説明

画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、より消費電力の少ない画像形成設定で画像形成処理する。
【解決手段】画像形成装置1は、画像データに基づいて複数の画像形成モードと複数の画像形成条件のうち設定された画像形成モードと画像形成条件で用紙に画像形成する際に、コントローラ2のCPU21が、画像形成モードと各画像形成モードに対して予め設定されている基本消費電力量に基づいて該画像形成モードでの画像形成による消費電力量を算出し、また、画像形成モード毎の各画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定して、算出した消費電力量及び測定した消費電力量を該画像形成モード及び該画像形成条件に対応させてデータメモリ24に記憶させ、設定された画像形成モード及び画像形成条件による消費電力量を、データメモリ24を参照して決定して、操作部3のLCD33に表示出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、より消費電力の少ない画像形成条件で画像形成する画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置においても、近時、省電力化が要望され、各種方法で消費電力の削減が図られている。
【0003】
また、画像形成装置は、その動作状態として、種々の動作モード、例えば、動作指示を待つ待機モード、主要各部への電源電力の供給を停止または削減する省電力モード、画像形成動作を実行中の画像形成モード、画像形成剤(トナー等)の使用量を抑制した状態での画像形成動作を行う画像形成剤セーフモード等を備えており、画像形成装置の利用状況や動作指示内容等によって動作モードを選択して動作するようになっている。
【0004】
そして、従来、動作状態(動作モード)毎の消費電力を測定して、その測定結果に基づいて、動作状態毎の消費電力量及び/または動作状態毎の消費電力量に関する関連情報を表示する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、動作モード毎の消費電力を測定して、動作モード毎の消費電力量に関する関連情報を表示するのみであるため、予め画像形成装置に設定されている動作モードでの消費電力のみを算出することしかできない。
【0006】
すなわち、画像形成装置は、その動作モードによってのみ、消費電力量が決まるわけではなく、同じ動作モードであっても、画像形成条件、例えば、画像の回転の有無、ソートの有無、用紙サイズ、画像データ量等によっても消費電力量が変化するが、従来技術にあっては、これらの画像形成条件を考慮した消費電力の削減を図ることができない。具体的には、同じ用紙サイズで、同じ印刷枚数、かつ、同じ印刷時間の動作モードであっても、画像データ(印刷データ)の圧縮率の相違、画像回転の有無、ソートの有無等の画像形成動作にかかる負荷が異なり、従来技術は、これらの負荷の相違による消費電力量の相違が考慮されておらず、改良の必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、画像形成条件を考慮した消費電力量を適切に提供して、より一層効率的な消費電力の削減を図ることのできる画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、画像データに基づいて複数の画像形成モードと複数の画像形成条件のうち設定された画像形成モードと画像形成条件で被記録媒体に画像形成する際に、画像形成モードと各画像形成モードに対して予め設定されている基本消費電力量に基づいて該画像形成モードでの画像形成による消費電力量を算出し、また、画像形成モード毎の各画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定して、算出した消費電力量及び測定した消費電力量を該画像形成モード及び該画像形成条件に対応させて消費電力量記憶手段に記憶させ、設定された画像形成モード及び画像形成条件による消費電力量を該消費電力量記憶手段を参照して決定して所定の報知手段から報知出力することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、設定された前記画像形成モード及び前記画像形成条件に対応する消費電力量が前記消費電力量記憶手段に非記憶状態であると、該画像形成モード及び該画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定して、測定結果の消費電力量を該消費電力量記憶手段に記憶することを特徴としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、設定された画像形成モードにおける複数の画像形成条件に対して前記消費電力量記憶手段に記憶されている消費電力量のうち、設定されている該画像形成条件での消費電力量よりも消費電力量の少ない画像形成条件と該画像形成条件での消費電力量を該消費電力量記憶手段から取得して、所定の報知手段から報知出力させることを特徴としてもよい。
【0011】
さらに、本発明は、前記報知手段からの消費電力量の少ない画像形成条件と該画像形成条件における消費電力量の報知に応じて、画像形成条件が設定変更されると、該変更後の画像形成条件に基づいて画像形成することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成条件を考慮した消費電力量を適切に提供して、より一層効率的な消費電力の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図2】データメモリの記憶領域の一例を示す図。
【図3】消費電力量算出・表示処理を示すフローチャート。
【図4】電力関連情報表示画面の一例を示す図。
【図5】エコ印刷設定画面の一例を示す図。
【図6】消費電力量算出処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0015】
図1〜図6は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した画像形成装置1の要部ブロック構成図である。
【0016】
図1において、画像形成装置1は、複写装置、ファクシミリ装置、プリンタ装置、複合装置等であり、コントローラ2、操作部3及び図示しないスキャナやプロッタ等のエンジン、給紙部、排紙部等を備えている。
【0017】
コントローラ2は、CPU(Central Processing Unit )21、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)22、I/F群23、データメモリ24、エンジンボード25、NOR型フラッシュメモリ26、USBホスト27、NAND型フラッシュメモリ28等を搭載しており、操作部3は、CPU(Central Processing Unit )31、マイコン32、LCD(Liquid Crystal Display)33、キー34、DRAM(Dynamic Random Access Memory)35及びNAND型フラッシュメモリ36等を備えている。
【0018】
操作部3のCPU(Central Processing Unit )31は、NAND型フラッシュメモリ36内のプログラムに基づいて操作部3の各部を制御して、操作部3としての処理を実行する。マイコン32には、CPU31及びキー34が接続されており、キー34の操作内容を取得してCPU31に通知する。
【0019】
CPU31は、DRAM35をワークメモリとして利用しつつ、キー34の操作内容をLCD33に表示出力するとともに、コントローラ2のASIC22に通知し、コントローラ2から送られてくる表示情報を、DRAM35を利用してLCD23に表示する。
【0020】
LCD23は、タッチパネルが重ね合わされたタッチパネル付きLCDであってもよい。
【0021】
コントローラ2は、ASIC22に、CPU21、I/F群23、データメモリ24、エンジンボード25、NOR型フラッシュメモリ26及びUSBホスト27が接続されており、USBホスト27にNAND型フラッシュメモリ28が接続されている。コントローラ2は、図示しないが、現在時刻を計時するRTC(リアルタイムクロック;Real Time Clock )を備えている。
【0022】
NOR型フラッシュメモリ26及びNAND型フラッシュメモリ28は、不揮発性メモリであり、画像形成装置1の電源がオフの場合にも記憶しておく必要のあるデータやプログラム等を記憶する。
【0023】
画像形成装置1は、NOR型フラッシュメモリ26とNAND型フラッシュメモリ28のいずれかまたは双方に、画像形成装置1の基本プログラム及び本発明の画像形成制御プログラムが格納されており、CPU21が、基本プログラムに基づいて画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、画像形成制御プログラムに基づいて、後述する消費電力の削減を効率的に行う画像形成制御方法を実行する。
【0024】
すなわち、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでNVRAM型フラッシュメモリ26やNAND型フラッシュメモリ28等に導入することで、後述する消費電力を削減できる画像形成条件を提案して消費電力の削減を図る画像形成制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0025】
エンジンボード25には、図示しないスキャナやプロッタが接続され、スキャナは、原稿を主走査及び副走査して、該原稿の画像を読み取る。プロッタ(画像形成手段)は、エンジンボード25から受け取った画像データに基づいて用紙(被記録媒体)に画像を形成する。エンジンボード25は、ASIC22から制御信号に基づいてスキャナを制御して、原稿の画像を読み取らせて、スキャナが読み取った原稿の画像データに必要な画像処理を施してASIC22に渡す。また、エンジンボード25は、ASIC22から受け取った画像データに必要な処理を施して、プロッタに渡すとともに、ASIC22からの制御信号に基づいてプロッタを制御してプロッタに該画像データに基づく画像を形成させる。
【0026】
コントローラ2は、CPU21の制御下で、エンジンボード25を介してスキャナから入力される画像データをASIC22で必要な画像処理を施した後、データメモリ24や図示しないハードディスク等に記憶し、また、図示しないRAM(Random Access Memory)等に展開して、その後の処理、例えば、プロッタでの用紙への画像形成出力、I/F群23に接続されているネットワークを介した外部機器へのデータ転送、I/F群23に接続された外部記憶媒体への書き込み等を行う。
【0027】
I/F群23には、ネットワークI/F、USB(Universal Serial Bus)I/F等の各種I/F(インターフェイス)を総称したものであり、ネットワーク、各種機器及びデバイス等が接続されて、インターフェイス処理を行う。
【0028】
データメモリ(消費電力量記憶手段)24は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory )等の書き換え可能な不揮発性半導体メモリで構成され、CPU21の制御下で、処理対象の画像データ及びLCD33に表示される画像形成装置1の動作状態毎の消費電力量や電気料金等の電力関連情報等を記憶する。データメモリ24は、図2に示すように、一日単位の消費電力量を記憶する一日単位記憶領域DA、週間単位の消費電力量を記憶する週単位記憶領域WA及び一月単位の消費電力量を記憶する月単位記憶領域MAに分けられており、これらの各記憶領域DA、WA、MAは、動作状態(待機モード、省電力モード、印字モード、トナーセーブモード等)毎に消費電力量や電気料金等の電力関連情報(電力関連データ)を記憶する領域に分けられている。
【0029】
NAND型フラッシュメモリ28は、CPU21の制御下で、画像形成装置1の動作履歴(コピー回数、スタンバイ時間等)、各動作状態(各動作モード)における消費電力値及び各動作状態における単位時間当たりの消費電力値が記録される。
【0030】
CPU(消費電力量算出手段、消費電力量測定手段、消費電力制御手段)21は、NAND型フラッシュメモリ28の動作履歴、各動作状態における消費電力量(基本消費電力量)及び各動作状態における単位時間当たりの消費電力値から画像形成装置1の実消費電力を算出する。なお、実消費電力の算出方法としては、例えば、標準消費電力測定方式等の既知の算出方法を用いることができる。また、CPU21は、各画像形成条件における消費電力量を測定して、データメモリ24に画像形成モード及び画像形成条件に対応させて記憶させる。さらに、CPU21は、設定された画像形成モード及び画像形成条件に基づいてデータメモリ24を参照して、消費電力量を決定して、決定した消費電力量と関連する情報である電力関連情報を操作部3のLCD33に表示させる。
【0031】
なお、画像形成装置1は、課金機能を備えており、画像形成条件(例えば、用紙サイズ、カラー/白黒、文字モード/写真モード等)に応じた課金を行うことができる。
【0032】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、画像形成条件を考慮した消費電力の削減を図る。
【0033】
すなわち、画像形成装置1は、その動作モードとして、待機モード、省電力モード、印字モード、トナーセーブ印刷モード等を有しており、これらの動作モードによってその消費電力量が異なるとともに、同じ印字モードにおいても、画像形成条件、例えば、用紙サイズ、カラー/白黒、文字モード/写真モード等によってその消費電力量が異なる。
【0034】
そこで、画像形成装置1は、NAND型フラッシュメモリ28またはNOR型フラッシュメモリ26に各動作モードにおける単位時間当たりの消費電力量である基本消費電力量を格納しているとともに、データメモリ24に、各動作モード及び動作条件における消費電力量を、図2に示したように、操作部3のLCD33に電力関連情報を表示するために、一日単位、週単位及び月単位で、消費電力量を、一日単位記憶領域DA、週単位記憶領域WA、月単位記憶領域MAに記憶して、動作モードだけでなく、動作条件に応じた消費電力量を算出してLCD33に表示する。
【0035】
そして、画像形成装置1は、まず、図3に示すように、消費電力量算出/表示処理を実行する。画像形成装置1は、電源スイッチがオンされて電源電力の供給が開始されると、まず、コントローラ2のCPU21は、画像形成装置1の動作モード(待機モード、省電力モード、印字モード、トナーセーブモード等)を判定するモード判定処理を行い(ステップS101)、図示しないRTCから現在時刻を取得して日時確認を行って、データメモリ24の表示領域の日時変更が必要か否か、すなわち、日付が変更されたかどうか判断する(ステップS102)。なお、CPU21は、動作モードの判定を、例えば、各動作モード毎に設定するビットフラグが立っているかどうかを検知することにより行う。また、CPU21は、ステップS102で、週の変更または月の変更が必要かどうかについても判断する。
【0036】
ステップS102で、日付変更が必要であると、CPU21は、データメモリ24の表示記憶領域の日付データを初期化する(ステップS103)。なお、CPU21は、ステップS102で、週または月が変更されたと判断した場合にも、同様にデータメモリ24の表示記録領域の日付データを初期化するが、この日付データの初期化処理は、1日単位、1週間単位、1ヶ月単位毎の消費電力を算出するために行う。
【0037】
CPU21は、データメモリ24の表示記憶領域の初期化を完了すると、画像形成装置1の現在の動作モードにおける消費電力量を、予めNAND型フラッシュメモリ28に格納されているデータに基づいて算出できるときには、該消費電力量の算出を行い、該消費電力量の算出を行うことができないときには、該動作モードの画像形成条件での消費電力量の測定を行って、算出した消費電力量及び動作モード等の電力関連情報をデータメモリ24に保存する(ステップS104)。
【0038】
CPU21は、消費電力量の算出または測定を行うと、該消費電力量から、電気料金の算出を行う(ステップS105)。CPU21は、この電気料金算出処理を、予め設定されている電気料金への課金率を消費電力量に乗算することにより行い、この課金率が、時間や季節によって異なる場合には、各々の時間や季節に対応する課金率を用いて電気料金を算出する。
【0039】
次に、CPU21は、データメモリ24の表示記憶領域から消費電力量及び電気料金等の電力関連情報を読み出して、操作部3のCPU31に渡し、CPU31がLCD33に、例えば、図4に示すような電力関連情報表示画面G1を、表示して(ステップS106)、ステップS101に戻って、上記同様に処理を行う。
【0040】
ステップS102で、日付変更が不要なときには、CPU21は、データメモリ24の表示記憶領域の日付データを初期化することなく、画像形成装置1の現在の動作モードにおける消費電力量を、予めNAND型フラッシュメモリ28に格納されているデータに基づいて算出できるときには、該消費電力量の算出を、該消費電力量の算出を行うことができないときには、該動作モードの画像形成条件での消費電力量の測定を行って、算出した消費電力量及び動作モード等の電力関連情報をデータメモリ24に保存し(ステップS104)、該消費電力量から、電気料金の算出を行う(ステップS105)。
【0041】
なお、図4の電力関連情報表示画面G1では、ステップS105で算出された1日の合計の消費電力量、1日の合計の電気料金及び1日のエコ電気料金が表示されており、エコ電気料金とは、通常印刷よりも消費電力量が少なくなる設定で印刷した場合に、発生する差の電気料金をいう。すなわち、より消費電力の少ない画像形成条件に画像形成条件を設定して印刷した回数が多くなればエコ電気料金も多くなる。また、図4の電力関連情報表示画面G1では、1日についての消費電力量、電気料金及びエコ電気料金が示されているが、1週間及び1ヶ月についても、同様に、消費電力量、電気料金及びエコ電気料金を表示することができる。
【0042】
そこで、CPU21は、図5に示すようなエコ印刷設定画面G2をLCD33に表示して、ユーザが、図4のエコ電気料金から判断して、画像形成条件(印刷条件)として、例えば、用紙サイズ、画像回転処理、ソート処理等の画像形成処理における負荷をより少ない画像形成条件に変更設定することで、印刷モード(画像形成モード)が同じであっても、より一層消費電力量の少ない画像形成条件で画像形成させることができる。なお、図5のエコ印刷設定画面G2では、現在の印刷設定(用紙サイズ、回転/ソート及び画像データ量)と、該現在の印刷設定に対して変更可能なエコ印刷設定と、が表示されている。
【0043】
そして、CPU21は、消費電力量算出処理を、図6に示すように実行する。すなわち、CPU21は、印刷対象の画像データをデータメモリ24から読み出し(ステップS201)、画像データの容量の確認、画像形成対象(印刷対象)の用紙サイズの確認及び画像の回転やソートの有無等のような画像形成条件(印刷条件)の設定を確認(負荷を確認)して(ステップS202)、該画像形成条件と同じ画像形成条件があるか否かを、データメモリ24の画像形成条件を検索して、以前同じ画像形成条件で印刷されているかを、チェックする(ステップS203)。
【0044】
ステップS203で、以前同じ画像形成条件で印刷されているときには、CPU21は、該画像形成条件に対応するとともに、画像データと用紙サイズに対応した消費電力量を、データメモリ24の記憶領域から抽出して(ステップS204)、ステップS105に移行して、上記同様に、該消費電力量に基づく電気料金算出処理(ステップS105)及び電力関連情報のLCD33への表示処理を行う(ステップS106)。
【0045】
また、ステップS203で、以前同じ画像形成条件で印刷されていないときには、CPU21は、該動作モード(印刷モード:画像形成モード)及び該画像形成条件による画像形成を実行している間に消費される消費電力量の測定を開始して、該動作モードが終了するまで消費電力量の測定を行い(ステップS205)、測定した消費電力量データを、データメモリ24の動作モード別の記憶領域に転送して記憶させる(ステップS206)。
【0046】
そして、CPU21は、ステップS105に移行して、上記同様に、該消費電力量に基づく電気料金算出処理(ステップS105)及び電力関連情報のLCD33への表示処理を行う(ステップS106)。
【0047】
このように、本実施例の画像形成装置1は、画像データに基づいて複数の画像形成モードと複数の画像形成条件のうち設定された画像形成モードと画像形成条件で用紙(被記録媒体)に画像形成する際に、コントローラ2のCPU21が、画像形成モードと各画像形成モードに対して予め設定されている基本消費電力量に基づいて該画像形成モードでの画像形成による消費電力量を算出し、また、画像形成モード毎の各画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定して、算出した消費電力量及び測定した消費電力量を該画像形成モード及び該画像形成条件に対応させてデータメモリ(消費電力量記憶手段)24に記憶させ、設定された画像形成モード及び画像形成条件による消費電力量をデータメモリ24を参照して決定して、操作部3のLCD33に表示出力、また、I/F群23を介してホスト装置へ通知する等の報知出力を行う。
【0048】
したがって、画像形成条件を考慮した消費電力量を適切に提供して、ユーザは、消費電力量の情報に基づいて、同じ画像形成モードであってもより消費電力量の少ない画像形成条件で画像形成させることができ、より一層効率的な消費電力の削減を図ることができる。
【0049】
また、本実施例の画像形成装置1は、設定された画像形成モード及び画像形成条件に対応する消費電力量がデータメモリ24に非記憶状態であると、CPU21が、該画像形成モード及び該画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定して、測定結果の消費電力量をデータメモリ24に記憶させている。
【0050】
したがって、消費電力量を算出可能な画像形成条件だけでなく、消費電力量を算出することのできない画像形成条件での消費電力量を測定して、次回以降利用できるようにして、消費電力量を速やかに利用できるようにすることができ、より一層効率的な消費電力の削減を図ることができる。
【0051】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、設定された画像形成モードにおける複数の画像形成条件に対してデータメモリ24に記憶されている消費電力量のうち、設定されている該画像形成条件での消費電力量よりも消費電力量の少ない画像形成条件と該画像形成条件での消費電力量をデータメモリ24から取得して、操作部3のLCD33に表示出力、また、I/F群23を介してホスト装置へ通知する等の報知出力を行う。
【0052】
したがって、同じ画像形成モードにおいて、より消費電力量の少ない画像形成条件を提示して、ユーザが、消費電力量の情報に基づいて、同じ画像形成モードであってもより消費電力量の少ない画像形成条件を選択できるようにすることができ、より一層効率的な消費電力の削減を図ることができる。
【0053】
また、本実施例の画像形成装置1は、操作部3のLCD33に表示出力、また、I/F群23を介してホスト装置へ通知する等による消費電力量の少ない画像形成条件と該画像形成条件における消費電力量の報知に応じて、画像形成条件が設定変更されると、該変更後の画像形成条件に基づいて画像形成している。
【0054】
したがって、同じ画像形成モードであってもより消費電力量の少ない画像形成条件を選択できるようにすることができ、より一層効率的な消費電力の削減を図ることができる。
【0055】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、同じ動作モードにおける消費電力量をより一層削減する複合装置、複写装置、プリンタ装置等の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置
2 コントローラ
3 操作部
21 CPU
22 ASIC
23 I/F群
24 データメモリ
25 エンジンボード
26 NOR型フラッシュメモリ
27 USBホスト
28 NAND型フラッシュメモリ
31 CPU
32 マイコン
33 LCD
34 キー
35 DRAM
36 NAND型フラッシュメモリ
G1 電力関連情報表示画面
G2 エコ印刷設定画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2006−039443号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成モード及び該画像形成モードにおける画像形成条件を設定する設定手段と、
画像データに基づいて複数の画像形成モードと複数の画像形成条件のうち前記設定手段で設定された画像形成モードと画像形成条件で被記録媒体に画像形成する画像形成手段と、
画像形成モードと各画像形成モードに対して予め設定されている基本消費電力量に基づいて該画像形成モードでの画像形成による消費電力量を算出する消費電力量算出手段と、
画像形成モード毎の各画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定する消費電力量測定手段と、
前記モード消費電力量算出手段の算出した消費電力量及び前記消費電力量測定手段の測定した消費電力量を前記画像形成モード及び前記画像形成条件に対応させて記憶する消費電力量記憶手段と、
少なくとも消費電力量に関する情報を報知出力する報知手段と、
前記設定手段で設定された前記画像形成モード及び前記画像形成条件による消費電力量を前記消費電力量記憶手段を参照して決定して前記報知手段から報知出力させる消費電力制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記消費電力制御手段は、
前記設定手段で設定された前記画像形成モード及び前記画像形成条件に対応する消費電力量が前記消費電力量記憶手段に非記憶状態であると、該画像形成モード及び該画像形成条件での画像形成による消費電力量を前記消費電力量測定手段に測定させて、測定結果の消費電力量を該消費電力量記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記消費電力制御手段は、
前記設定手段で設定された前記画像形成モードにおける複数の前記画像形成条件に対して前記消費電力量記憶手段に記憶されている消費電力量のうち、該設定手段で設定されている該画像形成条件での消費電力量よりも消費電力量の少ない画像形成条件と該画像形成条件での消費電力量を該消費電力量記憶手段から取得して、前記報知手段から報知出力させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記消費電力制御手段は、
前記報知手段からの消費電力量の少ない画像形成条件と該画像形成条件における消費電力量の報知に応じて、前記設定手段で画像形成条件が設定変更されると、該変更後の画像形成条件に基づいて前記画像形成手段に画像形成させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像データに基づいて複数の画像形成モードと複数の画像形成条件のうち設定された画像形成モードと画像形成条件で被記録媒体に画像形成する画像形成処理ステップと、
画像形成モードと各画像形成モードに対して予め設定されている基本消費電力量に基づいて該画像形成モードでの画像形成による消費電力量を算出する消費電力量算出処理ステップと、
画像形成モード毎の各画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定する消費電力量測定処理ステップと、
前記モード消費電力量算出処理ステップで算出された消費電力量及び前記消費電力量測定処理ステップで測定された消費電力量を前記画像形成モード及び前記画像形成条件に対応させて消費電力量記憶手段に記憶させる記憶制御処理ステップと、
設定された前記画像形成モード及び前記画像形成条件による消費電力量を前記消費電力量記憶手段を参照して決定して所定の報知手段から報知出力させる消費電力制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
画像データに基づいて複数の画像形成モードと複数の画像形成条件のうち設定された画像形成モードと画像形成条件で被記録媒体に画像形成する画像形成処理と、
画像形成モードと各画像形成モードに対して予め設定されている基本消費電力量に基づいて該画像形成モードでの画像形成による消費電力量を算出する消費電力量算出処理と、
前記画像形成モード毎の各画像形成条件での画像形成による消費電力量を測定する消費電力量測定処理と、
前記モード消費電力量算出処理で算出された消費電力量及び前記消費電力量測定処理で測定された消費電力量を前記画像形成モード及び前記画像形成条件に対応させて消費電力量記憶手段に記憶させる記憶制御処理と、
設定された前記画像形成モード及び前記画像形成条件による消費電力量を前記消費電力量記憶手段を参照して決定して所定の報知手段から報知出力させる消費電力制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−230171(P2012−230171A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97037(P2011−97037)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】