0026】
図2は、画像形成装置20の構成例を示す図である。
図2に示すように、画像形成装置20は、操作部21、原稿読取部22、画像形成部23、及び処理部30を有している。
操作部21は、情報の入出力部である。例えば、操作部21は、使用者に対する情報を表示する表示部(表示画面)と使用者に操作されて指示内容が入力される入力部とを一体として有する操作パネル等である。
【0027】
処理部30は、画像形成装置20における各種処理を実行する。
図2に示すように、処理部30は、制御部31、メモリ32、HDD33、イメージ入力部34、原稿読取用I/F部35、イメージ出力部36、画像形成用I/F部37、及び通信部38を有している。
制御部31は、各種制御を行う。例えば、制御部31は、印刷要求の実行によって、画像形成用I/F部37を制御して、イメージ出力部36のイメージ画像を画像形成部23に出力し画像形成部23にて用紙に画像形成する。また、制御部31は、複製要求の実行によって、原稿読取用I/F部35及び画像形成用I/F部37を制御して、原稿読取部22によって読み取った原稿のイメージ画像をイメージ入力部34に格納し、イメージ入力部34に格納したイメージ画像をイメージ出力部36に出力して画像形成部23にて用紙に画像形成する。
【0028】
メモリ32及びHDD33には、各種処理に必要なデータや情報が記憶されている。例えば、メモリ32には、制御部31で用いるプログラム32aやデータが記憶されている。
例えば、プログラム32aは、画像形成装置20の出荷時当初からメモリ32に記憶されているものとすることができる。また、プログラム32aは、出荷後に使用者等の作業によりCD−ROM等の記憶媒体から読み込まれてメモリ32に記憶されたものとすることもできる。
【0029】
通信部38は、ホストコンピュータ10との間で通信をする。画像形成装置20は、印刷用ファイルをこの通信部38によって受信したときに、割り込み処理等によって制御部31にその通知を行う。
制御部31は、印刷用ファイルを受信した通知を通信部38から受けると、その印刷用ファイルをメモリ32又はHDD33に格納した後又は格納しながら、印刷用ファイルの内容を解析する。そして、制御部31は、その解析の結果、画像形成のためのファイルであると判定すると、内部的な処理単位となる印刷制御指令を生成し、生成した印刷制御指令を実行する。すなわち、制御部31は、印刷用ファイルから印刷データを読み出し、読み出し印刷データをイメージングプログラムによってメモリ32上にイメージ画像として展開する。
【0030】
さらに、制御部31は、印刷用ファイルから出力形式指示(出力形式情報)を読み出し、読み出した出力形式指示の内容に従って画像形成部23に対してどの給紙部を使用するか、片面印刷か両面印刷か、ホチキスをするかどうか等の出力形式の指定を行う。
その後、制御部31は、画像形成部23の処理に合わせて決定(どのイメージ画像を用いるかの決定)されたイメージ画像を順次出力する。
【0031】
ここで、画像形成装置20は、出力形式指示にて印刷部数が複数部数指定されている場合、次のような出力処理を行う。
制御部31は、丁合い出力による複数部印刷になっている場合、ページ数が予め決められた設定値(例えばメモリ容量)よりも多いと、印刷するページ数分のイメージ画像をメモリ32上に展開できないことがあるため、メモリ32上に展開したイメージ画像をHDD33に一旦格納する。これにより、制御部31は、必要に応じてHDD33から読み出してメモリ32上にイメージ画像を展開し、そのイメージ画像を画像形成部23に送信する。このようにすることで、画像形成装置20は、丁合い出力の場合、1,2,3,4,・・・、1,2,3,4,・・・といったように、論理ページ順でまとめて部数分の印刷を行う。
【0032】
また、制御部31は、スタック出力による複数部印刷になっている場合、同じ画像を部数分だけ順次印刷していけば良いため、メモリ32上にイメージ画像を展開し、展開したイメージ画像を部数分、画像形成部23に送信する。このようにすることで、画像形成装置20は、3部を印刷するのであれば、1,1,1、2,2,2、3,3,3、・・・・といったように、最初のページから部数分ずつ印刷する。
【0033】
このように、画像形成装置20では、ホストコンピュータ10にて設定された出力形式指示に応じた印刷物を得ることができる。
ところで、近年、用紙の印刷面に座標情報を位置コードとして埋め込んでおき、その位置コードを読み取ることで用紙上の位置を特定するシステムが提案されている。例えば、スキャナを内蔵したスキャナ付きペンによって印刷面に埋め込まれた位置コードを読み取り、スキャナ付きペンがその読取結果とともに用紙に書き込んだ筆跡(ストローク)の情報をサーバ等に送るといったシステムがある。
【0034】
このようなシステムでは、スキャナ付きペンによって取得した情報(位置情報やストローク情報)のみをサーバ等に送り、その情報を受け取ったサーバ等で元のアンケート用紙の文章等と対応をとることで、アンケート用紙を回収することなく、そのアンケート用紙のマーク位置(チェック位置)を判定することが可能になる。よって、このようなシステムは、紙から電子データを自動的に作成できるために利便性が高い。
【0035】
これに対して、特許文献1乃至3では、画像形成の際に座標情報(位置情報)を埋め込む技術を開示している。これら特許文献1乃至3では、印刷機ではなく、プリンタなどを利用して座標情報を埋め込んだ文書を出力するという、いわゆるオンデマンドプリントにおける埋め込み方法を開示している。
そして、こうしたシステムの構築には、情報を収集すべき印刷物を区別できるような仕組みが必要となる。座標情報だけだと、情報を収集すべき印刷物に対して書き込みがされたのか、そうでない印刷物(情報を収集を必要としない印刷物)に対して書き込みがされたのかの判別がつかなくなってしまうからである。また、座標情報だけだと、ペンで読み取ったページ(物理ページ)が、どの文書のどのページ(論理ページ)に対応するかの対応関係がわからないため、処理ができなくなるからである。
【0036】
このようなことから、特許文献2に開示の技術は、位置アサイナによって物理ページと位置データとの割り当てを行い、システム内でその関係をデータとして保持しておき、必要に応じてそのデータを提供する方式を採用している。しかし、この方式でも次のような問題がある。
位置データを埋め込み印刷する画像形成装置は、物理ページそれぞれへの埋め込みに必要となる情報を物理ページ毎に外部サーバに問い合わせする必要がある。これでは、画像形成装置は、その問い合わせに対する返信が来るまで印刷を行えないため、印刷時間が長くなってしまう。
【0037】
そこで、次のような、位置アサイナではなく数値からなるIDを使用した方式が考えられる。
この場合、システムにおいて画像形成装置に出力を指示する出力指示側が、印刷要求によって印刷する物理ページ数からIDの空間を判定し、必要数のIDとして数値の連続区間を予約する。そして、出力指示側は、印刷要求とともにその数値の連続区間の先頭の数値(先頭ID)を画像形成装置に与える。これによって、システムの画像形成装置は、印刷要求に応じた印刷処理によって、先頭の数値(先頭ID)を初期値とし順次加算(インクリメント)していき、順次得られる値(加算値)を各IDとして物理ページ毎の画像に合成し印刷していく。そして、出力指示側でID(数値)と印刷要求に係る文章との対応を取れるようにしておくことで、システムでは、ペンによって印刷物から読み取ったIDに基づき文章情報を取得する。
【0038】
このようなシステムでは、印刷要求の実行中に出力指示側と画像形成装置とのやり取りが発生しないために、問い合わせのための時間が発生しない。この結果、このシステムでは、印刷時間が長くなってしまうのを抑制できる。
しかし、このシステムでは、画像形成装置側で実行中の印刷要求を使用者のキャンセル等によって中断すると、画像形成装置は、出力指示側で予約したID空間の全てのIDを使い切ることなく印刷を途中で終えてしまう。この結果、予約したID空間において使用されないIDが発生し、そのIDが無駄になる。
【0039】
例えば、論理ページ数が100ページの文章を10部印刷する印刷要求の場合、出力指示側では、ID空間として1000(100×10)ページ分のID空間を予約することになる。しかし、この場合において、画像形成装置側で1枚印刷したところで実行中の印刷要求を中断すると、残りの999ページ分のIDが使用されなくなり、IDが無駄になる。
【0040】
また、特許文献4に開示の技術では、印刷を失敗したとき、割り当てた識別情報を破棄し、再度印刷の際には別の識別情報を記録媒体に付与している。そのため、この技術でも、破棄された識別情報が使われない識別情報になってしまうため、識別情報に無駄が生じる。
これに対して、本実施形態では、以下のような構成及び処理により、無駄なくIDを使用している。
【0041】
本実施形態では、ホストコンピュータ10は、使用者によって印刷実行(出力設定)及び座標情報埋め込みの指示がなされると、その指示を座標情報とともに識別子情報もあわせて印刷物に埋め込む指示とみなし、それに応じた印刷に必要な処理をプリンタドライバによって実行する。
また、このとき、ホストコンピュータ10は、通信手段80を通じて文書サーバ50に対して文書データを送信する。これによって、ホストコンピュータ10は、文章サーバ50から文章IDを受信する。ここで、文章IDは、文書データを特定するためのIDとなる。
【0042】
さらに、ホストコンピュータ10は、文章IDを受信すると、通信手段80を通じて識別子管理サーバ40に対して識別子確保要求(番号要求又は識別子発行要求とも言う。)を送信する。ここで、識別子確保要求には、印刷データの論理ページ数(論理ページのページ数)及び文書ID、並びに使用者が設定した印刷部数及び丁合・スタック出力の情報が含まれる。この識別子確保要求は、識別子管理サーバ40に対して初期識別子(後述の先頭の識別子(識別子初期値))を取得する要求となる。
【0043】
そして、ホストコンピュータ10は、識別子確保要求に対応して識別子管理サーバ40から初期識別子情報を受信すると、前述の印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を基に1つの印刷用ファイルを作成する。ここで、ホストコンピュータ10は、印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を必要に応じて加工して印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
【0044】
識別子管理サーバ40は、システム全体で識別子を一意にして管理するサーバである。識別子管理サーバ40は、例えば、図1に示すように、処理部41及び記憶部42を有している。
この識別子管理サーバ40は、先ず、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、処理部41によって、記憶部42で管理している識別子空間内から空いている識別子空間を検索する。ここで、識別子空間は複数の識別子(複数の数値)で構成されており、空いている識別子空間とは、現在使用されていない識別子によって構成される識別子空間である。
【0045】
具体的には、識別子管理サーバ40は、印刷部数に論理ページ数を掛け合わせた分(印刷部数×論理ページ数)の大きさの空いている識別子空間(連続する数値の空間)を検索する。例えば、論理ページ数が5ページで印刷部数が3部の場合、識別子管理サーバ40は、印刷する物理ページ数相当の15(=5×3)個の未使用の識別子からなる識別子空間を検索する。
【0046】
次に、識別子管理サーバ40は、空いている識別子空間を検索して確保すると、確保した識別子空間(識別子群)、その先頭の識別子(最小の数値の識別子)である初期識別子情報、論理ページ数の情報、印刷部数の情報、丁合・スタック出力の情報、及び文章IDを対応付けて記憶部42に記憶する。
そして、識別子管理サーバ40は、記憶部42に記憶した情報のうちの初期識別子情報をホストコンピュータ10に送信する。
【0047】
ここで、図3は、識別子管理サーバ40が識別子情報等を記憶するテーブルの一例を示す図である。
図3に示すように、識別子管理サーバ40は、テーブルにおいて、ID(識別子情報)、文章ID、ページ番号(論理ページ番号)、部数、先頭フラグ、及び最終フラグを対応付けて記憶部42に記憶する。ここでいう部数とは、印刷部数内で何部目かを示す値、すなわち印刷部数目である。
【0048】
例えば、識別子管理サーバ40は、印刷部数及び丁合・スタック出力等の出力形式の情報に基づいて、出力形式にかかわらず論理ページを一意に特定可能なIDを算出している。つまり、IDは、算出の際には出力形式の情報に応じた値となるが、論理ページを特定する際には出力形式に関係なく一意にその特定を可能にする値である。そして、識別子管理サーバ40は、このように算出したIDとページ番号(論理ページ番号)及び印刷部数目の組とを対応付けて記憶部42に記憶する。
【0049】
また、先頭フラグ(先頭フラグ=1)は、同一の文章IDに属するIDのうちの先頭のID(初期識別子)に対応付けされたフラグである。また、最終フラグ(最終フラグ=1)は、同一の文章IDに属するIDのうちの最後のID(識別子空間で確保された最終の識別子)に対応付けされたフラグである。このようなことから、図3の例に示すDOC002の文章IDは、同一のIDに先頭フラグ及び最終フラグが設定されていることから、論理ページ数が1ページの文章であることがわかる。また、識別子管理サーバ40は、前述の識別子空間の検索を、このような先頭フラグや最終フラグに基づいて行う。例えば、識別子管理サーバ40は、最終フラグが1のIDよりも大きいIDによって構成される識別子空間から空いている識別子空間を検索する。
【0050】
なお、識別子管理サーバ40は、このようなテーブルによる方法によらず、他の方法によって識別子情報等を管理しても良い。
また、識別子管理サーバ40は、前述のように印刷部数及び論理ページ数に応じた数の識別子を確保するが、画像形成装置20で使用されなかった場合にはその使用されなかった識別子を回収する。具体的には、識別子管理サーバ40は、図3に示すようなテーブル等において実際使用されなかった識別子(ID)に係る情報を削除することで、該識別子を利用可能な識別子として回収する。この回収処理については後で詳述する。
【0051】
また、識別子管理サーバ40は、処理サーバ60から識別子取得要求を受信すると、識別子取得要求に含まれている識別子情報に基づいて、初期識別子情報、論理ページ数の情報、印刷部数の情報、丁合・スタック出力の情報、及び文章IDの対応を取得する。すなわち、図3に示すようなテーブルを有している場合、識別子管理サーバ40は、識別子情報であるIDに基づいて、文章ID、ページ番号(論理ページ番号)、印刷部数、及び丁合・スタック出力の情報の対応を取得する。そして、識別子管理サーバ40は、取得したこれらの情報を処理サーバ60に返信する。なお、識別子取得要求や識別子管理サーバ40による返信処理については後で詳述する。
【0052】
文書サーバ(印刷データサーバ)50は、文書データを管理するサーバである。文書サーバ50は、例えば、図1に示すように、処理部51及び記憶部52を有している。
この文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から文章データを受信すると、処理部51によって、受信した文章データをその文章データを特定するための文章IDとともに記憶部52に記憶する。そして、文書サーバ50は、送信されてきた文章データに対応する文章IDをホストコンピュータ10に返信する。
【0053】
ここで、使用者は、各論理ページに対して、どのような領域にどのような情報が書き込まれるべきであるかというような情報(領域情報)を合わせて文書サーバ50に格納させておくことができる。このような構成の場合、ホストコンピュータ10は、書き込まれるべき項目の情報と書き込まれる特定の座標領域の情報との入力が使用者によりなされると、これら情報からなる領域情報を文章データとともに文書サーバ50に送信する。そして、文書サーバ50は、文章データ及び領域情報を受信すると、文書データと領域情報とを対応付けて保持する。
【0054】
また、文書サーバ50は、処理サーバ60から文書情報取得要求を受信すると、その文書情報取得要求に含まれている文章ID及び論理ページ番号に対応する文書データのページ(文書情報、画像情報等)、及び領域情報を保持している場合にはその領域情報を併せて処理サーバ60に送信する。
画像形成装置20では、ホストコンピュータ10からの印刷用ファイルを受信し、その受信した印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が埋め込まれていると、制御部31が、印刷用ファイルから初期識別子情報を読み出してメモリ32に格納する。さらに、制御部31は、印刷用ファイルから印刷データを読み出してHDD33に格納する。そして、制御部31は、印刷処理として、印刷データをメモリ32上にイメージ展開する。また、制御部31は、印刷処理として、座標情報画像を物理ページ毎に作成する。
【0055】
ここで、制御部31は、次のように、座標情報画像を物理ページ毎に作成する処理を行う。
先ず、制御部31は、印刷用ファイル(印刷要求)の指示として与えられる初期識別子によって、最初に出力する物理ページに付与する最初の識別子を初期化する。制御部31は、この初期化によって、最初に印刷する物理ページに付与する最初の識別子に初期識別子を設定する。
【0056】
そして、制御部31は、物理ページのページ描画処理を行うたびに、初期化によって設定した最初の識別子を基に、該物理ページ毎の識別子を生成していく。このとき、制御部31は、識別子管理サーバ40と同様な演算によって識別子を生成していく。すなわち、制御部31は、印刷部数及び丁合・スタック出力等の出力形式の情報に基づいて、出力形式にかかわらず論理ページを一意に特定可能なIDを物理ページ毎に生成していく。
【0057】
その一方で、制御部31は、印刷しようとする用紙の用紙サイズに合わせて座標情報画像を生成する。ここで、座標情報画像は、座標情報によって構成される画像であり、例えば、座標情報画像生成プログラムによって生成される。さらに、制御部31は、座標情報画像生成プログラムに対して先に得た識別子情報をパラメータとして渡す等して、識別子情報を含んだ座標情報画像(識別子情報を合成した座標情報画像)を生成する。そして、制御部31は、メモリ32上にこのような座標情報画像を物理ページそれぞれについて作成していく。
【0058】
そして、制御部31は、印刷データに基づくイメージ画像と座標情報画像とを合成した画像を用紙上に形成させる処理を行う。
ここで、イメージ出力部36は、画像合成機能によって、複数のメモリに格納されている画像をor又はxor合成して画像形成部23に出力可能に構成されている。このようなことから、制御部31は、メモリ上に展開されている、イメージ画像と、該イメージ画像を形成する物理ページ用に生成した座標情報画像(識別子情報を含む座標情報画像)とを指定して、イメージ出力部36に対して画像合成出力の指示を行う。これにより、イメージ出力部36は、合成した画像を構成する信号を画像形成部23に出力する。
【0059】
画像形成部23は、イメージ出力部36からの信号が入力されると、その信号に基づいて用紙上に画像形成をする。このようにして画像形成部23によって用紙に形成された画像は、座標情報及び識別子情報がコード化されたコード画像がイメージ画像に合成された画像となる。
また、画像形成装置20は、識別子情報を画像に合成するとともに、印刷要求のステータスに対応づけて最終識別子情報を取得している。ここで、印刷要求のステータスは、いわば、印刷要求の実行終了の理由の情報である。また、最終識別子情報とは、画像形成装置20が印刷要求の実行によって印刷が完了している画像に合成された識別子(数値)のうち、最大値の識別子の情報である。印刷要求のステータスに対応づけて最終識別子情報を取得する処理にいては後で詳述する。
【0060】
スキャナ付きペン70は、ペンの機能によって用紙に書き込みつつ、スキャナの機能によりその用紙上の記述内容を読み取ることができるように構成されている。
図4は、スキャナ付きペン70の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、スキャナ付きペン70は、制御部71、読取部72、筆圧センサ73、送信ボタン74、及び通信部75を有している。
【0061】
このスキャナ付きペン70は、制御部71によって制御されて、筆圧センサ73が筆圧を検出(例えば予め設定された値以上の筆圧を検出)すると、読取部72が用紙上の読み取り範囲内に有る記述内容を読み取る。そして、スキャナ付きペン70は、送信ボタン74が押下されると読み取った情報を通信部75によって処理サーバ60に送信する。
例えば、このような構成のスキャナ付きペン70は、座標情報及び識別子情報のコード画像が印刷された用紙100に書き込みをした際、次のような処理を行う。
【0062】
スキャナ付きペン70では、読取部72が印刷面のコード画像を読み取ると、制御部71(その認識機能により)がそのコード画像から座標情報及び識別子情報を読み取る。そして、スキャナ付きペン70では、送信ボタン74が押下されると、通信部75によって、予め設定されている特定の処理サーバ60にそれらの情報を送信する。さらに、制御部71は、スキャナ付きペン70により用紙に書き込みを行っている場合には、その書き込みのストローク情報も収集しており、そのストローク情報も処理サーバ60に送信する。
【0063】
処理サーバ60は、スキャナ付きペン70から送信されてきた情報を基に処理を行う。処理サーバ60は、例えば、図1に示すように、処理部61及び記憶部62を有している。 この処理サーバ60は、先ず、スキャナ付きペン70から情報が送信されてくると、その情報内から識別子情報を取り出す。そして、処理サーバ60は、取り出した識別子情報を用いて、識別子管理サーバ40に対して識別子取得要求を送信する。ここで、識別子取得要求は、論理ページ番号を取得するための要求である。この識別子取得要求は、識別子情報を含んでいる。
【0064】
それから、処理サーバ60は、その識別子取得要求に対応して識別子管理サーバ40から文章ID及び論理ページ番号等の情報を受信すると、受信した文章ID及び論理ページ番号等の情報を用いて、文書サーバ50に対して、文書情報取得要求を送信する。ここで、文書情報取得要求は、その文章ID及び論理ページ番号に対応する印刷データ(該論理ページ番号に対応する文書情報等)を取得するための要求である。この文書情報取得要求は、文章ID及び論理ページ番号を含んでいる。
【0065】
そして、処理サーバ60は、文書情報取得要求に対応して文書サーバ50から文章データ(場合によっては領域情報を含む)が送信されてくると、文章データ並びに先にスキャナ付きペン70から送信されてきている座標情報及びストローク情報を基に、予め設定されている処理を行う。例えば、印刷データがアンケート用紙のものであれば、処理サーバ60は、アンケートの集計処理を行う。
【0066】
次に、画像形成装置20の処理内容をさらに詳しく説明する。
図5は、画像形成装置20の処理手順の一例を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図5に示す処理を処理部30の制御部31によって行う。
図5に示すように、先ずステップS1では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「印字中」を設定する。
【0067】
ここで、画像形成装置は、一般的には、印刷要求ステータスをHDD等の不揮発性メモリからなる記憶部に印刷要求情報として記憶するように構成されている。本実施形態の画像形成装置20でも、同様に、印刷要求ステータスを印刷要求情報として記憶部(例えばHDD33)に記憶する。
次に、ステップS2では、制御部31は、座標情報埋め込み指示が有る(印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれている)か否かを判定する。制御部31は、座標情報埋め込み指示が有ると判定すると、ステップS4に進む。また、画像形成装置20は、座標情報埋め込み指示が無いと判定すると、ステップS3に進む。
【0068】
ステップS3では、制御部31は、通常の画像形成による出力処理を行う。
ステップS4では、制御部31は、各種情報を取得する。具体的には、制御部31は、ステップS4より後の処理で必要となる情報、すなわち、印刷用ファイルに含まれている初期識別子情報や、印刷部数、丁合・スタックの出力等の出力形式指示の内容を取得する。
【0069】
次に、ステップS5では、制御部31は、IDに初期識別子を設定する。また、制御部31は、最終識別子に0を設定する。
次に、ステップS6では、制御部31は、送信先アドレスを取得する。具体的には、制御部31は、予め設定されていた識別子管理サーバ40のIPアドレスを取得する。
また、このように固定的に登録するようにしても良いが、制御部31は、印刷要求情報としてIPアドレスを取得し、印刷要求の出力時にその情報を取得するようにしても良い。
【0070】
次に、ステップS7では、制御部31は、値cnに印刷部数を設定する。
次に、ステップS8では、制御部31は、論理ページ番号を示す値p及び出力部数目を示す値cそれぞれを1に設定する(初期化する)。
次に、ステップS9では、制御部31は、印刷要求のキャンセル指示があったか否かを判定する。制御部31は、印刷要求のキャンセル指示があったと判定すると、ステップS10に進む。また、制御部31は、印刷要求のキャンセル指示がないと判定すると、ステップS11に進む。
【0071】
ステップS10では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「強制終了」を設定する。そして、制御部31は、ステップS18に進む。
ステップS11では、制御部31は、物理ページ単位の出力処理(画像形成処理)を実行する。物理ページ単位の出力処理(画像形成処理)については、後で詳述する。
次に、ステップS12では、制御部31は、丁合いの出力指示か否かを判定する。制御部31は、丁合いの出力指示と判定すると、ステップS13に進む。また、制御部31は、そうでないと判定すると(スタックの出力指示の場合)、ステップS19に進む。
【0072】
ステップS13では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。
次に、ステップS14では、制御部31は、値p(ページpの論理ページ)が存在するか否かを判定する。制御部31は、値pが存在すると判定すると、前記ステップS9から再び処理を開始する。これにより、値cの出力部数目について、次の論理ページの印刷が行われる。また、制御部31は、値pが存在しないと判定すると、ステップS15に進む。
【0073】
ステップS15では、制御部31は、値cに1を加算する(値cをインクリメントする)。さらに、制御部31は、値pを1に設定する(値pを初期化する)。
次に、ステップS16では、制御部31は、前記ステップS15で設定した値cが前記ステップS7で設定した値cnよりも大きいか否かを判定する。制御部31は、値cが値cnよりも大きいと判定すると(c>cn)、ステップS17に進む。また、制御部31は、値cが値cn以下であると判定すると(c≦cn)、前記ステップS9から再び処理を開始する。すなわち、制御部31は、次の出力部数目の論理ページの第1ページ目から印刷を開始する。
【0074】
ステップS17では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「正常終了」を設定する。そして、制御部31は、ステップS18に進む。
ステップS18では、制御部31は、最終識別子及び印刷要求ステータスを前記ステップS6で設定した送信先アドレスの識別子管理サーバ40に送信する。そして、制御部31は、該図5に示す印刷処理を終了する。
【0075】
このステップS18の処理で扱う印刷要求ステータスは、前記ステップS10又はステップS17で設定された印刷要求ステータスである。また、最終識別子は、前記ステップS5で先ず0が設定され、その後、後述するステップS49で再設定される情報である。しかし、1ページも印刷されずに印刷要求が使用者によってキャンセルされた場合には、最終識別子は0になる。
【0076】
一方、ステップS19では、制御部31は、値cに1を加算する(値cをインクリメントする)。
次に、ステップS20では、制御部31は、値cが前記ステップS7で設定した値cnよりも大きいか否かを判定する。制御部31は、値cが値cnよりも大きいと判定すると(c>cn)、ステップS21に進む。また、制御部31は、値cが値cn以下であると判定すると(c≦cn)、前記ステップS9に進む。
【0077】
ステップS21では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。さらに、制御部31は、値cを1に設定する(値cを初期化する)。
次に、ステップS22では、制御部31は、値pが存在するか否かを判定する。制御部31は、値pが存在すると判定すると、前記ステップS9から再び処理を開始する。これにより、値pに論理ページについて、次の出力部数目の印刷が行われる。また、制御部31は、値pが存在しないと判定すると、該図5に示す印刷処理を終了する。
【0078】
次に、図5のステップS11の物理ページ単位の出力処理を詳しく説明する。
図6は、物理ページ単位の出力処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、先ずステップS41では、制御部31は、出力指示が両面印刷か否かを判定する。制御部31は、出力指示が両面印刷であると判定すると、ステップS42に進む。また、制御部31は、出力指示が片面印刷であると判定すると、ステップS43に進む。
【0079】
ステップS42では、制御部31は、値p+1(裏面)が存在するか否かを判定する。制御部31は、値p+1(裏面)が存在すると判定すると、ステップS44に進む。制御部31は、値p+1(裏面)が存在しないと判定すると、すなわち、両面印刷の出力指示のあった論理ページの最終ページが用紙の表面になる場合、ステップS43に進む。
ステップS43では、制御部31は、値p(ページp)について、ページ描画処理を行う。そして、制御部31は、ステップS47に進む。
【0080】
このページ描画処理は、物理ページ単位の出力処理において物理ページ(1ページ)に画像を描画するための処理である。このページ描画処理については後で詳述する。
ステップS44では、制御部31は、値p(ページp)について、ページ描画処理を行う。このページ描画処理については後で詳述する。
次に、ステップS45では、制御部31は、値pに1を加算する(値pをインクリメントする)。
【0081】
次に、ステップS46では、制御部31は、更新された値p(ページp)について、ページ描画処理を行う。このページ描画処理については後で詳述する。そして、制御部31は、ステップS47に進む。
ステップS47では、制御部31は、ページ描画処理によって画像形成された用紙の出力が終了したか否かを判定する。制御部31は、用紙の出力が終了したと判定すると、ステップS48に進む。
【0082】
ステップS48では、制御部31は、最終識別子がIDよりも小さいか否かを判定する。制御部31は、最終識別子がIDよりも小さいと判定すると(最終識別子<ID)、ステップS49に進む。また、制御部31は、最終識別子がID以上であると判定すると(最終識別子≧ID)、該図6に示すページ出力処理を終了する。
ここで、IDは、前記図5のステップS5で先ず初期識別子が設定され、その後、後述するステップS67で増加させられる情報である。
【0083】
ステップS49では、制御部31は、最終識別子にIDを設定する。これにより、制御部31は、最終識別子を、より大きい値に更新する。そして、制御部31は、該図6に示すページ出力処理を終了する。
ここで、ステップS49の処理による最終識別子の設定が、前記ステップS44及び前記ステップS46又は前記ステップS43によってページ描画処理(詳しくは後述の図7の処理)の終了後であることから、最終識別子に設定されるIDにかかる印刷は、正常に終了していることになる。
【0084】
また、本実施形態では、物理ページに対するIDの対応のさせ方によっては、既に印刷を終了した画像に合成したIDよりも小さい値のIDを、その後に印刷する画像に合成する場合もある。その一方で、本実施形態では、正常終了した印刷にかかるIDのうち最大値となる識別子を取得することを目的としている。これらの理由から、制御部31は、既に最終識別子に設定されているIDの方が大きい場合があることを想定し、ステップS48及びステップS49の処理によって、既に設定した最終識別子よりも今回正常終了した印刷にかかるIDの方が大きければ、そのIDによって最終識別子を設定するようにしている。
【0085】
次に、図6のステップS43、ステップS44、又はステップS46のページ描画処理を詳しく説明する。
図7は、ページ描画処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、先ずステップS61では、制御部31は、値p(ページp)の論理ページをイメージ画像として展開済みか否かを判定する。すなわち、制御部31は、値pの論理ページをメモリ32にイメージ展開し、そのイメージ画像をHDD33に格納済みか否かを判定する。制御部31は、イメージ画像として展開済みと判定すると、ステップS62に進む。また、制御部31は、イメージ画像として展開済みではないと判定すると、ステップS63に進む。
【0086】
ステップS62では、制御部31は、HDD33から値pの論理ページのイメージ画像を読み出しメモリ32上に展開する。そして、制御部31は、ステップS65に進む。
ステップS63では、制御部31は、値pの論理ページのイメージ画像をメモリ32上に展開する。
次に、ステップS64では、制御部31は、前記ステップS63においてメモリ32上に展開した論理ページのイメージ画像をHDD33に格納する。そして、制御部31は、ステップS65に進む。
【0087】
ステップS65では、制御部31は、用紙サイズ及びIDを基に、コード画像(識別子情報である識別子ID及び座標情報をコード化した画像)を生成する。
次に、ステップS66では、制御部31は、前記ステップS65で生成したコード画像と、前記ステップS62又はステップS63にてメモリ32上に展開したイメージ画像とを合成し、その合成画像を基に用紙上に画像を形成する。
【0088】
次に、ステップS67では、制御部31は、IDに1を加算する。そして、制御部31は、該図7に示すページ描画処理を終了する。
次に、識別子管理サーバ40による識別子回収処理をさらに詳しく説明する。
図8は、識別子回収処理の一例を示すフローチャートである。識別子管理サーバ40は、図8に示す処理を処理部41によって行う。
【0089】
図8に示すように、先ずステップS81では、処理部41は、最終識別子を取得する。具体的には、処理部41は、画像形成装置20から送信されてきた最終識別子を取得する。
次に、ステップS83では、処理部41は、ID等を管理している図3に示したようなテーブル等を参照して、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1か否かを判定する。処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1であると判定すると、該図8に示す識別子回収処理を終了する。また、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1でないと判定すると、すなわち、最終識別子に一致するIDの最終フラグが0の場合、ステップS83に進む。
【0090】
ステップS83では、処理部41は、同一の文章IDにおいて最終識別子に一致するIDよりも後のID(最終フラグが1であるIDまで)に属する情報を削除する。
次に、ステップS84では、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグを1に設定する。
また、処理部41は、画像形成装置20から最終識別子とともに送信されてきた印刷要求ステータスも参照して処理を行っても良い。例えば、処理部41は、最終識別子と同一のIDの最終フラグが1であり、かつ印刷要求ステータスが「強制終了」であると判定すると、前記ステップS82からステップS83に進むようにしても良い。
【0091】
次に、画像処理システム1について動作等を説明する。
先ず、図9及び図10を参照して、画像処理システム1における一連の処理例を説明する。
先ず、図9を用いて説明すると、ホストコンピュータ10は、使用者によって印刷実行(出力設定)及び座標情報埋め込みの指示がなされると、通信手段80を通じて文書サーバ50に対して文書データを送信する。
【0092】
文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から文章データを受信すると、受信した文章データ及び文章IDを記憶部52に記憶し、その一方で、その文章IDをホストコンピュータ10に返信する。また、文書サーバ50は、ホストコンピュータ10から領域情報が送信されてきた場合には、その領域情報も対応付けて記憶部52に記憶する。
ホストコンピュータ10は、文書サーバ50から文章IDを受信すると、通信手段80を通じて識別子管理サーバ40に対して識別子確保要求を送信する。
【0093】
識別子管理サーバ40は、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、空いている識別子空間を検索して確保し、確保した識別子群、その初期識別子、及び論理ページ数等の情報を対応付けて保持する。そして、識別子管理サーバ40は、初期識別子情報をホストコンピュータ10に送信する。
ホストコンピュータ10は、識別子管理サーバ40から初期識別子情報を受信すると、印刷データ、出力形式指示、座標情報埋め込み指示、及び初期識別子情報を基に1つの印刷用ファイルを作成する。そして、ホストコンピュータ10は、作成した印刷用ファイルを通信手段80を介して画像形成装置20に送信する。
【0094】
画像形成装置20は、ホストコンピュータ10から印刷用ファイルを受信すると、その印刷用ファイルに座標情報埋め込み指示が含まれているとき、該印刷用ファイルに含まれている初期識別子を基に、物理ページ毎の識別子を取得する。さらに、画像形成装置20は、物理ページ毎の座標情報画像を生成する。これによって、画像形成装置20は、それら識別子情報及び座標情報画像によるコード画像を物理ページ毎に生成する。そして、画像形成装置20は、生成したコード画像と印刷データに基づくイメージ画像とを物理ページ単位で合成して合成画像を生成し、生成した合成画像を用紙に形成していく。
【0095】
ここで、図11は、丁合い出力の場合に各物理ページに対応づけた識別子の例を示す図である。この例は、論理ページ数が5ページの文章データを丁合い出力によって3部出力する例である。
図11に示すように、画像形成装置20は、1部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号1、2、3、4、5の印刷ページに対して、30、31、32、33、34の識別子を対応付ける。また、画像形成装置20は、2部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号6、7、8、9、10の印刷ページに対して、35、36、37、38、39の識別子を対応付ける。さらに、画像形成装置20は、3部目を構成する論理ページ番号が1、2、3、4、5となる各物理ページ番号11、12、13、14、15の印刷ページに対して、40、41、42、43、44の識別子を対応付ける。このように、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40と同様な演算(例えば図3参照)によって算出した識別子を物理ページに対応付ける。
【0096】
そして、図10に示すように、スキャナ付きペン70は、このような用紙への書き込みに際して埋め込まれているコード画像を読み取り、そのコード画像から座標情報及び識別子情報を読み取り、読み取った座標情報及び識別子情報を、ストローク情報とともに処理サーバ60に送信する。
処理サーバ60は、スキャナ付きペン70から情報を受信すると、その情報内の識別子を用いて、識別子管理サーバ40に対して識別子取得要求を送信する。
【0097】
識別子管理サーバ40は、処理サーバ60から識別子取得要求を受信すると、識別子取得要求にかかる識別子に対応する文章ID及び論理ページ番号等を処理サーバ60に返信する。
処理サーバ60は、識別子管理サーバ40から文章ID及び論理ページ番号等を受信すると、その情報を用いて、文書サーバ50に対して文書情報取得要求を送信する。
【0098】
文書サーバ50は、処理サーバ60から文書情報取得要求を受信すると、文書情報取得要求に含まれている文章ID及び論理ページ番号に対応する印刷データ(論理ページ番号に対応する文書情報等)を取得する。そして、文書サーバ50は、取得した印刷データを処理サーバ60に送信する。ここで、文書サーバ50は、領域情報を保持している場合には領域情報もあわせて処理サーバ60に送信する。
【0099】
処理サーバ60は、文書サーバ50から印刷データ(文書情報等)を受信すると、その印刷データとストローク情報とを使用して、例えばアンケートの集計等の処理を行う。
ここで、アンケート集計の処理の一例を説明する。
使用者がホストコンピュータ10において領域情報を入力し、文書サーバ50には、領域情報(特定の座標領域と書き込まれるべき項目等の情報)が登録されているとする。例えば、小さい四角枠形状のチェックボックスの領域情報にあっては、そのチェックボックスの座標領域と、「×」印や「レ」印等のチェックボックスに書き込まれるべき値の形状情報とを含んでいる。
【0100】
この場合、処理サーバ60は、文書サーバ50から印刷データとともに領域情報を受け取ることで、座標情報によって特定した領域に記載された情報が何であるかを認識する。例えば、スキャナ付きペン70から送信されてきた、該スキャナ付きペン70によって実際のアンケート用紙に書き込まれた文字の座標情報及びストローク情報を基に、チェックボックス内に記載された「×」印や「レ」印等を認識する。
【0101】
また、書き込まれるべき項目として、他にも数値情報や日本語、漢字で登録しておけば、処理サーバ60は、ストローク情報をOCR(Optical Character Reader)などで文字認識することで、その数値情報や日本語、漢字を認識できる。
そして、処理サーバ60は、そのように認識した情報を電子データとして集計する。
以上のように処理サーバ60がアンケート集計の処理を行うことで、処理サーバ60の使用者等は、アンケート用紙を収集して、収集したアンケート用紙の記載内容を人手で集計するといったような作業を必要とすることなく、アンケートの集計をとることができ、アンケートの集計の処理効率を上げることができる。
【0102】
ここで、以上のような画像処理システム1では、画像形成装置20は、印刷要求が使用者によってキャンセルされて中断すると、印刷要求情報として記憶されている印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(ステップS10、ステップS18)。このとき、識別子管理サーバ40に送信される最終識別子は、画像形成装置20が印刷要求において正常終了した印刷にかかる識別子のうち、最大値となる識別子である(ステップS48、ステップS49)。
【0103】
そして、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20から印刷要求ステータス及び最終識別子を受信すると、ID等を管理している図3に示したようなテーブル等を参照して、最終識別子に一致するIDの最終フラグが0の場合、識別子回収処理を行う。具体的には、識別子管理サーバ40は、識別子回収処理として、同一の文章IDにおいて最終識別子に一致するIDよりも後のIDに属する情報を削するとともに、最終識別子に一致するIDの最終フラグを1に設定する(ステップS81乃至ステップS84)。これによって、識別子管理サーバ40は、一旦は確保された識別子空間から使用されていない識別子を回収する。
【0104】
ここで、図12は、画像形成装置20から識別子管理サーバ40に送信される印刷要求ステータス及び最終識別子の一例を示す図である。
図3に示すようにID=44の最終フラグが1の場合において、図12(a)に示すように、最終識別子として44が送信されてきたとき、識別子管理サーバ40は、何ら対応する処理を行わない。
【0105】
しかし、図3に示すようにID=44の最終フラグが1の場合において、図12(b)に示すように、最終識別子として34が送信されてきたときには、識別子管理サーバ40は、ID=34の最終フラグが0であるため、識別子回収処理を行う。具体的には、識別子管理サーバ40は、識別子回収処理として、図13に示すように、同一の文章ID=DOC001において最終識別子に一致するID=34よりも後のID=35乃至44(最終フラグが1であるIDまで)に属する情報を削除するとともに、最終識別子に一致するID=34の最終フラグを1に設定する。
【0106】
この結果、識別子管理サーバ40は、その後、ホストコンピュータ10から識別子確保要求を受信すると、最終フラグが1のID=34よりも大きいID=35以降で空いている識別子空間を確保する。ただし、この例では、印刷要求に割り当て可能なのは、ID=35乃至44の10個のIDであるため、識別子管理サーバ40は、識別子確保要求にかかる印刷要求で必要となる総物理ページ数が10ページ以下であれば、ID=35乃至44を空いている識別子空間として確保する。この場合、ID=35が初期識別子になる。
【0107】
図14は、回収された識別子が、再度、空いている識別子空間(印刷要求に割り当て可能な識別子空間)として確保された例を示す図である。
図14に示すように、論理ページ数が2ページの文章を丁合いによって5部印刷する印刷要求であれば、ID=35乃至44が空いている識別子空間として確保される。
このように、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20に提供した識別子群のうちの印刷媒体に画像形成した画像に合成されなかった識別子を特定し、その特定した識別子を別の印刷要求用に提供する。
【0108】
ここで、本実施形態では、制御部31は、例えば、第1取得手段、第2取得手段、第3取得手段、及び送信手段を構成する。また、画像形成部23は、例えば、出力手段を構成する。また、制御部31及びメモリ32は、例えば、合成手段を構成する。
なお、前述の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、物理ページに対して識別子を順序に割り振ることを想定すれば、最終識別子を出力済みの識別子情報として使用することができるが、本実施形態では、出力済みの識別子全てをテーブルに記憶するなどして保持しても良い。また、このような場合には、画像形成装置20は、最終識別子に換えて出力済みの識別子全ての情報を識別子管理サーバ40に送信しても良い。この場合、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20から送信されてきた出力済みの識別子全ての情報を基に、画像形成装置20に提供した識別子群のうちの印刷媒体に画像形成した画像に合成されなかった識別子を特定し、その特定した識別子を別の印刷要求用に提供する。
【0109】
また、出力済みの識別子全ての情報を送信するのとは反対に、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から提供された識別子群の各識別子の情報及び出力済みの識別子の情報を基に、識別子群から出力済みの識別子以外の識別子を検出し、その検出した識別子を印刷要求ステータスとともに識別子管理サーバ40に送信しても良い。これにより、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20から送信されてきた出力済みの識別子以外の識別子を別の印刷要求用に提供する。
【0110】
また、本実施形態では、印刷要求情報として印刷要求ステータスを記憶しているが、その他の情報も印刷要求情報として記憶しても良い。そして、このように他の情報も印刷要求情報として記憶した場合、画像形成装置20は、印刷要求ステータスとともにそのような他の情報も識別子管理サーバ40に必要に応じて送信しても良い。
【0111】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を説明する。なお、前記第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第2の実施形態では、画像形成装置20は、印刷要求ステータスとともに最終識別子情報を記憶部に記憶する。その一方で、識別子管理サーバ40は、画像形成装置20に最終識別子の送信要求をして最終識別子情報を取得する。
先ず、第2の実施形態における画像形成装置20の処理を説明する。
最初に、印刷要求ステータスとともに最終識別子情報を記憶部に記憶する処理を説明する。
【0112】
図15及び図16は、その処理例のフローチャートである。図15は、印字処理を示すフローチャートである。また、図16は、物理ページ単位の出力処理を示すフローチャートである。
図15に示す印字処理では、第2の実施形態における画像形成装置20は、前記第1の実施形態とは異なり、ステップS6及びステップS17が無く、自らのタイミングで最終識別子を識別子管理サーバ40に送信するための処理を行っていない。
【0113】
一般的には、画像形成装置は、印刷要求情報の印刷要求ステータスをHDD33等の不揮発性メモリからなる記憶部に記憶するが、第2の実施形態では、そのような処理の下、最終識別子も印刷要求情報として記憶部に記憶する。
そのため、第2の実施形態では、ステップS5において、印刷要求情報として記憶する最終識別子に先ず0を設定する。
【0114】
さらに、このような処理に対応して、図16に示す物理ページ単位の出力処理では、制御部31は、ステップS48において、印刷要求情報として記憶した最終識別子がIDよりも小さいか否かを判定する。また、制御部31は、ステップS49において、印刷要求情報として記憶した最終識別子にIDを設定する。
次に、記憶部に記憶されている印刷要求情報を電源投入時に必要に応じて修正する画像形成装置20による処理を説明する。
【0115】
図17は、その処理例となる電源ON処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、この処理を制御部31によって行う。
図17に示すように、先ずステップS101では、制御部31は、画像形成処理を行うための初期化処理を行う。
次に、ステップS102では、制御部31は、印刷要求情報修正処理を行う。そして、制御部31は、印刷要求情報修正処理を終了した後、該図17に示す電源ON処理を終了する。
【0116】
図18は、印刷要求情報修正処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、先ずステップS121では、制御部31は、先頭の印刷要求情報を取得する。すなわち、画像形成装置20は、前回の電源ON期間内に記憶部に記憶された印刷要求情報のうちの先頭の(最初に実行された印刷要求の)印刷要求情報を取得する。
【0117】
次に、ステップS122では、制御部31は、印刷要求情報が無いか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報が無いと判定すると、修正対象の印刷要求情報が無いため、該図18に示す印刷要求情報修正処理を終了する。また、制御部31は、印刷要求情報が有ると判定すると、ステップS123に進む。
例えば、制御部31は、前記ステップS121からステップS122に進んだ場合において、先頭の印刷要求情報が無いと判定すると、該図18に示す印刷要求情報修正処理を終了する。
【0118】
また、制御部31は、後述の前記ステップS125からステップS122に進んだ場合において、次の印刷要求情報が無いと判定すると、該図18に示す印刷要求情報修正処理を終了する。
ステップS123では、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「印刷中」であるか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「印刷中」であると判定すると、ステップS124に進む。また、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「印刷中」でないと判定すると、ステップS125に進む。
【0119】
ステップS124では、制御部31は、前記ステップS123で判定対象とした印刷要求ステータスを「電源断による中断」に設定する。そして、制御部31は、ステップS125に進む。
ステップS125では、制御部31は、記憶部から次の印刷要求情報を取得する。そして、制御部31は、前記ステップS122から再び処理を行う。
【0120】
次に、画像形成装置20が識別子管理サーバ40から最終識別子情報の送信要求を受信した場合の処理を説明する。
図19は、その処理例となる最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図19に示す処理を制御部31によって行う。
図19に示すように、先ずステップS141では、制御部31は、識別子管理サーバ40から送信されてきた最終識別子情報要求のデータから送信先サーバ情報を取得する。例えば、制御部31は、送信先サーバ情報として識別子管理サーバ40のIPアドレスを取得する。
【0121】
次に、ステップS142では、制御部31は、先頭の印刷要求情報を取得する。例えば、制御部31は、前回の最終識別子情報要求に対応した処理後に記憶部に記憶された印刷要求情報から先頭の印刷要求情報を取得する。すなわち、制御部31は、識別子管理サーバ40に未だ送信していない印刷要求情報のうちの先頭の印刷要求情報を取得する。
次に、ステップS143では、制御部31は、印刷要求情報が無いか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報が無いと判定すると、該図19に示す最終識別子要求受付処理を終了する。また、制御部31は、印刷要求情報が有ると判定すると、ステップS144に進む。
【0122】
ステップS144では、制御部31は、前記ステップS143で有るとした印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」か否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであると判定すると、ステップS145に進む。また、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、及び「電源断による中断」の何れでもないと判定すると、ステップS146に進む。
【0123】
ステップS145では、制御部31は、前記ステップS144で判定対象とした印刷要求情報の最終識別子情報及び印刷要求ステータスを、前記ステップS141で取得した送信先サーバ情報に基づき特定した識別子管理サーバ40に送信する。そして、制御部31は、ステップS146に進む。
ステップS146では、制御部31は、次の印刷要求情報を取得する。そして、制御部31は、前記ステップS143から再び処理を行う。
【0124】
次に、識別子管理サーバ40が画像形成装置20に対して行う最終識別子の送信要求処理を説明する。
図20は、その処理例となる識別子回収処理を示すフローチャートである。識別子管理サーバ40は、図20に示す処理を処理部41によって行う。
図20に示すように、先ずステップS161では、処理部141は、予め設定した要求タイミングになったか否かを判定する。処理部141は、予め設定した要求タイミングになったと判定すると、ステップS162に進む。また、処理部141は、予め設定した要求タイミングになっていないと判定すると、該図20に示す識別子回収処理を終了する。例えば、予め設定した要求タイミングとは、1日1回のタイミングであり、設定された時刻である。
【0125】
ステップS162では、処理部41は、最終識別子情報要求を画像形成装置20に送信する。例えば、処理部41は、識別子確保要求に対応して初期識別子等の情報を送信した画像処理装置20をテーブル等において管理しており、その管理している画像処理装置20に最終識別子要求を送信する。
次に、ステップS163では、処理部41は、最終識別子情報要求を送信した画像形成装置20からの最終識別子情報の受信を完了したか否かを判定する。処理部41は、最終識別子情報の受信を完了したと判定すると、ステップS164に進む。
【0126】
ここで、画像処理装置20から複数の印刷要求に対応して複数の最終識別子情報が送信されてきた場合には、処理部41は、それら全ての最終識別子情報を受信したときに受信を完了したと判定する。
また、画像形成装置20がそもそも最終識別子を送信しない場合もあるので、処理部41は、タイムアップにより、該図20に示す識別子回収処理を終了するようにしても良い。
【0127】
ステップS164では、処理部41は、最終識別子のIDの最終フラグが1か否かを判定する。処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1であると判定すると、ステップS167に進む。また、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグが1でないと判定すると、すなわち、最終識別子に一致するIDの最終フラグが0の場合、ステップS165に進む。
【0128】
ステップS165では、処理部41は、同一文章IDにおいて最終識別子に一致するIDよりも後のIDに属する情報を削除する。
次に、ステップS166では、処理部41は、最終識別子に一致するIDの最終フラグを1に設定する。そして、処理部41は、ステップS167に進む。
ステップS167では、処理部41は、受信した最終識別子情報が他に無いか否かを判定する。処理部41は、受信した最終識別子情報が他に無いと判定すると、該図20に示す識別子回収処理を終了する。また、処理部41は、受信した最終識別子情報が他に有ると判定すると、前記ステップS164から再び処理を開始する。これにより、処理部41は、次の最終識別子情報について前記ステップS164以降の処理を行う。
【0129】
また、第2の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第1の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
次に、第2の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第2の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、印刷要求ステータスが「印刷中」である印刷要求情報が存在する場合、その印刷要求ステータスを「電源断による中断」に設定する(図17、図18)。この設定は、印刷要求の実行中に電源が切られた場合には印刷要求情報の印刷要求ステータスを「電源断による中断」に設定していることに対応して行っている。また、その印刷要求情報には、0の最大識別子、又は1枚でも印刷が完了していた場合には1以上の値の最大識別子の何れかが記憶されている。
【0130】
そして、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信すると、「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかである印刷要求ステータスとそれに対応付けされている(同じ印刷要求情報に記憶されている)最大識別子とを識別子管理サーバ40に送信する(図19)。
【0131】
一方、識別子管理サーバ40は、最終識別子情報要求に対応して画像形成装置20から印刷要求ステータス及び最終識別子を受信すると、ID等を管理している図3に示したようなテーブル等を参照して、最終識別子と同一のIDの最終フラグが0の場合、同一の文章IDにおいて最終識別子と同一のIDよりも後のID(最終フラグが1であるIDまで)に属する情報を削除する(ステップS161乃至ステップS165)。さらに、識別子管理サーバ40は、最終識別子と同一のIDの最終フラグを1に設定する(ステップS166)。これによって、識別子管理サーバ40は、一旦は確保された識別子空間から使用されていない識別子を回収する。
【0132】
図21は、以上のような処理によって画像形成装置20と識別子管理サーバ40との間で行われるシーケンスを示す図である。
図21に示すように、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信すると、印刷要求ステータス及び最終識別子をその識別子管理サーバ40に返信する。このとき、画像形成装置20は、複数の印刷要求情報が記憶されている場合には、図21に示すように、それら複数の印刷要求情報にかかる印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に返信する。
これに対して、識別子管理サーバ40は、各最終識別子について識別子回収処理を行う(図20)。
【0133】
(第3実施形態)
次に第3の実施形態を説明する。なお、前記第2実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第3実施形態では、画像形成装置20は、印刷要求に割り当てられた識別子のうち未出力の識別子がある場合にのみ、最終識別子情報を識別子管理サーバ40に送信する。
先ず、第3の実施形態において画像形成装置20が行う、印刷要求ステータスとともに最終識別子情報及び割当最終識別子を記憶部に記憶する処理を説明する。
【0134】
図22は、その処理例となる印字処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図22に示す処理を制御部31によって行う。
図22に示すように、ステップ4に続くステップS181において、制御部31は、印刷要求に割り当てられた最終識別子(最大値の識別子)を算出する。すなわち、制御部31は、識別子管理サーバ40が確保した識別子空間における最大値の識別子を算出する。そして、制御部31は、算出した最終識別子をIDmaxに設定する。
例えば、制御部31は、下記(1)式によって最終識別子を算出する。
【0135】
最終識別子=初期識別子−1+論理ページ数×印刷部数 ・・・(1)
よって、論理ページ数が3ページ、印刷部数が4部、及び初期識別子が12の場合、制御部31は、次式によって最終識別子を算出する。
最終識別子=12−1+3×4=23
次に、ステップS182では、制御部31は、IDに初期識別子を設定する。また、制御部31は、最終識別子に0を設定する。また、制御部31は、割当最終識別子に前記ステップS181で設定したIDmaxを設定する。そして、制御部31は、ステップS7に進み、以降、第2の実施形態と同様な処理を行う。
【0136】
さらに、画像形成装置20が識別子管理サーバ40から最終識別子の送信要求を受信した場合の処理を説明する。
図23は、その処理例となる最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図23に示す処理を制御部31によって行う。
図23に示すように、制御部31は、ステップ144の判定処理でYesの場合にステップS201に進み、そのステップS201において、印刷要求情報から割当最終識別子と最終識別子とを取得する。
【0137】
次に、ステップS202では、制御部31は、前記ステップS201で取得した割当最終識別子と最終識別子とが一致するか否かを判定する。制御部31は、割当最終識別子と最終識別子とが一致すると判定すると(割当最終識別子=最終識別子)、ステップS146に進む。また、制御部31は、割当最終識別子と最終識別子とが一致しないと判定すると(割当最終識別子≠最終識別子)、ステップS145に進む。
【0138】
また、第3の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第2の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
次に、第3の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第3の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、印刷要求毎にその印刷要求情報に割当最終識別子及び最終識別子(最終識別子の取得については図16参照)を記憶する。そして、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信すると、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ割当最終識別子と最終識別子とが一致しない場合のみ、その印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(図23)。
【0139】
ここで、印刷要求にかかる割当最終識別子と最終識別子とが一致しないということは、
該印刷要求に割り当てられた識別子のうち、少なくとも、最終識別子よりも大きくかつ割当最終識別子までの範囲の識別子は、未出力の状態にあると言える。
よって、画像形成装置20は、印刷要求に割り当てられた識別子のうち未出力の識別子がある場合にのみ、最終識別子情報を識別子管理サーバ40に送信していることになる。
【0140】
なお、前述の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、物理ページの出力順に対して識別子を昇順に割り振っていくことを想定すれば、前述のような処理でも良いが、それ以外も想定して、画像形成装置20は、識別子が出力済みか否かの情報をテーブルに記憶するなどして保持しても良い。これにより、画像形成装置20は、テーブルに記憶されている識別子を検索して、未出力の識別子がある場合に、最終識別子情報を識別子管理サーバ40に送信する。
【0141】
(第4実施形態)
次に第4の実施形態を説明する。なお、前記第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第4実施形態では、ボックス印刷に対応した処理を行う。
ここで、ボックス印刷を行う前提として、画像形成装置20は、印刷要求の際に再印刷用のボックスへの蓄積指示があったとき、印刷要求にかかる文章データをHDDの再印刷用のボックスに記憶している。これにより、画像形成装置20は、その記憶した文章データについて印刷要求があったときに、ボックス印刷としてその文章データを再度印刷する。
【0142】
先ず、第4の実施形態における画像形成装置20の処理を説明する。
最初に、画像形成装置20がボックスに記憶された文章データに基づいてボックス印刷の処理を説明する。
図24は、その処理例となるボックス文書印字処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、この処理を制御部31によって行う。
【0143】
図24に示すように、ボックス文書印字処理は、図15に示す印字処理とほぼ同様な処理内容になっている。
しかし、第4の実施形態では、ボックス文書印字処理を開始すると、先ずステップS221において、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスに「印字中」を設定することに加えて、使用文書ID、すなわちこのボックス文書印字処理の印刷要求にかかる文章IDを印刷要求情報に記憶する。そして、制御部31は、ステップS2に進む。
【0144】
また、第4の実施形態では、制御部31は、ステップS18で印刷要求情報の印刷要求ステータスに「正常終了」を設定した後、ステップS222に進む。制御部31は、そのステップS222において、ボックスに記憶されている文書を削除する指示が使用者によってなされたか否かを判定する。制御部31は、ボックスに記憶されている文書を削除する指示が使用者によってなされたと判定すると、ステップS223に進む。また、制御部31は、ボックスに記憶されている文書を削除する指示が使用者によってなされていないと判定すると、該図24に示すボックス文書印字処理を終了する。
【0145】
ステップS223では、制御部31は、文書削除処理を行う。
図25は、文書削除処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示すように、先ずステップS241では、制御部31は、ボックスに記憶されている文章データを削除する。
次に、ステップS242では、制御部31は、最終識別子に0を設定する。さらに、制御部31は、対象印刷要求識別子にNullを設定する。ここで、対象印刷要求識別子は、同一の文章を印刷した印刷要求のうちの特定の印刷要求を識別するための識別子である。
【0146】
次に、ステップS243では、制御部31は、同一の文章を出力した最初の印刷要求情報を取得する。具体的には、制御部31は、記憶されている文章IDが同一の印刷要求情報のうちの最初の印刷要求にかかる印刷要求情報を取得する。
次に、ステップS244では、制御部31は、印刷要求情報が無いか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報が無いと判定すると、ステップS249に進む。また、制御部31は、印刷要求情報が有ると判定すると、ステップS245に進む。
【0147】
ステップS245では、制御部31は、前記ステップS244で有るとした印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」か否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであると判定すると、ステップS246に進む。また、制御部31は、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、及び「電源断による中断」の何れでもないと判定すると、ステップS248に進む。
【0148】
ステップS246では、制御部31は、最終識別子(前記ステップS242又は後述のステップS247で設定された最終識別子、以下、設定最終識別子という。)が前記ステップS245で判定対象とした印刷要求情報の最終識別子よりも小さいか否かを判定する。制御部31は、設定最終識別子が印刷要求情報の最終識別子よりも小さいと判定すると(設定最終識別子<印刷要求情報の最終識別子)、ステップS247に進む。また、制御部31は、設定最終識別子の最終識別子が最終識別子以上であると判定すると(設定最終識別子≧印刷要求情報の最終識別子)、ステップS248に進む。
【0149】
ステップS247では、制御部31は、対象印刷要求識別子に前記ステップS245で判定対象とした印刷要求情報の印刷要求識別子を設定する。ここで、印刷要求情報の印刷要求識別子は、印刷要求を識別するための情報である。これにより、同一文章をボックス印刷した印刷要求であっても(同一の文章IDが印刷要求に記憶されている印刷要求であっても)、印刷要求情報の印刷要求識別子によって特定の印刷要求を識別できる。
【0150】
さらに、制御部31は、設定最終識別子に、前記ステップS245で判定対象とした印刷要求情報の最終識別子を設定する。そして、制御部31は、ステップS248に進む。
ステップS248では、制御部31は、同一の文章を出力した次の印刷要求情報を取得する。具体的には、制御部31は、記憶されている文章IDが同一の印刷要求情報のうちの次の印刷要求情報を取得する。そして、制御部31は、前記ステップS244から再び処理を行う。
【0151】
また、ステップS249では、制御部31は、対象印刷要求識別子がNullか否かを判定する。すなわち、制御部31は、前記ステップS247の処理によって対象印刷要求識別子に印刷要求識別子が設定される処理が実施されたか否かを判定する。制御部31は、対象印刷要求識別子がNullであると判定すると、該図25に示す文書削除処理を終了する。また、制御部31は、対象印刷要求識別子がNullでないと判定すると、ステップS250に進む。
【0152】
ステップS250では、制御部31は、前記ステップS249で対象印刷要求識別子がNullでないと判定した印刷要求情報の送信対象情報にTUREを設定する。そして、制御部31は、該図25に示す文書削除処理を終了する。
次に、画像形成装置20が識別子管理サーバ40から最終識別子情報の送信要求を受信した場合の処理を説明する。
【0153】
図26は、その処理例となる最終識別子情報要求受付処理を示すフローチャートである。画像形成装置20は、図26に示す処理を制御部31によって行う。
図26に示すように、ステップS144の判定でYesの場合に進むステップS261では、制御部31は、ステップS144で判定対象とした印刷要求情報に文章IDが記憶されていないか否か、又は該印刷要求情報(文章IDが記憶されている印刷要求情報)の送信対象情報がTUREか否かを判定する。制御部31は、印刷要求情報に文章IDが記憶されていない、又は印刷要求情報の送信対象情報がTUREであると判定すると、ステップS145に進む。また、制御部31は、印刷要求情報に文章IDが記憶されており、かつ印刷要求情報の送信対象情報がTUREでないと判定すると、ステップS146に進む。
【0154】
ステップS145では、制御部31は、前記ステップS126で文章IDが記憶されていない、又は送信対象情報がTUREであると判定した印刷要求情報の最終識別子情報と印刷要求ステータスとを送信する。そして、制御部31は、ステップS146に進む。
また、第4の実施形態の画像処理システム1のその他の構成は、前記第2の実施形態の画像処理システム1の構成と同様である。
【0155】
次に、第4の実施形態の画像処理システム1について動作等を説明する。
第4の実施形態の画像処理システム1では、画像形成装置20は、ボックス印刷を行う場合、ボックス印刷にかかる印刷要求の印刷要求情報に文章IDを記憶する(ステップS221)。そして、画像形成装置20は、印刷要求の実行を正常終了し、そのときに文書の削除指示があった場合、文章削除処理を実行する(ステップS222、ステップS223)。
【0156】
文章削除処理では、図25に示すように、画像形成装置20は、ボックスに記憶されている文章データを削除する(ステップS241)。また、画像形成装置20は、同一の文章IDが記憶されている印刷要求情報のうち、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ最終識別子が最大値の印刷要求情報を選定する(ステップS245、ステップS246)。さらに、画像形成装置20は、対象印刷要求識別子に、選定した印刷要求情報の印刷要求識別子を設定する(ステップS247)。そして、画像形成装置20は、対象印刷要求識別子の印刷要求情報の送信対象情報にTRUEを設定する(ステップS250)。
【0157】
これによって、識別子管理サーバ40から最終識別子情報要求を受信した場合、画像形成装置20は、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ印刷要求情報の送信対象情報がTUREである印刷要求情報の印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(図26)。また、画像形成装置20は、印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつ印刷要求情報に文章IDが記憶されていない場合にも、その印刷要求情報の印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信する(図26)。
【0158】
以上のような処理によって、画像処理システム1では、例えば、次のようなことを可能にしている。
画像形成装置20は、印刷要求の際に再印刷用のボックスへの蓄積指示があったとき、印刷要求にかかる文章データを再印刷用のボックスに記憶する。このとき、画像形成装置20は、文書の印字指示情報も文章データとともにボックスに記憶する。このように再印刷用のボックスに記憶されたことで、文章データ及び印字指示情報は、例えば、電源OFF後も画像形成装置20で保持されることになる。
【0159】
その後、そのようにしてボックスに保存されている文章データについて使用者が印刷要求をした場合、画像形成装置20は、文章データ及び印字指示情報に基づいて画像形成を行う。このとき、画像形成装置20は、先の印刷要求に用いたものと同一の識別子を用いて画像形成を行う。つまり、画像形成装置20は、印字指示が変化しないので、識別子に関しても同じ情報を用いて画像形成を行う。そして、画像形成装置20は、このようなボックス印刷を、印刷要求の都度、ボックス内の文書が削除されない限り行うことになる。例えば、このようなボックス印刷は、メモを保存するなどの用途として使うことができる。
【0160】
ここで、画像形成装置20は、ボックス印刷にかかる印刷要求では、前述のように、同じ識別子を用いて印刷を行う。しかし、最初の印刷要求、又は最初の印刷要求の文章データを用いたその後のボックス印刷にかかる印刷要求において、画像形成装置20は、識別子管理サーバ40が確保した識別子空間の全ての識別子を使い切っているとは限らない。例えば、最初の印刷要求又はその後のボックス印刷にかかる印刷要求が使用者によって中断されている場合である。
【0161】
このような場合に、例えば、単に印刷要求が終了(中断、正常終了等)したからといって識別子管理サーバ40側で識別子の回収処理を行い、先に確保した識別子空間の一部の識別子を再度利用可能にし、その後、画像形成装置20側でボックス印刷にかかる印刷要求で新たに識別子を使用してしまうと、識別子管理サーバ40が再度利用可能にした識別子と画像形成装置20が新たに使用した識別子との間で重複が生じてしまうことになる。
【0162】
これに対して、本実施形態の画像形成装置20は、使用者の指示によってボックスに記憶されている文章データを削除した場合において、印刷要求情報の印刷要求ステータスが「中断」、「正常終了」、又は「電源断による中断」の何れかであり、かつその印刷要求情報の送信対象情報がTUREであるときに、その印刷要求情報の印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信している。つまり、本実施形態の画像形成装置20は、ボックス印刷が今後実行されない状況になって初めて、すなわち、ボックス印刷によって識別子が新たに使用されるようなことがない状況になって初めて、印刷要求ステータス及び最終識別子を識別子管理サーバ40に送信している。
【0163】
これにより、本実施形態では、ボックス印刷で新たに使用する識別子を、識別子管理サーバ40が他の印刷要求のための識別子空間の識別子として確保しないようにしている。この結果として、本実施形態では、画像形成装置20がボックス印刷が可能な装置であっても、識別子管理サーバ40は、その画像形成装置20に提供した識別子群のうちの画像形成装置20が印刷媒体に画像形成した画像に合成しなかった識別子を、別の印刷要求用に提供できるようになる。
【符号の説明】
【0164】
1 画像処理システム、10 ホストコンピュータ、20 画像形成装置、23 画像形成部、30 処理部、31 制御部、32 メモリ、40 識別子管理サーバ、50 文書サーバ、60 処理サーバ、70 スキャナ付きペン、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、
前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記第3取得手段は、前記印刷要求終了情報として少なくとも印刷要求の実行の正常終了又は中断の情報を取得しており、
前記送信手段は、前記印刷要求の実行が正常終了又は中断した場合に、前記送信を行う請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて第1記憶部に記憶する第1記憶手段と、前記外部装置から情報送信要求を受け付ける受付手段とをさらに有し、
前記送信手段は、前記受付手段が外部装置からの情報送信要求を受け付けた場合に、前記第1記憶部に記憶されている前記識別子の情報と前記印刷要求終了情報とを対応付けたまま前記外部装置に送信する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記外部装置から取得した前記識別子群に前記第2取得手段が取得した識別子以外の識別子の情報が含まれている場合、前記送信を行う請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷要求に係る画像形成用データを再度印刷可能な状態で記憶部に記憶する第2記憶手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記第2記憶部に画像形成用データが記憶されている場合、前記送信を行わない請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外部装置は、数列とされた複数の識別子からなる識別子空間から、値が大きくなる順序で連続した複数の識別子を前記識別子群として取得しており、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データ及び前記第2記憶部に記憶されている画像形成用データを用いて印刷媒体に画像形成した各印刷要求と、該印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した各識別子の情報とを対応付けて第3記憶部に記憶する第3記憶手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記第2記憶部から画像形成用データが消去された場合、前記第3記憶部に記憶されている複数の印刷要求のうち、対応付けられている識別子の値が最大の印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記出力手段による前記印刷媒体の出力形式の情報を取得する第4取得手段をさらに有し、
前記外部装置は、前記画像形成用データの論理ページのページ数及び第4取得手段が取得した出力形式の情報を基に、前記出力形式にかかわらず各論理ページを一意に特定可能な識別子群を取得する請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、
前記外部装置から取得した識別子群の各識別子の情報及び前記第2取得手段が取得した識別子の情報を基に、該識別子群の各識別子の情報のうちの前記第2取得手段が取得した識別子の情報以外の識別子の情報を検出する検出手段と、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、
前記検出手段が検出した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項9】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理し、前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群を前記印刷要求に対応して提供する提供手段と、
前記提供手段が提供する識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、
前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、
を有する画像形成システム。
【請求項10】
前記提供手段は、前記送信手段から対応付けられて送信されてきた前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを基に、前記印刷要求に対応して提供した前記識別子群が前記印刷要求の実行時に印刷媒体の画像に合成されなかった識別子を含むことを検出した場合、前記合成されなかった識別子を他の印刷要求に対応して提供する請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得ステップと、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力する各物理ページの画像に合成する合成ステップと、
前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力された印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得ステップと、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得ステップと、
前記第2取得ステップで取得した識別子の情報と前記第3取得ステップで取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラム。
【請求項1】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、
前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記第3取得手段は、前記印刷要求終了情報として少なくとも印刷要求の実行の正常終了又は中断の情報を取得しており、
前記送信手段は、前記印刷要求の実行が正常終了又は中断した場合に、前記送信を行う請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて第1記憶部に記憶する第1記憶手段と、前記外部装置から情報送信要求を受け付ける受付手段とをさらに有し、
前記送信手段は、前記受付手段が外部装置からの情報送信要求を受け付けた場合に、前記第1記憶部に記憶されている前記識別子の情報と前記印刷要求終了情報とを対応付けたまま前記外部装置に送信する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記外部装置から取得した前記識別子群に前記第2取得手段が取得した識別子以外の識別子の情報が含まれている場合、前記送信を行う請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷要求に係る画像形成用データを再度印刷可能な状態で記憶部に記憶する第2記憶手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記第2記憶部に画像形成用データが記憶されている場合、前記送信を行わない請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外部装置は、数列とされた複数の識別子からなる識別子空間から、値が大きくなる順序で連続した複数の識別子を前記識別子群として取得しており、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データ及び前記第2記憶部に記憶されている画像形成用データを用いて印刷媒体に画像形成した各印刷要求と、該印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した各識別子の情報とを対応付けて第3記憶部に記憶する第3記憶手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記第2記憶部から画像形成用データが消去された場合、前記第3記憶部に記憶されている複数の印刷要求のうち、対応付けられている識別子の値が最大の印刷要求の実行時に前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記出力手段による前記印刷媒体の出力形式の情報を取得する第4取得手段をさらに有し、
前記外部装置は、前記画像形成用データの論理ページのページ数及び第4取得手段が取得した出力形式の情報を基に、前記出力形式にかかわらず各論理ページを一意に特定可能な識別子群を取得する請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、
前記外部装置から取得した識別子群の各識別子の情報及び前記第2取得手段が取得した識別子の情報を基に、該識別子群の各識別子の情報のうちの前記第2取得手段が取得した識別子の情報以外の識別子の情報を検出する検出手段と、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、
前記検出手段が検出した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項9】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得した画像形成用データに基づき画像形成した印刷媒体を出力する出力手段と、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理し、前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群を前記印刷要求に対応して提供する提供手段と、
前記提供手段が提供する識別子群の各識別子の情報を、前記出力手段が出力する各物理ページの画像に合成する合成手段と、
前記出力手段が出力した印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得手段と、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得手段と、
前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信手段と、
を有する画像形成システム。
【請求項10】
前記提供手段は、前記送信手段から対応付けられて送信されてきた前記第2取得手段が取得した識別子の情報と前記第3取得手段が取得した印刷要求終了情報とを基に、前記印刷要求に対応して提供した前記識別子群が前記印刷要求の実行時に印刷媒体の画像に合成されなかった識別子を含むことを検出した場合、前記合成されなかった識別子を他の印刷要求に対応して提供する請求項9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
印刷要求に含まれている論理ページ毎の画像形成のための画像形成用データを取得する第1取得ステップと、
対応する論理ページ及び該論理ページの出力時の部数目を特定するための識別子を管理する外部装置から前記印刷要求に対応して取得した前記画像形成用データの各論理ページ及び該各論理ページそれぞれの出力時の部数目を特定可能な識別子群の各識別子の情報を、前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力する各物理ページの画像に合成する合成ステップと、
前記第1取得ステップで取得した画像形成用データに基づき画像形成して出力された印刷媒体の画像に合成されている識別子の情報を取得する第2取得ステップと、
前記印刷要求の実行が終了した場合に、前記印刷要求の実行の終了理由の情報である印刷要求終了情報を取得する第3取得ステップと、
前記第2取得ステップで取得した識別子の情報と前記第3取得ステップで取得した印刷要求終了情報とを対応付けて前記外部装置に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読取可能な制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−45133(P2013−45133A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180282(P2011−180282)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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