説明

画像形成装置、表示装置、温室効果ガス排出権売買システムおよび温室効果ガス排出権売買方法

【課題】 排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる画像形成装置、表示装置、温室効果ガス排出権売買システムおよび温室効果ガス排出権売買方法を提供する。
【解決手段】 制御部501は、表示部503に表示した選択画面72で、取得換算値および実績換算値を取得したい装置およびライフサイクル段階が選択されて、「送信」アイコン725が操作されると、サーバ101から受信した取得換算値、実績換算値およびそれらの比較結果を表示部503に表示する。ユーザが、表示部503に表示された比較結果を参照し、清算画面76で「清算書を送信する」アイコン773を操作すると、制御部501は、清算書をサーバ101に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室効果ガスの排出削減を促進することができる画像形成装置、表示装置、温室効果ガス排出権売買システムおよび温室効果ガス排出権売買方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減のための考え方として、カーボンオフセットがある。カーボンオフセットとは、市民、企業、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等(以下「クレジット」という)を購入すること、または他の場所で排出削減・吸収するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部または一部を埋め合わせすることをいう。
【0003】
カーボンオフセットの取組の1つとして、温室効果ガス排出権取引がある。この排出権は、たとえば画像形成装置が稼働する稼働期間に消費する電力を発電するために排出する温室効果ガスに相当する権利を、画像形成装置などの製造販売メーカ等が、ユーザに代わってクレジットとして購入し、画像形成装置などを購入するユーザに提供するものである。クレジットとしては、たとえば京都議定書に定められる手続に基づいて発行される京都メカニズムクレジットがある。
【0004】
温室効果ガス排出権取引に係る従来技術として、特許文献1に記載される電子装置がある。この電子装置は、電子装置に着脱自在な消耗品ユニットとして、温室効果ガスに関する排出権が付与された形で販売される消耗品ユニットを使用する。そして、この消耗品ユニットの継続使用状態によって温室効果ガスの削減に対する評価を行い、オペレーションパネル等に評価結果を表示、または用紙に印刷する。これによって、ユーザの温室効果ガス削減への認識を高めようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−2442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、既に排出権が付与された形で販売される消耗品ユニットを想定しているが、既に市場に出回っている排出権が付与されない形で販売される消耗品については考慮されていない。したがって、ユーザは、排出権が付与されない形で販売される消耗品をまだまだ使用することができる画像形成装置およびオプション機器を、排出権が付与された形で販売される消耗品を使用することができる画像形成装置もしくはオプション機器に買い換えたり、再リースしたりする必要があり、ユーザにとっては費用の負担増になる。
【0007】
本発明の目的は、排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる画像形成装置、表示装置、温室効果ガス排出権売買システムおよび温室効果ガス排出権売買方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像を形成する画像形成装置であって、
画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバから、取得換算値情報および実績換算値情報を取得する取得手段と、
取得手段によって取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得手段によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する比較手段と、
比較手段によって比較された比較結果を表示する表示手段と、
比較手段によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能な清算手段とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
また本発明は、前記排出権は、各画像形成装置の製造メーカまたは販売店によって取得されていることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、画像形成装置の稼働に伴い消費された電力の電力量をサーバに送信する送信手段をさらに含み、
前記実績換算値は、サーバが送信手段によって送信された電力量を二酸化炭素の排出量に換算した値であることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、画像を形成する画像形成装置本体、および該画像形成装置本体に付加される付加装置を含み、
前記排出権は、画像形成装置本体、付加装置、および画像形成装置ごとの排出権を含むことを特徴とする。
また本発明は、前記表示手段は、タッチパネルによって構成されることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記サーバとは、ネットワークを含む通信回線によって接続されることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記比較手段は、前記比較による比較結果と、前記取得換算値および前記実績換算値とに基づいて、排出権の使用状況を表示するための表示画像データを作成し、
前記表示手段は、前記表示画像データに基づいて、排出権の使用状況を表示することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、上記の画像形成装置とデータ通信可能に構成される表示装置であって、
前記取得換算値、前記実績換算値および前記比較手段による比較結果を、前記画像形成装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した、前記取得換算値、前記実績換算値および前記比較結果に基づいて、排出権の使用状況を表示する使用状況表示手段と、を備えることを特徴とする表示装置である。
【0015】
また本発明は、上記の画像形成装置とデータ通信可能に構成される表示装置であって、
前記表示画像データを、前記画像形成装置から受信する受信手段と、
前記表示画像データに基づいて、排出権の使用状況を表示する使用状況表示手段とを備えることを特徴とする表示装置である。
【0016】
また本発明は、画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバとを含む温室効果ガス排出権売買システムであって、
画像形成装置は、
サーバから取得換算値情報および実績換算値情報を取得する取得手段と、
取得手段によって取得された取得換算値情報が示す取得実績換算値と、取得手段によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する比較手段と、
比較手段によって比較された比較結果を表示する表示手段と、
比較手段によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能な清算手段とを含むことを特徴とする温室効果ガス排出権売買システムである。
【0017】
また本発明は、表示部を有し、画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバとを含む温室効果ガス排出権売買システムで実行される温室効果ガス排出権売買方法であって、
サーバから取得換算値情報および実績換算値情報を取得する取得ステップと、
取得ステップで取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得ステップで取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する比較ステップと、
比較ステップで比較された比較結果を表示部に表示する表示ステップと、
比較ステップで比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能な清算ステップとを含むことを特徴とする温室効果ガス排出権売買方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像を形成するにあたって、取得手段は、画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバから、取得換算値情報および実績換算値情報を取得する。比較手段は、取得手段によって取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得手段によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する。表示手段は、比較手段によって比較された比較結果を表示する。そして、清算手段は、比較手段によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能である。
【0019】
したがって、ユーザは、排出権が付与されている温室効果ガスの排出量を超過して温室効果ガスを排出しても、超過した排出量に相当する排出権の清算を行うことができるので、画像形成装置等の購入時に温室効果ガスの排出権を購入しておかなくてもよく、排出権が付与されていないより安価な画像形成装置等を購入またはリースすることができる。また、ユーザは、使用状況に合わせて排出権を清算することができるので、画像形成装置等の使用および維持するために必要な費用である使用維持管理費を削減することができる。また、ユーザは、まだまだ使用することができる画像形成装置等の買い替えや再リースをしなくても、使用頻度を低減することによって、温室効果ガスの排出を抑制することができる。すなわち、排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる。さらに、ユーザは、排出権の清算を行うごとに、ユーザが使用している画像形成装置等で排出した温室効果ガスの二酸化炭素に換算した換算値を認識するので、ユーザが使用している画像形成装置等が温室効果ガスを多く発生する機種であった場合、温室効果ガスの発生がより少ない機種への買い替えやリースを促進して、延いては地球温暖化防止に貢献することができ、販売店またはリース店にとっても画像形成装置等の受注が容易となり売り上げ向上を図ることができる。
【0020】
また本発明によれば、前記排出権は、各画像形成装置の製造メーカまたは販売店によって取得されている。したがって、ユーザは直接排出権を取得する必要がない。
【0021】
また本発明によれば、送信手段は、画像形成装置の稼働に伴い消費された電力の電力量をサーバに送信する。そして、前記実績換算値は、サーバが送信手段によって送信された電力量を二酸化炭素の排出量に換算した値である。したがって、画像形成装置で二酸化炭素の排出量への換算を行う必要がない。
【0022】
また本発明によれば、画像を形成する画像形成装置本体、および該画像形成装置本体に付加される付加装置を含む。そして、前記排出権は、画像形成装置本体、付加装置、および画像形成装置ごとの排出権を含む。したがって、画像形成装置本体、付加装置、および画像形成装置ごとに、排出権の清算を行うことができる。
【0023】
また本発明によれば、前記表示手段は、タッチパネルによって構成される。したがって、画像形成装置の表示手段として、操作手段を一体的に設けたタッチパネルを用いることによって、ユーザは、簡便にサーバから直接情報を取得して表示し、情報を選択することができる。また、画像形成装置等のメーカ、販売店、代理店、またはリース店が提供する排出権取引サービスを容易に利用することができる。
【0024】
また本発明によれば、前記サーバとは、ネットワークを含む通信回線によって接続される。したがって、サーバと離れた遠隔地に設置される画像形成装置でも、排出権取引サービスを容易に利用することができ、ユーザにとって利便性が良好な排出権取引サービスを容易に受けることができる。
【0025】
また本発明によれば、上記の画像形成装置とデータ通信可能に構成される表示装置であって、受信手段が、前記取得換算値、前記実績換算値および前記比較手段による比較結果を、前記画像形成装置から受信すると、使用状況表示手段が、前記受信手段が受信した、前記取得換算値、前記実績換算値および前記比較結果に基づいて、排出権の使用状況を表示する。
【0026】
また本発明によれば、上記の画像形成装置とデータ通信可能に構成される表示装置であって、受信手段が、前記表示画像データを、前記画像形成装置から受信すると、使用状況表示手段が、前記表示画像データに基づいて、排出権の使用状況を表示する。
【0027】
これにより、ユーザだけでなく、周囲の人々も排出権の使用状況を見ることができ、温室効果ガスの発生がより少ない機種への買い替えやリースを促進して、延いては地球温暖化防止に貢献することができ、販売店またはリース店にとっても画像形成装置等の受注が容易となり売り上げ向上を図ることができる。
【0028】
また本発明によれば、画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバとを含む温室効果ガス排出権売買システムで、温室効果ガスの排出権の売買を行うにあたって、画像形成装置は、取得手段と、比較手段と、表示手段と、清算手段とを含む。取得手段は、サーバから取得換算値情報および実績換算値情報を取得する。比較手段は、取得手段によって取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得手段によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する。表示手段は、比較手段によって比較された比較結果を表示する。そして、清算手段は、比較手段によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能である。
【0029】
したがって、ユーザは、排出権が付与されている温室効果ガスの排出量を超過して温室効果ガスを排出しても、超過した排出量に相当する排出権の清算を行うことができるので、画像形成装置等の購入時に温室効果ガスの排出権を購入しておかなくてもよく、排出権が付与されていないより安価な画像形成装置等を購入またはリースすることができる。また、ユーザは、使用状況に合わせて排出権を清算することができるので、画像形成装置等の使用および維持するために必要な費用である使用維持管理費を削減することができる。また、ユーザは、まだまだ使用することができる画像形成装置等の買い替えや再リースをしなくても、使用頻度を低減することによって、温室効果ガスの排出を抑制することができる。すなわち、排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる。さらに、ユーザは、排出権の清算を行うごとに、ユーザが使用している画像形成装置等で排出した温室効果ガスの二酸化炭素に換算した換算値を認識するので、ユーザが使用している画像形成装置等が温室効果ガスを多く発生する機種であった場合、温室効果ガスの発生がより少ない機種への買い替えやリースを促進して、延いては地球温暖化防止に貢献することができ、販売店またはリース店にとっても画像形成装置等の受注が容易となり売り上げ向上を図ることができる。
【0030】
また本発明によれば、表示部を有し、画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバとを含む温室効果ガス排出権売買システムで、温室効果ガスの排出権を売買するにあたって、取得ステップでは、サーバから取得換算値情報および実績換算値情報を取得する。比較ステップでは、取得ステップで取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得ステップで取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する。表示ステップでは、比較ステップで比較された比較結果を表示部に表示する。そして、清算ステップでは、比較ステップで比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能である。
【0031】
したがって、ユーザは、排出権が付与されている温室効果ガスの排出量を超過して温室効果ガスを排出しても、超過した排出量に相当する排出権の清算を行うことができるので、画像形成装置等の購入時に温室効果ガスの排出権を購入しておかなくてもよく、排出権が付与されていないより安価な画像形成装置等を購入またはリースすることができる。また、ユーザは、使用状況に合わせて排出権を清算することができるので、画像形成装置等の使用および維持するために必要な費用である使用維持管理費を削減することができる。また、ユーザは、まだまだ使用することができる画像形成装置等の買い替えや再リースをしなくても、使用頻度を低減することによって、温室効果ガスの排出を抑制することができる。すなわち、排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる。さらに、ユーザは、排出権の清算を行うごとに、ユーザが使用している画像形成装置等で排出した温室効果ガスの二酸化炭素に換算した換算値を認識するので、ユーザが使用している画像形成装置等が温室効果ガスを多く発生する機種であった場合、温室効果ガスの発生がより少ない機種への買い替えやリースを促進して、延いては地球温暖化防止に貢献することができ、販売店またはリース店にとっても画像形成装置等の受注が容易となり売り上げ向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態である排出権売買システム100の構成を模式的に示す図である。
【図2】画像形成装置1の外観を示す斜視図である。
【図3】画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】操作パネル7の外観を示す図である。
【図5】選択画面72の一例を示す図である。
【図6】使用状況表示画面75の一例を示す図である。
【図7】清算画面77の一例を示す図である。
【図8】新製品表示画面78の一例を示す図である。
【図9】排出権売買注文書画面80の一例を示す図である。
【図10】排出権売買システム100で実行される消耗品発注処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】大型表示部200を備える画像形成装置1Aの外観を示す斜視図である。
【図12】大型表示部203,205を備える画像形成装置1Bの外観を示す斜視図である。
【図13】画像形成装置1と表示装置300の外観を示す図である。
【図14】画像形成装置1と表示装置400の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明の一実施形態である温室効果ガス排出権売買システム(以下「排出権売買システム」という)100の構成を模式的に示す図である。本発明に係る温室効果ガス排出権売買方法は、排出権売買システム100によって実行される。排出権売買システム100は、画像形成装置1およびサーバ101を含んで構成される。サーバ101は、1台であるが、画像形成装置1は、1台でもよいし、複数台でもよい。
【0034】
画像形成装置1とサーバ101とは、ローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という)102によって接続され、画像形成装置1とサーバ101との間で情報の送受信が可能である。画像形成装置1とサーバ101との通信は、LAN102に限定されるものではなく、インターネットなどのネットワークでもよいし、衛星通信装置103を介する通信回線であってもよく、また、イントラネット、エキストラネット、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value Added Network)、CATV(Community Antenna Television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、あるいは衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、あるいはADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモートコントローラのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(High Data Rate)、携帯電話網、衛星回線、あるいは地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、プログラムコードなどの情報が電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0035】
情報の送受信は、LAN102を用いて、画像形成装置1とサーバ101との間で直接情報を送受信する形態だけでなく、電子メールあるいはファクシミリ通信などを用いて情報の送受信を行う形態も可能である。
【0036】
サーバ101は、販売店、代理店あるいはリース店などの販社、またはクラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドプロバイダーに設けられ、画像形成装置1は、ユーザの会社や事務所、店舗など、画像形成装置1が使用できる環境などに設けられる。販売店、代理店あるいはリース店(以下単に「販売店」という)は、温室効果ガスの排出権取引サービスを提供する。排出権取引サービスは、排出権が付与されている温室効果ガスの排出量を超過して使用された温室効果ガスの排出量についての排出権を清算するためのサービスである。排出権は、画像形成装置1が稼働した稼働期間に消費する電力を発電するために排出する温室効果ガスに相当する権利を、画像形成装置1などの製造販売メーカ等が、ユーザに代わってクレジットとして購入し、画像形成装置1などを購入するユーザに提供する権利である。この排出権は、画像形成装置の出荷時に取得されている排出権だけでなく、出荷後に排出権の代金の清算によって取得された排出権を含む。
【0037】
サーバ101は、画像形成装置1からの排出権の清算要求に応答して、排出権に対する代金と引き換えに、代金の金額分に相当する超過分の排出権を清算する。サーバ101は、画像形成装置1が稼働することによって排出される温室効果ガスの排出量であって、温室効果ガスの排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置1が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶する図示しないサーバ記憶部を有している。
【0038】
サーバ101は、画像形成装置1からの取得換算値情報および実績換算値情報の提供要求に応答して、要求のあった画像形成装置1の取得換算値情報および実績換算値情報を、サーバ記憶部から読み出し、読み出した取得換算値情報および実績換算値情報を画像形成装置1に送信する。サーバ記憶部は、取得換算値情報および実績換算値情報を、画像形成装置1に含まれる後述する画像形成装置本体およびオプション機器、ならびに画像形成装置で使用される消耗品単位に記憶するとともに、画像形成装置全体としても記憶する。
【0039】
図2は、画像形成装置1の外観を示す斜視図である。図3は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。図4は、操作パネル7の外観を示す図である。画像形成装置1は、少なくとも、印刷および排出権の清算を行うことができる。排出権の清算とは、排出権に対する代金を清算することである。画像形成装置1は、ドキュメントフィーダー2、画像形成装置本体3、大容量給紙装置4、ソーター5、スキャナ6、操作パネル7および給紙装置31〜33を含んで構成される。
【0040】
ドキュメントフィーダー2は、原稿を1枚ずつスキャナ6に送る。画像形成装置本体3は、制御部501、記憶部502、表示部503、入力部504、画像処理部507、画像形成部508、定着部509および演算部511を含んで構成される。画像形成装置本体3は、スキャナ6で読み取った画像情報、LAN102を介して取得した画像情報、あるいは着脱可能な記録媒体から読み出した画像情報などの情報を印刷する。
【0041】
制御部501は、たとえば中央処理装置(以下「CPU」という)によって構成され、記憶部502に記憶されるプログラムを実行することによって、表示部503、入力部504、接続部505、画像処理部507、画像形成部508、定着部509、演算部511、ドキュメントフィーダー2、大容量給紙装置4、ソーター5、スキャナ6、操作パネル7および給紙装置31〜33を制御する。
【0042】
記憶部502は、たとえば半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)、ブルーレイ(
以下「Blu−ray」という)ディスクなどの記憶装置によって構成され、CPUによって実行されるプログラム、およびCPUがプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。記憶部502に記憶される情報は、CPUによって書き込みおよび読み出しが行われる。
【0043】
表示部503は、操作パネル7に設けられる表示手段であり、たとえばタッチパネルによって構成される。図4(a)は、操作パネル7の正面図である。操作パネル7は、中央部に表示部503が設けられ、表示部503の両側にそれぞれ複数の操作ボタンが設けられている。表示部503は、制御部501から指示される情報を表示する。
【0044】
入力部504は、操作パネル7に設けられる操作ボタン、および表示部503の表示画面に設けられる操作アイコンによって構成される。入力部504は、操作ボタンおよび操作アイコンが操作されると、操作された操作ボタンおよび操作アイコンを表す情報を制御部501に送る。操作アイコンを表す情報は、表示画面上でユーザの指が触れた位置を表す情報であるが、制御部501は、表示画面上で操作アイコンを表示している位置を把握しているので、入力部504から受け取るユーザの指が触れた位置を表す情報に基づいて、どの操作アイコンが操作されたかを認識することができる。
【0045】
送信手段である接続部505は、着脱可能な記録媒体、たとえばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:略称「USB」)メモリもしくはメモリカードなどを装着し、装着された記録媒体への情報の書き込みおよび読み出しを行う記録装置であり、またサーバ101と情報を送受信するための通信装置である。接続部505は、着脱可能な記録媒体から読み出した情報およびサーバ101から受信した情報を制御部501に送り、制御部501から受け取る情報を着脱可能な記録媒体に書き込み、またはサーバ101に送信する。
【0046】
画像処理部507は、読取部506から受け取った画像情報、または制御部501から受け取った画像情報を、制御部501から指示される印刷様式に変換して、画像形成部508に送る。印刷様式は、たとえば印刷サイズ、解像度、色などの様式である。画像形成部508は、画像処理部507から受け取った画像情報を画像として用紙に印刷する。定着部509は、画像形成部508によって用紙に印刷された画像を定着する。
【0047】
演算部511は、画像形成装置1が稼働した稼働時間に消費する電力、および画像形成装置1で消耗品を使用した際に消費した電力を発電するために排出する温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算し、換算した実績換算値を表す実績換算値情報を、接続部505を介して、サーバ101に送信する。演算部511は、画像形成装置本体3、後述するオプション装置、および画像形成装置1で使用した消耗品単位に換算するとともに、画像形成装置1全体としても、温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算し、換算した値を実績換算値とする。サーバ101は、画像形成装置1から受信する実績換算値情報をサーバ記憶部に記憶する。
【0048】
大容量給紙装置4は、大量に印刷するための用紙を保持し、画像形成装置本体3からの指示に応じて、用紙を画像形成装置本体3に順次供給する。ソーター5は、周辺制御部510を含んで構成され、印刷された用紙をソートして排出する。周辺制御部510は、画像形成装置本体3で印刷された用紙を、制御部501からの指示に従ってソートし、複数のスタッカのうちの目的のスタッカに排出する。ソーター5は、周辺機器であり、ソーター5の代わりに、フィニッシャーなどの後処理装置を周辺機器として用いることができる。大容量給紙装置4および周辺機器は、オプション機器、つまり付加装置である。フィニッシャーは、ソーター5と同様の後処理装置であるが、特に、用紙をZ折りや、A3サイズの用紙をA4サイズに二つ折りにする等の機能がある。
【0049】
スキャナ6は、読取部506を含んで構成され、ドキュメントフィーダー2から送られてくる原稿を読取部506によって読み取る。読取部506は、原稿を読み取り、読み取った原稿の画像を表わす画像情報を、画像処理部507または制御部501に送る。給紙装置31〜33は、お互いにサイズの異なる用紙を保持可能であり、給紙装置31〜33のいずれかが、画像形成装置本体3から指示される印刷サイズの用紙を画像形成装置本体3に供給する。
【0050】
図4(b)は、IMAGE SEND初期画面71の一例を示す図である。画像形成装置1およびサーバ101の電源が投入され、いずれも動作可能になると、制御部501は、表示部503の表示画面に、「IMAGE SEND」アイコン711を含むメインメニューアイコンを初期画面として表示する。ユーザがメインメニューアイコンの中の「IMAGE SEND」アイコン711を操作すると、制御部501は、IMAGE SEND初期画面71を表示部503に表示する。
【0051】
IMAGE SEND初期画面71の最上段にもメインメニューアイコンが表示される。IMAGE SEND初期画面71は、左端に複数のサブメニューアイコンが表示されている。複数のサブメニューアイコンのうちの「Ecoview」アイコン712を操作すると、制御部501は、選択画面72を表示部503に表示する。
【0052】
図5は、選択画面72の一例を示す図である。選択画面72は、温室効果ガス排出情報を取得したい装置およびライフサイクル段階を選択し、選択した装置およびライフサイクル段階についての温室効果ガス排出情報を取得するための画面である。温室効果ガス排出情報は、取得換算値情報および実績換算値情報、ならびに後述する環境情報を含む。
【0053】
選択画面72には、対象装置タイトル欄721、対象装置画像欄722、対象装置型名欄723、「戻る」アイコン724、「送信」アイコン725、装置選択メッセージ欄726、「画像形成装置本体」アイコン727、「ドキュメントフィーダー」アイコン728、「大容量給紙装置」アイコン729、「ソーター」アイコン730、「全て」アイコン731、ライフサイクル段階選択メッセージ欄732、「原材料調達」アイコン733、「生産」アイコン734、「流通」アイコン735、「使用・維持管理」アイコン736、「廃棄・リサイクル」アイコン737、「ライフサイクル全て」アイコン738、使用状況取得メッセージ欄739、「取得」アイコン740、新機種情報取得メッセージ欄741、および「取得」アイコン742が設けられている。対象装置とは、画像形成装置1自身である。
【0054】
対象装置タイトル欄721は、画像形成装置1自身である旨を表示する欄であり、図5には、「○現在ご利用の画像形成装置」と表示されている。対象装置画像欄722は、画像形成装置1自身の外観を示す画像を表示する欄である。対象装置型名欄723は、画像形成装置1自身の型名を表示する欄であり、図5には、「MX−M700」と表示されている。「戻る」アイコン724は、1つ前の画面に戻るための操作アイコンである。「送信」アイコン725は、装置選択メッセージ欄726の下に表示される操作アイコンの中から選択した操作アイコンが示す装置を表す装置情報、およびライフサイクル段階選択メッセージ欄732の下に表示される操作アイコンの中から選択した操作アイコンが示すライフサイクル段階を表すライフサイクル段階情報を送信するための操作アイコンである。
【0055】
装置選択メッセージ欄726は、ユーザに、温室効果ガス排出情報を取得したい装置の選択を促すメッセージを表示する欄であり、図5には、「○画像形成装置本体、オプション装置を選択下さい。」と表示されている。装置選択メッセージ欄726の下に選択可能な操作アイコンとして、「画像形成装置本体」アイコン727、「ドキュメントフィーダー」アイコン728、「大容量給紙装置」アイコン729、「ソーター」アイコン730および「全て」アイコン731が表示されている。
【0056】
「画像形成装置本体」アイコン727は、画像形成装置本体3を選択することを指示するための操作アイコンである。「ドキュメントフィーダー」アイコン728は、ドキュメントフィーダー2を選択することを指示するための操作アイコンである。「大容量給紙装置」アイコン729は、大容量給紙装置4を選択することを指示するための操作アイコンである。「ソーター」アイコン730は、ソーター5を選択することを指示するための操作アイコンである。「全て」アイコン731は、すべての装置、つまり画像形成装置本体3、ドキュメントフィーダー2、大容量給紙装置4、およびソーター5を選択することを指示するための操作アイコンである。
【0057】
ライフサイクル段階選択メッセージ欄732は、ユーザに、温室効果ガス排出情報を取得したいライフサイクル段階の選択を促すメッセージを表示する欄であり、図5には、「○ライフサイクル段階を選択下さい。」と表示されている。ライフサイクル段階選択メッセージ欄732の下に選択可能な操作アイコンとして、「原材料調達」アイコン733、「生産」アイコン734、「流通」アイコン735、「使用・維持管理」アイコン736、「廃棄・リサイクル」アイコン737、および「ライフサイクル全て」アイコン738が表示されている。
【0058】
ライフサイクル段階は、画像形成装置1のライフサイクルを構成する各段階である。ライフサイクル段階には、「原材料調達」段階、「生産」段階、「流通」段階、「使用・維持管理」段階、および「廃棄・リサイクル」段階がある。「原材料調達」段階は、画像形成装置1を製造するために必要な原料および材料を調達する段階である。「生産」段階は、画像形成装置1を製造する段階である。「流通」段階は、画像形成装置1が、画像形成装置1の製造メーカから出荷された後、販売店あるいはリース店を経由して、ユーザに渡されるまでの段階である。「使用・維持管理」段階は、画像形成装置1がユーザによって使用され、維持される段階である。「廃棄・リサイクル」段階は、画像形成装置1がユーザの手を離れ、廃棄あるいはリサイクルされる段階である。
【0059】
ライフサイクル段階と活動量(温室効果ガス排出量)とは、次の(1)から(5)のように対応付けることができる。
(1)原材料調達段階の活動量は、素材使用量。
(2)生産段階の活動量は、組立て重量と生産時の電力消費量。
(3)流通段階の活動量は、輸送量(輸送距離と積載率とトラック積載量との積)。
(4)使用・維持管理段階の活動量は、使用時の電力消費量。
(5)廃棄・リサイクル段階の活動量は、埋立重量とリサイクル重量。
【0060】
また、COの排出量は、カーボンフットプリント制度で定められる一般式を用いて算出される。一般式とは、ライフサイクルアセスメント(略称:LCA)手法を活用して算出される。一般式は、次式で表わされる。
【0061】
CO排出量=Σ(活動量i×CO排出原単位)
iはライフサイクル段階の原材料調達段階から廃棄・リサイクル段階の活動量(プロセス)を示す。
【0062】
「原材料調達」アイコン733は、「原材料調達」段階を選択するための操作アイコンである。「生産」アイコン734は、「生産」段階を選択するための操作アイコンである。「流通」アイコン735は、「流通」段階を選択するための操作アイコンである。「使用・維持管理」アイコン736は、「使用・維持管理」段階を選択するための操作アイコンである。「廃棄・リサイクル」アイコン737は、「廃棄・リサイクル」段階を選択するための操作アイコンである。「ライフサイクル全て」アイコン738は、すべての段階、つまり「原材料調達」段階、「生産」段階、「流通」段階、「使用・維持管理」段階、および「廃棄・リサイクル」段階を選択するための操作アイコンである。
【0063】
使用状況取得メッセージ欄739は、現在までの使用状況を取得するための欄であり、図5には、「○現在までのご使用状況」と表示されている。使用状況取得メッセージ欄739の下に、「取得」アイコン740が表示されている。「取得」アイコン740は、現在までの使用状況を取得するための操作アイコンである。新機種情報取得メッセージ欄741は、新機種に関する情報を取得するための欄であり、図5には、「○新機種の情報」と表示されている。新機種情報取得メッセージ欄741の下に、「取得」アイコン742が表示されている。「取得」アイコン742は、新機種に関する情報を取得するための操作アイコンである。
【0064】
本実施形態では、たとえば、ユーザが、画像形成装置本体3、ドキュメントフィーダー2、大容量給紙装置4、およびソーター5について、使用・維持管理のライフサイクル段階の使用状況を取得したい場合、ユーザは、「全て」アイコン731を選択し、かつ、「使用・維持管理」アイコン736を選択して、使用状況取得メッセージ欄739の下にある「取得」アイコン740を操作した後、「送信」アイコン725を操作する。
【0065】
制御部501は、「全て」アイコン731および「使用・維持管理」アイコン736が選択されて、「取得」アイコン740が操作されたこと、および「送信」アイコン725が操作されたことを、入力部504から知らされると、接続部505を介して、サーバ101に、画像形成装置1自身について、画像形成装置本体3、ドキュメントフィーダー2、大容量給紙装置4、およびソーター5の使用・維持管理のライフサイクル段階での温室効果ガス排出情報を要求する。
【0066】
サーバ101は、画像形成装置1から温室効果ガス排出情報を要求されると、サーバ記憶部に記憶している温室効果ガス排出情報の中から、要求のあった画像形成装置1の画像形成装置本体3、ドキュメントフィーダー2、大容量給紙装置4、およびソーター5の使用・維持管理のライフサイクル段階での温室効果ガス排出情報を読み出し、読み出した温室効果ガス排出情報を画像形成装置1に送信する。制御部501は、接続部505を介してサーバ101から、温室効果ガス排出情報を受信すると、受信した温室効果ガス排出情報を記憶部502に記憶する。そして、温室効果ガス排出情報に含まれる取得換算値情報が示す取得換算値と、温室効果ガス排出情報に含まれる実績換算値情報が示す実績換算値とを比較し、該取得換算値情報および該実績換算値情報、ならびに比較結果を、使用状況表示画面75として、表示部503に表示する。制御部501および接続部505は、取得手段である。制御部501は、比較手段である。
【0067】
図6は、使用状況表示画面75の一例を示す図である。使用状況表示画面75は、排出権の使用状況、つまり取得換算値および実績換算値を表示するための画面である。制御部501は、サーバ101から受信した温室効果ガス排出情報に含まれる取得換算値情報が示す取得換算値および実績換算値情報が示す実績換算値、ならびにそれらの比較結果を、使用状況表示画面75として表示部503に表示する。
【0068】
使用状況表示画面75には、使用状況メッセージ欄751、対象装置タイトル欄752、対象装置画像欄753、対象装置型名欄754、「戻る」アイコン755、「清算画面へ」アイコン756、および使用状況一覧表欄757が設けられている。使用状況メッセージ欄751は、選択された装置について、サーバ101から受信した使用状況を表示していることを示すメッセージを表示するための欄であり、図6には、「選択された装置の受信結果を表示しています。」というメッセージが表示されている。
【0069】
対象装置タイトル欄752、対象装置画像欄753、対象装置型名欄754および「戻る」アイコン755は、図5に示した対象装置タイトル欄721、対象装置画像欄722、対象装置型名欄723および「戻る」アイコン724と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。「清算画面へ」アイコン756は、排出権の清算を行うための清算画面76へ移行するための操作アイコンである。
【0070】
使用状況一覧表欄757は、使用状況、つまり取得換算値および実績換算値、ならびにそれらの比較結果を、一覧表として表示するための欄である。使用状況一覧表欄757には、装置項目欄758、温室効果ガス排出量項目欄759、ライフサイクル段階欄760、検証値項目欄761、ご使用値項目欄762および温室効果ガス排出量欄763が設けられている。
【0071】
装置項目欄758は、取得換算値および実績換算値を表示する装置を項目として掲げる欄であり、図6に示した例では、「画像形成装置本体」、「ドキュメントフィーダー」、「大容量給紙装置」、「ソーター」および「合計」の5つの項目が表示されている。温室効果ガス排出量項目欄759は、温室効果ガス排出量欄763に示す値が、装置項目欄758の項目のうち「合計」項目欄についての取得換算値と実績換算値との比較結果を差分として示すことを表す項目欄である。
【0072】
ライフサイクル段階欄760は、使用状況一覧表欄757に表示される使用状況が、どのライフサイクル段階についての使用状況であるかを示す欄である。検証値項目欄761は、装置項目欄758に示される各項目についての検証値を示す項目であることを表示する欄である。検証値は、取得換算値のことである。検証値は、画像形成装置1の製造メーカーが、いわゆるカーボンフットプリント制度に基づいて検証した値であり、その検証値については排出権が取得されている。
【0073】
カーボンフットプリント制度とは、商品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を二酸化炭素(以下「CO」という)に換算して、当該商品およびサービスに簡易な方法で分かりやすく表示する仕組みを意味する。
【0074】
温室効果ガスの種類には、京都議定書で対象となったCO、メタン(以下「CH」という)、亜酸化窒素(以下「NO」という)、ハイドロフルオロカーボン(以下「HFCs」という)、パーフルオロカーボン(以下「PFCs」という)、六フッ化硫黄(以下「SF6」という)の6種類がある。CO換算値は、画像形成装置1のライフサイクル全体における温室効果ガスの排出量をCOの排出量に換算した値である。
【0075】
COの排出量は、カーボンフットプリント制度で定められる一般式を用いて算出される。一般式は、上述したように、たとえば「CO排出量=Σ(活動量i×CO排出原単位)」で表わされる。ここに、「i」は、「1」〜「5」の自然数であり、ライフサイクル段階の各段階を表す変数である。たとえば「活動量1」は「原材料調達」段階での活動量であり、「活動量2」は「生産」段階での活動量であり、「活動量3」は「流通」段階での活動量であり、「活動量4」は「使用・維持管理」段階での活動量であり、「活動量5」は「廃棄・リサイクル」段階での活動量である。「活動量」は、算定する事業者が自ら収集するもの、たとえば使用時電力消費量である。「原単位」は、カーボンフットプリント制度の運用団体が規定する共通データであり、たとえば電力量1kWh当たりのCO排出原単位である。
【0076】
ご使用値項目欄762は、装置項目欄758に示される各項目についての使用値を示す項目であることを表示する欄である。使用値は、実績換算値である。使用値は、ユーザが現在までに画像形成装置1、あるいは各装置について使用した電力の電力量、あるいは消耗品の使用量に相当する温室効果ガスの排出量をCO排出量に換算した値である。
【0077】
たとえば、画像形成装置1のライフサイクルをコピー枚数で30万枚と想定した場合、現在までのコピー枚数が15万枚であるとき、検証値は、30万枚まで継続してコピーした場合のCO排出量の換算値であり、使用値は、現在までにコピーした15万枚についてのCO排出量の換算値である。
【0078】
画像形成装置1の演算部511は、画像形成装置1および各装置で使用した電力の電力量をCO排出量に換算し、換算したCO排出量を使用値、つまり実績換算値として、接続部505を介して、サーバ101に送信する。サーバ101は、画像形成装置1から受信した実績換算値を、画像形成装置1および装置単位に積算し、清算した実績換算値としてサーバ記憶部に記憶する。サーバ記憶部は、たとえば半導体メモリやHDD、Blu−rayディスクなどの記憶装置によって構成される。
【0079】
このように、本実施形態では、画像形成装置1の演算部511がCO排出量への換算を行うが、これに限定されるものではなく、サーバ101がCO排出量への換算を行うようにしてもよい。すなわち、画像形成装置1は、画像形成装置1および各装置で使用した電力の電力量を、接続部505を介して、サーバ101に送信する。サーバ101は、画像形成装置1から受信した電力量をCO排出量に換算し、換算したCO排出量を画像形成装置1ごとに積算し、積算した値を実績換算値としてサーバ記憶部に記憶する。この場合、画像形成装置1の演算部511は、不要である。
【0080】
画像形成装置1の演算部511がCO排出量への換算を行う場合は、販売店のサーバ101から実績換算値を取得する必要がないので、通信費を削減することができる。これに対し、販売店のサーバ101がCO排出量への換算を行い、販売店のサーバ101から実績換算値を取得する場合は、画像形成装置1の記憶部502に実績換算値を記憶しておく必要がないので、記憶部502の記憶容量を削減することできるという効果がある。
【0081】
電力量をCO排出量に換算する場合、1kWh当たりのCO排出量を基準として算出する。記録紙の使用量をCO排出量に換算する場合、記録紙のライフサイクルにおけるCO排出量を基準として算出する。トナーカートリッジの使用量をCO排出量に換算する場合は、記録紙30万枚に対して使用された消耗品の使用量、あるいは記録紙1枚当たりに使用される消耗品の使用量を基準に算出する。たとえば、記録紙30万枚に対して使用された消耗品の使用量のCO排出量の換算値が10tであれば、その10tを基準として、記録紙を15万枚まで使用したときのCO排出量の換算値は5tになるということである。
【0082】
温室効果ガス排出量欄763は、装置項目欄758の項目のうち「合計」項目欄についての取得換算値と実績換算値との比較結果、つまり取得換算値と実績換算値との差分を示す欄であり、実績換算値から取得換算値を減算した値が表示される。温室効果ガス排出量欄763に表示される値は、実績換算値が取得換算値を超過している場合は、正の値であり、実績換算値が取得換算値に達していない場合は、負の値であり、実績換算値が取得換算値と同じ値である場合、「0」である。使用状況一覧表欄757の右下に表示される「単位(t)」は、検証値項目欄761、ご使用値項目欄762および温室効果ガス排出量欄763に示される数字の単位がトン(t)であることを示している。図6に示した検証値項目欄761、ご使用値項目欄762および温室効果ガス排出量欄763に示される数字の単位はトン(t)であるが、キログラム(kg)あるいはグラム(g)などの重量を表す単位を用いることも可能である。
【0083】
図6に示した使用状況表示画面75では、ライフサイクル段階欄760に「使用・維持管理段階」と表示されており、使用状況一覧表欄757が「使用・維持管理」段階での使用状況を表示していることを示している。また、装置項目欄758が示す各項目についての検証値項目欄761およびご使用値項目欄762の値は、「画像形成装置本体」の項目では、「1.1」および「1.3」であり、「ドキュメントフィーダー」の項目では、「0.3」および「0.4」であり、「大容量給紙装置」の項目では、「0.2」および「0.3」であり、「ソーター」の項目では、「0.4」および「0.5」であり、「合計」の項目では、「2.0」および「2.5」である。また、温室効果ガス排出量欄763の値は、「+0.5」であり、実績換算値が取得換算値を「0.5(t)」超過していることを示している。
【0084】
たとえば、ユーザが、使用状況表示画面75の温室効果ガス排出量欄763で、使用値が検証値よりも0.5t多いことを知り、排出権の清算を行う必要があることを認識することとなる。ユーザが、排出権の清算を行うために「清算画面へ」アイコン756を操作すると、制御部501は、清算画面77を表示部503に表示する。
【0085】
図7は、清算画面77の一例を示す図である。清算画面77は、清算書の内容を確認し、確認した清算書をサーバ101に送信するための画面である。清算画面77には、操作案内欄771、「清算書を確定する」アイコン772、「清算書を送信する」アイコン773、「戻る」アイコン774、「IMAGE SEND画面へ戻る」アイコン775、「初期画面へ戻る」アイコン776、清算書プレビュータイトル欄777および清算書プレビュー画面欄778が設けられている。
【0086】
操作案内欄771は、清算画面77での操作を案内するためのメッセージを表示する欄であり、図7には「清算画面を表示しています。清算される場合は送信ボタンを押して下さい。」というメッセージが表示されている。「清算書を確定する」アイコン772は、清算書プレビュー画面欄778に表示されているプレビュー画像の清算書の内容を確定するための操作アイコンである。「清算書を送信する」アイコン773は、確定した清算書をサーバ101に送信するための操作アイコンである。「戻る」アイコン774は、前の画面に戻るための操作アイコンである。「IMAGE SEND画面へ戻る」アイコン775は、IMAGE SEND初期画面71に戻るための操作アイコンである。「初期画面へ戻る」アイコン776は、電源投入後動作可能になって最初に表示される初期画面に戻るための操作アイコンである。
【0087】
清算書プレビュータイトル欄777は、清算書プレビュー画面欄778に表示されるプレビュー画像のタイトルを表示する欄であり、図7には、「○排出権売買清算書プレビュー画面」と表示されている。清算書プレビュー画面欄778は、清算書をプレビュー画像として表示するための画面領域である。図7に示した清算書プレビュー画面欄778に表示されるプレビュー画像には、宛先「○○○○販売会社 御中」、清算日「○○○○年○○月○○日」、書面タイトル「排出権売買清算書」、本文「この度、温室効果ガスの発生量が超過致しましたので、排出権取引を行いたく存じます。つきましては、次回の清算時に超過分を購入致します。宜しくお願い申し上げます。」、および温室効果ガスの超過分情報「温室効果ガス超過分 0.5(t)」が表示されている。
【0088】
本実施形態では、排出権の清算は、一般的に用いられるクレジットカードによる支払い、銀行口座からの自動引き落とし、あるいは販売店への入金などを考慮して、たとえば1回/月での清算を想定しており、「次回の清算時に超過分を購入」することとしているが、これに限定されるものではなく、次回の清算時ではなく、即時に清算するようにしてもよい。
【0089】
図6に示した使用状況表示画面75および図7に示した清算画面77では、画像形成装置1全体での排出権の清算を行う例を示したが、画像形成装置本体3、ドキュメントフィーダー2、大容量給紙装置4、あるいはソーター5の各装置単位での排出権の清算を行うことも可能である。記録紙やトナーカートリッジなどの消耗品については、図6に示した使用状況表示画面75の装置選択メッセージ欄726の下に表示される選択可能な操作アイコンとして、「消耗品」を設けることによって、消耗品単位での排出権の清算を行うことも可能とすることもできる。
【0090】
ユーザが「清算書を確定する」アイコン772を操作したこと、および「清算書を送信する」アイコン773を操作したことが、入力部504から制御部501に知らされると、制御部501は、清算書を作成し、作成した清算書を、接続部505を介してサーバ101に送信する。サーバ101は、清算書を受信すると、排出権売買注文書を作成し、作成した排出権売買注文書を、画像形成装置1に送信する。排出権売買注文書は、清算書を受信したことを示す清算書受信文書である。制御部501は、接続部505を介してサーバ101から、排出権売買注文書を受信すると、受信した排出権売買注文書を、排出権売買注文書画面80として表示する。制御部501および接続部505は、清算手段である。
【0091】
図8は、新製品表示画面78の一例を示す図である。新製品表示画面78は、ユーザが現在使用している画像形成装置1が開発された後に、開発されて販売が開始された新機種の画像形成装置に関する情報を表示するための画面である。図5に示した選択画面72で、ユーザによって「取得」アイコン742が操作されたことが、入力部504から制御部501に知らされると、制御部501は、新製品表示画面78を表示部503に表示する。
【0092】
新製品表示画面78には、操作案内欄781、対象装置タイトル欄782、対象装置画像欄783、対象装置型名欄784、対象装置環境マークサムネイル表示欄785、新製品装置タイトル欄786、新製品装置画像欄787、新製品装置型名欄788および新製品環境マークサムネイル表示欄789が設けられている。操作案内欄781は、新製品表示画面78での操作を案内するためのメッセージを表示する欄であり、図8には「カーボンフットプリントマークを選択すると、温室効果ガスの詳細が閲覧できます。」というメッセージが表示されている。
【0093】
対象装置タイトル欄782、対象装置画像欄783および対象装置型名欄784は、図5に示した対象装置タイトル欄721、対象装置画像欄722および対象装置型名欄723と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。対象装置環境マークサムネイル表示欄785は、対象装置が取得している環境マーク、および対象装置が認証あるいは認定を受けている環境マークを、サムネイル形式で表示するための欄である。対象装置環境マークサムネイル表示欄785には、たとえば、エコマーク(登録商標)790、カーボンフットプリントマーク791、ブルーエンジェルマーク792およびノルディックスワンマーク(登録商標)793などの環境マークが表示される。
【0094】
エコマーク(登録商標)790は、財団法人日本環境協会の認定を受けていることを示すマークである。カーボンフットプリントマーク791は、カーボンフットプリント制度による検証を受けていることを示すマークである。カーボンフットプリントマーク791には、文字「CO」と、CO換算値(t)とが表示される。図8に示したカーボンフットプリントマーク791には、CO換算値として、「10t」と表示されている。
【0095】
カーボンフットプリントマーク791には、カーボンフットプリントマーク791に表示されるCO2換算値についての補足説明794が記載されている。図8に示した補足説明794には、「☆カーボンフットプリントマークのCO排出量換算値は、ご利用の画像形成装置システム全体のライフサイクルにおける値です。」という補足説明が表示されている。
【0096】
ブルーエンジェルマーク792は、ドイツのエコマークであり、ブルーエンジェル制度の認定を受けていることを示すマークである。ノルディックスワンマーク(登録商標)793は、北欧諸国の公認エコラベル制度の認証を受けていることを示すマークである。
【0097】
新製品装置タイトル欄786は、新製品の画像形成装置である旨を表示する欄であり、図8には、「○新製品の画像形成装置」と表示されている。新製品装置画像欄787は、新製品の画像形成装置の外観を示す画像を表示する欄である。新製品装置型名欄788は、新製品の画像形成装置の型名を表示する欄であり、図8には、「MX−M753」と表示されている。
【0098】
新製品環境マークサムネイル表示欄789は、新製品の画像形成装置が取得している環境マーク、および新製品の画像形成装置が認証あるいは認定を受けている環境マークを、サムネイル形式で表示するための欄である。新製品環境マークサムネイル表示欄789には、たとえば、対象装置環境マークサムネイル表示欄785と同様に、エコマーク(登録商標)795、カーボンフットプリントマーク796、ブルーエンジェルマーク797およびノルディックスワンマーク(登録商標)798などの環境マーク、ならびに補足説明799が表示されている。エコマーク(登録商標)795、カーボンフットプリントマーク796、ブルーエンジェルマーク797、ノルディックスワンマーク(登録商標)798および補足説明799は、エコマーク(登録商標)790、カーボンフットプリントマーク791、ブルーエンジェルマーク792、ノルディックスワンマーク(登録商標)793および補足説明794と同じであり、重複を避けるために説明を省略する。
【0099】
図8に示したカーボンフットプリントマーク796には、CO換算値として、「9t」と表示されている。カーボンフットプリントマーク796に示されているCO換算値、つまり新製品のCO換算値「9t」は、カーボンフットプリントマーク791に示されているCO換算値、つまりユーザが現在使用している画像形成装置1のCO換算値「10t」よりも小さい値である。すなわち、新製品の方が温室効果ガスの排出量が削減されており、新製品の方が温室効果ガスの排出量が少なく、ユーザに新製品の画像形成装置の購買意欲を増加させることができる。
【0100】
また、対象装置環境マークサムネイル表示欄785および新製品環境マークサムネイル表示欄789に環境マークが表示されるので、ユーザは、より環境基準を満たしている画像形成装置1を選択して、購入することができる。
【0101】
このように、カーボンフットプリントマーク796によって、新製品のライフサイクルにおける温室効果ガスの排出量の検証値を知ることができるので、より温室効果ガスの排出量の少ない画像形成装置を購入またはリースすることが可能となる。販売店やリース店にとっても販売促進につながり、売り上げ向上の恩恵が得られ、延いては地球温暖化防止に貢献することができる。
【0102】
操作案内欄781に表示されている案内に従って、たとえばカーボンフットプリントマーク791を操作すると、図5に示した選択画面72に戻り、選択画面72で装置とライフサイクル段階とを選択することによって、図6に示した使用状況表示画面75で、検証値を表示することができる。また、カーボンフットプリントマーク796を操作すると、新製品についての図示しない選択画面が、図5に示した選択画面72と同様に表示され、その選択画面で装置とライフサイクル段階とを選択することによって、新製品についての図示しない使用状況表示画面が、図6に示した使用状況表示画面75と同様に表示され、その画面に検証値が表示される。ただし、新製品については、まだ未使用であるので、「清算画面へ」アイコン756およびご使用値項目欄762は表示されない。
【0103】
図9は、排出権売買注文書画面80の一例を示す図である。排出権売買注文書画面80は、サーバ101から受信した排出権売買注文書の内容を確認するための画面である。排出権売買注文書画面80には、注文書メッセージ欄801、「印刷する」アイコン802、「画像形成装置に保管する」アイコン803、「継続する」アイコン804、「終了」アイコン805、注文書プレビュータイトル欄806および注文書プレビュー画面欄807が設けられている。
【0104】
注文書メッセージ欄801は、サーバ101から排出権売買注文書を受信し、受信した排出権売買注文書を表示していることを示すメッセージを表示する欄であり、図9には、「排出権売買注文書画面を表示しています。」というメッセージが表示されている。「印刷する」アイコン802は、受信した排出権売買注文書を印刷するための操作アイコンである。「画像形成装置に保管する」アイコン803は、受信した排出権売買注文書を記憶部502に記憶するための操作アイコンである。「継続する」アイコン804は、排出権の清算を継続するための操作アイコンである。「終了」アイコン805は、排出権の清算処理を終了するための操作アイコンである。
【0105】
注文書プレビュータイトル欄806は、注文書プレビュー画面欄807に表示されるプレビュー画像のタイトルを表示する欄であり、図9には、「○排出権売買注文書プレビュー画面」と表示されている。注文書プレビュー画面欄807は、排出権売買注文書をプレビュー画像として表示するための画面領域である。図9に示した注文書プレビュー画面欄807に表示されるプレビュー画像には、宛先「□□□□会社 御中」、注文日「○○○○年○○月○○日」、書面タイトル「排出権売買注文書」、本文「この度、温室効果ガス排出権取引をご注文頂き、誠にありがとうございます。つきましては、排出権注文書を送付致します。本書面をもちまして、排出権売買契約完了となります。次回の清算時に超過分のお支払をお願い申し上げます。今後とも、宜しくお願い申し上げます。」、および受注者名「○○○○販売会社(○○○○販売会社、営業部、営業課)」が表示されている。
【0106】
図10は、排出権売買システム100で実行される排出権清算処理の処理手順を示すフローチャートである。画像形成装置1およびサーバ101の電源が投入され、いずれも動作可能となると、ステップA1に移る。
【0107】
ステップA1では、制御部501は、初期画面を表示部503に表示する。初期画面には、「IMAGE SEND」アイコン711を含むメインメニューアイコンが表示される。ユーザが「IMAGE SEND」アイコン711を操作すると、ステップA2に進む。ステップA2では、制御部501は、画像形成装置1のモードを「IMAGE SEND」モードとし、図4(b)に示したIMAGE SEND初期画面71を表示部503に表示する。
【0108】
ステップA3では、制御部501は、Ecoviewアイコンがタッチされたか否かを判定する。「Ecoview」アイコン712が操作されたとき、Ecoviewアイコンがタッチされたと判定し、ステップA4に進み、「Ecoview」アイコン712が操作されなかったとき、Ecoviewアイコンがタッチされなかったと判定し、消耗品発注処理を終了する。
【0109】
ステップA4では、制御部501は、画像形成装置1等の情報、つまり温室効果ガス排出情報を取得するか否かを判定する。具体的には、まず、制御部501は、図5に示した選択画面72を表示部503に表示する。制御部501は、選択画面72で、温室効果ガス排出情報を取得したい装置およびライフサイクル段階が選択されて、「取得」アイコン740が操作された後、「送信」アイコン725が操作されたとき、画像形成装置1等の情報を取得すると判定し、ステップA5に進む。選択画面72で、温室効果ガス排出情報を取得したい装置およびライフサイクル段階が選択されなかったとき、「取得」アイコン740が操作されなかったとき、または「送信」アイコン725が操作されなかったとき、画像形成装置1等の情報を取得しないと判定し、ステップA15に進む。
【0110】
取得ステップであるステップA5では、制御部501は、画像形成装置情報と検証された環境情報とを取得し、取得した画像形成装置情報と検証された環境情報とを記憶部502に格納、つまり記憶する。画像形成装置情報と検証された環境情報とは、温室効果ガス排出情報である。画像形成装置情報は、実績換算値情報および取得換算値情報のことであり、検証された環境情報は、環境マークのことである。
【0111】
具体的には、ステップA5では、制御部501は、接続部505を介して、サーバ101に、選択画面72で選択された装置およびライフサイクル段階の温室効果ガス排出情報を要求する。サーバ101は、画像形成装置1から、画像形成装置1で選択された装置およびライフサイクル段階の温室効果ガス排出情報を要求されると、サーバ記憶部に記憶している温室効果ガス排出情報の中から、画像形成装置1で選択された装置およびライフサイクル段階の温室効果ガス排出情報を読み出し、読み出した温室効果ガス排出情報を画像形成装置1に送信する。制御部501は、接続部505を介して、温室効果ガス排出情報を受信すると、受信した温室効果ガス排出情報を記憶部502に記憶する。
【0112】
比較ステップであるステップA6では、制御部501は、取得換算値と実績換算値とを比較する。すなわち、制御部501は、記憶部502から温室効果ガス排出情報に含まれる取得換算値情報および実績換算値情報を読み出し、読み出した取得換算値情報が示す取得換算値と、読み出した実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する。
【0113】
表示ステップであるステップA7では、制御部501は、記憶部502から読み出した取得換算値情報および実績換算値情報、ならびにステップA6での比較結果を、図6に示した使用状況表示画面75として、表示部503に表示する。
【0114】
ステップA8では、制御部501は、清算画面77へ移行するか否かを判定する。具体的には、ユーザが使用状況表示画面75で「清算画面へ」アイコン756を操作したとき、制御部501は、清算画面77へ移行すると判定し、ステップA9に進む。ユーザが使用状況表示画面75で「清算画面へ」アイコン756を操作せずに、「戻る」アイコン755を操作したとき、清算画面77へ移行しないと判定し、制御部501は、消耗品発注処理を終了する。
【0115】
ステップA9では、制御部501は、清算画面77を表示する。すなわち、制御部501は、図7に示した清算画面77を表示部503に表示する。ステップA10では、制御部501は、清算書を送信するか否かを判定する。具体的には、制御部501は、清算画面77で、「清算書を確定する」アイコン772が操作された後、「清算書を送信する」アイコン773が操作されたことが、入力部504から知らされたとき、制御部501は、清算書を送信すると判定し、ステップA11に進む。ユーザが清算画面77で、「清算書を確定する」アイコン772および「清算書を送信する」アイコン773を操作せずに、「戻る」アイコン774、「IMAGE SEND画面へ戻る」アイコン775、または「初期画面へ戻る」アイコン776を操作したとき、制御部501は、清算書を送信しないと判定し、消耗品発注処理を終了する。
【0116】
ステップA11では、制御部501は、販売店へ清算書を送信する。具体的には、制御部501は、清算画面77の清算書プレビュー画面欄778でプレビュー画像として表示した清算書を、接続部505を介してサーバ101に送信する。ステップA12では、販売店が清算書を受信する。すなわち、販売店に設けられるサーバ101は、画像形成装置1から送信された清算書を受信する。サーバ101は、受信した清算書に応答して、排出権売買発注書を生成し、生成した排出権売買発注書を画像形成装置1に送信する。ステップA8〜ステップA12は、清算ステップである。
【0117】
ステップA13では、制御部501は、販売店から注文書を受信し、売買契約を終了する。すなわち、制御部501は、販売店のサーバ101から、接続部505を介して、注文書、つまり排出権売買注文書を受信し、排出権売買注文書画面80を表示部503に表示する。排出権売買注文書の受信は、排出権の売買契約が終了したことを意味する。
【0118】
ステップA14では、制御部501は、清算を継続するか否かを判定する。制御部501は、排出権売買注文書画面80で、「継続する」アイコン804が操作されたことを、入力部504から知らされたとき、清算を継続すると判定し、ステップA4に戻る。排出権売買注文書画面80で「継続する」アイコン804が操作されずに、「終了」アイコン805が操作されたことを、入力部504から知らされたとき、清算を継続しないと判定し、消耗品発注処理を終了する。
【0119】
ステップA15では、制御部501は、戻るか否かを判定する。制御部501は、「戻る」アイコン725が操作されたとき、戻ると判定し、ステップA3に戻り、「戻る」アイコン725が操作されなかったとき、戻らないと判定し、ステップA4に戻る。
【0120】
このように、画像を形成するにあたって、制御部501および接続部505は、画像形成装置1が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置1が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバ101から、取得換算値情報および実績換算値情報を取得する。制御部501は、制御部501および接続部505によって取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、制御部501および接続部505によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する。表示部503は、制御部501によって比較された比較結果を表示する。そして、制御部501および接続部505は、制御部501によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバ101に要求可能である。
【0121】
したがって、ユーザは、排出権が付与されている温室効果ガスの排出量を超過して温室効果ガスを排出しても、超過した排出量に相当する排出権の清算を行うことができるので、画像形成装置1等の購入時に温室効果ガスの排出権を購入しておかなくてもよく、排出権が付与されていないより安価な画像形成装置1等を購入またはリースすることができる。また、ユーザは、使用状況に合わせて排出権を清算することができるので、画像形成装置1等の使用および維持するために必要な費用である使用維持管理費を削減することができる。また、ユーザは、まだまだ使用することができる画像形成装置1等の買い替えや再リースをしなくても、使用頻度を低減することによって、温室効果ガスの排出を抑制することができる。すなわち、排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置1およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる。さらに、ユーザは、排出権の清算を行うごとに、ユーザが使用している画像形成装置1等で排出した温室効果ガスの二酸化炭素に換算した換算値を認識するので、ユーザが使用している画像形成装置1等が温室効果ガスを多く発生する機種であった場合、温室効果ガスの発生がより少ない機種への買い替えやリースを促進して、延いては地球温暖化防止に貢献することができ、販売店またはリース店にとっても画像形成装置1等の受注が容易となり売り上げ向上を図ることができる。
【0122】
さらに、前記排出権は、各画像形成装置1の製造メーカまたは販売店によって取得されている。したがって、ユーザは直接排出権を取得する必要がない。
【0123】
さらに、接続部505は、画像形成装置1の稼働に伴い消費された電力の電力量をサーバ101に送信する。そして、前記実績換算値は、サーバ101が接続部505によって送信された電力量を二酸化炭素の排出量に換算した値である。したがって、画像形成装置1で二酸化炭素の排出量への換算を行う必要がない。
【0124】
さらに、画像を形成する画像形成装置本体3、および画像形成装置本体3に付加されるオプション機器を含む。そして、前記排出権は、画像形成装置本体3、オプション機器、および画像形成装置1ごとの排出権を含む。したがって、画像形成装置本体3、オプション機器、および画像形成装置1ごとに、排出権の清算を行うことができる。
【0125】
さらに、表示部503は、タッチパネルによって構成される。したがって、画像形成装置1の表示部503として、操作手段を一体的に設けたタッチパネルを用いることによって、ユーザは、簡便にサーバ101から直接情報を取得して表示し、情報を選択することができる。また、画像形成装置1等のメーカ、販売店、代理店、またはリース店が提供する排出権取引サービスを容易に利用することができる。
【0126】
さらに、サーバ101とは、ネットワークを含む通信回線によって接続される。したがって、サーバ101と離れた遠隔地に設置される画像形成装置1でも、排出権取引サービスを容易に利用することができ、ユーザにとって利便性が良好な排出権取引サービスを容易に受けることができる。
【0127】
さらに、画像を形成する画像形成装置1と、画像形成装置1が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置1が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバ101とを含む温室効果ガス排出権売買システムで、温室効果ガスの排出権の売買を行うにあたって、画像形成装置1は、制御部501および接続部505と、制御部501と、表示部503と、制御部501および接続部505とを含む。制御部501および接続部505は、サーバ101から取得換算値情報および実績換算値情報を取得する。制御部501は、制御部501および接続部505によって取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、制御部501および接続部505によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する。表示部503は、制御部501によって比較された比較結果を表示する。そして、制御部501および接続部505は、制御部501によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバ101に要求可能である。
【0128】
したがって、ユーザは、排出権が付与されている温室効果ガスの排出量を超過して温室効果ガスを排出しても、超過した排出量に相当する排出権の清算を行うことができるので、画像形成装置1等の購入時に温室効果ガスの排出権を購入しておかなくてもよく、排出権が付与されていないより安価な画像形成装置1等を購入またはリースすることができる。また、ユーザは、使用状況に合わせて排出権を清算することができるので、画像形成装置1等の使用および維持するために必要な費用である使用維持管理費を削減することができる。また、ユーザは、まだまだ使用することができる画像形成装置1等の買い替えや再リースをしなくても、使用頻度を低減することによって、温室効果ガスの排出を抑制することができる。すなわち、排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置1およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる。さらに、ユーザは、排出権の清算を行うごとに、ユーザが使用している画像形成装置1等で排出した温室効果ガスの二酸化炭素に換算した換算値を認識するので、ユーザが使用している画像形成装置1等が温室効果ガスを多く発生する機種であった場合、温室効果ガスの発生がより少ない機種への買い替えやリースを促進して、延いては地球温暖化防止に貢献することができ、販売店またはリース店にとっても画像形成装置1等の受注が容易となり売り上げ向上を図ることができる。
【0129】
さらに、表示部503を有し、画像を形成する画像形成装置1と、画像形成装置1が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置1が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバ101とを含む温室効果ガス排出権売買システムで、温室効果ガスの排出権を売買するにあたって、図10に示したフローチャートにおいて、ステップA5では、サーバ101から取得換算値情報および実績換算値情報を取得する。ステップA6では、ステップA5で取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、ステップA5で取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する。ステップA7では、ステップA6で比較された比較結果を表示部503に表示する。そして、ステップA8〜ステップA12では、ステップA6で比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバ101に要求可能である。
【0130】
したがって、ユーザは、排出権が付与されている温室効果ガスの排出量を超過して温室効果ガスを排出しても、超過した排出量に相当する排出権の清算を行うことができるので、画像形成装置1等の購入時に温室効果ガスの排出権を購入しておかなくてもよく、排出権が付与されていないより安価な画像形成装置1等を購入またはリースすることができる。また、ユーザは、使用状況に合わせて排出権を清算することができるので、画像形成装置1等の使用および維持するために必要な費用である使用維持管理費を削減することができる。また、ユーザは、まだまだ使用することができる画像形成装置1等の買い替えや再リースをしなくても、使用頻度を低減することによって、温室効果ガスの排出を抑制することができる。すなわち、排出権が付与されていない消耗品、画像形成装置1およびオプション機器に対しても、温室効果ガスの排出削減を促進することができる。さらに、ユーザは、排出権の清算を行うごとに、ユーザが使用している画像形成装置1等で排出した温室効果ガスの二酸化炭素に換算した換算値を認識するので、ユーザが使用している画像形成装置1等が温室効果ガスを多く発生する機種であった場合、温室効果ガスの発生がより少ない機種への買い替えやリースを促進して、延いては地球温暖化防止に貢献することができ、販売店またはリース店にとっても画像形成装置1等の受注が容易となり売り上げ向上を図ることができる。
【0131】
以下では、本発明の他の実施形態として、表示部503以外の他の表示部である大型表示部を備える構成について説明する。
【0132】
図11は、大型表示部200を備える画像形成装置1Aの外観を示す斜視図である。表示部503は、操作パネル7に設けられ、タッチパネルによって入力手段としての機能を備えるために、比較的小さな画面サイズの表示部であり、表示画面に直交する表示方向が、鉛直方向に平行か、または鉛直方向に対して5°〜10°程度の角度を成すように設置される。これは、表示部503が、操作パネル7を操作するユーザが表示画面を見ることを想定しているからである。
【0133】
画像形成装置1Aに設けられる大型表示部200は、画像形成装置本体3の側面から水平方向に突出する支持部3aに、鉛直方向に延びる回動軸202が支持され、この回動軸202の上端部分に大型表示部200が、回動軸202の軸線まわりに回動可能に設置される。
【0134】
大型表示部200の表示面201は、鉛直方向に対して略平行、すなわち表示方向が水平方向に対して略平行となるように設けられる。このような大型表示部200は、画像形成装置1Aを操作するユーザだけでなく、画像形成装置1Aの周囲にいる人々からその画面が見易いように設置されている。
【0135】
大型表示部200は、表示部503と同様に、制御部501に電気的に接続され、制御部501の指示によって画面の表示を行う。大型表示部200に表示させる画面は、表示部503と全く同じであってもよく、その一部であってもよい。たとえば、図6に示した使用状況表示画面75、図8に示した新製品表示画面78を、表示部503に表示させるとともに大型表示部200にも表示させる。
【0136】
使用状況表示画面75を大型表示部200に表示させることによって、ユーザだけでなく、周囲の人々も取得換算値と実績換算値との比較結果の差分を見ることができ、新製品表示画面78を、大型表示部200に表示させることによって、ユーザだけでなく、周囲の人々も新製品の方が温室効果ガスの排出量が削減されており、新製品の方が温室効果ガスの排出量が少ないことを知り、新製品の画像形成装置の購買意欲を増加させることができる。
【0137】
大型表示部200に、カーボンフットプリントマーク796を表示することによって、新製品のライフサイクルにおける温室効果ガスの排出量の検証値を知ることができるので、店頭に画像形成装置1Aを設置することで、店舗を訪れた顧客などユーザ以外の関心を引き、画像形成装置の販売促進につながり、売り上げ向上の恩恵が得られ、延いては地球温暖化防止にさらに貢献することができる。
【0138】
図12は、大型表示部203,205を備える画像形成装置1Bの外観を示す斜視図である。図12(a)、(b)は、前方から見た斜視図であり、図12(c)は後方から見た斜視図である。
【0139】
画像形成装置1Bは、ドキュメントフィーダー2を備えておらず、原稿押さえ蓋6aを有するスキャナ6を備えている。画像形成装置本体3の筐体正面側には、前扉12が設けられ、筐体右側面側にも上下2箇所に横扉13,14が設けられているフロントアクセスタイプである。前扉12を開けることにより、トナーの補給などのメンテナンスを行うことが可能となっている。また、詰まった記録用紙を用紙搬送路から除去する場合には、横扉13,14も必要に応じて開くようになっている。
【0140】
本実施形態では、画像形成装置本体3の背面側に、大型表示部203,205が設けられる。大型表示部203は、表示方向が前方側となるように、表示画面204を設けており、大型表示部205は、表示方向が後方側となるように、表示画面206を設けている。
【0141】
本実施形態では、画像形成装置本体3の背面を、大型表示部203,205を支持する支持面として利用している。これにより、画像形成装置本体3と大型表示部203,205という2台の大型機器の設置スペースを、実質的に画像形成装置本体3の設置スペースに収めることが可能となる。また、画像形成装置本体3と大型表示部203,205との接続配線も外部に露出することがないので外観が良く、接続配線を引っかけてしまうといった問題も発生しない。これにより、狭い店舗においても、画像形成装置を従来から設置している場所に、ほぼそのまま設置することが可能となるものである。
【0142】
また、大型表示部203,205は、筐体を共有しており、筐体の上部が画像形成装置本体3より上方に突出するように配置されている。筐体の突出部分の前方側に大型表示部203の表示画面204が配置されており、筐体の背面側の略全体に大型表示部205の表示画面206が設けられる。
【0143】
大型表示部203,205は、いずれも前述の大型表示部200と同様に、制御部501に電気的に接続され、制御部501の指示によって画面の表示を行う。大型表示部200に表示させる画面は、表示部503と全く同じであってもよく、その一部であってもよい。たとえば、図6に示した使用状況表示画面75、図8に示した新製品表示画面78を、表示部503に表示させるとともに大型表示部203,205にも表示させる。
【0144】
本発明のさらに他の実施形態である表示装置300,400について説明する。
図13は、画像形成装置1と表示装置300の外観を示す図である。表示装置300は、いわゆる電子黒板、インフォメーションディスプレイなどと呼ばれる画面サイズが非常に大きな表示装置である。
【0145】
電子黒板およびインフォメーションディスプレイは、パーソナルコンピュータや画像形成装置などと接続可能な構成となっている場合が多く、画像形成装置1の接続部505とデータ通信可能に構成されている。
【0146】
ここで、表示装置300には、2種類の実施態様があり、1つ目は大型表示部200,203,205と同様に、表示部503に表示される表示画面を単に表示するものである。
【0147】
表示装置300の構成は、既存の表示装置と同じであり、少なくとも制御部、記憶部、表示パネル301、座標入力部およびデータ通信部を備える。画像形成装置1の接続部505とデータ通信部とが、無線通信または有線通信でデータ通信可能に接続され、画像形成装置1で作成された表示部503に画面表示するための画像データを、画像形成装置1から受信する。表示装置300は、受信した画像データに基づいて、制御部が表示パネルに、表示部503の表示画面と同様の画像を表示させる。
【0148】
画像データは、表示部503に表示される画面が変化するごとに画像形成装置1から表示装置に送信されて、表示装置300に表示部503に表示される画面と同じ、たとえば、図6に示した使用状況表示画面75、図8に示した新製品表示画面78を、表示部503とほぼ同時に表示する。
【0149】
表示装置300は、大型表示部200,203,205よりもさらに大きな画面サイズを有しており、画像形成装置1の周辺にいる人々に対する効果は、さらに大きくなることが期待される。
【0150】
表示装置300の2つ目の実施態様は、表示部503に表示される画面と同じ画面を表示するだけでなく、操作パネル7と同様の機能を備えるものである。
【0151】
電子黒板およびインフォメーションディスプレイは、タッチパネルなどの座標入力装置を備えているので、操作パネル7と同様に、図5〜図9に示した表示画面を表示するとともに、たとえば「戻る」アイコン、「印刷する」アイコンなどの各種アイコンを有効に機能させることができる。したがって、操作パネル7を操作するのと同じ操作を表示装置300によって実現することができる。本実施態様では、画像形成装置1から表示装置300に対して画像データを送信するのではなく、取得換算値、実績換算値およびこれらの比較結果などの情報のみを画像形成装置1から送信し、これを受信した表示装置300は、取得換算値、実績換算値およびこれらの比較結果などに基づいて、使用状況表示画面を自ら作成して表示する。また、各種アイコンが操作された場合は、操作されたアイコンに基づくコマンドを表示装置300から画像形成装置1に対して送信し、コマンドを受信した画像形成装置1は、操作パネル7が操作された場合と同様にコマンドを受け付けて、精算処理を開始したり、印刷処理を開始する。
【0152】
このように、表示装置300は画像形成装置1の周辺にいる人々に対する広告効果の向上、延いては地球温暖化防止に対するさらなる貢献を実現するとともに、外部操作パネルとしての機能も備えることができる。
【0153】
図14は、画像形成装置1と表示装置400の外観を示す図である。表示装置400は、いわゆるスマートフォンやタブレット端末装置などに代表される携帯端末装置である。携帯端末装置は、たとえば無線通信などにより、各種情報機器とデータ通信可能に構成されており、画像形成装置1の接続部505とのデータ通信が可能である。
【0154】
表示装置400は、画面サイズが小さいだけで、機能としては表示装置300と同じである。表示装置400も表示装置300と同様に2種類の実施態様があり、単に表示部503に表示される画像と同じ画像を表示するだけの態様と、各種アイコン操作によって操作パネル7と同様の機能を有する態様である。1つ目の態様では、ユーザが画像形成装置1から離れた位置でも表示装置400の表示パネル401に表示される画面を手元で確認することができる。2つ目の態様では、さらにアイコン操作も可能であり、画像形成装置1から離れた位置から画像形成装置1を遠隔操作が可能である。
【0155】
スマートフォンなどの高機能携帯端末装置では、画像形成装置1のメーカなどがアプリケーションソフトウェアを提供すれば、容易に画像形成装置1の遠隔操作が可能なリモートコントローラ機能を付加することができる。
【0156】
なお、上記清算処理は、画像形成装置1のウォームアップから印刷可能なレディ(以下「Ready」ともいう)状態になるまでの間に行ってもよいし、印刷ジョブ{以下「JOB」ともいう)の合間に行ってもよい。いずれかの間に確認処理を行うことで、たとえば、他のユーザが画像形成装置を使用する際の邪魔にはならないという効果を奏する。
【0157】
本発明の表示部503としては、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電気泳動を始めとする電子ペーパーディスプレイ、電子放出ディスプレイを用いることができる。
【0158】
本発明は、表示部503を利用した民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置、または端末において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としているもの、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)や業務用機器(法人企業や学校、官公庁など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品)にも適用することができる。
【0159】
また、本発明の実施形態では、タッチパネルを用いて説明したが、タッチパネルに代えて、Ubi−Fingerデバイスを用いたジェスチャー入力等を用いてもよい。
【0160】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0161】
1 画像形成装置
2 ドキュメントフィーダー
3 画像形成装置本体
4 大容量給紙装置
5 ソーター
6 スキャナ
7 操作パネル
31〜33 給紙装置
100 排出権売買システム
101 サーバ
102 LAN
103 衛星通信装置
200,203,205 大型表示部
300,400 表示装置
501 制御部
502 記憶部
503 表示部
504 入力部
505 接続部
506 読取部
507 画像処理部
508 画像形成部
509 定着部
510 周辺制御部
511 演算

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成装置であって、
画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバから、取得換算値情報および実績換算値情報を取得する取得手段と、
取得手段によって取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得手段によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する比較手段と、
比較手段によって比較された比較結果を表示する表示手段と、
比較手段によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能な清算手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記排出権は、各画像形成装置の製造メーカまたは販売店によって取得されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置の稼働に伴い消費された電力の電力量をサーバに送信する送信手段をさらに含み、
前記実績換算値は、サーバが送信手段によって送信された電力量を二酸化炭素の排出量に換算した値であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像を形成する画像形成装置本体、および該画像形成装置本体に付加される付加装置を含み、
前記排出権は、画像形成装置本体、付加装置、および画像形成装置ごとの排出権を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示手段は、タッチパネルによって構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記サーバとは、ネットワークを含む通信回線によって接続されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記比較手段は、前記比較による比較結果と、前記取得換算値および前記実績換算値とに基づいて、排出権の使用状況を表示するための表示画像データを作成し、
前記表示手段は、前記表示画像データに基づいて、排出権の使用状況を表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置とデータ通信可能に構成される表示装置であって、
前記取得換算値、前記実績換算値および前記比較手段による比較結果を、前記画像形成装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した、前記取得換算値、前記実績換算値および前記比較結果に基づいて、排出権の使用状況を表示する使用状況表示手段と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項7記載の画像形成装置とデータ通信可能に構成される表示装置であって、
前記表示画像データを、前記画像形成装置から受信する受信手段と、
前記表示画像データに基づいて、排出権の使用状況を表示する使用状況表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバとを含む温室効果ガス排出権売買システムであって、
画像形成装置は、
サーバから取得換算値情報および実績換算値情報を取得する取得手段と、
取得手段によって取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得手段によって取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する比較手段と、
比較手段によって比較された比較結果を表示する表示手段と、
比較手段によって比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能な清算手段とを含むことを特徴とする温室効果ガス排出権売買システム。
【請求項11】
表示部を有し、画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置が稼働することによって排出される、排出権が取得されている温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した取得換算値を表す取得換算値情報と、画像形成装置が稼働したことによって排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素の排出量に換算した実績換算値を表す実績換算値情報とを記憶しかつ排出権の代金の清算を行うサーバとを含む温室効果ガス排出権売買システムで実行される温室効果ガス排出権売買方法であって、
サーバから取得換算値情報および実績換算値情報を取得する取得ステップと、
取得ステップで取得された取得換算値情報が示す取得換算値と、取得ステップで取得された実績換算値情報が示す実績換算値とを比較する比較ステップと、
比較ステップで比較された比較結果を表示部に表示する表示ステップと、
比較ステップで比較された比較結果が、取得換算値よりも実績換算値が大きいことを示しているとき、実績換算値と取得換算値との差の二酸化炭素換算値に相当する温室効果ガスの排出権に対する代金の清算をサーバに要求可能な清算ステップとを含むことを特徴とする温室効果ガス排出権売買方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−160167(P2012−160167A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273765(P2011−273765)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)