説明

画像形成装置、管理装置、画像形成装置の制御方法、管理装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】画像形成装置のシャットダウン実行時にユーザのジョブが存在する可能性を低減し、可能な限りスケジュールされた日時にシャットダウンしたり、指定した期間の電源OFF状態維持を可能にすること。
【解決手段】画像形成装置102では、予め設定されスケジュール管理部404により管理されるスケジュール情報に含まれるシャットダウン実行日時に、シャットダウン依頼部407が、画像形成装置102をシャットダウンするように制御する。なお、前記シャットダウン実行日時より前の時刻で、機能制限管理部405が、段階的に画像形成装置102の複数の機能のいずれかを制限し、メッセージ管理部406が、前記それぞれの段階で異なるメッセージをユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、管理装置、画像形成装置の制御方法、管理装置の制御方法、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルの電気点検を行うために、画像形成装置を指定期間シャットダウンしたいというニーズがある。この時、管理ユーザの手間を削減するためには、予めスケジュールした日時に自動で画像形成装置をシャットダウンする機能が必要とされる。
【0003】
一方、画像形成装置は不特定多数の一般ユーザによって使用されるため、管理ユーザがスケジュールした日時に一般ユーザが画像形成装置でジョブを実行している可能性があり、実行中のジョブを考慮したシャットダウンの機能が必要となる。
例えば、実行中ジョブを強制的にキャンセルしてシャットダウンしてしまうと、一般ユーザは不満に感じたり、さらには画像形成装置を再度起動してしまうかもしれない。
【0004】
特許文献1には、遠隔操作で画像形成装置のシャットダウンを指示し、現在実行中のジョブが存在する場合は、実行中のジョブが終了してからシャットダウンする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−320051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電気点検のように、シャットダウンの用途によっては、予めスケジュールした日時どおりにシャットダウンすることも重要である。
上述した特許文献1の技術では、実行中のジョブが長い時間を要するジョブであった場合や、多数のジョブをキューイングしている場合に、シャットダウンを実行する日時がスケジュール日時から大きくずれてしまう可能性がある。
【0007】
また、電気点検などの用途では、画像形成装置の電源OFF状態を指定期間維持することも重要であるが、上述した特許文献1の技術では、一般ユーザに再度起動されてしまうと画像形成装置の電源OFF状態を維持することができない。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、画像形成装置のシャットダウンの実行時に一般ユーザのジョブが存在する可能性を低減し、可能な限りスケジュールされた日時に画像形成装置をシャットダウンできるようにしたり、指定した期間の画像形成装置の電源OFF状態を維持することを可能にする仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像形成装置であって、前記画像形成装置のシャットダウンを実行する日時を示すシャットダウン実行日時を含むスケジュール情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されるスケジュール情報に含まれる前記シャットダウン実行日時に、前記画像形成装置をシャットダウンするように制御するシャットダウン手段と、前記スケジュール情報に含まれる前記シャットダウン実行日時より前の時刻で、段階的に前記画像形成装置の複数の機能のいずれかを制限する制限手段と、前記それぞれの段階で異なるメッセージをユーザに通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置のシャットダウンの実行時に一般ユーザのジョブが存在する可能性を低減し、可能な限りスケジュールされた日時に画像形成装置をシャットダウンできるようにしたり、指定した期間の画像形成装置の電源OFF状態を維持することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置及び管理装置を適用可能なシャットダウンシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置102のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】情報端末装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1におけるシャットダウンシステムを構成する各装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図5】情報端末装置101のデバイスリスト管理部422がユーザインタフェース305に表示するデバイスリスト管理画面の一例を示す図である。
【図6】シャットダウン設定画面の一例を示す図である。
【図7】シャットダウンスケジュールの報知設定画面の一例を示す図である。
【図8】機能制限の詳細設定画面の一例を示す図である。
【図9】設定された機能制限を画像形成装置102で実現するために用いる機能制限ファイルの一例を示す図である。
【図10】本実施例の報知画面の一例を示す図である。
【図11】本実施例の報知画面の一例を示す図である。
【図12】画像形成装置102が報知画面を表示するときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】画像形成装置102がシャットダウンを実行するときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】画像形成装置102が起動したときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施例2におけるシャットダウンシステムを構成する各装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の一実施例を示す画像形成装置及び管理装置を適用可能なシャットダウンシステムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施例のシャットダウンシステムでは、情報端末装置101と、複数の画像形成装置102とが、ネットワーク100を介して通信可能に接続されている。情報端末装置101は、画像形成装置102の管理装置として使用される。ただし、情報端末装置101は必ずしも必要ではなく、また、画像形成装置の数は1つ以上であればよい。
【0014】
ネットワーク100は、上述の各装置の間で情報をやり取りするための通信回線であり、インターネット、イントラネット等の種別や、有線・無線は問わない。
また、情報端末装置101はパーソナルコンピュータに限定するものではなく、同機能を持つ携帯端末や画像形成装置などの情報処理装置でもよいことは当業者には明白であろう。
【0015】
次に、図2、図3を参照して、シャットダウンシステムを構成する各装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、図1に示した画像形成装置102のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置102は、画像処理ユニット201、印刷ユニット202、及び、読み込みユニット203を有する。なお、画像形成装置102が複合機ではない場合は、読み込みユニット203が存在しない構成であってもよい。
【0016】
画像処理ユニット201は、CPU204、ROM205、RAM206、記憶部207、NIC208、ユーザインタフェース209を有する。なお、記憶部207が存在しない構成であってもよい。
【0017】
CPU204は、各種プログラムを実行し、さまざまな機能を実現するユニットである。ROM205は、各種プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したユニットである。CPU204は、ROM205に記録されているプログラムをRAM206にロードし実行する。RAM206は、CPU204の一時的な作業記憶領域としても利用されるユニットである。
【0018】
記憶部207は、ハードディスク(HDD)やフラッシュメモリ等であり、各種データを記憶するユニットである。ネットワークインタフェースカード(NIC)208は、画像形成装置102をネットワーク100に接続するためのユニットである。
【0019】
ユーザインタフェース(UI)209は、ユーザからの処理依頼を受け付けたり、ユーザに対して各種画面等を出力するためのユニットである。ユーザインタフェース209は、画像形成装置102に付属する操作パネルの他に、情報端末装置101から例えばHTTPプロトコルで処理依頼を受け付けたり、情報端末装置101のユーザインタフェース305(図3)を介して情報を出力する場合もある。
【0020】
印刷ユニット202は、印刷データをシートに印刷するためのユニットである。読み込みユニット203は、原稿から画像データを読み取るためのユニットである。
なお、図2に示した構成は、画像形成装置の代表的なハードウェア構成であり、画像形成装置102がこの構成に限定されないことは当業者には明白であろう。例えば、画像形成装置102は、FAXボードや外部制御装置が接続されている構成であってもよい。
【0021】
図3は、図1に示した情報端末装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
CPU301は、各種プログラムを実行し、さまざまな機能を実現するユニットである。ROM302は、各種プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したユニットである。CPU301はROM302や後述する記憶部306に記録されているプログラムをRAM303にロードし実行する。RAM303は、CPU301の一時的な作業記憶領域としても利用されるユニットである。
【0022】
ネットワークインタフェースカード(NIC)304は、情報端末装置101をネットワークに接続するためのユニットであり、NIC304を使用してネットワーク100に接続可能である。
【0023】
ユーザインタフェース(UI)305は、ユーザからの処理依頼を受け付けたり、ユーザに対して各種画面等を出力するためのユニットである。ユーザインタフェース305は、例えば、ディスプレイ、キーボード、及びポインティングデバイス、又は、タッチパネルディスプレイ等である。
【0024】
記憶部306は、HDDやフラッシュメモリ等であり、各種データを記憶するユニットである。また、記憶部306は、各種プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録する。
なお、図3に示した構成は、情報端末装置の代表的なハードウェア構成であり、情報端末装置101がこの構成に限定されないことは当業者には明白であろう。
【0025】
図4は、実施例1におけるシャットダウンシステムを構成する各装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図4に示されている画像形成装置102の各ソフトウェア構成の機能を実現するプログラムは、画像形成装置102のROM205にコンピュータ読み取り可能に記録されており、画像形成装置102のCPU204がRAM206にプログラムをロードし実行することで、これらの機能が実現される。
【0026】
また、図4に示されている情報端末装置101の各ソフトウェア構成の機能を実現するプログラムは、情報端末装置101の記憶部306にコンピュータ読み取り可能に記録されており、情報端末装置101のCPU301がRAM303にプログラムをロードし実行することで、これらの機能が実現される。
【0027】
最初に、画像形成装置102のソフトウェア構成について説明する。
アプリケーション401は、スケジュール日時に合わせて画像形成装置102のシャットダウンの実行を制御するアプリケーションである。アプリケーション401は、シャットダウン設定受信部402、ジョブ確認部403、スケジュール管理部404、機能制限管理部405、メッセージ管理部406、シャットダウン依頼部407、起動検知部408を有する。
【0028】
システム制御部410は、アプリケーション401を構成する各ソフトウェアの動作や、画像形成装置102の各種機能を制御する。システム制御部410は、シャットダウン制御部411を有する。
【0029】
シャットダウン制御部411は、画像形成装置102のシャットダウンを実行するためのものである。シャットダウン制御部411は、シャットダウンの実行を指示されると、画像形成装置102の各アプリケーションや、画像処理ユニット201、印刷ユニット202、読み込みユニット203を順次停止し、画像形成装置102の電源をOFFする。本実施例では、アプリケーション401がシャットダウン制御部411に対してシャットダウンの実行を指示するが、画像形成装置102の不図示の電源スイッチをOFFにした場合も、同様にシャットダウン制御部411にシャットダウンの指示が行われる。
【0030】
次に、アプリケーション401の構成要素について説明する。
シャットダウン設定受信部402は、シャットダウンのスケジュールの設定(図6)やシャットダウンスケジュールの報知設定(図7)、機能制限の詳細設定(図8)等のシャットダウンに関する設定(スケジュール情報)を受け付け、記憶部207に格納する。シャットダウン設定受信部402は、情報端末装置101のシャットダウン設定送信部421からシャットダウンに関する設定を受け付けることができる。また、情報端末装置101が存在しない構成では、画像形成装置102のUI209に各種設定画面(後述する図6〜図8等)を表示し、情報端末装置101を介さずに直接シャットダウンの設定を受け付けることもできる。
【0031】
ジョブ確認部403は、アプリケーション401がシャットダウンを指示する際に、画像形成装置102でプリントやコピーなどのジョブが実行中、もしくはキューイングされていないかを確認する。
【0032】
スケジュール管理部404は、画像形成装置102の現在日時とシャットダウン設定受信部402で受信して記憶部207に記憶されているスケジュール設定(スケジュール情報)を比較して、シャットダウンの実行や報知メッセージの表示等のスケジュールを管理する。
【0033】
機能制限管理部405は、後述する図7や図8に示す機能制限の設定に基づいて、ユーザが使用可能な画像形成装置102の機能を制限する。
メッセージ管理部406は、シャットダウンスケジュールの報知設定(図7)で指定されたメッセージを、設定された表示スケジュールに合わせて出力する。なお、上記の設定されたメッセージ及び表示スケジュールは、シャットダウン設定受信部402で受信されて記憶部207に記憶される上記スケジュール情報に含まれるものとする。
【0034】
シャットダウン依頼部407は、シャットダウン制御部411に対してシャットダウンの指示を行う。起動検知部408は、画像形成装置102が起動したことを検知する。
【0035】
次に、情報端末装置101のソフトウェア構成について説明する。
シャットダウン設定送信部421は、画像形成装置のシャットダウン設定受信部402に対してシャットダウンのスケジュール設定(図6)やシャットダウンスケジュールの報知設定(図7)、機能制限の詳細設定(図8)等のシャットダウンに関する設定(上記スケジュール情報)を、画像形成装置102に対して送信する。
【0036】
デバイスリスト管理部422は、シャットダウンシステムを構成する複数の画像形成装置102を、後述する図5に示すデバイスリスト示す情報等により管理する。また、デバイスリスト管理部422は、図5〜図8に示すような画面を情報端末装置101のユーザインタフェース305に表示し、ユーザによる上記シャットダウンに関する設定の入力を受け付ける。
【0037】
シャットダウン設定送信部421は、デバイスリスト管理部422から受け取った上記シャットダウンに関する設定(スケジュール情報)を、画像形成装置のシャットダウン設定受信部402に対して送信する。なお、シャットダウン設定送信部421は、デバイスリスト管理部422で管理する複数の画像形成装置に対して、一斉にシャットダウンに関する設定(スケジュール情報)を送信することができる。
【0038】
図5は、情報端末装置101のデバイスリスト管理部422がユーザインタフェース305に表示するデバイスリスト管理画面の一例を示す図である。
図5に示す例では、デバイスリスト管理部422は、「DeviceA」から「DeviceC」までの3台を管理しており、不図示のデバイス登録画面を経て、管理対象の画像形成装置として登録する。この登録処理により、管理対象の画像形成装置の情報(例えば、デバイス名、IPアドレス、シリアルNo.、Macアドレス等)が、情報端末装置101の記憶部306に格納される。
【0039】
デバイスリスト表示部501は、管理対象の画像形成装置をリスト表示する。本実施例では、デバイス名、IPアドレス、シリアルNo.を表示しているが、表示項目を限定しないことは当業者には明白であろう。例えば、Macアドレスや設置場所などが表示されていてもよい。
【0040】
管理ユーザは、デバイスリスト表示部501に表示される画像形成装置を1つ以上選択することができる。シャットダウン設定ボタン502は、デバイスリスト表示部501で選択された1つ以上の画像形成装置に対して、シャットダウンの設定を指示するためのもので、本ボタンを押下することでシャットダウン設定画面(図6)に遷移する。デバイスリスト表示部501で、複数の画像形成装置を選択した状態で本ボタンを押下した場合は、デバイスリスト管理部422が、シャットダウン設定送信部421を介して、複数の画像形成装置に対して一斉にシャットダウンの設定を指示する。このように情報端末装置101が存在する構成では、管理対象の複数の画像形成装置に対して一斉にシャットダウンの指示が行えるため、管理ユーザのシャットダウン設定の手間を低減することができる。
【0041】
図6は、シャットダウン設定画面の一例を示す図である。このシャットダウン設定画面は、前述したシャットダウン設定ボタン502を押下することで、デバイスリスト管理部422により情報端末装置101のユーザインタフェース305に表示される。また、情報端末装置101が存在しない構成では、この画面を、画像形成装置102のCPU204が画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示することもできる。
【0042】
シャットダウンのスケジュール設定部601は、シャットダウンの実行スケジュールを指定するためのものである。本実施例では、管理ユーザはドロップダウンリスト601aから「指定日時に実行する」、「定期的に実行する」、「即時に実行する」の3つからいずれかを選択可能である。なお、「指定日時に実行する」が選択された状態では、実行日601bと実行開始時刻601c(即ち、シャットダウン実行日時)を設定可能(スケジューリング可能)である。また、「定期的に実行する」が選択された場合は、図示しないが実行周期や実行開始時刻が設定可能(スケジューリング可能)となる。
【0043】
シャットダウンスケジュールの報知設定602は、管理ユーザが設定したシャットダウンスケジュールを一般ユーザに報知したい時にチェックする。602をチェックした状態で報知設定ボタン602aが押下されると、シャットダウン設定送信部421により、シャットダウンスケジュールの報知設定画面(図7)が表示される。
【0044】
電源OFF状態(電源オフ状態)の期間設定部603は、画像形成装置102の電源OFF状態(シャットダウン状態)を維持する期間(電源オフ期間)を設定するためのものであり、電気点検のように一定期間画像形成装置102を電源OFFの状態で維持したい時に、チェックボックス603aにチェックする。
【0045】
チェックボックス603aをチェックされた状態では、終了日603bと終了時刻603cにより終了日時を設定可能である。さらに、指定した終了日時以前に画像形成装置を起動された時の処理を、ラジオボタン603dで設定することができる。本実施例では、「すぐに強制的にシャットダウンする」、「指定時間経過後にシャットダウンする」、「指定回数のログアウトを検知後にシャットダウンする」、「警告を出力する」の4つからいずれかを選択可能であるが、この4つに限定しないことは当業者には明白であろう。
【0046】
「すぐに強制的にシャットダウンする」は、電気点検のように短い時間でも起動されては困るようなユースケースの場合に指定する。
「指定時間経過後にシャットダウンする」、「指定回数のログアウトを検知後にシャットダウンする」は、一般ユーザにある程度の使用は許可するが、その後には自動でシャットダウンしたい場合に指定する。例えば、省電力を目的に営業時間の後に画像形成装置をシャットダウンするようなユースケースでの使用が想定される。なお、「指定時間経過後にシャットダウンする」が選択された状態では、603eにより指定時間を設定可能である。また、「指定回数のログアウトを検知後にシャットダウンする」が選択された状態では、603fにより指定回数を設定可能である。
「警告を出力する」は、シャットダウンを一般ユーザの判断に任せるような場合に指定し、例えば「電源をOFFにする時間です。使用が完了したら電源を落としてください。」のようなメッセージを画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示して、一般ユーザに注意を喚起する。603の設定により、電気点検や省電力など、目的に応じて画像形成装置102の電源OFF状態を維持することができる。
【0047】
ジョブ存在時の動作設定部604は、シャットダウンの実行時にジョブ確認部403が実行中のジョブが存在すると判断したときの動作を設定するためのものである。
シャットダウンの待機時間604aが設定されると、設定された待機時間はシャットダウンを実行せず定期的に実行中のジョブの存在を確認し、実行中のジョブがなくなったタイミングでシャットダウンを実行する。
【0048】
「待機時間を過ぎたら強制的にシャットダウンする」チェックボックス604bは、前述した待機時間を過ぎても実行中のジョブがなくならない時の動作を指定する。604bのチェックがONのときは、実行中のジョブをキャンセルして強制的にシャットダウンを実行する。604bのチェックがOFFのときは、上記の強制的なシャットダウンの実行はしない。また、本実施例では実行中のジョブを確認したが、キューイングされて待機中のジョブの存在まで確認してもよい。
【0049】
604の設定により、一般ユーザの実行ジョブを考慮したシャットダウンを実現することができる。さらに、待機時間の長さを調整することで、一般ユーザの実行ジョブとスケジュール日時どおりにシャットダウンすることの優先度を調整することができる。
【0050】
OKボタン605が押下されると、デバイスリスト管理部422より指定されたスケジュール設定(図7、図8で指定した設定も含む)がシャットダウン設定送信部421に渡され、シャットダウン設定送信部421が、上記スケジュール設定(スケジュール情報)を、デバイスリスト(図5)で選択されている全ての画像形成装置102のシャットダウン設定受信部402に送信する。そして、シャットダウン設定画面(図6)を閉じる。
【0051】
キャンセルボタン606が押下されると、デバイスリスト管理部422は、シャットダウン設定をキャンセルし、シャットダウン設定画面(図6)を閉じる。
【0052】
図7は、シャットダウンスケジュールの報知設定画面の一例を示す図である。このシャットダウンスケジュールの報知設定画面は、前述したシャットダウンスケジュールの報知設定ボタン602aを押下することで、デバイスリスト管理部422の制御により、情報端末装置101のユーザインタフェース305に表示される。また、情報端末装置101が存在しない構成では、この画面を、画像形成装置102のCPU204が画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示することもできる。
【0053】
報知設定セット701は、報知スケジュール設定部702、報知メッセージ設定部703、機能制限指定部704、機能制限の詳細設定ボタン705、報知メッセージの削除ボタン707を有し、報知設定セット701毎に、報知スケジュール、報知メッセージ、機能制限を設定することができる。
【0054】
報知スケジュール設定部702は、シャットダウンのスケジュール設定部601で指定されたシャットダウンのスケジュール日時を基準として、報知開始時刻702a及び報知開始時刻702aにより、何時間前から何時間前まで報知メッセージや機能制限を行うかを指定する。
【0055】
報知メッセージ設定部703は、出力する報知メッセージの内容を設定する。本実施例では入力欄を4行にしているが、入力欄、入力方法、入力可能文字列などを限定しないことは当業者には明白であろう。
【0056】
機能制限指定部704は、報知スケジュール設定部702で指定された期間に、一般ユーザが使用可能な機能を制限する際に指定するものである。例えば、コピー、プリント、FAX送信、Send等の機能から1以上の機能を制限する機能に指定する。機能制限指定部704でチェックされた機能は、その期間、その機能の使用ができなくなる。例えば、電気点検のようなスケジュール通りにシャットダウンを実行することを優先したいユースケースにおいて、前述したジョブ存在時の動作設定部604では、実行中ジョブが存在する場合に指定時間待機後に強制的にシャットダウンする設定を行う。しかし、実行中のジョブをキャンセルすることは、ジョブの内容や状況によっては許容できない場合も考えられる。そこで本機能では、上記機能制限指定部704及び後述する図8で指定された機能の情報を機能制限情報としてスケジュール情報に含めて画像形成装置に設定し、予め画像形成装置102の指定機能を使用できなくすることで、シャットダウン実行時に一般ユーザのジョブが実行中にならない状況を作ることができる。
【0057】
機能制限の詳細設定ボタン705は、機能制限指定部704でチェックした機能について、より細かい条件での制限を指定するためのもので、本ボタンを押下することで機能制限の詳細設定画面(図8)へ遷移する。例えば、コピー機能の制限に関して、処理に時間がかかる大量コピー(例えば20ページを超えるコピー)のみを制限し、小ページ数のコピーは許可したい場合がある。このような場合、機能制限指定部704でコピーをチェックし、機能制限の詳細設定ボタン705を押下して、機能制限の詳細指定で20ページを超えるプリントの禁止等を設定する。詳細は後述する図8で示す。このように詳細設定することにより、より細かい機能制限を行うことができる。
【0058】
報知メッセージの削除ボタン707を押下することで、デバイスリスト管理部422の制御により、その報知設定セット701を削除することができる。
報知メッセージの追加ボタン706を押下することで、デバイスリスト管理部422の制御により、報知設定セット701を追加することができる。報知設定セット701は、1つ以上の任意の数を登録することができる。即ち、シャットダウン設定送信部421から画像形成装置102に送信される前記スケジュール情報には、報知設定セット701で設定された情報が1つ以上含まれることとなる。これにより、シャットダウンのスケジュール日時に対して、段階的により強い警告内容の報知メッセージに変更したり、段階的に制限する機能を多くすることができる。
【0059】
複数の報知設定セット701により、シャットダウン実行日時(図6の実行日601b及び実行開始時刻601cで特定される日時)より前の時刻で、段階的に制限する画像形成装置102の機能や、前記それぞれの段階でユーザに通知する異なるメッセージの設定等を行うことができる。なお、それぞれの段階に対応する期間は、報知開始時刻702a及び報知終了時刻702bにより特定される期間により設定することができる。
例えば、図7に示した例では、シャットダウン実行日時の24時間前から2時間前まで、2時間前から30分前まで、30分前から実行時刻までの3段階の各段階ごとに、制限する機能、報知するメッセージが設定されている。
【0060】
機能制限の解除コード指定部708は、管理ユーザ、または一般ユーザが、図10で後述する報知メッセージの表示画面から機能制限を解除したい時の解除コードを指定するためのものである。
【0061】
シャットダウンスケジュールの解除コード指定部709は、管理ユーザ、または一般ユーザが、図10や図11で後述する報知メッセージの表示画面からシャットダウンスケジュールを解除したい時の解除コードを指定するためのものである。
【0062】
OKボタン710が押下されると、デバイスリスト管理部422の制御により、指定された内容をRAM303又は記憶部306に記憶してシャットダウン設定画面(図6)に戻る。キャンセルボタン711が押下されると、デバイスリスト管理部422の制御により、指定された内容を破棄してシャットダウン設定画面(図6)に戻る。
【0063】
図8は、機能制限の詳細設定画面の一例を示す図である。なお、この画面は、前述した機能制限の詳細設定ボタン705が押下されることで、デバイスリスト管理部422の制御により、情報端末装置101のユーザインタフェース305に表示される。また、情報端末装置101が存在しない構成では、この画面を、画像形成装置102のCPU204が画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示することもできる。
【0064】
実施例では、機能制限の詳細設定として、「時間のかかる処理を禁止する」801、「失敗する可能性がある処理を禁止する」802、「課金対象の処理は禁止する」803の3つの設定がある。これらは、シャットダウンの実行時にジョブが実行中、またはエラー中になる可能性が高い機能、もしくは強制的にキャンセルした場合に一般ユーザへの影響が大きい機能の一例であり、この3つに限定しないことは当業者には明白であろう。また各設定にある下記の具体例も、これに限定しないことは当業者には明白であろう。
なお、設定欄801〜803では、機能制限指定部704でチェックされた機能に関連する項目のみがチェック可能となるように、デバイスリスト管理部422により制御されている。例えば、機能制限指定部704でコピーがチェックされていない場合、コピーの詳細設定801cはチェック不可能となる。
【0065】
「時間のかかる処理を禁止する」801では、具定的に「20ページを超えるプリント/コピー」801a、「3つ以上のジョブのキューイング」801b、「コピーの詳細設定」801cを選択できる。これらを選択することで、実行時間の長いジョブ、数の多いジョブ、時間のかかる操作を禁止でき、シャットダウンの実行時に一般ユーザのジョブが実行中である状況や、操作中である状況を低減できる。なお、図8の例では、「20ページを超えるプリント/コピー」としているが、画像形成装置102において処理時間が長くなる所定ページ数を超えるプリント処理及びコピー処理であれば、20ページに限定されるものではない。また、「3つ以上のジョブのキューイング」としているが、画像形成装置102において処理時間が長くなる所定数以上のジョブのキューイングであれば、3つに限定されるものではない。これらは、画像形成装置102の処理能力に応じて変更可能である。
【0066】
「失敗する可能性がある処理を禁止する」802では、具定的に「用紙やトナーの残量警告が出ている状態での新規ジョブ」802a、「ネットワーク機能を使用するジョブ」802bを選択できる。例えば、用紙やトナー等の消耗品の残量警告が出ている状態(残量警告中)でプリントを実行すると、途中でトナー切れが発生し、ジョブがエラー停止する可能性がある。この状態でシャットダウンのスケジュール時刻が来ると、シャットダウン時にスケジュール時刻から大きくずれてしまう可能性や、エラー中のジョブを強制的にキャンセルしてしまう可能性が高くなる。ネットワーク機能を使用するジョブは、ネットワーク通信中にシャットダウンのスケジュール時刻が来て、ネットワーク通信中のジョブを強制的にキャンセルしてしまう可能性があり、このような事態の発生を防止したい。本設定を選択することで、シャットダウンの実行時に一般ユーザのジョブがエラー中であったり、ネットワーク通信中である状況を低減できる。
【0067】
「課金対象の処理は禁止する」803では、具定的に「コンテンツプリントサービス」803a、「スキャンサービス」803bを選択できる。画像形成装置102の機能として、機能を実行する際に、サービスプロバイダー等に別途料金を支払うジョブがある。本実施例では、コンテンツ量を支払って、ポスターなどを印刷するコンテンツプリントサービスや、従量課金により文書を保管するスキャンサービスを挙げている。これらのサービスを使用している状況で強制的にシャットダウンされると、料金を支払ったのにジョブが完了しないなどの問題が発生する。
本設定を選択することで、強制的にキャンセルすると影響が大きいジョブを、シャットダウンのスケジュール日時に予め実行させない制御が可能となる。
【0068】
OKボタン804が押下されると、デバイスリスト管理部422の制御により、指定された内容をRAM303又は記憶部306に記憶してシャットダウンスケジュールの報知設定画面(図7)に戻る。キャンセルボタン805が押下されると、デバイスリスト管理部422の制御により、指定された内容を破棄してシャットダウンスケジュールの報知設定画面(図7)に戻る。
【0069】
図9は、シャットダウンスケジュールの報知設定画面(図7)や機能制限の詳細設定画面(図8)で設定した機能制限を画像形成装置102で実現するために用いる機能制限ファイルの一例を示す図である。
【0070】
画像形成装置102の機能制限管理部405が、予め図7や図8の画面から設定されて画像形成装置102の記憶部207に記憶される機能制限に関する設定に基づいて、図9に示すような機能制限ファイルを、画像形成装置102の記憶部207に作成する。そして、画像形成装置102のシステム制御部410は、記憶部207から機能制限ファイルを読み込み、画像形成装置102の機能の許可、または禁止を実現する。
【0071】
図9の例では、FAXを禁止している。プリントは20ページまでは許可している。コピーは20ページまで許可しているが、詳細設定は禁止している。コンテンツプリントサービスは禁止している。スキャンサービスも禁止している。
【0072】
なお、機能制限ファイルの書式や、制限対象の記載方法などを限定しないことは当業者には明白であろう。また、本実施例では機能制限ファイルを用いて画像形成装置102の機能を制限しているが、実現方法を機能制限ファイルに限定しないことも当業者には明白であろう。
【0073】
図10は、本実施例の報知画面の一例を示す図である。なお、この画面は、スケジュール管理部404がシャットダウンスケジュールの報知設定画面(図7)で設定されて画像形成装置102の記憶部207に記憶されるスケジュール情報内の報知開始時刻に達したと判断した時に、メッセージ管理部406が、画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示する。
【0074】
報知メッセージ表示部1001は、報知メッセージ設定部703で設定したメッセージを表示する。
制限機能表示部1002は、現在制限中の機能を判別して表示する。
解除コード入力部1003は、管理ユーザ、または一般ユーザが、機能制限やシャットダウンスケジュールを解除したい時に解除コードを入力するための機能制限解除コード入力部である。なお、1003に入力された解除コードが図7で前述した機能制限の解除コード指定部708で指定された解除コードと一致する場合、機能制限を解除する。また、1003に入力された解除コードが図7で前述したシャットダウンスケジュールの解除コード指定部709で指定された解除コードと一致する場合、シャットダウンスケジュールを解除する。
【0075】
シャットダウンのスケジュールの前に、図10のような報知画面を表示することで、一般ユーザにシャットダウンのスケジュールを事前に報知し、スケジュール時刻にジョブを実行しないように一般ユーザに意識させることができる。また、シャットダウンのスケジュール日時に実行させたくない機能については、シャットダウンのスケジュールの前に段階的に機能制限することもできる。さらに、解除コードを入力することで、緊急時には画像形成装置102のユーザインタフェース209から機能制限やシャットダウンスケジュールを解除することもできる。
OKボタン1004が押下されると、システム制御部410により、この画面が閉じられる。
【0076】
図11は、本実施例の報知画面の一例を示す図である。なお、この画面は、起動検知部408が電源OFF状態の期間設定部603で設定した期間に画像形成装置102の電源が起動されたことを検知した時に、メッセージ管理部406が、画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示する。なお、図11に示す例では、電源OFF状態の期間設定部603で「すぐに強制的にシャットダウンする」が選択されたときの画面例を表示している。
【0077】
解除コード入力部1101は、管理ユーザ、または一般ユーザが、強制的なシャットダウンを解除したい時に解除コードを入力するためのシャットダウン解除コード入力部である。1101に入力された解除コードが図7で前述したシャットダウンスケジュールの解除コード指定部709で指定された解除コードと一致する場合、強制的なシャットダウンを実行しないようにする。
OKボタン1102が押下されると、システム制御部410により、この画面が閉じられる。
【0078】
なお、図10と図11の報知画面を、画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示する場合を示したが、不図示の一般ユーザの情報処理端末のユーザインタフェースに表示してもよい。この場合、一般ユーザの情報処理端末内のソフトウェアが定期的に画像形成装置102と通信し、画像形成装置102は報知開始時刻に達したと判断した時に、報知メッセージを返信する。一般ユーザの情報処理端末内のソフトウェアは、受信したメッセージを任意のタイミングで情報処理端末のユーザインタフェースに表示する。
【0079】
さらに図10と図11の報知画面は、画像形成装置102がユーザインタフェース209を持たない場合、メッセージ管理部406が画像形成装置102の印刷ユニット202を用いて、報知メッセージをプリントして紙で出力するようにしてもよい。
【0080】
以下、図12〜図14のフローチャートを用いて、本発明の画像形成装置の処理について説明する。
図12は、画像形成装置102が報知画面を表示するときの処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、図4に示した画像形成装置102のソフトウェア構成において、画像形成装置102のCPU204が各プログラムを実行することにより実現される。
【0081】
始めに、画像形成装置102のスケジュール管理部404が、記憶部207に記憶されるスケジュール情報(図6〜図8で設定された情報)に基づいて、報知開始時刻に達したと判断した時に、機能制限管理部405が、S1201の処理を実行する。
【0082】
S1201では、機能制限管理部405は、上記スケジュール情報に基づいて、機能制限の設定があるかどうかを判定する。
そして、機能制限の設定がないと判定した場合(S1201でNo)、機能制限管理部405は、メッセージ管理部406にメッセージ表示を依頼する。
一方、機能制限の設定があると判定した場合(S1201でYes)、機能制限管理部405は、制限対象の機能が現在使用されていないかどうかを判定する。
制限対象の機能が現在使用されている(使用中)と判定した場合(S1202でYes)、機能制限管理部405は、S1203において、一定時間待機し、S1202に処理を戻す。即ち、制限対象の機能の使用が終わるのを待つ。これは、一般ユーザが機能を使用している途中に突然機能が制限されることを防ぐためである。
【0083】
一方、上記S1202において、制限対象の機能が現在使用されていない(使用中でない)と判定した場合(S1202でNo)、機能制限管理部405は、S1204において、図9に示したような機能制限ファイルを作成し、記憶部207に格納する。そして、メッセージ管理部406にメッセージ表示を依頼する。
【0084】
メッセージ表示の依頼を受けると、メッセージ管理部406は、S1205において、上記スケジュール情報に基づいて、シャットダウンの設定で指示された報知メッセージと、機能制限中の機能を判別して、図10に示したような画面を、画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示する。
【0085】
なお、図示しないが、上記S1205で表示された報知画面において、上記スケジュール情報に含まれる機能制限の解除コード、又はシャットダウンスケジュールの解除コードが入力された場合には、アプリケーション401は、機能制限、又はシャットダウンスケジュールを解除するように制御する。即ち、上記スケジュール情報内の機能制限設定を機能制限しないように変更するとともに機能制限ファイルの制限機能をクリアしたり、シャットダウン設定をシャットダウンしないように変更したりする。
【0086】
図13は、画像形成装置102がシャットダウンを実行するときの処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、図4に示した画像形成装置102のソフトウェア構成において、画像形成装置102のCPU204が各プログラムを実行することにより実現される。
【0087】
始めに、画像形成装置102のスケジュール管理部404が、記憶部207に記憶されるスケジュール情報(図6〜図8で設定された情報)に基づいて、シャットダウンのスケジュールに達したと判断した時に、機能制限管理部405が、S1301の処理を実行する。
【0088】
S1301では、ジョブ確認部403は、現在実行中のジョブが存在するかどうかを判定する。
実行中のジョブが存在しないと判定した場合(S1301でNo)、シャットダウン依頼部407が、S1305において、シャットダウン制御部411に対して、シャットダウンを指示する。
【0089】
一方、実行中のジョブが存在すると判定した場合(S1301でYes)、ジョブ確認部403は、S1302において、上記スケジュール情報に基づいて、ジョブ存在時の動作設定部604で設定された待機時間を経過しているかどうかを判定する。
【0090】
そして、まだ設定された待機時間を経過していないと判定した場合(S1302でNo)、ジョブ確認部403は、S1303において、一定時間待機した後、再度S1301に処理を戻す。
【0091】
一方、既に設定された待機時間を経過したと判定した場合(S1302でYes)、シャットダウン依頼部407が、S1304の処理を実行する。
S1304では、シャットダウン依頼部407は、上記スケジュール情報に基づいて、ジョブ存在時の動作設定部604で「待機時間を過ぎたら強制的にシャットダウンする」が設定されている設定か否かを判定する。
【0092】
そして、「待機時間を過ぎたら強制的にシャットダウンする」が設定されていないと判定した場合(S1304でNo)、シャットダウン依頼部407は、シャットダウンを指示せずに本フローチャートの処理を終了する。
【0093】
一方、「待機時間を過ぎたら強制的にシャットダウンする」が設定されていると判定した場合(S1304でYes)、S1305において、シャットダウン依頼部407は、実行中のジョブをキャンセルしてシャットダウン制御部411に対してシャットダウンを指示する。
【0094】
図14は、画像形成装置102が起動したときの処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、起動検知部408が画像形成装置102の起動を検知したときに、アプリケーション401により開始される。なお、このフローチャートの処理は、図4に示した画像形成装置102のソフトウェア構成において、画像形成装置102のCPU204が各プログラムを実行することにより実現される。
【0095】
本実施例では、アプリケーション401は画像形成装置102で実行させるため、アプリケーション401内の起動検知部408は、画像形成装置102が起動したときにアプリケーション401に対して通知される起動イベントを受信することで画像形成装置102の起動を検知し、本フローチャートの処理を開始する。
【0096】
始めにS1401において、スケジュール管理部404は、記憶部207に記憶されるスケジュール情報(図6〜図8で設定された情報)に基づいて、起動された日時が電源OFF状態の期間設定部603で設定された期間か否かを判定する。
【0097】
電源OFF状態を継続する期間であると判定した場合(S1401でYes)、スケジュール管理部404は、終了日時以前に起動された時の処理を確認するために、S1402に処理を進める。
【0098】
S1402では、スケジュール管理部404は、上記スケジュール情報に基づいて、設定内容が「警告を出力する」であるかどうかを判定する。
そして、設定内容が「警告を出力する」と判定した場合(S1402でYes)、メッセージ管理部406が、S1403の処理を実行する。
S1403では、メッセージ管理部406は、不図示の警告メッセージ(例えば、「電源OFF期間です。すみやかに、シャットダウン処理を行って下さい。」等)を、画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0099】
一方、設定内容が「警告を出力する」でない、即ち、設定内容が「すぐに強制的にシャットダウンする」、「指定時間経過後にシャットダウンする」、又は「指定回数のログアウトを検知後にシャットダウンする」であると判定した場合(S1402でNo)、S1407に処理を進める。
【0100】
S1407では、スケジュール管理部404は、上記スケジュール情報に基づいて、指定時間もしくは指定回数が経過したか否かを判定する。なお、本実施例では、「すぐに強制的にシャットダウンする」のときも図11のように30秒は待機する、即ち指定時間が30秒となる。
【0101】
そして、まだ指定時間もしくは指定回数が経過していないと判定した場合(S1407でNo)、S1408において、メッセージ管理部406は、図11に示したような警告メッセージを画像形成装置102のユーザインタフェース209に表示する。そして、S1407に処理を戻す。
【0102】
一方、既に指定時間もしくは指定回数が経過したと判定した場合(S1407でYes)、シャットダウン依頼部407が、S1409の処理を実行する。
S1409では、シャットダウン依頼部407は、シャットダウン制御部411に対して、シャットダウンを指示する。
なお、図示しないが、上記S1407において、指定時間もしくは指定回数が経過したと判定される前に、解除コードが入力された場合には、シャットダウンを指示することなく、本フローチャートの処理を終了するように制御するものとする。
【0103】
また、上記S1401において、電源OFF状態を継続する期間ではないと判定した場合(No)、スケジュール管理部404は、S1410に処理を進める。
S1410では、スケジュール管理部404は、スケジュールシャットダウンした後の初めての起動かどうかを判定する。
そして、初めての起動であると判定した場合(S1410でYes)、S1411において、メッセージ管理部406は、画像形成装置102のユーザインタフェース209からメッセージを削除する。さらに、S1412において、機能制限管理部405は、機能制限ファイルの制限機能をクリアし、本フローチャートの処理を終了する。
【0104】
一方、初めての起動でないと判定した場合(S1410でNo)、メッセージ管理部406は、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0105】
以上示したように、本実施例によれば、画像形成装置102のシャットダウンの実行時に一般ユーザのジョブが存在する可能性を低減し、可能な限りスケジュールされた日時に画像形成装置102をシャットダウンできるようにする。また、指定した期間の画像形成装置102の電源OFF状態を維持することを可能にする。
【実施例2】
【0106】
実施例2では、図1のシャットダウンシステムの構成、図2〜図3のハードウェア構成は実施例1と同様とする。
図15は、実施例2におけるシャットダウンシステムを構成する各装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
実施例1との違いは、実施例1ではアプリケーション401が画像形成装置102の中にあったのに対し、実施例2では画像形成装置102の中にはアプリケーションは存在せず、情報端末装置101の中にアプリケーション1501が存在する点である。
【0107】
実施例1では、情報端末装置101は、デバイスリスト(図5)で選択されている各画像形成装置102のアプリケーション401に対して、一斉にシャットダウンの設定を行う構成であった。これに対して、実施例2では、情報端末装置101は、スケジュールシャットダウンの機能自体を、ネットワーク100を経由して、デバイスリスト(図5)で選択されている各画像形成装置102に提供する構成とする。
【0108】
図15に示されている各ソフトウェアの機能は、デバイスリスト管理部1502、シャットダウン設定受信部1503、起動検知部1508、及び、シャットダウン依頼部1509を除いて実施例1の各ソフトウェアと同様である。即ち、ジョブ確認部1504とジョブ確認部403、スケジュール管理部1505とスケジュール管理部404、機能制限管理部1506と機能制限管理部405、メッセージ管理部1507とメッセージ管理部406とは、それぞれ同一の構成である。
【0109】
実施例1では、デバイスリスト管理部422がスケジュール情報(図6〜図8で設定された情報)をシャットダウン設定送信部421に渡し、シャットダウン設定送信部421がシャットダウン設定受信部402に送信する構成であった。これに対して、実施例2のデバイスリスト管理部1502は、スケジュール情報をシャットダウン設定受信部1503に渡す構成である。
【0110】
また、実施例1では、起動検知部408は画像形成装置102が起動したときに、アプリケーション401に対して通知される起動イベントを受信することで起動を検知する構成であった。これに対して、実施例2では、起動検知部1508が、画像形成装置102が起動したときにネットワーク100に対して発行するネットワークパケットを受信することで、画像形成装置102が起動したと検知する構成とする。
【0111】
また、実施例1では、シャットダウン依頼部407が同一装置内のシャットダウン制御部411にシャットダウンを依頼する構成であった。これに対して、実施例2では、シャットダウン依頼部1509がネットワークを介して対象となる画像形成装置102内のシャットダウン制御部411にシャットダウンを依頼するように構成する。
【0112】
以上示した実施例2によれば、実施例1と比較して、画像形成装置102の中にアプリケーション401を実装しなくてもよい、という利点を有する。例えば、実施例1と比較して、画像形成装置102のROM容量やCPU等のコンピュータ資源を節約することが可能となる。
【0113】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0114】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0115】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0116】
以上示したように、本発明によれば、画像形成装置内にインストールされたアプリケーション等により、オフィス内の画像形成装置をスケジュールで強制的にシャットダウンする機能を実現することができる。例えば、オフィスの法定点検の用途等で、オフィス内の画像形成装置をスケジュールで強制的にシャットダウンする場合等に有効である。
【符号の説明】
【0117】
100 ネットワーク
101 情報端末装置
102 画像形成装置
401 アプリケーション
402 シャットダウン設定受信部
404 スケジュール管理部
405 機能制限管理部
406 メッセージ管理部
407 シャットダウン依頼部
408 起動検知部
421 シャットダウン設定送信部
422 デバイスリスト管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
前記画像形成装置のシャットダウンを実行する日時をスケジューリングしたシャットダウン実行日時を含むスケジュール情報を記憶する記憶手段と、
前記スケジュール情報に含まれる前記シャットダウン実行日時に、前記画像形成装置をシャットダウンするように制御するシャットダウン手段と、
前記スケジュール情報に含まれる前記シャットダウン実行日時より前の時刻で、段階的に前記画像形成装置の複数の機能のいずれかを制限する制限手段と、
前記それぞれの段階で異なるメッセージをユーザに通知する通知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記スケジュール情報は、前記それぞれの段階に対応する期間を指定する情報を1つ以上含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記スケジュール情報は、前記画像形成装置の電源オフ状態を維持すべき期間を示す電源オフ期間の情報を含み、
前記電源オフ期間に前記画像形成装置が起動されたことを検知する検知手段を有し、
前記検知手段が前記画像形成装置の起動を検知した場合、前記通知手段は強制的にシャットダウンを行う旨のメッセージをユーザに通知し、前記シャットダウン手段は前記画像形成装置を強制的にシャットダウンすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知手段が前記画像形成装置の起動を検知した場合に、シャットダウンスケジュールの解除コードの入力を受け付けるシャットダウン解除コード入力手段を有し、
前記シャットダウン解除コード入力手段が前記シャットダウンスケジュールの解除コードの入力を受け付けた場合、前記シャットダウン手段は前記画像形成装置を強制的にシャットダウンしないことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記スケジュール情報は、前記シャットダウンスケジュールの解除コードを含むことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スケジュール情報は、前記それぞれの段階で制限する機能を示す機能制限情報を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制限手段は、処理時間が長い機能を制限することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記処理時間が長い機能とは、少なくとも、所定のページ数を超えるプリント処理又はコピー処理を行う機能、所定数以上のジョブをキューイングする機能、コピーの詳細設定を行うための機能のいずれかを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制限手段は、処理を失敗する可能性が高い機能を制限することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記処理を失敗する可能性が高い機能とは、少なくとも、消耗品の残量警告中での新規のジョブを行う機能、ネットワーク通信を使用するジョブを行う機能のいずれかを含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制限手段は、課金対象の機能を制限することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記それぞれの段階で機能制限の解除コードの入力を受け付ける機能制限解除コード入力手段を有し、
前記機能制限解除コード入力手段が前記機能制限の解除コードの入力を受け付けた場合、前記制限手段は前記機能の制限を行わないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記スケジュール情報は、前記機能制限の解除コードを含むことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記スケジュール情報は、ネットワークを介して通信可能な管理装置から受信することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
ネットワークを介して画像形成装置と通信可能な管理装置であって、
前記画像形成装置のシャットダウンを実行する日時をスケジューリングするシャットダウン実行日時と、前記シャットダウン実行日時より前の時刻で段階的に前記画像形成装置の複数の機能のいずれかを制限する際にそれぞれの段階でユーザに通知する異なるメッセージの情報とを含むスケジュール情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けされた前記スケジュール情報を前記画像形成装置に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項16】
前記スケジュール情報は、該スケジュール情報に基づく前記画像形成装置をシャットダウンするスケジュールを解除するための解除コードを含むことを特徴とする請求項15に記載の管理装置。
【請求項17】
前記スケジュール情報は、該スケジュール情報に基づく前記画像形成装置の機能の制限を解除するための解除コードを含むことを特徴とする請求項15又は16に記載の管理装置。
【請求項18】
前記管理装置は、複数の画像形成装置を管理するものであり、
前記入力手段は、複数の画像形成装置を対象としたスケジュール情報の入力を受け付け可能なものであり、
前記送信手段は、前記入力手段で複数の画像形成装置を対象としたスケジュール情報の入力を受け付けされた場合、該スケジュール情報を前記複数の画像形成装置に送信することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項19】
前記スケジュール情報は、前記それぞれの段階に対応する期間の情報を1つ以上含むことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項20】
画像形成装置の制御方法であって、
予め設定されたスケジュール情報に含まれる前記画像形成装置のシャットダウンを実行する日時をスケジューリングしたシャットダウン実行日時に、前記画像形成装置をシャットダウンするように制御するシャットダウンステップと、
前記スケジュール情報に含まれる前記シャットダウン実行日時より前の時刻で、段階的に前記画像形成装置の複数の機能のいずれかを制限する制限ステップと、
前記それぞれの段階で異なるメッセージをユーザに通知する通知ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項21】
ネットワークを介して画像形成装置と通信可能な管理装置の制御方法であって、
前記画像形成装置のシャットダウンを実行する日時をスケジューリングするシャットダウン実行日時と、前記シャットダウン実行日時より前の時刻で段階的に前記画像形成装置の複数の機能のいずれかを制限するそれぞれの段階でユーザに通知する異なるメッセージの情報とを含むスケジュール情報の入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップで受け付けされた前記スケジュール情報を前記画像形成装置に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする管理装置の制御方法。
【請求項22】
コンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載された手段として機能させるためのプログラム。
【請求項23】
コンピュータを、請求項15乃至19のいずれか1項に記載された手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−88454(P2013−88454A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225669(P2011−225669)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】