説明

画像形成装置、表示装置、管理サーバ及びこれらを備えた消耗品管理システム、並びに消耗品管理方法

【課題】修理依頼するユーザの都合を考慮して、ユーザの希望に沿った修理サービスを実現できるようにする。
【解決手段】JAMが画像形成装置100の搬送ローラで発生すると、JAM検出部209a,211aにて検出し、制御部201はJAMの発生箇所を特定する。制御部201は、JAM情報を履歴カウント部212に送り、JAM回数のカウントをさせて、特定した搬送ローラと、そのJAM履歴とを記憶部202に記憶させる。判定部203は、JAM回数から対応処理を判定する。その判定結果に基づいて、制御部201は、表示部204にその結果に関するメッセージを表示するとともに、修理事業者の管理サーバにその判定結果を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の消耗品について、その補給や交換時期を管理する画像形成装置、表示装置、管理サーバ及びこれらを備えた消耗品管理システム、並びに消耗品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置は、用紙、トナー、感光体ドラム、ローラなどの消耗品の補給や交換を必要とする。これら消耗品に関しては、その使用履歴から故障や寿命の管理が行われており、必要な時に補給や交換が行われている。この管理システムとしては、通信回線を介して、画像形成装置が各消耗品の使用状況情報を、管理サーバに送信して管理するものがある。状況に合わせて、画像形成装置に指示を送りユーザに消耗品の発注を促したり、サービス会社に指示を送り、サービス会社が補給や交換を行うものがある。
【0003】
特許文献1には、リユースの消耗品を利用することが判定されたことに応じて、リユースの消耗品を交換したことに対応して変更すべき設定を指示する指示手段を備え、リユースの消耗品の交換後に、指示手段により指示された設定が画像形成装置に行われることが記載されている。
【0004】
これにより、画像形成装置の部品など消耗品の交換に際して、リユース品を用いる際には適切な設定を行うことができる。
【0005】
特許文献2には、画像形成に係わる部品に異常が発生した時,その部品が寿命に達した時,あるいは画像形成に係わる消耗品の消費量が予め設定された閾値を越えた時に、その部品あるいはその消耗品の交換を促す警告を発生し、交換用の部品あるいは消耗品の発注内容が入力された場合に、その発注内容をメモリに記憶されている固有情報と共に通信コントロール装置および公衆回線網経由で中央管理装置へ送信することが記載されている。
【0006】
これにより、画像形成装置の交換が必要な部品あるいは消耗品のみを正確且つ確実に自動発注することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−266757号公報
【特許文献1】特開2003−330695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、消耗品の交換後に適切な設定を行うことは有用であるが、消耗品を交換するには専門的な修理者(サービスマン)に修理依頼することが必要であり、ユーザは、できるだけ早期に都合の良い日時で修理してもらいたいという希望があり、ユーザのニーズに対応したサービスの提供までは考慮されていない。
【0009】
また、特許文献2では、消耗品の自動発注は容易にできるものの、専門的な修理者(サービスマン)の修理可能な修理日時とユーザの修理希望日時とが必ずしも一致するとは限らない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであって、修理依頼するユーザの都合を考慮して、ユーザの希望に沿った修理サービスを実現できる画像形成装置、表示装置、管理サーバ及びこれらを備えた消耗品管理システム、並びに消耗品管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、消耗品のエラー管理をして修理希望時期を管理サーバに通知する画像形成装置であって、
前記消耗品のエラーを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果により前記消耗品のエラー回数をカウントするカウント手段と、エラー検出された消耗品、前記カウント手段でカウントしたエラー積算回数、エラー日時を含むエラー履歴情報と、エラー履歴情報に応じての各対応処理についての対応処理情報とを記憶する記憶手段と、前記エラー履歴情報に基づいて、前記対応処理情報から対応処理を判定して抽出する判定手段と、ユーザに、エラー検出された消耗品の修理希望時期を入力設定させる入力手段と、前記判定手段により抽出した判定結果の判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期とを前記管理サーバに通知する通知手段と、を備え、
前記管理サーバにより、前記画像形成装置から通知された情報を修理者に通知され、修理者からの修理時期と修理費用について返信が通知されることを特徴とする。
【0012】
本発明の画像形成装置は、さらにユーザに報知するための表示手段を備え、前記表示手段は、前記判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期の設定させる表示内容を表示し、また、前記管理サーバから通知された修理者からの修理時期と修理費用についての返信内容を表示することを特徴とする。
【0013】
また、前記記憶手段のエラー履歴情報は、前記消耗品の使用保証期間に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【0014】
また、前記修理希望時期は、複数設定できてもよいし、さらに希望順位ごとに設定できてもよい。
【0015】
また、前記消耗品は、少なくとも記録紙搬送ローラを含むローラであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記画像形成装置の消耗品のエラー管理をユーザに報知する表示装置であって、前記判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期の設定させる表示内容を表示し、また、前記管理サーバから通知された修理者からの修理時期と修理費用についての返信内容を表示することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記画像形成装置の消耗品のエラー管理をして修理希望時期を修理者に通知するための管理サーバであって、
前記画像形成装置から通知された情報を修理者に通知し、修理時期と修理費用についての返信を前記画像形成装置へ通知する返信手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の管理サーバは、前記消耗品のエラー履歴情報に応じて段階的に設定した修理費用情報を記憶する修理費用記憶部を備え、前記画像形成装置から送られたエラー履歴情報に基づいて、修理費用情報から修理費用を抽出して画像形成装置に通知することを特徴とする。
さらに、前記修理費用情報には、無償修理を含んでいてもよい。
【0019】
また、本発明は、前記画像形成装置と、前記管理サーバと、を備えたことを特徴とする消耗品管理システムである。さらに前記表示装置を備えてもよい。
【0020】
また、本発明は、消耗品のエラー管理をして修理希望時期を管理サーバに通知する消耗品管理方法であって、
前記消耗品のエラーを検出する検出ステップと、前記検出ステップの検出結果により前記消耗品のエラー回数をカウントするカウントステップと、エラー検出された消耗品、前記カウントステップでカウントしたエラー積算回数、エラー日時を含むエラー履歴情報と、エラー履歴情報に応じての各対応処理についての対応処理情報とを記憶する記憶ステップと、前記エラー履歴情報に基づいて、前記対応処理情報から対応処理を判定して抽出する判定ステップと、ユーザに、エラー検出された消耗品の修理希望時期を入力設定させる入力ステップと、前記判定ステップにより抽出した判定結果の判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期とを前記管理サーバに通知する通知ステップと、前記管理サーバにより、前記画像形成装置から通知された情報が修理者に通知され、修理者からの修理時期と修理費用についての返信を前記画像形成装置へ通知する返信ステップを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザは、希望する修理時期を修理者に容易に知らせることができ、それに基づいて修理者が修理時期を検討するので、ユーザの都合に合わせた修理サービスを受けることができる。画像形成装置からダイレクトに修理者へ修理依頼でき、修理者の修理予定日時と希望する修理希望日時とを迅速に決定することができる。
【0022】
ユーザは、度重なる同一消耗品のエラーによる修理費用がどれくらいの費用になるかを表示手段や表示装置に表示されることにより、画像形成装置のエラー箇所が一目で解り、修理者へ画像形成装置から直接修理依頼できるので、修理依頼の手間を抑制でき、修理費用負担を予め準備することができる。また、希望した修理日時を知ることができ、ユーザ自身の日程管理が容易となる。また、修理者は、ユーザからの修理依頼の通知を、修理者の所属する修理事業者のサーバを経由して修理者の保持する携帯端末装置に通知することができるので、修理者は他の修理業務を行っていても逐次ユーザの修理依頼を確認でき、即座に修理日程を決定することができる。
【0023】
特に、メーカー保証期間内に消耗品が原因となるエラーは、ユーザに対して画像形成装置自体が使えず、大きな不満を与えてしまう。また、メーカーにとっても、保証期間内のエラーは信用問題につながる。エラーとなった消耗品が、前記消耗品の使用保証期間内であることがわかる情報が記憶されていると、保証期間内のエラーに対して迅速な処置ができ、ユーザの信頼回復が可能となる。
【0024】
また、前記修理希望日時が、複数設定できると、ユーザの修理希望日時と修理者の修理可能日時とが容易に決定できるので、ユーザと修理者とにとって、容易に日程調整が可能となる。
また、前記修理希望日時が、希望順位ごとに設定できると、画像形成装置を早く修理して事務業務への支障を最小限に抑えることができる。
【0025】
修理費用が、前記消耗品の交換履歴に基づき、段階的に設定されると、消耗品の交換が消耗品の保証期間内であれば、消耗品の交換を段階的に値引きすることになるので、修理費用のユーザへの負担を軽減することができる。
修理費用に、無償修理を含むと、度重なる同一消耗品のエラーによるユーザへの不満や経費負担を解消して、画像形成装置の信頼性回復に寄与できる。
【0026】
また、JAMは、一箇所一枚のJAMが原因であっても、高速機になると、多数の記録紙が一度に無駄になってしまう。従って、記録紙搬送ローラの搬送不良(スリップ、記録紙の耳折れやシワからなるミスフィード、斜め搬送、重送など)を早急になくすことで、記録紙の無駄な経費を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明にかかる消耗品管理システムを示す概略図である。
【図2】消耗品管理システムに用いられる画像形成装置の斜視図である。
【図3】消耗品管理システムに用いられる画像形成装置の断面図である。
【図4】搬送ローラの斜視図である。
【図5】操作パネルを示す説明図である。
【図6】画像形成装置のハードウェア及び機能モジュールの構成を示すブロック図である。
【図7】記憶部に記憶されているJAM対応処理と閾値の関係を示すテーブルである。
【図8】消耗品管理システムの消耗品管理の処理を示すフローチャートである。
【図9】図8に続く消耗品管理システムの消耗品管理の処理を示すフローチャートである。
【図10】図9に続く消耗品管理システムの消耗品管理の処理を示すフローチャートである。
【図11】図10に続く消耗品管理システムの消耗品管理の処理を示すフローチャートである。
【図12】JAMの通知メッセージを表示した表示画面を示す図である。
【図13】JAM履歴のメッセージを表示した表示画面を示す図である。
【図14】メンテナンス希望日時入力のメッセージを表示した表示画面を示す図である。
【図15】メンテナンス希望日時を近い順に並び替えたものと、修理履歴2回目というメッセージを表示した表示画面を示す図である。
【図16】メンテナンスコールが正常に完了した際の表示画面を示す図である。
【図17】表示部204におけるユーザの通知を受けた修理者からの返信通知の表示画面を示す図である。
【図18】消耗品の交換保証期間内で、同じ消耗品が3回目の交換修理の場合の表示画面を示す図である。
【図19】3回目の交換修理におけるユーザの通知を受けた修理者からの返信通知の表示画面を示す図である。
【図20】消耗品の交換保証期間内で、同じ消耗品が4回目の交換修理の場合の表示画面を示す図である。
【図21】4回目の交換修理におけるユーザの通知を受けた修理者からの返信通知の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。具体的には、本発明が適用された画像読取装置を備えた画像形成装置の一例について説明する。
【0029】
[消耗品管理システム]
図1は、本発明にかかる消耗品管理システムを示す概略図である。
この消耗品管理システムは、各ユーザA,B,Cの画像形成装置100と修理業者の管理サーバ301とが通信手段を介して接続されている。例えば、図1に示すように、複数のユーザA,B,Cは、それぞれの端末機である画像形成装置100のLAN通信部206bによりLAN(ローカルエリアネットワーク)302を介して修理事業者の管理サーバ301に接続されている。
【0030】
各ユーザA,B,Cは、スマートフォンなどの携帯端末、パソコン、携帯電話から通信回線を介して、画像形成装置100に対し印刷情報を送り、印刷等を行う。
【0031】
なお、画像形成装置100と管理サーバ301との通信接続の方式は、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網等が利用可能である。
【0032】
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE 1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、およびHDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
携帯端末、パソコン、携帯電話と、画像形成装置100の通信回線も上記と同様である。
【0033】
また、LAN302を介してクラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドプロバイダーの管理サーバ301aにより管理されるものであってもよい。図1では、修理業者の管理サーバ301と、衛星通信インフラ303を介して接続されている。そして、各画像形成装置100の情報をLAN302を介して一旦ローカルエリアネットワークを介してクラウドプロバイダーの管理サーバ301aが、各画像形成装置100の消耗品情報を取り込み管理し、補給や交換の時期などの管理情報を、衛星通信インフラ303を介して修理業者の管理サーバ301に送る。
【0034】
また、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドプロバイダーにより管理されるだけでなく、メーカー、販売先またはリース先等により管理されるものとしてもよいし、例えば、画像形成装置メーカー、消耗品メーカー、等により管理されるものであってもよい。
【0035】
さらに、管理サーバは、管理サーバの機能をバックアップするバックアップサーバが接続されていてもよい。これにより、サーバがシステムダウンしても本発明のシステムはスムースに運営される。
【0036】
[画像形成装置の全体構成]
次に、画像形成装置100の全体構成を示す。図2は、画像形成装置100の斜視図であり、図3は、画像形成装置100の断面図である。
【0037】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、読取部120(自動原稿処理装置)とにより構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット(定着部)7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0038】
装置本体110の上部には、読取部120が配置されている。詳細は後述するが、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側に取り付けられている。読取部120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。
【0039】
また読取部120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0040】
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0041】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0042】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1を構成する光走査装置の構成は、後述して具体的に説明する。また露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0043】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0044】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0045】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0046】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0047】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシ等も用いることが可能である。
【0048】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0049】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0050】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0051】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0052】
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット(定着部)7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0053】
[搬送ローラ]
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0054】
ここで、搬送ローラ12a〜12d,13について、図4を用いて更に詳細に説明する。図4は搬送ローラ12a〜12d,13の斜視図である。搬送ローラ12aは、図4に示すように、ローラのシャフト151の軸方向の中央部に記録接触部材Aを配置し、記録接触部材Aの両側に記録接触部材Bと記録接触部材Cを配置するものである。これら記録接触部材A,B,Cは弾性部材(ゴム部材)からなり、その中心部にローラシャフト151が貫通している。
【0055】
記録紙接触部材Aは、円筒状の形状で、その表面にリブを形成し、記録紙の搬送スリップを防止している。記録紙接触部材B,Cは、円筒状の形状であって記録紙接触部材Aと連れ周りすることで記録紙の斜行を防止する。いずれの記録紙接触部材の中心部にもローラシャフト151を通すための貫通孔が設けられている。
【0056】
ここで、弾性部材は、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPT(エチレンプロピレンゴム)、Si(シリコンゴム)、IIR(ブチルゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、U(ウレタンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、FKM(フッ素ゴム)等といった弾性力のある何れかの物質で構成されている。
【0057】
本実施形態のローラシャフト及び記録紙接触部材の寸法の一例を挙げる。図4に示すように、記録紙接触部材Aは、長さ30mm、直径24.5mmである。記録紙接触部材B,Cは、長さ30mm、直径φ24mmである。ローラシャフト151は、直径6mmである。
【0058】
記録紙のJAMは、記録紙接触部材A(ゴム部材)の磨耗や紙粉(紙の繊維、填料であるタルク、カオリン、炭酸カルシウムなど)が固着したり、長期使用による硬化で弾性が低下したりして、記録紙のJAMが発生する。
【0059】
[操作パネル]
また、本実施形態では、操作パネル220の表示部204が、消耗品管理システムの表示部として機能するように構成されている。
【0060】
操作パネル220は、図5に示すように、操作面(入力部)205が略平面状に構成されて、その略中央部に表示部204が構成されている。
なお、表示部204は、操作面(入力部)205と同一平面でなくとも、操作面(入力部)205に対して開閉移動式であってもよいし、操作面(入力部)205とは別に設けてもよい。また、それらを組み合わせてもよい。
【0061】
また、表示部204は、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備え、表示部204でタッチパネルまたは操作キーを操作することで管理サーバ301から送信された情報を表示できるように構成されている。
【0062】
なお、表示部204は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電気泳動を始めとする電子ペーパーディスプレイ、電子放出ディスプレイを用いることができる。また、それらを組み合わせたマルチディスプレイなどを表示部204とした表示装置を用いることができる。
【0063】
なお、表示部204以外にも、画像形成装置100に通信接続しているパソコンの表示装置や携帯端末の表示装置でもよいし、テレビなどの大型表示装置でも構わない。
【0064】
[画像形成装置の機能構成]
ここで、画像形成装置100の機能構成についてブロック図を参照して説明する。
図6は画像形成装置のハードウェア及び機能モジュールの構成を示すブロック図である。
【0065】
画像形成装置100は、図6に示すように、機能構成として、画像形成装置100の動作を制御する制御部201、各搬送ローラにおけるJAM履歴等を記憶する記憶部202、発生したJAMと過去のJAM履歴を照合して処理対応を判定する判定部203、表示部204、入力部205、PCや携帯端末などとUSB接続を行うUSB通信部206a、ネットワーク回線を介してPC等とLAN接続を行うLAN通信部206b、画像処理を行う画像処理部208、画像形成を行う画像形成部209、搬送ローラにおける記録紙のJAMを検出するJAM検出部209a、トナー像の定着処理を行う定着部7、スキャナにおいて画像の読み取りを行う読取部120、JAMの発生回数をカウントする履歴カウント部212、周辺機器の動作を制御する制御部211と搬送ローラにおける記録紙のJAMを検出するJAM検出部211a、などを備えている。
【0066】
制御部201は、JAM検出部209a,211aにより検出された検出結果に加えて、判定部203により判定された判定結果(消耗品の清掃や交換等の処理対応)を後述する管理サーバ301に通知する機能を備えている。
修理者(サービスマン)へは、LAN302を介して管理サーバ301に修理依頼等が行われる。
【0067】
本実施形態では、制御部201が、画像形成部209のJAM検出部209aと周辺機器のJAN検出部211aとの検出信号によって、どの箇所でJAM検出信号が一番早く発生したかの発生時間に基づいて、JAMの発生した記録紙搬送ローラを特定する。JAM回数は、履歴カウント部212でカウントされ、特定した記録紙の搬送ローラと、そのJAM回数とが、JAM履歴として記憶部202に記憶される。
【0068】
また、記憶部202には、消耗品の交換保証期間、判定部203が判定するJAM回数閾値とそれに対する対応処理などが記憶されている。図7は、記憶部202に記憶されているJAM対応処理と閾値の関係を示すテーブルである。
【0069】
第1の閾値情報は、1万枚当たりのJAM回数が3回以上10回以下の場合に、対応処理内容の表示部204の表示情報が「乾拭き清掃の推奨」である。
第2の閾値情報は、1万枚当たりのJAM回数が10回〜50回以下の場合に、対応処理内容の表示部204の表示情報が「アルコール拭き清掃の推奨」である。
第3の閾値情報は、1万枚当たりのJAM回数が50回超の場合に、対応処理内容の表示部204の表示情報が「メンテナンスコール(交換)の推奨」である。
第4の閾値情報は、JAM発生時期が保証期間内の場合に、対応処理内容の表示部204の表示情報が「☆(無償修理マーク)」である。
これらの表示情報については、表示メッセージや選択アイコンとして表示される。
【0070】
ここで記憶部202は、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/Blu−ray等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0071】
また、消耗品は、画像形成装置設置時から使用されているもの、若しくは、過去に交換されたことがある消耗品の場合である。(新品から使用されているもので、消耗品の交換保証期間内である。)
なお、消耗品の交換保証期間外である場合は、修理費用の減免は受けることができない。
【0072】
[消耗品管理システムの処理]
図8〜図11は、本システムの消耗品管理の処理を示すフローチャートである。
【0073】
図8に示すように、画像形成装置が設置あるいは消耗品が交換された場合(ステップS1)、JAMの履歴カウント部212はリセットされ(ステップS2)、ゼロから積算を開始する(ステップS3)。印刷JOBが開始される(ステップS4)。
【0074】
JAMが搬送ローラで発生すると、JAM検出部209a,211aにて検出し、JAMの発生箇所を特定する(ステップS5)。JAM検出部209aで検出された場合は、制御部201がJAM発生の搬送ローラを特定する。JAM検出部211aで検出された場合は、制御部211が、前述のようにJAM検出に基づいてJAM発生の搬送ローラを特定し、その情報を制御部201に送る。制御部201は、JAM検出結果を履歴カウント部212に送り、JAM回数のカウントをさせて、特定した記録紙搬送ローラと、そのJAM回数とを、JAM履歴として記憶部202に記憶させる。
【0075】
制御部201は記憶部202から、保証期間、図7の判定テーブル、現在JAMを発生しているJAM履歴を読み出し、判定部203に送る。判定部203は、搬送ローラのJAMカウント数が3回未満かを確認し(ステップS6)、3回未満であれば、ステップS18に進み、そうでなければステップS7に進む。
【0076】
ステップS7において、判定部203は、搬送ローラのJAMカウント数が3回以上10回以下かを確認し、そうであれば、ステップS8に進み、そうでなければステップS11に進む。
【0077】
ステップS8において、判定部203は、図7のテーブルから第1の閾値情報を抽出して制御部201に送る。制御部201は、第1の閾値情報から「乾拭き清掃推奨」に関するメッセージを生成し(ステップS9)、ステップS10に進んで表示部204に表示して(ステップS10)、ステップS18に進む。
【0078】
ステップS10で表示部204に表示されるメッセージには、JAMの発生箇所と清掃箇所が含まれており、それに基づいて、ユーザは搬送ローラの乾拭き清掃を行うことができる。
【0079】
次に図9に示すように、ステップS11において、判定部203は、搬送ローラのJAMカウント数が10回超50回以下かを確認し、そうであれば、ステップS12に進み、そうでなければステップS14に進む。
【0080】
ステップS12において、判定部203は、図7のテーブルから第2の閾値情報を抽出して制御部201に送る。制御部201は、第2の閾値情報から「アルコール拭き清掃の推奨」に関するメッセージを生成し(ステップS13)、ステップS10に進んで表示部204に表示して(ステップS10)、ステップS18に進む。
【0081】
ステップS10で表示部204に表示されるメッセージには、JAMの発生箇所と清掃箇所が含まれており、それに基づいて、ユーザは搬送ローラのアルコール拭き清掃を行うことができる。
なお、アルコール拭き清掃は、市販されているアルコールと水とを含有したウェットティッシュを用いてもよい。
【0082】
ステップS11で「No」となる場合は、JAM回数が50回超を意味する。この場合には、ステップS14において、判定部203は、搬送ローラが保証期間内の消耗品であるかを確認し、そうであれば、ステップS15、ステップS16と進み、そうでなければステップS15を飛ばしてステップS16に進む。
【0083】
ステップS15において、判定部203は、図7のテーブルから第4の閾値情報を抽出して制御部201に送る。
ステップS16において、判定部203は、図7のテーブルから第3の閾値情報を抽出して制御部201に送る。
【0084】
次に、ステップS17において、制御部201は、第3の閾値情報に基づいて「メンテナンスコール(交換)の推奨」のメッセージとJAM履歴表示の選択アイコンとの表示画面を生成する。このとき、ステップS15の処理も行っている場合は、「☆(無償修理マーク)」の表示も生成し、ステップS10に進んで表示部204に表示して(ステップS10)、ステップS18に進む。
【0085】
例えば、保証期間外の消耗品(搬送ローラ)で1万枚当たりのJAM回数が50回超の場合、このとき、制御部201は、図12のJAMの通知メッセージ241とJAM履歴表示アイコン231とを表示する。表示メッセージ241を生成し、表示部204に表示させる。このメッセージは「転写前で記録紙のJAMが発生しています。転写前の記録紙搬送ローラのメンテナンスが必要と思われます。過去の記録紙のJAM履歴をご覧になりたい場合は、JAM履歴表示をご選択下さい。」というものである。JAM履歴表示アイコン231の隣には、初期画面アイコン232が表示され、これを押すと初期画面に戻る。
【0086】
次の図10に示すように、ステップS18において、制御部201は、ユーザによりJAM履歴表示アイコン231が選択されたかを確認する。選択された場合は、ステップS19において、制御部201は、JAM履歴の表示メッセージ242とメンテナンス希望日時設定アイコン233を生成して、図13に示すように表示部204に表示する。図13では、転写前記録紙搬送ローラのJAMが過去に20回発生し、直近では4回前に修理依頼(1回目)をしていることがわかる。
【0087】
ステップS20において、制御部201は、ユーザがメンテナンス希望日時設定アイコン233を選択したかを確認する。メンテナンス希望日時アイコン233をユーザが選択入力すると、ステップS21において、制御部201は、メンテナンス希望日時入力の表示メッセージ243とメンテナンスコール確認アイコン234を生成し、図14に示すように表示部204に表示する。図示していないが、年月日、時間とは、夫々タッチパネルになっており、入力する箇所を選択して値を入力する。第3希望まで入力できるが、第1希望のみや第1希望と第2希望との2つでもよいが、修理者(サービスマン)の修理都合と合致させ易い点で、第3希望まで入力するのが好ましい。
【0088】
ステップS22において、制御部201は、メンテナンスコール希望日時が入力されたかを確認する。入力された場合、ステップS23において、制御部201は、メンテナンスコール希望日時の入力結果を表示部204に表示する。
【0089】
ステップS24において、制御部201は、ユーザがメンテナンスコール確認アイコン234を選択したかを確認する。メンテナンスコール確認アイコン234の選択を確認すると、ステップS25において、制御部201は、メンテナンス希望日時を近い順に並び替えたものと、修理履歴2回目という表示メッセージ244とメンテナンスコール通知アイコン235を生成し、図15に示すように表示部204に表示する。この内容でOKであれば、ユーザはメンテナンスコール通知アイコン235を選択する。
【0090】
次に図11に示すように、ステップS26において、制御部201は、ユーザがメンテナンスコール通知アイコン235を選択したかを確認する。ユーザがメンテナンスコール通知アイコン235を選択した場合、ステップS27において、修理者(サービスマン)の所属する例えば修理事業者の管理サーバ301に、修理履歴と、メンテナンス希望日時と、メンテナンス部品名と型番が通知され、図示しない修理者(サービスマン)が閲覧可能な表示装置に表示される。図1に示すように、修理事業者の管理サーバ301を経由して修理者(サービスマン)の所有する携帯端末に通知されてもよい。
これにより、修理者(サービスマン)が別の修理先に出かけていたとしても、容易に修理依頼の通知を知ることができる。
【0091】
図16は、メンテナンスコールが正常に完了した際の画面である。制御部201は、メンテナンスコール通知の完了に関する表示メッセージ245を生成し、表示部204に表示する。ステップS28において、制御部201はこの修理依頼の履歴を記憶部202に記憶する。この画面を表示後、ステップS29において履歴カウント部212をリセットする。そして、ステップS30に進み、自動的に初期画面に戻る。また、ステップS18,S20,S22,S24において、「No」であった場合もステップS30に進み、自動的に初期画面に戻る。
なお、初期画面ではなく、ユーザが所望の画像形成装置の操作画面に移行してもよい。
【0092】
図17は、ユーザの通知を受けた修理者からの返信通知の表示画面を示す図である。図17に示すように、制御部201は修理者からの返信通知受信内容の表示メッセージ246とメンテナンス受信アイコン236を生成し、表示部204に表示する。
【0093】
消耗品(搬送ローラ)は交換保証期間内で2回目の交換の為、修理費用は半額免除されるので、その内容が表示される。
これは管理サーバ301に、交換保証期間内で2回目の交換の場合は、修理費用は半額免除されるという修理費用情報が予め記憶されており、これに基づいて管理サーバ301が修理費用を自動的に設定する。また、修理者が修理費用を設定してもよい。
これにより、度重なる同一消耗品のエラーによるユーザへの不満や経費負担を解消して、画像形成装置の信頼性回復に寄与できる。
【0094】
前術の例は2回目の交換の場合であったが、消耗品の交換保証期間内であって、同じ消耗品が3回目の交換を余儀なくされる場合であり、3回目は、修理費用は75%減免とする例である。
【0095】
図18は、消耗品の交換保証期間内で、同じ消耗品が3回目の交換修理の場合の表示画面を示す図である。
ステップS25で、制御部201は、メンテナンス希望日時を近い順に並び替えたものと、修理履歴3回目という表示メッセージ247とメンテナンスコール通知アイコン235を生成し、図18に示すように表示部204に表示する。この内容でOKであれば、ユーザはメンテナンスコール通知アイコン235を選択する。以降の処理は、2回目の修理実施例と同じである。
【0096】
図19は、3回目の交換修理におけるユーザの通知を受けた修理者からの返信通知の表示画面を示す図である。図19に示すように、制御部201は修理者からの返信通知受信内容の表示メッセージ248とメンテナンス受信アイコン236を生成し、表示部204に表示する。このとき、修理の費用は75%引きであることを表示する。
これは管理サーバ301に、交換保証期間内で3回目の交換の場合は、修理費用は75%引きという修理費用情報が予め記憶されており、これに基づいて管理サーバ301が修理費用を自動的に設定する。また、修理者が修理費用を設定してもよい。
【0097】
また、消耗品の交換保証期間内であって、同じ消耗品が4回目の交換を余儀なくされる場合を示す。この場合は、修理費用は無償修理である。5回目以上も同様である。
【0098】
図20は、消耗品の交換保証期間内で、同じ消耗品が4回目の交換修理の場合の表示画面を示す図である。
ステップS25で、制御部201は、メンテナンス希望日時を近い順に並び替えたものと、修理履歴3回目という表示メッセージ249とメンテナンスコール通知アイコン235を生成し、図19に示すように表示部204に表示する。この内容でOKであれば、ユーザはメンテナンスコール通知アイコン235を選択する。以降の処理は、2回目の修理実施例と同じである。
【0099】
図21は、4回目の交換修理におけるユーザの通知を受けた修理者からの返信通知の表示画面を示す図である。図21に示すように、制御部201は修理者からの返信通知受信内容の表示メッセージ250とメンテナンス受信アイコン236を生成し、表示部204に表示する。このとき、修理の費用は無償であることを表示する。
これは管理サーバ301に、交換保証期間内で4回目以上の交換の場合は、修理費用は無償という修理費用情報が予め記憶されており、これに基づいて管理サーバ301が修理費用を自動的に設定する。また、修理者が修理費用を設定してもよい。
【0100】
以上のように、消耗品(記録紙搬送ローラ)がメーカーの保証期間内にエラーが生じ、エラーに伴う交換費用(修理費用)を段階的に減免して、ユーザに対して手厚いサービスを行うことで、エラーに伴う信頼性低下を回復して、永続的な画像形成装置の使用を促進することができる。
【0101】
なお、本実施例では、4回目の交換で無償修理としたが、より手厚いサービスを行う場合は、2回目からの修理費用を無償修理とするのが好ましい。
【0102】
なお、本実施例では、記録紙搬送ローラを例示したが、特にこれに限定せず、帯電ローラ、現像ローラ、現像撹拌ローラ、トナーカートリッジ内のトナーを現像装置へ搬送する搬送ローラ、中間転写ベルトの駆動ローラや従動ローラ、定着ローラなどのローラであってもよい。それらの場合は、例えば、回転トルクが大きくなって正常な回転動作ができないといった不具合や、画像形成における縦スジや横スジなど、適宜不具合を検出する検出手段を設けて検出することができ、どのローラが不具合の原因であり、交換が必要であるかといった情報を表示するようにしてもよい。
【0103】
上述した実施形態では、操作パネルを有する画像形成装置に適用した例について説明したが、メッセージ等を表示可能な表示部を備える装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、インクジェット記録装置、または、その他の装置、例えば家電製品、民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置、または端末において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としているもの、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)、および業務用機器(法人(企業や学校、官公庁)など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品)等に展開が可能である。
【0104】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
12a〜12d, 搬送ローラ
13 レジストローラ
100 画像形成装置
110 装置本体
120 読取部
151 ローラシャフト
201 制御部
202 記憶部
203 判定部
204 表示部
205 入力部
206a USB通信部
206b LAN通信部
208 画像処理部
209 画像形成部
209a,211a JAM検出部
211 制御部
212 履歴カウント部
220 操作パネル
301 管理サーバ
301a 管理サーバ
302 ローカルエリアネットワーク(LAN)
303 衛星通信インフラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品のエラー管理をして修理希望時期を管理サーバに通知する画像形成装置であって、
前記消耗品のエラーを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果により前記消耗品のエラー回数をカウントするカウント手段と、
エラー検出された消耗品、前記カウント手段でカウントしたエラー積算回数、エラー日時を含むエラー履歴情報と、エラー履歴情報に応じての各対応処理についての対応処理情報とを記憶する記憶手段と、
前記エラー履歴情報に基づいて、前記対応処理情報から対応処理を判定して抽出する判定手段と、
ユーザに、エラー検出された消耗品の修理希望時期を入力設定させる入力手段と、
前記判定手段により抽出した判定結果の判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期とを前記管理サーバに通知する通知手段と、
を備え、
前記管理サーバにより、前記画像形成装置から通知された情報を修理者に通知され、修理者からの修理時期と修理費用について返信が通知されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
さらにユーザに報知するための表示手段を備え、
前記表示手段は、
前記判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期の設定させる表示内容を表示し、
また、前記管理サーバから通知された修理者からの修理時期と修理費用についての返信内容を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段のエラー履歴情報は、前記消耗品の使用保証期間に関する情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記修理希望時期は、複数設定できることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記修理希望時期は、希望順位ごとに設定できることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記消耗品は、少なくとも記録紙搬送ローラを含むローラであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置の消耗品のエラー管理をユーザに報知する表示装置であって、
前記判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期の設定させる表示内容を表示し、
また、前記管理サーバから通知された修理者からの修理時期と修理費用についての返信内容を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置の消耗品のエラー管理をして修理希望時期を修理者に通知するための管理サーバであって、
前記画像形成装置から通知された情報を修理者に通知し、修理時期と修理費用についての返信を前記画像形成装置へ通知する返信手段を備えたことを特徴とする管理サーバ。
【請求項9】
前記消耗品のエラー履歴情報に応じて段階的に設定した修理費用情報を記憶する修理費用記憶部を備え、
前記画像形成装置から送られたエラー履歴情報に基づいて、修理費用情報から修理費用を抽出して画像形成装置に通知することを特徴とする請求項8に記載の管理サーバ。
【請求項10】
前記修理費用情報には、無償修理を含むことを特徴とする請求項9に記載の管理サーバ。
【請求項11】
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置と、
請求項8から10のいずれかに記載の管理サーバと、
を備えたことを特徴とする消耗品管理システム。
【請求項12】
さらに請求項7の表示装置を備えたことを特徴とする請求項11に記載の消耗品管理システム。
【請求項13】
消耗品のエラー管理をして修理希望時期を管理サーバに通知する消耗品管理方法であって、
前記消耗品のエラーを検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果により前記消耗品のエラー回数をカウントするカウントステップと、
エラー検出された消耗品、前記カウントステップでカウントしたエラー積算回数、エラー日時を含むエラー履歴情報と、エラー履歴情報に応じての各対応処理についての対応処理情報とを記憶する記憶ステップと、
前記エラー履歴情報に基づいて、前記対応処理情報から対応処理を判定して抽出する判定ステップと、
ユーザに、エラー検出された消耗品の修理希望時期を入力設定させる入力ステップと、
前記判定ステップにより抽出した判定結果の判定情報と、前記エラー履歴情報と、前記修理希望時期とを前記管理サーバに通知する通知ステップと、
前記管理サーバにより、前記画像形成装置から通知された情報が修理者に通知され、修理者からの修理時期と修理費用についての返信を前記画像形成装置へ通知する返信ステップを備えたことを特徴とする消耗品管理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−8227(P2013−8227A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140877(P2011−140877)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】