説明

画像形成装置、異常部品特定方法及び異常部品特定プログラム

【課題】本体や部品を分解することなく、再生使用可否を正確に判定することを課題とする。
【解決手段】画像形成装置10は、自装置の動作の特性を表す特性値を検出し、検出された特性値を用いて、自装置に異常があるか判定する。具体的には、判定部22は、検出部21によって検出された特性値と、初期状態の特性値とを比較し、その差分が予め設定された閾値を越えているか判定し、差分が閾値を超えた場合には、自装置に異常があると判定する。そして、画像形成装置10は、自装置に異常があると判定された場合には、該異常の原因となる部品の候補を推定する。そして、画像形成装置10は、推定された部品の候補の動作の特性を表す特性値を用いて、部品の候補のうち、異常のある部品を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、異常部品特定方法及び異常部品特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理装置等の再生工程において、再使用可能な部品を選別し、使用可能と判断した部品は再利用される。再利用可能か否かは部品の寿命である使用期間や使用回数から判断される。これら部品の使用可否はそれぞれ再生工程における専用の治具などで分解診断し判定している事は、既に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、再生可否判断は本体やユニットから部品を取り外し、使用可否の判断を行うので、本体や部品を分解する必要があった。また、画像形成装置本体の生産年数や、本体使用回数(コピー枚数)からユニットや部品の使用可否の判断を行うので、実際には使用可能なユニットや部品が再生品として使用されない事があり、再生使用可否を正確に判定できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、本体や部品を分解することなく、再生使用可否を正確に判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、自装置の動作の特性を表す特性値を検出する検出部と、前記検出部によって検出された特性値を用いて、自装置に異常があるか判定する判定部と、前記判定部によって自装置に異常があると判定された場合には、該異常の原因となる部品の候補を推定する推定部と、前記推定部によって推定された部品の候補の動作の特性を表す特性値を用いて、前記部品の候補のうち、異常のある部品を特定する特定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、本体や部品を分解することなく、再生使用可否を正確に判定するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施形態の画像形成システムの概略的な構成について説明する図である。
【図3】図3は、サーバ装置のハードウェア構成について説明する図である。
【図4】図4は、サーバ装置が有する機能を示すブロック図である。
【図5】図5は、画像形成装置が有する機能を示すブロック図である。
【図6】図6は、現在の時間と初期状態の時間とを比較し、その差分が閾値を越えている場合には、異常があるものと判定する処理を説明する図である。
【図7】図7は、他のデータを追加し原因を特定する処理のイメージ図である。
【図8】図8は、異常のある部品を特定する処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置、異常部品特定方法及び異常部品特定プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、実施形態の画像形成装置10の構成例を示す図である。画像形成装置10は、図1に示すように、プロッタ装置U1、シート格納装置U2〜U3、シート後処理装置U4〜U6の各ユニットで構成されている。
【0010】
プロッタ装置U1は、例えば電子写真式記録装置やインクジェット式記録装置で構成され、画像情報を用紙へ印刷する。さらに、印刷された用紙をシート後処理装置に搬送する。
【0011】
シート格納装置U2〜U3は、画像を転写するための用紙を格納する装置である。U2のように、プロッタ装置U1の下側に接続される比較的小容量の格納装置や、U3のように、プロッタ装置U1と並んで接続される大容量の格納装置がある。これらの格納装置は、異なるサイズの用紙を格納した複数の給紙段(各給紙段にはそれぞれ同一サイズの用紙が格納される)を備えており、プロッタ装置U1へ用紙を搬送する。
【0012】
シート後処理装置U4〜U6は、プロッタ装置U1から排出された用紙に対して後処理を施す装置で、複数のシート後処理装置を接続することができる。U4は、例えば製本用の表紙や合紙を挿入するための挿入装置、U5は、例えばパンチ処理をするためのパンチ装置、製本するために用紙を折るための折り装置、U6は、例えば用紙に対してステープル処理をするためのステープル装置、テープ製本やリング製本、シュア製本をするための製本装置、製本された用紙を最終的なサイズに断裁するための断裁装置を表す。
【0013】
また、ステープラー処理用のステープル、無線綴じ製本のための接着剤、テープ製本のためのテープ、リング製本のためのリング、シュア製本のためのバインドストリップ等の各消耗品を格納する消耗品格納ユニット(図示しない)を備えている。
【0014】
また、ステープラー処理では、印刷物の綴じ枚数によってステープルをカットする際にステープル切り屑が発生し、パンチ処理では、印刷用紙にパンチ穴を開ける際にパンチ屑が発生し、製本処理では、三方仕上げ裁ちや無線綴じのミーリング処理の際に断裁屑が発生し、これらステープル切り屑、パンチ屑、断裁屑のような残滓を格納するための残滓回収ユニット(図示しない)も備えている。
【0015】
なお、単体の画像形成装置としての機能を成すため、セットされた原稿を読み取り位置に搬送する読み取り給紙装置、原稿の画像情報を読み取るスキャナ装置、テンキー、スタートキー、ファンクションキー、ワンタッチキー等の各種操作キーを備えた操作パネル及び液晶ディスプレイ等で構成される操作部を備えていてもよい。
【0016】
図2は、実施形態の画像形成システム100の概略的な構成について説明する図である。図2に示すように、この画像形成システム100は、操作者の指示に基づいて画像形成ジョブを送出する端末装置T1、T2と、画像形成ジョブに基づいて画像形成を実行する複数の画像形成装置P1〜P3とをネットワークを介して接続している。このネットワークに、画像形成装置P1〜P3の消耗品及び残滓の状況を管理し、画像形成装置P1〜P3に画像形成ジョブを割り当てるサーバ装置S1をさらに接続している。
【0017】
各端末装置T1、T2は、PC(パーソナルコンピュータ)やワークステーション等の情報処理装置である。各画像形成装置P1〜P3は、端末装置T1、T2からの画像形成ジョブに基づく画像形成及び後処理機能を有する装置である。例えば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等のプリント機能のみを有する画像形成装置に限らず、プリント機能の他にコピー機能等の他の機能も有するデジタル複写機、デジタル複合機等であってもよい。
【0018】
端末装置T1,T2から画像形成の指示(画像形成ジョブ)がネットワークNを介してサーバ装置S1へ送信されると、サーバ装置S1は、ジョブの情報と、管理している各画像形成装置P1〜P3の消耗品及び残滓の状況に基づいて、画像形成を行う画像形成装置を選定する。
【0019】
サーバ装置S1が管理する消耗品としては、例えば、画像を転写するための用紙、画像を形成するためのトナーやインク、ステープラー処理用のステープル、無線綴じ製本のための接着剤、テープ製本のためのテープ、リング製本のためのリング、シュア製本のためのバインドストリップといった定期的に補充や交換が必要なものである。また、サーバ装置S1が管理する残滓としては、例えば、パンチ処理により生成されるパンチ屑、断裁処理により生成される断裁屑、ステープラー処理により生成されるステープルの切り屑といった定期的に満杯処理が必要なものである。なお、図2のネットワークはバス型を例としているが、ネットワーク形態はこの形式に限らず、スター型やリング型であってもよい。
【0020】
図3は、サーバ装置S1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置S1は、ネットワークI/F(インタフェース)1、CPU2、ROM3、RAM4、表示装置5、ハードディスク6、入力装置7、及び記録媒体ドライブ8を備えている。
【0021】
ネットワークI/F1は、端末装置T1,T2及び画像形成装置P1〜P3とネットワークN経由で通信するための通信手段である。CPU2は、このサーバ装置S1全体を管理及び制御する中央処理装置である。ROM3は、CPU2が実行する固定プログラムや固定データを格納している読み出し専用の記憶手段である。
【0022】
RAM4は、CPU2が実行するプログラムを展開し、各種の処理の際の作業領域として使用する読み書き可能な記憶手段である。表示装置5は、各種のデータや作業画面等を表示するCRTディスプレイ、LCDディスプレイ等の表示手段である。ハードディスク6は、本実施形態に係るプログラムやデータを記憶する大容量記憶手段である。
【0023】
入力装置7は、利用者が各種の操作情報を入力するための入力手段であり、キーボードやマウス等のポインティングデバイスも使用することができる。記録媒体ドライブ8は、記録媒体9に対する記録又は再生を行う記録再生手段である。
【0024】
記録媒体9は、記録媒体ドライブ8に対して脱着可能なMO、CD−R、CD−RW、DVD−RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、本実施形態に係る画像形成ジョブ管理を実行するプログラム(ソフトウェア)が記録される。
【0025】
このように構成されたサーバ装置S1において、CPU2は、操作者による入力装置7の操作により、記録媒体ドライブ8を介して記録媒体9から本実施形態に係るプログラムを読み出し、ハードディスク6にインストールすることができる。また、このプログラムを、図示しない外部装置からネットワークNを介してダウンロードするように構成することもできる。
【0026】
図4は、サーバ装置S1の機能ブロック図である。サーバ装置S1は、システム制御部11、ジョブ受け付け部12、ジョブ判断部13、装置情報取得部14、情報通知部15、情報記憶部16を備えている。情報記憶部16は、ジョブ情報記憶部17、装置情報記憶部18、及びジョブ判断結果記憶部19を含んでいる。これらの機能ブロックは、図2に示したハードウェアと、図2を参照しながら説明したプログラムとにより実現される。
【0027】
システム制御部11は、各部を制御して画像形成装置の情報管理、ジョブの判断を行う。ジョブ受け付け部12は、ネットワークNを経由して端末装置T1、T2から送られてくる画像形成のジョブを受け付ける。ジョブ受け付け部12で受け付けたジョブの情報は、一旦、ジョブ情報記憶部17に記憶される。このジョブ情報には、出力サイズや部数、ステープルやパンチ等の仕上げ処理(後処理)に関するパラメータやジョブを送信した端末装置の情報が含まれている。
【0028】
装置情報取得部14は、サーバ装置S1が管理している各画像形成装置T1、T2から消耗品及び残滓の情報を取得してくる。各画像形成装置T1,T2の消耗品及び残滓の状況に変化があるたびに取得する。取得した情報は、装置情報記憶部18に記憶される。
【0029】
ジョブ判断部13は、ジョブ情報記憶部17に記憶されているジョブの情報を解析し、ジョブの情報に含まれる画像形成に関するパラメータと、装置情報記憶部18に記憶されている各画像形成装置の消耗品及び残滓の情報を参照し、ジョブが実行可能な画像形成装置を判断する。判断した結果は、ジョブ判断結果記憶部19に記憶される。
【0030】
情報通知部15は、ジョブを送信してきた端末装置にジョブ判断結果記憶部19に記憶されているジョブの判断結果を通知する。また、画像形成装置が選定されると、選定された画像形成装置にジョブ情報記憶部17に記憶されているジョブの情報を通知してジョブを実行させる。さらに、情報通知部15は、ジョブを送信してきた端末装置に選定した画像形成装置の情報を通知する。
【0031】
図5は、画像形成装置10が有する機能を示すブロック図である。画像形成装置10は、検出部21、判定部22、推定部23、特定部24、予測部25、報知部26、記憶部27を含んでいる。
【0032】
記憶部27は、初期状態(例えば、工場から出荷された直後のほぼ新品状態)における動作の特性を表す特性値を予め記憶している。また、記憶部27は、異常を検出する条件である「異常検出条件」と、異常検出条件から想定される異常の原因である「想定される異常原因」とを予め対応付けて記憶している。
【0033】
検出部21は、自装置の動作の特性を表す特性値を検出する。具体的には、検出部21は、画像形成装置10に搭載された複数のセンサ等であり、画像を形成するごとに、各部品が動作する動作タイミング(時間)や、各種パラメータを検出する。例えば、検出部21は、自装置の動作の特性を表す特性値として、主走査倍率検知時のLD点灯後に後端ビーム検知が出力されるタイミング(時間)を検出したり、白レベルピーク値を検出したりする。また、検出部21は、検出したデータを記憶部27に記憶させる。
【0034】
判定部22は、検出部21によって検出された特性値を用いて、自装置に異常があるか判定する。具体的には、判定部22は、検出部21によって検出された特性値と、初期状態の特性値とを比較し、その差分が予め設定された閾値を越えているか判定し、差分が閾値を超えた場合には、自装置に異常があると判定する。つまり、ここでは、新品時の部品特性と現在の部品特性とを比較することで、部品の劣化度合いや残寿命回数、残寿命期間を正確に判断することができる。なお、このような閾値は、サービスマン等が任意に変更することができ、部品ごとの故障検知特性の制度を向上させ、部品交換寿命の適正化を図ることができる。また、判定部22は、既存の故障検知(SC=System Call)機能を使い、自装置に異常があるか判定してもよい。
【0035】
ここで、検出部21によって検出される特性値について図6を用いて説明する。図6は、現在の時間と初期状態の時間とを比較し、その差分が閾値を越えている場合には、異常があるものと判定する処理を説明する図である。図6の例では、特性値が下がるごとに、診断領域が、正常に稼動していることを示す非SC領域(正常稼動領域)、異常か否か判断されるSC判断領域、異常があることが確定するSC確定領域の順に移行するイメージを示している。例えば、図6に例示するように、特性値は、時間が経つごとに、また、処理回数を重ねるごとに、部品が劣化して値が下がっていく。そして、ある特性値が基準値を下回った場合には、その特性値について非SC領域(正常稼動領域)からSC判断領域に移行するものとする。そして、判定部22は、SC判断領域に移行した後も、特性値が基準値を下回った場合には、SC確定領域に移行し、その特性値に関する部品には、異常があるものと判定する。
【0036】
具体例を挙げると、例えば、判定部22は、異常検出条件として、現在の白レベルピーク値と初期状態の白レベルピーク値とを比較し、その差分が閾値を越えている場合には、異常があるものと判定する。また、例えば、判定部22は、主走査倍率検知時にLD点灯後、何秒で後端ビーム検知が出力されるかについて、現在の時間と初期状態の時間とを比較し、その差分が閾値を越えている場合には、異常があるものと判定する。
【0037】
なお、初期状態の特性値の代わりに、制御動作理論値や故障判断基準値と、検出部21によって検出された特性値とを比較し、その差分が予め設定された閾値を越えているか判定するようにしてもよい。
【0038】
推定部23は、判定部22によって自装置に異常があると判定された場合には、該異常の原因となる部品の候補を推定する。具体的には、推定部23は、判定部22に異常があると判定された場合には、異常検出条件に対応する異常のある部品候補(想定される異常原因)を記憶部27から取得する。
【0039】
例えば、推定部23は、主走査倍率検知時にLD点灯後、T秒連続しても後端ビーム検知が出力されないという異常検出条件を満たした場合には、この異常検出条件に対応する想定される異常原因として、「後端同期検知版異常」、「同期検知板とのI/Fハーネスの断線・接触不良」、「ビームがフォトディテクタに入射しない」、「GADV異常、LDドライバ異常、LDB・IPU異常」を記憶部27から取得する。
【0040】
また、例えば、推定部23は、現在の白レベルピーク値と初期状態の白レベルピーク値とを比較し、その差分が閾値を越えているという異常検出条件を満たした場合には、この異常検出条件に対応する想定される異常原因として、「ランプ異常」、「ランプ暗黒始動異常」、「ランプインバータ(高周波安定器)異常」、「高圧線リーク」、「電源、信号ハーネス異常」を記憶部27から取得する。
【0041】
特定部24は、推定部23によって推定された部品の候補の動作の特性を表す特性値を用いて、部品の候補のうち、異常のある部品を特定する。具体的には、特定部24は、図7に示すように、異常のある部品の候補(想定される異常原因)を推定し、部品の候補と関連するセンシングデータなどの特性値(図7では、他のデータと記載)を追加して、異常のある部品(異常原因)を絞り込んで特定する。図7は、他のデータを追加し原因を特定する処理のイメージ図である。
【0042】
ここで、図8を用いて、異常のある部品を特定する処理について説明する。図8は、異常のある部品を特定する処理を説明する図である。図8の例では、主走査倍率検知時にLD点灯後、T秒連続しても後端ビーム検知が出力されないという異常検出条件を満たした場合(診断データSC210の場合)の例について例示されている。例えば、特定部24は、想定される異常原因が、「後端同期検知版異常」、「同期検知板とのI/Fハーネスの断線・接触不良」、「ビームがフォトディテクタに入射しない」、「GADV異常、LDドライバ異常、LDB・IPU異常」である場合には、先端同期検知板センシングデータやM色センシングデータを用いて、部品の候補のうち、異常のある部品を特定する。
【0043】
ここで、まず、特定部24は、T秒連続しても後端ビーム検知が出力されないという異常検出条件を満たした場合(診断データSC210の場合)には、同期検知板(後端)、LDユニット(K)が故障部品の候補として挙げられる。そして、特定部24は、同期検知版(先端)センシングデータを用いて、異常原因を絞込み、LDに異常がなければ、同期検知板に異常があると特定する。
【0044】
また、特定部24は、同期検知版(先端)センシングデータと、さらにM色センシングデータとを利用し、同期検知板に異常がないと判定された場合には、LDに異常があると特定する。このように、画像形成装置10では、各部品の故障が発生した場合でも故障部品の特定や、故障の原因追究を容易に行うことができる。
【0045】
予測部25は、特定部によって特定された異常のある部品の動作の特性を表す特性値の変化特性から、該部品が故障に至るまでの使用時間または処理回数を予測する。例えば、予測部25は、動作制御時間の変化特性(使用頻度と制御時間の関係)と部品の故障とする制御時間の比較から、故障にいたるまでの使用時間やコピー枚数を予測する。
【0046】
報知部26は、予測部25によって予測された使用時間または処理時間に達した部品がある場合には、該部品が故障する可能性がある旨を報知する。例えば、報知部26は、ユニットや部品の寿命が設定枚数や時間に達した時にユーザーインターフェースに部品が故障する可能性があるメッセージ等を表示する事で、ユーザーへ交換時期等を報知する。
【0047】
なお、画像形成装置10は、ユニットや部品の寿命が設定枚数や時間に達した時にシステム管理者の端末へメール等で通知するようにしてもよい。また、画像形成装置10は、機械毎のユニット制御にかかる時間をサーバ装置S1へ通知する事で、部品やユニット劣化特性、例えば季節による変化などの情報を集積する。これにより、機械ごとの使用機能による部品の寿命ばらつきを把握することができ、寿命予測の精度をさらに向上させることができる。
【0048】
このように、画像形成装置10は、自装置の動作の特性を表す特性値を検出し、検出された特性値を用いて、自装置に異常があるか判定し、自装置に異常があると判定された場合には、該異常の原因となる部品の候補を推定する。そして、画像形成装置10は、推定された部品の候補の動作の特性を表す特性値を用いて、部品の候補のうち、異常のある部品を特定する。このため、本体や部品を分解せずに異常のある部品を特定することができ、本体や部品を分解することなく、部品の再生使用可否を正確に判定することができるという効果を奏する。
【0049】
また、画像形成装置10は、初期状態における各部品の動作の特性を表す特性値を記憶部27に記憶する。そして、画像形成装置10は、検出された特性値と、記憶部27に記憶された特性値とを比較し、両者の差分が所定の閾値を超えているか判定する。このため、部品の再生使用可否をより正確に判定することができるという効果を奏する。
【0050】
また、画像形成装置10は、特定された異常のある部品の動作の特性を表す特性値の変化から、該部品が故障に至るまでの使用時間または処理回数を予測する。このため、故障予測ができる結果、予め故障部品の手配や交換を行って画像形成装置10のダウンタイムを低減するという効果を奏する。
【0051】
また、画像形成装置10は、予測された使用時間または処理時間に達した部品がある場合には、該部品が故障する可能性がある旨を報知する。このため、画像形成装置10は、各部品の故障が発生する前に故障を報知することができるという効果を奏する。
【0052】
なお、本実施の形態の画像形成装置10で実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込まれて提供される。また、本実施の形態の画像形成装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0053】
更に、本実施の形態の画像形成装置10で実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置10で実行される画像表時プログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0054】
本実施の形態の画像形成装置10で実行されるプログラムは、上述した各部(例えば、検出部21、判定部22、推定部23、特定部24、予測部25、報知部26)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像処理プログラムを読み出して実行することで、上記各部が主記憶装置上にロードされ、検出部21、判定部22、推定部23、特定部24、予測部25、報知部26が主記憶装置上に生成される。
【符号の説明】
【0055】
10、P1〜P3 画像形成装置
S1 サーバ装置
T1、T2 端末装置
1 ネットワークI/F
2 CPU
3 ROM
4 RAM
5 表示装置
6 ハードディスク
7 入力装置
8 記録媒体ドライブ
9 記録媒体
11 システム制御部
12 ジョブ受け付け部
13 ジョブ判断部
14 装置情報取得部
15 情報通知部
16 情報記憶部
17 ジョブ情報記憶部
18 装置情報記憶部
19 ジョブ判断結果記憶部
21 検出部
22 判定部
23 推定部
24 特定部
25 予測部
26 報知部
27 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2007−155758号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の動作の特性を表す特性値を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された特性値を用いて、自装置に異常があるか判定する判定部と、
前記判定部によって自装置に異常があると判定された場合には、該異常の原因となる部品の候補を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された部品の候補の動作の特性を表す特性値を用いて、前記部品の候補のうち、異常のある部品を特定する特定部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
初期状態における各部品の動作の特性を表す特性値を記憶する記憶部をさらに備え、
前記判定部は、前記検出部によって検出された特性値と、前記記憶部に記憶された特性値とを比較し、両者の差分が所定の閾値を超えているか判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記特定部によって特定された異常のある部品の動作の特性を表す特性値の変化から、該部品が故障に至るまでの使用時間または処理回数を予測する予測部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記予測部によって予測された使用時間または処理時間に達した部品がある場合には、該部品が故障する可能性がある旨を報知する報知部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
自装置の動作の特性を表す特性値を検出する検出工程と、
前記検出工程によって検出された特性値を用いて、自装置に異常があるか判定する判定工程と、
前記判定工程によって自装置に異常があると判定された場合には、該異常の原因となる部品の候補を推定する推定工程と、
前記推定工程によって推定された部品の候補の動作の特性を表す特性値を用いて、前記部品の候補のうち、異常のある部品を特定する特定工程と
を含むことを特徴とする異常部品特定方法。
【請求項6】
自装置の動作の特性を表す特性値を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによって検出された特性値を用いて、自装置に異常があるか判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって自装置に異常があると判定された場合には、該異常の原因となる部品の候補を推定する推定ステップと、
前記推定ステップによって推定された部品の候補の動作の特性を表す特性値を用いて、前記部品の候補のうち、異常のある部品を特定する特定ステップと
をコンピュータに実行させるための異常部品特定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−63598(P2013−63598A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203769(P2011−203769)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】