説明

画像形成装置、表示方法、および表示プログラム

【課題】ユーザの操作感や使用感を損なうことなく情報を画面表示する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置において、宛先検索処理などの処理に関するウィンドウをアニメーション表示で行なう処理であって、処理時間が予測可能な場合と不可能な場合との2種類の場合がある処理を実行する際、検索の対象が当該画像形成装置に記憶されている宛先データか他の装置に記憶されている宛先データかに応じて処理時間が予測可能か否かが判断される(S403)。そして、処理時間が予測可能であって所定時間以上である場合には処理に関するウィンドウをアニメーション表示で行ない(S407)、予測不可能であって所定時間以上処理が継続している場合には処理に関するウィンドウをポップアップ表示で行なう(S415)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、表示方法、および表示プログラムに関し、特に、情報を画面表示する画像形成装置、表示方法、および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機やプリンタやファクシミリ送受信機やそれらの機能の複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などである画像形成装置は、ユーザに対して情報を提示するための操作パネル等の表示部を有している。そして、操作画面の提示や報知などを該表示部を用いて行なっている。
【0003】
たとえば、特開2004−104263号公報(特許文献1)に開示される画像形成装置には、原稿読み直しキーが押下されて読み直しモードとなったときに、原稿読み直しポップアップ画面を操作パネルに表示して該モードを報知する例が記載されている(たとえば図4)。
【0004】
また、他の報知の例として、画像形成装置の処理中にユーザの操作入力が受け付けられない場合に、ユーザに対してその旨を報知するメッセージボックスを操作パネルに表示することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−104263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に例示されているようにモードが切り替わったときにポップアップ画面が表示されると、ユーザの操作中に操作パネルにいきなりポップアップ画面が表示されることになり、ユーザのスムーズな操作感や使用感が損なわれてしまう場合もある。
【0007】
また、ユーザの操作入力が受け付けられない場合に単にその旨を報知するメッセージボックスを表示するのみでは、操作入力が受け付けられるまでどれだけの時間待たねばならないのかユーザは知ることができず、やはり、ユーザのスムーズな操作感や使用感が損なわれてしまう場合もある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、ユーザの操作感や使用感を損なうことなく情報を画面表示し、ユーザにスムーズで快適な操作を可能とする画像形成装置、該画像形成装置における表示方法、および該画像形成装置に表示を行なわせるための表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、表示手段と、処理の実行の要求を受け付けるための受付手段と、2以上のウィンドウを連続して表示するアニメーション表示を表示手段に表示させるための第1の処理手段と、1つのウィンドウを表示するポップアップ表示を表示手段に表示させるための第2の処理手段と、実行が要求された処理の所要時間が予測可能か否かを判定するための判定手段と、実行が要求された処理の所要時間が予測可能である場合には、第1の処理手段により、実行が要求された処理に関するウィンドウをアニメーション表示させ、実行が要求された処理の所要時間が予測不可能である場合には、第2の処理手段により、実行が要求された処理に関するウィンドウをポップアップ表示させるための表示制御手段とを備える。
【0010】
好ましくは、表示制御手段は、実行が要求された処理の所要時間が予測不可能であり、かつ、実行が要求された処理の開始から第1の時間を経過しても実行が要求された処理が終了しない場合に、第2の処理手段により、実行が要求された処理に関するウィンドウをポップアップ表示させる。
【0011】
好ましくは、表示制御手段は、実行が要求された処理の所要時間が予測可能であり、かつ、予測される実行が要求された処理の所要時間が第2の時間よりも長い場合に実行が要求された処理に関するウィンドウをアニメーション表示すると判定する。
【0012】
好ましくは、表示制御手段は、第1の処理手段により実行が要求された処理に関するウィンドウをアニメーション表示させる場合に、実行が要求された処理の所要時間が第3の時間以上のときには、第1の処理手段に第1のアニメーション時間でアニメーション表示を行なわせ、実行が要求された処理の所要時間が第3の時間より短いときには、第1の処理手段に第1のアニメーション時間よりも短い第2のアニメーション時間でアニメーション表示を行なわせる。
【0013】
好ましくは、判定手段は、記憶されている、実行が要求された処理に用いられるデータの数に基づいて、実行が要求された処理の所要時間を算出する。
【0014】
好ましくは、判定手段は、実行が要求された処理において、当該画像形成装置内のデータのみを用いる場合に所要時間が予測可能と判定し、当該画像形成装置外の他の装置内のデータを用いる場合に所要時間が予測不可能と判定する。
【0015】
本発明の他の局面に従うと、表示方法は、表示手段を備える画像形成装置での、表示手段の表示方法であって、処理の実行の要求を受け付けるステップと、実行が要求された処理が、所要時間が予測可能か否かを判定するステップと、実行が要求された処理の所要時間が予測可能である場合には2以上のウィンドウを連続して表示するアニメーション表示で、所要時間が予測不可能である場合には1つのウィンドウを表示するポップアップ表示で、実行が要求された処理に関するウィンドウを表示手段に表示するステップとを備える。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示プログラムは表示手段を備える画像形成装置での表示処理を画像形成装置に実行させるためのプログラムであって、処理の実行の要求を受け付けるステップと、実行が要求された処理が、所要時間が予測可能か否かを判定するステップと、実行が要求された処理の所要時間が予測可能である場合には2以上のウィンドウを連続して表示するアニメーション表示で、所要時間が予測不可能である場合には1つのウィンドウを表示するポップアップ表示で、実行が要求された処理に関するウィンドウを表示手段に表示するステップとを含む。
【発明の効果】
【0017】
この発明によると、ユーザの操作性を損なうことなく情報の画面表示によってユーザの操作感や使用感が損なわれることがない。そのため、ユーザの、スムーズで快適な画像形成装置の操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態にかかる画像形成装置を含むシステムの構成の具体例を示す図である。
【図2】図1のシステムに含まれる画像形成装置の構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置における全体処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS313での宛先検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】画像形成装置に登録されている宛先の一覧を表示する画面の具体例を示す図である。
【図7】検索キーワードを入力する画面の具体例を示す図である。
【図8】アニメーション表示している画面の具体例を示す図である。
【図9】ポップアップ表示している画面の具体例を示す図である。
【図10】図4のステップS317での認証処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】ログイン画面の具体例を示す図である。
【図12】アニメーション表示している画面の具体例を示す図である。
【図13】ポップアップ表示している画面の具体例を示す図である。
【図14】初期画面の具体例を示す図である。
【図15】「短いアニメーション表示」がなされている画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0020】
<システムの構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置を含むシステム(以下、システムと略する)の構成の具体例を示す図である。
【0021】
図を参照して、本実施の形態にかかるシステムは、ネットワーク4に接続された画像形成装置1と情報処理装置3とを含む。
【0022】
画像形成装置1は図に示されるように複数含まれてよく、複数の画像形成装置1−x(x=1〜n,n+1〜m)を代表させて画像形成装置1と称する。また、情報処理装置3も図に示されるように複数含まれてよく、複数の情報処理装置3−y(y=1〜r,r+1〜s)を代表させて情報処理装置3と称する。また、これらは、図1に示されるように、外部ネットワーク5に接続された異なるネットワーク4A,4B(これらを代表させてネットワーク4と称する)に接続されてもよい。
【0023】
ネットワーク4は、LAN(Local Area Network)などの専用回線を用いたネットワーク、一般回線を用いたネットワーク、無線通信によるネットワーク、等のいずれであってもよい。外部ネットワーク5も同様である。
【0024】
画像形成装置としてはコピー機やプリンタやファクシミリ送受信機やそれらの機能の複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などが該当するが、本例では、画像形成装置1はMFPであるものとする。画像形成装置1は、走査した原稿画像、または情報処理装置3から送信されるプリントデータに基づいて用紙上に画像を形成する。ここで、プリントデータとは、情報処理装置3のアプリケーションプログラムが処理するデータを、プリンタドライバが、画像形成装置1が処理可能なページ記述言語に変換したページ記述言語によるデータ、またはPDF(Portable Document Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、XPS(XML Paper Specification)等のファイルフォーマットで記述された文書データを指す。
【0025】
画像形成装置1は、原稿画像を走査して得られる画像データを、ネットワーク4を介して情報処理装置3、または他の画像形成装置に送信することもできる。または、外部ネットワーク5を介して、別のネットワークに接続された他の画像形成装置や情報処理装置に画像データを送信することもできる。
【0026】
<情報処理装置の構成>
情報処理装置としてはパーソナルコンピュータ(以下、PC)や携帯電話機など、画像形成装置1と通信可能な装置が該当するが、本例では、情報処理装置3は一般的なPCであるものとする。一般的なPCである情報処理装置3は、装置全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)および記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)を有し、固定記憶装置(ハードディスク装置など)や情報を提示するためのモニタ、ユーザ操作の入力を受け付けるためのキーボードやマウス等が接続されている。情報処理装置3はユーザ操作を受け付けて、該操作に従ってプリントデータを生成し、生成したプリントデータを画像形成装置1に送信する。
【0027】
<画像形成装置の装置構成>
図2は、画像形成装置1の構成の具体例を示すブロック図である。
【0028】
図を参照して、画像形成装置1は、装置全体を制御するための制御部100と、記憶装置である固定記憶装置110と、原稿画像を光学的に読み取って画像データを取得するための画像読取装置120と、ユーザに対して情報を表示し、またユーザからの操作を受け付けるためのための操作パネル130と、情報処理装置3から受信したプリントデータに基づいて画像データを生成するプリンタコントローラ150と、画像読取装置120が取得した画像データまたはプリントコントローラ150が生成した画像データを用紙上に形成するためのプリンタ部140と、ネットワーク4に接続して情報処理装置3等の他の装置と通信するためのネットワークインタフェース(以下、I/F)160とを含む。
【0029】
さらに、制御部100は、CPU101と、制御プログラムを格納するためのメモリであるROM(Read Only Memory)102と、作業用のメモリであるS−RAM(Static Random Access Memory)103と、画像形成に関わる各種の設定を記憶するためのバッテリバックアップされたメモリであるNV−RAM(不揮発性メモリ)104と、計時するための回路である時計IC(Integrated Circuit)105とを含み、それらがバスで接続された構成となっている。
【0030】
<画像形成装置の機能構成>
画像形成装置1は、操作パネル130に、図9にW01として示すような新たな画像(図9のW01のような画像をウィンドウと呼ぶことがある。)を表示する方法として2つの方法を持つ。1つは最終的に表示するウィンドウを含む2以上の画像を連続して表示する方法であり、もう一つは直接表示する方法である。以降の説明において、前者の方法による表示を「アニメーション表示」と称し、後者の方法による表示をポップアップ表示と称する。
【0031】
アニメーション表示では、予め用意された、最終的に表示させるウィンドウに対応する画像データを含む2以上の画像データに基づいたウィンドウを、予め規定された順に表示させる。これにより、アニメーション表示ではあたかもウィンドウが動的に変化している(アニメーション)ような表示が行なわれる。なお、アニメーション表示のために用意された、上記2以上の画像データのまとまりのことを、画像データ群と呼ぶことがある。
【0032】
一方、ポップアップ表示では1つの画像データに基づいて、その画像データに対応するウィンドウを直接表示させる。
【0033】
画像形成装置1では、どのような時にアニメーション表示を用い、どのような時にポップアップ表示を用いるかが予め規定されている。具体的には、ユーザによる操作を受け付けてからそれに対応する処理が終了するまでに、ある程度の時間を要する処理に関するウィンドウを表示するときにはアニメーション表示を用いる。そのようにすることで、ユーザは、ポップアップ表示を用いる場合と比べて、処理終了までにある程度の時間がかかることが把握でき、処理終了まで待機することの不快感を和らげることができる。そのため、ポップアップ表示のみで報知される場合よりもユーザの操作感や使用感を損なわせず、スムーズな操作を可能とすることができる。
【0034】
さらに、画像形成装置1は、予めアニメーション表示を用いることが規定された処理であっても、その処理が終了するまでに要する時間(以下、単に「処理所要時間」ということがある)が予測できない状況である場合には、アニメーション表示を用いずに、ポップアップ表示を用いる。これにより、処理所要時間が短いために、アニメーション表示が途中で途切れてしまうことを防止する。
【0035】
ここで、「処理所要時間を予測可能」とは、当該処理の開始時に、処理所要時間が算出可能なことを言う。具体的には、処理の対象となるデータの全部が当該画像形成装置1内に記憶されている場合には処理所要時間は「予測可能」とする。一方、処理の対象となるデータの一部または全部が当該画像形成装置1以外の他の装置に記憶されている場合には処理所要時間は「予測不可能」とする。なぜなら、処理の対象となるデータが他の装置に記憶されている場合には、処理所要時間は、当該他の装置におけるデータの管理状況(記憶データ数や各場所等)や、当該他の装置の処理負荷の状況、当該他の装置にアクセスするための通信トラフィックなどの要素に依存するが、それらの要素は自機(画像形成装置1)で制御できないからである。このように、画像形成装置1は、処理の対象となるデータの全部が当該画像形成装置1内に記憶されているか、処理の対象となるデータの一部または全部が当該画像形成装置1以外の他の装置に記憶されているかによって、その処理のための表示にアニメーション表示を用いるかポップアップ表示を用いるかを切り替える。
【0036】
図3は、前述した表示制御を実現するために、画像形成装置1が備える機能構成を示すブロック図である。各機能は、CPU101がROM102に記憶されているプログラムを読出して実行することによって、主にCPU101で実現される。
【0037】
図を参照して、CPU101は、画像形成装置1が実行する処理に関するウィンドウを表示する際に、アニメーション表示を用いるかポップアップ表示を用いるかを判定するための判定部111と、アニメーション表示を行なうための画像データ群を記憶してアニメーション表示の処理を行なうためのアニメーション処理部112と、ポップアップ表示を行なうための画像データを記憶してポップアップ表示させる処理を行なうためのポップアップ処理部113とを実現する。
【0038】
判定部111は、画像形成装置1が実行可能な処理ごとに、ウィンドウの表示方法として、アニメーション表示を用いるかポップアップ表示を用いるかを以下のように2段階で判断する。
【0039】
判定部111は、画像形成装置1が実行可能な処理ごとに、アニメーション表示を用いるかポップアップ表示を用いるかが規定されたテーブル(表示方法テーブル)を予め記憶している。
【0040】
そして、第1段階として、判定部111は、その表示方法テーブルに基づいて、ウィンドウの表示方法を判定する。
【0041】
次に、第2段階として、判定部111は、第1段階でアニメーション表示を用いると判定された場合、つまり表示方法テーブルでアニメーション表示を用いることが規定された処理について、さらに後述するように、処理所要時間が予測可能か否かに基づいて、最終的なウィンドウの表示方法を判定する。
【0042】
アニメーション処理部112は、判定部111が最終的にアニメーション表示を用いると判定した場合に、画像データ群に含まれる画像データを予め規定する順に読み出し、その画像データに応じたウィンドウを操作パネル130に順次表示させる処理を実行する。
【0043】
ポップアップ処理部113は、判定部111が最終的にアニメーション表示を用いると判定した場合に画像データを読み出して、その画像データに基づいてウィンドウを操作パネル130に表示させる処理を実行する。
【0044】
<画像形成装置での処理>
(全体処理)
図4は、画像形成装置1の操作パネル130にウィンドウを表示する際に実行される処理の全体の流れを示すフローチャートである。図4に示される処理は、CPU101がROM102に記憶されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。
【0045】
なお、図4のフローチャートでは、表示方法テーブルにおいて、アニメーション表示を用いる処理として、原稿のスキャン送信などの宛先を検索する処理(以下、宛先検索処理とも称する)とログイン処理とが規定されている場合を例示している。ここでは、宛先検索処理とログイン処理と以外の処理はポップアップ表示を用いる処理として規定されているものとする。なお、これはあくまで一例であり、宛先検索処理とログイン処理と以外の処理が、アニメーションを用いる処理として規定されていてもよい。
【0046】
図を参照して、処理が開始されるステップS301でCPU101は、所定の初期化処理を行なう。具体的には、画像形成装置1の設定値を予め決められた初期値に設定し、それに基づいた初期画面(不図示)を操作パネル130に表示する。
【0047】
その後、CPU101は、S303において、操作パネル130を介してユーザの操作を受け付けたか否かを判断する。その結果、ユーザの操作を受け付けていない場合は(ステップS303でNO)、CPU101はステップS305の処理に進む。
【0048】
操作パネルを介してユーザの操作を受け付けた場合は(ステップS303でYES)、CPU101は、ユーザの操作が宛先検索処理の要求であるか否かを判断する(ステップS311)。その結果、宛先検索処理の要求であれば(ステップS311でYES)、ステップS313でCPU101は、後述する宛先検索処理を実行する。そして、宛先検索処理が終了後、ステップS303に処理を戻す。
【0049】
一方、ユーザの操作が宛先検索処理の要求でなければ(ステップS311でNO)、CPU101はユーザの操作がログイン処理の要求かどうかを確認する(ステップS315)。その結果、ユーザの操作がログイン処理の要求であれば(ステップS315でYES)、ステップS317でCPU101は、後述するログイン処理を実行する。そして、ログイン処理が終了後、ステップS303に処理を戻す。
【0050】
ユーザの操作がログイン処理の要求でなければ(ステップS315でNO)、ステップS316でCPU101は、S303で受け付けたユーザ操作に応じた処理についてポップアップ表示による報知を行ない(ステップS316)、ユーザ操作に応じた処理を実行する(ステップS319)。そして、CPU101は、ユーザ操作に応じた処理が終了したら、ステップS305の処理に進む。
【0051】
ステップS305でCPU101は、ネットワーク4を介して情報処理装置3などの外部の装置から処理要求がなされたかどうかを判断する。外部の装置からの処理要求とは、外部装置から画像処理装置1に対するプリントの実行指示や設定値の変更指示のことをいう。外部の装置からの処理要求がされていなければ(ステップS305でNO)、CPU101はステップS303に処理を戻す。
【0052】
一方、外部の装置からの処理要求がなされた場合(ステップS305でYES)、ステップS321でCPU101は、外部の装置から要求された処理を実行する。ここで、ステップS321で実行される処理としては、たとえば、プリントの実行指示に対応するプリントジョブの実行処理や、設定値の変更指示に対応するNV−RAM104に記憶されている各種設定の変更処理、などが該当する。外部の装置から要求された処理が終了したら、CPU101は処理をステップS303に戻し、上記処理を繰り返し実行する。
【0053】
(宛先検索処理)
図5は、上記ステップS313での宛先検索処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理もCPU101がROM102に記憶されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。図6〜図9は、宛先検索処理に関連して操作パネル130に表示される画面およびウィンドウの具体例を示す図である。図6〜図9を用いて、図5の宛先検索処理について説明する。
【0054】
図6は、当該画像形成装置1に登録されている宛先の一覧を表示する画面の具体例を示す図である。図7は、検索キーワードを入力する画面(宛先の検索を指示する画面)の具体例を示す図である。CPU101は、図6の画面で「宛先検索」キーK01の押下を受け付けると、図7の画面に表示を切り替える。図7の画面で検索キーワードの入力を受け付けて「OK」キーK02の押下を受け付けると、CPU101は、宛先検索処理が要求されたものとして図5の処理を開始する。
【0055】
図5を参照して、CPU101は、ステップS401で宛先検索処理の要求に応じて宛先検索処理を起動し、ステップS403において、当該宛先検索処理の処理所要時間が予測可能かどうかを判断する。
【0056】
ここで、宛先検索処理には、検索の対象を当該画像形成装置1に記憶(登録)されている宛先データとするモードと、検索の対象を画像形成装置1以外の装置(例えば情報処理装置3)に登録されている宛先データにするモードとの2つのモードがある。なお、前者のモードを内部検索モード、後者のモードを外部検索モードと呼ぶことがある。
【0057】
画像形成装置1は、宛先検索処理を外部検索モードで実行する場合には、宛先データが登録された情報処理装置3にネットワーク4を介してアクセスし、該情報処理装置3の宛先データの中から検索キーワードに適合する宛先を検索する。どちらのモードで宛先検索処理を実行するかは、ユーザが操作パネル130を介して設定する。CPU101は、ユーザの設定に従って宛先検索処理のモードをNV−RAM104の所定領域に書き込む。
【0058】
宛先検索処理を内部検索モードで実行する場合、当該宛先検索処理の処理所要時間は、画像形成装置1に登録されている宛先の件数に依存する。そして、CPU101は自機に登録されている宛先の件数(登録件数)を、宛先検索処理を実行する前に認識することができる。そのため、CPU101は当該画像形成装置1の登録件数に基づいて宛先検索処理の処理所要時間を予測することができる。
【0059】
一方、宛先検索処理を外部検索モードで実行する場合、当該宛先検索処理の処理所要時間は、予測することができない。なぜなら、この場合の処理所要時間は、情報処理装置3に登録されている宛先の件数だけでなく、情報処理装置3の処理負荷の状況やネットワーク4のトラフィックにも依存するからである。
【0060】
そこで、CPU101は、NV−RAM104において、宛先検索処理のモードが、内部検索モードと設定されている場合は処理所要時間を予測可能と判定し、外部検索モードと設定されている場合は処理所要時間を予測不可能と判定する。
【0061】
検索処理の処理所要時間が予測可能な場合、つまり内部検索モードである場合(ステップS403でYES)、CPU101は、さらに、予測される処理所要時間が第1の基準時間T1以上かどうかを判断する。ここでの第1の基準時間T1はユーザが「ある程度待たされている」と感じる時間に相当し、たとえば2秒程度が該当する。CPU101は、画像形成装置1に登録された宛先の登録件数が第1の基準件数C1(例えば1000件等)以上の場合は処理所要時間が第1の基準時間T1以上となると判定する。一方、CPU101は、画像形成装置1の登録件数が第1の基準件数C1よりも少ない場合には処理所要時間が第1の基準時間T1未満であると判断する。
【0062】
処理所要時間が第1の基準時間T1以上の場合(ステップS405でYES)、CPU101はウィンドウの表示にアニメーション表示を用いると判定し、ステップS407でアニメーション表示のための処理を実行する。
【0063】
図8は、アニメーション表示の様子を説明する図である。ステップS407の処理が行なわれることで、図8のようなアニメーション表示が行なわれる。図8では、最初に最も小さいウィンドウW02が表示され、続いてウィンドウW03→W04→W05→W06→W07の順で、ウィンドウが徐々に大きくなるように、アニメーション表示が行なわれる。図8の例では、一例として、「検索しています。しばらくお待ちください。」というテキストが表示されたウィンドウが表示される様子を示している。図8では、6種類のサイズのウィンドウ(W02〜W07)が、小さい方から順に所定時間ごとに表示される。表示される6つのウィンドウに対応する画像データとそれぞれの画面の表示順とはアニメーション処理部112に予め記憶されている。なお、最後に表示される画面(W07)が表示されたその後は、その画面が継続して表示される。
【0064】
CPU101は、ステップS407でアニメーション処理を実行すると、宛先検索処理が終了するまで待機する(ステップS409でNO)。なお、宛先検索処理が終了するまでの間は、アニメーション表示で最後に表示された画面(図8のW07)が、継続して操作パネル130に表示される。一方、宛先検索処理が終了すると(ステップS409でYES)、ステップS421に処理を進める。
【0065】
なお、ステップS405において、予測される所要時間が第1の基準時間T1未満と判断された場合(ステップS405でNO)、CPU101はステップS407の処理をスキップし、ステップS421へ処理を進める。
【0066】
ステップS421においては、CPU101は、検索された宛先を表わした、宛先の一覧を表示する画面(不図示)を操作パネル130に表示する。
【0067】
ここまでの処理によって、内部検索モードであって、宛先検索処理が第1の基準時間T1未満で終了する場合には、検索中であることを示すウィンドウは表示されずに、宛先の検索を指示する画面(図7)から検索結果を示す画面(不図示)に直接切り替わる。一方、内部検索モードであって、処理所要時間が第1の基準時間T1以上の時間(たとえば2秒)の場合には、宛先の検索を指示する画面(図7)から、アニメーション表示(図8)が行なわれ、宛先検索処理が終了すると検索結果を示す画面(不図示)に切り替わる。これにより、ユーザは宛先検索処理にある程度時間がかかることが予測でき、処理終了まで待機することの不快感を和らげることができる。
【0068】
図5のフローチャートに戻り、ステップS403において宛先検索処理の処理所要時間が予測不可能と判断された場合、つまり外部検索モードである場合(ステップS403でNO)、CPU101は宛先検索処理を開始してから第2の基準時間T2が経過するまで待機する(ステップS413でNO、ステップS411でNO)。そして、宛先検索処理が開始してから第2の基準時間T2が経過する前に、宛先検索処理が終了した場合には(ステップS413でNO、ステップS411でYES)、ポップアップ表示は行なわずにステップS421へ処理を進める。なお、第2の基準時間T2は上記の第1の基準時間T1と同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
【0069】
一方、宛先検索処理を開始してから第2の基準時間T2が経過したと判断すると(ステップS413でYES)、ステップS415でポップアップ表示のための処理を実行する。図9は、ポップアップ表示している画面の具体例を示す図である。ステップS415の処理が行なわれることで、ウィンドウW01が表示される。
【0070】
ポップアップ表示(図9)では、アニメーション表示(図8)における6種類のウィンドウ(W02〜07)のうちの、最後に表示されるウィンドウ(W07)と同様のウィンドウがポップアップ表示される。
【0071】
なお、前述の説明では、アニメーション表示で用いる画像データ群と、ポップアップ表示で用いる画像データとを、それぞれアニメーション処理部112とポップアップ処理部113とが別々に記憶するものとした。しかし、ポップアップ処理部113が、ポップアップ表示に用いる画像データを記憶せずに、アニメーション処理部112に記憶された画面データ群のうちの、最後に表示されるウィンドウ(図8の例であればウィンドウW07)に対応する画像データを、アニメーション処理部12から読み出してポップアップ表示するようにしてもよい。
【0072】
図5に戻り、ステップS415でポップアップ表示が終了すると、CPU101は宛先検索処理が終了するまで待機する(S417でNO)。なお、宛先検索処理が終了するまでの間は、ポップ表示で表示されたウィンドウ(図9のW01)が、そのまま継続して操作パネル130に表示される。そして、宛先検索処理が終了したと判断すると(ステップS417でYES)、ステップS421に処理を進める。
【0073】
ステップS421において、CPU101は、前述のように、検索された宛先を表した、宛先の一覧を表示する画面(不図示)が操作パネル130に表示する。
【0074】
ここまでの処理によって、外部検索モードであって、宛先検索処理が第2の基準時間T2未満に終了した場合には、検索中であることを示すウィンドウは表示されずに、宛先の検索を指示する画面(図7)から検索結果を示す画面(不図示)に切り替わる。一方、外部検索モードである場合であって、宛先検索処理が第2の基準時間T2を経過しても終了しない場合には、宛先の検索を指示する画面(図7)から、ポップアップ表示(図9)が行なわれ、宛先検索処理が終了すると検索結果を示す画面(不図示)に切り替わる。ここで、外部検索モードである場合、つまり宛先検索処理の処理所要時間が予測できない場合に、アニメーション表示ではなくポップアップ表示を用いることによって、宛先検索処理がすぐに終了した場合であっても表示が途中で途切れることがないため、ユーザのスムーズな操作感や使用感を損なうことがない。
【0075】
(認証処理)
図10は、図4に示すフローチャートのステップS317での認証処理の流れを示すフローチャートである。図10に示すフローチャートの処理もCPU101がROM102に記憶されているプログラムを読み出して実行することによって実現される。図11〜図14は、認証処理に関連して操作パネル130に表示される画面およびウィンドウの具体例を示す図である。図11〜図14を用いて、図10の認証処理について説明する。
【0076】
図11は当該画像形成装置1を使用するにあたり、ユーザの使用権限を認証するためのログイン画面の具体例を示す図である。図11の画面で「ユーザ名」と「パスワード」とを受け付けて「ログイン」キーの押下を受け付けると、CPU101は、認証処理が要求されたものとして図10の処理を開始する。なお、「ユーザ名」および「パスワード」などの認証に用いられる情報を総称してログイン情報ということがある。
【0077】
図10を参照して、CPU101は、ステップS601で認証処理の要求に応じて認証処理を起動し、ステップS603において、当該認証処理の処理所要時間が予測可能かどうかを判断する。
【0078】
ここで、ユーザの使用権限の認証には、入力されたログイン情報と比較する対象を当該画像形成装置1に記憶(登録)されているユーザ情報とするモードと、ユーザ情報を登録・管理する情報処理装置3に登録されているユーザ情報とするモードとの2つのモードがある。なお、前者のモードを内部認証モード、後者のモードを外部認証モードと呼ぶことがある。
【0079】
どちらのモードで認証処理を実行するかは、ユーザが操作パネル130を介して設定する。そして、CPU101は、ユーザの設定に従って認証処理のモードをNV−RAM104の所定領域に書き込む。
【0080】
認証処理を内部認証モードで実行する場合、当該認証処理の処理所要時間は、画像形成装置1に登録されているユーザ情報の数に依存する。そして、CPU101は自機に登録されているユーザ情報の数(登録件数)を、認証処理を実行する前に認識することができる。そのため、CPU101は、当該画像形成装置1の登録件数に基づいて当該認証処理の処理所要時間を予測することができる。
【0081】
一方、認証処理を外部認証モードで実行する場合、当該認証処理の処理所要時間は予測することができない。なぜなら、この場合の処理所要時間は、情報処理装置3に登録されているユーザ情報の数だけでなく、情報処理装置3の処理負荷の状況やネットワーク4のトラフィックにも依存するからである。
【0082】
そこで、CPU101は、NV−RAM104において、認証処理のモードが、内部認証モードと設定されている場合は処理所要時間を予測可能と判定し、外部認証モードと設定されている場合は処理所要時間を予測不可能と判定する。
【0083】
認証処理の処理所要時間が予測可能な場合、つまり内部認証モードである場合(ステップS603でYES)、CPU101は、さらに、予測される処理所要時間が第1の基準時間T1以上かどうか確認する。ここでの第1の基準時間T1は、ユーザが「ある程度待たされている」と感じる時間に相当し、たとえば2秒程度が該当する。CPU101は、画像形成装置1に登録されたユーザ情報数が第1の基準件数C1(たとえば500件、等)以上の場合は処理所要時間が第1の基準時間T1以上となると判定する。一方、CPU101は、画像形成装置1の登録件数が第1の基準件数C1よりも少ない場合には処理所要時間が第1の基準時間T1未満であると判断する。
【0084】
処理所要時間が第1の基準時間T1以上の場合(ステップS605でYES)、CPU101はウィンドウの表示にアニメーション表示を用いると判定し、ステップS607でアニメーション表示のための処理を実行する。
【0085】
図12は、アニメーション表示の様子を説明する図である。ステップS607の処理が行なわれることで、図12のようなアニメーション表示が行なわれる。すなわち、図12では、最初に最も小さいウィンドウW09が表示され、続いてウィンドウW10→W11→W12→W13→W14の順で、ウィンドウが徐々に大きくなるように、アニメーション表示が行われる。図12の例では、一例として、「認証しています。しばらくお待ちください。」というテキストが表示されたウィンドウが表示される様子を示している。図12では、6種類のサイズのウィンドウ(W09〜W14)が、小さい方から順に所定時間ごとに表示される。表示される6つのウィンドウに対応する画像データとそれぞれの画面の表示順はアニメーション処理部112に予め記憶されている。なお、最後に表示される画面(W14)が表示されたその後は、その画面が継続して表示される。
【0086】
CPU101は、ステップS607でアニメーション処理を実行すると、認証処理が終了するまで待機する(ステップS609でNO)。なお、認証処理が終了するまでの間は、アニメーション表示で最後に表示された画面(図12のW14)が、継続して操作パネル130に表示される。一方、認証処理が終了すると(ステップS609でYES)、ステップS621に処理を進める。
【0087】
なお、ステップS605において、予測される所要時間が第1の基準時間T1未満と判断された場合(ステップS605でNO)、CPU101はステップS607の処理をスキップし、ステップS621へ処理を進める。
【0088】
ステップS621においては、CPU101は、ログイン後の初期画面(図14)を操作パネル130に表示する。
【0089】
ここまでの処理によって、内部認証モードであって、認証処理が第1の基準時間T1未満で終了する場合には、認証処理中であることを示すウィンドウは表示されずに、ログイン画面(図11)から初期画面(図14)に直接切り替わる。一方、内部認証モードであって、処理所要時間が第1の基準時間T1以上の時間(たとえば2秒)の場合には、ログイン画面(図11)から、アニメーション表示(図12)が行なわれ、認証処理が終了すると初期画面(図14)に切り替わる。これにより、ユーザは認証処理にある程度時間がかかることが予測でき、処理終了まで待機することの不快感を和らげることができる。
【0090】
図10のフローチャートに戻り、ステップS603において認証処理の処理所要時間が予測不可能と判断された場合、つまり外部認証モードである場合(ステップS603でNO)、CPU101は認証処理を開始してから第2の基準時間T2が経過するまで待機する(ステップS613でNO,ステップS611でNO)。そして、認証処理が開始してから第2の基準時間T2が経過する前に認証処理が終了した場合には(ステップS613でNO,ステップS611でYES)、ポップアップ表示は行わずにステップS621へ処理を進める。なお、第2の基準時間T2は上記の第1の基準時間T1と同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
【0091】
一方、認証処理を開始してから第2の基準時間T2が経過したと判断すると(ステップS613でYES)、ステップS615でポップアップ表示のための処理を実行する。図13は、ポップアップ表示している画面の具体例を示す図である。ステップS615の処理が行なわれることで、ウィンドウW08が表示される。
【0092】
ポップアップ表示(図13)では、アニメーション表示(図12)における6種類のウィンドウ(W09〜14)のうちの、最後に表示されるウィンドウ(W14)と同様のウィンドウがポップアップ表示される。
【0093】
なお、前述の説明では、アニメーション表示で用いる画像データ群と、ポップアップ表示で用いる画像データとを、それぞれアニメーション処理部112とポップアップ処理部113とが別々に記憶するものとした。しかし、ポップアップ処理部113が、ポップアップ表示に用いる画像データを記憶せずに、アニメーション処理部112に記憶された画面データ群のうちの、最後に表示されるウィンドウ(図12の例であればウィンドウW14)に対応する画像データを、アニメーション処理部12から読み出してポップアップ表示するようにしてもよい。
【0094】
図10に戻り、ステップS615でポップアップ表示が終了すると、CPU101は認証処理が終了するまで待機する(S617でNO)。なお、認証処理が終了するまでの間は、ポップ表示で表示されたウィンドウ(図13のW08)が、そのまま継続して操作パネル130に表示される。そして、認証処理が終了したと判断すると(ステップS617でYES)、ステップS621に処理を進める。ステップS621において、CPU101は、前述のように初期画面(図14)を操作パネル130に表示する。
【0095】
ここまでの処理によって、外部認証モードであって、認証処理が第2の基準時間T2未満に終了した場合には、認証中であることを示すウィンドウは表示されずに、ログイン画面(図11)から初期画面(図14)に切り替わる。一方、外部認証モードである場合であって、認証処理が第2の基準時間T2を経過しても終了しない場合には、ログイン画面(図11)から、ポップアップ表示(図12)が行なわれ、認証処理が終了すると初期画面(図14)に切り替わる。ここで、外部認証モードである場合、つまり認証処理の処理所要時間が予測できない場合に、アニメーション表示ではなくポップアップ表示を用いることによって、認証処理がすぐに終了した場合であっても表示が途中で途切れることがないため、ユーザのスムーズな操作感や使用感を損なうことがない。
【0096】
<変形例1>
上の実施形態では、図8や図12のようなアニメーション表示を行なうために、アニメーション処理部112が用いる複数の画像データ(本例では6種類のサイズのそれぞれの画像データ)を記憶しているものとしている。
【0097】
しかしながら、アニメーション処理部112は、少なくとも一つのサイズに対応した画像データ(例えば、図8の例であればウィンドウW07)を記憶し、当該画像データのサイズを変換する処理を行なって他のサイズのウィンドウ(図8の例であればウィンドウW02〜W06)に対応した画像データを生成し、生成された画像データを用いてアニメーション表示を行なう構成としてもよい。
【0098】
このような構成とすることで、アニメーション表示に必要な画像データの数を抑えることができる。
【0099】
<変形例2>
上の実施形態では、予めアニメーション表示を用いると規定された処理であり、かつ処理所要時間が予測可能なものと判定され、さらに当該処理所要時間が第1の基準時間T1以上である場合にアニメーション表示するとしている。
【0100】
そして、アニメーション表示を行なう場合には、例えば図8を参照して、最初のウィンドウW02が表示されてから最後のウィンドウW07が表示されるまでの時間、つまりウィンドウのサイズが動的に変化しているように表示される時間(以下、アニメーション表示時間と呼ぶことがある)は常に同じであった。
【0101】
第2の変形例は、予測した処理所要時間に応じてアニメーション表示時間を切り替えるようにしたものである。この場合について、認証処理を例に挙げて説明する。
【0102】
第2の変形例においても、少なくとも、予めアニメーション表示を行なうと規定された処理であり、かつ処理所要時間が予測可能なものと判定された場合(図10のフロチャートのステップS603でYES)に、アニメーション表示される可能性がある点は、前述の例と同様である。
【0103】
本変形例では、予めアニメーション表示を行なうと規定された処理であり、かつ処理所要時間が予測可能なものと判定された場合に、第3の基準時間T3、第4の基準時間T4という2つのしきい値を用いた判定を行なう。なお、第3の基準時間T3は、第4の基準時間T4よりも短いものとする。そして、以下(1)〜(3)のように、判定結果に応じた表示を行なう:
(1)認証処理の処理所要時間が第3の基準時間T3未満の場合は、アニメーション表示を行なわずにログイン後の初期画面を表示する、
(2)認証処理の処理所要時間が、第3の基準時間T3以上でかつ第4の基準時間T4未満の場合は、上の実施形態よりも短いアニメーション表示を行なう、
(3)認証処理の処理所要時間が第4の基準時間T4以上の場合は、上の実施形態と同様に長いアニメーション表示を行なう。
【0104】
第2の変形例において、アニメーション処理部112は、上の実施形態と同様に6種類のサイズの画像データを記憶している。「長いアニメーション表示」を行なうものと判定された場合(上記(3)の場合)、CPU101は、上記6種類のサイズの画像データに基づいたウィンドウ(図12のW09〜W14)を順に表示させることで、図12のアニメーション表示を実行させる。
【0105】
一方、「短いアニメーション表示」を行なうものと判定された場合(上記(2)の場合)、CPU101は上記6種類のサイズの画像データのうちから所定の数の画像データを抽出し、抽出した画像データに基づいたウィンドウを順に表示させることで、「短いアニメーション表示」を行なう。図15は、「短いアニメーション表示」がなされている画面の具体例を示す図である。図15の例では、長いアニメーションで表示される6つのウィンドウ(図12のW09〜W14)のうちの3つのウィンドウ(W09・12・14)に対応するウィンドウW09’・12’・14’が表示されている。
【0106】
上の説明では、2つのしきい値(第3の基準時間T3・第4の基準時間T4)を用いてアニメーション時間を切り替える例を挙げたが、しきい値の数を増やし、アニメーション時間をより多くの段階で切り替えるようにしてもよい。つまり、「短いアニメーション表示」のアニメーション表示時間の種類を増やし、認証処理の処理所要時間に応じて「短いアニメーション表示」のアニメーション表示時間の種類を切り替えるようにしてもよい。
【0107】
このような構成とすることで、ユーザはアニメーション表示によって処理終了までの時間をより正確に予測することができ、処理終了まで待機することの不快感を和らげることができる。
【0108】
<変形例3>
以上の例では、要求された処理について、当該処理に必要なデータが当該画像形成装置1内に記憶されているもののみである場合(内部検索モードである場合)に、当該処理の所要時間が予測できるものと判定され、当該処理に必要なデータが当該画像形成装置1外の他の装置に記憶されており、該データを取得するために当該他の装置にアクセスする必要がある場合(外部検索モードである場合)に、当該処理の所要時間が予測できないものと判定されている。その前提として、画像形成装置1が図1に示されたようなネットワークに接続され他の装置と通信するものとしている。
【0109】
しかしながら、画像形成装置1がネットワークに接続されていなくても、同様に判定し、処理中である旨の報知をアニメーション表示するかポップアップ表示するか判定してもよい。この場合、画像形成装置1がUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記憶媒体からデータを読み取る機能を有し、当該処理に必要なデータが当該画像形成装置1外の他の装置として上述の記憶媒体に記憶されているものである場合に、CPU101は当該処理の所要時間が予測できないものと判定し、アニメーション表示するものであると判定する。
【0110】
このような構成とすることで、画像形成装置1がいわゆるスタンドアロンと言われる他の装置と接続された用いられ方でない場合であっても、同様にして処理中である旨を報知することができる。
【0111】
<他の例>
さらに、上述の画像形成装置1における報知のための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0112】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0114】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0115】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1 画像形成装置、3 情報処理装置、4,4A,4B ネットワーク、5 外部ネットワーク、100 制御部、101 CPU、102 ROM、104 RAM、105 時計IC、110 固定記憶装置、111 判定部、112 アニメーション処理部、113 ポップアップ処理部、120 画像読取装置、130 操作パネル、140 プリンタ部、150 プリンタコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
処理の実行の要求を受け付けるための受付手段と、
2以上のウィンドウを連続して表示するアニメーション表示を前記表示手段に表示させるための第1の処理手段と、
1つのウィンドウを表示するポップアップ表示を前記表示手段に表示させるための第2の処理手段と、
前記実行が要求された処理の所要時間が予測可能か否かを判定するための判定手段と、
前記実行が要求された処理の所要時間が予測可能である場合には、前記第1の処理手段により、前記実行が要求された処理に関するウィンドウを前記アニメーション表示させ、前記実行が要求された処理の所要時間が予測不可能である場合には、前記第2の処理手段により、前記実行が要求された処理に関するウィンドウを前記ポップアップ表示させるための表示制御手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記実行が要求された処理の所要時間が予測不可能であり、かつ、前記実行が要求された処理の開始から第1の時間を経過しても前記実行が要求された処理が終了しない場合に、前記第2の処理手段により、前記実行が要求された処理に関するウィンドウを前記ポップアップ表示させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記実行が要求された処理の所要時間が予測可能であり、かつ、予測される前記実行が要求された処理の所要時間が第2の時間よりも長い場合に前記実行が要求された処理に関するウィンドウを前記アニメーション表示すると判定する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記第1の処理手段により前記実行が要求された処理に関するウィンドウを前記アニメーション表示させる場合に、前記実行が要求された処理の所要時間が第3の時間以上のときには、前記第1の処理手段に第1のアニメーション時間でアニメーション表示を行なわせ、前記実行が要求された処理の所要時間が第3の時間より短いときには、前記第1の処理手段に前記第1のアニメーション時間よりも短い第2のアニメーション時間でアニメーション表示を行なわせる、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判定手段は、記憶されている、前記実行が要求された処理に用いられるデータの数に基づいて、前記実行が要求された処理の所要時間を算出する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記実行が要求された処理において、当該画像形成装置内のデータのみを用いる場合に前記所要時間が予測可能と判定し、当該画像形成装置外の他の装置内のデータを用いる場合に前記所要時間が予測不可能と判定する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
表示手段を備える画像形成装置での、前記表示手段の表示方法であって、
処理の実行の要求を受け付けるステップと、
前記実行が要求された処理が、所要時間が予測可能か否かを判定するステップと、
前記実行が要求された処理の前記所要時間が予測可能である場合には2以上のウィンドウを連続して表示するアニメーション表示で、前記所要時間が予測不可能である場合には1つのウィンドウを表示するポップアップ表示で、前記実行が要求された処理に関するウィンドウを前記表示手段に表示するステップとを備える、表示方法。
【請求項8】
表示手段を備える画像形成装置での表示処理を前記画像形成装置に実行させるためのプログラムであって、
処理の実行の要求を受け付けるステップと、
前記実行が要求された処理が、所要時間が予測可能か否かを判定するステップと、
前記実行が要求された処理の前記所要時間が予測可能である場合には2以上のウィンドウを連続して表示するアニメーション表示で、前記所要時間が予測不可能である場合には1つのウィンドウを表示するポップアップ表示で、前記実行が要求された処理に関するウィンドウを前記表示手段に表示するステップとを含む、表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−73859(P2012−73859A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218683(P2010−218683)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】