説明

画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラム

【課題】本発明は、時刻指定印刷ジョブを効率的に実行する。
【解決手段】画像形成装置1は、ネットワークI/F16が印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けると、CPU11が、該印刷ジョブをハードディスク15に蓄積して、現在時刻が、ハードディスク15に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブに設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定の印刷時間間隔の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続してプリンタエンジン3に実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムに関し、詳細には、時刻指定印刷ジョブを効率的に実行する画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク等の通信回線を介してコンピュータ等のホスト装置に接続されているプリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置は、従来から、印刷時刻を指定した印刷ジョブを受け付けると、該印刷ジョブをハードディスク等に保管し、該印刷指定時刻になると、該印刷ジョブをハードディスクから読み出して実行することで、印刷を行う時刻指定印刷機能を備えている(特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、従来の画像形成装置は、図9に示すように、印刷時刻の指定された時刻指定印刷ジョブを受信すると(ステップS1001)、ハードディスクに該時刻指定印刷ジョブを蓄積し(ステップS1002)、現在時刻が該時刻指定印刷ジョブの印刷指定時刻になったかをチェックして(ステップS1003)、現在時刻が印刷指定時刻になると、該印刷指定時刻になった時刻指定印刷ジョブを実行して印刷を行う(ステップS1004)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、画像形成装置は、時刻指定印刷ジョブを蓄積して、該時刻指定印刷ジョブの印刷指定時刻になると、該時刻指定印刷ジョブを実行しているため、消費電力を削減する上で、改良の必要があった。
【0005】
すなわち、画像形成装置は、図10に示すように、画像形成方式(電子写真方式やインク噴射方式等)にかかわらず、一般的に、印刷ジョブの実行によって消費される電力は、印刷開始の時点から徐々に増加して、印刷中において最大の消費電力となり、印刷完了から印刷終了へとから徐々に減少する。そして、図10に示すように、印刷ジョブと次の印刷ジョブとの間に、間隔が開いていると、1つの印刷ジョブの実行が完了して消費電力が一旦減少した後に、次の印刷ジョブの開始によって再度消費電力が増加するという動作を繰り返すことになり、印刷ジョブを実行するために立ち上げるのに必要な電力と印刷が完了してから待ち状態へと移行するための電力が印刷ジョブ毎に消費されて、消費電力を削減する上で、改良する必要があった。
【0006】
そこで、本発明は、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを効率的に実行して、消費電力を削減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、前記ジョブ受付手段の受け付けた前記印刷ジョブを蓄積するジョブ蓄積手段と、印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、現在時刻を計時する計時手段と、前記計時手段の計時する現在時刻が、前記ジョブ蓄積手段に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブに設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定のグループ時間の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続して前記画像形成手段に実行させる制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを効率的に実行して、消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成装置のブロック構成図。
【図2】ホストコンピュータにおける時刻指定画面の一例を示す図。
【図3】コントローラの要部機能ブロック構成図。
【図4】印刷時間間隔設定画面の一例を示す図。
【図5】時刻指定印刷ジョブの実行制御処理を示すフローチャート。
【図6】印刷時間間隔と印刷指定時刻との関係を示す図。
【図7】印刷ジョブを連続して実行する場合の消費電力の一例を示す図。
【図8】非時刻指定印刷ジョブも一緒に印刷する時刻指定印刷ジョブの実行制御処理を示すフローチャート。
【図9】従来の時刻指定印刷ジョブの実行制御処理を示すフローチャート。
【図10】印刷ジョブを間欠的に実行する場合の消費電力の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0011】
図1〜図8は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を適用した画像形成装置1のブロック構成図である。
【0012】
図1において、画像形成装置1は、コントローラ2、プリンタエンジン3、オペレーションパネル4及び外部記憶装置5等を備えており、コントローラ2は、CPU(Central Processing Unit )11、プログラムROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)14、ハードディスク(HDD)15、ネットワークI/F(インターフェイス)16、エンジンI/F17、パネルI/F18及び外部I/F19等を備えていて、各部は、バス20で接続されている。なお、コントローラ2は、図示しないが、現在時刻を計時する計時部(計時手段)を備えており、後述するように、この計時部の計時する現在時刻に基づいて印刷ジョブの実行管理を行う。
【0013】
ネットワークI/F(受け付け手段)16には、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介してホストコンピュータPcが接続されており、ネットワークI/F16は、ホストコンピュータPcから送信されてくる制御信号及びデータ(印刷データ等)等からなる印刷ジョブを受け取るとともに、画像形成装置1からホストコンピュータPcに送信するステータス信号等の送り出しを行うインターフェイスである。
【0014】
プログラムROM12は、コントローラ2内でのデータの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、画像形成装置1としての基本処理プログラム及び時刻指定印刷ジョブの実行制御を行う画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
【0015】
CPU(制御手段)11は、プログラムROM12に格納されているプログラムに基づいて、RAM13をワークメモリとして利用しつつ、画像形成装置1の各部を制御して、印刷処理を行うとともに、後述する画像形成制御方法を実行する。
【0016】
RAM13は、CPU11のワークメモリとして利用されるとともに、ホストコンピュータPcからの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファ及びバッファに記憶されたデータを実際の印刷に適した描画データに変換して展開されるビットマップメモリ等として利用される。RAM13は、この印刷データまたは印刷データから変換された描画データ、あるいは、中間データを、複数ページ分蓄積する容量を有している。
【0017】
NVRAM14は、画像形成装置1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、画像形成装置1の電源がオフの際にも保持する必要のあるデータ、特に、後述するオペレーションパネル4で設定された印刷時間間隔(グループ時間)、システム設定値、印刷枚数カウント値、印刷設定及びプリンタエンジン3のエンジン特性を示すエンジン特性パラメータ(赤みが濃い等)等の各種設定情報がCPU11の制御下で格納される。
【0018】
ハードディスク(ジョブ蓄積手段)15は、展開された印刷データやホストコンピュータPcから送られてきた印刷ジョブ等のデータをCPU11の制御下で蓄積し、また、読み出される。特に、ハードディスク15は、ホストコンピュータPcから送られてきた時刻指定印刷ジョブ及び時刻非指定印刷ジョブ等を格納する。
【0019】
エンジンI/F17には、プリンタエンジン3が接続されており、エンジンI/F17は、コントローラ2からプリンタエンジン3への制御信号や描画データ及びプリンタエンジン3からコントローラ2へのステータス信号の授受を行う。
【0020】
プリンタエンジン(画像形成手段)3は、例えば、電子写真式プリンタ、インクジェットプリンタ等のプリンタエンジンが使用されており、ホストコンピュータPcから送られてきてネットワークI/F16が受信した印刷データから変換されてエンジンI/F17から渡される描画データ及び制御信号に基づいて、給紙部から送られてくる用紙(画像形成媒体)に画像を印刷出力(画像形成出力)して、印刷済みの用紙を、排紙トレイ上に排出する。すなわち、プリンタエンジン3は、電子写真方式のエンジンの場合、図示しないが、電子写真方式で用紙に描画データに基づいて印刷処理を行うのに必要な部品、例えば、感光体、帯電部、光書き込み部、現像部、転写部及びクリーニング部等からなる画像形成ユニットを備えており、プリンタエンジン3がカラープリンタエンジンであるときには、画像形成ユニットをカラー分、例えば、CMYK分だけ備えている。プリンタエンジン3は、描画データ及び制御信号により光書き込み部を動作させて、帯電部による一様に帯電されている感光体上に静電潜像を形成して、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。プリンタエンジン3は、給紙部から用紙を感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を転写部によって用紙に転写させ、トナー画像の転写された用紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して用紙上のトナー画像を定着させることで、印刷処理を行う。
【0021】
パネルI/F18には、オペレーションパネル4が接続されており、パネルI/F18は、CPU11とオペレーションパネル4との間の信号の授受を行う。
【0022】
オペレーションパネル(時間設定手段)4は、テンキー、スタートキー、モードを選択するモード選択キー等の各種操作キーを備えるとともに、タッチパネル付き液晶ディスプレイ等の表示部を備えている。オペレーションパネル4は、操作キーのキー操作や表示部のタッチ操作によって、プリント操作等の各種命令、特に、後述する印刷時間間隔が入力され、表示部には、操作キーから入力された命令内容や画像形成装置1からユーザに通知する各種情報及び処理対象の画像等が表示される。
【0023】
外部I/F19には、可搬性を有する外部記憶装置5が着脱可能に装着され、外部記憶装置5としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード(例えば、SDメモリカード等)、フロッピィディスク(登録商標)等が挿入される。外部I/F19は、CPU15の制御下で、外部記憶装置5をドライブして、外部記憶装置5に記憶されているデータの読み出し及び外部記憶装置5へのデータの書き込みを行う。この外部I/F19は、外部記憶装置5の外部I/F19への挿入及び取り出しを自動検出し、検出結果をCPU11に出力する。
【0024】
上記ネットワークI/F16に接続されるホストコンピュータPcは、通常のハードウェア構成及びソフトウェア構成のパーソナルコンピュータ等であり、画像形成装置1に、任意のPDL(Page Description Language:ページ記述言語)で生成された印刷データ及びPJL(Printer Job Language)による制御コマンド(印刷制御データ)等からなる印刷ジョブを送信する。ホストコンピュータPcは、印刷ジョブに対して、印刷の実行を希望する印刷指定時刻を設定することができ、例えば、プリンタドライバの表示する印刷設定画面に、図2に示すような時刻指定画面G1を表示して、該時刻指定画面G1で、時刻指定印刷の指定と、印刷指定時刻(図2の場合、18:04が指定されている。)の設定を行なうことができる。また、図2の時刻指定画面G1では、特に印刷指定時間を設定せず、他の時刻指定印刷が完了後や電源オン時等に即時印刷を行わせる場合に指定する「いつでもOK印刷」も選択可能となっており、この場合は、非時刻指定印刷ジョブとなる。
【0025】
そして、ホストコンピュータPcは、プリンタドライバによって、PJLデータとPDLデータからなる印刷ジョブを生成して、ネットワークを介して画像形成装置1に送信する。
【0026】
そして、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでプログラムROM12、ハードディスク15等に導入することで、後述する時刻指定印刷ジョブ及び時刻非指定印刷ジョブを効率的に実行して消費電力を削減する画像形成制御方法を実行する画像形成装置1として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0027】
画像形成装置1は、上記画像形成制御プログラムが導入されて実行されることで、特に、コントローラ2に、図3に示すように、機能部を構築する。すなわち、コントローラ2には、プリンタコントロールシステム機能部21、ネットワークI/F機能部22、画像解析機能部(PDL/PostScript/PCL/RPCS機能部)23、外部I/F機能部24、エンジンI/F機能部25、パネルI/F機能部26等が構築される。
【0028】
ネットワークI/F機能部22は、ネットワークI/F16によって実現され、ホストコンピュータPcから送信されてくる制御信号及びデータ(印刷データ等)を受け取ってプリンタコントロールシステム機能部21に渡すとともに、画像形成装置1からホストコンピュータPcに送信するステータス信号等をプリンタコントロールシステム機能部21から受け取ってホストコンピュータPcに送り出す。
【0029】
画像解析機能部23は、CPU11によって実現され、印刷データを受け取って、描画データを生成して、RAM13やハードディスク15に展開し、また、プリンタコントロールシステム機能部21からの要求に応じて、RAM13やハードディスク15から描画データを読み出して、プリンタコントロールシステム機能部21に渡す。具体的には、画像解析機能部23は、ホストコンピュータPcから送られてきた印刷データのPJLコマンドの解釈及びPDLコマンドの解釈を行って、描画データを生成して、描画データ及び印刷設定(画像処理指定情報)をプリンタコントロールシステム機能部21に渡す。
【0030】
外部I/F機能部24は、外部I/F19によって実現され、プリンタコントロールシステム機能部21の制御下で、プリンタコントロールシステム機能部21から渡された描画データ及び印刷設定(画像処理指定情報)を外部記憶装置5に記憶させ、また、外部記憶装置5に記憶されている描画データ及び印刷設定を読み出してプリンタコントロールシステム機能部21に渡す。
【0031】
パネルI/F機能部25は、パネルI/F18によって実現され、プリンタコントロールシステム機能部21の制御下で、オペレーションパネル4の制御を行う。
【0032】
エンジンI/F機能部25は、エンジンI/F17によって実現され、プリンタコントロールシステム機能部21の制御下で、プリンタエンジン3への印刷指示等を行う。
【0033】
プリンタコントロールシステム機能部21は、CPU11によって実現され、画像形成装置1の各部を制御するとともに、プリンタエンジン3の動作を制御する。また、プリンタコントロールシステム機能部21は、画像解析機能部23が処理した描画データ及び印刷設定をエンジンI/F機能部25を介してプリンタエンジン3に渡し、また、画像処理前の画像データを、外部I/F機能部24を介して外部記憶装置5に保存する。特に、プリンタコントロールシステム機能部21は、ホストコンピュータPcから受け取った時刻指定印刷ジョブ及び時刻非指定印刷ジョブを一旦ハードディスク15または外部記憶装置5に保存した後、指定時刻に基づいて効率的に実行して消費電力を削減する画像形成制御方法を実行する。
【0034】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、時刻指定印刷ジョブ及び時刻非指定印刷ジョブを効率的に実行する。
【0035】
すなわち、画像形成装置1は、予めユーザまたは管理者によって、オペレーションパネル4での操作またはネットワーク上の管理装置からのコマンドによって、印刷を実行する時間間隔(グループ時間)を設定することができる。例えば、画像形成装置1は、オペレーションパネル4で設定する場合には、図4に示すような印刷時間間隔設定画面G2を、オペレーションパネル4の表示部に表示し、5分、10分、15分、20分、30分等の間隔で設定可能とする。なお、図4では、印刷時間間隔として、15分間隔が指定されている状態が示されている。
【0036】
画像形成装置1は、上記印刷時間間隔が設定されると、CPU11で構築されるプリンタコントロールシステム機能部21が、該印刷時間間隔をNVRAM14またはハードディスク15等に記憶させ、印刷時間間隔が記憶されている状態で、ホストコンピュータPcから時刻指定印刷ジョブをネットワークI/F機能部22が受信すると、画像解析機能部23に該印刷ジョブを解析させて、印刷指定時刻を取得してNVRAM14に記憶させるとともに(ステップS101)、印刷ジョブをハードディスク15または外部記憶装置5に蓄積する(ステップS102)。
【0037】
プリンタコントロールシステム機能部21は、印刷指定時刻と印刷ジョブの保存を行うと、現在時刻が印刷指定時刻になったか、すなわち、印刷開始時刻になったかチェックし(ステップS103)、印刷開始時刻でないときには、所定時間間隔で、再度、印刷開始時刻になったかチェックする(ステップS103)。
【0038】
ステップS103で、印刷開始時刻になると、プリンタコントロールシステム機能部21は、該印刷開始時刻になった時刻指定印刷ジョブの印刷指定時刻が属する印刷時間間隔(グループ時間)内に印刷指定時刻の設定されている他の印刷ジョブが存在するかチェックし(ステップS104)、該印刷時間間隔内に他の印刷ジョブがあるとき(ステップS104で、YESのとき)には、該他の印刷ジョブを印刷キューに投入する(ステップS105)。例えば、図6に示すように、印刷時間間隔が、「15分」間隔であって、最も早い印刷指定時刻が、4分の印刷ジョブが属する印刷時間間隔内に、印刷指定時刻の属する印刷ジョブとして、6分が印刷指定時刻の印刷ジョブと、11分が印刷指定時刻の印刷ジョブと、が存在すると、プリンタコントロールシステム機能部21は、これら全ての印刷ジョブを印刷キューに投入する。この場合、プリンタコントロールシステム機能部21は、印刷ジョブを、その印刷指定時刻の早い順に印刷キューへ投入する。
【0039】
プリンタコントロールシステム機能部21は、印刷開始時刻となった印刷ジョブ以外の他の印刷ジョブの印刷キューへの投入を完了すると、該印刷開始時刻となった印刷ジョブから印刷キューにある全ての印刷ジョブを順次実行して、プリンタエンジン3に印刷を行わせる(ステップS106)。
【0040】
ステップS104で、印刷開始時刻となった時刻指定印刷ジョブの属する印刷時間間隔内に他の印刷ジョブがないとき(ステップS104で、NOのとき)には、プリンタコントロールシステム機能部21は、該時刻指定印刷ジョブのみを印刷キューに投入して、該印刷ジョブの実行を行い、プリンタエンジン3で印刷を行わせて時刻指定印刷ジョブの実行制御処理を終了する(ステップS106)。
【0041】
このように、印刷ジョブをまとめて連続して実行すると、図7に示すように、プリンタエンジン3を印刷可能な状態にするために消費される消費電力を、図10に示した間欠的に印刷ジョブを実行する場合に比較して、1つの印刷ジョブを実行した後に該印刷ジョブが終了するまでに消費される電力と、次の印刷ジョブを実行可能な状態にするために消費される電力(図7に太い三角形内のハッチングを施した範囲の電力)を省くことができ、画像形成装置1全体としての消費電力を削減することができる。
【0042】
また、プリンタコントロールシステム機能部21は、非時刻指定印刷ジョブも、時刻指定印刷ジョブの実行時まで待機させてまとめて印刷処理を行なってもよい。この場合、プリンタコントロールシステム機能部21は、図7に示すように印刷ジョブの実行制御処理を行う。なお、図7において、図5と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を省略または簡略化する。
【0043】
図7において、プリンタコントロールシステム機能部21は、ホストコンピュータPcから時刻指定印刷ジョブをネットワークI/F機能部22が受信すると、画像解析機能部23に該印刷ジョブを解析させて、印刷指定時刻を取得してNVRAM14に記憶させるとともに(ステップS101)、印刷ジョブをハードディスク15または外部記憶装置5に蓄積する(ステップS102)。
【0044】
プリンタコントロールシステム機能部21は、印刷指定時刻と印刷ジョブの保存を行うと、現在時刻が印刷指定時刻になったか、すなわち、印刷開始時刻になったかチェックし(ステップS103)、印刷開始時刻でないときには、所定時間間隔で、再度、印刷開始時刻になったかチェックする(ステップS103)。
【0045】
ステップS103で、印刷開始時刻になると、プリンタコントロールシステム機能部21は、該印刷開始時刻になった時刻指定印刷ジョブの印刷指定時刻が属する印刷時間間隔内に他の印刷ジョブが存在するかチェックし(ステップS104)、該印刷時間間隔内に他の印刷ジョブがあるとき(ステップS104で、YESのとき)には、該他の印刷ジョブを印刷キューに投入する(ステップS105)。
【0046】
プリンタコントロールシステム機能部21は、印刷開始時刻となった印刷ジョブ以外の他の印刷ジョブの印刷キューへの投入を完了すると、「いつでもOK」の印刷ジョブ(非時刻指定印刷ジョブ)があるかチェックする(ステップS111)。また、ステップS104で、印刷開始時刻となった時刻指定印刷ジョブの属する印刷時間間隔内に他の印刷ジョブがないとき(ステップS104で、NOのとき)には、プリンタコントロールシステム機能部21は、「いつでもOK」の印刷ジョブ(非時刻指定印刷ジョブ)があるかチェックする(ステップS111)。
【0047】
ステップS111で、「いつでもOK」の印刷ジョブがあるとき(ステップS111で、YESのとき)には、プリンタコントロールシステム機能部21は、該「いつでもOK」の印刷ジョブを印刷キューに投入し(ステップS112)、該印刷開始時刻となった印刷ジョブから印刷キューにある全ての印刷ジョブを順次実行して、プリンタエンジン3で印刷を行わせる(ステップS106)。
【0048】
ステップS111で、「いつでもOK」の印刷ジョブがないとき(ステップS111で、NOのとき)には、プリンタコントロールシステム機能部21は、印刷キューにある印刷ジョブを、該時刻指定印刷ジョブから実行して、プリンタエンジン3で印刷を行わせて時刻指定印刷ジョブの実行制御処理を終了する(ステップS106)。
【0049】
このように、本実施例の画像形成装置1は、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けるネットワークI/F(ジョブ受付手段)16と、該ネットワークI/F16の受け付けた印刷ジョブを蓄積するハードディスク(ジョブ蓄積手段)15と、印刷ジョブを実行して用紙(被記録媒体)に画像を形成するプリンタエンジン(画像形成手段)3と、現在時刻を計時する計時部(計時手段)と、該計時部の計時する現在時刻が、ハードディスク15に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブに設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定の印刷時間間隔(グループ時間)の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続してプリンタエンジン3に実行させるCPU(制御手段)11と、を備えている。
【0050】
したがって、印刷時間間隔の範囲に印刷指定時刻のある印刷ジョブをまとめて連続して実行することができ、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを効率的に実行して、消費電力を削減することができる。
【0051】
また、本実施例の画像形成装置1は、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けるジョブ受付処理ステップと、該ジョブ受付処理ステップで受け付けられた前記印刷ジョブをハードディスク15に蓄積するジョブ蓄積処理ステップと、印刷ジョブを実行して用紙に画像を形成する画像形成処理ステップと、現在時刻を計時する計時処理ステップと、該計時処理ステップで計時される現在時刻が、ハードディスク15に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブと設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定のグループ時間の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続して前記画像形成処理ステップで実行させる制御処理ステップと、を有する画像形成制御方法を実行している。
【0052】
したがって、印刷時間間隔の範囲に印刷指定時刻のある印刷ジョブをまとめて連続して実行することができ、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを効率的に実行して、消費電力を削減することができる。
【0053】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、コンピュータに、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けるジョブ受付処理と、該ジョブ受付処理で受け付けられた前記印刷ジョブをハードディスク15に蓄積するジョブ蓄積処理と、印刷ジョブを実行して用紙に画像を形成する画像形成処理と、現在時刻を計時する計時処理と、該計時処理の計時する現在時刻が、ハードディスク15に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブと設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定のグループ時間の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続して前記画像形成処理で実行させる制御処理と、を実行させる画像形成制御プログラムを搭載している。
【0054】
したがって、印刷時間間隔の範囲に印刷指定時刻のある印刷ジョブをまとめて連続して実行することができ、印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを効率的に実行して、消費電力を削減することができる。
【0055】
また、本実施例の画像形成装置1は、CPU11が、ハードディスク15に、「いつでもOK」の印刷ジョブ(印刷指定時刻が非指定の印刷ジョブ)が蓄積されていると、前記印刷指定時刻になった前記印刷ジョブとともに実行対象の印刷ジョブとして設定している。
【0056】
したがって、「いつでもOK」の印刷ジョブを単独で実行することなく、印刷指定時刻の設定されている印刷ジョブと連続して実行することができ、印刷ジョブをより一層効率的に実行して、消費電力をより一層削減することができる。
【0057】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、グループ時間である印刷時間間隔を適宜設定するオペレーションパネル(時間設定手段)4を備えている。
【0058】
したがって、画像形成装置1の利用環境に合わせて、印刷時間間隔を適宜設定することができ、消費電力を削減しつつ利用性を向上させることができる。
【0059】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置
2 コントローラ
3 プリンタエンジン
4 オペレーションパネル
5 外部記憶装置
11 CPU
12 プログラムROM
13 RAM
14 NVRAM
15 ハードディスク(HDD)
16 ネットワークI/F
17 エンジンI/F
18 パネルI/F
19 外部I/F
20 バス
21 プリンタコントロールシステム機能部
22 ネットワークI/F機能部
23 画像解析機能部
24 外部I/F機能部
25 エンジンI/F機能部
26 パネルI/F機能部
G1 時刻指定画面
G2 印刷時間間隔設定画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2005−327135号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、
前記ジョブ受付手段の受け付けた前記印刷ジョブを蓄積するジョブ蓄積手段と、
印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
現在時刻を計時する計時手段と、
前記計時手段の計時する現在時刻が、前記ジョブ蓄積手段に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブに設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定のグループ時間の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続して前記画像形成手段に実行させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記ジョブ蓄積手段に、印刷指定時刻が非指定の印刷ジョブが蓄積されていると、前記印刷指定時刻になった前記印刷ジョブとともに実行対象の印刷ジョブとして設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、
前記グループ時間を適宜設定する時間設定手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けるジョブ受付処理ステップと、
前記ジョブ受付処理ステップで受け付けられた前記印刷ジョブをジョブ蓄積手段に蓄積するジョブ蓄積処理ステップと、
印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を形成する画像形成処理ステップと、
現在時刻を計時する計時処理ステップと、
前記計時処理ステップで計時される現在時刻が、前記ジョブ蓄積手段に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブと設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定のグループ時間の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続して前記画像形成処理ステップで実行させる制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項5】
コンピュータに、
印刷指定時刻の設定を伴う印刷ジョブを受け付けるジョブ受付処理と、
前記ジョブ受付処理で受け付けられた前記印刷ジョブをジョブ蓄積手段に蓄積するジョブ蓄積処理と、
印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を形成する画像形成処理と、
現在時刻を計時する計時処理と、
前記計時処理で計時される現在時刻が、前記ジョブ蓄積手段に蓄積されている複数の印刷ジョブの印刷指定時刻のうち、最も早い印刷指定時刻になると、該印刷ジョブを実行対象の印刷ジョブと設定するとともに、該印刷ジョブの印刷指定時刻から所定のグループ時間の範囲内に印刷指定時刻の存在する他の印刷ジョブを、実行対象の印刷ジョブとして設定して、該実行対象の印刷ジョブを順次連続して前記画像形成処理で実行させる制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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