説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム

【課題】 同一グループ内の用紙を印刷で使用する場合に共通の定着温度で印刷を実行することによって、例え印刷で使用する用紙の種類が切り替わった場合であっても、印刷のスループットの低下を防止する仕組みを提供する
【解決手段】
複数の用紙格納手段が1つのグループとして設定されると、当該グループに対して共通の定着温度を設定する。このグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙を用いて印刷を実行する場合には、設定された共通の定着温度で印刷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は給紙トレイなどの用紙を格納する用紙格納部を複数備えていて、ユーザは各用紙格納部に所望の用紙を格納することができる。例えば特許文献1では、画像形成装置が備える用紙格納部のうち、任意の数の用紙格納部を1つのグループとして扱うことができる。こうすることにより、特定の用紙格納部に格納された用紙が用紙切れになった場合に、同一グループの他の用紙格納部から用紙を給紙することで印刷を中止することなく続行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−256076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のように複数の用紙格納部をグループ化すると、当該グループには複数種類の用紙が含まれる場合がある。また、用紙に印刷を実行する場合には、定着部を用いて用紙の種類に応じた定着温度で定着処理を実行する必要がある。従って上記従来技術では、印刷で使用する用紙が第1の種類の用紙から第2の種類の用紙に切り替わった場合に、当該第2の種類の用紙に応じた定着温度になるように定着部を制御する必要があり、印刷のスループットが低下してしまう。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、同一グループ内の用紙を印刷で使用する場合に共通の定着温度で印刷を実行することによって、例え印刷で使用する用紙の種類が切り替わった場合であっても、印刷のスループットの低下を防止する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
印刷を実行する印刷手段と、用紙を格納する複数の用紙格納手段と、前記複数の用紙格納手段のうち、2以上の用紙格納手段を1つのグループとして設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙に応じて、当該特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙の定着温度を決定する決定手段と、前記特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙に対して、前記決定手段で決定された定着温度で印刷を実行するように前記印刷手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、同一グループ内の用紙を印刷で使用する場合に共通の定着温度で印刷を実行するため、例え印刷で使用する用紙の種類が切り替わった場合であっても、印刷のスループットの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】印刷装置の構成例を示す断面図である。
【図2】図1に示した定着部の構成例を示す断面図である。
【図3】印刷装置のメインコントローラを示すブロック図である。
【図4】図1に示した定着部の温度制御に係るブロック図である。
【図5】図3に示した操作部に表示されるUI画面の一例を示す図である。
【図6】印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図7】印刷装置で使用可能な用紙の定着温度特性を示すテーブルである。
【図8】印刷装置で使用可能な用紙の定着温度特性を示すテーブルである。
【図9】印刷装置で使用可能な用紙の定着温度特性を示すテーブルである。
【図10】印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図11】印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図12】情報処理装置で表示可能なUI画面の一例を示す図である。
【図13】印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【図14】印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
<画像形成装置の構成>
【0010】
図1は、本発明に係る印刷装置の構成例を示す断面図である。ここでは、画像形成装置の一例として印刷装置100を例に説明する。なお、本発明の画像形成装置は、例えば、複写機、複合機などの定着部を有する画像形成装置であれば適用可能である。
【0011】
図1において、印刷装置100は、画像形成部101、定着部102、スキャナ部103、操作部104、用紙排出部107、トナー補給部110、及び外部用紙格納部118を備える。また、画像形成部101には、用紙格納部105、106、搬送部108、一次転写部111、転写ベルト112、及び二次転写部113が設けられている。
定着部102には、スイッチバック部109、廃トナー収納部114、定着部115、116、及び搬送部117、123が設けられている。外部用紙格納部118には、搬送部119、及び用紙格納部120、121、122が設けられている。
【0012】
スキャナ部103は、原稿をスキャンして画像の電子データを生成する。操作部104は、ハードキーとともに、タッチパネル式などの表示部が設けられている。操作部104には、後述するユーザインタフェース画面(UI画面)を表示して、操作者による印刷装置100への各種指示を受け付ける。用紙格納部105、106、120、121、122は印刷装置100で印刷するための用紙(シート)を格納する。
【0013】
用紙排出部107は、印刷された用紙を印刷装置100の外部へ排出する。各搬送部には、一定の間隔で用紙を搬送するためのローラが設けられている。スイッチバック部109は、用紙排出部107へ用紙を排出する際に用紙の出力面を反転させる。トナー補給部110は、画像形成部101に対して現像材であるトナーを補給する。
【0014】
一次転写部111は、画像データに従って形成したトナー像を転写ベルト112に転写する。二次転写部113は、転写ベルト112に転写されたトナー像を用紙に転写する。廃トナー収納部114は、転写処理の過程において発生した余分なトナーを回収して収納する。定着部115は、二次転写部113において画像が転写された用紙に熱と圧力を加えて、トナーを用紙に定着させる。
【0015】
定着部116は、定着部115において画像が定着された用紙にさらに熱と圧力を加えて画像の定着を強化させる。搬送部108、117、119、123は、用紙を搬送するための搬送路である。
【0016】
搬送部117は、定着部115から定着部116へ用紙を搬送するための搬送路である。搬送部123は、定着部115から定着部116を介さずに用紙排出部107又はスイッチバック部109へ用紙を搬送するための搬送路である。搬送部108、119は、用紙を印刷装置100へ供給するための搬送路である。
【0017】
<定着部の構成>
【0018】
次に、図2を参照して、定着部115、116について説明する。
図2は、図1に示した定着部115の構成例を示す断面図である。なお、定着部116の構成は、定着部115の構成と同様の構成であるため説明を省略する。
【0019】
図2において、定着部115は、定着ローラ201、外部加熱ローラ202、203、クリーニングウェブ204、搬送ベルト205、加圧パッド206、及び用紙分離爪207、208を備える。また、定着ローラ201には、内部にヒータ209、210及び温度計211が設けられ、通過する用紙に熱を加えることができる。各装置201〜211は、後述する定着部制御基板にある制御基板CPU1402によって制御される。
【0020】
外部加熱ローラ202、203は、定着ローラ201に対して外部から熱を加える。クリーニングウェブ204は、定着ローラ201に付着したトナーを除去するためのクリーニング装置である。搬送ベルト205は、定着部115に搬送されてきた用紙を定着ローラ201に接触させながら搬送させるためのベルトである。加圧パッド206は、定着ローラ201に接触した用紙に圧力を加える。用紙分離爪207、208は、定着ローラ201に接触している用紙を取り外す。
【0021】
温度計211は、定着ローラ201の温度を測定する。温度計211で測定された情報は、後述するメインコントローラへ通知される。定着ローラ201、外部加熱ローラ202、203は、それぞれ独立に温度調整を行える機構を備えており、画像を定着する用紙の種類に応じて用紙に最適な熱量を加えることが可能である。つまり、定着部115、116を含む印刷装置100は、複数種類の用紙に印刷処理を実行可能である。
【0022】
<印刷装置100の制御構成>
次に、図3を参照して、印刷装置100の制御構成について説明する。
図3は、本実施形態を示す印刷装置100のメインコントローラ301を示すブロック図である。
【0023】
図3において、メインコントローラ301は、CPUバス312を介してCPU305、RAM306、操作部I/F307、ネットワークI/F制御部308、モデム309、ROM310、HDD311が接続される。また、メインコントローラ301は、イメージバスI/F313を介し、イメージバス324、RIPI/F314、データ圧縮部315、デバイスI/F316、及び画像処理部317と接続される。
【0024】
ネットワークI/F308には、外部機器とネットワークによって接続を行うためのネットワークケーブル303が接続される。モデム309には、外部機器と電話回線によって接続を行うための回線ケーブル304が接続される。CPU305は、メインコントローラ301全体を制御するためのプログラムを動作させる。
【0025】
RAM306は、CPU305上で動作するプログラムによって管理される。RAM306は、外部から受信したデータを一時的に蓄えるための受信バッファやRIP321によってラスタライズされた画像データを一時的に蓄えるための画像データバッファ等の目的で使用される。ROM310は、CPU305上で動作するプログラムやデータ等を格納する。HDD311は、さまざまなデータを長期的に保存することが可能な不揮発性の記憶装置である。
【0026】
操作部I/F307は、操作部104とメインコントローラ301とを接続するためのインタフェースである。イメージバスI/F313は、CPUバス312とイメージバス324とを接続するためのインタフェースである。
RIPI/F314には、データバス318を介してRIP321が接続される。RIP321は、外部から入力される画像記述データをビットマップイメージデータに変換する機能を有するラスタライズボード(RIP)である。RIPI/F314は、データバス318によってRIP321とイメージバス324を接続するためのインタフェースである。データ圧縮部315は、データを圧縮する。
【0027】
また、デバイスI/F316には、データバス319を介して給紙排紙装置322が接続され、データバス320を介してプリンタ323が接続される。プリンタ323の構成は、図1を用いて上述した構成である。
CPU305は、操作部104又は外部機器からネットワークケーブル303を介して指示される信号に従って、データバス319、320を介してプリンタ323及び給紙排紙装置322へ印刷を行うための命令を発行する。画像処理部317は、RIP321によって生成されたビットマップイメージデータに各種画像処理を施す。画像処理部317では、2ページのビットマップイメージデータを1ページのビットマップイメージデータに合成する機能等のビットマップイメージデータをデジタル的に処理する機能を備える。
<定着部の温度制御>
【0028】
次に、図4を参照して、定着部115、116の温度制御について説明する。
図4は、図1に示した定着部115の温度制御に係るブロック図である。なお、定着部116の温度制御に係るブロック図は、定着部115の温度制御に係るブロック図と同様の構成のため説明を省略する。
図4において、定着ユニット制御CPU1401は、前述した定着部115の各装置201〜211の制御を行うが、図4では、温度制御に係る構成のみを示す。
【0029】
定着ユニット制御CPU1401は、図示しないROM等に記憶される制御プログラムを実行して前述した定着部115の制御を行う。
A/D変換1402は、温度計211が計測した温度をA/D変換し、定着ユニット制御CPU1401に伝える。
【0030】
定着部115の温度制御は、定着ユニット制御CPU1401が、後述するメインコントローラ301にあるCPU305から通知された温度になるように温調制御する。
A/D変換1402を通じて得られた温度計の温度が、CPU305から通知された温度より低いと定着ユニット制御CPU1401が判断した場合は、ヒータ209、210の電源を入れる。また、A/D変換1402を通じて得られた温度が、CPU305から通知された温度に達した定着ユニット制御CPU1401が判断した場合は、ヒータ209、210の電源を切る。
また、定着ユニット制御CPU1401は、A/D変換1402を通じて得られた温度計の温度に変化があった場合、CPU305にその温度を通知する。
【0031】
<用紙格納部のグループ化>
【0032】
本実施形態において用紙格納部のグループ化するとは、仮想的に複数の用紙格納部をひとまとまりとして扱うことである。通常、用紙格納部が指定された印刷ジョブの場合、指定された用紙格納部の用紙がなくなると、CPU305は、印刷装置100は印刷を止め、操作部104に指定された用紙格納部に用紙を補給する旨を表示する制御を行う。一方、用紙格納部のグループ化を行うと、指定された用紙格納部の用紙がなくなった場合、CPU305は、同じグループに属する用紙格納部に印刷可能な用紙があった場合に印刷を継続する制御を行う。
【0033】
図5は、図3に示した操作部104に表示されるユーザインタフェース画面(UI画面)の一例を示す図である。本例は、用紙格納部のグループ化の設定画面例である。以下、定着手段が用紙上に転写された画像を熱定着させる画像形成装置において、同一または異なる属性の用紙が格納された複数の用紙格納部を1つの用紙格納部として機能させるためのグループを設定するグループ設定処理について説明する。ここで、用紙格納部とは、図1に示した用紙格納部105、106、120、121、122が含まれる。
図5において、401、402、403、404、405はそれぞれ用紙格納部105、106、120、121、122に対応づけた用紙格納部情報を示している。グループ化設定ボタン406は、各用紙格納部が属しているグループを示している。本実施形態では、2以上の用紙格納手段を1つのグループとして設定可能に構成されている。図5に示す例では、用紙格納部401と用紙格納部402がグループ1、用紙格納部403と用紙格納部404がグループ2、用紙格納部405がグループ3に属している例である。
本画面において、ユーザがグループ化設定ボタン406を押下すると、グループ番号が1つずつインクリメントされる。グループ番号は用紙格納部数と同じ数まで変更可能であり、用紙格納部数と同じ場合にグループ化設定ボタン406が押下されると、1に戻る。
また、本画面において、ユーザがOKボタン407を押下すると、CPU305は、現在のグループ化設定をRAM306あるいはHDD311に記憶する。
また、本図面では例えば用紙格納部401に普通紙が、用紙格納部402に厚紙1が格納されていることがわかる。いずれかの用紙格納部に格納される用紙を交換した場合には、ユーザは不図示の登録画面を用いて用紙格納部に格納される用紙の情報を新しく登録することができる。
【0034】
図6は、本実施形態を示す印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、ユーザの設定に従いグループ化された用紙格納部を用いて印刷する処理例である。なお、各ステップは、CPU305がROM310に記憶された制御プログラムをRAM306にロードして実行することで実現される。
S501で、CPU305がネットワークケーブル303を介して図示しない外部装置(ホスト装置)から印刷ジョブを受信すると、用紙格納部指定がされているジョブか否かを判断する。ここで、用紙格納部指定がされていないとCPU305が判断した場合は、CPU305は通常の印刷処理502を行う。なお、通常の印刷処理の説明は省略する。
一方、S501で用紙格納部指定ありとCPU305が判断した場合は、S503に進む。
【0035】
そして、S503で、CPU305は、指定された用紙格納部が用紙切れ状態であるかを判断する。具体的には、各用紙格納部に設けられている用紙有無センサの出力状態からCPU305が判断する。S503で用紙切れ状態であるとCPU305が判断した場合は、S504に進み、用紙あり状態であると判断した場合はS505に進む。
S505で、印刷装置100は用紙格納部から用紙を1枚給紙して印刷を行う。次に、S506で、CPU305はS505の印刷処理を実行したことで、印刷ジョブが完了したかを判断する。ここで、印刷ジョブが完了したとCPU305が判断した場合には、処理を終了し、印刷ジョブが完了していないとCPU305が判断した場合は、S503に戻る。
そして、S504では、CPU305は印刷に使用する用紙格納部を用紙切れが起きた用紙格納部と同一グループに属する他の用紙格納部に変更する。そして、S507で、CPU305は同一グループに属する全ての用紙格納部が用紙切れ状態であるかを各用紙格納部の用紙有無センサの出力に基づいて判断する。
【0036】
ここで、グループ化された給装装置にまだ使用する用紙があるとCPU305が判断した場合は、S503に戻る。
一方、S507で、グループ化された同一グループ全ての用紙格納部が用紙切れ状態であるとCPU305が判断した場合は、S508に進む。そして、S508で、CPU305は操作部I/F307を介し、操作部104に用紙補給表示画面を出すように指示する。この指示を受けた操作部104は、図示しないUI画面として用紙補給表示画面を表示する。
【0037】
そして、S509で、CPU305はS508の用紙補給催促画面を確認したユーザが対応する用紙を用紙格納部に補給して、用紙有無センサの出力が用紙切れ状態から用紙有り状態に変化したかに基づいて用紙補給がなされたかどうかを判断する。ここで、ユーザによって用紙が補給されたとCPU305が判断した場合は、S510に進み、用紙が補給されないと判断した場合は、CPU305は、用紙が補給されて用紙有り状態に変化するのを待つ。
そして、S510で、CPU305は使用する用紙格納部をS509で用紙補給された用紙格納部に変更し、S505へ進む。以上のようにして、用紙格納部のグループ化及びグループ化された用紙格納部からの印刷を行う。
【0038】
<定着温調制御>
【0039】
図7は、本実施形態を印刷装置で使用可能な用紙の定着温度特性を示すテーブルである。本例では、使用可能な用紙の特性値としての坪量と印刷開始時に設定すべき定着部の温度値と対応関係を示している。
図7において、601は用紙の坪量の上限値を示し、602は用紙の坪量の下限値を示し、603は各坪量に対応する最適な定着部の温度値を示す。なお、本発明に係る印刷装置100は、上記情報を定義したテーブルをROM310等に予め保持している。CPU305は、ROM310に記憶された図7に示す特性情報を参照し、前述した用紙格納部のグループ化の設定の際に用紙格納部グループに含まれる用紙に共通に設定可能な定着制御における設定値(定着温度)を決定する。
【0040】
なお、グループ化と設定値のタイミングについては後述する。なお、図7では、用紙の坪量における上限値及び下限値に対応付けて設定値を定義している。
しかし、本発明はこれに限らず、例えば、用紙の表面性、形状及び材質の少なくとも1つに基づいて、設定値を定義してもよい。
また、ここでは、定着制御の設定値として、定着温度の温度値を例に説明している。しかし、本発明はこれに限らず、用紙に熱を加えるための温度値、及び、用紙に圧力を加えるための圧力値の少なくとも一方を含む設定値を適用してもよい。
【0041】
図8は、本実施形態を印刷装置で使用可能な用紙の定着温度特性を示すテーブルである。
本例は、用紙の表面性と用紙の形状又は材質とによる定着部115の設定値の関係を示している。
図8において、701は用紙の表面性を示し、702は用紙の形状又は材質を示し、703は定着制御の可否を示し、用紙の表面性と、用紙の形状又は材質とに応じて、図8に示す定着温度の設定値での定着制御を行う(○)か否(×)かを示している。
【0042】
なお、用紙の表面性と用紙の形状又は材質は、後述する図9で示される用紙の種類に付随する情報として、ROM310に予め保持されている。
印刷装置100のCPU305は、印刷ジョブに含まれる情報から印刷処理で使用される記録材の種類を抽出する。そして、CPU305は、図8を参照し、記録材の種類に対応する用紙の表面性と用紙の形状又は材質に基き、図7を用いた定着温度の設定値を適用することができるかどうかを判断する。定着制御の可否703において、○印で示される用紙の表面性と用紙の形状又は材質とに適合する用紙に対してのみ、図7を用いた定着温度の設定値を適用することが可能となる。
【0043】
図9は、本実施形態を印刷装置で使用可能な用紙の定着温度特性を示すテーブルである。
図9に示す例では、例えば、用紙の種類が普通紙であれば、普通紙の坪量は下限値が80g/mであり上限値が100g/mであることを示す。図9では、坪量の範囲に対して、操作者が用紙の種類を認識しやすいように名称を割り当てた際の対応が示される。
図9において、801は用紙の種類(印刷メディアタイプ)を示し、802は坪量を示す。図8に示す印刷メディアタイプ801の文字列は操作部104に表示される。803は、用紙の種類毎の定着温度を示し、特定の種類の用紙に最適な定着温度が用紙の種類毎に定められている。
CPU305が図7に示したテーブルを用いて複数種類の用紙で共通の定着温度を適用することができない場合は、定着部115、116を定着温度803で制御する。
【0044】
<第1の定着温度設定処理>
【0045】
図10は、本実施形態を示す印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、用紙格納部グループ化設定時における共通の定着温度設定処理例である。なお、各ステップは、CPU305がROM310に記憶された制御プログラムをRAM306にロードして実行することで実現される。
【0046】
図10のS901で、CPU305は、図5に示したUI画面に用いて、ユーザが各用紙格納部に対するグループ化の設定を受け付ける。具体的には、ユーザはグループ化設定ボタン406を操作して、給紙可能に装着された用紙格納部105、106、120、121、122の5つの用紙格納部に対して、グループを設定する。例えば用紙格納部105、106にグループ1を設定し、用紙格納部120、121にグループ2を設定し、用紙格納部122にグループ3を設定する。これにより、グループ1〜3が設定され、HDD311に保存される。なお、RAM306のNVRAM領域に保存される構成であってもよい。
次に、S902で、CPU305は、共通な定着温調を算出するための最初の用紙格納部グループとしてグループ番号Nを「1」として、つまり、用紙格納部105、106に共通する定着温調における定着温度を算出する処理を開始する。
次に、S903で、CPU305は全ての用紙格納部グループ(N=1〜3)ついて共通の定着温度設定を完了しているかどうかを判断する。最初は、完了していないため、S904へ進む。
【0047】
そして、S904で、CPU305は用紙格納部グループN(=1)に含まれる用紙の坪量に対応づけられた上限値及び下限値を図7に示すテーブルから取得する。なお、各用紙格納部には、格納される用紙の属性として、薄紙、普通紙、厚紙1〜6等が対応づけられて用紙情報として管理されている。そこで、CPU305は、用紙格納部105、106について図7に示すテーブルから用紙の属性に合致する坪量に対応づけられた上限値及び下限値を取得する。
【0048】
次に、S905で、CPU305は、ROM310に保持されている図7に示すテーブルを参照して、用紙の特性を示す特性値としての坪量と印刷開始時に設定すべき定着部の温度値、すなわち共通の定着温度を適用可能であるかを判断する。例えばグループ1に属する用紙格納部105と用紙格納部106ともに用紙の属性が「普通紙」である場合、あるいは用紙格納部105が「普通紙」で、用紙格納部106が「薄紙」である場合、共通の定着温度として「200℃」を設定可能であると判断できる。
なお、適用可能かどうかについては、CPU305が同一グループ内で各用紙の坪量の上限値と下限値を取得し、図7に示したテーブルを参照して、その上限値と下限値とが設定可能範囲にあるかに基づいて判断する。つまり、図7に示した「×」となる範囲にある場合は、同一グループ内では、共通の定着温度を設定できないと判断できる。より具体的には、グループ1に設定された用紙格納部105が「普通紙」で、用紙格納部106が「厚紙5」である場合には、共通の定着温度を設定できないと判断できる。
【0049】
一方、S905で共通の定着温度をグループNの用紙格納部に適用可能でないとCPU305が判断した場合は、S907に進む。
一方、S905でグループNの用紙格納部に共通の定着温度が適用可能であるとCPU305が判断した場合は、S906に進む。S906では、CPU305は用紙格納部グループNに属する用紙格納部それぞれに適用する共通の定着温度として、例えば「200℃」をRAM306に設定する。そして、S907では、CPU305は、次の用紙格納部グループの処理のため、グループ番号Nを「1」インクリメントして、S903へ戻る。
【0050】
本実施形態によれば、CPU305は、グループN(=2)の用紙格納部120、121に対する定着温度の設定処理を開始する。同様に、グループN(=3)の用紙格納部122は1つなので、当該用紙格納部122に設定された用紙の属性に適応した定着温度を設定する。
このように本実施形態によれば、用紙格納部のグループ化が行われたことに応じて、グループのそれぞれに対して共通の定着温度を設定するための処理が実行される。
これにより、同一グループ内で属性が近い用紙については、共通の定着温度を設定し、属性が異なる場合には、同一グループ内であっても、個別的な定着温度で定着処理を行う設定がなされる。
【0051】
図11は、本実施形態を示す印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、用紙格納部グループ化設定時に設定された共通の定着温度を使用して印刷ジョブを印刷する処理例である。なお、各ステップは、CPU305がROM310に記憶された制御プログラムをRAM306にロードして実行することで実現される。
【0052】
図12は、本実施形態を示す情報処理装置の表示可能なユーザインタフェース画面の一例を示す図である。本例は、情報処理装置にインストールされるプリントドライバが提供するUI画面例であって、ページ設定タブが選択された場合のUI画面である。
【0053】
図12(a)において、1101は印刷モードで、ラジオボタンRT1とラジオボタンRT2とのいずれかを選択することができる。ここで、ユーザが印刷モードとして、ラジオボタンRT1を選択した場合は、印刷モードとして速度優先が選択されたこととなり、印刷装置100に出力する印刷ジョブが共通の定着温度を使用するジョブとして指定されたこととなる。一方、ユーザが印刷モードとして、ラジオボタンRT2を選択した場合は、印刷モードとして画質優先が選択されたこととなり、印刷装置100に出力する印刷ジョブが用紙属性に合わせた定着温度を使用するジョブとして指定されたこととなる。
また、本実施形態では、どの用紙を使用して印刷するのかをページ単位で指定することができる。ページ単位で使用する用紙を指定したい場合には、ユーザは図12(a)において1102を選択すればよい。ユーザが1102を選択すると、図12(b)が表示される。
図12(b)において、ユーザは1103〜1106にページ番号を入力し、1107〜1110で用紙を選択する。これにより、印刷で使用する用紙をページ単位で指定することができる。本実施形態では、1107〜1110で選択できる用紙は、図5で登録した用紙である。
また、図5では普通紙をグループ1の用紙格納部とグループ2の用紙格納部の両方に登録しているため、1107〜1110では普通紙を選択する場合、グループ1の普通紙か、グループ2の普通紙のどちらを選択したかを区別する。これにより、本実施形態では、1107〜1110で用紙を選択することは、用紙格納部のグループを選択することと同義となる。
本実施形態の具体的な例として、例えば、図12(b)に示すような普通紙と厚紙1が同一グループとしてグループ化された用紙格納部を用いて、普通紙と厚紙1を用いる17ページの印刷ジョブを処理する場合を示す。
S1001では、CPU305は受信した印刷ジョブが共通の定着温度を使用するジョブか否かを当該印刷ジョブに設定される印刷モードに従って判断する。なお、共通の定着温度を使用するかは図11に示す印刷ドライバの印刷モード1101の設定に従う。
【0054】
ここで、CPU305は、印刷ジョブの印刷モードに速度優先が設定されていると判断した場合、共通の定着温度を使用する印刷ジョブであると判断し、S1002に進む。
一方、S1001で、CPU305は、印刷ジョブに印刷モードとして画質優先が設定されていると判断した場合は、通常の印刷ジョブと判断し、S1003に進む。ステップS1003では、印刷で使用する用紙の特性に最適な定着温度(図9に示す定着温度)で定着して印刷する。
S1002では、CPU305は、ページパラメータPNを「1」として、外部の情報処理装置から受信した印刷ジョブの1ページ目に着目する。
【0055】
そして、S1004では、CPU305は受信した印刷ジョブの全ページの印刷処理が完了したかを判断する。S1004で完了しているとCPU305が判断した場合は、本処理を終了する。
一方、S1004で、まだ印刷ジョブを完了していないとCPU305が判断した場合、S1005に進み、CPU305はPNページ目で指定された用紙格納部が図10において設定した共通な定着温度で印刷可能か否かを判断する。具体的には、CPU305は、PNページ目に指定された用紙格納部のグループに対して共通の定着温度で印刷することが設定されているかどうかを参照して判断する。ここで、印刷ジョブに設定された用紙格納部のグループに対して共通の定着温度で印刷することが設定されているとCPU305が判断した場合、S1006に進む。一方、S1005で印刷ジョブに設定された用紙格納部のグループに対して共通の定着温度で印刷することはできないとCPU305が判断した場合は、S1007に進む。
【0056】
そして、S1006では、CPU305はPNページ目に対する画像形成処理を実行して、当該印刷ジョブで設定された用紙格納部から給紙した用紙に画像を転写した後、定着部115等を用いて設定された共通な定着温度で定着処理を行い印刷する。これにより、本実施形態では、同一グループに設定された普通紙、厚紙1の坪量の下限と上限は、図9に示すテーブルから坪量の下限が80g/m、上限が128g/mとなる。このため、CPU305は、図7に示したテーブルを参照することで、最適な定着温度を210℃と設定し、用紙種別が異なる各用紙を用いた画像形成時に、定着部115等に対してNページ目を共通の定着温度「210℃」で定着処理して印刷する。
S1007では、CPU305は、Nページ目を用紙格納部から給紙した用紙の特性に最適な定着温度(図9に示す定着温度)で定着して印刷する。そして、S1008では、CPU305は、ページパラメータPMを「1」インクリメントして、次のページを処理するため、S1004へ戻る。
【0057】
なお、S1006及びS1007で用紙切れが発生した場合は、前述したように同じ用紙格納部グループの他の用紙格納部に同じ用紙を給紙する。同じ用紙格納部グループ内に同じ用紙がなくなった場合は、CPU305は操作部I/Fを介し、操作部104に用紙補給表示を出す。
【0058】
本実施形態によれば、複数の用紙格納部に対してユーザがグループ化の設定を行っている場合、用紙格納部グループ毎に共通の定着温度を適用できるか否かを判断する。その後、共通の定着温度を使用する印刷ジョブが入力されると、印刷ジョブで指定された用紙格納部グループで共通の定着温度が適用可能であれば、共通の定着温度を用いて印刷を行う。上述した例では、17ページすべてが210℃で定着処理されて印刷される。こうすることにより、用紙の切り替え時に定着部の温度を切り替え後の用紙に応じた定着温度になるように制御する必要がなくなるため、印刷のスループットが向上する。
【0059】
一方、本実施形態を適用しない場合、例えば用紙格納部のグループ化を行わない場合や、印刷時に画質優先を選択した場合は、図9に示すテーブルを参照して、厚紙1は定着温度210℃、普通紙は定着温度200℃で定着処理されて印刷される。この例の場合、用紙間で必要な定着温度が個別的に異なるため、用紙の切り替え時に定着温度の制御を実行するため、印刷モードが速度優先の場合に比べて温調制御に時間を要する。従って、本実施形態を適用しない場合には、本実施形態を適用する場合に比べて印刷のスループットが低下する。
【0060】
〔第2実施形態〕
上記実施形態では、グループ化された用紙格納部に含まれる全ての用紙に共通の定着温度が適用できない場合は、給紙する用紙に適合する定着温度とする温調制御を実行する場合について説明した。これに対して、グループ化された用紙格納部に含まれる全ての用紙に共通の定着温度が適用できない場合、グループの中を更に小グループに分け、それぞれの小グループに共通な定着温度を設定する制御を実行してもよい。以下、その実施形態について詳述する。
<第2の定着温度設定処理>
図13は、本実施形態を示す印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、用紙格納部グループ化設定時における共通の定着温度設定処理であって、同一グループ内の用紙をさらに、小グループ毎に分けて共通の定着温度を設定する例である。なお、各ステップは、CPU305がROM310に記憶された制御プログラムをRAM306にロードして実行することで実現される。また、本実施形態は、1つの印刷ジョブで使用する用紙の枚数にばらつきがある場合、例えば薄紙を1枚、厚紙3を100枚、厚紙4を110枚という印刷ジョブを想定する。また、本実施形態は、図5において薄紙、厚紙3、厚紙4を格納する用紙格納部がグループ化されているとする。さらに、本実施形態では、グループ化された用紙格納部に含まれる用紙を坪量に従う用紙順にソートしてグループを小グループに小分けする実施形態に対応する。
【0061】
S1201で、CPU305が、ユーザが操作部104に表示されるユーザインタフェース画面を用いて用紙格納部グループ化の設定を受け付けると、CPU305は、S1202で共通な定着温調を決定するため、最初の用紙格納部グループ(N=1)に着目する。S1203では、CPU305は全ての用紙格納部グループについて、共通の定着温度が適用可能かの判断を終了しているかどうかを判断する。例えばグループ数が「3」であって、後述するS1211でカウントアップされた値が「4」となった場合、グループ数の最大値が「3」となるので、S1203で、本処理を終了する。
一方、S1203で、判断していない用紙格納部グループがあるとCPU305が判断した場合は、S1204に進み、CPU305は、印刷ジョブで指定される用紙を、グループ化された用紙格納部に含まれる用紙の坪量順にソートする。これにより、薄紙と厚紙3が同一の小グループに、厚紙4が他の小グループにグループ化される。
【0062】
そして、S1205では、CPU305は、坪量順にソートした用紙の先頭(パラメータm=0)に着目しする。また、グループ化された用紙格納部の中の小グループ(パラメータn=1)を定義する。
【0063】
S1206で、CPU305は、m番目の用紙を小グループAnに追加する。そして、S1207で、CPU305は、パラメータmを「1」インクリメントして、次の坪量の用紙に着目する。そして、S1208で、CPU305は、m番目の用紙があるか否かを判定して、用紙切れとCPU305が判断した場合は、S1209に進み、用紙ありとCPU305が判断した場合は、S1210に進む。
そして、S1209で、CPU305は、小グループそれぞれに共通な定着温度を設定し、RAM306に設定して、S1203へ戻る。これにより、小グループの薄紙と厚紙3に対して、定着部115等に対する定着温度を212℃に設定し、他の小グループの厚紙4に対して、定着部115等に対する定着温度を218℃3f3f3fに設定する。
【0064】
一方、S1210では、CPU305は、小グループAnに含まれる用紙とm番目の用紙に共通の定着温度を設定することが可能か否かを判断する。ここで、小グループAnに含まれる用紙とm番目の用紙に共通の定着温度を設定することが可能であるとCPU305が判断した場合は、S1206に戻る。なお、共通の定着温度を設定することが可能であるかについては、図7に示したテーブルに設定された坪量の下限値、上限値の範囲で有効な定着温度を決定できる場合、「×」の範囲でなければ設定できると判断する。
一方、S1210で、小グループAnに含まれる用紙とm番目の用紙に共通の定着温度を設定できないとCPU305が判断した場合は、S1211に進む。S1211では、CPU305は、パラメータnを「1」インクリメントして、次の小グループを定義して、S1206へ戻る。
【0065】
以上により、グループ化された用紙格納部に含まれる全ての用紙に共通の定着温度が適用できない場合は、グループの中を更に小グループに分け、それぞれの小グループに共通な定着温度を設定することができる。
例えば、1枚のみ共通の定着温度を適用できない場合、第1実施形態では全てが共通の定着温度を適用できなくなるが、本実施形態を適用すると、その1枚のみ共通の定着温度が適用できないが、他の用紙には共通の定着温度を適用することが可能となる。なお、共通な定着温度を用いて印刷する方法に関しては第1実施形態と同様のため省略する。
【0066】
〔第3実施形態〕
上記実施形態では、グループ化された用紙格納部に含まれる全ての用紙に共通の定着温度が適用できない場合、グループの中を坪量に応じて更に小グループに分け、それぞれの小グループに共通な定着温度を設定する場合について説明した。しかしながら、1つの印刷ジョブで使用する用紙の枚数にばらつきがある場合、例えば薄紙を1枚、厚紙3を100枚、厚紙4を100枚という印刷ジョブの場合には、パフォーマンスが低下する場合がある。そこで、本実施形態では、グループ化された用紙格納部に含まれる全ての用紙に共通の定着温度が適用できない場合、グループの中を印刷ジョブで使用する枚数に応じて更に小グループに分けて共通の定着温度を設定する制御について詳述する。
【0067】
<第3の定着温度設定処理>
図14は、本実施形態を示す印刷装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、用紙格納部グループ化設定時における共通の定着温度設定処理であって、同一グループ内の用紙をさらに、小グループ毎に分けて共通の定着温度を設定する例である。なお、各ステップは、CPU305がROM310に記憶された制御プログラムをRAM306にロードして実行することで実現される。また、本実施形態では、1つの印刷ジョブで使用する用紙の枚数にばらつきがある場合、例えば薄紙を1枚、厚紙3を100枚、厚紙4を110枚という印刷ジョブを想定する。また、本実施形態は、グループ化された用紙格納部に含まれる用紙を、印刷ジョブで使用する枚数順にソートしてグループを小グループに小分けする実施形態に対応する。
【0068】
S1301で、CPU305は用紙格納部グループ化の設定を受け付けると、CPU305は、S1302で共通な定着温調を算出する最初の用紙格納部グループ(N=1)に着目する。例えばNが「3」で、S1311で現在N=4であると判断した場合は、S1303では、全ての用紙格納部グループの判断を終了しているとCPU305は判断して、本処理を終了する。
【0069】
一方、まだ判断していない用紙格納部グループがあるとCPU305が判断した場合は、S1304に進む。S1304では、CPU305は、グループ化された用紙格納部に含まれる用紙を印刷ジョブで使用する枚数に従う用紙順にソートする。これにより、厚紙4(110枚)、厚紙3(100枚)、薄紙(1枚)とソートされる。
S1305では、CPU305は、枚数順にソートした用紙の先頭(パラメータm=0)に着目し、かつ、グループ化された用紙格納部の中の小グループ(パラメータn=1)を定義する。そして、S1306で、CPU305は、m番目の用紙を小グループAnに追加する。
【0070】
次に、S1307で、CPU305は、パラメータmを「1」インクリメントして、次に枚数が多い用紙(本実施形態では、厚紙3)に着目する。次に、S1308で、CPU305は、m番目の用紙があるか否かを判断する。ここで、用紙切れとCPU305が判断した場合は、S1309に進み、用紙ありとCPU305が判断した場合は、S1310に進む。
そして、S1309で、CPU305は、小グループそれぞれに共通な定着温度を設定し、RAM306に設定して、S1203へ戻る。これにより、小グループ化された厚紙3,4には、定着部115等に対する定着温度として218℃(図7のテーブル参照)が設定される。
S1310で、CPU305は、小グループAnに含まれる用紙とm番目の用紙に共通の定着温度が設定可能かを判断する。ここで、小グループAnに含まれる用紙とm番目の用紙に共通の定着温度を適用可能であるとCPU305が判断した場合は、S1306に戻る。なお、共通の定着温度を設定することが可能であるかについては、図7に示したテーブルに設定された坪量の下限値、上限値の範囲で有効な定着温度を決定できる場合、「×」の範囲でなければ設定できると判断する。
一方、S1310で、小グループAnに含まれる用紙とm番目の用紙に共通の定着温度が適用できないとCPU305が判断した場合は、S1311へ進み、CPU305は、パラメータnを「1」インクリメントして次の小グループを定義した後、S1306へ戻る。
【0071】
これにより、グループ化された用紙格納部に含まれる全ての用紙に共通の定着温度が適用できない場合、グループの中を用紙の枚数に従い小グループに分け、それぞれの小グループに共通な定着温度を設定することができる。
特に、本実施形態では、使用される用紙の枚数に応じて小グループを作成するため、例えば、薄紙を1枚、厚紙3を100枚、厚紙4を110枚という印刷ジョブの場合、第1実施形態では、共通の定着温度が適用できない。第2実施形態では、薄紙と厚紙3が212℃、厚紙4は218℃が適用される。
【0072】
これに対して、第3実施形態では、上記処理に基づいて小グループ化された厚紙3と厚紙4に対して定着部115等に共通な定着温度218℃を適用し、他の小グループに対応する薄紙の1枚のみに対して、定着部115等に200℃を適用して定着処理を行い印刷される。このため、用紙の切り替えが頻繁に発生する場合、第3実施形態では最も定着温度の切り替えが抑えられ、結果として印刷のパフォーマンスが向上する。
なお、本実施形態では、印刷ジョブで使用する枚数が多い順に用紙をソートする場合について説明したが、印刷ジョブで使用する枚数が少ない用紙順に用紙をソートする構成としてもよい。
【0073】
〔第4実施形態〕
上記実施形態2では、同一グループ化された用紙格納部に対して設定された用紙の属性として用紙の坪量に着目してソートする場合について説明したが、設定された用紙の属性の定着温度に着目してソートする構成としてもよい。
なお、着目するソートする基準は、定着温度が高い順にソートしたり、定着温度が低い順にソートしたりすることは任意である。
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0074】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0075】
100 印刷装置
305 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を実行する印刷手段と、
用紙を格納する複数の用紙格納手段と、
前記複数の用紙格納手段のうち、2以上の用紙格納手段を1つのグループとして設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙に応じて、当該特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙の定着温度を決定する決定手段と、
前記特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙に対して、前記決定手段で決定された定着温度で印刷を実行するように前記印刷手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記決定手段によって決定される定着温度は、前記特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙の定着温度に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定手段によってグループが設定されたことに応じて、前記決定手段は前記特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙の定着温度を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙の定着温度を前記決定手段が決定できない場合には、前記制御手段は印刷で使用する用紙の種類に応じた定着温度で印刷を実行するように前記印刷手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
用紙を格納する複数の用紙格納手段を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の用紙格納手段のうち、2以上の用紙格納手段を1つのグループとして設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙に応じて、当該特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙の定着温度を決定する決定工程と、
前記特定のグループに含まれる複数の用紙格納手段に格納される用紙に対して、前記決定工程で決定された定着温度で印刷を実行するように制御する制御工程とを有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−113860(P2013−113860A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256944(P2011−256944)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】