説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラム

【課題】充電装置の蓄電装置の容量を少なくすることができ、低コスト性が高く、かつ、高い省エネルギ性を有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置が省エネモードに移行した時、充電装置の二次電池の残容量が十分に蓄えられていない場合には、CPUは、電力供給制御を実行する。時刻t0に省エネモードになったとき、二次電池の充電電圧は充電終了しきい値Aよりも低く、二次電池の残容量は十分ではない。CPUは、時刻t0から若干時間が経過した時点において、画像形成装置の複数の負荷のうち、優先順位が低いものへの電力供給を遮断する。電力供給制御が行われると、電力の消費量が少なくなり、時刻t1において二次電池の充電電圧が充電開始しきい値Bになるまで充電装置から電力供給が行われる。二次電池の容量を少なくでき、かつ、充電装置からの電力供給が行われる時間を長くして高い省エネルギ効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、充電装置を有する画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)としては、充電装置を備えたものがある。このような画像形成装置は、商用電源からの電力に代えて、充電装置から放出された充電電力を装置内の各部で使用することができる。充電電力は、例えば、スリープ時など、省エネルギモードで動作するときにおいて、使用できる。
【0003】
下記特許文献1には、スキャナ部の電源の1つに二次電池を有する補助電源を用いた画像形成装置が開示されている。この画像形成装置においては、補助電源の蓄電量に応じて、原稿の読み取り時にスキャナ部に補助電力を供給するか、AC電源を供給するかが決定される。
【0004】
下記特許文献2には、バッテリを備え、バッテリから電力供給されることでプリント動作可能なプリンタが開示されている。このプリンタでは、印字途中でプリント動作が中断することがないように、バッテリの残量に応じて、バッテリからの電力供給が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−5944号公報
【特許文献2】特開平9−109518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような充電装置を備えた画像形成装置においては、充電電力を供給する対象となる負荷(電力の供給先)が多いほど、充電装置に蓄える必要がある電力量が大きくなる。大きな電力量を蓄えるためには、容量が大きな二次電池などを用いる必要があり、充電装置に掛かるコストが増加する。これに対し、コスト増加を抑制するためには、容量が小さな二次電池などを用いることが望ましい。容量が小さな二次電池を用いるときには、電力の供給先を必要最低限に絞る必要がある。さらに、二次電池の充電残量が所定値以下になった場合には、充電装置からの電力供給を停止し、AC電源からの電力供給に切り替える必要がある。しかしながら、この場合、充電装置を用いることにより期待される省エネルギ性能が損なわれることになる。このように、低コスト性と省エネルギ性とはトレードオフの関係にあるところ、両者を共に向上させることが望まれている。
【0007】
上述の特許文献1及び特許文献2には、このような問題点に対して有効な解決策は何ら開示されていない。
【0008】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、充電装置の蓄電装置の容量を少なくすることができ、低コスト性が高く、かつ、高い省エネルギ性を有する画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置は、蓄電装置を用いて充放電を行う充電装置と、それぞれ充電装置からの電力供給先となり、画像形成装置の動作時に用いられる複数の負荷と、蓄電装置の残容量に関する情報を取得する第1の取得手段と、画像形成装置の動作状況に関する情報を取得する第2の取得手段と、第2の取得手段により取得された情報に応じて、複数の負荷について充電装置からの電力の供給先となる優先順位の設定を行う設定手段と、第1の取得手段により取得された情報と、設定手段により設定された優先順位とに応じて、充電装置の電力供給動作を制御する制御手段とを備える。
【0010】
好ましくは画像形成装置の動作状況に関する情報は、蓄電装置の残容量に関する情報を含む。
【0011】
好ましくは画像形成装置の動作状況に関する情報は、画像形成装置の利用頻度に応じて予め設定された時間情報を含む。
【0012】
好ましくは画像形成装置の動作状況に関する情報は、画像形成装置のユーザにより設定されたユーザ設定情報を含む。
【0013】
好ましくは画像形成装置の動作状況に関する情報は、画像形成装置の動作履歴に関する情報を含む。
【0014】
好ましくは画像形成装置の動作状況に関する情報は、画像形成装置に設けられた環境センサにより検出された情報を含む。
【0015】
好ましくは設定手段は、第2の取得手段により取得される情報と設定されるべき優先順位とが予め対応付けられてなる対応付け情報を有しており、第2の取得手段により取得された情報と、対応付け情報とに基づいて、優先順位の設定を行う。
【0016】
好ましくは制御手段は、蓄電装置の次回の充電開始予定時において蓄電装置の残容量が所定量となるように制御を行う。
【0017】
好ましくは画像形成装置は、画像形成装置が接続されているネットワークに接続されている機器の台数に関する情報を取得する第3の取得手段をさらに備え、設定手段は、第3の取得手段により取得された情報に応じて、優先順位の設定を行う。
【0018】
好ましくは画像形成装置は、画像形成装置の今後の使用状況に関する予測を行う第1の予測手段をさらに備え、設定手段は、第1の予測手段による予測結果に基づいて、優先順位の設定を行う。
【0019】
好ましくは画像形成装置は、画像形成装置を使用するユーザを識別する識別手段と、識別手段により識別されたユーザ毎に今後の画像形成装置の使用状況に関する予測を行う第2の予測手段とをさらに備え、設定手段は、識別手段による識別結果と、第2の予測手段による予測結果とに基づいて、優先順位の設定を行う。
【0020】
この発明の他の局面に従うと、蓄電装置を用いて充放電を行う充電装置と、それぞれ充電装置からの電力供給先となり、画像形成装置の動作時に用いられる複数の負荷とを備えた画像形成装置の制御方法は、蓄電装置の残容量に関する情報を取得する第1の取得ステップと、画像形成装置の動作状況に関する情報を取得する第2の取得ステップと、第2の取得ステップにより取得された情報に応じて、複数の負荷について充電装置からの電力の供給先となる優先順位の設定を行う設定ステップと、第1の取得ステップにより取得された情報と、設定ステップにより設定された優先順位とに応じて、充電装置の電力供給動作を制御する制御ステップとを備える。
【0021】
この発明のさらに他の局面に従うと、蓄電装置を用いて充放電を行う充電装置と、それぞれ充電装置からの電力供給先となり、画像形成装置の動作時に用いられる複数の負荷とを備えた画像形成装置の制御プログラムは、蓄電装置の残容量に関する情報を取得する第1の取得ステップと、画像形成装置の動作状況に関する情報を取得する第2の取得ステップと、第2の取得ステップにより取得された情報に応じて、複数の負荷について充電装置からの電力の供給先となる優先順位の設定を行う設定ステップと、第1の取得ステップにより取得された情報と、設定ステップにより設定された優先順位とに応じて、充電装置の電力供給動作を制御する制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
これらの発明に従うと、蓄電装置の残容量に関する情報と、電源供給先になる優先順位とに基づいて、充電装置による複数の負荷への電源供給動作が制御される。したがって、充電装置の蓄電装置の容量を少なくすることができ、低コスト性が高く、かつ、高い省エネルギ性を有する画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の各部への電源供給回路の構成を示すブロック図である。
【図4】時間の経過に伴う二次電池の充電電圧の変化の一例を示すグラフである。
【図5】二次電池の充電電圧の時間の経過に伴う変化の別例を示すグラフである。
【図6】電力供給制御が行われたときの二次電池の充電電圧の時間の経過に伴う変化の一例を示すグラフである。
【図7】電力供給制御が行われたときの二次電池の充電電圧の時間の経過に伴う変化の別例を示すグラフである。
【図8】優先順位情報の一例を示す表である。
【図9】充電装置の電力供給動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態の一変型例に係る優先順位情報の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
【0025】
[概要]
【0026】
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能では、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する。プリンタとしての機能では、PC(Personal Computer)等の外部端末から印刷指示を受けると、その指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する。データ通信機能では、接続された外部機器との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする。
【0027】
画像形成装置は、充電装置を備えている。充電装置は、蓄電装置の充放電を行う。蓄電装置としては、例えば二次電池を用いている。画像形成装置は、動作モードの1つとして設けられている省エネルギモード(以下、省エネモードと称する。)で動作可能である。画像形成装置は、例えば省エネモードでの動作時において、画像形成装置に設けられている種々の負荷で充電装置から供給される充電電力を使用して、動作可能である。
【0028】
画像形成装置では、充電装置からの電力供給先を変更する制御が以下のようにして行われる。すなわち、画像形成装置の複数の負荷について、充電装置からの電力の供給先となる優先順位の設定が行われる。優先順位の設定は、例えば、二次電池の残容量や画像形成装置の使用状況に対応する時間情報などに応じて予め設定された条件に従って行われる。そして、優先順位に応じて、電力供給先のON/OFFが切り替えられることにより、電力供給先が変更される。これにより、充電装置の二次電池の容量を比較的小さくすることができ、かつ、省エネルギ性能も達成することができる。
【0029】
[実施の形態]
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置を示す斜視図である。
【0031】
[画像形成装置1の構成]
【0032】
図を参照して画像形成装置1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、操作表示部11と、制御部(以下、CPUと呼ぶこともある)20と、画像形成部30と、画像読取部40と、充電装置50と、電源ユニット60とを備える。制御部20、画像形成部30、画像読取部40、充電装置50、及び電源ユニット60は、画像形成装置1の筐体の内部に配置されている。
【0033】
この画像形成装置1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。給紙カセット3は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)や、互いに状態が異なる用紙が装てんされている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、画像形成部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
【0034】
排紙トレイ5は、画像形成装置1の筐体のうち画像形成部30が収納されている部位の上方であって画像読取部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、画像形成部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
【0035】
操作表示部11は、画像形成装置1の上部手前側に配置されている。操作表示部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作ボタン11aが配置されている。また、操作表示部11には、表示パネル13が配置されている。表示パネル13は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、制御部20により制御されて表示を行う。操作表示部11は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作表示部11は、操作ボタン11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドを制御部20に送信する。すなわち、ユーザは、操作表示部11に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。
【0036】
画像形成部30は、トナー像形成部(図示せず)、用紙搬送部(図示せず)、及び定着装置(図示せず)などを有している。画像形成部30は、電子写真方式で用紙に画像を形成する。
【0037】
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ソーラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット3から給紙して、画像形成装置1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
【0038】
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0039】
画像読取部40は、画像形成装置1の筐体の上部に配置されている。画像読取部40は、ADF(Auto Document Feeder)41を有している。画像読取部40は、上述のスキャナ機能を実行する。画像読取部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサなどの撮像素子により走査して読み取り、画像データを生成する。また、画像読取部40は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を、ADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサなどにより読み取り、その画像データを生成する。
【0040】
充電装置50は、蓄電装置として、二次電池(蓄電装置の一例)53を有している。充電装置50の構成の詳細については、後述する。
【0041】
電源ユニット60は、画像形成装置1の筐体の内部に設けられている。電源ユニット60は、AC−DCのコンバータを備えている。電源ユニット60は、外部の商用電源に接続され、商用電源をもとに、制御部20、画像形成部30、画像読取部40、及び充電装置50など、画像形成装置1の各部に電力を供給する。
【0042】
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0043】
図を参照して、画像形成装置1は、上述の各部のほか、画像処理部21と、計時部22と、ROM23と、RAM25と、データ記憶部27と、通信部29とを有している。画像形成装置1の各部は、システムバスなどに接続されており、互いに通信可能である。また、画像形成装置1は、負荷45a〜45dなどを有している。
【0044】
画像処理部21は、例えば画像処理を行うMPU(Micro Processing Unit)である。画像処理部21は、例えばCPU20による制御の下、画像読取部40で生成された画像データや、画像形成部30で形成する画像のデータに関する画像処理を行う。
【0045】
計時部22は、例えばクロックICであり、計時機能やタイマ機能を有している。
【0046】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、画像形成装置1の動作を行うために用いられるデータや、種々の制御プログラム23aが記憶されている。ROM23には、画像形成装置1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU20は、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
【0047】
RAM25は、CPU20のメインメモリである。RAM25は、CPU20が制御プログラム23aを実行するときに必要なデータなどを記憶するのに用いられる。
【0048】
データ記憶部27は、例えばHDDであり、通信部29を介して外部から送られた印刷ジョブのデータや、画像読取部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、データ記憶部27は、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラムなどを記憶する。
【0049】
本実施の形態において、データ記憶部27には、優先順位情報27aが記憶されている。優先順位情報27aは、後述のように充電装置50の制御が行われるときなどにCPU20により読み込まれ、利用される。
【0050】
通信部29は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。通信部29は、画像形成装置1をネットワーク800に接続する。これにより、画像形成装置1は、ネットワーク800に接続されているPC(図示せず)やサーバ(図示せず)などの外部装置と通信可能になる。ネットワーク800は、例えばLocal Area Network(LAN)である。画像形成装置1は、PCやサーバなどから印刷ジョブを受信可能である。また、画像形成装置1は、画像読取部40で読み取った画像データを、PCに送信したり、メールサーバ(図示せず)などを介してE−mailにより送信したりすることができる。なお、通信部29は、無線通信によりネットワーク800に接続可能に構成されていてもよい。
【0051】
CPU20は、ROM23、RAM25、又はデータ記憶部27などに記憶された制御プログラム23aなどを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を統括的に制御する。CPU20は、操作表示部11から操作信号が送られたり、外部のPCなどから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム23aを実行する。これにより、ユーザによる操作表示部11の操作などに応じて、画像形成装置1の所定の機能が実行される。
【0052】
CPU20は、画像形成装置1をいくつかの動作モードに基づいて制御する。動作モードとしては、例えば、プリントモード、スキャンモード、スタンバイモード、及び省エネモードなどがある。プリントモードは、画像形成部30により画像を形成するときの動作モードである。スキャンモードは、画像読取部40により原稿を読み取るときの動作モードである。スタンバイモードは、画像の形成や原稿の読み取りなどの動作を開始していないときの動作モードである。省エネモードは、例えば画像形成装置1が使用される可能性の低い時間帯などに、画像形成装置1の一部のみに電力を供給することで、電力消費を低減させる動作モードである。なお、CPU20は、スタンバイモードなどで動作中において、所定時間内に画像形成装置が駆動されなかったときに、動作モードを省エネモードに移行させるようにしてもよい。
【0053】
以下の説明において、画像形成装置1が印刷動作中(動作モードがプリントモード)であったり、待機動作中(動作モードがスタンバイモード)であったりするなど、画像形成装置1の動作モードが省エネモードでない状態であるとき(画像形成装置の動作時の一例)、これを画像形成装置1が通常動作中であると呼ぶことがある。また、画像形成装置1が省エネモードで駆動されている状態すなわち通常動作中でない動作状態であるとき(画像形成装置の動作時の他例)、これを画像形成装置1がスリープ中であると呼ぶことがある。
【0054】
[充電装置50の構成]
【0055】
充電装置50は、図2に示すように、二次電池53のほか、充電放電回路52と、太陽電池54と、スイッチ部57などを有している。
【0056】
図3は、画像形成装置1の各部への電源供給回路の構成を示すブロック図である。
【0057】
図を参照して、画像形成装置1の電源供給回路には、電源ユニット60と、充電装置50とが設けられている。電源ユニット60及び充電装置50は、画像形成装置1の動作時すなわち画像形成装置1が通常動作中又はスリープ中であるとき、画像形成装置1の電力供給先(複数の負荷の一例)45へ電力を供給する。電源ユニット60及び充電装置50のいずれかから電力が供給されて電力供給先45が駆動されることにより、画像形成装置1が種々の動作を実行可能になる。換言すると、電力供給先45は、画像形成装置1の動作中に用いられるものである。
【0058】
電力供給先45としては、大まかに、無線通信モジュール(負荷の一例)45a、人感センサ(負荷の一例)45b、照明センサ(負荷の一例)45c、及び省エネ情報表示部(負荷の一例)45dと、画像形成部(負荷の一例)30などとがある。電力供給先45のそれぞれは、電源ユニット60又は充電装置50に接続されている。
【0059】
無線通信モジュール45aは、例えば、外部機器と無線通信を実行可能にするものである。人感センサ45bは、例えば、赤外線、超音波、可視光などにより周囲の人間の所在や人間の接近を検知するものである。照明センサ45cは、例えば照度センサであり、画像形成装置1の周囲の明るさを検知するものである。省エネ情報表示部45dは、主に省エネルギ(省エネ)動作に関する情報を表示するためのものである。省エネ情報表示部45dは、例えば、省エネモードで動作中である旨を表示する表示パネル13である。省エネ情報表示部45dは、点灯することで省エネモードで動作中であることを表示する光源であってもよい。
【0060】
なお、電力供給先45となる負荷としては、原稿セットセンサが含まれていてもよい。原稿セットセンサは、例えば、ADFに原稿がセットされているか否かを検知するセンサである。
【0061】
無線通信モジュール45a、人感センサ45b、照明センサ45c、及び省エネ情報表示部45dのそれぞれは、スイッチ部57に設けられた複数のスイッチのうち、それに対応するものに接続されている。スイッチ部57のそれぞれのスイッチは、充電放電回路52に接続されている。すなわち、スイッチ部57のそれぞれのスイッチは、無線通信モジュール45a、人感センサ45b、照明センサ45c、又は省エネ情報表示部45dと、充電放電回路52との間に接続されている。各スイッチがオンになると、無線通信モジュール45a、人感センサ45b、照明センサ45c、及び省エネ情報表示部45dのうちそのスイッチに接続されているものと充電放電回路52とが接続される。充電放電回路52と電力供給先45の負荷とが接続されると、その負荷に充電装置50から電力が供給可能になる。
【0062】
充電放電回路52は、スイッチ部57と、二次電池53と、太陽電池54とに接続されている。また、充電放電回路52は、電源ユニット60に接続されている。充電放電回路52は、CPU20により制御され、電源ユニット60から出力された電力を用いて二次電池53の充電を行ったり、電源ユニット60から出力された電力を電力供給先45に供給したり、二次電池53を放電してその電力を電力供給先45に供給したりする。すなわち、充電放電回路52及び充電放電回路52を制御するCPU20は、パワーマネジメント部51として機能する。
【0063】
CPU20は、充電放電回路52に接続されており、充電放電回路52から電力が供給されて駆動される。すなわち、CPU20も負荷の1つである。
【0064】
二次電池53は、例えばリチウムイオン二次電池である。二次電池53は、例えば鉛蓄電池やその他の種類の二次電池であってもよい。
【0065】
太陽電池54は、光を受けてその光エネルギを電力に変換し、充放電回路52に出力する。太陽電池54から出力された電力は、CPU20の制御に基づいて、二次電池53の充電に用いられたり、電力供給先45に供給されたりする。
【0066】
電源ユニット60は、AC電源である商用電源200に接続されている。電源ユニット60には商用電源200からのAC電力の供給をオン/オフするスイッチ61が設けられている。スイッチ61は、充電放電回路52を介してCPU20によりオン/オフ制御される。すなわち、パワーマネジメント部51は、電源ユニット60の電源制御を行う。なお、スイッチ61は、充電放電回路52を介さず、CPU20によりオン/オフ制御されてもよい。
【0067】
ここで、CPU20は、スイッチ部57のリレー制御を行う。リレー制御は、スイッチ部57のスイッチ毎に行われる。各スイッチがオン/オフされることにより、そのスイッチに接続されている電力供給先45の各負荷45a〜45dへの電力の供給がオン/オフされる。なお、図には示されていないが、充電放電回路52からCPU20への電力供給路や、充電放電回路52及び電源ユニット60から画像形成部30などへの電力供給経路にも、スイッチ部57のスイッチが設けられ、CPU20によるリレー制御が行われるようにしてもよい。
【0068】
CPU20は、以下のように電力供給の制御を行う。すなわち、画像形成装置1が通常動作中であるとき、商用電源200の電力が、電源ユニット60を介して各電力供給先45に供給される。このとき、二次電池53には、太陽電池54や電源ユニット60から電力が供給されて、二次電池53の充電が行われる。他方、画像形成装置1がスリープ中であるときすなわち動作モードが省エネモードであるときなどには、二次電池53に蓄えられている電力(充電電力と呼ぶことがある。)が各電力供給先45に供給される。このとき、電源ユニット60からの電力供給、すなわち商用電源200からの電力供給は、遮断される。これにより、省エネモードの動作時において、商用電源200の電力について、消費電力は0Wになる。
【0069】
[充電装置50の動作]
【0070】
以下に、本実施の形態における充電装置50の動作について説明する。二次電池53は、その残容量(残量又は蓄電量と称することもある。)が十分にあるときに放電可能であり、残容量が少なくなったときに充電される。二次電池53の充電及び放電に関する制御は、二次電池53の残容量に応じて、CPU20により行われる。本実施の形態では、CPU20は、二次電池53の電圧(充電電圧)に基づいて、二次電池53の充電及び放電に関する制御を行う。具体的には、CPU20は、二次電池53の電圧が所定の充電開始しきい値を下回ったときに、二次電池53の充電を開始する。また、CPU20は、二次電池53の電圧が所定の充電終了しきい値に達したときに二次電池53の充電制御を終了する。
【0071】
まず、通常動作時であって充電電圧が充電終了しきい値に達する程度に二次電池53が充電されているときに動作モードが省エネモードに移行した場合について、二次電池53の充電電圧の推移について説明する。
【0072】
図4は、時間の経過に伴う二次電池53の充電電圧の変化の一例を示すグラフである。
【0073】
図4〜7においては、説明のため、充電電圧の推移を直線的にグラフ表示している。なお、実際の充電電圧の推移は、特に充電開始しきい値B付近において、なだらかな曲線で表される。
【0074】
本実施の形態において、充電装置50は、動作モードが省エネモードになった時から次回の充電開始時刻までの所定期間に、二次電池53から放電される電力をそのとき駆動される電力供給先45に供給する。そして、時間の経過とともに二次電池53の充電電力(残容量)が少なくなって、所定期間経過後において二次電池の充電電圧が充電開始しきい値を下回ったとき、又は動作モードが切り替わり画像形成装置1が通常動作中になったとき、充電装置50では、二次電池53の充電が行われる。換言すると、充電電圧が充電開始しきい値になったとき、二次電池53の残容量は、略最小である。
【0075】
図を参照して、時刻t0に動作モードが省エネモードになり、次回の充電開始時刻が時刻t1であるとする。時刻t1は、動作モードが省エネモードになり放電が開始された時点すなわち所定期間の始期を時刻t0としたときに、所定期間の終期となる時刻である。時刻t0から時刻t1までの期間が、本来省エネモードであるときに二次電池53による電力で電力供給先45の駆動電力がまかなわれるべき所定期間となる。すなわち、所定期間は、スリープ中において、充電電圧が充電終了しきい値Aから充電開始しきい値Bに降下するまでに、二次電池53が放電を行うことが可能な期間又はそれより短い期間に設定されている。
【0076】
時刻t0に二次電池53の放電が開始されるとき、充電電圧は充電終了しきい値Aに達している。二次電池53が放電されると、時間の経過に伴って充電電圧は降下する。そして、時刻t1かそれ以降において、充電電圧が充電開始しきい値Bまで下がると、二次電池53の充電が開始される。充電が開始されると、二次電池53の充電電圧は、時間の経過に伴って上昇する。
【0077】
次に、動作モードが省エネモードに移行する時点で、次回の充電開始時刻までの所定期間に電力供給先45の駆動電力をまかない得る程度までには、二次電池53の残容量が蓄えられていない場合について、二次電池53の充電電圧の推移について説明する。
【0078】
図5は、二次電池53の充電電圧の時間の経過に伴う変化の別例を示すグラフである。
【0079】
このような場合において、仮に上述の図4で示した場合と同様に電力供給先45で電力が消費されると、二次電池53の放電が開始されてから時間の経過とともに残容量が減少する。そして、本来二次電池53で電力がまかなわれるべき所定期間の経過前に充電電圧が充電開始しきい値まで下がる。充電電圧が充電開始しきい値に下がると、所定期間の経過前であっても、二次電池53の充電を開始する必要がある。
【0080】
すなわち、図を参照して、時刻t0に動作モードが省エネモードに移行したとき、充電電圧が充電終了しきい値Aよりも低いと、時刻t1よりも早い時刻t2において、充電電圧が充電開始しきい値Bまで降下する。そのため、時刻t2から二次電池53の充電が開始される。すなわち、所定期間の経過前に、二次電池53による電力供給が終了し、二次電池53の充電が行われる。
【0081】
このように所定期間が経過する前に充電が開始されると、二次電池53により電力がまかなわれる期間が短くなる。すなわち、本来二次電池53により電力がまかなわれる予定の期間が、時刻t2から時刻t1までの期間だけ足りなくなる。このように電力がまかなわれる期間が短くなる場合、省エネモードで動作させることにより本来得られる省エネルギ効果が損なわれる場合がある。
【0082】
本実施の形態においては、二次電池53の残容量に関する情報と、画像形成装置1の動作情報に関する情報とに応じて、電力供給先45の各負荷のうち電力を供給する優先順位の設定が行われる。そして、設定された優先順位と、二次電池53の残容量とに応じて、充電装置50の電力供給動作の制御が行われる。電力供給制御は、例えば、パワーマネジメント部51の一部として機能するCPU20により行われる。CPU20は、例えば所定の制御プログラム23aなどを実行することで、電力供給制御を行う。
【0083】
電力供給制御により、必要に応じて、電力供給先45の各負荷のうち優先順位が低いものに供給される電力が遮断される。電力供給制御は、二次電池53の次回の充電開始予定時において二次電池53の残容量が所定量となるように、行われる。ここで、CPU20は、二次電池53の充電電圧が充電開始しきい値であるとき、二次電池の充電電圧が所定量であると判断する。すなわち、CPU20は、動作モードが省エネモードに切り替わってから所定期間が経過したとき、二次電池53の充電電圧が充電開始しきい値Bになるように、電力供給制御を行う。電力供給制御は、次回の充電開始時に二次電池53の残容量が略最小となるように、行われる。
【0084】
CPU20は、二次電池53の放電開始すなわち動作モードが省エネモードに移行したときに、次回の充電開始時刻(充電開始予定時)を算出する。CPU20は、動作モードが省エネモードに切り替わったときから所定期間経過後を充電開始予定時とする。また、CPU20は、二次電池53の現在の充電電圧の情報すなわち二次電池53の残容量の情報を取得する。
【0085】
ここで、図5において説明したように、十分には二次電池53の残容量が蓄えられていない場合において、CPU20は、このままの条件下で二次電池53の放電を続けた場合に、時刻t1まで継続して電力供給を行うことができないと判断する。そして、CPU20は、電力供給制御を実行して、現在電力を供給している負荷のうち最も優先順位が低いものへの電力供給を遮断する。電力供給の遮断は、対象となる負荷に対応するスイッチ部57のスイッチをオフとすることで行われる。なお、電力供給の遮断は、各負荷について順次行っても、負荷をいくつかのグループに分類してそのグループ毎に行ってもよい。
【0086】
CPU20は、必要に応じて二次電池53から放電する電力を小さくすることで、本来の二次電池でまかなうはずの放電時間を確保する。換言すると、電力供給制御が行われることにより、二次電池53の放電時間を稼ぐことができ、本来予定している所定期間に継続して二次電池53の放電を続けることができる。CPU20は、時刻t1に二次電池53の充電電圧が充電開始しきい値Bになるように、必要に応じて、電力供給の遮断を行う。
【0087】
図6は、電力供給制御が行われたときの二次電池53の充電電圧の時間の経過に伴う変化の一例を示すグラフである。
【0088】
例えば、図を参照して、時刻t0に省エネモードになったとき、充電開始予定時は時刻t0から所定期間後の時刻t1になる。ここで、時刻t0において二次電池53の充電電圧は充電終了しきい値Aよりも低く、二次電池53の残容量は十分ではない。したがって、CPU20は、優先順位が低い負荷について、電力供給を遮断する制御を行う。図に示す例において、電力供給の遮断は、時刻t0から若干時間が経過した時点において行われる。電力供給の遮断が行われると、二次電池53の電力の消費量が小さくなるので、図において充電電圧の推移を示す線の傾きの絶対値が小さくなる。すなわち、電力供給の遮断時は、折れ曲がり、尖点となる。このように電力供給制御が行われることで、時刻t1において二次電池53の充電電圧が充電開始しきい値Bとなり、二次電池53の充電が開始される。
【0089】
図7は、電力供給制御が行われたときの二次電池53の充電電圧の時間の経過に伴う変化の別例を示すグラフである。
【0090】
本例では、図6に示した例と比較して、CPU20は、時間の経過に伴い、複数ある負荷のうち優先順位が低いものから、1つずつ又は1グループずつ順次遮断する点が異なる。図6に示した例では、電力供給の遮断が一回行われているが、本例では、図を参照して、時刻t0から時刻t1までの間において、充電電圧を示す2つの尖点が発生していることがわかる。すなわち、本例では、電源供給の遮断が、2回行われている。このように各負荷への電源供給を順次遮断することにより、優先順位が比較的高い負荷を長時間駆動させることができる。
【0091】
なお、優先順位が低い負荷への電力供給の遮断は、二次電池53からの電力供給開始時(図において時刻t0)において行われてもよい。
【0092】
次に、優先順位の設定例について説明する。各負荷の優先順位は、画像形成装置1の動作状況に関する情報と、優先順位情報(対応付け情報の一例)27aとに基づいて、CPU20により設定される。本実施の形態において、画像形成装置1の動作状況に関する情報としては、画像形成装置1の利用頻度に応じて予め設定された時間情報と、二次電池53の残容量に関する情報とがある。画像形成装置1の動作状況に関する情報は、CPU20により取得される。優先順位情報27aは、CPU20により取得される画像形成装置1の動作状況に関する情報と設定されるべき優先順位とを対応付けて、予めデータ記憶部27などに記憶されているものである。すなわち、CPU20は、画像形成装置1の動作状況に関する情報を取得し、優先順位情報27aを参照して取得した情報に対応する優先順位を抽出し、各負荷の優先順位として設定できる。換言すると、優先順位は、画像形成装置1の動作状況に関する情報などに応じて切り替えられる。
【0093】
図8は、優先順位情報27aの一例を示す表である。
【0094】
本実施の形態において、優先順位情報27aは、省エネモード時に二次電池53の充電電力が放電開始後所定時間内に所定値以下の電圧になった場合における各負荷の優先順位を一覧にして示すものである。優先順位情報27aにおいて、優先順位は、時間情報に応じて、二通り設定されている。優先順位情報27aは、例えば、行に各負荷(電力供給先)、列に充電電力及び時間情報についての条件を配置して、各条件下において、各負荷とそれに対応する設定されるべき優先順位とを対応付けたものである。
【0095】
図を参照して、負荷としては、CPU(パワーマネジメントCPU)20、無線通信モジュール45a、人感センサ45b、照明センサ45c、表示パネル13(省エネ情報表示部45d)、原稿検出センサなどが挙げられている。なお、負荷はこれに限られず、さらに多くても、少なくてもよい。図において、各負荷及び条件に対応する優先順位は、その負荷を優先させる順に、「1」から「6」までの数字で示されている。
【0096】
時間情報は、例えば、「昼間」と「夜間」との2つに分けられる。「昼間」は、画像形成装置1の利用頻度が比較的高い時間帯である。「夜間」は、画像形成装置1の利用頻度が比較的低い時間帯である。すなわち、時間情報は、画像形成装置1の利用頻度に対応した情報である。CPU20は、時間情報を取得するとき、計時部22による計時情報に基づいて、「昼間」であるか「夜間」であるかを判別し、判別結果を時間情報として取得する。本実施の形態では、時刻が8時から22時までであれば、時間情報は「昼間」となる。なお、時間情報としては、これらのほか、曜日や、時間帯などの別に応じて、さらに細分化されているものであってもよい。また、時間情報は、その画像形成装置1が用いられるオフィスなどの業務時間に対応するようにさらに細かく設定されていてもよい。時間情報は、画像形成装置1の利用頻度に応じて設定されていればよい。
【0097】
CPU20は、省エネモード時に充電回路からの電力供給先として充放電回路等の制御を行う。無線通信モジュール45aは、外部との無線通信を行う。人感センサ45bは、人の接近を検知する。照明センサ45cは、照明のオン/オフを検出する。表示パネル13は、省エネ情報などのマシン状態を表示する。原稿検出センサは、原稿のセットを検出する。本実施の形態では、画像形成装置1を動作させる上で最も優先させて駆動させる必要があるCPU20については、原則として、電力供給を遮断しない。すなわち、CPU20についての優先順位は、常に最も上位の「1」となる。
【0098】
時間情報が「昼間」を示す情報であって充電電力が所定値以下になったときについて、図に示す例では、優先順位が高い順に、CPU20、無線通信モジュール45a、人感センサ45b、原稿検出センサ、表示パネル13、照明センサ45cとなる。すなわち、この場合、CPU20は、電力供給先を絞る必要があるとき、まず初めに、照明センサ45cへの電力供給を遮断する。優先順位が低く設定されている理由は、昼間ということもあり、通常のオフィスでは照明が点灯していると推定されるからである。照明センサ45cの次には、次に優先順位が低い表示パネル13への電力供給が遮断される。以後、本表においては、原稿検出センサ、人感センサ45b、無線通信モジュール45aと順番に電力供給が遮断される。
【0099】
他方、時間情報が「夜間」を示す情報であって充電電力が所定値以下になったときについて、図に示す例では、優先順位が高い順に、CPU20、照明センサ45c、無線通信モジュール45a、人感センサ45b、原稿検出センサ、表示パネル13となる。すなわち、この場合、CPU20は、電力供給先を絞る必要があるとき、まず初めに、表示パネル13への電力供給を遮断する。優先順位が低く設定されている理由は、夜間ということもあり、表示パネル13を確認するユーザがおらず、表示パネル13を駆動する必要がないと推定されるからである。表示パネル13の次には、原稿検出センサへの電力供給が遮断される。以後、本表においては、人感センサ45b、無線通信モジュール45a、照明センサ45c、と順番に電力供給が遮断される。
【0100】
なお、特に負荷毎に個別に順位を分ける必要はなく、所定のグループ毎に電力供給をオフするようにしてもよい。
【0101】
次に、図8のように優先順位情報27aが設定されているときに行われる充電装置50の制御例について説明する。本実施の形態では、所定時間が経過して充電電力が所定値以下になったとき、優先順位が低い1つの負荷について電力供給が遮断され、引き続き所定時間が経過する毎に、充電電力が所定値以下になれば、優先順位が低い負荷について順次電力供給が遮断される。
【0102】
図9は、充電装置50の電力供給動作の一例を示すフローチャートである。
【0103】
以下の説明において、T1、T2、T3、T4、T5、T1’、T2’、T3’、T4’、及びT5’は、それぞれ、二次電池53の放電が開始されてから経過した時間を表す。これらの時間T1〜T5、T1’〜T5’は、それぞれ、次回の充電開始時刻を考慮して設定される時間の値である。ここで、T1<T2<T3<T4<T5であり、T1’<T2’<T3’<T4’<T5’である。
【0104】
ステップS101において、CPU20は、放電開始後所定時間T1が経過したときの充電装置50の残電力すなわち二次電池53の残容量が、所定値X1以下であるか否かを判別する。CPU20は、例えば二次電池53の充電電圧を検知することで、この判別を行うことができる。残容量が所定値X1以下でない場合には、CPU20は、残容量が所定値X1以下になるまで待機する。
【0105】
ステップS101で残容量が所定値X1以下であれば、ステップS103において、CPU20は、時間情報が「昼間」であるか否かを判断する。時間情報は、CPU20が取得する。
【0106】
ステップS103で時間情報が「昼間」であれば、CPU20は、「昼間」であるときの各負荷の優先順位を優先順位情報27aを参照して設定(決定)する。換言すると、CPU20は、各負荷の優先順位を、優先順位情報27aとして予め設定されている二通りのものから切り替える。そして、CPU20は、以下に示すように、時間の経過に伴って、ステップS105〜S121の処理を行う。
【0107】
すなわち、ステップS105において、CPU20は、決定された優先順位が最も低い負荷である照明センサ45cへの電源供給を遮断する。
【0108】
ステップS107において、CPU20は、放電開始後所定時間T2が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X2以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X2になるまで待機する。
【0109】
ステップS107で残容量が所定値X2以下であれば、ステップS109において、CPU20は、照明センサ45cの次に優先順位が低い表示パネル13への電力供給を遮断する。
【0110】
ステップS111において、CPU20は、放電開始後所定時間T3が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X3以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X3になるまで待機する。
【0111】
ステップS111で残容量が所定値X3以下であれば、ステップS113において、CPU20は、表示パネル13の次に優先順位が低い原稿検出センサへの電力供給を遮断する。
【0112】
ステップS115において、CPU20は、放電開始後所定時間T4が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X4以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X4になるまで待機する。
【0113】
ステップS115で残容量が所定値X4以下であれば、ステップS117において、CPU20は、原稿検出センサの次に優先順位が低い人感センサ45bへの電力供給を遮断する。
【0114】
ステップS119において、CPU20は、放電開始後所定時間T5が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X5以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X5になるまで待機する。
【0115】
ステップS119で残容量が所定値X5以下であれば、ステップS121において、CPU20は、人感センサ45bの次に優先順位が低い無線通信モジュール45aへの電力供給を遮断する。
【0116】
他方、ステップS103で時間情報が「昼間」でないときすなわち時間情報が「夜間」であるとき、CPU20は、「夜間」であるときの各負荷の優先順位を優先順位情報27aを参照して決定する。そして、CPU20は、以下に示すように、時間の経過に伴って、ステップS131〜S147の処理を行う。
【0117】
すなわち、ステップS131において、CPU20は、決定された優先順位が最も低い負荷である表示パネル13への電源供給を遮断する。
【0118】
ステップS133において、CPU20は、放電開始後所定時間T2’が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X2’以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X2’になるまで待機する。
【0119】
ステップS133で残容量が所定値X2’以下であれば、ステップS135において、CPU20は、表示パネルの次に優先順位が低い原稿検出センサへの電力供給を遮断する。
【0120】
ステップS137において、CPU20は、放電開始後所定時間T3’が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X3’以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X3’になるまで待機する。
【0121】
ステップS137で残容量が所定値X3’以下であれば、ステップS139において、CPU20は、原稿検出センサの次に優先順位が低い人感センサ45bへの電力供給を遮断する。
【0122】
ステップS141において、CPU20は、放電開始後所定時間T4’が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X4’以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X4’になるまで待機する。
【0123】
ステップS141で残容量が所定値X4’以下であれば、ステップS143において、CPU20は、人感センサ45bの次に優先順位が低い無線通信モジュール45aへの電力供給を遮断する。
【0124】
ステップS145において、CPU20は、放電開始後所定時間T5’が経過したときの二次電池53の残容量が所定値X5’以下であるか否かを判別する。CPU20は、残容量が所定値X5’になるまで待機する。
【0125】
ステップS145で残容量が所定値X5’以下であれば、ステップS121において、CPU20は、無線通信モジュール45aの次に優先順位が低い照明センサ45cへの電力供給を遮断する。
【0126】
ステップS121又はステップS147の処理が終了すると、CPU20による一連の処理が終了する。
【0127】
本実施の形態では、このように放電開始後の所定時間が経過するたびに、必要に応じて電力供給を遮断する制御が行われるので、電力供給制御により各負荷が動作しなくなることの影響が緩やかに現れるようになる。したがって、ユーザの利便性がより高くなる。
【0128】
[実施の形態における効果]
【0129】
以上のように構成された画像形成装置1では、充電装置50からの電力供給が行われる場合において、電力供給の開始後所定期間経過後に充電が開始されるように、必要に応じて供給する電力が削減される。二次電池53の放電開始から所定期間、継続して電力供給が行われるので、二次電池53の容量を必要以上に大容量にすることなく、省エネモード時に、二次電池53により電力をまかない、商用電源からの電力供給を行わない時間を確保することができる。商用電源から電力を供給するよりも、充電装置50の充電電力により供給先の電力をまかなうことで省エネルギ性を高めることができる場合においては、充電装置から電力を供給する時間が長ければ長いほど、画像形成装置1を省エネルギ化することができる。本実施の形態においては、充電装置50から電力を供給する時間を長くすることができるので、画像形成装置1を省エネルギ化することができる。したがって、充電装置50の製造コストを低減することができ、かつ、目的とする省エネルギ性能を達成することができる。
【0130】
電力供給先の削減は、画像形成装置1の利用頻度、使用状況に応じて設定された優先順位が低い負荷について行われる。電力供給先の削減が行われたとしても、それによるユーザへの影響は少なくなり、ユーザの利便性が損なわれにくくなるので、ユーザの利便性を高く保ちつつ、高い省エネルギ効果を得ることができる。
【0131】
優先順位は、予め画像形成装置1の動作状況とそのとき設定されるべき優先順位とを対応付けた優先順位情報27aに基づいて決定される。したがって、CPU20は、優先順位を設定する処理を容易に実行可能になる。
【0132】
ここで、一般に、二次電池53の寿命は、その充電回数に影響を受ける場合がある。なるべく電池の残電力を使い切ってから充電を行わないと、充電回数が多くなるため、二次電池53の電池寿命が短くなる。これに関して、本実施の形態においては、省エネモード時に二次電池53の放電が行われたとき、二次電池53の充電は、残容量が所定量になるまで放電が行われてから開始されるので、電池の充電回数を少なくすることができる。したがって、二次電池53の寿命を長くすることができ、充電装置50の寿命が長くなる。
【0133】
[変型例]
【0134】
なお、画像形成装置1の動作状況に関する情報としては、例えば画像形成装置1の動作履歴に関する情報が含まれてもよい。
【0135】
図10は、本実施の形態の一変型例に係る優先順位情報の一例を示す表である。
【0136】
図に示す優先順位情報は、省エネモード時に二次電池53の充電電力が放電開始後所定時間内に所定値以下になった場合であって、時間情報が「昼間」であるときの各負荷(電力供給先)の優先順位を、各負荷の使用履歴を組み合わせた情報(画像形成装置1の動作履歴に関する情報の一例)に対応付けて設定するものである。換言すると、この優先順位情報は、二次電池53の充電電圧及び時間情報に関する条件と使用履歴の情報に関する条件とを組み合わせた各条件下における優先順位を設定するものである。
【0137】
本実施の形態において、CPU20は、使用履歴学習を実行可能である。ここで使用履歴学習とは、画像形成装置1の各負荷についての使用履歴の組合せをまとめて履歴学習情報として記憶することをいう。CPU20は、履歴学習情報を取得可能である。履歴学習情報は、各負荷についての使用履歴を各使用環境における各負荷の動作検出回数に基づいて記録することで生成される。すなわち、履歴学習情報は、画像形成装置の使用途中に、CPU20により更新される。したがって、優先順位設定もそれに伴い変更される。
【0138】
図を参照して、本変型例では、上述の図8に示す例において挙げられたものと同様の負荷が電力供給先として想定されている。履歴学習情報に関して、使用履歴学習が行われていない場合(「使用履歴学習無」)と、2パターンの履歴学習情報がある場合(「履歴学習有A」、「履歴学習有B」)との3通りの条件が想定されている。優先順位は、それぞれの場合について予め設定されている。ここでは、「履歴学習有A」は、無線通信による印刷が少なく、ユーザが直接、画像形成装置1の前に行って作業を行う回数が多い環境下における履歴学習情報である。また、「履歴学習有B」は、「履歴学習有A」と比較して、無線通信による印刷が多い環境下における履歴学習情報である。
【0139】
履歴学習情報に関して「使用履歴学習無」である場合には、図8において充電電力が所定値よりも低く、時間情報が「昼間」である場合と同様の優先順位となるように設定されている。
【0140】
これに対して、「履歴学習有A」である場合、無線通信モジュール45aの使用頻度が比較的低い。そのため、無線通信モジュール45aの優先順位が、「使用履歴学習無」である場合の「2」から「5」に繰り下げられており、人感センサ45b、表示パネル13、及び原稿検出センサについての優先順位が繰り上がっている。
【0141】
また、「履歴学習有B」である場合、「履歴学習有A」である場合よりも無線通信モジュール45aの使用頻度が高い。そのため、無線通信モジュール45aの優先順位は、「使用履歴学習無」である場合の「2」から「4」への繰下げにとどまり、人感センサ45b及び原稿検出センサについての優先順位のみが繰り上がっている。
【0142】
このように優先順位情報が設定されていることにより、画像形成装置1の動作履歴に関する情報が考慮された上で各負荷の優先順位が自動的に設定されるので、優先順位が画像形成装置1の使用状況により即したものとなる。したがって、より必要性の低い負荷から電源供給を遮断させることができ、省エネ効果を得ながら、高いユーザ利便性を保つことができる。
【0143】
以上のほか、CPU20は、時間情報や動作状況に関する情報以外の情報を、時間情報や動作状況に関する情報とともに、又はそれらの情報に代えて取得し、取得した情報に基づいて優先順位を設定するようにしてもよい。
【0144】
CPU20が取得する画像形成装置1の動作状況に関する情報として、ネットワーク経由で画像形成装置1に接続されるPCに関する情報を含めてもよい。この場合、それに応じた優先順位情報を設定しておいてもよい。例えば、CPU20は、画像形成装置1についてのPCなどの接続数情報すなわちネットワーク800に接続されている機器の台数に関する情報(接続機器数情報)を得てもよい。また、CPU20は、各PCなどの接続端末のユーザ情報に基づいて、画像形成装置1に接続可能なユーザ数に関する情報(ユーザ数情報)を取得してもよい。CPU20は、上述の時間情報などに加えて、又は時間情報などに代えて、取得した接続機器数情報やユーザ数情報に基づいて、優先順位を設定してもよい。例えば、ネットワーク800に接続されている機器の台数や、ネットワーク800に接続可能なユーザ数が多いときには、CPU20は、ネットワーク800を介した通信に用いられる負荷(例えば、無線通信モジュール45aなど)の優先順位を高くするなどの制御が行われてもよい。
【0145】
CPU20は、画像形成装置1の今後の使用状況に関する予測を行い、予測結果に基づいて、優先順位を設定するようにしてもよい。例えば、CPU20は、画像形成装置1が使用された日時に関する動作履歴情報に基づいて、画像形成装置1が使用される確率が高い日時、時間帯などを予測して、時間情報の区分を適宜変更してもよい。CPU20は、例えば、時間情報の区分毎に、その区分における画像形成装置1が使用される確率などに応じて優先順位情報27aを設定してもよい。すなわち、この場合、優先順位情報27aに基づいて優先順位が設定されることで、画像形成装置1の今後の使用状況に関する予測に応じて優先順位が設定されることになる。
【0146】
また、CPU20は、画像形成装置1を直接操作して使用するユーザや、PCなどの接続端末を使用するユーザについて、ユーザ毎の使用履歴を記憶し、画像形成装置1を使用するユーザ毎に各負荷の使用状況を判断して、それに応じて優先順位を都度変更してもよい。この場合、CPU20は、画像形成装置1を使用するユーザを識別し、識別されたユーザ毎に、今後の画像形成装置1の使用状況を予測する。そして、予測した使用状況に応じて、各負荷の優先順位を設定し、優先順位の低い負荷から順に電力供給を遮断すればよい。優先順位の設定は、CPU20が自動的に行えばよい。これにより、ユーザ毎に適切な優先順位を設定することができ、より高いユーザ利便性を保つことができる。なお、ユーザの識別は、例えば、アカウント名やユーザIDなどの入力をユーザに要求し、その入力結果に基づいて行うことができる。また、ユーザの識別は、例えば画像形成装置1に接続して印刷ジョブの送信などを行ったPCなどを個別に識別したり、そのPCにログインしているユーザの情報を取得したりすることで行うことができる。
【0147】
また、CPU20は、ネットワーク800経由で送信されたり操作表示部11を介して入力されたりしたユーザによる設定情報に基づいて、優先順位を設定してもよい。この場合、ユーザは、画像形成装置1の動作状況をかんがみ、自信が望む優先順位で、省エネモード時の電力供給制御を実行させることができるので、ユーザ利便性をさらに高めることができる。ユーザの設定は、例えば時間情報が「昼間」である場合と「夜間」である場合となど、各条件について行うことができるようにしてもよい。
【0148】
また、画像形成装置1に設けられている種々の環境センサにより検出される環境データ情報をCPU20が取得して、その情報に応じて優先順位を切り替えるようにしてもよい。環境センサとしては、例えば上述の人感センサ45b、照明センサ45c、又は原稿検出センサなどが挙げられるが、これら以外のものを用いてもよい。例えば、CPU20は、照明センサ45cにより検知された照度に応じて、優先順位を切り替えてもよい。なお、この場合、複数の環境センサにより検出された環境データ情報の組合せに応じて、優先順位を切り替えるようにしてもよい。
【0149】
[その他]
【0150】
充電装置は、二次電池に代えて、キャパシタやフライホイール式の蓄電装置を用いたものであってもよい。
【0151】
電圧供給制御は、二次電池の次回の充電開始予定時において二次電池の残容量が所定量となるように行われるものに限られない。例えば、CPUは、スリープ中において、優先順位の低い負荷から順次電源供給を行うことで、そのような制御を行わない場合と比較して二次電池の残容量を緩やかに降下させるようにしてもよい。この場合であっても、二次電池の充電を開始するタイミングを通常と比較して遅れさせることができ、省エネルギ効果を得ることができる。
【0152】
充電装置の電力供給先となり、上述のようにそれぞれ電力の供給が優先順位に基づいて制御される負荷としては、上述に限られるものではない。そのような負荷としては、例えば、画像形成装置の本体カバーの開閉を検知するカバー開閉センサなどが含まれてもよい。また、画像形成部(画像処理部)内で用いられるメモリなどが電力供給先の負荷として、上記のような電力供給制御の対象になってもよい。
【0153】
充電装置のパワーマネジメント部は、画像形成装置のCPUとは別個のCPUを充電装置の制御用に用いたものであってもよい。この場合、画像形成装置のCPUによる制御又はパワーマネジメント部のCPUによる制御に基づいて、充電装置の電力供給先の制御を行うことができる。
【0154】
画像形成装置は、ユーザ認証機能を有していてもよい。ユーザ認証機能では、例えば、ユーザからの操作表示部を介したパスワードなどの入力を受け付け、受け付けられた情報と予め記憶部などに記憶された認証データベースなどとに基づいて、ユーザの認証が行われる。ユーザ認証機能により、CPUは、画像形成装置を使用するユーザを識別できる。CPUは、ユーザ認証機能により認証された各ユーザについて、画像形成装置の使用履歴を記憶し、それに基づいてユーザ毎の画像形成装置の使用状況を予測してもよい。
【0155】
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。画像形成装置は、電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
【0156】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0157】
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
【0158】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0159】
1 画像形成装置
13 表示パネル(負荷の一例)
20 CPU(負荷の一例)
22 計時部
23 ROM
23a 制御プログラム
27 データ記憶部
27a 優先順位情報(対応付け情報の一例)
45 電力供給先(複数の負荷の一例)
45a 無線通信モジュール(負荷の一例)
45b 人感センサ(負荷の一例、環境センサの一例)
45c 照明センサ(負荷の一例、環境センサの一例)
45d 省エネ情報表示部(負荷の一例)
50 充電装置
53 二次電池(蓄電装置の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置を用いて充放電を行う充電装置と、
それぞれ前記充電装置からの電力供給先となり、画像形成装置の動作時に用いられる複数の負荷と、
前記蓄電装置の残容量に関する情報を取得する第1の取得手段と、
前記画像形成装置の動作状況に関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された情報に応じて、前記複数の負荷について前記充電装置からの電力の供給先となる優先順位の設定を行う設定手段と、
前記第1の取得手段により取得された情報と、前記設定手段により設定された優先順位とに応じて、前記充電装置の電力供給動作を制御する制御手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置の動作状況に関する情報は、前記蓄電装置の残容量に関する情報を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置の動作状況に関する情報は、前記画像形成装置の利用頻度に応じて予め設定された時間情報を含む、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置の動作状況に関する情報は、前記画像形成装置のユーザにより設定されたユーザ設定情報を含む、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置の動作状況に関する情報は、前記画像形成装置の動作履歴に関する情報を含む、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置の動作状況に関する情報は、前記画像形成装置に設けられた環境センサにより検出された情報を含む、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定手段は、
前記第2の取得手段により取得される情報と設定されるべき前記優先順位とが予め対応付けられてなる対応付け情報を有しており、
前記第2の取得手段により取得された情報と、前記対応付け情報とに基づいて、前記優先順位の設定を行う、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記蓄電装置の次回の充電開始予定時において前記蓄電装置の残容量が所定量となるように前記制御を行う、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置が接続されているネットワークに接続されている機器の台数に関する情報を取得する第3の取得手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記第3の取得手段により取得された情報に応じて、前記優先順位の設定を行う、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置の今後の使用状況に関する予測を行う第1の予測手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記第1の予測手段による予測結果に基づいて、前記優先順位の設定を行う、請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置を使用するユーザを識別する識別手段と、
前記識別手段により識別されたユーザ毎に今後の前記画像形成装置の使用状況に関する予測を行う第2の予測手段とをさらに備え、
前記設定手段は、前記識別手段による識別結果と、前記第2の予測手段による予測結果とに基づいて、前記優先順位の設定を行う、請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
蓄電装置を用いて充放電を行う充電装置と、
それぞれ前記充電装置からの電力供給先となり、画像形成装置の動作時に用いられる複数の負荷とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記蓄電装置の残容量に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記画像形成装置の動作状況に関する情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第2の取得ステップにより取得された情報に応じて、前記複数の負荷について前記充電装置からの電力の供給先となる優先順位の設定を行う設定ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された情報と、前記設定ステップにより設定された優先順位とに応じて、前記充電装置の電力供給動作を制御する制御ステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
蓄電装置を用いて充放電を行う充電装置と、
それぞれ前記充電装置からの電力供給先となり、画像形成装置の動作時に用いられる複数の負荷とを備えた画像形成装置の制御プログラムであって、
前記蓄電装置の残容量に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記画像形成装置の動作状況に関する情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第2の取得ステップにより取得された情報に応じて、前記複数の負荷について前記充電装置からの電力の供給先となる優先順位の設定を行う設定ステップと、
前記第1の取得ステップにより取得された情報と、前記設定ステップにより設定された優先順位とに応じて、前記充電装置の電力供給動作を制御する制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−88485(P2012−88485A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234401(P2010−234401)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】