説明

画像形成装置、画像形成方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体

【課題】 自動両面印刷が不可なサイズの用紙がセットされていても、手動によって印刷可能なサイズであれば、手動による両面印刷が行えるようし、操作のバリエーションを増やす。
【解決手段】両面モードにおける片面印刷であれば、設定給紙口にセットされた用紙の紙サイズが両面自動印刷可能サイズかどうかを確認し(S603)、両面自動印刷不可のサイズであればDIPSW1の状態をチェックし(S604)、DIPSW1がオフの場合、紙サイズが自動両面可能なサイズがセットされるまで待ち状態になる。DIPSW1がオンの場合は、印刷モードを両面印刷モードから片面表面印刷モードに変更し(S605)、「手動での両面印刷の表面印刷実行待ち」を表示し、ユーザの手動印刷許可通知を待つ(S606)。ユーザからの手動印刷許可通知、例えば、許可の場合コピーボタンを押すような操作を受信したか否かをチェックし(S607)、受信した場合は片面モードにて表面印刷を実行し(S608)、表面の印刷完了を待つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定により自動的に用紙の両面に印刷を行ったり、用紙を手動で裏返すことにより両面印刷を行うことができる画像形成装置、画像形成方法、この画像形成方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラム、及びこのコンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機等の画像形成装置を構成する印刷制御装置においては、用紙の両面に自動的に印刷を行うように制御したり、用紙を手動で裏返すことより両面印刷を行う手動両面印刷制御装置が提供されている。このような両面印刷においては、印刷すべき原稿の全ての画像情報を記憶し、記憶された情報を呼び出しながら印刷を行っている。そのため、画像情報の読み込みから呼び出しまでのかなりの時間を要し、その間は他の印刷を行うことができない。また、自動両面印刷を実行するには反転ユニット内の経路長さが要求された用紙のサイズに対しては短く、自動反転させることができない場合は、手動によって両面印刷を行うように切替える必要があり、直ちに手動操作に切替えて印刷を実行しない限り、他の印刷を割り込ませることもできない。そこで、このような印刷制御装置にあっては、例えば特許文献1にユーザが所定の操作を忘れるなどして、手動両面印刷のジョブが放置されても、他の印刷ジョブに対する影響を少なくすることが提案されている。また、特許文献2には、複数ページの原稿を複数部印刷する際に印刷データの受信開始から印刷終了までの時間を短縮することが提案されている。
【特許文献1】特開2000−127520号公報
【特許文献2】特開2001−205900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記先行技術には用紙のサイズが自動両面印刷では実行できない場合は、用紙の処理を終えるまで印刷に入れないなど、印刷作業の効率がよくない。
【0004】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、自動両面印刷が不可なサイズの用紙がセットされていても、手動によって印刷可能なサイズであれば、手動による両面印刷が行えるようにし、操作のバリエーションを増やすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、第1の手段は、記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有する画像形成装置において、両面モードで第1面の画像形成を行っているときに、前記記録シートのサイズが自動両面不可のサイズであることが判定された場合に、手動で両面画像形成を行う第1のモードか、手動で両面画像形成を行わずに画像形成可能なサイズの記録シートが給紙口に再設定されるまで待つ第2のモードかを指示する指示手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、前記指示手段により前記第2モードが指示されたとき、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、強制的に第1のモードで画像形成を実行させる制御手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第2の手段において、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、強制的に第1のモードで画像形成を実行させるか否かを選択する第1の選択手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段において、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合に第1のモードに遷移した後、直ぐに手動で両面画像を形成を行うか否かを選択する第2の選択手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有する画像形成装置において、記録シートのサイズが自動両面不可のサイズである記録シートの第1面に手動で記録シートの両面に画像を形成するモードで画像形成後、第2面の画像形成のために記録シートのセット要求指示後、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせる制御手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第5の手段において、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせるか否かを選択する第3の選択手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第5または第6の手段において、前記所定時間を変更する時間変更手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
第8の手段は、第1または第5の手段において、前記自動両面不可のサイズが両面モード時に記録シートを反転させる反転経路の経路長よりも長いサイズであることを特徴とする。
【0013】
第9の手段は、第1または第5の手段において、手動で両面画像形成を行わずに画像形成可能なサイズの記録シートが給紙口に再設定されるまで待つ旨のメッセージを表示する表示手段と、前記メッセージにおいて待つ旨を確認する確認手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
第10の手段は、記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有し、設定されたモードに応じた画像形成を行う画像形成方法において、前記両面モードで片面に対して印刷要求があったときに前記記録シートのサイズが自動的に両面モードを実行することができるか否かを判定する第1の工程と、前記第1の工程で否と判定されたとき、自動的に両面モードを実行することができるサイズの記録シートが給紙口にセットされるまで待つ第2の工程とを含んでいることを特徴とする。
【0015】
第11の手段は、第10の手段は、前記第2の工程で、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、強制的に手動で両面モードを実行させる第3の工程をさらに含んでいることを特徴とする。
【0016】
第12の手段は、第11の手段において、強制的に手動で両面モードを実行させる第3の工程で、両面モードを実行する際に、直ぐに手動で両面画像を形成を行うか否かを選択する第4の工程をさらに含んでいることを特徴とする。
【0017】
第13の手段は、記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有し、設定されたモードに応じた画像形成を行う画像形成方法において、記録シートのサイズが自動両面不可のサイズである記録シートの第1面に手動で記録シートの両面に画像を形成するモードで画像形成後、第2面の画像形成のために記録シートのセット要求指示後、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせる第5の工程を含んでいることを特徴とする。
【0018】
第14の手段は、第13の手段において、前記第5の工程で所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせるか否かを選択する第6の工程をさらに含んでいることを特徴とする。
【0019】
第15の手段は、第10ないし第14のいずれかの手段に係る画像形成方法の各工程をコンピュータによって実行させる手順をコンピュータプログラムが備えていることを特徴とする。
【0020】
第16の手段は、第15の手段に係るコンピュータプログラムがコンピュータによって読み込まれ実行可能に記録媒体に記録されていることを特徴とする。
【0021】
後述の実施形態において、指示手段はステップS603及びS604に、第2の手段における制御手段はステップS704及びS707に、第1の選択手段はステップS807に、第2の選択手段はステップS807、ステップS808、ステップS813に、第5の手段おける制御手段はステップS914及びS915に、第3の選択手段はステップS1014に、第1の工程はステップS604に、第2の工程はステップS603に、第3の工程はステップS704、S707に、第4の工程はステップS807、S808、S813に、第5の工程はステップS914及びS915に、第6の工程はS1014、ステップS1015及びステップS1017にそれぞれ対応し、これらの機能はコントローラ100、コントローラ100内のコントローラCPU101、このコントローラCPUを作動させるプログラム、DIPSW1,2,3によって実現される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、両面印刷機構を有する画像形成装置において自動両面印刷不可のサイズでも、印刷拒否するのではなく、給紙口に設定可能なサイズがあれば、手動による両面印刷が可能であることをユーザに認識させ、その印刷手順を指示することができるので、不定形サイズの両面印刷を実現し、さらに手動両面を操作したくないユーザには、手動両面設定モードでならないモードを用意することにより、ユーザの要望に応じた使用方法のバリエーションを増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0024】
〈第1の実施形態〉
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施の形態における全体のユニット構成を示す図、図2は図1の各ユニットにおける記録紙の搬送経路を示す図、図3は図1の画像形成装置における制御ブロック図である。この実施の形態においては、画像形成装置はレーザプリンタの場合を例にとっている。
【0025】
レーザプリンタは、画像形成の書き込み、現像、定着制御といった一連の書き込みと基本通紙を行う本体ユニット1、両面印刷を行うため転写紙を反転させる両面ユニット2、排紙部を複数、この実施の形態では3ビンの排紙部を有するメイルボックスユニット3、排紙した転写紙をシフトしたりステープルする後処理用のフィニッシャユニット4の4つのユニットから構成されている。本体ユニット1は、転写紙が収容されている給紙ユニット1−1、給紙を転写部に送り出すタイミングを調整するレジストユニット1−2、転写紙に現像された画像を定着する定着ユニット1−3を備えている。
【0026】
本体ユニット1の給紙ユニット1−1は、第1給紙カセット(図示しない)から転写紙を引き出す第1給紙ローラR1と第2給紙カセット(図示しない)から転写紙を引き出す第1給紙ローラR2を有している。レジストユニット1−2は、転写紙の有無を検知するレジストセンサS1と転写紙を転写部に送り出すタイミングを調整するレジストローラ対R3を有している。定着ユニット1−3は、現像剤を転写紙に固着させるための定着ローラ対R5を有している。本体ユニット1は、光走査装置である光学系ユニット1−5からの画像信号としてのレーザ光が照射されて静電潜像が形成される像担持体である感光体ドラムと顕像化された感光体ドラム上の画像を転写紙に転写する転写ローラとで構成される感光体ユニットR4、感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像器G1、転写紙上に転写された画像を定着する定着ローラ対R5を有している。
【0027】
本体ユニット1は更に、定着ローラR5からの転写紙をフィニッシャユニット4に送り出すように切り替える第1分岐切り替えソレノイドP1、この第1分岐切り替えソレノイドP1を通った転写紙をフィニッシャユニット4に送り出す排紙ローラ対R6、中継搬送ローラ対R8,R9、第1分岐切り替えソレノイドP1からの転写紙を両面ユニット2に送り出すための第2分岐切り替えソレノイドP2、この第2分岐切り替えソレノイドP2を通った転写紙を両面ユニット2に送り出す分岐排紙ローラ対R12、メイルボックスユニット3に送り出す分岐排紙ローラ対R7、分岐センサS3、中継センサS4を有している。第1及び第2分岐切り替えソレノイドP1,P2は、第1分岐切り替えソレノイドP1がオフで、転写紙の排紙先はフィニッシャユニット4方向に、第1分岐切り替えソレノイドP1がオンで第2分岐切り替えソレノイドP2がオフの場合は、転写紙はメイルボックスユニット3方向に、第1及び第2分岐切り替えソレノイドP1,P2がともにオンの場合は、転写紙は両面ユニット2方向に排紙される。
【0028】
両面ユニット2には、両面反転切り替えソレノイドP3、両面入口センサS5、両面出口センサS6、両面反転ローラ対R13,R14、両面搬送ローラ対R16,R17を有している。本体ユニット1の分岐排紙ローラ対R12を通って両面ユニット2に搬送された転写紙は、両面反転切り替えソレノイドP3がオフの時に両面反転ローラ対R13,R14に送り出される。転写紙を反転させる場合は、転写紙の後端が矢印で示す反転位置まで達した時点で、両面反転切り替えソレノイドP3をオンにする。これにより、転写紙は両面搬送ローラ対R16,R17を通ってレジストローラ対R3に後端から戻される。転写紙の後端が両面出口センサS6により検知されると、両面反転切り替えソレノイドP3はオフとなる。
【0029】
メイルボックス3は、3つの排紙口1,2,3を備え、メイルボックスス1ビン排紙ローラ対R19を介して排紙口1に転写紙を送り出すためのメイルボックス排紙切り替え第1ソレノイドP4、メイルボックスス2ビン排紙ローラ対R20を介して排紙口2に転写紙を送り出すためのメイルボックス排紙切り替え第2ソレノイドP5、メイルボックス排紙切り替え第2ソレノイドP5から排紙口3に転写紙を送り出すメイルボックス搬送ローラ対R18、メイルボックスス3ビン排紙ローラ対R21を有している。転写紙の排紙先は、メイルボックス排紙切り替え第1ソレノイドP4がオンで、排紙口1方向となり、メイルボックス排紙切り替え第1ソレノイドP4がオフで、メイルボックス排紙切り替え第2ソレノイドP5がオンのときに排紙口2方向となる。そして、メイルボックス排紙切り替え第1ソレノイドP4とメイルボックス排紙切り替え第2ソレノイドP5がともにオフの場合に、排紙口3方向となる。なお、S13,S14,S15はそれぞれメールボックスの格段のメールの有無を検知するための紙有無センサ、S16,S17,S18はそれぞれのメールボックスへの排紙を検知する排紙センサである。
【0030】
フィニシャーユニット4は、排紙口4を備え、中継搬送ローラ対R9からの転写紙を受け取るフィニッシャ入口ローラ対R10、このフィニッシャ入口ローラ対R10からの転写紙を検知するフィニッシャ入口センサS8、排出口4に転写紙を送り出すフィニッシャ出口ローラ対R11、このフィニッシャ出口ローラ対R11に搬送される転写紙を検知する排紙口4センサS9とを有している。排紙口4にはフィニシャーに転写紙があるか否を検知するフィニシャー紙有無センサS10と、フィニッシャに転写紙が一杯になったことを検知するフィニシャー満杯センサS11が設けられている。
【0031】
図2において、プリンタの動作を簡単に説明すると、給紙ユニット1−1の給紙トレイから給紙ローラ対R1またはR2により給紙を始め、転写紙はレジストセンサS1で一旦停止する。光学系ユニット1−5からレーザ光を感光体ユニットR4の感光体ドラムに*部で照射し、照射部分と非照射部分に電位差を生じさせ、この電位差から現像器G1でトナーの均等に付着した現像ローラ上のトナーを上記感光体ドラムに載せて現像を行なう。一方、レジストセンサS1で停止している転写紙に感光体ユニットR4に書き込まれた画像を転写部で転写するタイミングをとって再スタートする。そして転写後、感光体ユニットR4はクリーニングユニット(図示しない)で残ったトナーを除去される。また、転写紙は定着ローラ対R5で熱と圧力により転写後の定着を行ない、以後、所定のソレノイド及びセンサのタイミングにより、いずれかの排紙トレイへ排紙される。また定着以後の排紙先を両面ユニット2へ排紙反転給紙することにより両面印刷が可能となる。
【0032】
上述したプリンタにおける制御ブロックは、図3に示すように、大別すると、ホストマシンとのインターフェイス制御、画像データの編集、制御を行うコントローラ100と、機械制御、書込み、通紙の制御、プリンタの状態監視等を行うプリンタエンジン200とから構成されている。コントローラ100には、プリンタのステータス表示、モード、印刷条件等を変更するためのスイッチ部や後述のような表示を行う表示部などを備えたオペレーションパネル130や、特殊文字等を記憶したフォントカートリッジ150が接続されている。
【0033】
コントローラ100は、その時設定されている制御モードおよびホストマシン120からの制御コードに従ってホストマシン120からの印字データをビデオデータに変換してプリンタエンジン200へ出力する制御機構の総称で以下のようなモジュールで構成される。すなわち、コントローラCPU101、RAM102、オプションRAM103、プログラムROM104、フォントROM105、ホストインターフェイス106、パネルインターフェイス107、エンジンインターフェイス108を少なくともその要素として構成されている。CPU101は、本コントローラ100の全体の制御を司る汎用CPUで構成し得る制御プロセッサで、プログラムROM104のプログラム内容に従ってデータ処理をするとともに、蓄積データやデータフローの管理、蓄積ジョブの管理等も行う。RAM102はCPU101のワーク領域、ホストマシン120からのデータ受信バッファ、また処理後のイメージ展開領域に使用される。オプションRAM103はその他処理に必要なデータあるいはオプション140のためのデータを記憶するRAMである。プログラムROM104はプログラムを保持しているメモリであり、フォントROM105は印字の時に使用される数種の書体を保持しているメモリである。
【0034】
ホストインターフェイス106はホストマシン120とコントローラ100との間でデータの授受を行うためのものであり、パネルインターフェイス107はオペレーションパネル130への表示やキー操作の受付処理を行う。エンジンインターフェイス108はコントローラ100とプリンタエンジン200への制御信号とエンジン200からコントローラ100へのステータス信号を送受信したり、コントローラ100で展開した画像データを実際にプリンタエンジン200で印刷出力するためのインターフェイスである。
【0035】
プリンタエンジン200は、エンジンCPU201、エンジンプログラムを常駐するエンジンROM202、バッファレジスタの機能を持つRAM203、メンテナンスのサイクルを記録する読み書き可能なEEPROM204、オプション140の割り込み状態を制御する第1割り込み回路205、コントローラ100からの割り込み状態を制御する第2割込み回路206、ディップスイッチ207や各センサ208やその他の入力部209などの入力を制御する入力ポート210、各モータ211や各クラッチ212や各高圧プロセス213やその他の出力部214などへの出力を制御する出力ポート215、オプションインターフェイス216、コントローラインターフェイス217、フラッシュROM218等を少なくともその要素として構成されている。160は、例えばプロセスカートリッジのような交換ユニットで、この交換ユニットにはそのユニットの製造番号や製造日等の情報が記憶されたEEPROM161が設けられている。
【0036】
なお、前記コントローラCPU101はプログラムROM104に書き込まれたプログラムをRAM102をワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。また、プログラムデータは前記プログラムROM104に代えて、あるいは加えてネットワークを介してサーバから、あるいはCD−ROM、SDカードなどの記録媒体から記録媒体駆動装置を介して図示しないハードディスク装置などの記憶媒体にダウンローラされ、あるいはバージョンアップされて使用することもできる。
【0037】
上述したプリンタの全体制御手順は図4に示すようになる。図4は画像形成装置の全体制御を説明するフローチャートである。電源をオンした後、各状態の初期設定すなわちシステム・イニシャライズを行い(ステップS401)、プリンタ(以下、エンジンと称する)の状態をチェックするエンジンステータス・チェック・タスクを行う(ステップS402)。ついで、給紙命令の受信、解像度設定要求の受信、給紙口、排紙口の切り替え要求の受信等エンジン200とコントローラ100のインターフェース制御であるエンジン〜コントローラ・インターフェイス・タスクを行い(ステップS403)、メンテナンス発生要求やエラー発生等のエンジン自身の内部状態をチェックする制御や、通紙タイミングや高圧のオン、オフ等のシーケンス制御を行なうエンジン〜オプション・インターフェイ・タスクを行い(ステップS404)、次にプリントされる紙の情報を管理するキュー・タスクを行い(ステップS405)、最後にプリント状態をコントロールするプリントコントロールタスクを行う(ステップS406)。プリントコントロールタスクを終了したら、S402のエンジンステータスチェックに戻り、以降これを繰り返す。
【0038】
一方、メインシーケンスとは独立して各処理を行なうための時間監視、制御のために割り込みモジュールを持っている。図5は割り込み処理を行う場合の制御手順を説明するフローチャートである。割り込み制御は、電源をオンした後、割り込みチェックか否かをチェックし(ステップS501)、割り込みの場合は、割り込み処理を行う(ステップS502)。割り込みではない場合は、割り込み処理を行わずリターンとなる。これはエンジン200のCPU201が設定した所定時間ごとにこのルーチンに入り、必要な処理を行なう。
【0039】
図6は第1の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う場合の制御手順を説明するフローチャートである。第1の実施形態は、手動両面を行う指示をするか、手動両面を行わずに印刷可能な紙サイズの用紙が給紙口に再設定されるまで待ち状態の制御を行うようになっている。
【0040】
すなわち、この処理手順では、まず、印刷要求があるのか否かをチェックし(ステップS601)、印刷要求を受信した場合は、両面モードにおける片面印刷か否かをチェックする(ステップS602)。両面モードであれば、設定給紙口にセットされた用紙の紙サイズが両面自動印刷可能サイズかどうかを確認し(ステップS603)、両面自動印刷不可のサイズであると判断された場合、ディップスイッチ1(以下、DIPSW1と称する)の状態をチェックする(ステップS604)。DIPSW1がオフの場合、紙サイズが自動両面可能なサイズがセットされるまで待ち状態になる。DIPSW1がオンの場合は、印刷モードを両面印刷モードから片面表面印刷モードに変更し(ステップS605)、オペレーションパネル130の表示部(図示しない)に「手動での両面印刷の表面印刷実行待ち」を表示し、ユーザの手動印刷許可通知を待つ(ステップS606)。ユーザからの手動印刷許可通知、例えば、許可の場合コピーボタンを押すような操作を受信したか否かをチェックし(ステップS607)、受信した場合は片面モードにて表面印刷を実行し(ステップS608)、表面の印刷完了を待つ。
【0041】
表面の印刷が完了したら(ステップS609)、裏面印刷のために表面印刷の排紙完了した用紙を給紙口にセットすることを要求するメッセージを表示部に表示し、確認を待つ(ステップS610)。裏面印刷用の紙がユーザによりセットされ、セット完了のトリガとして操作部のコピーボタンを押下したか否かをチェックし(ステップS611)、セット完了の通知を受けた場合、片面モードにより裏面印刷を開始し(ステップS612)、裏面印刷を完了させ(ステップS613)、その後、手動両面印刷完了する(ステップS614)。一方、ステップS602で両面モードではない場合、通常の簡単印刷モードで印刷を行い(ステップS615)、終了する。また、ステップS603で転写紙のサイズが自動両面印刷が不可の場合も、通常の両面印刷モードで印刷を行い(ステップS616)、終了する。
【0042】
両面印刷時に転写紙が通る経路は、まず表面の経路では、給紙は図2の上部に位置する第1給紙カセット(図示しない)とした場合、第1給紙ローラR1からレジストセンサS1、レジストローラ対R3、プロセス系である感光体ユニットR4と定着ローラ対R5を通過して表面を印刷し、その後第1分岐切り替えソレノイドP1と第2分岐切り替えソレノイドP2の切り替えにより、分岐排紙ローラ対R12へ進む。転写紙の後端が両面入口センサS5を抜け、両面反転切り替えソレノイドP3に達した時点で一旦停止し、ここから転写紙をスイッチバックして 両面搬送ローラ対R16から両面搬送ローラ対R17方向へ通紙し、両面出口センサS6に達した時点で転写紙を一旦停止する。これで表面印刷が終了し、裏面印刷待ちとなる。
【0043】
転写紙の裏面印刷時の経路は、両面出口センサS6で待機している転写紙を再スタートし、両面出口センサS6からレジストセンサS1、感光体ユニットR4、定着ローラ対R5を通過して裏面を印刷する。その後は、第1分岐切り替えソレノイドP1の切り替えにより排紙ローラ対R6、中継搬送ローラ対R8,R9を通り本体から排紙され、フィニッシャユニット4のフィニッシャ入口ローラ対R10に送り出される。フィニッシャ入口ローラ対R10からの転写紙は、フィニッシャ出口ローラ対R11を通り排出口4から排紙され、裏面印刷を終了する。
【0044】
片面印刷時に紙が通る経路は、両面印刷と同様に給紙は図2の上部に位置する第1給紙カセット(図示しない)とすると、第1給紙ローラR1からレジストセンサS1、レジストローラ対R3、プロセス系である感光体ユニットR4と定着ローラ対R5を通過して表面を印刷し、第1分岐切り替えソレノイドP1と第2分岐切り替えソレノイドP2の切り替えにより分岐排紙ローラ対R12以外の方向すなわち本体排紙やメイルボックスユニット3へ進み、排紙は完了する。
【0045】
上述した第1の実施形態では、片面モードに切り替えるので、この片面印刷の経路を2回通紙することになる。
【0046】
このように、第1の実施形態では両面印刷機構を有するプリンタにおいて、自動両面印刷不可のサイズでも印刷拒否するのではなく、給紙口に設定可能なサイズであれば、手動による両面印刷が可能であることをユーザに認識させ、印刷手順を指示することにより不定形サイズの両面印刷を実現し、さらに手動両面を操作したくないユーザには、手動両面設定モードでならないモードを用意することにより、ユーザの要望に応じた使用方法のバリエーションを増やすことができる。なお、給紙口は用紙を給紙できる箇所であれば、第1あるいは第2給紙ローラR1,R2(給紙トレイ)が、あるいは図示しない手差し給紙口(手差しトレイ)が使用される。
【0047】
〈第2の実施形態〉
図7は第2の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う制御手順を示すフローチャートである。
上述した第1の実施形態では、DIPSW1を手動両面印刷が可能か不可能を判断する手段とし、そのオンオフ状態で判断しているが、ユーザまたはユーザの使用環境によっては、転写紙のサイズが異なっても手動印刷を全く受け付けなくする制御では困る場合がある。そこでこの第2の実施形態では、一旦は、手動両面モードを拒否しても所定時間以上経過した場合はタイムアウト機能を有することにより、手動両面モードに切り替わるようにしている。
【0048】
この処理では、まず印刷要求があるか否かをチェックし(ステップS701)、印刷要求がある場合は、両面モードにおける片面印刷か否かをチェックする(ステップS702)。両面モードであれば、設定給紙口にセットされた紙サイズが両面自動印刷可能サイズかどうかを確認し(ステップS703)、両面自動印刷不可のサイズと判断した場合、自動両面モードを拒否した時点から所定時間を計測するカウンタをC$RMTとして、仮に所定時間をC@10とすると、ここでカウント値C$RMTがC@10よりも大きいかチェックし(ステップS704)、C$RMT<C@10であれば、DIPSW1をチェックする(ステップS705)。DIPSW1がオフであれば手動両面モードが拒否されているためC$RMTをインクリメント(+1)し(ステップS706)、ステップS703に戻る。所定時間経過後、C$RMT≧C@10になった場合、手動両面印刷拒否から所定時間経過したと判断し、C$RMTをクリアし(ステップS707)、DIPSW1がオンの場合とともに、印刷モードを両面印刷モードから片面表面印刷モードに変更し(ステップS708)、オペレーションパネル130の表示部に「手動での両面印刷の表面印刷実行待ち」を表示し、ユーザの手動印刷許可通知を待つ(ステップS709)。
【0049】
次いで、ユーザからの手動印刷許可通知を受信したか否かをチェックし(ステップS710)、受信した場合は片面モードにて表面印刷を実行し(ステップS711)、表面の印刷が完了したら(ステップS712)、表示部に裏面印刷のために表面印刷の排紙完了した紙を給紙口にセットすることを要求するメッセージを表示し確認を待つ(ステップS713)。裏面印刷用の紙がユーザによりセットされ、セット完了のトリガとして操作部のコピーボタンを押下したか否かをチェックし(ステップS714)、セット完了の通知を受けた場合、片面モードにより裏面印刷を開始し(ステップS715)、裏面印刷を完了させ(ステップS716)、その後手動両面印刷完了する(ステップS717)。
【0050】
一方、ステップS702で両面モードではない場合、通常の簡単印刷モードで印刷を行い(ステップS718)、C$RMTをクリアし(ステップS720)、終了する。また、ステップS703で転写紙のサイズが自動両面印刷不可の場合も、通常の両面印刷モードで印刷を行い(ステップS719)、ステップS720に進む。
【0051】
このように第2の実施形態では、自動両面印刷が不可の転写紙がセットされている場合、手動両面モードでない場合、正しい転写紙紙が設定されるまで印刷要求を待たせているが、待たせることによりマルチアプリ等の使用方法で他の印刷要求が受け付けることができなるため、ある程度時間が経過したところで、待ち状態の印刷要求をキャンセルし、他の印刷の妨げになることを防止することができる。
【0052】
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
【0053】
〈第3の実施形態〉
図8は第3の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う制御手順を示すフローチャートである。
この第3の実施形態は上述した第2の実施形態の動作に加えて、手動両面モード拒否から指定時間経過し、手動両面モード可能状態に遷移後、すぐに手動両面の表面印刷を開始するか、ユーザからの判断を待って印刷を開始するかを識別する機能を有する。この第3の実施形態では第1および第2の実施形態のディップスイッチ(DIPSW1)に加えて第2のディップスイッチ(DIPSW2)を設けている。
【0054】
最初に、印刷要求があるか否かをチェックし(ステップS801)、印刷要求がある場合は、両面モードにおける片面印刷か否かをチェックする(ステップS802)。両面モードであれば、設定給紙口にセットされた紙サイズが両面自動印刷可能サイズかどうかを確認し(ステップS803)、両面自動印刷不可のサイズと判断した場合、自動両面モードを拒否した時点から所定時間を計測するカウンタをC$RMTとして、仮に所定時間をC@10とすると、ここでC$RMTがC@10よりも大きいかチェックし(ステップS804)、C$RMT<C@10であれば、DIPSW1をチェックする(ステップS805)。DIPSW1がオフであれば手動両面モードが拒否されているためC$RMTをインクリメント(+1)し(ステップS806)、ステップS803に戻る。C$RMT≧C@10の場合は、DIPSW2をチェックし(ステップS807)、DIPSW2がオフの場合はC$RMTをクリアし(ステップS808)、DIPSW1がオンの場合とともに、印刷モードを両面印刷モードから片面表面印刷モードに変更し(ステップS809)、オペレーションパネル130の表示部に「手動での両面印刷の表面印刷実行待ち」を表示し、ユーザの手動印刷許可通知を待つ(ステップS810)。
【0055】
次いで、ユーザからの手動印刷許可通知を受信したか否かをチェックし(ステップS811)、受信した場合は片面モードにて表面印刷を実行し(ステップS812)、表面の印刷が完了したら(ステップS814)手動両面印刷のために給紙口に裏面セット指示のメッセージを表示し、確認を待つ(ステップS815)。裏面印刷用の紙がユーザによりセットされ、セット完了のトリガとして操作部のコピーボタンを押下したか否かをチェックし(ステップS816)、セット完了の通知を受けた場合、片面モードにより裏面印刷を開始し(ステップS817)、裏面印刷を完了させ(ステップS818)、その後、手動両面印刷完了する(ステップS819)。また、ステップS807において、DIPSW2がオンの場合は、C$RMTをクリアし(ステップS813)、ステップSS812に進む。
【0056】
一方、ステップS802で両面モードではない場合、通常の簡単印刷モードで印刷を行い(ステップS820)、C$RMTをクリアし(ステップS822)、終了する。また、ステップS803で転写紙のサイズが 自動両面印刷が付加の場合も、通常の両面印刷モードで印刷を行い(ステップS821)、ステップS822に進む。
【0057】
上述第2の実施形態では印刷要求待ちモードで実際に待ちになった場合でもユーザによっては、印刷要求を絶対クリアされては困る場合があるが、この第3の実施形態では、手動両面モード拒否から指定時間経過し、手動両面モード可能状態に遷移後、DIPSW2のオンオフ状態をチェックし(ステップS807)、DIPSW2がオフならば、C$RMTをクリアし(ステップS808)、手動両面印刷モードに切り替え(ステップS809)、ユーザからの印刷許可を待ち、DIPSW2がオンであれば、C$RMTをクリアし(ステップS813)、ユーザからの印刷許可を待たずに手動両面印刷を開始する(ステップS812)ことである。これにより、よりはやく印刷許可を可能とすることができ、より次印刷要求の待ち時間を減らすことができる。
【0058】
このように、印刷要求待ちモードで実際に待ちになった場合でも、ユーザによっては印刷要求を絶対クリアされては困る場合があり、こうしたユーザ用にタイムアウト無しの印刷要求待ちモードを設定可能とすることにより、より多くのユーザのニーズに対応可能となる。
【0059】
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
【0060】
〈第4の実施形態〉
図9は第4の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う制御手順を示すフローチャートである。
手動両面モードになり片面印刷終了後、裏面印刷待ち状態になった場合、裏面紙の設定がない場合、他の印刷要求があっても待ち状態になり続けてしまう。そこで、この第4の実施形態では、ある程度のところで、現状給紙段にセットされている表面用の紙から裏面に印刷予定だったデータを次の紙の表面に印刷し、他のデータの待ち状態を解除することにより印刷停止の状態をできるだけ早く解除するようにしている。
【0061】
上述した各実施形態と同様に、まず、印刷要求があるか否かをチェックする(ステップS901)。印刷要求がある場合は、両面モードにおける片面印刷か否かをチェックし(ステップS902)、両面モードであれば、設定給紙口にセットされた紙サイズが両面自動印刷可能サイズかどうかを確認し(ステップS903)、両面自動印刷不可のサイズと判断した場合、DIPSW1の状態をチェックする(ステップS904)。DIPSW1がオフの場合、転写紙のサイズが自動両面可能なサイズがセットされるまで待ち状態になる。DIPSW1がオンの場合は、印刷モードを両面印刷モードから片面表面印刷モードに変更し(ステップS905)、オペレーションパネル130の表示部に「手動での両面印刷の表面印刷実行待ち」を表示し、ユーザの手動印刷許可通知を待つ(ステップS906)。ユーザからの手動印刷許可通知、例えば、許可の場合コピーボタンを押すような操作を受信したか否かをチェックし(ステップS907)、受信した場合は片面モードにて表面印刷を実行し(ステップS908)、表面の印刷完了を待つ。
【0062】
表面の印刷が完了したら(ステップS909)、表示部に裏面印刷のために表面印刷の排紙完了した紙を給紙口にセットすることを要求するメッセージを表示し確認を待つ(ステップS910)。裏面印刷用の紙がユーザによりセットされ、セット完了のトリガとして操作部のコピーボタンを押下したか否かをチェックし(ステップS911)、セット完了の通知を受けない場合は、手動裏面印刷のための転写紙のセット待ち時間用カウンタでもあるC$RMTをインクリメント(+1)し(ステップS912)、C$RMTがC@10よりも大きいか否かをチェックし(ステップS913)、C$RMT>C@10であれば、C$RMTをクリアし(ステップS914)、片面モードで裏面の内容を次の転写紙の表面に印刷し(ステップS915)、終了する。すなわち手動両面で2頁を1枚に印刷するのではなく、片面モードで2枚に印刷することになる。また、ステップS913において、C$RMT≦C@10の場合はステップS911に戻る。
【0063】
また、ステップS911において、裏面紙のセット完了通知を受信した場合は、片面モードにより裏面印刷を開始し(ステップS916)、裏面印刷を完了させ(ステップS917)、その後手動両面印刷完了する(ステップS618)。一方、ステップS902で両面モードではない場合、通常の簡単印刷モードで印刷を行い(ステップS919)、終了する。また、ステップS903で転写紙のサイズが自動両面印刷が可能な場合も、通常の両面印刷モードで印刷を行い(ステップS920)、終了する。
【0064】
このように第4の実施形態では、手動両面モードになり片面印刷終了後、裏面印刷待ち状態になった場合、裏面紙の設定がない場合は他の印刷要求があっても待になりつづける状態になる野を改良し、ある程度のところで、現状給紙段にセットされている表面用の紙から裏面に印刷予定だったデータを次の紙の表面に印刷し、他のデータの待ち状態を解除することにより、印刷停止の状態をできるだけ早く解除している。
【0065】
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
【0066】
〈第5の実施形態〉
図10は第5の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う制御手順を示すフローチャートである。
この第5の実施形態は、裏面印刷待ち状態になった場合、ユーザにより裏面セットされるまで待たせるか、途中でキャンセルするかを選択肢をふやすことにより、よりユーザの好みの設定に対応可能にしている。この第5の実施形態では、裏面印刷セット待ちのタイムアウトを行うか行わないかの判断を第3のディップスイッチであるDIPSW3を設け、このスイッチのオンオフ状態で決定している。
【0067】
最初に、印刷要求があるか否かをチェックし(ステップS1001)、印刷要求がある場合は両面モードにおける片面印刷か否かをチェックする(ステップS1002)。両面モードであれば、設定給紙口にセットされた紙サイズが両面自動印刷可能サイズかどうかを確認し(ステップS1003)、両面自動印刷不可のサイズと判断した場合、DIPSW1の状態をチェックし(ステップS1004)、DIPSW1がオフの場合は、転写紙のサイズが自動両面可能なサイズがセットされるまで待ち状態になる。DIPSW1がオンの場合は、印刷モードを両面印刷モードから片面表面印刷モードに変更し(ステップS1005)、オペレーションパネル130の表示部に「手動での両面印刷の表面印刷実行待ち」を表示し、ユーザの手動印刷許可通知を待つ(ステップS1006)。ユーザからの手動印刷許可通知、例えば、許可の場合コピーボタンを押すような操作を受信したか否かをチェックし(ステップS1007)、受信した場合は片面モードにて表面印刷を実行し(ステップS1008)、表面の印刷完了を待つ。
【0068】
表面の印刷が完了したら(ステップS1009)、表示部に裏面印刷のために表面印刷の排紙完了した紙を給紙口にセットすることを要求するメッセージを表示し確認を待つ(ステップS1010)。裏面印刷用の紙がユーザによりセットされ、セット完了のトリガとして操作部のコピーボタンを押下したか否かをチェックし(ステップS1011)、セット完了の通知を受けない場合は、手動裏面印刷のための転写紙のセット待ち時間用カウンタでもあるC$RMTをインクリメント(+1)し(ステップS1012)、C$RMTがC@10よりも大きいか否かをチェックし(ステップS1013)、C$RMT>C@10であれば、DIPSW3がオンであるかをチェックする(ステップS1014)。
【0069】
DIPSW3がオフの場合はC$RMTをクリアし(ステップS1015)、片面モードで裏面の内容を次の転写紙の表面に印刷し(ステップS1017)、終了する。また、ステップS1013において、C$RMT≦C@10の場合はステップS1011に戻り、ステップS1014においてDIPSW3がオンの場合はC$RMTをクリアし(ステップS1016)、ステップS1011に戻る。
【0070】
ステップS1011において、裏面紙のセット完了通知を受信した場合は、片面モードにより裏面印刷を開始し(ステップS1018)、裏面印刷を完了させ(ステップS1019)、その後手動両面印刷完了する(ステップS1020)。一方、ステップS1002で両面モードではない場合、通常の簡単印刷モードで印刷を行い(ステップS1021)、終了する。また、ステップS1003で転写紙のサイズが自動両面印刷が可能な場合も、通常の両面印刷モードで印刷を行い(ステップS1022)、終了する。
【0071】
このように、裏面印刷セット待ちのタイムアウトを行いか行わないかの判断を第3のディップスイッチであるDIPSW3のオンオフ状態で決定し、裏面設定の待ち時間C@10を超えてもDIPSW3がオンしている場合はカウンタC$DPXをクリアし、待ち続ける。このように、裏面印刷待ち状態になった場合、ユーザにより裏面セットされるまで待たせるか、途中でキャンセルするかを選択肢を持たせたので、よりユーザの好みの設定に対応可能となる。
【0072】
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
【0073】
〈裏面印刷開始待ち時の制御〉
図11は裏面印刷開始待ち時間の設定手順を説明するフローチャートである。すなわち、上述の第1ないし第5の実施形態のステップS603、S703、S803、S903及びS1003のステップにおいて、自動両面印刷が不可の紙がセットされている場合、手動両面モードでない場合、正しい紙が設定されるまで印刷要求を待たせるが、待たせることによりマルチアプリ等の使用方法で他の印刷要求が受け付けることができなくなる。そこで、ある程度時間が経過したところで、待ち状態の印刷要求をキャンセルし、他の印刷の妨げになることを防止し、さらにユーザの使用環境によりタイムアウトする時間を変更可能とすることにより、より適切な使用環境を実現するようにしている。
【0074】
裏面印刷開始待ち時間の設定は、第4及び第5のディップスイッチDIPSW4,5を設け、所定時間毎にポーリングするステータスタスクの一部でこれらDIPSW4,5ををチェックし、DIPSW4と5のオンオフの状態の組み合わせで、待ち時間C@10を変更するようにしている。この制御は、図11のフローチャートに示すように、まず、DIPSW4,5のオンオフ状態をチェックする(ステップSs1101)。ついで、DIPSW4,5のオンオフ状態の組み合わせから、待ち時間C@10を設定する(ステップS1102)。 2つディップスイッチによるオンオフの組み合わせは4種類となるので、それら組み合わせにより待ち時間C@10の設定を、DIPSW4,5がともにオフの場合は、待ち時間C@10は3分、DIPSW4がオフでDIPSW5がオン場合は、待ち時間C@10は6分、DIPSW4がオンでDIPSW5がオフ場合は、待ち時間C@10は9分、DIPSW4,5がともにオンの場合は、待ち時間C@10は12分とする。このようにして4種類の待ち時間を設定することができ、ある程度時間が経過したところで、待ち状態の印刷要求をキャンセルし他の印刷の妨げになることを防止するとともに、ユーザの使用環境によりタイムアウトする時間を変更させることができるので、より適切な使用環境を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態における全体のユニット構成を示す図である。
【図2】図1の各ユニットにおける記録紙の搬送経路を示す図である。
【図3】図1の画像形成装置における制御ブロック図である。
【図4】画像形成装置の全体制御を説明するフローチャートである。
【図5】割り込み処理を行う場合の制御手順を説明するフローチャートである。
【図6】第1の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う場合を説明するフローチャートである。
【図7】第2の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う場合を説明するフローチャートである。
【図8】第3の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う場合を説明するフローチャートである。
【図9】第4の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う場合を説明するフローチャートである。
【図10】第5の実施形態において両面手動に切替えて印刷を行う場合を説明するフローチャートである。
【図11】裏面印刷開始待ち時間の設定手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 本体ユニット
2 両面ユニット
3 メイルボックスユニット
4 フィニッシャユニット
100 コントローラ
200 プリンタエンジン
130 オペレーションパネル
101 コントローラCPU
102 RAM
104 プログラムROM
201 エンジンCPU
202 エンジンROM
205 第1割り込み回路
206 第2割込み回路
207 ディップスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有する画像形成装置において、
両面モードで第1面の画像形成を行っているときに、前記記録シートのサイズが自動両面不可のサイズであることが判定された場合に、手動で両面画像形成を行う第1のモードか、手動で両面画像形成を行わずに画像形成可能なサイズの記録シートが給紙口に再設定されるまで待つ第2のモードかを指示する指示手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記指示手段により前記第2モードが指示されたとき、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、強制的に第1のモードで画像形成を実行させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、強制的に第1のモードで画像形成を実行させるか否かを選択する第1の選択手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合に第1のモードに遷移した後、直ぐに手動で両面画像を形成を行うか否かを選択する第2の選択手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有する画像形成装置において、
記録シートのサイズが自動両面不可のサイズである記録シートの第1面に手動で記録シートの両面に画像を形成するモードで画像形成後、第2面の画像形成のために記録シートのセット要求指示後、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせる制御手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせるか否かを選択する第3の選択手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記所定時間を変更する時間変更手段を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記自動両面不可のサイズが両面モード時に記録シートを反転させる反転経路の経路長よりも長いサイズであることを特徴とする請求項1または5記載の画像形成装置。
【請求項9】
手動で両面画像形成を行わずに画像形成可能なサイズの記録シートが給紙口に再設定されるまで待つ旨のメッセージを表示する表示手段と、
前記メッセージにおいて待つ旨を確認する確認手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1または5記載の画像形成装置。
【請求項10】
記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有し、設定されたモードに応じた画像形成を行う画像形成方法において、
前記両面モードで片面に対して印刷要求があったときに前記記録シートのサイズが自動的に両面モードを実行することができるか否かを判定する第1の工程と、
前記第1の工程で否と判定されたとき、自動的に両面モードを実行することができるサイズの記録シートが給紙口にセットされるまで待つ第2の工程と、
を含んでいることを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
前記第2の工程で、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、強制的に手動で両面モードを実行させる第3の工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項10記載の画像形成方法。
【請求項12】
強制的に手動で両面モードを実行させる第3の工程で、両面モードを実行する際に、直ぐに手動で両面画像を形成を行うか否かを選択する第4の工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項11記載の画像形成方法。
【請求項13】
記録シートの片面に画像を形成する片面モードと両面に記録シートの両面に画像を形成する両面モードとを有し、設定されたモードに応じた画像形成を行う画像形成方法において、
記録シートのサイズが自動両面不可のサイズである記録シートの第1面に手動で記録シートの両面に画像を形成するモードで画像形成後、第2面の画像形成のために記録シートのセット要求指示後、所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせる第5の工程を含んでいることを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
前記第5の工程で所定時間経過しても印刷可能なサイズの記録シートが前記給紙口に再設定されなかった場合、前記給紙口にセットされている次の記録シートの第1面に片面モードで画像形成を行わせるか否かを選択する第6の工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項13記載の画像形成方法。
【請求項15】
請求項10ないし14の各工程をコンピュータによって実行させる手順を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のコンピュータプログラムがコンピュータによって読み込まれ実行可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−1207(P2006−1207A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181670(P2004−181670)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】