説明

画像形成装置、管理システム、その方法及びプログラム

【課題】 ジョブの処理する画像形成装置上で作業者が行った各種作業の内容や工数などを、当該ジョブに適切に対応付けて管理する。
【解決手段】 画像形成装置は、実行されるジョブとジョブ処理実行に操作者により実行されるスキャン処理、用紙登録、用紙補給の作業内容、作業時間及び作業者の情報などをデータベースへ関連付けて保持する。さらに、画像形成装置は、データベースに保持している用紙情報の登録作業に関する工数などの情報をサーバへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムでの印刷処理にかかる作業工数などを一元管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成システムでは、印刷ワークフロー環境のデジタル化に伴い、ジョブ生成アプリ、ジョブ管理サーバ、電子写真方式のプリンタおよびインクジェットなどを組み合わせたPOD(Print On Demand)環境が整備されている。PODでは、小ロットで多品種のジョブを短納期で納品することが求められる。なお、ワークフロー処理を行う画像形成システムが特許文献1に記載されている。
【0003】
また、POD印刷ワークフローにおいて、ジョブやその通信を定義する標準フォーマット仕様としてJDF(Job Definition Format)がある。JDF仕様に基づく画像形成システムでは、MIS(Management Information System)と呼ばれるサーバアプリケーションを使用して印刷コストの管理が行われている。以下、JDFデータにより定義されるジョブをJDFジョブと呼ぶ。
【0004】
MISは各JDFジョブに関する、紙やトナーなどの消耗品情報のみならず、作業者の画像形成装置における操作作業の実働時間の情報も人的リソースのコスト情報として収集する。作業者による作業としては、用紙など消耗品の情報登録及び補充、画像処理にかかる色味の調整作業などがある。
【0005】
さらに、MISで収集された作業時間の情報は、印刷会社で印刷要件と照らし合わせて見積もりを算出するための標準的な指標として用いられる。それに基づいて算出される見積価格は受注競争力に大きく影響するため、印刷時に実際にかかったコストを正確に計測することは、非常に重要である。
一方、印刷処理を行う画像形成装置において、作業者が印刷時にログインしなければ印刷を行えない認証機能を持つ画像形成装置がある。この場合、作業者は画像形成装置上のパネルに表示されるUIを用いて、印刷開始時にあらかじめ設定したユーザアカウント情報を入力することでログイン処理を行い、ユーザ認証後、印刷作業を行う。そして、印刷処理完了後、作業者はログアウトする操作を行う。この機能により画像形成装置上で、どの作業者がどの時間にログイン及びログアウト処理を行ったかを記録することが可能となる。
【0006】
さらに、このような画像形成システムにおいて、画像形成システムからMISへの印刷時の作業時間情報を伝達する処理について以下説明する。
まず、画像形成システムを構成するプリプレスアプリケーションはJDFデータを作成して、画像形成装置に送信する。作業者は作業開始時に画像形成装置のパネル上でログイン処理を行う。その後、画像形成装置においてログイン中の作業者がJDFジョブに基づく処理に関する何らかの作業を開始する。また、画像形成装置では、受信したJDFジョブを解析して印刷処理などを行う。画像形成装置は、ログアウトのタイミングを管理して、作業者の作業した時間情報などをログ情報として記録し、そのログ情報をMISに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−304814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、MISにおいてはJDFジョブに対応させて、作業者が画像形成装置上で行った操作内容やその工数を管理したい。しかしながら、MISを利用する管理システムにおいて、各JDFジョブに基づく処理に関する作業者が画像形成装置上で行った作業やその実働時間を、各JDFジョブに対応させて管理することが困難な以下の(1)〜(4)の例がある。
【0009】
(1)印刷用画像データをスキャンして取り込む場合
既に印刷済みの紙原稿を原本とする場合や、手書きされたデータ等をスキャンして、画像を印刷コンテンツ用画像として使用することがある。このワークフローは画像形成装置での原稿スキャニングとして行われるが、従来、スキャン作業とそれに関連するJDFジョブとの対応がとれていない。結果的にMISでは、JDFジョブと関連付けて、このスキャン作業の作業工数を管理することができない。
【0010】
(2)用紙情報の登録の場合
画像形成装置において作業者が、JDFジョブで使用する用紙情報の設定登録作業を行うことがある。このような登録作業が印刷処理中に行われない場合、具体的にはJDFジョブを画像形成装置が受信する前にこの登録作業を行う場合は、この登録作業にかかる工数に対応させるべきJDFジョブを画像形成装置が管理していない。こういった環境では、結果的に、MISは用紙登録作業に要した工数をJDFジョブに関連づけて管理することが困難であった。
また、作業者の作業効率の向上のため、画像形成装置においてあるジョブAの処理中に、別のJDFジョブ(ジョブB)の用紙登録作業を行った場合を想定する。この際には、ジョブBで用いる用紙登録作業の工数が、ジョブAの実行時間にまぎれてしまうため、MISにおいて正確な工数を管理ができない可能性がある。
【0011】
(3)用紙の補充、交換の場合
MISは、作業者がJDFジョブの印刷中に、用紙補充を行った場合、その作業の工数を当該JDFジョブに要した工数として管理したい。しかしながら、画像形成装置がJDFジョブを受信する前に、作業者が予め用紙の交換や補給を行う場合、これら作業に要した作業時間は、直接JDFジョブと関連付けて工数管理することができない。
【0012】
(4)再印刷の場合
従来、既にオリジナルのJDFジョブを印刷する際に印刷体裁の設定作業などの調整作業が行われている場合、再印刷に対応するJDFジョブにはその作業工数を転嫁する手法が提供されていなかった。つまり、同じ内容のJDFジョブ、同じ作業者であってもジョブ間で作業工数にばらつきが生じる可能性がある。
本発明は、上記の少なくとも何れかの課題を解決するためになされたものである。そして、その目的は、ジョブの処理する画像形成装置上で作業者が行った各種作業の内容や工数などを、当該ジョブに適切に対応付けて管理することが可能な仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
データベースを備え、外部から受信するジョブで指定される処理を行う画像形成装置であって、前記画像形成装置上で行われる作業に関する操作に基づく操作ログを前記データベースに記録する操作ログ記録手段と、前記ジョブを外部から受信する受信手段と、画像形成装置上で行われた作業に基づいて、前記受信手段で受信したジョブで指定される処理を実行する処理手段と、前記処理手段により処理されたジョブに基づくジョブログを前記データベースに記録するジョブログ記録手段と、前記処理手段によるジョブの処理に対応する前記画像形成装置上で行われた作業に関する操作に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理する管理手段と、前記管理手段による関連付けを識別可能に、前記データベースに記録される操作ログ及びジョブログを外部装置に通知する通知手段とを備え、前記管理手段は、前記受信手段により受信したジョブと、前記受信手段によるジョブの受信の前に前記データベースに記録された操作ログとを関連付けて管理し、前記操作ログには操作を行った操作者の情報及び時間情報が含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ジョブの処理する画像形成装置上で作業者が行った各種作業の内容や工数などを、当該ジョブに適切に対応付けて管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像形成装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】画像形成装置のソフトウエア構成を説明するブロック図である。
【図3】操作部108のハードキーを説明する平面図である。
【図4】操作部に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図5】画像形成システムの構成を説明するブロック図である。
【図6】MISサーバによる印刷ログとJDFの対応付けを示す図である。
【図7】MISサーバ上の作業工数表示画面の一例を示す図である。
【図8】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図9】画像形成システムのワークフローを説明する図である。
【図10】画像形成システムのワークフローを説明する図である。
【図11】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図12】画像形成システムのワークフローを説明する図である。
【図13】画像形成システムのワークフローを説明する図である。
【図14】MISサーバによるログIDとJDFとを対応付ける処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
<システム構成の説明>
図1は、本実施形態を示す画像形成システムに適用される画像形成装置100の構成を説明するブロック図である。本例は、画像形成装置がMFP(Multi Function Peripheral)で構成される例である。MFPは、スキャナなどの読み取り部、プリンタ部、通信処理部などを備え、複写、印刷、スキャンなど複数の機能処理を実行する。なお、本実施形態に示す画像形成装置は、ログインした作業者の指示に従い、管理装置から受信するJDFジョブに読み取り部が読み取る原稿の画像データを適用して、画像形成処理を含む一連のワークフローを実行する。また、本実施形態では、とくにJDFジョブを処理するPODシステムを例とする。
【0017】
図1において、105は画像形成装置全体を制御するコントローラ部である。コントローラ105は、CPU101、ROM102、RAM103、ハードディスク部(HD部)104を備える。
ここで、CPU101はコントローラ105の制御および演算処理等を行うものである。ROM102は、システム起動プログラムの情報等を記憶し、RAM103にロードされてCPU101により実行されることで、各種の機能処理を実現する。ここで、RAM103は使用制限のないデータ記憶領域であり、オペレーティングシステムや通信制御およびエンジン制御などのプログラムがロードされ、実行されたり、データが記憶されたりする領域である。
【0018】
さらに、HD部104はハードディスクで構成される場合を示すが、SRAMなど不揮発性記憶装置で構成されていてもよい。ここで、HD部104は、外部装置から受信するJDFジョブに関連する処理(例えば、原稿のスキャンや画像形成処理などを含むワークフロー)のログ情報を記録する領域としても用いられる。なお、ログ情報とは、例えば、MFPにログインした作業者がログアウトするまでに実行した作業の進捗などを認識可能な情報である。
【0019】
また、106は読み取り部として機能するスキャナであり、作業者がセットする原稿の画像読み取りを行う。なお、原稿の読み取り条件等は、作業者が操作部108を用いて設定するものとする。
107はプリンタであり、コントローラ105の制御のもとで印刷動作をする。インクジェット方式、電子写真方式などいくつかの印刷方式がある。なお、画像形成装置100には、プリンタ107に供給するための用紙を収容する給紙部(不図示)を複数備える。また、各給紙部には用紙補給の際などに扉が開閉されたかどうかを検出するセンサを備える。したがって、このセンサからの出力をCPU101が監視することで、作業者による用紙の交換・補給時間等を計算することが可能となる。
【0020】
プリンタ107に関して、電子写真方式では、帯電性を持った微細な粒子であるトナーが、静電気によって紙に転写され、定着器によって定着させることで印刷が行われる。トナーは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色で構成させることが多い。
108は操作部で、ユーザインタフェースを介してユーザからの指示を受け付けたり、あるいは、表示を行ったりする。109は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものであり,他の画像形成装置やコンピュータとの通信が可能である。111はシステムバスであり、上述した構成要素間のデータの通路となるべきものである。
110はシート処理を行う後加工部である。ここで、シート処理の加工には、中綴じ、裁断、パンチ穴開け、くるみ製本など印刷後に必要な加工が含まれる。
【0021】
図2は、図1に示した画像形成装置100のソフトウエア構成を説明するブロック図である。なお、後述するソフトウエアはROM102あるいはHD部104に記憶され、画像形成装置100起動時にCPU101によりRAM103にロードされ実行される。
図2において、201はオペレーティングシステム(OS)であり、画像形成装置100全体の資源を管理/制御する。202はAPI−1(第1のAPI)であり、OS201上で動作するアプリケーションのためのインタフェースである。アプリケーション208は第1のAPI202を通じて、画像形成装置100上のリソースにアクセスしたり、CPU101でコマンドを実行したりすることができる。
【0022】
203はコントローラ制御部で、OS201上で動作しスキャナ106、プリンタ107、操作部108などを制御する。204はリソース管理部であり、コントローラ制御部203、後述する仮想マシン205、仮想マシン205上の全アプリケーションがメモリ等のリソース資源を使用する際、予め決められた以上の資源が使用できないように制限する。
205は仮想マシンであり、特定のアプリケーションを実行するために最適な実行環境であり、例えば、Java(登録商標)の仮想マシンなどにより実現されるものである。
【0023】
206はAPI−2(第2のAPI)であり、仮想マシン205上で動作するアプリケーションが、コントローラ制御部203、リソース管理部204、第1のAPI202などを利用するためのインタフェースである。
207はアプリケーションを管理する管理アプリケーション(管理アプリ)であり、仮想マシン205上で動作するアプリケーション208を管理する。管理アプリ207は、後述するアプリケーション208のダウンロード、アップロード、消去、有効無効化を行うものである。なお、管理アプリ207は仮想マシン205上で動作するアプリケーションの1つである。
また、本実施形態における画像形成装置100には期待される役割に応じて、任意の機能を持つアプリケーションを任意の数だけインストールし、動作させることが可能に構成されている。
【0024】
図3は、図1に示した操作部108のハードキーを説明する平面図である。
図3において、300はキー入力部であり、ハードキーによりユーザ操作を受付可能である。301はON/OFFボタンとして機能する電源スイッチである。302は節電ボタンであり、本ボタンが押されると節電モードに移行する。ここで、節電モードとは、一部の部品への電源供給を停止することで機器全体の電力消費を抑える状態のことを示す。
【0025】
303はカウンタ確認キーであり、このカウンタ確認キー303が押されると、図4に示すタッチパネル401に課金カウンタの情報が表示される。ここで、課金カウンタの情報には、トータル、白黒トータル、カラートータル等のカウンタがあり、それぞれのカウンタ値がコントローラ105により管理されている。
ここで、トータルとは、画像形成装置100が設置されてから現在まで、排紙された面数を示す。白黒トータルとはトータルのうち白黒印刷のものであり、カラートータルとはトータルのうち白黒印刷以外のものである。
【0026】
304はスタートキーであり、コピー/印刷/スキャン/送信などのMFPが提供する処理の開始を指示する。305はストップキーであり、スタートキーで開始したジョブの停止を指示する。
306はテンキーであり、数値情報を入力する。307はIDキーであり、ログインする作業者の認証情報の入力を指示するものである。
308はクリアキーであり、テンキー306によって入力された情報を解除する。309はリセットキーであり、ユーザによって処理対象のジョブに指示されたすべてのパラメータを解除する。310はヘルプキーであり、操作方法が不明なときにユーザが押すものであり、操作の助けとなる情報を表示する。311はユーザモードキーであり、各種設定を開始するためのキーである。
【0027】
図4は、図1に示した操作部108のタッチパネルに表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本実施形態に示すタッチパネルは表示機能を備えると共に、表示領域が押されたかどうかを検知することにより、操作者からの入力を受け付けることができるように構成されている。また、本画面は、画像形成装置100が操作可能になったときにタッチパネル上に表示される画面の一例に対応する。
【0028】
図4において、401はコピーボタンであり、複写動作を行う場合に押すボタンである。402は送信ボタンであり、送信処理を行う場合に押すボタンである。403はボックスボタンであり、画像形成装置100が備える主に画像データ格納用の記憶領域であるボックスに関する処理を行う場合に押すボタンである。404は拡張ボタンであり、アプリケーション208の画面を表示する場合に押すボタンである。
【0029】
405は色選択リストボックスであり、自動選択、カラー、白黒などいずれかを選択する。406はステータス表示欄であり、ユーザに伝えたい情報を表示する。ここでは例として、コピー可否、倍率、用紙選択法、部数を表示している。
407はコピーボタンであり、等倍コピー(倍率100%)を指示する。408は倍率を指定するためのボタンである。409は用紙選択ボタンで、用紙をどこから給紙するかを指定する。410は仕上げボタンであり、ソート設定、フィニッシング設定などの設定内容を指定する。
411は両面ボタンであり、原稿スキャン、印刷をそれぞれ片面または両面のどちらにするかを指定する。412は割り込みボタンであり、現在実行中のジョブを中断して、新規のジョブを投入できるようにする。
【0030】
413は濃度調整のためのスライドバーで、印刷濃度を指定する。414は原稿スキャンの特性を指示するものであり、例えば文字向け、写真向け、といった切り替えを可能にする。また、415は応用モードボタンであり、画像調整、表紙や合紙などの設定、製本の指定、OHP中差しの設定、とじしろの大きさなど、複雑な指示を行う際に作業者により指示される。
416はシステム状況表示ボタンであり、画像形成装置100を構成する各コンポーネントの状態や、画像形成装置100に記録しているジョブ履歴情報を表示する場合に押下される。
【0031】
図5は、本実施形態を示す画像形成システムの構成を説明するブロック図である。本例は、管理装置としてMISサーバ501が画像形成装置100とネットワークを介して接続されるシステム例である。なお、MISサーバ501は、一般的なパーソナルコンピュータを含む情報処理装置であって、各種メモリやプログラムの実行などの制御を行うコントローラ部(CPU)を備える。また、入力装置と、表示部を含む出力装置とを備え、アプリケーションを実行して、データ処理結果を表示部に表示することが可能である。
【0032】
図5において、画像形成装置100は、MISサーバ501から受信するJDFジョブを処理するためのモジュールを備えている。本実施例においては、MISサーバ501は、画像形成装置100に送信したJDFジョブに関連する作業工数の管理を画像形成装置100から通知されるJMF(Job Messaging Format)メッセージに従って行う。JMFメッセージはJDF仕様のデータであって、装置間でジョブの状態、処理結果、操作者の情報などをやり取りする。画像形成装置ではJDFデータおよび自身で行った処理に関する情報をもとにJMFメッセージを生成することになる。MISサーバ501は、コストの算定などに用いるため、画像形成装置100から工数情報などを含むJMFメッセージを収集する機能を備えることとする。
【0033】
MISサーバ501は、管理情報システム、あるいは、経営管理システムと呼ばれる企業の経営や管理などの意思決定に必要な情報を収集・分析するためのシステムサーバとして機能する。一般的にMISサーバは、宣伝、受注、見積もり、計画、生産、出荷、在庫、購入、販売を始めとする様々な経営情報や販売情報を統括的に管理するシステムにおける各種情報を管理するサーバである。特に印刷業界におけるMISサーバは、印刷生産設備や印刷生産資源を一元管理、印刷生産における工程管理を行う。さらに、MISサーバは、JDFデータやその関連データによって、受注から納品あるいは費用回収に至るまでのトータルなワークフローを自動化する仕組みを提供することができる。ここで、JDFジョブは、作業指示や印刷設定などジョブの定義情報であるJDFデータと印刷データなどから構成される。
【0034】
MISサーバ501は、エンドユーザからの印刷内容などの指定に基づいて、PODサイト環境における各工程に対する作業指示を記載したJDFデータを発行する。コンピュータや各種画像形成装置により構成される本画像形成システムは、JDFデータの記載内容に従って処理する。
このMISサーバ501は、PODサイト環境における各工程を担当する画像形成装置100などの各装置との間でJMFと呼ばれるメッセージを交換する。MISサーバ501は、JMFを用いて各装置が具備する機能情報や能力情報、各装置のステータス情報、受け付けたジョブの進捗情報等を取得することにより、本システムのワークフローを一元管理する。
【0035】
502はJDFジョブを作成するプリプレスアプリケーションが動作する情報処理装置である。プリプレスアプリケーションの機能モジュールとしては、JDF生成モジュール510とJDF/JMF処理モジュール511とがある。
JDF生成モジュール510において、ユーザによって指定される印刷の内容などからJDFジョブを生成する。このとき、印刷される実際のコンテンツデータとしては、Adobe社のPDF(Portable Document Format)などが用いられる。JDF/JMF処理モジュール511は、外部装置との間でJDF・JMFの送受信およびパース処理を行う。
【0036】
JDF生成モジュール510で生成したJDFデータに基づくJDFジョブは、JDF/JMF処理モジュール511を介して画像形成装置100に送信される。
503はJDF・JMFの送受信およびパース処理を行うJDF/JMF処理モジュールである。例えば、ここで受信されたJDFジョブは、JDFデータの指示に従い、印刷処理モジュール508に送られて、印刷処理が行われる。また印刷処理後、印刷結果を記録したJMFメッセージをMISサーバ501に通知する。
【0037】
504はJDFジョブに基づく処理に対応するログ情報を、JMF形式に変換するJMF生成モジュールである。ここでは、JDFデータにログなどの処理結果や工数、作業者の情報を追記する形で生成してもよい。
505は画像形成装置上に設けられた表示および入力用のUIである。506はログイン管理アプリ(ログインアプリ)で、UI505でログイン・ログアウト処理を行った際に作業者の認証処理を行う。507はデータベースで、JDFジョブに基づく処理に対応するログ情報などの各種情報を保存する。なお、データベース507には、ログインアプリ506でログイン状態として監視している作業者の作業内容、作業した時間情報などを含むログはここに記録される。
【0038】
本実施形態では、データベース507には、ジョブログ記録処理に基づくJDFジョブと、作業者が行う画像形成装置上で行う各作業とを関連付けて作業ログを保存する。ここで、操作ログ記録処理に基づく作業ログには、作業者による原稿の読み取り関わる作業、ジョブの印刷設定を設定する作業、用紙種類などの登録・設定作業、及び用紙補給作業などといった作業内容と作業時間などが含まれる。なお、作業者は操作部108を用いて、スキャナ106で読み取った画像データを外部(MISサーバ501など)から受信するJDFジョブに適用するための設定を行う。また、詳細は後述するがJDFジョブにスキャナ106で読み取った画像データを適用する際に、原稿の読み取りを行う作業と、印刷設定を行う作業とが別の作業者になる場合もある。
【0039】
508は印刷処理モジュールで、JDFデータの設定や作業者の行った作業に対応した印刷処理がプリンタ107において行われるよう制御する。なお、ここでの印刷結果はデータベース507にログとして記録される。
509は用紙情報データベース(用紙情報DB)で、画像形成装置に登録された用紙情報を管理する。
512はデータ入出力モジュールで、MISサーバ501上で外部とデータの入出力を行う。
【0040】
513はジョブ管理モジュールで、MISサーバ501上でPDFなどのコンテンツデータとJDFジョブの関連付けを行いジョブの管理を行う。また、ジョブ管理モジュール513は、例えば図7に示すユーザインタフェースを用いて、画像形成装置100から通知される各種情報に基づいて印刷コストなどを表示することが可能に構成されている。
【0041】
JDFジョブ生成モジュール514は、MISサーバ501における、エンドユーザや作業者などによる印刷内容の指定からJDFジョブを生成する。その際、コンテンツデータとしてジョブ管理モジュール513で管理するPDFなどの画像データが用いられる。
JDF/JMF処理モジュール515は、JDF・JMFの送受信およびパース処理を行う。JDF/JMF処理モジュール515は、画像形成装置100から受信したJMFメッセージをパースして、特定のJDFジョブに対応するように記録されている作業工数といった情報を取得する。
516はデータベースで、JDFジョブに対応付けて、その処理に基づく作業工数などといった情報を記録、管理する。
【0042】
図6は、図5に示したMISサーバ501で管理する印刷処理などに基づくログ情報に含まれる各ログとJMFメッセージの対応付けの一例を示す図である。なお、JMFメッセージ上では作業工数の情報はAuditPoolタグで表現される。JMFメッセージはJDFデータ記載の各処理内容と対応するように生成される。
601は、ID0004のログで記録されるオペレータ1(作業者)による印刷処理の開始時刻を表す。また、602は、ID0006のログで記録されるオペレータ1による印刷処理の終了時刻を表す。この2つの時刻の差分が印刷処理作業にかかった時間を示す。
【0043】
図7は、MISサーバ501上の作業工数などといった各種情報の表示画面の一例を示す図である。
図7において、各JDFジョブに対応する各種情報が表示される。ここでは、JDFジョブを一意に識別するための情報であるJDF IDが表示されている。表示内容としては、他にも作業者、作業時間、作業の開始時間、作業の終了時間、作業の納期、現在の処理状態、JDFジョブに基づく処理を実行している印刷機といった情報が表示される。
また、表示された各情報に対する閲覧者からの指示に応じて、各ジョブの詳細情報も更に表示可能である。図7で示す詳細情報としては、JDF IDが00104のジョブの、作業時間全体に占める各作業の内訳を表示している。
なお、図7に示すような、画像形成装置100から取得するJMFメッセージなどに対応する集計処理結果は、MISサーバ501のジョブ管理モジュール513が、集計、管理する。
【0044】
本実施形態では、例えばJDFジョブの受信前に行われる可能性がある画像形成装置100上で実行されるスキャンジョブと受信したJDFジョブとを関連付ける。さらに、作業者による画像形成装置100への用紙種類の登録や給紙部に用紙種類を対応付ける設定、用紙交換といった、従来管理していない作業工数を1つのJDFジョブに関連付ける。1つの依頼に対して生成されるJDFジョブにそれら作業を関連付けて管理することで、たとえばある依頼にかかった一連の作業の工数を正確に管理し、コスト計算に反映するといったことなどが可能となる。
【0045】
また、実際に行われるワークフローとして、スキャン作業や用紙種類の登録作業、印刷の際の設定作業に関しては、異なる作業者によって行われることがある。作業内容、作業者の情報に関しては、画像形成装置から通知されるJMFメッセージに含まれるので、MISサーバ501では、1つのJDFジョブに関連する各作業が誰によって行われたかも管理できる。上述した図7では、各ジョブ1人の作業者に行われた例を表示している。図7においては、さらに複数の作業者により各作業工程が行われた場合は、その情報を表示することも可能である。そして、詳細表示において、各作業工程、もしくは一部の作業内容が、どの作業者によって行われたかを色分けするなどして識別可能に表示することができる。これにより、MISサーバ501で情報分析を行う管理者は、作業者ごとの作業効率やその適正などを容易に分析できるようになる。
【0046】
以下、図8に示すフローチャートを用いて、画像形成装置におけるスキャン作業工程をジョブと関連付ける処理手順の一例を説明する。
ここで、図8(a)で例示するスキャン作業工程は、紙原稿を原本とする場合や、手書きされた原稿等をスキャンした画像データを、実際の印刷コンテンツ用として使用する場合に発生する作業者により行われる工程となる。後述する各ステップはCPUが主体となって処理することになる。具体的には、画像形成装置100のCPUがRAMにプログラムをロードして実行することで、後述する各ステップが実現される。
S801で、画像形成装置100において、ログイン処理した作業者によるUI505からの指示に従い、スキャナにセットされた原稿のスキャン処理を行う。原稿が複数ある場合は、スキャナ上の原稿を交換しながら、画像データの読み取りが行われる。また、作業者は、読み込んだ画像データの整理のため、画像形成装置のUI505を介して画像データのID、名称、及び保存先(フォルダ名など)などを入力可能である。
次に、S802で、スキャン作業が終わると、本作業の開始時刻と終了時刻の差分から作業時間の算出処理、算出された作業時間の記録を行う。ここでは、スキャンログや操作ログから、スキャンした枚数、読み取った画像データ、及び作業者の情報などと作業時間を対応付けてスキャン作業工程のログとして管理することになる。作業者がログアウト処理するなどして、本処理が終了する。
【0047】
図8(b)を用いて、JDFジョブを受信し、実際に印刷処理を行うといった作業工程に関して説明する。
S803では、JDF/JMF処理モジュール503が、MISサーバ501もしくはプリプレスアプリケーションなどからJDFジョブを受信しているかどうか判定する。ここで、JDF/JMF処理モジュール503が、JDFジョブを受信していないと判断した場合は、再度受信しているかの判定を繰り返して、JDFジョブを受信するのを待つ。JDFジョブを受信したと判断すると、S804に進む。
【0048】
S804で、JDF/JMF処理モジュール503は、S803で受信したJDFジョブがコンテンツデータとして画像形成装置100でスキャンするなどして格納されている画像データを使用するかどうかを判定する。ここで、JDFョブが画像形成装置100で格納されている画像データを使用しないとJDF/JMF処理モジュール503が判定した場合はS805に進む。一方、S804で、JDFジョブが画像形成装置で格納されている画像データを使用するとJDF/JMF処理モジュール503が判定した場合は、S807に進む。
【0049】
S805では、JDFジョブに含まれる設定情報やコンテンツデータなどに基づき印刷処理モジュール508による印刷処理の制御が行われる。S806では、印刷処理にかかった作業時間を計算し、処理結果などとともに受信したJDFジョブと関連付けてログとして記録する。
S807で、JDFジョブに使用する画像データのIDが指定されているかどうかをJDF/JMF処理モジュール503が判断する。ここで、JDFジョブに画像データのIDが指定されているとJDF/JMF処理モジュール503が判断した場合、S809に進む。一方、JDFジョブに画像データのIDが指定されていないとJDF/JMF処理モジュール503が判断した場合、S808に進む。
【0050】
S808で、JDFジョブのコンテンツデータとして用いるべき任意の画像データを、作業者により指定するためのUIを表示する。ここでは、作業者がUIで表示される画像形成装置で管理する画像データを参照して、任意の画像データをJDFジョブのコンテンツデータとして用いることを指定する。また、UI上から、このタイミングで新たにスキャン作業を行って得た画像データを用いることも指定できる。その際には、前述したS802と同様、作業時間などのログが記録される。JDFジョブのコンテンツデータとして用いるべき画像データが指定されると、S809に進む。
【0051】
S809で、指定された画像データをコンテンツデータとして用いた、JDFジョブに基づく印刷処理モジュール508による印刷処理の制御が行われる。ここでは、JDFジョブでIDにより指定される画像データを読み出して用いるか、S808で作業者により指定された画像データを用いることになる。
S810では、印刷処理にかかった作業時間を計算し、処理結果などとともに受信したJDFジョブと関連付けてログとして記録する。そして、S811で、JDF/JMF処理モジュール503により、受信したJDFジョブのIDに、S802やS808などで記録された画像データの取得にかかった作業時間などを含むログを関連付け、管理する。
【0052】
ここでは、各作業工程の作業工数だけでなく行った作業内容、その結果も対応させて管理されることになる。さらに、JDFジョブに関連する一連の工数として、関連付けられているスキャン作業や印刷処理のログに基づき、JMF生成モジュール504がJMFメッセージを生成する。そして、JDF/JMF処理モジュール503はMISサーバ501に生成されたJMFメッセージを送信する。その後、本処理を終了する。JMFメッセージの送信は、JDFジョブの処理終了後、すぐに行われてもよいし、定期的にMISサーバ501が取得してもよい。
【0053】
図9は、本実施形態における画像形成システムの1つのJDFジョブに関連する一連のワークフローを説明する図である。具体的には、MISサーバ501、画像形成装置100、ログインアプリ506の処理の流れを説明する。
本例は、スキャン作業を指示した作業者と、印刷作業を指示した作業者が同一の場合である。
ここで図9において、C1で囲まれる一連の処理がスキャン作業工程となる。ここでは、スキャンされる原稿の画像データがどのように処理されるか、つまり、受信するJDFジョブに適用するかの設定がなされていない状態である。また、C2で囲まれる一連の処理がJDFジョブにコンテンツデータとして用いる画像を設定する工程となる。ここでは、作業者が画像形成装置100に格納される画像データを適用するかなどを設定している状態である。さらに、C3で囲まれる一連の処理において、印刷作業に関するログから、そのログに応じた作業工数の算出などが行われている。
【0054】
S901で、ログインアプリ506は画像形成装置100の操作部108にログインUIを表示して、作業者によるログイン処理を受け付ける。なお、S907で、作業者が画像形成装置100からログアウトされるまでの間がログイン中の期間として画像形成装置100で監視される。また、このログインの間には、スキャンジョブやJDFジョブに対応するジョブログ以外にも、作業者によるUI操作や給紙部の開閉などの操作とその時間などを記録する操作ログが記録されることになる。操作ログには、作業者の情報等も含まれる。
【0055】
次に、S902で、画像形成装置100において、ログインした作業者の作業に関するログの収集を開始する。ここで、収集されるログはデータベース507で保存、管理される。
S903で、作業者は原稿のスキャン作業を操作部108に表示されるUIを用いて指示すると、スキャナ106による原稿のスキャン作業が行われる。ここでのスキャン作業工程に関するログがデータベース507へ記録される。また、ここでスキャンされた画像データは、画像形成装置100の所定の記憶領域に一次記録(ホールド)される。
【0056】
そして、S904で、画像形成装置100はMISサーバ501もしくはプリプレスアプリケーションよりJDFジョブを受信する。ここで、画像形成装置100は、ジョブ受信完了を示すレスポンスがMISサーバ501に応答する。
次に、S905で、画像形成装置100は、操作部108に受信したJDFジョブとスキャンされた画像データとを関連付ける設定を行うUIを表示する。ここで、作業者はUIを用いて、受信したJDFジョブのコンテンツデータとして、S903でスキャンされた画像データを用いることを指定し、印刷指示を行う。そして、S906で、プリンタ107における印刷処理を行われる。画像形成装置100上では、印刷処理中においては進捗表示が行われ、印刷完了時にはその旨の表示が行われる。
【0057】
S907で、画像形成装置100で記録される印刷処理にかかるログ情報を取得し、印刷処理にかかった工数を計算する。また、ここでは印刷処理に用いた画像データをスキャンした際の作業工程におけるログを検索し、該JDFジョブのジョブIDとの関連付けを行う。S908では、印刷完了を示すレスポンスをMISサーバ501に通知する。この際には、JDFジョブに基づく印刷処理の作業工数も通知される。
S909では、作業者のログアウト処理が検出され、S910で作業者の作業に関するログ収集が終了する。
【0058】
S911で、データベース507に記録されているログ情報から、JDFジョブに関わる作業者の作業工数を計算する。ここでは、S905における設定作業の工数や、S903におけるスキャン作業工程の作業工数と、印刷処理に係る工数とから作業工数が計算される。関連する作業の特定には、各作業に対応するログで関連付けられているジョブIDや、作業内容に基づいて行われる。
S912で、画像形成装置100がS911で計算した作業者の作業工数情報をMISサーバ501に通知する。
【0059】
これにより、MISサーバ501は、作業者による原稿スキャン操作を伴うJDFジョブに対応する作業全体の工数を管理することができる。これにより、正確な印刷コストを算出することが可能となる。
なお、画像形成装置100において行う、JDFジョブに基づく印刷処理と関連するその他の作業者による作業のログの特定や、作業全体の工数の計算はMISサーバ501によって行うことが可能である。その際には、MISサーバ501が、画像形成装置100からログ情報を所定のタイミングで取得して、上述のS907及びS911で説明した処理を行うことになる。
【0060】
図10は、画像形成システムの1つのJDFジョブに関連する図9とは異なる一連のワークフローを説明する図である。
このワークフローの特徴は、作業者Aの指示に従い画像形成装置100のスキャナ106が読み取った画像データを、別の作業者Bの指示に従いMISサーバ501から受信するJDFジョブに適用して処理を行う点である。
C11で囲まれる一連の処理が作業者Aによる、スキャン作業工程となる。ここでは、スキャンされる原稿の画像データがどのように処理されるか、つまり、受信するJDFジョブに適用するかの設定がなされていない状態である。また、C12で囲まれる一連の処理が作業者Bによる、JDFジョブにコンテンツデータとして用いる画像を設定する工程となる。さらに、C13で囲まれる一連の処理において、印刷作業に関するログから、そのログに応じた作業工数の算出などが行われている。
【0061】
S1001で作業者Aのログイン処理後、図9と同様にスキャン作業工程が行われ、S1002で作業者Aのログアウト処理を行う。その際、画像形成装置100では、スキャン作業に係るログに記録する。そして、S1003でログからスキャン作業に係る工数を計算する。そして、画像形成装置100からMISサーバ501に、計算された工数、スキャンした画像データを識別するID、及び作業者Aの情報などを含む通知をJMFメッセージとして行う。
【0062】
この時点ではMISサーバ501上において管理されるスキャン作業の工数などは、いかなるJDFジョブにも関連付けられていない状態である。
次に、S1004で、作業者Bがログインアプリ506で提供するUIを用いて、ログイン処理を行う。そして、作業者Bによる画像形成装置100が受信したJDFジョブの印刷の開始を指示する。S1005で、作業者Bが、画像形成装置100上のUIから、JDFジョブに任意の画像データを適用する設定を行う。
【0063】
ここでは、S1001でスキャンされた画像データをコンテンツデータとして使用することとする。画像データの指定としては、スキャン作業の完了通知に含まれている画像データを識別するIDを用いて、JDFジョブに予め設定されていてもよい。その後、画像形成装置100において、JDFジョブの設定や指定された画像データを用いた印刷処理を行われ、同時にログがデータベース507に記録される。
S1006で、印刷処理の完了をMISサーバ501に通知に際して、画像形成装置100で記録される印刷処理にかかるログ情報を取得し、印刷処理にかかった工数を計算する。また、ここでは印刷処理に用いた画像データをスキャンした際の作業工程におけるログを検索し、該JDFジョブのジョブIDとの関連付けを行う。S1007で、MISサーバ501に通知されるJMFメッセージとして、処理の工数などに加え、コンテンツデータとして使用した画像データを識別するIDもMISサーバ501に送信する。
【0064】
S1008で、画像形成装置100で管理しているログに記録された作業者Bに関わるS1005などでの作業の工数を計算し、S1009で、作業者Bに関わる作業内容や作業工数、作業者Bの情報をMISサーバ501に送信する。
画像形成装置100からのメッセージを受信したMISサーバ501は、図示されている作業工数(1)+作業工数(2)+作業工数(3)を加算することで、JDFジョブに基づく一連の作業全体の工数を算出し、管理する。これにより、MISサーバ501は、作業者及び作業のタイミングが異なるが、同じJDFジョブに関連する処理の工数などが適切に管理でき、正確な印刷コストを算出することが可能となる。
【0065】
また、MISサーバ501上では、画像形成装置から通知されるメッセージに含まれる作業者の情報に基づき、各作業者の作業内容とそれにかかった作業工数が把握できるようになる。これは各作業者の作業効率が分析でき、適正を考慮した作業の割り振りなど、作業者の最適配置のための重要な管理情報となる。
【0066】
図11に示すフローチャートを用いて、画像形成装置における用紙情報の登録に関する処理手順を説明する。各ステップは、画像形成装置100のCPUがRAMにプログラムをロードして実行し、実現される。
S1101で、作業者の画像形成装置100の操作部108を用いた指示に応じて、指定された用紙情報をデータベース509に登録する。この時、作業者が登録する用紙情報としては、例えば、用紙の名称、用紙のID、用紙サイズ、用紙坪量、用紙の厚さ、用紙色、用紙種別、用紙の形状、用紙の材質、用紙の表面性、用紙の透過性などといった用紙の特性情報である。また、画像形成装置100が備える、何れの給紙部にどの用紙をセットするかなども、ここで登録してもよい。
【0067】
次に、S1102で、画像形成装置100は、作業者が用紙情報の登録に費やした作業工数を計算する。なお、この計算処理とは、画像形成装置100のタイマ機能を用いて、用紙登録画面が表示された後、用紙登録を完了するボタン等が押下されるまでを計時することで作業工数を算出する等が考えられる。
次に、S1103で、画像形成装置100で管理している受信済みのJDFジョブの中で、S1101で登録した用紙情報を使用するものがあるかどうかを印刷処理モジュール508が判断する。ここで、印刷処理モジュール508が登録した用紙情報を使用するJFDジョブがあると判断した場合、S1105に進む。一方、S1103で、印刷処理モジュール508が登録した用紙情報を使用するJFDジョブがないと判断した場合、S1104に進む。
【0068】
S1105で、S1101で登録した用紙情報を使用しているJDFジョブのジョブIDと対応させることで、ジョブとその作業内容、作業時間及び作業者の情報などをデータベース507へ関連付けて保持する。さらに、JDF/JMF処理モジュール503は、データベース507に保持している用紙情報の登録作業に関する工数などの情報をMISサーバ501へ送信して、本処理を終了する。
S1104では、S1101で登録した用紙情報を使用するジョブが未受信であるため、用紙登録作業に関する作業内容、工数、作業者の情報などを画像形成装置100のデータベースに記憶する。また、この際にこれら情報を、用紙情報登録作業の完了通知として、MISサーバ501に送信してもよい。
本処理により、MISサーバ501は、画像形成装置100から受信した用紙情報の登録作業の工数などをデータベース516に保持、管理できる。
なお、S1105の関連付け処理としては、用紙情報を登録する作業工数の全てを、その用紙を最初に使用するジョブに対応する作業時間に合算する。それ以外のジョブで該登録作業により登録された用紙情報を用いる場合は、用紙情報登録作業にかかる工数をそのジョブの工数として計上しないよう管理してもよい。これは、2回目以降に登録された用紙を使用するジョブは、既に設定された用紙情報を使用するので、作業者による登録作業が発生していないことに起因する。
【0069】
また、用紙情報を登録する作業工数の全てを、その登録した用紙を使用する全てのジョブの印刷作業時間に分割して合算するように構成してもよい。この場合は、例えば当該ジョブの使用する用紙の枚数に応じて、合算される用紙登録作業の作業時間の割合を変更する。
【0070】
〔第2実施形態〕
図12は、本実施形態における画像形成システムの1つのJDFジョブに関連する一連のワークフローを説明する図である。具体的には、MISサーバ501、画像形成装置100、ログインアプリ506の処理の流れを説明する。本例は、用紙情報の登録作業に関する工数などを考慮する場合におけるシーケンス例である。
ここで図12において、C31で囲まれる一連の処理が用紙情報の登録作業工程となる。また、C32で囲まれる一連の処理は、現在処理中のJDFジョブでは使用しない用紙情報の登録作業工程となる。さらに、C33で囲まれる一連の処理において、印刷作業に関するログから、そのログに応じた作業工数の算出などが行われている。
【0071】
S1201で、画像形成装置100はJDFジョブを受信して、例えばHD部104のデータベース507にスプールする。そして、S1202において、作業者は画像形成装置100上でログイン状態に移行後、S1203で、操作部108を用いてHD部104にスプールしたジョブで使用するために、用紙情報の登録作業を行う。なお、用紙情報の登録作業に関する操作ログが画像形成装置100のデータベース507に記録される。さらに、ここでは、登録した用紙情報を用いるジョブが既に画像形成装置100で管理されているので、この登録作業に関するログなどには、ジョブIDなどを対応付けて管理することになる。
【0072】
次に、S1204で画像形成装置は別のJDFジョブを受信する。受信したジョブは画像形成装置100のHD部104のデータベース507内にスプールされる。そして、S1205で、作業者はS1204で受信したジョブで使用するために、操作部108を用いてその別のジョブ用の用紙情報の登録作業を行う。ここでの用紙情報の登録作業に関する操作ログも、画像形成装置100のデータベース507に記録される。
【0073】
次に、S1206で、作業者はS1201で受信したジョブの印刷処理を開始する。ここで、作業者は必要に応じてジョブに使用する用紙を選択や画像形成にかかる各種設定を行う。その後、印刷処理モジュール508により、JDFジョブの設定や作業者の操作内容に従い、印刷処理を行われる。この印刷処理に関するログもデータベース507に記録される。
次に、S1207で、印刷作業にかかった作業時間をログに基づき計算する。そしてS1208で印刷作業の作業工数をMISサーバ501に通知する。
【0074】
S1209で、画像形成装置100で記録されたログ情報に基づき、S1203でログインした作業者の用紙登録などの作業工数を計算する。S1210で、画像形成装置100は、作業者の情報や計算した作業工数などをMISサーバ501に送信する。ここでの通知内容には、既にジョブと作業者の作業が関連付けて管理されているのであるなら、そのジョブのジョブIDなど含めるものとする。
これにより、MISサーバ501は、用紙情報の登録作業に伴う作業工数を、ジョブに関連付けて管理することが可能となる。
【0075】
〔第3実施形態〕
図13は、本実施形態における画像形成システムの1つのJDFジョブに関連する一連のワークフローを説明する図である。本例は用紙の補給作業に関する工数などを考慮する場合におけるシーケンス例である。
ここで、本図において、C41で囲まれる一連の処理が、用紙の補給作業工程となる。また、C42で囲まれる一連の処理が、印刷処理中に行われる用紙の補給作業工程となる。さらに、C43で囲まれる一連の処理が印刷作業に関するログから、そのログに応じた作業工数の算出などが行われている。
【0076】
S1301で、作業者は操作部108を用いてログイン状態に移行後、S1302で、用紙情報の登録作業が行われる。そして、登録された用紙情報に基づき、作業者による画像形成装置の備える給紙部のいずれかに用紙補給が行われる。この際、予め給紙部にセットされている用紙ではなく、別の用紙を後続の印刷で用いることがわかっている場合は、作業者による用紙の交換も行われる。その後、画像形成装置100において、作業者によるこれらの作業に関するログを記録される。ログとしては作業者の情報や、作業対象となった給紙部の情報や作業時間などが含まれる。なお、作業時間は、給紙部の扉が開閉される状態をセンサが検出する時間を計測して計時される。
【0077】
次に、S1304で、作業者は画像形成装置100のHD部104にスプールされた受信ジョブを印刷するために必要な用紙情報を登録する。その後、登録情報に従い、作業者が画像形成装置100の給紙部に用紙を補給する。ここでも、用紙情報の登録及び用紙補給に関する作業のログがデータベース507に記録される。
ジョブに基づく印刷が開始され、用紙が不足したことを操作部108のUIを用いて作業者に通知される。S1306では、上記通知に従い、作業者が用紙切れの発生している給紙部に対して用紙補給を行う。この際、S1308で、画像形成装置100において、作業者による用紙の補給作業に関するログがデータベース507に記録される。また、ここでは同時に紙切れのエラーが発生したことと、その復帰に関するエラーログも、ジョブIDと関連付けて記録される。
【0078】
S1309で、画像形成装置100では印刷が完了する印刷処理にかかるログが記録され、該ログに基づき印刷作業の工数を計算される。そして、S1310で、画像形成装置100は印刷作業の工数などの情報を対応するジョブIDなどを含めて印刷完了通知としてMISサーバ501に送信する。また、ここでの印刷処理で用いた用紙を補給した作業に関するログに対して、ジョブIDを関連付ける。これにより、ジョブ受信、または印刷処理前に行われた作業者による操作に関するログも、特定のジョブに基づく一連の作業として管理可能になる。
【0079】
その後、S1311で、画像形成装置100においてS1301でログインした作業者の作業工数を計算される。ここでは、用紙情報の登録作業、用紙の補給作業、印刷時の設定作業などの作業工数が合算されることになる。S1312で、画像形成装置100は、計算した作業工数、作業者の情報、ジョブのIDなどの情報をMISサーバ501に送信する。
これにより、MISサーバ501は、例えば、画像形成装置がJDFジョブ受信前に、作業者が用紙補給を行う場合であっても、その作業工数がJDFジョブと関連付けて管理することができる。
【0080】
〔第4実施形態〕
本実施形態においては、画像形成装置においての再印刷処理に関する工数管理を考慮する。作業者は、オリジナルのジョブに対して印刷体裁の設定作業などを行い、再印刷を指示する。画像形成装置100においては、再印刷の際には、新たにもう1つログが生成されるが、その際にそのログとオリジナルのジョブのジョブIDの関連付けを行う。そして、再印刷が終了したら、MISサーバ501に対して、再印刷処理にかかった工数とオリジナルのジョブのジョブIDといった情報を含む通知を送信する。
【0081】
これにより、同じ内容のジョブで、ジョブ間で作業工数にばらつきが生じる要因が再印刷によるものだと、MISサーバ501で収集される情報からシステム管理者などが把握できる。また、1つのジョブに関して、再印刷が行われたことなどを含め、適切な作業工数の管理が行える。
【0082】
図14は、図1に示したMISサーバ501による管理される各種ログ情報とJMFメッセージとの対応関係を説明する図である。本例は、画像形成装置100から受信する、図9,図10,図12,図13に示したJMFメッセージに基づいて、ジョブ管理モジュール513が管理するログ情報の例である。
図14において、ログID0002〜0003で作業者によるスキャン作業、ログID0004〜0005で作業者による用紙登録作業、及びログID0006〜0007で作業者による印刷作業がJMFメッセージと対応して管理される。なお、本例に示すJMFメッセージでは、作業工数情報はAuditPoolタグで作業工程と関連付けて記載される例を示す。
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0083】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0084】
500 画像形成装置
501 MISサーバ
502 プレプレスアプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースを備え、外部から受信するジョブで指定される処理を行う画像形成装置であって、
前記画像形成装置上で行われる作業に関する操作に基づく操作ログを前記データベースに記録する操作ログ記録手段と、
前記ジョブを外部から受信する受信手段と、
画像形成装置上で行われた作業に基づいて、前記受信手段で受信したジョブで指定される処理を実行する処理手段と、
前記処理手段により処理されたジョブに基づくジョブログを前記データベースに記録するジョブログ記録手段と、
前記処理手段によるジョブの処理に対応する前記画像形成装置上で行われた作業に関する操作に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理する管理手段と、
前記管理手段による関連付けを識別可能に、前記データベースに記録される操作ログ及びジョブログを外部装置に通知する通知手段とを備え、
前記管理手段は、前記受信手段により受信したジョブと、前記受信手段によるジョブの受信の前に前記データベースに記録された操作ログとを関連付けて管理し、
前記操作ログには操作を行った操作者の情報及び時間情報が含まれることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記作業にはスキャン作業が含まれ、
前記処理手段は、スキャン作業によりスキャンされた画像データを用いて、前記受信手段で受信したジョブで指定される処理を実行し、
前記管理手段は、前記処理手段で用いた画像データをスキャンしたスキャン作業に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記作業には用紙情報の登録作業が含まれ、
前記処理手段は、用紙情報の登録作業で登録した用紙を用いて、前記受信手段で受信したジョブで指定される処理を実行し、
前記管理手段は、前記処理手段で用いた用紙情報の登録作業に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記作業には用紙の補給作業が含まれ、
前記処理手段は、用紙の補給作業で補給した用紙を用いて、前記受信手段で受信したジョブで指定される処理を実行し、
前記管理手段は、前記処理手段で用いた用紙を補給した用紙の補給作業に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ジョブは、JDFジョブであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
データベースを備え、外部から受信するジョブで指定される処理を行う画像形成装置における情報処理方法であって、
前記画像形成装置上で行われる作業に関する操作に基づく操作ログを前記データベースに記録する操作ログ記録工程と、
前記ジョブを外部から受信する受信工程と、
画像形成装置上で行われた作業に基づいて、前記受信工程で受信したジョブで指定される処理を実行する処理工程と、
前記処理工程で処理されたジョブに基づくジョブログを前記データベースに記録するジョブログ記録工程と、
前記処理工程でジョブの処理に対応する前記画像形成装置上で行われた作業に関する操作に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理する管理工程と、
前記管理工程で関連付けを識別可能に、前記データベースに記録される操作ログ及びジョブログを外部装置に通知する通知工程とを備え、
前記管理工程では、前記受信工程で受信したジョブと、前記受信工程でのジョブの受信の前に前記データベースに記録された操作ログとを関連付けて管理し、
前記操作ログには操作を行った操作者の情報及び時間情報が含まれることを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載される手段として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
外部から受信するジョブで指定される処理を行う画像形成装置を含む管理システムであって、
前記画像形成装置上で行われる作業に関する操作に基づく操作ログをデータベースに記録する操作ログ記録手段と、
画像形成装置上で行われた作業に基づいて、前記画像形成装置で受信したジョブで指定される処理を実行し、処理された当該ジョブに基づくジョブログを前記データベースに記録するジョブログ記録手段と、
前記画像形成装置におけるジョブの処理に対応する前記画像形成装置上で行われた作業に関する操作に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理する管理手段と、
前記管理手段による関連付けを識別可能に、前記データベースに記録される操作ログ及びジョブログに基づく通知を行う通知手段とを備え、
前記操作ログには操作を行った操作者の情報及び時間情報が含まれることを特徴とする管理システム。
【請求項9】
前記通知手段は、関連付けて管理されるジョブログ及び操作ログに基づき、ジョブの処理内容、前記画像形成装置上で行われた作業内容、当該作業を行った作業者の情報、及び当該作業の工数を識別できるように表示することで通知を行うことを特徴とする請求項8に記載の管理システム。
【請求項10】
外部から受信するジョブで指定される処理を行う画像形成装置を含む管理システムにおける情報処理方法であって、
前記画像形成装置上で行われる作業に関する操作に基づく操作ログをデータベースに記録する操作ログ記録工程と、
画像形成装置上で行われた作業に基づいて、前記画像形成装置で受信したジョブで指定される処理を実行し、処理された当該ジョブに基づくジョブログを前記データベースに記録するジョブログ記録工程と、
前記画像形成装置におけるジョブの処理に対応する前記画像形成装置上で行われた作業に関する操作に基づく前記データベースに記録された操作ログを特定し、当該ジョブと関連付けて管理する管理工程と、
前記管理工程での関連付けを識別可能に、前記データベースに記録される操作ログ及びジョブログに基づく通知を行う通知工程とを備え、
前記操作ログには操作を行った操作者の情報及び時間情報が含まれることを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−212862(P2010−212862A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55014(P2009−55014)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】