説明

画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム

【課題】省エネ状態からの復帰時に、不要な初期化処理を省略することで、初期化処理に時間をかけない。
【解決手段】画像形成装置の電源が切断される機器電源オフ状態と、当該画像形成装置の一部の電源が切断される省エネ状態とを有し、第一のCPU及び第二のCPUの複数の独立したCPUを有する画像形成装置において、機器電源オフ状態では第一及び第二のCPUの電源が切断され、省エネ状態では第一のCPUは電源を維持し、第二のCPUの電源が切断され、第二のCPUの電源の切断前に、省エネ状態か機器電源オフ状態かを、第二のCPUが第一のメモリに保持する電源オフ情報保持手段と、第二のCPUの電源投入時に、第二のCPUが初期化処理を行う初期化処理手段とを有し、初期化処理手段は、第二のCPUが第一のメモリを参照して、所定の初期化処理である第一の初期化処理又は第一の初期化処理から所定の手順を省略した第二の初期化処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機の開発において、モジュール化/ユニット開発により、プリンタユニット、コピー/スキャナユニットをそれぞれ組み合わせて一つのMFP機(Multi Function Printer)を構成することが、一般的に行われている。この場合、個々に独立したモジュールにそれぞれ電源を供給するため、長時間使用していないモジュールに対しても電源が供給される場合があり、不要な電力を消費してしまう問題があった。
【0003】
この問題に対し、MFP機にCPUを二つ搭載し、装置が稼動していない場合に一方のCPUが他方のCPUに対して供給する電源を切断することで、不要な電力消費を防ぐ手段が既に知られている。一方のCPUを、各キーの押下や着信を監視する省エネCPU、他方のCPUを装置本体の制御を行う本体CPUとし、省エネCPUが本体CPUに対して供給する電源を切断して省エネ状態とする。各CPUはバス接続されており、各キーの押下や着信など、省エネ状態からの復帰要因を省エネCPUが検知すると、省エネCPUは自ポートに復帰要因を保持し、本体CPUへ電源を投入する。電源が投入された本体CPUは、省エネCPUのポートを読み、省エネ状態からの復帰と判断した場合に、電源スイッチオンに伴う装置の初期化処理から感光体クリーニングを省いた初期化処理を行う。(特許文献1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された方法では、本体CPUに対し電源を投入すると、装置の初期化処理、メンテナンス処理等のイニシャル動作を行ってしまい、省エネ状態からの復帰に時間がかかる問題があった。
【0005】
本発明は、これら従来技術の課題を解決するため、複数のCPUを独立に有し、省エネルギーのために切断されるCPUの電源切断前に保持した情報を、電源投入時に参照する。これによって、省エネ状態からの復帰時の初期化処理を、電源投入時における初期化処理から必要のない処理を省いて行い、初期化処理に時間をかけない画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、電源オフの状態として当該画像形成装置の電源が切断される機器電源オフ状態と、当該画像形成装置の一部の電源が切断される省エネ状態とを有し、第一のCPU及び第二のCPUの複数の独立したCPUを有する画像形成装置において、前記機器電源オフ状態では前記第一のCPU及び前記第二のCPUの電源が切断され、前記省エネ状態では前記第一のCPUは電源を維持し、前記第二のCPUの電源が切断され、前記第二のCPUの電源の切断前に、前記省エネ状態か、又は前記機器電源オフ状態かを、前記第二のCPUが第一のメモリに保持する電源オフ情報保持手段と、前記第二のCPUの電源投入時に、前記第二のCPUが初期化処理を行う初期化処理手段とを有し、前記初期化処理手段は、前記第二のCPUが前記第一のメモリを参照して、所定の初期化処理である第一の初期化処理又は前記第一の初期化処理から所定の手順を省略した初期化処理である第二の初期化処理を行うことを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明は、上記画像形成装置における画像形成方法、前記画像形成方法をコンピュータに実行させる画像形成プログラムとしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、省エネ状態からの復帰時の初期化処理を、電源投入時における初期化処理から必要のない処理を省いて行い、初期化処理に時間をかけない画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置10の本実施形態におけるハードウェア構成図である。
【図2】コントローラ1及びプリンタ・エンジン2における機能ブロック図である。
【図3】第一の実施形態における処理手順を表すフローチャートである。
【図4】第二の実施形態における処理手順を表すフローチャートである。
【図5】第三の実施形態における処理手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、画像形成装置10の本実施形態におけるハードウェア構成図である。なお、図1においては、便宜上、本実施の形態の説明に必要な構成要素が示されている。画像形成装置10は、プリンタ、コピー、ファクシミリなどの機能を提供するための各種機能を含んでいる。
【0011】
画像形成装置10は、ドキュメントを読み込んで、光学読み取りを行うためのARDF(Auto Reverse Document Feeder)3を備えている。また、画像形成装置10は、ユーザに対して各種設定を可能とする、LCDパネル5を含む操作パネル4と、照射光学系、駆動モータ、CCDなどを駆動してドキュメントをデジタルデータに変換するスキャナ6を備えている。LCDパネル5は、画像形成装置10の操作に関する情報を表示するほか、プリンタ・エンジン2について、後述するメンテナンスが実行される場合に、所定の表示を行う。
【0012】
画像形成装置10は、コントローラ1と、プリンタ・エンジン2とを備えている。コントローラ1は、スキャナ読取、FAX、ネットワークに関する制御を行い、C、C++、JAVA(登録商標)、Perlなどのプログラミング言語で記述されたアプリケーション・プログラムやApache、サーブレットなどのサーバ・プログラムを実行し、ウェブ・サーバの一部機能も提供する。
【0013】
また、コントローラ1は、ストレージ管理部9と、通信処理部12と、イメージ変換部13とを備えている。ストレージ管理部9は、不揮発性メモリ8、SDRAM11、ハードディスク装置などの記憶装置の入出力管理を実行する。
【0014】
通信処理部12は、ファックス・モデム14から受信したデータを復号化し、また画像形成装置10からのファクシミリ送信のためにデジタルデータをコードする。通信処理部12は、コントローラ1が含むアプリケーション・プログラムからのデータ伝送要求を受け付け、NIC(Network Interface Card)15からイーサネット(登録商標)またはワイヤレスLANへとデータを伝送し、また入来データをアプリケーション・プログラムへと伝送する。
【0015】
イメージ変換部13は、画像形成装置10が取得したデータを、GIF、BMP、JPEG、JPEG2000、TIFF、PNGなどのイメージ・データに変換し、変換されたイメージ・データを使用してPDL(Page Description Language)を作成し、作成したPDLを、後述するプリンタ・エンジン2に渡し、画像形成させる。
【0016】
プリンタ・エンジン2は、電子写真法またはインクジェット法を使用した画像形成を行っている。また、プリンタ・エンジン2は、各画像形成方法により画像を形成するため、感光体、半導体レーザ、現像器、転写装置、定着装置またはインク容器およびインクジェット・ノズルなどを含んで構成されている。プリンタ・エンジン2は、PJL(Printer Job Language)をサポートしていて、外部からのプリント要求に対応した印刷を実行することができる。さらに不揮発性メモリ18を有し、電源切断前後において所定の情報を保持する。
【0017】
画像形成装置10は、PSU(Power Supply Unit)7を備えている。PSU7は、従来の動力供給装置と同様に、画像形成装置10全体の電源供給を管理している。さらに本発明において、PSU7は、プリンタ・エンジン2の電源管理を行い、プリンタ・エンジン2の電源を切断又は投入することで省エネルギーを実現する。
【0018】
コントローラ1とプリンタ・エンジン2は、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、Windows(登録商標)サーバなどのオペレーティング・システム(以下、OSとする)を動作する、CPUを双方に含んでいる。コントローラ1とプリンタ・エンジン2はUSBにより接続されており、各々のCPUは互いに独立している。コントローラ1がホスト、プリンタ・エンジン2がデバイスとなってUSB通信をすることで、印刷データや印刷に必要な制御パラメータの送受信を行う。
【0019】
本発明の実施の形態において、画像形成装置10は、ファクシミリ、コピー、プリンタ、ARDFなどの複合的な機能を提供しており、従来通りの一般的な複合機の機能を有する。ユーザからの直接指令またはPCなど画像形成装置10に接続された外部機器からのジョブ要求、公衆電話網から受信したファクシミリデータを処理し、画像形成を行う。
【0020】
さらに、本発明の実施の形態において、画像形成装置10は、コントローラ1とプリンタ・エンジン2を制御するCPUを独立して有し、必要に応じてコントローラ1がプリンタ・エンジン2の電源を切断及び投入し、省エネルギーを実現する。機器の電源が切断されたときは、コントローラ1からプリンタ・エンジン2に対し電源を切断するよう指示する。プリンタ・エンジン2がPSU7に指示を出し、プリンタ・エンジン2の電源を切断する。同時に、PSU7によりコントローラ1の電源も切断される。省エネルギー実現のため、コントローラ1の電源を維持しつつプリンタ・エンジン2の電源を切断するときは、コントローラ1からプリンタ・エンジン2に対し電源を切断するよう指示を行い、プリンタ・エンジン2がPSU7に指示を出し、プリンタ・エンジン2の電源を切断する。
【0021】
また、詳しくは後述するが、プリンタ・エンジン2が電源を切断された要因を不揮発性メモリ18に保持しておき、電源投入時に不揮発性メモリ18を参照することで、省略可能な初期化処理を省略する。
【0022】
以下、コントローラ1が、コントローラ1の電源を維持しつつプリンタ・エンジン2の電源を切断している状態を省エネ状態とし、コントローラ1及びプリンタ・エンジン2双方の電源が切断されている状態を機器電源オフ状態とする。コントローラ1及びプリンタ・エンジン2双方の電源が維持されている状態を、通常状態とする。
【0023】
以下、画像形成装置10の機能について説明する。図2は、コントローラ1及びプリンタ・エンジン2における機能ブロック図である。
【0024】
一定時間プリンタ・エンジン2が稼動していない場合、コントローラ1がプリンタ・エンジン2の電源を切断して省エネ状態とするが、省エネ状態から通常状態に復帰する時に初期化処理を行う必要がある。しかし、省エネ状態からの復帰の際は、機器電源を投入した時に行う初期化処理に比べ、省略しても支障のない初期化処理がある。このような初期化処理を省略するため、電源切断時に省エネ電源オフであるとの情報を保持し、電源投入時に保持内容を参照して、不要な初期化処理を省略する。
【0025】
一方、省エネ状態において一定のメンテナンスが必要な場合がある。詳しくは後述するが、省エネ状態が一定時間続くと、コントローラ1からプリンタ・エンジン2にメンテナンス指令が出され、プリンタ・エンジン2がメンテナンス指令に従いメンテナンスを実行する。
【0026】
コントローラ1は、省エネ動作制御部210のほか、スキャナ制御部、FAX制御部、ネットワーク制御部を備える。省エネ動作制御部210は、省エネ判断部211、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212、メンテナンス要求検出部213、メンテナンス指令部214、LCDメッセージ表示制御部215から構成される。
【0027】
プリンタ・エンジン2は、省エネ状態制御部220、印刷制御部232を備える。省エネ状態制御部220は、電源オン/オフ制御部221、電源オフ情報保持部222、電源オフ情報チェック部223、設定・センサ情報保持部224、設定・センサ情報チェック部225、初期化処理制御部226、初期化処理実行部227、メンテナンス制御部228、メンテナンス実行部229、メンテナンス終了通知発信部230、初期化処理終了通知発信部231から構成される。
【0028】
省エネ動作制御部210は、省エネ状態及び通常状態への移行、省エネ状態中のメンテナンス等の指令を行う。省エネ判断部211は、プリンタ・エンジン220が一定時間稼動していないと判断すると、通常状態から省エネ状態に移行する指示を行う。省エネ判断部211は、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212にプリンタ・エンジン2の電源を切断する指令を出す。
【0029】
また、省エネ判断部211は、省エネ状態中にプリンタ・エンジン2への稼動命令を検出した場合、省エネ状態から通常状態へ復帰する必要があると判断し、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212にプリンタ・エンジン2の電源を投入する指令を出す。例えば、FAXを受信したり、外部のPCから印刷ジョブを受信するなどの印刷指令を受信した場合、プリンタ・エンジン2に対し稼動命令があったとして、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212に対しプリンタ・エンジン2への電源を投入するよう指示する。
【0030】
プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212は、省エネ判断部211から省エネ電源オフとする指令を受け付けると、電源オン/オフ制御部221にプリンタ・エンジン2の電源を切断するよう指示を出す。また、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212は、省エネ判断部211から省エネ状態から復帰する命令を受け付けた場合、電源オン/オフ制御部221に、プリンタ・エンジン2の電源を投入するよう指示を出す。
【0031】
プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212は、PSU7による機器電源を切断又は投入を検出した場合、電源オン/オフ制御部221に、プリンタ・エンジン2の電源を切断又は投入するよう指示を出す。
【0032】
メンテナンス要求検出部213は、プリンタ・エンジン2の電源停止が一定時間続くと、メンテナンスの要求を検出する。具体的には、メンテナンス要求検出部213は、省エネ状態の継続時間をタイマで計測し、一定時間が経過した時にメンテナンスの必要が生じていると判断し、メンテナンス指令部214にメンテナンスを要求する。メンテナンス指令部214は、メンテナンス要求検出部213の要求を受け、プリンタ・エンジン2にメンテナンスを指令する。LCDメッセージ表示制御部215は、LCDパネル5に、メンテナンスが実行中であることを示すメッセージを表示する。
【0033】
省エネ状態制御部220は、プリンタ・エンジン2が省エネ状態から通常状態に復帰する際の初期化処理を制御する。また、省エネ状態制御部220は、省エネ状態に基づくメンテナンスの要求が検出された場合、メンテナンスの制御を行う。
【0034】
電源オン/オフ制御部221は、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212から、通常状態から省エネ状態に移行する時の電源切断命令を受け付ける。また、電源オン/オフ制御部221は、省エネ状態から通常状態に復帰する時、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212からの電源投入命令を受け付ける。さらに、コントローラ1に接続されたPSU7が機器電源の切断または投入の指令を受け付けた場合、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212から電源切断命令、または電源投入命令を受け付ける。プリンタ・エンジン2の電源切断又は投入命令を受け付けた電源オン/オフ制御部221は、PSU7を制御し、プリンタ・エンジン2の電源を制御する。
【0035】
電源オフ情報保持部222は、プリンタ・エンジン2の電源が切断される時、電源が切断される契機がいずれであったかを示す情報を保持する。例えば、bit信号1が省エネ状態の電源切断命令、0が機器電源オフ状態の電源切断命令として、情報を保持する。
【0036】
電源オフ情報チェック部223は、プリンタ・エンジン2に電源が投入された時に、電源オフ情報保持部222に保持された情報を参照する。設定・センサ情報保持部224は、プリンタ・エンジン2の電源が切断される時に所定の情報を保持する。保持するのは画像形成装置10が備えるセンサからの情報、及び画像形成装置10に接続された外部PCにおいて設定された情報である。設定・センサ情報チェック部225は、プリンタ・エンジン2に電源が投入された時、設定・センサ情報保持部224に保持されたセンサ情報を参照する。
【0037】
なお、電源オフ情報保持部222及び設定・センサ情報保持部224は、不揮発性メモリ18に情報を保持する。不揮発性メモリに保持することで、プリンタ・エンジン2の電源が切断されてもデータが消滅せず、電源を投入したときに切断前の情報を認識することができる。
【0038】
初期化処理制御部226は、電源オフ情報チェック部223、及び設定・センサ情報チェック部225の情報から、プリンタ・エンジン2が行う初期化処理について判断し、初期化処理を制御する。初期化処理実行部227は、プリンタ・エンジン2について初期化処理を実行する。初期化処理実行部227は、初期化が終了した時に初期化処理終了通知発信部231に通知を行う。初期化処理終了通知発信部231は、メンテナンス制御部228に初期化処理が終了した旨の通知を行う。
【0039】
メンテナンス制御部228は、メンテナンス指令部214からメンテナンス指令があった場合にメンテナンスを制御する。メンテナンス制御部228は、初期化処理終了通知発信部231から初期化処理が終了した旨の通知を受信した後、メンテナンス実行部229にメンテナンスを実行させる。メンテナンス実行部229は、プリンタ・エンジン2に対してメンテナンスを実行する。メンテナンス終了通知発信部は230は、メンテナンスが終了した場合に、メンテナンス終了通知を発信する。
【0040】
コントローラ1は、一定時間プリンタ・エンジン2が稼動していない場合、通常状態から省エネ状態に移行する必要があると判断し、プリンタ・エンジン2の電源を切断する。その際、プリンタ・エンジン2は、省エネ電源オフであるとの情報、及び電源切断時のプリンタの設定情報、センサ情報を保持する。省エネ状態中、コピー指示やFAX受信等を検知すると、コントローラ1の省エネ判断部211が、省エネ状態から通常状態に復帰する必要があると判断し、プリンタ・エンジン2に電源を投入する。電源投入に伴い、プリンタ・エンジン2は初期化処理を実行するが、その際、電源切断前に保持した情報を参照し、不要な初期化処理を省略する。この構成により、省エネ状態からの復帰に基づく初期化処理に不要な時間をかけず、ユーザの利便性が向上する。
【0041】
〔第一の実施形態〕
以下、第一の実施形態について説明する。第一の実施の形態においては、画像形成装置10に対して、省エネ状態に入る時に省エネ電源オフであるとの情報を保持し、省エネ状態からの復帰時に保持内容を参照し、省エネ状態からの復帰であることを認識する。これにより、機器電源投入時に比べて不要な初期化処理を省略することができる。
【0042】
通常状態の時に、コントローラ1内の省エネ判断部211が、省エネ状態に移行する情報を受け付けると、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212がプリンタ・エンジン2内の電源オン/オフ制御部221に電源切断命令を送信する。電源オン/オフ制御部221が電源切断命令を受け付けると、電源オフ情報保持部222が、省エネ状態の電源切断命令であるとの情報を保持する。その後、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212により、プリンタ・エンジン2の電源が切断される。
【0043】
省エネ判断部211が、省エネ状態から通常状態へ復帰する情報を受け付けると、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212が電源オン/オフ制御部221に、プリンタ・エンジン2の電源投入命令を出す。電源オン/オフ制御部221は、PSU7を制御し、プリンタ・エンジン2に電源を投入する。電源オフ情報チェック部223が、電源オフ情報保持部222を参照し、省エネ状態からの復帰であると認識すると、初期化処理制御部226は、通常の初期化処理から所定の処理を省略して初期化処理実行命令を出す。初期化処理実行部227は、初期化処理実行命令に従い、所定の初期化処理を行う。
【0044】
省エネ状態からの復帰の際、機器電源オフ状態から電源が投入された場合と異なり、装置内の異物検知の初期化処理が不要となる。装置内の異物検知とは、プリンタの紙詰まりを除去した際に、取り残した紙片等がないか、キャリッジを駆動範囲全域に渡って動作して、キャリッジにかかる負荷をチェックして異物の有無を判断する処理である。紙詰まり等のエラーが発生しているときは、省エネ状態に入らないため、省エネ状態からの復帰の際に装置内の異物検知が必要となることはない。
【0045】
また、コントローラ1及びプリンタ2に保持している設定情報の比較も、省エネ状態からの復帰の際は行わない。トレイや用紙サイズ、インクカートリッジの設定情報を比較し、変更があった場合には設定変更を行う初期化処理を省略することで、省エネ状態からの復帰の際に初期化処理にかかる時間を短縮できる。
【0046】
以下、本実施形態1における画像形成装置10の処理手順について説明する。図3は、第一の実施形態における処理手順を表すフローチャートである。S401では、プリンタ・エンジン2内の電源オン/オフ制御部221が、プリンタ・エンジン220の電源を切断する情報を受け付ける。S402において、電源切断命令が省エネ状態の電源切断命令である場合、S403に進み、省エネ状態の電源切断命令であるとの情報を、電源オフ情報保持部222に保持する。電源切断命令が、機器電源オフ状態の電源切断命令である場合、S410に進み、機器電源オフ状態の電源切断命令であるとの情報を、電源オフ情報保持部222に保持する。その後、S404において、プリンタ・エンジン2の電源が切断される。
【0047】
S405において、電源オン/オフ制御部221が電源投入命令を受け付け、プリンタ・エンジン2に電源が投入されると、S406において、電源オフ情報チェック部223が電源オフ情報保持部222の内容を参照する。省エネ状態の電源切断命令であるとの情報が保持されている場合、電源オフ情報チェック部223は、省エネ状態からの復帰であると判断し、S407に進む。初期化処理制御部226は、機器電源オフ状態からの電源投入時に行われる初期化処理から、所定の初期化処理を省略した初期化処理を、初期化処理実行部227に指示する。以下、機器電源オフ状態からの電源投入時に行われる初期化処理を、第一の初期化処理とし、第一の初期化処理から所定の初期化処理を省略した初期化処理を、第二の初期化処理とする。
【0048】
S406において、電源オフ情報保持部222に機器電源オフ状態の電源切断命令であるとの情報が保持されている場合、電源オフ情報チェック部223は画像形成装置10に電源が投入されたと判断し、S411に進む。初期化処理制御部226は、画像形成装置10の起動時に行われるすべての初期化処理を初期化処理実行部227に指示する。初期化処理実行部2207が初期化処理を実行すると、装置の起動が完了する(S408)。
【0049】
本実施形態では、省エネ状態からの復帰の際に不要な初期化処理を省略することで、装置の起動までにかかる時間を短縮することができる。
【0050】
なお、本実施例では電源オフ情報保持部222に保持された情報で、電源の復帰要因を判断したが、プリンタ・エンジン2に電源を投入した際、コントローラ1の有するCPUからハード的な信号情報をもらって判断する制御にしても構わない。また、本実施例ではコントローラ1がプリンタ・エンジン2の電源を切断して省エネ状態としたが、スキャナユニット等、画像形成装置10が有する別のユニットに対する電源を切断する制御にしても構わない。
【0051】
〔第二の実施形態〕
以下、第二の実施の形態について説明する。第二の実施形態では、省エネ状態中に画像形成装置10に生じた変化をチェックし、省エネ状態からの復帰であっても必要な初期化処理を省略せずに行うことで、印刷実行の際の印刷開始時間の遅れを防ぐ。
【0052】
図2に戻る。通常状態から省エネ状態に移行する際、電源オフ情報保持部222が省エネ状態の電源切断命令であるとの情報を保持する。併せて、設定・センサ情報保持部224が、センサからの情報及び外部PCにおいて設定された情報を保持し、プリンタ・エンジン2の電源が切断される。
【0053】
プリンタ・エンジン2に電源が投入されると、電源オフ情報チェック部223が、省エネ状態からの復帰であることを認識し、初期化処理制御部226に情報を送信する。初期化処理制御部226から設定・センサ情報のチェックを要求された設定・センサ情報チェック部225は、設定・センサ情報保持部224を参照する。設定・センサ情報チェック部225は、設定・センサ情報保持部224に保持された情報と、プリンタ・エンジン2への電源投入の際に認識したセンサ情報及び設定情報を比較し、比較結果を初期化処理制御部226に送信する。初期化処理制御部226は、比較結果に相違があった場合、省エネ状態の際に画像形成装置10に何らかの変更があったと認識し、相違に関連する初期化処理を行うよう、初期化処理実行部227に指示する。
【0054】
省エネ状態の際に、用紙の差込口に異物が混入した場合、上述した装置内の異物検知の初期化処理を省略すると、印刷の際に初めて異物が認識されるため、印刷が開始される時間が遅れてしまう。また、電源切断の際に、用紙トレイにA4の用紙サイズが設定されていたにもかかわらず、省エネ状態の際に、用紙トレイの中身をA5の用紙に差し替えた場合にも印刷開始の遅れが発生する。実際に印刷を開始する際になって設定変更を認識して、設定変更の情報を処理してから印刷動作が行われるため、設定情報及びセンサ情報が変更されていない場合に比べて、印刷が開始される時間が遅れてしまう。
【0055】
設定・センサ情報チェック部225による設定情報及びセンサ情報の比較の結果、異物に関する比較結果に相違があった場合、異物をセンサが検知したとして、装置内の異物検知の初期化処理を省略しないで行う。また、設定情報と異なる用紙サイズをセンサが検知したため比較結果に相違が生じた場合、初期化処理として設定情報及びセンサ情報の比較を行い、用紙サイズの設定を更新する。省エネ状態からの復帰の際に、設定・センサ情報を確認し、必要な初期化処理を行うことによって、省エネ状態からの復帰後にユーザが印刷出力を行う際の待ち時間を短縮することができる。
【0056】
以下、第二の実施形態における画像形成装置10の処理手順について説明する。図4は、第二の実施形態における処理手順を表すフローチャートである。以下、プリンタ・エンジン2への電源切断は、通常状態から省エネ状態への移行に基づくものであることを前提とする。プリンタ・エンジン2の電源が切断され、その後電源が投入されるまでは、第一の実施形態における図3のS401からS405と同じである(S501〜S504)。
【0057】
プリンタ・エンジン2に電源が投入されると、S505において電源オフ情報チェック部223が電源オフ情報保持部222を参照し、省エネ状態からの復帰と判断し、S506に進む。設定・センサ情報チェック部225は、設定・センサ情報保持部224を参照し、保持された内容と、電源投入後に検知した設定情報及びセンサ情報を比較する。比較結果に相違がない場合、設定・センサ情報に変更がないと認識し、S507に進んで第二の初期化処理を行う。比較結果に相違があった場合は、設定・センサ情報に変更があったと認識し、S510において変更に関連する初期化処理を省略しないで行う。つまり、第二の初期化処理に、変更に関連する初期化処理を加えて行う。これを第三の初期化処理とする。初期化処理実行部227が初期化処理を実行すると、装置の起動が完了する(S508)。
【0058】
第二の実施形態によれば、省エネ状態からの復帰の際に、画像処理装置12に施された変更を検知して必要な初期化処理を行い、なおかつ不要な初期化処理を省略することができる。これにより、省エネ状態からの復帰に伴う初期化処理にかかる時間を短縮し、さらに印刷開始の際の待ち時間を短くすることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
〔第三の実施形態〕
以下、第三の実施の形態について説明する。第三の実施形態では、省エネ状態において、プリンタ・エンジン2の電源切断に伴う不具合が生じることがあり、この不具合を解消するために、省エネ状態が一定時間続いた場合に、コントローラ1がプリンタ・エンジン2にメンテナンスを実行させる。図2において、省エネ状態中にメンテナンス要求検出部213がメンテナンスの要求を検出した場合、要求をメンテナンス指令部214に伝える。
【0060】
省エネ状態ではプリンタ・エンジン2の電源が切断されているが、プリンタ・エンジン2の機能を維持するために、一定の動作を実行させる必要がある。例えば、印刷装置の記録紙搬送機構はベルトで形成されているが、省エネ状態で長時間放置されていると、ベルトとベルトを駆動するためのローラが同じ位置で止まったままになってしまう。これにより、ベルトに癖がついてしまい、印刷を実行するために記録紙を搬送する際に、記録紙とベルトが密着しなくなってしまい、搬送性能が低下してしまう。
【0061】
また、印刷装置の印刷ヘッド機構は、直径約μmのノズルで形成されているが、省エネ状態で長時間放置されていると、印刷ヘッドのノズル周辺のインクが乾燥して、ノズルを目詰まりさせてしまう。印刷を実行するためにインクを吐出する際に、ノズルからインクを吐出できなくなってしまい、印刷性能が低下してしまう。
【0062】
以上のように、画像形成装置10が省エネ状態に入ることで不具合が生じる場合があり、メンテナンス要求検出部213は、このような不具合を解消するための所定のメンテナンス要求を検出する。メンテナンス要求の詳細は後述する。
【0063】
メンテナンス指令部214は、メンテナンス要求検出部213から情報を受け取ると、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212に伝え、プリンタ・エンジンオン/オフ制御部212はプリンタ・エンジン2の電源を投入する。メンテナンス指令部214は、メンテナンス指令をプリンタ・エンジン2内のメンテナンス制御部228に行う。メンテナンス制御部228は、受け付けたメンテナンス指令に基づき、所定のメンテナンスをメンテナンス実行部229に実行させる。
【0064】
ベルトの固定癖を除去するために、コントローラ1にタイマを用意しておき、プリンタ・エンジン2の電源を切断したあとタイマで時間を計測(例えば5分)する。5分たったら、メンテナンス要求検出部213がメンテナンスの要求を検出する。省エネ状態中5分間隔でベルトを1〜2mm程度駆動することで、ベルトが同じ位置に止まっていることを防止する。
【0065】
印刷ヘッドのノズルの目詰まりを防止するためには、印刷ヘッドのクリーニングをする必要がある。ベルトの固定癖除去の場合と同様に、コントローラ1内のタイマで一定時間(例えば一日)が経過したら、メンテナンス要求検出部213がメンテナンス要求を検出する。一日以上省エネ状態が続いた場合、印刷ヘッドの表面をワイパーで擦って、付着しているインクを取り除き、インクを数十滴吐出するメンテナンスを行うことで、ノズル周辺のインクが乾燥してノズルが目詰まりすることを防止する。
【0066】
メンテナンスが終了したら、メンテナンス終了通知発信部230がメンテナンス終了通知をメンテナンス制御部228に出し、メンテナンス制御部228はメンテナンスが終了したことをメンテナンス指令部214に伝える。メンテナンス指令部214からメンテナンスが終了したことを伝えられたプリンタ・エンジンオン/オフ制御部212は、プリンタ・エンジン2の電源を切断し、再び省エネ状態に入る。
【0067】
なお、上述した印刷ヘッドのクリーニングの際、ヘッドを搭載しているキャリッジを駆動したり、ワイパー等の機構を動作するため、どうしても大きな動作音が発生してしまう。画像形成装置10が省エネ状態にある際に、大きな動作音がした場合、ユーザが異常動作していると誤解する可能性がある。
【0068】
これを防ぐために、コントローラ1にLCDメッセージ表示制御部215を備える。メンテナンス制御部228がメンテナンスを実行させる際、LCDメッセージ表示制御部215にメンテナンス実行中であることをユーザが認識する表示を行う。本実施例の場合、例えば「ヘッドクリーニング中」との表示を行うことで、ユーザは装置が正常なクリーニング動作を実行していることを認識することができる。
【0069】
以下、第三の実施形態における画像形成装置10の処理手順について説明する。図5は、第三の実施形態の処理手順を表すフローチャートである。以下、プリンタ・エンジン2への電源切断は省エネ状態への移行に伴うものであり、省エネ状態中にメンテナンスの要求が検出されたことを前提とする。
【0070】
電源オフ情報保持部222に、省エネ状態に入る場合の電源切断命令であるとする情報を保持して、プリンタ・エンジン2の電源が切断されるまでの過程は、図3におけるS401からS404と同様である(S601〜S603)。
【0071】
S604では、メンテナンス要求検出部213がメンテナンスの要求を検出する。S605においてプリンタ・エンジン2の電源が投入されると、S606で、メンテナンス制御部228がメンテナンス指令部214からメンテナンス指令を受信する。S607では電源オフ情報保持部222が参照され、省エネ状態からの復帰であると判断される。S608において、設定・センサ情報保持部224が参照され、設定・センサ情報の比較結果に相違がない場合はS609において第二の初期化処理、相違がある場合はS610において第三の初期化処理が行われる。
【0072】
S611において、メンテナンス制御部228が初期化処理終了通知発信部231から初期化処理が終了した旨の通知を受け付けると、S612に進み、メンテナンス実行部229によってメンテナンス処理が実行される。S613において、必要に応じてLCDパネル5へメッセージが表示される。
【0073】
S614でメンテナンスが終了すると、S615において、メンテナンス終了通知発信部230からメンテナンス終了通知を受け付けたメンテナンス制御部228が、メンテナンス指令部214にメンテナンスの終了を伝える。S616では、メンテナンス指令部214からメンテナンスが終了したことを伝えられたプリンタ・エンジンオン/オフ制御部212が、電源オン/オフ制御部221に電源を切断するよう指令する。プリンタ・エンジン2の電源が切断され、S617で省エネ状態に移行する。
【0074】
本実施形態では、省エネ状態が継続することによる弊害を除去することができ、ユーザの利便性が向上する。さらに、メンテナンス実行が装置の異常動作でないことを、ユーザが認識することができる。
【0075】
以上の実施形態において、画像形成装置10は、コントローラ1とプリンタ・エンジン2を制御するCPUを独立して有するとしたが、この形態に限定されるものではない。画像形成装置全体を制御し、省エネ状態の電源制御を行うCPUと、スキャナ、FAX等のエンジンを制御するCPUとを独立して有する形態であればよい。CPUの数も、3つ以上としても構わない。独立したCPUごとにPSUを備える形態であっても構わない。
【0076】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 コントローラ
2 プリンタ・エンジン
5 LCDパネル
8 不揮発性メモリ
10 画像形成装置
18 不揮発性メモリ
212 プリンタ・エンジンオン/オフ制御部
213 メンテナンス要求検出部
214 メンテナンス指令部
215 LCDメッセージ表示制御部
222 電源オフ情報保持部
223 電源オフ情報チェック部
224 設定・センサ情報保持部
225 設定・センサ情報チェック部
226 初期化処理制御部
227 初期化処理実行部
229 メンテナンス実行部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2000−196789号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源オフの状態として当該画像形成装置の電源が切断される機器電源オフ状態と、当該画像形成装置の一部の電源が切断される省エネ状態とを有し、第一のCPU及び第二のCPUの複数の独立したCPUを有する画像形成装置において、
前記機器電源オフ状態では前記第一のCPU及び前記第二のCPUの電源が切断され、
前記省エネ状態では前記第一のCPUは電源を維持し、前記第二のCPUの電源が切断され、
前記第二のCPUの電源の切断前に、前記省エネ状態か、又は前記機器電源オフ状態かを、前記第二のCPUが第一のメモリに保持する電源オフ情報保持手段と、
前記第二のCPUの電源投入時に、前記第二のCPUが初期化処理を行う初期化処理手段とを有し、
前記初期化処理手段は、前記第二のCPUが前記第一のメモリを参照して、所定の初期化処理である第一の初期化処理又は前記第一の初期化処理から所定の手順を省略した初期化処理である第二の初期化処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
初期化処理に関係する機器の状態情報を検知するセンサと、
前記第二のCPUの電源の切断前に、前記センサが検知したセンサ情報を、前記第二のCPUが第二のメモリに保持するセンサ情報保持手段と、
前記省エネ状態から前記第二のCPUに電源が投入された時に、前記第二のメモリに保持されたセンサ情報と、前記センサが検知したセンサ情報とを前記第二のCPUが比較するセンサ情報チェック手段とを有し、
前記初期化処理手段は、前記センサ情報チェック手段により比較した結果に相違がない場合に、前記第二のCPUが前記第二の初期化処理を行い、
相違がある場合に、前記第二の初期化処理に代えて、前記第二のCPUが、前記第二の初期化処理に、相違に関連する初期化処理を加えた第三の初期化処理を行うことを特徴とする、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記省エネ状態において、前記第一のCPUが、前記第二のCPUの電源停止に起因する不具合に対する処理であるメンテナンスの要求を検出するメンテナンス要求検出手段と、
前記第一のCPUが、前記メンテナンスの要求を検出した場合に、前記第二のCPUの電源を投入し、前記第二のCPUに前記メンテナンスの指令を行うメンテナンス指令手段と、
前記第二のCPUが、前記メンテナンスの指令に基づき当該メンテナンスを実行するメンテナンス実行手段とを有し、
前記第一のCPUは、前記第二のCPUによる前記メンテナンスが終了した場合に、前記第二のCPUの電源を切断することを特徴とする、請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記メンテナンス実行手段は、前記メンテナンスを実行する状態において、表示部に所定の表示を行うことを特徴とする、請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
電源オフの状態として当該画像形成装置の電源が切断される機器電源オフ状態と、当該画像形成装置の一部の電源が切断される省エネ状態とを有し、第一のCPU及び第二のCPUの複数の独立したCPUを有する画像形成装置における画像形成方法であって、
前記機器電源オフ状態では前記第一のCPU及び前記第二のCPUの電源が切断され、
前記省エネ状態では前記第一のCPUは電源を維持し、前記第二のCPUの電源が切断され、
前記第二のCPUの電源の切断前に、前記省エネ状態か、又は前記機器電源オフ状態かを、前記第二のCPUが第一のメモリに保持する電源オフ情報保持手順と、
前記第二のCPUの電源投入時に、前記第二のCPUが初期化処理を行う初期化処理手順とを有し、
前記初期化処理手順は、前記第二のCPUが前記第一のメモリを参照して、所定の初期化処理である第一の初期化処理又は前記第一の初期化処理から所定の手順を省略した初期化処理である第二の初期化処理を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
前記第二のCPUの電源の切断前に、初期化処理に関係する機器の状態情報を検知するセンサが検知したセンサ情報を、前記第二のCPUが第二のメモリに保持するセンサ情報保持手順と、
前記省エネ状態から前記第二のCPUに電源が投入された時に、前記第二のメモリに保持されたセンサ情報と、前記センサが検知したセンサ情報とを前記第二のCPUが比較するセンサ情報チェック手順とを有し、
前記初期化処理手順において、前記センサ情報チェック手順により比較した結果に相違がない場合に、前記第二のCPUが前記第二の初期化処理を行い、
相違がある場合に、前記第二の初期化処理に代えて、前記第二のCPUが、前記第二の初期化処理に、相違に関連する初期化処理を加えた第三の初期化処理を行うことを特徴とする、請求項5記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記省エネ状態において、前記第一のCPUが、前記第二のCPUの電源停止に起因する不具合に対する処理であるメンテナンスの要求を検出するメンテナンス要求検出手順と、
前記第一のCPUが、前記メンテナンスの要求を検出した場合に、前記第二のCPUの電源を投入し、前記第二のCPUに前記メンテナンスの指令を行うメンテナンス指令手順と、
前記第二のCPUが、前記メンテナンスの指令に基づき当該メンテナンスを実行するメンテナンス実行手順とを有し、
前記第一のCPUは、前記第二のCPUによる前記メンテナンスが終了した場合に、前記第二のCPUの電源を切断することを特徴とする、請求項5又は6記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記メンテナンス実行手順に基づき前記メンテナンスを実行する状態において、表示部に所定の表示を行うことを特徴とする、請求項7記載の画像形成方法。
【請求項9】
請求項5ないし8いずれか一項記載の画像形成方法をコンピュータに実行させる画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−35153(P2013−35153A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171102(P2011−171102)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】