説明

画像形成装置、画像濃度調整方法及び画像濃度調整プログラム

【課題】本発明は、解像度の相違を考慮した画像濃度調整を安価に行う。
【解決手段】画像形成装置1は、CPU2が、画像形成部30に、複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の濃度パターン及び感光体回転数検出部20、機内温度検出部22等の環境要因検出手段が検出した環境要因の状態情報を用紙に濃度調整シート40として出力させて、該濃度調整シート40の適宜の画像濃度に対応する複数の画像出力レベルと環境要因状態情報が操作部4から入力されると、入力された複数の該画像出力レベルと該環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測し、予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶部3に記憶して、画像形成時に、環境要因検出手段の検出した環境要因状態に基づいて該環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、画像形成部30に画像形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像濃度調整方法及び画像濃度調整プログラムに関し、詳細には、解像度の相違を考慮した画像濃度調整を行う画像形成装置、画像濃度調整方法及び画像濃度調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合装置、複写装置、プリンタ装置等の画像形成装置においては、コストの削減が要求されている一方で、高画質化が求められ、解像度も、例えば、600dpiから1200dpiというように高解像度化してきている。
【0003】
そして、従来、カラー画像形成装置等の高機能の画像形成装置においては、画像形成装置が出荷された後においても、経年変化等による濃度変化を調整するために、自動濃度調整機能を搭載している。例えば、電子写真方式の画像形成装置であって、カラー画像形成装置では、濃度調整用パターンの調整シートを印刷して、該調整シートの濃度調整用パターンを反射型光センサ等のシート読み取り手段で濃度を読み取り、この濃度調整用パターンの読み取り結果に基づいて濃度調整を自動で行なっている(特許文献1等参照)。
【0004】
ところが、モノクロ画像形成装置等の低価格の画像形成装置にあっては、カラー画像形成装置よりも低コストが要求されるため、濃度調整に必要な反射型光センサを搭載せず、製造工程での初期濃度調整のみを行うようになっており、使用中においては、濃度調整を行うことができない構成となっていることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、モノクロ画像形成装置等の低価格の画像形成装置にあっては、自動濃度調整機能を搭載していないため、温度変化や経時劣化によって濃度が変化し、画像が劣化するという問題があるが、上記従来の自動濃度調整機能を搭載した画像形成装置にあっては、印刷出力した調整シートを反射型光センサ等のシート読み取り手段で読み取って濃度調整を行うため、反射型光センサ等のシート読み取り手段を必要とし、コストが高くつくとともに、従来の自動濃度調整機能にあっては、解像度の相違(例えば、600dpiと1200dpi)については、考慮されておらず、異なる解像度で同じ画像を作像した場合のドットの重なり方の違いから生じる濃度の相違を是正することができない。
【0006】
そこで、本発明は、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、画像出力レベルと環境要因に応じた濃度の画像を被記録媒体に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段による画像形成に影響する所定数の前記環境要因の状態を検出する環境要因検出手段と、前記画像形成手段の複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の所定濃度パターン及び前記環境要因検出手段の検出した環境要因の状態情報を前記被記録媒体に濃度調整シートとして該画像形成手段に出力させる濃度調整シート出力手段と、前記濃度調整シートの適宜の前記画像濃度に対応する複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測する画像出力レベル予測手段と、前記画像出力レベル予測手段の予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶する記憶手段と、前記画像形成手段による画像形成時に、前記環境要因検出手段の検出した環境要因状態に基づいて前記環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、該画像出力レベルで該画像形成手段に画像形成出力させる出力制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図2】濃度調整データ取得処理を示すフローチャート。
【図3】濃度調整シートの一例を示す図。
【図4】選択されたLDレベルと感光体回転数の関係の一例を示す図。
【図5】LDレベルと感光体回転数の線形予測の説明図。
【図6】選択されたLDレベルと機内温度の関係の一例を示す図。
【図7】LDレベルと機内温度の線形予測の説明図。
【図8】濃度補正印刷処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0011】
図1〜図8は、本発明の画像形成装置、画像濃度調整方法及び画像濃度調整プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像濃度調整方法及び画像濃度調整プログラムの一実施例を適用した電子写真方式の画像形成装置1の要部ブロック構成図である。
【0012】
図1において、画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit )2、記憶部3、操作部4、外部I/F5、基準クロック発生部6、第1分周器7、第2分周器8、PLL(Phase Locked Loop)部9、ポリゴンミラー制御部10、LD(Laser Diode:レーザーダイオード)制御部11、LD12、ポリゴンミラー13、fθレンズ14、感光体15、同期検知折り返しミラー16、同期検知部17、同期検知制御部18、帯電制御部19及び環境要因検出手段としての感光体回転数検出部20、中間転写ベルト回転数検出部21、機内温度検出部22等を備えており、モノクロの電子写真方式の画像形成装置である。
【0013】
記憶部(記憶手段)3は、画像形成装置としての基本プログラムや本発明の画像濃度調整プログラム及び各データ等を記憶し、CPU(濃度調整シート出力手段、画像出力レベル予測手段、出力制御手段)2は、記憶部3内のプログラムに基づいて、画像形成装置1の各部を制御して画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、後述する本発明の画像濃度調整方法を実行する。
【0014】
操作部(入力手段)4は、画像形成装置1を操作するのに必要な各種キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)やLED(Light Emitting Diode)等のランプを備え、操作キーからは、画像形成装置1を利用した画像形成(印刷)処理に必要な各種操作や後述するように本発明の画像濃度調整処理を実行するのに必要な各種操作、例えば、LDレベル指定操作、環境要因情報入力操作等の各種操作が行われて、該操作内容をCPU2に出力する。操作部4は、CPU4からの表示情報、例えば、操作キーから入力された命令内容や画像形成装置1からユーザに通知する各種情報をディスプレイに表示する。
【0015】
外部I/F(入力手段)5には、コンピュータ等のホスト装置がケーブルまたはネットワークを介して接続され、ホスト装置と通信を行なって、ホスト装置からの印刷ジョブや制御コマンドの受信してCPU2に渡し、また、CPU2からのホスト装置への通知情報の該ホスト装置への送信等の処理を行う。画像形成装置1は、この外部I/F5を介してホスト装置からLDレベル指定信号や環境要因情報指定信号を受け取ってもよい。
【0016】
基準クロック発生部6は、基準クロックを発生して第1分周器7に出力し、第1分周器7は、基準クロック発生器6からの基準クロックをCPU2からの分周制御信号に基づいて分周してPDL基準クロックとしてPLL部9に出力する。
【0017】
第2分周器8は、PLL部9の出力をCPU2からの分周制御信号に基づいて分周してPLL部9に出力し、CPU2は、同期検知制御部18からの同期検知信号の入力時点を基準タイミングとして分周制御信号を第2分周器8に出力する。
【0018】
PLL部9は、第1分周器7からのPLL基準クロックと第2分周器8からの信号の周波数と位相を比較して画素クロックを生成し、生成した画素クロックをLD制御部11に出力する。
【0019】
ポリゴンミラー制御部10は、CPU2の制御下で、ポリゴンミラー13の回転/停止及び回転数を制御する。
【0020】
LD制御部11は、CPU2からの画像データと駆動電圧に基づく制御信号とPLL9からの画素クロックに基づいてLD駆動信号をLD12に出力してLD12の点灯/消灯及び出力レベルを制御し、LD(レーザ素子)12は、LD制御部11からの駆動信号に基づく出力レベルで点灯/消灯してポリゴンミラー13にレーザ光を出射する。
【0021】
ポリゴンミラー13は、ポリゴンミラー制御部10によって所定の回転数で回転駆動され、LD12からのレーザ光を、主走査方向に偏向してfθレンズ14を通して感光体15上に照射させるとともに、同期検知折り返しミラー16に入射させる。
【0022】
同期検知折り返しミラー16は、入射されるレーザ光を同期検知部17に反射し、同期検知部17は、入射されるレーザ光を検知して同期検知信号を同期検知制御部18に出力する。
【0023】
そして、画像形成装置1は、LD12からレーザ光を感光体15に照射することで感光体15上に静電潜像を形成し、感光体15上の静電潜像をトナー(現像剤)で現像してトナー画像(現像剤像)を形成する。画像形成装置1は、この感光体15上のトナー画像を、所定の回転数で回転する中間転写ベルトに転写して、該中間転写ベルト上のトナー画像を用紙への転写位置に搬送して、転写位置で中間転写ベルト上のトナー画像を用紙に転写させる。画像形成装置1は、トナー画像の転写された用紙(被記録媒体)を定着部で、加熱しつつ加圧して、用紙上のトナー画像を定着させる。
【0024】
同期検知制御部18は、同期検知部17からの同期検知信号に波形整形処理を施して、CPU2に出力する。
【0025】
なお、上記ポリゴンミラー制御部10、LD制御部11、LD12、ポリゴンミラー13、fθレンズ14、感光体15、同期検知折り返しミラー16、同期検知部17、同期検知制御部18及び帯電制御部19は、全体として画像形成部(画像形成手段)30として機能している。
【0026】
感光体回転数検出部(感光体回転数検出手段)20は、感光体15の回転数を検出して、検出した感光体回転数をCPU2に出力し、中間転写ベルト回転数検出部(中間転写部材回転数検出手段)21は、上記中間転写ベルト(中間転写部材)の回転数を検出して、CPU2に出力する。
【0027】
機内温度検出部(温度検出手段)22は、画像形成装置1内の温度を検出して、検出温度をCPU2に出力する。
【0028】
そして、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像濃度調整方法を実行する画像濃度調整プログラムを読み込んで記憶部3に導入することで、後述する画像濃度調整シートを読み取る光センサ等を設けることなく、解像度の相違を考慮した画像濃度調整を安価にかつ適切に行う画像濃度調整方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像濃度調整プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0029】
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例の画像形成装置1は、解像度の相違を考慮して安価かつ適切に画像濃度調整を行う。
【0030】
すなわち、画像形成装置1は、図2に示すように、操作部4のキー操作または外部I/F5に接続されているホスト装置から濃度調整シートの印刷命令があると(ステップS101)、CPU2が、環境要因の状態として、機内温度検出部22から機内温度(画像形成装置1内の温度)を取得するとともに、感光体回転数検出部20から感光体15の回転数(感光体回転数)を取得する(ステップS102)。
【0031】
次に、CPU2は、取得した機内温度と感光体回転数及び記憶部3に記憶されている濃度調整用パターンを読み出してLD制御部11を制御して、用紙に濃度調整シート40(図3参照)として記録出力させる(ステップS103)。
【0032】
画像形成装置1は、この濃度調整シート40に、複数の解像度で複数の濃度の濃度調整用パターン及び環境要因の状態情報として機内温度と感光体回転数を印刷する。画像形成装置1は、解像度の違いによる濃度を調整するため、例えば、LD12の出力レベルを解像度毎に調整して、濃度の異なる濃度調整パターンを濃度調整シート40に記録出力する。このLD12の出力レベルの調整は、一般的に、LD制御部11の機能として提供されており、CPU2は、LD制御部11の入力端子電圧を調整することでLD12の出力レベルの調整を行う。また、濃度調整は、LD12の出力レベルを調整することで行なうだけでなく、帯電制御部19によって感光体15の帯電電圧を調整することによっても行なうことができ、LD12の出力レベルの調整と感光体15の帯電電圧の調整を組み合わせて行なってもよい。
【0033】
そして、画像形成装置1は、濃度調整シート40として、例えば、図3に示すように、2種類の解像度(600dpi/1200dpi)と4種類の濃度(25%、50%、75%、100%)の濃度調整用パターン(パッチ)を複数印刷出力する。画像形成装置1は、この濃度調整シート40の印刷出力において、例えば、上述のように、LD制御部11によってLD12の出力レベルの組み合わせを変えて複数の濃度調整用パターンを印刷するが、このLD12の出力レベルの組み合わせにより、同じ濃度であっても解像度によって濃度差の異なる濃度調整用パターンを印刷出力する。
【0034】
ユーザは、印刷出力した濃度調整シート40を見て、該濃度調整シート40の濃度調整用パターンから最適な濃度の濃度調整パターンを選択して、該選択した濃度調整パターン及び濃度調整シート40に記録出力されている機内温度情報と感光体回転数を操作部4から入力する。
【0035】
CPU2は、濃度調整パターン及び濃度調整シート40に記録出力されている機内温度情報と感光体回転数が入力されると、該濃度調整パターン、機内温度情報及び感光体回転数を取得する(ステップS104)。CPU2は、取得した該濃度調整パターン、機内温度情報及び感光体回転数から近似計算を実施して、温度変化に対するLDレベルの予測と感光体回転数に対するLDレベルを予測し(ステップS105)、入力された情報(濃度調整パターン、機内温度情報及び感光体回転数)と予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶部3に記憶する(ステップS105)。例えば、図4に示すように、ユーザが4種類の感光体回転数とLDレベル(図3のN−1、N、N+1等で示すLDレベル)を選択(図4では、感光体回転数として、0、300、700、950が、LDレベルとして、1200、1220、1230、1250が、選択)されると、これらの選択されたデータを、例えば、図5に示すように線形予測して、感光体回転数(回転)とLDレベル(mV)との関係式を求めて、濃度調整パターンと感光体回転数の入力情報及び予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶部3に記憶する。図5の場合、y=0.0484x+1201.4という関係式が得られる。
【0036】
また、例えば、図6に示すように、ユーザが4種類の機内温度とLDレベルを選択(図6では、機内温度(℃)として、25、36、10、48が、LDレベル(mV)として、1200、1240、1170、1280が、選択)すると、これらの選択されたデータを、例えば、図7に示すように線形予測して、機内温度(℃)とLDレベル(mV)との関係式を求めて、濃度調整パターンと機内温度情報の入力情報及び予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶部3に記憶する。図7の場合、y=2.9341x+1135.2という関係式が得られる。
【0037】
なお、上記説明では、直線近似によって関係式を求めたが、その他の近似方法、例えば、曲線近似方法で関係式を求めてもよい。
【0038】
また、濃度調整パターン、機内温度情報及び感光体回転数は、画像形成装置1に接続されているホスト装置等から送信して入力してもよい。また、機内温度情報及び感光体回転数は、図3に示すような文字情報として記録出力するものに限らず、例えば、バーコード化して記録出力してもよい。
【0039】
そして、画像形成装置1は、上記環境要因−画像出力レベルデータが記憶部3に記憶されている状態で、図8に示すように、印刷要求があると(ステップS201)、CPU2が、現在の機内温度を機内温度検出部22から取得するとともに、感光体回転数を感光体回転数検出部20から取得し(ステップS202)、取得した機内温度と感光体回転数に基づいて、記憶部3の環境要因−画像出力レベルデータ(予測結果)からLD12のLDレベルを決定する(ステップS203)。
【0040】
CPU2は、LD12のLDレベルを決定すると、決定したLDレベルでLD制御部11の入力端子電圧を調整する方法等でLD12の出力レベルを調整して、印刷を実行させる(ステップS204)。すなわち、例えば、印刷時の感光体回転数が、1600であった場合、図5から分かるように、CPU2は、LD12のLDレベルを、1278.84mVと決定し、LD制御部11の入力端子電圧を調整することで、濃度調整を行う。また、例えば、印刷時の機内温度が、40℃であった場合、図7から分かるように、CPU2は、LD12のLDレベルを、1252.564mVと決定し、LD制御部11の入力端子電圧を調整することで、濃度調整を行う。
【0041】
そして、CPU2は、上記説明では、感光体回転数に基づくLDレベル調整と機内温度に基づくLDレベル調整を個別に制御しているが、個別に制御する調整方法に限るものではなく、相関関係を求めて、複数の要因で濃度調整を実施してもよい。
【0042】
なお、上記説明では、感光体回転数を用いているが、中間転写ベルト回転数検出部21の検出する中間転写ベルトの回転数(中間転写ベルト回転数)を、用いてもよいし、感光体回転数と中間転写ベルト回転数の双方を用いてもよい。
【0043】
このように、本実施例の画像形成装置1は、LDレベル、帯電電位等の画像出力レベルと機内温度、感光体回転数等の環境要因に応じた濃度の画像を用紙(被記録媒体)に形成する画像形成部(画像形成手段)30と、画像形成部30による画像形成に影響する所定数の前記環境要因の状態を検出する感光体回転数検出部20、中間転写ベルト回転数検出部21、機内温度検出部22等の環境要因検出手段と、画像形成部30の複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の所定濃度パターン及び該環境要因検出手段の検出した環境要因の状態情報を用紙に濃度調整シート40として該画像形成部30に出力させるCPU(濃度調整シート出力手段)2と、該濃度調整シート40の適宜の画像濃度に対応する複数の画像出力レベルと環境要因状態情報を入力する操作部4等の入力手段と、操作部4等の入力手段から入力された複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測するCPU(画像出力レベル予測手段)2と、CPU2の予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶する記憶部(記憶手段)3と、画像形成部30による画像形成時に、前記環境要因検出手段の検出した環境要因状態に基づいて前記環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、該画像出力レベルで画像形成部30に画像形成出力させるCPU(出力制御手段)2と、を備えている。
【0044】
したがって、画像出力レベルと環境要因によって変化する濃度を、ユーザの選択に応じて、環境要因や経時変化に対してユーザの意図する階調度の濃度に調整することができ、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【0045】
また、本実施例の画像形成装置1は、LDレベル、帯電電位等の画像出力レベルと機内温度、感光体回転数等の環境要因に応じた濃度の画像を用紙に形成する画像形成処理ステップと、該画像形成処理ステップでの画像形成に影響する所定数の前記環境要因の状態を検出する環境要因検出処理ステップと、該画像形成処理ステップにおいて複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の所定濃度パターン及び該環境要因検出処理ステップで検出された環境要因の状態情報を用紙に濃度調整シート40として該画像形成処理ステップで出力させる濃度調整シート出力処理ステップと、該濃度調整シート40の適宜の前記画像濃度に対応する複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報が操作部4等の入力手段から入力される入力処理ステップと、該入力処理ステップで入力された複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測する画像出力レベル予測処理ステップと、該画像出力レベル予測処理ステップでの予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶部3に記憶する記憶処理ステップと、該画像形成処理ステップでの画像形成時に、該環境要因検出処理ステップで検出された環境要因状態に基づいて前記環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、該画像出力レベルで、該画像形成処理ステップで画像形成出力させる出力制御処理ステップと、を有する画像形成方法を実行する。
【0046】
したがって、画像出力レベルと環境要因によって変化する濃度を、ユーザの選択に応じて、環境要因や経時変化に対してユーザの意図する階調度の濃度に調整することができ、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【0047】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、コンピュータに、LDレベル、帯電電位等の画像出力レベルと機内温度、感光体回転数等の環境要因に応じた濃度の画像を用紙に形成する画像形成処理と、該画像形成処理での画像形成に影響する所定数の前記環境要因の状態を検出する環境要因検出処理と、該画像形成処理において複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の所定濃度パターン及び該環境要因検出処理で検出された環境要因の状態情報を用紙に濃度調整シート40として該画像形成処理で出力させる濃度調整シート出力処理と、該濃度調整シート40の適宜の前記画像濃度に対応する複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報が操作部4の入力手段から入力される入力処理と、該入力処理で入力された複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測する画像出力レベル予測処理と、該画像出力レベル予測処理での予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶部3に記憶する記憶処理と、該画像形成処理での画像形成時に、該環境要因検出処理で検出された環境要因状態に基づいて前記環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、該画像出力レベルで該画像形成処理で画像形成出力させる出力制御処理と、を実行させる画像形成プログラムを搭載している。
【0048】
したがって、画像出力レベルと環境要因によって変化する濃度を、ユーザの選択に応じて、環境要因や経時変化に対してユーザの意図する階調度の濃度に調整することができ、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【0049】
また、本実施例の画像形成装置1は、環境要因検出手段が、少なくとも画像形成部30付近の温度を、前記環境要因として検出する機内温度検出部(温度検出手段)22である。
【0050】
したがって、温度に起因する濃度変化を適切かつ安価に調整することができ、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【0051】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、画像形成部30が、回転駆動される感光体15を用いて電子写真方式で画像を形成し、前記環境要因検出手段が、少なくとも感光体15の回転数を、前記環境要因として検出する感光体回転数検出部(感光体回転数検出手段)20である。
【0052】
したがって、感光体15の回転数に起因する濃度変化を適切かつ安価に調整することができ、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【0053】
また、本実施例の画像形成装置1は、画像形成部30が、電子写真方式で回転駆動される感光体15上に形成されたトナー画像(現像剤像)を、回転駆動される中間転写ベルト(中間転写部材)を介して用紙に転写して画像を形成し、前記環境要因検出手段が、少なくとも該中間転写ベルトの回転数を、前記環境要因として検出する中間転写ベルト回転数検出部(中間転写部材回転数検出手段)21である。
【0054】
したがって、中間転写ベルトの回転数に起因する濃度変化を適切かつ安価に調整することができ、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【0055】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、画像形成部30が、LD(レーザ素子)12の出力レベルに応じた帯電電位の静電潜像を感光体15に形成して、該静電潜像をトナー(現像剤)で現像したトナー画像(現像剤像)を、用紙に転写して画像を形成し、CPU(出力制御手段)2が、前記画像出力レベルとして、画像形成部30のLD12の出力レベルと帯電電位のうち少なくとも1つを決定している。
【0056】
したがって、画像形成時に、LD12の出力レベルと感光体15の帯電電位のうち少なくとも一方を調整することで、濃度変化を適切かつ安価に調整することができ、安価にかつ解像度に応じた濃度調整を行うことができる。
【0057】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0058】
1 画像形成装置
2 CPU
3 記憶部
4 操作部
5 外部I/F
6 基準クロック発生部
7 第1分周器
8 第2分周器
9 PLL部
10 ポリゴンミラー制御部
11 LD制御部
12 LD
13 ポリゴンミラー
14 fθレンズ
15 感光体
16 同期検知折り返しミラー
17 同期検知部
18 同期検知制御部
19 帯電制御部
20 感光体回転数検出部
21 中間転写ベルト回転数検出部
22 機内温度検出部
30 画像形成部
40 濃度調整シート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2002−142116号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力レベルと環境要因に応じた濃度の画像を被記録媒体に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段による画像形成に影響する所定数の前記環境要因の状態を検出する環境要因検出手段と、
前記画像形成手段の複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の所定濃度パターン及び前記環境要因検出手段の検出した環境要因の状態情報を前記被記録媒体に濃度調整シートとして該画像形成手段に出力させる濃度調整シート出力手段と、
前記濃度調整シートの適宜の前記画像濃度に対応する複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測する画像出力レベル予測手段と、
前記画像出力レベル予測手段の予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶する記憶手段と、
前記画像形成手段による画像形成時に、前記環境要因検出手段の検出した環境要因状態に基づいて前記環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、該画像出力レベルで該画像形成手段に画像形成出力させる出力制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、
前記環境要因検出手段が、少なくとも前記画像形成手段付近の温度を、前記環境要因として検出する温度検出手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、
回転駆動される感光体を用いて電子写真方式で画像を形成し、
前記環境要因検出手段は、
少なくとも前記感光体の回転数を、前記環境要因として検出する感光体回転数検出手段であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段は、
電子写真方式で回転駆動される感光体上に形成された現像剤像を、回転駆動される中間転写部材を介して前記被記録媒体に転写して画像を形成し、
前記環境要因検出手段は、
少なくとも前記中間転写部材の回転数を、前記環境要因として検出する中間転写部材回転数検出手段であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段は、
レーザ素子の出力レベルに応じた帯電電位の静電潜像を感光体に形成して、該静電潜像を現像剤で現像した現像剤像を、被記録媒体に転写して画像を形成し、
前記出力制御手段は、
前記画像出力レベルとして、前記画像形成手段の前記レーザ素子の出力レベルと前記帯電電位のうち少なくとも1つを決定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像出力レベルと環境要因に応じた濃度の画像を被記録媒体に形成する画像形成処理ステップと、
前記画像形成処理ステップでの画像形成に影響する所定数の前記環境要因の状態を検出する環境要因検出処理ステップと、
前記画像形成処理ステップにおいて複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の所定濃度パターン及び前記環境要因検出処理ステップで検出された環境要因の状態情報を前記被記録媒体に濃度調整シートとして該画像形成処理ステップで出力させる濃度調整シート出力処理ステップと、
前記濃度調整シートの適宜の前記画像濃度に対応する複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報が入力手段から入力される入力処理ステップと、
前記入力処理ステップで入力された複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測する画像出力レベル予測処理ステップと、
前記画像出力レベル予測処理ステップでの予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶手段に記憶する記憶処理ステップと、
前記画像形成処理ステップでの画像形成時に、前記環境要因検出処理ステップで検出された環境要因状態に基づいて前記環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、該画像出力レベルで該画像形成処理ステップで画像形成出力させる出力制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像濃度調整方法。
【請求項7】
コンピュータに、
画像出力レベルと環境要因に応じた濃度の画像を被記録媒体に形成する画像形成処理と、
前記画像形成処理での画像形成に影響する所定数の前記環境要因の状態を検出する環境要因検出処理と、
前記画像形成処理において複数の画像出力レベルで複数の画像濃度の所定濃度パターン及び前記環境要因検出処理で検出された環境要因の状態情報を前記被記録媒体に濃度調整シートとして出力させる濃度調整シート出力処理と、
前記濃度調整シートの前記画像濃度に対応する適宜の複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報が入力手段から入力される入力処理と、
前記入力処理で入力された複数の前記画像出力レベルと前記環境要因状態情報に基づいて任意の環境要因状態における画像出力レベルを予測する画像出力レベル予測処理と、
前記画像出力レベル予測処理での予測結果を環境要因−画像出力レベルデータとして記憶手段に記憶する記憶処理と、
前記画像形成処理での画像形成時に、前記環境要因検出処理で検出された環境要因状態に基づいて前記環境要因−画像出力レベルデータを参照して画像出力レベルを決定して、該画像出力レベルで該画像形成処理で画像形成出力させる出力制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像濃度調整プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−114206(P2013−114206A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262547(P2011−262547)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】