説明

画像形成装置、転写装置

【課題】単色専用機と単色/多色兼用機との構成の変更を容易に行うことのできる画像形成装置および転写装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム11と感光体ドラム11を回転駆動する本体側駆動モータ80Mとを有する本体ユニット1には、複数の現像器を有する多色現像部14または単数の現像器を有する単色現像部が装着され、また、転写ドラム21および転写ドラム21を回転駆動する第1転写側モータ90Mを有する第1転写部20または転写ドラム21よりも径が小さい転写ロールを有する第2転写部が装着される。本体ユニット1に多色現像部14と第1転写部20とを装着した場合、第1転写部20に設けられた第1転写側モータ90Mの駆動力を、多色現像部14に伝達し、多色現像部14を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、静電潜像が形成される感光体ドラムと、静電潜像を現像するための現像剤を担持する複数の現像ロールを有し、感光体ドラムに対向する現像位置に複数の現像ロールを順に移動させて現像色を切り替えるロータリ現像装置と、外周に誘電体のフィルムからなる用紙担持体が取り付けられることで、用紙を担持して回転する転写ドラムとを備え、感光体ドラム上に現像された画像を、転写ドラムに担持された用紙に色毎に順次転写する画像形成装置が存在する(特許文献1参照)。
【0003】
また、他の公報記載の従来技術として、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムと対向する現像位置において静電潜像を現像する単色の現像装置と、感光体ドラム上に現像された画像を用紙に転写する転写ロールとを有する画像形成装置が存在する(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−65560号公報
【特許文献2】特開2007−212843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、単色専用機と単色/多色兼用機との構成の変更を容易に行うことのできる画像形成装置および転写装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、回転可能に設けられる像保持体と、前記像保持体を回転駆動する像保持体駆動部と、前記像保持体に静電潜像を形成する潜像形成部と、前記潜像形成部によって前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像する現像部が装着される現像装着部と、前記像保持体に対向して回転可能に設けられ、前記潜像形成部および前記現像装着部に取り付けられた前記現像部によって当該像保持体に形成された画像を、当該像保持体と対向する転写位置において当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に転写する転写部が装着される転写装着部とを含む本体部を備え、前記本体部に設けられた前記現像装着部には、前記現像部として、複数の現像器を有する第1現像部、または、単数の現像器を有する第2現像部が取り付け可能であり、前記本体部に設けられた前記転写装着部には、前記転写部として、前記記録材を保持する機能を備え且つ回転可能に設けられる第1転写部材と当該第1転写部材を回転駆動する第1転写駆動部とを含む第1転写部、または、当該記録材を保持する機能を備えず且つ回転可能に設けられる第2転写部材を含む第2転写部が取り付け可能であって、前記本体部に設けられた前記現像装着部に前記第1現像部が装着され且つ当該本体部に設けられた前記転写装着部に前記第1転写部が装着される場合に、当該第1転写部に設けられた前記第1転写駆動部と当該第1現像部とが機械的に接続されることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記本体部に設けられた前記現像装着部に前記第2現像部が装着され且つ当該本体部に設けられた前記転写装着部に前記第2転写部が装着される場合に、当該本体部に設けられた前記像保持体駆動部と前記第2現像部とが機械的に接続されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記第1現像部は、前記複数の現像器が軸を中心として回転するとともに、前記像保持体と対向する現像位置で当該複数の現像器のうちのいずれかの現像器が停止するロータリ現像部を有するとともに、当該複数の現像器は、回転可能に設けられた回転部材をそれぞれ含み、前記本体部において前記現像装着部に前記第1現像部が装着され且つ前記転写装着部に前記第1転写部が装着される場合に、当該第1転写部に設けられた前記第1転写駆動部を用いて、前記軸を中心として前記ロータリ現像部を回転/停止させることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記第1現像部は、前記複数の現像器が軸を中心として回転するとともに、前記像保持体と対向する現像位置で当該複数の現像器のうちのいずれかの現像器が停止するロータリ現像部を有するとともに、当該複数の現像器は、回転可能に設けられた回転部材をそれぞれ含み、前記本体部において前記現像装着部に前記第1現像部が装着され且つ前記転写装着部に前記第1転写部が装着される場合に、当該第1転写部に設けられた前記第1転写駆動部を用いて、前記現像位置で停止した現像器に設けられた前記回転部材を回転駆動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記本体部は、前記像保持体駆動部に給電を行う本体側電源をさらに含み、前記第1転写部は、前記本体部に設けられた前記転写装着部に装着された場合に、前記第1転写駆動部に給電を行う第1転写側電源をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、前記本体部は、前記像保持体駆動部を制御する本体側制御部をさらに含み、前記第1転写部は、前記本体部に設けられた前記転写装着部に装着された場合に、前記第1転写駆動部を制御する第1転写側制御部をさらに含むこと
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、前記第1転写部に設けられる前記第1転写部材の径が、前記第2転写部に設けられる前記第2転写部材の径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項8記載の発明は、回転する像保持体と、当該像保持体に静電潜像を形成する潜像形成部と、当該潜像形成部によって当該像保持体に形成された静電潜像を現像する現像部が装着される現像装着部とを備え、且つ、当該現像装着部には、当該現像部として、複数の現像器を有する第1現像部または単数の現像器を有する第2現像部が取り付け可能な画像形成装置に装着された場合に、当該像保持体に形成された画像を、当該像保持体と対向する転写位置において当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に転写する転写装置であって、外周面に記録材を保持する機能を備えるとともに回転可能に設けられ、前記画像形成装置に装着された場合に前記像保持体に接触する記録材保持体と、前記記録材を回転駆動するとともに、前記第1現像部が取り付けられた前記画像形成装置に装着された場合に、さらに当該第1現像部を機械的に駆動する駆動源とを含む転写装置である。
【0009】
請求項9記載の発明は、前記記録材保持体は、前記外周面および内周面を有する円筒状の形状を備え、前記記録材保持体の前記外周面に接触して配置され、当該記録材保持体を回転可能に支持する支持部材と、前記記録材保持体の前記内周面に回転可能に接触して配置され、前記駆動源からの駆動力を当該記録材保持体に伝達する伝達部材とをさらに含むことを特徴とする請求項8記載の転写装置である。
請求項10記載の発明は、前記記録材保持体の内側に配置され、前記駆動源に給電を行う電源をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の転写装置である。
請求項11記載の発明は、前記記録材保持体の内側に配置され、前記駆動源を制御する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項9または10記載の転写装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、例えば単色専用機から単色/多色兼用機への構成の変更を容易に行うことが可能になる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、例えば単色/多色兼用機から単色専用機への構成の変更を容易に行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、多色/単色兼用機を構成するに際して、ロータリ現像部の位置決め制御を容易に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、多色/単色兼用機を構成するに際して、ロータリ現像部に設けられた現像器における回転制御を容易に行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、単色専用機および多色/単色兼用機の両者において基本構成の共通化を図るに際して、本体側電源に必要な電力容量が低減することが可能になる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、単色専用機および多色/単色兼用機の両者において基本構成の共通化を図るに際して、本体側制御部の制御対象を低減することが可能になる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、単色専用機および多色/単色兼用機の両者において基本構成の共通化を図るに際して、単色/多色兼用機よりも単色専用機を小型化することが可能になる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、単色専用機から単色/多色兼用機への構成の変更を容易に行うことが可能になる。
請求項9記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、転写装置をより小型化することが可能になる。
請求項10記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、記録材保持体の回転駆動をより安定して行うことができるとともに、転写装置をより小型化することが可能になる。
請求項11記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、記録材保持体の駆動制御をより容易に行うことができるとともに、転写装置をより小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の第1態様(単色/多色兼用機)の一例を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置の第2態様(単色専用機)の一例を示す図である。
【図3】本体ユニットの構成を説明するための図である。
【図4】多色現像部の構成を説明するための図である。
【図5】単色現像部の構成を説明するための図である。
【図6】第1転写部の構成を説明するための図である。
【図7】第1転写部における転写ドラムの内部構造を説明するための図である。
【図8】第2転写部の構成を説明するための図である。
【図9】第1態様の画像形成装置における駆動系の配置を説明するための図である。
【図10】第1態様に設定された画像形成装置における駆動系、電力供給系および制御系の関係を示すブロック図である。
【図11】第2態様に設定された画像形成装置における駆動系の配置を説明するための図である。
【図12】第2態様に設定された画像形成装置における駆動系、電力供給系および制御系の関係を示すブロック図である。
【図13】第1態様に設定された画像形成装置においてフルカラー画像を形成する『多色モード』における画像形成動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】第1態様に設定された画像形成装置においてモノクロ画像を形成する『単色モード』における画像形成動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】第2態様に設定された画像形成装置においてモノクロ画像を形成する『単色動作』における画像形成動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用された画像形成装置における第1態様の一例を示す図であり、図2は、この画像形成装置における第2態様の一例を示す図である。この画像形成装置は、画像形成装置の本体ユニット1(詳細は後述する)に取り付けられている複数のユニットの一部を、例えばサービスマンやユーザ等にて交換することで、単色画像に加えて多色画像が形成可能な単色/多色兼用機(図1に示す第1態様)となり、また、単色画像のみを形成可能な単色専用機(図2に示す第2態様)となる。なお、第1態様と第2態様との変換において、どのユニットを交換するのかについては後述する。
【0013】
ではまず、図1を参照しつつ、第1態様すなわち単色/多色兼用機に設定された場合における画像形成装置の構成を説明する。
第1態様に設定された画像形成装置は、トナー像の形成を行う画像形成部10と、画像形成部10で形成されたトナー像を記録材の一例としての用紙Sに転写する第1転写部20と、第1転写部20によって用紙Sに転写されたトナー像を用紙Sに定着する定着部40と、第1転写部20に対し用紙Sを供給する用紙供給部50とを備えている。また、感光体ドラム11等を含む本体ユニット1の図中右側部には、定着部40から排出された用紙Sを積載するための排紙積載部3が設けられている。
【0014】
第1態様において、画像形成部10は、感光体ドラム11と、この感光体ドラム11を帯電する帯電装置12と、帯電された感光体ドラム11を露光する露光装置13と、帯電および露光によって感光体ドラム11に形成された静電潜像をトナーによって現像するロータリ現像装置14Dと、現像されたトナー像を転写した後に感光体ドラム11上に残ったトナー等を清掃する清掃装置15とを備えている。
【0015】
像保持体の一例としての感光体ドラム11は、その表面に感光層(図示せず)が形成されるとともに図示しない回転軸を中心に矢印A方向に回転可能に取り付けられている。そして、帯電装置12、露光装置13、ロータリ現像装置14Dおよび清掃装置15は、感光体ドラム11の周囲に、矢印A方向に沿ってこの順番に配置される。ここで、感光体ドラム11の外径は、例えば30mmとなっている。
【0016】
帯電装置12は、本実施の形態では接触ローラ型の放電装置で構成されており、感光体ドラム11とともに回転しながら感光体ドラム11を帯電する。
露光装置13は、帯電された感光体ドラム11の表面に選択的に光照射を行うことで静電潜像を形成する。なお、本実施の形態の露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って複数の発光素子(例えばLED)を配列した構成を有している。
なお、本実施の形態では、これら帯電装置12および露光装置13によって、潜像形成部が構成されている。
【0017】
ロータリ現像部の一例としてのロータリ現像装置14Dは、感光体ドラム11の軸方向に沿って延びる回転軸14aと、回転軸14aの周囲に配置された、複数の現像器の一例としてのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各現像器14Y、14M、14C、14Kとを備えている。また、ロータリ現像装置14Dは、回転軸14aを中心として矢印C方向に回転するように構成されており、感光体ドラム11と対向する位置(以下の説明では現像位置という)に、いずれかの現像器が停止するようになっている。そして、ロータリ現像装置14Dは、露光装置13によって感光体ドラム11上に形成された静電潜像を、現像位置に停止した現像器のトナーを用いて現像する。この例において、画像形成動作を開始する前のロータリ現像装置14Dは、図1に示したように、黒の現像器14Kを現像位置に配置した状態で静止している。なお、ロータリ現像装置14の外径は、例えば80mmとなっている。
【0018】
清掃装置15は、感光体ドラム11の表面に残ったトナーやトナー以外の付着物を除去する。本実施の形態の清掃装置15は、ブレード式のクリーナで構成されている。
【0019】
また、第1転写部20は、感光体ドラム11に対向し、感光体ドラム11の軸方向に沿って延び且つ回転可能に配置される転写ドラム21と、転写ドラム21の外周面にて用紙Sの搬送方向先端を把持する先端グリッパ22と、転写ドラム21の外周面にて用紙Sの搬送方向後端を把持する後端グリッパ23と、転写ドラム21の外周面に接触配置され且つ転写ドラム21を回転可能に支持する第1支持ロール24a、第2支持ロール24bおよび第3支持ロール24cと、転写ドラム21の内周面に接触し且つ回転可能に配置され、転写ドラム21を回転駆動する駆動ロール25と、回転する転写ドラム21の位相を検知する位相センサ(図示せず)とを備えている。ここで、転写ドラム21は、感光体ドラム11との対向位置において感光体ドラム11の回転方向(矢印A方向)と同じ向きとなる矢印B方向に回転するように構成されている。なお、転写ドラム21の外径は、例えば120mmとなっている。このように、本実施の形態では、転写ドラム21の外径が、感光体ドラム11の外径よりも大きく設定されている。
【0020】
これらのうち、第1転写部材あるいは記録材保持体の一例としての転写ドラム21は、円筒形状を有し且つ軸方向両端すなわち図中手前側および奥側が開口する基部21Aと、この基部21Aの外周面に設けられた弾性層21Bとを備えている。ここで、弾性層21Bは、図1に示すようにC字状の断面形状を有しており、基部21Aの外周面のうち、基部21Aの軸方向に沿う一部領域を除く部位を覆うようになっている。このため、転写ドラム21における基部21Aの外周面のうち、弾性層21Bによって覆われない部位は、基部21Aが露出した露出部21Cとなっている。また、弾性層21Bの周方向の長さは、この画像形成装置で使用することが可能な最大サイズの用紙Sの長さよりも大きくなるように設定されている。
【0021】
本実施の形態における基部21Aは導電性を有する中空管で構成され、例えば金属が用いられている。一方、弾性層21Bは半導電性を有する弾性部材で構成され、例えばポリウレタン等の樹脂が用いられている。また、基部21Aには、高圧電源により、トナーとは逆極性の転写バイアスが印加されるようになっている。これに対し、感光体ドラム11は接地されている。
【0022】
なお、以下の説明においては、感光体ドラム11と、転写ドラム21とが対向する位置を、転写位置Trと称する。第1態様において、転写位置Trでは、感光体ドラム11に設けられた感光層と転写ドラム21に設けられた弾性層21Bとが接触することにより、転写ニップ部が構成される。
【0023】
また、先端グリッパ22は、転写ドラム21の外周面上のうち、露出部21Cと弾性層21Bの回転方向先端側とに跨る位置に、転写ドラム21の回転軸に沿って設けられている。そして、先端グリッパ22は、転写ドラム21に対して取り付けられており、転写ドラム21の回転に伴って先端グリッパ22も回転するようになっている。
【0024】
ここで、先端グリッパ22は、転写ドラム21にその回転軸に沿って設けられた軸を中心に回転する挟み部材を備えている。そして、この挟み部材が、軸を中心に正転および逆転することで、転写ドラム21との間に用紙Sの進行方向先端側の端部(以下では用紙先端と称する)を把持し、また、その把持を解除するように構成されている。なお、以下の説明においては、転写ドラム21に用紙Sを把持するときの先端グリッパ22の状態を「閉」状態にあるといい、また、転写ドラム21に用紙Sを把持しないときの先端グリッパ22の状態を「開」状態にあるという。
【0025】
一方、後端グリッパ23は、転写ドラム21の外周面上に、転写ドラム21の回転軸に沿って設けられている。そして、後端グリッパ23は、転写ドラム21に対して回転可能に取り付けられており、転写ドラム21に対して独立して回転および停止することができるようになっている。これにより、本実施の形態では、転写ドラム21の外周面上での先端グリッパ22と後端グリッパ23との位置関係(距離)が変えられるようになっている。
【0026】
ここで、後端グリッパ23は、転写ドラム21の外周面に対し軸方向に沿って伸びる帯状の押さえ部材を備えている。そして、この押さえ部材が、転写ドラム21の外周面に対して進退することで、転写ドラム21との間に用紙Sの進行方向後端側の端部(以下では用紙後端と称する)を把持し、また、その把持を解除するように構成されている。なお、以下の説明においては、転写ドラム21に用紙Sを把持するときの後端グリッパ23の状態を「閉」状態にあるといい、また、転写ドラム21に用紙Sを把持しないときの後端グリッパ23の状態を「開」状態にあるという。
【0027】
さらに、支持部材の一例としての第1支持ロール24a、第2支持ロール24bおよび第3支持ロール24cは、転写ドラム21の回転中心からみたときに、等間隔(120°間隔)となるように配置されている。また、これら第1支持ロール24a、第2支持ロール24bおよび第3支持ロール24cは、転写位置Trを避けた部位であって、転写ドラム21に設けられた弾性層21Bよりも軸方向両端よりも外側となる部位に取り付けられている。
【0028】
さらに、伝達部材の一例としての駆動ロール25は、例えば外周面がゴム等の弾性体で構成されたロール部材からなり、外部から受けた駆動力(回転力)を転写ドラム21の内周面に伝達することで、転写ドラム21を矢印B方向に回転させるようになっている。
【0029】
そして、図示しない位相センサは、転写ドラム21の外周面に対向して配置されており、転写ドラム21の外周面に設けられたマーク(図示せず)を検知することで、回転する転写ドラム21の位相を測定する。
【0030】
また、定着部40は、加熱源(図示せず)を有し回転可能に設置される加熱ロール41と、この加熱ロール41に接触配置されて加熱ロール41とともに定着ニップ部を形成する加圧ロール42とを備えている。
【0031】
さらに、用紙供給部50は、画像形成部10の下方から排紙積載部3の下方に向かうように配置されるとともに上部に用紙Sを収容する用紙収容部51と、用紙収容部51から用紙Sを取り出す取り出しロール52と、取り出しロール52によって取り出された用紙Sを1枚ずつに捌く捌きロール53と、捌きロール53によって1枚ずつに捌かれた用紙Sを、タイミングを調整して下流側(第1態様の場合においては転写ドラム21の外周面)に供給する供給ロール対54とを備えている。なお、以下では、供給ロール対54にて用紙Sを挟む部位を供給ニップ部Nと称し、供給ロール対54から供給された用紙Sが転写ドラム21の外周面に到達する部位を給紙位置Pと称する。
【0032】
なお、第1態様において、画像形成動作を開始する前の後端グリッパ23は、図1に示したように、転写ドラム21の回転方向(矢印B方向)に対し、転写位置Trよりも上流側且つ給紙位置Pよりも下流側となる部位(待機位置)にて静止している。
【0033】
また、以下の説明では、第1態様において、用紙収容部51から、供給ロール対54を介して転写ドラム21の給紙位置Pに向かう用紙Sの搬送経路を給紙経路61と称し、転写ドラム21の外周面における用紙Sの搬送経路を回転経路62と称し、転写位置Trから定着部40を介して排紙積載部3に向かう用紙Sの搬送経路を排紙経路63と称する。
【0034】
さらに、排紙経路63のうち転写位置Trから定着部40へと向かう経路には、転写位置Trを通過した用紙Sを定着部40へと案内する定着ガイド71が取り付けられている。また、排紙経路63のうち定着部40から排紙積載部3へと向かう経路には、定着部40を通過した用紙Sを排紙積載部3に向けて搬送する排紙ロール対72が取り付けられている。
【0035】
そして、本実施の形態では、画像形成装置の本体ユニット1に対し第1転写部20を着脱することが可能となっており、また、画像形成装置の本体ユニット1に対しロータリ現像装置14Dを含む多色現像部14(詳細は後述する)を着脱することが可能となっている。そして、第1転写部20を第2転写部30(詳細は後述する)に交換し、且つ、多色現像部14を単色現像部16(単色現像器16Dを含む:詳細は後述する)に交換することで、図1に示す第1態様に設定された画像形成装置は、図2に示す第2態様に設定された画像形成装置となる。
【0036】
続いて、図2を参照しつつ、第2態様すなわち単色専用機に設定された場合における画像形成装置の構成を説明する。
第2態様に設定された画像形成装置は、画像形成部10、定着部40および用紙供給部50の構成については第1態様からの変更がない一方で、第1態様において設けられていたロータリ現像装置14Dに代わる単色現像器16Dと、第1態様において設けられていた第1転写部20に代わる第2転写部30とを備えている。したがって、第2態様における画像形成部10は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、露光装置13と、単色現像器16Dと、清掃装置15とを備えていることになる。
【0037】
単数の現像器の一例としての単色現像器16Dは、上述したロータリ現像装置14Dとは異なり、感光体ドラム11と対向する現像位置に固定されている。そして、単色現像器16Dは、露光装置13によって感光体ドラム11上に形成された静電潜像を、内蔵するトナーを用いて現像する。なお、単色現像器16Dに内蔵されるトナーの色について特に決まりはないが、通常は黒である。
【0038】
また、第2転写部30は、感光体ドラム11に対向し、感光体ドラム11の軸方向に沿って延び且つ回転可能に配置される転写ロール31を備える。ここで、第2転写部材の一例としての転写ロール31は、感光体ドラム11との対向位置において、転写ドラム21と同様に、感光体ドラム11の回転方向(矢印A方向)と同じ向きとなる矢印B方向に回転する。ただし、転写ロール31は、上述した転写ドラム21とは異なり、独自の駆動源をもたず、感光体ドラム11からの駆動力を受けて従動回転するようになっている。なお、転写ロール31の外径は、例えば15mmとなっている。このように、本実施の形態では、転写ロール31の外径が、転写ドラム21の外径よりも小さく、しかも、感光体ドラム11の外径よりも小さく設定されている。そして、転写ロール31の周長は、第2態様に設定された画像形成装置で使用することが可能な最大サイズの用紙Sの長さよりも小さくなるように設定されている。
【0039】
本実施の形態において、転写ロール31としては、例えばカーボンを分散した発泡ウレタンゴムロールの表面にフッ素コートを施したものが用いられており、その体積抵抗率は103〜1010Ω・cmの範囲内に設定される。ここで、転写ロール31は、転写ドラム21とは異なり、外周面がすべて覆われることにより、円形状の断面を有している。この転写ロール31には、上述した転写ロール31と同様、高圧電源により、トナーとは逆極性の転写バイアスが印加されるようになっている。
【0040】
また、転写ロール31は、上述した転写ドラム21の場合と同じ転写位置Trにて感光体ドラム11に対向するように配置されている。第2態様において、転写位置Trでは、感光体ドラム11に設けられた感光層と転写ロール31とが接触することにより、転写ニップ部が構成される。
【0041】
さらに、第2転写部30は、供給ニップ部Nを通過した用紙Sを転写位置Trに案内するための入口側ガイド32と、転写位置Trを通過した用紙Sを定着ガイド71に案内する出口側ガイド33とをさらに備えている。なお、第2態様では、転写ドラム21が設けられる代わりに転写ロール31が設けられていることにより、第1態様における給紙位置Pは存在しないのであるが、便宜上、第2態様においても、第1態様における給紙位置Pに相当する部位を給紙位置Pと称することにする。そして、この例では、入口側ガイド32に用紙Sが突き当たる部位が、給紙位置Pに対応するようになっている。
なお、第2転写部30は、上述した第1転写部20とは異なり、転写ロール31に用紙Sを把持させるための機構(先端グリッパ22や後端グリッパ23に対応するもの)を備えていない。
【0042】
図3は、第1態様の画像形成装置および第2態様の画像形成装置を構成する際の基本となる本体ユニット1の構成を説明するための図である。ここで、図3(a)は本体ユニット1の全体構成を示す図であり、図3(b)は本体ユニット1における駆動系の構成を示す図である。ただし、図3においては、排紙積載部3の記載を省略している。
【0043】
図3(a)に示すように、本体部の一例としての本体ユニット1は、画像形成部10のうちの感光体ドラム11、帯電装置12、露光装置13および清掃装置15と、定着部40(加熱ロール41および加圧ロール42)と、用紙供給部50(用紙収容部51、取り出しロール52、捌きロール53および供給ロール対54)と、定着ガイド71および排紙ロール対72とを、本体フレーム2に装着して構成されている。また、図示しない排紙積載部3も、本体フレーム2に取り付けられることにより、本体ユニット1の構成要素の一つとなっている。
【0044】
また、本体ユニット1における画像形成部10の下方には、ロータリ現像装置14Dを含む多色現像部14(後述する図4参照)あるいは単色現像器16Dを含む単色現像部16(後述する図5参照)を装着するための空間となる、現像装着部の一例としての現像受け部4が設けられている。一方、本体ユニット1における画像形成部10の左側方には、第1転写部20(後述する図6参照)あるいは第2転写部30(後述する図7参照)を装着するための空間となる、転写装着部の一例としての転写受け部5が設けられている。
【0045】
さらに、本体ユニット1は、各部を動作させるための電源となる本体側電源7と、各部を制御するための本体側制御部8とを備えている。
【0046】
また、図3(b)に示すように、本体ユニット1は、各部を駆動するための機構である本体側駆動部80を備えている。
像保持体駆動部の一例としての本体側駆動部80は、駆動源となる本体側モータ80Mと、本体側モータ80Mと同軸に設けられたギアと噛み合う本体側第1ギア81と、本体側第1ギア81と噛み合う本体側第2ギア82と、本体側第2ギア82と噛み合う本体側第3ギア83とを備えている。なお、本体側駆動部80は、本体フレーム2に内蔵されている。そして、本体側第3ギア83は、感光体ドラム11の回転軸に固定された状態で取り付けられている。
【0047】
図4は、第1態様の画像形成装置で用いられる多色現像部14の構成を説明するための図である。ここで、図4(a)は多色現像部14の全体構成を示す図であり、図4(b)は多色現像部14における駆動系の構成を示す図であり、図4(c)は図4(b)のIVC−IVC断面に対応する図である。
【0048】
図4(a)に示すように、第1現像部の一例としての多色現像部14は、ロータリ現像装置14Dと、ロータリ現像装置14Dを内部に収容するとともにロータリ現像装置14Dを回転可能に支持する多色現像用フレーム140とを備えている。この多色現像用フレーム140は、本体ユニット1に設けられた現像受け部4(図3参照)に収容可能な形状を有している。また、ロータリ現像装置14Dに設けられるイエローの現像器14Y、マゼンタの現像器14M、シアンの現像器14Cおよび黒の現像器14Kは、それぞれ、外側に向かって開口部が形成されるとともに内部に対応する色の現像剤を収容するハウジング(符号なし)と、ハウジングの開口部に回転可能に設けられ、ハウジングに収容される現像剤を外周面に保持して搬送する現像ロール14rとを有している。回転部材の一例としての現像ロール14rは、この現像ロール14rが取り付けられた現像器が現像位置に配置された際に、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を、外周面に保持した現像剤によって現像する。なお、各現像器におけるハウジングの内部には、必要に応じて、収容した現像剤を攪拌、搬送するための回転部材(オーガやパドルなど)が設けられることもある。
【0049】
また、図4(b)および図4(c)に示すように、多色現像部14は、1つの多色現像第1ギア141と、1つの多色現像第2ギア142と、1つの多色現像第3ギア143と、4つの多色現像第4ギア144と、1つの多色現像第5ギア145とをさらに備えている。これらのうち、多色現像第1ギア141および多色現像第3ギア143は、多色現像用フレーム140側に回転可能に取り付けられている。また、多色現像第2ギア142は、ロータリ現像装置14Dの回転軸14aに対し回転可能となるように取り付けられており、多色現像第5ギア145は、ロータリ現像装置14の回転軸14aに固定した状態で取り付けられている。さらに、4つの多色現像第4ギア144は、ロータリ現像装置14D側において、イエローの現像器14Y、マゼンタの現像器14M、シアンの現像器14Cおよび黒の現像器14Kのそれぞれに設けられた現像ロール14rの回転軸に固定した状態で取り付けられている。なお、多色現像第1ギア141は、大径のギア(以下では大径部と称する)と小径のギア(以下では小径部と称する)とを一体化した構造を有しており、多色現像第2ギア142も、大径のギア(以下では大径部と称する)と小径のギア(以下では小径部と称する)とを一体化した構造を有している。
【0050】
そして、多色現像部14においては、多色現像第1ギア141における小径部と多色現像第2ギア142における大径部とが噛み合うようになっており、多色現像第2ギア142における小径部と多色現像第3ギア143とが噛み合うようになっている。また、多色現像第3ギア143は、現像位置に配置された現像器(図4に示す例では黒の現像器14K)に設けられた多色現像第4ギア144と噛み合うようになっている。ここで、各現像器に設けられた多色現像第4ギア144は、例えば図4(b)および図4(c)等に示すように、現像位置に移動してきたときに多色現像第3ギア143と噛み合うようになっている。そして、多色現像第5ギア145は、回転軸14aとともに、図4(b)において図中手前側および図中奥側(図4(c)において図中下側および図中上側)に移動できるように構成されており、この移動に伴って、多色現像第5ギア145と多色現像第1ギア141の大径部とを接続させたり(図4(c)に実線で示す)、あるいは接続を解除させたり(図4(c)に破線で示す)することができるようになっている。なお、多色現像第1ギア141が図中実線で示す位置に配置されるのは、ロータリ現像装置14Dを回転駆動する場合であり、多色現像第1ギア141が図中破線で示す位置に配置されるのは、ロータリ現像装置14Dに設けられた現像器を現像位置に位置決めするために回転停止する場合である。また、多色現像第2ギア142は、回転軸14aに対しボールベアリング等を介して取り付けられるようになっており、回転軸14aが軸方向に移動した場合であっても、多色現像第1ギア141および多色現像第3ギア143との接続が解除されないようになっている。
ただし、多色現像部14は、駆動力を受けるためのギア列を有しているだけであり、モータ等の駆動源を内蔵していない。
【0051】
図5は、第2態様の画像形成装置で用いられる単色現像部16の構成を説明するための図である。ここで、図5(a)は単色現像部16の全体構成を示す図であり、図5(b)は単色現像部16における駆動系の構成を示す図である。
【0052】
図5(a)に示すように、第2現像部の一例としての単色現像部16は、単色現像器16Dと、単色現像器16Dを内部に収容するとともに単色現像器16Dを固定して支持する単色現像用フレーム160とを備えている。この単色現像用フレーム160は、本体ユニット1に設けられた現像受け部4(図3参照)に収容可能な形状を有している。また、単色現像器16Dは、上述したロータリ現像装置14Dに設けられたイエローの現像器14Y等と同様、外側に向かって開口部が形成されるとともに内部に対応する色(ここでは黒)の現像剤を収容するハウジング(符号なし)と、ハウジングの開口部に回転可能に設けられ、ハウジングに収容される現像剤を外周面に保持して搬送する現像ロール16rとを有している。なお、単色現像器16Dにおけるハウジングの内部には、必要に応じて、収容した現像剤を攪拌、搬送するための回転部材(オーガやパドルなど)が設けられることもある。
【0053】
また、図5(b)に示すように、単色現像部16は、1つの単色現像第1ギア161と、1つの単色現像第2ギア162とをさらに備えている。これらのうち、単色現像第1ギア161は、単色現像用フレーム160側に回転可能に取り付けられている。また、単色現像第2ギア162は、単色現像器16Dに設けられた現像ロール16rの回転軸に取り付けられている。
そして、単色現像部16においては、単色現像第1ギア161と単色現像第2ギア162とが噛み合うようになっている。
ただし、単色現像部16は、上述した多色現像部14と同じく、駆動力を受けるためのギア列を有しているだけであり、モータ等の駆動源を内蔵していない。
【0054】
図6は、第1態様の画像形成装置で用いられる第1転写部20の構成を説明するための図である。ここで、図6(a)は第1転写部20の全体構成を示す図であり、図6(b)は第1転写部20における駆動系の構成を示す図である。さらに、図7は、第1転写部20に設けられた転写ドラム21の内部構造を説明するための図である。なお、図7において、図中左側は図6における手前側(FRONT)を、図中右側は図6における奥側(REAR)を、それぞれ示している。
【0055】
図6(a)に示すように、第1転写部20は、転写ドラム21および転写ドラム21に取り付けられた先端グリッパ22と、後端グリッパ23と、第1支持ロール24aと、第2支持ロール24bと、第3支持ロール24cと、駆動ロール25と、図示しない位相センサとを、第1転写用フレーム29に装着して構成されている。第1転写部20では、転写ドラム21の一部(図6において右側となる部位)が第1転写用フレーム29からはみ出すようになっており、この部位が、本体ユニット1に設けられた転写受け部5(図3参照)に入り込むようになっている。
【0056】
また、第1転写部20において、中空状且つ両端が開口する転写ドラム21の内側には、上述した駆動ロール25に加えて、各部を動作させるための電源となる第1転写側電源27と、各部を制御するための第1転写側制御部28とが設けられている。
【0057】
また、図6(b)に示すように、第1転写部20は、各部を駆動するための機構である第1転写側駆動部90を備えている。
第1転写駆動部あるいは駆動源の一例としての第1転写側駆動部90は、駆動源となる第1転写側モータ90Mと、第1転写側モータ90Mと同軸に設けられたギアと噛み合う第1転写側ギア91とを備えている。また、第1転写側モータ90Mは、図示しないギアまたはギア列を介して、図6(a)に示す駆動ロール25と機械的に接続されるようになっている。
【0058】
ここで、図7に示すように、第1転写側電源27、第1転写側制御部28および第1転写側モータ90Mは、転写ドラム21の内部であって、転写ドラム21の両端に存在する各開口よりも内側となる部位に、固定した状態で取り付けられている。このとき、転写ドラム21の内側に配置される駆動ロール25(図7には図示せず)は、これら第1転写側電源27、第1転写側制御部28および第1転写側モータ90Mと接触しない位置に取り付けられている。
【0059】
図8は、第2態様の画像形成装置で用いられる第2転写部30の構成を説明するための図である。
図8に示すように、第2転写部30は、転写ロール31と、入口側ガイド32と、出口側ガイド33とを、第2転写用フレーム34に装着して構成されている。なお、第2転写用フレーム34と入口側ガイド32および出口側ガイド33とを一体化して構成することも可能である。この第2転写用フレーム34は、本体ユニット1に設けられた転写受け部5(図3参照)に収容可能な形状を有している。
なお、第2転写部30は、上述した第1転写部20とは異なり、モータ等の駆動源や制御部を内蔵していない。
【0060】
図9は、図3に示す本体ユニット1に、図4に示す多色現像部14および図6に示す第1転写部20を装着して構成された、第1態様の画像形成装置における駆動系の配置を説明するための図である。
【0061】
第1態様に設定された画像形成装置では、本体ユニット1において、本体側モータ80Mが、本体側第1ギア81、本体側第2ギア82および本体側第3ギア83を介して感光体ドラム11と接続された状態となっている。したがって、第1態様においては、本体ユニット1に設けられた本体側モータ80Mが回転駆動されることにより、本体ユニット1に設けられた感光体ドラム11が回転する。
【0062】
また、第1態様に設定された画像形成装置では、第1転写部20に設けられた第1転写側ギア91と多色現像部14に設けられた多色現像第1ギア141とが噛み合うことが可能になっている。したがって、第1態様では、第1転写部20に設けられた第1転写側モータ90Mが回転駆動されることにより、第1転写部20に設けられた転写ドラム21が回転する。また、第1転写側モータ90Mが回転駆動されることにより、多色現像第1ギア141が回転し始める。さらに、第1転写側モータ90Mが回転駆動されることに伴って、多色現像第5ギア145が回転軸14aの軸方向に移動して多色現像第1ギア141と噛み合うようになり、多色現像第1ギア141から多色現像第5ギア145および回転軸14aを介して、多色現像部14に設けられたロータリ現像装置14Dが回転する。なお、ロータリ現像装置14Dが例えば90°回転することで、1つの現像器が現像位置に到達するのに伴い、多色現像第5ギア145が回転軸14aの軸方向(上記とは逆方向)に移動して多色現像第1ギア141と噛み合わないようになり、且つ、図示しないストッパにより回転が規制されるようになることで、ロータリ現像装置14Dは、目的とする現像器を現像位置に配置させた状態で停止する。さらに、多色現像第1ギア141から多色現像第2ギア142および多色現像第3ギア143を介して、ロータリ現像装置14Dに設けられた4つの現像器のうち、現像位置に配置された現像器に設けられた多色現像第4ギア144が駆動力を受けることになり、その結果、現像位置に配置された現像器に設けられた現像ロール14rが回転する。
【0063】
このように、第1態様に設定された画像形成装置では、当初から本体ユニット1に設けられている感光体ドラム11の機械的な駆動を、当初から本体ユニット1に設けられている本体側駆動部80を用いて行う。一方、本体ユニット1の現像受け部4(図3参照)に装着される多色現像部14の機械的な駆動、および、本体ユニット1の転写受け部5(図3参照)に装着される第1転写部20に設けられた転写ドラム21の機械的な駆動を、第1転写部20に設けられている第1転写側駆動部90を用いて行う。
【0064】
図10は、第1態様の画像形成装置における駆動系、電力供給系および制御系の関係を示すブロック図である。
第1態様において、図示しないコンセント等から供給される電力は、本体ユニット1に設けられた本体側電源7および第1転写部20に設けられた第1転写側電源27に、それぞれ供給される。そして、本体側電源7は、当初から本体ユニット1に設けられる本体側モータ80Mに対し給電を行うとともに、当初から本体ユニット1に設けられる各部(帯電装置12、露光装置13、定着部40、用紙供給部50等)にも給電を行う。また、本体側電源7は、本体ユニット1に装着された多色現像部14のうち、現像位置に配置された現像器に設けられた現像ロール14rに対し現像バイアスを供給し、且つ、本体ユニット1に装着された第1転写部20に設けられた転写ドラム21に対し転写バイアスを供給する。一方、第1転写側電源27は、第1転写部20を構成する第1転写側モータ90Mに対し給電を行うとともに、第1転写部20に設けられる各部(先端グリッパ22や後端グリッパ23の開閉機構、後端グリッパ23の回転機構等)にも給電を行う。
【0065】
また、第1態様において、本体ユニット1に設けられた本体側モータ80Mの駆動力は、本体ユニット1に設けられた感光体ドラム11に伝達される。一方、第1態様において、第1転写部20に設けられた第1転写側モータ90Mの駆動力は、第1転写部20に設けられた転写ドラム21に伝達されるとともに、本体ユニット1に装着される多色現像部14に設けられたロータリ現像装置14D、および、ロータリ現像装置14Dのうち現像位置に配置された現像器に取り付けられた現像ロール14rにも伝達される。
【0066】
さらに、第1態様において、図示しないコンピュータ装置あるいはユーザインタフェース装置から供給される制御信号は、本体ユニット1に設けられた本体側制御部8に入力される。そして、本体側制御部8は、本体ユニット1に当初から設けられる本体側モータ80Mに制御信号を出力するとともに、本体ユニット1に当初から設けられる各部(帯電装置12、露光装置13、定着部40、用紙供給部50等)にも制御信号を出力する。さらに、本体側制御部8は、第1転写部20に設けられた第1転写側制御部28にも制御信号を出力する。そして、第1転写側制御部28は、第1転写部20に設けられる第1転写側モータ90Mに制御信号を出力するとともに、第1転写部20に設けられる各部(先端グリッパ22や後端グリッパ23の開閉機構等)にも制御信号を出力する。なお、第1転写側制御部28は、必要に応じて、本体側制御部8に制御信号を出力する。
【0067】
このように、第1態様に設定された画像形成装置では、本体ユニット1に設けられた本体側電源7に加え、第1転写部20に設けられた第1転写側電源27も用いて電力の供給を行う。また、第1態様に設定された画像形成装置では、本体ユニット1に設けられた本体側制御部8と第1転写部20に設けられた第1転写側制御部28とが、協同して制御を行う。
【0068】
図11は、図3に示す本体ユニット1に、図5に示す単色現像部16および図8に示す第2転写部30を装着して構成された、第2態様の画像形成装置における駆動系の配置を説明するための図である。
【0069】
第2態様に設定された画像形成装置では、第1態様の場合と同じく、本体ユニット1において、本体側モータ80Mが、本体側第1ギア81、本体側第2ギア82および本体側第3ギア83を介して感光体ドラム11と接続された状態となっている。したがって、第2態様においても、本体ユニット1に設けられた本体側モータ80Mが回転駆動されることにより、本体ユニット1に設けられた感光体ドラム11が回転する。
【0070】
第2態様に設定された画像形成装置では、本体ユニット1に設けられた感光体ドラム11の外周面が、第2転写部30に設けられた転写ロール31の外周面に接触する。ここで、転写ロール31の外径は、上述したように転写ドラム21の直径と比べて小さく設定されており、転写ロール31を回転させるのに必要な力は、転写ドラム21を回転させるのに必要な力よりも小さくて済む。このため、第2態様では、第1態様とは異なり、転写ロール31を回転させるための駆動源を独立して持たせないようにし、第2態様の画像形成装置の構成を簡略化している。そして、第2態様では、本体ユニット1に設けられた本体側モータ80Mが回転駆動されることによって感光体ドラム11が回転するのに伴い、感光体ドラム11から受けた駆動力によって転写ロール31が回転する。
【0071】
また、第2態様に設定された画像形成装置では、本体ユニット1に設けられた本体側第2ギア82と単色現像部16に設けられた単色現像第1ギア161とが噛み合うようになっている。したがって、第2態様では、本体ユニット1に設けられた本体側モータ80Mが回転駆動されることにより、上述した感光体ドラム11に加え、単色現像部16の単色現像器16Dに設けられた現像ロール16rも回転する。
【0072】
このように、第2態様に設定された画像形成装置では、当初から本体ユニット1に設けられている感光体ドラム11の機械的な駆動を、当初から本体ユニット1に設けられている本体側駆動部80を用いて行うとともに、本体ユニット1の現像受け部4(図3参照)に装着される単色現像部16の機械的な駆動、および、本体ユニット1の転写受け部5(図3参照)に装着される第2転写部30に設けられた転写ロール31の機械的な駆動も、当初から本体ユニット1に設けられている本体側駆動部80を用いて行う。
【0073】
図12は、第2態様に設定された画像形成装置における駆動系、電力供給系および制御系の関係を示すブロック図である。
第2態様において、図示しないコンセント等から供給される電力は、本体ユニット1に設けられた本体側電源7にのみ供給される。そして、本体側電源7は、当初から本体ユニット1に設けられる本体側モータ80Mに対し給電を行うとともに、当初から本体ユニット1に設けられる各部(帯電装置12、露光装置13、定着部40、用紙供給部50等)にも給電を行う。そして、本体側電源7は、本体ユニット1に装着された単色現像部16において単色現像器16Dに設けられた現像ロール16rに対し現像バイアスを供給し、且つ、本体ユニット1に装着された第2転写部30に設けられた転写ロール31に対し転写バイアスを供給する。
【0074】
また、第2態様において、本体ユニット1に設けられた本体側モータ80Mの駆動力は、本体ユニット1に設けられた感光体ドラム11、本体ユニット1に装着される単色現像部16に設けられた現像ロール16r、および、本体ユニット1に装着される第2転写部30に設けられた転写ロール31に、それぞれ伝達される。
【0075】
さらに、第2態様において、図示しないコンピュータ装置あるいはユーザインタフェース装置から供給される制御信号は、本体ユニット1に設けられた本体側制御部8に入力される。そして、本体側制御部8は、本体ユニット1に当初から設けられる本体側モータ80Mに制御信号を出力するとともに、本体ユニット1に当初から設けられる各部(帯電装置12、露光装置13、定着部40、用紙供給部50等)にも制御信号を出力する。
【0076】
このように、第2態様に設定された画像形成装置では、本体ユニット1に設けられた本体側電源7のみを用いて電力の供給を行う。また、第2態様に設定された画像形成装置では、本体ユニット1に設けられた本体側制御部8が、単独で制御を行う。
【0077】
では次に、本実施の形態の画像形成装置による画像形成動作について説明を行う。なお、図1に示す第1態様に設定された画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のうち、2色乃至4色のトナーを用いて1枚の用紙Sに多色画像を形成する動作と、イエロー、マゼンタ、シアンおよび黒のうち、1色のトナーを用いて1枚の用紙Sに単色画像を形成する動作とが実行可能である。以下では、前者を『多色モード』と呼び、後者を『単色モード』と呼ぶ。そして、ここでは、『多色モード』のうち、4色のトナーを用いて1枚の用紙Sにフルカラー画像を形成する場合を例とし、また、『単色モード』のうち、黒のトナーを用いて1枚の用紙Sにモノクロ画像を形成する場合を例とする。一方、図2に示す第2態様に設定された画像形成装置では、1色のトナーを用いて1枚の用紙Sに単色画像を形成する動作のみが実行可能である。以下では、これを『単色動作』と呼ぶ。そして、ここでは『単色動作』のうち、黒のトナーを用いて1枚の用紙Sにモノクロ画像を形成する場合を例とする。
【0078】
以下、第1態様に設定された画像形成装置における『多色モード』および『単色モード』、そして、第2態様に設定された画像形成装置における『単色動作』、のそれぞれについて具体的に説明する。なお、以下に説明する各例では、画像の形成対象となる用紙Sの大きさおよび向きが、すべて同じであるものとする。また、以下の説明においては、本体側制御部8および/または第1転写側制御部28を、単に「制御部」と呼ぶことにする。
【0079】
ここで、『多色モード』、『単色モード』および『単色動作』のすべてにおいて、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周速度を感光体周速度Vpと呼び、回転する供給ロール対54の周速度を供給周速度Vsと呼ぶ。また、『多色モード』および『単色モード』の両者において、矢印B方向に回転する転写ドラム21の周速度、そして、『単色動作』において、矢印B方向に回転する転写ロール31の周速度を、ともに転写周速度Vtと呼ぶ。なお、『多色モード』および『単色モード』の両者においては、感光体周速度Vpが転写周速度Vtよりも1%未満程度だけ高速に設定され、供給周速度Vsが転写周速度Vtよりも1%未満程度だけ高速に設定される。したがって、『多色モード』および『単色モード』の両者においては、Vt<Vp<Vsの関係が成立する。一方、『単色動作』においては、転写ロール31が感光体ドラム11に従動して回転し、供給周速度Vsが感光体周速度Vpよりも1%未満程度だけ高速に設定される。したがって、『単色動作』においては、Vp≒Vt<Vsの関係が成立する。
【0080】
[多色モード]
図13は、図1に示す第1態様にセットされた単色/多色兼用機としての画像形成装置を用い、1枚の用紙S上にイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒の4色を含むフルカラー画像を形成する、『多色モード』におけるタイミングチャートの一例を示している。
【0081】
ここで、図13は、時間の経過と、(a)感光体ドラム11の駆動(ON/OFF)と、(b)現像位置に配置される現像器と、(c)転写ドラム21の駆動(ON/OFF)と、(d)転写ドラム21に対する現像バイアスの印加(ON/OFF)と、(e)先端グリッパ22の状態(開/閉)と、(f)後端グリッパ23の状態(開/閉)と、(g)後端グリッパ23の駆動(ON/OFF)と、(h)供給ロール対54の駆動(ON/OFF)と、(i)供給ニップ部Nを通過する用紙Sと、(j)給紙位置Pを通過する用紙Sと、(k)転写位置Trを通過する用紙Sと、(l)転写位置Trを通過する感光体ドラム11上の画像との関係を示している。
【0082】
また、図13において、「Y」、「M」、「C」、「K」は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応している。さらに、図13において、「1st」、「2nd」、「3rd」、「4th」は、同一の用紙Sが、転写ドラム21の外周面における給紙位置Pおよび転写位置Trを通過する回数を示している。したがって、例えば図13(k)に示す「転写位置通過用紙」における「S(2nd)」は、一度転写位置Trを通過した用紙Sが、再び(2度目に)転写位置Trを通過していることを意味するものとなっている。
【0083】
さらに、多色モードによるフルカラーの画像形成動作が開始される前の初期状態では、感光体ドラム11、転写ドラム21、そして供給ロール対54の駆動が、すべてOFFになっている。また、初期状態では、転写ドラム21に対する転写バイアスの供給もOFFになっている。さらに、初期状態では、先端グリッパ22および後端グリッパ23が、ともに開状態に設定されている。さらにまた、第1態様では、本体ユニット1にロータリ現像装置14Dを備えた多色現像部14が取り付けられていることから、初期状態では黒の現像器14Kが現像位置に配置された状態で停止している(図1参照)。また、第1態様における初期状態では、本体ユニット1に第1転写部20が取り付けられていることから、後端グリッパ23が待機位置に配置された状態で停止している(図1参照)。
【0084】
多色モードでの画像形成動作の開始に伴い、制御部は、感光体ドラム11および転写ドラム21の駆動をOFFからONに切り替えることで、感光体ドラム11を感光体周速度Vpで、また、転写ドラム21を転写周速度Vtで、それぞれ回転させる。このとき、感光体ドラム11および転写ドラム21は、互いに接触した状態で転写位置Trにおいて同じ方向に回転する。
【0085】
次に、制御部は、ロータリ現像装置14Dを回転させ、現像位置にイエローの現像器14Yを配置させる。そして、制御部は、帯電装置12、露光装置13および現像位置にある現像器(ここではイエローの現像器14Y)を駆動させる。これに伴い、回転する感光体ドラム11の感光層が帯電装置12によって帯電された後、露光装置13による露光が行われることにより、感光体ドラム11には静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム11上に形成された静電潜像がイエローの現像器14Yによって現像され、感光体ドラム11上には静電潜像に対応したイエローのトナー像が形成される。その後、感光体ドラム11上に形成されたイエローのトナー像は、感光体ドラム11の更なる回転に伴い、転写位置Trに向かって移動していく。
【0086】
一方、多色モードでの画像形成動作の開始に対応して、制御部は用紙供給部50から用紙Sの供給を行わせる。より具体的に説明すると、制御部は、用紙収容部51に収容された用紙Sを、取り出しロール52によって取り出し、捌きロール53によって1枚ずつに捌くことで給紙経路61内に進入させる。このとき、制御部は、供給ロール対54の駆動をOFFのままとしており、給紙経路61内に進入してきた用紙Sの用紙先端は、供給ロール対54における供給ニップ部Nの入口側に突き当たった状態で停止し、この用紙Sの斜行補正がなされる。そして、制御部は、回転する転写ドラム21に取り付けられた先端グリッパ22が給紙位置Pに到達する際に、この用紙Sの用紙先端が給紙位置Pに到達するように、供給ロール対54の駆動をOFFからONに切り替えることで、供給ロール対54を供給速度Vsで回転させる。これに伴い、用紙Sの供給が再開され、用紙Sは供給ニップ部Nを通過しつつ、給紙経路61を介して給紙位置Pに到達する。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が給紙位置Pに到達するのに合わせて、先端グリッパ22を開状態から閉状態へと移行させる。これにより、用紙Sの用紙先端は、転写ドラム21に機械的に把持される。このとき、用紙Sの用紙先端側は、転写ドラム21の弾性層21Bに巻き付いた状態で回転経路62に沿って搬送され、この用紙Sの用紙後端側は、供給ロール対54による供給ニップ部Nにてニップされた状態で、給紙経路61に沿って搬送されることになる。
【0087】
次に、先端グリッパ22によって転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙先端は、給紙位置Pを通過し且つ待機位置にて停止状態を維持する後端グリッパ23をくぐり抜けた後、転写位置Trに到達する(1回目)。このとき、制御部は、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、感光体ドラム11上のイエローのトナー像の形成領域の移動方向先端が転写位置Trに到達するように、位相センサ(図示せず)からの位相信号に基づいて露光装置13の制御を行っている。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する前に、転写ドラム21に印加する転写バイアスをOFFからONに切り替える。これにより、転写位置Trでは、用紙Sに対するイエローのトナー像の転写(1色目)が開始される。
【0088】
また、この例では、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達した後、この用紙Sの用紙後端が供給ニップ部Nを通過し、さらに給紙位置Pも通過する。このとき、制御部は、用紙Sの用紙後端が供給ニップ部Nを通過した後に、供給ロール対54の駆動をONからOFFに切り替えることで、供給ロール対54の回転を停止させる。そして、制御部は、この用紙Sの用紙後端が、待機位置で停止している後端グリッパ23との対向部に到達するのに合わせて、後端グリッパ23を開状態から閉状態へと移行させ、且つ、後端グリッパ23を、転写ドラム21と同じ方向に同じ転写周速度Vtで回転させる。これにより、用紙Sの用紙後端は、転写ドラム21に機械的に把持される。これに伴い、この用紙Sは、その用紙先端が先端グリッパ22によって、また、その用紙後端が後端グリッパ23によって、それぞれ把持されることになる。その結果、用紙Sの全体が、転写ドラム21の弾性層21Bに巻き付いた状態で、回転経路62に沿って搬送される。
【0089】
さらに、この例では、用紙Sの用紙後端が給紙位置Pに到達した後、この用紙Sに対応するイエローのトナー像の現像が終了する。また、これに続いて、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過する。そして、制御部は、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過するのに合わせて、転写ドラム21に印加する転写バイアスをONからOFFに切り替える。これにより、用紙Sに対するイエローのトナー像の転写を終了する。また、この例では、用紙Sに対するイエローのトナー像の転写が終了するのに伴って、制御部がロータリ現像装置14Dを駆動させ、現像位置に配置された現像器の切り替え(イエローの現像器14Yからマゼンタの現像器14Mへの切り替え)を行う。そして、制御部は、感光体ドラム11に対するマゼンタのトナー像の形成を開始させる。
【0090】
ここで、転写ドラム21に転写バイアスが印加されている期間において、転写位置Trを、感光体ドラム11に形成されたイエローの画像(図13(l)に示すY)が通過することになり、また、用紙Sが1回目の通過を行う(図13(k)に示すS(1st))ことになる。
【0091】
転写ドラム21の回転に伴って転写ドラム21の露出部21Cが転写位置Trを通過した後、転写ドラム21に把持されることで回転経路62内を移動する用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する(2回目)。このとき、制御部は、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、感光体ドラム11上のマゼンタのトナー像の形成領域の移動方向先端が転写位置Trに到達するように、位相センサ(図示せず)からの位相信号に基づいて露光装置13およびロータリ現像装置14の制御を行っている。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する前に、転写ドラム21に印加する転写バイアスをOFFからONに切り替える。これにより、転写位置Trでは、用紙Sに対するマゼンタのトナー像の転写(2色目)が開始される。
【0092】
また、この例では、用紙Sの用紙後端が給紙位置Pに到達した後、この用紙Sに対応するマゼンタのトナー像の現像が終了する。また、これに続いて、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過する。そして、制御部は、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過するのに合わせて、転写ドラム21に印加する転写バイアスをONからOFFに切り替える。これにより、用紙Sに対するマゼンタのトナー像の転写を終了する。また、この例では、用紙Sに対するマゼンタのトナー像の転写が終了するのに伴って、制御部がロータリ現像装置14Dを駆動させ、現像位置に配置された現像器の切り替え(マゼンタの現像器14Mからシアンの現像器14Cへの切り替え)を行う。そして、制御部は、感光体ドラム11に対するシアンのトナー像の形成を開始させる。
【0093】
ここで、転写ドラム21に転写バイアスが印加されている期間において、転写位置Trを、感光体ドラム11に形成されたマゼンタの画像(図13(l)に示すM)が通過することになり、また、用紙Sが2回目の通過を行う(図13(k)に示すS(2nd))ことになる。
【0094】
転写ドラム21の回転に伴って転写ドラム21の露出部21Cが転写位置Trを通過した後、転写ドラム21に把持されることで回転経路62内を移動する用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する(3回目)。このとき、制御部は、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、感光体ドラム11上のシアンのトナー像の形成領域の移動方向先端が転写位置Trに到達するように、位相センサ(図示せず)からの位相信号に基づいて露光装置13およびロータリ現像装置14の制御を行っている。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する前に、転写ドラム21に印加する転写バイアスをOFFからONに切り替える。これにより、転写位置Trでは、用紙Sに対するシアンのトナー像の転写(3色目)が開始される。
【0095】
また、この例では、用紙Sの用紙後端が給紙位置Pに到達した後、この用紙Sに対応するシアンのトナー像の現像が終了する。また、これに続いて、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過する。そして、制御部は、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過するのに合わせて、転写ドラム21に印加する転写バイアスをONからOFFに切り替える。これにより、用紙Sに対するシアンのトナー像の転写を終了する。また、この例では、用紙Sに対するシアンのトナー像の転写が終了するのに伴って、制御部がロータリ現像装置14Dを駆動させ、現像位置に配置された現像器の切り替え(シアンの現像器14Cから黒の現像器14Kへの切り替え)を行う。そして、制御部は、感光体ドラム11に対する黒のトナー像の形成を開始させる。
【0096】
ここで、転写ドラム21に転写バイアスが印加されている期間において、転写位置Trを、感光体ドラム11に形成されたシアンの画像(図13(l)に示すC)が通過することになり、また、用紙Sが3回目の通過を行う(図13(k)に示すS(3rd))ことになる。
【0097】
転写ドラム21の回転に伴って転写ドラム21の露出部21Cが転写位置Trを通過した後、転写ドラム21に把持されることで回転経路62内を移動する用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する(4回目)。このとき、制御部は、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、感光体ドラム11上の黒のトナー像の形成領域の移動方向先端が転写位置Trに到達するように、位相センサ(図示せず)からの位相信号に基づいて露光装置13およびロータリ現像装置14の制御を行っている。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する前に、転写ドラム21に印加する転写バイアスをOFFからONに切り替える。これにより、転写位置Trでは、用紙Sに対する黒のトナー像の転写(4色目)が開始される。
【0098】
また、この例では、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、制御部が、先端グリッパ22を閉状態から開状態へと移行させる。これにより、用紙Sの用紙先端の把持が解除されることとなり、転写位置Trを通過した用紙Sは回転経路62から離れ、本体ユニット1に設けられた定着ガイド71に案内されつつ、排紙経路63に沿って定着部40に向けて移動していく。この用紙Sが定着部40の定着ニップ部を通過していくことにより、用紙Sに重ね転写されたフルカラートナー像は、用紙Sに定着される。
【0099】
そして、この例では、用紙Sの用紙後端が給紙位置Pに到達した後、この用紙Sに対応する黒のトナー像の現像が終了する。また、これに続いて、用紙Sの用紙後端が待機位置に到達するのに合わせて、制御部は、後端グリッパ23を閉状態から開状態へと移行させ、且つ、後端グリッパ23の回転を停止させる。これにより、用紙Sの用紙後端の把持が解除され、後端グリッパ23は再び待機位置で停止することになる。そして、制御部は、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過した後に、転写ドラム21に印加する転写バイアスをONからOFFに切り替える。これにより、用紙Sに対する黒のトナー像の転写を終了する。
その後、用紙Sは、定着部40を通過し、排紙ロール対72によって搬送されることで、排紙経路63を介して排紙積載部3に積載される。
【0100】
ここで、転写ドラム21に転写バイアスが印加されている期間において、転写位置Trを、感光体ドラム11に形成された黒の画像(図13(k)に示すK)が通過することになり、また、第2用紙S2が4回目の通過を行う(図13(l)に示すS(4th))ことになる。
【0101】
[単色モード]
図14は、図1に示す第1態様にセットされた単色/多色兼用機としての画像形成装置を用い、1枚の用紙S上に黒のモノクロ画像を形成する、『単色モード』におけるタイミングチャートの一例を示している。なお、図14に示す各符号、各構成要素の前提条件および初期状態は、図13を用いて説明した『多色モード』と同じである。
【0102】
単色モードでの画像形成動作の開始に伴い、制御部は、感光体ドラム11および転写ドラム21の駆動をOFFからONに切り替えることで、感光体ドラム11を感光体周速度Vpで、また、転写ドラム21を転写周速度Vtで、それぞれ回転させる。このとき、感光体ドラム11および転写ドラム21は、互いに接触した状態で転写位置Trにおいて同じ方向に回転する。
【0103】
また、単色モードにおいて黒の画像を形成する場合、制御部は、現像位置に黒の現像器14Kが停止しているロータリ現像装置14Dを回転させることなく、帯電装置12、露光装置13および現像位置にある現像器(ここでは黒の現像器14K)を駆動させる。これに伴い、回転する感光体ドラム11の感光層が帯電装置12によって帯電された後、露光装置13による露光が行われることにより、感光体ドラム11には静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム11上に形成された静電潜像が黒の現像器14Kによって現像され、感光体ドラム11上には静電潜像に対応した黒のトナー像が形成される。その後、感光体ドラム11上に形成された黒のトナー像は、感光体ドラム11の更なる回転に伴い、転写位置Trに向かって移動していく。
【0104】
一方、単色モードでの画像形成動作の開始に対応して、制御部は用紙供給部50から用紙Sの供給を行わせる。より具体的に説明すると、制御部は、用紙収容部51に収容された用紙Sを、取り出しロール52によって取り出し、捌きロール53によって1枚ずつに捌くことで給紙経路61内に進入させる。このとき、制御部は、供給ロール対54の駆動をOFFのままとしており、給紙経路61内に進入してきた用紙Sの用紙先端は、供給ロール対54における供給ニップ部Nの入口側に突き当たった状態で停止し、この用紙Sの斜行補正がなされる。そして、制御部は、回転する転写ドラム21に取り付けられた先端グリッパ22が給紙位置Pに到達する際に、この用紙Sの用紙先端が給紙位置Pに到達するように、供給ロール対54の駆動をOFFからONに切り替えることで、供給ロール対54を供給速度Vsで回転させる。これに伴い、用紙Sの供給が再開され、用紙Sは供給ニップ部Nを通過しつつ、給紙経路61を介して給紙位置Pに到達する。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が給紙位置Pに到達するのに合わせて、先端グリッパ22を開状態から閉状態へと移行させる。これにより、用紙Sの用紙先端は、転写ドラム21に機械的に把持される。このとき、用紙Sの用紙先端側は、転写ドラム21の弾性層21Bに巻き付いた状態で回転経路62に沿って搬送され、この用紙Sの用紙後端側は、供給ロール対54による供給ニップ部Nにてニップされた状態で、給紙経路61に沿って搬送されることになる。
【0105】
次に、先端グリッパ22によって転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙先端は、給紙位置Pを通過し且つ待機位置にて停止状態を維持する後端グリッパ23をくぐり抜けた後、転写位置Trに到達する(1回目)。このとき、制御部は、転写ドラム21に把持された用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、感光体ドラム11上の黒のトナー像の形成領域の移動方向先端が転写位置Trに到達するように、位相センサ(図示せず)からの位相信号に基づいて露光装置13の制御を行っている。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達する前に、転写ドラム21に印加する転写バイアスをOFFからONに切り替える。これにより、転写位置Trでは、用紙Sに対する黒のトナー像の転写(1色目)が開始される。
【0106】
また、この例では、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、制御部が、先端グリッパ22を閉状態から開状態へと移行させる。これにより、用紙Sの用紙先端の把持が解除されることとなり、転写位置Trを通過した用紙Sは回転経路62から離れ、本体ユニット1に設けられた定着ガイド71に案内されつつ、排紙経路63に沿って定着部40に向けて移動していく。この用紙Sが定着部40の定着ニップ部を通過していくことにより、用紙Sに転写された黒のトナー像は、用紙Sに定着される。
【0107】
さらに、この例では、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達した後、この用紙Sの用紙後端が供給ニップ部Nを通過し、さらに給紙位置Pも通過する。このとき、制御部は、用紙Sの用紙後端が供給ニップ部Nを通過した後に、供給ロール対54の駆動をONからOFFに切り替えることで、供給ロール対54の回転を停止させる。その後、用紙Sの後端は、待機位置で停止している後端グリッパ23との対向部を通過するが、単色モードにおいて、制御部は、後端グリッパ23を開状態のままに維持させる。
【0108】
さらにまた、この例では、用紙Sの用紙後端が給紙位置Pに到達した後、この用紙Sに対応する黒のトナー像の現像が終了する。また、これに続いて、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過する。そして、制御部は、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過した後に、転写ドラム21に印加する転写バイアスをONからOFFに切り替える。これにより、用紙Sに対する黒のトナー像の転写を終了する。また、この例では、用紙Sに対する黒のトナー像の転写が終了しても、制御部は、ロータリ現像装置14Dを回転させないようにし、現像位置に黒の現像器14Kを停止させたままとする。
その後、用紙Sは、定着部40を通過し、排紙ロール対72によって搬送されることで、排紙経路63を介して排紙積載部3に積載される。
【0109】
ここで、転写ドラム21に転写バイアスが印加されている期間において、転写位置Trを、感光体ドラム11に形成された黒の画像(図14(l)に示すK)が通過することになり、また、用紙Sが1回目の通過を行う(図14(k)に示すS(1st))ことになる。
【0110】
このように、単色モードでは、多色モードとは異なり、ロータリ現像装置14Dの回転による現像器の交換、後端グリッパ23による用紙Sの把持および後端グリッパ23の回転駆動を行わない。
【0111】
[単色動作]
図15は、図2に示す第2態様にセットされた単色専用機としての画像形成装置を用い、1枚の用紙S上に黒のモノクロ画像を形成する『単色動作』におけるタイミングチャートの一例を示している。
【0112】
ここで、図15は、時間の経過と、(a)感光体ドラム11の駆動(ON/OFF)と、(b)現像位置に配置される現像器と、(d)転写ロール31に対する現像バイアスの印加(ON/OFF)と、(h)供給ロール対54の駆動(ON/OFF)と、(i)供給ニップ部Nを通過する用紙Sと、(j)給紙位置Pを通過する用紙Sと、(k)転写位置Trを通過する用紙Sと、(l)転写位置Trを通過する感光体ドラム11上の画像との関係を示している。なお、図13および図14に対する図15の相違点は、転写ドラム21に代えて転写ロール31が設けられているために、(c)転写ドラム21の駆動、(e)先端グリッパ22の状態、(f)後端グリッパ23の状態、(g)後端グリッパ23の駆動が存在しないこと、そして、(d)転写バイアスが、転写ドラム21ではなく転写ロール31に供給されるものであること、である。
【0113】
また、単色によるモノクロの画像形成動作が開始される前の初期状態では、感光体ドラム11および供給ロール対54の駆動がOFFになっている。また、初期状態では、転写ロール31に対する転写バイアスの供給もOFFになっている。さらに、第2態様では、本体ユニット1に単色現像器16Dを備えた単色現像部16が取り付けられていることから、黒のトナーを内蔵する単色現像器16が常に現像位置に配置される(図2参照)。
【0114】
画像形成動作の開始に伴い、制御部は、感光体ドラム11の駆動をOFFからONに切り替えることで、感光体ドラム11を感光体周速度Vpで回転させる。また、感光体ドラム11が回転を開始するのに伴い、転写ロール31は転写位置Trにて感光体ドラム11から受ける駆動力により転写周速度Vt(≒感光体周速度Vp)で回転を開始する。このとき、感光体ドラム11および転写ロール31は、互いに接触した状態で転写位置Trにおいて同じ方向に回転する。
【0115】
次に、制御部は、帯電装置12、露光装置13および単色現像器16を駆動させる。これに伴い、回転する感光体ドラム11の感光層が帯電装置12によって帯電された後、露光装置13による露光が行われることにより、感光体ドラム11には静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム11上に形成された静電潜像が単色現像器16によって現像され、感光体ドラム11上には静電潜像に対応した単色(ここでは黒)のトナー像が形成される。その後、感光体ドラム11上に形成された黒のトナー像は、感光体ドラム11の更なる回転に伴い、転写位置Trに向かって移動していく。
【0116】
一方、画像形成動作の開始に対応して、制御部は用紙供給部50から用紙Sの供給を行わせる。より具体的に説明すると、制御部は、用紙収容部51に収容された用紙Sを、取り出しロール52によって取り出し、捌きロール53によって1枚ずつに捌くことで給紙経路61内に進入させる。このとき、制御部は、供給ロール対54の駆動をOFFのままとしており、給紙経路61内に進入してきた用紙Sの用紙先端は、供給ロール対54における供給ニップ部Nの入口側に突き当たった状態で停止し、この用紙Sの斜行補正がなされる。そして、制御部は、用紙Sの斜行補正がなされた状態で、供給ロール対54の駆動をOFFからONに切り替えることで、供給ロール対54を供給速度Vsで回転させる。これに伴い、用紙Sの供給が再開され、用紙Sは供給ニップ部Nを通過しつつ、給紙経路61を介して給紙位置Pに到達する。
【0117】
次に、給紙位置Pを通過した用紙Sの用紙先端は、第2転写部30に設けられた入口側ガイド32に案内されながら転写位置Trに到達する(1回目)。このとき、制御部は、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、感光体ドラム11上の黒のトナー像の形成領域の移動方向先端が転写位置Trに到達するように、露光装置13および供給ロール対54の制御を行っている。そして、制御部は、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達するのに合わせて、転写ロール31に印加する転写バイアスをOFFからONに切り替える。これにより、転写位置Trでは、用紙Sに対する黒のトナー像の転写(1色目)が開始される。また、転写位置Trを通過した用紙Sは、第2転写部30に設けられた出口側ガイド33および本体ユニット1に設けられた定着ガイド70に案内されつつ、排紙経路63に沿って定着部40に向けて移動する。この用紙Sが定着ニップ部を通過していくことにより、用紙Sに転写された黒のトナー像は、用紙Sに定着される。
【0118】
さらに、この例では、用紙Sの用紙先端が転写位置Trに到達した後、この用紙Sの用紙後端が供給ニップ部Nを通過し、さらに給紙位置Pを通過する。このとき、制御部は、用紙Sの用紙後端が供給ニップ部Nを通過した後に、供給ロール対54の駆動をONからOFFに切り替えることで、供給ロール対54の回転を停止させる。
【0119】
さらにまた、この例では、用紙Sの用紙後端が供給ニップ部Nを通過した後、この用紙Sに対する黒のトナー像の現像が終了する。また、これに続いて、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過する。そして、制御部は、用紙Sの用紙後端が転写位置Trを通過するのに合わせて、転写ロール31に印加する転写バイアスをONからOFFに切り替える。これにより、用紙Sに対する黒のトナー像の転写を終了する。
その後、用紙Sは、定着部40を通過し、排紙ロール対72によって搬送されることで、排紙経路63を介して排紙積載部3に積載される。
【0120】
ここで、転写ロール31に転写バイアスが印加されている期間において、転写位置Trを、感光体ドラム11に形成された黒の画像(図15(k)に示すK)が通過することになり、また、用紙Sが1回目の通過を行う(図15(l)に示すS(1st))ことになる。
【0121】
なお、本実施の形態では、第1態様に設定された画像形成装置および第2態様に設定された画像形成装置の両者において、本体ユニット1側に設けられた本体側電源7から、現像バイアスおよび転写バイアスを供給していたが、これに限られない。例えば第1態様に設定された画像形成装置においては、第1転写部20に設けられた第1転写側電源27を用いて、現像バイアスおよび転写バイアスの供給を行うようにする一方、例えば第2態様に設定された画像形成装置においては、本体ユニット1に設けられた本体側電源7を用いて、現像バイアスおよび転写バイアスの供給を行うようにしてもかまわない。
【0122】
また、本実施の形態では、第1転写部20に第1転写側制御部28を設けるとともに、画像形成装置が第1態様に設定された場合に、本体ユニット1に設けられた本体側制御部8と第1転写部20に設けられた第1転写側制御部28とが協同して、各部の制御を行うようにしていたが、これに限られない。例えば、第1転写部20に制御部を設けないようにし、第1態様に設定された画像形成装置および第2態様に設定された画像形成装置の両者において、本体ユニット1に設けられた本体側制御部8のみを用いて、各部の制御を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0123】
1…本体ユニット、2…本体フレーム、3…排紙積載部、4…現像受け部、5…転写受け部、7…本体側電源、8…本体側制御部、10…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…露光装置、14…多色現像部、14D…ロータリ現像装置、14Y…イエローの現像器、14M…マゼンタの現像器、14C…シアンの現像器、14K…黒の現像器、14a…回転軸、14r…現像ロール、15…清掃装置、16…単色現像部、16D…単色現像器、16r…現像ロール、20…第1転写部、21…転写ドラム、22…先端グリッパ、23…後端グリッパ、25…駆動ロール、27…第1転写側電源、28…第1転写側制御部、30…第2転写部、31…転写ロール、40…定着部、50…用紙供給部、80…本体側駆動部、90…第1転写側駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に設けられる像保持体と、
前記像保持体を回転駆動する像保持体駆動部と、
前記像保持体に静電潜像を形成する潜像形成部と、
前記潜像形成部によって前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像する現像部が装着される現像装着部と、
前記像保持体に対向して回転可能に設けられ、前記潜像形成部および前記現像装着部に取り付けられた前記現像部によって当該像保持体に形成された画像を、当該像保持体と対向する転写位置において当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に転写する転写部が装着される転写装着部と
を含む本体部を備え、
前記本体部に設けられた前記現像装着部には、前記現像部として、複数の現像器を有する第1現像部、または、単数の現像器を有する第2現像部が取り付け可能であり、
前記本体部に設けられた前記転写装着部には、前記転写部として、前記記録材を保持する機能を備え且つ回転可能に設けられる第1転写部材と当該第1転写部材を回転駆動する第1転写駆動部とを含む第1転写部、または、当該記録材を保持する機能を備えず且つ回転可能に設けられる第2転写部材を含む第2転写部が取り付け可能であって、
前記本体部に設けられた前記現像装着部に前記第1現像部が装着され且つ当該本体部に設けられた前記転写装着部に前記第1転写部が装着される場合に、当該第1転写部に設けられた前記第1転写駆動部と当該第1現像部とが機械的に接続されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記本体部に設けられた前記現像装着部に前記第2現像部が装着され且つ当該本体部に設けられた前記転写装着部に前記第2転写部が装着される場合に、当該本体部に設けられた前記像保持体駆動部と前記第2現像部とが機械的に接続されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1現像部は、前記複数の現像器が軸を中心として回転するとともに、前記像保持体と対向する現像位置で当該複数の現像器のうちのいずれかの現像器が停止するロータリ現像部を有するとともに、当該複数の現像器は、回転可能に設けられた回転部材をそれぞれ含み、
前記本体部において前記現像装着部に前記第1現像部が装着され且つ前記転写装着部に前記第1転写部が装着される場合に、当該第1転写部に設けられた前記第1転写駆動部を用いて、前記軸を中心として前記ロータリ現像部を回転/停止させることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1現像部は、前記複数の現像器が軸を中心として回転するとともに、前記像保持体と対向する現像位置で当該複数の現像器のうちのいずれかの現像器が停止するロータリ現像部を有するとともに、当該複数の現像器は、回転可能に設けられた回転部材をそれぞれ含み、
前記本体部において前記現像装着部に前記第1現像部が装着され且つ前記転写装着部に前記第1転写部が装着される場合に、当該第1転写部に設けられた前記第1転写駆動部を用いて、前記現像位置で停止した現像器に設けられた前記回転部材を回転駆動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記像保持体駆動部に給電を行う本体側電源をさらに含み、
前記第1転写部は、前記本体部に設けられた前記転写装着部に装着された場合に、前記第1転写駆動部に給電を行う第1転写側電源をさらに含むこと
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記本体部は、前記像保持体駆動部を制御する本体側制御部をさらに含み、
前記第1転写部は、前記本体部に設けられた前記転写装着部に装着された場合に、前記第1転写駆動部を制御する第1転写側制御部をさらに含むこと
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1転写部に設けられる前記第1転写部材の径が、前記第2転写部に設けられる前記第2転写部材の径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
回転する像保持体と、当該像保持体に静電潜像を形成する潜像形成部と、当該潜像形成部によって当該像保持体に形成された静電潜像を現像する現像部が装着される現像装着部とを備え、且つ、当該現像装着部には、当該現像部として、複数の現像器を有する第1現像部または単数の現像器を有する第2現像部が取り付け可能な画像形成装置に装着された場合に、当該像保持体に形成された画像を、当該像保持体と対向する転写位置において当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に転写する転写装置であって、
外周面に記録材を保持する機能を備えるとともに回転可能に設けられ、前記画像形成装置に装着された場合に前記像保持体に接触する記録材保持体と、
前記記録材を回転駆動するとともに、前記第1現像部が取り付けられた前記画像形成装置に装着された場合に、さらに当該第1現像部を機械的に駆動する駆動源と
を含む転写装置。
【請求項9】
前記記録材保持体は、前記外周面および内周面を有する円筒状の形状を備え、
前記記録材保持体の前記外周面に接触して配置され、当該記録材保持体を回転可能に支持する支持部材と、
前記記録材保持体の前記内周面に回転可能に接触して配置され、前記駆動源からの駆動力を当該記録材保持体に伝達する伝達部材と
をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の転写装置。
【請求項10】
前記記録材保持体の内側に配置され、前記駆動源に給電を行う電源をさらに含むことを特徴とする請求項9記載の転写装置。
【請求項11】
前記記録材保持体の内側に配置され、前記駆動源を制御する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項9または10記載の転写装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−203308(P2012−203308A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69717(P2011−69717)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】