説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法およびコンピュータプログラム

【課題】サービスマンが画像形成装置のメンテナンス作業を行っている最中であっても、印刷ジョブの設定と、メンテナンス項目と、メンテナンス作業のステータスに応じて、印刷ジョブの実行をする画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1が、メンテナンス項目を入力し、入力されたメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業のステータスを設定する。画像形成装置1が、印刷ジョブを受け付け、受け付けた前記印刷ジョブの設定と、上記入力したメンテナンス項目と、上記設定するメンテナンス作業のステータスとに基づいて、印刷ジョブを印刷ジョブの設定通りに実行できるか、印刷ジョブを実行できないか、または印刷ジョブを条件付きで実行できるかを判断する。そして、画像形成装置1が、印刷ジョブを条件付きで実行できると判断した場合に、印刷ジョブを条件付きで実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に故障が発生したり、部品交換が必要になる場合がある。また、画像形成装置の定期メンテナンス作業が必要となる場合がある。このような場合に、サービスマンがユーザ先に直接赴き、画像形成装置のメンテナンス作業を行う。なお、特許文献1は、ユーザ管理データベースが記憶しているサービスマン用のアカウントに関連付けて、サービスマンがメンテナンスにおいて実行する機器調整機能を、実行順と共に記憶し、この実行順に従って機器調整機能を実行する画像形成装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−292818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置のメンテナンス作業をサービスマンが行う際は、サービスマンは、一般的に、メンテナンス作業に影響がないように、例えば画像形成装置のネットワークを切断する等、外部からジョブ投入がされないようにする。従って、画像形成装置のメンテナンス作業が開始されると、ユーザはこの画像形成装置を使用することができなくなってしまう。
【0005】
本発明は、サービスマンが画像形成装置のメンテナンス作業を行っている最中であっても、印刷ジョブの設定と、メンテナンス項目と、メンテナンス作業のステータスに応じて、印刷ジョブの実行をする画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態の画像形成装置は、印刷処理を実行する画像形成装置であって、メンテナンス項目を入力する項目入力手段と、前記入力されたメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業のステータスを設定するステータス設定手段と、印刷ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、前記ジョブ受付手段が受け付けた前記印刷ジョブの設定と、前記項目入力手段が入力した前記メンテナンス項目と、前記ステータス設定手段が設定する前記メンテナンス作業のステータスとに基づいて、前記印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行できるか、前記印刷ジョブを実行できないか、または前記印刷ジョブを条件付きで実行できるかを判断する実行判断手段と、前記印刷ジョブを該ジョブの設定通りに実行できると判断された場合に、該印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行するジョブ実行手段と、前記印刷ジョブを実行できないと判断された場合に、該印刷ジョブを記憶手段に保持するジョブ保持手段と、前記印刷ジョブを条件付きで実行できると判断された場合に、該印刷ジョブを条件付で実行する条件付ジョブ実行手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によれば、サービスマンが画像形成装置のメンテナンス作業を行っている最中であっても、印刷ジョブの設定と、メンテナンス項目と、メンテナンス作業のステータスに応じて、印刷ジョブの実行をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図3】画像形成装置が備える操作部の一例を示す図である。
【図4】メンテナンス作業の開始/終了時の操作を説明する図である。
【図5】実施例1の画像形成装置の動作処理の一例を説明する図である。
【図6】ジョブ実行判断処理の例を説明するフローチャートである。
【図7】メンテナンス状態確認処理の例を説明するフローチャートである。
【図8】実施例2の画像形成装置の動作処理の一例を説明する図である。
【図9】確認画面の表示処理の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成例を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能を有するデジタル複写機である。画像形成装置1は、コントローラユニット100、操作部112、スキャナ170、プリンタ195を備える。コントローラユニット100は、画像形成装置全体を制御する。コントローラユニット100には、LAN111および公衆回線(WAN)151が接続されている。LANは、Local Area Networkの略称である。WANは、Wide Area Networkの略称である。
【0010】
コントローラユニット100は、例えば、コピー機能、プリンタ機能、通信機能を有する。コピー機能は、例えば、スキャナ170が入力した画像データをプリンタ195に出力させる機能である。プリンタ機能は、例えば、LAN111を介して外部装置から受信したデータをプリンタ195に出力させる機能である。通信機能は、例えばファクシミリ機能である。ファクシミリ機能は、例えば、WAN151を介してファクスデータを受信し、受信したファクスデータをプリンタ195に出力させる機能である。スキャナ170は、画像データを入力するデバイスである。プリンタは、各種データを出力するデバイスである。
【0011】
コントローラユニット100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102を備える。また、コントローラユニット100は、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive )104、画像バスI/F(Interface )105を備える。また、コントローラユニット100は、操作部I/F106、ネットワークI/F110、モデム150、RIP(Raster Image Processor)160、デバイスI/F120を備える。また、コントローラユニット100は、スキャナ画像処理部180、プリンタ画像処理部190、画像回転部130、画像圧縮部140を備える。
【0012】
CPU101は、コントローラユニット全体を制御する。CPU101は、システムバス107を介して、RAM102、ROM103、HDD104、操作部I/F106、ネットワークI/F110、モデム150、画像バスI/F105と接続されている。CPU101は、ROM103に格納されているブートプログラムに基づいてシステムを起動し、このシステム上でHDD104に格納されている各種制御プログラムを読み出してRAM102に格納する。そして、CPU101は、RAMをワークエリアとして、RAM102に格納された各種制御プログラムを実行する。HDD104には、各種制御プログラムが予め格納される。また、HDD104には、画像データが格納される。
【0013】
すなわち、CPU101は、各制御プログラムに基づいて、システムバス107に接続される各種デバイスとのアクセスを総括的に制御する。具体的には、CPU101は、デバイスI/F120を介して、スキャナ170から画像データを読み込み、読み込んだ画像データに対して所定の処理を施した後に該画像データをデバイスI/F120を介してプリンタ195に出力する等の制御を行う。
【0014】
操作部I/F106は、操作部112とコントローラユニット100との間の通信インタフェースである。CPU101は、操作部I/F106を介して操作部112に画像データを転送し、操作部112に当該画像データを表示させる。また、操作部I/F106は、ユーザの操作に応じて操作部112が入力した情報をCPU101に転送する。
【0015】
操作部112は、ユーザの操作に応じた情報を入力する。操作部112は、表示部と入力部とを備える。表示部は、画像形成処理に関する各機能の現在の設定状態、画像形成処理に関する各機能に関する設定情報を入力するための情報入力画面などを表示する。入力部は、画像形成処理に関する各機能に対する設定情報を入力する。このために、入力部は、設定情報を入力するキーなどを有する。
【0016】
ネットワークI/F110は、LAN111に接続され、LAN111を介した情報の入出力を行う。モデム150は、WAN151に接続され、WAN151を介した情報の入出力を行う。イメージバスI/F105は、画像バス108とシステムバス107とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジを有する。画像バス108は、画像データを高速で転送可能なPCIバスまたはIEEE1394規格に従うバスを有する。画像バス108には、RIP160、デバイスI/F120、スキャナ画像処理部180、プリンタ画像処理部190、画像回転部130および画像圧縮部140が接続されている。
【0017】
RIP160は、PDL(Page Description Language)コードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F120は、画像入出力デバイスであるスキャナ170やプリンタ195とコントローラユニット100とを接続する。そして、デバイスI/F120は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0018】
スキャナ画像処理部180は、入力画像データに対して、補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部190は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換などを行う。画像回転部130は、画像データの回転処理を行う。画像圧縮部140は、多値画像データに対してJPEGの圧縮伸張処理、二値画像データに対してJBIG、MMR、MHの圧縮伸張処理を行う。
【0019】
図2は、本実施形態の画像形成装置の機能ブロック図の一例である。画像形成装置1は、メンテナンス項目入力部11、ステータス設定部12、ジョブ受付部13、ジョブ実行判断部14、ジョブ保持部15、ジョブ実行部16、条件付ジョブ実行部17を備える。また、画像形成装置1は、表示部18、制御受付部19を備える。本実施形態の画像形成装置の制御方法は、図2に示す画像形成装置1が備える各処理部の機能によって実現される。また、本実施形態のコンピュータプログラムは、この画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させる。
【0020】
メンテナンス項目入力部11は、メンテナンス項目を入力する項目入力手段として機能する。メンテナンス項目は、メンテナンス作業の対象となる項目である。ステータス設定部12は、入力されたメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業のステータスを設定する。ジョブ受付部13は、印刷ジョブを受け付ける。
【0021】
ジョブ実行判断部14は、ジョブ受付部13が受け付けた印刷ジョブの設定と、メンテナンス項目入力部11が入力したメンテナンス項目と、ステータス設定部12が設定するメンテナンス作業のステータスとに基づいて、実行判断処理を実行する。実行判断処理は、印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行できるか、印刷ジョブを実行できないか、または印刷ジョブを条件付きで実行できるかを判断する処理である。
【0022】
ジョブ実行部16は、ジョブ実行判断部14が印刷ジョブを該ジョブの設定通りに実行できると判断した場合に、該印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行する。ジョブ保持部15は、ジョブ実行判断部14が印刷ジョブを実行できないと判断した場合に、該印刷ジョブを所定の記憶手段(例えばHDD104)に保持する。
【0023】
条件付ジョブ実行部17は、ジョブ実行判断部14が印刷ジョブを条件付きで実行できると判断した場合に、該印刷ジョブを条件付きで実行する。例えば、条件付ジョブ実行部17は、印刷ジョブの実行中に、該実行中の印刷ジョブの設定に抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が開始されたかを監視する。そして、条件付ジョブ実行部17は、印刷ジョブの実行中に、該実行中の印刷ジョブの設定に抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が開始されたことを検知した場合に、該印刷ジョブの実行を中止する。これにより、画像形成装置1が、印刷ジョブの設定に抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が開始されるまでは、印刷ジョブを実行することができる。条件付ジョブ実行部17が、印刷ジョブの実行中に、該実行中の印刷ジョブの設定に抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が開始されたことを検知した場合に、実行する印刷ジョブの量を制限するようにしてもよい。
【0024】
表示部18は、情報入力画面を表示する。画像形成装置1のユーザは、情報入力画面上で各種操作を実行する。前述したメンテナンス項目入力部11は、例えば、情報入力画面上におけるユーザの操作に従って、メンテナンス項目を入力する。また、ジョブ実行判断部14は、表示部18に指示して、情報入力画面上にジョブ実行判断処理の結果を表示させる。従って、表示部18は、例えば、ジョブ実行判断部14が、印刷ジョブを条件付きで実行できると判断した場合に、該判断結果を通知する通知手段として機能する。
【0025】
制御受付部19は、外部装置から、印刷ジョブを条件付きで実行することを指示する制御情報、または該印刷ジョブを実行しないことを指示する制御情報を受け付ける。そして、制御受付部19が、印刷ジョブを実行しないことを指示する制御情報を受け付けた場合に、ジョブ保持部15は、該印刷ジョブを記憶手段に保持する。また、制御受付部19が、印刷ジョブを条件付きで実行することを指示する制御情報を受け付けた場合に、条件付ジョブ実行部17が、該印刷ジョブを条件付きで実行する。
【0026】
図3は、画像形成装置が備える操作部の一例を示す図である。図3(A)は、操作部の構成例を示す。図3(A)に示すように、操作部112は、タッチパネル部201とキー入力部202とを備える。タッチパネル部201は、LCD(Liquid Crystal Display)表示器と、LCD表示器上に貼られた透明電極を有するタッチパネルディスプレイとを有する。ユーザが、LCD表示器に表示されるキー相当の部分の透明電極を指で触れると、タッチパネル部201は、透明電極が指で触れられたことを検知して別の操作画面を表示するなどの処理を実行する。
【0027】
図3(B)は、図3(A)に示す操作部が備えるタッチパネル部201の構成例を示す。タッチパネル部201は、設定操作に応じて様々な操作画面を表示する。コピータブ301は、コピー動作の操作画面に遷移するためのタブキーである。送信タブ302は、ファックスやE−mail送信などの送信(Send)動作を指示する操作画面に遷移するためのタブキーである。ボックスタブ303は、ボックスにジョブを入出力操作するための操作画面に遷移するためのタブキーである。ボックスは、ユーザごとにジョブを格納する記憶手段である。
【0028】
オプションタブ304は、スキャナ設定など拡張機能を設定するための操作画面に遷移するためのタブキーである。システムモニタキー305は、MFPの状態や状況を表示するためのキーである。ユーザが、コピータブ301乃至システムモニタキー305のいずれかを選択することで、それぞれの操作モードの画面に遷移することができる。
【0029】
図3(B)に示す操作画面は、コピータブ301が選択された場合の操作画面である。この操作画面が含む色選択設定キー306は、カラーコピー、白黒コピー、または自動選択かを予め選択するためのキーである。倍率設定キー307は、等倍、拡大、縮小などの倍率設定を行う画面に遷移するためのキーである。後処理設定キー308は、ステイプルやパンチなどの有無、個数、位置などを設定する画面に遷移するためのキーである。
【0030】
両面設定キー309は、片面印刷、両面印刷のいずれかを選択する画面に遷移するキーである。紙サイズ設定キー310は、給紙段や紙サイズ、メディアタイプを選択する画面に遷移するキーである。画像モード設定キー311は、文字モードや写真モードなど原稿画像に適した画像モードを選択するためのキーである。濃度設定キー312は、出力画像を濃くしたり薄くしたり調整するためのキーである。
【0031】
ステータス表示部313は、スタンバイ状態、ウォームアップ中、ジャム、エラー等の画像形成装置の状態を表示する。また、倍率表示部314は、倍率設定キー307で設定された倍率を表示する。また、紙サイズ表示部315は、紙サイズ設定キー310で設定された紙サイズ等を表示する。
【0032】
枚数表示部316は、テンキー205で指定された部数を表示したり、動作中に何枚目を印刷中かを表示したりする。割り込みキー317は、コピー動作中に別のジョブを割り込ませる場合に利用される。応用モードキー318は、ページ連写、表紙・合紙設定、縮小レイアウト、画像移動など様々な画像処理やレイアウトなどの設定を行う画面に遷移するためのキーである。CPU101は、ステータス表示部313乃至応用モードキー318を介して、処理対象となるジョブの印刷処理条件をユーザから受け付けることができるように制御する。
【0033】
図4は、メンテナンス作業の開始/終了時の操作を説明する図である。サービスマン405はメンテナンスを開始する際に、操作部112のメンテナンスモード移行ボタン401を押下することで、デバイスであるプリンタ195をメンテナンスモードに移行させる。メンテナンスモード移行後、サービスマン405が、操作部112が有する画面407上で、メンテナンス項目404の入力を行う。
【0034】
また、サービスマンは、メンテナンス作業を開始した時に、画面407中の当該メンテナンス作業に対応するメンテナンス項目の処理中ステータス402にチェックを入れる。サービスマンは、メンテナンス作業が終了した時に、画面407中の当該メンテナンス作業に対応するメンテナンス項目の終了ステータス403にチェックを入れる。処理中ステータスは、対応するメンテナンス項目が示すメンテナンス作業が実行中であることを示す。終了ステータスは、対応するメンテナンス項目が示すメンテナンス作業が終了したことを示す。
【0035】
図5は、実施例1の画像形成装置の動作処理の一例を説明するフローチャートである。まず、サービスマン405によってメンテナンスモード移行ボタン401(図4)が押下され、画像形成装置1がメンテナンスモードに移行する(ステップS501)。
【0036】
次に、ジョブ受付部13が、メンテナンスモード中に、ユーザからジョブが投入されたかを判断する(ステップS502)。ジョブ受付部13が、メンテナンスモード中に、ユーザからジョブが投入されていないと判断した場合は、ステップS502に戻る。ジョブ受付部13が、メンテナンスモード中に、ユーザからジョブが投入されたと判断した場合は、ステップS503に進む。
【0037】
次に、ジョブ実行判断部14が、メンテナンス項目を確認する(ステップS503)。確認対象となるメンテナンス項目は、メンテナンス項目入力部11が入力したメンテナンス項目である。
【0038】
次に、ジョブ実行判断部14が、ジョブ実行判断処理を実行する(ステップS504)。続いて、ジョブ実行判断部14が、実行フラグが1であるかを判断する(ステップS505)。実行フラグが1でない場合は、ジョブ保持部15がジョブを保持して(ステップS508)、処理を終了する。ステップS508において、ジョブ保持部15が、例えば画像形成装置1内に待機ジョブとしてジョブを保存してもよいし、他の記憶領域に印刷ジョブを保持しておいてもよい。画像形成装置1は、保持されたジョブを、メンテナンス終了後に実行する。
【0039】
実行フラグが1である場合、ジョブ実行判断部14が、条件付き実行フラグが1であるかを判断する(ステップS506)。条件付き実行フラグが1である場合は、ステップS507に進む。そして、条件付ジョブ実行部17が、条件付きで印刷ジョブを実行して(ステップS507)、処理を終了する。条件付き実行フラグが1でない場合は、ジョブ実行部16が、ジョブをジョブの設定通りに実行する(ステップS509)。
【0040】
図6は、図5のステップS504におけるジョブ実行判断処理の例を説明するフローチャートである。まず、ジョブ実行判断部14が、実行フラグと条件付き実行フラグに0を設定する(ステップS601)。続いて、ジョブ実行判断部14が、図5のステップS502において投入されたと判断されたジョブが印刷ジョブであるかを判断する(ステップS602)。図5のステップS502において投入されたと判断されたジョブが印刷ジョブでない場合は、ステップS623に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、実行フラグに1を設定して(ステップS623)、ジョブ実行判断処理を終了する。
【0041】
図5のステップS502において投入されたと判断されたジョブが印刷ジョブである場合は、ステップS603に進む。続いて、ジョブ実行判断部14が、メンテナンス項目に給紙部があるかを判断する(ステップS603)。メンテナンス項目に給紙部がない場合は、ステップS617に進む。メンテナンス項目に給紙部がある場合は、ステップS617に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、印刷ジョブの給紙部設定を確認する(ステップS604)。
【0042】
次に、ジョブ実行判断部14が、確認された給紙部設定がオート設定であるかを判断する(ステップS605)。給紙部設定がオート設定でない場合は、ステップS610に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、ジョブに設定された給紙部がメンテナンス項目に含まれるか、すなわち、ジョブの設定がメンテナンス項目と抵触するかを判断する(ステップS610)。ジョブに設定された給紙部がメンテナンス項目に含まれない場合は、ジョブ実行判断部14が、メンテナンス状態の確認処理を実行する(ステップS621)。
【0043】
次に、ジョブ実行判断部14が、実行フラグが1であるかを判断する(ステップS622)。実行フラグが1である場合は、ステップS617に進む。実行フラグが1でない場合は、ステップS614に進む。
【0044】
ステップS610の判断処理の結果、ジョブに設定された給紙部がメンテナンス項目に含まれる場合は、ステップS611に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、該当給紙部のメンテナンス、すなわちジョブの設定と抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンスが終了したかを判断する(ステップS611)。該当給紙部のメンテナンスが終了した場合は、ステップS617に進む。
【0045】
該当給紙部のメンテナンスが終了していない場合は、ステップS612に進む。続いて、ジョブ実行判断部14が、現在メンテナンス中であるか、すなわち、ジョブの設定と抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンスが現在実行中であるかを判断する(ステップS612)。現在メンテナンス中でない場合は、ステップS613に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、条件付き実行フラグに1を設定して(ステップS613)、ステップS617に進む。
【0046】
ジョブに設定された給紙部がメンテナンス項目に含まれること(S610でYes)は、ジョブの設定がメンテナンス作業に対応するメンテナンス項目と抵触することを意味する。また、当該抵触するメンテナンス項目のメンテナンスが終了しておらず、かつ、現在メンテナンス中でない(S611でNo、S612でNo)ことは、ジョブの設定が実行予定のメンテナンス作業に対応するメンテナンス作業と抵触することを意味する。また、図5を参照して説明したように、ジョブ実行判断部14は、条件付き実行フラグが1である場合には、印刷ジョブを条件付きで実行できると判断する(図5のS506,S507)。すなわち、ジョブ実行判断部14は、印刷ジョブの設定が実行予定のメンテナンス作業に対応するメンテナンス項目と抵触すると判断した場合に、印刷ジョブを条件付きで実行できると判断する。
【0047】
現在メンテナンス中である場合は、ステップS614に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、ジョブに設定された用紙をサポートする他の給紙部があるかを判断する(ステップS614)。ジョブに設定された用紙をサポートする他の給紙部がない場合は、ステップS620に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、実行フラグに0を設定して(ステップS620)、ジョブ実行判断処理を終了する。
【0048】
ジョブに設定された用紙をサポートする他の給紙部がある場合は、ステップS615に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、メンテナンス状態確認処理を実行する(ステップS615)。続いて、ジョブ実行判断部14が、実行フラグが1であるかを判断する。(ステップS616)。実行フラグが1でない場合は、ステップS620に進む。実行フラグが1である場合は、ステップS617に進む。
【0049】
ステップS605における判断処理において、給紙部設定がオート設定である場合は、ステップS606に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、ジョブに設定された用紙をサポートする給紙部があるかを判断する(ステップS606)。ジョブに設定された用紙をサポートする給紙部がない場合は、ステップS609に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、実行フラグに0を設定して(ステップS609)、処理を終了する。
【0050】
ジョブに設定された用紙をサポートする給紙部がある場合は、ステップS607に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、メンテナンス状態確認処理を行って(ステップS607)、ステップS608に進む。続いて、ジョブ実行判断部14が、実行フラグが1であるかを判断する(ステップS608)。実行フラグが1でない場合は、処理を終了する。実行フラグが1である場合は、ステップS617に進む。
【0051】
ステップS617において、メンテナンス項目にフィニッシャの項目があるかを判断する(ステップS617)。メンテナンス項目にフィニッシャの項目がない場合は、ステップS623に進む。メンテナンス項目にフィニッシャの項目がある場合は、ステップS618に進む。
【0052】
次に、ジョブ実行判断部14が、ジョブの仕上げ設定を確認する(ステップS618)。そして、ジョブ実行判断部14が、ジョブに仕上げ設定があるかを判断する(ステップS619)。ジョブに仕上げ設定がある場合は、ステップS620に進む。ジョブに仕上げ設定がない場合は、ステップS623に進む。
【0053】
図7は、図6のステップS615におけるメンテナンス状態確認処理の例を説明するフローチャートである。まず、ジョブ実行判断部14が、画像形成装置1の本体部分と該当給紙部との間にメンテナンス項目があるかを判断する(ステップS701)。
【0054】
画像形成装置1の本体部分と該当給紙部との間にメンテナンス項目がない場合は、ステップS706に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、実行フラグに1を設定して(ステップS706)、メンテナンス状態確認処理を終了する。
【0055】
画像形成装置1の本体部分と該当給紙部との間にメンテナンス項目がない場合は、ステップS702に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、メンテナンス作業が終了しているかを判断する(ステップS702)。メンテナンス作業が終了している場合は、ステップS706に進む。
【0056】
メンテナンス作業が終了していない場合は、ステップS703に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、当該メンテナンス項目が現在メンテナンス中であるかを判断する(ステップS703)。当該メンテナンス項目が現在メンテナンス中である場合は、ステップS705に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、実行フラグに0を設定して(ステップS705)、メンテナンス状態確認処理を終了する。当該メンテナンス項目が現在メンテナンス中でない場合は、ステップS704に進む。そして、ジョブ実行判断部14が、条件付き実行フラグに1を設定して(ステップS704)、メンテナンス状態確認処理を終了する。なお、図6のステップS621、S608におけるメンテナンス状態確認処理は、図7を参照して説明したメンテナンス状態確認処理と同様である。
【0057】
実施例1の画像形成装置によれば、サービスマンが画像形成装置のメンテナンス作業を行っている最中であっても、印刷ジョブの設定と、メンテナンス項目と、メンテナンス作業のステータスに応じて、印刷ジョブの実行をすることができる。
【0058】
図8は、実施例2の画像形成装置の動作処理の一例を説明するフローチャートである。図8のステップS801、S802、S803、S804、S805、S806、S809、S810、S811は、図5のステップS501、S502、S503、S504、S505、S506、S507、S508、S509と同様である。
【0059】
実施例2においては、ステップS806の判断処理によって条件付き実行フラグが1であると判断された場合に、ジョブ実行判断部14が、条件付き実行確認処理を実行する(ステップS807)。条件付き実行確認処理は、ユーザに対して、条件付きでジョブを実行するか否かを確認する処理である。具体的には、ジョブ実行判断部14が、表示部18に指示して、条件付きでジョブを実行するか否かを確認する画面(確認画面)を表示させる。表示部18は、ユーザがクライアントPC上で画像形成装置の操作を行うことができる操作画面上に、確認画面を表示させる。
【0060】
ユーザは、操作画面上で画像形成装置1のIPアドレスを入力することで、画像形成装置1内のWebサーバにアクセスし、画像形成装置の操作を行うことができる。なお、この例では、操作画面は、クライアントPCのブラウザからWebサーバにアクセスして表示されるが、操作画面を表示する手法は、これに限定されない。
【0061】
図9は、確認画面の表示処理の例を説明する図である。図9(A)は、確認画面が表示される操作画面である。図9(B)は、確認画面の例を示す。ユーザが、図9(A)に示す操作画面901からジョブの設定を行い、プリント開始指示を行うと、操作画面上に、制限付きでジョブが実行されることを通知する確認メッセージを含む確認画面902が表示される。
【0062】
図8に戻って、ジョブ実行判断部14が、条件付きでジョブを実行するかを判断する(ステップS808)。ユーザが、図9(B)に示す確認画面902上でOKボタンを押下げすると、この押下げ操作に従って、制御受付部19が、印刷ジョブを条件付きで実行することを指示する制御情報を受け付ける。そして、条件付ジョブ実行部17が、受け付けられた制御情報に基づいて、印刷ジョブを条件付きで実行する。
【0063】
ユーザが、確認画面902上でキャンセルボタンを押下げすると、この押下げ操作に従って、制御受付部19が、印刷ジョブを実行しないこと、すなわち、印刷ジョブの保持を指示する制御情報を受け付ける。そして、ジョブ保持部15が、受け付けられた制御情報に基づいて、印刷ジョブを保持する。
【0064】
実施例2の画像形成装置によれば、印刷ジョブを条件付きで実行できることを確認したユーザの操作に応じて入力される制御情報に基づいて、印刷ジョブを条件付きで実行することができる。
【0065】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
100 コントローラユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷処理を実行する画像形成装置であって、
メンテナンス項目を入力する項目入力手段と、
前記入力されたメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業のステータスを設定するステータス設定手段と、
印刷ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、
前記ジョブ受付手段が受け付けた前記印刷ジョブの設定と、前記項目入力手段が入力した前記メンテナンス項目と、前記ステータス設定手段が設定する前記メンテナンス作業のステータスとに基づいて、前記印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行できるか、前記印刷ジョブを実行できないか、または前記印刷ジョブを条件付きで実行できるかを判断する実行判断手段と、
前記印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行できると判断された場合に、該印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行するジョブ実行手段と、
前記印刷ジョブを実行できないと判断された場合に、該印刷ジョブを記憶手段に保持するジョブ保持手段と、
前記印刷ジョブを条件付きで実行できると判断された場合に、該印刷ジョブを条件付で実行する条件付ジョブ実行手段とを備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記実行判断手段は、前記印刷ジョブの設定が実行予定のメンテナンス作業に対応するメンテナンス項目と抵触するかを判断し、前記印刷ジョブの設定が実行予定のメンテナンス作業に対応するメンテナンス項目と抵触すると判断した場合に、前記印刷ジョブを条件付きで実行できると判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記実行判断手段は、
前記印刷ジョブの設定が前記入力されたメンテナンス項目と抵触するかを判断し、
前記印刷ジョブの設定が前記入力されたメンテナンス項目と抵触すると判断した場合に、前記抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が終了したかを判断し、
前記メンテナンス作業が終了していないと判断した場合に、該メンテナンス作業が現在実行中であるかを判断し、
前記メンテナンス作業が現在実行中でないと判断した場合に、前記印刷ジョブを条件付きで実行できると判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ジョブ実行判断手段が、前記印刷ジョブを条件付きで実行できると判断した場合に、該判断結果を通知する通知手段と、
前記印刷ジョブを条件付きで実行することを指示する制御情報、または該印刷ジョブを実行しないことを指示する制御情報を受け付ける制御受付手段とを備え、
前記制御受付手段が、前記印刷ジョブを実行しないことを指示する制御情報を受け付けた場合に、前記ジョブ保持手段が該印刷ジョブを記憶手段に保持し、
前記制御受付手段が、前記印刷ジョブを条件付きで実行することを指示する制御情報を受け付けた場合に、前記条件付ジョブ実行手段が該印刷ジョブを条件付きで実行する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記条件付ジョブ実行手段は、前記印刷ジョブの実行中に、該実行中の印刷ジョブの設定に抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が開始されたかを監視し、前記印刷ジョブの実行中に、該実行中の印刷ジョブの設定に抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が開始されたことを検知した場合に、該印刷ジョブの実行を中止する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記条件付ジョブ実行手段は、前記印刷ジョブの実行中に、該実行中の印刷ジョブの設定に抵触するメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業が開始されたことを検知した場合に、実行する印刷ジョブの量を制限する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
印刷処理を実行する画像形成装置の制御方法であって、
メンテナンス項目を入力する工程と、
前記入力されたメンテナンス項目に対応するメンテナンス作業のステータスを設定する工程と、
印刷ジョブを受け付ける工程と、
前記受け付けられた印刷ジョブの設定と、前記入力されたメンテナンス項目と、前記設定されたメンテナンス作業のステータスとに基づいて、前記印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行できるか、前記印刷ジョブを実行できないか、または前記印刷ジョブを条件付きで実行できるかを判断する工程と、
前記印刷ジョブを該ジョブの設定通りに実行できると判断された場合に、該印刷ジョブを該印刷ジョブの設定通りに実行する工程と、
前記印刷ジョブを実行できないと判断された場合に、該印刷ジョブを記憶手段に保持する工程と、
前記印刷ジョブを条件付きで実行できると判断された場合に、該印刷ジョブを条件付で実行する工程とを有する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−49160(P2013−49160A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187654(P2011−187654)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】