画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラム
【課題】より消費電力を低減することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】電力管理部は、処理対象に対応する電力管理対象の電力停止条件を読み出す(ステップS2)。そして、処理対象の電力管理対象の稼動状況の情報を取得する(ステップS3)。電力管理対象の稼動状況が電力停止条件を満たすか否かを判断する。電力停止条件を満たすと判断した場合には、電力管理部は処理対象の電力管理対象の電力の供給を停止する(ステップS6)。機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断された場合には、電力管理部は電力停止条件の変更条件を読み出す(ステップS11)。電力管理部は、機能ブロックの電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たすか否かを判断する。電力供給を継続している電力管理対象の個数が電力停止条件の変更条件以下である場合には、電力停止条件を変更する(ステップS13)。
【解決手段】電力管理部は、処理対象に対応する電力管理対象の電力停止条件を読み出す(ステップS2)。そして、処理対象の電力管理対象の稼動状況の情報を取得する(ステップS3)。電力管理対象の稼動状況が電力停止条件を満たすか否かを判断する。電力停止条件を満たすと判断した場合には、電力管理部は処理対象の電力管理対象の電力の供給を停止する(ステップS6)。機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断された場合には、電力管理部は電力停止条件の変更条件を読み出す(ステップS11)。電力管理部は、機能ブロックの電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たすか否かを判断する。電力供給を継続している電力管理対象の個数が電力停止条件の変更条件以下である場合には、電力停止条件を変更する(ステップS13)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に消費電力を低減可能な画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の環境問題への配慮から、自機が未使用状態にあるときに消費電力が少ない動作モード、いわゆる省エネモードへ移行させる制御を行なう画像形成装置が開発されている。
【0003】
たとえば、特開2006−171297号公報においては、複合型画像処理装置において、機能毎の稼働率を集計しておき、装置が省エネモードであるスリープ状態から復帰する際に稼働率が所定値以上の機能に対応するデバイスのみを復帰させることが示されている。
【0004】
具体的には、ユーザによりスリープ状態からの復帰が指示された際にプリンタの稼働率が低い場合には、スキャナのみを復帰させてプリンタは復帰させないことが示されている。これにより不要なデバイスが復帰することを抑制し、消費電力を低減させている。
【0005】
また、特開2007−81721号公報においては、ファクシミリ複合機において省エネモードである省電力モード時に外部インターフェイス部への電源供給を遮断するか否かをユーザにより設定可能とすることが記載されている。これにより、ユーザが、外部インターフェイス部を使用せずにファクシミリ複合機を用いる場合に、外部インターフェイス部への電源供給を遮断する設定をすることで、不要なデバイスにより電力が消費されることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−171297号公報
【特許文献2】特開2007−81721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これら従来の技術は省エネモードから復帰させるデバイスを選択すること、または省エネモード時に電源供給を遮断するデバイスを選択することにより消費電力の低減を図るものであり、省エネモードに移行する条件を工夫することで消費電力の低減を図るものではなかった。すなわち、従来の画像形成装置では、一般的に、ADF(Auto Document Feeder)・操作パネル・スキャナ・プリンタ等、画像形成装置を構成する機能ブロックへの動作指示が所定時間行なわれない場合に省エネモードに移行する制御が行なわれており、画像形成装置の動作状況に応じて省エネモードに移行するための条件を変更し、消費電力の低減効果を向上させるものは存在しなかった。
【0008】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであって、より消費電力を低減することが可能な画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、複数の機能部を有する画像形成装置であって、複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理部と、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象と、各機能部毎に設けられ、複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理部とを備える。第2の電力管理部は、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断部と、第1の判断部により第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止制御部と、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断部と、第2の判断部により第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する変更部とを含む。第1の電力管理部は、複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された機能部を省エネモードに移行させる。
【0010】
好ましくは、第1の所定の条件は、電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである。
【0011】
好ましくは、第1の所定の条件は、電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうちの電力が供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである。
【0012】
特に、第2の電力管理部は、第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、第1の所定の条件である所定値を大きな値に変更する。
【0013】
好ましくは、第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである。
【0014】
好ましくは、第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうちの電力を供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである。
【0015】
特に、第2の電力管理部は、第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、第1の所定の条件である所定期間を小さな値に変更する。
【0016】
本発明のある局面に従う画像形成装置の制御方法は、複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置の制御方法であって、複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、各機能部毎に設けられ、複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備える。第2の電力管理ステップは、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、第1の判断ステップにより第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、第2の判断ステップにより第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含む。第1の電力管理ステップは、複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む。
【0017】
本発明のある局面に従う画像形成装置の制御プログラムは、複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置のコンピュータに、複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、各機能部毎に設けられ、複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備える処理を実行させる。第2の電力管理ステップは、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、第1の判断ステップにより第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、第2の判断ステップにより第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含む。第1の電力管理ステップは、複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラムは、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断し、第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する。また、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断し、第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する方式である。すなわち、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力を停止する条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として早期に省エネモードに移行させることが可能となり、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に従う画像形成装置としてのMFP1の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うMFP1の機能ブロック図である。
【図3】MFP1における電力管理の制御関係を説明する図である。
【図4】電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理を説明するフローチャートである。
【図5】電力停止条件について説明する図である。
【図6】電力停止条件の変更条件について説明する図である。
【図7】全体制御部が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理の内容について説明する図である。
【図8】MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)を説明する図である。
【図9】MFP1に含まれる電力管理対象の使用頻度を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件について説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件の変更条件について説明する図である。
【図12】MFP1に含まれる電力管理対象の未使用期間を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(MFP全体構成)
図1を用いて、本発明の実施形態に従う画像形成装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)1の外観図について説明する。
【0021】
図1を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は、コピー機能、スキャナ機能等を有するデジタル複合機である。
【0022】
MFP1は、操作パネル100を備えており、この操作パネル100は、複数のハードキーと、操作ディスプレイ112とを有する。操作パネル100に設置されるハードキーは、数字等を入力するためのテンキーと、機能を設定するための機能キーとを含む。機能キーはMFP1を省エネモードから復帰させるための省エネモード復帰キーを含む。操作ディスプレイ112にはタッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを備える。タッチパネルはユーザの操作による各種の指示や文字や数字などのデータの入力を受付ける。LCDはユーザに対する指示メニューや後述するスキャナ300により取得された画像に関する情報などの表示を行なう。
【0023】
また、MFP1は、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナ300と、画像データに基づいて記録シート上に画像を印刷するプリンタ200とを備えている。
【0024】
また、MFP1の本体上面には、自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)400が設けられている。ADF400は、原稿台417に載置された原稿を1枚ずつスキャナ300の画像読取位置に自動的に搬送し、画像が読取られた後の原稿を原稿排出トレイ420に排出する。なお、ADF400はスキャナ300に対して開閉可能となっておりADF400を開くことでスキャナ300の原稿ガラス上に手動で原稿を載置可能となっている。
【0025】
また、MFP1の本体下部にはプリンタ200に記録シートを供給する給紙部218が設けられ、MFP1の本体左端にはプリンタ200によって画像が印刷された記録シートが排出されるフィニッシャ700が設けられている。
【0026】
フィニッシャ700はプリンタ200によって画像が印刷された記録シートに対しパンチやステープラ等の後処理を実行する。また、MFP1の側面にはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のUSBデバイスを接続するためのコネクタ610が設けられている。
【0027】
さらに、MFP1の本体の内部には、本体を制御するための各部で用いられる制御プログラム、画像データ等、MFP1の動作に必要なデータを記憶するデータ記憶部526などが設けられている。
【0028】
図2を用いて、本発明の実施の形態に従うMFP1の機能ブロック図について説明する。
【0029】
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は大きくは以下の5つの機能ブロックを含む。
【0030】
機能ブロックは、原稿台417に載置された原稿を搬送するADF400と、原稿を読取ることで画像データ(電子データ)を取得するスキャナ300と、印刷処理を実行するためのプリンタ200と、操作指示等を受け付ける操作パネル100と、USBデバイスを制御するUSBインターフェイス部(USBI/F部)600とである。
【0031】
MFP1はさらに、5つの機能ブロックを制御する全体制御部500を備える。全体制御部500は、上記5つの機能ブロックを制御することによりMFP1全体の動作を制御するとともにMFP1の電力を管理する。
【0032】
全体制御部500は、本体コントローラ505と、データ記憶部526とを含む。
本体コントローラ505は、たとえばCPU(Central Processing Unit)等で構成されるものとする。
【0033】
データ記憶部526は、制御プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)、CPUにおける制御処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)およびMFP1に登録された各種情報等を格納するHDD(Hard Disk Drive)等を含む。なお、以下において説明する本発明の実施の形態に従う電力管理を実行するためのプログラムは、一例として、データ記憶部526のROMに格納されているものとし、当該格納されたプログラムを読出すことにより当該機能が実現されるものとする。また、図示しないが、全体制御部500にはタイマ(時計)が設けられているものとする。
【0034】
スキャナ300は、原稿を照射するランプ304と、原稿からの反射光を読取るCCD(Charge Coupled Device)センサ302と原稿からの反射光をCCDセンサ302に結像させるための光学ユニットを駆動するための駆動部306と、スキャナ300全体の動作を制御するとともにスキャナ300の電力を管理するスキャナコントローラ310とを含む。なお、スキャナコントローラ310は、たとえばCPUである。
【0035】
プリンタ200は、記録シートに対する画像形成の際に用いられる転写ローラや定着ローラ等を駆動するための駆動部212と、定着部にある定着ローラ等を加熱するための定着ヒータ部211と、フィニッシャ700へ排出される記録シートを検知するフィニッシャ排出センサ213と、MFP1の本体部の前扉が開いているか否かを検知する前扉開閉センサ214と、プリンタ200全体の動作を制御するとともにプリンタ200の電力を管理するエンジンコントローラ210とを含む。なお、エンジンコントローラ210は、たとえばCPUである。
【0036】
操作パネル100は、操作ディスプレイ112に設けられたタッチパネルに対する操作を検知するタッチパネル検出部117と、操作パネル100のテンキーの操作を検出するテンキー検出部119と、操作パネル100の機能キーに対する操作を検出する機能キー検出部118と、操作パネル100全体の動作を制御するとともに操作パネル100の電力を管理するパネルコントローラ110とを含む。なお、パネルコントローラ110は、たとえばCPUである。
【0037】
ADF400は、原稿排出トレイ420に放置された原稿、いわゆる取り忘れ原稿を検知する取り忘れセンサ402と、ADF400の開閉を検知する開閉検知センサ403と、原稿台417に載置された原稿を検知する原稿セット検知センサ404と、ADF400の内部の搬送路を通過する原稿を検知する通紙センサ405と、ADF400に内蔵された搬送ローラ等を駆動するための駆動部406と、ADF400全体の動作を制御するとともにADF400の電力を権利するADFコントローラ401とを含む。なお、ADFコントローラ401は、たとえばCPUである。
【0038】
USBI/F部600は、USBデバイスがコネクタ610に装着されたことを検出するUSBデバイス装着検出部606と、USBデバイスに対するアクセスを制御するUSB駆動装置608と、USBI/F部600全体の動作を制御するとともにUSBI/F部600の電力を管理するUSBコントローラ605とを含む。なお、USBコントローラ605は、たとえばCPUである。
【0039】
なお、図2においては、一例としてコネクタ610にUSBメモリ602と、USB認証デバイス604とがそれぞれ装着された場合が示されている。
【0040】
本例におけるMFP1は、コピー機能、スキャナ機能のほか、ファクシミリ機能あるいはメール機能をさらに有する。すなわち、スキャナ300で読取った画像データをファクシミリ機能あるいはメール機能により他の装置に送信することが可能である。
【0041】
図3を用いて、MFP1における電力管理の制御関係を説明する。
図3を参照して、本体コントローラ505は、機能ブロック毎に設けられたコントローラを管理する。
【0042】
具体的には本体コントローラ505は、ADFコントローラ401、パネルコントローラ110、USBコントローラ605、エンジンコントローラ210、スキャナコントローラ310とを管理する。
【0043】
ADF400の機能ブロックでは、ADFコントローラ401が取り忘れセンサ402、開閉検知センサ403、原稿セット検知センサ404、通紙センサ405、駆動部406に供給する電力を管理する。より具体的にはADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402、開閉検知センサ403、原稿セット検知センサ404、通紙センサ405、駆動部406に電力を供給するか否かを制御する。なお、以下では、機能ブロックにおいて、電力を管理する側(ここではADFコントローラ401)を電力管理部と呼び、電力を管理される側(ここでは取り忘れセンサ402、開閉検知センサ403、原稿セット検知センサ404、通紙センサ405、駆動部406)を電力管理対象と呼ぶこととする。
【0044】
操作パネル100の機能ブロックにおいては、電力管理部であるパネルコントローラ110が、電力管理対象であるタッチパネル検出部117と、機能キー検出部118、テンキー検出部119とに供給する電力を管理する。
【0045】
USBI/F部600の機能ブロックにおいては、電力管理部であるUSBコントローラ605が、電力管理対象であるUSBデバイス装着検出部606と、USB駆動装置608とに供給する電力を管理する。
【0046】
プリンタ200の機能ブロックにおいては、電力管理部であるエンジンコントローラ210が、定着ヒータ部211と、駆動部212と、フィニッシャ排出センサ213と、前扉開閉センサ214とに供給する電力を管理する。
【0047】
スキャナ300の機能ブロックにおいては、電力管理部であるスキャナコントローラ310が、CCDセンサ302と、ランプ304と、駆動部306とに供給する電力を管理する。
【0048】
図4は、電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理を説明するフローチャートである。
【0049】
図4を参照して、電力管理部は、電力管理対象が電力供給を停止する条件(以下、電力停止条件とも称する)を満たす場合にその電力管理対象への電力供給を停止し、さらに機能ブロックが電力停止条件の変更条件を満たす場合には電力停止条件を変更する処理を行なう。なお、電力管理部は、データ記憶部526のROMに記憶されたプログラムを読み込みそのプログラムに従って図4に示すフローチャートの処理を実行する。
【0050】
図4を参照しながら電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理の内容について説明する。
【0051】
電力管理部は、機能ブロックに含まれる電力管理対象のうちの任意の1つの電力管理対象を処理対象とし、その処理対象の電力管理対象への電力供給が既に停止されているか否かを判断する(ステップS1)。そして、処理対象の電力管理対象への電力供給が停止されていないと判断した場合(ステップS1においてNO)には、データ記憶部526に格納されている、処理対象に対応する電力管理対象の電力停止条件を読み出す(ステップS2)。電力停止条件とは、電力管理対象それぞれに対応する、電力を停止するか否かを判断する際に用いられる条件のことである。
【0052】
図5を用いて、電力停止条件について説明する。
図5を参照して、ここでは、電力停止条件を記述した電力停止条件テーブルが示されている。
【0053】
電力停止条件テーブルは、データ記憶部526に格納されている。電力停止条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての電力管理対象それぞれに対応する電力停止条件が記述されている。本実施例における電力停止条件とは、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)である。
【0054】
図5においては、一例として、全ての電力管理対象に対応する電力停止条件として、同一の値(7回)が記述されているが、電力管理対象それぞれについての任意の(異なる)条件を記述することが可能である。なお、電力停止条件テーブルには電力停止条件の変更値も記述されているが、それについての説明については後述する。
【0055】
再び図4を参照して、電力管理部は、処理対象の電力管理対象の稼動状況の情報を取得する(ステップS3)。本例における稼動状況の情報とは、所定期間内における電力管理対象の使用頻度を示す情報である。
【0056】
電力管理部は、電力管理対象の使用頻度を、たとえば以下の方法で取得することができる。
【0057】
電力管理部は、電力管理対象が稼動する(使用される)度に、使用された電力管理対象を特定する情報とその使用日時とを対応付けた使用履歴情報をデータ記憶部526に格納する。そして、電力管理部は、ステップS3において電力管理対象の稼動状況の情報を取得する際に、データ記憶部526に記憶された使用履歴情報のうち、その時点から所定時間遡った期間の使用日時を持つ使用履歴情報を参照し、電力管理対象毎の使用回数の累計を求めることで所定期間内の使用頻度を取得する。
【0058】
次に、電力管理部は、ステップS4において、電力管理対象の稼動状況が電力停止条件を満たすか否かを判断する。具体的には電力管理部は、ステップS3で取得した処理対象の電力管理対象の稼動状況、つまり使用頻度が、ステップS2で読み出した電力停止条件以下の場合に電力の供給を停止する条件を満たすと判断する。すなわち、電力管理部は、電力管理対象の使用頻度が低い場合に、その電力管理対象の電力を停止すべきと判断する。
【0059】
ステップS4において、電力停止条件を満たすと判断した場合(ステップS4においてYES)には、電力管理部は処理対象の電力管理対象の電力の供給を停止する(ステップS6)。そして、ステップS8に進む。
【0060】
一方、ステップS4において、電力停止条件を満たさないと判断した場合(ステップS4においてNO)には、処理対象の電力管理対象に対する電力の供給を停止せずに(電力の供給を継続したまま)ステップS8に進む。
【0061】
また、ステップS1において、処理対象の電力管理対象に対する電力の供給が既に停止されていると判断された場合(ステップS1においてYES)には、ステップS2〜S6の処理は行なわずにステップS8に進む。
【0062】
次に、電力管理部は、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象について、電力停止条件を満たすか否かの判断を完了したか否かを判断する(ステップS8)。
【0063】
ステップS8において、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断した場合(ステップS8においてNO)には、処理対象を次の電力管理対象に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0064】
そして、全ての電力管理対象について、電力停止条件の判断が完了するまでステップS1〜S8の処理を繰り返し行なう。
【0065】
一方、ステップS8において全ての電力管理対象についての判断を完了したと判断した場合(ステップS8においてYES)には、ステップS9に進む。
【0066】
ステップS9において、電力管理部は、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象についての電力供給状況の情報を取得する。電力供給状況とは、機能ブロックに含まれる電力管理対象それぞれについて電力供給が停止されているか継続されているかのことであり、より詳しくは機能ブロックに含まれている電力管理対象のうち電力が供給されている電力管理対象の個数のことである。
【0067】
続いて、ステップS10において、電力管理部は、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止しているか否かを判断する。
【0068】
そして、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止している場合(ステップS10においてYES)には、その旨を全体制御部500に通知する(ステップS14)。電力管理部から機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止している旨の通知を受けた全体制御部500は、ステップS14の通知を行なった電力管理部への電力供給を停止する。つまり、その機能ブロックを省エネモードに移行させる(ステップS15)。そして、本フローチャートの処理を終了する(エンド)。
【0069】
なお、図4のフローチャートにおいて、ステップS15の処理を破線で示している理由は、その処理が電力管理部が主体的に行なう処理ではなく、全体制御部500が電力管理部に対して行なう処理だからである。
【0070】
一方、ステップS10において、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断された場合、つまり電力供給が継続している電力管理対象が残っていると判断された場合(ステップS10においてNO)には、電力管理部は電力停止条件の変更条件を読み出す(ステップS11)。電力停止条件の変更条件とは、機能ブロックそれぞれに対応する、電力停止条件を変更するか否かを判断する際に用いられる条件のことである。なお、電力停止条件の変更条件は後述のようにデータ記憶部526に格納されている。
【0071】
図6を用いて、電力停止条件の変更条件について説明する。
図6を参照して、ここでは、電力停止条件の変更条件を記述した変更条件テーブルが示されている。変更条件テーブルは、データ記憶部526に格納されている。
【0072】
変更条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての機能ブロックそれぞれに対応する電力停止条件の変更条件が記述されている。本実施の形態においては、一例として、電力停止条件の変更条件として、機能ブロック内における電力供給を継続している電力管理対象の個数が設定されている。
【0073】
なお、ここでは、電力停止条件の変更条件として、USBI/F部以外の機能ブロックについて同一の値(2)が記述されている場合を例示している。なお、USBI/F部の機能ブロックについては、(1)が記述されている場合が示されている。しかしながら、電力停止条件の変更条件は、機能ブロックそれぞれについて任意の(異なる)条件を記述することが可能である。
【0074】
再び図4を参照して、ステップS12において、電力管理部は、機能ブロックの電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たすか否かを判断する。具体的には、電力管理部は、電力供給を継続している電力管理対象の数が電力停止条件の変更条件以下であるか否かを判断する。そして、電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たすと判断された場合、つまり、電力供給を継続している電力管理対象の個数が電力停止条件の変更条件以下である場合(ステップS12においてYES)には、電力停止条件を変更する(ステップS13)。
【0075】
電力管理部は、ステップS13において、図5に示す電力停止条件テーブルに基づいて、電力停止条件を変更する。
【0076】
図5を参照して、電力停止条件テーブルには、電力管理対象のそれぞれについて電力停止条件の変更値が記述されている。電力管理部は、ステップS13において電力停止条件の値を、電力停止条件テーブルに記述された変更値に変更する。
【0077】
図5に示すように、電力停止条件の変更値は変更する前の値と比べて大きな値となっている。すなわち、ステップS13においては、次にステップS4の判断が行なわれる際に電力停止条件を満たすと判断されやすくなる、つまり電力供給がより停止されやすくなるように電力停止条件が変更される。
【0078】
一方、ステップS12において、電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たさないと判断された場合(ステップS12においてNO)には、電力停止条件を変更せずにステップS1に戻る。
【0079】
そして、ステップS10において、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していると判断されるまで(ステップS10においてYES)、ステップS1からS13の処理が繰返し実行される。そして、ステップS10において機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していると判断されると(ステップS10においてYES)、前述のように、全体制御部500に対してその旨が通知され(ステップS14)、全体制御部500によりその機能ブロックが省エネモードに移行されて(ステップS15)、本フローチャートの処理が終了する(エンド)。
【0080】
前述のように、図4に示すフローチャートにおいては、電源管理部は、機能ブロックに含まれる電力管理対象のうち使用頻度が低い電力管理対象への電力供給を停止する処理を行なうとともに、電力供給を継続している電力管理対象が少なくなった場合には電力管理対象への電力供給がより停止されやすくなるように電力停止条件を変更する処理を行なう。
【0081】
図7を用いて、全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理の内容について説明する。
【0082】
全体制御部500は、データ記憶部526のROMに記憶されたプログラムを読み込み、そのプログラムに従って図7に示すフローチャートの処理を実行する。
【0083】
図7を参照して、全体制御部500は電力管理部から、機能ブロック内の全ての電力管理対象への電力供給を停止した旨の通知を受けるまで待機する(ステップS20)。全体制御部500は電力管理部から全ての電力管理対象への電力供給を停止した旨の通知を受けたと判断した場合(ステップS20においてYES)には、その通知を行なった機能ブロックを省エネモードに移行する(ステップS21)。ここで、省エネモードとは、機能ブロックに対して、当該機能ブロックにおける処理の実行が可能な通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみを供給し、それ以外の電力の供給を停止する状態のことを意味する。すなわち、当該省エネモードである機能ブロックについては、電力の供給が停止されているため当該機能ブロックにおける処理を実行することはできない。
【0084】
このように、全体制御部500は、全ての電力管理対象への電力供給を停止した旨の通知が行なわれた機能ブロックを省エネモードに移行する処理を実行する。
【0085】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、図4に示すフローチャートの具体的な処理の内容について説明する。
【0086】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0087】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0088】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(7回)を読出す(ステップS2)。
【0089】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の使用頻度を取得する。ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の使用頻度を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の使用頻度は図9(a)に示すものであるとする。
【0090】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の使用頻度(1回:図9(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(7回:図5)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、使用頻度(1回)が電力停止条件(7回)以下のため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0091】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0092】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0093】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0094】
図5と、図9(a)を参照して、開閉検知センサ403は使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は使用頻度(10回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、使用頻度(12回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。
【0095】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0096】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判断を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0097】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図6)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0098】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の個数(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との2つ)が電力停止条件の変更条件(2)以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0099】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0100】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を7回から10回に変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0101】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0102】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での使用頻度は図9(b)に示すものであるとする。先に使用頻度を取得してから時間が経過しているため、使用頻度が図9(a)から図9(b)に変化している。
【0103】
なお、ここで、図9(b)に記載される「−」の標記は、図9(a)の使用頻度に基づいて電力供給が停止された状態であることを意味する。
【0104】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の使用頻度(9回)が電力停止条件(10回)以下であるため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の使用頻度(10回)が電力停止条件(10回)以下であるため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0105】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0106】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0107】
上述のように、本発明のMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0108】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0109】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、使用頻度の低い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0110】
そこで、本発明の実施の形態に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0111】
なお、上述の説明においては、一例として電力停止条件テーブルとして図5を、変更条件テーブルとして図6を示したが、電力停止条件の変更条件は、特にこれらの値に限られるわけではなく、省エネを効率的に図ることが可能なように実験あるいは経験により適切な値に設定することが可能である。また、これらの値は、MFP1の管理者や一般ユーザが操作パネルを介し設定することも可能である。
【0112】
さらに、上述の説明においては、図4に示すフローチャートの処理を電力管理部である機能ブロック内のコントローラが行ない、電力管理部からの通知を受けて(図4のステップS14、図5のステップS20)全体制御部500が機能ブロックを省エネモードに移行させる(図4のステップS15、図5のステップS21)ものとしたが、それら全ての処理を全体制御部500が行なうようにしてもよい。すなわち図4と図5のフローチャートに示す処理を全体制御部500が行なうようにすることも可能である。以下の変形例においても同様である。
【0113】
<変形例1>
上記の実施の形態においては、電力管理対象の電力停止条件として、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明した。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給を継続している電力管理対象の個数が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明した。
【0114】
本実施の形態の変形例1においては電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明する。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給している電力管理対象の消費電力の総和が所定の閾値以下であるか否かを条件とする場合について説明する。
【0115】
なお、図4で説明した電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理および図7で説明した全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理については上記の実施の形態と基本的に同様であるため適宜参照しながら説明する。
【0116】
図10を用いて、本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件について説明する。
【0117】
図10を参照して、ここでは、電力停止条件を記述した電力停止条件テーブルが示されている。図5で説明した電力停止条件テーブルと比較して、電力停止条件および変更値として、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)の代わりに未使用期間が記述されている。ここでいう未使用期間とは、電力管理対象が使用された時点から次に使用されるまでの期間を意味する。したがって、未使用の状態が継続すれば未使用期間は加算されていくことになる。当該電力停止条件テーブルについてもデータ記憶部526に格納されている。電力停止条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての電力管理対象それぞれに対応する電力停止条件が記述されている。
【0118】
図10においては、一例として、全ての電力管理対象に対応する電力停止条件として、同一の値(60s)が記述されているが、電力管理対象それぞれについての任意の(異なる)条件を記述することが可能である。なお、電力停止条件テーブルには電力停止条件の変更値も記述されている。ここでは、同一の値(30s)が記述されている。
【0119】
本発明の実施の形態の変形例1においては、電力管理部は、電力管理対象の未使用期間が上記電力停止条件テーブルに記述された期間以上経過していると判断した場合には、電力の供給を停止する。
【0120】
電力管理部は、電力管理対象の未使用期間を、たとえば以下の方法で取得することができる。
【0121】
電力管理部は、電力管理対象が稼動する(使用される)度に、使用された電力管理対象を特定する情報とその使用日時とを対応付けた使用履歴情報をデータ記憶部526に格納する。そして、電力管理部は、電力管理対象の稼動状況の情報を取得する際に、データ記憶部526に記憶された使用履歴情報のうち、前回(最も最近)の電力管理対象の使用履歴情報を参照して、現在の時点との差分を求めることで未使用期間を取得する。
【0122】
また、上記で説明したのと同様に、電力停止条件の変更条件が満たされた場合には、図10に示されているように未使用期間の値が変更される。
【0123】
図11を用いて、本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件の変更条件について説明する。
【0124】
図11を参照して、ここでは、電力停止条件の変更条件を記述した変更条件テーブルが示されている。変更条件テーブルは、データ記憶部526に格納されている。変更条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての機能ブロックそれぞれに対応する電力停止条件の変更条件が記述されている。
【0125】
本変形例においては、一例として、電力停止条件の変更条件として、機能ブロック内に電力供給を継続している電力管理対象の消費電力の総和が設定されている。
【0126】
一例として、ADFの機能ブロックについては、電力停止条件の変更条件として、0.3W以下が記述されている。同様に、操作パネルの機能ブロックについては、0.15W以下が記述されている。他の機能ブロックについても同様に例示している。
【0127】
本発明の実施の形態の変形例1において、電力管理部は、電力供給を継続している電力管理対象の消費電力の総和が電力停止条件の変更条件である所定の値以下であるか否かを判断し、所定の値以下であると判断した場合には、電力停止条件を変更する。
【0128】
なお、電力停止条件の変更条件は、一例であり、機能ブロックそれぞれについて任意の(異なる)条件を記述することが可能である。
【0129】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、上記で説明した図4および図7に示すフローを用いて、本実施の形態の変形例1に示す具体的な処理の内容について説明する。
【0130】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0131】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0132】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(60s)を読出す(ステップS2)。
【0133】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の稼動状況の情報を取得する。本実施の形態の変形例1における稼動状況の情報とは、電力管理対象の未使用期間を示す情報である。
【0134】
ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の未使用期間を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の未使用期間は図12(a)に示すものであるとする。
【0135】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の未使用期間(90s:図12(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(60s:図10)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、未使用期間(90s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0136】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0137】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0138】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0139】
図10と、図12(a)を参照して、開閉検知センサ403は未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は未使用期間(45s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、未使用期間(30s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。
【0140】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0141】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判断を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0142】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図11)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0143】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の消費電力の総和(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との消費電力の総和(0.8W))が電力停止条件の変更条件(0.9W)以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0144】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0145】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を60sから30sに変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0146】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0147】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での未使用期間は図12(b)に示すものであるとする。先に未使用期間を取得してから時間が経過しているため、未使用期間が図12(a)から図12(b)に変化している。
【0148】
なお、ここで、図12(b)に記載される「−」の標記は、図12(a)の未使用期間に基づいて電力供給が停止された状態であることを意味する。
【0149】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0150】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0151】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0152】
上述のように、本発明の実施の形態の変形例1に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象の消費電力の総和が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0153】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0154】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、未使用期間の長い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0155】
そこで、本発明の実施の形態の変形例1に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0156】
<変形例2>
上記の実施の形態の変形例1においては、電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明した。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給している電力管理対象の消費電力の総和が所定の閾値以下であるか否かを条件とする場合について説明した。
【0157】
本実施の形態の変形例2においては、電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明する。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給を継続している電力管理対象の個数が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明する。
【0158】
なお、図4で説明した電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理および図7で説明した全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理については上記の実施の形態と基本的に同様であるため適宜参照しながら説明する。
【0159】
本発明の実施の形態の変形例2に従う電力停止条件は、図10で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0160】
本発明の実施の形態の変形例2において、電力管理部は、上述したのと同様に電力管理対象の未使用期間が上記電力停止条件テーブルに記述された期間以上経過していると判断した場合には、電力の供給を停止する。
【0161】
また、上記で説明したのと同様に、電力停止条件の変更条件が満たされた場合には、図10に示されているように未使用期間の値が変更される。
【0162】
本発明の実施の形態の変形例2に従う電力停止条件の変更条件は、図6で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0163】
本発明の実施の形態の変形例2において、電力管理部は、上述したのと同様に電力供給を継続している電力管理対象の数が電力停止条件の変更条件である所定の個数以下であるか否かを判断し、所定の個数以下であると判断した場合には、電力停止条件を変更する。
【0164】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、上記で説明した図4および図7に示すフローを用いて、本実施の形態の変形例2に示す具体的な処理の内容について説明する。
【0165】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0166】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0167】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(60s)を読出す(ステップS2)。
【0168】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の稼動状況の情報を取得する。本実施の形態の変形例2における稼動状況の情報とは、電力管理対象の未使用期間を示す情報である。
【0169】
ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の未使用期間を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の未使用期間は図12(a)に示すものであるとする。
【0170】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の未使用期間(90s:図12(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(60s:図10)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、未使用期間(90s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0171】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0172】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0173】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0174】
図10と、図12(a)を参照して、開閉検知センサ403は未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は未使用期間(45s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、未使用期間(30s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。
【0175】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0176】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判定を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0177】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図6)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0178】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の個数(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との2つ)が電力停止条件の変更条件以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0179】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0180】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を60sから30sに変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0181】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0182】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での未使用期間は図12(b)に示すものであるとする。先に未使用期間を取得してから時間が経過しているため、未使用期間が図12(a)から図12(b)に変化している。
【0183】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0184】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0185】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0186】
上述のように、本発明の実施の形態の変形例1に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0187】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0188】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、未使用期間の長い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0189】
そこで、本発明の実施の形態の変形例2に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0190】
<変形例3>
上記の実施の形態の変形例2においては、電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明した。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給を継続している電力管理対象の個数が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明した。
【0191】
本実施の形態の変形例3においては、電力管理対象の電力停止条件として、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明する。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給している電力管理対象の消費電力の総和が所定の閾値以下であるか否かを条件とする場合について説明する。
【0192】
なお、図4で説明した電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理および図7で説明した全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理については上記の実施の形態と基本的に同様であるため適宜参照しながら説明する。
【0193】
本発明の実施の形態の変形例3に従う電力停止条件は、図5で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0194】
本発明の実施の形態の変形例3において、電力管理部は、上述したのと同様に所定期間内における電力管理対象の使用頻度が上記電力停止条件テーブルに記述された回数以下であると判断した場合には、電力の供給を停止する。
【0195】
また、上記で説明したのと同様に、電力停止条件の変更条件が満たされた場合には、図5に示されているように未使用期間の値が変更される。
【0196】
本発明の実施の形態の変形例3に従う電力停止条件の変更条件は、図11で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0197】
本発明の実施の形態の変形例3において、電力管理部は、上述したのと同様に電力供給を継続している電力管理対象の消費電力の総和が電力停止条件の変更条件である所定の値以下であるか否かを判断し、所定の値以下であると判断した場合には、電力停止条件を変更する。
【0198】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、上記で説明した図4および図7に示すフローを用いて、本実施の形態の変形例3に示す具体的な処理の内容について説明する。
【0199】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0200】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0201】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(7回)を読出す(ステップS2)。
【0202】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の稼動状況の情報を取得する。本実施の形態の変形例1における稼動状況の情報とは、所定期間内における電力管理対象の使用頻度を示す情報である。
【0203】
ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の使用頻度を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の使用頻度は図9(a)に示すものであるとする。
【0204】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の使用頻度(1回:図9(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(7回:図5)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、使用頻度(1回)が電力停止条件(7回)以下のため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0205】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0206】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0207】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0208】
図5と、図9(a)を参照して、開閉検知センサ403は使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は使用頻度(10回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、使用頻度(12回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。
【0209】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0210】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判定を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0211】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図11)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0212】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の消費電力の総和(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との消費電量の総和(0.8W))が電力停止条件の変更条件(0.9W)以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0213】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0214】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を7回から10回に変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0215】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0216】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での使用頻度は図9(b)に示すものであるとする。先に使用頻度を取得してから時間が経過しているため、使用頻度が図9(a)から図9(b)に変化している。
【0217】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の使用頻度(9回)が電力停止条件(10回)以下であるため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の使用頻度(10回)が電力停止条件(10回)以下であるため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0218】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0219】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0220】
上述のように、本発明のMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象の消費電力の総和が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0221】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0222】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、使用頻度の低い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0223】
そこで、本発明の実施の形態の変形例3に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0224】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させる方法あるいは当該方法を実現するプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0225】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0226】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0227】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0228】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0229】
1 MFP、100 操作パネル、110 パネルコントローラ、117 タッチパネル検出部、118 機能キー検出部、119 テンキー検出部、200 プリンタ、210 エンジンコントローラ、211 定着ヒータ部、212 駆動部、213 フィニッシャ排出センサ、214 前扉開閉センサ、300 スキャナ、302 CCDセンサ、304 ランプ、306 駆動部、310 スキャナコントローラ、400 ADF、401 ADFコントローラ、402 取り忘れセンサ、404 開閉検知センサ、404 原稿セット検知センサ、405 通紙センサ、406 駆動部、500 全体制御部、505 本体コントローラ、526 データ記憶部、600 USBI/F部、602 USBメモリ、604 USB認証、605 USBコントローラ、606 USBデバイス装着検出器、608 USB駆動装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に消費電力を低減可能な画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の環境問題への配慮から、自機が未使用状態にあるときに消費電力が少ない動作モード、いわゆる省エネモードへ移行させる制御を行なう画像形成装置が開発されている。
【0003】
たとえば、特開2006−171297号公報においては、複合型画像処理装置において、機能毎の稼働率を集計しておき、装置が省エネモードであるスリープ状態から復帰する際に稼働率が所定値以上の機能に対応するデバイスのみを復帰させることが示されている。
【0004】
具体的には、ユーザによりスリープ状態からの復帰が指示された際にプリンタの稼働率が低い場合には、スキャナのみを復帰させてプリンタは復帰させないことが示されている。これにより不要なデバイスが復帰することを抑制し、消費電力を低減させている。
【0005】
また、特開2007−81721号公報においては、ファクシミリ複合機において省エネモードである省電力モード時に外部インターフェイス部への電源供給を遮断するか否かをユーザにより設定可能とすることが記載されている。これにより、ユーザが、外部インターフェイス部を使用せずにファクシミリ複合機を用いる場合に、外部インターフェイス部への電源供給を遮断する設定をすることで、不要なデバイスにより電力が消費されることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−171297号公報
【特許文献2】特開2007−81721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これら従来の技術は省エネモードから復帰させるデバイスを選択すること、または省エネモード時に電源供給を遮断するデバイスを選択することにより消費電力の低減を図るものであり、省エネモードに移行する条件を工夫することで消費電力の低減を図るものではなかった。すなわち、従来の画像形成装置では、一般的に、ADF(Auto Document Feeder)・操作パネル・スキャナ・プリンタ等、画像形成装置を構成する機能ブロックへの動作指示が所定時間行なわれない場合に省エネモードに移行する制御が行なわれており、画像形成装置の動作状況に応じて省エネモードに移行するための条件を変更し、消費電力の低減効果を向上させるものは存在しなかった。
【0008】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであって、より消費電力を低減することが可能な画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、複数の機能部を有する画像形成装置であって、複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理部と、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象と、各機能部毎に設けられ、複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理部とを備える。第2の電力管理部は、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断部と、第1の判断部により第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止制御部と、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断部と、第2の判断部により第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する変更部とを含む。第1の電力管理部は、複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された機能部を省エネモードに移行させる。
【0010】
好ましくは、第1の所定の条件は、電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである。
【0011】
好ましくは、第1の所定の条件は、電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうちの電力が供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである。
【0012】
特に、第2の電力管理部は、第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、第1の所定の条件である所定値を大きな値に変更する。
【0013】
好ましくは、第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである。
【0014】
好ましくは、第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、第2の所定の条件は、複数の電力管理対象のうちの電力を供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである。
【0015】
特に、第2の電力管理部は、第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、第1の所定の条件である所定期間を小さな値に変更する。
【0016】
本発明のある局面に従う画像形成装置の制御方法は、複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置の制御方法であって、複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、各機能部毎に設けられ、複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備える。第2の電力管理ステップは、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、第1の判断ステップにより第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、第2の判断ステップにより第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含む。第1の電力管理ステップは、複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む。
【0017】
本発明のある局面に従う画像形成装置の制御プログラムは、複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置のコンピュータに、複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、各機能部毎に設けられ、複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備える処理を実行させる。第2の電力管理ステップは、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、第1の判断ステップにより第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、第2の判断ステップにより第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含む。第1の電力管理ステップは、複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る画像形成装置、画像形成装置の制御方法および画像形成装置の制御プログラムは、複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断し、第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する。また、複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断し、第2の所定の条件を満たすと判断された場合に第1の所定の条件を変更する方式である。すなわち、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力を停止する条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として早期に省エネモードに移行させることが可能となり、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に従う画像形成装置としてのMFP1の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うMFP1の機能ブロック図である。
【図3】MFP1における電力管理の制御関係を説明する図である。
【図4】電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理を説明するフローチャートである。
【図5】電力停止条件について説明する図である。
【図6】電力停止条件の変更条件について説明する図である。
【図7】全体制御部が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理の内容について説明する図である。
【図8】MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)を説明する図である。
【図9】MFP1に含まれる電力管理対象の使用頻度を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件について説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件の変更条件について説明する図である。
【図12】MFP1に含まれる電力管理対象の未使用期間を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(MFP全体構成)
図1を用いて、本発明の実施形態に従う画像形成装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)1の外観図について説明する。
【0021】
図1を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は、コピー機能、スキャナ機能等を有するデジタル複合機である。
【0022】
MFP1は、操作パネル100を備えており、この操作パネル100は、複数のハードキーと、操作ディスプレイ112とを有する。操作パネル100に設置されるハードキーは、数字等を入力するためのテンキーと、機能を設定するための機能キーとを含む。機能キーはMFP1を省エネモードから復帰させるための省エネモード復帰キーを含む。操作ディスプレイ112にはタッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)とを備える。タッチパネルはユーザの操作による各種の指示や文字や数字などのデータの入力を受付ける。LCDはユーザに対する指示メニューや後述するスキャナ300により取得された画像に関する情報などの表示を行なう。
【0023】
また、MFP1は、原稿を光学的に読取って画像データを得るスキャナ300と、画像データに基づいて記録シート上に画像を印刷するプリンタ200とを備えている。
【0024】
また、MFP1の本体上面には、自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)400が設けられている。ADF400は、原稿台417に載置された原稿を1枚ずつスキャナ300の画像読取位置に自動的に搬送し、画像が読取られた後の原稿を原稿排出トレイ420に排出する。なお、ADF400はスキャナ300に対して開閉可能となっておりADF400を開くことでスキャナ300の原稿ガラス上に手動で原稿を載置可能となっている。
【0025】
また、MFP1の本体下部にはプリンタ200に記録シートを供給する給紙部218が設けられ、MFP1の本体左端にはプリンタ200によって画像が印刷された記録シートが排出されるフィニッシャ700が設けられている。
【0026】
フィニッシャ700はプリンタ200によって画像が印刷された記録シートに対しパンチやステープラ等の後処理を実行する。また、MFP1の側面にはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のUSBデバイスを接続するためのコネクタ610が設けられている。
【0027】
さらに、MFP1の本体の内部には、本体を制御するための各部で用いられる制御プログラム、画像データ等、MFP1の動作に必要なデータを記憶するデータ記憶部526などが設けられている。
【0028】
図2を用いて、本発明の実施の形態に従うMFP1の機能ブロック図について説明する。
【0029】
図2を参照して、本発明の実施の形態に従うMFP1は大きくは以下の5つの機能ブロックを含む。
【0030】
機能ブロックは、原稿台417に載置された原稿を搬送するADF400と、原稿を読取ることで画像データ(電子データ)を取得するスキャナ300と、印刷処理を実行するためのプリンタ200と、操作指示等を受け付ける操作パネル100と、USBデバイスを制御するUSBインターフェイス部(USBI/F部)600とである。
【0031】
MFP1はさらに、5つの機能ブロックを制御する全体制御部500を備える。全体制御部500は、上記5つの機能ブロックを制御することによりMFP1全体の動作を制御するとともにMFP1の電力を管理する。
【0032】
全体制御部500は、本体コントローラ505と、データ記憶部526とを含む。
本体コントローラ505は、たとえばCPU(Central Processing Unit)等で構成されるものとする。
【0033】
データ記憶部526は、制御プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)、CPUにおける制御処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)およびMFP1に登録された各種情報等を格納するHDD(Hard Disk Drive)等を含む。なお、以下において説明する本発明の実施の形態に従う電力管理を実行するためのプログラムは、一例として、データ記憶部526のROMに格納されているものとし、当該格納されたプログラムを読出すことにより当該機能が実現されるものとする。また、図示しないが、全体制御部500にはタイマ(時計)が設けられているものとする。
【0034】
スキャナ300は、原稿を照射するランプ304と、原稿からの反射光を読取るCCD(Charge Coupled Device)センサ302と原稿からの反射光をCCDセンサ302に結像させるための光学ユニットを駆動するための駆動部306と、スキャナ300全体の動作を制御するとともにスキャナ300の電力を管理するスキャナコントローラ310とを含む。なお、スキャナコントローラ310は、たとえばCPUである。
【0035】
プリンタ200は、記録シートに対する画像形成の際に用いられる転写ローラや定着ローラ等を駆動するための駆動部212と、定着部にある定着ローラ等を加熱するための定着ヒータ部211と、フィニッシャ700へ排出される記録シートを検知するフィニッシャ排出センサ213と、MFP1の本体部の前扉が開いているか否かを検知する前扉開閉センサ214と、プリンタ200全体の動作を制御するとともにプリンタ200の電力を管理するエンジンコントローラ210とを含む。なお、エンジンコントローラ210は、たとえばCPUである。
【0036】
操作パネル100は、操作ディスプレイ112に設けられたタッチパネルに対する操作を検知するタッチパネル検出部117と、操作パネル100のテンキーの操作を検出するテンキー検出部119と、操作パネル100の機能キーに対する操作を検出する機能キー検出部118と、操作パネル100全体の動作を制御するとともに操作パネル100の電力を管理するパネルコントローラ110とを含む。なお、パネルコントローラ110は、たとえばCPUである。
【0037】
ADF400は、原稿排出トレイ420に放置された原稿、いわゆる取り忘れ原稿を検知する取り忘れセンサ402と、ADF400の開閉を検知する開閉検知センサ403と、原稿台417に載置された原稿を検知する原稿セット検知センサ404と、ADF400の内部の搬送路を通過する原稿を検知する通紙センサ405と、ADF400に内蔵された搬送ローラ等を駆動するための駆動部406と、ADF400全体の動作を制御するとともにADF400の電力を権利するADFコントローラ401とを含む。なお、ADFコントローラ401は、たとえばCPUである。
【0038】
USBI/F部600は、USBデバイスがコネクタ610に装着されたことを検出するUSBデバイス装着検出部606と、USBデバイスに対するアクセスを制御するUSB駆動装置608と、USBI/F部600全体の動作を制御するとともにUSBI/F部600の電力を管理するUSBコントローラ605とを含む。なお、USBコントローラ605は、たとえばCPUである。
【0039】
なお、図2においては、一例としてコネクタ610にUSBメモリ602と、USB認証デバイス604とがそれぞれ装着された場合が示されている。
【0040】
本例におけるMFP1は、コピー機能、スキャナ機能のほか、ファクシミリ機能あるいはメール機能をさらに有する。すなわち、スキャナ300で読取った画像データをファクシミリ機能あるいはメール機能により他の装置に送信することが可能である。
【0041】
図3を用いて、MFP1における電力管理の制御関係を説明する。
図3を参照して、本体コントローラ505は、機能ブロック毎に設けられたコントローラを管理する。
【0042】
具体的には本体コントローラ505は、ADFコントローラ401、パネルコントローラ110、USBコントローラ605、エンジンコントローラ210、スキャナコントローラ310とを管理する。
【0043】
ADF400の機能ブロックでは、ADFコントローラ401が取り忘れセンサ402、開閉検知センサ403、原稿セット検知センサ404、通紙センサ405、駆動部406に供給する電力を管理する。より具体的にはADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402、開閉検知センサ403、原稿セット検知センサ404、通紙センサ405、駆動部406に電力を供給するか否かを制御する。なお、以下では、機能ブロックにおいて、電力を管理する側(ここではADFコントローラ401)を電力管理部と呼び、電力を管理される側(ここでは取り忘れセンサ402、開閉検知センサ403、原稿セット検知センサ404、通紙センサ405、駆動部406)を電力管理対象と呼ぶこととする。
【0044】
操作パネル100の機能ブロックにおいては、電力管理部であるパネルコントローラ110が、電力管理対象であるタッチパネル検出部117と、機能キー検出部118、テンキー検出部119とに供給する電力を管理する。
【0045】
USBI/F部600の機能ブロックにおいては、電力管理部であるUSBコントローラ605が、電力管理対象であるUSBデバイス装着検出部606と、USB駆動装置608とに供給する電力を管理する。
【0046】
プリンタ200の機能ブロックにおいては、電力管理部であるエンジンコントローラ210が、定着ヒータ部211と、駆動部212と、フィニッシャ排出センサ213と、前扉開閉センサ214とに供給する電力を管理する。
【0047】
スキャナ300の機能ブロックにおいては、電力管理部であるスキャナコントローラ310が、CCDセンサ302と、ランプ304と、駆動部306とに供給する電力を管理する。
【0048】
図4は、電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理を説明するフローチャートである。
【0049】
図4を参照して、電力管理部は、電力管理対象が電力供給を停止する条件(以下、電力停止条件とも称する)を満たす場合にその電力管理対象への電力供給を停止し、さらに機能ブロックが電力停止条件の変更条件を満たす場合には電力停止条件を変更する処理を行なう。なお、電力管理部は、データ記憶部526のROMに記憶されたプログラムを読み込みそのプログラムに従って図4に示すフローチャートの処理を実行する。
【0050】
図4を参照しながら電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理の内容について説明する。
【0051】
電力管理部は、機能ブロックに含まれる電力管理対象のうちの任意の1つの電力管理対象を処理対象とし、その処理対象の電力管理対象への電力供給が既に停止されているか否かを判断する(ステップS1)。そして、処理対象の電力管理対象への電力供給が停止されていないと判断した場合(ステップS1においてNO)には、データ記憶部526に格納されている、処理対象に対応する電力管理対象の電力停止条件を読み出す(ステップS2)。電力停止条件とは、電力管理対象それぞれに対応する、電力を停止するか否かを判断する際に用いられる条件のことである。
【0052】
図5を用いて、電力停止条件について説明する。
図5を参照して、ここでは、電力停止条件を記述した電力停止条件テーブルが示されている。
【0053】
電力停止条件テーブルは、データ記憶部526に格納されている。電力停止条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての電力管理対象それぞれに対応する電力停止条件が記述されている。本実施例における電力停止条件とは、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)である。
【0054】
図5においては、一例として、全ての電力管理対象に対応する電力停止条件として、同一の値(7回)が記述されているが、電力管理対象それぞれについての任意の(異なる)条件を記述することが可能である。なお、電力停止条件テーブルには電力停止条件の変更値も記述されているが、それについての説明については後述する。
【0055】
再び図4を参照して、電力管理部は、処理対象の電力管理対象の稼動状況の情報を取得する(ステップS3)。本例における稼動状況の情報とは、所定期間内における電力管理対象の使用頻度を示す情報である。
【0056】
電力管理部は、電力管理対象の使用頻度を、たとえば以下の方法で取得することができる。
【0057】
電力管理部は、電力管理対象が稼動する(使用される)度に、使用された電力管理対象を特定する情報とその使用日時とを対応付けた使用履歴情報をデータ記憶部526に格納する。そして、電力管理部は、ステップS3において電力管理対象の稼動状況の情報を取得する際に、データ記憶部526に記憶された使用履歴情報のうち、その時点から所定時間遡った期間の使用日時を持つ使用履歴情報を参照し、電力管理対象毎の使用回数の累計を求めることで所定期間内の使用頻度を取得する。
【0058】
次に、電力管理部は、ステップS4において、電力管理対象の稼動状況が電力停止条件を満たすか否かを判断する。具体的には電力管理部は、ステップS3で取得した処理対象の電力管理対象の稼動状況、つまり使用頻度が、ステップS2で読み出した電力停止条件以下の場合に電力の供給を停止する条件を満たすと判断する。すなわち、電力管理部は、電力管理対象の使用頻度が低い場合に、その電力管理対象の電力を停止すべきと判断する。
【0059】
ステップS4において、電力停止条件を満たすと判断した場合(ステップS4においてYES)には、電力管理部は処理対象の電力管理対象の電力の供給を停止する(ステップS6)。そして、ステップS8に進む。
【0060】
一方、ステップS4において、電力停止条件を満たさないと判断した場合(ステップS4においてNO)には、処理対象の電力管理対象に対する電力の供給を停止せずに(電力の供給を継続したまま)ステップS8に進む。
【0061】
また、ステップS1において、処理対象の電力管理対象に対する電力の供給が既に停止されていると判断された場合(ステップS1においてYES)には、ステップS2〜S6の処理は行なわずにステップS8に進む。
【0062】
次に、電力管理部は、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象について、電力停止条件を満たすか否かの判断を完了したか否かを判断する(ステップS8)。
【0063】
ステップS8において、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断した場合(ステップS8においてNO)には、処理対象を次の電力管理対象に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0064】
そして、全ての電力管理対象について、電力停止条件の判断が完了するまでステップS1〜S8の処理を繰り返し行なう。
【0065】
一方、ステップS8において全ての電力管理対象についての判断を完了したと判断した場合(ステップS8においてYES)には、ステップS9に進む。
【0066】
ステップS9において、電力管理部は、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象についての電力供給状況の情報を取得する。電力供給状況とは、機能ブロックに含まれる電力管理対象それぞれについて電力供給が停止されているか継続されているかのことであり、より詳しくは機能ブロックに含まれている電力管理対象のうち電力が供給されている電力管理対象の個数のことである。
【0067】
続いて、ステップS10において、電力管理部は、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止しているか否かを判断する。
【0068】
そして、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止している場合(ステップS10においてYES)には、その旨を全体制御部500に通知する(ステップS14)。電力管理部から機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止している旨の通知を受けた全体制御部500は、ステップS14の通知を行なった電力管理部への電力供給を停止する。つまり、その機能ブロックを省エネモードに移行させる(ステップS15)。そして、本フローチャートの処理を終了する(エンド)。
【0069】
なお、図4のフローチャートにおいて、ステップS15の処理を破線で示している理由は、その処理が電力管理部が主体的に行なう処理ではなく、全体制御部500が電力管理部に対して行なう処理だからである。
【0070】
一方、ステップS10において、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断された場合、つまり電力供給が継続している電力管理対象が残っていると判断された場合(ステップS10においてNO)には、電力管理部は電力停止条件の変更条件を読み出す(ステップS11)。電力停止条件の変更条件とは、機能ブロックそれぞれに対応する、電力停止条件を変更するか否かを判断する際に用いられる条件のことである。なお、電力停止条件の変更条件は後述のようにデータ記憶部526に格納されている。
【0071】
図6を用いて、電力停止条件の変更条件について説明する。
図6を参照して、ここでは、電力停止条件の変更条件を記述した変更条件テーブルが示されている。変更条件テーブルは、データ記憶部526に格納されている。
【0072】
変更条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての機能ブロックそれぞれに対応する電力停止条件の変更条件が記述されている。本実施の形態においては、一例として、電力停止条件の変更条件として、機能ブロック内における電力供給を継続している電力管理対象の個数が設定されている。
【0073】
なお、ここでは、電力停止条件の変更条件として、USBI/F部以外の機能ブロックについて同一の値(2)が記述されている場合を例示している。なお、USBI/F部の機能ブロックについては、(1)が記述されている場合が示されている。しかしながら、電力停止条件の変更条件は、機能ブロックそれぞれについて任意の(異なる)条件を記述することが可能である。
【0074】
再び図4を参照して、ステップS12において、電力管理部は、機能ブロックの電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たすか否かを判断する。具体的には、電力管理部は、電力供給を継続している電力管理対象の数が電力停止条件の変更条件以下であるか否かを判断する。そして、電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たすと判断された場合、つまり、電力供給を継続している電力管理対象の個数が電力停止条件の変更条件以下である場合(ステップS12においてYES)には、電力停止条件を変更する(ステップS13)。
【0075】
電力管理部は、ステップS13において、図5に示す電力停止条件テーブルに基づいて、電力停止条件を変更する。
【0076】
図5を参照して、電力停止条件テーブルには、電力管理対象のそれぞれについて電力停止条件の変更値が記述されている。電力管理部は、ステップS13において電力停止条件の値を、電力停止条件テーブルに記述された変更値に変更する。
【0077】
図5に示すように、電力停止条件の変更値は変更する前の値と比べて大きな値となっている。すなわち、ステップS13においては、次にステップS4の判断が行なわれる際に電力停止条件を満たすと判断されやすくなる、つまり電力供給がより停止されやすくなるように電力停止条件が変更される。
【0078】
一方、ステップS12において、電力供給状況が電力停止条件の変更条件を満たさないと判断された場合(ステップS12においてNO)には、電力停止条件を変更せずにステップS1に戻る。
【0079】
そして、ステップS10において、機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していると判断されるまで(ステップS10においてYES)、ステップS1からS13の処理が繰返し実行される。そして、ステップS10において機能ブロックに含まれる全ての電力管理対象への電力供給が停止していると判断されると(ステップS10においてYES)、前述のように、全体制御部500に対してその旨が通知され(ステップS14)、全体制御部500によりその機能ブロックが省エネモードに移行されて(ステップS15)、本フローチャートの処理が終了する(エンド)。
【0080】
前述のように、図4に示すフローチャートにおいては、電源管理部は、機能ブロックに含まれる電力管理対象のうち使用頻度が低い電力管理対象への電力供給を停止する処理を行なうとともに、電力供給を継続している電力管理対象が少なくなった場合には電力管理対象への電力供給がより停止されやすくなるように電力停止条件を変更する処理を行なう。
【0081】
図7を用いて、全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理の内容について説明する。
【0082】
全体制御部500は、データ記憶部526のROMに記憶されたプログラムを読み込み、そのプログラムに従って図7に示すフローチャートの処理を実行する。
【0083】
図7を参照して、全体制御部500は電力管理部から、機能ブロック内の全ての電力管理対象への電力供給を停止した旨の通知を受けるまで待機する(ステップS20)。全体制御部500は電力管理部から全ての電力管理対象への電力供給を停止した旨の通知を受けたと判断した場合(ステップS20においてYES)には、その通知を行なった機能ブロックを省エネモードに移行する(ステップS21)。ここで、省エネモードとは、機能ブロックに対して、当該機能ブロックにおける処理の実行が可能な通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみを供給し、それ以外の電力の供給を停止する状態のことを意味する。すなわち、当該省エネモードである機能ブロックについては、電力の供給が停止されているため当該機能ブロックにおける処理を実行することはできない。
【0084】
このように、全体制御部500は、全ての電力管理対象への電力供給を停止した旨の通知が行なわれた機能ブロックを省エネモードに移行する処理を実行する。
【0085】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、図4に示すフローチャートの具体的な処理の内容について説明する。
【0086】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0087】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0088】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(7回)を読出す(ステップS2)。
【0089】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の使用頻度を取得する。ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の使用頻度を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の使用頻度は図9(a)に示すものであるとする。
【0090】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の使用頻度(1回:図9(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(7回:図5)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、使用頻度(1回)が電力停止条件(7回)以下のため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0091】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0092】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0093】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0094】
図5と、図9(a)を参照して、開閉検知センサ403は使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は使用頻度(10回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、使用頻度(12回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。
【0095】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0096】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判断を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0097】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図6)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0098】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の個数(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との2つ)が電力停止条件の変更条件(2)以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0099】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0100】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を7回から10回に変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0101】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0102】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での使用頻度は図9(b)に示すものであるとする。先に使用頻度を取得してから時間が経過しているため、使用頻度が図9(a)から図9(b)に変化している。
【0103】
なお、ここで、図9(b)に記載される「−」の標記は、図9(a)の使用頻度に基づいて電力供給が停止された状態であることを意味する。
【0104】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の使用頻度(9回)が電力停止条件(10回)以下であるため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の使用頻度(10回)が電力停止条件(10回)以下であるため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0105】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0106】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0107】
上述のように、本発明のMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0108】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0109】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、使用頻度の低い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0110】
そこで、本発明の実施の形態に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0111】
なお、上述の説明においては、一例として電力停止条件テーブルとして図5を、変更条件テーブルとして図6を示したが、電力停止条件の変更条件は、特にこれらの値に限られるわけではなく、省エネを効率的に図ることが可能なように実験あるいは経験により適切な値に設定することが可能である。また、これらの値は、MFP1の管理者や一般ユーザが操作パネルを介し設定することも可能である。
【0112】
さらに、上述の説明においては、図4に示すフローチャートの処理を電力管理部である機能ブロック内のコントローラが行ない、電力管理部からの通知を受けて(図4のステップS14、図5のステップS20)全体制御部500が機能ブロックを省エネモードに移行させる(図4のステップS15、図5のステップS21)ものとしたが、それら全ての処理を全体制御部500が行なうようにしてもよい。すなわち図4と図5のフローチャートに示す処理を全体制御部500が行なうようにすることも可能である。以下の変形例においても同様である。
【0113】
<変形例1>
上記の実施の形態においては、電力管理対象の電力停止条件として、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明した。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給を継続している電力管理対象の個数が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明した。
【0114】
本実施の形態の変形例1においては電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明する。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給している電力管理対象の消費電力の総和が所定の閾値以下であるか否かを条件とする場合について説明する。
【0115】
なお、図4で説明した電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理および図7で説明した全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理については上記の実施の形態と基本的に同様であるため適宜参照しながら説明する。
【0116】
図10を用いて、本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件について説明する。
【0117】
図10を参照して、ここでは、電力停止条件を記述した電力停止条件テーブルが示されている。図5で説明した電力停止条件テーブルと比較して、電力停止条件および変更値として、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)の代わりに未使用期間が記述されている。ここでいう未使用期間とは、電力管理対象が使用された時点から次に使用されるまでの期間を意味する。したがって、未使用の状態が継続すれば未使用期間は加算されていくことになる。当該電力停止条件テーブルについてもデータ記憶部526に格納されている。電力停止条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての電力管理対象それぞれに対応する電力停止条件が記述されている。
【0118】
図10においては、一例として、全ての電力管理対象に対応する電力停止条件として、同一の値(60s)が記述されているが、電力管理対象それぞれについての任意の(異なる)条件を記述することが可能である。なお、電力停止条件テーブルには電力停止条件の変更値も記述されている。ここでは、同一の値(30s)が記述されている。
【0119】
本発明の実施の形態の変形例1においては、電力管理部は、電力管理対象の未使用期間が上記電力停止条件テーブルに記述された期間以上経過していると判断した場合には、電力の供給を停止する。
【0120】
電力管理部は、電力管理対象の未使用期間を、たとえば以下の方法で取得することができる。
【0121】
電力管理部は、電力管理対象が稼動する(使用される)度に、使用された電力管理対象を特定する情報とその使用日時とを対応付けた使用履歴情報をデータ記憶部526に格納する。そして、電力管理部は、電力管理対象の稼動状況の情報を取得する際に、データ記憶部526に記憶された使用履歴情報のうち、前回(最も最近)の電力管理対象の使用履歴情報を参照して、現在の時点との差分を求めることで未使用期間を取得する。
【0122】
また、上記で説明したのと同様に、電力停止条件の変更条件が満たされた場合には、図10に示されているように未使用期間の値が変更される。
【0123】
図11を用いて、本発明の実施の形態の変形例1に従う電力停止条件の変更条件について説明する。
【0124】
図11を参照して、ここでは、電力停止条件の変更条件を記述した変更条件テーブルが示されている。変更条件テーブルは、データ記憶部526に格納されている。変更条件テーブルには、MFP1に含まれる全ての機能ブロックそれぞれに対応する電力停止条件の変更条件が記述されている。
【0125】
本変形例においては、一例として、電力停止条件の変更条件として、機能ブロック内に電力供給を継続している電力管理対象の消費電力の総和が設定されている。
【0126】
一例として、ADFの機能ブロックについては、電力停止条件の変更条件として、0.3W以下が記述されている。同様に、操作パネルの機能ブロックについては、0.15W以下が記述されている。他の機能ブロックについても同様に例示している。
【0127】
本発明の実施の形態の変形例1において、電力管理部は、電力供給を継続している電力管理対象の消費電力の総和が電力停止条件の変更条件である所定の値以下であるか否かを判断し、所定の値以下であると判断した場合には、電力停止条件を変更する。
【0128】
なお、電力停止条件の変更条件は、一例であり、機能ブロックそれぞれについて任意の(異なる)条件を記述することが可能である。
【0129】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、上記で説明した図4および図7に示すフローを用いて、本実施の形態の変形例1に示す具体的な処理の内容について説明する。
【0130】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0131】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0132】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(60s)を読出す(ステップS2)。
【0133】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の稼動状況の情報を取得する。本実施の形態の変形例1における稼動状況の情報とは、電力管理対象の未使用期間を示す情報である。
【0134】
ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の未使用期間を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の未使用期間は図12(a)に示すものであるとする。
【0135】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の未使用期間(90s:図12(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(60s:図10)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、未使用期間(90s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0136】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0137】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0138】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0139】
図10と、図12(a)を参照して、開閉検知センサ403は未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は未使用期間(45s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、未使用期間(30s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。
【0140】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0141】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判断を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0142】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図11)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0143】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の消費電力の総和(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との消費電力の総和(0.8W))が電力停止条件の変更条件(0.9W)以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0144】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0145】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を60sから30sに変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0146】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0147】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での未使用期間は図12(b)に示すものであるとする。先に未使用期間を取得してから時間が経過しているため、未使用期間が図12(a)から図12(b)に変化している。
【0148】
なお、ここで、図12(b)に記載される「−」の標記は、図12(a)の未使用期間に基づいて電力供給が停止された状態であることを意味する。
【0149】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0150】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0151】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0152】
上述のように、本発明の実施の形態の変形例1に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象の消費電力の総和が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0153】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0154】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、未使用期間の長い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0155】
そこで、本発明の実施の形態の変形例1に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0156】
<変形例2>
上記の実施の形態の変形例1においては、電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明した。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給している電力管理対象の消費電力の総和が所定の閾値以下であるか否かを条件とする場合について説明した。
【0157】
本実施の形態の変形例2においては、電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明する。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給を継続している電力管理対象の個数が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明する。
【0158】
なお、図4で説明した電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理および図7で説明した全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理については上記の実施の形態と基本的に同様であるため適宜参照しながら説明する。
【0159】
本発明の実施の形態の変形例2に従う電力停止条件は、図10で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0160】
本発明の実施の形態の変形例2において、電力管理部は、上述したのと同様に電力管理対象の未使用期間が上記電力停止条件テーブルに記述された期間以上経過していると判断した場合には、電力の供給を停止する。
【0161】
また、上記で説明したのと同様に、電力停止条件の変更条件が満たされた場合には、図10に示されているように未使用期間の値が変更される。
【0162】
本発明の実施の形態の変形例2に従う電力停止条件の変更条件は、図6で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0163】
本発明の実施の形態の変形例2において、電力管理部は、上述したのと同様に電力供給を継続している電力管理対象の数が電力停止条件の変更条件である所定の個数以下であるか否かを判断し、所定の個数以下であると判断した場合には、電力停止条件を変更する。
【0164】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、上記で説明した図4および図7に示すフローを用いて、本実施の形態の変形例2に示す具体的な処理の内容について説明する。
【0165】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0166】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0167】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(60s)を読出す(ステップS2)。
【0168】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の稼動状況の情報を取得する。本実施の形態の変形例2における稼動状況の情報とは、電力管理対象の未使用期間を示す情報である。
【0169】
ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の未使用期間を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の未使用期間は図12(a)に示すものであるとする。
【0170】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の未使用期間(90s:図12(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(60s:図10)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、未使用期間(90s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0171】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0172】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0173】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0174】
図10と、図12(a)を参照して、開閉検知センサ403は未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は未使用期間(45s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、未使用期間(30s)が電力停止条件(60s)より小さいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、未使用期間(70s)が電力停止条件(60s)以上経過しているため電力供給が停止される。
【0175】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0176】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判定を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0177】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図6)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0178】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の個数(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との2つ)が電力停止条件の変更条件以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0179】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図10)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0180】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を60sから30sに変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0181】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0182】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での未使用期間は図12(b)に示すものであるとする。先に未使用期間を取得してから時間が経過しているため、未使用期間が図12(a)から図12(b)に変化している。
【0183】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の未使用期間(40s)が電力停止条件(30s)以上経過していると判断するため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0184】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0185】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0186】
上述のように、本発明の実施の形態の変形例1に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0187】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0188】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、使用頻度の低い電力管理対象が多い機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、未使用期間の長い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0189】
そこで、本発明の実施の形態の変形例2に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0190】
<変形例3>
上記の実施の形態の変形例2においては、電力管理対象の電力停止条件として、電力管理対象の未使用期間が所定期間以上経過しているか否かを条件とする場合について説明した。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給を継続している電力管理対象の個数が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明した。
【0191】
本実施の形態の変形例3においては、電力管理対象の電力停止条件として、所定期間内における電力管理対象の使用回数(使用頻度)が所定の閾値以下か否かを条件とする場合について説明する。また、電力停止条件の変更条件として、電力供給している電力管理対象の消費電力の総和が所定の閾値以下であるか否かを条件とする場合について説明する。
【0192】
なお、図4で説明した電力管理部が電力管理対象に供給する電力を管理する処理および図7で説明した全体制御部500が機能ブロックを省エネモードにさせるために実行する処理については上記の実施の形態と基本的に同様であるため適宜参照しながら説明する。
【0193】
本発明の実施の形態の変形例3に従う電力停止条件は、図5で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0194】
本発明の実施の形態の変形例3において、電力管理部は、上述したのと同様に所定期間内における電力管理対象の使用頻度が上記電力停止条件テーブルに記述された回数以下であると判断した場合には、電力の供給を停止する。
【0195】
また、上記で説明したのと同様に、電力停止条件の変更条件が満たされた場合には、図5に示されているように未使用期間の値が変更される。
【0196】
本発明の実施の形態の変形例3に従う電力停止条件の変更条件は、図11で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0197】
本発明の実施の形態の変形例3において、電力管理部は、上述したのと同様に電力供給を継続している電力管理対象の消費電力の総和が電力停止条件の変更条件である所定の値以下であるか否かを判断し、所定の値以下であると判断した場合には、電力停止条件を変更する。
【0198】
以下に、機能ブロックがADF400である場合を例に、上記で説明した図4および図7に示すフローを用いて、本実施の形態の変形例3に示す具体的な処理の内容について説明する。
【0199】
ここでは、ADF400の全ての電力管理対象に対し電力が供給された状態であるものとする。なお、MFP1の電力管理部および電力管理対象のそれぞれにおける消費電力(平均消費電力)は図8に示す値であるとする。
【0200】
したがって、この時点では、ADF400全体においては、ADFコントローラ410の消費電力:2.0Wと、取り忘れセンサ420の消費電力:0.10W、開閉検知センサ403の消費電力:0.15W、原稿セット検知センサ404の消費電力:0.30W、通紙センサ405の消費電力:0.50W、駆動部406の消費電力:1.0Wの総和である、4.05Wの消費電力が消費されている。
【0201】
図4を参照して、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402を最初の処理対象とし、取り忘れセンサ402の電力供給が継続されていると判断する(ステップS1においてNO)。続いて、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、取り忘れセンサ402に対応する電力停止条件(7回)を読出す(ステップS2)。
【0202】
そして、次に、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の稼動状況の情報を取得する。本実施の形態の変形例1における稼動状況の情報とは、所定期間内における電力管理対象の使用頻度を示す情報である。
【0203】
ADFコントローラ401は、前述したように、データ記憶部526に記憶された取り忘れセンサ402に関する使用履歴情報に基づき、取り忘れセンサ402の使用頻度を取得する(ステップS3)。ここでは、ADF400に含まれる電力管理対象の使用頻度は図9(a)に示すものであるとする。
【0204】
図4を再度参照して、ステップS4において、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402の使用頻度(1回:図9(a))と、取り忘れセンサ402の電力停止条件(7回:図5)とを比較する。そして、ADFコントローラ401は、使用頻度(1回)が電力停止条件(7回)以下のため取り忘れセンサ402について電力停止条件を満たすと判断する(ステップS4においてYES)。そして、ADFコントローラ401は、取り忘れセンサ402への電力供給を停止する(ステップS6)。
【0205】
次に、ステップS8において、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象についての判断を完了していないと判断し(ステップS8においてNO)、処理対象を開閉検知センサ403に変更して(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0206】
ADFコントローラ401は、前述した取り忘れセンサ402に対する処理と同様に、開閉検知センサ403と、原稿セット検知センサ404と、通紙センサ405と、駆動部406とについてもステップS1〜S8の処理を実行する。
【0207】
ここではフローチャートに沿った説明は省略するが、電力管理対象のそれぞれについてADFコントローラ401により以下の処理が実行される。
【0208】
図5と、図9(a)を参照して、開閉検知センサ403は使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。原稿セット検知センサ404は使用頻度(10回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。通紙センサ405は、使用頻度(12回)が電力停止条件(7回)より大きいため電力供給が継続される(停止されない)。駆動部406は、使用頻度(7回)が電力停止条件(7回)以下のため電力供給が停止される。
【0209】
したがって、上述したように取り忘れセンサ402と、開閉検知センサ403と、駆動部406とに対する電力供給が停止される。このため、この時点でのADF400全体における消費電力は当初の4.05Wから1.25W低減されて、2.80Wとなる。
【0210】
図4を再び参照して、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象の判定を完了したと判断し(ステップS8においてYES)、ADF400に含まれる電力管理対象の電力供給状況を取得する(ステップS9)。
【0211】
そして、ADFコントローラ401は、全ての電力管理対象への電力供給が停止していないと判断し(ステップS10においてNO)、データ記憶部526に格納されている変更条件テーブル(図11)を参照し、ADF400に対応する電力停止条件の変更条件を読出す(ステップS11)。
【0212】
次に、ステップS12において、ADFコントローラ401は、電力が供給されている電力管理対象の消費電力の総和(原稿セット検知センサ404と通紙センサ405との消費電量の総和(0.8W))が電力停止条件の変更条件(0.9W)以下であるため、電力停止条件の変更条件を満たすと判断する(ステップS12においてYES)。
【0213】
そして、ステップS13において、ADFコントローラ401は、データ記憶部526に格納されている電力停止条件テーブル(図5)を参照し、電力停止条件の値を変更する。
【0214】
具体的には、ADF400に含まれる電力管理対象の電力停止条件を7回から10回に変更する。そして、ステップS1に戻る。
【0215】
この時点では取り忘れセンサ402と開閉検知センサ403と駆動部405とについては既に電力供給が停止されているため、原稿セット検知センサ404と通紙センサ405とについてのみステップS2〜S6の処理が実行される。
【0216】
ADF400に含まれる電力管理対象のこの時点での使用頻度は図9(b)に示すものであるとする。先に使用頻度を取得してから時間が経過しているため、使用頻度が図9(a)から図9(b)に変化している。
【0217】
ADFコントローラ401は、原稿セット検知センサ404の使用頻度(9回)が電力停止条件(10回)以下であるため、原稿セット検知センサ404への電力の供給を停止する(ステップS6)。また、ADFコントローラ401は、通紙センサ405の使用頻度(10回)が電力停止条件(10回)以下であるため、通紙センサ405への電力の供給を停止する(ステップS6)。この時点で、原稿セット検知センサ404の消費電力(0.30W)と、通紙センサ400の消費電力(0.5W)が低減され、ADF400における消費電力は、ADFコントローラ401の消費電力(2.0W)のみとなる。
【0218】
そして、ADFコントローラ401は、ステップS10において全ての電力管理対象への電力供給を停止したと判断し(ステップS10においてYES)、全体制御部500にその旨を通知する(ステップS14)。ADFコントローラ401から上記通知を受けた全体制御部500はADF400を省エネモードに移行する。省エネモードに移行したADF400には省エネモードから通常モードに復帰する処理を行なうために必要となる最小限の電力のみが供給される。省エネモード時にADF400に供給される電力は、ADFコントローラ401で通常消費される電力(2.0W)と比べて十分に小さい値である。
【0219】
前述の説明においては、機能ブロックの一例としてADF400についてのみ記載したが他の機能ブロックであるスキャナ300、プリンタ200、操作パネル100、USBI/F部600についても同様の処理が実行される。すなわち、各機能ブロックに備えられた電力管理部が図4のフローチャートに示す処理に従い電力管理対象への電力供給を管理する。
【0220】
上述のように、本発明のMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて、電力管理対象への電力供給を停止させるか否かを判断する条件である電力停止条件を変更させる。より具体的には、本発明のMFP1は、電力を供給している電力管理対象の消費電力の総和が少なくなると、電力停止条件をより電力供給を停止すると判断されやすくなるように変更する。
【0221】
一方で、MFP等の画像形成装置においては、電力供給を停止している電力管理対象の多い機能ブロック(つまり、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロック)においては、電力を供給しているその他の電力管理対象についても使用される可能性が低いことが多い。
【0222】
しかしながら、従来の画像形成装置においては電力管理対象の電力停止条件は固定であったため、電力管理対象の消費電力の総和が小さい機能ブロックについても省エネモードに移行させることができず、消費電力の低減効果に限界があった。また、使用頻度の低い電力管理対象への電力供給を個別に停止させたとしても、機能ブロック全体を省エネモードに移行させないと電力管理部(コントローラ)の電力供給を停止させることができないため消費電力の低減効果に限界があった。
【0223】
そこで、本発明の実施の形態の変形例3に従うMFP1は、電力管理対象への電力供給状況に応じて電力停止条件を変更させることにより、ユーザの利便性を維持しつつ、従来よりも早期に電力管理対象の電力を停止させることが可能となる。そして、その結果として機能ブロックも早期に省エネモードに移行させることが可能となり、コントローラで消費される電力も低減させることができる。これにより、従来と比較し、消費電力の低減効果をより向上させることができる。
【0224】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させる方法あるいは当該方法を実現するプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0225】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0226】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0227】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0228】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0229】
1 MFP、100 操作パネル、110 パネルコントローラ、117 タッチパネル検出部、118 機能キー検出部、119 テンキー検出部、200 プリンタ、210 エンジンコントローラ、211 定着ヒータ部、212 駆動部、213 フィニッシャ排出センサ、214 前扉開閉センサ、300 スキャナ、302 CCDセンサ、304 ランプ、306 駆動部、310 スキャナコントローラ、400 ADF、401 ADFコントローラ、402 取り忘れセンサ、404 開閉検知センサ、404 原稿セット検知センサ、405 通紙センサ、406 駆動部、500 全体制御部、505 本体コントローラ、526 データ記憶部、600 USBI/F部、602 USBメモリ、604 USB認証、605 USBコントローラ、606 USBデバイス装着検出器、608 USB駆動装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能部を有する画像形成装置であって、
前記複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理部と、
各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象と、
各機能部毎に設けられ、前記複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理部とを備え、
前記第2の電力管理部は、
前記複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断部と、
前記第1の判断部により前記第1の所定の条件を満たすと判断された前記電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止制御部と、
前記複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断部と、
前記第2の判断部により前記第2の所定の条件を満たすと判断された場合に前記第1の所定の条件を変更する変更部とを含み、
前記第1の電力管理部は、前記複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された前記機能部を省エネモードに移行させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の所定の条件は、前記電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の所定の条件は、前記電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうちの電力が供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の電力管理部は、前記第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、前記第1の所定の条件である前記所定値を大きな値に変更する、請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうちの電力を供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の電力管理部は、前記第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、前記第1の所定の条件である前記所定期間を小さな値に変更する、請求項5または6記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、
各機能部毎に設けられ、前記複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備え、
前記第2の電力管理ステップは、
前記複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、
前記第1の判断ステップにより前記第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、
前記複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、
前記第2の判断ステップにより前記第2の所定の条件を満たすと判断された場合に前記第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含み、
前記第1の電力管理ステップは、前記複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された前記機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む、画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置のコンピュータに、
前記複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、
各機能部毎に設けられ、前記複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備える処理を実行させ、
前記第2の電力管理ステップは、
前記複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、
前記第1の判断ステップにより前記第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、
前記複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、
前記第2の判断ステップにより前記第2の所定の条件を満たすと判断された場合に前記第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含み、
前記第1の電力管理ステップは、前記複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された前記機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む、処理を実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項1】
複数の機能部を有する画像形成装置であって、
前記複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理部と、
各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象と、
各機能部毎に設けられ、前記複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理部とを備え、
前記第2の電力管理部は、
前記複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断部と、
前記第1の判断部により前記第1の所定の条件を満たすと判断された前記電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止制御部と、
前記複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断部と、
前記第2の判断部により前記第2の所定の条件を満たすと判断された場合に前記第1の所定の条件を変更する変更部とを含み、
前記第1の電力管理部は、前記複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された前記機能部を省エネモードに移行させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の所定の条件は、前記電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の所定の条件は、前記電力管理対象の使用頻度が所定値以下か否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうちの電力が供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の電力管理部は、前記第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、前記第1の所定の条件である前記所定値を大きな値に変更する、請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうち電力を供給している電力管理対象の個数が所定個以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の所定の条件は、前回使用されてからの経過時間である未使用期間が所定値以上であるか否かであり、
前記第2の所定の条件は、前記複数の電力管理対象のうちの電力を供給されている電力管理対象が消費している電力の総和が所定の値以下か否かである、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の電力管理部は、前記第2の所定の条件を満たすと判断した場合には、前記第1の所定の条件である前記所定期間を小さな値に変更する、請求項5または6記載の画像形成装置。
【請求項8】
複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、
各機能部毎に設けられ、前記複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備え、
前記第2の電力管理ステップは、
前記複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、
前記第1の判断ステップにより前記第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、
前記複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、
前記第2の判断ステップにより前記第2の所定の条件を満たすと判断された場合に前記第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含み、
前記第1の電力管理ステップは、前記複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された前記機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む、画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
複数の機能部を有し、各機能部毎に設けられ、各々が、対応する機能を実現するために電力の供給をそれぞれ受ける複数の電力管理対象が設けられた画像形成装置のコンピュータに、
前記複数の機能部それぞれに対する電力の供給を管理する第1の電力管理ステップと、
各機能部毎に設けられ、前記複数の電力管理対象それぞれに対する電力の供給を管理する第2の電力管理ステップとを備える処理を実行させ、
前記第2の電力管理ステップは、
前記複数の電力管理対象それぞれの稼動状況が第1の所定の条件を満たすか否かを判断する第1の判断ステップと、
前記第1の判断ステップにより前記第1の所定の条件を満たすと判断された電力管理対象に対する電力の供給を停止する停止ステップと、
前記複数の電力管理対象の電力の供給状況が第2の所定の条件を満たすか否かを判断する第2の判断ステップと、
前記第2の判断ステップにより前記第2の所定の条件を満たすと判断された場合に前記第1の所定の条件を変更する変更ステップとを含み、
前記第1の電力管理ステップは、前記複数の電力管理対象の電力の供給が全て停止された前記機能部を省エネモードに移行させる移行ステップを含む、処理を実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−145605(P2011−145605A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8172(P2010−8172)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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