説明

画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記録媒体

【課題】塗りつぶしパターンをランダムなパターンにすることで、低コストで、容易に、判読性を落とす画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】給紙された廃棄文書が実質的に判読不能となるように、廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う廃棄文書塗り潰しモード指定手段により、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合は、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する塗り潰しパラメータ設定手段により指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成し、該生成された塗り潰しパターンを前記廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、廃棄文書を実質的に判読不能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記録媒体に関し、特に廃棄文書を塗り潰す画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
省資源化やコスト低減のため、片面のみに既に印字された用紙の裏面である非印字面を画像形成に利用(いわゆる「裏面印字」あるいは「裏面印刷」)するユーザが増えてきている。一方で、近年はセキュリティの意識が高まり、機密情報(機密文書)が印字された用紙自体が流出することに起因する機密情報の流出も問題となっている。ここで、上記裏面印刷において裏面に新たに印字する面の情報よりも、既に印字されている機密情報の流出が問題となる。用紙に印字する際、裏面に既に印字されている情報を確認するユーザは少なく、新たに印字する情報が特に機密性の高いものではない場合は、シュレッダー等にかけることなくそのまま破棄してしまうことが多いからである。
【0003】
このような背景から、片面が印刷されたものについて、その裏面を再使用する際に、機密保持の観点から、機密性の高い文書に関しては除く、もしくはベタ塗りにより判読不能になるような処理を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、機密保護上で必要のない箇所までベタパターンで塗り潰してしまうことから、トナーを無駄に消費してしまうという問題があった。そこで、機密文書の流出を防ぎつつ、従来よりもトナーの消費量を抑制することの出来る画像形成装置が提案されている(特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような技術には、以下の問題点がある。
【0006】
まず、そもそも機密文書であるか否かを判断するためには、裏面印刷の対象とする文書を走査(スキャン)し、当該文書が機密文書であるか、あるいは当該文書に機密部分があるかどうかをチェックしなければならない。例えば、当該文書中に、"社外秘"、"マル秘"、"confidential"などの単語がある場合や、網掛けやアンダーライン、あるいは、機密部分の情報を含むQRコード等が存在する場合に、機密文書に該当すると判断している。
【0007】
しかしながら、機密文書であるか否か判断するためには、裏面印刷の前に印刷対象となる文書を走査(スキャン)する読取りセンサを、原稿読取りセンサ(スキャナ)とは別に設ける必要があり、読取りセンサというデバイス追加分のコスト増という問題があった。また、当該文書が機密文書あるいは機密部分を有するかについて判断するためには、文書全域について走査(スキャン)が必要となり、手間や時間がかかるという問題があった。
【0008】
さらに、特許文献2記載の画像形成装置では、重ね印字用画像を予め作成し、該重ね印字用画像情報をQRコードのパターンに変換し、機密文書に印字しておく必要があり、手間とコストがかかる。
【0009】
このように、機密文書のみ除くためには予め難読性の高い隠しパターンを機密文書に入れる必要がある点に問題があった。
【0010】
また、機密文書や機密部分の判断について、特定の単語の存在や特定のマークにより検出することは、検出処理が複雑となるだけでなく、そもそも、機密文書が必ずこのような文書形態あるいはルールに則っているとは限らないため、本来機密文書として扱うべきものが、通常文書とみなされ、結果として機密情報の流出を招く危険性がある。
【0011】
また、塗り潰しのパターンとして、ベタ塗りは良いとしても、網掛け、網点、ハッチングのような規則性をもったパターンは、人間の視覚特性から、意図した以上に判読性を落とすことができないことがある。しかし、上述したように、ベタ塗りによる塗りつぶしという方法は大量に色材(トナー)を消費するため、コスト増に繋がってしまう問題がある。
【0012】
以上のように、従来の裏面印字技術では、読取センサというコストや、機密文書の判別処理の煩雑さ、また、そもそも機密文書が確実に隠しパターンが印字されているとも限らず、機密文書が流出されてします恐れ、といった問題があった。
【0013】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、塗りつぶしパターンをランダムなパターンにすることで、低コストで、容易に、判読性を落とすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、給紙された廃棄文書が実質的に判読不能となるように、前記廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う廃棄文書塗り潰しモード指定手段と、前記廃棄文書塗り潰しモード指定手段により、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合は、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する塗り潰しパラメータ設定手段と、前記塗り潰しパラメータで指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成する塗り潰しパターン生成手段と、前記廃棄文書塗り潰しモード指定手段により設定された値が、塗り潰し処理を行う旨のものであった場合、前記塗り潰しパラメータ設定手段で設定された塗り潰しパターンや塗り潰し強度などのパラメータを参照し、それに対応した塗り潰しパターンを前記塗り潰しパターン生成手段により生成させ、前記生成された塗り潰しパターンを前記廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、前記廃棄文書が実質的に判読不能となるように画像形成部を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る第1の画像形成方法は、給紙された廃棄文書が実質的に判読不能となるように、前記廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う廃棄文書塗り潰しモード指定ステップと、前記廃棄文書塗り潰しモード指定ステップにより、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合は、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する塗り潰しパラメータ設定ステップと、前記塗り潰しパラメータで指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成する塗り潰しパターン生成ステップと、前記廃棄文書塗り潰しモード指定ステップにより設定された値が、塗り潰し処理を行う旨のものであった場合、前記塗り潰しパラメータ設定ステップで設定された塗り潰しパターンや塗り潰し強度などのパラメータを参照し、それに対応した塗り潰しパターンを前記塗り潰しパターン生成ステップにより生成させ、前記生成された塗り潰しパターンを前記廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、前記廃棄文書が実質的に判読不能となるように画像形成部を制御する制御ステップと、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る画像形成プログラムは、給紙された廃棄文書が実質的に判読不能となるように、前記廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う廃棄文書塗り潰しモード指定処理と、前記廃棄文書塗り潰しモード指定処理により、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合は、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する塗り潰しパラメータ設定処理と、前記塗り潰しパラメータで指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成する塗り潰しパターン生成処理と、前記廃棄文書塗り潰しモード指定処理により設定された値が、塗り潰し処理を行う旨のものであった場合、前記塗り潰しパラメータ設定処理で設定された塗り潰しパターンや塗り潰し強度などのパラメータを参照し、それに対応した塗り潰しパターンを前記塗り潰しパターン生成処理により生成させ、前記生成された塗り潰しパターンを前記廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、前記廃棄文書が実質的に判読不能となるように画像形成部を制御する制御処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る記録媒体は、上記本発明に係る画像形成プログラムの処理を記録するコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、塗りつぶしパターンをランダムなパターンにすることで、低コストで、容易に、判読性を落とすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置(孔版印刷装置)の概略断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る孔版印刷装置が備える制御部のハードウェア(電装基板)構成の一例を示す概略図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る画像形成装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る画像形成装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る画像形成装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る画像形成装置のランダムビット符号生成を説明するための概略図である。
【図8】第1の実施形態に係る画像形成装置によって塗り潰された廃棄文書の一例である。
【図9】第1の実施形態に係る画像形成装置によって塗り潰された廃棄文書の一例である。
【図10】第1の実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係るエコスタート処理を説明するための表である。
【図13】第2の実施形態に係る画像形成装置によって塗り潰された廃棄文書の一例を示す図である。
【図14】第3の実施形態に係る画像形成装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図15】第3の実施形態に係る画像形成装置の動作時にタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図16】第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】第3の実施形態に係る画像形成装置によって塗り潰された廃棄文書の一例を示す図である。
【図18】第4の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図19】第4の実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】第4の実施形態に係る画像形成装置の動作時に電子ペーパーに表示される画面の一例を示す図である。
【図21】第5の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図22】第5の実施形態に係る画像形成装置によって塗り潰された廃棄文書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
各実施形態において、第1の実施形態と同一の機能を有する構成要素には、第1の実施形態と同一の符号を付し、第2の実施形態以降での重複説明は極力省略する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック構成図である。本実施形態においては、画像形成装置の一例として、熱可塑性フィルム(以下、適宜「マスタ」と略す)に熱穿孔プロセスを用いて潜像を形成し、前記潜像が形成されたマスタを、インキが充填された印刷ドラムに装填し、前記マスタが装填された印刷ドラムを回転させ、給紙された用紙と圧接させることにより、可視画像を形成するいわゆるデジタル孔版印刷装置を採用している。
【0023】
これは、作像方式が電子写真方式の場合、高温の定着ローラでトナーと用紙を押し付けることで、トナーを紙上に定着させる熱プロセスがあり、この方式で塗り潰し処理を施した場合、不具合を起こす可能性があるためである。即ち、裏面印刷に用いる用紙は、片面が印刷済みであり、さらに、その印刷部材に関して素性は定かでない。このような用紙を定着プロセスにかけた場合、例えば、印刷インキに含まれる組成物が反応して、定着ローラに固着してしまい、ダメージを与えてしまうという問題が考えられるためである。このため、定着器の温度や押し付け圧力を低下させたりする等の適用も考えられるが、原理的に逃れられるものではない。
【0024】
一方、孔版印刷方式の場合は、印刷に際して熱プロセスを伴わない。孔版印刷方式は、インキを用紙に付着させるために、用紙の裏側から機械的な押圧をかけるだけの工程であるため、塗り潰し処理に伴うダメージを被る可能性がほとんどない。
【0025】
図1を用いて、画像形成装置1を構成する孔版印刷装置100の基本構成について説明する。図1は、本実施形態に係る孔版印刷装置100の概略断面図である。孔版印刷装置100は、装置本体100Aの内部に、マスタ107が外周面に巻着される印刷ドラム101と、印圧手段となるプレスローラ102と、製版装置となるプロッタ103と、排版手段104とを備える。装置本体100Aの右側に配置された給紙手段105から給紙される記録紙106をプレスローラ102で印刷ドラム101に押し当てることで、巻着されたマスタ107の画像を記録紙106に転写し、片面印刷の場合、画像転写された記録紙106を搬送手段108で装置本体100Aの左側に配置された排紙手段109へと搬送する。両面印刷の場合、片面の印刷が終了した記録紙を、切替え部材121により再給紙手段122に導き、再び給紙させることにより裏面に印刷を行う。
【0026】
装置本体100Aの上部には、画像読取手段となるカラースキャナ110が配置され、原稿画像を読み取り、製版に用いる画像データを取得している。
【0027】
装置本体100Aの上部正面には、孔版印刷装置100の操作部となる操作パネル111が配設されている。操作パネル111には、印刷や製版の切り替えキー113、スタートキー114、表示部となる115、初期設定/プリンタ設定キー116、印刷位置調整キー117、プリントスピード設定キー118などが配備されている。表示部115は、LCD(Liquid CryステップSal Display)のタッチパネルで構成されていて、その画面には、各種案内情報や各種操作画面が適宜表示される。操作画面が、ユーザあるいは装置操作者によって操作されると、各画面に表示されたスイッチに対応した内容が制御部20や孔版印刷装置100に設定される。
【0028】
装置本体100A内には、孔版印刷装置100の各部を制御する制御部20が配設されている。図2は、本実施形態に係る孔版印刷装置100が備える制御部20のハードウェア構成を示す図である。制御部20は、図2に示すように、実装基板となるACU (Application Control Unit)200とECU(Engine Control Unit)300の二つに大きく分かれている。
【0029】
ACU200は、孔版印刷装置の操作パネル(タッチパネル)111が接続される操作パネル用インターフェース205、携帯型大容量記憶メディアであるSDメモリーカード201やUSBメモリ203などが接続されるインターフェース(SD I/F 206、USB I/F 209)、大容量記憶装置となるハードディスク(以下「HDD」などと称す)207が接続されるインターフェース208、パソコンなどの情報端末に対し、LANやインターネットなどのネットワークを介してアクセスするためのネットワークインターフェースカード(NIC)202や無縁LANカードを接続するための通信インターフェース(NIC I/F 212、無線LAN I/F 214)、無給電画像表示装置である電子ペーパー400を接続するためのI/Oインターフェース221、FAXモジュールを接続するためのFAXインターフェース222、ECU300側が接続されるECUインターフェース215と、中央演算回路となるCPU216、記憶手段となるRAM217とROM218が、ASIC(Application Specific lntegrated Circuit)220に接続されている。
【0030】
ACU200は、孔版印刷装置の製版/蓄積の制御等を行い、スキャナあるいはネットワーク経由で転送されてくる文書を蓄積文書としてHDDに蓄積したり、スキャナあるいはHDDに蓄積された蓄積文書あるいはネットワーク経由で転送された文書データから、最終的に製版データを作成したのち、ECU300に転送したり、という機能を受け持つ。本発明の機能は、主にこのACU200に属する。
【0031】
ECU300は、中央演算回路となるCPU321、記憶手段となるRAM322とROM323、ACU200が有するECUインターフェース215 と接続されるACUインターフェース324、スキャナ110が接続されるスキャナインターフェース326、プロッタ103が接続されるプロッタインターフェース328が、それぞれASIC329に接続されている。
【0032】
ECU300は、ACU200により作成された製版データをもとに、プロッタ103により、周知の孔版原紙となるマスタの感熱孔版フィルム119に、熱的プロセスによって穿孔を行うことにより、製版済みのマスタを作成し、この製版済みのマスタ107を印刷ドラム101となる版胴の外周面に巻装し、ドラム内部に設置されたインキパック120から、インキを供給しながら印刷ドラム101を回転させ、それに呼応させるように記録紙(印刷用紙)106を給紙することにより印刷成果物を得る、という一連のデジタル式の孔版印刷装置の製版から印刷に至る動作全般を制御するものである。
【0033】
尚、孔版印刷装置としては、片面印刷機や両面印刷機の何れであってもよいが、片面印刷機の場合、廃棄文書(印刷対象とする用紙)の片面について塗り潰し処理を行った後、もう一方の片面について、同じように塗り潰し処理を行わなければならない。これは、廃棄文書のすべてが、予め片面しか使用されていない、あるいは片面しか使用できない用紙が使われている、あるいは片面使用のみのものだけに分別されている場合を除き、機密情報が片面だけにのみに存在する保証がないためである。
【0034】
図3は、本実施形態に係る孔版印刷装置100が備える制御部20の機能構成を示す図である。制御部20(ACU上で動作するプログラム)は、廃棄文書塗り潰しモード指定部2(タッチパネル115)と、塗り潰しパラメータ設定部3(タッチパネル115)と、塗り潰しパターン生成部4(ACU上で動作するプログラム)と、を備える。なお、上記カッコ内(ACU上で動作するプログラム、タッチパネル115、ACU上で動作するプログラム)は実現手段である。
【0035】
廃棄文書塗り潰しモード指定部2は、孔版印刷装置100に供される使用済みの廃棄文書に対して、前記廃棄文書が実質的に判読不能となるように、前記廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う。
【0036】
塗り潰しパラメータ設定部3(タッチパネル115)は、前記廃棄文書塗り潰しモード指定部2により、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、当該塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する。
【0037】
塗り潰しパターン生成部4(ACU上で動作するプログラム)は、前記塗り潰しパラメータで指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成する。
【0038】
制御部20は、前記廃棄文書塗り潰しモード指定部2により設定された値が、塗り潰し処理を行う旨のものであった場合、前記塗り潰しパラメータ設定部4で設定された塗り潰しパターンや塗り潰し強度などのパラメータを参照し、それに対応した塗り潰しパターンを前記塗り潰しパターン生成部4により生成させ、前記生成された塗り潰しパターンを前記使用済み廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、前記使用済み廃棄文書が実質的に判読不能となるように画像形成部を制御する。
【0039】
次に、本実施形態に係る孔版印刷装置100の廃棄文書塗り潰しモードの設定について、図4〜図6を用いて説明する。これらの図は、孔版印刷装置100の操作/表示用タッチパネル(以下、単に「操作パネル」、「タッチパネル」、「LCD」などと呼称する)に表示される操作/表示画面の一例である。
【0040】
図4は、図示しない「システム初期値設定」-「動作設定」項目ボタンを選択した時の画面を表している。ここで、ユーザは、孔版印刷装置の動作に関する設定を行うことができる。なお、図4では、「廃棄文書塗り潰し指定」-"ドットパターン"となっているが、これは後述する操作により設定された結果が表示されたものである。
【0041】
当該画面において、「廃棄文書塗り潰し指定」項目を選択すると、図5に示すようなサブメニューが表示される。当該サブメニューにおいては、廃棄文書塗り潰しモードの有無や塗り潰しを行う場合、どのような塗り潰しを行うかの項目設定を行う。本実施形態では、選択肢として、"ドットパターン"と"フォントパターン"の2種類を挙げており、その内、"ドットパターン"を選択した状況を示している。
【0042】
当該画面において、"ドットパターン"を選択すると、さらに図6に示されるサブメニューが表示される。このメニューにおいては、塗り潰し用に生成するドットの粒度やどのようなドット生成をさせるかの設定を行う。本実施形態では、生成するドットを、粒度を"粗"(粗く)、パターンを"ランダム"に設定している。
【0043】
尚、本実施形態では、塗り潰しパターンとして"ドットパターン"、"フォントパターン"の二例を挙げており、また、ドットパターンの場合、ドット粒度や生成オプションについても、図6に図示したものを挙げているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
以上のような設定がなされた場合の孔版印刷装置の制御について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
図示しない孔版印刷装置の製版キーが押下されると(ステップS1)、孔版印刷装置の制御部は、廃棄文書塗り潰しモードの指定を参照する(ステップS2)。もし、通常の製版モードであれば、スキャナあるいは蓄積文書の読み込みを行う(ステップS9)。塗り潰しモードの指定であれば、さらに塗り潰しパラメータの参照を行う(ステップS3)。
【0046】
本実施形態では、前述のような指定あるいは設定がなされているため、それに沿った塗り潰しパターンが生成される(ステップS4〜ステップS6)。
【0047】
ここで、塗り潰しパターンの生成について詳述する。本実施形態では、ランダムドットパターンの生成にPN符号を使用する。PN符号とは、n個の2進数のビット列を与えて作る周期性を持つ 2^n-1 のビット列である。
【0048】
図7は、拡散符号のうち、最長符号系列(m系列:maximal sequence)のPN符号の生成方法を示したものである。m系列は、シフトレジスタn段と遅延素子により生成することができる符号系列なかで最長(2^n-1)のビット列をなすものである。
【0049】
図7には、D1〜D8で表される8ビットのシフトレジスタと排他的論理和(XOR)から成るランダムパターン生成の一例を示す。尚、初期値シフトレジスタの初期値はすべて1としている。この状態から、右シフトを行い、その際、D8からあふれたビットが、ランダムパターンのビットとして使われる。また、右シフト後のD1には、シフト前のD4、D5、D6、D8について、排他的論理和をとり、その結果を入れている。
【0050】
ちなみに、PN符号においては、0/1の出現確率はほぼ50[%]:50[%]になるという性質を持ち、出現に偏りがないので塗り潰しパターンとして適している。
【0051】
このような手順を繰り返して得られるビット列の1を黒、0を白になるように、製版データに割り振れば(逆でも可)、これが不規則(ランダム)な塗り潰しパターンとなる。
【0052】
ここで、廃棄文書がA4サイズで、内容(コンテンツ)の印刷が両面になされているものとすれば、塗り潰しには、解像度と用紙サイズと面数(表面と裏面)を勘案したランダムビット列数を生成しなければならない。さらに、前述のパラメータ指定において、ドット粒度が指定されているので、これも反映しなければならない。
【0053】
本実施形態では、ドット粒度の実現に解像度変換を使用している。即ち、ドット粒度の指定に応じて、主走査方向及び副走査方向のいくつかの画素のまとまりを1単位とし、そのひとまとまりに対して前記ランダムビット列の1ビットを対応させるようにしている。
【0054】
このようにして必要とされるランダムビット列数を算出し(ステップS4)、算出された数だけのビット列を生成し(ステップS5)、生成されたビット数を実際の画素にマッピングする(ステップS6)。
【0055】
このようにして生成された塗り潰しパターンを製版し(ステップS7)、廃棄文書に対して印刷することにより(ステップS8)、廃棄文書に機密文書が含まれていたとしても、塗り潰しパターンにより判読性を低下させているため、一般文書と同じように扱うことができる。
【0056】
図8に廃棄文書に塗り潰しパターンを印刷した例を示す。本実施形態では、ドット粒度"粗"を56×56画素をひとかたまりとして扱うことによって、実現している。また、参考までに図9に、ドット粒度"中"とした場合の塗り潰し例を示す。
【0057】
本実施形態では、主走査方向と副走査方向について、同数の画素をひとかたまりとしており、結果として塗り潰しの形が正方形となっているが、必ずしも同数とする必要はなく、本実施形態に限定されるものではない。
【0058】
このように複数のドット粒度を用意する理由は、塗り潰される廃棄文書の文字や図柄とドット粒度の関係を一律に規定できないためである。即ち、ドット粒度を細かくすれば、塗り潰される廃棄文書の文字や図柄の判読性が落ちるとは必ずしも言えないためである。これは、人間の視覚特性によるものであり、ドット粒度が細かすぎると、塗り潰しパターンが背景化してしまい、かえって塗り潰し対象である文字や図柄を浮き立たせてしまうことがあるためである。従って、試し印刷などして、ユーザが、その都度適当と思われるドット粒度を選択・判断するしかなかった。
【0059】
尚、廃棄文書を判読できないようにするだけならば、塗り潰しパターンを単に黒ベタとすればよいが、そのようにした場合、黒インキの消費量が増大するだけでなく、黒ベタ印刷された用紙が印刷ドラムに張り付いてしまい剥離できず、ジャムが多発してしまうという問題が発生する。本実施形態では、ランダムなドットパターンを使用することにより、そのような問題も回避している。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して、要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じである)。
【0061】
本実施形態の画像形成装置(孔版印刷装置)の構成は、第1の実施形態とほぼ同じであるが、使用済み廃棄文書の両面の塗り潰し処理を、表面と裏面のお互いの黒画素位置を補完するような塗り潰しパターンとするようにしている点と、塗り潰しパターンの製版・印刷の開始前に、画像安定化のためにアイドリング処理(エコスタート)を行っている点が異なる。
【0062】
本実施形態に係る孔版印刷装置の制御を、図11のフローチャートに示すが、これも第1の実施形態に示したものとほぼ同様である。異なるのは、算出される必要ランダムビット列が片面分(表面分)のみということである。
【0063】
まず、第1の実施形態と同様にランダムビット列を生成し、解像度変換を行って、片面分(表面分)の塗り潰しパターンを生成したら(ステップS5〜ステップS6)、もう片面分(裏面分)の塗り潰しパターンは、表面分の鏡像を作り、そして、その白/黒データを反転させたデータを使用する(ステップS10)。
【0064】
一方、廃棄文書塗り潰しモード指定を参照し(ステップS2)、塗り潰しモードが設定されていた場合は、塗り潰しモード用のエコスタートを開始する(ステップS11)。エコスタートとは、孔版印刷装置特有の動作であり、印刷ドラム内のインキが、マスタの開孔された部分を通過して、用紙に転移する際、インキの粘度やインキのドラム内分布(直近に印刷した画像)の影響により、印刷工程の最初の方で、擦れやムラなどの画像劣化が発生してしまうことがあるため、製版・印刷に先立ち、印刷ドラムを空回転させ、インキをドラム内で攪拌することにより、その影響を軽減させる機能である。より、具体的には、前記画像劣化は、ドラム放置時間や環境温度の影響をうけるため、図12に示すような表に従い、エコスタート処理(印刷ドラムの空回転)を行っている。
【0065】
廃棄文書の塗り潰し処理においては、塗り潰しパターンが擦れたり、ムラが生じることは、とりもなおさず判読性を上げてしまうことになるので、このような不具合は回避されなければならない。従って、本実施形態では、塗り潰しモードの場合、放置時間、環境温度に関係なく、"72時間放置"-"低温"の条件に設定されている値(本実施形態では7回)を必ず実施している。
【0066】
以上のような工程(エコスタート処理や塗り潰しパターンの生成)を経た後、塗り潰しパターンを製版し(ステップS7)、廃棄文書に対して印刷(ステップS8)した時の例を図13に示す。
【0067】
このような塗り潰しパターンを採用することにより、例えば、廃棄文書の用紙が薄いものであった場合、紙の裏側から透過してくる光を抑制するため、紙面全体の明度が落ち、判読性をより低下させることができる。
【0068】
尚、本実施形態では、エコスタート処理を条件テーブルの中から最も厳しい条件に選択して用いているが、塗り潰し処理用に設定された別の値を使用するようであってもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0069】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して、要部のみ説明する。
【0070】
本実施形態の画像形成装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同じであるが、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を、孔版印刷装置の内蔵フォント、あるいはオプションのPost Scriptモジュールなどが増設されている場合、それに付帯して搭載されるフォントにより行うことと、当該孔版印刷装置に装着されている印刷ドラムのインキの種類が、塗り潰し用として適当なものであるようチェックしていることが異なる。
【0071】
孔版印刷装置の廃棄文書塗り潰しモードの設定について、図14、図15を用いて説明する。図14は、図4において、「廃棄文書塗り潰し指定」項目を選択した際に表示されるサブメニューであり、当該サブメニューにおいては、廃棄文書塗り潰しモードの有無や塗り潰しを行う場合、どのような塗り潰しを行うかの項目設定を行う。本実施形態では、選択肢として、"ドットパターン"と"フォントパターン"を挙げており、その内、"フォントパターン"を選択した状況を示している。
【0072】
当該画面において、"フォントパターン"を選択すると、さらに図15に示されるサブメニューが表示される。このメニューにおいては、塗り潰し用に生成する文字フォントのポイント数やフォント名を指定する。本実施形態では、生成する文字フォントのポイント数を"10"ポイント、フォント名"Arial Bold"に設定している。
【0073】
尚、本実施形態では、塗り潰し用の文字フォントとして"Arial Bold"、"Helvetica Bold"の2例が表示されているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
本実施形態の孔版印刷装置の制御を、図16のフローチャートに示すが、これも第1の実施形態に示したものとほぼ同様である。
【0075】
異なるのは、塗り潰しパターンがランダムビット列ではなく、文字フォントによる部分が異なる(ステップS20)。本実施形態では、塗り潰し面積が適度に広くかつ適度に分散しているアルファベットの大文字のボールド体を採用しており、これをページメモリ上に展開している。
【0076】
また、廃棄文書塗り潰しモード指定を参照し(ステップS2)、塗り潰しモードが設定されていた場合、印刷ドラムのインキの種類をチェックする(ステップS21)部分も異なる。印刷ドラムには、4個のディップスイッチが設けられており、これを電気的に読取ることにより、どのようなインキが装着された印刷ドラムかがわかるようになっている。
【0077】
本実施形態では、塗り潰し用インキは、黒インキのみとしている。従って、もし黒インキ以外の印刷ドラムが装着されていた場合、その旨の警告表示をタッチパネル上に行い(ステップS22)、ユーザに黒インキ印刷ドラムの装着を促す。
【0078】
孔版印刷装置では、カラーインキと称し、黒以外にも黄、赤、青、緑、茶などの各種色インキを取り揃えている。しかしながら、黄インキなどは、インキ濃度が低い(光透過性が高い)、廃棄文書の塗り潰しには不適当である。しかも、何色の印刷ドラムが装着されているかは、外観からは判別できない。実際に製版・印刷してみれば一目瞭然であるが、その時点では既に製版・印刷された後なので、黒インキ印刷ドラムに装着しなおして、再度製版・印刷する必要があるため、それまでの作業と印刷部材は無駄となってしまう。本実施形態では、このような事態を未然に防ぐものである。
【0079】
以上のような工程(印刷ドラムのチェック処理や塗り潰し用文字フォントの生成)を経た後、塗り潰しパターンを製版し(ステップS7)、廃棄文書に対して印刷(ステップS8)した時の例を図17(A)に示す。本実施形態では、塗り潰し用文字フォントとしてアルファベットの大文字のみをアルファベット順に羅列して使用しているが、大文字・小文字の混在、ランダムな出現によってもよい。
【0080】
あるいは図17(B)に示すように漢字フォントによってもよい。漢字フォントの場合も、塗り潰しパラメータとしてポイント数だけでなく、"明朝","ゴシック"などフォント名を指定できる。本実施形態の図の例は、"角ゴシック"のものを、漢字フォントの登録順にフォントアドレスをスキャンして出力させたものである。
【0081】
また、本実施形態では、塗り潰し用の文字フォントは、正立したものになっているが、倒立あるいは90°や270°など任意の角度に回転させたものを使用してもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0082】
また、本実施形態では、塗り潰し用インキとして、黒インキ以外を認めていないが、インキ濃度が高く(光透過性が低い)ある程度の判読性の低下を確保できるような色インキのリストを持ち、当該画像形成装置にセットされている印刷ドラムがそれらに該当する場合、適切な印刷ドラムがセットされているとみなして塗り潰し処理をしてもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0083】
さらに、本実施形態では、印刷ドラムの種別をディップスイッチに依っているが、RFIDタグ(無線タグ)やバーコード(2次元バーコードも含む)によってもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0084】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して、要部のみ説明する。
【0085】
本実施形態に係る画像形成装置(孔版印刷装置)の機能構成を図18に示す。本実施形態は、第1の実施形態(図3参照)をベースに、廃棄文書の任意の一枚をサンプル画像として読取るための原稿読取り部(スキャナ110)と、前記読取られた画像と塗り潰しパターンの合成画像を表示する無給電画像表示部(電子ペーパー400)を備えている。上記カッコ内(スキャナ110、電子ペーパー400)は実現手段である。
【0086】
本実施形態に係る孔版印刷装置の制御のフローチャートを図19に示す。基本的な流れは第1の実施形態とほぼ同様である。異なるのは、事前に廃棄文書の任意の一枚をサンプル画像として原稿台にセットし(ステップS30)、塗り潰しモードであった場合(ステップS2)、上記廃棄文書サンプルをスキャナで読取り(ステップS31)、フレームメモリに書き込んでおく(ステップS32)部分と、前記原稿データと塗り潰しパターンとを合成し(ステップS33)、電子ペーパーへ表示出力させる(ステップS34)部分である。
【0087】
このような流れを踏むことにより、塗り潰し具合を、実際に製版・印刷することなしに、事前に確認することができる。図20に、電子ペーパーへの表示出力例を示す。もし、塗り潰し処理が満足のいくものでなかった場合(ステップS35/NG)、ユーザは操作パネル111からNGの指示をし(例えばタッチパネル115上のNGボタン(図示せず)押下)、再度パラメータ設定などをやり直す。適切と判断された場合は(ステップS35/OK)、塗り潰しパターンの製版・印刷へと移る(ステップS7、ステップS8)。
【0088】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して、要部のみ説明する。
【0089】
本実施形態に係る画像形成装置は、第1の実施形態をベースにし、図21に示すように、フルカラーで両面印刷可能なインクジェット方式を用いた印刷装置である。
【0090】
尚、上記インクジェット印刷装置は、印刷方法が、プリントヘッドサイズが通紙可能な用紙幅サイズに対して狭いためプリントヘッドの往復運動によって行ういわゆるシリアルヘッド方式のものであっても、プリントヘッドサイズが実質的に通紙可能な用紙幅サイズに等しく、往復動作を必要としないいわゆるラインヘッド方式のものであっても構わない。
【0091】
図22に、廃棄文書に対して印刷した時の例を示す。本実施形態では、塗り潰しパターンとしてランダムドットパターンに適用し、塗り潰し部分には、不透明性が確保された色をランダムに割り当てている。
【0092】
第1の実施形態では、画像形成装置が孔版印刷装置であったので、塗り潰しパターンに使用できる印刷部材は、ドラム交換などの煩雑性から、実質、黒などの1色に限られていた。しかしながら、本実施形態のように、カラー対応のインクジェットであれば、複数の色を一度の印刷で使用できるので、塗り潰しパターンの不規則性だけでなく、色彩の不規則性が加味されるため、判読性をより低下させることができる。
【0093】
また、塗り潰し処理によって、黒などの特定色の印刷部材だけが極端に消耗されるような不具合、あるいは特定の印刷部材だけが消耗されないような不具合を防ぐことができる。
【0094】
尚、本実施形態は、塗り潰しパターンとしてランダムドットパターンに適用しているが、フォントパターンに適用しても構わない。
【0095】
以上説明したように、本実施形態によれば、塗りつぶしパターンをランダムなパターンにすることで、容易に判読性を落とすことができるようになる。そして、廃棄文書について機密文書が含まれていたとしても、塗りつぶしパターンにより判読不能になるため、一般文書と同じように扱うことが可能になる。すなわち、廃棄される文書に対し、簡易、高速かつ安価に、難読性の処理をかけることによって、機密情報流出のリスクを抑えながらも、リサイクル性の高い紙資源を排出することが出来る。
【0096】
また、本実施形態によれば、不規則な塗り潰しパターンを、疑似乱数から生成することを特徴としているので、規則性のパターンよりも判読性を低くすることができる。また、疑似乱数として、特にPN符号を採用することにより、0/1の出現確率はほぼ50[%]:50[%]になるという性質から、偏りのない塗り潰しが行えるとともに、当該符号系列の生成自体も簡易に行える。
【0097】
なお、廃棄文書を判読できないようにするだけならば、塗り潰しパターンを単に黒ベタとすればよいが、そのようにした場合、黒インキの消費量が増大するだけでなく、黒ベタ印刷された用紙が印刷ドラムに張り付いてしまい剥離できず、ジャムが多発してしまうという問題が発生する。本実施形態では、ランダムドットパターンを使用することにより、上記問題も回避している。
【0098】
また、不規則な塗り潰しパターンを、疑似乱数から生成し、かつ、生成された疑似乱数に対し、複数の画素を対応させ、任意の粗さの塗り潰しパターンに変換することにより、塗り潰される廃棄文書の文字や図柄に応じて、柔軟に塗り潰しパターンを設定することができる。
【0099】
また、不規則な塗り潰しパターンを、当該画像形成装置に搭載されている文字フォント、もしくはダウンロード等により当該画像形成装置が利用可能な文字フォントから生成することにより、規則性のパターンよりも判読性を低くすることができるとともに、まとまった画素をまとかたまりでとらえ、その中から意味のあるものを認識しようとする人間の視覚特性を逆に利用しているので、さらに判読性を低下させることができる。
【0100】
また、不規則な塗り潰しパターンを、白紙に加工するエリアを描いたエリア指定シートによって原稿の画像を加工するいわゆるメイキャップ機能で使用されるパターンを、不規則に折衷することによって生成することにより、単独の規則性パターンを用いるよりも判読性を低くすることができる。
【0101】
また、塗り潰し処理において、使用済み廃棄文書の文書サイズが、両面印刷可能なサイズであった場合、自動的に両面に対して行われることにより、マニュアルでは、片面ずつ2回(表面と裏面)の塗り潰し工程をおこなわなければならないのに対し、省力化を図れるとともに、工程抜けなどのミスにより片面の塗り潰し処理がなされなくなるなどの抜け漏れを防止することができる。
【0102】
また、使用済み廃棄文書の両面塗り潰し処理を、表面と裏面とで異なる塗り潰しパターンで行われることにより、紙の裏側から透過してくる光による判読性の向上を抑制することができる。
【0103】
また、使用済み廃棄文書の両面塗り潰し処理を、表面と裏面のお互いの黒画素位置を補完するような塗り潰しパターンとすることにより、廃棄文書の用紙が薄いものであった場合、紙の裏側から透過してくる光を抑制するため、紙面全体の明度が落ち、判読性をより低下させることができる。
【0104】
また、塗り潰し処理を行うに先立ち、当該画像形成装置に内に蓄積文書として格納されているセキュリティのかかっていない一般文書から任意の文書を読み出し、当該読み出した文書に対し、当該塗り潰し処理を施し、当該画像形成装置の表示装置もしくは無給電画像表示装置に表示させ、ユーザに塗り潰し処理の効果を事前に確認させることにより、塗り潰し具合を実際に製版・印刷することなしに、事前に確認することができる。
【0105】
また、塗り潰し処理を行うに先立ち、当該使用済み廃棄文書を原稿読取装置などで読取り、読取った画像データに対し、当該塗り潰し処理を施し、当該画像形成装置の表示装置もしくは無給電画像表示装置に表示させ、ユーザに塗り潰し処理の効果を事前に確認させることにより、塗り潰し具合を実際に製版・印刷することなしに、事前に確認することができる。
【0106】
また、画像形成装置の画像形成方式が、孔版印刷方式またはインクジェット方式であることにより、印刷に際して熱プロセスを伴わず、インキを用紙に付着させるため用紙の裏側から機械的な押圧をかけるだけ、あるいは機械的な押圧すらも不要であるため、塗り潰し処理に伴うダメージを被ることがない。
【0107】
逆に、電子写真方式では、廃棄文書のような、印刷済みで、かつ、その印刷に関して素性のはっきりしないものを定着プロセスにかけた場合、例えば印刷インキに含まれる組成物が反応して、定着ローラに固着してしまい、ダメージを与えてしまうという問題が考えられる。
【0108】
また、孔版印刷方式の場合、PPC(複写機)やMFP(複合機能プリンタ)が主に採用している電子写真方式と異なり、版というものを予め一度だけ作るという手間はあるが、それ以降の印刷に関しては、単に機械的にプリントするだけの工程となるので、結果的に高速に処理することができ、これは廃棄文書の枚数が多ければ多いほどその恩恵にあずかることができる。
【0109】
また、画像形成装置の画像形成方式が孔版印刷方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、事前に画像安定化のための製版・印刷開始前のアイドリング処理、いわゆるエコスタート処理を行うことにより、塗り潰しパターンが擦れたり、ムラが生じたりすることよる判読性の向上を抑制することができる。
【0110】
また、画像形成装置の画像形成方式が孔版印刷方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、黒色インキ以外インキがセットされた印刷ドラムが装填されていた場合、その旨の警告を行うこと、もしくはその旨の警告を行うとともに当該状態から製版・印刷を行えないように当該画像形成装置にロックをかけることにより、不適切な印刷ドラムによる塗り潰し処理を未然に防ぐことができる。
【0111】
また、画像形成装置の画像形成方式が孔版印刷方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、予め定められた塗り潰し処理に使用可能なインキ以外のインキがセットされた印刷ドラムが装填されていた場合、その旨の警告と塗り潰し処理に使用可能なインキのリストが表示されることにより、不適切な印刷ドラムによる塗り潰し処理を未然に防ぐことができるとともに、どの印刷ドラムを装填すべきかを簡単に把握できる。
【0112】
また、画像形成装置の画像形成方式がインクジェット方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、塗り潰し処理に使用可能な色相・明度・彩度が予め定められた塗り潰し色を、個々の塗り潰しパターンもしくはいくつかの塗り潰しパターンのひとかたまりに対して任意に割当て、塗り潰し処理を行うことにより、塗り潰し処理によって、黒などの特定色の印刷部材だけが極端に消耗されるような不具合を防ぐことができる。さらに、塗り潰しパターンの不規則性だけでなく、カラーの不規則性が加味されるので、判読性をより低下させることができる。
【0113】
また、画像形成装置の画像形成方式がインクジェット方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、塗り潰し色を当該画像形成装置に装填されている印刷部材の部材の残量に応じた配分を加味した配色にて行うことにより、塗り潰し処理によって、黒などの特定色の印刷部材だけが極端に消耗されるような不具合、あるいは特定の印刷部材だけが消耗されないような不具合を防ぐことができる。また、塗り潰しパターンの不規則性だけでなく、カラーの不規則性が加味されるので、判読性をより低下させることができる。
【0114】
また、画像形成装置の画像形成方式がインクジェット方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、事前に画像安定化のための空吐出(フラッシング)を行うことにより、プリントヘッドの目詰まりにより、塗り潰しパターンが擦れたり、ムラが生じたりすることよる判読性の向上を抑制することができる。
【0115】
なお、各図のフローチャートに示す処理を、CPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録する記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施形態とは異なる構成のシステム等で用い、そこのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【0116】
以上、本発明を好適な実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0117】
1 画像形成装置
100 孔版印刷装置
100A 装置本体
101 印刷ドラム
102 プレスローラ
103 プロッタ(製版装置)
104 排版手段
105 給紙手段
106 記録紙
107 マスタ
108 搬送手段
109 排紙手段
110 カラースキャナ
111 操作パネル
113 切り替えキー
114 スタートキー
115 表示部
116 初期設定/プリンタ設定キー
117 印刷位置調整キー
118 プリントスピード設定キー
121 切替え部材
122 再給紙手段
200 ACU
201 SDメモリーカード
202 ネットワークインターフェースカード(NIC)
203 USBメモリ
205 操作パネル用インターフェース
206 SD I/F
207 ハードディスク
208 インターフェース
209 USB I/F
212 NIC I/F
214 無線LAN I/F
215 ECUインターフェース
216 CPU
217 RAM
218 ROM
220 ASIC
221 I/Oインターフェース
222 FAXインターフェース
300 ECU
321 CPU
322 RAM
323 ROM
324 ACUインターフェース
326 スキャナインターフェース
328 プロッタインターフェース
329 ASIC
400 電子ペーパー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【特許文献1】特開2001−228751号公報
【特許文献2】特開2009−89362号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙された廃棄文書が実質的に判読不能となるように、前記廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う廃棄文書塗り潰しモード指定手段と、
前記廃棄文書塗り潰しモード指定手段により、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合は、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する塗り潰しパラメータ設定手段と、
前記塗り潰しパラメータで指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成する塗り潰しパターン生成手段と、
前記廃棄文書塗り潰しモード指定手段により設定された値が、塗り潰し処理を行う旨のものであった場合、前記塗り潰しパラメータ設定手段で設定された塗り潰しパターンや塗り潰し強度などのパラメータを参照し、それに対応した塗り潰しパターンを前記塗り潰しパターン生成手段により生成させ、前記生成された塗り潰しパターンを前記廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、前記廃棄文書が実質的に判読不能となるように画像形成部を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記不規則な塗り潰しパターンは、疑似乱数から生成されたランダムドットパターンであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記不規則な塗り潰しパターンは、前記疑似乱数から生成され、かつ、生成された疑似乱数に対し、複数の画素を対応させ、任意の粗さの塗り潰しパターンに変換することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記不規則な塗り潰しパターンは、前記画像形成装置に搭載されている文字フォント、もしくはダウンロード等により前記画像形成装置が利用可能な文字フォントから生成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記不規則な塗り潰しパターンは、白紙に加工するエリアを描いたエリア指定シートによって原稿の画像を加工する、いわゆるメイキャップ機能で使用されるパターンを、不規則に折衷することによって生成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置
【請求項6】
前記塗り潰し処理は、使用済み廃棄文書の文書サイズが両面印刷可能なサイズであった場合は、自動的に両面に対して行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記使用済み廃棄文書の両面塗り潰し処理は、表面と裏面とで異なる塗り潰しパターンで行われることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記使用済み廃棄文書の両面塗り潰し処理は、表面と裏面のお互いの黒画素位置を補完するような塗り潰しパターンとすることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記塗り潰し処理を行うに先立ち、前記画像形成装置に内に蓄積文書として格納されているセキュリティのかかっていない一般文書から任意の文書を読み出し、前記読み出した文書に対し、前記塗り潰し処理を施し、前記画像形成装置の表示部もしくは無給電画像表示部に表示させ、ユーザに塗り潰し処理の効果を事前に確認させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記塗り潰し処理を行うに先立ち、前記使用済み廃棄文書を原稿読取装置などで読取り、読取った画像データに対し、前記塗り潰し処理を施し、前記画像形成装置の表示部もしくは無給電画像表示部に表示させ、ユーザに塗り潰し処理の効果を事前に確認させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置の画像形成方式は、孔版印刷方式またはインクジェット方式であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置の画像形成方式が孔版印刷方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、事前にエコスタート処理を行うことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成装置の画像形成方式が孔版印刷方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、黒色インキ以外インキがセットされた印刷ドラムが装填されていた場合、その旨の警告を行うこと、もしくはその旨の警告を行うとともに前記状態から製版・印刷を行えないように前記画像形成装置にロックをかけることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記画像形成装置の画像形成方式が孔版印刷方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、予め定められた塗り潰し処理に使用可能なインキ以外のインキがセットされた印刷ドラムが装填されていた場合、その旨の警告と塗り潰し処理に使用可能なインキのリストが表示されることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像形成装置の画像形成方式がインクジェット方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、塗り潰し処理に使用可能な色相・明度・彩度が予め定められた塗り潰し色を、個々の塗り潰しパターンもしくはいくつかの塗り潰しパターンのひとかたまりに対して割当て、塗り潰し処理を行うことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記画像形成装置の画像形成方式がインクジェット方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、塗り潰し色を前記画像形成装置に装填されている印刷部材の部材の残量に応じた配分を加味した配色にて行うことを特徴とする請求項1から11、及び15のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記画像形成装置の画像形成方式がインクジェット方式であって、使用済み廃棄文書の塗り潰し処理を行うに際し、事前に画像安定化のための空吐出(フラッシング)を行うことを特徴とする請求項1から11、及び15、16のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項18】
給紙された廃棄文書が実質的に判読不能となるように、前記廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う廃棄文書塗り潰しモード指定ステップと、
前記廃棄文書塗り潰しモード指定ステップにより、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合は、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する塗り潰しパラメータ設定ステップと、
前記塗り潰しパラメータで指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成する塗り潰しパターン生成ステップと、
前記廃棄文書塗り潰しモード指定ステップにより設定された値が、塗り潰し処理を行う旨のものであった場合、前記塗り潰しパラメータ設定ステップで設定された塗り潰しパターンや塗り潰し強度などのパラメータを参照し、それに対応した塗り潰しパターンを前記塗り潰しパターン生成ステップにより生成させ、前記生成された塗り潰しパターンを前記廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、前記廃棄文書が実質的に判読不能となるように画像形成部を制御する制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項19】
給紙された廃棄文書が実質的に判読不能となるように、前記廃棄文書に塗り潰しの画像パターンを形成するか否かの設定を行う廃棄文書塗り潰しモード指定処理と、
前記廃棄文書塗り潰しモード指定処理により、塗り潰し処理を行う旨の設定がなされた場合は、塗り潰しパターンや塗り潰し強度など、塗り潰し処理に必要な各種パラメータを指定する塗り潰しパラメータ設定処理と、
前記塗り潰しパラメータで指定されたパラメータに応じて不規則な塗り潰しパターンを生成する塗り潰しパターン生成処理と、
前記廃棄文書塗り潰しモード指定処理により設定された値が、塗り潰し処理を行う旨のものであった場合、前記塗り潰しパラメータ設定処理で設定された塗り潰しパターンや塗り潰し強度などのパラメータを参照し、それに対応した塗り潰しパターンを前記塗り潰しパターン生成処理により生成させ、前記生成された塗り潰しパターンを前記廃棄文書上に作像部材で画像生成することにより、前記廃棄文書が実質的に判読不能となるように画像形成部を制御する制御処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項20】
請求項19記載の画像形成プログラムの処理を記録するコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−62819(P2011−62819A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212879(P2009−212879)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】