説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法およびプログラム

【課題】実行履歴の不正使用を防ぐ画像形成装置を提供する。
【解決手段】データを宛先へ送信する送信ジョブの実行履歴を表示した実行履歴上で、ユーザによる送信ジョブの選択を受け付ける。ユーザは実行履歴上で表示された送信ジョブを実行する権限を有するか否かを判定し、当該権限を有すると判定した場合、当該選択された送信ジョブの実行時に使用した宛先を再利用するための項目を実行履歴を含む画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ジョブの履歴を管理する画像形成装置、画像形成装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の機能が多くなるにつれ、ジョブ実行時における画面上でのユーザ設定作業はますます複雑になっている。そのために、過去の設定を再利用することによってユーザ設定の利便性を向上させることが行われている。
【0003】
特許文献1には、ユーザ認証に連携して、操作対象の画像形成装置やリモート画像形成装置内の操作履歴を呼び出し、画面操作に再利用する技術が記載されている。また、特許文献2には、操作対象の画像形成装置やリモート画像形成装置に記憶されたジョブ履歴のうち、1つのジョブを特定して再プリントする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−297488号公報
【特許文献2】特開2007−60126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにジョブの実行履歴を再利用することは一般的に行われているが、画像形成装置は、PCや携帯電話端末等と異なり、複数のユーザによって共有される場合が多い。例えば、悪意のあるユーザによって実行履歴が不正に使用されてしまうことも考えられる。
【0006】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。上記の点に鑑み、本発明は、実行履歴の不正使用を防ぐ画像形成装置、画像形成装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、データを宛先へ送信する送信ジョブの実行履歴を表示する履歴表示手段と、前記履歴表示手段が表示した前記実行履歴において、ユーザによる送信ジョブの選択を受け付ける選択受付手段と、前記ユーザは前記実行履歴で表示された前記送信ジョブを実行する権限を有するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記ユーザは当該権限を有すると判定した場合、当該選択された前記送信ジョブの実行時に使用した宛先を再利用するための項目を前記実行履歴を含む画面に表示する受付表示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、履歴情報の不正使用を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の構成を示す図である。
【図3】機能制限リストの一例を示す図である。
【図4】ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】ジョブの実行履歴が格納されるまでの処理の手順を示す図である。
【図6】ログイン画面の一例を示す図である。
【図7】機能一覧を含むメインメニュー画面の一例を示す図である。
【図8】「スキャンして送信」機能の設定画面の一例を示す図である。
【図9】ジョブの状況や履歴表示の一覧を表示する画面の一例である。
【図10】送信ジョブの履歴データを再設定する処理の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0011】
〔実施例1〕
[画像形成システムの構成]
図1は、画像形成装置10を含む画像形成システム100の構成を示す図である。画像形成システム100において、画像形成装置10と画像形成装置15と画像形成装置20と認証サーバ30は、LAN等のネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。また、図1に示すように、ユーザ5が画像形成装置10にログインして画像形成装置10の機能を利用している。認証サーバ30にはPC等の一般的な情報処理装置が用いられ、ユーザごとに機能制限情報を定義した機能制限リスト35を内部に保持している。ここで、機能制限情報とは、画像形成システム100内の各画像形成装置が提供可能な機能の利用をユーザごとに制限するための情報である。例えば、所定のユーザに対してコピー機能を許可するが送信機能は禁止するといった情報である。機能制限リストの詳細については後述する。
【0012】
ユーザ5が画像形成装置10の所望の機能を利用する場合の画像形成システム100の動作の概要について説明する。画像形成装置10は、まず、ユーザ5のログイン情報に基づいて認証サーバ30に問い合わせし、その結果を以って当該機能の実行を許可するか否かを判定する。ここで、認証サーバ30は、機能制限リスト35と画像形成装置10から通知された問い合わせ情報とに基づいて、ACT(Access Control Token)トークン40を画像形成装置10に返信する。ACTトークン40には、ユーザ5が画像形成装置10において利用可能な若しくは利用不可能な機能制限情報が記述されている。画像形成装置10は、ACTトークン40を受信すると、そのACTトークン40の内容を参照して、ユーザ5に対して機能制限を行う。ここで、画像形成装置10は、機能制限された機能についてユーザ5に対してエラー表示や警告表示をすることもできる。
【0013】
[画像形成装置の構成]
図2は、画像形成装置10、15、20の構成を示す図である。以下、画像形成装置10について説明するが、画像形成装置15及び20についても同様である。画像形成装置10は、CPU201と補助記憶部202とメモリ203とスキャナ部204とFAX送受信部205と印刷部206と操作パネル207と通信インタフェース208とを含む。上記各部は、内部バス209を介して相互に通信可能に接続されている。補助記憶部202はハードディスク等の大容量記憶装置によって構成され、大容量データを保管したり、プログラムの実行コードや各ジョブの実行履歴を保持している。ここで、ジョブの実行履歴とは、スキャナ部204、印刷部206、FAX送受信部205、通信インタフェース208等がCPU201によって制御されて実行されたコピージョブ、ボックスプリントジョブ、プリントジョブ、送信ジョブ等の履歴をいう。ジョブの実行履歴は、補助記憶部202内のジョブ履歴記憶部2021に保持される。補助記憶部202内のアドレス帳記憶部2022は、送信ジョブの実行時に使用する出力先候補を保持する。補助記憶部202は、後述するメモリ203と比較して長時間保持する必要があるデータを記憶する。
【0014】
メモリ203は、CPU201が実行する各種プログラムを記憶するROMや、制御に必要なデータを一時的に格納するRAMである。スキャナ部204は、原稿等の記録媒体を光学的に読み取る。FAX送受信部205は電話回線に接続されており、外部とのFAX送受信を行う。印刷部206は、データに基づいて記録媒体に画像等を印刷する。印刷部206は、例えば記録ヘッドからインクを吐出することによって記録媒体に印刷を行う。操作パネル207は、ユーザに対してユーザインタフェース画面を表示する。また、操作パネル207は、そのユーザインタフェース画面を介してユーザから指示を受け付ける。通信インタフェース208は、ネットワーク80を介して、電子メール送信や、SMB送信や、認証に必要なデータ送受信を行う。
【0015】
CPU201は、各種プログラムを実行したり、画像形成装置10全体を制御する。CPU201は、補助記憶部202に格納されたプログラムをメモリ203に展開して実行する。その結果、CPU201は、各部を指示して、スキャン、プリント、送信などの各種機能を実現する。また、CPU201は、画像形成装置10を利用する各ユーザについて、各種機能の利用を許可するか否かを判定する。その判定方法については後述する。また、CPU201は、その判定の基となる各ユーザについての機能制限情報を通信インタフェース208及びネットワーク80を介して認証サーバ30から取得する。CPU201は、取得した機能制限情報に従って各部を指示し、各ユーザについての機能制限を実行する。
【0016】
[機能制限リスト]
次に、図3〜図4を参照して、認証サーバ30で保持されている機能制限リスト35を説明する。図3は、機能制限リスト35の一例を示す図である。図3に示す列301〜307はテーブルの列を示す。また、データ308〜311は、機能制限リスト35に定義された各ユーザの属性に対応した機能制限情報を示す。ここで、機能制限情報として「Permit」が定義されている場合には、その属性を有するユーザに対して、その機能の利用が許可されていることを示す。一方、「Deny」が定義されている場合には、その属性を有するユーザに対して、その機能の利用が禁止されていることを示す。機能制限リスト35内の「Color」はカラー印刷が許可されていることを示す。「BW」は、白黒印刷のみが許可されていることを示す。また、数値が定義されている場合や、「Yes」又は「No」が定義されている場合には、列302の各機能詳細に定義された内容に対応した意味で解釈される。
【0017】
列301は、各画像形成装置が提供する機能を示す。列302は、列301に示された機能の詳細を示す。列303〜307は、各ユーザの属性についての機能制限情報を示す。列303は「Administrator」を属性に有するユーザの機能制限情報を示し、列304は「PowerUser」を属性に有するユーザの機能制限情報を示す。また、列305は「GeneralUser」を属性に有するユーザの機能制限情報を示し、列306は「LimitedUser」を属性に有するユーザの機能制限情報を示す。列307は「GuestUser」を属性に有するユーザの機能制限情報を示す。例えば、本実施例において、「GeneralUser」を属性に有するユーザには、コピーのフルカラーや新規宛先送信機能の使用が許可されている。また、「GuestUser」を属性に有するユーザには、コピーのフルカラーや新規宛先送信機能が禁止されている。
【0018】
[ユーザ管理テーブル]
画像形成装置10は、内部に図4に示すようなユーザ管理テーブルを保持している。画像形成装置10は、図4に示すようなユーザ管理テーブルを参照することによって、ユーザ5の属性を認識することができる。図4は、ユーザ管理テーブル400の一例を示す図である。管理テーブル400は、ユーザ名401、UID402、グループ名403、GID404、パーミッショングループ405をそれぞれ対応付けて管理する。例えば、ユーザaについて、UID402は「001」であり、グループ名403は「営業N」であり、GID404は「501」であり、パーミッショングループ405は「GeneralUser」である。ここで、パーミッショングループ405が属性を表わしている。
【0019】
[ジョブの実行]
以下、図5のフローチャートを参照しながら、ジョブを実行して、そのジョブの実行履歴が補助記憶部202のジョブ履歴記憶部2021に格納されるまでの処理について説明する。なお、本処理は、CPU201が補助記憶部202に格納されたプログラムをメモリ203に展開して実行することによって実現される。まず、S501では、ユーザ5が画像形成装置10にログインする。そのときに、図6に示すような画面が画像形成装置10の操作パネル207に表示される。図6に示すように、操作パネル207内の液晶操作部600にログイン画面601が表示される。ログイン画面601には、ユーザ名を入力するための入力フィールド602と、パスワードを入力するための入力フィールド603と、OKキー604とが表示される。入力フィールド602には、例えば「a」などのユーザ名が入力される。入力フィールド603には、入力フィールド602に入力されたユーザ名に対応するパスワードが入力される。S502では、ユーザ5によりOKキー604が押下されたか否かを判定する。ここで、押下されたと判定された場合には、S503において、認証サーバ30に対して、ユーザ5によるログインを許可するための認証と、機能制限情報とを問い合わせる。S502の処理は、OKキー604が押下されたと判定されるまで繰り返される。ユーザ5はログイン可であると認証された場合には、S505で、CPU201は、認証サーバ30からACTトークン40を取得する。一方、ユーザ5によるログインが不可であると認証されなかった場合には、認証エラー画面を表示し(S504)、再度S501に戻ってログイン画面を表示する。
【0020】
S506において、CPU201は、S505で取得したACTトークン40の内容に従って、図7に示すような機能一覧を含むメインメニュー画面を表示する。図7は、メインメニュー画面701の一例を示す図である。図7のボタン702はコピー機能を実行するためのボタンであり、押下されると、スキャナ部204で読み取られた画像を印刷部206で複写するための設定画面が表示される。ボタン703は「スキャンして送信」機能を実行するためのボタンであり、押下されると、スキャナ部204で読み取られた画像をFAX送受信部205や通信インタフェース208を介して外部に送信するための設定画面が表示される。ボタン704は「スキャンして保存」機能を実行するためのボタンであり、押下されると、スキャナ部204で読み取られた画像を補助記憶部202に保存するための設定画面が表示される。ボタン705は「保存文書の利用」機能を実行するためのボタンであり押下されると、補助記憶部202に保存されている画像を印刷部206により複写したりFAX送受信部205や通信インタフェース208を介して外部に送信するための設定画面を表示する。ボタン706は、状況確認/中止ボタンであり、押下されると、現在処理中の、コピー/プリントジョブや、送信ジョブや、受信ジョブや、保存ジョブの状況を確認したり、又は、処理を中止したりするための画面が表示される。ボタン707はログアウトボタンであり、押下されると、ログアウトが実行される。
【0021】
以下、ユーザ名が「a」であるユーザ5が画像形成装置10にログインした場合を説明する。CPU201は、図4に示すユーザ管理テーブルを参照し、ユーザ名「a」のパーミッショングループ405に属性として「LimitedUser」が設定されていることを認識する。次に、CPU201は、図3に示すテーブルを参照し、属性が「LimitedUser」であるユーザに対して、「スキャンして送信」機能と「スキャンして保存」機能と「保存文書の利用」機能について「Permit」が設定されていることを認識する。即ち、CPU201は、ユーザに対してそれらの機能が許可されていることを認識する。また、属性が「LimitedUser」であるユーザに対して、コピー機能について「Deny」が設定されていること、即ち、許可されていないことを認識する。
【0022】
属性が「LimitedUser」であるユーザ5が、ボタン705の「スキャンして送信」機能を選択して押下した場合を説明する。図8は、ボタン705の「スキャンして送信」機能を選択して押下した場合に表示される設定画面の一例である。ここで、ユーザ5がアドレス帳記憶部2022に既に登録されている送信宛先を選択して送信する場合には、アドレス帳ボタン802を押下して設定を行う。一方、送信宛先を新規に入力して送信する場合には、「新規に入力」ボタン803を押下して設定を行う。ボタン804〜807は送信機能設定ボタン群であり、各ボタンが押下されると、原稿設定や送信設定等の変更を行うことができる。図3に示されるように、属性が「LimitedUser」であるユーザに対しては、送信宛先を新規に入力して送信する機能について「Deny」が設定されている。従って、そのユーザは「新規に入力」ボタン803を押下して送信宛先を新規に入力することは許可されていない。「新規に入力」ボタン803は、そのユーザにより使用できないように、網掛け等が施されて表示される。
【0023】
CPU201は、アドレス帳ボタン802の押下を検出すると、アドレス帳記憶部2022から登録されている送信宛先情報の一覧を取得して表示する。ユーザ5は、その一覧から所望の送信宛先を選択して送信開始を指示する。
【0024】
CPU201は送信開始指示を受け付け、ジョブの実行が開始可能か否かを判定する(S507)。ここで、例えばネットワークの通信状況等により実行開始できないと判定された場合には、S506に戻る。一方、実行開始可能であると判定された場合には、CPU201は、指定された機能がユーザ5が実行可能であるか否かを判定する(S508)。例えば、ユーザの属性が「LimitedUser」である場合には、FAX、FTP、NCP、SMB、WebDAVでの送信は許可されているが、E−mail、I−FAXの送信は許可されていない。従って、宛先にE−mailやI−FAXが含まれている場合には、送信できないと判定し、その旨を警告表示し、S506に戻る(S509)。その場合に、警告表示とともに、使用できない機能を網掛け等で表示するようにしても良い。
【0025】
S508でユーザ5が実行可能な機能であると判定された場合には、その機能を実行する(S510)。CPU201は、その機能を実行するジョブが終了したか否かを判定する(S511)。ここで、終了していないと判定された場合には、終了したと判定されるまでS511の処理を繰り返す。一方、終了したと判定された場合には、CPU201は、送信時に設定された設定内容と送信結果の情報とを補助記憶部202のジョブ履歴記憶部2021に書き込む(S512)。
【0026】
[ジョブの実行履歴の一覧表示]
以上のようにしてジョブ履歴記憶部2021に書き込まれたジョブ履歴は、ユーザが状況確認/中止ボタン706を押下することによって一覧表示される。図9はジョブの状況や履歴表示の一覧を表示する画面の一例である。状況確認/中止画面901には、コピー機能ボタン902、プリント機能ボタン903、送信機能ボタン904、受信機能ボタン905の各機能ボタンが表示される。各ボタンが押下されると、各ボタンに対応する機能に関係したジョブの状況や履歴が表示される。例えば、送信機能ボタン904が押下された場合を説明する。また、送信機能ボタン904が押下されて、さらにジョブ状況ボタン906が押下されると、送信中の送信ジョブの状況が表示される。また、送信機能ボタン904が押下されて、さらにジョブ履歴ボタン907が押下されると、実行を完了した送信ジョブの状況が一覧表示される。以下、ジョブ履歴ボタン907が押下された場合を説明する。
【0027】
ジョブ履歴リスト908は、実行を完了した送信ジョブの一覧である。ユーザは、このジョブ履歴リスト908上で所望のジョブを選択することができる(選択受付)。「日時」は、送信が完了した日時を示し、「ジョブ種」は実行時の送信ジョブの種類を示し、「ユーザ名」は実行したユーザの名称を示す。また、「宛先」には、送信ジョブの送信宛先で名称が入っているジョブについてはアドレス帳記憶部2022に登録されている送信宛先が表示され、名称が入っていない送信ジョブについては新規入力で送信された送信宛先が表示される。「結果」は、送信が正常終了、又は、異常終了したかを示す。詳細情報ボタン909が押下されると、各送信ジョブの設定内容の詳細が表示される。履歴データの再設定ボタン910(項目)が押下されると、ジョブ履歴リスト908で選択された送信ジョブを再設定することができる。ここで、履歴データとは、過去に実行されたジョブの設定内容を記述したデータのことをいう。例えば、「コピー機能」を実行したジョブであれば、その部数や出力先等を記述したデータのことをいう。閉じるボタン911が押下されると、状況確認/中止画面901を閉じて前画面に戻る。図9に示すように、図5のフローチャートによって実行された送信ジョブの履歴は、ジョブ履歴リスト908のように表示される。
【0028】
[送信ジョブの再設定]
図10は、送信ジョブ履歴一覧中で選択された送信ジョブのジョブ履歴データを再設定する処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、補助記憶部202に格納されたプログラムを、CPU201がメモリ203に展開し実行することによって実現する。まず、CPU201は、ユーザ5がジョブ履歴リスト908を表示する際に、認証サーバ30からACTトークン40を再度、取得する(S1001)。このように、ジョブ履歴リスト908の表示時にも、ACTトークン40を再取得することによって、ユーザ5の操作制限が変更されていた場合でも現在の状況に合わせて適切に機能制限を行うことができる。そして、補助記憶部202内のジョブ履歴記憶部2021から、対応した機能(本例では送信機能)のジョブ履歴データを取得し(S1002)、履歴データの再設定ボタン910以外を描画する(S1003)。
【0029】
次に、CPU201は、ユーザ5について履歴データの再設定機能が許可されているか否かを判定する(S1004)。例えば、ユーザ5のパーミッショングループ405に設定されている属性が「GuestUser」である場合には、履歴データの再設定機能は禁止されている。従って、その場合には、履歴データの再設定ボタン910を表示しない(S1005)。例えば、属性が「GuestUser」以外である場合には、履歴データの再設定機能は許可されていると認識し、次の処理に進む。
【0030】
次に、CPU201は、ユーザ5についての機能の使用が許可されているかに基づいて、履歴データの再設定ボタン910を表示するか否かを判定する(S1006)。例えば、ユーザ5のパーミッショングループ405に設定されている属性が「LimitedUser」である場合には、「スキャンして送信」機能は許可されているが、コピー機能の使用は禁止されている。従って、その場合には、状況確認/中止画面901のボタン902〜905でボタン902が選択されているときはコピージョブ履歴の履歴データの再設定ボタン910を表示しない(S1005)。ユーザ5についての機能の使用に基づいて、履歴データの再設定ボタン910を表示すると判定された場合には、S1007に進む。
【0031】
次に、CPU201は、ジョブ履歴リスト908の履歴中で、ユーザにより所望の送信ジョブの送信先が選択されているか否かを判定する(S1007)。ここで、選択されていないと判定された場合には、履歴データの再設定ボタン910は網掛け等で指示受付不可に表示される(S1008)。一方、所望の送信ジョブが選択されていると判定された場合には、CPU201は、その選択された送信ジョブが履歴データの再設定対象ジョブ種であるか否かを判定する(ジョブ判定の一例)。ここで、履歴データの再設定対象ジョブ種でないと判定された場合には、履歴データの再設定ボタン910は網掛け等で指示受付不可に表示される(S1010)。ここで、履歴データの再設定対象ジョブ種でないとは、例えば、調整やメンテナンスを目的とするようなジョブである。そのようなジョブは、ユーザが再設定して用いる必要がないので、登録対象ジョブ種でないと判定される。履歴データの再設定対象ジョブ種であると判定された場合には、CPU201は、ユーザ5について他のユーザのジョブ履歴の再設定機能が許可されているか否かを判定する(S1011)。例えば、ユーザ5の属性が「LimitedUser」である場合には、図3に示すように、他のユーザのジョブ履歴の再設定機能は禁止されている。その場合には、CPU201は、選択された送信ジョブがユーザ5自身のジョブであるか否かを判定する(S1012)。ここで、ユーザ5自身のジョブでない、即ち、他のユーザのジョブを選択していると判定された場合には、履歴データの再設定ボタン910は、網掛け等で指示受付不可に表示される(S1010)。一方、ユーザ5自身のジョブであると判定された場合には、S1013に進む。
【0032】
S1011において他のユーザのジョブ履歴の再設定機能が許可されている場合、例えばユーザ5の属性が「GeneralUser」である場合には、CPU201は、履歴データの再設定が可能なジョブ種であるか否かを判定する(S1013)。例えば、ユーザ5の属性が「GeneralUser」である場合には、FAX、FTP、NCP、SMB、WebDAVの送信は許可されていない。従って、それらのような形式で送信されたジョブをユーザが選択している場合には、履歴データの再設定ボタン910は、網掛け等で指示受付不可に表示される(S1010)。一方、ユーザ5の属性が「GeneralUser」である場合、E−MailやI−FAXの送信は許可されている。それらの形式で送信されたジョブをユーザが選択している場合には、S1014に進む。
【0033】
S1014において、CPU201は、新規宛先送信機能が許可されているか否かを判定する。例えば、ユーザ5の属性が「Administrator」や「PowerUser」である場合には、新規宛先送信機能が許可されている。その場合には、履歴データの再設定ボタン910が受付可能に表示される(S1016:受付表示の一例)。一方、新規宛先送信機能が許可されていない場合には、CPU201は、選択した送信ジョブの宛先がアドレス帳記憶部2022に登録済みの宛先か否かを判定する。ここで、登録済みの宛先であると判定された場合には、新規宛先送信には該当しないので、履歴データの再設定ボタン910を表示する(S1016)。一方、登録済みの宛先でないと判定された場合には、新規宛先送信に該当するので、履歴データの再設定ボタン910は、網掛け等で指示受付不可に表示される(S1010)。
【0034】
次に、CPU201は、履歴データの再設定ボタン910が押下されたか否かを判定する(S1017)。S1017の処理は、押下されたと判定されるまで繰り返される。ここで、押下されたと判定された場合には、CPU201は、履歴データの再設定が実行開始可能か否かを判定する(S1018)。例えば、他のジョブがスキャン後の送信開始待ちのような実行中である場合には、次のジョブを投入できない可能性がある。そのような場合には、履歴データの再設定を開始できない旨を警告表示する(S1019)。
【0035】
一方、履歴データの再設定を開始できると判定された場合には、CPU201は、その選択された送信ジョブの送信結果が正常終了で履歴に登録されたのか、又は、異常終了で履歴に登録されたのかを判定する(S1018)。ここで、異常終了で履歴に登録されたと判定された場合には、送信宛先が間違っているおそれがあるので、その旨をユーザに警告表示する(S1021)。その警告表示においては、例えば、編集指示としての確認ボタン等を表示して、それが押下されることによりS1022に進むようにしても良い(指示受付表示の一例)。一方、正常終了で履歴に登録されたと判定された場合には、CPU201は、その選択された送信ジョブの送信宛先を再編集するための編集画面を表示するように表示制御する(S1022:編集画面表示の一例)。
【0036】
本実施例では、送信宛先を例として説明したが、送信宛先ではなく、例えば、印刷出力先であっても良い。また、画像形成装置10、15、20とネットワーク80を介して接続された認証サーバ30が機能制限リスト35を保持していると説明したが、画像形成装置内で機能制限リスト35を保持するようにしても良い。
【0037】
以上のように、ユーザごとに使用できる機能が制限されているシステムにおいて、操作履歴の情報を再利用する際にも、ユーザ権限に基づいて機能制限を行うことで、権限を持たないユーザによる不正利用を防ぐことができる。
【0038】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又はコンピュータ読取可能な各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを宛先へ送信する送信ジョブの実行履歴を表示する履歴表示手段と、
前記履歴表示手段が表示した前記実行履歴において、ユーザによる送信ジョブの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記ユーザは前記実行履歴で表示された前記送信ジョブを実行する権限を有するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記ユーザは当該権限を有すると判定した場合、当該選択された前記送信ジョブの実行時に使用した宛先を再利用するための項目を前記実行履歴を含む画面に表示する受付表示手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記実行履歴で表示された前記送信ジョブを実行する権限を有するユーザが定義されたテーブルをさらに備え、
前記判定手段は、前記テーブルを参照して、前記実行履歴で表示された前記送信ジョブを実行する権限を有するか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記実行履歴において選択された前記送信ジョブが正常終了または異常終了していたかを判定するジョブ判定手段と、
前記ジョブ判定手段が当該異常終了していたと判定した場合に、当該異常終了していた旨を警告表示する警告表示手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記警告表示手段により前記異常終了していた旨が警告表示されると、前記送信ジョブの出力先の編集指示を受付可能に表示する指示受付表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記編集指示を受け付けると、前記送信ジョブの出力先の編集画面を表示する編集画面表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置が、
データを宛先へ送信する送信ジョブの実行履歴を表示する履歴表示工程と、
前記履歴表示工程により表示された前記実行履歴において、ユーザによる送信ジョブの選択を受け付ける選択受付工程と、
前記ユーザは前記実行履歴で表示された前記送信ジョブを実行する権限を有するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記ユーザは当該権限を有すると判定された場合、当該選択された前記送信ジョブの実行時に使用した宛先を再利用するための項目を前記実行履歴を含む画面に表示する受付表示工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−106102(P2013−106102A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246862(P2011−246862)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】