説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム

【課題】原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿以外のことから原稿サイズを決定すること。
【解決手段】画像形成装置300のジョブ制御部4は、原稿のサイズをプリンタユニット200の給紙段にセットされている用紙のサイズに基づいて予想する(S502)。そして、スキャナユニット100に原稿を給送させて前記予想されたサイズで原稿を読み取らせるとともに、センサにより給送される原稿のサイズを特定する(S503〜S504)。そして、前記特定されたサイズと前記予想されたサイズとが異なる場合、該原稿を再給送させて前記特定されたサイズで原稿を読み取らせるように制御する(S505〜S506)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿のサイズを決定する制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタル複合機等の画像形成装置には、給紙トレイに積載された原稿を一枚ずつ自動的に読取部に給送する自動原稿給送装置(ADF:Auto Document Feeder)を備えているものがある。
【0003】
図10は、ADFを備えた画像形成装置のスキャナ部を示す図である。
スキャナ部90は、原稿トレイ97上に積載された原稿99を一枚ずつ給送し、読取部の上を通過させることで原稿画像を光学的に読み取る。
このようなスキャナ部を用いた原稿読み取りにおいては、原稿画像の読み取りサイズを光学的な機構を用いて切り替えることが一般的に行われている。例えば、読取部の上を通過させる際の原稿搬送速度を、解像度や倍率に応じて変化させている。この時、原稿画像の読み取りサイズを決定するために、原稿読み取りが始まる前に原稿サイズを決定しておくことが求められる。
【0004】
特許文献1には、原稿の搬送経路に原稿の先端及び後端を検知するセンサを設け、当該センサで原稿の副走査方向(矢印92で示す方向)の長さを特定することが提案されている。さらに、特許文献1には、原稿の主走査方向(矢印91で示す方向)の長さを原稿トレイ上のセンサで特定することが提案されている。例えば、図10の原稿積載ガイド98の幅を検知するセンサ等もこのようなセンサに含まれる。
【0005】
特許文献2には、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えるために、原稿トレイ上に原稿サイズを検知するためのセンサを設けずに、原稿の先端及び後端を検知するセンサによって、原稿の副走査方向の長さのみを特定して、その長さを元に、原稿の主走査方向の長さを特定することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−13740号公報
【特許文献2】特開平6−291947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献2の技術では、センサの数は抑えられるものの、搬送される原稿の先端及び後端をセンサで検知することにより原稿の副走査方向の長さを測り、その長さから原稿サイズを特定するため、原稿サイズを特定するための原稿搬送が必ず必要となる。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿以外のことから原稿サイズを決定することが可能な仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段に原稿を給送する原稿給送手段と、用紙を格納する用紙格納手段と、前記用紙格納手段に格納されている用紙に印刷を行う印刷手段と、原稿のサイズを、前記用紙格納手段に格納されている用紙のサイズに基づいて予想する予想手段と、前記原稿給送手段に原稿を給送させて前記読取手段に前記予想手段で予想されたサイズで原稿を読み取らせる制御手段と、前記原稿給送手段によって給送された原稿のサイズを特定する特定手段とを有し、前記制御手段は、前記特定手段で特定されたサイズと前記予想手段で予想されたサイズとが異なる場合、前記原稿給送手段に原稿を再給送させて前記読取手段に前記特定手段で特定されたサイズで原稿を読み取らせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿以外のことから原稿サイズを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置のスキャナ部及びプリンタ部の各機構部の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す画像形成装置のハードウェアシステム構成の概略図である。
【図3】本発明の一実施例を示す画像形成装置に内蔵される制御プログラムの構成を示すブロック図である。
【図4】ADF上に積載された原稿を1枚ずつ読み取る際の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】ADFを備えた画像形成装置のスキャナ部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の一実施例を示す画像形成装置のスキャナ部及びプリンタ部の各機構部の構成を示す断面図である。
図1において、100はスキャナ部、200はプリンタ部である。以下、それぞれ詳細に説明する。
スキャナ部100の原稿給送トレイ101上に積載される原稿を読み取る場合、光学ユニット105を所定位置に固定し、ランプ104を点灯する。この状態で、原稿給送トレイ101上の原稿を1枚ずつ給送することで、光学ユニット105に対して原稿を相対的に移動させながら露光する。この時、原稿給送トレイ101上の原稿をピックアップローラ111で引き込み、第一搬送ローラ112及び第二搬送ローラ113を介して原稿を光学ユニット105上を通過させ、排出トレイ103に原稿を排出する。
【0014】
原稿の両面を読み取る場合は、光学ユニット105上を通過させた原稿を反転ローラ114によってスイッチバックさせることによって読み取り原稿面の表裏を反転させ、再度、原稿を第二搬送ローラ113を介して光学ユニット105上を通過させることで、原稿裏面を露光する。その後、もう一度反転ローラ114によってスイッチバックさせて排出トレイ103に原稿を排出する。
【0015】
また、原稿の再読み取りを行う場合は、上記原稿面の反転動作を二度行った上で、再度、原稿を第二搬送ローラ113を介して光学ユニット105上を通過させることで、原稿の再読み取りを行う。
【0016】
なお、上記101、111〜115、103は、自動原稿給送装置(ADF:Auto Document Feeder)を構成する。以下、原稿給送トレイ101上に積載された原稿を、「ADF上に積載された原稿」等という。また、原稿搬送路115に、搬送される原稿の先端及び後端を検知するセンサ116を設け、本発明の画像形成装置は、このセンサ116により、搬送される原稿の副走査方向の長さを特定することが可能である。
【0017】
対して、プラテンガラス102上にセットされる原稿を読み取る場合、ランプ104を点灯し、そして光学ユニット105を移動させて、原稿を露光走査する。
上記いずれの方法で原稿を読み取る場合のいずれの場合も、原稿を露光した際の反射光は、ミラー106、107、108及びレンズ109によってCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ110へ導かれる。
【0018】
このように、走査された原稿の画像はCCDイメージセンサ110によって読み取られる。CCDイメージセンサ110から出力される画像データは、所定の処理が施された後、コントローラユニット310(図2)へ転送される。
【0019】
以下、プリンタ部200各部の構成を動作と共に詳述する。
プリンタ部200のレーザドライバ221は、レーザ発光部201を駆動するものであり、コントローラユニット310(図2)から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部201に発光させる。該レーザ光は感光ドラム202に照射され、感光ドラム202にはレーザ光に応じた潜像が形成される。該感光ドラム202に形成された潜像の部分には、現像器203によって現像剤が付着される。
【0020】
プリンタ部は印刷用紙格納部としての給紙段を複数有し、それぞれ引き出し上の形状をしたカセット204、カセット205、カセット206、カセット207、そして、機外に露出しているトレイ上の手差し給紙段208を備えている。手差し給紙段208を除き、カセットを引き出し、そのカセットに印刷用紙を補給し、カセットを閉めることによって印刷用紙の補給を行っている。また、前記カセット204、205、206、207および手差し給紙段208にはセンサが取り付けられており、補給されている印刷用紙のサイズや数を検知する。
【0021】
そして、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット204、205、206、207、手差し給紙段208のいずれかから印刷用紙を給紙し、転写部209へ搬送路210によって搬送し、感光ドラム202に付着された現像剤を印刷用紙に転写する。
【0022】
現像剤の載った印刷用紙は搬送ベルト211によって、定着部212に搬送され、定着部212の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。その後、定着部212を通過した印刷用紙は搬送路213、搬送路214を通り、排出される。
【0023】
なお、印刷用紙の印字面を反転して排出する場合には、印刷用紙は搬送路215、搬送路216まで導かれ、そこから印刷用紙を逆方向に搬送し、搬送路217、搬送路214を通り、排出される。
そして、搬送路214より排出された印刷用紙は排出ビン222へ搬送され積載される。
【0024】
また、両面記録が設定されている場合は、定着部212を通過したあと、印刷用紙は搬送路215からフラッパ218によって、搬送路219に導かれ、その後印刷用紙を逆方向に搬送し、フラッパ218によって、搬送路216、再給紙搬送路220へ導かれる。再給紙搬送路220へ導かれた印刷用紙は上述したタイミングで搬送路210を通り、転写部209へ給紙される。
【0025】
図2は、本発明の一実施例を示す画像形成装置のハードウェアシステム構成の概略図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
図2において、300は本実施例の画像形成装置である。画像形成装置300は、コントローラユニット310、表示部320、操作部330、プリンタユニット(プリンタ部)200、スキャナユニット(スキャナ部)100を有する。
【0026】
表示部320は、LED(Light Emitting Diode)や液晶ディスプレイを備え、オペレータの操作内容や装置の内部状態を表示する。操作部330は、オペレータから操作を受け付ける。操作部330は、複数の操作ボタンを備えるだけでなく、表示部320とともにタッチディスプレイとして実現される場合もある。
【0027】
プリンタユニット200は、図1に示したように、画像データを印刷媒体に印刷する。スキャナユニット100は、図1に示したように、原稿を画像データとして読み込む。なお、スキャナユニット100は、ADF上の原稿を給送することなく、積載された原稿の主走査方向および副走査方向のどちらの長さも自動的に検知する手段を持たない構成となっている。
【0028】
コントローラユニット310は、CPU(Central Processing Unit)10、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、デバイス制御I/F(InterFace)16、表示I/F17、操作I/F18、ネットワークI/F19から構成される。
【0029】
CPU10は、画像形成装置300に内蔵される制御プログラムの実行媒体であり、各I/F、記憶媒体のメモリ、専用チップなどを介して、コントローラユニット310に接続されるデバイスの動作を制御する。
【0030】
ASIC11は、特定用途向けのチップであり、CPU10とは別に、画像処理などの特定の処理を担う。ROM12は不揮発性メモリ、RAM13は揮発性メモリ、HDD14は磁気ディスク等の記憶媒体である。ROM12又はHDD14には、CPU10が実行する制御プログラムなどが記憶され、本制御プログラムは実行時にRAM13に展開される。
【0031】
また、RAM13は、CPU10上で制御プログラムが実行される際のワークメモリとして動作し、印刷ジョブや印刷対象の画像データ等を記憶する。また、HDD14にも印刷ジョブや印刷対象の画像データ等が記憶される。なお、CPU10、ASIC11、ROM12、RAM13、及びHDD14は、図2においてそれぞれ1つしか存在しないが、他の実施形態として複数から構成される場合もあり、それらの構成および接続形態は本実施例に限らない。
【0032】
デバイス制御I/F16は、コントローラユニット310に接続されるデバイス(プリンタユニット200、スキャナユニット100)との入出力を制御し、デバイスの制御指示やデバイスの状態通知等の通信を行う。デバイス制御I/F16は、複数デバイスが接続可能なバス構造として実現されるだけでなく、複数のI/Fに分割されて、接続されるデバイスと1対1でI/Fが備えられる場合もある。
【0033】
表示I/F17は、表示部320への出力を司る。操作I/F18は、操作部330からの入力を司る。ネットワークI/F19は、ネットワーク370とのデータ入出力を司る。
【0034】
画像形成装置300は、外部I/FとしてネットワークI/F19を有する。画像形成装置300は、ネットワークI/F19を介してネットワークケーブル371でインターネット又はイントラネットであるLAN/WAN(Local Area Network/Wide Area Network)370に接続される(実際にはLAN/WANを構成するハブやサーバ/クライアントに接続される)。
【0035】
図3は、本発明の一実施例を示す画像形成装置に内蔵される制御プログラムの構成を示すブロック図であり、図2と同一のものには同一の符号を付してある。
本発明の実施例1である画像形成装置に内蔵される制御プログラムは、ROM12、RAM13、HDD14のいずれかの記憶媒体に記憶され、これらの記憶媒体を利用しながらCPU10上で実行される。
【0036】
本制御プログラムは、表示制御部7、オペレータ操作解釈部8、ネットワークプロトコル処理部9、ジョブ制御部4、画像処理部1、プリンタ制御部2、スキャナ制御部3から構成される。即ち、表示制御部7、オペレータ操作解釈部8、ネットワークプロトコル処理部9、ジョブ制御部4、画像処理部1、プリンタ制御部2、スキャナ制御部3は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現される機能部である。
【0037】
表示制御部7は、ジョブ制御部4からジョブや装置の状態などの情報を受け取り、その情報を表示画面に反映させるためのコマンドを表示I/F17に対して送信する。オペレータ操作解釈部8は、操作I/F18から操作コマンドを受信し、ジョブ制御部4に対してジョブ開始、中断、再開、終了等の様々な指示を行う。
【0038】
ネットワークプロトコル処理部9は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を含む標準ネットワークプロトコルの処理を行うことで、ネットワークI/F19を介したデータ送受信を実現する。
【0039】
画像処理部1は、スキャナユニット100で読み取った原稿画像データを受け取る、又は、受け取った画像データがPDL(Page Description Language)データである場合はデータの展開を行い、画像を生成する。そして、画像処理部1は、ASIC11に対するデータ送受信のタイミングやパラメータ設定を制御することで、画像の伸長圧縮や回転などの画像処理を行う。
【0040】
プリンタ制御部2は、画像データを紙媒体に印刷できるようプリンタユニット200をデバイス制御I/F16を介して制御する。また、プリンタ制御部2は、プリンタユニット200を構成する給紙段に登録された印刷用紙情報および給紙段にセットされた印刷用紙の残量情報を取得する。
【0041】
スキャナ制御部3は、原稿を画像データとして読み込めるようスキャナユニット100をデバイス制御I/F16を介して制御する。
このうち、ADF上に積載された原稿を読み取る場合は、スキャナ制御部3は、原稿を給送することで原稿画像を読み取ると同時に、原稿の副走査方向の長さを検知する。記憶媒体であるROM12、RAM13、HDD14のいずれかには、原稿の副走査方向から定型の原稿サイズを特定するためのテーブルが予め記憶されている。スキャナ制御部3は、検知した原稿の副走査方向の長さと前記テーブルを使って原稿サイズを特定する。
【0042】
さらに、スキャナ制御部3は、原稿の再読み取り判定を行う(判定方法については後述する)。原稿の再読み取りが必要と判定した場合は、スキャナ制御部3は、読み取った原稿の画像データを破棄し、給送された原稿を2回反転させた後、原稿画像の再読み取りを行うように制御する。
【0043】
ジョブ制御部4は、操作部330や外部から受信したデータをジョブとして受け取り、それぞれのジョブの内容に応じて各デバイスの動作を統括しながらジョブを実行制御する。
【0044】
例えば、コピー機能のジョブでは、ジョブ制御部4は、スキャナ制御部3、画像処理部1、プリンタ制御部2を制御してコピー動作を実現するとともに、表示制御部7にジョブの実行状況等の表示指示を出す。また、別の例として、スキャン機能のジョブでは、ジョブ制御部4は、スキャナ制御部3、画像処理部1を制御して生成した画像データをHDD14に格納する。さらに別の例として、送信機能のジョブでは、ジョブ制御部4は、スキャナ制御部3、画像処理部1を制御して画像データを生成し、ネットワークプロトコル処理部9を介した外部装置への画像データ送信を実現する。
【0045】
次に、実施例1に係るジョブ制御部4及びスキャナ制御部3におけるジョブ制御手順について説明する。
図4は、ADF上に積載された原稿を1枚ずつ読み取る際の制御手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4やスキャナ制御部3等により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0046】
ADF上に積載された原稿1枚の画像を読み取る場合、まずS501において、ジョブ制御部4は、ADF上に積載されている原稿のサイズが確定しているか否かを判定する。
【0047】
この時、例えば、表示制御部7は、表示部320上に原稿サイズを入力(指示)する画面を表示する。操作部330を介して所定の原稿サイズが入力された状態でジョブ開始指示を受信した場合、ジョブ制御部4は、原稿のサイズが確定していると判定する。即ち、原稿サイズが入力された状態でジョブ開始指示を受信した場合、ジョブ制御部4は、原稿のサイズが確定していると判定する。一方、原稿サイズが入力されていない状態でジョブ開始指示を受信した場合、ジョブ制御部4は、原稿のサイズが確定していないと判定する。
【0048】
ADF上に積載されている原稿のサイズが確定していると判定した場合(S501でYes)、S507に処理を進める。S507では、スキャナ制御部3は、ADF上の原稿を1枚給送するようADFを制御し、上記操作部330からの入力によって確定した原稿サイズに応じたスキャン制御を行い、原稿の画像データを生成する(S507)。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0049】
一方、ADF上に積載されている原稿のサイズが確定していないと判定した場合(S501でNo)、S502に処理を進める。
S502では、ジョブ制御部4は、これから読み取るADF上の原稿サイズを予想する。なお、S502においては、ADF上の原稿を給送することなく、ジョブ制御部4は原稿サイズを予想する。なお、原稿サイズの予想方法については図5(a)等を用いて後述する。
【0050】
次に、S503において、スキャナ制御部3は、ADF上に積載された原稿を1枚給送するようADFを制御し、予想した原稿サイズで読み取りを開始すると同時に、給送された原稿の副走査方向の長さを検知する。この給送される原稿の副走査方向の長さの検知は、センサ116が、給送される原稿の先端及び後端を検知し、スキャナ制御部3が、その検知結果から原稿の副走査方向の長さを算出することにより行う。
【0051】
次に、S504において、スキャナ制御部3は、上記S503で検知した原稿の副走査方向の長さから、定型の原稿サイズを特定する。
次に、S505において、スキャナ制御部3は、上記S502において予想した原稿サイズと上記S504において特定した原稿サイズとが一致しているか否かを判定する。
そして、上記S502において予想した原稿サイズと上記S504において特定した原稿サイズとが一致していると判定した場合(S505でYes)、スキャナ制御部3は、読み取った原稿の画像データを生成する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0052】
一方、上記S502において予想した原稿サイズと上記S504において特定した原稿サイズとが一致していないと判定した場合(S505でNo)、S506に処理を進める。
【0053】
S506では、スキャナ制御部3は、読み取った原稿の画像データを破棄し、原稿を2回反転して再給送するようADFを制御し、前記S504にて特定した原稿サイズに応じたスキャン制御を再度実行する(再読取処理)。そして、本フローチャートの処理を終了する。なお、ADFが原稿を2回反転する機構を持っていない場合には、ユーザが原稿を再度ADFにセットしてもよい。この場合、スキャナ制御部3は、読み取った原稿の画像データを破棄し、表示制御部7は、原稿をADFにセットするようユーザに指示するメッセージを表示部320に表示させる。ユーザが再度原稿をADFにセットした後、スキャナ制御部3は、原稿を再給送するようADFを制御する。
【0054】
次に、図5(a)のフローチャートを用いて、上記図4のS502において原稿サイズを予想する手順を具体的に説明する。
図5(a)は、本発明の実施例1における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0055】
まず、ジョブ制御部4は、印刷媒体(印刷用紙)を給紙する給紙段が確定しているか否かを判定する(S610)。
例えば、コピー機能のジョブの実行に際して、ジョブ制御部4は、表示部320上に、ユーザが利用を希望する印刷用紙がセットされた給紙段を指示する画面を表示する。そして、操作部330を介して所定の給紙段が指示された状態でコピー開始指示を受信した場合のように、所定の給紙段が指示された状態でコピー開始指示を受信した場合には、ジョブ制御部4は、給紙段が確定していると判定する。また、S610の判定では、ADF上に積載された複数枚の原稿束をスキャンする場合、1枚目の読み取りで特定した原稿サイズを元に自動用紙選択(APS:Auto Paper Select)及び自動給紙段選択がなされることによって、2枚目以降の読み取りでは給紙段が確定している場合も、給紙段が確定していると判定する。一方、所定の給紙段が指示されていない状態でコピー開始指示を受信した場合で、これから1枚目を読み取る場合には、ジョブ制御部4は、給紙段が確定していないと判定するものとする。
【0056】
給紙段が確定していると判定した場合(S610でYes)、S620に処理を進める。
S620では、ジョブ制御部4は、指示された給紙段に登録されている印刷用紙情報をプリンタ制御部2から取得し、この印刷用紙情報から得られる用紙サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
【0057】
一方、給紙段が確定していないと判定した場合(S610でNo)、S630に処理を進める。
S630では、ジョブ制御部4は、自動給紙段選択の対象となる給紙段のうち、最も優先的に選択する給紙段を、使用する給紙段に決定する。そして、決定した給紙段に登録されている印刷用紙情報をプリンタ制御部2から取得し、この印刷用紙情報から得られる用紙サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
【0058】
以上示したように、実施例1の画像形成装置は、プリンタ部200の給紙段にセットされている用紙サイズに基づいて原稿給紙前に予想される原稿サイズで、原稿をスキャンしながら、搬送された原稿のサイズを特定し、該特定した原稿サイズと事前に予想した原稿サイズが異なっている場合、特定した原稿サイズで原稿をスキャンし直すように制御する構成を有する。実施例1では、特に、自動給紙段選択の対象となる給紙段のうち、最も優先的に選択する給紙段に登録されている(セットされている)用紙サイズを予想原稿サイズとする。
【0059】
このような構成により、実施例1によれば、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿画像の読み取りの前に(原稿給送前に)原稿サイズを決定することができる。
【実施例2】
【0060】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例2)について、図5(b)を用いて説明する。
図5(b)は、本発明の実施例2における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0061】
なお、図5(b)のS610及びS620は、図5(a)のS610及びS620のステップと同一のステップであり、説明は省略する。
図5(b)のS610において、給紙段が確定していないと判定した場合(S610でNo)、S631に処理を進める。
S631では、ジョブ制御部4は、プリンタユニット200を構成する全ての給紙段に登録された印刷用紙情報をプリンタ制御部2から取得し、該取得した情報に基づいて、最も多くの給紙段に登録されている用紙サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
【0062】
以上示したように、実施例2では、複数の給紙段のうち、最も多くの給紙段に登録されている(セットされている)用紙サイズを予想原稿サイズとすることにより、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿画像の読み取りの前に(原稿給送前に)原稿サイズを決定することができる。
【実施例3】
【0063】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例3)について、図6(a)を用いて説明する。
図6(a)は、本発明の実施例3における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0064】
なお、図6(a)のS610及びS620は、図5(a)のS610及びS620のステップと同一のステップであり、説明は省略する。
図6(a)のS610において、給紙段が確定していないと判定した場合(S610でNo)、S632に処理を進める。
S632では、ジョブ制御部4は、プリンタユニット200を構成する全ての給紙段に登録された印刷用紙情報と全ての給紙段にセットされている印刷用紙の残量情報をプリンタ制御部2から取得し、該取得した情報に基づいて、印刷用紙の残量が最も多い給紙段に登録されている用紙サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
【0065】
以上示したように、実施例3では、複数の給紙段のうち、用紙残量が最も多い給紙段に登録されている(セットされている)用紙サイズを予想原稿サイズとすることにより、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿画像の読み取りの前に(原稿給送前に)原稿サイズを決定することができる。
【実施例4】
【0066】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例4)について、図6(b)を用いて説明する。
図6(b)は、本発明の実施例4における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
なお、図6(b)のS610及びS620は、図5(a)のS610及びS620のステップと同一のステップであり、説明は省略する。
【0067】
図6(b)のS610において、給紙段が確定していないと判定した場合(S610でNo)、S633に処理を進める。
S633では、ジョブ制御部4は、プリンタユニット200を構成する全ての給紙段に登録された印刷用紙情報をプリンタ制御部2から取得する。そして、ジョブ制御部4は、各給紙段にセットされている印刷用紙の残量を用紙サイズごとに積算し、その積算結果から残量が最も多い用紙サイズを予想原稿サイズとする。即ち、複数の給紙段において残量の合計が最も多い用紙のサイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
【0068】
以上示したように、実施例4では、複数の給紙段において残量が最も多い用紙サイズを予想原稿サイズとすることにより、実施例4によれば、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿画像の読み取りの前に(原稿給送前に)原稿サイズを決定することができる。
【実施例5】
【0069】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例5)について、図7(a)を用いて説明する。
図7(a)は、本発明の実施例5における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0070】
なお、図7(a)のS610及びS620は、図5(a)のS610及びS620のステップと同一のステップであり、説明は省略する。
【0071】
図7(a)のS610において、給紙段が確定していないと判定した場合(S610でNo)、S634に処理を進める。
S634では、ジョブ制御部4は、前回原稿の読み取りが行われた際に用いた原稿サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
なお、ジョブ制御部4は、前回のスキャン動作の際に最終的に用いた原稿サイズの情報を記憶媒体(RAM13、HDD14のいずれか)に記憶しておく。即ち、前回のスキャン動作の際に図4のS504で特定された原稿サイズを記憶しておくものとする。そして、上記S634において、ジョブ制御部4が、最後に記録された原稿サイズの情報を記憶媒体から取得して、原稿サイズの予想を行うものとする。
【0072】
また、ジョブ制御部4は、前回のスキャン動作の際に最終的にスキャナユニット100で読み取った原稿画像サイズを記憶媒体に記憶しておき、ジョブ制御部4が、最後に記憶媒体に記憶された原稿画像サイズに基づいて原稿サイズを予想してもよい。
【0073】
以上示したように、実施例5では、前回原稿の読み取りが行われた際の原稿サイズを予想原稿サイズとすることにより、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿画像の読み取りの前に(原稿給送前に)原稿サイズを決定することができる。
【実施例6】
【0074】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例6)について、図7(b)を用いて説明する。
図7(b)は、本発明の実施例6における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
なお、図7(b)のS610及びS620は、図5(a)のS610及びS620のステップと同一のステップであり、説明は省略する。
【0075】
図7(b)のS610において、給紙段が確定していないと判定した場合(S610でNo)、S635に処理を進める。
S635では、ジョブ制御部4は、前回までの原稿の読み取りで読み取った原稿サイズの実績を取得し、その実績から最も多く読み取った原稿サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
【0076】
なお、図7(b)で示す手順においては、ジョブ制御部4は、前回のスキャン動作の際に最終的に用いた原稿サイズの情報を記憶媒体(RAM13、HDD14のいずれか)に蓄積しておく。即ち、前回のスキャン動作の際に図4のS504で特定された原稿サイズを蓄積しておくものとする。そして、上記S635において、ジョブ制御部4は、記憶媒体から原稿サイズの実績情報を取得して、原稿サイズの予想を行うものとする。
【0077】
また、ジョブ制御部4は、前回のスキャン動作の際に最終的にスキャナユニット100で読み取った原稿画像サイズを記憶媒体に蓄積しておき、ジョブ制御部4が、記憶媒体から原稿画像サイズの実績情報を取得して、その実績から最も多く読み取った原稿画像サイズから原稿サイズを予想してもよい。
【0078】
以上示したように、実施例6では、前回までに原稿の読み取りが行われた実績のうち、最も多く読み取りが行われた原稿サイズを予想原稿サイズとすることにより、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿画像の読み取りの前に(原稿給送前に)原稿サイズを決定することができる。
【実施例7】
【0079】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例7)について、図8(a)を用いて説明する。
図8(a)は、本発明の実施例7における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0080】
まず、ジョブ制御部4は、記録画像サイズまたは送信画像サイズが確定しているか否かを判定する(S640)。
例えば、スキャン機能のジョブ(スキャンジョブ)の実行に際して、表示部320上に、ユーザが利用を希望する記録画像サイズを入力する画面を表示する。また例えば、送信機能のジョブ(送信ジョブ)の実行に際して、表示部320上に、ユーザが利用を希望する送信画像サイズを入力する画面を表示する。これらの画面から操作部330を介して所定の記録画像サイズ又は送信画像サイズが入力された状態でジョブ開始指示を受信した場合、ジョブ制御部4は、記録画像サイズまたは送信画像サイズが確定していると判定する。また、S610においては、ADF上に積載された複数枚の原稿束をスキャンする場合の2枚目以降の読み取りの場合も、画像サイズが確定しているものと判定する。一方、所定の記録画像サイズ又は送信画像サイズが入力されていない状態でジョブ開始指示を受信した場合で、これから1枚目を読み取る場合には、ジョブ制御部4は、記録画像サイズまたは送信画像サイズが確定していないと判定する。
【0081】
記録画像サイズまたは送信画像サイズが確定していると判定した場合(S640でYes)、S650に処理を進める。
S650では、ジョブ制御部4は、入力された画像サイズ(記録画像サイズまたは送信画像サイズ)を予想用紙サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
【0082】
一方、記録画像サイズまたは送信画像サイズが確定していないと判定した場合(S640でNo)、S634に処理を進める。
S634では、ジョブ制御部4は、前回原稿の読み取りが行われた際に読み取った原稿用紙サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
なお、図8(a)のS634は、図7(a)のS634のステップと同一のステップである。
【実施例8】
【0083】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例8)について、図8(b)を用いて説明する。
図8(b)は、本発明の実施例8における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
なお、図8(b)のS640及びS650は、図8(a)のS640及びS650のステップと同一のステップであり、説明は省略する。
【0084】
図8(b)のS640において、記録画像サイズまたは送信画像サイズが確定していないと判定した場合(S640でNo)、S635に処理を進める。
【0085】
S635では、ジョブ制御部4は、前回までの原稿の読み取りで読み取った原稿用紙サイズの実績を取得し、その実績から最も多く読み取った原稿用紙サイズを予想原稿サイズとする。そして、図4のフローチャートに処理を戻す。
なお、図8(b)のS635は、図7(b)のS635と同一のステップである。
【0086】
以上示したように、実施例7,8では、スキャン機能や送信機能のジョブのように、印刷を伴わないジョブを実行する場合、記録画像サイズ又は送信画像サイズが確定している場合、該確定した画像サイズに基づいて原稿サイズを予想することにより、原稿サイズを特定するためのセンサの数を抑えつつ、原稿画像の読み取りの前に(原稿給送前に)原稿サイズを決定することができる。
【実施例9】
【0087】
以下、上述した図4のS502における原稿サイズを予想する手順の別の実施例(実施例9)について、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の実施例9における原稿サイズ予想手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、ジョブ制御部4により実行される。即ち、このフローチャートの処理は、CPU10が記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録されるプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0088】
まず、S670において、ジョブ制御部4は、ジョブの種別を判定する(ジョブ種判定処理)。
ジョブ制御部4は、ジョブ種がコピー機能のジョブ(コピージョブ)であると判定した場合(即ち、印刷を伴うジョブの場合)、ステップ群S680へ処理を進める。
【0089】
ステップ群S680は、図5(a)、図5(b)、図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)で示したいずれかの手順、又は、これらを組み合わせた手順を有するステップ群である。即ち、ステップ群S680は、S610とS620を有し、さらにS630乃至S635のいずれか1以上のステップを有するステップ群である。これらのステップの詳細な説明は省略する。
【0090】
例えば、S630乃至S635のいずれか1のステップで、1の原稿用紙サイズを予想できない場合には、S630乃至S635の複数のステップを組み合わせてもよい。なお、1の原稿用紙サイズを予想できない場合とは、最も多くの給紙段に登録されている用紙サイズが複数存在する場合、用紙残量が最も多い給紙段に登録されている用紙サイズが複数存在する場合、用紙残量が最も多い用紙サイズが複数存在する場合、前記までの実績で最も多くスキャンされた用紙サイズが複数存在する場合等である。
【0091】
一方、ジョブ制御部4は、ジョブ種がスキャン機能又は送信機能のジョブ(スキャンジョブ又は送信ジョブ)であると判定した場合(即ち、印刷を伴わないジョブの場合)、ステップ群S690へ処理を進める。
【0092】
ステップ群S690は、図8(a)、図8(b)で示したいずれかの手順を有するステップ群である。即ち、ステップ群S690は、S640とS650を有し、さらにS634又はS635のステップを有するステップ群である。これらのステップの詳細な説明は省略する。
【0093】
なお、図9においては、ステップ群S680とステップ群S690の両方にS634が含まれる場合、いずれか一方のステップを省略可能である。また、ステップ群S680とステップ群S690の両方にS635が含まれる場合、いずれか一方のステップを省略可能である。
【0094】
なお、上記図7(a)、図7(b)、図8(a)、図8(b)、図9で示した手順を用いる実施例においては、例えば、スキャナ制御部3は、図4においてS505の後に読み取った原稿サイズの情報(又は特定した原稿サイズの情報でもよい)を記憶媒体(RAM13、HDD14のいずれか)に記憶しておく。
【0095】
また、上記図5(a)〜図9で示した手順を用いる実施例においては、スキャナ制御部3は、前回までの読み取り時の解像度及び変倍率の実績も加味して、原稿サイズを予想することも含むものとする。例えば、前回までの読み取り実績のうち、解像度及び変倍率等の読み取り条件が同じ読み取りでの原稿サイズを、予想原稿サイズとするようにしてもよい。
【0096】
以上示したように、本発明の各実施例によれば、画像形成装置の小型化及び少コスト化に対して原稿サイズを検知するための部品点数を最小限に抑えた画像形成装置であっても、原稿以外のことから原稿サイズを決定することができる。
【0097】
さらに、原稿の副走査方向の長さを検知するためだけの余計な原稿搬送回数を極小化することで、画像を読み取る際の生産性の低下を抑制することが可能となる。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0098】
(他の実施例)
本発明は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、スキャナ、プリンタ)から構成されるシステムに適用してもよい。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0099】
300 画像形成装置
100 スキャナユニット(スキャナ部)
200 プリンタユニット(プリンタ部)
310 コントローラユニット
10 CPU
12 ROM
13 RAM
4 ジョブ制御部
2 プリンタ制御部
3 スキャナ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段に原稿を給送する原稿給送手段と、
用紙を格納する用紙格納手段と、
前記用紙格納手段に格納されている用紙に印刷を行う印刷手段と、
原稿のサイズを、前記用紙格納手段に格納されている用紙のサイズに基づいて予想する予想手段と、
前記原稿給送手段に原稿を給送させて前記読取手段に前記予想手段で予想されたサイズで原稿を読み取らせる制御手段と、
前記原稿給送手段によって給送された原稿のサイズを特定する特定手段とを有し、
前記制御手段は、前記特定手段で特定されたサイズと前記予想手段で予想されたサイズとが異なる場合、前記原稿給送手段に原稿を再給送させて前記読取手段に前記特定手段で特定されたサイズで原稿を読み取らせる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙格納手段を複数有し、
前記予想手段は、用紙格納手段が指示されている場合、前記指示されている用紙格納手段にセットされている用紙のサイズを、原稿のサイズとして予想する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙格納手段を複数有し、
前記予想手段は、前記複数の用紙格納手段のうち最も優先して給紙される用紙格納手段に格納されている用紙のサイズを、原稿のサイズとして予想する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙格納手段を複数有し、
前記予想手段は、前記複数の用紙格納手段のうち最も多くの用紙格納手段に格納されている用紙のサイズを、原稿のサイズとして予想する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙格納手段を複数有し、
前記予想手段は、前記複数の用紙格納手段のうち用紙残量が最も多い用紙格納手段に格納されている用紙のサイズを、原稿のサイズとして予想する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙格納手段を複数有し、
前記予想手段は、前記複数の用紙格納手段において用紙残量の合計が最も多い用紙のサイズを、原稿のサイズとして予想する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記予想手段は、ジョブが印刷を伴うジョブであるか否かを判定し、印刷を伴うジョブであると判定した場合には、前記原稿のサイズを前記用紙格納手段に格納されている用紙のサイズに基づいて予想し、一方、印刷を伴わないジョブであると判定した場合には、原稿のサイズを前記読取手段による読み取り実績に基づいて予想する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段に原稿を給送する原稿給送手段と、
原稿のサイズを、前記読取手段による読み取り実績に基づいて予想する予想手段と、
前記原稿給送手段に原稿を給送させて前記読取手段に前記予想手段で予想された原稿サイズで読み取らせる制御手段と、
前記原稿給送手段によって給送された原稿のサイズを特定する特定手段とを有し、
前記制御手段は、前記特定手段で特定されたサイズと前記予想手段で予想されたサイズとが異なる場合、前記原稿給送手段に原稿を再給送させて前記読取手段に前記特定手段で特定されたサイズで原稿を読み取らせる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記特定手段で特定したサイズを前記読取手段による読み取り実績として記憶する記憶手段を備え、
前記予想手段は、前記記憶手段に最後に記憶されたサイズを、原稿のサイズとして予想する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記特定手段で特定したサイズを前記読取手段による読み取り実績として蓄積する記憶手段を備え、
前記予想手段は、前記記憶手段に最も多く蓄積されたサイズを、原稿のサイズとして予想する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段に原稿を給送する原稿給送手段と、用紙を格納する用紙格納手段と、前記用紙格納手段に格納されている用紙に印刷を行う印刷手段と、前記原稿給送手段によって給送された原稿のサイズを特定する特定手段とを有する画像形成装置の制御方法であって、
予想手段が、原稿のサイズを、前記用紙格納手段に格納されている用紙のサイズに基づいて予想する予想ステップと、
制御手段が、前記原稿給送手段に原稿を給送させて前記読取手段に前記予想手段で予想された原稿サイズで読み取らせる読取ステップと、
制御手段が、前記特定手段で特定されたサイズと前記予想手段で予想されたサイズとが異なる場合、前記原稿給送手段に原稿を再給送させて前記読取手段に前記特定手段で特定された原稿サイズで原稿を読み取らせる再読取ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段に原稿を給送する原稿給送手段と、前記原稿給送手段によって給送された原稿のサイズを特定する特定手段とを有する画像形成装置の制御方法であって、
予想手段が、原稿のサイズを、前記読取手段による読み取り実績に基づいて予想する予想ステップと、
制御手段が、前記原稿給送手段に原稿を給送させて前記読取手段に前記予想手段で予想されたサイズで読み取らせる読取ステップと、
制御手段が、前記特定手段で特定されたサイズと前記予想手段で予想されたサイズとが異なる場合、前記原稿給送手段に原稿を再給送させて前記読取手段に前記特定手段で特定されたサイズで原稿を読み取らせる再読取ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された画像形成装置の手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−42393(P2013−42393A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178505(P2011−178505)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】