説明

画像形成装置、画像形成方法、プログラム、および、画像形成システム

【課題】環境負荷情報の算出精度を高めることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るカラー画像形成装置100は、現像装置と、現像装置によって形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写部と、転写部による転写時において転写媒体に転写されなかった未転写トナーを回収するクリーニング装置と、クリーニング装置によって回収された未転写トナーを現像装置へ搬送するトナーリサイクル機構と、未転写トナーの量を示す未転写トナー量を検出する未転写トナー量検出部と、総トナー量を算出する総トナー量算出部と、総トナー量算出部で算出された総トナー量と、未転写トナー量検出部で検出された未転写トナー量と、に基づいて消費トナー量を算出する消費トナー量算出部と、消費トナー量算出部で算出された消費トナー量から、CO2排出量を算出するCO2排出量算出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、プログラム、および、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品が生産されてから廃棄されるまでの過程で環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する技術が知られている。例えば特許文献1には、画像形成時の環境負荷情報を算出する画像形成装置が開示されている。より具体的には、特許文献1に開示された画像形成装置は、印刷条件と画像データのドット数とに基づいて、画像形成時に消費されたトナー量を算出し、その算出したトナー量からCO排出量(環境負荷情報)を算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、トナー像の転写時において転写媒体(例えば中間転写ベルトや記録紙)に転写されなかった未転写トナーの量を全く考慮せずに、画像形成時に消費されるトナー量を算出するので、環境負荷情報の算出精度が不十分であるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、環境負荷情報の算出精度を高めることができる画像形成装置、画像形成方法、プログラム、および、画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、トナー容器から搬出されるトナーを像担持体の表面に供給してトナー像を形成する現像部と、前記現像部によって形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写部と、前記転写部による転写時において前記転写媒体に転写されなかった未転写トナーを回収するクリーニング部と、前記クリーニング部によって回収された前記未転写トナーを前記現像部へ搬送するリサイクル部と、前記未転写トナーの量を示す未転写トナー量を検出する未転写トナー量検出部と、前記トナー容器から搬出されたトナーの量を示す総トナー量を算出する総トナー量算出部と、前記総トナー量算出部で算出された前記総トナー量と、前記未転写トナー量検出部で検出された前記未転写トナー量とに基づいて、前記トナー像の形成時に消費されたトナーの量を示す消費トナー量を算出する消費トナー量算出部と、前記消費トナー量算出部で算出された前記消費トナー量から、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する環境負荷情報算出部と、を備えることを特徴とする。また、本発明は、上記画像形成装置で実行される方法およびプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、総トナー量と、未転写トナー量とに基づいて、画像形成時に消費された消費トナー量を算出するので、環境負荷情報の算出精度を高めることができるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、カラー画像形成装置の概略構成例を示す図である。
【図2】図2は、画像形成部の構成の一例を示す模式図である。
【図3】図3は、トナーリサイクル機構の概略構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、カラー画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係るカラー画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係るカラー画像形成装置が実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2実施形態に係るカラー画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図8】図8は、第2実施形態に係るカラー画像形成装置が実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図10は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置が実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置の機能構成の変形の一例を示すブロック図である。
【図12】図12は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置がCO排出量算出処理の変形の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、第4実施形態に係るカラー画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図14】図14は、第4実施形態に係るカラー画像形成装置が実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第5実施形態に係る画像形成システムの一例を示す外観図である。
【図16】図16は、第5実施形態に係るDFEの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、画像形成方法、プログラム、および、画像形成システムの実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施形態におけるカラー画像形成装置は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する一般に複合機と称されるものである。また、詳しくは後述するが、以下の各実施形態におけるカラー画像形成装置は、画像形成時の環境負荷情報(ここではCO排出量)を表示可能である。
【0009】
<A:第1実施形態>
図1は、電子写真方式のカラー画像形成装置100の概略構成例を示す図である。図1に示すように、カラー画像形成装置100は、画像読取装置であるスキャナ部1と、画像形成部2とを有する。また、画像形成部2の下部には、本体給紙トレイ7、バンク給紙トレイ8が設けられている。さらに、カラー画像形成装置100の本体部には、手差しトレイ9が設けられている。
【0010】
スキャナ部1は、読み取り対象の原稿を読み取って画像データを生成する。より具体的には、スキャナ部1は、露光された原稿からの反射光を光電変換して信号処理を行うことにより、画像データを生成する。
【0011】
図2は、画像形成部2の構成の一例を示す模式図である。画像形成部2は、4つの感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kと、その各感光体ドラムの表面上に形成された潜像を互いに異なる色のトナー像にそれぞれ現像する複数の現像装置11Y,11M,11C,11Kと、露光装置15と、異なる色のトナー像がそれぞれ重ね合わされて転写(一次転写)される中間転写ベルト16とを有する。
【0012】
中間転写ベルト16は、無端状のベルトであり、駆動ローラ17とテンションローラ19の2軸によって支持されている。中間転写ベルト16の上部側には、ブラック(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色用の4個の感光体ドラム10が、中間転写ベルト16の回動方向Aに沿って順番に配置される。感光体ドラム10の周囲には、上述の現像装置11、帯電装置12、クリーニング装置13、および、一次転写装置を構成する一次転写ローラ14が配置される。また、感光体ドラム10の上方には、露光装置15が配置される。
【0013】
感光体ドラム10は、図2のB方向に回転するように駆動される。帯電装置12は、感光体ドラム10の表面を所定の極性に帯電する。そして、その帯電面には、露光装置15から出射されるレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。現像装置11は、不図示のトナー容器から搬出されるトナーを、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像に可視像化する。これにより、感光体ドラム10の表面にトナー像が形成される。
【0014】
各感光体ドラム10には、一次転写ローラ14がそれぞれ対向配置されている。中間転写ベルト16は、各一次転写ローラ14と感光体ドラム10との間に挟まれた状態で回動する。そして、一次転写ローラ14の作用によって、各感光体ドラム10の表面に形成されたトナー像が、中間転写ベルト16に転写(一次転写)される。このようにして、ブラック,シアン,マゼンタ,イエローのトナー像が、中間転写ベルト16上で正確に重ね合わされるように順次に転写されていき、フルカラーの合成カラー画像が形成される。一次転写後、中間転写ベルト16に転写されずに感光体ドラム10の表面に残留する未転写トナーは、クリーニング装置13で回収される。
【0015】
本実施形態では、クリーニング装置13によって回収された未転写トナーを現像装置11へ搬送するトナーリサイクル機構を備える。図3は、本実施形態のトナーリサイクル機構30の概略構成の一例を示す図である。図3に示すように、トナーリサイクル機構30は、リサイクルトナー回収容器31と、重量検出センサ32と、スクリュー33と、スクリュー34とを有する。スクリュー33および34の各々は、不図示の駆動モータによって回転駆動される。スクリュー33が回転駆動することにより、図2のクリーニング装置13で回収された未転写トナーがリサイクルトナー回収容器31へ搬送される。一方、スクリュー34が回転駆動することにより、リサイクルトナー回収容器31に回収されたリサイクルトナーが現像装置11へ搬送される。
【0016】
リサイクルトナー回収容器31は、不図示の台上に載置される。そして、リサイクルトナー回収容器31の底面には、例えばロードセルで構成された重量検出センサ32が取り付けられ、当該重量検出センサ32によってリサイクルトナー回収容器31の重量が検出される。なお、ここでは、重量検出センサ32でリサイクルトナー回収容器31の重量を測定しているが、これに限らず、例えばトナー濃度センサやトナー残量センサなどによって、リサイクルトナー回収容器31内のトナー量(未転写トナー量)を検出する構成であってもよい。
【0017】
再び図2に戻って説明を続ける。図2に示すように、中間転写ベルト16を挟んで、駆動ローラ17(二次転写対向ローラ)に対向して二次転写ローラ18が配置される。給紙トレイから記録媒体である記録紙Pが給紙されると、それがレジストローラ対22の回転によって所定のタイミングで、駆動ローラ17と二次転写ローラ18の間に送り込まれる。そして、二次転写ローラ18の作用によって、中間転写ベルト16に担持されている合成カラー画像が一括して記録紙Pに転写される。記録紙Pに転写されたトナー像は、定着装置23により熱と圧力で定着され、図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0018】
なお、ここでは、二次転写ローラを介して転写紙に転写する方式の例を示したが、これに限らず、記録紙Pに直接転写する方式の画像形成装置を用いてもよい。
【0019】
図4は、本実施形態に係るカラー画像形成装置100のハードウェア構成例を示す図である。図4に示すように、カラー画像形成装置100は、コントローラ40と、エンジン50と、操作表示部60とを備える。
【0020】
コントローラ40は、カラー画像形成装置100全体を制御する手段である。図4に示すように、コントローラ40は、コントローラ制御部41と、HDD42と、LAN_I/F部43と、画像処理部44とを備える。コントローラ制御部41は、CPUと、ROM、RAMおよびFIFOなどのCPU周辺を制御するASICと、インターフェィス回路とを含んで構成されるコンピュータである。コントローラ制御部41のCPUは、ROM等に格納された所定の制御プログラムを実行することにより、カラー画像形成装置100全体を制御する。HDD42は、画像データ等を記憶する手段である。LAN_I/F部43は、外部との通信を行う手段であり、例えば外部のPCから送信される印刷データ(画像データ)を受信可能である。画像処理部44は、コントローラ40に送られてきた画像データに対して画像処理を行う手段である。例えば画像処理部44は、外部のPCから受信した画像データに対して、ガンマ補正や変倍処理などの任意の画像処理を行う。
【0021】
図4に示すように、エンジン50は、エンジン制御部51と、スキャナ部1と、画像形成部2と、トナーリサイクル機構30とを備える。エンジン制御部51は、CPUと、ROM、RAMおよびFIFOなどのCPU周辺を制御するASICと、インターフェィス回路とを含んで構成されるコンピュータである。エンジン制御部51のCPUは、ROM等に格納された所定の制御プログラムを実行することにより、エンジン50全体を制御する。エンジン50は、コントローラ40の制御の下、コントローラ40から受信した画像データやスキャナ部1で読み取られた原稿の画像データを記録紙Pに転写する印刷動作(画像形成動作)を行う。
【0022】
操作表示部60は、カラー画像形成装置100の動作状況や状態を表示し、ユーザーからの操作入力を受け付ける手段である。図4に示すように、操作表示部60は、操作表示制御部61と、表示パネル62と、キーボード部63とを有する。操作表示制御部61は、CPUと、ROM、RAMおよびFIFOなどのCPU周辺を制御するASICと、インターフェィス回路とを含んで構成されるコンピュータである。操作表示部60のCPUは、ROM等に格納された所定の制御プログラムを実行することにより、操作表示部60全体を制御する。表示パネル62は、カラー画像形成装置100の動作状況や状態を表示するとともに、ユーザーからのタッチ入力を受け付けるための手段であり、例えば液晶型タッチパネルで構成される。また、キーボード部63は、操作者からのキー入力を受け付けるための手段である。
【0023】
上述のコントローラ制御部41、エンジン制御部51および操作表示制御部61は、それぞれ独立して動作可能(分散処理が可能)であり、各制御部間は、バスやシリアル等のI/Fで接続される。
【0024】
図5は、本実施形態に係るカラー画像形成装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示す機能ブロックは、上述のコントローラ制御部41、エンジン制御部51および操作表示制御部61の各々が、所定の制御プログラムを実行することによって実現される機能を示すものである。要するに、図5に示す機能ブロックは、本実施形態におけるプログラムが実行されることで実現する機能の一例を示すものである。図5に示すように、カラー画像形成装置100は、印刷要求受付部101と、重量測定部102と、スクリュー制御部103と、印刷部104と、総トナー量算出部105と、未転写トナー量検出部106と、消費トナー量算出部107と、CO排出量算出部108とを備える。
【0025】
印刷要求受付部101は、印刷要求をジョブ単位で受け付ける。「1ジョブ」とは、1つの命令で実行される一連の印刷動作を指す。重量測定部102は、リサイクルトナー回収容器31の重量を測定する。スクリュー制御部103は、スクリュー33,34の起動および停止を制御する。印刷部104は、印刷要求受付部101で受け付けた印刷要求に応じた印刷動作を実行する。総トナー量算出部105は、トナー容器から搬出されたトナー量を示す総トナー量を算出する。未転写トナー量検出部106は、リサイクルトナー回収容器31に回収された未転写トナーの量を示す未転写トナー量(リサイクルトナー量)を検出する。消費トナー量算出部107は、トナー像の形成時に消費された(転写媒体に転写された)トナー量を示す消費トナー量を算出する。CO排出量算出部108は、消費トナー量算出部107で算出された消費トナー量から、CO排出量を算出する。
【0026】
図6は、本実施形態に係るカラー画像形成装置100が、1ジョブごとに実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、まずステップS1では、印刷要求受付部101(図5参照)が、ジョブ単位の印刷要求を受け付けたか否かを判断する。印刷要求受付部101が印刷要求を受け付けた場合は、処理は次のステップS2に移行する。ステップS2では、重量測定部102(図5参照)が、リサイクルトナー回収容器31の重量を測定する。次のステップS3では、スクリュー制御部103(図5参照)がスクリュー33を起動する。
【0027】
次のステップS4では、印刷部104(図5参照)が、印刷要求受付部101で受け付けた印刷要求に応じた印刷動作を行う。印刷部104は印刷動作が完了したか否かを判断し(ステップS5)、印刷動作が完了したと判断した場合は、処理はステップS6に移行する。
【0028】
ステップS6では、総トナー量算出部105(図5参照)が総トナー量を算出する。より具体的には、総トナー量算出部105は、トナー容器からトナーを搬出するためのモータの回転数に基づいて、総トナー量を算出する。次のステップS7では、スクリュー制御部103がスクリュー33を停止する。次のステップS8では、重量測定部102が、リサイクルトナー回収容器31の重量を測定する。
【0029】
次のステップS9では、未転写トナー量検出部106(図5参照)が、未転写トナー量を検出する。より具体的には、未転写トナー量検出部106は、ステップS8で測定されたリサイクルトナー回収容器31の重量値と、ステップS2で測定されたリサイクルトナー回収容器31の重量値との差分値を、未転写トナー量として検出(算出)する。
【0030】
次のステップS10では、消費トナー量算出部107(図5参照)が、消費トナー量を算出する。より具体的には、消費トナー量算出部107は、ステップS6で算出された総トナー量と、ステップS9で検出(算出)された未転写トナー量との差分値を、消費トナー量として算出する。
【0031】
ステップS10の後、処理はステップS11に移行する。ステップS11では、CO排出量算出部108(図5参照)がCO排出量を算出する。より具体的には、CO排出量算出部108は、ステップS10で算出された消費トナー量に、予め定められたトナーの単位重量当たりのCO排出量を乗じることで、当該ジョブでのトナー消費に伴うCO排出量を算出する。以上で、1ジョブにおけるCO排出量算出処理が終了する。本実施形態では、1ジョブごとに算出されたCO排出量は、操作表示部60の表示パネル62に表示される。
【0032】
以上に説明したように、本実施形態では、総トナー量と未転写トナー量との差分値である消費トナー量からCO排出量を算出するので、未転写トナー量を全く考慮せずにCO排出量を算出する構成に比べて、CO排出量の算出精度を向上させることができるという有利な効果を奏する。
【0033】
<B:第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るカラー画像形成装置を説明する。第2実施形態に係るカラー画像形成装置のハードウェア構成は、上述の第1実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。以下では、上述の第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、第1実施形態と重複する部分については適宜に説明を省略する。
【0034】
図7は、第2実施形態に係るカラー画像形成装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態では、総トナー量算出部105は、画像データと作像条件とから、総トナー量を算出し、消費トナー量算出部107は、予測値算出部110と、差分算出部112と、補正部114と、決定部116とから構成される点で、上述の第1実施形態と相違する。
【0035】
予測値算出部110は、総トナー量算出部105で算出された総トナー量と、予め実験データ等から決定した転写率とに基づいて、消費トナー量および未転写トナー量のそれぞれの予測値を算出する。本実施形態では、予め定められた転写率は90%(未転写率は10%)であるが、これに限らず、転写率の値は任意である。差分算出部112は、予測値算出部110で算出された未転写トナー量の予測値と、未転写トナー量検出部106で検出された未転写トナー量との差分値を算出する。補正部114は、差分算出部112で算出された差分値から、予測値算出部110で算出された消費トナー量の予測値を補正する。決定部116は、補正部114で補正された後の消費トナー量の予測値を、消費トナー量の値(算出値)として決定する。
【0036】
図8は、第2実施形態に係るカラー画像形成装置100が、1ジョブごとに実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。図8のステップS21〜S23の内容は、図6のステップS1〜ステップS3の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。図8に示すように、ステップS24では、総トナー量算出部105が、画像データと作像条件とから総トナー量を算出する。そして、消費トナー量算出部107の予測値算出部110(図7参照)が、総トナー量算出部105が算出した総トナー量と、所定の転写率(本実施形態では90%)とに基づいて、消費トナー量および未転写トナー量のそれぞれの予測値を算出する。
【0037】
より具体的には以下のとおりである。ステップS24において、総トナー量算出部105は、表示パネル62、キーボード部63およびLAN_I/F部43などを介して入力された印字濃度や倍率などの作像条件に応じて、画像1ドット当たりに必要なトナー量(トナー容器から搬出されるべきトナー量)を算出する。そして、総トナー量算出部105は、画像1ドット当たりに必要なトナー量と、印刷を行う画像データの総ドット数とを乗じた値を、総トナー量として算出する。予測値算出部110は、総トナー量算出部105が算出した総トナー量に対して所定の転写率(ここでは0.9)を乗じることで、消費トナー量の予測値を算出するとともに、当該総トナー量に対して所定の未転写率(ここでは0.1)を乗じることで、未転写トナー量の予測値を算出する。
【0038】
ステップS24の後のステップS25〜ステップS29の内容は、図6の、ステップS6を除いたステップS4〜S9の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。図8に示すように、ステップS30では、消費トナー量算出部107の差分算出部112が、ステップS24で算出された未転写トナー量の予測値と、ステップS29で検出された未転写トナー量との差分値を算出する。
【0039】
次のステップS31では、消費トナー量算出部107の補正部114が、ステップS30で算出された差分値を用いて、ステップS24で算出された消費トナー量の予測値を補正する。本実施形態では、補正部114は、ステップS24で算出された未転写トナー量の予測値よりもステップS29で検出された未転写トナー量の方が大きい場合は、ステップS24で算出された消費トナー量の予測値から、ステップS30で算出された差分値(絶対値)を減算することで、消費トナー量の予測値を補正する。一方、補正部114は、ステップS24で算出された未転写トナー量の予測値よりもステップS29で検出された未転写トナー量の方が小さい場合は、ステップS24で算出された消費トナー量の予測値に対して、ステップS30で算出された差分値(絶対値)を加算することで、消費トナー量の予測値を補正する。
【0040】
以下、具体例を挙げながら、補正部114による補正を説明する。いま、図8のステップS24で算出された消費トナー量の予測値が「90」、未転写トナー量の予測値が「10」である一方、図8のステップS29で検出された未転写トナー量が「15」である場合を想定する。この場合、ステップS30で算出される差分値は「5」であり、ステップS24で算出された未転写トナー量の予測値よりもステップS29で検出された未転写トナー量の方が大きいので、補正部114は、ステップS24で算出された消費トナー量の予測値「90」から、ステップS30で算出された差分値「5」を減算する。これにより、補正後の消費トナー量の予測値は「85」となる。一方、図8のステップS24で算出された消費トナー量の予測値が「90」、未転写トナー量の予測値が「10」である一方、図8のステップS29で検出された未転写トナー量が「5」である場合を想定する。この場合、ステップS30で算出される差分値は「5」であり、ステップS24で算出された未転写トナー量の予測値よりもステップS29で検出された未転写トナー量の方が小さいので、補正部114は、ステップS24で算出された消費トナー量の予測値「90」に対して、差分値「5」を加算する。これにより、補正後の消費トナー量の予測値は「95」となる。
【0041】
そして、消費トナー量算出部107の決定部116は、補正部114による補正後の消費トナー量の予測値を、消費トナー量の値として決定する。以上がステップS31の内容である。ステップS31の後、処理はステップS32に移行し、ステップS32では、CO排出量算出部108(図7参照)が、ステップS31で算出された消費トナー量からCO排出量を算出する。この内容は、図6のステップS11の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0042】
以上に説明したように、第2実施形態では、未転写トナー量の予測値と未転写トナー量の検出値との差分値を用いて、消費トナー量の予測値を補正することにより、消費トナー量の算出精度を高めることができる。これにより、CO排出量の算出精度を向上させることができる。
【0043】
<C:第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るカラー画像形成装置を説明する。第3実施形態に係るカラー画像形成装置は、1ジョブごとに算出されるCO排出量を、トナー像が転写された後(画像形成部2による画像形成動作が行われた後)の記録紙Pに印字(プリント)可能な後処理機(不図示)を内蔵している点で上述の各実施形態のハードウェア構成と相違する。
【0044】
図9は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。第3実施形態では、カラー画像形成装置100は、モード選択部120と、印字命令通知部122とをさらに備える点で、上述の第2実施形態と相違する。モード選択部120は、ユーザーからの操作入力に応じて、後処理機に印字を実行させる印字モード(第1モード)または後処理機に印字を実行させない非印字モード(第2モード)の何れかを選択する。印字命令通知部122は、モード選択部120によって印字モードが選択されていた場合は、CO排出量算出部108で算出されたCO排出量の印字を指示する印字命令を、後処理機に通知する一方、モード選択部120によって非印字モードが選択されていた場合は、後処理機に対して印字命令を通知しない。なお、その他の機能構成の内容は第2実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0045】
図10は、第3実施形態に係るカラー画像形成装置100が、1ジョブごとに実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。図10のステップS41〜S52の内容は、図8のステップS21〜32の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。図10に示すように、ステップS53では、印字命令通知部122(図9参照)が、モード選択部120によって印字モードが選択されているか否かを判断する。ステップS53で印字モードが選択されていると判断した場合は、印字命令通知部122は、ステップS52で算出されたCO排出量の印字を指示する印字命令を、後処理機に通知する(ステップS54)。一方、ステップS53で非印字モードが選択されていると判断した場合は、印字命令通知部122が、後処理機に対して印字命令を通知することはなく、処理が終了する。
【0046】
なお、印字命令を受けた後処理機による印字の方法は任意である。例えば後処理機は、当該ジョブにおけるCO排出量を、当該ジョブで印刷される記録紙Pの全てに印字することもできるし、選択的に印字することもできる。例えば当該ジョブが、複数ページからなる冊子を複数部印刷するものである場合、各冊子の先頭のページのみにCO排出量を印字することもできる。
【0047】
以上に説明したように、第3実施形態では、印字モードが選択された場合は、1ジョブごとに算出されたCO排出量が、当該ジョブで印刷される記録紙Pに印字されるので、ユーザーは、CO排出量を容易に把握できるという利点がある。
【0048】
なお、ここでは、第2実施形態に係るカラー画像形成装置100の機能構成に、上述のモード選択部120および印字命令通知部122が追加される例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば図11に示すように、第1実施形態に係るカラー画像形成装置100の機能構成に、上述のモード選択部120および印字命令通知部122が追加されてもよい。図12は、この場合のカラー画像形成装置100が、1ジョブごとに実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。図12のステップS61〜ステップS71の内容は、図6のステップS1〜ステップS11の内容と同じであり、図12のステップS72およびステップS73の内容は、図10のステップS53およびステップS54の内容と同じである。
【0049】
<D:第4実施形態>
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態に係るカラー画像形成装置のハードウェア構成は、上述の第1実施形態および第2実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。図13は、第4実施形態に係るカラー画像形成装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、消費トナー量算出部107は、未転写トナー量判定部130をさらに備える点で上述の第2実施形態と相違する。未転写トナー量判定部130は、差分算出部112で算出された差分値が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0050】
第4実施形態に係るカラー画像形成装置100は、差分算出部112で算出された差分値が所定値範囲内の場合は、補正部114による補正後の消費トナー量の予測値を、消費トナー量の値として決定する一方、所定範囲外の場合は、補正部114による補正は行わずに、予測値算出部110で算出された消費トナー量の予測値を消費トナー量の値として決定する点で第2実施形態と相違する。その他の内容は、第2実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0051】
図14は、第4実施形態に係るカラー画像形成装置100が、1ジョブごとに実行するCO排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。図14のステップS81〜S90の内容は、図8のステップS21〜S30の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。図14のステップS91では、未転写トナー量判定部130(図13参照)が、ステップS90で算出された差分値が所定範囲内であるか否かを判定する。ステップS90で算出された差分値が所定範囲内であると判定された場合は、処理はステップS92に移行する。ステップS92では、消費トナー量算出部107の補正部114が、ステップS90で算出された差分値を用いて、ステップS84で算出された消費トナー量の予測値を補正する。そして、決定部116は、補正部114による補正後の消費トナー量の予測値を、消費トナー量の値として決定する。このステップS92の内容は、図8のステップS31の内容と同じである。
【0052】
一方、ステップS90で算出された差分値が所定範囲外であると判定された場合は、処理はステップS93に移行する。ステップS93では、補正部114による補正は行われずに、決定部116は、ステップS84で算出された消費トナー量の予測値をそのまま消費トナー量の値として決定する。
【0053】
次に、処理はステップS94に移行する。ステップS94では、CO排出量算出部108が、決定部116で決定された消費トナー量から、CO排出量を算出する。このステップS94の内容は、図8のステップS32の内容と同じである。
【0054】
以上に説明したように、第4実施形態では、差分算出部112で算出された差分値が所定範囲外の場合は、補正部114による補正は行わずに、予測値算出部110で算出された消費トナー量の予測値を消費トナー量の値として決定するので、誤った検出結果に基づいて消費トナー量が算出されることを防止できる。これにより、消費トナー量の算出精度を向上させることができる。
【0055】
<E:第5実施形態>
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態では、上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108のうちの少なくとも1つの機能が、画像形成装置とは別の外部コントローラ(外付けサーバ、DFE:Digital Front End)に搭載される点で上述の各実施形態と相違する。以下、具体的に説明する。なお、上述の各実施形態と共通する要素については、同一の符号を付して適宜に説明を省略する。
【0056】
図15は、第5実施形態の画像形成システム200の一例を示す外観図である。画像形成システム200は、プロダクションプリンティング機であり、外部コントローラ220(以下、「DFE220」と呼ぶ)を備える。画像形成システム200は、画像形成装置210に、給紙を行う大容量給紙ユニット202、表紙等の利用に使われるインサータ203、折りを行う折りユニット204、ステープルやパンチなどを行うフィニッシャー205、及び裁断を行う断裁機206などの周辺機が用途に合わせて組み合わされる。
【0057】
図16は、DFE220の一例を示すハードウェア構成図である。図16に示すように、DFE220は、通信I/F部230と、記憶部240(HDD242、ROM244、RAM246)と、画像処理部44と、CPU250と、I/F部260とを備え、それぞれがバスB1で相互に接続されている。図16の例では、高速通信が可能になるように、サーバ装置220は専用線300を介して画像形成装置210と接続される。ここでは、通信速度を担保するために、DFE220は、専用線300を介して画像形成装置210と接続される構成を例示しているが、通信速度を担保できるのであれば、ネットワークを介して、DFE220と画像形成装置210とが接続される構成であってもよい。
【0058】
図16に示すように、画像形成装置210は、I/F部280と、エンジン50と、操作表示部60と、その他I/F部270とを備え、それぞれがバスB2で接続されている。I/F部280は、画像形成装置210をDFE220に接続するための手段であり、I/F部280には専用線300が接続される。画像形成装置210は、DFE220のCPU250の制御の下、印刷ジョブを実行する。この例では、DFE220のCPU250が、上述の各実施形態のコントローラ40が実行している処理を実行する。
【0059】
本実施形態では、DFE220のCPU250が、記憶部240に格納された所定の制御プログラムを実行することで、上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108の各々の機能が実現される一方、その他の機能は、画像形成装置210によって実現される。つまり、本実施形態では、上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108の各々の機能がDFE220に搭載される一方、他の機能が画像形成装置210に搭載される。
【0060】
なお、これに限らず、例えば上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108のうちの一部の機能がDFE220に搭載される一方、上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108のうちDFE220に搭載されない機能が画像形成装置210に搭載されてもよい。
【0061】
また、例えば、画像形成システム200が、DFE220とは異なる別の外部装置を少なくとも1つ備え、上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108のうちの一部の機能がDFE220に搭載される一方、上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108のうちDFE220に搭載されない機能が、少なくとも1つの外部装置あるいは画像形成装置210に搭載されてもよい。
【0062】
要するに、画像形成システム200は、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置210と、上述の総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107およびCO排出量算出部108のうちの少なくとも1つを有するDFE220とを備えるものであればよい。上述のDFE220は、請求項12の「サーバ装置」に対応する。
【0063】
なお、上述の各実施形態に係る画像形成装置100で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0064】
さらに、各実施形態に係る画像形成装置100で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、各実施形態に係る画像形成装置100で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0065】
上述の各実施形態に係る画像形成装置100で実行される制御プログラムは、上述した各部(印刷要求受付部101、重量測定部102、スクリュー制御部103、印刷部104、総トナー量算出部105、未転写トナー量検出部106、消費トナー量算出部107、CO排出量算出部108等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、コントローラ40、エンジン50および操作表示部60の各々に搭載されたCPUが、ROM等から所定の制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成される。
【0066】
<F:変形例>
以上、各実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0067】
例えば、上述の各実施形態では、環境負荷情報として、画像形成時のCO排出量を算出しているが、これに限らず、環境負荷情報の種類は任意である。例えば画像形成時の窒素酸化物NOx排出量や硫黄酸化物SOx排出量を環境負荷情報として採用してもよい。また、例えばトナー生成時に排出される有機溶媒等の化学物質の量を環境負荷情報として採用してもよい。
【0068】
また、上述の各実施形態では、トナー像の中間転写ベルト16への転写時(一次転写時)において中間転写ベルト16に転写されずに感光体ドラム10の表面上に残留するトナーを未転写トナーとして回収しているが、これに加えて、中間転写ベルト16の表面に転写されたトナー像の記録紙Pへの転写時(二次転写時)において記録紙Pに転写されずに中間転写ベルト16に残留するトナーを未転写トナーとして回収することもできる。要するに、トナー像の転写時において転写媒体(中間転写ベルト16,記録紙P)に転写されなかったトナーを未転写トナーとして回収するものであればよい。
【0069】
また、上述の各実施形態では、スクリュー33は、未転写トナーを回収するときのみ起動しているが、これに限らず、スクリュー33が常時起動していてもよい。ただし、上述の各実施形態のように、未転写トナーを回収するときのみスクリュー33が起動する構成によれば、スクリュー33が常時起動する構成に比べて、消費電力量を削減できるという利点がある。さらに、上述の第3実施形態では、後処理機が、画像形成装置に内蔵されているが、これに限らず、後処理機が、画像形成装置の外部に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 スキャナ部
2 画像形成部
7 本体給紙トレイ
8 バンク給紙トレイ
9 手差しトレイ
10 感光体ドラム
11 現像装置
12 帯電装置
13 クリーニング装置
14 一次転写ローラ
15 露光装置
16 中間転写ベルト
17 駆動ローラ
18 二次転写ローラ
19 テンションローラ
22 レジストローラ対
23 定着装置
30 トナーリサイクル機構
31 リサイクルトナー回収容器
32 重量検出センサ
33 スクリュー
34 スクリュー
40 コントローラ
41 コントローラ制御部
42 HDD
43 LAN_I/F部
44 画像処理部
50 エンジン
51 エンジン制御部
60 操作表示部
61 操作表示制御部
62 表示パネル
63 キーボード部
100 カラー画像形成装置
101 印刷要求受付部
102 重量測定部
103 スクリュー制御部
104 印刷部
105 総トナー量算出部
106 未転写トナー量検出部
107 消費トナー量算出部
108 CO排出量算出部
110 予測値算出部
112 差分算出部
114 補正部
116 決定部
120 モード選択部
122 印字命令通知部
130 未転写トナー量判定部
200 画像形成システム
220 DFE
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2003−150695号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー容器から搬出されるトナーを像担持体の表面に供給してトナー像を形成する現像部と、
前記現像部によって形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写部と、
前記転写部による転写時において前記転写媒体に転写されなかった未転写トナーを回収するクリーニング部と、
前記クリーニング部によって回収された前記未転写トナーを前記現像部へ搬送するリサイクル部と、
前記未転写トナーの量を示す未転写トナー量を検出する未転写トナー量検出部と、
前記トナー容器から搬出されたトナーの量を示す総トナー量を算出する総トナー量算出部と、
前記総トナー量算出部で算出された前記総トナー量と、前記未転写トナー量検出部で検出された前記未転写トナー量とに基づいて、前記トナー像の形成時に消費されたトナーの量を示す消費トナー量を算出する消費トナー量算出部と、
前記消費トナー量算出部で算出された前記消費トナー量から、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する環境負荷情報算出部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記消費トナー量算出部は、前記総トナー量算出部で算出された前記総トナー量と、前記未転写トナー量検出部で検出された前記未転写トナー量との差分である前記消費トナー量を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記総トナー量算出部は、画像データと作像条件とから、前記総トナー量を算出し、
前記消費トナー量算出部は、
前記総トナー量算出部で算出された前記総トナー量と、所定の転写率とに基づいて、前記消費トナー量および前記未転写トナー量のそれぞれの予測値を算出する予測値算出部と、
前記予測値算出部で算出された前記未転写トナー量の予測値と、前記未転写トナー量検出部で検出された前記未転写トナー量との差分値を算出する差分算出部と、
前記差分算出部で算出された前記差分値から、前記予測値算出部で算出された前記消費トナー量の予測値を補正する補正部と、
前記補正部による補正後の前記消費トナー量の予測値を、前記消費トナー量の値として決定する決定部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記消費トナー量算出部は、
前記差分算出部で算出された前記差分値が所定範囲内の場合は、前記補正部による補正後の前記消費トナー量の予測値を、前記消費トナー量の値として決定する一方、前記所定範囲外の場合は、前記補正部による補正は行わずに、前記予測値算出部で算出された前記消費トナー量の予測値を前記消費トナー量の値として決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記環境負荷情報算出部は、1回のジョブごとに、当該ジョブにおける前記消費トナー量から、前記環境負荷情報を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記環境負荷情報算出部で算出された前記環境負荷情報を表示するための表示部を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記環境負荷情報算出部で算出された前記環境負荷情報を、前記トナー像が転写された記録紙に印字可能な印字部を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記環境負荷情報の印字を実行する第1モード、および、前記環境負荷情報の印字を実行しない第2モードのうちの何れかを選択するモード選択部をさらに備え、
前記モード選択部が前記第1モードを選択した場合は、前記印字部は、前記環境負荷情報の印字を実行する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記環境負荷情報は、CO排出量を示す情報である、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項10】
トナー容器から搬出されるトナーを像担持体の表面に供給してトナー像を形成する現像ステップと、
前記現像ステップによって形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写ステップと、
前記転写ステップによる転写時において前記転写媒体に転写されなかった未転写トナーを回収するクリーニングステップと、
前記クリーニングステップによって回収された前記未転写トナーを前記現像ステップで再利用させるリサイクルステップと、
前記未転写トナーの量を示す未転写トナー量を検出する未転写トナー量検出ステップと、
前記トナー容器から搬出されたトナーの量を示す総トナー量を算出する総トナー量算出ステップと、
前記総トナー量算出ステップで算出された前記総トナー量と、前記未転写トナー量検ステップで検出された前記未転写トナー量とに基づいて、前記トナー像の形成時に消費されたトナーの量を示す消費トナー量を算出する消費トナー量算出ステップと、
前記消費トナー量算出ステップで算出された前記消費トナー量から、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する環境負荷情報算出ステップと、を備える、
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
画像形成装置とサーバ装置とを備える画像形成システムであって、
トナー容器から搬出されるトナーを像担持体の表面に供給してトナー像を形成する現像部と、
前記現像部によって形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写部と、
前記転写部による転写時において前記転写媒体に転写されなかった未転写トナーを回収するクリーニング部と、
前記クリーニング部によって回収された前記未転写トナーを前記現像部へ搬送するリサイクル部と、
前記未転写トナーの量を示す未転写トナー量を検出する未転写トナー量検出部と、
前記トナー容器から搬出されたトナーの量を示す総トナー量を算出する総トナー量算出部と、
前記総トナー量算出部で算出された前記総トナー量と、前記未転写トナー量検出部で検出された前記未転写トナー量とに基づいて、前記トナー像の形成時に消費されたトナーの量を示す消費トナー量を算出する消費トナー量算出部と、
前記消費トナー量算出部で算出された前記消費トナー量から、環境に与える負荷を示す環境負荷情報を算出する環境負荷情報算出部と、を備え、
前記画像形成装置は、前記現像部と、前記転写部と、前記クリーニング部と、前記リサイクル部と、を少なくとも有し、
前記サーバ装置は、前記未転写トナー量検出部、前記総トナー量算出部、前記消費トナー量算出部、および、前記環境負荷情報算出部のうちの少なくとも1つを有する、
ことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−189990(P2012−189990A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4064(P2012−4064)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】